JP2007129799A - モータ駆動装置およびそれを備えるハイブリッド車駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リンプフォーム走行時の車両の走行距離を伸ばすことが可能なモータ駆動装置およびそれを備えたハイブリッド車駆動装置を提供する。
【解決手段】主制御部は、エンジンENGまたはモータジェネレータMG1の異常が検出されると、メインバッテリMBの電力を用いてモータジェネレータMG2のみを駆動するリンプフォーム走行に移行する。主制御部は、メインバッテリMBの充電量が所定値以下に減少したと判定されると、メインバッテリMBからの電力供給経路を遮断し、かつ補機バッテリSBからの直流電圧が昇圧されて電源線PL1,PL2に供給されるように、DC/DCコンバータ42の電圧変換動作を制御する。補機バッテリSBはECU関係の電源であることを考慮し、補機バッテリSBからのモータジェネレータMG2への電力供給は、これらの正常動作が確保される充電量の範囲内で行なわれる。
【選択図】図1
【解決手段】主制御部は、エンジンENGまたはモータジェネレータMG1の異常が検出されると、メインバッテリMBの電力を用いてモータジェネレータMG2のみを駆動するリンプフォーム走行に移行する。主制御部は、メインバッテリMBの充電量が所定値以下に減少したと判定されると、メインバッテリMBからの電力供給経路を遮断し、かつ補機バッテリSBからの直流電圧が昇圧されて電源線PL1,PL2に供給されるように、DC/DCコンバータ42の電圧変換動作を制御する。補機バッテリSBはECU関係の電源であることを考慮し、補機バッテリSBからのモータジェネレータMG2への電力供給は、これらの正常動作が確保される充電量の範囲内で行なわれる。
【選択図】図1
Description
この発明は、モータを駆動するモータ駆動装置、およびそれを備えるハイブリッド車駆動装置にする。
最近、環境に配慮した自動車として、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が注目されている。ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、インバータを介して直流電源により駆動されるモータを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
また、電気自動車は、インバータを介して直流電源によって駆動されるモータを動力源とする自動車である。
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給されるように構成したシステムについても検討されている(たとえば特許文献1および2参照)。
また、ハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を降圧し、その降圧した直流電圧をライト等の負荷に供給することが行なわれている(たとえば特許文献3参照)。
ところで、ハイブリッド自動車においては、エンジンまたはエンジンの出力軸に結合される発電機に異常が検出されると、エンジンを動力源とした走行が不可能となることから、車両の走行状態を、エンジンおよび発電機を停止状態とし、モータのみによって走行を続行する、いわゆる「リンプフォーム走行」に移行する。そして、このリンプフォーム走行を行なうことによって、車両を他の車両や歩行者等の妨げにならない場所まで移動可能とする。
しかしながら、リンプフォーム走行時には、発電機で電力を回生することも出来なくなるため、走行可能な距離は、直流電源の充電量により制限されてしまう。
そこで、リンプフォーム走行時の走行距離を伸ばす手段として、たとえば特許文献1は、エンジンやエンジンの出力軸に結合された第1のモータに異常が発生し、二次電池の充電量が減少している場合には、モータの動力性能を低減させるようにモータを制御する技術を開示する。
これによれば、二次電池の充電量が減少している場合でも、動力性能を低減させたことによりモータで消費される電力が少なくなるため、二次電池の充電量が減少する割合が緩やかとなり、車両の走行距離を伸ばすことができる。
特開2001−320806号公報
特開2001−329884号公報
特開2002−176704号公報
しかしながら、上記の特許文献1によっても、リンプフォーム走行時の走行距離は、直流電源の限られた充電量の範囲内でしか伸ばすことができない。そのため、直流電源の充電量が低い場合には、車両を安全な場所まで避難させることができない可能性がある。
したがって、異常発生時の車両の安全性を保障するフェイルセーフ機能をより一層充実させるためには、限られた直流電源の充電量の下で走行距離をさらに伸長できることが望まれる。
それゆえ、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、リンプフォーム走行時の車両の走行距離を伸ばすことが可能なモータ駆動装置およびそれを備えたハイブリッド車駆動装置を提供することである。
この発明によれば、モータ駆動装置は、車両駆動用のモータと、電源線へ電力を供給可能に設けられた第1電源と、電源線とモータとの間に設けられ、第1電源からの第1の直流電圧を受けてモータを駆動制御するための電力変換を行なう駆動回路と、電源線に対して第1電源に並列に接続され、第1の直流電圧よりも低い第2の直流電圧を受けて充電される第2電源と、第2電源と電源線との間で第1の直流電圧を第2の直流電圧へ変換する電圧変換器と、第1電源および第2電源の充電量に応じて、車両の走行中に第2の直流電圧を第1の直流電圧へ変換して電源線へ供給するように電圧変換器を制御する制御装置とを備える。
上記のモータ駆動装置によれば、制御装置は、電圧変換器に昇圧動作を実行させることにより、第1電源に加え、第2電源に蓄えられた電力を用いてモータを駆動する。その結果、モータを動力源とした車両において、第1電源のみの電力を用いた場合に対して走行距離を伸ばすことができる。
好ましくは、制御装置は、第1電源から電源線に電力を供給してモータを駆動制御する第1の駆動制御手段と、第1電源の充電量が所定のしきい値以下となったことに応じて、第1電源を電源線から電気的に切り離して第1電源からの電力供給を停止し、かつ、第2電源から電源線に電力を供給してモータを駆動制御する第2の駆動制御手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、第1電源の充電量が減少して所定のしきい値を下回ったときには、電力供給経路を第2電源に切換えてモータ駆動を継続するため、モータを動力源とした車両において、第1電源のみの電力を用いた場合に対して走行距離を伸ばすことができる。
好ましくは、第1の駆動制御手段は、第1電源の充電量が減少するに従ってモータの動力性能を低減させるようにモータを駆動制御する。第2の駆動制御手段は、第2電源の充電量が減少するに従ってモータの動力性能を低減させるようにモータを駆動制御する。
上記のモータ駆動装置によれば、モータの動力性能を低減させることによってモータで消費される電力が抑えられる。これにより、第1電源および第2電源の充電量が減少する速度を抑えることができ、モータを動力源とした車両の走行距離をより一層伸ばすことができる。
好ましくは、第1の駆動制御手段は、第1電源の充電量が減少するに従ってモータの最大回転数を低減させるようにモータを駆動制御する。第2の駆動制御手段は、第2電源の充電量が減少するに従ってモータの最大回転数を低減させるようにモータを駆動制御する。
上記のモータ駆動装置によれば、モータ最大回転数を低減させることによってモータの動力性能が減少するため、モータで消費される電力が抑えられる。これにより、第1電源および第2電源の充電量の減少速度を抑えることができ、モータを動力源とした車両の走行距離を伸ばすことができる。
好ましくは、制御装置は、第1電源から電源線に電力を供給してモータを駆動制御する駆動制御手段と、第1電源の充電量が所定のしきい値以下となったことに応じて、第2の直流電圧を第1の直流電圧へ変換して電源線へ供給するように電圧変換器を制御する電圧変換器を制御する電圧変換制御手段とを含む。
