JP2010273512A - モータ駆動システムおよび車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】Zソース昇圧回路による昇圧動作と、インバータによるモータ制御とを両立させることを可能にする。
【解決手段】昇圧回路12は、リアクトルL1,L2と、コンデンサC1,C2とを含む。インバータ14,22のうち第1のインバータが、昇圧回路12により昇圧された電圧をモータジェネレータの駆動のために必要とする場合には、第1のインバータが対応するモータジェネレータを駆動する一方で、第2のインバータが昇圧動作を行なう。制御装置30は、トルク指令値TR1,TR2、回転数センサ41,42により検出された回転数MRN1,MR2、および電流センサにより検出されたモータ電流(モータ電流値MCRT1,MCRT2)に基づいて、上記のようにインバータ14,22を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】昇圧回路12は、リアクトルL1,L2と、コンデンサC1,C2とを含む。インバータ14,22のうち第1のインバータが、昇圧回路12により昇圧された電圧をモータジェネレータの駆動のために必要とする場合には、第1のインバータが対応するモータジェネレータを駆動する一方で、第2のインバータが昇圧動作を行なう。制御装置30は、トルク指令値TR1,TR2、回転数センサ41,42により検出された回転数MRN1,MR2、および電流センサにより検出されたモータ電流(モータ電流値MCRT1,MCRT2)に基づいて、上記のようにインバータ14,22を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明はモータ駆動システムおよび車両に関し、特に、昇圧回路とインバータとを備えるモータ駆動システムおよびそのシステムを搭載した車両に関する。
高出力および高効率を実現する昇圧回路として、インピーダンスソース(Zソース)昇圧回路が提案されている。Zソース昇圧回路は、直流電源の正極側に接続された第1のリアクトルと、直流電源の負極側に接続された第2のリアクトルと、第1のリアクトルの入力端と第2のリアクトルの入力端との間に接続された第2のコンデンサとを備えて構成される。
たとえば特開2008−295253号公報(特許文献1)は、Zソース昇圧回路と、その昇圧回路に接続されたインバータ回路とを備えるインバータ装置を開示する。インバータ装置は、負荷としてのモータを駆動する。モータは、たとえばハイブリッド車両、燃料電池車、電動車両などの車両に駆動源として搭載されるDCブラシレスモータである。インバータ回路は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む三相インバータ回路である。各相アームは、直列接続された上アームおよび下アームにより構成される。インバータ回路は、パルス幅変調(PWM)方式により制御される。
上記文献によれば、Zソース昇圧回路は、インバータ回路のU,V,Wのいずれかの相の上下のアームが短絡する期間において、第1および第2のコンデンサの放電ならびに第1および第2のリアクトルの充電により、磁気エネルギを蓄積する。さらにZソース昇圧回路は、たとえばPWM制御によるインバータ回路の通電期間において、第1および第2のコンデンサの充電および第1および第2のリアクトルの放電により、昇圧を行なう。
特開2008−295253号公報(特許文献1)によれば、インバータ回路はモータの制御だけでなく、Zソース昇圧回路による昇圧動作も行なう必要がある。モータの動作効率の観点からは、昇圧回路からインバータ回路に高い直流電圧が供給されることが好ましい。しかし上記の構成によれば、インバータ回路が昇圧およびモータ制御の両方を実行するため、昇圧回路からインバータ回路への高電圧の供給と、インバータによるモータの駆動とを両立させることは容易ではない。
本発明の目的は、Zソース昇圧回路による昇圧動作と、インバータによるモータ制御とを両立させることを可能にすることである。
本発明は、ある局面では、複数の交流モータを駆動するためのモータ駆動システムである。モータ駆動システムは、直流電源と、昇圧回路と、複数のインバータとを備える。昇圧回路は、直流電源の正極に一方端が接続された第1のリアクトルと、直流電源の負極に一方端が接続された第2のリアクトルと、第1のリアクトルの一方端と第2のリアクトルの他方端とに接続された第1のコンデンサと、第1のリアクトルの他方端と第2のリアクトルの一方端とに接続された第2のコンデンサとを含む。複数のインバータは、複数の交流モータにそれぞれ対応し、かつ、昇圧回路に対して並列に設けられる。各複数のインバータは、第1のリアクトルの他方端と第2のリアクトルの他方端との間に直列接続された上アームおよび下アームを含む。モータ駆動システムは、各複数のインバータのスイッチング周期内において、上アームおよび下アームが同時にオンする第1の期間と、上アームおよび下アームのいずれか一方がオンし他方がオフする第2の期間とを制御するための制御装置をさらに備える。制御装置は、選択部と、少なくとも1つのモータ制御部と、少なくとも1つの昇圧制御部とを含む。選択部は、各複数の交流モータの動作状況に基づいて、複数のインバータの中から、昇圧回路により昇圧された電圧を用いて対応するモータを駆動するための少なくとも1つの第1のインバータと、昇圧回路による昇圧のための少なくとも1つの第2のインバータとを選択するように構成される。少なくとも1つのモータ制御部は、少なくとも1つの第1のインバータに対応して設けられ、対応するモータの駆動のために、少なくとも1つの第1のインバータのスイッチング周期における第2の期間を制御するように構成される。少なくとも1つのモータ制御部は、少なくとも1つの第2のインバータに対応して設けられ、少なくとも1つの第1のインバータに要求される昇圧された電圧に応じて、第1の期間を制御するように構成される。
好ましくは、動作状況は、昇圧された電圧を必要とするタイミングが複数の交流モータの間で異なるという状況である。選択部は、タイミングに基づいて、少なくとも1つの第1のインバータおよび少なくとも1つの第2のインバータを選択するように構成される。
