JP5267296B2 - 駆動装置およびその異常判定方法並びに車両 - Google Patents

駆動装置およびその異常判定方法並びに車両 Download PDF

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Description

本発明は、駆動装置およびその異常判定方法並びに車両に関する。
従来、この種の駆動装置としては、駆動軸に動力を入出力可能なモータと、バッテリと、バッテリからの電力を昇圧してモータに供給する昇圧コンバータと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この駆動装置では、バッテリの電圧がバッテリに許容されている許容電圧を超えたときに、異常と判定して、所定の制御を実行している。
特開2008−289258号公報
上述の駆動装置では、バッテリの電圧が許容電圧を超える異常が生じていることを判定することができるのみでモータ,昇圧コンバータ,バッテリのいずれかに異常が生じているかを特定することができないが、例えば、異常が判定されたため装置の修理を行なう場合などは異常が生じている装置をある程度判別できるほうが望ましい場合がある。特に、複数のバッテリと各バッテリからの電力を電圧を調整してモータに供給可能な複数の電圧調整供給回路とを備える駆動装置においては、装置の構成が複雑であるため、異常を判定する際に異常が生じた装置をある程度判別できることが望ましい。
本発明の駆動装置およびその異常判定方法並びに車両では、電力供給系,駆動系の異常をより適正に判別することを主目的とする。
本発明の駆動装置およびその異常判定方法並びに車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の駆動装置は、
動力を入出力可能な電動機を少なくとも1つ含む駆動系と、
充放電可能な複数の蓄電手段と、前記複数の蓄電手段の各々と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記複数の蓄電手段の各々からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な複数の電圧調整供給手段と、を含む電力供給系と、
前記複数の蓄電手段の各々で充放電される充放電電力を検出する充放電電力検出手段と、
前記電動機を駆動すべき目標駆動状態に基づいて前記電動機側の目標電圧を設定する目標電圧設定手段と、
前記目標駆動状態に基づいて前記複数の蓄電手段の各々について充放電すべき目標充放電電力を設定する目標充放電電力設定手段と、
前記電動機側の電圧が前記設定された目標電圧になると共に前記複数の蓄電手段の各々が前記設定された目標充放電電力で充放電されるよう前記複数の電圧調整供給手段を制御する電圧調整制御手段と、
前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記設定された目標充放電電力と前記検出された充放電電力との偏差を積算した電力偏差積算値が予め設定された電力偏差用閾値未満であり且つ前記複数の蓄電手段の各々に設定された目標充放電電力の総和と前記検出された複数の蓄電手段の各々の充放電電力の総和との偏差を積算した総和偏差積算値が予め設定された総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値未満であるときには前記電力供給系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系または前記電力供給系の少なくとも一方に異常が生じていると判定する異常判定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の駆動装置では、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて設定された目標充放電電力と検出された充放電電力との偏差を積算した電力偏差積算値が予め設定された電力偏差用閾値未満であり且つ複数の蓄電手段の各々に設定された目標充放電電力の総和と検出された複数の蓄電手段の各々の充放電電力の総和との偏差を積算した総和偏差積算値が予め設定された総和偏差用閾値以上であるときには駆動系に異常が生じていると判定し、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて電力偏差積算値が電力偏差用閾値以上であり且つ総和偏差積算値が総和偏差用閾値未満であるときには電力供給系に異常が生じていると判定し、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて電力偏差積算値が電力偏差用閾値以上であり且つ総和偏差積算値が総和偏差用閾値以上であるときには駆動系または電力供給系の少なくとも一方に異常が生じていると判定する。この結果、電力供給系,駆動系の異常をより適正に判別することができる。
こうした本発明の駆動装置において、前記電力供給系は、充放電可能な第1蓄電手段と、該第1蓄電手段と並列に接続された第2蓄電手段と、前記第1蓄電手段と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記第1蓄電手段からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な第1電圧調整供給手段と、前記第2蓄電手段と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記第2蓄電手段からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な第2電圧調整供給手段と、を含み、前記充放電電力検出手段として、前記第1蓄電手段で充放電される充放電電力である第1充放電電力を検出する第1充放電電力検出手段と、前記第2蓄電手段で充放電される充放電電力である第2充放電電力を検出する第2充放電電力検出手段と、を含み、前記目標充放電電力設定手段は、前記目標駆動状態に基づいて前記第1蓄電手段を充放電すべき第1目標充放電電力と前記第2蓄電手段を充放電すべき第2目標充放電電力を設定する手段であり、前記電圧調整制御手段は、前記電動機側の電圧が前記設定された目標電圧になるよう前記第1電圧調整供給手段を制御すると共に前記第1蓄電手段および前記第2蓄電手段が前記設定された目標充放電電力で充放電されるよう前記第2電圧調整供給手段を制御する手段であり、前記総和偏差積算値は、前記設定された第1目標充放電電力と前記設定された第2目標充放電電力との和と前記検出された第1充放電電力と前記検出された第2充放電電力との和との偏差を積算した値であり、前記異常判定手段は、前記設定された第2目標充放電電力と前記検出された第2充放電電力との偏差を積算した第2電力偏差積算値が予め設定された第2電力偏差用閾値未満であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系に異常が生じていると判定し、前記第2電力偏差積算値が前記第2電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値未満であるときには前記電力供給系に異常が生じていると判定し、前記第2電力偏差積算値が前記第2電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系または前記電力供給系に異常が生じていると判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、2つの蓄電手段と2つの電圧調整供給手段を含む電力供給系を備える駆動装置において、より適正に電力供給系,駆動系の異常を判別することができる。
また、本発明の駆動装置において、前記駆動系は、動力を入出力可能な電動機を2つ含んでなるものとすることもできる。こうすれば、2つの電動機を含む駆動系を備える駆動装置において、より適正に電力供給系,駆動系の異常を判別することができる。
本発明の車両は、
駆動系が動力を入出力可能な電動機を2つ含む態様の本発明の駆動装置、すなわち、基本的には、動力を入出力可能な電動機を少なくとも1つ含む駆動系と、充放電可能な複数の蓄電手段と、前記複数の蓄電手段の各々と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記複数の蓄電手段の各々からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な複数の電圧調整供給手段と、を含む電力供給系と、前記複数の蓄電手段の各々で充放電される充放電電力を検出する充放電電力検出手段と、前記電動機を駆動すべき目標駆動状態に基づいて前記電動機側の目標電圧を設定する目標電圧設定手段と、前記目標駆動状態に基づいて前記複数の蓄電手段の各々について充放電すべき目標充放電電力を設定する目標充放電電力設定手段と、前記電動機側の電圧が前記設定された目標電圧になると共に前記複数の蓄電手段の各々が前記設定された目標充放電電力で充放電されるよう前記複数の電圧調整供給手段を制御する電圧調整制御手段と、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記設定された目標充放電電力と前記検出された充放電電力との偏差を積算した電力偏差積算値が予め設定された電力偏差用閾値未満であり且つ前記複数の蓄電手段の各々に設定された目標充放電電力の総和と前記検出された複数の蓄電手段の各々の充放電電力の総和との偏差を積算した総和偏差積算値が予め設定された総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値未満であるときには前記電力供給系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系または前記電力供給系の少なくとも一方に異常が生じていると判定する異常判定手段と、を備える駆動装置であって、前記駆動系が動力を入出力可能な電動機を2つ含んでなる駆動装置と、
