JP3957791B2 - 製版書込み装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版装置に関し、さらに詳しくは加熱穿孔を含む加熱製版が可能な製版書込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
簡便な印刷装置として感熱デジタル製版式の孔版印刷装置が知られている。
この孔版印刷装置は、熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱孔版用マスタに対してサーマルヘッドにより画像情報に応じて加熱穿孔し、その加熱穿孔された製版済マスタを版胴に巻装したうえで、版胴内部からインキを供給するようになっている。版胴に巻装されたマスタに対して、版胴内部から供給されたインキを版胴表面に滲み出させ、製版済マスタを介して版胴表面に印刷用紙を押圧することにより、製版済マスタの穿孔部分から滲み出るインキを印刷用紙に転移させて画像を印刷する。
【0003】
マスタの穿孔処理に用いられるサーマルヘッドは、版胴の軸方向に相当する主走査方向に沿って配列された複数の発熱素子を有し、その発熱素子に対する選択的な通電制御によって発熱素子を選択的に発熱させることにより発熱位置に対応するマスタの箇所を加熱溶融させて穿孔するようになっている。
【0004】
ところで、上記した孔版印刷装置には、製版に必要な画像情報を原稿から読み取るための原稿読み取り部を印刷装置内の製版書込み部の上部に配置して原稿の読み取りと製版処理とを印刷装置内で一貫して行なうようにした構成を備えたものがある(例えば、実開昭63ー178134号公報参照)。上記した印刷装置では、例えば、マスタが消費されて新たなマスタと交換されて製版処理が実行されるような場合、次の手順が採られる。
【0005】
先ず、印刷装置の上部に配置されている原稿読み取り部を正規の位置からずらして製版書込み部の全域が装置上方から目視することができる状態とする。次いで、プラテンローラに対するサーマルヘッドの当接状態を解除するためのローラ解除レバーを操作することにより、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に押圧されているマスタの先端部の押圧状態が解除されるので、使いきったマスタロールを、そのマスタロールの芯管の両端に装着されているフランジごと製版書込み部のロール支持部から取り外す。そして、新しいマスタロールの芯管の両端に上記フランジを付け替えた後、そのマスタロールを印刷装置の上方からロール支持部に装着し、マスタロールからマスタの先端を手動で引き出して拡開しているサーマルヘッドとプラテンローラとの間にマスタの先端を差し込んでから上記ローラ解除レバーを元に戻すことにより、サーマルヘッドとプラテンローラとの間にマスタの先端を押圧させる。
【0006】
このとき、しばしば、サーマルヘッドおよびプラテンローラの間の押圧部とマスタロールとの間のマスタの弛みを除去してマスタの詰まりやシワを防止する目的で、マスタの繰り出し方向と反対方向に上記フランジを手動で逆転させることにより、上記マスタの弛みを取り除く処理が行われる。次いで、マスタカットボタンを押して、所定の長さもしくは形状をもってマスタの先端部を切断し、その切断された切断片を装置外部に取り出した後、原稿読み取り部を印刷装置の正規の位置に戻すようになっている。なお、マスタは、占有面積を小さくする意図で、通常、芯管の周りに巻き付けられてロール状に形成されたマスタロールで供給される。
【0007】
また、近年、比較的薄いマスタ、あるいは実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを用いることにより、装置の小型化、マスタロール径の減少化、いわゆる繊維目を低減させることによる画質の向上、加熱穿孔時間を速めることによる高速製版を行う等の種々の試みがなされている。ここで、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタとは、マスタが熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有させてなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、すなわち表面および裏面のうち少なくとも一方にオーバーコート層等の薄膜層を1層または複数層形成してなるものを含む。マスタは、比較的薄い感熱性樹脂材料を用いられていることが多く、ロール状に形成されている場合には、マスタロールからマスタの先端を繰り出す際に破損したり、折れ曲がったりすることもあり、簡単に繰り出すことができないという不具合があった。さらに、マスタロールからマスタを繰り出す場合には、その中心に位置する回転軸を駆動することがある。このため、新しいマスタロールの場合には、その外径が最大寸法となっているので回転トルクが大きく必要となる。このような回転トルクを出力するためには、駆動機構が大型化したり、あるいは回転力の伝達が良好に行なえない等の不具合も発生する。そこで、本願出願人は、上記の不具合点を解消するために、従来の印刷装置、特に、その印刷装置に組み込まれている製版装置における問題に鑑み、マスタの装着を容易にすることができ、マスタロールからのマスタの繰り出しを確実かつ自動的に行い得る新規な製版装置を、特願平8−170040号等で提案した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の製版装置においては、上記したような手順では次のような種々の問題点がある。
【0009】
▲1▼ 原稿読み取り部を移動させる必要がある。
【0010】
▲2▼ マスタロールの芯管の両端にフランジを脱着させる必要がある。
【0011】
▲3▼ マスタの先端部を、製版書込み部のサーマルヘッドとプラテンローラとの間に差し込む必要がある。
【0012】
▲4▼ マスタの先端部を切断してその切断片を取り除く必要がある。
【0013】
すなわち、上記▲1▼ないし▲4▼に問題点を列挙したように、マスタロール交換時の作業が複雑で分かりにくく、かつ、面倒であり、かなりの熟練を必要とすることからだれでもできる訳ではなく、専任のオペレータ等が必要となる問題があった。
【0014】

【0014】
また、後者における新規な製版装置では、腰の弱いもしくは腰の殆ど無いマスタを用いてマスタロールからマスタの先端を自動的に剥離・分離することはできるが、マスタロールの軸方向における外周径のバラツキあるいはそのときの湿度や温度等の影響が複雑に絡み合って、マスタの先端の剥離・分離が不能となる場合があり、信頼性という点で向上すべき問題点があるとともに、マスタロールからマスタの先端を自動的に剥離・分離するために装置が複雑となり、高価格化は避けることができない。
【0015】
したがって、上記従来の製版書込み装置における種々の問題点を解決するために、本発明の第1の目的は、マスタロール交換時の作業が簡単で分かり易く、かつ、マスタロールの着脱およびマスタのセットを容易にすることができる製版書込み装置を提供することにある。
【0016】
本発明の第2の目的は、マスタロールからマスタの先端を確実に繰り出すことができて、信頼性が高く、装置の簡素化および低価格化を図れる製版書込み装置を提供することにある。
【0017】
本発明の第3の目的は、比較的薄いマスタを用いることにより、装置の小型化、マスタロール径の減少化、いわゆる繊維目を低減させることによる画質の向上、加熱穿孔時間を速めることによる高速製版を行うことが可能な製版書込み装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、マスタがロール状に巻かれたマスタロールから上記マスタを繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版書込み装置において、上記マスタ貯容手段を備え、かつ、上記製版書込み装置の本体に挿入された製版挿入位置と、この製版挿入位置から外れた、上記マスタロールの着脱を行うロール着脱位置との間で移動自在なマスタ保持ユニットと、上記マスタ保持ユニットを、上記製版挿入位置と上記ロール着脱位置との間で移動自在に案内する案内手段と、上記マスタ保持ユニットに設けられた、上記マスタロールから繰り出される上記マスタの先端部を載置するマスタ案内手段と、上記マスタ保持ユニットに設けられた、上記マスタの先端部を介して上記マスタ案内手段に接触し上記マスタを搬送するマスタ搬送手段と、上記マスタ搬送手段を駆動するマスタ搬送駆動手段とを有し、上記マスタ搬送手段は、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記マスタ案内手段に接触し、上記マスタ保持ユニットが上記ロール着脱位置を占めたとき、上記マスタ案内手段から離間することを特徴とする。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の製版書込み装置において、上記マスタ貯容手段に設けられた、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記マスタロールの端面に当接可能であって上記マスタロールの上記端面の位置決めをする位置決め位置と、上記マスタ保持ユニットが上記ロール着脱位置を占めたとき、上記マスタロールの上記端面から離間する非位置決め位置との間で移動自在なロール位置決め手段と、上記ロール位置決め手段を、上記位置決め位置と上記非位置決め位置との間で移動自在に案内するロール位置決め案内手段とを有することを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の製版書込み装置において、上記マスタ貯容手段に設けられた、上記マスタロールの端面に当接可能であって上記マスタロールの上記端面の位置決めをする位置決め位置と上記マスタロールの上記端面から離間する離間位置との間で移動自在なロール位置決め手段と、上記ロール位置決め手段を上記位置決め位置に弾性的に付勢する弾性付勢手段とを有することを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の製版書込み装置において、上記マスタロールの軸方向には、上記マスタをロール状に巻き付けるためのパイプ状の芯管が設けられており、上記ロール位置決め手段は、上記芯管に嵌入して位置決めをする略円錐状のロールフランジを有することを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の製版書込み装置において、上記マスタロールの上記端面は、上記芯管の両端と同じ位置に形成されており、上記ロールフランジには、上記マスタロールの上記端面に当接可能であって、上記マスタロールから上記マスタを繰り出し回転する際の回転方向と逆方向の抵抗力を生じさせる摩擦抵抗部が備えられていることを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の製版書込み装置において、上記マスタ搬送駆動手段は上記本体側に設けられていて、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記マスタ搬送駆動手段からの駆動力が上記マスタ搬送手段に伝達され、上記マスタ保持ユニットが上記ロール着脱位置を占めたとき、上記マスタ搬送駆動手段からの駆動力の上記マスタ搬送手段への伝達が断たれることを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の製版書込み装置において、上記製版手段は、上記マスタを選択的に加熱製版するサーマルヘッドと、このサーマルヘッドとの間に上記マスタを押圧しながら回転するプラテンローラとを有することを特徴とする。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の製版書込み装置において、上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとは、接離可能に構成されており、上記マスタ案内手段は、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記サーマルヘッドまたは上記プラテンローラに近接もしくは当接することを特徴とする。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項7または8記載の製版書込み装置において、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記マスタ案内手段に係合して上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとの押圧部近傍に上記マスタ搬送手段によって搬送される上記マスタの先端を位置決め導入するマスタ導入手段を、上記押圧部近傍と上記マスタ案内手段との間に設けたことを特徴とする。
【0027】
請求項10記載の発明は、請求項7,8または9記載の製版書込み装置において、上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとは、接離可能に構成されており、上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとの接離動作を行わせるプラテン圧制御手段と、上記マスタ搬送手段の動作開始時期を検知する作動検知手段と、
上記マスタの先端が繰り出されるマスタ搬送路上に配置された、上記マスタの先端を検知する先端検知手段と、上記作動検知手段からの検知信号に基づき、上記マスタの先端が上記先端検知手段により検知されるまでの間、上記マスタ搬送駆動手段をして上記マスタ搬送手段を動作させて上記マスタを繰り出すとともに、上記先端検知手段による上記マスタの先端の検知信号に基づき、上記プラテン圧制御手段をして上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとによる上記マスタの押圧可能な状態を設定する制御手段とを有することを特徴とする。
【0028】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の製版書込み装置において、上記作動検知手段は、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めていることを検知するマスタセット検知手段からなり、上記制御手段は、上記マスタセット検知手段により上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置から外れたことが検知されたときに、上記プラテン圧制御手段をして、上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとによる上記マスタの押圧が解除される状態に設定することを特徴とする。
【0029】
請求項12記載の発明は、請求項7,8または9記載の製版書込み装置において、上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとは、接離可能に構成されており、上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとの接離動作を行わせるプラテン圧制御手段と、上記マスタ搬送手段の動作開始時期を設定する作動設定手段と、上記マスタの先端が繰り出されるマスタ搬送路上に配置された、上記マスタの先端を検知する先端検知手段と、上記作動設定手段からの設定信号に基づき、上記マスタの先端が上記先端検知手段により検知されるまでの間、上記マスタ搬送駆動手段をして上記マスタ搬送手段を動作させて上記マスタを繰り出すとともに、上記先端検知手段による上記マスタの先端の検知信号に基づき、上記プラテン圧制御手段をして上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとによる上記マスタの押圧可能な状態を設定する制御手段とを有することを特徴とする。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明を詳述するために、添付の図面に従って、実施例を含めて発明の実施の形態を説明する。
各図において、図面の簡明化を図るため各構成部品を適宜省略する。また、図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。構成部品の形状およびその配置位置を説明する際において、マスタ搬送方向(以下、マスタ繰り出し方向というときもある)の下流側を「前」とその上流側を「後」というときがあり、またマスタ搬送方向から見てマスタ幅方向の左側を「左」(紙面の手前側でもある)と、マスタ幅方向の右側を「右」(紙面の奥側でもある)というときがある。以下説明する各発明の実施の形態および変形例等に亘り同一の形状および機能を有する構成部品等については、同一の符号を付すことによりその説明をできる限り省略する。
