JP5015858B2 - 電動車両の電源システムおよびその制御方法 - Google Patents

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この発明は、電動車両の電源システムおよびその制御方法に関し、より特定的には、蓄電装置およびコンバータの組を複数個搭載した電源システムにおける電動車両の退避走行時のコンバータ制御に関する。
近年、走行駆動力源として電動機を搭載するハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両において、加速性能や走行持続距離などの走行性能を高めるために、蓄電機構の大容量化が進んでいる。そして、蓄電機構を大容量化するための一手法として、複数個の蓄電装置を並列に配置する構成が提案されている。
たとえば、特許第3655277号公報(特許文献1)には、車両の電動牽引モータの電源制御システムとして、低電圧電池および双方向ブースト/バック・コンバータの組で構成された電源ステージを複数個並列接続して、モータ/発電機の駆動電力を発生させる構成が記載されている。
また、特許文献1には、このような電源制御システムの基本的な制御ループとして、電電ステージからモータ/発電機を駆動制御するインバータへの出力電圧(直流電圧)をその設定値に維持するとともに、各電源ステージの低電圧電池を均等に充放電させるための構成が記載されている。
また、特開2004−6138号公報(特許文献2)には、ハイブリッド自動車や電気自動車等において、並列接続された複数の組電池ユニットからの電力によって車両動力源となるモータを駆動する構成が記載される、そして、いずれかの組電池ユニットに故障が発生した場合には、故障した組電池ユニット内のリレーを遮断状態に設定することによって、フェールセーフを適切に機能させることが記載されている。
さらに、特開2003−134606号公報(特許文献3)では、ハイブリッド車の駆動装置として、単一の主電池と、モータジェネレータおよびインバータを含む電動機ユニットとの間で、昇降圧型コンバータによる双方向の直流電圧変換が行なわれる構成が記載されている。特に、特許文献3では、主電池に異常が発生して、主電池からの電力供給が遮断された場合には、昇降圧コンバータの上アーム素子を定常的にオン状態とすることによって、電動機ユニットからの回生電力を補機系へ供給することが記載されている。
特許第3655277号公報 特開2004−6138号公報 特開2003−134606号公報
一般的に、電動車両では、特許文献2および3に記載された二次電池側の異常や、二次電池の出力電圧を可変制御するためのコンバータに異常が発生した場合には、故障箇所を含む電流経路を遮断にする処置を行なった上で、安全確保可能な場所まで当該車両を移動するための退避走行が実行される。たとえば、特許文献2では、故障が発生した組電池ユニットを切り離すとともに、残りの組電池ユニットからの電力によってモータ最大出力を制限した退避走行が実行される。
ここで、特許文献1に記載されるような、蓄電装置(二次電池)およびコンバータの組が複数個並列接続された電源システムでは、特許文献2のように、一部の蓄電装置およびコンバータを用いて退避走行を行なう場合に、コンバータ制御によって走行性能が変わってくる。しかしながら、特許文献1には、退避走行時にどのようなコンバータ制御を行なうべきかについては特に記載されていない。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、蓄電装置およびコンバータの組を複数個並列接続した電動車両の電源システムにおいて、蓄電装置およびコンバータの組の一部による退避運転を高度化するために、ユーザのニーズに応じた走行性能の切換が可能な電源システム制御を提供することである。
この発明による電動車両の電源システムは、電力線上の電力を用いて交流回転電機が走行駆動力を発生可能に構成された電動車両の電源システムであって充放電可能な複数の蓄電装置と、複数のコンバータと、複数のコンバータによる電力変換動作を制御するための制御装置とを備える。複数のコンバータは、電力線と複数の蓄電装置との間にそれぞれ接続されて、各々が、複数の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と電力線との間で双方向に電力変換を行なうように構成される。制御装置は、判断部と、電力線の目標電圧を設定する目標電圧設定部と、退避走行制御部とを含む。判断部は、電動車両の退避走行時に、各コンバータの故障状況に基づいて、複数のコンバータのうちに、電力変換動作が可能な正常コンバータが存在するか否かを判断するように構成される。退避走行制御部は、正常コンバータが存在する退避走行時には、正常コンバータのうちの少なくとも1つを用いて電力線の電圧が目標電圧に一致するように電圧制御させる一方で、正常コンバータを除く他のコンバータについては動作を停止させるように構成される。目標電圧設定部は、交流回転電機の回転速度およびトルクに基づいて目標電圧の基本値を設定するとともに、正常コンバータが存在する退避走行時には、基本値に関らず正常コンバータでの昇圧を禁止するように目標電圧を設定する第1のモードおよび、基本値に従って目標電圧を設定する第2のモードの一方を、電動車両の車両状態に応じて選択することによって目標電圧を設定する。
この発明による電動車両の電源システムの制御方法において、電源システムは、充放電可能な複数の蓄電装置と、複数のコンバータとを備える。複数のコンバータは、電力線と複数の蓄電装置との間にそれぞれ接続され、各々が、複数の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と電力線との間で双方向に電力変換を行なうように構成される。制御方法は、電動車両の退避走行時に、各コンバータの故障状況に基づいて、複数のコンバータのうちに電力変換動作が可能な正常コンバータが存在するか否かを判断するステップと、電力線の目標電圧を設定するステップと、正常コンバータが存在する退避走行時には、正常コンバータのうちの少なくとも1つを用いて電力線の電圧が目標電圧に一致するように電圧制御させる一方で、正常コンバータを除く他のコンバータについては動作を停止させるステップとを備える。上記目標電圧を設定するステップは、交流回転電機の回転速度およびトルクに基づいて目標電圧の基本値を設定するとともに、正常コンバータが存在する退避走行時に、基本値に関らず正常コンバータでの昇圧を禁止するように目標電圧を設定する第1のモードおよび、基本値に従って目標電圧を設定する第2のモードの一方を、電動車両の車両状態に応じて選択することによって目標電圧を設定する。
上記電動車両の電源システムおよびその制御方法によれば、電力変換動作が可能な正常コンバータが存在する退避走行時には、昇圧を禁止するように正常コンバータを動作させる第1のモードと、昇圧を許可して交流回転電機の状態(回転速度およびトルク)に基づいた電圧制御を実行する第2のモードとを選択することができる。このため、昇圧動作の禁止によりコンバータでのスイッチング損失を抑制してエネルギー消費を最小限にした退避走行によって走行距離の拡大を図る第1のモードと、通常時と同様のコンバータ出力電圧を確保して高速走行にも対応可能な退避走行とする第2のモードとを車両状態に応じて選択することによって、ユーザのニーズに応じた走行性能の切換による退避走行の高度化を図ることができる。