内燃機関と、
該内燃機関の出力軸と前記駆動系の電動機のうちの1つの回転軸と車軸に連結された駆動軸との3軸に接続され、いずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段と、
を備え、
前記駆動系の残余の電動機は、回転軸が前記駆動軸に接続されてなる
ことを要旨とする。
この本発明の車両では、駆動系が動力を入出力可能な電動機を2つ含む態様の本発明の駆動装置を備えているから、こうした駆動装置が奏する効果、例えば、2つの電動機を含む駆動系を備える駆動装置において、電力供給系,駆動系の異常をより適正に判別することができる効果などと同様な効果を奏することができる。
本発明の駆動装置の異常判定方法は、
動力を入出力可能な電動機を少なくとも1つ含む駆動系と、充放電可能な複数の蓄電手段と、前記複数の蓄電手段の各々と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記複数の蓄電手段の各々からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な複数の電圧調整供給手段とを含む電力供給系と、前記複数の蓄電手段の各々で充放電される充放電電力を検出する充放電電力検出手段と、前記電動機を駆動すべき目標駆動状態に基づいて前記電動機側の目標電圧を設定する目標電圧設定手段と、前記目標駆動状態に基づいて前記複数の蓄電手段の各々について充放電すべき目標充放電電力を設定する目標充放電電力設定手段と、前記電動機側の電圧が前記設定された目標電圧になると共に前記複数の蓄電手段の各々が前記設定された目標充放電電力で充放電されるよう前記複数の電圧調整供給手段を制御する電圧調整制御手段と、を備える駆動装置の異常を判定する異常判定方法であって、
前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記設定された目標充放電電力と前記検出された充放電電力との偏差を積算した電力偏差積算値が予め設定された電力偏差用閾値未満であり且つ前記複数の蓄電手段の各々に設定された目標充放電電力の総和と前記検出された複数の蓄電手段の各々の充放電電力の総和との偏差を積算した総和偏差積算値が予め設定された総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値未満であるときには前記電力供給系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系または前記電力供給系の少なくとも一方に異常が生じていると判定する
ことを特徴とする。
この本発明の駆動装置の異常判定方法では、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて設定された目標充放電電力と検出された充放電電力との偏差を積算した電力偏差積算値が予め設定された電力偏差用閾値未満であり且つ複数の蓄電手段の各々に設定された目標充放電電力の総和と検出された複数の蓄電手段の各々の充放電電力の総和との偏差を積算した総和偏差積算値が予め設定された総和偏差用閾値以上であるときには駆動系に異常が生じていると判定し、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて電力偏差積算値が電力偏差用閾値以上であり且つ総和偏差積算値が総和偏差用閾値未満であるときには電力供給系に異常が生じていると判定し、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて電力偏差積算値が電力偏差用閾値以上であり且つ総和偏差積算値が総和偏差用閾値以上であるときには駆動系または電力供給系の少なくとも一方に異常が生じていると判定する。この結果、電力供給系,駆動系の異常をより適正に判別することができる。
本発明の実施例の駆動装置が搭載されたハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 駆動装置の要部の構成の概略を示す構成図である。 バッテリ温度と入出力制限のベース値との関係の一例を示す説明図である。 バッテリの残容量と入力制限用補正係数および出力制限用補正係数との関係の一例を示す説明図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 電力分担率設定用マップの一例を示す説明図である。 実施例のモータECU40により実行される昇圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 モータMG2の目標電圧設定用マップの一部(第1象限)の一例を示す説明図である。 実施例のモータECU40により実行される異常判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての駆動装置が搭載されたハイブリッド自動車20の概略の概略を示す構成図であり、図2は、ハイブリッド自動車20に搭載される駆動装置の要部の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸であるクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに連結された減速ギヤ35と、この減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、電力ライン50に接続されるマスタバッテリ51と、電力ライン50に対してマスタバッテリ51と並列に接続されるスレーブバッテリ52と、マスタバッテリ51とマスタリレー53を介して接続されマスタバッテリ51からの電力をその電圧を変換してインバータ41,42に供給可能なマスタ側昇圧コンバータ55と、スレーブバッテリ52とスレーブリレー54を介して接続されスレーブバッテリ52からの電力をその電圧を変換してインバータ41,42に供給可能なスレーブ側昇圧コンバータ56と、ハイブリッド自動車20の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。なお、駆動装置としては、主として、モータMG1,MG2やインバータ41,42、マスタ側昇圧コンバータ55、スレーブ側昇圧コンバータ56、マスタリレー53、スレーブリレー54、マスタバッテリ51、スレーブバッテリ52,ハイブリッド用電子制御ユニット70,後述するモータ用電子制御ユニット40,バッテリ用電子制御ユニット60が相当する。
エンジン22は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料の供給を受けて動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24による燃料噴射量や点火時期、吸入空気量等の制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22に対して設けられて当該エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力される。そして、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号や上記センサからの信号等に基づいてエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31と噛合すると共にリングギヤ32と噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転且つ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されている。動力分配統合機構30は、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側とにそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して最終的に駆動輪である車輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、逆突極性を有するように内部に永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを含む同期発電電動機として構成されている。モータMG1は、直流電力を交流電力に変換すると共に交流電力を直流電力に変換することができるインバータ41を介して電力ライン50に接続されており、モータMG2は、直流電力を交流電力に変換すると共に交流電力を直流電力に変換することができるインバータ42を介して電力ライン50に接続されている。インバータ41,42は、図2に示すように、6個のトランジスタT11〜T16またはT21〜T26とトランジスタT11〜T16またはT21〜T26に逆方向に並列接続された6個のダイオードD11〜D16またはD21〜D26とにより構成されている。トランジスタT11〜T16,T21〜T26は、それぞれインバータ41,42が電力ライン50として共用する正極母線50aと負極母線50bとに対してソース側とシンク側になるよう2個ずつ対をなすように配置されており、対となるトランジスタ同士の接続点の各々にモータMG1,MG2の三相コイル(U相、V相、W相)の各々が接続されている。従って、正極母線50aと負極母線50bとの間に電圧が作用している状態で対をなすトランジスタT11〜T16,T21〜T26のオン時間の割合を制御することにより三相コイルに回転磁界を形成してモータMG1,MG2を回転駆動することが可能となる。また、インバータ41,42は、正極母線50aと負極母線50bとを共用しているから、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータに供給することができる。なお、正極母線50aと負極母線50bとには電圧を平滑化する平滑コンデンサ45が接続されている。