【0048】
(実施の形態1)
図1は、本発明の製版書込み装置に係る第1の発明の実施の形態(以下、単に「実施の形態1」という)が適用された印刷装置の全体構成を模式的に示す。この印刷装置は、穿孔製版されたマスタを用いて印刷を行う孔版印刷装置であり、以下、まず、この孔版印刷装置の構成について述べる。
【0049】
図1において、符号1は、孔版印刷装置を示す。この孔版印刷装置1は、版胴2が配置された孔版印刷工程部を備えていて、給紙装置15、製版書込み装置20、排版部90および排紙部から主に構成されている。孔版印刷装置1において、製版書込み装置20は本発明に係る新規な構成を有しており、これ以外の給紙装置15、排版部90および上記排紙部等は周知の構成を有する。
【0050】
孔版印刷装置1は、支軸3を中心にして正逆回転可能な版胴2を備えている。版胴2は、印刷工程実行時には時計回り方向に回転し、マスタを排出する場合には反時計回り方向に回転するように回転方向が設定されている。
【0051】
版胴2は、その外周面上に穿孔製版された製版済みのマスタを巻き付ける周知の構造および機能を有する。版胴2は、一部を除いて周面に多数の穿孔が形成されており、その表面には、例えば合成繊維からなる薄層のメッシュスクリ−ン(図示せず)が取り付けられている。このメッシュスクリーンの材料としては金属を用いることも可能である。
【0052】
版胴2の周面で穿孔が形成されていない箇所には、マスタの先端を挾持するためのクランパ4が配設されている。クランパ4は、版胴2の一つの母線に沿って配置された載置面を有するステージ4Bと、このステージ4Bの一側端に配設された枢軸4Cに揺動可能に支持されステージ4Bに対して接離自在な把持部材4Aとで構成されている。ステージ4Bは磁性体でできていて、把持部材4Aはゴム磁石でできている。ステージ4Bは、マスタの先端を載置することができ、ステージ4B上に先端を載置されたマスタは、ステージ4Bと把持部材4Aとにより挟持されて固定されるようになっている。マスタの先端部以外の範囲は、後述するインキ供給機構5から版胴2の表面に向け供給されるインキの粘着力によって版胴表面に付着するようになっている。
【0053】
版胴2の内部には、インキ供給機構5が設けられている。インキ供給機構5は、支軸3の略真下に配置されており、インキローラ6とドクタローラ7とを主要部として備えている。
【0054】
インキローラ6は、金属ローラでなり、支軸3の下方の版胴2内で、後述するプレスローラ9と対向する位置に版胴2を挾んで配置されている。インキローラ6は、版胴2の内周面に当接しながら、版胴2の周速度と同期した周速度で回転し、ドクタローラ7によって担持量を規定されたインキを版胴2およびメッシュスクリーンの開孔内に供給することができるようになっている。
【0055】
ドクタローラ7によって担持量を規定されるインキは、支軸3に形成されている吐出口3aから上記両ローラ6,7で形成されている楔状空間部のインキ溜まり8に滴下されるようになっている。インキローラ6は、後述するプレスローラ9と対向する位置に配置されていることにより、版胴2にプレスローラ9が押圧したときの圧力によって版胴2が変形するのを防止するバックアップローラとしての機能も持ち合せている。
【0056】
インキローラ6の下方には、版胴2を挾んでインキローラ6に対向するプレスローラ9が配置されている。プレスローラ9は、回転部材で構成されていて、版胴2に対して接離可能に設けられている。プレスローラ9は、揺動アーム10の一方の自由端において回転自在に支持されている。揺動アーム10の他方の揺動端は、扇状カム11の輪郭周面に圧接している。扇状カム11は、図示しない駆動部によって後述する給紙装置15からの印刷用紙Sの給紙タイミングに合せて回転されるようになっており、給紙装置15から印刷用紙Sが給紙されない時には、その大径部を揺動アーム10の他方の揺動端に対向させている。
【0057】
扇状カム11は、給紙装置15から印刷用紙Sが給紙されると回転して、その小径部を揺動アーム10の他方の揺動端に対向させ、揺動アーム10を図1において時計回り方向に回転させる。これにより、印刷用紙Sは、給紙装置15から給送されて版胴2とプレスローラ9との間に挿入されたとき、プレスローラ9が上昇変位されることによって版胴2の表面に押圧される。印刷用紙Sは、製版済みのマスタを介して版胴2の表面に押圧されると、版胴2に巻装されているマスタの穿孔部分から転移するインキによって印刷される。それ故に、プレスローラ9が版胴2に押圧する位置は、画像転写部をなす部分とされる。
【0058】
給紙装置15は、プレスローラ9の図において右方近傍に配置されている。給紙装置15は、繰り出しローラ17、分離ローラ18およびレジストローラ19を給紙方向に沿って備えている。
【0059】
繰り出しローラ17は、給紙トレイ16に収容されている印刷用紙Sの最上位のものに対して相対的に接離可能に設けられ、印刷用紙Sを図示矢印方向に相当する給紙方向に向け繰り出すようになっている。上記した給紙トレイ16は、昇降自在に設けられており、最上位に位置する印刷用紙Sを繰り出しローラ17に当接させるようになっている。印刷用紙Sを補給する際には、給紙トレイ16が下降され、最上昇位置との間に形成される空間内に印刷用紙Sを挿入することができる。
【0060】
分離ローラ18は、繰り出しローラ17と同様に印刷用紙Sのうちの最上位のものに当接して回転可能であり、最上位にある印刷用紙Sのみを繰り出すことができるように、印刷用紙S同士の摩擦係数よりも印刷用紙Sのうちの最上位のものとの間の摩擦係数が大きく設定されている。
【0061】
レジストローラ19は、印刷用紙Sの給送路をはさんで対向当接する一対のローラで構成され、版胴2とプレスローラ9とが接触する位置に向けて、印刷用紙Sの給送タイミングをとって印刷用紙Sを繰り出す。
【0062】
給紙装置15では、給紙トレイ16が上昇して、給紙トレイ16上の印刷用紙Sの最上位のものが繰り出しローラ17に当接して給紙位置を占めると、図示しないセンサからの信号に基づいて繰り出しローラ17が回転される。これにより、その印刷用紙Sが給紙方向に繰り出され、分離ローラ18によって最上位の1枚の印刷用紙Sのみが分離されてレジストローラ19に向け給送される。印刷用紙Sは、レジストローラ19によってその先端を当接され、所定のタイミングがとられる。次いで、プレスローラ9が版胴2に押圧するタイミングに合わせて、マスタの画像位置と印刷用紙Sでの印刷開始位置とを整合させるタイミングを以て、印刷用紙Sは版胴2とプレスローラ9との間に向け給送される。そして、上記した周知の印刷動作によって、印刷画像が得られる。
【0063】
版胴2の右側上方には、本発明の要旨に係る製版書込み装置20が配置されている。
図1および図2において、製版書込み装置20は、後述する、マスタ保持ユニット21、プラテン圧制御部55および裁断部70から主に構成されている。以下、マスタ保持ユニット21、プラテン圧制御部55および裁断部70廻りの構成について順次説明する。
【0064】
マスタ保持ユニット21は、図3および図4に詳しく示すように、後述する、ロール受台27、左右一対のロールフランジ25a,25b、ガイド板35および引き出しローラ40から主に構成されている。
【0065】
マスタ保持ユニット21は、マスタ22がロール状に巻かれたマスタロール23からマスタ22を繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段としてのロールフランジ対25a,25bを備えている。マスタ保持ユニット21は、製版書込み装置20の本体内に挿入された製版挿入位置(図1に示した位置)と、この製版挿入位置から外れた、マスタロール23の着脱を行うロール着脱位置(図2に示した位置)との間で、後述する案内手段を介して図中矢印方向F,Rに摺動自在となっている。ここで、ロール着脱位置とは、製版書込み装置20を内蔵している孔版印刷装置1から外方へ摺動した位置も含まれる。それ故に、製版書込み装置20からのマスタ保持ユニット21の挿脱は、孔版印刷装置1の上部に位置する原稿読み取り部をスライドさせるようなことなく行なえるので、従来の製版装置を用いる印刷装置と違って、構造が簡略化でき、軽量化、小型化およびコスト低減化が可能になっている。
【0066】
図2において、符号MRは、マスタロール23から繰り出されたマスタ22を搬送するためのマスタ搬送路を示す。図3ないし図5において、符号MBは、マスタロール23の軸方向と平行な方向でもあるマスタ幅方向を示す。
【0067】
図8に示すように、マスタロール23の軸方向には、マスタ22の幅と同じ長さに形成されたパイプ状の芯管24が設けられている。マスタロール23は、芯管24の周りにマスタ22が巻き付けられてロール状に形成されている。マスタロール23の軸方向の両方の端面tは、マスタロール23における芯管24の軸方向両端と同じ位置になっている。芯管24は、例えば合成樹脂や紙管でできている。マスタ22は、光透過性を有する1〜2μm程度の薄い熱可塑性樹脂フィルムに対して和紙繊維あるいは合成繊維、もしくはこれら両材料を混抄したものからなる多孔性支持体を貼り付けてラミネート構造としたものが用いられ、サーマルヘッド等の発熱素子によって加熱穿孔されるものである。上記熱可塑性樹脂フィルムは、例えばポリエステル等でできている。
【0068】
マスタ22の厚さは、従来から使用されているマスタの厚さ40〜60μmの約1/2程度となっていて、本実施例1では3〜30μmのものを用いることができるようになっている。それ故に、マスタロール23の外径は、従来のそれに比べて著しく小さくコンパクトになっていて、装置の小型化に寄与している。また、マスタ22の厚さが、従来のマスタの厚さに比べて非常に薄いものを用いることができるので、いわゆる繊維目を低減させることによる画質の向上、加熱穿孔時間を速めることによる高速製版を可能としている。
【0069】
マスタロール23における芯管24の周りに巻き付けられているマスタ22の部分のうちで、その使用限界に達した位置から最終端部までの巻装方向に沿った範囲に低反射率部23Aが形成されている。低反射率部23Aは、例えば芯管24軸方向の略中央部に相当する部分に巻き付けられたマスタ22の最終端部分に塗布された黒色塗装で形成されている。なお、低反射率部23Aは、後述するマスタ検知手段によりマスタ22を透過して検知され得るのであれば、上記のものに限らず、例えば芯管24軸方向の略中央部に塗布された黒色塗装で形成されたものであってもよい。
【0070】
ロール受台27は、略筐体状をなしていて、合成樹脂で一体的に形成されている。ロール受台27の上方には、マスタロール23を着脱する際の作業性を良くするためにやや間口の広い開口が形成されており、この開口に連通してマスタロール23を収納する断面略U字状の収納部27eが形成されている。
【0071】
ロール受台27の底壁の略中央には、図4にのみ示すように、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めたときに後述するマスタ検知手段を臨ませるための開口部27dが明けられている。ロール受台27の後外壁中央には、把手27bが一体的に取り付けられている。この把手27bを持って後述する案内手段を介して矢印方向Fに押し出すことにより、マスタ保持ユニット21を図1に示す製版挿入位置に移動させることができ、矢印方向Rに引き出すことにより製版書込み装置20の外部に引き出された、図2に示すロール着脱位置に選択的に移動させることができる。ロール受台27の両側壁下部には、断面が上向きに開口したチャンネル状をなすスライドレール27cがそれぞれ一体的に形成されており、スライドレール27cには板金製の補強が適宜施されている。
【0072】
図3に示すように、製版書込み装置20の本体側(以下、単に「装置本体側」というときがある)には、左右一対の板金製の側板78が互いに平行に配設されている。これら両側板78の下部には、図3等に示すように、ロール受台27の各スライドレール27cと係合することにより、製版挿入位置とロール着脱位置との間でマスタ保持ユニット21を摺動自在に案内する案内手段としての左右一対のガイドレール79が形成されている。これらガイドレール79は、内側に開口したチャンネル状をなす部分で各スライドレール27cとそれぞれ係合するようになっている。
【0073】
マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めたとき、ロール受台27のスライドレール27cの近傍には、側板78に配設されたロック手段と係合する被ロック手段(共に図示せず)が配設されている。上記被ロック手段は、図示しないレバーリンク機構等を介して把手27bに連結されていて、把手27bを握る等の操作を行うことにより、上記ロック手段と被ロック手段との係合状態を解除することができるようになっている。
【0074】
ロールフランジ対25a,25bは、ロール受台27の両側部に配設されている。ロールフランジ対25a,25bには、同一サイズの、マスタロール23の芯管24内に進退自在な円錐面部25cと、マスタロール23の軸方向の端面に選択的に接離する摩擦抵抗部25dとがそれぞれ一体的に形成されている。円錐面部25cは円錐台状をなし、摩擦抵抗部25dはリング帯状をなしている。ロールフランジ25bの円錐面部25cは、ロールフランジ25aおよび後述するロール位置決め案内手段を介して、マスタロール23の芯管24内に嵌入して、マスタ搬送方向T、マスタ幅方向MBおよび高さ方向の3次元方向にマスタロール23の位置決めをする機能を有する。ロールフランジ対25a,25bの円錐面部25c基部の外径は、芯管24の内径よりも僅かに小さく形成されている。ロールフランジ対25a,25bは、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC)等の合成樹脂でできている。摩擦抵抗部25dは、マスタロール23が繰り出し方向に回転する時に、摩擦を起こさせてマスタロール23からのマスタ22の繰り出しに対して抵抗する力を生じさせるようになっている。上記抵抗力は、マスタロール23が繰り出し方向に回転されたとき、その回転方向に逆らう力となり、マスタロール23から繰り出されるマスタ22に張力(バックテンション)を生じさせるので、マスタ22が繰り出される際に生じやすい弛みをなくすことができる利点がある。摩擦抵抗部25dは、上記抵抗力を確実に生じさせるために、例えば、ゴム板等を貼り付けたものであってもよい。
【0075】
図において左側のロールフランジ25aは、ロール受台27の一側内壁に固設されており、図において右側のロールフランジ25bは、ロール受台27とは別の部材であるフランジ支持板26の内壁に固設されている。このロールフランジ25bは、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めたとき、マスタロール23の軸方向端面に当接可能であってマスタロール23の一方の端面tの位置決めをする位置決め位置(図4に仮想線で示す位置)と、マスタ保持ユニット21がロール着脱位置を占めたとき、マスタロール23の一方の端面tから離間する非位置決め位置(図4に実線で示す位置)との間で移動自在なロール位置決め手段としての機能を有する。
【0076】
図3ないし図5において、符号30はロール位置決め案内手段を示す。ロール位置決め案内手段30は、ロール位置決め手段としてのロールフランジ25bを、位置決め位置と非位置決め位置との間で移動自在に案内する機能を有する。ロール位置決め案内手段30は、側板78の傾斜案内部78aおよびスライド案内部78b、フランジ支持板26の傾斜部26a、スライド部26b、スライド片26cおよび溝26d、支持板案内部27a、支持板案内部27aの2個の段付きピン29Aおよび圧縮バネ28から主に構成されている。
【0077】
装置本体側における図において右側の側板78は、図4および図5に示すように、その後端部が外側に向けて折り曲げられて形成された傾斜案内部78aと、図において左側の側板78(図3および図6等に示す)と平行に形成されたスライド案内部78bとからなる。
【0078】
フランジ支持板26は鈑金でできている。フランジ支持板26は、矢印方向Fの前端部が内側に向けて折り曲げられて形成された傾斜部26aと、側板78のスライド案内部78bと平行に形成されたスライド部26bと、図5のみに示すように、ロールフランジ25bの下部においてフランジ支持板26の内壁に直交して一体的に形成されたスライド片26cとからなる。スライド片26cには、マスタ幅方向MBに対して平行な溝26dが形成されている。
【0079】
