JP2007282357A - 車両駆動用電源システム - Google Patents
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Abstract
【課題】スリップ発生後のグリップ時にバッテリへの逆流エネルギが低減された車両駆動用電源システムを提供する。
【解決手段】車両駆動用電源システムは、バッテリBと、昇圧コンバータ12と、キャパシタ40と、キャパシタ40と昇圧コンバータ12との間に設けられ、キャパシタ40と昇圧コンバータ12との接続及び切離しを行なう接続部と、昇圧コンバータ12および接続部の制御を行なう制御装置30とを備える。制御装置30は、車輪にスリップが発生した場合には、接続部を切離した後昇圧コンバータ12に対する電圧指令値を変更する。接続部は、キャパシタ40に対する充電方向を順方向とするダイオードD9と、ダイオードD9と並列接続され、制御装置30によって導通制御が行なわれるIGBT素子Q9とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】車両駆動用電源システムは、バッテリBと、昇圧コンバータ12と、キャパシタ40と、キャパシタ40と昇圧コンバータ12との間に設けられ、キャパシタ40と昇圧コンバータ12との接続及び切離しを行なう接続部と、昇圧コンバータ12および接続部の制御を行なう制御装置30とを備える。制御装置30は、車輪にスリップが発生した場合には、接続部を切離した後昇圧コンバータ12に対する電圧指令値を変更する。接続部は、キャパシタ40に対する充電方向を順方向とするダイオードD9と、ダイオードD9と並列接続され、制御装置30によって導通制御が行なわれるIGBT素子Q9とを含む。
【選択図】図1
Description
この発明は、車両駆動用電源システムに関し、特に、蓄電装置として二次電池とキャパシタとを搭載する車両駆動用電源システムに関する。
駆動力源としてモータを備える電気自動車およびハイブリッド車両が近年注目されている。これらの車両のなかには、アクセルペダル操作、車速等が考慮され車両に必要とされるトルクが算出される車両もある。特開2005−51850号公報(特許文献1)は、段差の乗り越え時等に駆動輪のスリップが発生した際にモータに過大電流が流れるのを防止するために、スリップ発生時にトルク制限を行なう技術について開示している。
特開2005−51850号公報
段差の乗り越え時等のスリップ発生後に着地により車輪が路面にグリップすると、スリップ時に持ち出されるバッテリからのエネルギが、グリップ時のモータ回転数の急変によりバッテリに逆流する可能性がある。このような逆流エネルギは、たとえばバッテリの温度上昇の原因となり、少ないほうが望ましい。
この発明の目的は、スリップ発生後のグリップ時にバッテリへの逆流エネルギが低減された車両駆動用電源システムを提供することである。
この発明は、要約すると、車両駆動用電源システムであって、二次電池と、二次電池と共にモータ駆動用インバータに電力供給を行なうキャパシタと、キャパシタとモータ駆動用インバータの電源ラインとの間に設けられ、キャパシタの接続及び切離しを行なう接続部と、接続部の制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、車輪にスリップが発生した場合には、接続部に切離し指示を出力する。
好ましくは、二次電池が一方側に接続され、他方側にモータ駆動用インバータの電源ラインが接続される電圧変換器をさらに備え、制御装置は、車輪にスリップが発生した場合には、接続部に切離し指示を出力した後に電圧変換器に対する電圧指令値を変更する。
より好ましくは、制御装置は、接続部に切離し指示を出力した後、車輪がグリップし、かつトルク要求が増大したときに、接続部に対して接続指示を出力する。
好ましくは、接続部は、キャパシタに対する充電方向を順方向とするダイオードと、ダイオードと並列接続され、制御装置によって導通制御が行なわれるトランジスタとを含む。
好ましくは、制御装置は、スリップを検出するとモータのトルク指令値を低減させ、低減させたトルク指令値とモータの回転数から電圧指令値を求める。
この発明によれば、過電流によるバッテリへの影響を抑えると共に、車両のエネルギ効率が改善される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両の構成を示す回路図である。