マスタ側昇圧コンバータ55は、図2に示すように、2個のトランジスタT51(上アーム)およびトランジスタT52(下アーム)と、トランジスタT51,T52に逆方向に並列接続された2個のダイオードD51,D52と、リアクトルL1とを含む。2個のトランジスタT51,T52は、それぞれ正極母線50aと負極母線50bとに接続されており、両者の接続点にリアクトルL1が接続されている。また、リアクトルL1と負極母線50bとには、マスタ側昇圧コンバータ55のマスタバッテリ51側の電圧を平滑化する平滑コンデンサ57が接続されている。これにより、トランジスタT51,T52をスイッチング制御することによりマスタバッテリ51側の電圧に対してインバータ41,42側の電圧を昇圧したり、インバータ41,42側の電圧に対してマスタバッテリ51側の電圧を降圧したりすることができる。同様に、スレーブ側昇圧コンバータ56は、図2に示すように、2個のトランジスタT61(上アーム)およびトランジスタT62(下アーム)と、トランジスタT61,T62に逆方向に並列接続された2個のダイオードD61,D62と、リアクトルL2とを含む。2個のトランジスタT61,T62は、それぞれ正極母線50aと負極母線50bとに接続されており、両者の接続点にリアクトルL2が接続されている。また、リアクトルL2と負極母線50bとには、スレーブ側昇圧コンバータ56のスレーブバッテリ52側の電圧を平滑化する平滑コンデンサ58が接続されている。これにより、トランジスタT61,T62をスイッチング制御することによりスレーブバッテリ52側の電圧に対してインバータ41,42側の電圧を昇圧したり、インバータ41,42側の電圧に対してスレーブバッテリ52側の電圧を降圧したりすることができる。
インバータ41,42およびマスタ側昇圧コンバータ55,スレーブ側昇圧コンバータ56は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40により制御され、それによりモータMG1,MG2が駆動制御されている。モータECU40は、図示しないCPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート(いずれも図示せず)等を備える。モータECU40には、モータMG1,MG2やマスタ側昇圧コンバータ55,スレーブ側昇圧コンバータ56を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や平滑コンデンサ45の電圧を検出する昇圧後電圧センサ46からの昇圧後電圧VH,平滑コンデンサ57,58の電圧を検出する昇圧前電圧センサ61,62からの昇圧前電圧VLm,VLs,スレーブ側昇圧コンバータ56のリアクトルL2に流れる電流を検出する電流センサ69からのスレーブ側電流Is,図示しない複数の電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号やマスタ側昇圧コンバータ55およびスレーブ側昇圧コンバータ56へのスイッチング制御信号等が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
マスタバッテリ51およびスレーブバッテリ52は、実施例では同一諸元のニッケル水素二次電池あるいはリチウムイオン二次電池として構成されており、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)60により管理されている。バッテリECU60には、マスタバッテリ51およびスレーブバッテリ52を管理するのに必要な信号、例えば、マスタバッテリ51の端子間に設置された端子間電圧センサ63からの端子間電圧Vbm、マスタバッテリ51の一方の端子に接続された電流センサ65からの充放電電流Ibm、マスタバッテリ51に設置された温度センサ67からのバッテリ温度Tm、スレーブバッテリ52の端子間に設置された端子間電圧センサ64からの端子間電圧Vbs、スレーブバッテリ52の一方の端子に接続された電流センサ66からの充放電電流Ibs、スレーブバッテリ52に設置された温度センサ68からのバッテリ温度Ts等が入力されている。バッテリECU60は、必要に応じてマスタバッテリ51やスレーブバッテリ52の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70等に出力する。更に、バッテリECU60は、マスタバッテリ51を管理するために、電流センサ65により検出された充放電電流Ibmの積算値に基づいてマスタバッテリ51の残容量(満充電状態に対する充電率)SOCmを演算したり、残容量SOCmとバッテリ温度Tmとに基づいてマスタバッテリ51の充電に許容される電力である充電許容電力としての入力制限Winmとマスタバッテリ51の放電に許容される電力としての出力制限Woutmとを演算したり、電流センサ65により検出された充放電電流Ibmと端子間電圧センサ63により検出された端子間電圧Vbmとに基づいてマスタバッテリ51を充放電している電力であるマスタ充放電電力Pbmを演算したりする。また、バッテリECU60は、スレーブバッテリ52を管理するために、電流センサ66により検出された充放電電流Ibsの積算値に基づいてスレーブバッテリ52の残容量SOCsを演算したり、残容量SOCsとバッテリ温度Tsとに基づいてスレーブバッテリ52の充電に許容される電力としての入力制限Winsとスレーブバッテリ52の放電に許容される電力としての出力制限Woutsとを演算したり、電流センサ66により検出された充放電電流Ibsと端子間電圧センサ64により検出された端子間電圧Vbsとに基づいてスレーブバッテリ52を充放電している電力であるスレーブ充放電電力Pbsを演算したりする。なお、入出力制限Winm,Wins,Woutm,Woutsは、バッテリ温度Tm,Tbsに基づいて入出力制限Winm,Wins,Woutm,Winsの基本値を設定すると共に、残容量SOCm,SOCsに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Winm,Wins,Woutm,Woutsの基本値に補正係数を乗じることにより設定可能である。図3にバッテリ温度と入出力制限のベース値との関係の一例を示し、図4にバッテリの残容量と入力制限用補正係数および出力制限用補正係数との関係の一例を示す。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74、データを一時的に記憶するRAM76、図示しない入出力ポートおよび通信ポート等を備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)80からのイグニッション信号、シフトレバー81の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、車速センサ87からの車速V等が入力ポートを介して入力される。そして、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、上述したようにエンジンECU24やモータECU40、バッテリECU60等と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40、バッテリECU60等と各種制御信号やデータのやり取りを行なっている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、マスタリレー53やスレーブリレー54をオンまたはオフするためのオンオフ信号が出力される。
上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動輪である車輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*が計算され、この要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御モードとしては、要求トルクTr*に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力されるパワーのすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求トルクTr*とマスタバッテリ51およびスレーブバッテリ52の充放電に必要な電力との和に見合うパワーがエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にマスタバッテリ51およびスレーブバッテリ52の充放電を伴ってエンジン22から出力されるパワーの全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求トルクTr*に基づくトルクがリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22を停止して要求トルクTr*に基づくトルクをリングギヤ軸32aに出力するようにモータMG2を駆動制御するモータ運転モード等がある。
