JP2007267445A - 負荷駆動装置およびそれを備える自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常検出時の負荷の駆動性能を向上可能な負荷駆動装置およびそれを備えた自動車を提供する。
【解決手段】MG1制御CPU301は、モータジェネレータMG1の駆動制御と、電流センサ24およびその電源回路70の異常検出とを行なう。MG1制御CPU301は、電源電圧Vcc1が低下したことに応じて電源異常ダイアグフラグF_Vcc1をオンに設定してHV制御部40の異常検出部402へ出力する。異常検出部402は電源異常ダイアグフラグF_Vcc1を受けると、電流センサ24の異常を示すセンサ異常ダイアグフラグF_CS1がオンに設定されていなければ、電源回路70が異常であるが電流センサ24は正常に動作できると判断して駆動制御の停止を指示する信号STP1を生成しない。これにより、主制御部401は通常の処理によってエンジンおよびモータジェネレータMG1,MG2に対する要求出力を算出する。
【選択図】図3
【解決手段】MG1制御CPU301は、モータジェネレータMG1の駆動制御と、電流センサ24およびその電源回路70の異常検出とを行なう。MG1制御CPU301は、電源電圧Vcc1が低下したことに応じて電源異常ダイアグフラグF_Vcc1をオンに設定してHV制御部40の異常検出部402へ出力する。異常検出部402は電源異常ダイアグフラグF_Vcc1を受けると、電流センサ24の異常を示すセンサ異常ダイアグフラグF_CS1がオンに設定されていなければ、電源回路70が異常であるが電流センサ24は正常に動作できると判断して駆動制御の停止を指示する信号STP1を生成しない。これにより、主制御部401は通常の処理によってエンジンおよびモータジェネレータMG1,MG2に対する要求出力を算出する。
【選択図】図3
Description
この発明は、負荷を駆動する負荷駆動装置、およびそれを備える自動車に関する。
最近、環境に配慮した自動車として、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が注目されている。ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、インバータを介して直流電源により駆動されるモータを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
また、電気自動車は、インバータを介して直流電源によって駆動されるモータを動力源とする自動車である。
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源とは別に補機電装品に電力を供給するための補機バッテリが搭載される。補機バッテリは、カーオーディオ等の電装機器に電力を供給するとともに、エンジンおよびモータを駆動制御するECU(Electronic Control Unit)関係や車両の状態を検出するために配された各種センサに対しても電源電圧を供給する。
そのため、補機バッテリからの供給電圧が各種センサの正常動作が保証される動作電圧を下回ったときには、センサ出力が正常動作時の出力範囲から外れる、あるいは一定値に固定されるといった異常が生じる可能性がある。かかるセンサの異常は、エンジンやモータの駆動制御の安定性を低下させることとなる。さらに、補機バッテリからの供給電圧がECUの動作電圧を下回ると、ECUが動作不能となるおそれがある。
そこで、このような供給電圧の低下による不具合を解消することを目的として、従来より、電源電圧を供給する電源回路には、電源電圧の低下を検出するための異常検出手段が設けられている。また、各種センサにおいても、センサ出力の異常を検出するための異常検出手段が設けられている。
たとえば特許文献1は、インバータ内部の制御電源の異常を検出する検出手段と、この検出手段の出力信号を判別する判別手段とを備えるインバータ装置を開示する。
これによれば、インバータは、商用電源から受電した電力をその周波数を可変制御してモータからなる負荷に給電することにより、当該モータの変速制御を実行する。そして、インバータ駆動による負荷の運転中に検出手段によりインバータ内部の制御電源に異常が検出されると、判別手段は、検出手段からの出力信号により異常の発生を判別してインバータの運転を停止する。さらに、商用電源と負荷とをバイパス回路を介して直接的に接続することにより、負荷に商用電源から直接給電して負荷の運転を継続させる。
特開平1−259738号公報
特開2003−304265号公報
特開平9−230931号公報
特開平11−141389号公報
しかしながら、上記の特許文献1は、インバータ内部の制御電源の異常が検出されたことに応じて直ちにインバータの運転を停止することから、これ以降においてはモータの変速制御を実行することができない。よって、負荷の運転を継続できるものの、その駆動性能は制限されたものとなってしまう。
ここで、電源回路から電力の供給を受ける各種センサにおいては、正常動作が保証される電圧の下限値が相対的に低いものが含まれる。そのため、これらのセンサは、電源電圧が電源回路の異常を判定する基準値を下回ったとしても、動作電圧下限値を超えている限りにおいて、なおも正常動作を継続することができる場合がある。
したがって、電源回路に異常が生じた場合であっても、これらの正常動作可能なセンサを用いてインバータの運転を継続することができれば、モータの駆動性能をより長く維持できると判断される。この結果、車両を安全な場所に退避走行させるときの走行距離を確保することができるため、異常発生時の車両の安全性を保障するフェイルセーフ機能をより一層充実させることが可能となる。
それゆえ、この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、異常検出時の負荷の駆動性能を向上可能な負荷駆動装置およびそれを備えた自動車を提供することである。
この発明によれば、負荷駆動装置は、電源から電力の供給を受けて負荷を駆動する駆動装置と、各々が、駆動装置の状態を検出する複数の検出器と、各複数の検出器に電源電圧を供給するための電源回路と、検出された駆動装置の状態に基づいて負荷の出力が要求出力となるように駆動装置を駆動制御する制御装置とを備える。制御装置は、電源回路の異常を検出する電源異常検出部と、各複数の検出器の異常を検出する検出器異常検出部と、電源回路の異常が検出されたとき、複数の検出器の少なくとも1つに異常が検出されるまで駆動制御を継続する駆動制御部とを含む。