ロール受台27の下方には、図5のみに示すように、ロール受台27の底壁部から垂直に延びてさらに図において右側に直角に折り曲げられた平面部でスライド片26cの裏面に摺接する支持板案内部27aが上記底壁部に一体的に形成されている。支持板案内部27aは鈑金でできている。支持板案内部27aの上部には、スライド片26cの溝26dに緩く嵌入する2個の段付きピン29Aが植設されている。
【0080】
支持板案内部27aの垂直壁と、支持板案内部27aの下方におけるスライド部26bの内壁との間には、ロールフランジ25bをしてマスタロール23の一方の端面tから離間する方向にフランジ支持板26を付勢する圧縮バネ28が設けられている。
【0081】
なお、図において右側のみに設けられたロール位置決め案内手段30に限らず、左側のロールフランジ25a側にもロール位置決め案内手段30を設けるとともに、ロールフランジ25aを、位置決め位置と非位置決め位置との間で移動自在にロールフランジ25bと同様に構成しても勿論よい。
【0082】
図3に示すように、ロール受台27における前側上部の左右端部には、ロール受台27に一体的に形成された一対のガイド板支持部27fがそれぞれ形成されている。これら一対のガイド板支持部27fには、マスタロール23から繰り出されるマスタ22の先端部を載置するマスタ案内手段としてのガイド板35が揺動自在に配設されている。ガイド板35は、平面視で略長方形状をなしていて、鈑金でできている。ガイド板35の基端部は、一対のガイド板軸36を介して一対のガイド板支持部27fに回動自在に支持されている。ガイド板35の自由端側は、図2のみに示すように、ガイド板支持部27fに一体的に形成されたストッパ37で下方への揺動範囲が規制されていて、ガイド板35の自重で揺動自在となっている。
【0083】
ロール受台27における各ガイド板支持部27fの下部外壁には、2個の段付きピン29が上下方向に所定の間隔をおいてそれぞれ植設されている。ガイド板35の上方およびロール受台27の上記両下部外壁に亘り、細長い板状のローラアーム43が配設されている。ローラアーム43の両側部の下部には、上下方向に長い案内溝43bがそれぞれ形成されていて、これらの案内溝43b内に2個の段付きピン29がそれぞれ緩く嵌入している。ローラアーム43は、鈑金でできていて、ローラアーム43の上部には把手部43aが上方に直角に折り曲げ形成されている。それ故に、ローラアーム43は、左右一対の案内溝43bの範囲内で2個の段付きピン29により昇降自在に支持・案内されている。
【0084】
ローラアーム43の両上側部の間には、マスタ22の先端部を介してガイド板35に接触しマスタ22を搬送するマスタ搬送手段としての引き出しローラ40が配設されている。引き出しローラ40は、ローラ軸41と一体的に形成されていて、ローラアーム43の両上側部の間にローラ軸41を介して回転自在に支持されている。図3において右側のローラ軸41は、ローラアーム43の上側部から突出していて、ローラ軸41の端部にはローラギア42が固設されている。引き出しローラ40は、例えば発泡クロロプレンゴムや発泡ポリウレタン等のスポンジ状のローラからなる。
【0085】
上記の構造のとおり、引き出しローラ40は、ローラアーム43および引き出しローラ40の各自重により、段付きピン29および案内溝43bの上記支持・案内動作を介して、ガイド板35の上記した揺動動作に連動しつつガイド板35上面に接触している。そして、マスタ保持ユニット21がロール着脱位置を占めたとき、すなわちマスタ保持ユニット21が装置本体側からロール着脱位置に引き出されたとき、オペレータは、ローラアーム43の把手部43aを持ってローラアーム43および引き出しローラ40を上方に持ち上げつつ、マスタロール23からマスタ22の先端部を引き出し、マスタ22の先端部をガイド板35上面に載置することができる。それ故に、引き出しローラ40は、マスタ保持ユニット21がロール着脱位置を占めたとき、ガイド板35に対して接離可能に構成されている。
【0086】
図6にのみ示すように、符号45は、引き出しローラ40を選択的に回転させるマスタ搬送駆動手段としての駆動モータを示す。駆動モータ45は、図において右側の側板78に一体的に設けられた不動部材に取り付けられている。駆動モータ45は、ステッピングモータからなる。駆動モータ45の出力軸45a端部には、ローラギア42と選択的に噛合する駆動ギア46およびプラテンローラ65に回転駆動力を伝達する小径駆動ギア46Aがそれぞれ固設されている。
【0087】
装置本体側の両側板78には、マスタ保持ユニット21が製版装着位置を占めたとき、引き出しローラ40のローラ軸41の両端部を案内し支持するガイド溝76がそれぞれ形成されている。ガイド溝76の開口端手前側は、ローラ軸41の両端部を案内しやすいように広口状に形成されている。ガイド溝76の上方近傍における各側板78の外壁には、ローラ軸41の各端部に接触・保持する板バネ77がそれぞれ固設されている。板バネ77は、図に示すような特有の形状に折り曲げられ、ガイド溝76の終端部においてローラ軸41を回転可能に、かつ、クリック的に保持する機能を有する。
【0088】
上記した構造のとおり、マスタ保持ユニット21が製版装着位置を占めたとき、駆動モータ45からの駆動力が、駆動ギア46、ローラギア42およびローラ軸41を介して引き出しローラ40に伝達され、マスタ保持ユニット21がロール着脱位置を占めたとき、駆動モータ45からの駆動力が引き出しローラ40に非伝達されるようになっている。
【0089】
プラテン圧制御部55は、図1および図2において、マスタ搬送路MRにおけるマスタ保持ユニット21の下流側に配置されている。
図2および図7において、プラテン圧制御部55は、プラテンローラ65とサーマルヘッド56とプラテン圧制御手段54とを備えている。
【0090】
プラテンローラ65は、引き出しローラ40の回転により搬送されるマスタ22もしくはサーマルヘッド56により加熱穿孔された製版済みのマスタ22を、サーマルヘッド56との間に押圧しながら回転しマスタ搬送路MRの下流側に搬送する周知の機能を有する。プラテンローラ65は、例えばシリコンゴム等からできていて、マスタ22に対して引き出しローラ40の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有している。
【0091】
図6にのみ示すように、符号69は、駆動モータ45の回転駆動力をプラテンローラ65(同図では省略されている)に伝達する駆動力伝達機構を示す。駆動力伝達機構69は、上記した小径駆動ギア46Aと、図において右側の側板78に回転自在に支持された第1アイドラギア軸47a端部に一体的に設けられた、小径駆動ギア46Aと常時噛合する第1アイドラギア47Aと、同側板78に回転自在に支持された第2アイドラギア軸47b端部に一体的に設けられた、第1アイドラギア47Aと常時噛合する第2アイドラギア47Bと、同側板78に回転自在に支持されたプラテンローラ65のプラテンローラ軸65a端部に一体的に設けられた、第2アイドラギア47Bと常時噛合するプラテンローラギア66とから主に構成されている。この駆動力伝達機構69により、マスタ搬送駆動手段としての駆動モータ45は、プラテンローラ65を回転させるプラテンローラ駆動手段を兼ねている。
【0092】
プラテンローラ65は、駆動力伝達機構69を介して、引き出しローラ40の周速度よりも僅かに速い周速度で回転するように予め設定されている。これらの周速度の設定は、例えば各ギア間のギア比(変速比)および引き出しローラ40とプラテンローラ65との外径の大きさを調整することによりなされている。それ故に、マスタロール23、引き出しローラ40およびプラテンローラ65間に位置するマスタ22に所定範囲の張力が付与されるようになっている。また、プラテンローラ65のプラテンローラ軸65a端部には、プラテンローラプーリ67が固設されている。
【0093】
サーマルヘッド56は、プラテンローラ軸65a方向に相当する主走査方向に沿って配列された複数の発熱素子を有し、その発熱素子に対する選択的な通電制御によって発熱素子を選択的に発熱させることにより発熱位置に対応するマスタ22の箇所を加熱溶融させて穿孔する製版手段としての周知の機能を有する。これにより、サーマルヘッド56は、マスタロール23から繰り出され引き出しローラ40の回転により搬送されるマスタ22に対して選択的に加熱穿孔する。サーマルヘッド56は、後述するプラテン圧制御手段54により、プラテンローラ65に対して接離自在になっている。
【0094】
プラテン圧制御手段54は、サーマルヘッド56とプラテンローラ65との接離動作を行わせる機能を有する。プラテン圧制御手段54は、ヘッドベース57のガイド取付部57a、一対の引張バネ62、偏心カム59、カム軸59a、カムギア61、モータギア60およびベース駆動モータ58から主に構成される。
【0095】
サーマルヘッド56は、ヘッドベース57の揺動端側に載置固定されている。ヘッドベース57は、その両側壁に形成されたベース軸孔57bに挿通され両側板78によって支持されているベース軸57cを支点として揺動可能に支持されている。ヘッドベース57は、例えば鈑金でできていて、断面が下向きに開口した幅広のチャンネル状をなしている。ヘッドベース57は、ヘッドベース57の揺動端側に延びてガイド取付部57aが形成されている。ヘッドベース57およびガイド取付部57aは、サーマルヘッド56を揺動自在に支持する被揺動部材の機能を有する。ガイド取付部57a上には、このガイド取付部57aに選択的に接触して上記被揺動部材としてのヘッドベース57およびガイド取付部57aを揺動させる揺動部材としての偏心カム59が配置されている。偏心カム59は、カム軸59aに一体的に取り付けられていて、その軸端にはカムギア61が固設されている。
【0096】
一方、装置本体側の側板78には、その出力軸に固設されカムギア61と常時噛合するモータギア60を有するベース駆動モータ58が固設されている。それ故に、ベース駆動モータ58が回転駆動されることで偏心カム59が回転する。ヘッドベース57は、図7にのみ示されている、ヘッドベース57の揺動端側のガイド取付部57aと側板78上部とに掛けられている一対の引張バネ62によって、図2および図7等において反時計回り方向に付勢されている。偏心カム59は、その反時計回り方向に回転する習性を有するヘッドベース57のガイド取付部57a上面に選択的に接触するようになっている。すなわち、プラテンローラ65からサーマルヘッド56が離間しているときにのみ、偏心カム59の大径部がヘッドベース57のガイド取付部57aに接触しており、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とがマスタ22を介して接触しているときには、偏心カム59の小径部がヘッドベース57のガイド取付部57aに対向しているだけでヘッドベース57のガイド取付部57aから離間している。それ故に、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とがマスタ22を介して接触しているとき、偏心カム59の小径部がヘッドベース57のガイド取付部57aから離間しているため、マスタ22を介してサーマルヘッド56とプラテンローラ65との押圧部に作用する挾持圧は、一対の引張バネ62の付勢力のみにより高精度に付与されることとなる。
【0097】
サーマルヘッド56の揺動端側には、例えばステンレススチール製の鈑金で形成されたヘッド案内部材56cが固設されている。サーマルヘッド56とプラテンローラ65との押圧部近傍とガイド板35との間のマスタ搬送路MR上には、マスタ保持ユニット21が図1に示す製版挿入位置を占めたとき、ガイド板35に係合して引き出しローラ40によって搬送されるマスタ22の先端を上記押圧部近傍に位置決め導入するマスタ導入手段としてのガイド部材51が設けられている。より詳細に言えば、ヘッド案内部材56cの揺動端上面に近接する位置とガイド取付部57aの揺動端上には、ガイド取付部57aの揺動端部に固定され偏心カム59を覆うガイド部材51が設けられている。ガイド部材51は、例えば鈑金でできている。ガイド部材51は、ガイド取付部57aに固設されている揺動端側がマスタ搬送方向Tの下流側に向かうにつれて上方に延びて徐々に湾曲していて、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めるべく矢印方向Fに押し込まれたときに、ガイド板35の自由端裏面に摺接して徐々にガイド板35の自由端部を上方に押し上げつつ上記押圧部近傍に位置決め導入するようになっている。
【0098】
サーマルヘッド56とプラテンローラ65とは、これら両部材間での接離動作を行なって、引き出しローラ40の回転により搬送されるマスタ22へ挟持圧(以下、「プラテン圧」というときがある)を作用させたり解除させたりする。偏心カム59は、上記揺動部材としてプラテン圧を解除する手段をなすものであり、図2に示すような非製版時には、その大径部をヘッドベース57の上面に圧接させている。これにより、ヘッドベース57に固定されているサーマルヘッド56は、マスタ搬送路MRから離されるので、マスタ22へのプラテン圧が解除される。
【0099】
サーマルヘッド56がマスタ22を介してプラテンローラ65に当接したときに、プラテンローラ65は、駆動力伝達機構69を介して駆動モータ45により、引き出しローラ40によって搬送されてきたマスタ22をマスタ搬送路MRの下流側に搬送する方向に回転される。
【0100】
上記した構成を備えたプラテン圧制御部55では、マスタロール23から繰り出されるマスタ22を製版する時、偏心カム59が一対の引張バネ62の付勢力に抗して回転されることによってその小径部がヘッドベース57のガイド取付部57a上面に隙間を保って対向され、一対の引張バネ62の付勢力によってヘッドベース57の揺動端はベース軸57cを中心として反時計回り方向に揺動される。従って、サーマルヘッド56は、図1および図2において反時計回り方向に揺動されて、プラテンローラ65に所定の接触圧(プラテン圧)をもって当接する。これにより、マスタ22は、サーマルヘッド56およびプラテンローラ65によってプラテン圧が作用した状態で搬送される。マスタ22は、搬送される過程で、サーマルヘッド56での選択的な発熱により主走査方向および副走査方向で加熱穿孔される。この場合の主走査方向は、プラテンローラ65のプラテンローラ軸65aと平行な方向(マスタ幅方向MBでもある)であり、副走査方向は主走査方向と直交する方向でマスタ搬送方向Tに相当している。
【0101】
一対の引張バネ62の付勢力、プラテンローラ65へ伝達される駆動モータ45の回転駆動力およびプラテンローラ65の摩擦係数等で決められるプラテンローラ65によるマスタ22の搬送力は、引き出しローラ40によるマスタ22の搬送力よりもやや大きく予め設定されている。
【0102】
この実施の形態1では、プラテンローラ65に対してサーマルヘッド56を当接させる方向に揺動させているが、これとは逆に、プラテンローラ65を回転自在かつ変位可能に構成するとともに、駆動モータ45の回転駆動力をプラテンローラ65に伝達する機構にテンションプーリおよび無端ベルト等を用いることにより変位可能に構成して、プラテン圧制御手段54と類似する手段によりサーマルヘッド56に対してプラテンローラ65を当接させる方向に揺動させることも勿論可能である。このように、サーマルヘッド56に対してプラテンローラ65を当接させる方向に揺動させるように構成した場合には、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めたとき、プラテンローラ65の上記押圧部にガイド板35の自由端を近接させるように構成してもよい。
【0103】
要するに、マスタ案内手段の配設状態としては、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めたとき、ガイド板35を、サーマルヘッド56またはプラテンローラ65に近接もしくは当接するように構成したものであってもよい。
【0104】
また、偏心カム59は、上記した製版時に加えて、マスタロール23からのマスタ22の繰り出し時に、マスタ22が移動してきた時点で、短時間の間だけ連続回転することもできる。これにより、サーマルヘッド56は、プラテンローラ65との間でマスタ22を挟んで、プラテンローラ65に対して接離を繰り返すことができる。このようなサーマルヘッド56とプラテンローラ65との接離の繰返し動作に連動してプラテンローラ65をマスタ搬送方向Tに回転させることによって、プラテン圧制御部55に位置するマスタ22は、マスタ搬送方向Tの下流側に断続的に繰り返し引っ張られる。その結果、ロールフランジ対25a,25bの摩擦抵抗部25dと接触することによりマスタロール23の両端面に生じている摩擦力を繰り出しの際の抵抗力にして、マスタロール23から繰り出されたマスタ22部分に生じているシワ等を伸ばしそのシワ等を除去することができるようになっている。
【0105】
