JP4019953B2 - 電圧変換装置、電圧変換方法、電力供給方法および電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

電圧変換装置、電圧変換方法、電力供給方法および電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換装置、直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換方法、電気負荷に電力を供給する電力供給方法および電気負荷への電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流に変換し、その変換した交流によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給される。
【0005】
すなわち、ハイブリッド自動車または電気自動車は、図20に示すモータ駆動装置を搭載することが提案されている(特開平8−214592号公報参照)。図20を参照して、モータ駆動装置300は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、双方向コンバータ310と、電圧センサー320と、インバータ330とを備える。
【0006】
直流電源Bは、直流電圧を出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置(図示せず)によってオンされると、直流電源Bからの直流電圧をコンデンサC1に供給する。コンデンサC1は、直流電源BからシステムリレーSR1,SR2を介して供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を双方向コンバータ310へ供給する。
【0007】
双方向コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312のエミッタとNPNトランジスタ313のコレクタとに接続される。NPNトランジスタ312,313は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315が配置されている。
【0008】
双方向コンバータ310は、制御装置(図示せず)によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC2に供給する。また、双方向コンバータ310は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧して直流電源Bへ供給する。
【0009】
コンデンサC2は、双方向コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。電圧センサー320は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、双方向コンバータ310の出力電圧Vmを検出する。
【0010】
インバータ330は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して双方向コンバータ310へ供給する。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−214592号公報
【0012】
【特許文献2】
特開2000−50668号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のモータ駆動装置300においては、モータトルクおよびモータ回転数が急激に増加すると、双方向コンバータ310の現在の出力電圧V0を急激に目標電圧V1に上昇させる必要がある。そうすると、双方向コンバータ310は、コンデンサC2の蓄積エネルギーの増加分Pc=C((V1)2−(V0))2/2(C:コンデンサC2の容量)と、交流モータM1における消費パワーPmとの和をコンデンサC2およびインバータ330に供給する必要があり、直流電源BからコンデンサC2側に過電流が流れる。その結果、直流電源Bからの直流電圧を昇圧する双方向コンバータ310の回路素子に対する耐電流要求を高くせざるを得ず、コストダウンにつながらないという問題がある。
【0014】
また、目標電圧V1が高い場合には、充電パワーPcと消費パワーPmとの和をコンデンサC2側に供給することが困難な場合もあり、交流モータM1の制御が破綻する可能性もある。そして、これらの問題は、コンデンサC2の容量が大きくなればなるほど、顕著になる。
【0015】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、出力電圧の電圧指令値が急激に増加しても、昇圧動作を行なう回路素子に過電流が流れないように電気負荷に電力を供給する電圧変換装置を提供することである。
【0016】
また、この発明の別の目的は、出力電圧の電圧指令値が急激に増加しても、昇圧動作を行なう回路素子に過電流が流れないように電圧変換を行なう電圧変換方法を提供することである。
【0017】
さらに、この発明の別の目的は、出力電圧の電圧指令値が急激に増加しても、昇圧動作を行なう回路素子に過電流が流れないように電気負荷に電力を供給する電力供給方法を提供することである。
【0018】
さらに、この発明の別の目的は、出力電圧の電圧指令値が急激に増加しても、昇圧動作を行なう回路素子に過電流が流れないような電力供給の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、電圧変換装置は、電圧変換器と、電気負荷と、制御手段とを備える。電圧変換器は、直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する。電気負荷は、出力電圧によって駆動される。制御手段は、電気負荷への現在の入力電圧と出力電圧の目標電圧との電圧差が基準値よりも大きいとき、電力消費を抑制するように電気負荷を制御し、直流電圧から出力電圧への電圧変換を継続するように電圧変換器を制御する。
【0020】
好ましくは、制御手段は、昇圧動作によって供給可能な電力の最大値を電気負荷側へ供給するように電圧変換器を制御する。
【0021】
好ましくは、電気負荷は、モータと、駆動装置とを含む。駆動装置は、出力電圧を受けてモータを駆動する。そして、制御手段は、モータの出力トルクを抑制するように駆動装置を制御する。
【0022】
好ましくは、制御手段は、モータの出力トルクを零にするように駆動装置を制御する。
【0023】
好ましくは、制御手段は、電圧差が基準値よりも大きくなったときの出力トルクを保持するように駆動装置を制御する。
【0024】
好ましくは、電圧変換装置は、電力供給手段をさらに備える。電力供給手段は、電圧差が基準値以上のとき、直流電源と異なる経路から電気負荷へ電力を供給する。そして、制御手段は、昇圧動作によって電圧変換器が供給可能な電力の最大値と電力供給手段によって供給される供給電力との電力差を補うように電圧変換器を制御する。
【0025】
好ましくは、電気負荷は、モータと、駆動装置とを含む。駆動装置は、出力電圧を受けてモータを駆動する。そして、制御手段は、モータの出力トルクを抑制するように駆動装置を制御する。
【0026】
好ましくは、制御手段は、モータの出力トルクを零にするように駆動装置を制御する。
【0027】
また、この発明によれば、電圧変換装置は、電圧変換器と、電気負荷と、電力供給手段と、制御手段とを備える。電圧変換器は、直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する。電気負荷は、出力電圧によって駆動される。電力供給手段は、電気負荷への現在の入力電圧と出力電圧の目標電圧との電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電源と異なる経路から電気負荷へ電力を供給する。制御手段は、電圧差が基準値よりも大きいとき、電気負荷に供給される供給電力を増加するように電力供給手段を制御する。
【0028】
好ましくは、電圧変換装置は、容量素子をさらに備える。容量素子は、電気負荷の入力側に接続される。電力供給手段は、制御手段からの制御に従って容量素子の両端の電圧が目標電圧になるように供給電力を増加する。
【0029】
好ましくは、制御手段は、直流電圧から出力電圧への電圧変換を継続するように電圧変換器をさらに制御する。
【0030】
好ましくは、電圧変換器は、少なくとも1組のスイッチング素子を有するチョッパ回路を含み、制御手段は、電圧差が基準値よりも大きいとき、チョッパ回路をさらに遮断する。
【0031】
好ましくは、制御手段は、容量素子の両端の電圧が目標電圧に達すると、チョッパ回路の遮断を解除する。
【0032】
好ましくは、電気負荷は、モータと、インバータとを含む。インバータは、出力電圧を受けてモータを駆動する。そして、電力供給手段は、インバータに対して発電電力を供給する発電機である。
【0033】
さらに、この発明によれば、電圧変換方法は、直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器における電圧変換方法であって、出力電圧によって駆動される電気負荷への現在の入力電圧と出力電圧の目標電圧との電圧差が基準値以下のとき、出力電圧が目標電圧になるように直流電圧から出力電圧への電圧変換を行なう第1のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、昇圧動作によって供給可能な電力の最大値を電気負荷側へ供給するように電圧変換を行なう第2のステップとを含む。
【0034】
さらに、この発明によれば、電圧変換方法は、直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器における電圧変換方法であって、出力電圧によって駆動される電気負荷への現在の入力電圧と出力電圧の目標電圧との電圧差が基準値以下のとき、出力電圧が目標電圧になるように直流電圧から出力電圧への電圧変換を行なう第1のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、昇圧動作によって供給可能な電力の最大値と、直流電源と異なる経路から電気負荷に供給される供給電力との電力差を電気負荷側へ供給するように電圧変換を行なう第2のステップとを含む。
【0035】
好ましくは、電力の最大値は、直流電源から持ち出し可能な電力量および電圧変換器に含まれるスイッチング素子に流れる電流の最大値のいずれかに基づいて決定される。
【0036】
さらに、この発明によれば、電圧変換方法は、直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器における電圧変換方法であって、出力電圧によって駆動される電気負荷への現在の入力電圧と出力電圧の目標電圧との電圧差が基準値以下のとき、出力電圧が目標電圧になるように直流電圧から出力電圧への電圧変換を行なう第1のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、電圧差が基準値を超えたときの電圧指令値を保持して電圧変換を行なう第2のステップとを含む。
【0037】
好ましくは、電圧変換方法は、電圧変換を停止する第3のステップと、出力電圧が目標電圧に到達したとき、電圧変換の停止を解除する第4のステップとをさらに含む。
【0038】
さらに、この発明によれば、電力供給方法は、直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷へ電力を供給する電力供給方法であって、電気負荷への現在の入力電圧と、出力電圧の目標電圧との電圧差を検出する第1のステップと、電圧差が基準値よりも大きいか否かを判定する第2のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、電気負荷における電力消費を抑制する第3のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器によって継続して電気負荷へ電力を供給する第4のステップとを含む。
【0039】
好ましくは、電気負荷は、モータと、駆動手段とを含む。駆動手段は、出力電圧を受けてモータを駆動する。そして、電力供給方法の第3のステップは、モータの出力トルクを制限する。
【0040】
好ましくは、第3のステップは、モータの出力トルクを零にする。
好ましくは、第3のステップは、電圧差が基準値よりも大きくなったときの出力トルクを保持する。
【0041】
好ましくは、第4のステップは、昇圧動作によって電圧変換器が供給可能な電力の最大値を電気負荷側へ供給する。
【0042】
好ましくは、電力供給方法は、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電源と異なる経路から電気負荷に電力を供給する第5のステップをさらに含む。
【0043】
好ましくは、第4のステップは、昇圧動作によって電圧変換器が供給可能な電力の最大値と、第5のステップにおいて供給される供給電力との電力差を電圧変換器によって供給する。
【0044】
さらに、この発明によれば、電力供給方法は、直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷へ電力を供給する電力供給方法であって、電気負荷への現在の入力電圧と、出力電圧の目標電圧との電圧差を検出する第1のステップと、電圧差が基準値よりも大きいか否かを判定する第2のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電源と異なる経路から電気負荷に電力を供給する第3のステップとを含む。
【0045】
好ましくは、第3のステップは、電気負荷の入力側に接続された容量素子の両端の電圧が目標電圧になるように電気負荷へ電力を供給する。
【0046】
好ましくは、電圧差が前記基準値よりも大きいとき、直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器によって継続して電気負荷へ電力を供給する第4のステップをさらに含む。
【0047】
好ましくは、電力供給方法は、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器を停止する第4のステップをさらに含む。
【0048】
好ましくは、電力供給方法は、容量素子の両端の電圧が目標電圧に到達すると、電圧変換器の停止を解除する第5のステップをさらに含む。
【0049】
さらに、この発明によれば、直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷への電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、電気負荷への現在の入力電圧と、出力電圧の目標電圧との電圧差を検出する第1のステップと、電圧差が基準値よりも大きいか否かを判定する第2のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、電気負荷における電力消費を抑制する第3のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器によって継続して電気負荷へ電力を供給する第4のステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0050】
好ましくは、電気負荷は、モータと、駆動手段とを含む。駆動手段は、出力電圧を受けてモータを駆動する。プログラムの第3のステップは、モータの出力トルクを制限する。
【0051】
好ましくは、第3のステップは、モータの出力トルクを零にする。
好ましくは、第3のステップは、電圧差が基準値よりも大きくなったときの出力トルクを保持する。
【0052】
好ましくは、第4のステップは、昇圧動作によって電圧変換器が供給可能な電力の最大値を電気負荷側へ供給する。
【0053】
好ましくは、プログラムは、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電源と異なる経路から電気負荷に電力を供給する第5のステップをさらに含む。
【0054】
好ましくは、第4のステップは、昇圧動作によって電圧変換器が供給可能な電力の最大値と、第5のステップにおいて供給される供給電力との電力差を電圧変換器によって供給する。
【0055】
さらに、この発明によれば、直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷への電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、電気負荷への現在の入力電圧と、出力電圧の目標電圧との電圧差を検出する第1のステップと、電圧差が基準値よりも大きいか否かを判定する第2のステップと、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電源と異なる経路から電気負荷に電力を供給する第3のステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0056】
好ましくは、第3のステップは、電気負荷の入力側に接続された容量素子の両端の電圧が目標電圧になるように電気負荷へ電力を供給する。
【0057】
好ましくは、プログラムは、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器によって継続して電気負荷へ電力を供給する第4のステップをさらに含む。
【0058】
好ましくは、プログラムは、電圧差が基準値よりも大きいとき、直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器を停止する第4のステップをさらに含む。
【0059】
好ましくは、プログラムは、容量素子の両端の電圧が目標電圧に到達すると、電圧変換器の停止を解除する第5のステップをさらに含む。
【0060】
この発明においては、電気負荷への現在の入力電圧と目標電圧との電圧差が基準値以上のとき、電気負荷における電力消費を抑制し、電圧変換器が供給可能な電力の最大値以下の範囲における電圧変換器による電圧変換を優先する。
【0061】
したがって、この発明によれば、直流電流が直流電源から急激に流れ出るのを防止でき、電圧変換器に過電流が流れるのを防止できる。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0063】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1による電圧変換装置100は、直流電源Bと、電圧センサー10,13と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14と、電流センサー24と、制御装置30と、交流モータM1とを備える。交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、このモータはエンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
【0064】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとに接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2が配置されている。
【0065】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0066】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0067】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0068】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0069】