好ましくは、目標電圧設定部は、アクセル開度に基づいてユーザの加速意思の有無を判断する加速意思判断部を含み、かつ、正常コンバータが存在する退避走行時における車両状態に応じた第1および第2のモードの選択について、加速意思が有ると判断されるときには、加速意思が無いと判断されるときと比較して、第2モードを優先的に選択する。あるいは、制御方法は、アクセル開度に基づいてユーザの加速意思の有無を判断するステップをさらに備え、上記目標電圧を設定するステップは、正常コンバータが存在する退避走行時における車両状態に応じた第1および第2のモードの選択について、加速意思が有ると判断されるときには、加速意思が無いと判断されるときと比較して、第2モードを優先的に選択する。
さらに好ましくは、目標電圧設定部は、正常コンバータが存在する退避走行時に加速意思が有ると判断されるときには、第2モードを固定的に選択する。あるいは、上記目標電圧を設定するステップは、目標電圧設定部は、正常コンバータが存在する退避走行時に加速意思が有ると判断されるときには、第2モードを固定的に選択する。
このようにすると、運転者の加速意思が推定される場合には、第2のモードを優先的に実行することによって、高速走行を可能とした退避走行を実現することができる。
また好ましくは、目標電圧設定部は、正常コンバータが存在する退避走行時には、電動車両の車速および蓄電装置の残存容量の少なくとも一方に基づいて、車両状態に応じた第1および第2のモードの選択を実行する。あるいは、目標電圧を設定するステップは、正常コンバータが存在する退避走行時には、電動車両の車速および蓄電装置の残存容量の少なくとも一方に基づいて、車両状態に応じた第1および第2のモードの選択を実行する。
このようにすると、車速および蓄電装置の残存容量に基づいて、たとえば低車速時および低残存容量時には、第1のモードの選択によるエネルギー消費を最小限にした退避走行を実現して退避走行距離の拡大を図ることができる。
好ましくは、退避走行制御部は、正常コンバータが存在する退避走行時における回生制動動作時には、正常コンバータのうちの少なくとも1つを電力線の電圧を降圧して対応の蓄電装置を充電するように電圧制御する一方で、正常コンバータを除く他のコンバータについては動作を停止させる。あるいは、制御方法は、正常コンバータが存在する退避走行時における回生制動動作時には、正常コンバータのうちの少なくとも1つを電力線の電圧を降圧して対応の蓄電装置を充電するように電圧制御する一方で、正常コンバータを除く他のコンバータについては動作を停止させるステップをさらに備える。
このようにすると、正常コンバータが存在するときには、退避走行時においても回生制動動作時に交流回転電機による回生電力によって、正常コンバータに対応する蓄電装置を充電することができる。この結果、退避走行距離をさらに拡大できる。
この発明によれば、蓄電装置およびコンバータの組を複数個並列接続した電動車両の電源システムにおいて、蓄電装置およびコンバータの組の一部による退避運転を、ユーザのニーズに応じて走行性能を切換えることによって高度化できる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとする。
(電源システム全体構成)
図1は、本発明の実施の形態による電源システムを搭載した電動車両100の全体ブロック図である。
図1を参照して、電動車両100は、電源システム101と、駆動力発生部103とを備える。駆動力発生部103は、インバータ30−1,30−2と、モータジェネレータ34−1,34−2と、動力伝達機構36と、駆動ECU(Electronic Control Unit)32とを含む。
インバータ30−1,30−2は、主正母線MPLおよび主負母線MNLに並列接続される。そして、インバータ30−1,30−2は、電源システム101から供給される駆動電力(直流電力)を交流電力に変換してそれぞれモータジェネレータ34−1,34−2へ出力する。また、インバータ30−1,30−2は、それぞれモータジェネレータ34−1,34−2が発電する交流電力を直流電力に変換して回生電力として電源システム101へ出力する。
各インバータ30−1,30−2は、一般的な三相インバータにより構成され、それぞれ駆動ECU32からの駆動信号PWM1,PWM2に応じてスイッチング動作を行なうことにより、対応のモータジェネレータを駆動する。
モータジェネレータ34−1,34−2は、それぞれインバータ30−1,30−2から供給される交流電力を受けて回転駆動力を発生する。また、モータジェネレータ34−1,34−2は、外部からの回転力を受けて交流電力を発生する。モータジェネレータ34−1,34−2は、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える三相交流回転電機から成る。そして、モータジェネレータ34−1,34−2は、動力伝達機構36と連結され、動力伝達機構36にさらに連結される駆動軸38を介して回転駆動力が車輪(図示せず)へ伝達される。
なお、電動車両100がハイブリッド自動車の場合には、モータジェネレータ34−1,34−2は、動力伝達機構36または駆動軸38を介してエンジン(図示せず)にも連結される。そして、駆動ECU32によって、エンジンの発生する駆動力とモータジェネレータ34−1,34−2の発生する駆動力とが最適な比率となるように制御が実行される。なお、モータジェネレータ34−1,34−2のいずれか一方を専ら電動機として機能させ、他方のモータジェネレータを専ら発電機として機能させてもよい。
駆動ECU32は、図示されない各センサの検出信号、走行状況およびアクセル開度などに基づいて、モータジェネレータ34−1,34−2のトルク目標値TR1,TR2および回転速度目標値MRN1,MRN2を算出する。一般的に、モータジェネレータ34−1,34−2が走行駆動力を発生する力行動作時には、トルク目標値TR1,TR2は正値に設定され、回生制動時には、トルク目標値TR1,TR2は負値に設定される。
そして、駆動ECU32は、モータジェネレータ34−1の発生トルクおよび回転速度がそれぞれトルク目標値TR1および回転速度目標値MRN1となるように駆動信号PWM1を生成してインバータ30−1を制御し、モータジェネレータ34−2の発生トルクおよび回転速度がそれぞれトルク目標値TR2および回転速度目標値MRN2となるように駆動信号PWM2を生成してインバータ30−2を制御する。また、駆動ECU32は、算出したトルク目標値TR1,TR2および回転速度目標値MRN1,MRN2を電源システム101のコンバータECU2へ出力する。
このように、電動車両100は、力行時には、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の直流電力を用いて、モータジェネレータ34−1および34−2の少なくとも一方によって、走行駆動力を発生可能に構成されている。また、回生制動時には、モータジェネレータ34−1および/または34−2による発電電力を、蓄電装置6−1,6−2を充電するための直流電力に変換して、電源システム101へ供給できる。
一方、電源システム101は、蓄電装置6−1,6−2と、コンバータ8−1,8−2と、平滑コンデンサC1と、コンバータECU2と、電流センサ10−1,10−2と、電圧センサ12−1,12−2,18とを含む。
蓄電装置6−1,6−2は、代表的には、ニッケル水素二次電池あるいはリチウムイオン二次電池等の二次電池によって構成されるので、以下では、蓄電装置6−1,6−2について、単に二次電池とも称する。ただし、電気二重層キャパシタ等の二次電池以外の蓄電装置を、二次電池6−1,6−2に代えて適用可能である点について、確認的に記載する。
二次電池6−1は、正極線PL1および負極線NL1を介してコンバータ8−1に接続され、二次電池6−2は、正極線PL2および負極線NL2を介してコンバータ8−2に接続される。