上記のモータ駆動装置によれば、第1電源の電力を用いたモータ駆動時において、第1電源の充電量の減少に応じて第2電源からの直流電力が第1電源の充電用またはモータ駆動用に利用される。そのため、モータを動力源とした車両において、第1電源の電力のみを用いた場合に対して走行距離を伸ばすことができる。
この発明によれば、ハイブリッド車を駆動するハイブリッド車駆動装置は、内燃機関と、内燃機関に接続された発電機と、モータを駆動する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置とを備える。駆動回路は、第1電源または発電機の少なくともいずれか一方から電源線を介して電力の供給を受けてモータを駆動し、内燃機関または発電機の異常検出に応じて、第1電源および第2電源の少なくとも一方から電源線を介して電力の供給を受けてモータを駆動する。
上記のハイブリッド車駆動装置によれば、内燃機関または発電機の異常検出に応じて実行されるリンプフォーム走行における走行距離を伸ばすことができる。その結果、異常検出時の車両の安全を保障するフェイルセーフ機能が保証される。
好ましくは、第1電源は、車両駆動用のバッテリであり、第2電源は、車両の補機を駆動するためのバッテリである。
上記のハイブリッド車駆動装置によれば、補機バッテリの電力をモータ駆動または車両駆動用バッテリの充電に用いることにより、新たな蓄電機構を設けることなく、リンプフォーム走行時の走行距離を伸ばすことができる。
この発明によれば、第1電源に加え、第2電源に蓄えられた電力を用いてモータを駆動することから、モータを動力源とした車両において、第1電源のみの電力を用いた場合に対して走行距離を伸ばすことができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従うモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1は、この発明の実施の形態1に従うモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、モータ駆動装置100は、メインバッテリMBと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14,31と、電流センサ24,28と、電圧センサ10,20と、モータ制御部30とを備える。
エンジンENGは、ガソリンなどの燃料の燃焼エネルギーを源として駆動力を発生する。エンジンENGの発生する駆動力は、図1の太斜線で示すように、動力分割機構50により、2つの経路に分割される。一方は、図示しない減速機を介して車輪を駆動する駆動軸に伝達する経路である。もう一方は、モータジェネレータMG1へ伝達する経路である。
モータジェネレータMG1,MG2は、発電機としても電動機としても機能し得るが、以下に示すように、モータジェネレータMG1は、主として発電機として動作し、モータジェネレータMG2は、主として電動機として動作する。
詳細には、モータジェネレータMG1は、三相交流回転機であり、加速時において、エンジンENGを始動する始動機として用いられる。このとき、モータジェネレータMG1は、バッテリBからの電力の供給を受けて電動機として駆動し、エンジンENGをクランキングして始動する。
さらに、エンジンENGの始動後において、モータジェネレータMG1は、動力分割機構50を介して伝達されたエンジンENGの駆動力によって回転されて発電する。
モータジェネレータMG1の発電した電力は、車両の運転状態やバッテリBの充電量によって使い分けられる。たとえば、通常走行時や急加速時においては、モータジェネレータMG1の発電した電力は、そのままモータジェネレータMG2を駆動させる電力となる。一方、バッテリBの充電量が所定の値よりも低いときには、モータジェネレータMG1の発電した電力は、インバータ14によって交流電力から直流電力に変換されてバッテリBに蓄えられる。
モータジェネレータMG2は、三相交流回転機であり、バッテリBに蓄えられた電力およびモータジェネレータMG1が発電した電力の少なくともいずれか一方によって駆動される。モータジェネレータMG2の駆動力は、減速機を介して車輪の駆動軸に伝達される。これにより、モータジェネレータMG2は、エンジンENGをアシストして車両を走行させたり、自己の駆動力のみによって車両を走行させたりする。
また、車両の回生制動時には、モータジェネレータMG2は、減速機を介して車輪により回転されて発電機として動作する。このとき、モータジェネレータMG2により発電された回生電力は、インバータ31を介してバッテリBに充電される。
システムリレーSR1は、バッテリBの正極と昇圧コンバータ12との間に接続される。システムリレーSR2は、バッテリBの負極と昇圧コンバータ12との間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、モータ制御部30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、モータ制御部30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEBによりオンされ、モータ制御部30からのL(論理ロー)レベルの信号SEBによりオフされる。
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端はバッテリBの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続されている。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
各相アームの中間点は、モータジェネレータMG1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG1は、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
インバータ31は、インバータ14と同様の構成から成る。
メインバッテリMBは、走行用バッテリであって、たとえばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの2次電池セルを多数直列に接続して構成される高電圧のバッテリである。なお、メインバッテリMBを、これらの2次電池以外に、キャパシタ、コンデンサあるいは燃料電池などで構成しても良い。電圧センサ10は、メインバッテリMBから出力される直流電圧VBmを検出し、その検出した直流電圧VBmをモータ制御部30へ出力する。
メインバッテリMBは、走行用バッテリであって、たとえばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの2次電池セルを多数直列に接続して構成される高電圧のバッテリである。なお、メインバッテリMBを、これらの2次電池以外に、キャパシタ、コンデンサあるいは燃料電池などで構成しても良い。電圧センサ10は、メインバッテリMBから出力される直流電圧VBmを検出し、その検出した直流電圧VBmをモータ制御部30へ出力する。
コンデンサC1は、バッテリBから供給された直流電圧VBmを平滑化し、その平滑化した直流電圧VBmを昇圧コンバータ12へ供給する。
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧VBmを昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、モータ制御部30から信号PWMCを受けると、信号PWMCによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧VBmを昇圧してコンデンサC2に供給する。
また、昇圧コンバータ12は、モータ制御部30から信号PWMCを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14および/またはインバータ31から供給された直流電圧を降圧してバッテリBを充電する。