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMUを受けると、信号PWMUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。この場合、NPNトランジスタQ1は、信号PWMUによってオフされている。また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMDを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。
【0070】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(インバータ14への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0071】
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMI1〜4に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。なお、信号PWMI1は、正のトルクを出力するように交流モータM1を駆動するための信号であり、信号PWMI2は、トルクが零になるように交流モータM1を駆動するための信号であり、信号PWMI3は、トルクを保持するように交流モータM1を駆動するための信号であり、信号PWMI4は、特定のトルクTmを出力するように交流モータM1を駆動するための信号である。
【0072】
また、インバータ14は、電圧変換装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMCに基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0073】
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
【0074】
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)から入力されたトルク指令値TRおよびモータ回転数MRN、電圧センサー10からの直流電圧Vb、電圧センサー13からの出力電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRTに基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMUとインバータ14を駆動するための信号PWMI1とを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMI1をそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0075】
信号PWMUは、昇圧コンバータ12がコンデンサC1からの直流電圧を出力電圧Vmに変換する場合に昇圧コンバータ12を駆動するための信号である。そして、制御装置30は、昇圧コンバータ12が直流電圧を出力電圧Vmに変換する場合に、出力電圧Vmをフィードバック制御し、出力電圧Vmが指令された電圧指令Vdc_comになるように昇圧コンバータ12を駆動するための信号PWMUを生成する。信号PWMUの生成方法については後述する。
【0076】
また、制御装置30は、各制御タイミングにおいて、交流モータM1の要求パワーPmとコンデンサC2の充電に必要な充電パワーPcとを演算し、その演算した要求パワーPmと充電パワーPcとの和Pm+Pcが基準値よりも大きいとき、交流モータM1の出力トルクを抑制するための信号(信号PWMI2〜4のいずれか)を生成し、その生成した信号(信号PWMI2〜4のいずれか)をインバータ14へ出力する。
【0077】
さらに、制御装置30は、電圧変換装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。この場合、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は信号PWMCによってスイッチング制御される。これにより、インバータ14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0078】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
【0079】
さらに、制御装置30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0080】
図2は、制御装置30の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302とを含む。モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR、直流電源Bの出力電圧Vb、モータ電流MCRT、モータ回転数MRNおよび昇圧コンバータ12の出力電圧Vmに基づいて、交流モータM1の駆動時、後述する方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUと、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMI1とを生成し、その生成した信号PWMUおよび信号PWMI1をそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0081】
また、モータトルク制御手段301は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて交流モータM1の要求パワーを演算し、その演算した要求パワーが基準値以上であるとき、交流モータM1の出力トルクを抑制するための信号(信号PWMI2〜4のいずれか)を生成し、その生成した信号(信号PWMI2〜4のいずれか)をインバータ14へ出力する。
【0082】
電圧変換制御手段302は、回生制動時、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ14へ出力する。
【0083】
また、電圧変換制御手段302は、回生制動時、信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。このように、昇圧コンバータ12は、直流電圧を降圧するための信号PWMDにより電圧を降下させることもできるので、双方向コンバータの機能を有するものである。
【0084】
図3は、モータトルク制御手段301の機能ブロック図である。図3を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、コンバータ用デューティー比演算部52と、コンバータ用PWM信号変換部54と、演算部56と、判定部58とを含む。
【0085】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm、すなわち、インバータ14への入力電圧を電圧センサー13から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受け、信号DTE1〜DTE4を判定部58から受け、トルク指令値Tmを演算部56から受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、判定部58から信号DTE1を受けると、外部ECUからのトルク指令値TRと、モータ電流MCRTと、出力電圧Vmとに基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算した結果RET1をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。また、モータ制御用相電圧演算部40は、判定部58から信号DTE2を受けると、交流モータM1が零のトルクを出力するように各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算した結果RET2をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。
【0086】
さらに、モータ制御相電圧演算部40は、判定部58から信号DTE3を受けると、前回のトルク指令値TRBと、モータ電流MCRTと、出力電圧Vmとに基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算した結果RET3をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。さらに、モータ制御用相電圧演算部40は、判定部58から信号DTE4を受けると、演算部56から受けたトルク指令値Tmと、モータ電流MCRTと、出力電圧Vmとに基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算した結果RET4をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0087】
インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた演算結果RET1に基づいて、交流モータM1が正のトルクを出力するようにインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0088】
また、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた演算結果RET2に基づいて、零のトルクを出力するように交流モータM1を駆動するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0089】
さらに、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御相電圧演算部40から受けた演算結果RET3に基づいて、出力トルクを保持するように交流モータM1を駆動するための信号PWMI3を生成し、その生成した信号PWMI3をインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0090】
さらに、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた演算結果RET4に基づいて、特定のトルクTmを出力するように交流モータM1を駆動するための信号PWMI4を生成し、その生成した信号PWMI4をインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0091】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
【0092】
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部52、演算部56および判定部58へ出力する。
【0093】
コンバータ用デューティー比演算部52は、電圧センサー10から直流電圧Vb(「バッテリ電圧」とも言う。)を受け、インバータ入力電圧指令演算部50から電圧指令Vdc_comを受け、演算部56から電圧指令Vdc_com_lm1,Vdc_com_lm2を受け、判定部58から信号DTE1〜DTE4を受ける。そして、コンバータ用デューティー比演算部52は、判定部58から信号DTE1またはDTE4を受けると、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー13からの電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部50から出力される電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0094】
また、コンバータ用デューティー比演算部52は、判定部58から信号DTE2を受けると、バッテリ電圧Vbに基づいて、電圧Vmを演算部56から出力される電圧指令Vdc_com_lm1に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0095】
さらに、コンバータ用デューティー比演算部52は、判定部58から信号DTE3を受けると、バッテリ電圧Vbに基づいて、電圧Vmを演算部56から出力される電圧指令Vdc_com_lm2に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0096】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0097】
なお、昇圧コンバータ12の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0098】
演算部56は、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて交流モータM1の要求パワーPmを演算し、その演算した要求パワーPmを判定部58へ出力する。また、演算部56は、インバータ入力電圧指令演算部50から受けた電圧指令Vdc_comを用いて、コンデンサC2の両端の電圧が現在の電圧Vmから電圧指令Vdc_comへ上昇したときにコンデンサC2を充電するために必要な充電パワーPcを次式により演算し、その演算した充電パワーPcを判定部58へ出力する。
【0099】
【数1】
Figure 0004019953
【0100】
演算部56は、制御周期ΔTおよびコンデンサC2の容量Cを保持しており、制御タイミングにおいて電圧センサー13から電圧Vmを受けると、式(1)を用いて充電パワーPcを演算する。
【0101】
さらに、演算部56は、判定部58から信号DTE2を受けると、次式により電圧指令Vdc_com_lm1を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com_lm1をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
【0102】
【数2】
Figure 0004019953
【0103】
式(2)において、Plimは、コンデンサC2に供給可能な電力の最大値である。そして、最大値Plimは、直流電源Bから持ち出し可能な電力、または電流の最大値を昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2に流したときにコンデンサC2に供給可能な電力のうち、小さい電力値に設定される。演算部56は、最大値Plimを保持しており、制御タイミングにおいて電圧センサー13から電圧Vmを受けると、式(2)を用いて電圧指令Vdc_com_lm1を演算する。
【0104】
さらに、演算部56は、判定部58から信号DTE3を受けると、既に演算した要求パワーPmを用いて次式により電圧指令Vdc_com_lm2を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com_lm2をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
【0105】
【数3】
Figure 0004019953
【0106】
さらに、演算部56は、判定部58から信号DTE4を受けると、既に演算した充電パワーPcと外部ECUからのモータ回転数MRNとを次式に代入してトルク指令値Tmを演算し、その演算したトルク指令値Tmをモータ制御用相電圧演算部40へ出力する。
【0107】
【数4】
Figure 0004019953
【0108】
判定部58は、最大値Plimを保持しており、演算部56から要求パワーPmおよび充電パワーPcを受けると、要求パワーPmと充電パワーPcとの和Pm+Pcが最大値Plim以下か否かを判定する。そして、判定部58は、和Pm+Pcが最大値Plim以下であるとき信号DTE1を生成し、その生成した信号DTE1をモータ制御用相電圧演算部40およびコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
【0109】
また、判定部58は、和Pm+Pcが最大値Plimよりも大きいとき、さらに、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいか否かを判定する。そして、判定部58は、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいとき信号DTE2またはDTE3を生成し、その生成した信号DTE2またはDTE3をモータ制御用相電圧演算部40、コンバータ用デューティー比演算部52および演算部56へ出力する。
【0110】
さらに、判定部58は、充電パワーPcが最大値Plim以下であるとき信号DTE4を生成し、その生成した信号DTE4をモータ制御用相電圧演算部40、コンバータ用デューティー演算部52および演算部56へ出力する。
【0111】
さらに、判定部58は、電圧センサー13からの電圧Vmがインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに到達したか否かを判定し、電圧Vmが電圧指令Vdc_comに到達したとき信号DTE1を生成してモータ制御用相電圧演算部40およびコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。
【0112】
図4は、交流モータM1の要求パワーPmが変化したときの実施の形態1における動作を説明するためのフローチャートである。なお、図4に示すフローチャートに基づく動作は一定時間毎に実行される。
【0113】
図4を参照して、一連の動作が開始されると、インバータ入力電圧指令演算部50は、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて電圧指令Vdc_comを演算し(ステップS1)、その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部52、演算部56および判定部58へ出力する。そして、演算部56は、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて交流モータM1の要求パワーPmを演算し(ステップS2)、その演算した要求パワーPmを判定部58へ出力する。また、演算部56は、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comと電圧センサー13からの電圧Vmとを式(1)に代入して充電パワーPcを演算し、その演算した充電パワーPcを判定部58へ出力する。
【0114】
そうすると、判定部58は、要求パワーPmと充電パワーPcとの和Pm+Pcが最大値Plim以下であるか否かを判定し(ステップS3)、和Pm+Pcが最大値Plim以下であるとき信号DTE1を生成してモータ制御用相電圧演算部40およびコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。モータ制御用相電圧演算部40は、判定部58からの信号DTE1に応じて、外部ECUからのトルク指令値TR、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRTに基づいて交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET1をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0115】
そして、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40からの演算結果RET1に基づいて信号PWMI1を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0116】
一方、コンバータ用デューティー比演算部52は、判定部58からの信号DTE1に応じて、バッテリ電圧Vbに基づいて電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。そして、コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューティー比に基づいて信号PWMU1(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0117】