マスタ22の非製版時には、偏心カム59が回転してその大径部がヘッドベース57の揺動端上面に圧接される。これにより、サーマルヘッド56はプラテンローラ65から離され、マスタ22に対するプラテン圧が解除される。
【0106】
図1および図2において、プラテン圧制御部55におけるマスタ搬送路MRの下流側には、裁断部70が配置されている。裁断部70は、プラテンローラ65によって搬送される製版済みのマスタ22もしくはマスタ22の後端部を切断するための裁断手段としてのロータリカッタ71と、ロータリカッタ71をマスタ幅方向MBに往復案内する案内レール71Aとから主に構成される。ロータリカッタ71は、回転しながらマスタ幅方向MBに移動可能な周知の構成を有する。ロータリカッタ71は、製版済みのマスタ22もしくはマスタ22の後端部を切断するときのみマスタ搬送路MRを回転しながら横切るようになっており、通常、マスタ幅方向MBにおける案内レール71Aの片側端に待機していて、マスタ22の回転に支障とならないようになっていて、またロータリカッタ71は、カッタ駆動モータ71Bにより、回転・移動されるようになっている。ロータリカッタ71および案内レール71Aを備えた裁断部70は、例えば特開平7−101135号公報の図1等と同様の周知の構成を有している。
【0107】
裁断手段は、ロータリカッタ71に限らず、固定刃と昇降刃等を備えたいわゆるギロチンカッタ等であってもよい。
図1および図2において、裁断部70におけるマスタ搬送路MRの下流側には、一対のローラで構成されている第1搬送ローラ対72、第1ガイド73、第2搬送ローラ対74および製版済みのマスタ22もしくはマスタ22を版胴2のクランパ4に向け案内するための第2ガイド75がこの順にそれぞれ配置されている。
【0108】
第1搬送ローラ対72の上方のローラ72は、軸72aに一体的に形成された駆動ローラであり、下方のローラ72は、軸72bに一体的に形成された従動ローラであり、ともに両側板間78に回転自在に支持されている。図6における右側の側板78側に配設された第1搬送ローラ対72の上方の軸72a(図6には不図示)には、図示を省略したローラプーリが固設されていて、このローラプーリとプラテンローラ65のプラテンローラプーリ67との間には、無端ベルト68が掛け渡されている。上記ローラプーリの外側における第1搬送ローラ対72の上方の軸72a(図6には不図示)には、図示を省略した第1ローラプーリが固設されている。同様にして、第2搬送ローラ対74の上方のローラ74は、軸74aに一体的に形成された駆動ローラであり、下方のローラ74は、軸74bに一体的に形成された従動ローラであり、ともに両側板間78に回転自在に支持されている。図6における右側の側板78側に配設された第2搬送ローラ対74の上方の軸74a(図6には不図示)には、図示を省略した第2ローラプーリが固設されていて、上記した第1ローラプーリと第2ローラプーリとの間には、無端ベルト(ともに不図示)が掛け渡されている。第1、第2搬送ローラ対72,74は、例えばゴムローラからなる。
【0109】
上記したように、それぞれ図示を省略した、第1、第2ローラプーリ、上記無端ベルト、および上記ローラプーリ、並びにプラテンローラプーリ67、無端ベルト68および駆動力伝達機構69は、マスタ搬送駆動手段としての駆動モータ45の回転駆動力を第2搬送ローラ対74に伝達する第2回転力伝達機構を構成している。また上記第2回転力伝達機構から上記第1、第2ローラプーリおよび上記無端ベルトを除去した機構は、マスタ搬送駆動手段としての駆動モータ45の回転駆動力を第1搬送ローラ対72に伝達する第1回転力伝達機構を構成している。従って、マスタ搬送駆動手段としての駆動モータ45は、第1搬送ローラ対72や第2搬送ローラ対74を回転させる搬送ローラ駆動手段を兼ねている。
【0110】
第2搬送ローラ対74は、上記第2回転力伝達機構を介して、第1搬送ローラ対72の周速度よりも僅かに速い周速度で、また第1搬送ローラ対72は、上記第1回転力伝達機構を介して、プラテンローラ65の周速度よりも僅かに速い周速度で回転するようにそれぞれ予め設定されている。
【0111】
また、上記したプラテンローラ65によるマスタの搬送力は、第1搬送ローラ対72によるマスタ22の搬送力や第2搬送ローラ対74によるマスタ22の搬送力よりもやや大きく予め設定されている。それ故に、プラテンローラ65と第1搬送ローラ対72との間、および第1搬送ローラ対72と第2搬送ローラ対74との間に位置するマスタ22もしくは製版済みのマスタ22には、所定範囲の張力がそれぞれ付与されるようになっている。これらの周速度の設定は、例えばプラテンローラプーリ67および上記各ローラプーリおよびプラテンローラ65と第1搬送ローラ対72と第2搬送ローラ対74との各外径の大きさ等を調整することによりなされている。
【0112】
上記したように、引き出しローラ40、プラテンローラ65および第1、第2搬送ローラ対72,74の各周速度は、第2搬送ローラ対74>第1搬送ローラ対72>プラテンローラ65>引き出しローラ40の順に僅かに速く設定されていて、これらの部品間に位置するマスタ22もしくは製版済みのマスタ22に所定範囲の張力が付与されるようになっている。それ故に、この実施の形態1によれば、マスタ搬送駆動手段を1個のみで、すなわちステッピングモータからなる駆動モータ45のみで構成し得たので、よりコンパクトな、かつ、低コストな装置を提供することができる利点がある。
【0113】
第1ガイド73は、製版済みのマスタ22もしくはマスタ22を第2搬送ローラ対74の押圧部に案内する機能を有し、第2ガイド75は、製版済みのマスタ22もしくはマスタ22を版胴2のクランパ4に向け案内する機能を有する。
【0114】
上記した製版書込み装置20における裁断部70以降の構成により、製版済みのマスタ22もしくはマスタ22の先端部は、裁断部70のロータリカッタ71により必要長さに裁断され、給版位置で待機している版胴2における拡開したクランパ4の把持部材4Aにより先端を把持固定されるようになっている。
【0115】
プラテンローラ65、第1搬送ローラ対72および第2搬送ローラ対74の駆動方式は、駆動力伝達機構69、上記第1、第2回転力伝達機構を介して駆動するものに限らず、上記利点を望まなくてもよいのであれば、次のようなものであってもよい。例えば、上記駆動力伝達機構69を除去するとともに、プラテンローラ65を回転させるプラテンローラ駆動モータを配設したり、および/または第1、第2回転力伝達機構を除去するとともに、第1搬送ローラ対72および/または第2搬送ローラ対74を回転させる搬送ローラ駆動モータを配設したりしてもよい。また、駆動力伝達機構69は、これに限らず、ギアとベルトおよびプーリとの組合わせにしたものであってもよい。これと同様に、上記第1、第2回転力伝達機構は、これらに限らず、ギア同士の伝達にしたり、あるいはギアとベルトおよびプーリとの組合わせにしたものであってもよい。
【0116】
上記したように、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めたときの製版書込み装置20におけるマスタ保持ユニット21の最外端部から第2ガイド75に至るマスタ搬送路MRの全長は、従来の製版書込み装置の約2/3程度となっていて、装置の大幅なコンパクト化が図られている。
【0117】
図1において、孔版印刷装置1の上部には、図示を省略した原稿読み取り部が設置されている。
原稿読み取り部は、コンタクトガラスを用いた原稿走査部を備えており、原稿走査部に配設された光源からの光を、コンタクトガラス上に載置された原稿に照射し、原稿からの反射光を、ミラーおよび結像レンズを含む結像光学系を介してCCD等からなる画像センサに入射させて画像情報を取り込むようになっている。上記画像情報は、後で詳細を説明する制御部に出力され、製版書込み装置20での穿孔処理のためのデータとして用いられる。また、原稿読み取り部の上部には、後述する操作部を備えた操作パネルが配設されていて、オペレータは、上記操作パネルの操作部に対向した作業姿勢で、上記したようなマスタ保持ユニット21の引き出しおよび押し込み操作、ならびにマスタロールの着脱およびマスタセット操作を行うことができる。
【0118】
図1において、版胴2を挾んで製版書込み装置20と対向する位置には、排版部90が配置されている。
排版部90は、版胴2の近傍に位置し、使用済みのマスタ22を挟持可能なベルトを互いに当接させた上部排版部材91および下部排版部材92と排版ボックス94とを備えている。
【0119】
上部および下部排版部材91,92に備えられたベルトは、版胴2の近傍に位置するローラと排版ボックス94側に位置するローラとにそれぞれ掛け渡されている。版胴2に巻装されていた使用済みのマスタ22は、上記ベルトによって版胴2の外周面から剥離され該ベルトでさらに排版ボックス94に向け移送される。上記排版部材のうち、下部排版部材92は、版胴2が反時計方向に回転する排版時に版胴2の外周面に対して接近することができるようになっており、接近した際には、使用済みのマスタ22の後端を受入れて排版ボックス94に向け移送する。
【0120】
排版ボックス94の上部には、昇降自在の圧縮部材93が設けられている。圧縮部材93は、排版ボックス94内に収容された使用済みのマスタ22を圧縮して、次に廃棄されるマスタ22の収容スペースを準備するようになっている。排版ボックス94内が使用済みのマスタ22によって満たされた場合には、孔版印刷装置1の外部に排版ボックス94を取り出して排版ボックス94内に収容された使用済みのマスタ22が廃棄処分される。
【0121】
図1において、プレスローラ9と対向する版胴2の下方側であって、図中矢印で示す時計回り方向に回転する版胴2の下流側には、その先端部が版胴2の外周面に対して接近可能な剥離爪80が設けられている。剥離爪80は、版胴2上から印刷用紙Sを剥離し、剥離された印刷用紙Sが、排出搬送装置81に向け排出される。
【0122】
排出搬送装置81は、一対のローラ82,83に掛け渡された無端状の搬送ベルト84を有していて印刷用紙Sの排紙部を構成している。版胴2の外周面から剥離された印刷用紙Sは、排出搬送装置81の搬送ベルト84上に移送され排紙トレイ85に向けて搬送される。搬送ベルト84上に移送された印刷用紙Sに対して印刷用紙Sを吸引するための吸引フアン86が、搬送ベルト84における印刷用紙Sの載置面下方に配置されている。また、排紙トレイ85は、図示しない回転軸を基端に設けることによって印刷装置の側壁面に対して起倒可能に設ける場合もある。
【0123】
図9には、原稿読み取り部からの画像情報に基づいて製版書込み装置20での穿孔製版処理制御および給版処理制御等を行なう制御手段としての制御部100の構成が示されている。
【0124】
図9において、制御部100は、原稿画像の読み取り工程から、製版・給版工程、印刷工程および排紙工程に亘る全般のシーケンス制御を行なうための基礎プログラムを記憶したROM102、データを適宜登録しておくためのRAM103を有するマイクロコンピュータ(同図では、符号CPUで示してある)101によって構成されている。
【0125】
この実施の形態1の要旨部と関係する制御構成を中心として以下に述べる。図示しないI/O(入力/出力)インターフェースを介して、制御部100の入力側には、上記した原稿読み取り部、マスタ検知手段としてのマスタ検知センサ32、マスタセット検知手段としてのマスタセット検知センサ33、先端検知手段としてのマスタ先端検知センサ63および操作部64がそれぞれ接続されている。一方、制御部100の出力側には、引き出しローラ40、プラテンローラ65および第1、第2搬送ローラ対72,74をそれぞれ回転させるマスタ搬送駆動手段としての駆動モータ45、プラテン圧制御部55のベース駆動モータ58、サーマルヘッド56および裁断部70のカッタ駆動モータ71Bがそれぞれ接続されている。
【0126】
なお、制御部100の入力側に接続されていて二点鎖線で囲んだ作動設定キー64aは、この実施の形態1では用いられない制御構成要素を示す。
【0127】
マスタ検知センサ32は、図1、図2および図4に示すように、一対のガイドレール79間に橋架された図示しない不動部材の中央部に設置されている。マスタ検知センサ32は、発光部および受光部を具備した周知の反射型光学センサである。マスタ検知センサ32は、マスタ保持ユニット21の収納部27e内にマスタロール23が装填されている場合に得られる反射光を検知することができるようになっている。マスタロール23は、マスタ保持ユニット21の収納部27e内に位置しているとき、マスタ検知センサ32によって存在していることが検知される。
【0128】
このマスタ検知センサ32は、反射型光学センサであることから、マスタロール23が使用できる限界に達した場合を検知できる手段としても機能するようになっている。このため、マスタロール23は、図8に示すマスタロール23が消費されて使用限界に達した場合、それまでの反射率よりも低い低反射率部23Aに相当する黒色塗装部をマスタ検知センサ32に対向させるので、マスタ検知センサ32は、反射率が低下したことを知らせる信号を出力する。制御部100では、マスタ検知センサ32によって低反射率部23Aからの反射率に対応した信号が入力されると、マスタ22の繰り出しを停止しなければならないことを判別する。またマスタロール23がマスタ保持ユニット21の収納部27e内に装填されていない場合にも、マスタ検知センサ32は、反射率が低下したことを知らせる信号を出力する。
【0129】
マスタセット検知センサ33は、図1および図2において、マスタ保持ユニット21が製版書込み装置20内に挿入され製版挿入位置を占めたことを検知するために設けられている。この実施の形態1では、マスタセット検知センサ33は、装置本体側のガイドレール79の下部壁に設けられていて、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めたときにのみスライドレール27cの先端下壁面と係合するマイクロスイッチが用いられている。マスタセット検知センサ33は、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置に押し動かされたことを検知して、引き出しローラ40等を回転させる駆動モータ45の動作開始時期を検知し、その検知信号を制御部100に出力する作動検知手段の機能を有する。
【0130】
マスタセット検知手段は、上記マスタセット検知センサ33に限らず、マスタ保持ユニット21のスライドレール27cの先端下壁面に反射面を設けるとともに、マスタ保持ユニット21の製版挿入位置に対応するガイドレール79の下部壁面の位置に反射型光学センサおよびその入出射光の開口(図示せず)を設けたものであってもよい。
【0131】
マスタ先端検知センサ63としては、図1および図2に示すように、マスタ搬送方向Tにおけるガイド部材51の下流であって、マスタ搬送路MRにおけるプラテンローラ65の上流側に配置された第1のマスタ先端検知センサ63Aと、プラテンローラ65と裁断部70との間のマスタ搬送路MR上に配置された第2のマスタ先端検知センサ63Bと、第1搬送ローラ対72と第2搬送ローラ対74との間のマスタ搬送路MR上に配置された第3のマスタ先端検知センサ63Cとからなる。
【0132】
第1、第2、第3のマスタ先端検知センサ63A,63B,63Cは、いずれも反射型光学センサであって、発光部および受光部を具備した周知のものである。これら3つのマスタ先端検知センサ63A,63B,63Cのうち、第2のマスタ先端検知センサ63Bは、マスタ22の先端を検知した時点でプラテン圧制御部55の駆動を行うための基準信号を出力する働きを持っている。また、第1、第3のマスタ先端検知センサ63A,63Cは、マスタ22の先端を検知した時点から所定時間(駆動モータ45の所定ステップ数でもある)の間、マスタ22の繰り出しを継続させるための基準信号を出力する働きを持っている。
【0133】
第1のマスタ先端検知センサ63Aからの信号が出力されたときに決められるマスタ22の繰り出し量は、マスタ22の先端がサーマルヘッド56とプラテンローラ65とによるマスタ22の挟持動作が可能となる量、すなわちプラテン圧を付与することが可能な位置に達する量とされている。第3のマスタ先端検知センサ63Cからの信号が出力されたときに決められるマスタ22の繰り出し量は、マスタ22の先端が版胴2のクランパ4に対向できる位置に達する量とされている。
【0134】
操作部64には、図示しないが、製版開始スイッチ、印刷枚数指令用テンキー等が配置されている。製版開始スイッチは、新たな製版済みのマスタ22を版胴2に巻装する場合に操作されるスイッチである。この製版開始スイッチが操作されると、マスタロール23から引き出されガイド板35と引き出しローラ40との間に挾持されたマスタ22の先端をプラテン圧制御部55に向け自動的に繰り出して製版し、印刷用紙Sを1枚だけ通紙して版胴2の開孔部分からマスタ22の穿孔部分にインキを滲出させる、いわゆる版付け動作が行われる。なお、連続的な印刷動作を開始させる場合には、上記製版開始スイッチとは別に設けられている印刷開始指令用スイッチが操作される。