また、ハイブリッド自動車20の走行開始時には、基本的にマスタリレー53とスレーブリレー54との双方がオンされ、その後の走行に際してマスタバッテリ51およびスレーブバッテリ52の双方とモータMG1およびMG2との間で電力がやり取りされることになる。そして、例えばスレーブバッテリ52の残容量SOCsが予め定められた下限残容量に達すると、スレーブリレー54のみがオフされ、マスタバッテリ51のみとモータMG1およびMG2との間で電力がやり取りされることになる。このように、実施例のハイブリッド自動車20は、マスタバッテリ51に加えてスレーブバッテリ52を搭載することから、単一のバッテリを搭載したものに比べて、モータ運転モードでの走行距離(走行時間)をより長くすると共に、減速時や降坂路の走行に際してより多くの回生電力をマスタバッテリ51やスレーブバッテリ52に蓄電することができる。
なお、本実施例では、駆動装置に含まれるモータMG1,MG2やインバータ41,42などマスタ側昇圧コンバータ55やスレーブ側昇圧コンバータ56よりモータMG1,MG2側を駆動系といい、マスタ側昇圧コンバータ55,マスタリレー53,マスタバッテリ51,スレーブ側昇圧コンバータ56,スレーブリレー54,スレーブバッテリ52などマスタ側昇圧コンバータ55よりマスタバッテリ51側やスレーブ側昇圧コンバータ56よりスレーブバッテリ52側を電力供給系というものとした。
次に、上述のように構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、電力供給系や駆動系の異常を判定する際の動作について説明する。図5は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ87からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,マスタバッテリ51の残容量SOCm,充放電要求パワーPbm*,入出力制限Winm,Woutm,スレーブバッテリ52の残容量SOCs,充放電要求パワーPbs*,入出力制限Wins,Wouts,補機要求電力Paxといった制御に必要なデータの入力処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、モータECU40により回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいて計算したものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、残容量SOCm,SOCs、充放電要求パワーPbm*,Pbs*、入出力制限Winm,Wins,Woutm,Woutsは、バッテリECU60により演算されたものを通信により入力するものとした。更に、補機要求電力Paxは、ハイブリッド自動車20や図示しない空調装置、ランプ類、カーオーディオといった補機の作動状態に応じて定まるものであり、各種補機操作用スイッチのオンオフ状態等に基づいて計算されたものを用いるものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとマスタバッテリ51が要求する充放電要求パワーPbm*(放電のとき正の値)とスレーブバッテリ52が要求する充放電要求パワーPbs*(放電のとき正の値)とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
続いて、入力されたマスタバッテリ51の入力制限Winmとスレーブバッテリ52の入力制限Winsとの和をマスタバッテリ51およびスレーブバッテリ52の双方の充電に許容される電力としての総入力制限Winに設定すると共にステップS100にて入力したマスタバッテリ51の出力制限Woutmとスレーブバッテリ52の出力制限Woutsとの和をマスタバッテリ51およびスレーブバッテリ52の双方の放電に許容される電力としての総出力制限Woutに設定する(ステップS120)。
そして、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS130)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図7に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS140)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図8に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=-ρ/(1+ρ)・Te*+k1・(Nm1*-Nm1)+k2・∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(3)により計算すると共に(ステップS150)、総入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(4)および式(5)により計算し(ステップS160)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS170)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の総入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(3)は、前述した図8の共線図から容易に導き出すことができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
続いて、トルク指令Tm1*と回転数Nm1との積と、トルク指令Tm2*と回転数Nm2との積と、ステップS100にて入力した補機要求電力Paxとの和をマスタバッテリ51およびスレーブバッテリ52から放電すべき電力である総要求電力Ptotalに設定すると共に(ステップS180)、マスタバッテリ51の残容量SOCmとスレーブバッテリ52の残容量SOCsとに基づいて総要求電力Ptotalに対するマスタバッテリ51の放電量の割合である電力分担率R*を設定する(ステップS190)。実施例では、残容量SOCm,SOCsと電力分担率R*との関係が予め定められて電力分担率設定用マップとしてROM74に記憶されており、残容量SOCm,SOCsが与えられると記憶したマップから対応する電力分担率R*を導出して設定するものとした。図9に電力分担率設定用マップの一例を示す。電力分担率設定用マップは、マスタバッテリ51の残容量SOCmからスレーブバッテリ52の残容量SOCsを減じて得られる偏差ΔSOCと仮電力分担率Rtmpとの関係を規定するものであって、マスタバッテリ51の残容量SOCmがスレーブバッテリ52の残容量SOCsよりも大きいほど(残容量が大きいバッテリほど)電力分担率R*を大きく設定するように予め実験や解析で求めたものを用いるものとした。
こうして電力分担率R*を設定したら、総要求電力Ptotalに電力分担率R*を乗じたものを目標マスタ電力Pbm*に設定すると共に(ステップS200)総要求電力Ptotalに値1から電力分担率R*を減じた値を乗じたものをスレーブバッテリ52の放電量の目標値である目標スレーブ電力Pbs*に設定し(ステップS210)、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*,目標マスタ電力Pbm*,目標スレーブ電力Pbs*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS220)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*,目標マスタ電力Pbm*,目標スレーブ電力Pbs*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子であるトランジスタT11〜T16,T21〜T26のスイッチング制御を行なうと共に後述する昇圧制御ルーチンと異常判定ルーチンを実行する。