そうすると、NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU1によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、出力電圧Vmが電圧指令Vdc_comになるようにバッテリ電圧Vbを昇圧してコンデンサC2に供給する。つまり、昇圧コンバータ12は、要求された電圧指令Vdc_comに出力電圧Vmを設定する昇圧動作を実行する。
【0118】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化してインバータ14に供給する。そして、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI1によってオン/オフされ、インバータ14は、外部ECUからのトルク指令値TRによって指定されたトルクを出力するように交流モータM1を駆動する。
【0119】
このようにして、電圧指令およびトルクを要求値とおりに実行する(ステップS4)。そして、一連の動作は一旦終了する。
【0120】
ステップS3において、和Pm+Pcが最大値Plimよりも大きいと判定されたとき、判定部58は、さらに、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいか否かを判定する(ステップS5)。そして、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいとき、一連の動作はステップS6へ移行する。ステップS6は、ステップS6AまたはステップS6Bから成る。ステップS6Aが実行される場合、判定部58は、ステップS5において充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいと判定した後、信号DTE2を生成してモータ制御用相電圧演算部40、コンバータ用デューティー比演算部52および演算部56へ出力する。
【0121】
そうすると、演算部56は、判定部58からの信号DTE2に応じて、電圧センサー13からの電圧Vmを式(2)に代入して電圧指令Vdc_com_lm1を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com_lm1をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。そして、コンバータ用デューティー比演算部52は、判定部58からの信号DTE2に応じて、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて電圧センサー13からの電圧Vmを演算部56からの電圧指令Vdc_com_lm1に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0122】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューテー比に基づいて信号PWMU2(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU2によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、出力電圧Vmが電圧指令Vdc_com_lm1になるようにバッテリ電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC2へ供給する。
【0123】
一方、モータ制御用相電圧演算部40は、判定部58からの信号DTE2に応じて、トルクが零になるように交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET2をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。そして、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40からの演算結果RET2に応じて信号PWMI2を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。NPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI2によってオン/オフされ、インバータ14は、トルクが零になるように交流モータM1を駆動する。
【0124】
式(2)を用いて演算される電圧指令Vdc_com_lm1は、式(1)においてPc=Plimにした場合の電圧指令に等しいので、信号PWMU2に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2を駆動することは、Pc=Plimになるようにバッテリ電圧Vbを昇圧することに相当する。したがって、信号PWMU2に基づいて昇圧コンバータ12を駆動し、信号PWMI2に基づいてインバータ14を駆動することは、トルク=0、およびPc=Plimとなる昇圧動作を実行することに相当する(ステップS6A)。
【0125】
一方、ステップS6において、ステップS6Bが実行される場合、判定部58は、ステップS5において充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいと判定した後、信号DTE3を生成してモータ制御用相電圧演算部40、コンバータ用デューティー比演算部52および演算部56へ出力する。演算部56は、判定部58からの信号DTE3に応じて、既に演算した要求パワーPmと電圧センサー13からの電圧Vmとを式(3)に代入して電圧指令Vdc_com_lm2を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com_lm2をコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。そして、コンバータ用デューティー比演算部52は、判定部58からの信号DTE3に応じて、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて電圧センサー13からの電圧Vmを演算部56からの電圧指令Vdc_com_lm2に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0126】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューテー比に基づいて信号PWMU3(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU3によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、出力電圧Vmが電圧指令Vdc_com_lm2になるようにバッテリ電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC2へ供給する。
【0127】
一方、モータ制御用相電圧演算部40は、判定部58からの信号DTE3に応じて、前回の制御時におけるトルク指令値TRBと電圧センサー13からの電圧Vmと電流センサー24からのモータ電流MCRTとに基づいて交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算する。つまり、モータ制御用相電圧演算部40は、判定部58からの信号DTE3に応じて交流モータM1が出力すべきトルクの更新を禁止し、従来のトルク指令値を保持するように交流モータM1を駆動するための電圧を演算する。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、演算結果RET3をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40からの演算結果RET3に応じて信号PWMI3を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。NPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI3によってオン/オフされ、インバータ14は、従来のトルクを保持するように交流モータM1を駆動する。
【0128】
式(3)を用いて演算される電圧指令Vdc_com_lm2は、式(1)においてPc=Plim−Pmにした場合の電圧指令に等しいので、信号PWMU3に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2を駆動することは、Pc=Plim−Pmになるようにバッテリ電圧Vbを昇圧することに相当する。したがって、信号PWMU3に基づいて昇圧コンバータ12を駆動し、信号PWMI3に基づいてインバータ14を駆動することは、モータトルクの更新を禁止し、Pc=Plim−Pmとなる昇圧動作を実行することに相当する(ステップS6B)。
【0129】
一方、ステップS5において、充電パワーPcが最大値Plim以下であると判定された場合、判定部58は、信号DTE4を生成してモータ制御用相電圧演算部40、コンバータ用デューティー比演算部52および演算部56へ出力する。演算部56は、判定部58からの信号DTE4に応じて、既に演算した充電パワーPcと外部ECUからのモータ回転数MRNとを式(4)に代入してトルク指令値Tmを演算し、その演算したトルク指令値Tmをモータ制御用相電圧演算部40へ出力する。
【0130】
コンバータ用デューティー比演算部52は、判定部58からの信号DTE4に応じて、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて電圧センサー13からの電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0131】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52からのデューテー比に基づいて信号PWMU1(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU1によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、出力電圧Vmが電圧指令Vdc_comになるようにバッテリ電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC2へ供給する。
【0132】
一方、モータ制御用相電圧演算部40は、判定部58からの信号DTE4に応じて、演算部56からのトルク指令値Tmと電圧センサー13からの電圧Vmと電流センサー24からのモータ電流MCRTとに基づいて交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET4をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。そして、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40からの演算結果RET4に応じて信号PWMI4を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0133】
そうすると、NPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI4によってオン/オフされ、インバータ14は、トルク指令値Tmによって指定されたトルクを出力するように交流モータM1を駆動する。
【0134】
これにより、交流モータM1の要求パワーが増加した場合に要求される電圧指令Vdc_comになるように昇圧動作が実行され、トルク指令値Tmによって指定されたトルクを出力するように交流モータM1が駆動される(ステップS7)。
【0135】
ステップS6(ステップS6AまたはS6B)、またはステップS7の後、判定部58は、電圧センサー13からの電圧Vmがインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに一致したか否かを判定し(ステップS8)、電圧Vmが電圧指令Vdc_comに一致すると、信号DTE1を生成してモータ制御用相電圧演算部40およびコンバータ用デューティー比演算部52へ出力する。そして、上述したステップS4が実行され、一連の動作が一旦終了する。
【0136】
図5を参照して、上述したステップS6A→ステップS8→ステップS4の経路におけるトルク指令値TR、電圧Vmおよび実際のトルクTAの変化について説明する。図5において、曲線k1はトルク指令値TRを示し、曲線k2は電圧Vmを示し、曲線k3は実際のトルクTAを示す。
【0137】
タイミングt1において、曲線k1によって示すようにトルク指令値TRが急激に増加し、交流モータM1の要求パワーPmとコンデンサC2の充電パワーPcとの和Pm+Pcが昇圧コンバータ12の昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超え、かつ、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きい場合、上述したようにモータトルク=0、およびPc=Plimとなる昇圧動作が実行される(ステップS6A参照)。すなわち、タイミングt1において、零のトルクを出力するように交流モータM1を駆動し、かつ、昇圧コンバータ12の電圧指令を電圧指令Vdc_com_lm1に設定して昇圧動作を行なう。したがって、曲線k2によって示すように、電圧Vmは、タイミングt1から徐々に上昇し、タイミングt2において電圧指令Vdc_comに達する。そして、実際のトルクTAは、曲線k3によって示されるようにタイミングt1からタイミングt2までの間、零に保持される。
【0138】
タイミングt2において、昇圧コンバータ12の出力電圧Vmが本来の電圧指令Vdc_comに到達すると、トルク指令値TRによって指定されたトルクを出力するように交流モータM1を駆動するので(ステップS4参照)、実際のトルクTAはタイミングt2から上昇し始め、最終的にトルク指令値TRによって指定されたトルクに一致する。
【0139】
図6を参照して、上述したステップS6B→ステップS8→ステップS4の経路におけるトルク指令値TR、電圧Vmおよび実際のトルクTAの変化について説明する。図6において、曲線k4はトルク指令値TRを示し、曲線k5は電圧Vmを示し、曲線k6は実際のトルクTAを示す。
【0140】
タイミングt3において、曲線k4によって示すようにトルク指令値TRが急激に増加し、交流モータM1の要求パワーPmとコンデンサC2の充電パワーPcとの和Pm+Pcが昇圧コンバータ12の昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超え、かつ、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きい場合、上述したようにモータトルクの更新を禁止し、かつ、Pc=Plim−Pmとなる昇圧動作が実行される(ステップS6B参照)。すなわち、タイミングt4において、トルク指令値TRが急激に増加する前のトルクを保持するように交流モータM1を駆動し、かつ、昇圧コンバータ12の電圧指令を電圧指令Vdc_com_lm2に設定して昇圧動作を行なう。したがって、曲線k5によって示すように、電圧Vmは、タイミングt3から徐々に上昇し、タイミングt4において電圧指令Vdc_comに達する。この場合、電圧指令Vdc_com_lm2は、電圧指令Vdc_com_lm1よりも低いので、タイミングt3からタイミングt4までの時間はタイミングt1からタイミングt2までの時間よりも長い。そして、実際のトルクTAは、曲線k6によって示されるようにタイミングt3からタイミングt4までの間、タイミングt3以前のトルクに保持される。
【0141】
タイミングt4において、昇圧コンバータ12の出力電圧Vmが本来の電圧指令Vdc_comに到達すると、トルク指令値TRによって指定されたトルクを出力するように交流モータM1を駆動するので(ステップS4参照)、実際のトルクTAはタイミングt4から上昇し始め、最終的にトルク指令値TRによって指定されたトルクに一致する。
【0142】
図7を参照して、ステップS7→ステップS8→ステップS4の経路におけるトルク指令値TR、電圧Vmおよび実際のトルクTAの変化について説明する。図7において、曲線k7はトルク指令値TRを示し、曲線k8は電圧Vmを示し、曲線k9は実際のトルクTAを示す。
【0143】
タイミングt5において、曲線k7によって示すようにトルク指令値TRが急激に増加し、交流モータM1の要求パワーPmとコンデンサC2の充電パワーPcとの和Pm+Pcが昇圧コンバータ12の昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超え、かつ、充電パワーPcが最大値Plimよりも小さい場合、上述したように電圧指令Vdc_comに基づく昇圧動作が実行され、かつ、トルク指令値Tmによって指定されるトルクを出力するように交流モータM1が駆動される(ステップS7参照)。すなわち、タイミングt5において、本来の電圧指令Vdc_comによってバッテリ電圧Vbを昇圧してコンデンサC2を充電し、コンデンサC2の充電に用いられない電力によって交流モータM1を駆動する。したがって、曲線k8によって示すように、電圧Vmは、タイミングt3から上昇し、タイミングt6において電圧指令Vdc_comに達する。この場合、本来の電圧指令Vdc_comを設定して昇圧動作が行なわれるので、出力電圧Vmは、最も速く電圧指令Vdc_comに到達する。そして、実際のトルクTAは、曲線k8によって示されるようにタイミングt5から上昇してトルク指令値Tmによって指定されるトルクに達し、その後、タイミングt6においてトルク指令値TRによる指令がなされると、さらに上昇し、最終的にトルク指令値TRによって指定されるトルクに到達する。
【0144】
このように、図4に示すフローチャートのステップS3において、交流モータM1の要求パワーPmとコンデンサC2の充電パワーPcとの和Pm+Pcが昇圧コンバータ12の昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超えると、交流モータM1が出力すべきトルクを抑制し、かつ、昇圧コンバータ12の昇圧動作を優先してコンデンサC2を充電し、コンデンサC2の両端の電圧Vmが本来の電圧指令Vdc_comに達した時点で本来のトルク指令値TRによって指定されたトルクを出力するように昇圧コンバータ12およびインバータ14を制御する(ステップS5〜S7参照)。
【0145】
そして、充電パワーPcが最大値Plimを超える場合、モータトルクを零または以前のトルクに抑制し、最大値Plim以下の電力を供給するように昇圧動作を行なってコンデンサC2を充電する(ステップS6参照)。また、充電パワーPcが最大値Plim以下の場合、出力電圧Vmが本来の電圧指令Vdc_comになるように昇圧動作を行なってコンデンサC2を充電し、余った電力によって交流モータM1を駆動する(ステップS7参照)。
【0146】
これによって、直流電流が直流電源Bから急激に流れ出るのを防止でき、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2に過電流が流れるのを防止できる。
【0147】
なお、ステップS3において、要求パワーPmと充電パワーPcとの和Pm+Pcが最大値Plimよりも大きいと判定されることは、インバータ14への現在の入力電圧と電圧指令値との電圧差が基準値よりも大きいと判定されることに相当する。
【0148】
また、ステップS5において、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいと判定されることは、インバータ14への現在の入力電圧と電圧指令値との電圧差が基準値よりも大きいと判定されることに相当する。
【0149】