【0135】
制御部100では、マスタ検知センサ32、マスタセット検知センサ33からの検知信号が入力されない場合に、駆動モータ45の駆動を停止させる。また、プラテン圧制御部55では、偏心カム59のベース駆動モータ58に対し、偏心カム59の大径部をヘッドベース57におけるガイド取付部57aの揺動端部に対向・圧接させる状態が得られる方向に回転させるとともに、プラテンローラ65の回転を停止させる。これによって、プラテン圧制御部55では、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とによるマスタ22の挟持・押圧が解除されてマスタ22に対する挟持・押圧しながらの搬送および加熱穿孔を不能にさせる。なお、この場合、上記プラテン圧が解除されてマスタ保持ユニット21を製版書込み装置20の外方に向け引き出し可能であることを知らせるためのLED(発光ダイオード)等からなる報知手段を操作部64に配設してもよい。この報知手段は、例えば、マスタ保持ユニット21を製版書込み装置20の外方に向け引き出し可能であるときに点滅し、マスタ保持ユニット21が引き出し不可能であるとき点灯するように作動させてもよい。
【0136】
一方、制御部100は、マスタ検知センサ32、マスタセット検知センサ33からの検知信号が入力されると、駆動モータ45を駆動させて、マスタロール23から引き出されガイド板35と引き出しローラ40との間に挾持されたマスタ22の先端の搬送を可能とする状態を設定する。
【0137】
そして、繰り出されたマスタ22の先端が第1のマスタ先端検知センサ63Aによって検知されると、制御部100は、駆動モータ45を所定ステップ(パルス)数継続して回転駆動させることにより、引き出しローラ40を所定ステップ数に対応する回転数継続回転させる。駆動モータ45の回転駆動が所定ステップ数継続されるとき、マスタ22の先端は、プラテン圧制御部55におけるサーマルヘッド56とプラテンローラ65とで挟持される位置に向けて移動される。
【0138】
このような動作とともに、制御部100は、ヘッドベース57におけるガイド取付部57aの揺動端部をプラテンローラ65側に向け揺動させるために偏心カム59におけるベース駆動モータ58の回転制御を行ない、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とによるマスタ22への押圧力(プラテン圧)を作用させる状態を設定する。
【0139】
サーマルヘッド56が、プラテンローラ65に当接してマスタ22に対する挟持力を作用させる状態が設定されると、プラテンローラ65は、駆動モータ45により回転されてサーマルヘッド56と協働してマスタ22を挟持しながら搬送できる状態とされる。
【0140】
そして、制御部100は、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とによりマスタ22を押圧させた状態で、第2のマスタ先端検知センサ63Bによりマスタ22の先端検知信号が出力されるまで、さらに駆動モータ45を回転駆動させてマスタ22を搬送させる。
【0141】
第2のマスタ先端検知センサ63Bによりマスタ22の先端が検知され、第2のマスタ先端検知センサ63Bから先端検知信号が出力されると、制御部100は、ベース駆動モータ58を回転駆動させることにより偏心カム59を短時間の間、連続回転(通常少なくとも1回転以上)させ、マスタ22を挟んでサーマルヘッド56とプラテンローラ65との接離動作を繰返し行なわせることで、プラテン圧の断続動作が行われる。
【0142】
上記プラテン圧の断続動作終了後、制御部100は、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とによりマスタ22を押圧させた状態で、第3のマスタ先端検知センサ63Cによりマスタ22の先端検知信号が出力されるまで、さらに駆動モータ45を駆動させてマスタ22を搬送させる。
【0143】
第3のマスタ先端検知センサ63Cによりマスタ22の先端が検知され、第3のマスタ先端検知センサ63Cから先端検知信号が出力されると、制御部100は、駆動モータ45を所定ステップ数回転駆動させることにより、引き出しローラ40、プラテンローラ65、第1搬送ローラ対72および第2搬送ローラ対74を所定ステップ数に対応する回転数回転させてマスタ22の先端を、版胴2におけるクランパ4に対向する位置(図1に示す位置状態)に給送させる。この後に、制御部100は、駆動モータ45を停止させ、製版待機状態とする。この製版待機状態とは、図1に示すように、第2搬送ローラ対74のニップ部から版胴2のクランパ4に最も近い位置にマスタ22の先端が位置する状態とされる。
【0144】
上記したとおり、制御手段としての制御部100は、作動検知手段としてのマスタセット検知センサ33からの検知信号に基づき、マスタ22の先端がマスタ先端検知手段としてのマスタ先端検知センサ63により検知されるまでの間、マスタ搬送駆動手段としての駆動モータ45をしてマスタ搬送手段としての引き出しローラ40を動作させてマスタ22を繰り出すとともに、マスタ先端検知センサ63によるマスタ22の先端の検知信号に基づき、プラテン圧制御手段54をしてサーマルヘッド56とプラテンローラ65とによるマスタ22の挟持可能な状態を設定する機能を有する。
【0145】
また、制御部100は、マスタ先端検知センサ63からの検知信号に基づいて、プラテン圧制御手段54をして、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とによるマスタ22の挟持動作を断続させる機能を有する。
【0146】
また、制御部100は、マスタセット検知センサ33によりマスタ保持ユニット21が製版挿入位置から外れたことが検知されたときに、プラテン圧制御手段54をして、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とによるマスタ22の挟持搬送が解除される状態に設定する機能を有する。
【0147】
この実施の形態1は以上のような構成であり、マスタロール23の着脱から版胴2へのマスタ22を巻装するまでの動作状態を表す図10ないし図19および制御部100の制御動作を示す図20および図21のフローチャートを参照して給版処理動作を説明すると、次のとおりである。
【0148】
図10ないし図19の動作図は、図の簡明化を図るため図1および図2等に対して幾分模式的に示されており、マスタ保持ユニット21の構成部品等の図示は適宜省略している。
【0149】
図10は、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めている状態で、マスタロール23におけるマスタ22の残量が無くなった場合、あるいはマスタロール23自体が無い場合等の待機状態を示している。マスタ22の残量が無くなった、あるいはマスタロール23自体が無い状態は、マスタ検知センサ32により検知される。すなわち、マスタロール23は、消費されて使用限界量に近付くにしたがい、マスタ22の巻装量が少なくなる。このため、マスタ検知センサ32から出射されている光は、図8において説明したように、マスタロール23に設けられた低反射率部23Aの影響によって反射しなくなり、マスタ検知センサ32への反射光量の低下を招く。マスタ検知センサ32では、反射光量の変化を追跡しており、その光量が所定値以下に達すると、その状態を検知したことを意味する検知信号を制御部100に出力する。
【0150】
制御部100は、マスタ検知センサ32からの上記した検知信号が入力されると、装置本体側からのマスタ保持ユニット21の引き出しを許容する状態を設定する。プラテン圧制御部55では、偏心カム59のベース駆動モータ58に対して、一対の引張バネ62の付勢力に抗して偏心カム59の大径部をヘッドベース57のガイド取付部57a揺動端部に圧接させる回転制御が行なわれる。これにより、サーマルヘッド56は、プラテンローラ65とによるマスタ22への挟持圧を解除する状態となる。
【0151】
次いで、図11において、オペレータによってロール受台27の把手27bが操作されることにより、マスタ保持ユニット21のロック状態が解除されてマスタ保持ユニット21が製版書込み装置20の外方の矢印方向Rに引き出されることにより、ロール受台27のスライドレール27cが側板78のガイドレール79内を摺動しつつ、マスタ保持ユニット21がロール着脱位置を占める。マスタ保持ユニット21が矢印方向Rに引き出されるとき、図6において、板バネ77の保持付勢力に抗してローラ軸41がガイド溝76から外れるとともに、駆動ギア46とローラギア42との噛合が外れる。
【0152】
マスタ保持ユニット21がロール着脱位置を占めるための引き出し量は、マスタロール23の着脱を行うことができるとともに、少なくともオペレータが引き出しローラ40を見ることができてローラアーム43の把手部43aを操作可能な状態とされている。そして、マスタロール23は、そのマスタ22に対するプラテン圧制御部55でのプラテン圧を解除されているので、製版書込み装置20の外方への引き出しの際に抵抗を受けることがない。また、図4および図5において、圧縮バネ28の付勢力が働いている下で、側板78のスライド案内部78bに摺接していたフランジ支持板26のスライド部26bは、マスタ保持ユニット21が矢印方向Rに移動されることにより、スライド案内部78bとの係合を解除され、次いで側板78の傾斜案内部78aとフランジ支持板26の傾斜部26aとが係合・摺接することとなる。これにより、ロールフランジ25bの円錐面部25cは、マスタロール23の右側の芯管24内に進入・嵌入している図4に仮想線で示す位置決め位置から、マスタロール23の右側の芯管24内から退出した実線で示す非位置決め位置に変位してマスタロール23とロールフランジ25bとの嵌合・係合状態が解除される。
【0153】
そして、マスタ保持ユニット21がロール着脱位置を占めた状態で、オペレータは、ロール受台27の収納部27eから使用済みのマスタロール23を取外した後、図12に示すように、未使用の新しいマスタロール23を準備し、新しいマスタロール23の左側の芯管24内にロールフランジ25aの円錐面部25cを嵌入させる。次いで、オペレータは、図3,図4および図12に示すように、マスタロール23からマスタ22の先端を引き出し、ローラアーム43の把手部43aを持ってローラアーム43および引き出しローラ40を図中矢印U方向に持ち上げてガイド板35上にマスタ22の先端部を載置してから、図13に示すように、ローラアーム43および引き出しローラ40を図中矢印D方向に示す位置に戻す。すなわち、オペレータが、マスタ22の先端部が載置されたガイド板35上に引き出しローラ40を置くことにより、ローラアーム43および引き出しローラ40の自重で、ガイド板35上と引き出しローラ40との間にマスタ22の先端部が挾持される。
【0154】
次いで、オペレータは、図14に示すように、ロール受台27の把手27bを操作して、マスタ保持ユニット21を、圧縮バネ28の付勢力に抗して製版書込み装置20内に向かう矢印方向Fに押し込む。この操作により、製版書込み装置20内から矢印方向Rに引き出した上記動作と反対の動作が行われる。すなわち、ロール受台27のスライドレール27cが側板78のガイドレール79内を摺動するとともに、図4および図5において、圧縮バネ28の付勢力に抗して、側板78の傾斜案内部78aとフランジ支持板26の傾斜部26aとの係合・摺接状態からスライド案内部78bとスライド部26bとの係合・摺接状態に移行することとなる。そして、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占める動作と並行して、図4および図5において、ロールフランジ25bは、非位置決め位置から位置決め位置に変位される。このとき、ロールフランジ25bの円錐面部25cがマスタロール23の右側の芯管24内に完全に進入・嵌入するとともに、ロールフランジ25bの摩擦抵抗部25dがマスタロール23の軸方向端面に当接して、マスタロール23が3次元方向に位置決めされて、換言すれば自動的に調心されるとともにロールフランジ25a,25bに回転自在に支持されて、マスタ保持ユニット21に装填される。故に、マスタロール23の着脱を簡単なワンタッチの操作で行うことができる。
【0155】
また、マスタ保持ユニット21が矢印方向Fに摺動されるとき、ガイド板35の自由端部は、ガイド部材51上に摺接しながらガイド部材51に沿ってプラテンローラ65とサーマルヘッド56との押圧部近傍に移動される。そして、引き出しローラ40のローラ軸41の両端部がガイド溝76に案内されつつ、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めたとき、図6において、板バネ77の保持力に抗してローラ軸41がガイド溝76内の終端部にそれぞれ挿入されるとともに、ローラギア42が駆動ギア46に噛合することとなる。
【0156】
そして、マスタ保持ユニット21が製版挿入位置を占めると、マスタ検知センサ32により、使用限界にない新しいマスタロール23の存在が検知されるとともに、マスタセット検知センサ33によってマスタ保持ユニット21が製版挿入位置にセットされたことが検知される。
【0157】
制御部100では、図20に示す給版処理が実行される。図15および図20において、マスタ検知センサ32およびマスタセット検知センサ33からの検知信号が判別される(ステップST1,ST2)。両検知センサ32,33からの検知信号が入力されていると判別されると、駆動モータ45が回転駆動されると同時に、引き出しローラ40が、駆動力伝達機構69を介してプラテンローラ65が、また第1、第2回転力伝達機構を介して第1、第2搬送ローラ対72,74が時計回り方向にそれぞれ回転され、駆動モータ45の動作が開始される(ステップST3)。駆動モータ45は、所定ステップ数回転駆動するように、制御部100により予め設定されている。
【0158】
引き出しローラ40が時計回り方向に回転されることにより、ガイド板35上と引き出しローラ40との間に挾持されたマスタ22の先端部は、マスタロール23が反時計回り方向に回転されつつマスタロール23からマスタ22が繰り出されることで、またガイド板35上に案内されながらマスタ搬送方向Tの下流側に搬送される。
【0159】
そして、駆動モータ45の動作開始と同時に、マスタ22の先端を検知する第1のマスタ先端検知センサ63Aからの検知信号の有無が判別される(ステップST4)。このステップST4において、駆動モータ45がその設定されたステップ数回転駆動し、かつ、第1のマスタ先端検知センサ63Aがオンしないオフのとき、制御部100は、引き出しローラ40の回転により搬送されたマスタ22がジャム等の故障を生じたものと判断して操作部64に配設された図示しないLCD(液晶表示装置)を駆動してそのLCDにジャム表示をさせるようになっている。この処理はサブルーチンのプログラムとして別に決められているが、このフローチャートでは便宜的にBの処理動作に移行するものとしておく。また、後述するステップST7およびステップST9でも上記処理と同様なのでステップST7およびステップST9における説明は省略する。
【0160】
第1のマスタ先端検知センサ63Aからマスタ22の先端を検知した信号が出力されると、駆動モータ45において所定ステップ数の回転駆動動作が継続される。この所定ステップ数に相当する駆動モータ45の回転量は、引き出しローラ40をして、マスタ22の先端がプラテン圧制御部55の押圧部(以下、「ニップ部」というときがある)に達することができる状態とされる(ステップST5)。この実施の形態1では、駆動モータ45の回転動作が継続されるとき、第1のマスタ先端検知センサ63Aにより先端を検知されたマスタ22は、このマスタ22の先端が、第1のマスタ先端検知センサ63Aにより検知される位置からプラテン圧制御部55のプラテンローラ65とサーマルヘッド56とのニップ部を通り過ぎるまでの距離25mm程度搬送される。
【0161】