上記の負荷駆動装置によれば、負荷の駆動制御に用いられる検出器に電源電圧を供給する電源回路に異常が検出されたときには、検出器自体に異常が検出されるまで駆動制御を継続することができる。この結果、異常検出時の負荷の駆動性能を向上することが可能となる。
好ましくは、電源異常検出部は、電源回路から供給される電源電圧が所定の基準値を下回ったとき、電源回路の異常を検出する。検出器異常検出部は、複数の検出器の少なくとも1つの検出値が所定の設定範囲を外れたとき、複数の検出器の少なくとも1つの異常を検出する。駆動制御部は、電源回路の異常が検出された後、複数の検出器の少なくとも1つに異常が検出されたことに応じて駆動制御を停止する。
上記の負荷駆動装置によれば、電源回路の異常を検出後に検出器の異常が検出されて始めて負荷の駆動制御を停止することから、電源回路の異常を検出して直ちに駆動制御を停止する従来の負荷駆動装置に対して、負荷の駆動性能を向上することができる。
好ましくは、制御装置は、負荷の要求出力に基づいて駆動装置の状態の指令値を決定する主制御部をさらに含む。主制御部は、電源回路の異常が検出されたとき、複数の検出器の少なくとも1つに異常が検出されるまで負荷の要求出力に基づいて指令値を決定する一方で、検出器の異常が検出されたことに応じて駆動制御を停止するように指令値を決定する。駆動制御部は、決定された指令値に従って駆動装置を駆動制御する。
上記の負荷駆動装置によれば、検出された異常の内容に応じて適切な指令値が適宜設定されるため、異常検出時においても駆動制御を安定して継続することができる。
好ましくは、負荷は、第1および第2の回転電機を有し、駆動装置は、電源から電力の供給を受けて第1および第2の回転電機を流れる駆動電流をフィードバック制御する第1および第2の駆動回路を含む。複数の検出器は、第1および第2の回転電機を流れる駆動電流をそれぞれ検出する第1および第2の電流センサを含む。電源回路は、第1および第2の電流センサにそれぞれ電源電圧を供給する第1および第2の電源部を含む。制御装置は、第1の電源部の異常が検出されたとき、第1の電流センサに異常が検出されるまで第1および第2の駆動回路の駆動制御を継続する一方で、第1の電流センサに異常が検出されたことに応じて第1の駆動回路の駆動制御を停止するとともに第2の駆動回路の駆動制御を継続する。
上記の負荷駆動装置によれば、モータ駆動電流の制御に用いられる電流センサに電源電圧を供給する電源回路に異常が検出されたときには、電流センサ自体に異常が検出されるまでモータ駆動制御が継続して行なわれる。この結果、異常検出時のモータの駆動性能を高めることができる。
この発明の他の局面によれば、自動車は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の負荷駆動装置を搭載する。
上記の自動車によれば、異常検出時においても車両を安全な場所まで退避させるのに十分な駆動力を得ることができる。この結果、異常検出時の車両のフェイルセーフ機能をより一層高めることができる。
この発明によれば、負荷の駆動制御に用いられる検出器に電源電圧を供給する電源回路に異常が検出されたときには、検出器自体に異常が検出されるまで駆動制御を継続することができる。この結果、異常検出時の負荷の駆動性能を向上することが可能となる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
図1は、この発明による負荷駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の全体構成を示す概略ブロック図である。
図1を参照して、ハイブリッド自動車は、動力源として、エンジンENGと、モータジェネレータMG1,MG2とを備える。車両の制御は、制御システム2によって行なわれる。
制御システム2は、HVECU1と、エンジンECU50と、バッテリECU60とを有している。各ECUは、マイクロコンピュータおよび入出力インターフェースなどの複数の回路要素が1つの回路基板状に配置された1ユニットとして構成されたものである。
HVECU1は、モータ制御部30と、HV制御部40とからなる。HV制御部40は、エンジンENGとモータジェネレータMG1,MG2との出力の配分などの制御量を決定する機能を有する。また、HV制御部40は、後述するように、モータ制御部30から負荷駆動装置に搭載される各種センサおよび各種センサに電源電圧を供給する電源回路に異常が検出されたことを指示する異常ダイアグFLAGを受ける。
エンジンENGは、ガソリンなどの燃料の燃焼エネルギーを源として駆動力を発生する。エンジンENGの発生する駆動力は、動力分割機構PSDにより、2つの経路に分割される。一方は、図示しない減速機を介して車輪を駆動する駆動軸に伝達する経路である。もう一方は、モータジェネレータMG1へ伝達する経路である。エンジンENGの運転は、エンジンECU50により制御される。エンジンECU50は、HV制御部40からの指令に従って、エンジンENGの燃料噴射量その他の制御を実行する。
モータジェネレータMG1,MG2は、発電機としても電動機としても機能し得るが、以下に示すように、モータジェネレータMG1は、主として発電機として動作し、モータジェネレータMG2は、主として電動機として動作する。
詳細には、モータジェネレータMG1は、三相交流回転機であり、加速時において、エンジンENGを始動する始動機として用いられる。このとき、モータジェネレータMG1は、バッテリBからの電力の供給を受けて電動機として駆動し、エンジンENGをクランキングして始動する。
さらに、エンジンENGの始動後において、モータジェネレータMG1は、動力分割機構PSDを介して伝達されたエンジンENGの駆動力によって回転されて発電する。
モータジェネレータMG1の発電した電力は、車両の運転状態やバッテリBの充電量によって使い分けられる。たとえば、通常走行時や急加速時においては、モータジェネレータMG1の発電した電力は、そのままモータジェネレータMG2を駆動させる電力となる。一方、バッテリBの充電量が所定の値よりも低いときには、モータジェネレータMG1の発電した電力は、インバータ14によって交流電力から直流電力に変換されてバッテリBに蓄えられる。
モータジェネレータMG2は、三相交流回転機であり、バッテリBに蓄えられた電力およびモータジェネレータMG1が発電した電力の少なくともいずれか一方によって駆動される。モータジェネレータMG2の駆動力は、減速機を介して車輪の駆動軸に伝達される。これにより、モータジェネレータMG2は、エンジンENGをアシストして車両を走行させたり、自己の駆動力のみによって車両を走行させたりする。