好ましくは、タイミングは、各複数の交流モータの回転数に基づいて決定される。昇圧された電圧は、回転数に基づいて予め定められる。
好ましくは、複数の交流モータは、第1および第2の交流モータである。第1および第2の交流モータおよびモータ駆動システムは、内燃機関とともに車両に搭載される。第1の交流モータは、内燃機関との間で動力を授受可能な交流モータである。第2の交流モータは、車両の車輪を駆動可能な交流モータである。第1および第2の交流モータは、内燃機関とともに、遊星歯車機構を含む動力分割機構に結合される。
本発明は、他の局面では、車両である。車両は、上述のモータ駆動システムと、モータ駆動システムにより駆動される複数の交流モータとを備える。
本発明によれば、Zソース昇圧回路による昇圧動作と、インバータによるモータ制御とを両立させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係るモータ駆動システムを搭載したハイブリッド車両の構成図である。図1を参照して、車両100は、車輪2と、エンジン4と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分配機構3とを含む。
エンジン4は、ガソリン等の燃料を燃焼させることによって動力を発生させる内燃機関である。
モータジェネレータMG1は、エンジン4により駆動される発電機として用いられるとともに、エンジン4を始動することが可能な電動機としても用いられる。モータジェネレータMG1が発電することにより得られる電力は、たとえばモータジェネレータMG2の駆動あるいはバッテリBの充電に用いられる。モータジェネレータMG2は、主として車両100の駆動輪(車輪2)を駆動する電動機として用いられる。
動力分配機構3は、エンジン4とモータジェネレータMG1,MG2に結合されてこれらの間で動力を分配する機構である。たとえば動力分配機構としてはサンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸がエンジン4、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。たとえば、モータジェネレータMG1の回転シャフトを中空にし、その中をエンジン4の動力シャフトを貫通させることでモータジェネレータMG2、動力分配機構3、モータジェネレータMG1、エンジン4を直線上に配置することができる。
なおモータジェネレータMG2の回転軸は図示しない減速ギヤあるいは差動ギヤによって車輪2に結合されている。また動力分配機構3の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。
図2に示すように、エンジン4の回転数、モータジェネレータMG1の回転数およびモータジェネレータMG2の回転数は、共線図において直線で結ばれる関係になる。たとえば車両の速度が低い領域(低速領域)では、モータジェネレータMG1の回転数がモータジェネレータMG2の回転数に比べて大きくなる。一方、車両の速度が高い領域(高速領域)では、モータジェネレータMG2の回転数がモータジェネレータMG1の回転数に比べて大きくなる。
図1に戻り、車両100は、さらに、バッテリBと、電圧センサ10と、電流センサ11と、制御装置30とを備える。
バッテリBは車両100に搭載される直流電源である。バッテリBには、たとえばニッケル水素、リチウムイオン等の二次電池、大容量のキャパシタ、および燃料電池等などを用いることができる。なお直流電源の種類は特に限定されるものではない。
電圧センサ10は、バッテリBの端子間の電圧VBを検出する。電流センサ11は、バッテリBに流れる電流IBを検出する。
車両100は、さらに、昇圧回路12と、電圧センサ13と、インバータ14,22と、電流センサ24,25と、回転数センサ41,42とを備える。
昇圧回路12は、Zソース昇圧回路である。具体的には、昇圧回路12は、ダイオードD1と、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子Q1と、リアクトルL1,L2と、コンデンサC1,C2とを含む。
ダイオードD1のアノードは電源ラインPL1に接続される。IGBT素子Q1は、ダイオードD1と逆並列に接続される。具体的には、IGBT素子Q1のコレクタはダイオードD1のカソードに接続され、IGBT素子Q1のエミッタは、電源ラインPL1に接続される。IGBT素子Q1は、制御装置30からの制御信号CTLに応じて、オンおよびオフする。
リアクトルL1の一方端は、ダイオードD1および電源ラインPL1を介してバッテリBの正極に接続される。リアクトルL2の一方端は、接地ラインSL1を介してバッテリBの負極に接続される。コンデンサC1は、リアクトルL1の一方端(およびダイオードD1のカソード)とリアクトルL2の他方端との間に接続される。コンデンサC2は、リアクトルL1の他方端と、リアクトルL2の一方端との間に接続される。電源ラインPL2は、リアクトルL1の他方端に接続され、接地ラインSL2は、リアクトルL2の他方端に接続される。
昇圧回路12は、バッテリBからの直流電圧を昇圧して、電源ラインPL2および接地ラインSL2間に、昇圧された直流電圧(電圧VH)を出力する。さらに、昇圧回路12は、電源ラインPL2および接地ラインSL2間の直流電圧(電圧VH)を降圧してバッテリBに供給する。電圧センサ13は、電源ラインPL2および接地ラインSL2間の直流電圧(電圧VH)を検出する。
インバータ14は、昇圧回路12によって昇圧された直流電圧を受けて、たとえばエンジン4を始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、エンジン4がモータジェネレータMG1を駆動することによってモータジェネレータMG1が発電した電力を昇圧回路12に供給する。このとき昇圧回路12は降圧回路として動作する。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15,V相アーム16,およびW相アーム17は、電源ラインPL2と接地ラインSL2との間に並列に接続される。