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14,31へ供給する。電圧センサ20は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(インバータ14,31への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmをモータ制御部30へ出力する。
インバータ14は、コンデンサC2を介してバッテリBから直流電圧が供給されるとモータ制御部30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG1を駆動する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値TR1に従ったトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG1が発電した交流電圧をモータ制御部30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
インバータ31は、コンデンサC2を介してバッテリBから直流電圧が供給されるとモータ制御部30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG2を駆動する。これにより、モータジェネレータMG2は、トルク指令値TR2に従ったトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ31は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG2が発電した交流電圧をモータ制御部30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1をモータ制御部30へ出力する。電流センサ28は、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2をモータ制御部30へ出力する。
モータ駆動装置100は、さらに、高電圧のメインバッテリMBとは別に、補機電装品に電力を供給する補機バッテリSBと、メインバッテリMBの電力を降圧して補機バッテリSBに供給するDC/DCコンバータ42と、電圧センサ40とを備える。
補機バッテリSBは、たとえば鉛蓄電池である。補機バッテリSBから電力供給を受けて動作する補機電装品としては、車両の走行を制御するエンジンECU、パワートレインECU、ブレーキECUなどのECU関係、灯火装置、点火装置、電動ポンプなどが含まれる。電圧センサ40は、補機バッテリSBから出力される直流電圧VBsを検出し、その検出した直流電圧VBsをモータ制御部30へ出力する。
DC/DCコンバータ42は、昇圧および降圧動作が可能な双方向DC/DCコンバータである。詳細には、DC/DCコンバータ42は、モータ制御部30からの信号DRVによって駆動され、メインバッテリMBから供給される電力の電圧を降圧して補機バッテリSBへ供給する。また、DC/DCコンバータ42は、後述するように、モータ制御部30からの信号DRVによって補機バッテリSBから供給された電力を昇圧して昇圧コンバータ12を介してモータジェネレータMG2へ供給する。
図2は、図1におけるDC/DCコンバータ42の回路図である。
図2を参照して、DC/DCコンバータ42は、入力端子43,44と、NPNトランジスタQ9〜Q12と、ダイオードD9〜D14と、トランスT1と、コイルL2と、コンデンサC3と、出力端子45,46とを含む。
図2を参照して、DC/DCコンバータ42は、入力端子43,44と、NPNトランジスタQ9〜Q12と、ダイオードD9〜D14と、トランスT1と、コイルL2と、コンデンサC3と、出力端子45,46とを含む。
入力端子43,44は、メインバッテリMBから直流電圧を受け、その受けた直流電圧をNPNトランジスタQ9,Q10およびNPNトランジスタQ11,Q12の両端に供給する。
NPNトランジスタQ9,Q10は、電源電圧と接地電圧との間に直列に接続される。NPNトランジスタQ11,Q12は、電源電圧と接地電圧との間に直列に接続される。NPNトランジスタQ9,Q10は、電源電圧と接地電圧との間に、NPNトランジスタQ11,Q12と並列に接続される。各NPNトランジスタQ9〜Q12のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD9〜D12がそれぞれ接続されている。
NPNトランジスタQ9〜Q12は、図1のモータ制御部30に含まれるDC/DCコンバータ制御手段からの信号DRVに応じてオン/オフされる。
トランスT1は、その一次側コイルが、NPNトランジスタQ9,Q10の接続ノードと、NPNトランジスタQ11,Q12の接続ノードとの間に配される。さらに、一次側コイルに対向するように、トランスT1の二次側コイルが配される。
ダイオードD13は、トランスT1の二次側コイルからコイルL1に電流を流すようにトランスT1の二次側コイルとコイルL2との間に接続される。
ダイオードD14は、ダイオードD13とコイルL2との接続ノードから二次側コイルの低圧側へ出力電流が流れ込むのを阻止するように、トランスT1の二次側コイルとコイルL2との間に接続される。
コイルL2は、ダイオードD13と出力端子45との間に接続される。コンデンサC3は、コイルL2の出力側と接地電圧との間に接続され、コイルL2からの出力電圧を平滑化して出力端子45に与える。
以上の構成において、NPNトランジスタQ9,Q12がオンされ、NPNトランジスタQ10,Q11がオフされると、電源電圧〜NPNトランジスタQ9〜トランスT1の一次側コイル〜NPNトランジスタQ12〜接地電圧の経路で入力電流が流れる。そして、トランスT1は、一次側コイルと二次側コイルとの巻線比に応じて入力電圧を降圧して出力電圧を出力する。
DC/DCコンバータ42の二次側では、トランスT1の二次側コイル〜ダイオードD13〜コイルL2〜補機バッテリSB〜接地電圧の経路で出力電流が流れる。
NPNトランジスタQ9,Q12がオン/オフされる割合、つまりデューティ比に応じて、入力電流が変化し、トランスT1に印加される電圧が変化する。すなわち、NPNトランジスタQ9,Q12のオンデューティが大きくなると、入力電流が増加してトランスT1に印加される電圧が増加する。一方、NPNトランジスタQ9,Q12のオンデューティが小さくなると、入力電流が減少してトランスT1に印加される電圧が減少する。
そして、トランスT1は、トランスT1に印加される電圧を、その電圧レベルに応じて降圧するので、DC/DCコンバータの二次側の出力電圧は、トランスT1に印加される電圧に応じて変化する。
したがって、NPNトランジスタQ9,Q12のオンデューティ比を制御することで、DC/DCコンバータ42の出力電圧を補機バッテリSBの目標とする所望の充電電圧となるように制御することができる。
再び図1を参照して、モータ制御部30は、図示しない主制御部とともに、HVECU(Hybrid Vehicle Electrical Control Unit)に含まれる。モータ制御部30は、主制御部からトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を受け、電圧センサ10から直流電圧VBmを受け、電圧センサ20から昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(すなわち、インバータ14,31への入力電圧)を受け、電圧センサ40から直流電圧VBsを受け、電流センサ24からモータ電流MCRT1を受け、電流センサ28からモータ電流MCRT2を受ける。
そして、モータ制御部30は、出力電圧Vm、トルク指令値TR1およびモータ電流MCRT1に基づいて、インバータ14がモータジェネレータMG1を駆動するときにインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWM1をインバータ14へ出力する。