図1を参照して、車両100は、バッテリBと、キャパシタ40と、エンジン4と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構3と、制御装置30とを含む。モータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤや差動ギヤを介して車輪2を駆動する。
図1を参照して、車両100は、バッテリBと、キャパシタ40と、エンジン4と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構3と、制御装置30とを含む。モータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤや差動ギヤを介して車輪2を駆動する。
動力分割機構3は、エンジン4とモータジェネレータMG1,MG2に結合され、これらの間で動力を分配する機構である。たとえば動力分割機構としてはサンギヤ、プラネタリキャリヤ、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸がエンジン4、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。なお動力分割機構3の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。
車両100は、さらに、モータジェネレータMG1,MG2のモータ回転数MRN1,MRN2をそれぞれ検知するレゾルバ52,54を含む。
車両100は、さらに、バッテリBの負極と接地ラインSLとの間に接続されるシステムメインリレーSMR3と、バッテリBの正極と電源ラインPL1との間に接続されるシステムメインリレーSMR2と、バッテリBの正極と電源ラインPL1との間に直列に接続されるシステムメインリレーSMR1および制限抵抗R1とを含む。システムメインリレーSMR1〜SMR3は、制御装置30から与えられる制御信号SEに応じて導通/非導通状態が制御される。
車両100は、さらに、バッテリBの端子間の電圧VBを測定する電圧センサ10と、バッテリBに流れる電流IBを検知する電流センサ11とを含む。
バッテリBとしては、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池等の二次電池を用いることができる。
車両100は、さらに、電源ラインPL1と接地ラインSL間に接続される平滑用コンデンサC1と、平滑用コンデンサC1の両端間の電圧VLを検知して制御装置30に対して出力する電圧センサ21と、平滑用コンデンサC1の端子間電圧を昇圧する昇圧コンバータ12と、昇圧コンバータ12によって昇圧された電圧を平滑化する平滑用コンデンサC2と、平滑用コンデンサC2の端子間電圧VHを検知して制御装置30に出力する電圧センサ13と、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に接続されるディスチャージ用抵抗R2と、昇圧コンバータ12から与えられる直流電圧を三相交流に変換してモータジェネレータMG1に出力するインバータ14とを含む。
昇圧コンバータ12は、一方端が電源ラインPL1に接続されるリアクトルL1と、電源ラインPL2と接地ラインSL間に直列に接続されるIGBT素子Q1,Q2と、IGBT素子Q1,Q2にそれぞれ並列に接続されるダイオードD1,D2とを含む。
リアクトルL1の他方端はIGBT素子Q1のエミッタおよびIGBT素子Q2のコレクタに接続される。ダイオードD1のカソードはIGBT素子Q1のコレクタと接続され、ダイオードD1のアノードはIGBT素子Q1のエミッタと接続される。ダイオードD2のカソードはIGBT素子Q2のコレクタと接続され、ダイオードD2のアノードはIGBT素子Q2のエミッタと接続される。
インバータ14は、昇圧コンバータ12から昇圧された電圧を受けて、たとえばエンジン4を始動させるためにモータジェネレータMG1を駆動する。また、インバータ14は、エンジン4から伝達される機械的動力によってモータジェネレータMG1で発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は、降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15,V相アーム16およびW相アーム17は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に並列に接続される。