次いでプラテン圧制御部55での制御処理が実行される(ステップST6)。このステップST6での制御処理は、プラテン圧制御部55におけるプラテンローラ65に対してサーマルヘッド56を当接させてマスタ22への挟持力、すなわち所定のプラテン圧を作用させる。このため、制御部100は、図16において、プラテン圧制御部55のベース駆動モータ58を回転制御し、これにより偏心カム59は、半回転されその小径部がヘッドベース57におけるガイド取付部57aの揺動端部に隙間をもって対向される。この結果、ヘッドベース57は、図7における一対の引張バネ62の付勢力により、ベース軸57cを中心としてサーマルヘッド56を反時計回り方向のプラテンローラ65側に向けて揺動させるので、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とがマスタ22を押圧しながら搬送できる状態とされる。また、ガイド取付部57aの揺動端部に対する偏心カム59の小径部の上記対向回転動作と同時に、ガイド取付部57a上に固定されたガイド部材51が一緒に上方へ揺動することにより、ガイド板35の自由端部がガイド部材51の上方への揺動に連動して、ガイド板軸36を中心として時計回り方向に若干揺動することとなる。このとき、ガイド板35の上記揺動動作に伴う引き出しローラ40のローラ軸41の揺動は、引き出しローラ40が上記したようなスポンジローラからなることによりこのスポンジローラがガイド板35の上記揺動動作に伴って容易に弾性変形することで、引き出しローラ40の揺動変位が吸収され相殺されることでほとんど無く、それ故にローラ軸41への負荷の影響は小さく問題とはならない。
【0162】
そして、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とによりマスタ22が挟持された状態で、プラテンローラ65が駆動力伝達機構69を介して時計回り方向に引き出しローラ40の周速度よりも僅かに速い周速度で回転されることにより、マスタ22は、回転する引き出しローラ40とガイド板35上との間を僅かにスリップしながら、マスタロール23からマスタ22を繰り出しつつ、マスタ22の先端は、案内レール71Aに沿って案内されながらマスタ搬送方向Tの下流側に搬送されていく。
【0163】
そして、マスタ22の先端を検知する第2のマスタ先端検知センサ63Bからの検知信号の有無が判別される(ステップST7)。第2のマスタ先端検知センサ63Bからマスタ22の先端を検知した信号が出力されると、駆動モータ45において所定ステップ数の回転駆動動作が継続されると同時に、ベース駆動モータ58が回転駆動されることにより、偏心カム59が短時間の間(少なくとも1回転以上)連続回転されて、マスタ22を挟んでサーマルヘッド56とプラテンローラ65との接離動作(プラテン圧断続動作)が繰返し行なわれる。回転しているプラテンローラ65に対するサーマルヘッド56の接離が繰り返される際には、プラテンローラ65にサーマルヘッド56が当接したときにのみマスタ22がマスタロール23から繰り出される。またこの動作に連動して、図16ないし図17においてプラテンローラ65を時計回り方向に回転させてマスタ搬送路MRの下流側にマスタ22を搬送する方向に、マスタ22を断続的に繰り返し引っ張る。これにより、マスタロール23から繰り出されニップ部に亘るマスタ22のシワやスキューが除去され、シワやスキューの発生が防止されている(ステップST8)。
【0164】
次いで、上記したプラテン圧断続動作後、プラテンローラ65が駆動力伝達機構69を介して時計回り方向に引き出しローラ40の周速度よりも僅かに速い周速度で回転されることにより、マスタ22は、回転する引き出しローラ40とガイド板35上との間を僅かにスリップしながらマスタロール23からマスタ22を繰り出しつつマスタ搬送方向Tの下流側に搬送され、図17において、さらに第1搬送ローラ対72の時計回り方向の回転によってマスタ22の先端は、第1ガイド73に沿って案内されながらマスタ搬送方向Tの下流側に搬送されていく。このとき、第1搬送ローラ対72の周速度はプラテンローラ65の周速度よりも速く、かつ、プラテンローラ65によるマスタ22の搬送力は第1搬送ローラ対72によるマスタ22の搬送力よりも大きいので、第1搬送ローラ対72は、プラテンローラ65の回転により搬送されてきたマスタ22の上下間を極僅かにスリップしながら回転しつつマスタ搬送方向Tの下流側に搬送していく。こうして、駆動モータ45の回転駆動動作により、マスタ22の先端が第3のマスタ先端検知センサ63Cにより検知されるまで、引き出しローラ40、プラテンローラ65及び第1搬送ローラ対72の回転によるマスタ22の搬送が継続される。
【0165】
そして、マスタ22の先端を検知する第3のマスタ先端検知センサ63Cからの検知信号の有無が判別される(ステップST9)。図17に示すように、第3のマスタ先端検知センサ63Cからマスタ22の先端を検知した信号が出力されると、制御部100は、駆動モータ45を所定ステップ数回転駆動させることにより、引き出しローラ40、プラテンローラ65及び第1搬送ローラ対72及び第2搬送ローラ対74を所定ステップ数に対応する回転数回転させてマスタ22の先端を、版胴2におけるクランパ4に対向する位置(図1及び図18に示す位置状態)に給送させる。このとき、第2搬送ローラ対74の周速度は第1搬送ローラ対72の周速度よりも速く、かつ、プラテンローラ65によるマスタ22の搬送力は第1、第2搬送ローラ対72,74によるマスタ22の搬送力よりも大きいので、第2搬送ローラ対74は、引き出しローラ40、プラテンローラ65及び第1搬送ローラ対72の回転により搬送されてきたマスタ22の上下間を極僅かにスリップしながら回転しつつマスタ搬送方向Tの下流側に搬送する(ステップST10)。
【0166】
ステップST10の処理動作の後に、制御部100は、駆動モータ45を停止させ、製版待機状態とする(ステップST11)。この製版待機状態とは、上記したように、図1及び図18に示すように、第2搬送ローラ対74のニップ部から版胴2のクランパ4に最も近い位置にマスタ22の先端が位置する状態である。マスタ搬送路MRにおける第3のマスタ先端検知センサ63Cの位置から製版待機状態に位置するマスタ22の先端に至るマスタ22の移動量は、30mm程度に設定されている。
【0167】
次いで、操作部64にて上記製版開始スイッチが操作されると同時に、上記原稿読み取り部で読み取られA/D(アナログ/デジタル)変換された画像情報に応じて、制御部100により、サーマルヘッド65の発熱素子が選択的に発熱駆動されることでマスタ22が加熱溶融され穿孔されていく。この製版動作と並行して、駆動モータ45が回転駆動されることで引き出しローラ40、プラテンローラ65および第1、第2搬送ローラ対72,74が回転され、これによって製版済みのマスタ22の先端が第2ガイド75に沿って案内されつつマスタ搬送方向Tを変えて版胴2のクランパ4に向かって搬送されていく。一方、版胴2側では上記したような排版工程が行われ、版胴2は図1および図18に示す給版位置で停止した後、版胴2におけるクランパ4の把持部材4Aが拡開する。そして、駆動モータ45の所定ステップ数の回転駆動によって、製版書込み装置20から搬送されてきた製版済みのマスタ22の先端部が拡開している把持部材4Aとステージ4Bとの間に到達したことが判断されることで、把持部材4Aが閉じられて製版済みのマスタ22の先端部がクランパ4に挾持される。この後、製版書込み装置20から搬送されてくる製版済みのマスタ22が、版胴2上に繰り出され連続的にあるいは間欠的に時計回り方向に回転する版胴2の外周面上に巻き付けられていく。
【0168】
図21は、プラテン圧制御部55でのマスタ22に対する挟持作用を解除するための処理(図においては、自動リセット処理と表示されている)を示している。この自動リセット処理は、マスタ保持ユニット21が製版書込み装置20内の製版挿入位置から外方に移動するとき、マスタ22の挟持を解除してマスタ保持ユニット21を円滑に引き出せるようにすることを目的としている。
【0169】
図21において、マスタセット検知センサ33からの信号の出力および第1のマスタ先端検知センサ63Aからの信号の出力が判別される(ステップST12、ステップST13)。ステップST12,13においてマスタセット検知センサ33から信号が出力されておらず、しかも、第1のマスタ先端検知センサ63Aからの信号が出力されている場合には、プラテン圧制御部55において挟持圧解除処理が実行される(ステップST14)。
【0170】
ステップST14での処理は、プラテン圧制御部55の偏心カム59のベース駆動モータ58を回転駆動させて偏心カム59の大径部をヘッドベース57におけるガイド取付部57a揺動端部に接触させる。これにより、プラテンローラ65からサーマルヘッド56が離されるので、マスタ22への挟持圧が解除される。なお、マスタ保持ユニット21を製版書込み装置20内の製版挿入位置から外方に引き出すための移動を開始させるとき、プラテン圧制御部55にてマスタ22が挟持されていても、マスタ保持ユニット21が引き出されると、押圧されているマスタ22に加わる張力によってマスタ保持ユニット21の収納部27e内でマスタロール23が回転して巻解かれて弛むことができる。この結果、プラテン圧制御部55での挟持力を受けていても、マスタロール23からのマスタ22が切断するような破損は、生じることはない。
【0171】
以後、印刷工程において、版胴2の外周面から使用済みのマスタ22が排版される度に、マスタ保持ユニット21に装填されたマスタロール23から新たなマスタ22が繰り出され、サーマルヘッド56による加熱穿孔が実行されて、版胴2の外周面に巻装されることにより、新たな印刷処理が実行される。
【0172】
(変形例1)
図22および図23に、上記した実施の形態1の変形例1を示す。
この変形例1は、実施の形態1の製版書込み装置20に代えて製版書込み装置200を有することのみ相違する。変形例1の製版書込み装置200は、実施の形態1の製版書込み装置20に対して、マスタ保持ユニット21に代えてマスタ保持ユニット210、および一対の側板78に代えて一対の側板780をそれぞれ有することが主に相違する。そして、引き出しローラ40は、マスタ保持ユニット210が製版挿入位置を占めたとき、ガイド板35に接触し、マスタ保持ユニット210がロール着脱位置を占めたとき、ガイド板35から離間することを特徴とする製版書込み装置200である。以下、実施の形態1と相違する点について述べる。
【0173】
マスタ保持ユニット210は、マスタ保持ユニット21に対して、ロール受台27のガイド板支持部27fに昇降自在に支持されたローラアーム43に代えて、ロール受台270のガイド板支持部271に略水平方向に移動自在に支持された一対のローラアーム430を有することが主に相違する。側板780は、ガイド溝76が形成された側板78に対して、ガイド溝76に代えてガイド溝760を有する連動接離手段220を付設していることが主に相違する。
【0174】
各ローラアーム430は、各側板780の内側に配設されていて、倒れた略「く」の字状をなし、鈑金でできている。各ローラアーム430の一端側には、ローラ軸41が回転自在に支持されていて、各ローラアーム430の他端側には、段付きピン29が緩く嵌入されマスタ保持ユニット210のロール着脱位置への移動量をかせぐための案内溝431が形成されている。
【0175】
連動接離手段220は、マスタ保持ユニット210が製版挿入位置を占めたとき、引き出しローラ40をガイド板35上に接触させ、マスタ保持ユニット210がロール着脱位置を占めたとき、引き出しローラ40をガイド板35から離間させる機能を有する。連動接離手段220は、引き出しローラ40をガイド板35から離間させるためにローラ軸41を緩く嵌入する、図において左斜め上方に開口部を有し右斜め下方に傾斜して形成された傾斜溝部760aと、引き出しローラ40をガイド板35に接触させるためにローラ軸41を緩く嵌入する、傾斜溝部760aに連通して略水平方向に形成された水平溝部760bとから主に構成されている。水平溝部760bの傾斜溝部760a寄りの部分から、引き出しローラ40を回転自在に保持する板バネ77取付部における水平溝部760bの終端に至る形状は、引き出しローラ40をガイド板35に徐々に接触させるためにやや右斜め下方に傾斜した勾配を形成したものであっても勿論よい。傾斜溝部760aの上記開口部近傍の両側板780には、マスタ保持ユニット210がロール着脱位置を占めたときに、ロール受台270をガイドレール79から抜け止めさせるストッパ761が固設されている。ストッパ761は、板バネからできていて、製版書込み装置200の保守整備時等においてマスタ保持ユニット210を装置本体側からロール受台270ごと取り外すことができるような所定の弾性力が設定されている。マスタ着脱ユニット210が図22に示すロール着脱位置を占めている状態にあっては、ガイドレール79とスライドレール27cとの摺動抵抗およびロール受台270の自重による抗力の力の総和が、ローラアーム430と引き出しローラ40とがこれらの各自重によって傾斜溝部760a内を下方へ滑り落ちようとする力よりも十分に大きく設定されているので、ストッパ761に対してローラ軸41を保持クリックするほどの機能を持たせる必要はない。
【0176】
次に、実施の形態1と相違する点を中心に動作を述べる。
マスタ保持ユニット21がロール着脱位置を占めている図22に示す状態で、オペレータは、ロール受台270の収納部27eから使用済みのマスタロール23を取外した後、図3、図4および図12に示したと同様にして、新しいマスタロール23の芯管24内にロールフランジ25aの円錐面部25cを嵌入させてから、マスタロール23からマスタ22の先端を引き出し、連動接離手段220により引き出しローラ40がガイド板35上に案内され当接する位置よりも少なくともマスタ搬送路MRの下流側に相当する位置のガイド板35上にマスタ22の先端部を載置する。次いで、オペレータは、ロール受台270の把手27bを操作して、マスタ保持ユニット21を、図22では図示を省略した圧縮バネ28の付勢力に抗して製版書込み装置200内に向かう矢印方向Fに押し込むことにより、先ず、ロール受台270がローラアーム430の案内溝431の長さに相当する分摺動する。そして、オペレータは、さらにロール受台270を矢印方向Fに押し込むことにより、段付きピン29がローラアーム430の案内溝431の図において右側の終端部に突き当たり、ロール受台270と一緒にローラアーム430および引き出しローラ40が、すなわちマスタ保持ユニット210が矢印方向Fに移動することとなり、図23に示すように、ローラ軸41の両端部がガイド溝760の傾斜溝部760a内および水平溝部760b内を摺動しつつ案内されて、引き出しローラ40がガイド板35上との間にマスタ22の先端部を挾持するとともに、引き出しローラ40のローラ軸41が水平溝部760bの終端部および板バネ77により回転自在に保持される位置、すなわちマスタ保持ユニット210が製版挿入位置を占めることとなる。これと同時的に、実施の形態1と同様にして、ローラギア42が駆動ギア46に噛合することとなる。
【0177】
また、オペレータがロール受台270の把手27bを操作して、マスタ保持ユニット210を、図22では図示を省略した圧縮バネ28の付勢力に抗して製版書込み装置200内から矢印方向Rに引き出すときには、上記動作と反対の動作が行われる。すなわち、オペレータは、ロール受台270を矢印方向Rに引き出すことにより、先ず、段付きピン29がローラアーム430の案内溝431の範囲内において図において左側の終端部に突き当たるまでロール受台270のみが矢印方向Rに引き出されるとともに、実施の形態1と同様にして、ローラギア42が駆動ギア46から離れる。そして、段付きピン29が案内溝431の上記左側の終端部と係合すると、ロール受台270と一緒にローラアーム430および引き出しローラ40が、すなわちマスタ保持ユニット210が矢印方向Rに移動することとなり、ローラ軸41の両端部が、水平溝部760bの終端部および板バネ77により回転自在に保持されている位置から水平溝部760b内およびガイド溝760の傾斜溝部760a内を摺動しつつ案内される際に、引き出しローラ40がガイド板35上から離間されることによってマスタ22の先端部の挾持状態が解除される。また上記動作と並行して、ロール受台270のスライドレール27cが側板780のガイドレール79内を摺動するとともに、図4および5等にのみ示したように、圧縮バネ28の付勢力に抗して、側板780のスライド案内部78b(図22および23では不図示)とスライド部26bとの係合・摺接状態から側板780の傾斜案内部78a(図22および23では不図示)とフランジ支持板26の傾斜部26a(図22および23では共に不図示)との係合・摺接状態に移行することとなる。そして、マスタ保持ユニット210がロール着脱位置を占める動作と同時に、ロールフランジ25bは、位置決め位置から非位置決め位置に変位される。
【0178】
従って、この変形例1によれば、マスタ保持ユニット210が製版挿入位置およびロール着脱位置を占める移動に連動して、引き出しローラ40は連動接離手段220によってガイド板35上に接離可能となっている。それ故に、変形例1によるマスタ22の先端部のガイド板35上へのセット動作は、マスタロール23からマスタ22の先端を引き出し、連動接離手段220により引き出しローラ40がガイド板35上に案内され当接する位置よりも少なくともマスタ搬送路MRの下流側に相当する位置のガイド板35上にマスタ22の先端部を載置する動作だけでよいので、変形例1によれば、図12に示したような動作、すなわちローラアーム43の把手部43aを持ってローラアーム43および引き出しローラ40を図中矢印U方向に持ち上げたり、並びに図13に示したような動作、すなわちローラアーム43および引き出しローラ40を図中矢印D方向に示す位置に戻して引き出しローラ40とガイド板35上との間にマスタ22の先端部を挾持したりする面倒な動作を省くことができる利便性がある。