また、モータ制御部30は、出力電圧Vm、トルク指令値TR2およびモータ電流MCRT2に基づいて、インバータ31がモータジェネレータMG2を駆動するときにインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。
さらに、モータ制御部30は、インバータ14(または31)がモータジェネレータMG1(またはMG2)を駆動するとき、直流電圧VBm、出力電圧Vm、トルク指令値TR1(またはTR2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMCを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
さらに、モータ制御部30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
さらに、モータ制御部30は、直流電圧VBmおよび直流電圧VBsに基づいて、後述する方法によりメインバッテリMBからの直流電圧で補機バッテリSBを充電するときにDC/DCコンバータ42のNPNトランジスタQ9〜Q12をスイッチング制御するための信号DRVを生成し、その生成した信号DRVをDC/DCコンバータ42へ出力する。
また、モータ制御部30は、直流電圧VBmおよび直流電圧VBsに基づいて、後述する方法により補機バッテリSBから供給された電力を昇圧して昇圧コンバータ12を介してモータジェネレータMG2へ供給するときにDC/DCコンバータ42のNPNトランジスタQ9〜Q12をスイッチング制御するための信号DRVを生成し、その生成した信号DRVをDC/DCコンバータ42へ出力する。
図3は、図1のモータ制御部30を含むハイブリッド制御システムの機能ブロック図である。
図3を参照して、ハイブリッド制御システムは、HVECU60と、バッテリECU66と、エンジンECU68と、シフトポジションセンサ70と、アクセルポジションセンサ72とを含む。
シフトポジションセンサ70は、運転者により操作されたシフトレバー(図示せず)の位置(シフトポジション)を検出し、その検出したシフトポジションSPを主制御部62へ出力する。
アクセルポジションセンサ72は、運転者によるアクセルの踏込み量APを検出し、その検出したアクセル踏込み量APを主制御部62へ出力する。
バッテリECU66は、電圧センサ10から直流電圧VBmを受け、電圧センサ40から直流電圧VBsを受ける。そして、バッテリECU66は、直流電圧VBmに基づいてメインバッテリMBの充電量(SOC:State Of Charge)SOC(MB)を推定し、その推定したSOC(MB)を主制御部62へ出力する。また、バッテリECU66は、直流電圧VBsに基づいて補機バッテリSBの充電量SOC(SB)を推定し、その推定した充電量SOC(SB)を主制御部62へ出力する。
HVECU60は、主制御部62と、モータ制御部30と、異常検出部64とを含む。
主制御部62は、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1,MG2の回転数やトルクの配分等の制御量を決定し、その決定した制御量に基づいてモータ制御部30およびエンジンECU68に各種の要求値を供給する。
主制御部62は、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1,MG2の回転数やトルクの配分等の制御量を決定し、その決定した制御量に基づいてモータ制御部30およびエンジンECU68に各種の要求値を供給する。
すなわち、主制御部62は、シフトポジションセンサ70からシフトポジションSPを受け、アクセルポジションセンサ72からアクセル踏込み量APを受け、バッテリECU66からメインバッテリMBの充電量SOC(MB)および補機バッテリSBの充電量SOC(SB)を受け、エンジンECU68からエンジン回転数MRNEを受ける。
主制御部62は、シフトポジションSPおよびアクセルポジションAPに基づいて運転者の要求出力を算出する。また、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)に基づいてメインバッテリMBへの充電要求値を決定する。すなわち、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定のしきい値を下回り、充電が必要な場合には、運転者の要求出力よりも大きい動力をエンジンENGに出力させて、その一部をモータジェネレータMG1によるメインバッテリMBの充電動作に配分する。
そして、主制御部62は、運転者の要求出力とメインバッテリMBへの充電要求値とから車両の走行に必要な駆動力を算出し、その算出した駆動力が得られるようにエンジンENGおよびモータジェネレータMG1,MG2を制御する。
具体的には、主制御部62は、エンジンECU68に対しては、出力要求値PEreqと目標回転数MRNE*とを出力する。これにより、エンジンECU68は、目標回転数MRNE*と実回転数MRNEとを一致させるように、エンジンENGの出力する動力(回転数×トルク)を制御する。
また、主制御部62は、モータ制御部30に対しては、モータジェネレータMG1,MG2の要求出力(回転数×トルク)から決定したトルク指令値TR1,TR2を出力する。モータ制御部30は、トルク指令値TR1,TR2から変換したモータ駆動電流の電流指令に基づいて、実際のモータ駆動電流を電流指令に一致させるための電流制御を行なう。
さらに、主制御部62は、バッテリECU66から補機バッテリSBの充電量SOC(SB)を受けると、充電量SOC(MB)が補機電装品を正常動作させるのに必要な所定量以下であるか否かを判定する。そして、充電量SOC(SB)が所定量以下と判定されると、主制御部62は、充電要求を示す信号CRを生成してモータ制御部30へ出力する。これにより、モータ制御部30は、メインバッテリMBからの直流電圧を降圧して補機バッテリSBに供給するようにDC/DCコンバータ42を制御する。
また、主制御部62は、後述するように、補機バッテリSBからの電力を用いてモータジェネレータMG2を駆動する場合に、放電要求を示す信号DRを生成してモータ制御部30へ出力する。これにより、モータ制御部30は、補機バッテリSBからの直流電圧を昇圧して昇圧コンバータ12に供給するようにDC/DCコンバータ42を制御する。
詳細には、モータ制御部30は、インバータ制御手段301と、コンバータ制御手段302と、DC/DCコンバータ制御手段303とを含む。
インバータ制御手段301は、トルク指令値TR1,2、モータ電流MCRT1,2および入力電圧Vmに基づいて、モータジェネレータMG1またはMG2の駆動時、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMI1と、インバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMI2とを生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力し、生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。
より具体的には、インバータ制御手段301は、入力電圧Vm、モータ電流MCRT1およびトルク指令値TR1に基づいて、モータジェネレータMG1の各相コイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果に基づいてインバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1を生成する。そして、インバータ制御回路301は、生成した信号PWMI1をインバータの各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