U相アーム15は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列接続されたIGBT素子Q3,Q4と、IGBT素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはIGBT素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはIGBT素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはIGBT素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはIGBT素子Q4のエミッタと接続される。
V相アーム16は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列接続されたIGBT素子Q5,Q6と、IGBT素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはIGBT素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはIGBT素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはIGBT素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはIGBT素子Q6のエミッタと接続される。
W相アーム17は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列接続されたIGBT素子Q7,Q8と、IGBT素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはIGBT素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはIGBT素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはIGBT素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはIGBT素子Q8のエミッタと接続される。
モータジェネレータMG1は、三相の永久磁石同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がIGBT素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がIGBT素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がIGBT素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
車両100は、さらに、昇圧コンバータ12に対してインバータ14と並列的に接続されるインバータ14Aと、昇圧コンバータ12による昇圧後の電力を蓄積するキャパシタ40と、電源ラインPL2にキャパシタ40の一方電極を接続するシステムメインリレーC−SMRPと、接地ラインSLにキャパシタ40の他方電極を接続するシステムメインリレーC−SMRGとを含む。
車両100は、負荷であるインバータ14,14Aに接続された電源ラインPL2とキャパシタ40の電極との間にシステムメインリレーC−SMRPと直列に接続されたIGBT素子Q9と、電源ラインPL2からキャパシタ40の正電極に向かう向きを順方向としてIGBT素子Q9に並列接続されるダイオードD9とをさらに備える。IGBT素子Q9のエミッタは、電源ラインPL2に接続され、そのコレクタは、システムメインリレーC−SMRPと接続される。
図示しないが、IGBT素子Q9、システムメインリレーC−SMRG,C−SMRPも、制御装置30から与えられる制御信号に応じて導通/非導通状態が制御される。
車両100は、さらに、キャパシタ40の端子間の電圧VCを測定する電圧センサ44と、キャパシタ40に流れる電流ICを検知する電流センサ46と、キャパシタ40の温度TCを検知する温度センサ45とを含む。
インバータ14Aは車輪を駆動するモータジェネレータMG2に対して昇圧コンバータ12の出力する直流電圧を三相交流に変換して出力する。またインバータ14Aは、回生制動に伴い、モータジェネレータMG2において発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は降圧回路として動作するように制御装置30によって制御される。