また、車両の回生制動時には、モータジェネレータMG2は、減速機を介して車輪により回転されて発電機として動作する。このとき、モータジェネレータMG2により発電された回生電力は、インバータ31を介してバッテリBに充電される。
システムリレーSR1,SR2は、バッテリBと昇圧コンバータ12との間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、モータ制御部30からの信号SEによりオン/オフされることにより、バッテリBと昇圧コンバータ12およびインバータ14,31との接続/遮断を行なう。また、バッテリBからの電力はシステムリレーSR1,SR2を経て補機(図示せず)にも供給されている。
昇圧コンバータ12は、バッテリBから供給された直流電圧を昇圧してインバータ14,31へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、上下アームを構成する一対のスイッチング素子を含み、モータ制御部30から信号を受けると、信号によって下アームがオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してインバータ14,31に供給する。
また、昇圧コンバータ12は、モータ制御部30から信号を受けると、インバータ14および/またはインバータ31から供給された直流電圧を降圧してバッテリBを充電する。
インバータ14,31は、昇圧コンバータ12を介してバッテリBから直流電圧が供給されると、モータ制御部30からの信号に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG1,MG2をそれぞれ駆動する。これにより、モータジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、トルク指令値TR1,TR2に従ったトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ14,31は、負荷駆動装置が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG1,MG2が発電した交流電圧をモータ制御部30からの信号に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れるモータ電流を検出し、その検出したモータ電流をモータ制御部30へ出力する。電流センサ28は、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流を検出し、その検出したモータ電流をモータ制御部30へ出力する。
制御システム2は、車両全体の制御を実現するために各種センサを用いており、たとえば運転者によるアクセルの踏込み量APを検出するためのアクセルセンサ、シフトレバーの位置(シフトポジション)SPを検出するシフトポジションセンサ、ブレーキの踏込み圧力BPを検出するためのブレーキセンサ、バッテリBの充電量(SOC:State Of Charge)を検出するための電圧センサ10などを利用している。また、イグニッションキーを回すことにより車両システムの起動/停止を行なうためのイグニッションスイッチIGなども利用している。
図2は、図1における負荷駆動装置の概略ブロック図である。
図2を参照して、負荷駆動装置100は、バッテリBと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14,31と、電流センサ24,28と、電圧センサ10,13と、モータ制御部30とを備える。
図2を参照して、負荷駆動装置100は、バッテリBと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14,31と、電流センサ24,28と、電圧センサ10,13と、モータ制御部30とを備える。
システムリレーSR1は、バッテリBの正極と昇圧コンバータ12との間に接続される。システムリレーSR2は、バッテリBの負極と昇圧コンバータ12との間に接続される。システムリレーSR1,SR2は、モータ制御部30からの信号SEによりオン/オフされる。
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、IGBT素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端はバッテリBの電源ラインに接続され、他方端はIGBT素子Q1とIGBT素子Q2との中間点、すなわち、IGBT素子Q1のエミッタとIGBT素子Q2のコレクタとの間に接続される。IGBT素子Q1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、IGBT素子Q1のコレクタは電源ラインに接続され、IGBT素子Q2のエミッタはアースラインに接続される。また、各IGBT素子Q1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続されている。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
U相アーム15は、直列接続されたIGBT素子Q3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたIGBT素子Q5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたIGBT素子Q7,Q8から成る。また、各IGBT素子Q3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
各相アームの中間点は、モータジェネレータMG1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG1は、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がIGBT素子Q3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がIGBT素子Q5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がIGBT素子Q7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