U相アーム15は、電源ラインPL2と接地ラインSL2との間に直列接続されるIGBT素子Q3,Q4と、IGBT素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはIGBT素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはIGBT素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはIGBT素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはIGBT素子Q4のエミッタと接続される。
V相アーム16は、電源ラインPL2と接地ラインSL2との間に直列接続されるIGBT素子Q5,Q6と、IGBT素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはIGBT素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはIGBT素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはIGBT素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはIGBT素子Q6のエミッタと接続される。
W相アーム17は、電源ラインPL2と接地ラインSL2との間に直列接続されるIGBT素子Q7,Q8と、IGBT素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはIGBT素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはIGBT素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはIGBT素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはIGBT素子Q8のエミッタと接続される。
モータジェネレータMG1は、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がIGBT素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がIGBT素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がIGBT素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17の各々は、電源ラインPL2および接地ラインSL2間に直列接続された上アームおよび下アームにより構成される。電源ラインPL2と、モータジェネレータの相コイルとの間に並列接続されるIGBT素子およびダイオード(たとえばIGBT素子Q3およびダイオードD3)が上アームを構成する。一方、接地ラインSL2と、モータジェネレータの相コイルとの間に並列接続されるIGBT素子およびダイオード(たとえばIGBT素子Q4およびダイオードD4)が下アームを構成する。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れる電流をモータ電流値MCRT1として検出し、そのモータ電流値MCRT1を制御装置30へ出力する。回転数センサ41は、モータジェネレータMG1の回転数MRN1を検出する。
インバータ22は、インバータ14と並列に、電源ラインPL2および接地ラインSL2に接続される。インバータ22は、昇圧回路12の出力する直流電圧を三相交流電圧に変換するとともに、その交流電圧をモータジェネレータMG2に出力する。またインバータ22は、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を昇圧回路12に戻す。このとき昇圧回路12は降圧回路として動作する。モータジェネレータMG2は、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。なお、インバータ22の内部の構成は、図示しないがインバータ14と同様であるので詳細な説明は繰返さない。
電流センサ25は、モータジェネレータMG2に流れる電流をモータ電流値MCRT2として検出し、そのモータ電流値MCRT2を制御装置30へ出力する。回転数センサ42は、モータジェネレータMG2の回転数MRN2を検出する。
制御装置30は、トルク指令値TR1,TR2と、モータ回転数MRN1,MRN2と、電圧VB,VHの各値と、電流IBの値と、モータ電流値MCRT1,MCRT2と、指令信号IGとを受ける。
たとえば運転者がイグニッションスイッチ(図示せず)をオンすることにより指令信号IGがオフ状態からオン状態に切換わる。制御装置30は、指令信号IGがオン状態になると、図1に示す車両システムを起動させる。一方、運転者がイグニッションスイッチをオフすることにより指令信号IGがオン状態からオフ状態に切換わる。これにより、制御装置30は、車両システムを停止させる。
制御装置30は、インバータ14および22を制御する。具体的には、制御装置30は、インバータ14に対して、昇圧指示PWU1および降圧指示PWD1を出力する。さらに、制御装置30は、昇圧回路12から出力された直流電圧をモータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示PWMI1と、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧回路12に戻す回生指示PWMC1とをインバータ14に対して出力する。
同様に制御装置30は、インバータ22に対して、昇圧指示PWU2および降圧指示PWD2を出力する。さらに、制御装置30は、昇圧回路12から出力された直流電圧をモータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示PWMI2と、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧回路12に戻す回生指示PWMC2とをインバータ22に対して出力する。