インバータ14Aは、U相アーム15Aと、V相アーム16Aと、W相アーム17Aとを含む。U相アーム15A,V相アーム16AおよびW相アーム17Aは、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に並列に接続される。U相アーム15A,V相アーム16AおよびW相アーム17Aの各構成は、U相アーム15,V相アーム16およびW相アーム17とそれぞれ同様であり、詳細な説明は繰返さない。
制御装置30は、アクセル開度Acc、モータジェネレータMG1,MG2のモータ回転数MRN1,MRN2およびモータ電流値と、電圧VB,VH,VC、電流IB,ICの各値と、起動信号IGとを受ける。そして制御装置30は、アクセル開度Accおよびモータ回転数からトルク指令値を算出すると共に、昇圧コンバータ12に対して昇圧指示、降圧指示および動作禁止指示を出力する。
さらに、制御装置30は、インバータ14に対して、昇圧コンバータ12の出力である直流電圧をモータジェネレータMG1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示と、モータジェネレータMG1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示とを出力する。
同様に制御装置30は、インバータ14Aに対して直流電圧をモータジェネレータMG2を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示と、モータジェネレータMG2で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示とを出力する。
バッテリBとして用いられる「二次電池」は、たとえば、正極にニッケル、負極に水素吸蔵合金、水酸化カリウム水溶液を主成分とする電解液を使用するニッケル水素電池や、正極に遷移金属酸化型リチウム化合物、負極に炭素、電解液にリチウム塩を用いたリチウムイオン電池等のように、電気を化学的に蓄える高エネルギ密度型の蓄電装置である。
一方、「キャパシタ」は、たとえば電解液中のイオンを多数の細孔を持つ電極に吸着させることで充電するコンデンサであり、電荷を物理的に蓄える高出力型の蓄電装置である。
具体的には、キャパシタ40は、平滑用コンデンサC2よりも容量が大きい蓄電装置であり、たとえば直列接続される複数の電気二重層コンデンサ42とその間に接続されるフューズ43とを含む。なお、電気二重層コンデンサは、1セル当たりの耐圧が2.5〜2.7V程度であるので、昇圧コンバータ12が出力する300〜650V程度の電圧に用いるためには各セルに電圧を分担させるために複数の電気二重層コンデンサ42のセルを直列に接続して用いる必要がある。
従来は、昇圧コンバータ12の出力電圧のリップルを平滑化するのに十分な程度の容量、たとえば数千μFの平滑用コンデンサC2のみを搭載していたが、これと並列に容量が、たとえば0.5〜2.0F程度のキャパシタ40をさらに搭載する。
これにより、たとえばエンジンを停止させてモータジェネレータのみで走行するEV走行時において追越しをするために急加速を行なおうとした場合に、モータジェネレータMG2が車輪を回転させるパワーを増加しつつ、さらにこれと並行してキャパシタ40で補填されるパワーでモータジェネレータMG1を回転させてエンジン4を始動し、エンジン4によって発生されるパワーをさらに加速パワーに加えることが可能となる。つまりキャパシタ40は瞬時における出力可能パワーがバッテリBに比べると大きいので、キャパシタ40によってバッテリBの電力を補うことにより加速応答性をさらに改善することができる。
図1に示される車両駆動用電源システムは、要約すると、バッテリBと、バッテリBが一方側に接続され、他方側にモータ駆動用インバータ14,14Aが接続される昇圧コンバータ12と、昇圧コンバータ12の他方側にモータ駆動用インバータ14,14Aと共に接続されるキャパシタ40と、キャパシタ40と昇圧コンバータ12との間に設けられ、キャパシタ40と昇圧コンバータ12との接続及び切離しを行なう接続部と、昇圧コンバータ12および接続部の制御を行なう制御装置30とを備える。制御装置30は、車輪にスリップが発生した場合には、接続部に切離し指示を出力した後に昇圧コンバータ12に対する電圧指令値を変更する。
より好ましくは、制御装置30は、接続部のIGBT素子Q9に切離し指示を出力した後、車輪2がグリップし、かつトルク要求が増大したときに、接続部のIGBT素子Q9に対して接続指示を出力する。
この接続部は、キャパシタ40に対する充電方向を順方向とするダイオードD9と、ダイオードD9と並列接続され、制御装置30によって導通制御が行なわれるIGBT素子Q9とを含む。