コンバータ8−1は、二次電池6−1と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間に設けられ、コンバータECU2からの駆動信号PWC1に基づいて、二次電池6−1と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電圧変換を行なう。コンバータ8−2は、二次電池6−2と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間に設けられ、コンバータECU2からの駆動信号PWC2に基づいて、二次電池6−2と主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で電圧変換を行なう。
平滑コンデンサC1は、主正母線MPLと主負母線MNLとの間に接続され、主正母線MPLおよび主負母線MNLに含まれる電力変動成分を低減する。電圧センサ18は、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の電圧Vhを検出し、その検出値をコンバータECU2へ出力する。
電流センサ10−1,10−2は、二次電池6−1に対して入出力される電流Ib1および二次電池6−2に対して入出力される電流Ib2をそれぞれ検出し、対応の検出値をコンバータECU2および電池ECU4へ出力する。なお、電流センサ10−1,10−2は、対応の二次電池から出力される電流(放電電流)を正値として検出し、対応の二次電池に入力される電流(充電電流)を負値として検出する。
なお、この図1では、電流センサ10−1,10−2がそれぞれ正極線PL1,PL2の電流を検出する場合が示されているが、電流センサ10−1,10−2は、それぞれ負極線NL1,NL2の電流を検出してもよい。電圧センサ12−1,12−2は、二次電池6−1の電圧Vb1および二次電池6−2の電圧Vb2をそれぞれ検出し、対応の検出値をコンバータECU2および電池ECU4へ出力する。
電池ECU4は、電圧センサ12−1,12−2および電流センサ10−1,10−2からの各検出値に基づいて、二次電池6−1、6−2の充電レベルを推定する。代表的には、充電レベルを示す状態量として、SOC(State of Charge)が推定される。ここでは、SOCは、満充電レベルを示す100(%)〜完放電レベルを示す0(%)の間の値を示す。
たとえば、電池ECU4は、電流検出値の積算や、電流検出値および電圧検出値から推定される開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)、あるいはこれらの組合わせに基づいて、二次電池6−1、6−2の状態量SOC1,SOC2を推定して、その推定値をコンバータECU2へ出力する。なお、図示しない温度センサによる、二次電池6−1,6−2の温度検出値をさらに用いて、SOC推定を行なう構成としてもよい。
コンバータECU2は、電流センサ10−1,10−2および電圧センサ12−1,12−2,18からの各検出値、電池ECU4からの状態量SOC1,SOC2、ならびに駆動ECU32からのトルク目標値TR1,TR2および回転速度目標値MRN1,MRN2に基づいて、コンバータ8−1,8−2をそれぞれ駆動するための駆動信号PWC1,PWC2を生成する。そして、コンバータECU2は、その生成した駆動信号PWC1,PWC2をそれぞれコンバータ8−1,8−2へ出力し、コンバータ8−1,8−2を制御する。
なお、コンバータECU2、電池ECU4、および駆動ECU32について、図1では表記の都合上、各々を別要素として記載したが、各ECUの機能については、全体あるいは一部を適宜統合して共通のECUによって構成することも可能である。
また、蓄電装置6−1,6−2については、車両走行中の回生制動発電によるの充電に加えて、外部電源からの供給電力によって充電可能に構成してもよい。この場合には、モータジェネレータ34−1,34−2の中性点(図示せず)間に、車両外部の交流電源を電気的に接続して、該交流電源からの交流電圧をインバータ30−1,30−2によって直流電圧に変換することによって、蓄電装置6−1,6−2を充電することができる。あるいは、このような中性点充電方式ではなく、インバータ30−1,30−2を介することなく、外部電源からの交流電圧を直流電圧に変換する外部充電用の電力変換器(図示せず)設ける構成としてもよい。
(電源システムの構成例および通常時制御)
図2は、図1に示した本発明の実施の形態による電源システム101の構成を詳細に説明する回路図である。
図2を参照して、コンバータ8−1は、チョッパ回路40−1と、正母線LN1Aと、負母線LN1Cと、配線LN1Bと、平滑コンデンサC01とを含む。チョッパ回路40−1は、スイッチング素子Q1A,Q1Bと、ダイオードD1A,D1Bと、インダクタL1とを含む。
正母線LN1Aは、一方端がスイッチング素子Q1Bのコレクタに接続され、他方端が主正母線MPLに接続される。また、負母線LN1Cは、一方端が負極線NL1に接続され、他方端が主負母線MNLに接続される。
スイッチング素子Q1A,Q1Bは、負母線LN1Cと正母線LN1Aとの間に直列に接続される。具体的には、下アームを構成するスイッチング素子Q1Aのエミッタが負母線LN1Cに接続され、上アームを構成するスイッチング素子Q1Bのコレクタが正母線LN1Aに接続される。ダイオードD1A,D1Bは、それぞれスイッチング素子Q1A,Q1Bに逆並列に接続される。インダクタL1は、スイッチング素子Q1Aとスイッチング素子Q1Bとの接続点に接続される。
配線LN1Bは、一方端が正極線PL1に接続され、他方端がインダクタL1に接続される。平滑コンデンサC1は、配線LN1Bと負母線LN1Cとの間に接続され、配線LN1Bおよび負母線LN1C間の直流電圧に含まれる交流成分を低減する。
そして、チョッパ回路40−1は、コンバータECU2(図1)からの駆動信号PWC1に応じて動作する。チョッパ回路40−1は、基本的には、二次電池6−1の放電時には、正極線PL1および負極線NL1から受ける直流電力(駆動電力)を昇圧し、二次電池6−1の充電時には、主正母線MPLおよび主負母線MNLから受ける直流電力(回生電力)を降圧するように動作する。
コンバータ8−2は、チョッパ回路40−2と、正母線LN2Aと、負母線LN2Cと、配線LN2Bと、平滑コンデンサC02とを含む。チョッパ回路40−2は、スイッチング素子Q2A,Q2Bと、ダイオードD2A,D2Bと、インダクタL2とを含む。コンバータ8−2の構成および動作は、コンバータ8−1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
さらに、二次電池6−1およびコンバータ8−1の間には、正極線PL1および負極線NL1にSMR(システムメインリレー)7−1が介挿接続される。同様に、二次電池6−2およびコンバータ8−2の間には、正極線PL2および負極線NL2にSMR7−2が介挿接続される。
チョッパ回路40−1は、コンバータECU2(図1)からの駆動信号PWC1に応じて、二次電池6−1と、主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で双方向の直流電圧変換を行なう。駆動信号PWC1は、下アーム素子であるスイッチング素子Q1Aのオン/オフを制御する駆動信号PWC1Aと、上アーム素子であるスイッチング素子Q1Bのオン/オフを制御する駆動信号PWC1Bとを含む。そして、一定のスイッチング周期(オン期間およびオフ期間の和)内でのスイッチング素子Q1Aおよび/またはQ1Bのデューティ比(オン/オフ期間比率)が、コンバータECU2により制御される。