昇圧回路12は、インバータ14(インバータ22でもよい)のU相、V相およびW相のいずれかの上アームおよび下アームがオンするショート期間において、リアクトルL1,L2の充電による磁気エネルギの蓄積、ならびにコンデンサC1,C2の放電を行なう。そして、昇圧回路12は、それら上アームおよび下アームのうちの一方がオンし、かつ他方がオフする期間(通電期間)において、リアクトルL1,L2の放電ならびにコンデンサC1,C2の充電により、バッテリBから供給された電圧を昇圧する。さらに、通電期間には、昇圧回路12により昇圧された電圧はインバータ14(22)により交流電圧に変換され、その交流電圧がモータジェネレータMG1(MG2)に供給される。これによりモータジェネレータMG1(MG2)が駆動される。
本実施の形態では、インバータ14,22のうち第1のインバータが、昇圧回路12により昇圧された電圧をモータジェネレータの駆動のために必要とする場合には、第1のインバータが対応するモータジェネレータを駆動する一方で、第2のインバータが昇圧動作を行なう。制御装置30は、トルク指令値TR1,TR2、回転数センサ41,42により検出された回転数MRN1,MRN2、および電流センサ24,25により検出されたモータ電流(モータ電流値MCRT1,MCRT2)に基づいて、上記のようにインバータ14,22を制御する。
図3は、図1に示した制御装置の構成を説明する機能ブロック図である。図3に示した構成はハードウェアおよびソフトウェアのいずれによっても実現可能である。図3を参照して、制御装置30は、インバータ14を制御するためのインバータ制御部31と、インバータ22を制御するためのインバータ制御部32と、インバータ制御部31および32の各々に対して、モータ制御および昇圧制御のいずれか一方を選択的に実行させる選択制御部33とを備える。
インバータ制御部31は、モータ制御部71と、昇圧制御部72と、信号発生部73とを含む。モータ制御部71は、トルク指令値TR1と、モータ回転数MRN1と、モータ電流値MCRT1に基づいて、インバータ14によるモータジェネレータMG1の駆動のための交流電圧指令を生成する。モータ制御部71は、さらに、その交流電圧指令に基づいて、インバータ14をPWM(パルス幅変調)制御するためのPWM制御パターンを生成する。モータ制御部71により生成されたPWM制御パターンは、信号発生部73に送られる。信号発生部73は、そのPWM制御パターンに基づいて、インバータ14をスイッチング制御するための制御信号を生成する。この制御信号は、上記の駆動指示PWMI1および回生指示PWMC1のいずれかに対応する。
昇圧制御部72は、トルク指令値TR1,TR2と、モータ回転数MRN1,MRN2と、モータ電流値MCRT1,MCRT2と、電圧VB,VHと、電流IBと、モータ制御部71からの交流電圧指令に基づいて、モータ制御部71により生成されたPWM制御パターンを変更するための指令を送る。信号発生部73は、昇圧制御部72からの指令に応じて、モータ制御部71からのPWM制御パターンを変更する。信号発生部73は、変更されたPWM制御パターンに基づいて、制御信号を生成する。この制御信号は、昇圧指示PWU1および降圧指示PWD1のいずれかに対応する。
インバータ制御部32は、インバータ制御部31と同様の構成を有する。具体的には、インバータ制御部32は、モータ制御部81と、昇圧制御部82と、信号発生部83とを含む。
モータ制御部81は、トルク指令値TR2と、モータ回転数MRN2と、モータ電流値MCRT2に基づいて、インバータ22によるモータジェネレータMG2の駆動のための交流電圧指令を生成する。モータ制御部81は、さらに、その交流電圧指令に基づいて、インバータ22をPWM制御するためのPWM制御パターンを生成する。モータ制御部81により生成されたPWM制御パターンは、信号発生部83に送られる。信号発生部83は、そのPWM制御パターンに基づいて、インバータ22をスイッチング制御するための制御信号を生成する。この制御信号は、上記の駆動指示PWMI2および回生指示PWMC2のいずれかに対応する。
昇圧制御部82は、トルク指令値TR1,TR2と、モータ回転数MRN1,MRN2と、モータ電流値MCRT1,MCRT2と、電圧VB,VHと、電流IBと、モータ制御部81からの交流電圧指令に基づいて、モータ制御部81により生成されたPWM制御パターンを変更するための指令を送る。信号発生部83は、昇圧制御部82からの指令に応じて、モータ制御部81からのPWM制御パターンを変更する。信号発生部83は、変更されたPWM制御パターンに基づいて制御信号を生成する。この制御信号は、上記の昇圧指示PWU2および降圧指示PWD2のいずれかに対応する。
選択制御部33は、モータ回転数MRN1,MRN2に基づいて、昇圧制御部72および82を制御する。選択制御部33は、基本的には、昇圧制御部72および82の一方のみが、対応するモータ制御部により生成されたPWM制御パターンを変更するための信号を出力するように、昇圧制御部72および82を制御する。昇圧回路12による昇圧が不要であるときには、選択制御部33は、昇圧制御部72および82の両方が、PWM制御パターンを変更するための信号を出力しないように昇圧制御部72および82を制御する。さらに、選択制御部33は、昇圧回路12による昇圧が必要であるものの、インバータ14,22のいずれか一方のみによる昇圧が困難である場合には、昇圧制御部72および82が交互にPWM制御パターンを変更するための信号を出力するように、昇圧制御部72および82を制御する。
なお、インバータ制御部31,32のうちのモータ制御を実行するほうが本発明の「モータ制御部」に対応する。インバータ制御部31,32のうちの昇圧制御を実行するほうが本発明の「昇圧制御部」に対応する。
図4は、図3に示したモータ制御部71の構成を説明するブロック図である。図4を参照して、モータ制御部71は、電流指令生成部210と、座標変換部220,250と、電圧指令生成部240と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部260とを含む。