また、制御装置30は、スリップを検出するとモータのトルク指令値を低減させ、低減させたトルク指令値とモータの回転数から電圧指令値を求める。
キャパシタ40は、直列接続される複数の電気二重層コンデンサ42を含む。
図2は、スリップ発生後のグリップ時のエネルギの流れを示した図である。
図2は、スリップ発生後のグリップ時のエネルギの流れを示した図である。
図2を参照して、スリップで車輪が空転してその後車輪が路面をグリップすると、モータ回転数の急減によって、電流IB、ICが流れる。モータジェネレータのエネルギは、トルク×回転数で表わされるが、グリップ時には回転数が急減する一方、トルクは急には変えることができないので、バッテリBから供給されていたエネルギがグリップ時には余剰となり、バッテリBやキャパシタ40に電流が逆流する。
バッテリBのみしか蓄電装置がない構成と比べると、キャパシタ40が接続されているので、キャパシタ40にも逆流電流ICが受入れられた結果として、バッテリBに逆流する電流IBは少なくて済む。
また、制御装置30は、車輪にスリップが発生した場合には、IGBT素子Q9を切離した後昇圧コンバータ12に対する電圧指令値を下げる。大容量のキャパシタ40が高電圧でチャージされているとき昇圧コンバータ12の昇圧指令値を下げるとキャパシタ40から不必要な電力がさらに出力され、モータに過大電流が流れたり、グリップ時の逆流電流が大きくなったりするからである。ただし、グリップ時にはIGBT素子Q9を切離していても、グリップにより電源ラインPL2の電圧がキャパシタ40の電圧より高くなればダイオードD9を経由してキャパシタ40にエネルギが吸収される。
図3は、制御装置30で実行される車両駆動用電源システムの制御プログラムの構造を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図1、図3を参照して、まず、処理が開始されるとステップS1においてスリップ判定が行なわれる。後に説明するスリップ発生フラグF1が値“1”である場合にはスリップしていると判定されており、逆にこの値が“0”である場合にはスリップが発生していないと判定されている。ステップS1においてスリップが発生していないと判定された場合には、ステップS2において通常走行処理が行なわれる。この通常走行処理では、トルク指令はアクセル開度Accと車速とに応じて決定される。
すなわち、入力されたアクセル開度Accとモータ回転数MRN2から算出される車速Vとに基づいてモータジェネレータMG2から車輪2の駆動軸に出力すべきトルクとしてのトルク指令値TR2*を設定する。ここで、トルク指令値TR2*の設定は、たとえば、アクセル開度Accと車速Vとトルク指令値TR2*との関係を予め求めてマップとして不揮発メモリに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられたときにマップから対応するトルク指令値TR2*を読み出すことにより行なう。
ステップS2で通常走行処理が終了すると、ステップS7において制御はメインルーチンに移される。
一方、ステップS1のスリップ判定でスリップが発生したと判断されると処理はステップS3に進む。
図4は、ステップS1で行なわれるスリップ判定処理の処理構造を示したフローチャートである。
図4を参照して、まずステップS11において、回転数MRN2に基づいて車輪駆動軸の回転角加速度αを計算する。ここで、回転角加速度αの計算は、実施例では、今回のルーチンで入力された現回転数MRN2から前回のルーチンで入力された前回回転数MRN2を減じる(ΔMRN2=現回転数MRN2−前回回転数MRN2)ことにより行なう。回転数の時間変化率として示すことができれば、どのような単位を採用するものでも構わない。また、回転角加速度αは、誤差を小さくするために、それぞれ今回のルーチンから過去数回(例えば、3回)に亘って計算された角加速度の平均を用いるものとしても構わない。
続いてステップS12において、制御装置30は、ステップS11で計算された回転角加速度αが、空転によるスリップが発生したとみなすことのできるしきい値αsを超えているか否かを判定する。
ステップS12において、回転角加速度αがしきい値αsを超えていると判定されると、駆動輪が空転してスリップが発生したと判断し、ステップS13において、スリップの発生を示すスリップ発生フラグF1を値“1”にセットして、ステップS18において制御が図3のフローチャートに移される。
一方、ステップS12において、回転角加速度αがしきい値αsを超えていないと判定されると、ステップS14に処理が進み、制御装置30は、スリップ発生フラグF1が値1であるか否かを判定する。