再び、図1を参照して、電圧変換装置100における動作について説明する。制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TRが入力されると、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力するとともに、交流モータM1がトルク指令値TRを発生するように昇圧コンバータ12およびインバータ14を制御するための信号PWMU(PWMU1)および信号PWMI1を生成してそれぞれ昇圧コンバータ12およびインバータ14へ出力する。
【0150】
そして、直流電源Bは直流電圧Vbを出力し、システムリレーSR1,SR2は直流電圧VbをコンデンサC1へ供給する。コンデンサC1は、供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0151】
そうすると、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2は、制御装置30からの信号PWMU(PWMU1)に応じてオン/オフされ、直流電圧を出力電圧Vmに変換してコンデンサC2に供給する。電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧である出力電圧Vmを検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0152】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12から供給された直流電圧を平滑化してインバータ14へ供給する。インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、制御装置30からの信号PWMI1に従ってオン/オフされ、インバータ14は、直流電圧を交流電圧に変換し、トルク指令値TRによって指定されたトルクを交流モータM1が発生するように交流モータM1のU相、V相、W相の各相に所定の交流電流を流す。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0153】
そして、交流モータM1がトルク指令値TRによって指定されたトルクを出力するように昇圧コンバータ12およびインバータ14を制御しているときに、交流モータM1の要求パワーPmが急激に増加した場合、上述した図4に示すフローチャートによる動作が実行される。
【0154】
また、電圧変換装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードになった場合、制御装置30は、回生制動モードになったことを示す信号を外部ECUから受け、信号PWMCおよび信号PWMDを生成してそれぞれインバータ14および昇圧コンバータ12へ出力する。
【0155】
交流モータM1は、交流電圧を発電し、その発電した交流電圧をインバータ14へ供給する。そして、インバータ14は、制御装置30からの信号PWMCに従って、交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0156】
昇圧コンバータ12は、制御装置30からの信号PWMDに従って直流電圧を降圧して直流電源Bに供給し、直流電源Bを充電する。
【0157】
なお、インバータ14および交流モータM1は、「電気負荷」を構成する。
また、この発明による電圧変換方法は、図4に示すフローチャートに従って直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する電圧変換方法である。
【0158】
さらに、この発明による電力供給方法は、図4に示すフローチャートに従って電力をコンデンサC2およびインバータ14に供給する電力供給方法である。
【0159】
さらに、モータトルク制御手段301における電力供給の制御は、実際にはCPU(Central Processing Unit)によって行なわれ、CPUは、図4に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図4に示すフローチャートに従ってコンデンサC2およびインバータ14への電力供給を制御する。したがって、ROMは、図4に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0160】
実施の形態1によれば、電圧変換装置は、交流モータM1の要求パワーが急激に増加し、交流モータM1の要求パワーPmとコンデンサC2の充電パワーPcとの和Pm+Pcが昇圧コンバータの昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超えた場合、交流モータM1の出力トルクを抑制し、最大値Plim以下の電力を供給する昇圧動作を優先するように昇圧コンバータおよびインバータを制御する制御装置を備えるので、電流が直流電源から急激に流れ出るのを防止でき、昇圧コンバータを構成するNPNトランジスタに過電流が流れるのを防止できる。
【0161】
[実施の形態2]
図8を参照して、実施の形態2による電圧変換装置100Aは、電圧変換装置100の制御装置30を制御装置30Aに代え、電流センサー28、インバータ31および交流モータM2を追加したものであり、その他は、電圧変換装置100と同じである。
【0162】
なお、実施の形態2においては、交流モータM1は、ハイブリッド自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、交流モータM2は、エンジンにて駆動される発電機の機能と、エンジン始動を行ない得るような電動機の機能とを併せ持つモータである。
【0163】
また、電圧変換装置100Aにおいては、電流センサー24は、交流モータM1のモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置30Aへ出力する。
【0164】
インバータ14は、制御装置30Aからの信号PWMI11に基づいて、コンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。また、インバータ14は、制御装置30Aからの信号PWMI12に基づいて、零のトルクを出力するように交流モータM1を駆動する。さらに、インバータ14は、制御装置30Aからの信号PWMI13に基づいて、トルク指令値Tm1によって指定されるトルクを出力するように交流モータM1を駆動する。さらに、インバータ14は、制御装置30Aからの信号PWMC1に基づいて、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をノードN1,N2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0165】
電流センサー28は、交流モータM2のモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置30Aへ出力する。
【0166】
インバータ31は、インバータ14と同じ構成から成る。そして、インバータ31は、ノードN1とノードN2との間にインバータ14に並列に接続される。したがって、コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14およびインバータ31へ供給する。
【0167】
そして、インバータ31は、制御装置30Aからの信号PWMI21に基づいて、コンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM2を駆動し、信号PWMC2に基づいて交流モータM2が発電した交流電圧を直流電圧に変換する。
【0168】
制御装置30Aは、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを電圧センサー10から受け、モータ電流MCRT1,MCRT2をそれぞれ電流センサー24,28から受け、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(すなわち、インバータ14,31への入力電圧)を電圧センサー13から受け、トルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を外部ECUから受ける。そして、制御装置30Aは、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT1、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいて、上述した方法によりインバータ14が交流モータM1を駆動するときにインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI11を生成し、その生成した信号PWMI11をインバータ14へ出力する。
【0169】
また、制御装置30Aは、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT2、トルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいて、上述した方法によりインバータ31が交流モータM2を駆動するときにインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI21を生成し、その生成した信号PWMI21をインバータ31へ出力する。
【0170】
さらに、制御装置30Aは、インバータ14または31が交流モータM1またはM2を駆動するとき、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)、トルク指令値TR1(またはTR2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、上述した方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMUを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0171】
さらに、制御装置30Aは、回生制動時に交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC1、または交流モータM2が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC2を生成し、その生成した信号PWMC1または信号PWMC2をそれぞれインバータ14またはインバータ31へ出力する。この場合、制御装置30Aは、インバータ14または31からの直流電圧を降圧して直流電源Bを充電するように昇圧コンバータ12を制御する信号PWMDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0172】
さらに、制御装置30Aは、各制御タイミングにおいて、交流モータM1の要求パワーPm1と交流モータM2の要求パワーPm2とコンデンサC2の充電に必要な充電パワーPcとを演算し、その演算した要求パワーPm1,Pm2と充電パワーPcとの総和Pm1+Pm2+Pcが基準値よりも大きいとき、交流モータM1の出力トルクを抑制するための信号(信号PWMI12,13のいずれか一方)を生成し、その生成した信号(信号PWMI12,13のいずれか一方)をインバータ14へ出力する。また、制御装置30Aは、総和Pm1+Pm2+Pcが基準値よりも大きいとき、信号PWMC2を生成してインバータ31へ出力する。交流モータM1の要求パワーPm1が大きくなるのは、交流モータM1がハイブリッド自動車の駆動輪を駆動している場合であり、この場合、交流モータM2は、エンジンによって駆動され、発電機として機能する回生モードにあるので、交流モータM1の要求パワーPm1が増加し、総和Pm1+Pm2+Pcが基準値よりも大きいとき、制御装置30Aは、信号PWMC2を生成してインバータ31へ出力し、交流モータM2が発電した電力をコンデンサC2に供給することとしたものである。
【0173】
さらに、制御装置30Aは、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
【0174】
図9を参照して、制御装置30Aは、モータトルク制御手段301Aと、電圧変換制御手段302Aとを含む。
【0175】
モータトルク制御手段301Aは、モータ電流MCRT1、トルク指令値TR1、モータ回転数MRN1、直流電圧Vbおよび電圧Vmに基づいて信号PWMI11を生成し、その生成した信号PWMI11をインバータ14へ出力する。
【0176】
また、モータトルク制御手段301Aは、モータ電流MCRT2、トルク指令値TR2、モータ回転数MRN2、直流電圧Vbおよび電圧Vmに基づいて信号PWMI21を生成し、その生成した信号PWMI21をインバータ31へ出力する。
【0177】
さらに、モータトルク制御手段301Aは、直流電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)、トルク指令値TR1(またはTR2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0178】
さらに、モータトルク制御手段301Aは、モータ回転数MRN1およびトルク指令値TR1に基づいて交流モータM1の要求パワーPm1を演算し、モータ回転数MRN2およびトルク指令値TR2に基づいて交流モータM2の要求パワーPm2を演算する。また、モータトルク制御手段301Aは、モータ回転数MRN1(またはMRN2)およびトルク指令値TR1(またはTR2)に基づいて、昇圧コンバータ12の電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comを式(1)に代入してコンデンサC2の充電に必要な充電パワーPcを演算する。
【0179】
そして、モータトルク制御手段301Aは、演算した要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcの総和Pm1+Pm2+Pcが、昇圧コンバータ12の昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plim以下か否かを判定し、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下であるとき、上述した信号PWMI11,PWMI21および信号PWMUを生成してそれぞれインバータ14,31および昇圧コンバータ12へ出力する。
【0180】
一方、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きい場合、モータトルク制御手段301Aは、さらに、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいか否かを判定し、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きい場合、信号PWMI12、信号PWMUおよび信号RGE1を生成し、その生成した信号PWMI12、信号PWMUおよび信号RGE1をそれぞれインバータ14、昇圧コンバータ12および電圧変換制御手段302Aへ出力する。そして、モータトルク制御手段301Aは、充電パワーPcが最大値Plim以下である場合、信号PWMI13、信号PWMUおよび信号RGE1を生成し、その生成した信号PWMI13、信号PWMUおよび信号RGE1をそれぞれインバータ14、昇圧コンバータ12および電圧変換制御手段302Aへ出力する。
【0181】
電圧変換制御手段302Aは、電圧変換装置100Aが搭載されたハイブリッド自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、信号PWMC1,PWMC2および信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMC1,PWMC2をそれぞれインバータ14,31へ出力し、信号PWMDを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0182】
また、電圧変換制御手段302Aは、モータトルク制御手段301Aから信号RGE1を受けると、信号PWMC2を生成してインバータ31へ出力する。
【0183】
図10を参照して、モータトルク制御手段301Aは、モータトルク制御手段301のモータ制御用相電圧演算部40をモータ制御用相電圧演算部40Aに代え、コンバータ用デューティー比演算部52をコンバータ用デューティー比演算部52Aに代え、演算部56を演算部56Aに代え、判定部58を判定部58Aに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301と同じである。
【0184】
モータトルク制御手段301Aにおいては、インバータ入力電圧指令演算部50は、外部ECUからのトルク指令値TR1(またはTR2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、インバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部52A、演算部56Aおよび判定部58Aへ出力する。
【0185】
モータ制御用相電圧演算部40Aは、判定部58Aから信号DTE5を受けると、外部ECUからのトルク指令値TR1(またはTR2)、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRT1(またはMCRT2)に基づいて交流モータM1(または交流モータM2)の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET5をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0186】
また、モータ制御用相電圧演算部40Aは、判定部58Aから信号DTE6を受けると、トルクが零になるように交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET6をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0187】
さらに、モータ制御用相電圧演算部40Aは、判定部58Aから信号DTE7を受けると、演算部56Aからのトルク指令値Tm1、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRT1に基づいて交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET7をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0188】
コンバータ用デューティー比演算部52Aは、判定部58Aから信号DTE5またはDTE7を受けると、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー13からの電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0189】
また、コンバータ用デューティー比演算部52Aは、判定部58Aから信号DTE6を受けると、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー13からの電圧Vmを演算部56Aからの電圧指令Vdc_com_lm3に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0190】
演算部56Aは、上述した容量C、制御周期ΔTおよび最大値Plimを保持している。そして、演算部56Aは、電圧センサー13からの電圧Vmとインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comとを式(1)に代入して充電パワーPcを演算し、その演算した充電パワーPcを判定部58Aへ出力する。
【0191】