インバータ31は、インバータ14と同様の構成から成る。
バッテリBは、たとえばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの2次電池セルを多数直列に接続して構成される高電圧のバッテリである。なお、バッテリBを、これらの2次電池以外に、キャパシタ、コンデンサあるいは燃料電池などで構成しても良い。電圧センサ10は、バッテリBから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbをモータ制御部30へ出力する。
バッテリBは、たとえばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの2次電池セルを多数直列に接続して構成される高電圧のバッテリである。なお、バッテリBを、これらの2次電池以外に、キャパシタ、コンデンサあるいは燃料電池などで構成しても良い。電圧センサ10は、バッテリBから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbをモータ制御部30へ出力する。
コンデンサC1は、バッテリBから供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧Vbを昇圧コンバータ12へ供給する。
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧Vbを昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、モータ制御部30から信号PWMCを受けると、信号PWMCによってIGBT素子Q2がオンされた期間に応じて直流電圧Vbを昇圧してコンデンサC2に供給する。
また、昇圧コンバータ12は、モータ制御部30から信号PWMCを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14および/またはインバータ31から供給された直流電圧を降圧してバッテリBを充電する。
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14,31へ供給する。電圧センサ13は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(インバータ14,31への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmをモータ制御部30へ出力する。
インバータ14は、コンデンサC2を介してバッテリBから直流電圧が供給されるとモータ制御部30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG1を駆動する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値TR1に従ったトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ14は、負荷駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG1が発電した交流電圧をモータ制御部30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
インバータ31は、コンデンサC2を介してバッテリBから直流電圧が供給されるとモータ制御部30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG2を駆動する。これにより、モータジェネレータMG2は、トルク指令値TR2に従ったトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ31は、負荷駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG2が発電した交流電圧をモータ制御部30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1をモータ制御部30へ出力する。電流センサ28は、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2をモータ制御部30へ出力する。
モータ制御部30は、図示しないHV制御部40とともに、HVECU1に含まれる。モータ制御部30は、HV制御部40からトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を受け、電圧センサ10から直流電圧Vbを受け、電圧センサ13から昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(すなわち、インバータ14,31への入力電圧)を受け、電流センサ24からモータ電流MCRT1を受け、電流センサ28からモータ電流MCRT2を受ける。
そして、モータ制御部30は、出力電圧Vm、トルク指令値TR1およびモータ電流MCRT1に基づいて、インバータ14がモータジェネレータMG1を駆動するときにインバータ14のIGBT素子Q3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWM1をインバータ14へ出力する。
また、モータ制御部30は、出力電圧Vm、トルク指令値TR2およびモータ電流MCRT2に基づいて、インバータ31がモータジェネレータMG2を駆動するときにインバータ31のIGBT素子Q3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。
さらに、モータ制御部30は、インバータ14(または31)がモータジェネレータMG1(またはMG2)を駆動するとき、直流電圧Vb、出力電圧Vm、トルク指令値TR1(またはTR2)およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、昇圧コンバータ12のIGBT素子Q1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMCを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
さらに、モータ制御部30は、システムリレーSR1,SR2をオン/オフするための信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。