続いて、トルク指令Tm1*,Tm2*,目標マスタ電力Pbm*,目標スレーブ電力Pbs*を受信したモータECU40により実行される昇圧制御ルーチンについて説明する。図10は、モータECU40により実行される昇圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。昇圧制御ルーチンが実行されると、モータECU40の図示しないCPUは、まず、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*や昇圧後電圧センサ46からの昇圧後電圧VH,昇圧前電圧センサ63からの昇圧前電圧VLs,電流センサ69からのスレーブ側電流Is,目標スレーブ電力Pbs*など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS300)。ここで、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*,目標スレーブ電力Pbs*は、図5の駆動制御ルーチンにより設定されたものをハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したトルク指令Tm1*,Tm2*と回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算したモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2とに基づいて目標電圧VH*を設定すると共に(ステップS310)、入力した目標スレーブ電力Pbs*を昇圧前電圧VLsで除したものをスレーブ側昇圧コンバータ56の目標スレーブ電流Is*に設定する(ステップS320)。ステップS310の処理で、目標電圧VH*は、実施例では、モータMG1の回転数Nm1およびトルク指令Tm1*からなる駆動点とこの駆動点でモータMG1を十分に駆動することができる目標電圧VH*との関係を予め定めて図示しないROMに記憶したモータMG1の目標電圧設定用マップに対して回転数Nm1およびトルク指令Tm1*を与えて導出したものと、モータMG2の回転数Nm2およびトルク指令Tm2*からなる駆動点とこの駆動点でモータMG2を十分に駆動することができる目標電圧VH*との関係を予め定めて図示しないROMに記憶したモータMG2の目標電圧設定用マップに対して回転数Nm2およびトルク指令Tm2*を与えて導出したものとのうち大きいほうが設定されるものとした。図11にモータMG2の目標電圧設定用マップの一部(第1象限)の一例を示す。目標電圧VH*は、図示するように、モータMG2の上限トルクTlim以下の駆動領域において、モータMG2の定格最大電圧Vmax(例えば650Vなど)以下の電圧でモータMG2の回転数Nm2やトルク指令Tm2*が大きくなるほど目標電圧VH*が値V1,値V2,値V3,値Vmaxの順に大きくなるように定められている。なお、モータMG1の目標電圧設定用マップもモータMG2の目標電圧設定用マップと同様に定めることができる。
こうして目標電圧VH*と目標スレーブ電流Is*を設定したら、昇圧後電圧センサ46からの昇圧後電圧VHを用いたフィードバック制御によりマスタ側昇圧コンバータ55で昇圧した後の電圧が目標電圧VH*となるようマスタ側昇圧コンバータ55のトランジスタT51,T52をスイッチング制御すると共に(ステップS330)、電流センサ69からのスレーブ側電流Isを用いたフィードバック制御によりスレーブ側昇圧コンバータ56に流れる電流が設定した目標スレーブ電流Is*になるようスレーブ側昇圧コンバータ56のトランジスタT61,T62をスイッチング制御して(ステップS340)、昇圧制御ルーチンを終了する。こうした制御により、マスタ側昇圧コンバータ55,スレーブ側昇圧コンバータ56による昇圧を行なって、モータMG1を回転数Nm1およびトルク指令Tm1*からなる駆動点で駆動すると共にモータMG2を回転数Nm2およびトルク指令Tm2*からなる駆動点で駆動し、スレーブバッテリ52を目標スレーブ電力Pbs*で充放電すると共にマスタバッテリ51を目標マスタ電力Pbm*で充放電することができる。以上、昇圧制御ルーチンについて説明した。
次に、こうした図5の駆動制御ルーチンや図10の昇圧制御ルーチンと並行して実行される異常判定ルーチンについて説明する。図12は、モータECU40により実行される異常判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
異常判定ルーチンが実行されると、モータECU40の図示しないCPUは、目標マスタ電力Pbm*や目標スレーブ電力Pbs*,マスタバッテリ51で充放電されているマスタ充放電電力Pbm,スレーブバッテリ52で充放電されているスレーブ充放電電力Pbsなど判定に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS400)。目標マスタ電力Pbm*,目標スレーブ電力Pbs*は、図5に例示した駆動制御ルーチンにより設定されたものをハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力するものとした。また、マスタ充放電電力Pbm,スレーブ充放電電力Pbsは、電流センサ65により検出された充放電電流Ibmと端子間電圧センサ63により検出された端子間電圧Vbsとに基づいて演算されたものと、電流センサ66により検出された充放電電流Ibsと端子間電圧センサ64により検出された端子間電圧Vbsとに基づいて演算されたものと、をそれぞれバッテリECU60から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した目標マスタ電力Pbm*からマスタ充放電電力Pbmを減じたマスタ電力偏差ΔPbmと入力した目標スレーブ電力Pbs*からスレーブ充放電電力Pbsを減じたスレーブ電力偏差ΔPbsとを計算すると共に(ステップS410)、マスタ電力偏差ΔPbmの積算値としての電力偏差積算値Tbmとスレーブ電力偏差ΔPbsの積算値としての電力偏差積算値Tbsとを計算する(ステップS420)。ここで、電力偏差積算値Tbmは、前回本ルーチンが実行されたときに用いられた電力偏差積算値Tbm(前回Tbm)にマスタ電力偏差ΔPbmを加えることにより計算され、イグニッションスイッチ80がオフされたときに値0にリセットされるものとした。また、電力偏差積算値Tbsは、前回本ルーチンが実行されたときに用いられた電力偏差積算値Tbs(前回Tbs)にスレーブ電力偏差ΔPbsを加えることにより計算され、イグニッションスイッチ80がオフされたときに値0にリセットされるものとした。
続いて、目標マスタ電力Pbm*に目標スレーブ電力Pbs*を加えたものからマスタ充放電電力Pbmにスレーブ充放電電力Pbsを加えたものを減じた総和偏差ΔPbを計算すると共に(ステップS430)、総和偏差ΔPbの積算値である総和偏差積算値Tbを計算する(ステップS440)。ここで、総和偏差積算値Tbは、前回本ルーチンが実行されたときに用いられた総和偏差積算値Tb(前回Tb)に総和偏差ΔPbを加えたものとして計算され、イグニッションスイッチ80がオフされたときに値0にリセットされるものとした。
こうして電力偏差積算値Tbm,Tbs,総和偏差積算値Tbを計算すると、電力偏差積算値Tbmの絶対値と閾値Tbmrefとを比較するとともに(ステップS450)、電力偏差積算値Tbsの絶対値と閾値Tbsrefとを比較する(ステップS460)。ここで、閾値Tbmref,Tbsrefについて説明する。図10の昇圧制御ルーチンで、スレーブバッテリ52を目標スレーブ電力Pbs*で充放電すると共にマスタバッテリ51を目標マスタ電力Pbm*で充放電するようスレーブ側昇圧コンバータ56を制御するから、電力供給系(マスタ側昇圧コンバータ55,スレーブ側昇圧コンバータ56,マスタリレー53,スレーブリレー54,マスタバッテリ51,スレーブバッテリ52など)および駆動系(モータMG1,MG2,インバータ41,42など)が正常なときにはマスタ電力偏差ΔPbm,ΔPbsが値0を挟んで正または負の値で変動して電力偏差積算値Tbm,Tbsの絶対値が大きい値にならないが、電力供給系,駆動系のいずれかで異常が生じるとマスタ電力偏差ΔPbm,ΔPbsが大きくなり電力偏差積算値Tbm,Tbsの絶対値が大きくなると考えられる。ここで、電力供給系に異常が生じるか、駆動系に異常が生じるかでマスタ電力偏差ΔPbm,ΔPbsの変動の様子が異なるため、電力偏差積算値Tbm,Tbsの時間変化が異なるものとなる。電力供給系が正常で駆動系に異常が生じた場合、例えば、駆動系のモータMG2に回転に伴う永久磁石における渦電流損による温度上昇やコイルの作る磁界などにより比較的大きな減磁が生じた場合などモータMG2からトルク指令Tm2*に基づくトルクを出力しようとしても出力できない異常が生じた場合には、図10の昇圧制御ルーチンでスレーブバッテリ52が目標電力Pbs*で充放電するようスレーブ側昇圧コンバータ56を制御するから、スレーブバッテリ52のスレーブ電力偏差ΔPbsよりマスタバッテリ51のマスタ電力偏差ΔPbmがより大きくなる。電力供給系に異常が生じているが駆動系は正常である場合、例えば、スレーブ側昇圧コンバータ56のスイッチング異常など電力供給系に異常が生じた場合にはスレーブ電力偏差ΔPbsが大きくなる。このように、電力供給系,駆動系のいずれかに異常が生じるかでマスタ電力偏差ΔPbm,ΔPbsの変動の様子が異なるものとなり、電力偏差積算値Tbm,Tbsの時間変化も異なるものとなるため、電力供給系の異常と駆動系の異常とのどちらを判定するかで異なる閾値を用いるのが望ましい。実施例では、ステップS450,S460の処理で、閾値Tbmref,Tbsrefは、電力供給系(マスタ側昇圧コンバータ55,スレーブ側昇圧コンバータ56,マスタリレー53,スレーブリレー54,マスタバッテリ51,スレーブバッテリ52など)が正常であるか否かを判定するための正の値の閾値であり、予め実験や解析などで設定したものを用いるものとした。従って、ステップS450,S460の処理は、電力供給系が正常であるか否かを判定する処理になる。なお、マスタ電力偏差ΔPbm,ΔPbsではなく電力偏差積算値Tbm,Tbsを用いて電力供給系の異常を判定するのは、例えば、端子間電圧センサ63,64,電流センサ65,66からの検出値が一時期的にバッテリECU60に入力できないためマスタ電力偏差ΔPbm,ΔPbsが大きな値になっているだけですぐに正常な状態に戻るような状態のときにこうした状態を異常と判定することを避けるためである。