これにより、インバータ14の各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、モータジェネレータMG1が指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。
また、インバータ制御手段301は、入力電圧Vm,モータ回転数MRN2およびトルク指令値TR2に基づいて、上述した方法によって信号PWMI2を生成してインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
これにより、インバータ31の各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、モータジェネレータMG2が指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG2の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR2に応じたモータトルクが出力される。
コンバータ制御手段302は、トルク指令値TR1(またはTR2)、モータ回転数MRN1(またはMRN2)、直流電圧VBmおよび出力電圧Vmに基づいて、モータジェネレータMG1またはMG2の駆動時、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。
DC/DCコンバータ制御手段303は、主制御部62から補機バッテリSBの充電要求を示す信号CRを受けると、直流電圧VBmおよび直流電圧VBsに基づいて、DC/DCコンバータ42のNPNトランジスタQ9〜Q12をオン/オフするための信号DRVを生成してDC/DCコンバータ42へ出力する。これにより、DC/DCコンバータ42は、メインバッテリMBからの直流電圧VBmを降圧して補機バッテリSBへ供給する。
また、DC/DCコンバータ制御手段303は、主制御部62から補機バッテリSBの放電要求を示す信号DRを受けると、直流電圧VBmおよび直流電圧VBsに基づいて、DC/DCコンバータ42のNPNトランジスタQ9〜Q12をオン/オフするための信号DRVを生成してDC/DCコンバータ42へ出力する。これにより、DC/DCコンバータ42は、補機バッテリSBからの直流電圧を昇圧して昇圧コンバータ12へ供給する。
ここで、図1のモータ駆動装置100を搭載したハイブリッド車両において、走行中にエンジンENGまたはモータジェネレータMG1に異常が生じた場合を考える。
すなわち、エンジンENGまたはそれに関連した部分に異常が生じた場合には、エンジンENGがストールするため、エンジンENGを動力源とした走行が不可能となる。あるいは、エンジンENGの停止中にモータジェネレータMG1またはそれに関連する部分に異常が生じた場合においても、エンジンENGを始動させることが出来ないため、エンジンENGを動力源とした走行が不可能となる。
さらには、エンジンENGやモータジェネレータMG1に異常が生じると、モータジェネレータMG1で電力を回生することも不可能となるため、メインバッテリMBに電力を供給することも出来なくなってしまう。
そこで、このような不具合に対処するために、主制御部62は、エンジンENGまたはモータジェネレータMG1の異常が検出されると、ハイブリッド車両の走行状態を、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態とし、モータジェネレータMG2のみによって走行を続行する、いわゆる「リンプフォーム走行」に移行する。そして、このリンプフォーム走行を行なうことによって、車両を他の車両や歩行者等の妨げにならない場所まで移動可能とする。
このとき、モータ駆動装置100においては、モータ制御部30がメインバッテリMBに蓄えられている電力を用いてモータジェネレータMG2を駆動する。そのため、リンプフォーム走行時に走行可能な距離は、メインバッテリMBの充電状態によって大きく左右されることになる。すなわち、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定値に満たない場合は、モータジェネレータMG2を駆動させるために必要な電力を供給することができないために、走行可能な距離が制限される。その結果、メインバッテリMBの充電状態によっては、車両を安全な場所まで避難させることができないおそれがある。
かかるリンプフォーム走行時の走行距離を伸ばす手段としては、上述したように、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)の減少に応じてモータジェネレータMG2の動力性能を低減させる手段が検討されている。
しかしながら、この手段によっても、走行距離は、メインバッテリMBの限られた充電量SOC(MB)の範囲内でしか伸ばすことができない。異常発生時の車両の安全性を保障するフェイルセーフ機能をより高めるためには、走行距離をさらに伸長させることが求められる。
そこで、この発明によるモータ駆動装置100は、リンプフォーム走行時には、メインバッテリMBに蓄えられている電力に加えて、本来、補機電装品を駆動するために搭載された補機バッテリSBに蓄積された電力を用いてモータジェネレータMG2を駆動可能な構成とする。
なお、補機バッテリSBはECU関係を駆動するための電源であることから、補機バッテリSBからのモータジェネレータMG2への電力供給は、これらの正常動作が確保される充電量SOC(SB)の範囲内で行なわれるものとする。
さらに、本構成において、メインバッテリMBおよび補機バッテリSBの充電量の減少に応じてモータジェネレータMG2の動力性能を低減させる手段を採用することにより、モータジェネレータMG2の消費電力を抑えてメインバッテリMBおよび補機バッテリSBの充電量を緩やかに減少させることにより、走行距離のより一層の伸長を図ることとする。
以下に、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置100におけるリンプフォーム走行時のモータの駆動制御について説明する。
図4および図5は、図2のHVECU60にて実行されるリンプフォーム走行時のモータ駆動制御動作を説明するためのフローチャートである。
図4を参照して、まず、HVECU60の異常検出部64は、エンジンECU68またはモータ制御部30からの信号に基づいて、エンジンENGまたはモータジェネレータMG1に異常が検出されたか否かを判定する(ステップS01)。そして、エンジンENGまたはモータジェネレータMG1に異常が検出されたと判定されると、異常検出部64は、異常検出を指示する信号EMGを生成して主制御部62へ出力する。一方、ステップS01において、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1のいずれについても異常が検出されていないと判定されると、主制御部62は、通常の処理によって、エンジンENGの出力要求値PEreqおよびトルク指令値TR1,TR2を算出して、エンジンECU68およびモータ制御部30へそれぞれ出力する(ステップS02)。
ステップS01において、主制御部62は、異常検出部64から信号EMGを受けると、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態とするとともに、メインバッテリMBおよび補機バッテリSBに蓄積された電力を用いてモータジェネレータMG2を駆動し、モータジェネレータMG2のみによるリンプフォーム走行に移行する。
このとき、主制御部62は、ステップS03以降に示すように、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が減少するに従ってモータジェネレータMG2の動力性能を低減させるように、モータジェネレータMG2の要求出力(回転数×トルク)を制御する。