【0179】
(変形例2)
図24に実施の形態1の別の変形例2を示す。
この変形例2は、実施の形態1に対して、実施の形態1のマスタ保持ユニット21に代えてマスタ保持ユニット21Aを有することのみ相違する。マスタ保持ユニット21Aは、ローラアーム43等を介して引き出しローラ40がガイド板35に対して接離可能に構成されたマスタ保持ユニット21に対して、ガイド板35に対して引き出しローラ40を常時接触するように構成したことが主に相違する。以下、実施の形態1と相違する点について述べる。
【0180】
マスタ保持ユニット21Aは、実施の形態1のマスタ保持ユニット21に対して、ローラアーム43に代えて、把手部43aおよび案内溝43bを除去するとともに、引き出しローラ40のローラ軸41の両端部をして引き出しローラ40をガイド板35上に常に接触するように支持するローラアーム43Aを有すること、ロール受台27から左右一対の2個の段付きピン29を除去したこと、同図において左側のローラ軸41の他端にマスタ引込つまみ44を付設したことが主に相違する。ガイド板軸36寄りのガイド板35の両側壁には、略「コ」字状をなす板金製のローラアーム43Aの下端部が固着されていて、ローラアーム43Aの両内側壁の間には、マスタ22の先端部を介してガイド板35に常に接触しマスタ22を搬送する引き出しローラ40が配設されている。マスタ引込つまみ44は、合成樹脂でできていて、その外周面には摘んで操作をしやすいようにローレット加工が施されている。マスタ引込つまみ44は、マスタ保持ユニット21Aがロール着脱位置を占めたとき等において、マスタロール23から引き出されたマスタ22の先端部が引き出しローラ40とガイド板35との挾持部に差し込まれた後で、マスタ引込つまみ44をして時計回り方向に回転させることにより引き出しローラ40が同方向に回転することで、マスタ22の先端をガイド板35上における上記挾持部よりもマスタ搬送方向Tの下流側に繰り出させる操作を行うためのものである。
【0181】
次に、実施の形態1と相違する点を中心に簡単に動作を述べる。
【0182】
マスタ保持ユニット21Aがロール着脱位置を占めている状態で、オペレータは、ロール受台27の収納部27eから使用済みのマスタロール23を取外した後、図3、図4および図12に示したと同様にして、新しいマスタロール23の芯管24内にロールフランジ25aの円錐面部25cを嵌入させてから、マスタロール23からマスタ22の先端を引き出し、引き出しローラ40とガイド板35との挾持部にマスタ22の先端を差し込む。次いで、オペレータは、マスタ引込つまみ44を時計回り方向に回転させることにより、引き出しローラ40を同方向に回転させて、マスタ22の先端をガイド板35上における上記挾持部よりもマスタ搬送方向Tの下流側に繰り出させてから、ロール受台270の把手27bを操作して、マスタ保持ユニット21Aを、実施の形態1と同様に矢印方向Fに押し込む。
【0183】
従って、この変形例2によれば、実施の形態1に対して、マスタロール23から引き出されたマスタ22の先端を、引き出しローラ40とガイド板35との挾持部に差し込み、マスタ引込つまみ44を時計回り方向に回転させる比較的簡単な操作をすることで、マスタ22の先端部のガイド板35上へのセットおよび引き出しローラ40による自動繰り出し状態が可能となるので、その操作性を向上することができ、また簡素化したローラアーム43Aを有することにより、装置の軽量化に寄与することができる利点がある。
【0184】
(変形例3)
図25に実施の形態1のさらに別の変形例3を示す。
この変形例3は、実施の形態1に対して、マスタロール23からのマスタ22の繰り出し方向が反時計回り方向である実施の形態1のマスタ保持ユニット21に代えて、マスタロール23からのマスタ22の繰り出し方向を時計回り方向とする構成を備えたマスタ保持ユニット21Bを有することのみ相違する。以下、実施の形態1と相違する点について簡単に述べる。
【0185】
マスタ保持ユニット21Bは、実施の形態1のマスタ保持ユニット21に対して、ロール受台27Bの形状を上方に延ばして、マスタロール23からのマスタ22の繰り出し方向を時計回り方向とするためにロール受台27Bのマスタ繰り出し口を下方にしたことのみが相違する。
【0186】
(変形例4)
図26および図27に実施の形態1の別の変形例4を示す。
この変形例4は、実施の形態1に対して、実施の形態1のマスタ保持ユニット21に代えてマスタ保持ユニット21Cを有することのみ相違する。マスタ保持ユニット21Cは、マスタ保持ユニット21のマスタ幅方向MBに進退自在なロール位置決め手段としてのロールフランジ25bおよびロール位置決め案内手段30に代えて、マスタ貯容手段に設けられた、マスタロール23の一方の端面tに当接可能であってマスタロール23の一方の端面tの位置決めをする位置決め位置(図26および図27に実線で示す位置)とマスタロール23の一方の端面tから離間する離間位置(図27に仮想線で示す位置)との間で移動自在なロール位置決め手段としてのロールフランジ25b、およびロールフランジ25bを上記位置決め位置に弾性的に付勢する弾性付勢手段としてのねじりコイルバネ127を有することが主に相違する。
【0187】
ロールフランジ25bの外側壁には、平面視コ字状をなすフランジ取付部材129の自由端部が固設されている。フランジ取付部材129は、例えば板金がインサートされた合成樹脂でできていて、上記位置決め位置と上記離間位置との間で後述する構造を介して揺動自在となっている。フランジ取付部材129の基部は、ロール受台27における右側のスライドレール27c内に固設された前後一対の板金製の軸受部材128a,128bに挿通されたフランジ軸126を介して揺動自在に支持されている。一対の軸受部材128a,128bの間のフランジ軸126にはねじりコイルバネ127が巻装されていて、このねじりコイルバネ127によりロールフランジ25bには、上記位置決め位置に常に揺動する習性が付与されている。このねじりコイルバネ127の上記付勢力は、上記実施の形態1のロール位置決め案内手段30によるスライド力と同様に、マスタロール23を3次元的に位置決めするとともに、ロールフランジ25bの摩擦抵抗部25dによりマスタロール23の端面tに適度な摩擦抵抗力を付与しつつ、マスタロール23からマスタ22をマスタ搬送方向Tに繰り出すための回転を許容する程度に設定されている。
【0188】
この変形例4によれば、実施の形態1のロール位置決め案内手段30によるようなマスタ保持ユニット21の挿脱に伴い機械的に連動する機構を有せず、上記の構成を有するから、マスタロール23をマスタ貯容手段にセットするときには、ねじりコイルバネ127の付勢力に抗してロールフランジ25bを離間位置まで揺動させるだけで、後はねじりコイルバネ127の付勢力によってマスタロール23がロールフランジ25bに自動的に調心されつつセットされ、マスタロール23からマスタ22が繰り出し可能な状態とされる。マスタロール23をマスタ貯容手段から取り出すときには、ねじりコイルバネ127の付勢力に抗してロールフランジ25bを離間位置まで移動させてマスタロール23の取り出しがなされる。従って、マスタロール23をマスタ保持ユニット21に着脱する際の若干の手間を要するものの、比較的安価な構造によってマスタロール23の着脱を確実にかつ比較的容易に行うことができる。
【0189】
(実施の形態2)
図28ないし図31に、本発明に係る第2の発明の実施の形態(以下、単に「実施の形態2」という)を示す。
この実施の形態2は、上記実施の形態1の製版書込み装置20に対して、符号300で示す製版ユニットが、印刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられていることが主な特徴である。
【0190】
すなわち、この実施の形態2は、上記実施の形態1の製版書込み装置20に対して、マスタ保持ユニット21に代えて、製版書込み装置20のマスタ保持ユニット21と同様の構成を有するマスタ貯容手段を備え、マスタロール23の着脱が可能であり、かつ、移動不能なマスタ保持部321を有すること、マスタ保持部321の近傍に設けられマスタロール23から繰り出されるマスタ22の先端部を載置するマスタ案内手段としての、製版書込み装置20と同様なガイド板35を有すること、マスタ保持部321の近傍に設けられマスタ22の先端部を介してガイド板35に接触しマスタ22を搬送するマスタ搬送手段としての、製版書込み装置20と同様な引き出しローラ40を有すること、マスタ保持部321、ガイド板35、引き出しローラ40、上記製版手段、上記裁断手段および第1、第2搬送ローラ対72,74が製版ユニット300を構成していて、この製版ユニット300が印刷装置の本体に挿入された製版ユニット挿入位置(図28に示す状態の位置)と、この製版ユニット挿入位置から外れた、マスタロール23の着脱を行うロール着脱位置(図29に示す状態の位置)との間で移動自在に構成されていることが主に相違する。
【0191】
以下、実施の形態1と相違する点を中心にこの実施の形態2の構成および動作について説明する。
製版ユニット300の左右両側には、マスタ保持部321のロール受台327の左側壁部および左右の下部壁部、案内レール71Aの左右両端部、第1ガイド73の左右両端部、第2ガイド75の左右両端部、上記裁断手段の駆動機構、および図示しない不動部材を介して第1、第2、第3のマスタ先端検知センサ63A,63B,63C等をそれぞれ支持する一対のユニット左・右側板378が設けられている。またユニット左・右側板378には、プラテン圧制御手段54のカム軸59aの右端部、ヘッドベース57のベース軸57cの左右両端部、プラテンローラ65のプラテンローラ軸65aの左右両端部、第1搬送ローラ対72の各ローラ軸72a,72bの左右両端部、および第2搬送ローラ対74の各ローラ軸74a,74bの左右両端部等をそれぞれ回転自在に支持する図示しない軸受部がそれぞれ設けられている。
【0192】
製版ユニット300は、上記ユニット左・右側板378により上記各構成部品が支持されていることでユニット化され、図28および図29において図中符号F,Rで示す前後両側に移動可能となっている。製版ユニット300におけるユニット左・右側板378の各前後の下端部には、図30等に示すように、直方体状をなす突条部386が4箇所一体的に設けられている。一方、印刷装置の本体側には図29および図30等に示すように、ユニット左・右側板378を挾んでその各左右両側に左・右本体側板400が配設されている。左・右本体側板400には、ユニット左・右側板378に形成された各突条部386を嵌入して、製版ユニット300を製版ユニット挿入位置とロール着脱位置との間で移動自在に案内する案内手段としてのガイドレール389がそれぞれ固設されている。ガイドレール389は、板金でできていて、断面で見てチャンネル状をなしている。各ガイドレール389は、その開口部を互いに対向させた状態で、左・右本体側板400に固設されている。
【0193】
右本体側板400には、図4および図5を借りて括弧を付して示すように、マスタ保持部321におけるフランジ支持板26の傾斜部26aおよびスライド部26bと選択的に係合する傾斜案内部478aおよびスライド案内部478bがそれぞれ配設されている。
【0194】
マスタ保持部321は、上記の主な相違点の他、マスタ保持ユニット21のロール受台27に対して、マスタ保持ユニット21における一対のスライドレール27cを除去したロール受台327を有することが相違する。マスタ保持部321における上記マスタ貯容手段に設けられたロール位置決め手段としてのロールフランジ25bは、実施の形態1と略同じ機能、すなわち製版ユニット300が製版ユニット挿入位置を占めたとき、マスタロール23の端面tに当接可能であってマスタロール23の端面tの位置決めをする位置決め位置と、製版ユニット300がロール着脱位置を占めたとき、マスタロール23の端面tから離間する非位置決め位置との間で移動自在になされている。
【0195】
図5において、符号430は、ロール位置決め案内手段を示す。ロール位置決め案内手段430は、ロール位置決め手段としてのロールフランジ25bを、位置決め位置と非位置決め位置との間で移動自在に案内する機能を有する。上記の構造のとおり、ロール位置決め案内手段430は、マスタ保持部321に配設されたフランジ支持板26の傾斜部26a、スライド部26b、本体側板400の右側に配設された傾斜案内部478a、スライド案内部478b、スライド片26c、溝26d、支持板案内部27a、圧縮バネ28および段付きピン29Aから構成されている。
【0196】
図31に示すように、符号369は、駆動モータ45の回転駆動力をプラテンローラ65(同図では省略されている)に伝達する駆動力伝達機構を示す。駆動力伝達機構369は、実施の形態1の駆動力伝達機構69に対して、小径駆動ギア46Aを除去したこと、第1アイドラギア47Aを右本体側板400とユニット右側板378との間のローラ軸41に固設したことが主に相違する。第2アイドラギヤ軸47b、プラテンローラ軸65aは、ユニット右側板378に回転自在に支持されている。
【0197】
右本体側板400に固設された不動部材(図示せず)には、マスタ搬送駆動手段としての駆動モータ45が固定されている。左・右本体側板400には、実施の形態1と同様な構造および機能を有するガイド溝476、板バネ477がそれぞれ設けられていて、製版ユニット300が製版ユニット挿入位置を占めたとき、駆動モータ45からの駆動力が引き出しローラ40に伝達され、製版ユニット300がロール着脱位置を占めたとき、駆動モータ45からの駆動力が引き出しローラ40に非伝達されるようになされている。従って、駆動力伝達機構369により、マスタ搬送駆動手段としての駆動モータ45は、プラテンローラ65を回転させるプラテンローラ駆動手段を兼ねている。
【0198】
ベース駆動モータ58は、この実施の形態2では、ユニット右側板378の図示しない不動部材に固設されていて、製版ユニット300側に設けられている。ベース駆動モータ58は、実施の形態1と同様に、その出力軸にカムギア61と常時噛合するモータギア60を有する。
【0199】
ユニット右側板378の前端下面には、反射面387(図中ハッチングで示す)が形成されている。一方、右本体側板400におけるガイドレール389の前端下方には、実施の形態1のマスタセット検知センサ33に代えて、反射型光学センサからなるマスタセット検知センサ333がその内側寄りに配置されている。
【0200】
この実施の形態2における制御構成は、図9に示した実施の形態1の制御構成に対して、マスタセット検知センサ33に代えて、マスタセット検知センサ333が制御部100の入力ポートに接続されることのみ相違する。また、この実施の形態2における制御動作は、図20および図21に示したフローチャートに対して、ステップST2のマスタセット検知センサ33に代えてマスタセット検知センサ333とすればよく、このときの制御部100の動作は、次のとおりである。製版ユニット300が製版ユニット挿入位置を占めると、マスタセット検知センサ333によりユニット右側板378の反射面387が検知されてその検知信号を制御部100へ送信する。制御部100は、マスタセット検知センサ333からの検知信号に基づき、図20におけるステップST3以降の実施の形態1と同様の制御動作を行う。
【0201】
そして、製版ユニット300を製版ユニット挿入位置から外れた位置に移動させるときには、プラテン圧制御部55のプラテン圧制御手段54を駆動して、上記製版手段によるマスタ22の挾持が解除される状態に設定される。
【0202】
従って、この実施の形態2によれば、製版ユニット300が製版ユニット挿入位置とこの製版ユニット挿入位置から外れた位置とに摺動自在になされているので、印刷装置上方に配置されている原稿読み取り部がスライドしないタイプの場合において、製版ユニット300を製版ユニット挿入位置から外れた位置に移動させて、上記製版手段におけるプラテンローラ65、裁断部70や第1、第2搬送ローラ対72,74等における給版搬送部でのマスタ22のジャム処理を確実、かつ、容易に行うことができる。
【0203】
上記実施の形態2では、製版ユニット300が、マスタ保持部321、ガイド板35、引き出しローラ40、上記製版手段、上記裁断手段および第1、第2搬送ローラ対72,74から構成されていたが、これに限らず、製版ユニットは、製版ユニット300の上記構成から上記裁断手段および第1、第2搬送ローラ対72,74を除去するとともに、上記裁断手段および第1、第2搬送ローラ対72,74を印刷装置の本体側に配設してもよい。すなわち、製版ユニットを、少なくともマスタ保持部、マスタ案内手段、マスタ搬送手段および製版手段とによって構成してもよい。