ステップS14において、スリップ発生フラグF1が値1でないと判定されると、車輪2にスリップは発生しておらずグリップの状態にあると判断して、ステップS18において制御は図3のフローチャートに移される。
一方、ステップS14において、スリップ発生フラグF1が値“1”であると判定されたときには、ステップS15において回転角加速度αが負の値であるか否かが判断され、さらにステップS16においてその状態が所定時間以上継続しているか否かが判断される。
ステップS15において回転角加速度αが負の値でなかった場合、およびステップS16においてα<0の状態が所定時間より短かった場合には、スリップ発生フラグF1が値“1”の状態のままステップS18に処理が進み制御は図3のフローチャートに移される。
一方、ステップS15において回転角加速度αが負の値であり、かつステップS16においてα<0の状態が所定時間以上継続していたときには、発生したスリップは収束したと判断され、ステップS17に処理が進みスリップ発生フラグF1は値“0”にリセットされる。その後、ステップS18に処理が進み制御は図3のフローチャートに移される。
再び図3を参照して、ステップS1でスリップ発生フラグF1が値“1”であり、処理がステップS3に進んだ場合には、キャパシタ40を電源ラインPL2に接続するIGBT素子Q9がオン状態であるか否かが判断される。
なお、システムメインリレーC−SMRP,C−SMRGは、車両起動時に接続されており、IGBT素子Q9は、車両の走行状態に応じて導通される。たとえば、急加速を行なう際には、バッテリBからだけでなくキャパシタ40からもエネルギを持ち出すほうがよいのでIGBT素子Q9はオン状態に設定される。
ステップS3において、IGBT素子Q9がオン状態であった場合には、ステップS4に処理が進み、制御装置30はIGBT素子Q9をオフ状態に設定する。
ステップS3において、IGBT素子Q9がオン状態でなかった場合およびステップS4でIGBT素子Q9がオフ状態に設定された場合には、ステップS5に処理が進む。
ステップS5では、制御装置30の内部で算出されたトルク指令値TR2*を低減させるモータトルク低減指令が行なわれる。スリップ状態でモータ回転数MRN2が急上昇したときにトルク指令値がそのままであれば、モータジェネレータMG2で消費されるエネルギは急増する。エネルギ=トルク×回転数、の関係があるからである。したがって、トルク指令値を低減させることにより、モータジェネレータMG2に過大電流が流れるのが防がれる。
続いて、ステップS6において、制御装置30は、昇圧コンバータ12に対する電圧指令値VH*を変更する。昇圧コンバータ12を搭載する車両駆動用電源装置は、トルク指令値に関連して昇圧コンバータの指令値を変更するので、ステップS5でトルク指令値が変更されると、ステップS6で昇圧指令値が変更される。ステップS6の処理が終了すると、ステップS7において制御はメインルーチンに移される。
図5は、トルク指令値と昇圧指令値との関係を示したマップの例である。
図5を参照して、昇圧指令値VH*は、モータトルク指令値TR*とモータ回転数との関数としてマップ化されている。
図5を参照して、昇圧指令値VH*は、モータトルク指令値TR*とモータ回転数との関数としてマップ化されている。
波形W1はモータ回転数が低回転の場合に昇圧指令値VH*がどのようにモータトルク指令値TR*に基づいて定められるかを示す。波形W2はモータ回転数が中回転の場合に昇圧指令値VH*がどのようにモータトルク指令値TR*に基づいて定められるかを示す。波形W3はモータ回転数が高回転の場合に昇圧指令値VH*がどのようにモータトルク指令値TR*に基づいて定められるかを示す。
図3のステップS6では、ステップS5で変更されたトルク指令値に対応する昇圧指令値が図5のマップに基づいて選択され昇圧コンバータ12が制御される。
図6は、図3のフローチャートに基づいて制御が行なわれた一例を説明するための動作波形図である。
図3、図6を参照して、まず時刻t1において、車輪にスリップが発生する。すると回転加速度αがしきい値αsを超えステップS1においてスリップ発生と反産されスリップ発生フラグF1が“0”から“1”に変化する。そしてステップS4においてIGBT素子Q9がオン状態からオフ状態に変化し、トルク指令値TR2*がX1からX2に向けて低減を開始する。しかし、トルク指令値は、急に変化させると乗り心地や車両の安定性等が悪化するので、急に変化しないように制限がかけられている。このため、モータ回転数MRN2が急上昇してからトルク指令値TR2*が低減されるまでの間は、昇圧指令値VH*はVH0からVH1まで上昇してから低減される。
