JP2004260904A - 前後輪駆動装置、それにおけるモータ駆動方法およびモータの駆動をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

前後輪駆動装置、それにおけるモータ駆動方法およびモータの駆動をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Koji Yamada
浩二 山田
Kazutaka Tatematsu
和高 立松
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors

Abstract

【課題】発進時に4WD走行が可能な車両に適した昇圧システムを含む前後輪駆動装置を提供する。
【解決手段】前後輪駆動装置100は、バッテリ10と、リアクトルL1と、コンデンサC1,C2と、制御部11,21,31,51と、電圧センサー13と、昇圧IPM20と、IPM30,50と、電流センサー32,52と、フロントモータ40と、リアモータ60と、統合制御部70とを備える。昇圧IPM20およびリアクトルL1はバッテリ10からのバッテリ電圧を昇圧する。IPM30は、昇圧IPM20からの直流電圧によってフロントモータ40を駆動する。IPM50は、バッテリ10からのバッテリ電圧によってリアモータ60を駆動する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回生効率の良い前後輪駆動装置、それにおけるモータ駆動方法およびモータの駆動をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給されることも提案されている(特開平8−214592号公報)。
【0005】
すなわち、ハイブリッド自動車または電気自動車は、図22に示すモータ駆動装置を搭載している。図22を参照して、モータ駆動装置400は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、双方向コンバータ310と、電圧センサー320と、インバータ330とを備える。
【0006】
直流電源Bは、直流電圧を出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置(図示せず)によってオンされると、直流電源Bからの直流電圧をコンデンサC1に供給する。コンデンサC1は、直流電源BからシステムリレーSR1,SR2を介して供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を双方向コンバータ310へ供給する。
【0007】
双方向コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312のエミッタとNPNトランジスタ313のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタ312,313は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315が配置されている。
【0008】
双方向コンバータ310は、制御装置(図示せず)によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC2に供給する。また、双方向コンバータ310は、モータ駆動装置400が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧して直流電源Bに供給する。
【0009】
コンデンサC2は、双方向コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。電圧センサー320は、コンデンサC2の両側の電圧、すなわち、双方向コンバータ310の出力電圧Vmを検出する。
【0010】
インバータ330は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置400が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して双方向コンバータ310へ供給する。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−214592号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平11−332013号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平8−214592号公報には、発進時に4WD走行が可能な車両にとって最適な昇圧システムが提案されていない。
【0014】
それゆえに、この発明の目的は、発進時に4WD走行が可能な車両に適した昇圧システムを含む前後輪駆動装置を提供することである。
【0015】
また、この発明の別の目的は、発進時に4WD走行が可能な車両に適したモータ駆動方法を提供することである。
【0016】
さらに、この発明の別の目的は、発進時に4WD走行が可能な車両に適したモータの駆動制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、前後輪駆動装置は、昇圧回路と、第1および第2のモータとを備える。昇圧回路は、電源電圧を昇圧する。第1のモータは、昇圧回路から出力された昇圧電圧によって駆動される。第2のモータは、電源電圧によって駆動される。そして、第1のモータは、前後輪のいずれか一方の車輪を駆動する。第2のモータは、前後輪のいずれか他方の車輪を駆動する。
【0018】
好ましくは、第1のモータは、内燃機関からの回転力により発電し、または内燃機関を始動する。
【0019】
好ましくは、前後輪駆動装置は、制御手段をさらに備える。制御手段は、車両の発進時、第1のモータが一方の車輪を駆動し、かつ、第2のモータが他方の車輪を駆動するように第1および第2のモータを制御する。
【0020】
好ましくは、前後輪駆動装置は、第1および第2の駆動回路と、第1および第2の制御回路とをさらに備える。第1の駆動回路は、昇圧電圧を受けて第1のモータを駆動する。第2の駆動回路は、電源電圧を受けて第2のモータを駆動する。第1の制御回路は、第1の駆動回路を制御する。第2の制御回路は、第2の駆動回路を制御する。そして、昇圧回路、第1の駆動回路、第2の駆動回路、第1の制御回路および第2の制御回路は、1つのユニットを構成し、第1のモータに近接した位置に配置される。
【0021】
好ましくは、前後輪駆動装置は、第1および第2の駆動回路と、第1および第2の制御回路とをさらに備える。第1の駆動回路は、昇圧電圧を受けて第1のモータを駆動する。第2の駆動回路は、電源電圧を受けて第2のモータを駆動する。第1の制御回路は、第1の駆動回路を制御する。第2の制御回路は、第2の駆動回路を制御する。そして、昇圧回路、第1の駆動回路および第1の制御回路は、第1のユニットを構成し、第1のモータに近接した位置に配置される。また、第2の駆動回路および第2の制御回路は、第2のユニットを構成し、第2のモータに近接した位置に配置される。
【0022】
好ましくは、前後輪駆動装置は、ブレーキ制御手段を備える。ブレーキ制御手段は、ブレーキ指示を受けると、電源容量が所定値未満のとき第1および第2のモータの少なくとも一方を回生ブレーキ用のモータとして機能するように制御する。
【0023】
好ましくは、ブレーキ制御手段は、電源容量が所定値未満の範囲において、回生効率に基づいて決定されたモータを回生ブレーキ用のモータとして機能させる。
【0024】
好ましくは、ブレーキ制御手段は、電源容量の低下に伴い、回生効率の低いモータの順に回生ブレーキ用のモータとして機能させる。
【0025】
また、この発明によれば、モータ駆動方法は、電源電圧を昇圧した昇圧電圧を受けて前後輪のいずれか一方の車輪を駆動する第1のモータと電源電圧を受けて前後輪のいずれか他方の車輪を駆動する第2のモータとを含む前後輪駆動装置におけるモータ駆動方法であって、ブレーキ指示を受ける第1のステップと、電源電圧を出力する電源の容量を判定する第2のステップと、第2のステップにおいて判定された容量が所定値未満のとき、第1および第2のモータの少なくとも一方を回生ブレーキ用のモータとして機能させる第3のステップとを含む。
【0026】
好ましくは、第3のステップは、容量が所定値未満のとき、回生効率に基づいて決定されたモータを回生ブレーキ用のモータとして機能させる。
【0027】
好ましくは、第3のステップは、容量の低下に伴い、回生効率の低いモータの順に回生ブレーキ用のモータとして機能させる。
【0028】
さらに、この発明によれば、電源電圧を昇圧した昇圧電圧を受けて前後輪のいずれか一方の車輪を駆動する第1のモータと電源電圧を受けて前後輪のいずれか他方の車輪を駆動する第2のモータとを含む前後輪駆動装置におけるモータの駆動をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、ブレーキ指示を受ける第1のステップと、電源電圧を出力する電源の容量を判定する第2のステップと、第2のステップにおいて判定された容量が所定値未満のとき、第1および第2のモータの少なくとも一方を回生ブレーキ用のモータとして機能させる第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0029】
好ましくは、第3のステップは、容量が所定値未満のとき、回生効率に基づいて決定されたモータを回生ブレーキ用のモータとして機能させる。
【0030】
好ましくは、第3のステップは、容量の低下に伴い、回生効率の低いモータの順に回生ブレーキ用のモータとして機能させる。
【0031】
この発明においては、電源電圧を昇圧した昇圧電圧と電源電圧とによって2つのモータが駆動される。そして、昇圧電圧によって駆動されるモータは前後輪のいずれか一方の車輪を駆動し、電源電圧によって駆動されるモータは前後輪のいずれか他方の車輪を駆動する。また、電源電圧によって駆動されるモータは発電した電力を電源へ直接回生する。
【0032】
したがって、この発明によれば、2つのモータのうち、一方のモータは電源電圧によって駆動されるので、2つのモータを同時に駆動させることが容易である。その結果、2つのモータを同時に駆動させるモードにおいて必要なトルクを容易に確保できる。
【0033】
また、昇圧電圧は電源電圧によって駆動されるモータへ供給されないので、このモータへの入力経路の耐電圧要求を下げることができ、システムを簡素化/低コスト化できる。さらに、電源電圧によって駆動されるモータが発電した電力の回生効率を高くできる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0035】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1による前後輪駆動装置100は、バッテリ10と、リアクトルL1と、コンデンサC1,C2と、制御部11,21,31,51と、電圧センサー13と、昇圧IPM(Intelligent Power Mojule)20と、IPM30,50と、電流センサー32,52と、フロントモータ40と、リアモータ60と、統合制御部70とを備える。
【0036】
バッテリ10は、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。そして、バッテリ10は、制御部11からの制御によって直流電圧を出力し、またはコンデンサC1を介して供給される直流電圧によって充電される。
【0037】
制御部11は、統合制御部70からの制御に基づいて直流電圧を出力するようにバッテリ10を制御する。また、制御部11は、バッテリ10のバッテリ電圧Vbを検出し、その検出したバッテリ電圧Vbを制御部21,51へ出力する。さらに、制御部11は、バッテリ10から出力される直流電流を積算し、その積算値に基づいてバッテリ10の容量SOC(State Of Charge)を推定する。そして、制御部11は、推定した容量SOCをバッテリ10の温度によって補正し、その補正した容量SOCが満充電量の40%〜80%の範囲になるようにバッテリ10を制御する。さらに、制御部11は、容量SOCのレベルに応じて信号SBC1〜4を生成して統合制御部70へ出力する。
【0038】
なお、信号SBC1は、容量SOCがA%以上〜80%以下であることを示す信号である。信号SBC2は、容量SOCがB(<A)%以上〜A%未満であることを示す信号である。信号SBC3は、容量SOCがC(<B)%以上〜B%未満であることを示す信号である。信号SBC4は、容量SOCが40%以上〜C%未満であることを示す信号である。
【0039】
コンデンサC1は、バッテリ10からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をリアクトルL1およびIPM50へ供給する。リアクトルL1は、昇圧IPM20によるスイッチング制御の結果、バッテリ10から供給される直流電力を蓄積する。
【0040】