具体的には、主制御部62は、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定値A1以下であるか否かを判定する(ステップS03)。この判定において、主制御部62は、図6に示すメインバッテリMBからの直流電圧VBmと充電量SOC(MB)との関係を予めマップとして有しており、電圧センサ10からの直流電圧VBmから充電量SOC(MB)を推定する。主制御部62は、図6の関係において、リンプフォーム走行に必要な電力がメインバッテリMBに蓄積されているか否かの判断基準として所定値A1を設定し、推定した充電量SOC(MB)が所定値A1以下であるか否かを判定する。
なお、主制御部62は、メインバッテリMBを流れる電流を積算して充電量SOC(MB)を推定する構成としても良い。
ステップS03において充電量SOC(MB)が所定値A1を上回ると判定されると、主制御部62は、メインバッテリMBにリンプフォーム走行に必要な電力が十分に蓄えられていると判断して、運転者の要求に従った走行を行なうようにモータジェネレータMG2を駆動制御する。
すなわち、主制御部62は、アクセルペダル踏込み量AP等から算出される運転者の要求出力P2tagと、モータ回転数MRN2とに基づいてモータジェネレータMG2の要求トルクT2tagを算出する(ステップS09)。そして、主制御部62は、エンジンECU68に対して出力要求値PEreq=0を出力するとともに、モータ制御部30に対して、モータジェネレータMG1のトルク指令値として、TR1=0を出力し、モータジェネレータMG2のトルク指令値として、TR2=T2tagを出力する(ステップS10)。
一方、ステップS03において充電量SOC(MB)が所定値A1以下であると判定されると、主制御部62は、モータジェネレータMG2で消費される電力を制限しつつ、モータジェネレータMG2による走行が行なわれるように、要求出力を決定する。
具体的には、主制御部62は、充電量SOC(MB)が減少するに従って、モータジェネレータMG2の回転数MRN2を、予め設定した最大回転数MRN2_max1以下となるように制限する(ステップS04)。
図7は、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)とモータジェネレータMG2の最大回転数MRN2_max1との関係を示す図である。
図7に示すように、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定値A1を上回っている場合は、モータ回転数MRN2は何ら制限を受けることがない。一方、充電量SOC(MB)が所定値A1以下となる場合には、モータ回転数MRN2は最大回転数MRN2_max1が設定され、最大回転数MRN_max1以下となるように制限される。
なお、最大回転数MRN2_max1は、充電量SOC(MB)が低下するに従って減少するように設定される。最大回転数MRN2_max1は、最終的に所定の回転数MRN_lim1に収束し、充電量SOC(MB)が減少しても、もはやそれ以上下がることがない。これにより、ハイブリッド車両の最低限の走行が保証されるように設定される。
主制御部62は、図7に示すマップを予め記憶しており、バッテリECU66からの充電量SOC(MB)に基づいて、マップの中から対応する最大回転数MRN2_max1を求める。
次に、主制御部62は、実際のモータ回転数MRN2がステップS07で求めた最大回転数MRN2_max1を上回っているか否かを判定する(ステップS05)。モータ回転数MRN2が最大回転数MRN2_max1以下であると判定されると、主制御部62は、モータ回転数MRN2が制限内にあって運転者の要求通りの出力を出しても問題がないと判断し、運転者の要求に従った走行を行なうようにモータジェネレータMG2を駆動制御する(ステップS09)。
一方、ステップS05においてモータ回転数MRN2が最大回転数MRN2_max1を上回ると判定されると、主制御部62は、モータ回転数MRN2が最大回転数MRN2_max1と等しくなるようなモータジェネレータMG2の要求トルクT2tagを算出する。たとえば主制御部62は、モータ回転数MRN2と最大回転数MRN2_max1との偏差に所定の比例定数を掛けて得られる比例項と、偏差の時間積分値に所定の比例定数を掛けて得られる積分項との和から、要求トルクT2tagを算出する。
そして、主制御部62は、エンジンECU68に対して出力要求値PEreq=0を出力するとともに、モータ制御部30に対して、モータジェネレータMG1のトルク指令値として、TR1=0を出力し、モータジェネレータMG2のトルク指令値TR2として、ステップS06で算出した要求トルクT2tagを出力する(ステップS07)。
そして、ステップS07,S10により、エンジンECU68およびモータ制御部30のそれぞれに出力要求値PEreqおよびトルク指令値TR1,TR2が出力されると、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1は共に停止状態となり、モータジェネレータMG2のみが要求トルクT2tagを出力するように駆動制御される。
以上のステップS03〜S07,S09およびS10に基づいたモータジェネレータMG2の駆動制御は、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定値A2以下となるまで繰り返し実行される。そして、充電量SOC(MB)が所定値A2以下と判定されると(ステップS08)、主制御部62は、図5のステップS11へと進み、メインバッテリMBに代わって補機バッテリSBの電力を用いてモータジェネレータMG2を駆動するように、電力供給経路を切換える。そして、補機バッテリSBの電力を用いる場合においても、主制御部62は、図4と同様の手順に従って、補機バッテリSBの充電量SOC(SB)が減少するに従ってモータジェネレータMG2の動力性能を低減させるように、モータジェネレータMG2の要求出力(回転数×トルク)を制御する。
具体的には、主制御部62は、補機バッテリSBの充電量SOC(SB)が所定のしきい値B1以下であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定において、主制御部62は、図6に示す補機バッテリSBからの直流電圧VBsと充電量SOC(SB)との関係に基づいて、電圧センサ10からの直流電圧VBsから充電量SOC(SB)を推定する。主制御部62は、図6の関係において、リンプフォーム走行に必要な電力が補機バッテリSBに蓄積されているか否かの判断基準として所定値B1を設定し、推定した充電量SOC(SB)が所定値B1以下であるか否かを判定する。
ステップS12において充電量SOC(SB)が所定値B1を上回ると判定されると、主制御部62は、補機バッテリSBにリンプフォーム走行に必要な電力が十分に蓄えられていると判断して、運転者の要求に従った走行を行なうようにモータジェネレータMG2を駆動制御する。
すなわち、主制御部62は、アクセルペダル踏込み量AP等から算出される運転者の要求出力P2tagと、モータ回転数MRN2とに基づいてモータジェネレータMG2の要求トルクT2tagを算出する(ステップS19)。そして、主制御部62は、エンジンECU68に対して出力要求値PEreq=0を出力するとともに、モータ制御部30に対して、モータジェネレータMG1のトルク指令値として、TR1=0を出力し、モータジェネレータMG2のトルク指令値として、TR2=T2tagを出力する(ステップS20)。
一方、ステップS12において充電量SOC(SB)が所定値B1以下であると判定されると、主制御部62は、モータジェネレータMG2で消費される電力を制限しつつ、モータジェネレータMG2による走行が行なわれるように、要求出力を決定する。
具体的には、主制御部62は、充電量SOC(SB)が減少するに従って、モータジェネレータMG2の回転数MRN2を、予め設定した最大回転数MRN2_max2以下となるように制限する(ステップS13)。主制御部62は、図7に示す補機バッテリSBの充電量SOC(SB)とモータジェネレータMG2の最大回転数MRN2_max2との関係に基づいて、充電量SOC(SB)が所定値B1以下となる場合には、モータ回転数MRN2を最大回転数MRN2_max2に設定する。これにより、モータ回転数MRN2は、最大回転数MRN_max2以下となるように制限される。