また、モータ制御部30は、負荷駆動装置100に搭載される各種センサおよび/または各種センサに電源電圧を供給する電源回路の異常を指示する異常ダイアグFLAGを生成してHV制御部40へ出力する。
図3は、図2のモータ制御部30を含むHVECU1の機能ブロック図である。
図3を参照して、HVECU1は、HV制御部40と、モータ制御部30とから構成される。HV制御部40は、主制御部401と、異常検出部402とを含む。
図3を参照して、HVECU1は、HV制御部40と、モータ制御部30とから構成される。HV制御部40は、主制御部401と、異常検出部402とを含む。
主制御部401は、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1,MG2の回転数やトルクの配分等の制御量を決定し、その決定した制御量に基づいてモータ制御部30およびエンジンECU50に各種の要求値を供給する。
すなわち、主制御部401は、シフトポジションセンサ(図示せず)からシフトポジションSPを受け、アクセルポジションセンサ(図示せず)からアクセル踏込み量APを受け、バッテリECU60(図示せず)からバッテリBのSOCを受け、エンジンECU50からエンジン回転数MRNEを受ける。
主制御部401は、シフトポジションSPおよびアクセルポジションAPに基づいて運転者の要求出力を算出する。また、バッテリBのSOCに基づいてバッテリBへの充電要求値を決定する。すなわち、バッテリBのSOCが所定のしきい値を下回り、充電が必要な場合には、運転者の要求出力よりも大きい動力をエンジンENGに出力させて、その一部をモータジェネレータMG1によるバッテリBの充電動作に配分する。
そして、主制御部401は、運転者の要求出力とバッテリBへの充電要求値とから車両の走行に必要な駆動力を算出し、その算出した駆動力が得られるようにエンジンENGおよびモータジェネレータMG1,MG2を制御する。
具体的には、主制御部401は、エンジンECU50に対しては、出力要求値PEreqと目標回転数MRNE*とを出力する。これにより、エンジンECU50は、目標回転数MRNE*と実回転数MRNEとを一致させるように、エンジンENGの出力する動力(回転数×トルク)を制御する。
また、主制御部401は、モータ制御部30に対しては、モータジェネレータMG1,MG2の要求出力(回転数×トルク)から決定したトルク指令値TR1,TR2を出力する。モータ制御部30は、トルク指令値TR1,TR2から変換したモータ駆動電流の電流指令に基づいて、実際のモータ駆動電流を電流指令に一致させるための電流制御を行なう。
詳細には、モータ制御部30は、MG1制御CPU301と、MG2制御CPU302と、コンバータ制御CPU303と、A/D(アナログ/デジタル)コンバータ32,34とを含む。
MG1制御CPU301は、電圧センサ13(図示せず)から電圧Vmを受け、電流センサ24からモータ電流MCRT1を受け、主制御部401からトルク指令値TR1を受ける。そして、MG1制御CPU301は、電圧Vm、モータ電流MCRT1およびトルク指令値TR1に基づいて、モータジェネレータMG1の各相コイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果に基づいてインバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1を生成する。そして、MG1制御CPU301は、その生成した信号PWMI1をインバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8へ出力する。
これにより、インバータ14の各IGBT素子Q3〜Q8は、スイッチング制御され、モータジェネレータMG1が指定されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1に応じたモータトルクが出力される。
このようなモータ駆動電流の制御において、モータジェネレータMG1を流れるモータ電流MCRT1は、電流センサ24により検出されると、A/Dコンバータ32を介してデジタル信号に変換されてMG1制御CPU301へ送信される。なお、電流センサ24は、電源回路70から電源電圧Vcc1の供給を受けて検出動作を行なう。
電源回路70は、図1に示す車両走行用の高電圧のバッテリBとは別に、補機電装品に電力を供給するために搭載された低電圧の補機バッテリ(図示せず)に接続される。補機バッテリからの直流電圧は、電源回路70を介して電流センサ24に供給される。なお、図示は省略するが、電源回路70からの電源電圧Vcc1は電流センサ24以外に、モータジェネレータMG1の駆動制御に用いられる他のセンサ(たとえば回転位置センサなど)にも供給される。その一方、MG1制御CPU301に対しては、電源回路70とは異なる電源回路により電源電圧が供給される。
電源回路70からの電源電圧Vcc1は、電流センサ24へ入力されるとともに、A/Dコンバータ32に入力される。A/Dコンバータ32は、電源電圧Vcc1をデジタル信号に変換してMG1制御CPU1へ出力する。
すなわち、MG1制御CPU301は、A/Dコンバータ32を介してデジタル変換されたモータ電流MCRT1および電源電圧Vcc1を受ける。そして、MG1制御CPU301は、モータ電流MCRT1に基づいて上述した電流制御を行なうとともに、以下に述べる方法によって、電流センサ24および電源回路70の異常を検出する。
まず、電流センサ24の異常を検出する方法として、MG1制御CPU301は、A/Dコンバータ32からモータ電流MCRT1を受けると、予め設定された所定の期間において、モータ電流MCRT1は定格電流範囲を超えて継続的に流れるか否かを判定する。そして、定格電流範囲を超えて継続的に流れるモータ電流MCRT1が検出されたとき、電流センサ24が異常と判定する。そして、MG1制御CPU301は、電流センサ24の異常を指示するセンサ異常ダイアグフラグF_CS1をオンに設定する。オンに設定されたセンサ異常ダイアグフラグF_CS1は、HV制御部40の異常検出部402へ送信される。
なお、電流センサ24の異常を検出する方法としては、上述した方法に限定されず、たとえばモータ電流MCRT1が定格電流範囲を超えたことに応じてインバータ14の運転を一定期間停止し、当該停止期間においてもなおモータ電流MCRT1が定格電流範囲を超えているときに、電流センサ24を異常と判定する方法とするようにしても良い。