昇圧動作時において、コンバータECU2は、基本的な動作としては、上アーム素子Q1B(Q2B)をオフ状態に維持し、かつ、下アーム素子Q1A(Q2A)をオンオフさせて、そのデューティ比を制御する。これにより、たとえばコンバータ8−1では、下アーム素子Q1Aのオン期間においては、二次電池6−1から配線LN1B、インダクタL1、ダイオードD1B、および正母線LN1Aを順に介して、放電電流が主正母線MPLへ流れる。同時に、二次電池6−1から配線LN1B、インダクタL1、下アーム素子Q1A、および負母線LN1Cを順に介して、ポンプ電流が流れる。インダクタL1は、このポンプ電流により電磁エネルギーを蓄積する。そして、下アーム素子Q1Aがオン状態からオフ状態に遷移すると、インダクタL1は、蓄積した電磁エネルギーを放電電流に重畳する。その結果、コンバータ8−1から主正母線MPLおよび主負母線MNLへ供給される直流電力の平均電圧は、デューティ比に従ってインダクタL1に蓄積される電磁エネルギーに相当する電圧だけ昇圧される。なお、昇圧動作時について、下アーム素子(Q1A,Q2A)のオフ期間に、上アーム素子(Q1B,Q2B)をオン状態として、上アーム素子および下アーム素子が相補的かつ交互にオンオフするように、各コンバータ8−1,8−2を制御することも可能である。
一方、降圧動作時において、コンバータECU2は、基本的な動作としては、下アーム素子Q1A(Q2A)をオフ状態に維持し、かつ、上アーム素子Q1B(Q2B)をオンオフさせて、そのデューティ比を制御する。これにより、たとえばコンバータ8−1では、上アーム素子Q1Bのオン期間においては、主正母線MPLから正母線LN1A、上アーム素子Q1B、インダクタL1、および配線LN1Bを順に介して、充電電流が二次電池6−1へ流れる。そして、上アーム素子Q1Bがオン状態からオフ状態に遷移すると、インダクタL1が電流変化を妨げるように磁束を発生するので、充電電流は、ダイオードD1A、インダクタL1、および配線LN1Bを順に介して流れ続ける。一方で、電気エネルギー的にみると、主正母線MPLおよび主負母線MNLから直流電力が供給されるのは上アーム素子Q1Bのオン期間だけであるので、充電電流が一定に保たれるとすると(インダクタL1のインダクタンスが十分に大きいとすると)、コンバータ8−1から二次電池6−1へ供給される直流電力の平均電圧は、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の直流電圧をデューティ比に従って降圧した値となる。なお、降圧動作時についても、上アーム素子(Q1B,Q2B)のオフ期間に、下アーム素子(Q1A,Q2A)をオン状態として、上アーム素子および下アーム素子が相補的かつ交互にオンオフするように、各コンバータ8−1,8−2を制御することも可能である。
同様に、コンバータ8−2も、コンバータECU2(図1)からの駆動信号PWC2に応じて、二次電池6−2と、主正母線MPLおよび主負母線MNLとの間で双方向の直流電圧変換を行なう。駆動信号PWC2は、下アーム素子であるスイッチング素子Q2Aのオン/オフを制御する駆動信号PWC2Aと、上アーム素子であるスイッチング素子Q2Bのオン/オフを制御する駆動信号PWC2Bとを含む。そして、一定のスイッチング周期内でのスイッチング素子Q2Aおよび/またはQ2Bのデューティ比が、コンバータECU2により制御される。
周知のように、昇降圧型のチョッパ回路40−1,40−2では、昇圧動作時の下アーム素子Q1A,Q2Aのオン期間比が高くなるほど、昇圧動作が強調されて、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の直流電圧Vhが高くなる。また、降圧動作時には、上アーム素子Q1B,Q2Bのオン期間比が低くなるほど(逆に言うとオフ期間比が高くなるほど)、電圧比Vh/Vb1(またはVh/Vb2)の高い電圧変換が行なわれる。
図1〜3の構成において、主正母線MPLおよび主負母線MNLは本発明における「電力線」に対応する。また、コンバータECU2は本発明での「制御装置」に対応し、コンバータECU2によって、本発明による電源システムの制御方法が実現される。さらに、モータジェネレータ34−1,34−2は本発明での「交流回転電機」に対応する。
図3は、コンバータECU2による通常動作時のコンバータ制御を説明する機能ブロック図である。
図3を参照して、コンバータECU2は、目標値設定部70と、電圧制御部72−1と、電流制御部72−2とを含む。
目標値設定部70は、駆動ECU32からのトルク目標値TR1,TR2および回転速度目標値MRN1,MRN2、ならびに電池ECU4からのSOC1,SOC2に基づいて、主正母線MPLおよび主負母線MNL間の電圧Vhの目標値を示す目標電圧VRおよび二次電池6−2の充放電電流の目標値を示す目標電流IRを生成する。
電圧制御部72−1は、減算部74−1,78−1と、PI制御部76−1と、変調部80−1とを含む。減算部74−1は、目標電圧VRから電圧Vhを減算し、その演算結果をPI制御部76−1へ出力する。PI制御部76−1は、目標電圧VRと電圧Vhとの偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部78−1へ出力する。
減算部78−1は、電圧Vb1/目標電圧VRで示されるコンバータ8−1の理論昇圧比の逆数からPI制御部76−1の出力を減算し、その演算結果をデューティ指令Ton1として変調部80−1へ出力する。変調部80−1は、デューティ指令Ton1と図示しない発振部により生成される搬送波(キャリア波)とに基づいて駆動信号PWC1を生成し、その生成した駆動信号PWC1をコンバータ8−1へ出力する。
電流制御部72−2は、減算部74−2,78−2と、PI制御部76−2と、変調部80−2とを含む。減算部74−2は、目標電流IRから電流Ib2を減算し、その演算結果をPI制御部76−2へ出力する。PI制御部76−2は、目標電流IRと電流Ib2との偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部78−2へ出力する。
減算部78−2は、Vb2/VRで示されるコンバータ8−2の理論昇圧比の逆数からPI制御部76−2の出力を減算し、その演算結果をデューティ指令Ton2として変調部80−2へ出力する。変調部80−2は、デューティ指令Ton2と図示されない発振部により生成される搬送波(キャリア波)とに基づいて駆動信号PWC2を生成し、その生成した駆動信号PWC2をコンバータ8−2へ出力する。
電圧制御部72−1は、目標電圧VRに対して直流電圧Vhが低い場合、および理論昇圧比の逆数(Vb1/VR)が低下した場合には、下アーム素子Q1Aのオン期間比が上昇(または、上アーム素子Q1Bのオフ期間比が上昇)するように、駆動信号PWC1を生成する。
一方、電流制御部72−2は、二次電池6−2からの出力電流Ib2が目標電流IRよりも低いとき、および理論昇圧比の逆数(Vb2/VR)が上昇した場合には、下アーム素子Q2Aのオン期間比が上昇するように駆動信号PWC2を生成する。
なお、電流制御部72−2は、二次電池6−2の充電時、すなわち目標電流IRが負値(IR<0)に設定される場合には、目標電流IRよりも電流Ib2(Ib2<0)が低いときに(|IR|<|Ib2|、すなわち充電電流過大時)、上アーム素子Q2Bのオン期間比が低下するように駆動信号PWC2を生成する。反対に、充電電流不足時(IR<Ib2、すなわち|IR|>|Ib2|のとき)には、上アーム素子Q2Bのオン期間比が上昇するように駆動信号PWC2が生成される。