電流指令生成部210は、予め作成されたテーブル等に従って、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1に応じたd軸電流指令値Idcomおよびq軸電流指令値Iqcomを生成する。
座標変換部220は、回転数センサ41によって検出されるモータジェネレータMG1の回転数MRN1を用いた座標変換(3相から2相への変換)により、電流センサ24によって検出されたモータ電流(MCRT1)に基づいて、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
電圧指令生成部240は、d軸電流指令値Idcomとd軸電流Idとの偏差ΔId(ΔId=Idcom−Id)およびq軸電流指令値Iqcomとq軸電流Iqとの偏差ΔIq(ΔIq=Iqcom−Iq)を受ける。電圧指令生成部240は、d軸電流偏差ΔIdおよびq軸電流偏差ΔIqのそれぞれに対して所定ゲインによるPI(比例積分)演算を行なうことにより、制御偏差を求める。電圧指令生成部240は、この制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
座標変換部250は、モータジェネレータMG1の回転数MRN1を用いた座標変換(2相から3相への変換)によって、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を、U相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、およびW相電圧指令Vwに変換する。
PWM制御部260は、搬送波と、交流電圧指令(Vu,Vv,Vw)との比較に基づき、インバータ14の各相の上下アーム素子をオンオフ制御するためのPWM制御パターンを生成する。搬送波は、所定周波数の三角波あるいはのこぎり波によって構成される。このPWM制御パターンは信号発生部73に送られる。
図5は、図3に示した昇圧制御部72の構成を説明するブロック図である。図5を参照して、昇圧制御部72は、目標値設定部310と、ショート期間算出部320とを含む。
目標値設定部310は、モータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値TR1,TR2および回転数MRN1,MRN2、ならびにバッテリBの電圧VBおよび電流IBに基づいて、電圧VHの目標値(目標電圧VR)を生成する。
目標値設定部310は、モータジェネレータMG1および/またはMG2の力行動作時および回生制動時においては、モータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値TR1,TR2および回転数MRN1,MRN2に応じて、電圧VHが適切なレベルとなるように目標電圧VRを設定する。たとえば、図6に示すマップMP0に従って、目標電圧VRは設定される。
図6を参照して、マップMP0は、回転数MRN(MRN1,MRN2を総括的に示すもの、以下同じ)およびトルク指令値TR(TR1,TR2を総括的に示すもの、以下同じ)の組合わせによって示されるモータ動作点毎に、マップ値として目標電圧VRを有する。マップMP0の参照により、回転数MRNおよびトルク(トルク指令値TR)に基づいて、モータジェネレータMG1,MG2に応じて適切な目標電圧VRを設定できる。
基本的には、モータジェネレータMG(MG1,MG2を総括的に示すもの、以下同じ)による誘起電圧よりも高い電圧にシステム電圧VHを設定して、モータ電流の制御が可能となるように、目標電圧VRが設定される。また、システム電圧VHに応じて、モータジェネレータMG1,MG2での損失(銅損、鉄損)、インバータ14,22での損失(オン損失、スイッチング損失)、昇圧回路12での損失(リアクトルL1,L2での損失(銅損、鉄損))等が変化するので、これらの損失特性についても考慮した上で、各モータ動作点でのマップ値(目標電圧VR)を設定することが好ましい。
具体的には、モータジェネレータMG1,MG2のそれぞれに対してマップMP0が別個に設定され、かつ、回転数MRN1,MRN2およびトルク(トルク指令値TR1,TR2)に基づいたマップMP0の参照により求められた、モータジェネレータMG1,MG2のそれぞれの目標電圧の最大値が、電源システム全体での目標電圧VRに設定される。
トルク指令値TR1,TR2の算出は、ユーザによるペダル操作を反映した車両100全体での要求パワーに基づいて実行される。本実施の形態では、エンジン4の出力パワーとモータジェネレータMG1,MG2の発生パワーとの配分が最適なものとなるように、トルク指令値TR1,TR2が算出される。また、一般的に、トルク指令値TR1,TR2は、バッテリBの入出力可能電力の制限値や、モータジェネレータMG1,MG2あるいはインバータ14,22等の温度上昇度合を反映して、必要に応じて制限される。
ショート期間算出部320は、目標値設定部310により設定された目標電圧VRに応じて、PWM制御パターンが変更となる際のショート期間を示す指令値を算出する。この指令値は、例えば、交流電圧指令(Vu,Vv,Vw)と目標電圧VRとを比較した結果、あるいは、交流電圧指令と電圧VB(バッテリBの電圧)とを比較した結果に基づいて算出される。
ショート期間を長くすることによって昇圧比(VH/VB)を高めることができるため、電圧VHを高くすることができる。一方、昇圧の必要がない場合には、ショート期間はたとえば0に設定される。
ショート期間算出部320からの指令値に応じて、信号発生部73は、モータ制御部71が生成したPWM制御パターンを変更する。具体的には信号発生部73は、PWM制御パターンにより定められたショート期間を変更する。
なお、モータ制御部81の構成はモータ制御部71の構成と同様であり、昇圧制御部82の構成は昇圧制御部72の構成と同様であり、信号発生部83の構成は信号発生部73の構成と同様である。したがって、モータ制御部81、昇圧制御部82および信号発生部83の各々の構成および機能については以後の説明を繰返さない。
続いてインバータ14,22の動作について説明する。以下では代表的にインバータ14のU相アーム15の動作波形を説明する。
図7は、図1に示したインバータ14のU相アーム15の動作波形図である。図7を参照して、信号発生部により生成されたPWM信号に従って、U相アーム15の上アーム(IGBT素子Q3)および下アーム(IGBT素子Q4)の各々のオン状態およびオフが制御される。