電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref未満であると共に電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref未満であるときには(ステップS450,S460)、電力供給系が正常であると判断して、総和偏差積算値Tbの絶対値と閾値Tbrefとを比較する(ステップS470)。ここで、閾値Tbrefは、駆動装置の駆動系(モータMG1,MG2やインバータ41,42など)が正常であるか否かを判定するための正の値の閾値であり、予め実験や解析などで設定したものを用いるものとした。従って、ステップS470の処理は、駆動系が正常であるか否かを判定する処理になる。こうして駆動系が正常であるか否かを判定できるのは、駆動系の異常、例えば、上述した減磁が生じた場合などモータMG2からトルク指令Tm2*に基づくトルクを出力しようとしても出力できない異常が生じると、モータMG2で実際に消費する電力が減り、マスタバッテリ51の目標電力である目標マスタ電力Pbm*とスレーブバッテリ52の目標電力である目標スレーブ電力Pbs*との和の電力(Pbm*+Pbs*)とモータMG1,MG2で実際に消費されている電力の和(Pbm+Pbs)との偏差である総和偏差ΔPbが大きくなると考えられるからである。ここで、総和偏差ΔPbではなく総和偏差積算値Tbを用いて駆動系の異常を判定するのは、例えば、端子間電圧センサ63,64,電流センサ65,66からの検出値が一時期的にバッテリECU60に入力できないだけですぐに正常な状態に戻るような場合に異常と判定することを避けるためである。総和偏差積算値Tbの絶対値が閾値Tbref未満であるときには、駆動系,電力供給系が共に正常であると判定して(ステップS480)、異常判定ルーチンを終了する。こうして正常と判定した後は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により図5の駆動制御ルーチンが実行される。
電力偏差積算値Tbmの絶対値が閾値Tbmref未満であると共に電力偏差積算値Tbsの絶対値が閾値Tbsref未満であるが総和偏差積算値Tbの絶対値が閾値Tbref以上であるときには(ステップS450〜S470)、電力供給系が正常であるものの駆動系に何らかの異常が生じていると判定して(ステップS490)、異常判定ルーチンを終了する。こうした判定により、駆動系の異常をより適正に判定することができる。なお、こうして駆動系の異常を判定した後は、モータMG1,MG2の駆動を停止してエンジン22からの動力で走行する待避走行制御を行なったり、判定結果を図示しないROMに記憶させたり、図示しない警告灯を点灯させるなどするのが望ましい。
電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref以上であったり、電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref以上であるときには(ステップS450,S460)、電力供給系に異常が生じていると判断して、更に、総和偏差積算値Tbの絶対値と閾値Tbrefとを比較する(ステップS510)。総和偏差積算値Tbが閾値Tbref未満であるときには電力供給系に異常が生じているが駆動系は正常であると判定し(ステップS510,S520)、総和偏差積算値Tbが閾値Tbref以上であるときには電力供給系,駆動系のどちらに異常が生じているのかの判別はできないが電力供給系,駆動系の少なくとも一方に異常が生じていると判定して(ステップS510,S530)、異常判定ルーチンを終了する。ここで、電力供給系,駆動系のいずれに異常が生じていると判定するのは、こうしたときには電力供給系の異常であるか駆動系の異常であるかが判別できないためである。こうした処理により、電力供給系の異常をより適正に判定することができる。なお、こうして電力供給系の異常を判定した後は、モータMG1,MG2の駆動を停止してエンジン22からの動力で走行する待避走行制御を行なったり、判定結果を図示しないROMに記憶させたり、図示しない警告灯を点灯させるなどするのが望ましい。
以上説明したように、実施例のハイブリッド自動車20では、電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref未満であり電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref未満であって総和偏差積算値Tbの絶対値が閾値Tbref以上であるときには駆動系の異常を判定し、電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref以上または電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref以上であり且つ総和偏差積算値Tbが閾値Tbref未満であるときには電力供給系の異常を判定し、電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref以上または電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref以上であり且つ総和偏差積算値Tbが閾値Tbref以上であるときには電力供給系,駆動系の少なくとも一方の異常を判定するから、電力供給系,駆動系の異常をより適正に判定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、図12の異常判定ルーチンにおいて、ステップS450,S460の処理で電力偏差積算値Tbmの絶対値と閾値Tbmrefとを比較すると共に電力偏差積算値Tbsの絶対値と閾値Tbsrefとを比較するものとしたが、ステップS450、S460の一方のみを実行して電力偏差積算値Tbmの絶対値また電力偏差積算値Tbsの絶対値のいずれと対応する閾値とを比較するものとすればよいから、ステップS450の処理を実行せずにステップS460の処理を実行して電力偏差積算値Tbsの絶対値と閾値Tbsrefとを比較するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、図5の駆動制御ルーチンのステップS190の処理でマスタバッテリ51の残容量SOCmやスレーブバッテリ52の残容量SOCsに基づいて電力分配率R*を設定するものとしたが、電力分配率R*を残容量SOCm,SOCsに拘わらず所定の分配率(例えば、値0.3,値0.5,値0.7など)に設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、電力供給系は2つのバッテリと2つの昇圧コンバータとを含むものとしたが、三つ以上のバッテリと各バッテリからの電力を電圧を調整してモータMG1,MG2に供給する三つ以上の昇圧コンバータとを含むものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(車輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図13における車輪39d,39cに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、エンジンを備えずに少なくとも1つのモータから動力を駆動軸に出力して走行する電気自動車や列車など自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される駆動装置の形態としても構わない。更に、こうした駆動装置の異常判定方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG1とモータMG2とインバータ41とインバータ42とを含む駆動系が「駆動系」に相当し、マスタバッテリ51とスレーブバッテリ52とマスタ側昇圧コンバータ55とスレーブ側昇圧コンバータ56とを含む電力供給系が「電力供給系」に相当し、電流センサ65により検出された充放電電流Ibmと端子間電圧センサ63により検出された端子間電圧Vbmに基づいてマスタバッテリ51を充放電している電力であるマスタ充放電電力Pbmを演算したり電流センサ66により検出された充放電電流Ibsと端子間電圧センサ64により検出された端子間電圧Vbsに基づいてスレーブバッテリ52を充放電している電力であるスレーブ充放電電力Pbsを演算したりするバッテリECU60が「充放電電力検出手段」に相当し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とモータMG1,モータMG2の回転数Nm1,Nm2とを用いて目標電圧VH*を設定する図10の昇圧制御ルーチンのステップS310の処理を実行するモータECU40が「目標電圧設定手段」に相当し、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とモータMG1,モータMG2の回転数Nm1,Nm2とを用いて総要求電力Ptotalを設定すると共に総要求電力Ptotalに電力分配率R*を乗じて目標マスタ電力Pbm*を設定すると共に総要求電力Ptotalに値1から電力分配率R*を減じたものを乗じて目標スレーブ電力Pbs*を設定する図5の駆動制御ルーチンのステップS180〜S210の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「目標充放電電力設定手段」に相当し、昇圧後電圧VHが目標電圧VH*となるようマスタ側昇圧コンバータ55をスイッチング制御する図10の昇圧制御ルーチンのステップS330の処理やスレーブ側電流Isが目標スレーブ電力Pbs*を用いて設定される目標スレーブ電力Is*となるようスレーブ側昇圧コンバータ56をスイッチング制御するステップS320,S340の処理を実行するモータECU40が「電圧調整制御手段」に相当し、電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref未満であり電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref未満であって総和偏差積算値Tbの絶対値が閾値Tbref以上であるときには駆動系の異常を判定する図12の異常判定ルーチンのステップS410〜S470,S490の処理や電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref以上または電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref以上であり且つ総和偏差積算値Tbが閾値Tbref未満であるときには電力供給系の異常を判定するステップS410〜S460,S510,S520の処理、電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref以上または電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref以上であり且つ総和偏差積算値Tbが閾値Tbref以上であるときには電力供給系,駆動系の少なくとも一方の異常を判定するステップS410〜S460,S510,S530の処理を実行するモータECU40が「異常判定手段」に相当する。また、マスタバッテリ51が「第1蓄電手段」に相当し、スレーブバッテリ52が「第2蓄電手段」に相当し、マスタ側昇圧コンバータ55が「第1電圧調整供給手段」に相当し、スレーブ側昇圧コンバータ56が「第2電圧調整供給手段」に相当し、電流センサ65により検出された充放電電流Ibmと端子間電圧センサ63により検出された端子間電圧Vbmに基づいてマスタバッテリ51を充放電している電力であるマスタ充放電電力Pbmを演算するバッテリECU60が「第1充放電電力検出手段」に相当し、電流センサ66により検出された充放電電流Ibsと端子間電圧センサ64により検出された端子間電圧Vbsに基づいてスレーブバッテリ52を充放電している電力であるスレーブ充放電電力Pbsを演算するバッテリECU60が「第2充放電電力検出手段」に相当する。更に、エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。
ここで、本発明の駆動装置では、「駆動系」としては、モータMG1とモータMG2とインバータ41とインバータ42とを含む駆動系に限定されるものではなく、動力を入出力可能な電動機を少なくとも1つ含むものであれば如何なるものとしても構わない。「電力供給系」としては、マスタバッテリ51とスレーブバッテリ52とマスタ側昇圧コンバータ55とスレーブ側昇圧コンバータ56とを含むものに限定されるものではなく、充放電可能な複数の蓄電手段と、複数の蓄電手段の各々と電動機との電力のやり取りに介在して複数の蓄電手段の各々からの電力を電圧を調整して電動機側に供給可能な複数の電圧調整供給手段と、を含むものであれば如何なるものとしても構わない。「充放電電力検出手段」としては、電流センサ65により検出された充放電電流Ibmと端子間電圧センサ63により検出された端子間電圧Vbmに基づいてマスタバッテリ51を充放電している電力であるマスタ充放電電力Pbmを演算したり電流センサ66により検出された充放電電流Ibsと端子間電圧センサ64により検出された端子間電圧Vbsに基づいてスレーブバッテリ52を充放電している電力であるスレーブ充放電電力Pbsを演算したりするものに限定されるものではなく、複数の蓄電手段の各々で充放電される充放電電力を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「目標電圧設定手段」としては、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とモータMG1,モータMG2の回転数Nm1,Nm2とを用いて目標電圧VH*を設定するものに限定されるものではなく、電動機を駆動すべき目標駆動状態に基づいて電動機側の目標電圧を設定するものであれば、如何なるものとしても構わない。「目標充放電電力設定手段」としては、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*とモータMG1,モータMG2の回転数Nm1,Nm2とを用いて総要求電力Ptotalを設定すると共に総要求電力Ptotalに電力分配率R*を乗じて目標マスタ電力Pbm*を設定すると共に総要求電力Ptotalに値1から電力分配率R*を減じたものを乗じて目標スレーブ電力Pbs*を設定するものに限定されるものではなく、目標駆動状態に基づいて複数の蓄電手段の各々について充放電すべき目標充放電電力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「電圧調整制御手段」としては、昇圧後電圧VHが目標電圧VH*となるようマスタ側昇圧コンバータ55をスイッチング制御する共にスレーブ側電流Isが目標スレーブ電力Pbs*を用いて設定される目標スレーブ電力Is*となるようスレーブ側昇圧コンバータ56をスイッチング制御するものに限定されるものではなく、電動機側の電圧が設定された目標電圧になると共に前記複数の手段の各々が設定された目標充放電電力で充放電されるよう前記複数の電圧調整手段を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。「異常判定手段」としては、電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref未満であり電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref未満であって総和偏差積算値Tbの絶対値が閾値Tbref以上であるときには駆動系の異常を判定したり、電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref以上または電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref以上であり且つ総和偏差積算値Tbが閾値Tbref未満であるときには電力供給系の異常を判定したり、電力偏差積算閾値Tbmの絶対値が閾値Tbmref以上または電力偏差積算閾値Tbsの絶対値が閾値Tbsref以上であり且つ総和偏差積算値Tbが閾値Tbref以上であるときには電力供給系,駆動系の少なくとも一方の異常を判定するものに限定されるものではなく、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて設定された目標充放電電力と検出された充放電電力との偏差を積算した電力偏差積算値が予め設定された電力偏差用閾値未満であり且つ複数の蓄電手段の各々に設定された目標充放電電力の総和と検出された複数の蓄電手段の各々の充放電電力の総和との偏差を積算した総和偏差積算値が予め設定された総和偏差用閾値以上であるときには駆動系に異常が生じていると判定し、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて電力偏差積算値が電力偏差用閾値以上であり且つ総和偏差積算値が総和偏差用閾値未満であるときには電力供給系に異常が生じていると判定し、複数の蓄電手段の少なくとも1つについて電力偏差積算値が電力偏差用閾値以上であり且つ総和偏差積算値が総和偏差用閾値以上であるときには駆動系または電力供給系の少なくとも一方に異常が生じていると判定するものであれば如何なるものとしても構わない。「第1蓄電手段」としては、マスタバッテリ51に限定されるものではなく、キャパシタなど、充放電可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「第2蓄電手段」としては、スレーブバッテリ52に限定されるものではなく、キャパシタなど、充放電可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「第1電圧調整供給手段」としては、マスタ側昇圧コンバータ55に限定されるものではなく、第1蓄電手段と電動機との電力のやり取りに介在して第1蓄電手段からの電力を電圧を調整して電動機側に供給可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「第2電圧調整供給手段」としては、スレーブ側昇圧コンバータ56に限定されるものではなく、第2蓄電手段と電動機との電力のやり取りに介在して第2蓄電手段からの電力を電圧を調整して電動機側に供給可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「第1充放電電力検出手段」としては、電流センサ65により検出された充放電電流Ibmと端子間電圧センサ63により検出された端子間電圧Vbmに基づいてマスタバッテリ51を充放電している電力であるマスタ充放電電力Pbmを演算するものに限定されるものではなく、第1蓄電手段で充放電される充放電電力である第1充放電電力を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「第2充放電電力検出手段」としては、電流センサ66により検出された充放電電流Ibsと端子間電圧センサ64により検出された端子間電圧Vbsに基づいてスレーブバッテリ52を充放電している電力であるスレーブ充放電電力Pbsを演算するものに限定されるものではなく、第2蓄電手段で充放電される充放電電力である第2充放電電力を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、如何なるものとしても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせがものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、内燃機関の出力軸と駆動系の電動機のうちの1つの回転軸と車軸に連結された駆動軸との3軸に接続され、いずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、駆動装置や車両の製造業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a〜39d 