また、演算部56Aは、外部ECUからのトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいて交流モータM1の要求パワーPm1を演算し、その演算した要求パワーPm1を判定部58Aへ出力する。
【0192】
さらに、演算部56Aは、外部ECUからのトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいて交流モータM2の要求パワーPm2を演算し、その演算した要求パワーPm2を判定部58Aへ出力する。
【0193】
さらに、演算部56Aは、判定部58Aから信号DTE6を受けると、既に演算した要求パワーPm2と電圧センサー13からの電圧Vmとを次式に代入して電圧指令Vdc_com_lm3を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com_lm3をコンバータ用デューティー比演算部52Aへ出力する。
【0194】
【数5】
Figure 0004019953
【0195】
さらに、演算部56Aは、判定部58Aから信号DTE7を受けると、既に演算した要求パワーPm2および充電パワーPcを次式に代入してトルク指令値Tm1を演算し、その演算したトルク指令値Tm1をモータ制御用相電圧演算部40Aへ出力する。
【0196】
【数6】
Figure 0004019953
【0197】
判定部58Aは、演算部56Aから受けた充電パワーPcおよび要求パワーPm1,Pm2の総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下であるか否かを判定し、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下である場合、信号DTE5を生成し、その生成した信号DTE5をモータ制御用相電圧演算部40Aおよびコンバータ用デューティー比演算部52Aへ出力する。
【0198】
また、判定部58Aは、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きい場合、さらに、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいか否かを判定し、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいとき信号DTE6を生成してモータ制御用相電圧演算部40A、コンバータ用デューティー比演算部52Aおよび演算部56Aへ出力する。そして、判定部58Aは、充電パワーPcが最大値Plim以下であるとき、信号DTE7を生成してモータ制御用相電圧演算部40A、コンバータ用デューティー比演算部52Aおよび演算部56Aへ出力する。
【0199】
さらに、判定部58Aは、信号DTE6または信号DTE7を出力した後、電圧センサー13からの電圧Vmがインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに一致したか否かを判定し、電圧Vmが電圧指令Vdc_comに一致すると、信号DTE5を生成してモータ制御用相電圧演算部40Aおよびコンバータ用デューティー比演算部52Aへ出力する。
【0200】
図11は、交流モータM1の要求パワーPm1が変化したときの実施の形態2における動作を説明するためのフローチャートである。なお、図11に示すフローチャートに基づく動作は一定時間毎に実行される。また、以下においては、交流モータM1は力行モードにあり、交流モータM2は回生モードにあることを前提に説明する。
【0201】
図11を参照して、一連の動作が開始されると、インバータ入力電圧指令演算部50は、外部ECUからのトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいて電圧指令Vdc_comを演算し(ステップS10)、その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部52A、演算部56Aおよび判定部58Aへ出力する。そして、演算部56Aは、外部ECUからのトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいて交流モータM1の要求パワーPm1を演算し(ステップS11)、その演算した要求パワーPm1を判定部58Aへ出力する。また、演算部56Aは、外部ECUからのトルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいて交流モータM2の要求パワーPm2を演算し(ステップS12)、その演算した要求パワーPm2を判定部58Aへ出力する。さらに、演算部56Aは、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comと電圧センサー13からの電圧Vmとを式(1)に代入して充電パワーPcを演算し、その演算した充電パワーPcを判定部58Aへ出力する。
【0202】
そうすると、判定部58Aは、要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcの総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下であるか否かを判定し(ステップS13)、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下であるとき信号DTE5を生成してモータ制御用相電圧演算部40Aおよびコンバータ用デューティー比演算部52Aへ出力する。
【0203】
モータ制御用相電圧演算部40Aは、判定部58Aからの信号DTE5に応じて、外部ECUからのトルク指令値TR1、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRT1に基づいて交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET5をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0204】
そして、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40Aからの演算結果RET5に基づいて信号PWMI11を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0205】
一方、コンバータ用デューティー比演算部52Aは、判定部58Aからの信号DTE5に応じて、バッテリ電圧Vbに基づいて電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。そして、コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52Aからのデューティー比に基づいて信号PWMU1(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0206】
そうすると、NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU1によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、出力電圧Vmが電圧指令Vdc_comになるようにバッテリ電圧Vbを昇圧してコンデンサC2に供給する。つまり、昇圧コンバータ12は、要求された電圧指令Vdc_comに出力電圧Vmを設定する昇圧動作を実行する。
【0207】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化してインバータ14に供給する。そして、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI11によってオン/オフされ、インバータ14は、外部ECUからのトルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するように交流モータM1を駆動する。
【0208】
このようにして、電圧指令およびトルクを要求値とおりに実行する(ステップS14)。そして、一連の動作は一旦終了する。
【0209】
ステップS13において、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きいと判定されたとき、判定部58Aは、さらに、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいか否かを判定する(ステップS15)。そして、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいとき、判定部58Aは、信号DTE6を生成してモータ制御用相電圧演算部40A、コンバータ用デューティー比演算部52Aおよび演算部56Aへ出力し、信号RGE1を生成して電圧変換制御手段302Aへ出力する。
【0210】
そうすると、演算部56Aは、判定部58Aからの信号DTE6に応じて、既に演算した要求パワーPm2と電圧センサー13からの電圧Vmとを式(5)に代入して電圧指令Vdc_com_lm3を演算し、その演算した電圧指令Vdc_com_lm3をコンバータ用デューティー比演算部52Aへ出力する。そして、コンバータ用デューティー比演算部52Aは、判定部58Aからの信号DTE6に応じて、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて電圧センサー13からの電圧Vmを演算部56Aからの電圧指令Vdc_com_lm3に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0211】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52Aからのデューテー比に基づいて信号PWMU4(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU4によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、出力電圧Vmが電圧指令Vdc_com_lm3になるようにバッテリ電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC2へ供給する。
【0212】
一方、モータ制御用相電圧演算部40Aは、判定部58Aからの信号DTE6に応じて、トルクが零になるように交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET6をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。そして、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40Aからの演算結果RET6に応じて信号PWMI12を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。NPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI12によってオン/オフされ、インバータ14は、トルクが零になるように交流モータM1を駆動する。また、電圧変換制御手段302Aは、判定部58Aからの信号RGE1に応じて信号PWMC2を生成してインバータ31へ出力する。インバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8は信号PWMC2によってオン/オフされ、インバータ31は、交流モータM2が発電した交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサC2を充電する。
【0213】
式(5)を用いて演算される電圧指令Vdc_com_lm3は、式(1)においてPc=Plim−Pm2にした場合の電圧指令に等しいので、信号PWMU4に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2を駆動することは、Pc=Plim−Pm2になるようにバッテリ電圧Vbを昇圧することに相当する。したがって、信号PWMU4に基づいて昇圧コンバータ12を駆動し、信号PWMI12に基づいてインバータ14を駆動することは、トルク=0、およびPc=Plim−Pm2となる昇圧動作を実行することに相当する(ステップS16)。
【0214】
一方、ステップS15において、充電パワーPcが最大値Plim以下であると判定された場合、判定部58Aは、信号DTE7を生成してモータ制御用相電圧演算部40A、コンバータ用デューティー比演算部52Aおよび演算部56Aへ出力し、信号RGE1を生成して電圧変換制御手段302Aへ出力する。演算部56Aは、判定部58Aからの信号DTE7に応じて、既に演算した充電パワーPcおよび要求パワーPm2と外部ECUからのモータ回転数MRN1とを式(6)に代入してトルク指令値Tm1を演算し、その演算したトルク指令値Tm1をモータ制御用相電圧演算部40Aへ出力する。
【0215】
コンバータ用デューティー比演算部52Aは、判定部58Aからの信号DTE7に応じて、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて電圧センサー13からの電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0216】
コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52Aからのデューテー比に基づいて信号PWMU1(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU1によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、出力電圧Vmが電圧指令Vdc_comになるようにバッテリ電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧をコンデンサC2へ供給する。
【0217】
一方、モータ制御用相電圧演算部40Aは、判定部58Aからの信号DTE7に応じて、演算部56Aからのトルク指令値Tm1と電圧センサー13からの電圧Vmと電流センサー24からのモータ電流MCRT1とに基づいて交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET7をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。そして、インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40Aからの演算結果RET7に応じて信号PWMI13を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0218】
そうすると、NPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI13によってオン/オフされ、インバータ14は、トルク指令値Tm1によって指定されたトルクを出力するように交流モータM1を駆動する。また、電圧変換制御手段302Aは、判定部58Aからの信号RGE1に応じて信号PMWC2を生成してインバータ31へ出力する。インバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8は信号PWMC2によってオン/オフされ、インバータ31は、交流モータM2が発電した交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサC2を充電する。
【0219】
これにより、交流モータM1の要求パワーが増加した場合に要求される電圧指令Vdc_comになるように昇圧動作が実行され、トルク指令値Tm1によって指定されたトルクを出力するように交流モータM1が駆動される(ステップS17)。
【0220】
ステップS16、またはステップS17の後、判定部58Aは、電圧センサー13からの電圧Vmがインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに一致したか否かを判定し(ステップS18)、電圧Vmが電圧指令Vdc_comに一致すると、信号DTE5を生成してモータ制御用相電圧演算部40Aおよびコンバータ用デューティー比演算部52Aへ出力する。そして、上述したステップS14が実行され、一連の動作が一旦終了する。
【0221】
図11に示すフローチャートにおいて、ステップS16→ステップS18→ステップS14の経路は、実施の形態1における図4に示すフローチャートのステップS6A→ステップS8→ステップS4の経路に相当し、トルク指令値TR1、出力電圧Vmおよび実際のトルクTAは、それぞれ、図5に示す曲線k1,k2,k3のように変化する。
【0222】
また、ステップS17→ステップS18→ステップS14の経路は、実施の形態1における図4に示すフローチャートのステップS7→ステップS8→ステップS4の経路に相当し、トルク指令値TR1、出力電圧Vmおよび実際のトルクTAは、それぞれ、図7に示す曲線k7,k8,k9のように変化する。
【0223】
このように、図11に示すフローチャートのステップS13において、交流モータM1の要求パワーPm1と交流モータM2の要求パワーPm2とコンデンサC2の充電パワーPcとの総和Pm1+Pm2+Pcが昇圧コンバータ12の昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超えると、交流モータM1が出力すべきトルクを抑制し、かつ、昇圧コンバータ12の昇圧動作を優先してコンデンサC2を充電し、コンデンサC2の両端の電圧Vmが本来の電圧指令Vdc_comに達した時点で本来のトルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するように昇圧コンバータ12およびインバータ14を制御する(ステップS15〜S17参照)。
【0224】
そして、充電パワーPcが最大値Plimを超える場合、交流モータM1のモータトルクを零に抑制し、交流モータM2によって回生されるパワーPm2を最大値Plimから差引いたPlim−Pm2の電力を供給するように昇圧動作を行なってコンデンサC2を充電する(ステップS16参照)。つまり、交流モータM2は、エンジンの駆動によってパワーPm2を発電してコンデンサC2に供給し、昇圧コンバータ12は、コンデンサC2側に供給可能な最大値Plimから交流モータM2によってコンデンサC2に供給されるパワーPm2を差引いたPlim−Pm2を昇圧動作によってコンデンサC2に供給する。
【0225】
また、充電パワーPcが最大値Plim以下の場合、出力電圧Vmが本来の電圧指令Vdc_comになるように昇圧動作を行なってコンデンサC2を充電し、余った電力によって交流モータM1を駆動する(ステップS17参照)。
【0226】
これによって、直流電流が直流電源Bから急激に流れ出るのを防止でき、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2に過電流が流れるのを防止できる。
【0227】
なお、ステップS13において、要求パワーPm1,Pm2と充電パワーPcとの総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きいと判定されることは、インバータ14,31への現在の入力電圧と電圧指令値との電圧差が基準値よりも大きいと判定されることに相当する。
【0228】
また、ステップS15において、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいと判定されることは、インバータ14,31への現在の入力電圧と電圧指令値との電圧差が基準値よりも大きいと判定されることに相当する。
【0229】
さらに、図11においては、交流モータM1が力行モードにあり、交流モータM2が回生モードにあることを前提として説明したが、交流モータM1が回生モードにあり、交流モータM2が力行モードにある場合も、図11に示すフローチャートに従って、要求パワーが急激に増加した場合の動作が行なわれる。