通常のインバータの制御では、上アームおよび下アームがともにオフ状態となる期間が設けられる。この期間は一般的に「デッドタイム」と呼ばれる。これに対して、本実施の形態では、上アームおよび下アームがともにオン状態となる期間(ショート期間)が設けられる。本明細書では、このショート期間(Td)を、通常のインバータ制御の場合と同様に「デッドタイム」と呼ぶことにする。時刻t11〜t12の期間および時刻t13〜t14の期間がデッドタイムに対応する。
図1および図7を参照して、デッドタイムに該当する期間では、リアクトルL1、IGBT素子Q3、IGBT素子Q4、コンデンサC1の順に電流が流れるとともに、リアクトルL2、コンデンサC2、IGBT素子Q3、IGBT素子Q4の順に電流が流れる。これによりリアクトルL1,L2に磁気エネルギが蓄積されるとともに、コンデンサC1,C2が放電される。
IGBT素子Q3,Q4の一方がオフ状態であり、他方がオン状態である期間にはリアクトルL1,L2に蓄積された磁気エネルギが放出されるとともにコンデンサC1,C2が充電される。これにより、電圧VHが高められる。電圧VHはU相アーム15によって交流電圧に変換される。
なお、V相アームおよびW相アームはU相アームの動作と同じ動作を実行する。U相、V相およびW相の間では、上アームがオン状態となるタイミングが所定の電気角度だけずれている。これにより、モータジェネレータMG1が駆動される。また、インバータ22の各相アームの動作波形は図7に示した波形と同様である。
すなわち、Zソース昇圧回路およびインバータを含むシステムでは、昇圧動作とモータ制御との両方を1つのインバータにより実行できる。これにより、昇圧回路にはスイッチング素子(IGBT素子等)が不要となるので、昇圧回路の構成を簡素化することができる。
一方で、モータジェネレータMG1およびMG2のいずれかの回転数が高いときには、そのモータジェネレータにより発生される誘起電圧も高くなる。モータジェネレータの制御のためには電圧VHを誘起電圧より高くする必要がある。電圧VHを高くするためには昇圧比を高くする必要がある。昇圧比を高くするためにはデッドタイム(ショート期間)を長くする必要がある。しかし1つのインバータが昇圧動作およびモータ制御の両方を実行する場合には、デッドタイムを長くすることによってモータ制御への影響が発生する。
図8は、昇圧動作とモータ制御との両方を1つのインバータにより実行する場合の問題点を説明する図である。図8は、インバータ14が昇圧動作およびモータジェネレータMG1に対する制御の両方を行なうときのU相アーム15の波形を示している。
図8を参照して、時刻t11〜t15の期間および時刻t16〜t14の期間がデッドタイムである。図8に示したデッドタイムの期間は、図7に示したデッドタイムの期間よりも長い。デッドタイムを長くすることにより昇圧比を高くすることができるものの、モータ制御のための期間が短くなる。このため、昇圧回路12により電圧VHを高くすることができたとしても、モータジェネレータMG1に印加可能な電圧が昇圧回路12により昇圧された電圧よりも低下することが起こりうる。
モータジェネレータMG1,MG2の少なくとも一方の回転数が高いときには電圧VHを高くすることが求められる。しかしながら、多くの場合、高電圧を必要とするタイミングは、モータジェネレータMG1,MG2の間で異なる。図2に示すように、低速領域では、モータジェネレータMG1の回転数がモータジェネレータMG2の回転数に比較して高くなる。従って、低速領域では、モータジェネレータMG1に高電圧を印加することが必要である。その一方、高速領域では、モータジェネレータMG2の回転数がモータジェネレータMG1の回転数に比較して高くなる。従って高速領域では、モータジェネレータMG2に高電圧を印加することが必要となる。
そこで本実施の形態では、制御装置30は、インバータ14,22のうち、高電圧の必要なモータジェネレータを駆動する第1のインバータに対してモータ制御を実行する。具体的には、制御装置30(モータ制御部)は、トルク指令値と、モータ回転数と、モータ電流値とに基づいて、モータジェネレータの駆動のための交流電圧指令を生成するとともに、その交流電圧指令に基づいて、インバータをPWM制御するためのPWM制御パターンを生成する。この制御パターンに従って、上アームおよび下アームのいずれか一方がオンし他方がオフする期間が制御される。なお、この場合、第1のインバータのスイッチング周期におけるデッドタイムの長さが0に設定されてもよい。
一方、制御装置30は、インバータ14,22のうちの第2のインバータに対しては昇圧制御を行なう。具体的には、制御装置30(昇圧制御部)は、モータジェネレータを制御するためのPWM制御パターンを変更することにより、上アームおよび下アームの両方がオンする期間を制御する。これにより、昇圧回路12(Zソース昇圧回路)により生成された電圧VHを、高電圧が必要なモータジェネレータの駆動に有効に利用することができる。
なお、第2のインバータは昇圧動作を優先的に実行する。このため、第2のインバータにより駆動されるモータジェネレータに印加される電圧が低下する可能性がある。しかしながら、モータジェネレータの駆動に要求される電圧は低くてもよいため、当該モータジェネレータの駆動への影響は小さい。
図9は、図1に示した制御装置30により実行される、2つのインバータに対する制御処理を説明するためのフローチャートである。
図9を参照して、処理が開始されると、ステップS1において、制御装置30は、モータジェネレータMG1およびMG2の回転数(MRN1,MRN2)を取得する。ステップS2において制御装置30は、各モータジェネレータの駆動に要求される電圧VHを算出する。
上述のように、昇圧制御部72は、モータジェネレータMG1の回転数MRN1とトルク指令値TR1との組合わせによって示されるモータ動作点毎にマップ値(目標電圧VR)を有する第1のマップ(図6のマップMP0参照)に基づいて、電圧VHの目標値、すなわち目標電圧VRを算出する。同様に、昇圧制御部82は、モータジェネレータMG2の回転数MRN2とトルク指令値TR2との組合わせによって示されるモータ動作点毎にマップ値(目標電圧VR)を有する第2のマップに基づいて、目標電圧VRを算出する。