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45 平滑コンデンサ、46 昇圧後電圧センサ、50 電力ライン、50a 正極母線、50b 負極母線、51 マスタバッテリ、52 スレーブバッテリ、53 マスタリレー、54 スレーブリレー、55 マスタ側昇圧コンバータ、56 スレーブ側昇圧コンバータ、57,58,59 平滑コンデンサ、60 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、61,62 昇圧前電圧センサ、63,64 端子間電圧センサ,65,66,69 電流センサ、67,68 温度センサ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルストロークセンサ、87 車速センサ、D11〜D16,D21〜D26,D31,D32,D51,D52,D61,D62 ダイオード、L1,L2 リアクトル、MG1,MG2 モータ、T11〜T16,T21〜26,T31,T32,T51,T52,T61,T62 トランジスタ。

Claims (5)

  1. 動力を入出力可能な電動機を少なくとも1つ含む駆動系と、
    充放電可能な複数の蓄電手段と、前記複数の蓄電手段の各々と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記複数の蓄電手段の各々からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な複数の電圧調整供給手段と、を含む電力供給系と、
    前記複数の蓄電手段の各々で充放電される充放電電力を検出する充放電電力検出手段と、
    前記電動機を駆動すべき目標駆動状態に基づいて前記電動機側の目標電圧を設定する目標電圧設定手段と、
    前記目標駆動状態に基づいて前記複数の蓄電手段の各々について充放電すべき目標充放電電力を設定する目標充放電電力設定手段と、
    前記電動機側の電圧が前記設定された目標電圧になると共に前記複数の蓄電手段の各々が前記設定された目標充放電電力で充放電されるよう前記複数の電圧調整供給手段を制御する電圧調整制御手段と、
    前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記設定された目標充放電電力と前記検出された充放電電力との偏差を積算した電力偏差積算値が予め設定された電力偏差用閾値未満であり且つ前記複数の蓄電手段の各々に設定された目標充放電電力の総和と前記検出された複数の蓄電手段の各々の充放電電力の総和との偏差を積算した総和偏差積算値が予め設定された総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値未満であるときには前記電力供給系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系または前記電力供給系の少なくとも一方に異常が生じていると判定する異常判定手段と、
    を備える駆動装置。
  2. 請求項1記載の駆動装置であって、
    前記電力供給系は、充放電可能な第1蓄電手段と、該第1蓄電手段と並列に接続された第2蓄電手段と、前記第1蓄電手段と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記第1蓄電手段からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な第1電圧調整供給手段と、前記第2蓄電手段と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記第2蓄電手段からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な第2電圧調整供給手段と、を含み、
    前記充放電電力検出手段として、前記第1蓄電手段で充放電される充放電電力である第1充放電電力を検出する第1充放電電力検出手段と、前記第2蓄電手段で充放電される充放電電力である第2充放電電力を検出する第2充放電電力検出手段と、を含み、
    前記目標充放電電力設定手段は、前記目標駆動状態に基づいて前記第1蓄電手段を充放電すべき第1目標充放電電力と前記第2蓄電手段を充放電すべき第2目標充放電電力を設定する手段であり、
    前記電圧調整制御手段は、前記電動機側の電圧が前記設定された目標電圧になるよう前記第1電圧調整供給手段を制御すると共に前記第1蓄電手段および前記第2蓄電手段が前記設定された目標充放電電力で充放電されるよう前記第2電圧調整供給手段を制御する手段であり、
    前記総和偏差積算値は、前記設定された第1目標充放電電力と前記設定された第2目標充放電電力との和と前記検出された第1充放電電力と前記検出された第2充放電電力との和との偏差を積算した値であり、
    前記異常判定手段は、前記設定された第2目標充放電電力と前記検出された第2充放電電力との偏差を積算した第2電力偏差積算値が予め設定された第2電力偏差用閾値未満であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系に異常が生じていると判定し、前記第2電力偏差積算値が前記第2電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値未満であるときには前記電力供給系に異常が生じていると判定し、前記第2電力偏差積算値が前記第2電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系または前記電力供給系に異常が生じていると判定する手段である
    駆動装置。
  3. 請求項1または2記載の駆動装置であって、
    前記駆動系は、動力を入出力可能な電動機を2つ含んでなる、
    駆動装置。
  4. 請求項3記載の駆動装置と、
    内燃機関と、
    該内燃機関の出力軸と前記駆動系の電動機のうちの1つの回転軸と車軸に連結された駆動軸との3軸に接続され、いずれか2軸に入出力される動力に基づく動力を残余の軸に入出力する3軸式動力入出力手段と、
    を備え、
    前記駆動系の残余の電動機は、回転軸が前記駆動軸に接続されてなる
    車両。
  5. 動力を入出力可能な電動機を少なくとも1つ含む駆動系と、充放電可能な複数の蓄電手段と、前記複数の蓄電手段の各々と前記電動機との電力のやり取りに介在して前記複数の蓄電手段の各々からの電力を電圧を調整して前記電動機側に供給可能な複数の電圧調整供給手段とを含む電力供給系と、前記複数の蓄電手段の各々で充放電される充放電電力を検出する充放電電力検出手段と、前記電動機を駆動すべき目標駆動状態に基づいて前記電動機側の目標電圧を設定する目標電圧設定手段と、前記目標駆動状態に基づいて前記複数の蓄電手段の各々について充放電すべき目標充放電電力を設定する目標充放電電力設定手段と、前記電動機側の電圧が前記設定された目標電圧になると共に前記複数の蓄電手段の各々が前記設定された目標充放電電力で充放電されるよう前記複数の電圧調整供給手段を制御する電圧調整制御手段と、を備える駆動装置の異常を判定する異常判定方法であって、
    前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記設定された目標充放電電力と前記検出された充放電電力との偏差を積算した電力偏差積算値が予め設定された電力偏差用閾値未満であり且つ前記複数の蓄電手段の各々に設定された目標充放電電力の総和と前記検出された複数の蓄電手段の各々の充放電電力の総和との偏差を積算した総和偏差積算値が予め設定された総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値未満であるときには前記電力供給系に異常が生じていると判定し、前記複数の蓄電手段の少なくとも1つについて前記電力偏差積算値が前記電力偏差用閾値以上であり且つ前記総和偏差積算値が前記総和偏差用閾値以上であるときには前記駆動系または前記電力供給系の少なくとも一方に異常が生じていると判定する
    ことを特徴とする駆動装置の異常判定方法。
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