次に、電源回路70の異常を検出する方法として、MG1制御CPU301は、A/Dコンバータ32を介して電源電圧Vcc1を受けると、電源電圧Vcc1が予め設定された所定の閾値よりも低下したことに応じて、電源回路70が異常と判定する。なお、所定の閾値は、電流センサ24の正常動作が保証される動作電圧の下限値(以下、動作電圧下限値とも称する)よりも高くなるように設定される。
そして、MG1制御CPU301は、電源回路70の異常を指示する電源異常ダイアグフラグF_Vcc1をオンに設定すると、その電源異常ダイアグフラグF_Vcc1は、HV制御部40の異常検出部402へ送信する。
HV制御部40の異常検出部402は、センサ異常ダイアグフラグF_CS1と電源異常ダイアグフラグF_Vcc1とを受けると、後述する方法によって2つのダイアグフラグに基づいて異常部位を特定し、その特定された異常部位に応じてモータジェネレータMG1の駆動制御の停止を指示するための信号STP1を生成して主制御部401へ出力する。
すなわち、この発明によれば、電流センサ24の異常を指示するセンサ異常ダイアグフラグF_CS1と、電源回路70の異常を指示する電源異常ダイアグフラグF_Vcc1とは、ともにHV制御システムを統括するHV制御部40に送信されることとなる。したがって、HV制御部40の異常検出部402は、後述するように、2つのダイアグフラグに基づいて異常部位を特定し、その特定された異常部位に応じてモータジェネレータMG1の駆動制御を継続/停止を制御することが可能となる。
なお、MG2制御CPU302は、MG1制御CPU301と同様の構成からなる。MG2制御CPU302は、A/Dコンバータ34を介してデジタル変換されたモータ電流MCRT2および電源電圧Vcc2を受ける。そして、MG2制御CPU302は、モータ電流MCRT2に基づいて上述した電流制御を行なうとともに、上述した方法によって、電流センサ28および電源回路72の異常を検出する。
そして、MG2制御CPU302は、電流センサ28の異常が検出されたことに応じてセンサ異常ダイアグフラグF_CS2をオンに設定して異常検出部402へ出力する。また、電源回路72の異常が検出されたことに応じて電源異常ダイアグフラグF_Vcc2をオンに設定して異常検出部402へ出力する。異常検出部402は、センサ異常ダイアグフラグF_CS1と電源異常ダイアグフラグF_Vcc1とを受けると、2つのダイアグフラグに基づいて異常部位を特定し、その特定された異常部位に応じてモータジェネレータMG2の駆動制御の停止を指示するための信号STP2を生成して主制御部401へ出力する。
ここで、一連の異常検出処理については、図3とは異なる構成例として、図4に示すように、MG1制御CPU301AおよびMG2制御CPU302Aにおいて異常検出対象に予め優先度を設けておき、優先度の高い検出対象に異常が検出されたときには、直ちにその異常をHV制御部40Aに送信するとともに、優先度の低い検出対象についてはその検出動作を停止する構成が検討される。
具体的には、たとえばMG1制御CPU301Aは、異常検出対象である電源回路70と電流センサ24とについて、電源回路70により高い優先度を設定する。そして、電源回路70の異常が検出されると、MG1制御CPU301Aは、電源異常ダイアグフラグF_Vcc1をオンに設定して異常検出部402Aへ送信するとともに、優先度の低い電流センサ24の異常検出動作を停止する。
このようにMG1制御CPU301Aにおいて異常検出対象に優先度を設けたのは、以下の理由による。
すなわち、電源回路70からの電源電圧Vcc1が所定の閾値よりも低下したときには、電源電圧Vcc1を受けて動作する電流センサ24の出力値についてもその確度が保証されないという判断に基づいている。よって、電源回路70の異常が検出されると、電流センサ24についても高い可能性で異常が検出されると判断して電流センサ24の異常検出動作を強制的に停止するとともに、直ちに電源異常ダイアグフラグF_Vcc1のみが異常検出部402Aへ送信される。
そして、異常検出部402Aは、電源異常ダイアグフラグF_Vcc1を受けると、電源回路70から電力供給を受ける電流センサ24も動作不能であると判断し、モータジェネレータMG1を流れるモータ駆動電流の制御の停止を指示する信号STP1を生成して主制御部401へ出力する。
主制御部401は、信号STP1を受けると、モータジェネレータMG1またはそれに関連する部分に異常が生じたものと判断して、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態とする。
ここで、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態としたのは、エンジンENGの停止中にモータジェネレータMG1に異常が生じた場合にはエンジンENGを始動させることができないため、エンジンENGを動力源とした走行が不可能となるためである。さらに、モータジェネレータMG1で電力を回生することも不可能となるため、バッテリBに電力を供給することもできなくなるためである。
図5は、MG1制御CPUにおける異常検出処理の他の例を説明するためのタイミングチャートである。
図5を参照して、MG1制御CPU301Aは、A/Dコンバータ32を介して電源電圧Vcc1を受ける。電源電圧Vcc1は、電源回路70が正常なときには略一定電圧に保たれる。
しかしながら、電源回路70に故障が生じたことによってタイミングt0より電源電圧Vcc1が低下し始めると、MG1制御CPU301Aは、電源電圧Vcc1が所定の閾値Vstd1よりも低下したことに応じて、タイミングt1で電源異常ダイアグフラグF_Vcc1をオンに設定する。そして、その電源異常ダイアグフラグF_Vcc1を異常検出部402Aへ送信する。
異常検出部402Aは、オンに設定された電源異常ダイアグフラグF_Vcc1を受けると、モータジェネレータMG1の駆動制御の停止を指示する信号STP1を生成して主制御部401へ出力する。主制御部401は、信号STP1を受けると、後述する方法によって、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態とする一方で、バッテリBに蓄えられた電力を用いてモータジェネレータMG2のみを駆動するように、エンジンENGとモータジェネレータMG1,MG2との出力の配分などの制御量を決定する。
MG1制御CPU301Aは、さらに、タイミングt1以降において電流センサ24の異常検出動作を停止する。具体的には、MG1制御CPU301Aは、図示しないメモリに格納される電流センサダイアグのためのプログラムをマスク(無効化)する。