目標値設定部70は、モータジェネレータ34−1および/または34−2の力行動作時および回生制動時においては、モータジェネレータ34−1,34−2のトルク目標値TR1,TR2および回転速度目標値MRN1,MRN2に応じて、直流電圧Vhが適切なレベルとなるように目標電圧VRを設定する。たとえば、図4に示すマップMP0に従って、目標電圧VRは設定される。
図4を参照して、マップMP0は、回転速度目標値MRN(MRN1,MRN2を総括的に示すもの、以下同じ)およびトルク目標値TR(TR1,TR2を総括的に示すもの、以下同じ)の組み合わせによって示されるモータ動作点毎に、マップ値として目標電圧VRを有する。マップMP0の参照により、回転速度目標値MRNおよびトルク目標値TRに応じて、目標電圧VRを設定できる。基本的には、モータジェネレータ34(34−1,34−2を総括的に示すもの、以下同じ)による誘起電圧よりも高い電圧に直流電圧Vhを設定して、モータ電流の制御が可能となるように、目標電圧VRが設定される。
具体的には、モータジェネレータ34−1,34−2のそれぞれに対してマップMP0が別個に設定され、かつ、回転速度指令値MRN1,MRN2およびトルク目標値TR1,TR2に基づいたマップMP0の参照により求められた、モータジェネレータ34−1,34−2のそれぞれの目標電圧の最大値が、電源システム101としての目標電圧VRされる。
ここで、トルク目標値TR1,TR2の算出は、ユーザによるペダル操作を反映した車両全体での要求パワーに基づいて実行される。特に、ハイブリッド自動車では、エンジンの出力パワーとモータジェネレータ34−1,34−2の発生パワーとの配分が最適なものとなるように、トルク目標値TR1,TR2が算出される。また、一般的に、トルク目標値TR1,TR2は、二次電池6−1,6−2の入出力可能電力の制限値や、モータジェネレータ34−1,34−2あるいはインバータ30−1,30−2等の温度上昇度合を反映して、必要に応じて制限される。
なお、図5では、コンバータ8−1によって電圧制御が実行される一方で、コンバータ8−2によって電流制御が実行される構成例が示されるが、電圧制御および電流制御をいずれのコンバータで実行するかについては切換可能である。たとえば、二次電池6−1,6−2のSOC等に応じて、電圧制御/電流制御を行なうコンバータを切換えることが可能である。
再び図3を参照して、目標値設定部70は、二次電池6−1,6−2間の充電レベル(SOC)が均衡するように考慮して、目標電流IRを設定する。
電源システム101は、通常動作時には、上アーム素子Q1Bおよび/またはQ2Bならびに下アーム素子Q1Aおよび/またはQ2Aのスイッチング(オンオフ)動作による、コンバータ8−1の電圧制御およびコンバータ8−2の電流制御によって、直流電圧Vhおよび二次電池6−1,6−2の充放電バランスを制御する。
これにより、力行動作時には、二次電池6−1,6−2から放電された電力を、駆動力発生部103の入力電圧としての電圧Vhに変換して、主正母線MPLおよび主負母線MNL間に出力するように電力変換動作が実行される。一方、電源システム101は、回生制動動作時には、主正母線MPLおよび主負母線MNL上の充電電力により、二次電池6−1,6−2を充電するように電力変換動作を実行する。
(本実施の形態によるコンバータ異常時の電源システム制御)
次に、図1に示したコンバータ8−1,8−2のいずれかに故障が発生した場合の制御動作について説明する。
まず図5を用いて、電源システムの故障発生時の基本的な対応について説明する。
図5(a)には、コンバータ8−1においてスイッチング素子の短絡故障(オン故障)が発生した場合の対応が示される。基本的に、故障が発生したコンバータ8−1(以下「故障コンバータ」とも称する)、では、各スイッチング素子Q1A,Q1Bに強制的なオフ指令(ゲート遮断指令)が発生される。
さらに、短絡故障の発生時には、ゲート遮断状態としても、短絡個所を介した短絡ループが形成されるおそれがあるので、二次電池6−1が正常であっても、二次電池6−1と故障コンバータ8−1との間のSMR7−1が遮断状態とされる。この結果、二次電池が電源システム系から切り離されて、充放電が不可能となる。なお、二次電池に異常が発生した場合にも、図5(a)のように、リレーの遮断およびコンバータのゲート遮断が実行される。
これに対して、図5(b)に、短絡故障以外の故障(通常故障)が発生した場合の対応が示される。このときには、故障コンバータ8−1にゲート遮断指令が発生される一方で、SMR7−1については閉状態に維持される。このため、上アームのダイオードD1Bを介した二次電池6−1からの電力の持ち出しは可能である。
本実施の形態による電源システムでは、コンバータ8−1,8−2および二次電池6−1,6−2のいずれかに故障が発生した場合には、その故障発生部位および故障内容を把握して、二次電池6−1およびコンバータ8−1の組で構成される電源ユニットならびに、二次電池6−2およびコンバータ8−2の組で構成される電源ユニットのそれぞれで独立に、コンバータのゲート遮断およびリレー遮断を制御する。したがって、一方の電源ユニットにおいて、二次電池および/またはコンバータに故障が発生しても、他方の電源ユニットにおいて、コンバータが正常に電力変換可能であれば、以下に説明するような、電動車両の退避走行のための電源システム制御(以下、「退避走行制御」とも称する)を実行する。
図6は、本発明の実施の形態による電源システムの退避走行制御を説明する機能ブロック図である。なお、図6に示される各機能ブロックは、図1に示したコンバータECU2によって、所定のプログラムを実行することによってソフトウェア的に実現されてもよく、あるいは各ブロックの機能に対応した専用のハードウェア(電子回路)を構成することによってハードウェア的に実現されてもよい。
図6を参照して、故障判断部110は、二次電池6−1,6−2およびコンバータ8−1,8−2に関する故障情報を受ける。故障情報は、各スイッチング素子や、その他構成部品のいずれで故障が発生しているかを判断する故障部位に関する情報と、その故障内容に関する情報とを含む。故障内容を示す情報としては、たとえば、スイッチング素子に発生した故障が、短絡故障および開放故障のいずれであるかを示す情報が含まれる。
故障判断部110は、いずれかの電源ユニット(二次電池およびコンバータの組)において通常の電力変換動作が不可能となった場合には、退避走行の実施を指示するためのフラグFLGを「1」に設定する。さらに、故障情報に基づいて、通常の電力変換動作が可能なコンバータ(電源システム)が残っているかどうかを示すフラグFMDをさらに発生する。フラグFMDは、通常の電力変換動作が可能なコンバータ(以下、「正常コンバータ」とも称する)が存在している場合には「1」に設定され、正常コンバータが存在しない場合には「0」に設定される。
退避走行制御部115は、フラグFLG=1に設定された退避走行時に、故障情報に基づいて、図5(a),(b)に従って、コンバータ8−1,8−2のゲート遮断指令およびSMR7−1,7−2の遮断指令(リレーオフ指令)を発生する。なお、正常コンバータについては、退避走行制御部115からゲート遮断指令が発生されないので、通常動作時と同様のスイッチング素子のオンオフ制御が可能な状態とされる。なお、正常コンバータでは電圧制御部72−1(図3)に従う電圧制御が実行される。
VR設定部120は、目標値設定部70(図3)の機能の一部であり、退避走行時における目標電圧VR、すなわち、正常コンバータによる電圧制御の指令値を発生する。さらに、VR設定部120は、車両状態に応じて目標電圧VRを設定するためのマップMP0〜MP2を含む。