さらに、選択制御部33は、上記の第1および第2のマップに基づいて、モータジェネレータMG1を駆動するための電圧VHの目標値(第1の目標値)および、モータジェネレータMG2を駆動するための電圧VHの目標値(第2の目標値)を算出する。
ステップS3において、制御装置30は、電圧VBの値を取得する。ステップS4において、制御装置30(選択制御部33)は、電圧VBならびに第1および第2の目標値に基づいて、昇圧回路12による昇圧の必要性の有無を判定する。第1および第2の目標値の少なくとも一方が電圧VBよりも高い場合、制御装置30(選択制御部33)は、昇圧回路12による昇圧が必要と判定する。この場合(ステップS4においてYES)、処理はステップS5に進む。一方、第1および第2の目標値のいずれも電圧VB以下である場合(ステップS4においてNO)、処理はステップS6に進む。
ステップS5において、制御装置30(選択制御部33)は、インバータ14,22のいずれか一方のみに昇圧制御を実行することが可能かどうかを判定する。たとえば、選択制御部33は、電圧VHの第1の目標値および電圧VBに基づいて、モータ制御部71,81のPWM制御に用いられる搬送波の1周期(キャリア周期)に対するショート期間の比率(デューティ比)を算出する。たとえばデューティ比Dは、次の式に従って表わされる。
D=1/2{(VR−VB)/VR}
上記式におけるVRに、電圧VHの第1の目標値および電圧VHの第2の目標値の各々を代入することによって、第1の目標値および第2の目標値の各々に対応するデューティ比が算出される。
上記式におけるVRに、電圧VHの第1の目標値および電圧VHの第2の目標値の各々を代入することによって、第1の目標値および第2の目標値の各々に対応するデューティ比が算出される。
たとえば第1の目標値(モータジェネレータMG1を駆動するための電圧VHの目標値)が第2の目標値(モータジェネレータMG2を駆動するための電圧VHの目標値)よりも高い場合、選択制御部33は、モータジェネレータMG2に印加される電圧を推定する。たとえば選択制御部33は、第1の目標値に(1−D)、すなわち1とデューティ比Dとの差分を乗じることにより、モータジェネレータMG2に印加される電圧を推定する。
その推定値が第2の目標値より大きい場合には、選択制御部33は、インバータ22のみに対する昇圧制御が可能と判断する。一方、上記の推定値が第2の目標値より小さい場合には、選択制御部33は、インバータ14,22の両方に対して昇圧制御が必要と判断する。
なお第2の目標値が第1の目標値より高い場合にも選択制御部33は、上記と同様の制御を実行する。この場合の制御は、上記の制御において、第1の目標値と第2の目標値とを入れかえたものに対応する。
インバータ14,22の一方のみに昇圧制御を実行可能であると判断された場合(ステップS5においてYES)、ステップS7において、制御装置30は、その一方のインバータに対して昇圧制御を実行するとともに、他方のインバータに対してモータ制御を実行する。具体的には、選択制御部33は、上記一方のインバータに対応するインバータ制御部の昇圧制御部(72または82)に対して、モータ制御部により生成されたPWM制御パターンを変更する指令を生成させる。選択制御部33は、他方のインバータ制御部に含まれる昇圧制御部に対しては、PWM制御パターンを変更する指令を生成するための制御を実行しない。よって、上記の他方のインバータ制御部は、モータ制御を実行する。
インバータ14,22の一方だけでは昇圧制御を実行不可能と判断された場合(ステップS5においてNO)、ステップS8において、制御装置30は、インバータ14,22の各々に対して昇圧制御およびモータ制御を実行する。具体的には、選択制御部33は、インバータ制御部31,32が交互に昇圧制御を実行するように、昇圧制御部72および82を制御する。
昇圧制御が行なわれる期間の長さは、インバータ制御部31,32の間で同じであってもよい。また、たとえば電圧VHの第1の目標値および電圧VHの第2の目標値に応じて異ならせてもよい。また、たとえば、上記デューティ比に応じて昇圧制御が行なわれる期間の長さを設定してもよい。
ステップS6では、制御装置30は、インバータ14,22の両方に対してモータ制御を実行する。この場合には、選択制御部33は、昇圧制御部72,82のいずれに対してもPWM制御パターンを変更する(ショート期間を設ける)ための指令を出力しない。よって、インバータ制御部31,32の各々は対応するインバータに対してモータ制御を実行する。
以上のように本実施の形態によれば、制御装置30は、インバータ14,22のうち、高電圧の必要なモータジェネレータを駆動する第1のインバータに対してモータ制御を実行する。一方、制御装置30は、インバータ14,22のうちの第2のインバータに対しては昇圧制御を行なう。これにより、昇圧回路12(Zソース昇圧回路)により生成された電圧VHを、高電圧が必要なモータジェネレータの駆動に有効に利用することができる。したがって、Zソース昇圧回路による昇圧動作と、インバータによるモータ制御とを両立させることができる。
なお、モータ駆動システムにより駆動されるモータの数、言い換えれば電源ラインPL2および接地ラインSL2に並列接続されるインバータの数は、2個に限定されるものではなく、複数であれば3個以上でもよい。複数のモータのうち少なくとも1つのモータが高電圧を必要とする場合、制御装置30は、そのモータに対応するインバータ(単数または複数)にモータ制御を行なわせる一方、そのインバータを除く残りのインバータのうちの少なくとも1つに昇圧動作を行なわせる。
たとえば3個のモータのうち2個のモータが高電圧を必要とする場合には、制御装置は、それら2個のモータに対応する2個のインバータにはモータ制御を行なわせる一方、残りの1個のインバータには、昇圧動作を行なわせる。3個のモータのうち1個のモータが高電圧を必要とする場合には、制御装置は、そのモータに対応する1個のインバータにモータ制御を行なわせる一方、残りの2個のインバータのうちの少なくとも1個のインバータに昇圧動作を行なわせる。このように、本発明によるモータ駆動システムは、3個以上のモータを駆動するためのシステムにも適用可能である。