【0230】
再び、図8を参照して、電圧変換装置100Aにおける全体動作について説明する。全体動作が開始されると、制御装置30Aは、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力し、システムリレーSR1,SR2がオンされる。直流電源Bは直流電圧をシステムリレーSR1,SR2を介して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0231】
電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30Aへ出力する。また、電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置30Aへ出力する。さらに、電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRT1を検出して制御装置30Aへ出力し、電流センサー28は、交流モータM2に流れるモータ電流MCRT2を検出して制御装置30Aへ出力する。そして、制御装置30Aは、外部ECUからトルク指令値TR1,2、およびモータ回転数MRN1,2を受ける。
【0232】
そうすると、制御装置30Aは、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT1、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいて、上述した方法により信号PWMI11を生成し、その生成した信号PWMI11をインバータ14へ出力する。また、制御装置30Aは、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT2、トルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいて、上述した方法により信号PWMI21を生成し、その生成した信号PWMI21をインバータ31へ出力する。
【0233】
さらに、制御装置30Aは、インバータ14(または31)が交流モータM1(またはM2)を駆動するとき、直流電圧Vb、出力電圧Vm、モータ電流MCRT1(またはMCRT2)、トルク指令値TR1(またはTR2)、およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0234】
そうすると、昇圧コンバータ12は、信号PWMUに応じて、直流電源Bからの直流電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧をノードN1,N2を介してコンデンサC2に供給する。そして、インバータ14は、コンデンサC2によって平滑化された直流電圧を制御装置30Aからの信号PWMI11によって交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。また、インバータ31は、コンデンサC2によって平滑化された直流電圧を制御装置30Aからの信号PWMI21によって交流電圧に変換して交流モータM2を駆動する。これによって、交流モータM1は、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生し、交流モータM2は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生する。
【0235】
そして、交流モータM1およびM2のいずれか一方が力行モードにあり、交流モータM1およびM2のいずれか他方が回生モードにある場合に、交流モータM1およびM2のいずれか一方の要求パワーPm1(またはPm2)が急激に増加した場合、上述した図11に示すフローチャートによる動作が実行される。
【0236】
また、電圧変換装置100Aが搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、制御装置30Aは、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて、信号PWMC1,PWMC2を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力し、信号PWMDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0237】
そうすると、インバータ14は、交流モータM1が発電した交流電圧を信号PWMC1に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。また、インバータ31は、交流モータM2が発電した交流電圧を信号PWMC2に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。そして、昇圧コンバータ12は、コンデンサC2からの直流電圧をノードN1,N2を介して受け、その受けた直流電圧を信号PWMDによって降圧し、その降圧した直流電圧を直流電源Bに供給する。これにより、交流モータM1またはM2によって発電された電力が直流電源Bに充電される。
【0238】
なお、インバータ31および交流モータM2は、直流電源と異なる経路から電力を供給する「電力供給手段」を構成する。
【0239】
また、この発明による電圧変換方法は、図11に示すフローチャートに従って直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する電圧変換方法である。
【0240】
さらに、電圧変換装置100Aにおいては、インバータ31および交流モータM2に代えて燃料電池を用いてもよい。つまり、実施の形態2においては、コンデンサC2側に電力を供給できるものであれば、インバータ31および交流モータM2の代わりに用いることができる。
【0241】
さらに、この発明による電力供給方法は、図11に示すフローチャートに従って電力をコンデンサC2およびインバータ14に供給する電力供給方法である。
【0242】
さらに、モータトルク制御手段301Aにおける電力供給の制御は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図11に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図11に示すフローチャートに従ってコンデンサC2およびインバータ14への電力供給を制御する。したがって、ROMは、図11に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0243】
その他は、実施の形態1と同じである。
実施の形態2によれば、電圧変換装置は、交流モータM1が力行モードにあり、交流モータM2が回生モードにある場合に、交流モータM1の要求パワーが急激に増加し、交流モータM1,M2の要求パワーPm1,Pm2とコンデンサC2の充電パワーPcとの総和Pm1+Pm2+Pcが昇圧コンバータの昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超えた場合、交流モータM1の出力トルクを抑制し、Plim−Pm2の電力を供給する昇圧動作を優先するように昇圧コンバータおよびインバータを制御する制御装置を備えるので、電流が直流電源から急激に流れ出るのを防止でき、昇圧コンバータを構成するNPNトランジスタに過電流が流れるのを防止できる。
【0244】
[実施の形態3]
図12を参照して、実施の形態3による電圧変換装置100Bは、電圧変換装置100Aの制御装置30Aを制御装置30Bに代えたものであり、その他は、電圧変換装置100Aと同じである。
【0245】
制御装置30Bは、制御装置30Aの機能のうち、信号PWMI12を生成してインバータ14へ出力する機能を削除し、信号RUPを生成してエンジンECU65へ出力する機能を追加したものである。
【0246】
制御装置30Bは、上述した要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcの総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きく、かつ、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きい場合、エンジン55の回転数を増加させるための信号RUPを生成し、その生成した信号RUPをエンジンECU65へ出力する。
【0247】
交流モータM2は、エンジン55に接続され、エンジン55の駆動によって交流電圧を発電する。エンジンECU65は、エンジン55を制御し、制御装置30Bからの信号RUPに応じてエンジン55の回転数を増加させる。
【0248】
図13を参照して、制御装置30Bは、制御装置30Aのモータトルク制御手段301Aをモータトルク制御手段301Bに代えたものであり、その他は制御装置30Aと同じである。
【0249】
モータトルク制御手段301Bは、要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcの総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下か否かを判定し、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下よりも大きい場合、さらに、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいか否かを判定する。そして、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きい場合、エンジン55の回転数を増加させるための信号RUPを生成し、その生成した信号RUPをエンジンECU65へ出力する。また、モータトルク制御手段301Bは、信号PWMI12を生成せず、信号PWMI11,13、信号PWMI21および信号PWMUを生成する。
【0250】
図14を参照して、モータトルク制御手段301Bは、モータトルク制御手段301Aのモータ制御用相電圧演算部40Aをモータ制御用相電圧演算部40Bに代え、コンバータ用デューティー比演算部52Aをコンバータ用デューティー比演算部52Bに代え、演算部56Aを演算部56Bに代え、判定部58Aを判定部58Bに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301Aと同じである。
【0251】
モータ制御用相電圧演算部40Bは、判定部58Bからの信号DTE5またはDTE8に応じて、外部ECUからのトルク指令値TR1(またはTR2)、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24(または電流センサー28)からのモータ電流MCRT1(またはMCRT2)に基づいて、交流モータM1(または交流モータM2)の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET5をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0252】
また、モータ制御用相電圧演算部40Bは、判定部58Bからの信号DTE7に応じて、演算部56Bからのトルク指令値Tm1、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRT1に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET7をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0253】
コンバータ用デューティー比演算部52Bは、判定部58Bから信号DTE5またはDTE7を受けると、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー13からの電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0254】
また、コンバータ用デューティー比演算部52Bは、判定部58Bから信号DTE8を受けると、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー13からの電圧Vmを前回の制御タイミングにおける電圧指令Vdc_com_bfに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0255】
演算部56Bは、上述した要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcを演算して判定部58Bへ出力する。また、演算部56Bは、判定部58Bから信号DTE7を受けると、既に演算した要求パワーPm2および充電パワーPcと外部ECUからのモータ回転数MRN1を式(6)に代入してトルク指令値Tm1を演算し、その演算したトルク指令値Tm1をモータ制御用相電圧演算部40Bへ出力する。
【0256】
判定部58Bは、演算部56Bからの要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcの総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下か否かを判定し、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下であるとき信号DTE5を生成してモータ制御用相電圧演算部40Bおよびコンバータ用デューティー比演算部52Bへ出力する。
【0257】
また、判定部58Bは、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きいとき、さらに、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいか否かを判定する。そして、判定部58Bは、充電パワーPcが最大値Plim以下であるとき信号DTE7および信号RGE1を生成し、信号DTE7をモータ制御用相電圧演算部40B、コンバータ用デューティー比演算部52Bおよび演算部56Bへ出力し、信号RGE1を電圧変換制御手段302Aへ出力する。一方、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいとき、判定部58Bは、信号DTE8、信号RUPおよび信号RGE1を生成し、信号DTE8をモータ制御用相電圧演算部40Bおよびコンバータ用デューティー比演算部52Bへ出力し、信号RUPをエンジンECU65へ出力し、信号RGE1を電圧変換制御手段302Aへ出力する。
【0258】
さらに、判定部58Bは、信号DTE7および信号RGE1を出力した後、または信号DTE8、信号RUPおよび信号RGE1を出力した後、電圧センサー13からの電圧Vmがインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに一致するか否かを判定し、電圧Vmが電圧指令Vdc_comに一致すると信号DTE5を生成してモータ制御用相電圧演算部40Bおよびコンバータ用デューティー比演算部52Bへ出力する。
【0259】
図15は、交流モータM1の要求パワーPm1が変化したときの実施の形態3における動作を説明するためのフローチャートである。なお、図15に示すフローチャートに基づく動作は一定時間毎に実行される。また、以下においては、交流モータM1は力行モードにあり、交流モータM2は回生モードにあることを前提に説明する。
【0260】
図15に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS16をステップS16Aに代えたものであり、その他は図11に示すフローチャートと同じである。
【0261】
図15を参照して、ステップS15において充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいと判定されたとき、すなわち、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きく、かつ、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいとき、判定部58Bは、信号DTE8、信号RUPおよび信号RGE1を生成し、信号DTE8をモータ制御用相電圧演算部40Bおよびコンバータ用デューティー比演算部52Bへ出力し、信号RUPをエンジンECU65へ出力し、信号RGE1を電圧変換制御手段302Aへ出力する。
【0262】
コンバータ用デューティー比演算部52Bは、判定部58Bからの信号DTE8に応じて前回の電圧指令Vdc_com_bfを用いてデューティー比を演算する。すなわち、コンバータ用デューティー比演算部52Bは、バッテリ電圧Vbに基づいて、電圧Vmを電圧指令Vdc_com_bfに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52Bからのデューティー比に基づいて信号PWMU5(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0263】
NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU5によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12は、出力電圧Vmが前回の電圧指令Vdc_com_bfになるようにバッテリ電圧Vbを昇圧してコンデンサC2に供給する。
【0264】
エンジンECU65は、判定部58Bからの信号RUPに応じてエンジン55の回転数を上昇させる。そして、エンジン55は、回転数を高くして回転する。そうすると、交流モータM2は、エンジン55の回転数の増加に伴い、発電量を増加して交流電圧を発電し、その発電した交流電圧をインバータ31へ供給する。この場合、交流モータM2は、発電量をPm2からPm2+Pcへ増加する。
【0265】
一方、電圧変換制御手段302Aは、判定部58Bからの信号RGE1に応じて信号PWMC2を生成してインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。インバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMC2によってオン/オフされ、インバータ31は、交流モータM2から供給された交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサC2に供給する。
【0266】
また、モータ制御用相電圧演算部40Bは、判定部58Bからの信号DTE8に応じて、外部ECUからのトルク指令値TR1、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRT1に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果RET5をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40Bからの演算結果DTE5に基づいて信号PWMI11を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0267】
インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は信号PWMI11によってオン/オフされ、インバータ14は、外部ECUからのトルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するように交流モータM1を駆動する(ステップS16A)。
【0268】