昇圧IPM20は、制御部21からの信号PWMUに応じて、バッテリ10からの直流電流をスイッチング制御してリアクトルL1に直流電力を蓄積し、リアクトルL1に蓄積された直流電力に応じた直流電圧をコンデンサC2を介してIPM30へ供給する。
【0041】
また、昇圧IPM20は、制御部21からの信号PWMDに応じて、コンデンサC2を介してIPM30から供給された直流電圧を降圧してバッテリ10に供給する。
【0042】
制御部21は、統合制御部70からのトルク指定値TR1、フロントモータ40のモータ回転数MRN1、制御部11からのバッテリ電圧Vbおよび電圧センサー13からの出力電圧Vmに基づいて、フロントモータ40がトルク指令値TR1によって指定されたトルクを出力するときに昇圧IPM20を駆動するための信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧IPM20へ出力する。
【0043】
信号PWMUは、バッテリ10からのバッテリ電圧Vbを出力電圧Vmに変換する場合に昇圧IPM20を駆動するための信号である。そして、制御部21は、昇圧IPM20がバッテリ電圧Vbを出力電圧Vmに変換する場合に、出力電圧Vmをフィードバック制御し、出力電圧Vmが指令された電圧指令Vdccomになるように昇圧IPM20を駆動するための信号PWMUを生成する。信号PWMUの生成方法については後述する。
【0044】
また、制御部21は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、統合制御部70からの信号RGE1に応じてIPM30から供給された直流電圧を降圧するための信号PWMDを生成し、その生成した信号PWMDを昇圧IPM20へ出力する。
【0045】
コンデンサC2は、昇圧IPM20から出力された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をIPM30へ供給する。電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧IPM20の出力電圧Vm(IPM30への入力電圧に相当する。以下、同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御部21へ出力する。
【0046】
IPM30は、より具体的にはインバータから成る。そして、IPM30は、制御部31からの信号PWMI1に応じて、コンデンサC2を介して供給された直流電圧を交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によってフロントモータ40を駆動する。
【0047】
また、IPM30は、制御部31からの信号PWMC1に応じて、フロントモータ40が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧IPM20へ供給する。
【0048】
制御部31は、統合制御部70からのトルク指令値TR1、モータ回転数MRN1、電圧センサー13からの出力電圧Vmおよび電流センサー32からのモータ電流MCRT1に基づいてIPM30を駆動するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30へ出力する。
【0049】
また、制御部31は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、統合制御部70からの信号RGE1に応じて、フロントモータ40で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC1を生成し、その生成した信号PWMC1をIPM30へ出力する。
【0050】
電流センサー32は、フロントモータ40の各相に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流BCRT1を制御部31へ出力する。
【0051】
フロントモータ40は、ハイブリッド自動車の駆動輪(前輪)を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、フロントモータ40は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなモータである。なお、フロントモータ40は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成される。
【0052】
IPM50は、より具体的にはインバータから成る。IPM50は、バッテリ10からのバッテリ電圧Vb(「電源電圧」とも言う。以下、同じ。)をコンデンサC1を介して受け、その受けたバッテリ電圧Vbを制御部51からの信号PWMI2に応じて交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によってリアモータ60を駆動する。
【0053】
また、IPM50は、制御部51からの信号PWMC2に応じて、リアモータ60が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC1を介してバッテリ10へ供給する。
【0054】
制御部51は、統合制御部70からのトルク指令値TR2、リアモータ60のモータ回転数MRN2、制御部11からのバッテリ電圧Vbおよび電流センサー52からのモータ電流MCRT2に基づいてIPM50を駆動するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をIPM50へ出力する。
【0055】
また、制御部51は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、統合制御部70からの信号RGE2に応じて、リアモータ60で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC2を生成し、その生成した信号PWMC2をIPM50へ出力する。
【0056】
電流センサー52は、リアモータ60の各相に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御部51へ出力する。
【0057】
リアモータ60は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の後輪を駆動する駆動モータ、および後輪の回転力によって発電する発電機として機能する。なお、リアモータ60は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成される。
【0058】
統合制御部70は、前後輪駆動装置100の外部ECU(Electrical Control Unit)から信号STRT,RGE,DRV1〜5を受ける。信号STRTは、前後輪駆動装置100を起動するための信号である。また、信号RGEは、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号である。さらに、DRV1〜5は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の各種の状態を示す信号である。
【0059】
より具体的には、信号DRV1は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の発進時を示す信号である。信号DRV2は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにあることを示す信号である。信号DRV3は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が中速低負荷走行モードにあることを示す信号である。信号DRV4は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が加速・急加速モードにあることを示す信号である。信号DRV5は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が低μ路走行モードにあることを示す信号である。
【0060】
統合制御部70は、信号STRT,DRV1〜5を受けると、表1に示すトルク指令値TR1(TR11,TR12,TR13,TR14から成る。)およびトルク指令値TR2(TR21,TR22,TR23から成る。)を生成する。そして、統合制御部70は、生成したトルク指令値TR1を制御部21,31へ出力し、生成したトルク指令値TR2を制御部51へ出力する。
【0061】
【表1】
Figure 2004260904
【0062】
トルク指令値TR11は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車のエンジンを始動するためにフロントモータ40を駆動するためのトルク指令値である。トルク指令値TR12は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の発進時にフロントモータ40を駆動するためのトルク指令値である。トルク指令値TR13は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合にフロントモータ40を駆動するためのトルク指令値である。トルク指令値TR14は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が加速・急加速モードにある場合にフロントモータ40を駆動するためのトルク指令値である。
【0063】
トルク指令値TR21は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の発進時にリアモータ60を駆動するためのトルク指令値である。トルク指令値TR22は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が加速・急加速モードにある場合にリアモータ60を駆動するためのトルク指令値である。トルク指令値TR23は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が低μ路走行モードにある場合にリアモータ60を駆動するためのトルク指令値である。
【0064】
したがって、統合制御部70は、外部ECUからの信号STRTに応じてトルク指令値TR11を生成し、その生成したトルク指令値TR11を制御部21,31へ出力する。また、統合制御部70は、外部ECUからの信号DRV1に応じてトルク指定値TR12,TR21を生成し、その生成したトルク指令値TR12を制御部21,31へ出力し、生成したトルク指定値TR21を制御部51へ出力する。
【0065】
さらに、統合制御部70は、外部ECUからの信号DRV2に応じてトルク指令値TR13を生成し、その生成したトルク指令値TR13を制御部21,31へ出力する。
【0066】
さらに、統合制御部70は、外部ECUからの信号DRV3に応じてトルク指令値TR11を生成し、その生成したトルク指令値TR11を制御部21,31へ出力する。
【0067】
さらに、統合制御部70は、外部ECUからの信号DRV4に応じてトルク指令値TR14,TR22を生成し、その生成したトルク指令値TR14を制御部21,31へ出力し、生成したトルク指令値TR22を制御部51へ出力する。
【0068】
さらに、統合制御部70は、外部ECUからの信号DRV5に応じてトルク指令値TR23を生成し、その生成したトルク指令TR23を制御部51へ出力する。なお、統合制御部70は、外部ECUからの信号DRV5に応じて、フロントモータ40を駆動モードから回生モードへ移行させるための信号RGE01(RGE1の一種)を生成し、その生成した信号RGE01を制御部21,31へ出力する。
【0069】
統合制御部70は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が減速・制動モードに入ったとき外部ECUから信号RGEを受ける。そして、統合制御部70は、信号RGEを受けると、制御部11からの信号SBC1〜4に応じて表2に示す信号RGE1(信号RGE11,RGE12から成る。)および信号RGE2(信号RGE21,RGE22から成る。)を生成し、その生成した信号RGE1を制御部21,31へ出力し、生成した信号RGE2を制御部51へ出力する。
【0070】
【表2】
Figure 2004260904
【0071】
信号RGE11は、バッテリ10の容量SOCがB%以上〜A%未満である場合にフロントモータ40を回生させるための信号である。信号RGE12は、バッテリ10の容量SOCが40%以上〜C%未満である場合にフロントモータ40を回生させるための信号である。信号RGE21は、バッテリ10の容量SOCがC%以上〜B%未満である場合にリアモータ60を回生させるための信号である。信号RGE22は、バッテリ10の容量SOCが40%以上〜C%未満である場合にリアモータ60を回生させるための信号である。
【0072】