また、本実施の形態では、モータ駆動システムの適用例としてハイブリッド車両を示したが、本発明は、ハイブリッド車両に限定されず、複数のモータ、およびそのモータを駆動するための車両に適用可能であり、たとえば電気自動車、燃料電池車等の車両にも適用可能である。
さらに、本発明は、複数の交流モータを駆動するためのシステムであれば、車両に限定せずに適用することも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 車輪、3 動力分配機構、4 エンジン、10 電圧センサ、11 電流センサ、12 昇圧回路、13 電圧センサ、14,22 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24,25 電流センサ、30 制御装置、31,32 インバータ制御部、33 選択制御部、41,42 回転数センサ、71,81 モータ制御部、72,82 昇圧制御部、73,83 信号発生部、100 車両、210 電流指令生成部、220,250 座標変換部、240 電圧指令生成部、260 PWM制御部、310 目標値設定部、320 ショート期間算出部、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、D1,D3〜D8 ダイオード、L1,L2 リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、MP0 マップ、PL1,PL2 電源ライン、Q1,Q3〜Q8 IGBT素子、SL1,SL2 接地ライン。
Claims (5)
- 複数の交流モータを駆動するためのモータ駆動システムであって、
直流電源と、
前記直流電源の正極に一方端が接続された第1のリアクトルと、前記直流電源の負極に一方端が接続された第2のリアクトルと、前記第1のリアクトルの一方端と前記第2のリアクトルの他方端とに接続された第1のコンデンサと、前記第1のリアクトルの他方端と前記第2のリアクトルの一方端とに接続された第2のコンデンサとを含む昇圧回路と、
前記複数の交流モータにそれぞれ対応し、かつ、前記昇圧回路に対して並列に設けられた複数のインバータとを備え、
各前記複数のインバータは、前記第1のリアクトルの他方端と前記第2のリアクトルの他方端との間に直列接続された上アームおよび下アームを含み、
前記モータ駆動システムは、
各前記複数のインバータのスイッチング周期内において、前記上アームおよび前記下アームが同時にオンする第1の期間と、前記上アームおよび前記下アームのいずれか一方がオンし他方がオフする第2の期間とを制御するための制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
各前記複数の交流モータの動作状況に基づいて、前記複数のインバータの中から、前記昇圧回路により昇圧された電圧を用いて対応するモータを駆動するための少なくとも1つの第1のインバータと、前記昇圧回路による昇圧のための少なくとも1つの第2のインバータとを選択するように構成された選択部と、
前記少なくとも1つの第1のインバータに対応して設けられ、前記対応するモータの駆動のために、前記少なくとも1つの第1のインバータの前記スイッチング周期における前記第2の期間を制御するように構成された少なくとも1つのモータ制御部と、
前記少なくとも1つの第2のインバータに対応して設けられ、前記少なくとも1つの第1のインバータに要求される前記昇圧された電圧に応じて、前記第1の期間を制御するように構成された少なくとも1つの昇圧制御部とを含む、モータ駆動システム。 - 前記動作状況は、前記昇圧された電圧を必要とするタイミングが前記複数の交流モータの間で異なるという状況であり、
前記選択部は、前記タイミングに基づいて、前記少なくとも1つの第1のインバータおよび前記少なくとも1つの第2のインバータを選択するように構成される、請求項1に記載のモータ駆動システム。 - 前記タイミングは、各前記複数の交流モータの回転数に基づいて決定され、
前記昇圧された電圧は、前記回転数に基づいて予め定められる、請求項2に記載のモータ駆動システム。 - 前記複数の交流モータは、第1および第2の交流モータであって、
前記第1および第2の交流モータおよび前記モータ駆動システムは、内燃機関とともに車両に搭載され、
前記第1の交流モータは、前記内燃機関との間で動力を授受可能な交流モータであり、
前記第2の交流モータは、前記車両の車輪を駆動可能な交流モータであり、
前記第1および第2の交流モータは、内燃機関とともに、遊星歯車機構を含む動力分割機構に結合される、請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ駆動システム。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のモータ駆動システムと、
前記モータ駆動システムにより駆動される複数の交流モータとを備える、車両。
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JP2014117118A (ja) * | 2012-12-12 | 2014-06-26 | Toyota Motor Corp | 交流電動機の制御システム |
CN104617806A (zh) * | 2015-01-26 | 2015-05-13 | 闫朝阳 | 双向能量流动z源三相变换器 |
JP2017065446A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 株式会社ミツバ | 電動パワーステアリング装置 |
-
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- 2009-05-25 JP JP2009125518A patent/JP2010273512A/ja not_active Withdrawn
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