このように、実施の形態3においては、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きく、かつ、充電パワーPcが最大値Plimよりも大きいとき、交流モータM2における発電量をPm2からPm2+Pcへ増加してコンデンサC2の充電に必要な電力Pcを交流モータM2およびインバータ31からコンデンサC2に供給し、昇圧コンバータ12は交流モータM1の要求パワーが増加する前の電圧指令Vdc_com_bfに基づく昇圧動作を行ない、インバータ14は外部ECUからのトルク指令値TR1によって指定されたトルク(すなわち、要求どおりのパワー)を出力するように交流モータM1を駆動する。これによって、直流電流が直流電源から急激に流れ出るのを防止でき、昇圧コンバータ12は、最大値Plim以下の範囲において昇圧動作を行なうことができる。
【0269】
ステップS16Aの後、ステップS18が実行される。
その他は、図11に示すフローチャートと同じである。
【0270】
電圧変換装置100Bにおける全体動作は、電圧変換装置100Aにおける全体動作において、交流モータM1の要求パワーが増加した場合の動作(図11に示すフローチャートに基づく動作)を図15に示すフローチャートに基づく動作に代えたものであり、その他は電圧変換装置100Aにおける動作と同じである。
【0271】
なお、この発明による電圧変換方法は、図15に示すフローチャートに従って直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する電圧変換方法である。
【0272】
また、この発明による電力供給方法は、図15に示すフローチャートに従って電力をコンデンサC2およびインバータ14に供給する電力供給方法である。
【0273】
さらに、モータトルク制御手段301Bにおける電力供給の制御は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図15に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図15に示すフローチャートに従ってコンデンサC2およびインバータ14への電力供給を制御する。したがって、ROMは、図15に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0274】
その他は、実施の形態2と同じである。
実施の形態3によれば、電圧変換装置は、交流モータM1が力行モードにあり、交流モータM2が回生モードにある場合に、交流モータM1の要求パワーが急激に増加し、交流モータM1,M2の要求パワーPm1,Pm2とコンデンサC2の充電パワーPcとの総和Pm1+Pm2+Pcが昇圧コンバータの昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超えた場合、交流モータM2における発電量を増加してコンデンサC2の充電に必要な充電パワーPcをコンデンサC2に供給するように昇圧コンバータおよびインバータを制御する制御装置を備えるので、要求されたパワーを出力しながら、電流が直流電源から急激に流れ出るのを防止でき、昇圧コンバータを構成するNPNトランジスタに過電流が流れるのを防止できる。
【0275】
[実施の形態4]
図16を参照して、実施の形態4による電圧変換装置100Cは、電圧変換装置100Bの制御装置30Bを制御装置30Cに代えたものであり、その他は電圧変換装置100Bと同じである。
【0276】
制御装置30Cは、制御装置30Bの機能に加え、信号STPを生成して昇圧コンバータ12へ出力する機能を有する。
【0277】
図17を参照して、制御装置30Cは、制御装置30Bのモータトルク制御手段301Bをモータトルク制御手段301Cに代えたものであり、その他は制御装置30Bと同じである。
【0278】
モータトルク制御手段301Cは、上述した総和Pm1+Pm2+Pcが最大値よりも大きいとき、信号STPを生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。モータトルク制御手段301Cのその他の機能は、モータトルク制御手段301Bの機能と同じである。
【0279】
図18を参照して、モータトルク制御手段301Cは、モータトルク制御手段301Bのモータ制御用相電圧演算部40Bをモータ制御用相電圧演算部40Cに代え、コンバータ用デューティー比演算部52Bをコンバータ用デューティー比演算部52Cに代え、演算部56Bを演算部56Cに代え、判定部58Bを判定部58Cに代えたものであり、その他は、モータトルク制御手段301Bと同じである。
【0280】
モータ制御用相電圧演算部40Cは、判定部58Cにおける判定結果に無関係に、外部ECUからのトルク指令値TR1(またはTR2)、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24(または電流センサー28)からのモータ電流MCRT1(またはMCRT2)に基づいて交流モータM1(またはM2)の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。
【0281】
コンバータ用デューティー比演算部52Cは、判定部58Cから信号DTE5またはDTE10を受けると、電圧センサー10からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー13からの電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0282】
また、コンバータ用デューティー比演算部52Cは、判定部58Cから信号DTE9を受けると、オンデューティーが零であるデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。
【0283】
演算部56Cは、上述した要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcを演算し、その演算した要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcを判定部58Cへ出力する。
【0284】
判定部58Cは、要求パワーPm1,Pm2および充電パワーPcの総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下か否かを判定し、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plim以下であるとき信号DTE5を生成してコンバータ用デューティー比演算部52Cへ出力する。
【0285】
また、判定部58Cは、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きいとき、信号DTE9、信号RUPおよび信号RGE1を生成し、信号DTE9をコンバータ用デューティー比演算部52Cへ出力し、信号RUPをエンジンECU65へ出力し、信号RGE1を電圧変換制御手段302Aへ出力する。
【0286】
さらに、判定部58Cは、信号DTE9、信号RUPおよび信号RGE1を出力した後、電圧センサー13からの電圧Vmがインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに到達すると信号DTE10を生成してコンバータ用デューティー比演算部52Cへ出力する。
【0287】
図19は、交流モータM1の要求パワーPm1が変化したときの実施の形態4における動作を説明するためのフローチャートである。なお、図19に示すフローチャートに基づく動作は一定時間毎に実行される。また、以下においては、交流モータM1は力行モードにあり、交流モータM2は回生モードにあることを前提に説明する。
【0288】
図19に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS15〜ステップS18をステップS19,S20に代えたものであり、その他は図11に示すフローチャートと同じである。
【0289】
図19を参照して、ステップS13において、総和Pm1+Pm2+Pcが最大値Plimよりも大きいと判定されると、判定部58Cは、信号DTE9、信号RUPおよび信号RGE1を生成し、信号DTE9をコンバータ用デューティー比演算部52Cへ出力し、信号RUPをエンジンECU65へ出力し、信号RGE1を電圧変換制御手段302Aへ出力する。
【0290】
そうすると、コンバータ用デューティー比演算部52Cは、判定部58Cからの信号DTE9に応じてオンデューティーが零のデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。コンバータ用PWM信号変換部54は、オンデューティーが零のデューティー比に基づいて信号STPを生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。NPNトランジスタQ1,Q2は、信号STPに応じてオフされ、昇圧コンバータ12は動作を停止する。
【0291】
一方、エンジンECU65は、判定部58Cからの信号RUPに応じてエンジン55の回転数を上昇させる。そして、エンジン55は、回転数を高くして回転する。そうすると、交流モータM2は、エンジン55の回転数の増加に伴い、発電量を増加して交流電圧を発電し、その発電した交流電圧をインバータ31へ供給する。この場合、交流モータM2は、発電量をPm2からPm2+Pcへ増加する。
【0292】
一方、電圧変換制御手段302Aは、判定部58Cからの信号RGE1に応じて信号PWMC2を生成してインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。インバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMC2によってオン/オフされ、インバータ31は、交流モータM2から供給された交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサC2に供給する。
【0293】
また、モータ制御用相電圧演算部40Cは、外部ECUからのトルク指令値TR1、電圧センサー13からの電圧Vmおよび電流センサー24からのモータ電流MCRT1に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を演算し、その演算結果をインバータ用PWM信号変換部42へ出力する。インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40Cからの演算結果に基づいて信号PWMI11を生成してインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0294】
インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8は信号PWMI11によってオン/オフされ、インバータ14は、外部ECUからのトルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するように交流モータM1を駆動する(ステップS19)。
【0295】
このように、ステップS19においては、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2を停止した状態で、交流モータM2における発電量をPm2からPm2+Pcまで増加してコンデンサC2の充電に必要なパワーPcをコンデンサC2に供給する。
【0296】
そして、コンデンサC2の両端の電圧Vmがインバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令Vdc_comに到達すると、判定部58Cは、信号DTE10を生成してコンバータ用デューティー比演算部52Cへ出力する。そして、コンバータ用デューティー比演算部52Cは、判定部58Cからの信号DTE10に応じて、バッテリ電圧Vbに基づいて電圧Vmを電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部54へ出力する。そして、コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバータ用デューティー比演算部52Cからのデューティー比に基づいて信号PWMU1(信号PWMUの一種)を生成して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0297】
したがって、電圧Vmが電圧指令Vdc_comに到達すると、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2は信号PWMU1によってオン/オフされ、昇圧コンバータ12のゲートのオフは解除される(ステップS20)。
【0298】
その後、ステップS14が実行される。これにより、一連の動作は一旦終了する。
【0299】
上述したように、実施の形態4においては、昇圧コンバータ12を停止した状態で交流モータM2の発電量を増加させてコンデンサC2の充電に必要なパワーPcを交流モータM2およびインバータ31からコンデンサC2に供給し、インバータ14は外部ECUからのトルク指令値TR1によって指定されたトルク(すなわち、要求どおりのパワー)を出力するように交流モータM1を駆動する。これによって、直流電流が直流電源から急激に流れ出るのを防止でき、昇圧コンバータ12を保護できる。
【0300】
その他は、図11に示すフローチャートと同じである。
電圧変換装置100Cにおける全体動作は、電圧変換装置100Aにおける全体動作において、交流モータM1の要求パワーが増加した場合の動作(図11に示すフローチャートに基づく動作)を図19に示すフローチャートに基づく動作に代えたものであり、その他は電圧変換装置100Aにおける動作と同じである。
【0301】
なお、この発明による電圧変換方法は、図19に示すフローチャートに従って直流電圧Vbを出力電圧Vmに変換する電圧変換方法である。
【0302】
また、この発明による電力供給方法は、図19に示すフローチャートに従って電力をコンデンサC2およびインバータ14に供給する電力供給方法である。
【0303】
さらに、モータトルク制御手段301Cにおける電力供給の制御は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図19に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図19に示すフローチャートに従ってコンデンサC2およびインバータ14への電力供給を制御する。したがって、ROMは、図19に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0304】
その他は、実施の形態2と同じである。
実施の形態4によれば、電圧変換装置は、交流モータM1が力行モードにあり、交流モータM2が回生モードにある場合に、交流モータM1の要求パワーが急激に増加し、交流モータM1,M2の要求パワーPm1,Pm2とコンデンサC2の充電パワーPcとの総和Pm1+Pm2+Pcが昇圧コンバータの昇圧動作によって供給可能な電力の最大値Plimを超えた場合、昇圧コンバータ12を停止した状態において、交流モータM2における発電量を増加してコンデンサC2の充電に必要な充電パワーPcをコンデンサC2に供給するように昇圧コンバータおよびインバータを制御する制御装置を備えるので、要求されたパワーを出力しながら、電流が直流電源から急激に流れ出るのを防止でき、昇圧コンバータを保護できる。
【0305】
なお、上述の実施の形態に記載した内容以外にも、この発明は、種々のハイブリッド自動車または電気自動車に適用できることは言うまでもない。たとえば、コンデンサC2に対して複数のインバータおよびモータを並列に接続し、それぞれのモータ(あるいはモータジェネレータ)を独立に駆動するようにしてもよい。この場合、1つのモータを後輪駆動用に用い、他のモータを前輪駆動用に用いてもよい。また、遊星ギア機構を用いたハイブリッド自動車としては、1つのモータジェネレータを遊星ギア機構のサンギアに接続し、エンジンを遊星ギア機構のキャリアに接続し、もう1つのモータジェネレータをリングギアに接続するものも公知であるが、この発明は、このようなハイブリッド自動車にも適用できる。
【0306】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による電圧変換装置の概略ブロック図である。
【図2】 図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】 図2に示すモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図4】 図1に示す交流モータの要求パワーが変化した場合の実施の形態1における動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】 電圧Vm、トルク指令値TRおよび実際のトルクTAのタイミングチャートである。
【図6】 電圧Vm、トルク指令値TRおよび実際のトルクTAの他のタイミングチャートである。
【図7】 電圧Vm、トルク指令値TRおよび実際のトルクTAのさらに他のタイミングチャートである。
【図8】 実施の形態2による電圧変換装置の概略ブロック図である。
【図9】 図8に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図10】 図9に示すモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図11】 図8に示す交流モータの要求パワーが変化した場合の実施の形態2における動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】 実施の形態3による電圧変換装置の概略ブロック図である。
【図13】 図12に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図14】 図13に示すモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図15】 図12に示す交流モータの要求パワーが変化した場合の実施の形態3における動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】 実施の形態4による電圧変換装置の概略ブロック図である。
【図17】 図16に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図18】 図17に示すモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図19】 図16に示す交流モータの要求パワーが変化した場合の実施の形態3における動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】 従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10,13,320 電圧センサー、12 昇圧コンバータ、14,31,330 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24,28 電流センサー、30,30A,30B,30C 制御装置、40,40A,40B,40C モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 インバータ入力電圧指令演算部、52,52A,52B,52C コンバータ用デューティー比演算部、54 コンバータ用PWM信号変換部、56,56A,56B,56C 演算部、58,58A,58B,58C判定部、100,100A,100B,100C 電圧変換装置、300 モータ駆動装置、301,301A,301B,301C モータトルク制御手段、302,302A 電圧変換制御手段、310 双方向コンバータ、B 直流電源、SR1,SR2 システムリレー、C1,C2 コンデンサ、L1,311 リアクトル、Q1〜Q8,312,313 NPNトランジスタ、D1〜D8,314,315 ダイオード、M1,M2 交流モータ。

Claims (39)

  1. 直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器と、