したがって、統合制御部70は、制御部11からの信号SBC2に応じて信号RGE11を生成し、その生成した信号RGE11を制御部21,31へ出力する。また、統合制御部70は、制御部11からの信号SBC3に応じて信号RGE21を生成し、その生成した信号RGE21を制御部51へ出力する。さらに、統合制御部70は、制御部11からの信号SBC4に応じて信号RGE12,RGE22を生成し、その生成した信号RGE12を制御部21,31へ出力し、生成した信号RGE22を制御部51へ出力する。
【0073】
なお、前後輪駆動装置100においては、コンデンサC1,C2、リアクトルL1、昇圧IPM20、制御部21,31,51およびIPM30,50は、1つのPCU(Power Control Unit)に収納され、ハイブリッド自動車に搭載される。
【0074】
また、リアクトルL1および昇圧IPM20は、昇圧コンバータUCVを構成する。
【0075】
図2を参照して、制御部11が推定したバッテリ10の容量SOCをバッテリ10の温度により補正する理由について説明する。バッテリ10のバッテリ電圧Vbおよび容量SOCは、図2に示す関係を満たす。すなわち、バッテリ電圧Vbと容量SOCとの関係は、バッテリ10の温度によって曲線k1〜k3のように変化する。特に、容量SOCが満充電量の20〜80%になるときのバッテリ電圧Vbと容量SOCとの関係はバッテリ10の温度によって大きく変化する。したがって、バッテリ10からの直流電流を積算した積算値は、直流電流がバッテリ10から流れ出るときはバッテリ10から放電された容量を意味し、直流電流がバッテリ10に供給されるときはバッテリ10が充電された容量を意味するので、積算値から推定した現在の容量SOCが満充電量の20〜80%の範囲に入るとき、その推定した現在の容量SOCが曲線k1〜k3のいずれの曲線上にあるかを温度によって補正する必要があるからである。この場合、積算値から推定した現在の容量SOCを温度により補正することは、積算値がバッテリ10に充放電された容量を意味するので、積算値を補正することに相当する。
【0076】
したがって、制御部11は、積算値をバッテリ10の温度によって補正し、バッテリ10の容量SOCが図2に示す曲線k1〜k3のいずれに従うかを決定する。そして、制御部11は、決定した曲線(曲線k1〜k3のいずれか)上で、A%,B%,およびC%の基準値を抽出し、推定した容量SOCがA%以上〜80%以下、B%以上〜A%未満、C%以上〜B%未満および40%以上〜C%未満のいずれの範囲にあるかを検出し、その検出した結果に応じて信号SBC1〜4のいずれかを生成して統合制御部70へ出力する。
【0077】
図3は、図1に示すIPM30,50の回路図を示す。図3を参照して、IPM30,50の各々は、U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17から成るインバータである。U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17は、電源ライン1とアースライン2との間に並列に接続される。
【0078】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0079】
IPM30の各相アームの中間点は、フロントモータ40の各相コイルの各相端に接続されている。また、IPM50の各相アームの中間点は、リアモータ60の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、フロントモータ40は、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。また、リアモータ60は、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0080】
そして、IPM30,50のNPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI1,PWMI2,PWMC1,PWMC2によってオン/オフされる。これにより、IPM30は、昇圧IPM20からの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換してフロントモータ40を駆動し、フロントモータ40が発電した交流電圧を信号PWMC1に応じて直流電圧に変換して昇圧IPM20へ供給する。また、IPM50は、バッテリ10からのバッテリ電圧Vbを信号PWMI2に応じて交流電圧に変換してリアモータ60を駆動し、リアモータ60が発電した交流電圧を信号PWMC2に応じて直流電圧に変換してバッテリ10へ供給する。
【0081】
図4は、図1に示す昇圧IPM20の回路図を示す。図4を参照して、昇圧IPM20は、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。NPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点は、リアクトルL1の一方端に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ライン1とアースライン2との間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ライン1に接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースライン2に接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2が配置されている。
【0082】
そして、NPNトランジスタQ1,Q2は、信号PWMU,PWMDによってオン/オフされる。これにより、昇圧IPM20は、リアクトルL1と協働して、信号PWMUに応じてバッテリ電圧Vbを出力電圧Vmに昇圧してIPM30へ供給し、IPM30からの直流電圧を信号PWMDに応じて降圧してバッテリ10へ供給する。
【0083】
図5は、図1に示す制御部21の一部の機能である昇圧制御手段201の機能ブロック図を示す。図5を参照して、昇圧制御手段201は、インバータ入力電圧指令演算部202と、コンバータ用デューティー比演算部203と、コンバータ用PWM信号変換部204とを含む。
【0084】
インバータ入力電圧指令演算部202は、トルク指令値TR1(トルク指令値TR11,TR12,TR13,TR14のいずれか)およびモータ回転数MRN1に基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令Vdc_comを演算し、その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部203へ出力する。
【0085】
コンバータ用デューティー比演算部203は、制御部11からのバッテリ電圧Vbに基づいて、電圧センサー13からの出力電圧Vmをインバータ入力電圧指令演算部202からの電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部204へ出力する。
【0086】
コンバータ用PWM信号変換部204は、コンバータ用デューティー比演算部203からのデューティー比に基づいて昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMUを生成する。そして、コンバータ用PWM信号変換部204は、生成した信号PWMUを昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0087】
なお、昇圧IPM20の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ライン1の電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ライン1の電圧をバッテリ10の出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0088】
図6は、図1に示す制御部31,51の一部の機能であるモータトルク制御手段300の機能ブロック図を示す。図6を参照して、モータトルク制御手段300は、モータ制御用相電圧演算部301と、インバータ用PWM信号変換部302とを含む。
【0089】
モータ制御用相電圧演算部301は、昇圧コンバータUCV(昇圧IPM20およびリアクトルL1から成る。)の出力電圧Vm、すなわち、IPM30への入力電圧を電圧センサー13から受け、フロントモータ40の各相に流れるモータ電流MCRT1を電流センサー32から受け、トルク指令値TR1(トルク指令値TR11,TR12,TR13,TR14のいずれか)を統合制御部70から受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部301は、これらの入力される信号に基づいて、フロントモータ40の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果RET1をインバータ用PWM信号変換部302へ供給する。
【0090】
また、モータ制御用相電圧演算部301は、バッテリ電圧Vbを制御部11から受け、リアモータ60の各相に流れるモータ電流MCRT2を電流センサー52から受け、トルク指令値TR2(トルク指令値TR21,TR22,TR23のいずれか)を統合制御部70から受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部301は、これらの入力される信号に基づいて、リアモータ60の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果RET2をインバータ用PWM信号変換部302へ供給する。
【0091】
インバータ用PWM信号変換部302は、モータ制御用相電圧演算部301から受けた計算結果RET1に基づいて、実際にIPM30の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0092】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、フロントモータ40が指令されたトルクを出力するようにフロントモータ40の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。
【0093】
また、インバータ用PWM信号変換部302は、モータ制御用相電圧演算部301から受けた計算結果RET2に基づいて、実際にIPM50の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をIPM50の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0094】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、リアモータ60が指定されたトルクを出力するようにリアモータ60の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR2に応じたモータトルクが出力される。
【0095】
図7は、図1に示すPCU80の下層の平面図を示す。図7を参照して、PCU80は、昇圧IPM20と、IPM30,50と、リアクトルL1と、コンデンサC1と、入力端子81と、出力端子82,83とを含む。
【0096】
入力端子81は、バッテリ10から直流電圧を受ける。コンデンサC1は、入力端子81に近接して配置される。リアクトルL1は、コンデンサC1に隣接して配置される。そして、コンデンサC1およびリアクトルL1は、PCU80の短辺に沿って配置される。
【0097】
昇圧IPM20は、リアクトルL1に隣接して配置される。IPM30は、出力端子82に近接して配置される。IPM50は、出力端子83に近接して配置される。そして、昇圧IPM20およびIPM30,50は、コンデンサC1およびリアクトルL1の配置領域以外の領域にPCU80の短辺に沿って配置される。
【0098】
IPM30は、出力端子82を介してフロントモータ40へ交流電圧を供給し、またはフロントモータ40から交流電圧を受ける。また、IPM50は、出力端子83を介してリアモータ60へ交流電圧を供給し、またはリアモータ60から交流電圧を受ける。
【0099】
図8は、図1に示すPCU80の上層の平面図を示す。図8を参照して、PCU80は、制御部21,31,51と、制御基板84と、コンデンサC2とを含む。コンデンサC2は、図7に示すコンデンサC1およびリアクトルL1の上側にPCU80の短辺に沿って配置される。制御基板84は、図7に示す昇圧IPM20およびIPM30,50の上側に配置される。そして、制御部21,31,51は、制御基板84に固定される。この場合、制御部21,31,51は、それぞれ、昇圧IPM20、IPM30およびIPM50の上側に位置するように制御基板84に固定される。
【0100】
このように、図8に示す上層は、図7に示す下層の上側に位置する。