そして、VR設定部120には、車両状態を認識するための情報として、二次電池6−1,6−2のSOC1,SOC2、モータジェネレータ34−1のトルク目標値TR1,回転速度目標値MRN1、モータジェネレータ34−2のトルク目標値TR2,回転速度目標値MRN2、車速センサ130によって検知された電動車両100の車速VS、および、アクセルペダル140に設けられたアクセル開度センサ145によって検出されたアクセル開度ACCが入力される。
さらに、VR設定部120は、アクセル開度ACCに基づいて、電動車両100のユーザによる加速意思の有無を判断する加速意思判断部125をさらに含む。加速意思判断部125は、たとえば、アクセル開度ACCが所定のしきい値を超えたとき、あるいは、アクセル開度ACCの時間増加率が所定値を超えたときに、ユーザによる加速意思を「有」と判断し、そうでないときには加速意思を「無」と判断する。
そして、VR設定部120は、マップMP0〜MP2の参照によって、退避走行時の目標電圧VRを設定する。より具体的には、電動車両100の車両状態に基づくマップMP1またはMP2の参照により、正常コンバータによる昇圧動作の禁止/許可を判断する。
VR設定部120は、昇圧動作を禁止するときには、目標電圧VRを、正常コンバータに対応する二次電池の出力電圧Vbに設定する。すなわち、正常コンバータにおいて、上アーム素子(Q1BまたはQ2B)がオン状態に維持され、かつ、下アーム素子(Q1AまたはQ2A)がオフ状態に維持されるように、目標電圧VRが設定される。あるいは、上アーム素子および下アーム素子のオンおよびオフを直接指示してもよい。
このときには、正常コンバータでのスイッチング素子での電力損失を大幅に抑制できるので、二次電池からの電力の持ち出しを必要最低限として退避走行距離の拡大を図ることができる。
一方、VR設定部120は、昇圧動作を許可するときには、図4に示したマップMP0に従って、モータジェネレータ34−1,34−2の現在の状態(トルク目標値TR1,TR2および回転速度目標値MRN1,MRN2)に適した目標電圧VRを設定する。このときには、高速走行や加速走行を実現するように退避走行を実行できる。なお、退避走行時には、トルク目標値TR1,TR2の制限を、通常走行時と比較して厳しくしてもよい。この場合にも、制限されたトルク目標値TR1,TR2に適した目標電圧VRが設定されることになる。
次に、図7および図8を用いて、図6に示した退避走行制御を実現するための制御処理手順を説明する。図7および図8に示すフローチャートに従う制御処理は、コンバータECU2に予め格納された所定プログラムを所定周期で実行することによって実現される。
図7には、主に、故障判断部110および退避走行制御部115による機能を実現するための制御処理手順が示される。
図7を参照して、コンバータECU2は、ステップS100では、故障情報に基づいて、各電源ユニット(二次電池およびコンバータ)に故障が発生しているかどうかを判定する。
コンバータECU2は、電源ユニットの故障発生時(S100のYES判定時)には、ステップS110により故障部位およびその内容を確認し、さらに、ステップS120に処理を進めて、SMR7(7−1,7−2を総括的に示すもの、以下同じ)のオフが必要かどうかを判定する。図5(a)で説明したように、コンバータ8(8−1,8−2を総括的に示すもの、以下同じ)に短絡故障が発生している場合、あるいは、二次電池6(6−1,6−2を総括的に示すもの、以下同じ)に故障が発生している場合には、ステップS120はYES判定とされて、ステップS140により、対応のSMR7がオフされる。また、対応のコンバータ8についても、ゲート遮断指令が発生されてその動作が停止される。
一方、コンバータECU2は、ステップS120のNO判定時には、ステップS130により、対応のSMR7を閉状態に維持したままで、対応のコンバータ8にゲート遮断指令が発生される。したがって、この場合には、上アームのダイオード(D2BまたはD1B)によって、二次電池6からの電力持ち出しが可能である。
さらに、電源ユニットの故障発生時(S100のYES判定時)には、コンバータECU2は、ステップS150により、退避走行を示すフラグFLG=1に設定する。
さらに、退避走行実行時には、コンバータECU2は、ステップS160により、使用可能なコンバータ、すなわち通常の電力変換動作が可能な正常コンバータが存在するかどうかを判定する。そして、コンバータECU2は、正常コンバータが存在する場合には、ステップS170に処理を進めて、故障状態を示すフラグFMD=1に設定する。一方、使用可能なコンバータが存在しない場合には、ステップS180により、フラグFMD=0に設定される。
図8は、図7で設定されたフラグFLG,FMDに基づく目標電圧VRの設定について説明するフローチャートである。
図8を参照して、コンバータECU2は、ステップS200により、FLG=0であるか否かを確認する。そして、FLG=0である通常走行時(S200のYES判定時)には、コンバータECU2は、ステップS260に処理を進めて、図6に示したマップMP0の参照によって、通常の目標電圧VRの設定を行なう。そして、ステップS280がさらに実行されて、コンバータ8−1,8−2のうちの電圧制御コンバータによって、直流電圧Vhを目標電圧VRに一致させるための、スイッチング素子のオンオフ制御が実行される。
一方で、FLG=1に設定される退避走行時(S200のNO判定時)には、コンバータECU2は、ステップS210に処理を進めて、正常コンバータの有無を示すフラグFMD=1であるか否かを判定する。
FMD=0のとき、すなわち正常コンバータが存在しないとき(S210のNO判定時)には、コンバータECU2は、ステップS220に処理を進めて、コンバータ8−1,8−2の各々を停止(ゲート遮断)する。これにより、ハイブリッド自動車では、二次電池6−1,6−2からの電力を使用しない、いわゆるバッテリレス走行による退避走行が実行される。
一方、フラグFMD=1であり、正常コンバータが存在する場合(S210のYES判定時)には、コンバータECU2は、ステップS230に処理を進めて、アクセル開度ACCに基づいて加速意思の有無を判断する。すなわち、ステップS230による判断は、図5における加速意思判断部125の機能に相当する。
そして、コンバータECU2は、加速意思が無い場合(S230のNO判定時)には、ステップS240により、通常退避走行マップMP1の参照によって昇圧動作の禁止/許可を判断し、かつ、この判断に基づいて目標電圧VRを設定する。
一方で、加速意思ありと判断された場合(S230のYES判定時)には、コンバータECU2は、ステップS250に処理を進めて、加速時退避走行マップMP2の参照によって昇圧動作の禁止/許可を判断し、かつ、この判断に基づいて目標電圧VRを設定する。すなわち、ステップS240,S250による処理は、図6のVR設定部120の機能に対応する。
ここで、図9および図10を用いて、通常退避走行マップMP1および加速時退避走行マップMP2の構成例を説明する。
図9を参照して、通常退避走行マップMP1は、車速VSがしきい値Vtより高く、かつ正常コンバータに対する二次電池のSOCがしきい値Stよりも高いときに、昇圧動作を許可し、それ以外のとき、すなわちVS≦Vtおよび/またはSOC≦Stのときには、昇圧動作を禁止するように構成される。
上述のように、昇圧動作の禁止時には、正常コンバータでの電力損失を大幅に抑制して二次電池6から持出されるエネルギーを最小限とするように正常コンバータが制御される。