なお、電流センサ24の動作電圧下限値は、図5に示すように、電源回路70の異常判定用に設定された閾値Vstd1よりも低い動作電圧下限値を有する。そのため、タイミングt1においては、電流センサ24が正常である可能性が高いと判断される。
異常検出処理を以上のような構成とすることにより、図4のHVECUを搭載した車両においては、電源回路70の異常が検出されたタイミングt1以降においては、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1の駆動が停止されるため、車両の走行状態は、モータジェネレータMG2のみによって走行を続行する、いわゆる「退避走行」に移行する。そして、この退避走行を行なうことによって、車両を他の車両や歩行者等の妨げにならない場所まで移動可能とする。
しかしながら、退避走行時には、モータジェネレータMG1で電力を回生することも出来なくなるため、走行可能な距離は、バッテリBのSOCにより著しく制限されることとなる。
これに対して、この発明による負荷駆動装置は、再び図3を参照して、MG1制御CPU301が異常検出対象に優先度を設けず、電源異常ダイアグフラグF_Vcc1およびセンサ異常ダイアグフラグF_CS1をすべて異常検出部402へ出力する構成とする。このような構成とすることにより、この発明による負荷駆動装置は、以下に述べる有利な効果を奏する。
詳細には、図6を参照して、電源回路70が故障したことによりタイミングt1で電源電圧Vcc1が所定の閾値Vstd1を下回ると、MG1制御CPU301は、電源センサ異常ダイアグF_Vcc1をオンに設定して異常検出部402へ出力する。
このとき、MG1制御CPU301は、電流センサ24のダイアグプログラムをマスクすることなく、異常検出動作を継続して実行する。したがって、電源電圧Vcc1がさらに低下し、タイミングt2で電流センサ24の動作電圧下限値を下回ったことに起因して電流センサ24の異常が検出されると、センサ異常ダイアグフラグF_CS1をオンに設定し、その設定したセンサ異常ダイアグフラグF_CS1を異常検出部402へ出力する。
これにより、異常検出部402には、タイミングt1からタイミングt2までの期間において、オンに設定された電源異常ダイアグフラグF_Vcc1のみが入力される。この期間において、異常検出部402は、電源回路70が異常であるものの、電源電圧Vcc1を受ける電流センサ24自体は正常動作が可能であると判断する。よって、異常検出部402は、モータジェネレータMG1の駆動制御を継続して実行するように、信号STP1の生成を行なわない。
そして、タイミングt2以降において、オンに設定されたセンサ異常ダイアグフラグF_CS1がさらに入力されると、異常検出部402は、電流センサ24自体が正常動作不能であると判断し、モータジェネレータMG1の駆動制御を停止するように、信号STP1を生成して主制御部401へ出力する。
すなわち、この発明によれば、電源回路70の異常が検出されたタイミングt1から電流センサ24の異常が検出されるタイミングt2までの期間においては、モータジェネレータMG1を継続して駆動するため、車両の走行状態は、退避走行に移行せず、通常走行に維持される。そして、タイミングt2以降において始めて、モータジェネレータMG1の駆動が停止され、車両の走行状態が退避走行に移行することとなる。これによれば、電源回路70に異常が検出されたタイミングt1以降に直ちに車両の走行状態を退避走行に移行する図4のHVECU1Aに対して、走行距離を伸ばすことができる。この結果、異常発生時の車両の安全性を保障するフェイルセーフ機能をより一層高めることができる。
なお、図示は省略するが、センサ異常ダイアグフラグF_CS1のみがオンに設定されたとき、すなわち、電源回路70は正常であるが電流センサ24自体の異常が検出されたときには、異常検出部402は、上述した異常検出処理によらず、直ちに信号STP1を生成して主制御部401へ出力する。これにより、モータジェネレータMG1の駆動が停止され、車両は退避走行に移行する。
最後に、図3のHV制御部40における電源回路の異常検出時のモータの駆動制御について詳細に説明する。
図7は、図3のHV制御部40にて実行される電源回路70の異常検出時のモータの駆動制御動作を説明するためのフローチャートである。
なお、図7のフローチャートは、モータジェネレータMG1側に設けられた電源回路70に異常が検出された場合のモータ駆動制御について示したものである。モータジェネレータMG2側に設けられた電源回路72に異常が検出された場合については、図7の各ステップにおけるモータジェネレータMG1,MG2を入れ替えることによって対応することができる。
図7を参照して、MG1制御CPU301は、モータジェネレータMG1の駆動制御と並行して、電源回路70からの電源電圧Vcc1および電流センサ24からのモータ電流MCRT1に基づいて電源回路70および電流センサ24の異常検出動作を実行する。
MG1制御CPU301は、電源電圧Vcc1が所定の閾値Vstd1よりも低下したことに応じて電源異常ダイアグフラグF_Vcc1をオンに設定し、その電源異常ダイアグフラグF_Vcc1をHV制御部40の異常検出部402へ送信する。
異常検出部402は、MG1制御部CPU301からオンに設定された電源異常ダイアグフラグF_Vcc1を取得すると(ステップS01)、センサ異常ダイアグフラグF_CS1がオンに設定されているか否かを判定する(ステップS02)。
ステップS02にてセンサ異常ダイアグフラグF_CS1がオンに設定されていないと判定されたとき、異常検出部402は、電源回路70が異常であるが電流センサ24は正常動作が可能であると判断し、信号STP1の生成を行なわない。
したがって、HV制御部40の主制御部401は、通常の処理によって、エンジンENGの出力要求値PEreqおよびモータジェネレータMG1,MG2に対する要求出力Ptag1,Ptag2を算出する。そして、主制御部401は、算出された要求出力Ptag1,Ptag2とモータ回転数MRN1,MRN2とに基づいて要求トルクT1tag,T2tagを算出し、その算出した要求トルクT1tag,T2tagをトルク指令値TR1,TR2としてモータ制御部30へ出力する(ステップS05)。
一方、ステップS02にてセンサ異常ダイアグフラグF_CS1がオンであると判定されたとき、異常検出部40は、電源回路70および電流センサ24が異常であると判断し、信号STP1を生成して主制御部401へ出力する(ステップS03)。