図9は、図7および図8のA−A線における断面図を示す。図9を参照して、コンデンサC1は、PCU80の底面85上に配置され、コンデンサC2は、コンデンサC1上に配置される。IPM50は、底面85上に配置され、制御部51は、IPM50上に配置される。そして、冷却部86が底面85の外側に設置される。これにより、PCU80は、冷却される。
【0101】
図10は、図1に示す前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の断面図を示す。図10を参照して、前後輪駆動装置100のフロントモータ40は、ハイブリッド自動車110の前輪111に近接して配置される。PCU80は、フロントモータ40の近くに配置され、ケーブル91を介してフロントモータ40と接続される。
【0102】
リアモータ60は、ハイブリッド自動車110の後輪112に近接して配置される。バッテリ10は、リアモータ60の近くに配置される。PCU80は、ケーブル90を介してバッテリ10と接続され、ケーブル92を介してリアモータ60と接続される。
【0103】
このように、前後輪駆動装置100のPCU80は、ハイブリッド自動車110の前輪111の近くに配置される。
【0104】
なお、ケーブル90は、(+,−)を有する高圧直流電源線である。また、ケーブル91,92は、U相,V相,W相を有するモータ駆動線である。
【0105】
図11は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が減速・制動モードに入ったときの前後輪駆動装置100における動作を説明するためのフローチャートである。図11を参照して、一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号RGEを受けたか否かを判定することによりブレーキがオン(ON)されたか否かを判定する(ステップS1)。この場合、統合制御部70は、外部ECUから信号RGEを受ければ、ブレーキがオンされたと判定し、信号RGEを受けていなければブレーキはオンされていないと判定する。
【0106】
そして、ステップS1において、ブレーキがオンされていないと判定されたとき、一連の動作は終了する。一方、ステップS1において、ブレーキがオンされていると判定されたとき、統合制御部70は、制御部11から受けた信号SBC1〜4に基づいてバッテリ10の容量SOCがA%以上〜80%以下であるか否かを判定する(ステップS2)。この場合、統合制御部70は、制御部11から信号SBC1を受けているとき、バッテリ10の容量SOCがA%以上〜80%以下であると判定し、制御部11から信号SBC2〜4のいずれかを受けているとき、バッテリ10の容量SOCはA%以上〜80%以下ではないと判定する。
【0107】
ステップS2において、バッテリ10の容量SOCがA%以上〜80%以下であると判定されたとき、統合制御部70は、何も信号を生成しない。この場合、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車は、機械ブレーキによって前輪および後輪が低速回転になるように制御される(ステップS3)。その後、一連の動作は終了する。
【0108】
一方、ステップS2において、バッテリ10の容量SOCがA%以上〜80%以下ではないと判定されたとき、統合制御部70は、バッテリ10の容量SOCがB%以上〜A%未満であるか否かを判定する(ステップS4)。この場合、統合制御部70は、制御部11から信号SBC2を受けているとき、バッテリ10の容量SOCがB%以上〜A%未満であると判定し、制御部11から信号SBC1,3,4のいずれかを受けているとき、バッテリ10の容量SOCはB%以上〜A%未満ではないと判定する。
【0109】
ステップS4において、バッテリ10の容量SOCがB%以上〜A%未満であると判定されたとき、統合制御部70は、信号RGE11を生成して制御部21,31へ出力し、制御部51へは信号を何も出力しない。そうすると、制御部21は、統合制御部70からの信号RGE11に応じて信号PWMDを生成して昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、統合制御部70からの信号RGE11に応じて信号PWMC1を生成してIPM30へ出力する。
【0110】
IPM30は、制御部31からの信号PWMC1に応じてフロントモータ40を回生モードで駆動し、フロントモータ40が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧IPM20へ供給する。また、昇圧IPM20は、制御部21からの信号PWMDに応じて、IPM30からの直流電圧を降圧してバッテリ10に供給する。
【0111】
このようにして、フロントモータ40は、回生モードで駆動される。この場合、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車は、機械ブレーキによって後輪が低速回転になるように制御される。したがって、フロントモータ40は、前輪が回生ブレーキによって低速回転になるように制御され、リアモータ60が接続された後輪は機械ブレーキによって低速回転になるように制御される(ステップS5)。その後、一連の動作は終了する。
【0112】
一方、ステップS4において、バッテリ10の容量SOCがB%以上〜A%未満ではないと判定されたとき、統合制御部70は、バッテリ10の容量がC%以上〜B%未満であるか否かを判定する(ステップS6)。この場合、統合制御部70は、制御部11から信号SBC3を受けているとき、バッテリ10の容量SOCがC%以上〜B%未満であると判定し、制御部11から信号SBC1,2,4のいずれかを受けているとき、バッテリ10の容量SOCはC%以上〜B%未満ではないと判定する。
【0113】
ステップS6において、バッテリ10の容量SOCがC%以上〜B%未満であると判定されたとき、統合制御部70は、信号RGE21を生成して制御部51へ出力し、制御部21,31へは信号を何も出力しない。そうすると、制御部51は、統合制御部70からの信号RGE21に応じて信号PWMC2を生成してIPM50へ出力する。
【0114】
IPM50は、制御部51からの信号PWMC2に応じてリアモータ60を回生モードで駆動し、リアモータ60が発電した交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ10へ供給する。
【0115】
このようにして、リアモータ60は、回生モードで駆動される。この場合、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車は、機械ブレーキによって前輪が低速回転になるように制御される。したがって、フロントモータ40が接続された前輪は機械ブレーキによって低速回転になるように制御され、リアモータ60は、後輪が回生ブレーキによって低速回転になるように制御される(ステップS7)。その後、一連の動作は終了する。
【0116】
一方、ステップS6において、バッテリ10の容量SOCがC%以上〜B%未満ではないと判定されたとき、統合制御部70は、信号RGE12,RGE22を生成し、その生成した信号RGE12を制御部21,31へ出力し、生成した信号RGE22を制御部51へ出力する。
【0117】
そうすると、制御部21は、統合制御部70からの信号RGE12に応じて信号PWMDを生成して昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、統合制御部70からの信号RGE12に応じて信号PWMC1を生成してIPM30へ出力する。さらに、制御部51は、統合制御部70からの信号RGE22に応じて信号PWMC2を生成してIPM50へ出力する。
【0118】
IPM30は、制御部31からの信号PWMC1に応じてフロントモータ40を回生モードで駆動し、フロントモータ40が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧IPM20へ供給する。また、昇圧IPM20は、制御部21からの信号PWMDに応じて、IPM30からの直流電圧を降圧してバッテリ10に供給する。
【0119】
また、IPM50は、制御部51からの信号PWMC2に応じてリアモータ60を回生モードで駆動し、リアモータ60が発電した交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ10へ供給する。
【0120】
このようにして、フロントモータ40およびリアモータ60は、回生モードで駆動され、フロントモータ40が接続された前輪およびリアモータ60が接続された後輪は、回生ブレーキによって低速回転になるように制御される(ステップS8)。これにより一連の動作は終了する。
【0121】
上述したように、この発明においては、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車が減速・制動モードに入ったとき、バッテリ10の容量SOCに応じてフロントモータ40およびリアモータ60のいずれか一方または両方を回生モードで駆動して回生ブレーキがハイブリッド自動車にかかるように制御することを特徴とする。
【0122】
この場合、バッテリ10の容量SOCが相対的に多い場合には、回生効率の低いフロントモータ40を回生モードで駆動し(ステップS4,S5参照)、バッテリ10の容量SOCが低下するに従って回生効率の高いリアモータ60、またはフロントモータ40およびリアモータ60の両方を回生モードで駆動する(ステップS6,S7,S8参照)ことを特徴とする。つまり、この発明は、バッテリ10に供給できる電力に応じて、回生させるモータを選択することを特徴とする。
【0123】
再び、図1を参照して、前後輪駆動装置100の全体動作について説明する。まず、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUからの信号STRTに応じて、フロントモータ40をエンジン始動用に用いるためのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1を生成し、その生成したトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1を制御部21,31へ出力する。
【0124】
制御部21は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、統合制御部70からのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、電流センサー32からのモータ電流MCRT1と、統合制御部70からのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30へ出力する。
【0125】
そうすると、昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1、Q2は、信号PWMUによってオン/オフされ、昇圧コンバータUCVは、NPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧VmをコンデンサC2を介してIPM30へ供給する。IPM30は、昇圧コンバータUCVからの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR11によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ40を駆動する。そして、エンジンのクランクシャフトはフロントモータ40によって回転され、エンジンが始動する。これにより、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0126】
次に、ハイブリッド自動車の発進時における前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV1を受ける。そして、統合制御部70は、信号DRV1に応じて、フロントモータ40を発進用に用いるためのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1と、リアモータ60を発進用に用いるためのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2とを生成する。そして、統合制御部70は、生成したトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1を制御部21,31へ出力し、生成したトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2を制御部51へ出力する。
【0127】
制御部21は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、統合制御部70からのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、電流センサー32からのモータ電流MCRT1と、統合制御部70からのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30へ出力する。