一方で、昇圧が許可されるときには、ステップS260における通常の目標電圧VR設定と同様に、マップMP0の参照によって設定される基本値が、そのまま目標電圧VRに設定される。すなわち、昇圧禁止時のVR設定は「第1のモード」に対応し、昇圧許可時のVR設定は「第2のモード」に対応する。ただし、上述のように、退避走行時におけるトルク目標値TR1,TR2については、通常走行時と比較して厳しく制限されるように設定され得る。
一方、図10を参照して、加速時退避走行マップMP2では、昇圧許可と判定される領域が、通常退避走行マップMP1よりも相対的に広くなるように設定される。すなわち、マップMP2では、VS>VtかつSOC>Stの領域を含み、かつ、マップMP1よりもよりも広い領域において、正常コンバータの昇圧動作が許可される。この結果、加速時退避走行マップMP2では、通常退避走行マップMP1と比較して、昇圧動作を許可するVR設定が優先的に実行されるようになる。好ましくは、図10に示すように、加速時退避走行マップMP2は、加速意思有と判断されるときには、車速およびSOCに関らず昇圧を許可するように、構成される。
なお、通常退避走行マップMP1および加速時退避走行マップMP2については、車速VSのみ、あるいは、正常コンバータに対する二次電池のSOCのみに基づいて、昇圧動作の禁止/許可を判断するように構成してもよい。
再び、図8を参照して、コンバータECU2は、ステップS240またはS250によって目標電圧VRが設定されると、ステップS270により、正常コンバータによる電圧制御、すなわち直流電圧Vhを目標電圧VRに一致させるためのスイッチング素子の制御が実行される。
このように、本発明の実施の形態による電源システムによれば、電動車両の退避走行時において、正常コンバータが存在する場合には、昇圧動作の禁止によりコンバータでのスイッチング損失を抑制してエネルギー消費を最小限にした退避走行モードと、通常時と同様の出力電圧を確保して高速走行にも対応可能とする退避走行モードとを、車両状態(車速,SOC)およびユーザの加速意思に応じて選択的に適用できる。この結果、ユーザのニーズに応じた走行性能の切換による退避走行の高度化を図ることができる。
(退避走行時の回生制動動作)
以上では、退避走行での力行時の制御を説明した。次に、図11を用いて、本発明の実施の形態による電源システムにおける回生制動時の退避走行制御について説明する。図11に示すフローチャートに従う制御処理についても、コンバータECU2に予め格納された所定プログラムを所定周期で実行することによって実現される。
図11を参照して、コンバータECU2は、ステップS300では、フラグFLGの値に基づいて、退避走行中であるか否かを判定する。フラグFLG=0である通常走行時(S300のYES判定時)には、以降のステップS310〜S340の処理は実行されない。
コンバータECU2は、フラグFLG=1である退避走行時(S300のNO判定時)には、ステップS310により、回生モードであるかどうかをさらに判定し、回生モード時(S310のYES判定時)には、ステップS320により。正常コンバータが存在するか否かを示すフラグFMDをさらに確認する。
そして、FMD=0であり正常コンバータが存在しない場合(S320のNO判定時)には、少なくとも、全コンバータ8がゲート遮断されているため、回生電力が二次電池6−1,6−2を充電する経路は遮断されている。すなわち、二次電池6へのエネルギの回収が不能である。
一方、FMD=1であり正常コンバータが存在する場合には、コンバータECU2は、ステップS330に処理を進めて、正常コンバータによる降圧制御を行なって正常コンバータに対応する二次電池6を充電する。
これにより、退避走行時にもモータジェネレータ34−2(または34−1)による発電電力を正常コンバータに対応する二次電池6に充電して退避走行距離を確保することが可能となる。なお、図11に示した処理は、図6の制御構成では、主に退避走行制御部115の機能に対応する。
(変形例)
以上説明した実施の形態では、二次電池(蓄電装置)6−1,6−2およびそれぞれに対応するコンバータ8−1,8−2、すなわち2個の電源ユニットが備えられる電源システムについて説明したが、本発明の適用はこのような構成に限定されるものではない。
すなわち、図12に示すように、蓄電装置(二次電池)および対応のコンバータの組である電源ユニットが3以上の複数個並列接続される構成の電源システムにおいても、本実施の形態による退避走行制御を適用することができる。
このような構成の電源システムでは、二次電池6−1,6−2に追加された二次電池6−3,…に対するコンバータ8−3,…については、通常動作時には、これまで説明した、コンバータ8−1,8−2のいずれか一方と同様に制御される。
一方、退避運転時には、コンバータ8−1,8−2,8−3,…のうちの、通常の電力変換動作が可能である少なくとも1個の正常コンバータによって、上述のように設定された目標電圧VRに従う電圧制御が実行される。
また、上記の各実施の形態において、電動車両100は、燃料を用いて運動エネルギーを発生する内燃機関を搭載したハイブリッド車両や、内燃機関を搭載しない電気自動車、燃料を用いて電気エネルギーを発生する燃料電池(Fuel Cell)をさらに搭載した燃料電池車であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態による電源システムを搭載した電動車両の全体ブロック図である。 図1に示した電源システムの構成を詳細に説明する回路図である。 通常動作時のコンバータ制御を説明する機能ブロック図である。 通常動作時における目標電圧の設定を説明する概念図である。 電源システムの故障発生時の基本的な対応を説明する回路図である。 本発明の実施の形態による電源システムの退避走行制御を説明する機能ブロック図である。 図6に示した退避走行制御の処理手順を示す第1のフローチャートである。 図6に示した退避走行制御の処理手順を示す第2のフローチャートである。 通常退避走行マップの構成例を示す概念図である。 加速時退避走行マップの構成例を示す概念図である。 本発明の実施の形態による電源システムの退避走行制御(回生制動時)を説明するフローチャートである。 電源システムの構成の変形例を示すブロック図である。
符号の説明
2 コンバータECU、4 電池ECU、6−1,6−2,6−3 二次電池(蓄電装置)、8−1,8−2,8−3 コンバータ、10−1,10−2 電流センサ、12−1,12−2,18 電圧センサ、30−1,30−2 インバータ、32 駆動ECU、34−1,34−2 モータジェネレータ、36 動力伝達機構、38 駆動軸、40−1,40−2 チョッパ回路、70 目標値設定部、72−1 電圧制御部、72−2 電流制御部、74−1,74−2,78−1,78−2 減算部、76−1,76−2 PI制御部、80−1,80−2 変調部、100 電動車両、101 電源システム、103 駆動力発生部、110 故障判断部、115 退避走行制御部、120 VR設定部、125 速意思判断部、130 車速センサ、140 アクセルペダル、145 アクセル開度センサ、ACC アクセル開度、C01,C02,C1 平滑コンデンサ、D1A,D1B,D2A,D2B ダイオード、FLG フラグ(退避走行)、FMD フラグ(正常コンバータ有無)、Ib1,Ib2 電流(二次電池)、IR 目標電流、L1,L2 インダクタ、LN1A,LN2A 正母線、LN1B,LN2B 配線、LN1C,LN2C 負母線、MNL 主負母線、MP0 マップ(通常VR設定)、MP1 通常退避走行マップ(昇圧可否)、MP2 加速時退避走行マップ(昇圧可否)、MRN1,MRN2 回転速度目標値、NL1,NL2 負極線、PL1,PL2 正極線、PWC1,PWC1A,PWC1B,PWC2,PWM1,PWM2 駆動信号、Q1A,Q2A スイッチング素子(下アーム素子)、Q1B,Q2B スイッチング素子(上アーム素子)、SOC1,SOC2 残存容量、St しきい値(SOC)、TR1,TR2 トルク目標値、TR1,TR2 トルク目標値、Vh 直流電圧(電力線上)、VR 目標電圧(Vh)、VS 車速、Vt しきい値(車速)。