つまり、時刻t1以前は、図5の点P1に車両の状態があり、時刻t1のスリップの発生によって車両状態は図5の点P1から点P2に遷移する。すなわちモータトルク指令値TR*が同じで回転数が中回転から高回転に変化するので、昇圧指令値もVH0からVH1に増加する。
そして、スリップ発生中の回転数が高い状態でトルク指令値TR2*がX2まで低減された時刻t2では、車両の状態は図5の波形W3上を点P2から点P3まで遷移する。したがって、昇圧指令値VH*はVH1からVH2に低下する。
さらに、時刻t3において車輪が路面をグリップしてモータ回転数MRN2が減少すると、図5の点P3から点P4に車両状態が遷移し、昇圧指令値VH*はVH2からVH3に低下する。そして時刻t3から所定時間経過した時刻t4において、スリップ発生フラグF1が“0”にリセットされる。
ここで、IGBT素子Q9が時刻t1以降オフ状態に制御されることにより、昇圧コンバータ12の電圧指令値の変化に追従して電源ラインPL2の電圧も変化しやすくなる。また、IGBT素子Q9がオフ状態であっても、キャパシタ40の電圧以上の電圧がスリップ発生からグリップ終了する前後に発生した場合には、ダイオードD9を経由してエネルギを吸収することが可能である。さらには、ダイオードD9の整流作用によって、吸収したエネルギは電源ラインPL2に逆流しないので、バッテリBにもどってバッテリBを発熱させることもなく、グリップ後に加速要求等によりトルク要求が増大した場合に制御装置30がIGBT素子Q9を導通させることで効率よく吸収していたエネルギを使用することが可能となる。
なお、本実施の形態では動力分割機構によりエンジンの動力を車軸と発電機とに分割して伝達可能なシリーズ/パラレル型ハイブリッドシステムに適用した例を示した。しかし本発明は、発電機を駆動するためにのみエンジンを用い、発電機により発電された電力を使うモータでのみ車軸の駆動力を発生させるシリーズ型ハイブリッド自動車や、モータのみで走行する電気自動車にも適用できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 車輪、3 動力分割機構、4 エンジン、10,13,21,44 電圧センサ、11,46 電流センサ、12 昇圧コンバータ、14,14A インバータ、15,15A U相アーム、16,16A V相アーム、17,17A W相アーム、30 制御装置、40 キャパシタ、42 電気二重層コンデンサ、43 フューズ、45 温度センサ、52,54 レゾルバ、100 車両、B バッテリ、C システムメインリレー、C1,C2 平滑用コンデンサ、D1〜D9 ダイオード、L1 リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、PL1,PL2 電源ライン、Q1〜Q9 IGBT素子、R1 制限抵抗、R2 ディスチャージ用抵抗、SL 接地ライン、SMR1〜SMR3,C−SMRP,C−SMRG システムメインリレー。
Claims (5)
- 二次電池と、
前記二次電池と共にモータ駆動用インバータに電力供給を行なうキャパシタと、
前記キャパシタと前記モータ駆動用インバータの電源ラインとの間に設けられ、前記キャパシタの接続及び切離しを行なう接続部と、
前記接続部の制御を行なう制御装置とを備え、
前記制御装置は、車輪にスリップが発生した場合には、前記接続部に切離し指示を出力する、車両駆動用電源システム。 - 前記二次電池が一方側に接続され、他方側にモータ駆動用インバータの前記電源ラインが接続される電圧変換器をさらに備え、
前記制御装置は、車輪にスリップが発生した場合には、前記接続部に切離し指示を出力した後に前記電圧変換器に対する電圧指令値を変更する、請求項1に記載の車両駆動用電源システム。 - 前記制御装置は、前記接続部に切離し指示を出力した後、車輪がグリップし、かつトルク要求が増大したときに、前記接続部に対して接続指示を出力する、請求項2に記載の車両駆動用電源システム。
- 前記接続部は、前記キャパシタに対する充電方向を順方向とするダイオードと、
前記ダイオードと並列接続され、前記制御装置によって導通制御が行なわれるトランジスタとを含む、請求項1に記載の車両駆動用電源システム。 - 前記制御装置は、前記スリップを検出すると前記モータのトルク指令値を低減させ、低減させた前記トルク指令値と前記モータの回転数から前記電圧指令値を求める、請求項1に記載の車両駆動用電源システム。
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