【0128】
そうすると、昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1、Q2は、信号PWMUによってオン/オフされ、昇圧コンバータUCVは、NPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧VmをコンデンサC2を介してIPM30へ供給する。IPM30は、昇圧コンバータUCVからの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR12によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ40を駆動する。
【0129】
また、制御部51は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー52からのモータ電流MCRT2と、統合制御部70からのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をIPM50へ出力する。
【0130】
そうすると、IPM50は、制御部51からの信号PWMI2によってバッテリ電圧Vbを交流電圧に変換してトルク指令値TR21によって指定されたトルクを出力するようにリアモータ60を駆動する。
【0131】
そして、ハイブリッド自動車の前輪はフロントモータ40によって回転され、後輪はリアモータ60によって回転され、ハイブリッド自動車は発進する。これにより、ハイブリッド自動車の発進時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0132】
次に、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100における動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV2を受ける。統合制御部70は、信号DRV2に応じて、ハイブリッド自動車の前輪をフロントモータ40のみで駆動するためのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1を生成し、その生成したトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1を制御部21,31へ出力する。
【0133】
制御部21は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、統合制御部70からのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、電流センサー32からのモータ電流MCRT1と、統合制御部70からのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30へ出力する。
【0134】
そうすると、昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1、Q2は、信号PWMUによってオン/オフされ、昇圧コンバータUCVは、NPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧VmをコンデンサC2を介してIPM30へ供給する。IPM30は、昇圧コンバータUCVからの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR13によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ40を駆動する。そして、ハイブリッド自動車の前輪はフロントモータ40によって駆動され、ハイブリッド自動車は、フロントモータ40によって軽負荷走行を行なう。これにより、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0135】
次に、ハイブリッド自動車が中速低負荷走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。この場合の前後輪駆動装置100の動作は、上述したハイブリッド自動車のエンジン始動時における前後輪駆動装置100の動作と同じである。そして、フロントモータ40はエンジンを始動し、ハイブリッド自動車は、エンジンの駆動力によって走行する。なお、この場合、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV3を受ける。
【0136】
次に、ハイブリッド自動車が加速・急加速モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV4を受ける。統合制御部70は、信号DRV4に応じて、フロントモータ40を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1と、リアモータ60を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2とを生成する。そして、統合制御部70は、生成したトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1を制御部21,31へ出力し、生成したトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2を制御部51へ出力する。
【0137】
制御部21は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、統合制御部70からのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、電流センサー32からのモータ電流MCRT1と、統合制御部70からのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30へ出力する。
【0138】
そうすると、昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1、Q2は、信号PWMUによってオン/オフされ、昇圧コンバータUCVは、NPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧VmをコンデンサC2を介してIPM30へ供給する。IPM30は、昇圧コンバータUCVからの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR14によって指定されたトルクを出力するようにフロントモータ40を駆動する。
【0139】
また、制御部51は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー52からのモータ電流MCRT2と、統合制御部70からのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をIPM50へ出力する。
【0140】
そうすると、IPM50は、制御部51からの信号PWMI2によってバッテリ電圧Vbを交流電圧に変換してトルク指令値TR22によって指定されたトルクを出力するようにリアモータ60を駆動する。
【0141】
また、加速・急加速時には、エンジン出力が上昇される。そして、ハイブリッド自動車の前輪は、エンジンおよびフロントモータ40によって回転され、後輪はリアモータ60によって回転され、ハイブリッド自動車は加速または急加速する。これにより、ハイブリッド自動車の加速・急加速時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0142】
次に、ハイブリッド自動車が低μ路走行モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV5を受ける。統合制御部70は、信号DRV5に応じて、フロントモータ40を回生モードで駆動するための信号RGE01と、リアモータ60を駆動モータとして用いるためのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2とを生成する。そして、統合制御部70は、生成した信号RGE01を制御部21,31へ出力し、生成したトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2を制御部51へ出力する。
【0143】
制御部21は、統合制御部70からの信号RGE01に応じて信号PWMDを生成して昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、統合制御部70からの信号RGE01に応じて信号PWMC1を生成してIPM30へ出力する。
【0144】
この低μ路走行モードにおいては、エンジンは前輪を駆動しており、前輪の駆動力の一部がフロントモータ40に伝達される。
【0145】
そうすると、IPM30は、信号PWMC1に応じて、フロントモータ40を回生モードで駆動し、前輪の駆動力の一部を受けてフロントモータ40が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧IPM20へ供給する。昇圧IPM20は、IPM30からの直流電圧を信号PWMDによって降圧してコンデンサC1に供給する。
【0146】
制御部51は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー52からのモータ電流MCRT2と、統合制御部70からのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成してIPM50へ出力する。IPM50は、昇圧IPM20によって降圧された直流電圧をコンデンサC1を介して受け、その受けた直流電圧を信号PWMI2によって交流電圧に変換してトルク指令値TR23によって指定されたトルクを出力するようにリアモータ60を駆動する。そして、リアモータ60は、ハイブリッド自動車の後輪を駆動する。これにより、ハイブリッド自動車は、エンジンの駆動力によって前輪を駆動し、前輪の駆動力の一部を受けてフロントモータ40が発電した電力によって後輪を駆動し、4WDにより安定して低μ路走行を行なう。そして、ハイブリッド自動車の低μ路走行時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0147】
最後に、ハイブリッド自動車が減速・制動モードにある場合の前後輪駆動装置100の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号RGEを受ける。そして、統合制御部70は、信号RGEに応じて、上述した図11に示すフローチャートに従って、制御部11からの信号SBC1〜4に基づいてバッテリ10の容量SOCがどのレベルにあるかを判定し、その判定結果に応じてフロントモータ40および/またはリアモータ60を回生モードで駆動する。これにより、ハイブリッド自動車は、回生ブレーキおよび/または機械ブレーキによって減速・制動を行なう。そして、ハイブリッド自動車の減速・制動時における前後輪駆動装置100の動作が終了する。
【0148】
上述したように、リアモータ60は、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の減速・制動モードにおいて回生モードで駆動され、発電した電力をバッテリ10へ直接供給する。したがって、リアモータ60が発電した電力をバッテリ10へ回生するときの回生効率を高くできる。また、リアモータ60は、バッテリ10からのバッテリ電圧Vbによって駆動されるので、前後輪駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の発進時、フロントモータ40およびリアモータ60の両方を駆動モータとして使用でき、発進トルクTR12,TR21を容易に確保できる。
【0149】
なお、この発明によるモータ駆動方法は、図11に示すフローチャートに従ってフロントモータ40および/リアモータ60を駆動するモータ駆動方法である。
【0150】
また、制御部21,31,51および統合制御部70におけるモータの駆動制御は、実際にはCPU(Central Processing Unit)によって行なわれ、CPUは、図11に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図11に示すフローチャートに従ってフロントモータ40および/またはリアモータ60の駆動を制御する。したがって、ROMは、図11に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0151】
さらに、制御部21,31,51および統合制御部70は、「ブレーキ制御手段」を構成する。
【0152】