主制御部401は、異常検出部402から信号STP1を受けると、エンジンENGおよびモータジェネレータMG1を停止状態とするとともに、バッテリBに蓄積された電力を用いてモータジェネレータMG2を駆動し、車両の走行状態をモータジェネレータMG2のみによる退避走行に移行する。
すなわち、主制御部401は、アクセルペダル踏込み量AP等から算出される運転者の要求出力P2tagと、モータ回転数MRN2とに基づいてモータジェネレータMG2の要求トルクT2tagを算出する。そして、主制御部401は、エンジンECU50に対して出力要求値PEreq=0を出力するとともに、モータ制御部30に対して、モータジェネレータMG1のトルク指令値として、TR1=0を出力し、モータジェネレータMG2のトルク指令値として、TR2=T2tagを出力する(ステップS04)。
そして、主制御部401は、バッテリECU60からのバッテリBのSOCが所定値以下となったことに応じて、モータジェネレータMG2をも停止状態として、一連のモータジェネレータMG2による退避走行を停止する。
なお、本実施の形態では、モータ電流MCRT1,MCRT2を検出する電流センサ24,28に電源電圧を供給する電源回路70,72に異常が検出されたときのモータ駆動制御について説明したが、モータ駆動制御に用いられる他のセンサ、たとえばインバータ14,31の入力電圧Vmを検出する電圧センサ13およびその電源回路に異常が検出された場合についても同様に、電源回路の異常が検出されても電圧センサ13の異常が検出されるまでは、電圧センサ13が正常動作可能であると判断して、モータ駆動制御を継続することができる。よって、電源回路の異常が検出されたことに応じて直ちにモータジェネレータMG1,MG2を停止状態とするのに対して、車両の走行距離を伸ばすことができる。
以上のように、この発明の実施の形態によれば、モータ駆動制御に用いられるセンサに電源電圧を供給する電源回路に異常が検出されたときには、センサ自体に異常が検出されるまでモータ駆動制御を継続することが可能となる。そのため、電源回路の異常を検出して直ちに車両を退避走行に移行させるのと比較して走行距離を伸ばすことができる。この結果、センサに異常が生じたときのフェイルセーフ機能を高めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、負荷駆動装置およびそれを用いた自動車に適用することができる。
1,1A HVECU、2 制御システム、10,13 電圧センサ、12 昇圧コンバータ、14,31 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24,28 電流センサ、30 モータ制御部、301,301A MG1制御CPU,302,302A MG2制御CPU、303 コンバータ制御CPU、32,34 A/Dコンバータ、40,40A HV制御部、401 主制御部、402,402A 異常検出部、50 エンジンECU、60 バッテリECU、70,72 電源回路、100 負荷駆動装置、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、L1 リアクトル、Q1〜Q8 IGBT素子、D1〜D8 ダイオード、ENG エンジン、PSD 動力分割機構、MG1,MG2 モータジェネレータ、SR1,SR2 システムリレー。
Claims (5)
- 電源から電力の供給を受けて負荷を駆動する駆動装置と、
各々が、前記駆動装置の状態を検出する複数の検出器と、
各前記複数の検出器に電源電圧を供給するための電源回路と、
検出された前記駆動装置の状態に基づいて前記負荷の出力が要求出力に一致するように前記駆動装置を駆動制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記電源回路の異常を検出する電源異常検出部と、
各前記複数の検出器の異常を検出する検出器異常検出部と、
前記電源回路の異常が検出されたとき、前記複数の検出器の少なくとも1つに異常が検出されるまで前記駆動制御を継続する駆動制御部とを含む、負荷駆動装置。 - 前記電源異常検出部は、前記電源回路から供給される電源電圧が所定の基準値を下回ったとき、前記電源回路の異常を検出し、
前記検出器異常検出部は、前記複数の検出器の少なくとも1つの検出値が所定の設定範囲を外れたとき、前記複数の検出器の少なくとも1つの異常を検出し、
前記駆動制御部は、前記電源回路の異常が検出された後、前記複数の検出器の少なくとも1つに異常が検出されたことに応じて前記駆動制御を停止する、請求項1に記載の負荷駆動装置。 - 前記制御装置は、前記負荷の要求出力に基づいて前記駆動装置の状態の指令値を決定する主制御部をさらに含み、
前記主制御部は、前記電源回路の異常が検出されたとき、前記複数の検出器の少なくとも1つに異常が検出されるまで前記負荷の要求出力に基づいて前記指令値を決定する一方で、前記検出器の異常が検出されたことに応じて前記駆動制御を停止するように前記指令値を決定し、
前記駆動制御部は、決定された前記指令値に従って前記駆動装置を駆動制御する、請求項2に記載の負荷駆動装置。 - 前記負荷は、第1および第2の回転電機を有し、
前記駆動装置は、前記電源から電力の供給を受けて前記第1および第2の回転電機を流れる駆動電流をフィードバック制御する第1および第2の駆動回路を含み、
前記複数の検出器は、前記第1および第2の回転電機を流れる駆動電流をそれぞれ検出する第1および第2の電流センサを含み、
前記電源回路は、前記第1および第2の電流センサにそれぞれ電源電圧を供給する第1および第2の電源部を含み、
前記制御装置は、前記第1の電源部の異常が検出されたとき、前記第1の電流センサに異常が検出されるまで前記第1および第2の駆動回路の駆動制御を継続する一方で、前記第1の電流センサに異常が検出されたことに応じて前記第1の駆動回路の駆動制御を停止するとともに前記第2の駆動回路の駆動制御を継続する、請求項3に記載の負荷駆動装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の負荷駆動装置を搭載した自動車。
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-
2006
- 2006-03-27 JP JP2006085552A patent/JP2007267445A/ja not_active Withdrawn
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