    前記出力電圧によって駆動される電気負荷と、
    前記電圧変換器と前記電気負荷との間に設けられ、前記出力電圧を平滑化する容量素子と、
    前記電気負荷の要求電力と前記容量素子の充電に必要な充電電力との合計量が基準値よりも大きいとき、前記電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電気負荷を制御することによって前記電気負荷の電力消費を抑制するとともに前記電圧変換器を制御することによって前記直流電圧から前記出力電圧への電圧変換を継続させる制御手段とを備える電圧変換装置。
  2. 前記制御手段は、昇圧動作によって供給可能な電力の最大値を前記電気負荷側へ供給するように前記電圧変換器を制御する、請求項1に記載の電圧変換装置。
  3. 前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動装置とを含み、
    前記制御手段は、前記モータの出力トルクを抑制するように前記駆動装置を制御する、請求項2に記載の電圧変換装置。
  4. 前記制御手段は、前記出力トルクを零にするように前記駆動装置を制御する、請求項3に記載の電圧変換装置。
  5. 直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器と、
    前記出力電圧によって駆動される電気負荷と、
    前記電圧変換器と前記電気負荷との間に設けられ、前記出力電圧を平滑化する容量素子と、
    前記電圧変換器および前記電気負荷を制御する制御手段とを備え、
    前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動装置とを含み、
    前記制御手段は、前記モータの要求電力と前記容量素子の充電に必要な充電電力との合計量が基準値よりも大きいとき、前記電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記合計量が前記基準値よりも大きくなったときの前記モータの出力トルクを前記駆動装置を制御することによって保持するとともに前記電圧変換器を制御することによって前記直流電圧から前記出力電圧への電圧変換を継続させる、電圧変換装置。
  6. 直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器と、
    前記出力電圧によって駆動される電気負荷と、
    前記電圧変換器と前記電気負荷との間に設けられ、前記出力電圧を平滑化する容量素子と、
    記直流電源と異なる経路から前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する電力供給手段と、
    前記電気負荷の要求電力と前記電力供給手段の要求電力と前記容量素子の充電電力との合計量が基準値よりも大きいとき、前記電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電気負荷を制御することによって前記電気負荷の電力消費を抑制するとともに前記電圧変換器を制御することによって前記直流電圧から前記出力電圧への電圧変換を継続させる制御手段とを備える電圧変換装置。
  7. 前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動装置とを含み、
    前記制御手段は、前記モータの出力トルクを抑制するように前記駆動装置を制御する、請求項6に記載の電圧変換装置。
  8. 前記制御手段は、前記出力トルクを零にするように前記駆動装置を制御する、請求項7に記載の電圧変換装置。
  9. 前記制御手段は、昇圧動作によって前記電圧変換器が供給可能な電力の最大値と前記電力供給手段によって供給される供給電力との電力差を補うように前記電圧変換器を制御する、請求項8に記載の電圧変換装置。
  10. 直流電源からの直流電圧を出力電圧に変換する電圧変換器と、
    前記出力電圧によって駆動される電気負荷と、
    前記電圧変換器と前記電気負荷との間に設けられ、前記出力電圧を平滑化する容量素子と、
    記直流電源と異なる経路から前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する電力供給手段と、
    前記電気負荷の要求電力と前記電力供給手段の要求電力と前記容量素子の充電電力との合計量が基準値よりも大きいとき、前記電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電力供給手段を制御することによって前記電力供給手段からの供給電力を増加させる制御手段とを備える電圧変換装置。
  11. 記電力供給手段は、前記制御手段からの制御に従って前記容量素子の両端の電圧が前記出力電圧の目標電圧になるように前記供給電力を増加する、請求項10に記載の電圧変換装置。
  12. 前記制御手段は、前記直流電圧から前記出力電圧への電圧変換を継続するように前記電圧変換器をさらに制御する、請求項11に記載の電圧変換装置。
  13. 前記電圧変換器は、少なくとも1組のスイッチング素子を有するチョッパ回路を含み、
    前記制御手段は、前記合計量が前記基準値よりも大きいとき、前記チョッパ回路をさらに遮断する、請求項11に記載の電圧変換装置。
  14. 前記制御手段は、前記容量素子の両端の電圧が前記目標電圧に達すると、前記チョッパ回路の遮断を解除する、請求項13に記載の電圧変換装置。
  15. 前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動するインバータとを含み、
    前記電力供給手段は、前記インバータに対して発電電力を供給する発電機である、請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の電圧変換装置。
  16. 直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷へ電力を供給する電力供給方法であって、
    前記電気負荷の要求電力を算出する第1のステップと、
    前記出力電圧を平滑化する容量素子の両端の電圧と前記出力電圧の目標電圧との電圧差に基づいて、前記容量素子の充電に必要な充電電力を算出する第2のステップと、
    前記要求電力と前記充電電力との合計量が基準値よりも大きいか否かを判定する第3のステップと、
    前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電気負荷における電力消費を抑制するとともに前記電圧変換器によって継続して前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する第4のステップとを含む電力供給方法。
  17. 前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動手段とを含み、
    前記第4のステップは、前記モータの出力トルクを制限する、請求項16に記載の電力供給方法。
  18. 前記第4のステップは、前記出力トルクを零にする、請求項17に記載の電力供給方法。
  19. 直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷へ電力を供給する電力供給方法であって、
    前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動装置とを含み、
    前記電力供給方法は、
    前記モータの要求電力を算出する第1のステップと、
    前記出力電圧を平滑化する容量素子の両端の電圧と前記出力電圧の目標電圧との電圧差に基づいて、前記容量素子の充電に必要な充電電力を算出する第2のステップと、
    前記要求電力と前記充電電力との合計量が基準値よりも大きいか否かを判定する第3のステップと、
    前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記合計量が前記基準値よりも大きくなったときの前記モータの出力トルクを保持するとともに前記電圧変換器によって継続して前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する第4のステップとを含む、電力供給方法。
  20. 前記第4のステップは、昇圧動作によって前記電圧変換器が供給可能な電力の最大値を前記電気負荷側へ供給する、請求項16から請求項19のいずれか1項に記載の電力供給方法。
  21. 直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷へ電力を供給する電力供給方法であって、
    前記電気負荷の要求電力を算出する第1のステップと、
    前記出力電圧を平滑化する容量素子の両端の電圧と前記出力電圧の目標電圧との電圧差に基づいて、前記容量素子の充電に必要な充電電力を算出する第2のステップと、
    前記直流電源と異なる経路から前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する電力供給手段の要求電力を算出する第3のステップと、
    前記電気負荷の要求電力と前記電力供給手段の要求電力と前記充電電力との合計量が基準値よりも大きいか否かを判定する第4のステップと、
    前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電気負荷における電力消費を抑制するとともに前記電圧変換器によって継続して前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する第5のステップとを含む電力供給方法。
  22. 前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動装置とを含み、
    前記第5のステップは、前記モータの出力トルクを零にするとともに、昇圧動作によって前記電圧変換器が供給可能な電力の最大値と前記電力供給手段によって供給される供給電力との電力差を前記電圧変換器によって供給する、請求項21に記載の電力供給方法。
  23. 直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷へ電力を供給する電力供給方法であって、
    前記電気負荷の要求電力を算出する第1のステップと、
    前記出力電圧を平滑化する容量素子の両端の電圧と前記出力電圧の目標電圧との電圧差に基づいて、前記容量素子の充電に必要な充電電力を算出する第2のステップと、
    前記直流電源と異なる経路から前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する電力供給手段の要求電力を算出する第3のステップと、
    前記電気負荷の要求電力と前記電力供給手段の要求電力と前記充電電力との合計量が基準値よりも大きいか否かを判定する第4のステップと、
    前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電力供給手段からの供給電力を増加する第5のステップとを含む電力供給方法。
  24. 前記第5のステップは、前記容量素子の両端の電圧が前記目標電圧になるように前記供給電力を増加する、請求項23に記載の電力供給方法。
  25. 前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記電圧変換器によって継続して前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する第6のステップをさらに含む、請求項23または請求項24に記載の電力供給方法。
  26. 前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記電圧変換器を停止する第7のステップをさらに含む、請求項23または請求項24に記載の電力供給方法。
  27. 前記容量素子の両端の電圧が前記目標電圧に到達すると、前記電圧変換器の停止を解除する第8のステップをさらに含む、請求項26に記載の電力供給方法。
  28. 直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷への電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記電気負荷の要求電力を算出する第1のステップと、
    前記出力電圧を平滑化する容量素子の両端の電圧と前記出力電圧の目標電圧との電圧差に基づいて、前記容量素子の充電に必要な充電電力を算出する第2のステップと、
    前記要求電力と前記充電電力との合計量が基準値よりも大きいか否かを判定する第3のステップと、
    前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電気負荷における電力消費を抑制するとともに前記電圧変換器によって継続して前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する第4のステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  29. 前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動手段とを含み、
    前記第4のステップは、前記モータの出力トルクを制限する、請求項28に記載のコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  30. 前記第4のステップは、前記出力トルクを零にする、請求項29に記載のコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  31. 直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷への電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動装置とを含み、
    前記記録媒体は、
    前記モータの要求電力を算出する第1のステップと、
    前記出力電圧を平滑化する容量素子の両端の電圧と前記出力電圧の目標電圧との電圧差に基づいて、前記容量素子の充電に必要な充電電力を算出する第2のステップと、
    前記要求電力と前記充電電力との合計量が基準値よりも大きいか否かを判定する第3のステップと、
    前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記直流電圧を前記出力電圧 に変換する電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記合計量が前記基準値よりも大きくなったときの前記モータの出力トルクを保持するとともに前記電圧変換器によって継続して前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する第4のステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録する、コンピュータ読取り可能な記録媒体。
  32. 前記第4のステップは、昇圧動作によって前記電圧変換器が供給可能な電力の最大値を前記電気負荷側へ供給する、請求項28から請求項31のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  33. 直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷への電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記電気負荷の要求電力を算出する第1のステップと、
    前記出力電圧を平滑化する容量素子の両端の電圧と前記出力電圧の目標電圧との電圧差に基づいて、前記容量素子の充電に必要な充電電力を算出する第2のステップと、
    前記直流電源と異なる経路から前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する電力供給手段の要求電力を算出する第3のステップと、
    前記電気負荷の要求電力と前記電力供給手段の要求電力と前記充電電力との合計量が基準値よりも大きいか否かを判定する第4のステップと、
    前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電気負荷における電力消費を抑制するとともに前記電圧変換器によって継続して前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する第5のステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  34. 前記電気負荷は、
    モータと、
    前記出力電圧を受けて前記モータを駆動する駆動装置とを含み、
    前記第5のステップは、前記モータの出力トルクを零にするとともに、昇圧動作によって前記電圧変換器が供給可能な電力の最大値と前記電力供給手段によって供給される供給電力との電力差を前記電圧変換器によって供給する、請求項33に記載のコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  35. 直流電源からの直流電圧を変換した出力電圧によって駆動される電気負荷への電力供給の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記電気負荷の要求電力を算出する第1のステップと、
    前記出力電圧を平滑化する容量素子の両端の電圧と前記出力電圧の目標電圧との電圧差に基づいて、前記容量素子の充電に必要な充電電力を算出する第2のステップと、
    前記直流電源と異なる経路から前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する電力供給手段の要求電力を算出する第3のステップと、
    前記電気負荷の要求電力と前記電力供給手段の要求電力と前記充電電力との合計量が基準値よりも大きいか否かを判定する第4のステップと、
    前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記直流電圧を前記出力電圧に変換する電圧変換器によって前記直流電源から前記電気負荷および前記容量素子へ供給される電力が前記基準値以下となるように、前記電力供給手段からの供給電力を増加する第5のステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  36. 前記第5のステップは、前記容量素子の両端の電圧が前記目標電圧になるように前記供給電力を増加する、請求項35に記載のコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  37. 前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記電圧変換器によって継続して前記電気負荷および前記容量素子へ電力を供給する第6のステップをさらに含む、請求項35または請求項36に記載のコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  38. 前記合計量が前記基準値よりも大きいと判定されたとき、前記電圧変換器を停止する第7のステップをさらに含む、請求項35または請求項36に記載のコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  39. 前記容量素子の両端の電圧が前記目標電圧に到達すると、前記電圧変換器の停止を解除する第8のステップをさらに含む、請求項38に記載のコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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