さらに、上記においては、フロントモータ40はハイブリッド自動車の前輪を駆動し、リアモータ60はハイブリッド自動車の後輪を駆動すると説明したが、この発明においては、これに限らず、フロントモータ40はハイブリッド自動車の後輪を駆動し、リアモータ60はハイブリッド自動車の前輪を駆動するようにしてもよい。つまり、この発明は、バッテリ電圧を昇圧した昇圧電圧(Vm)によって駆動されるモータがハイブリッド自動車の前輪および後輪のうち、いずれか一方の車輪を駆動し、バッテリ電圧によって駆動されるモータが前輪および後輪のうち、いずれか他方の車輪を駆動するものであればよい。
【0153】
実施の形態1によれば、前後輪駆動装置は、バッテリ電圧を昇圧した昇圧電圧によって駆動されるフロントモータと、バッテリ電圧によって駆動されるリアモータとを備え、フロントモータは、前輪および後輪のうち、いずれか一方の車輪を駆動し、リアモータは、前輪および後輪のうち、いずれか他方の車輪を駆動し、リアモータでの回生時に、リアモータで発電した電力をバッテリへ直接供給するので、昇圧IPMおよびリアクトルによる電力損失が無く、回生効率を高くできる。
【0154】
また、2つのモータのうち、一方のモータは電源電圧によって駆動されるので、2つのモータを同時に駆動させることが容易である。その結果、2つのモータを同時に駆動させるモードにおいて必要なトルクを容易に確保できる。
【0155】
さらに、昇圧電圧は電源電圧によって駆動されるモータへ供給されないので、このモータへの入力経路の耐電圧要求を下げることができ、システムを簡素化/低コスト化できる。
【0156】
さらに、前後輪駆動装置においては、フロントモータおよびリアモータの制御回路および駆動回路は1つのPCUに収納されるので、前後輪駆動装置をコンパクト化できる。
【0157】
[実施の形態2]
図12は、実施の形態2による前後輪駆動装置100Aの概略ブロック図を示す。図12を参照して、前後輪駆動装置100Aは、前後輪駆動装置100にコンデンサC3を追加したものであり、その他は、構成要素的には前後輪駆動装置100と同じである。そして、前後輪駆動装置100Aは、コンデンサC1,C2、リアクトルL1、昇圧IPM20、制御部21,31およびIPM30をPCU80Aに収納し、コンデンサC3、IPM50および制御部51をPCU80Aと別のPCU80Bに収納した点が前後輪駆動装置100と異なる点である。
【0158】
コンデンサC3は、バッテリ10からのバッテリ電圧Vbを平滑化し、その平滑化したバッテリ電圧VbをIPM50へ供給する。
【0159】
図13は、図12に示すPCU80Aの下層の平面図を示す。図13を参照して、PCU80Aは、昇圧IPM20と、IPM30と、リアクトルL1と、コンデンサC1と、入力端子81Aと、出力端子82Aとを含む。
【0160】
入力端子81Aは、バッテリ10から直流電圧を受ける。コンデンサC1は、入力端子81Aに近接して配置される。リアクトルL1は、コンデンサC1に隣接して配置される。そして、コンデンサC1およびリアクトルL1は、PCU80Aの短辺に沿って配置される。
【0161】
昇圧IPM20は、リアクトルL1に隣接して配置される。IPM30は、出力端子82Aに近接して配置される。そして、昇圧IPM20およびIPM30は、コンデンサC1およびリアクトルL1の配置領域以外の領域にPCU80Aの短辺に沿って配置される。
【0162】
IPM30は、出力端子82Aを介してフロントモータ40へ交流電圧を供給し、またはフロントモータ40から交流電圧を受ける。
【0163】
図14は、図12に示すPCU80Aの上層の平面図を示す。図14を参照して、PCU80Aは、制御部21,31と、制御基板84Aと、コンデンサC2とを含む。コンデンサC2は、図13に示すコンデンサC1およびリアクトルL1の上側にPCU80Aの短辺に沿って配置される。制御基板84Aは、図13に示す昇圧IPM20およびIPM30の上側に配置される。そして、制御部21,31は、制御基板84Aに固定される。この場合、制御部21,31は、それぞれ、昇圧IPM20およびIPM30の上側に位置するように制御基板84Aに固定される。
【0164】
このように、図14に示す上層は、図13に示す下層の上側に位置する。
図15は、図13および図14のB−B線における断面図を示す。図15を参照して、コンデンサC1は、PCU80Aの底面85A上に配置され、コンデンサC2は、コンデンサC1上に配置される。IPM30は、底面85A上に配置され、制御部31は、IPM30上に配置される。そして、冷却部86Aが底面85Aの外側に設置される。これにより、PCU80Aは、冷却される。
【0165】
図16は、図12に示すPCU80Bの下層の平面図を示す。図16を参照して、PCU80Bは、IPM50と、コンデンサC3と、入力端子81Bと、出力端子83Aとを含む。
【0166】
入力端子81Bは、バッテリ10から直流電圧を受ける。コンデンサC3は、入力端子81Bに近接して配置される。IPM50は、コンデンサC3の横に出力端子83Aに近接して配置される。そして、IPM50は、出力端子83Aを介してリアモータ60へ交流電圧を供給し、またはリアモータ60から交流電圧を受ける。
【0167】
図17は、図12に示すPCU80Bの上層の平面図を示す。図17を参照して、PCU80Bは、制御部51と制御基板84Bとを含む。制御基板84Bは、図16に示すIPM50の上側に配置される。そして、制御部51は、制御基板84Bに固定される。
【0168】
このように、図17に示す上層は、図16に示す下層の上側に位置する。
図18は、図16および図17のC−C線における断面図を示す。図18を参照して、コンデンサC3は、PCU80Bの底面85B上に配置される。IPM50は、底面85B上に配置され、制御部51は、IPM50上に配置される。そして、冷却部86Bが底面85Bの外側に設置される。これにより、PCU80Bは、冷却される。
【0169】
図19は、図12に示す前後輪駆動装置100Aが搭載されたハイブリッド自動車の断面図を示す。図19を参照して、前後輪駆動装置100Aのフロントモータ40は、ハイブリッド自動車110Aの前輪111Aに近接して配置される。PCU80Aは、フロントモータ40の近くに配置され、ケーブル93を介してフロントモータ40と接続され、ケーブル94を介してバッテリ10と接続される。
【0170】
リアモータ60は、ハイブリッド自動車110Aの後輪112Aに近接して配置される。バッテリ10は、前輪111Aと後輪112Aとの間に配置される。PCU80Bは、リアモータ60の近くに配置される。そして、PCU80Bは、ケーブル95を介してバッテリ10と接続され、ケーブル96を介してリアモータ60と接続される。
【0171】
このように、前後輪駆動装置100AのPCU80Aは、ハイブリッド自動車110の前輪111Aの近くに配置され、PCU80Bは、ハイブリッド自動車110Aの後輪112Aの近くに配置される。
【0172】
なお、ケーブル94,95は、(+,−)を有する高圧直流電源線である。また、ケーブル93,96は、U相,V相,W相を有するモータ駆動線である。
【0173】
前後輪駆動装置100Aが搭載されたハイブリッド自動車が減速・制動モードに入ったときの前後輪駆動装置100Aにおける動作は、図11に示すフローチャートに従って行なわれる。
【0174】
その他は、実施の形態1において説明したとおりである。
実施の形態2によれば、前後輪駆動装置は、バッテリ電圧を昇圧した昇圧電圧によって駆動されるフロントモータと、バッテリ電圧によって駆動されるリアモータとを備え、フロントモータは、前輪および後輪のうち、いずれか一方の車輪を駆動し、リアモータは、前輪および後輪のうち、いずれか他方の車輪を駆動し、リアモータでの回生時に、リアモータで発電した電力をバッテリへ直接供給するので、昇圧IPMおよびリアクトルによる電力損失が無く、回生効率を高くできる。
【0175】
また、2つのモータのうち、一方のモータは電源電圧によって駆動されるので、2つのモータを同時に駆動させることが容易である。その結果、2つのモータを同時に駆動させるモードにおいて必要なトルクを容易に確保できる。
【0176】
さらに、昇圧電圧は電源電圧によって駆動されるモータへ供給されないので、このモータへの入力経路の耐電圧要求を下げることができ、システムを簡素化/低コスト化できる。
【0177】
さらに、前後輪駆動装置においては、フロントモータ用の制御回路および駆動回路とリアモータ用の制御回路および駆動回路とは、別々のPCUに収納されるので、車両の小さな空間を利用して各々のPCUを配置できる。
【0178】
図20は、上述した実施の形態1による前後輪駆動装置100または実施の形態2による前後輪駆動装置100Aを搭載したハイブリッド自動車のより具体的な駆動システムの一例を示す概略ブロック図である。図20を参照して、駆動システム200は、前後輪駆動装置100または100Aと、動力分割機構210と、ディファレンシャルギア(DG:Differential Gear)220と、前輪230と、エンジン240とを備える。
【0179】
駆動システム200においては、モータジェネレータMG1およびMG2がフロントモータ40に相当し、モータジェネレータMG3がリアモータ60に相当する。そして、フロントモータ40が2つのモータジェネレータMG1,MG2によって構成されることに対応してフロント用のIPM30は、IPM30AとIPM30Bとから成る。IPM30Aは、モータジェネレータMG1を駆動する。また、IPM30Bは、モータジェネレータMG2を駆動する。さらに、IPM50は、モータジェネレータMG3を駆動する。
【0180】
モータジェネレータMG1は、動力分割機構210を介してエンジン240と連結される。そして、モータジェネレータMG1は、エンジン240を始動し、またはエンジン240の回転力によって発電する。
【0181】
また、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210を介して前輪230を駆動する。
【0182】
図21は、図20に示す動力分割機構210の模式図を示す。図21を参照して、動力分割機構210は、リングギア211と、キャリアギア212と、サンギア213とから成る。エンジン240のシャフト251は、キャリアギア212に接続され、モータジェネレータMG1のシャフト252は、サンギア213に接続され、モータジェネレータMG2のシャフト254は、リングギア211に接続されている。なお、モータジェネレータMG2のシャフト254は、DG220を介して前輪230の駆動軸に連結される。
【0183】
モータジェネレータMG1は、シャフト252、サンギア213、キャリアギア212およびプラネタリキャリア253を介してシャフト251を回転し、エンジン240を始動する。また、モータジェネレータMG1は、シャフト251、プラネタリキャリア253、キャリアギア212、サンギア213およびシャフト252を介してエンジン240の回転力を受け、その受けた回転力によって発電する。
【0184】
再び、図20を参照して、駆動システム200が搭載されたハイブリッド自動車の始動時、発進時、軽負荷走行モード、中速低負荷走行モード、加速・急加速モード、低μ路走行モードおよび減速・制動モードにおける駆動システム200の動作について説明する。
【0185】
まず、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUからの信号STRTに応じて、モータジェネレータMG1をエンジン240の始動用に用いるためのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1を生成し、その生成したトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1を制御部21,31へ出力する。
【0186】
制御部21は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、統合制御部70からのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータUCVの昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、電流センサー32からのモータ電流MCRT1と、統合制御部70からのトルク指令値TR11およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30Aへ出力する。
【0187】
そうすると、昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1、Q2は、信号PWMUによってオン/オフされ、昇圧コンバータUCVは、NPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧VmをコンデンサC2を介してIPM30Aへ供給する。IPM30Aは、昇圧コンバータUCVからの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR11によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1を駆動する。