Claims (10)

  1. 電力線上の電力を用いて交流回転電機が走行駆動力を発生可能に構成された電動車両の電源システムであって、
    充放電可能な複数の蓄電装置と、
    前記電力線と前記複数の蓄電装置との間にそれぞれ接続され、各々が、前記複数の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と前記電力線との間で双方向に電力変換を行なうための複数のコンバータと、
    前記複数のコンバータによる電力変換動作を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記電動車両の退避走行時に、各前記コンバータの故障状況に基づいて、前記複数のコンバータのうちに、前記電力変換動作が可能な正常コンバータが存在するか否かを判断する判断部と、
    前記電力線の目標電圧を設定する目標電圧設定部と、
    前記正常コンバータが存在する前記退避走行時には、前記正常コンバータのうちの少なくとも1つを用いて前記電力線の電圧が前記目標電圧に一致するように電圧制御させる一方で、前記正常コンバータを除く他のコンバータについては動作を停止させる退避走行制御部とを含み、
    前記目標電圧設定部は、
    前記交流回転電機の回転速度およびトルクに基づいて前記目標電圧の基本値を設定するとともに、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時には、前記基本値に関らず前記正常コンバータでの昇圧を禁止するように前記目標電圧を設定する第1のモードおよび、前記基本値に従って前記目標電圧を設定する第2のモードの一方を、前記電動車両の車両状態に応じて選択することによって前記目標電圧を設定する、電動車両の電源システム。
  2. 前記目標電圧設定部は、アクセル開度に基づいてユーザの加速意思の有無を判断する加速意思判断部を含み、かつ、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時における前記車両状態に応じた前記第1および前記第2のモードの選択について、前記加速意思が有ると判断されるときには、前記加速意思が無いと判断されるときと比較して、前記第2モードを優先的に選択する、請求項1記載の電動車両の電源システム。
  3. 前記目標電圧設定部は、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時に前記加速意思が有ると判断されるときには、前記第2モードを固定的に選択する、請求項2記載の電動車両の電源システム。
  4. 前記目標電圧設定部は、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時には、前記電動車両の車速および前記蓄電装置の残存容量の少なくとも一方に基づいて、前記車両状態に応じた前記第1および前記第2のモードの選択を実行する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動車両の電源システム。
  5. 前記退避走行制御部は、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時における回生制動動作時には、前記正常コンバータのうちの少なくとも1つを前記電力線の電圧を降圧して対応の前記蓄電装置を充電するように電圧制御する一方で、前記正常コンバータを除く他のコンバータについては動作を停止させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動車両の電源システム。
  6. 電力線上の電力を用いて交流回転電機が走行駆動力を発生可能に構成された電動車両の電源システムの制御方法であって、
    前記電源システムは、
    充放電可能な複数の蓄電装置と、
    前記電力線と前記複数の蓄電装置との間にそれぞれ接続され、各々が、前記複数の蓄電装置のうちの対応する蓄電装置と前記電力線との間で双方向に電力変換を行なうための複数のコンバータとを備え、
    前記制御方法は、
    前記電動車両の退避走行時に、各前記コンバータの故障状況に基づいて、前記複数のコンバータのうちに、前記電力変換動作が可能な正常コンバータが存在するか否かを判断するステップと、
    前記電力線の目標電圧を設定するステップと、
    前記正常コンバータが存在する前記退避走行時には、前記正常コンバータのうちの少なくとも1つを用いて前記電力線の電圧が前記目標電圧に一致するように電圧制御させる一方で、前記正常コンバータを除く他のコンバータについては動作を停止させるステップとを備え、
    前記目標電圧を設定するステップは、
    前記交流回転電機の回転速度およびトルクに基づいて前記目標電圧の基本値を設定するとともに、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時に、前記基本値に関らず前記正常コンバータでの昇圧を禁止するように前記目標電圧を設定する第1のモードおよび、前記基本値に従って前記目標電圧を設定する第2のモードの一方を、前記電動車両の車両状態に応じて選択することによって前記目標電圧を設定する、電動車両の電源システムの制御方法。
  7. アクセル開度に基づいてユーザの加速意思の有無を判断するステップをさらに備え、
    前記目標電圧を設定するステップは、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時における前記車両状態に応じた前記第1および前記第2のモードの選択について、前記加速意思が有ると判断されるときには、前記加速意思が無いと判断されるときと比較して、前記第2モードを優先的に選択する、請求項6記載の電動車両の電源システムの制御方法。
  8. 前記目標電圧を設定するステップは、前記目標電圧設定部は、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時に前記加速意思が有ると判断されるときには、前記第2モードを固定的に選択する、請求項7記載の電動車両の電源システムの制御方法。
  9. 前記目標電圧を設定するステップは、前記正常コンバータが存在する前記退避走行時には、前記電動車両の車速および前記蓄電装置の残存容量の少なくとも一方に基づいて、前記車両状態に応じた前記第1および前記第2のモードの選択を実行する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の電動車両の電源システムの制御方法。
  10. 前記正常コンバータが存在する前記退避走行時における回生制動動作時には、前記正常コンバータのうちの少なくとも1つを前記電力線の電圧を降圧して対応の前記蓄電装置を充電するように電圧制御する一方で、前記正常コンバータを除く他のコンバータについては動作を停止させるステップをさらに備える、請求項6〜9のいずれか1項に記載の電動車両の電源システムの制御方法。
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