なお、最大回転数MRN2_max2は、充電量SOC(SB)が低下するに従って減少するように設定される。最大回転数MRN2_max2は、最終的にハイブリッド車両の最低限の走行が保証される所定の回転数MRN_lim2に収束する。
次に、主制御部62は、実際のモータ回転数MRN2がステップS15で求めた最大回転数MRN2_max2を上回っているか否かを判定する(ステップS14)。モータ回転数MRN2が最大回転数MRN2_max2以下であると判定されると、主制御部62は、モータ回転数MRN2が制限内にあると判断し、運転者の要求に従った走行を行なうようにモータジェネレータMG2を駆動制御する(ステップS19)。
一方、ステップS14においてモータ回転数MRN2が最大回転数MRN2_max2を上回ると判定されると、主制御部62は、モータ回転数MRN2が最大回転数MRN2_max2と等しくなるようなモータジェネレータMG2の要求トルクT2tagを算出する。要求トルクT2tagの算出は、図4のステップS06で述べたのと同様に、モータ回転数MRN2と最大回転数MRN2_max1との偏差に基づいて行なわれる。
そして、主制御部62は、エンジンECU68に対して出力要求値PEreq=0を出力するとともに、モータ制御部30に対して、モータジェネレータMG1のトルク指令値として、TR1=0を出力し、モータジェネレータMG2のトルク指令値TR2として、ステップS15で算出した要求トルクT2tagを出力する(ステップS16)。
さらに、主制御部62は、ステップS16,S19により、エンジンECU68およびモータ制御部30のそれぞれに出力要求値PEreqおよびトルク指令値TR1,TR2を出力すると、モータ制御部30のDC/DCコンバータ制御手段303に対して、補機バッテリSBの放電要求を指示する信号DRを出力する(ステップS17)。DC/DCコンバータ制御手段303は、信号DRに応じて、直流電圧VBm,VBsに基づいてDC/DCコンバータ42のNPNトランジスタトランジスタQ9〜Q12をオン/オフするための信号DRVを生成してDC/DCコンバータ42へ出力する。これにより、DC/DCコンバータ42は、補機バッテリSBからの直流電圧を昇圧して昇圧コンバータ12に供給する。
以上のステップS12〜S16,S18およびS19に基づいたモータジェネレータMG2の駆動制御は、補機バッテリSBの充電量SOC(SB)が所定値B2以下となるまで繰り返し実行される。なお、所定値B2は、補機バッテリSBが補機電装品を正常動作させるのに最低限必要な電力を蓄えるように設定される。そして、充電量SOC(SB)が所定値B2以下と判定されると(ステップS18)、主制御部62は、モータジェネレータMG2をも停止状態として、一連のモータジェネレータMG2によるリンプフォーム走行を停止する。
なお、本実施の形態では、モータジェネレータMG2の動力性能を低減させる手段として、モータジェネレータMG2のモータ回転数MRNを制限する構成としたが、これ以外に、モータジェネレータMG2の出力トルクあるいはモータ出力を制限する構成としても同様の効果を得ることができる。
以上のようにこの発明の実施の形態1によれば、リンプフォーム走行時には、メインバッテリに蓄えられている電力に加えて、補機バッテリに蓄積された電力を用いて走行用のモータジェネレータを駆動させることから、メインバッテリのみを用いたモータ走行に対して走行距離を伸ばすことができる。これにより、エンジンまたは発電機に異常が生じたときのフェイルセーフ機能を高めることができる。
さらに、メインバッテリおよび補機バッテリの充電量の減少に応じてモータジェネレータの動力性能を低減させることにより、モータジェネレータで消費される電力が抑えられる。これにより、メインバッテリおよび補機バッテリの充電量の減少速度を抑えることができ、リンプフォーム走行時の走行距離を伸ばすことができる。
[実施の形態2]
リンプフォーム走行時の走行距離を伸ばすための他の手段として、本実施の形態では、モータジェネレータMG2の駆動時に、補機バッテリSBをメインバッテリMBの補助電源として機能させるようにDC/DCコンバータ42を駆動させる構成を開示する。なお、本実施の形態にかかるモータ駆動装置およびハイブリッド制御システムは、図1のモータ駆動装置100および図3のハイブリッド制御システムとそれぞれ同様の構成であるため、これらの構成についての詳細な説明は省略する。
リンプフォーム走行時の走行距離を伸ばすための他の手段として、本実施の形態では、モータジェネレータMG2の駆動時に、補機バッテリSBをメインバッテリMBの補助電源として機能させるようにDC/DCコンバータ42を駆動させる構成を開示する。なお、本実施の形態にかかるモータ駆動装置およびハイブリッド制御システムは、図1のモータ駆動装置100および図3のハイブリッド制御システムとそれぞれ同様の構成であるため、これらの構成についての詳細な説明は省略する。
図8は、図2のHVECU60にて実行されるリンプフォーム走行時のモータ駆動制御動作を説明するためのフローチャートである。
図8を参照して、まず、HVECU60の異常検出部64は、エンジンECU68またはモータ制御部30からの信号に基づいて、エンジンENGまたはモータジェネレータMG1に異常が検出されたか否かを判定する(ステップS30)。そして、エンジンENGまたはモータジェネレータMG1に異常が検出されたと判定されると、異常検出部64は、異常検出を指示する信号EMGを生成して主制御部62へ出力する。一方、ステップS30において、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1のいずれについても異常が検出されていないと判定されると、主制御部62は、通常の処理によって、エンジンENGの出力要求値PEreqおよびトルク指令値TR1,TR2を算出して、エンジンECU68およびモータ制御部30へそれぞれ出力する(ステップS31)。
ステップS30において、主制御部62は、異常検出部64から信号EMGを受けると、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態とするとともに、メインバッテリMBおよび補機バッテリSBに蓄積された電力を用いてモータジェネレータMG2を駆動し、モータジェネレータMG2のみによるリンプフォーム走行に移行する。
このとき、主制御部62は、ステップS32以降に示すように、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定値A1以下の場合は、補機バッテリSBからの直流電圧が電源線PL1,PL2に供給されるようにDC/DCコンバータ42を昇圧動作させる。
具体的には、主制御部62は、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定値A1以下であるか否かを判定する(ステップS32)。この判定において、主制御部62は、図6に示すメインバッテリMBからの直流電圧VBmと充電量SOC(MB)との関係を予めマップとして有しており、電圧センサ10からの直流電圧VBmから充電量SOC(MB)を推定する。主制御部62は、図6の関係において、リンプフォーム走行に必要な電力がメインバッテリMBに蓄積されているか否かの判断基準として所定値A1を設定し、推定した充電量SOC(MB)が所定値A1以下であるか否かを判定する。
ステップS32において充電量SOC(MB)が所定値A1を上回ると判定されると、主制御部62は、メインバッテリMBにリンプフォーム走行に必要な電力が十分に蓄えられていると判断して、運転者の要求に従った走行を行なうようにモータジェネレータMG2を駆動制御する。