【0188】
これによって、モータジェネレータMG1は、動力分割機構210を介してエンジン240のクランクシャフトを回転数MRN1で回転し、エンジン240を始動する。これにより、ハイブリッド自動車のエンジン始動時における駆動システム200の動作が終了する。
【0189】
次に、ハイブリッド自動車の発進時における駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV1を受ける。そして、統合制御部70は、信号DRV1に応じて、モータジェネレータMG2を発進用に用いるためのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1と、始動後のエンジン240の回転力によってモータジェネレータMG1を発電機として機能させるための信号RGE1と、モータジェネレータMG3を発進用に用いるためのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2とを生成する。そして、統合制御部70は、生成したトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1を制御部21,31へ出力し、生成した信号RGE1を制御部31へ出力し、生成したトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2を制御部51へ出力する。
【0190】
制御部21は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、統合制御部70からのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータUCVの昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、電流センサー32からのモータ電流MCRT1と、統合制御部70からのトルク指令値TR12およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30Bへ出力する。さらに、制御部31は、統合制御部70からの信号RGE1に応じて信号PWMC1を生成してIPM30Aへ出力する。
【0191】
そうすると、昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1、Q2は、信号PWMUによってオン/オフされ、昇圧コンバータUCVは、NPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧VmをコンデンサC2を介してIPM30Bへ供給する。また、IPM30Aは、モータジェネレータMG1がエンジン240の回転力により発電した交流電圧を信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をIPM30Bに供給する。IPM30Bは、昇圧コンバータUCVからの直流電圧とIPM30Aからの直流電圧とを受け、その受けた直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR12によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびDG220を介して前輪230を駆動する。
【0192】
また、制御部51は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー52からのモータ電流MCRT2と、統合制御部70からのトルク指令値TR21およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をIPM50へ出力する。
【0193】
そうすると、IPM50は、制御部51からの信号PWMI2によってバッテリ電圧Vbを交流電圧に変換してトルク指令値TR21によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。そして、モータジェネレータMG3は、後輪を駆動する。
【0194】
このようにして、ハイブリッド自動車の前輪はモータジェネレータMG2によって回転され、後輪はモータジェネレータMG3によって回転され、ハイブリッド自動車は4WDで発進する。これにより、ハイブリッド自動車の発進時における駆動システム200の動作が終了する。
【0195】
次に、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の駆動システム200における動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV2を受ける。統合制御部70は、信号DRV2に応じて、ハイブリッド自動車の前輪をモータジェネレータMG2のみで駆動するためのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1を生成し、その生成したトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1を制御部21,31へ出力する。
【0196】
制御部21は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、統合制御部70からのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧コンバータUCVの昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、電流センサー32からのモータ電流MCRT1と、統合制御部70からのトルク指令値TR13およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30Bへ出力する。
【0197】
そうすると、昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1、Q2は、信号PWMUによってオン/オフされ、昇圧コンバータUCVは、NPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧VmをコンデンサC2を介してIPM30Bへ供給する。IPM30Bは、昇圧コンバータUCVからの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR13によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。そして、モータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびDG220を介して前輪230を駆動し、ハイブリッド自動車は、モータジェネレータMG2によって軽負荷走行を行なう。これにより、ハイブリッド自動車が軽負荷走行モードにある場合の駆動システム200の動作が終了する。
【0198】
次に、ハイブリッド自動車が中速低負荷走行モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。この場合の駆動システム200の動作は、上述したハイブリッド自動車のエンジン240の始動時における駆動システム200の動作と同じである。そして、モータジェネレータMG1はエンジン240を始動し、ハイブリッド自動車は、エンジン240の駆動力によって走行する。なお、この場合、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV3を受ける。
【0199】
次に、ハイブリッド自動車が加速・急加速モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV4を受ける。統合制御部70は、信号DRV4に応じて、モータジェネレータMG2を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1と、モータジェネレータMG1を発電機として機能させるための信号RGE1と、モータジェネレータMG3を加速・急加速用に用いるためのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2とを生成する。そして、統合制御部70は、生成したトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1を制御部21,31へ出力し、生成した信号RGE1を制御部31へ出力し、生成したトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2を制御部51へ出力する。
【0200】
制御部21は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、統合制御部70からのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMUを生成し、その生成した信号PWMUを昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、電圧センサー13からの出力電圧Vmと、電流センサー32からのモータ電流MCRT1と、統合制御部70からのトルク指令値TR14およびモータ回転数MRN1とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をIPM30Bへ出力する。さらに、制御部31は、統合制御部70からの信号RGE1に応じて信号PWMC1を生成してIPM30Aへ出力する。
【0201】
そうすると、昇圧IPM20のNPNトランジスタQ1、Q2は、信号PWMUによってオン/オフされ、昇圧コンバータUCVは、NPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じてバッテリ電圧Vbを昇圧して出力電圧VmをコンデンサC2を介してIPM30Bへ供給する。また、IPM30Aは、モータジェネレータMG1がエンジン240の回転力(エンジン240の回転数は加速前よりも高くなっている。)により発電した交流電圧を信号PWMC1によって直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をIPM30Bに供給する。IPM30Bは、昇圧コンバータUCVからの直流電圧とIPM30Aからの直流電圧とを受け、その受けた直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR14によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2を駆動する。
【0202】
また、制御部51は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー52からのモータ電流MCRT2と、統合制御部70からのトルク指令値TR22およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をIPM50へ出力する。
【0203】
そうすると、IPM50は、制御部51からの信号PWMI2によってバッテリ電圧Vbを交流電圧に変換してトルク指令値TR22によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。
【0204】
また、加速・急加速時には、エンジン240の出力が上昇される。そして、エンジン240およびモータジェネレータMG2は、動力分割機構210およびDG220を介して前輪230を駆動し、モータジェネレータMG3は、後輪を駆動し、ハイブリッド自動車は加速または急加速する。これにより、ハイブリッド自動車の加速・急加速時における駆動システム200の動作が終了する。
【0205】
次に、ハイブリッド自動車が低μ路走行モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号DRV5を受ける。統合制御部70は、信号DRV5に応じて、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動するための信号RGE01と、モータジェネレータMG3を駆動モータとして用いるためのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2とを生成する。そして、統合制御部70は、生成した信号RGE01を制御部21,31へ出力し、生成したトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2を制御部51へ出力する。
【0206】
制御部21は、統合制御部70からの信号RGE01に応じて信号PWMDを生成して昇圧コンバータUCVの昇圧IPM20へ出力する。また、制御部31は、統合制御部70からの信号RGE01に応じて信号PWMC1を生成してIPM30Bへ出力する。
【0207】
この低μ路走行モードにおいては、エンジン240は前輪230を駆動しており、前輪230の駆動力の一部がモータジェネレータMG2に伝達される。
【0208】
そうすると、IPM30Bは、信号PWMC1に応じて、モータジェネレータMG2を回生モードで駆動し、エンジン240の駆動力の一部を受けてモータジェネレータMG2が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータUCVへ供給する。昇圧コンバータUCVの昇圧IPM20は、IPM30Bからの直流電圧を信号PWMDによって降圧してコンデンサC1に供給する。
【0209】
制御部51は、制御部11からのバッテリ電圧Vbと、電流センサー52からのモータ電流MCRT2と、統合制御部70からのトルク指令値TR23およびモータ回転数MRN2とに基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成してIPM50へ出力する。IPM50は、昇圧IPM20によって降圧された直流電圧をコンデンサC1を介して受け、その受けた直流電圧を信号PWMI2によって交流電圧に変換してトルク指令値TR23によって指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG3を駆動する。そして、モータジェネレータMG3は、ハイブリッド自動車の後輪を駆動する。これにより、ハイブリッド自動車は、エンジン240の駆動力によって前輪230を駆動し、前輪230の駆動力の一部を受けてモータジェネレータMG2が発電した電力によって後輪を駆動し、4WDにより安定して低μ路走行を行なう。そして、ハイブリッド自動車の低μ路走行時における駆動システム200の動作が終了する。
【0210】
最後に、ハイブリッド自動車が減速・制動モードにある場合の駆動システム200の動作について説明する。一連の動作が開始されると、統合制御部70は、外部ECUから信号RGEを受ける。そして、統合制御部70は、信号RGEに応じて、上述した図11に示すフローチャートに従って、制御部11からの信号SBC1〜4に基づいてバッテリ10の容量SOCがどのレベルにあるかを判定し、その判定結果に応じてモータジェネレータMG2および/またはモータジェネレータMG3を回生モードで駆動する。これにより、ハイブリッド自動車は、回生ブレーキおよび/または機械ブレーキによって減速・制動を行なう。そして、ハイブリッド自動車の減速・制動時における駆動システム200の動作が終了する。
【0211】
このように、この発明による前後輪駆動装置100または100Aをハイブリッド自動車に適用することによって、バッテリ電圧Vbを昇圧した電圧Vmを用いてハイブリッド自動車のフロント側に配置されたモータジェネレータMG1,MG2を駆動でき、ハイブリッド自動車のリア側に配置されたモータジェネレータMG3をバッテリ電圧Vbによって駆動できる。
【0212】
そして、モータジェネレータMG3はバッテリ電圧Vbによって駆動されるので、ハイブリッド自動車の発進時にモータジェネレータMG2,MG3を同時に駆動することが容易である。その結果、ハイブリッド自動車の発進に必要な発進トルクを容易に確保でき、ハイブリッド自動車をスムーズに発進させることができる。
【0213】
また、ハイブリッド自動車の加速・急加速時においてもモータジェネレータMG2,MG3を同時に駆動でき、加速・急加速に必要なトルクを確保できる。その結果、ハイブリッド自動車をスムーズに加速させることができる。
【0214】
さらに、ハイブリッド自動車の減速・制動モードにおいて、モータジェネレータMG3は、回生モードで駆動され、発電した電力をバッテリ10に直接供給する。その結果、モータジェネレータMG3からバッテリ10への回生効率を高くできる。
【0215】
なお、上記においては、前後輪駆動装置100または100Aをハイブリッド自動車に適用する例を説明したが、これに限らず、前後輪駆動装置100または100Aを電気自動車に適用できることは言うまでもない。
【0216】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1による前後輪駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示すバッテリの出力電圧と電池容量との関係図である。
【図3】図1に示すIPMの回路図である。
【図4】図1に示す昇圧IPMの回路図である。
【図5】図1に示す昇圧IPM用の制御部の一部の機能である昇圧制御手段の機能ブロック図である。
【図6】図1に示すIPM用の制御部の一部の機能であるモータトルク制御手段の機能ブロック図である。
【図7】図1に示すPCUの下層の平面図である。
【図8】図1に示すPCUの上昇の平面図である。
【図9】図7および図8に示すA−A線における断面図である。
【図10】ハイブリッド自動車の断面図である。
【図11】ハイブリッド自動車の減速・制動モードにおける前後輪駆動装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】実施の形態2による前後輪駆動装置の概略ブロック図である。
【図13】図12に示すPCUの下層の平面図である。
【図14】図12に示すPCUの上昇の平面図である。
【図15】図13および図14に示すB−B線における断面図である。
【図16】図12に示すもう1つのPCUの下層の平面図である。
【図17】図12に示すもう1つのPCUの上昇の平面図である。
【図18】図16および図17に示すC−C線における断面図である。
【図19】ハイブリッド自動車の他の断面図である。
【図20】図1または図12に示す前後輪駆動装置を用いた駆動システムのブロック図である。
【図21】図20に示す動力分割機構の模式図である。
【図22】従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 電源ライン、2 アースライン、10 バッテリ、11,21,31,51 制御部、13,320 電圧センサー、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、20 昇圧IPM、30,30A,30B,50 IPM、32,52 電流センサー、40 フロントモータ、60 リアモータ、70 統合制御部、80,80A,80B PCU、81,81A,81B 入力端子、82,82A,83,83A 出力端子、84,84A,84B 制御基板、85,85A,85B 底面、86,86A,86B 冷却部、90〜96ケーブル、 100,100A 前後輪駆動装置、110 ハイブリッド自動車、111,111A,230 前輪、112,112A 後輪、200 駆動システム、201 昇圧制御手段、202 インバータ入力電圧指令演算部、203 コンバータ用デューティー比演算部、204 コンバータ用PWM信号変換部、210 動力分割機構、211 リングギア、212 キャリアギア、213 サンギア、251,252,254 シャフト、253 プラネタリキャリア、220 ディファレンシャルギア、240 エンジン、300 モータトルク制御手段、301 モータ制御用相電圧演算部、302 インバータ用PWM信号変換部、310 双方向コンバータ、330 インバータ、400 モータ駆動装置、C1,C2,C3 コンデンサ、L1,311 リアクトル、Q1〜Q8,312,313 NPNトランジスタ、D1〜D8,314,315 ダイオード、UCV 昇圧コンバータ、MG1〜MG3 モータジェネレータ、B 直流電源、SR1,SR2 システムリレー、M1 交流モータ。

Claims (14)

  1. 電源電圧を昇圧する昇圧回路と、
    前記昇圧回路から出力された昇圧電圧によって駆動される第1のモータと、
    前記電源電圧によって駆動される第2のモータとを備え、
    前記第1のモータは、前後輪のいずれか一方の車輪を駆動し、
    前記第2のモータは、前記前後輪のいずれか他方の車輪を駆動する、前後輪駆動装置。
  2. 前記第1のモータは、内燃機関からの回転力により発電し、または前記内燃機関を始動する、請求項1に記載の前後輪駆動装置。
  3. 車両の発進時、前記第1のモータが前記一方の車輪を駆動し、かつ、前記第2のモータが前記他方の車輪を駆動するように前記第1および第2のモータを制御する制御手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の前後輪駆動装置。
  4. 前記昇圧電圧を受けて前記第1のモータを駆動する第1の駆動回路と、
    前記電源電圧を受けて前記第2のモータを駆動する第2の駆動回路と、
    前記第1の駆動回路を制御する第1の制御回路と、
    前記第2の駆動回路を制御する第2の制御回路とをさらに備え、
    前記昇圧回路、前記第1の駆動回路、第2の駆動回路、第1の制御回路および第2の制御回路は、1つのユニットを構成し、前記第1のモータに近接した位置に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前後輪駆動装置。
  5. 前記昇圧電圧を受けて前記第1のモータを駆動する第1の駆動回路と、
    前記電源電圧を受けて前記第2のモータを駆動する第2の駆動回路と、
    前記第1の駆動回路を制御する第1の制御回路と、
    前記第2の駆動回路を制御する第2の制御回路とをさらに備え、
    前記昇圧回路、前記第1の駆動回路および前記第1の制御回路は、第1のユニットを構成し、前記第1のモータに近接した位置に配置され、
    前記第2の駆動回路および前記第2の制御回路は、第2のユニットを構成し、前記第2のモータに近接した位置に配置される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前後輪駆動装置。
  6. ブレーキ指示を受けると、電源容量が所定値未満のとき前記第1および第2のモータの少なくとも一方を回生ブレーキ用のモータとして機能するように制御するブレーキ制御手段をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前後輪駆動装置。
  7. 前記ブレーキ制御手段は、前記電源容量が前記所定値未満の範囲において、回生効率に基づいて決定されたモータを前記回生ブレーキ用のモータとして機能させる、請求項6に記載の前後輪駆動装置。
  8. 前記ブレーキ制御手段は、前記電源容量の低下に伴い、前記回生効率の低いモータの順に回生ブレーキ用のモータとして機能させる、請求項7に記載の前後輪駆動装置。
  9. 電源電圧を昇圧した昇圧電圧を受けて前後輪のいずれか一方の車輪を駆動する第1のモータと前記電源電圧を受けて前記前後輪のいずれか他方の車輪を駆動する第2のモータとを含む前後輪駆動装置におけるモータ駆動方法であって、
    ブレーキ指示を受ける第1のステップと、
    前記電源電圧を出力する電源の容量を判定する第2のステップと、
    前記第2のステップにおいて判定された容量が所定値未満のとき、前記第1および第2のモータの少なくとも一方を回生ブレーキ用のモータとして機能させる第3のステップとを含むモータ駆動方法。
  10. 前記第3のステップは、前記容量が前記所定値未満のとき、回生効率に基づいて決定されたモータを前記回生ブレーキ用のモータとして機能させる、請求項9に記載のモータ駆動方法。
  11. 前記第3のステップは、前記容量の低下に伴い、前記回生効率の低いモータの順に前記回生ブレーキ用のモータとして機能させる、請求項10に記載のモータ駆動方法。
  12. 電源電圧を昇圧した昇圧電圧を受けて前後輪のいずれか一方の車輪を駆動する第1のモータと前記電源電圧を受けて前記前後輪のいずれか他方の車輪を駆動する第2のモータとを含む前後輪駆動装置におけるモータの駆動をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    ブレーキ指示を受ける第1のステップと、
    前記電源電圧を出力する電源の容量を判定する第2のステップと、
    前記第2のステップにおいて判定された容量が所定値未満のとき、前記第1および第2のモータの少なくとも一方を回生ブレーキ用のモータとして機能させる第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  13. 前記第3のステップは、前記容量が前記所定値未満のとき、回生効率に基づいて決定されたモータを前記回生ブレーキ用のモータとして機能させる、請求項12に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  14. 前記第3のステップは、前記容量の低下に伴い、前記回生効率の低いモータの順に前記回生ブレーキ用のモータとして機能させる、請求項13に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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