すなわち、主制御部62は、アクセルペダル踏込み量AP等から算出される運転者の要求出力P2tagと、モータ回転数MRN2とに基づいてモータジェネレータMG2の要求トルクT2tagを算出する(ステップS35)。そして、主制御部62は、エンジンECU68に対して出力要求値PEreq=0を出力するとともに、モータ制御部30に対して、モータジェネレータMG1のトルク指令値として、TR1=0を出力し、モータジェネレータMG2のトルク指令値として、TR2=T2tagを出力する(ステップS36)。
一方、ステップS03において充電量SOC(MB)が所定値A1以下であると判定されると、主制御部62は、DC/DCコンバータ42をメインバッテリMBの充電モードで動作させて、補機バッテリSBからの直流電圧を昇圧して電源線PL1,PL2に供給する。
具体的には、主制御部62は、バッテリECU66からの補機バッテリSBの充電量SOC(SB)を受けると、充電量SOC(SB)が所定値B2以上であるか否かを判定する(ステップS33)。所定値B2は、補機バッテリSBが補機電装品を正常動作させるのに最低限必要な電力を蓄えるように設定される。
そして、ステップS33において充電量SOC(SB)が所定値B2以上であると判定されると、主制御部62は、DC/DCコンバータ42をメインバッテリMBの充電モードで運転させる(ステップS34)。
すなわち、主制御部62は、モータ制御部30のDC/DCコンバータ制御手段303に対して、補機バッテリの放電要求を指示する信号DRを出力する。DC/DCコンバータ制御手段303は、信号DRに応じて、直流電圧VBm,VBsに基づいてDC/DCコンバータ42のNPNトランジスタトランジスタQ9〜Q12をオン/オフするための信号DRVを生成してDC/DCコンバータ42へ出力する。これにより、DC/DCコンバータ42は、補機バッテリSBからの直流電圧を昇圧して電源線PL1,PL2へ供給する。電源線PL1,PL2に供給された直流電力により、メインバッテリMBが充電される。または、電源線PL1,PL2に供給された直流電力によってモータジェネレータMG2が駆動される。
そして、ステップS34の充電動作によりメインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定値A1を上回ったと判定されると、主制御部62は、運転者の要求に基づいてモータジェネレータMG2の要求トルクT2tagを算出し(ステップS35)、その算出した要求トルクT2tagをモータジェネレータMG2のトルク指令値TR2としてモータ制御部30へ出力する(ステップS36)。
そして、ステップS36により、エンジンECU68およびモータ制御部30のそれぞれに出力要求値PEreqおよびトルク指令値TR1,TR2が出力されると、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1は共に停止状態となり、モータジェネレータMG2のみが要求トルクT2tagを出力するように駆動制御される。
以上のステップS32〜S36に基づいたモータジェネレータMG2の駆動制御は、メインバッテリMBの充電量SOC(MB)が所定値A2以下となるまで繰り返し実行される。そして、充電量SOC(MB)が所定値A2以下と判定されると(ステップS37)、主制御部62は、モータジェネレータMG2をも停止状態として、一連のモータジェネレータMG2によるリンプフォーム走行を停止する。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、リンプフォーム走行時には、補機バッテリからの電力をメインバッテリに蓄積された電力にアシストさせて走行用のモータジェネレータを駆動させることから、メインバッテリのみを用いたモータ走行に対して走行距離を伸ばすことができる。これにより、エンジンまたは発電機に異常が生じたときのハイブリッド車両のフェイルセーフ機能をさらに高めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、モータ駆動装置およびそれを用いたハイブリッド自動車に適用することができる。
10,20,40 電圧センサ、12 昇圧コンバータ、14,31 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24,28 電流センサ、30 モータ制御部、42 DC/DCコンバータ、50 動力分割機構、60 HVECU、62 主制御部、64 異常検出部、66 バッテリECU、68 エンジンECU、70 シフトポジションセンサ、72 アクセルポジションセンサ、100 モータ駆動装置、301 インバータ制御手段、302 コンバータ制御手段、303 DC/DCコンバータ制御手段、MB メインバッテリ、SB 補機バッテリ、Q1〜Q12 NPNトランジスタ、D1〜D14 ダイオード、C1〜C3 コンデンサ、L1 インダクタ、L2 コイル、MG1,MG2 モータジェネレータ、PL1,PL2 電源線、SR1,SR2 システムリレー。
Claims (7)
- 車両駆動用のモータと、
電源線へ電力を供給可能に設けられた第1電源と、
前記電源線と前記モータとの間に設けられ、前記第1電源からの第1の直流電圧を受けて前記モータを駆動制御するための電力変換を行なう駆動回路と、
前記電源線に対して前記第1電源に並列に接続され、前記第1の直流電圧よりも低い第2の直流電圧を受けて充電される第2電源と、
前記第2電源と前記電源線との間で前記第1の直流電圧を前記第2の直流電圧へ変換する電圧変換器と、
前記第1電源および第2電源の充電量に応じて、前記車両の走行中に前記第2の直流電圧を前記第1の直流電圧へ変換して前記電源線へ供給するように前記電圧変換器を制御する制御装置とを備える、モータ駆動装置。 - 前記制御装置は、
前記第1電源から前記電源線に電力を供給して前記モータを駆動制御する第1の駆動制御手段と、
前記第1電源の充電量が所定のしきい値以下となったことに応じて、前記第1電源を前記電源線から電気的に切り離して前記第1電源からの電力供給を停止し、かつ、前記第2電源から前記電源線に電力を供給して前記モータを駆動制御する第2の駆動制御手段とを含む、請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記第1の駆動制御手段は、前記第1電源の充電量が減少するに従って前記モータの動力性能を低減させるように前記モータを駆動制御し、
前記第2の駆動制御手段は、前記第2電源の充電量が減少するに従って前記モータの動力性能を低減させるように前記モータを駆動制御する、請求項2に記載のモータ駆動装置。 - 前記第1の駆動制御手段は、前記第1電源の充電量が減少するに従って前記モータの最大回転数を低減させるように前記モータを駆動制御し、
前記第2の駆動制御手段は、前記第2電源の充電量が減少するに従って前記モータの最大回転数を低減させるように前記モータを駆動制御する、請求項3に記載のモータ駆動装置。 - 前記制御装置は、
前記第1電源から前記電源線に電力を供給して前記モータを駆動制御する駆動制御手段と、
前記第1電源の充電量が所定のしきい値以下となったことに応じて、前記第2の直流電圧を前記第1の直流電圧へ変換して前記電源線へ供給するように前記電圧変換器を制御する前記電圧変換器を制御する電圧変換制御手段とを含む、請求項1に記載のモータ駆動装置。 - ハイブリッド車を駆動するハイブリッド車駆動装置であって、
内燃機関と、
前記内燃機関に接続された発電機と、
前記モータを駆動する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置とを備え、
前記駆動回路は、前記第1電源または前記発電機の少なくともいずれか一方から前記電源線を介して電力の供給を受けて前記モータを駆動し、前記内燃機関または前記発電機の異常検出に応じて、前記第1電源および第2電源の少なくとも一方から前記電源線を介して電力の供給を受けて前記モータを駆動する、ハイブリッド車駆動装置。 - 前記第1電源は、車両駆動用のバッテリであり、前記第2電源は、前記車両の補機を駆動するためのバッテリである、請求項6に記載のハイブリッド車駆動装置。
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