【0204】
製版ユニットは、上記実施の形態2等の製版ユニット300に限らず、例えば実施の形態1や変形例1ないし4の製版書込み装置の各構成を適宜組合わせた製版書込み装置を、製版ユニットとして構成してもよいことは言うまでもない。上記実施の形態2の製版書込み装置に、上記した実施の形態1の変形例1ないし4の各構成を適用することができることは言うまでもない。
【0205】
上記実施の形態1,2および変形例1ないし4において、引き出しローラ40は、上記のような長尺状のものに限らず、その軸方向に複数に分割された、串刺し団子状をなすいわゆる「こま切れローラ」であってもよい。このように引き出しローをこま切れローラとした場合には、コストが安くなる利点がある。
【0206】
駆動モータ45を介して引き出しローラ40の動作開始時期を検知し引き出しローラ40の回転によりマスタ22を繰り出すための動作開始時期を検知する作動検知手段としては、上記実施の形態1,2および変形例1ないし4のマスタ検知センサ32、マスタセット検知センサ33,333に限らず、これらに代えて、例えば、マスタ保持ユニット21,210,21A,21B,21Cやマスタ保持部321におけるロール受台27,270,27B,327の把手27b部分を蓋体として開閉可能に構成して、この開閉可能な蓋体の閉鎖状態への移動を検知するためのセンサを設け、このセンサを上記作動検知手段として用いるようにしてもよい。
【0207】
上記実施の形態1,2および変形例1ないし4では、マスタセット検知センサ33,333を駆動モータ45を介して引き出しローラ40の動作開始のための作動検知手段として用いているが、実施の形態1においては、動作開始時期検知手段としてマスタ検知センサ32を用いることも可能である。この理由は、マスタ検知センサ32が、マスタロール23の有無を検知することに加え、ロール受台27,270,27Bの収納部27e,27Be内に装填されたマスタロール23が製版書込み装置20,200内の所定位置に配置されたことを検知しているものであることによる。
【0208】
上記実施の形態1,2および変形例1ないし4等における作動検知手段としての上記検知手段を省略し、これに代えて、図9に仮想線で囲んだような、駆動モータ45を介して引き出しローラ40の動作開始時期を設定する作動設定手段としての作動設定キー64aを操作部64に付設し、マスタ保持ユニット21,210,21A,21B,21Cや製版ユニット300を製版書込み装置20,200内の製版挿入位置や製版ユニット挿入位置に移動させた後、その作動設定キー64aを操作するようにしてもよい。この場合には、作動設定キー64aが操作された際に得られる動作開始時期設定信号に基づき、制御部100が、駆動モータ45を介して引き出しローラ40の動作を開始させるようにすることができる。この場合、制御部100は、作動設定キー64aからの設定信号に基づき、マスタ22の先端がマスタ先端検知センサ63(63A,63B,63C)により検知されるまでの間、駆動モータ45をして引き出しローラ40を動作させてマスタロール23からマスタ22を繰り出すとともに、マスタ先端検知センサ63(63A,63B,63C)によるマスタ22の先端の検知信号に基づき、プラテン圧制御手段54をしてサーマルヘッド56とプラテンローラ65とによるマスタ22の挟持状態を設定する機能を有する。
【0209】
上記実施の形態1,2および変形例1ないし4等では、プラテン圧制御部55において、マスタ22に生じるシワを取り除くシワ矯正処理を実行するために、第2のマスタ先端検知センサ63Bによりマスタ22の先端が検知された場合にサーマルヘッド56とプラテンローラ65との断続的な接離動作を行わせている。しかし、例えば、マスタ22の先端がプラテンローラ65の軸線方向に平行に搬送され、マスタ22にシワが発生しない場合には、シワ矯正処理を実行することは必ずしも必要でない。一方、マスタ22の先端が、第3のマスタ先端検知センサ63Cにより検知されるまで、サーマルヘッド56とプラテンローラ65とを互いに当接させた状態に保持し、第3のマスタ先端検知センサ63Cによるマスタ22の先端検知信号に基づきプラテン圧制御部55のベース駆動モータ58を回転駆動し、サーマルヘッド56とプラテンローラ65との断続的な接離動作を行わせてシワ矯正処理を行うようにしてもよい。なお、シワ矯正処理においては、少なくとも1回、サーマルヘッド56とプラテンローラ65との当接を解除すればよい。
【0210】
上記実施の形態1,2および変形例1ないし4によれば、サーマルヘッド56およびプラテンローラ65は、マスタ22の先端がそれら両部材の設置位置に達した時点で互いに当接するようになっているので、マスタ22の先端が、上記両部材の設置位置に達するまでの間その進行を阻まれることがなく、プラテン圧を確実に作用させる位置に達してからマスタ22の先端部を押圧することが可能になる。
【0211】
上記実施の形態1,2および変形例1ないし4によれば、マスタ22の先端がサーマルヘッド56およびプラテンローラ65の設置位置に達した時点で接離動作するようになっているので、製版前に、マスタ22に生じているシワを矯正して良好な製版を行なうことが可能になる。
【0212】
上記実施の形態1,2および変形例1ないし4等では、オペレータの操作により、例えばスライドレール27cがガイドレール79内を摺動する動作を介してマスタ保持ユニット21,210,21A,21B,21Cを製版挿入位置とロール着脱位置との間に移動するように構成したが、これに限らず、装置の簡素化および低価格化等の利点を度外視してもよいのであれば、マスタ保持ユニット21,210,21A,21B,21Cを製版挿入位置とロール着脱位置との間に移動設定するためのキーを操作部64に設けるとともに、マスタ保持ユニット21,210,21A,21B,21Cの移動をモータ等の駆動により電動化してもよい。
【0213】
なお、上記実施の形態1,2および変形例1ないし4等では、プラテンローラ65を駆動力伝達機構69,369等を介して回転させるように構成したが、これに限らず、プラテンローラ65を従動回転するように構成することも可能である。この場合、例えばプラテンローラ65のマスタ搬送方向Tの下流側に設けた搬送ローラ対により、引き出しローラ40の回転搬送動作を介してマスタロール23からマスタ22を引き出し、プラテンローラ65をサーマルヘッド56に当接させ従動回転させるように構成することができる。
【0214】
なお、本発明の実施の形態および実施例は、上述した実施の形態1,2および変形例1ないし4等に限らず、マスタ22を選択的に加熱穿孔するサーマルヘッド56と、このサーマルヘッド56との間にマスタ22を押圧しながら回転するプラテンローラ65とを備えた製版手段に限らず、これに代えて、例えばフラッシュ製版あるいはレーザー製版等の製版手段であってもよい。
【0215】
なお、上記実施の形態1,2および各変形例1ないし4等では、マスタロール23に巻かれているマスタ22に限らず、例えば非常に薄い1ないし3μm厚の実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタをロール状に巻いたマスタロールを用いることも可能である。ここで、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタとは、マスタが熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有してなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、すなわち表面又は裏面のうち少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜層を1層又は複数層形成してなるものを含む。
【0216】
また、本発明に係る製版書込み装置が装備される印刷装置は、上記した孔版印刷装置1に限らず、例えば、特開平7−17013号公報に示されているような印刷ドラムの外側からインキを供給する構成の印刷装置であってもよい。
【0217】
以上述べたとおり、本発明を特定の発明の実施の形態や変形例あるいはこれらに包含されている実施例等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施の形態1,2および各変形例1ないし4等に限定されるものではなく、これらを適宜組合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の発明の実施の形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0218】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、上記構成により、マスタ保持ユニットは、案内手段を介して、製版挿入位置とロール着脱位置との間に移動することができ、またマスタ保持ユニットが製版挿入位置およびロール着脱位置を占める移動に連動して、マスタ搬送手段はマスタ案内手段に接離可能となっていることにより、ロール着脱位置において、オペレータが行うマスタの先端部のマスタ案内手段へのセット操作は、マスタ搬送手段とマスタ案内手段との間でマスタの先端部が挾持される位置のマスタ案内手段にマスタの先端部を載置する操作だけでよく、後はマスタ保持ユニットを製版挿入位置に移動するだけで、マスタ搬送手段とマスタ案内手段との間でマスタの先端部が挾持されるとともにマスタ搬送駆動手段が駆動されることによってマスタ搬送手段が駆動されて、マスタ案内手段とマスタ搬送手段との間で挾持されたマスタの先端部が搬送される。
従って、上述した従来の製版書込み装置が有する種々の問題点を解消することができる。すなわち、原稿読み取り部を移動させる必要がなく、またマスタの先端部を、製版書込み部のサーマルヘッドとプラテンローラとの間に差し込む面倒な作業が不要であるので、マスタロール交換時の作業が簡単で分かり易く、かつ、マスタロールの着脱およびマスタのセットを容易にすることができるとともに、マスタロールからマスタの先端を確実に繰り出すことができて、信頼性が高く、装置の簡素化および低価格化を図れる製版書込み装置を提供することができる。加えて、原稿読み取り部を移動させる必要がないので、原稿読み取り部の機械的強度を高めるための構成部品の加工コストや組立コストを上昇させることがない。
【0220】
請求項2記載の発明によれば、上記構成により、ロール位置決め手段が、ロール位置決め案内手段を介して、位置決め位置と非位置決め位置との間で移動自在となっていることにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、従来の製版書込み装置のように、マスタロールの芯管の両端にフランジを脱着させる必要がないので、さらに、マスタロール交換時の作業が簡単で分かり易く、かつ、マスタロールの着脱およびマスタのセットを容易にすることができる。
【0221】
請求項3記載の発明によれば、上記構成により、マスタロールをマスタ貯容手段にセットするときには、弾性付勢手段の付勢力に抗してロール位置決め手段を離間位置まで移動させるだけで、後は弾性付勢手段の付勢力によってマスタロールがロール位置決め手段にセットされ、マスタロールからマスタが繰り出し可能な状態とされる。マスタロールをマスタ貯容手段から取り出すときには、弾性付勢手段の付勢力に抗してロール位置決め手段を離間位置まで移動させてマスタロールの取り出しがなされる。従って、請求項1記載の発明の効果に加えて、比較的安価な構造によって、マスタロールの着脱を確実にかつ比較的容易に行うことができる。
【0222】
請求項4記載の発明によれば、上記構成により、マスタロールをマスタ保持ユニットに装填するとマスタロールの芯管内に略円錐状のロールフランジが嵌入することによって、マスタロールが確実かつ自動的に位置決め調心されるので、上記各発明の効果に加えて、さらに利便性の高い製版書込み装置が得られる。
【0223】
請求項5記載の発明によれば、上記構成により、ロールフランジに備えられた摩擦抵抗部によって、マスタロールが繰り出し方向に回転されたときその回転方向に逆らう力となり、マスタロールから繰り出されるマスタに張力(バックテンション)を生じさせるので、請求項記載の発明の効果に加えて、マスタが繰り出される際に生じやすい弛みをなくすることができる。
【0226】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、マスタ保持ユニットが製版挿入位置またはロール着脱位置を占める移動に連動して、マスタ搬送駆動手段からの駆動力がマスタ搬送手段に選択的に伝達されるので、上記各発明の効果に加えて、マスタ保持ユニットの簡素化、軽量化および低価格化を図ることができる。
【0227】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、上記各発明の効果に加えて、マスタの加熱製版を確実に行いながら、この加熱製版されたマスタをマスタ搬送方向の下流側に正確に搬送することができる。
【0228】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、マスタ搬送手段とマスタ案内手段との間で挾持されたマスタの先端部が、サーマルヘッドとプラテンローラとによるマスタの押圧部に一層接近して案内されるので、請求項7記載の発明の効果に加えて、サーマルヘッドとプラテンローラとによるマスタの挾持を確実にすることができる。
【0229】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、マスタ搬送手段とマスタ案内手段との間で挾持されたマスタの先端部が、サーマルヘッドとプラテンローラとによるマスタの押圧部に一層接近してより確実に案内されるので、請求項7または8記載の発明の効果に加えて、サーマルヘッドとプラテンローラとによるマスタの押圧をより確実にすることができる。
【0234】
請求項10記載の発明によれば、上記構成により、作動検知手段からの信号に基づき、制御手段によってマスタ搬送手段の動作開始時期、すなわちマスタ搬送手段とマスタ案内手段との間で挾持されたマスタの先端部を、マスタ搬送駆動手段をしてマスタ搬送手段を動作させて搬送することが可能な状態であることが判別されると、マスタの先端が先端検知手段により検知されるまでの間、マスタ搬送駆動手段をしてマスタ搬送手段を動作させてマスタを繰り出すとともに、先端検知手段によるマスタの先端の検知信号に基づき、プラテン圧制御手段をしてサーマルヘッドとプラテンローラとによるマスタの押圧可能な状態を自動的に設定する。従って、請求項7,8または9記載の発明の効果に加えて、オペレータによるマスタの先端部を製版書込み部のサーマルヘッドとプラテンローラとの間に差し込む面倒な作業、およびマスタの先端部を切断してその切断片を取り除く作業がそれぞれ不要となることによって、給版時での面倒な操作をなくして印刷装置を使用する際の操作性を一層向上させることができる。
【0236】
請求項11記載の発明によれば、上記構成により、マスタ保持ユニットが製版挿入位置から外れるのに合せて、サーマルヘッドとプラテンローラとによるマスタの押圧可能な状態が解除されるので、請求項10記載の発明の効果に加えて、マスタ保持ユニットをロール着脱位置に引き出すときに、マスタに作用する張力をなくして抵抗なく引き出すことが可能になる。
【0238】
請求項12記載の発明によれば、上記構成により、作動設定手段からの信号に基づき、制御手段によってマスタ搬送手段の動作開始時期、すなわちマスタ搬送手段とマスタ案内手段との間で挾持されたマスタの先端部を、マスタ搬送駆動手段をしてマスタ搬送手段を動作させて搬送することが可能な状態であることが設定されると、マスタの先端が先端検知手段により検知されるまでの間、マスタ搬送駆動手段をしてマスタ搬送手段を動作させてマスタを繰り出すとともに、先端検知手段によるマスタの先端の検知信号に基づき、プラテン圧制御手段をしてサーマルヘッドとプラテンローラとによるマスタの押圧可能な状態を自動的に設定する。従って、請求項7,8または9記載の発明の効果に加えて、オペレータによるマスタの先端部を製版書込み部のサーマルヘッドとプラテンローラとの間に差し込む面倒な作業、およびマスタの先端部を切断してその切断片を取り除く作業がそれぞれ不要となることによって、給版時での面倒な操作をなくして簡単に印刷処理を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製版書込み装置に係る実施の形態1が適用された孔版印刷装置の全体構成を示す一部断面正面図である。
【図2】実施の形態1におけるマスタ保持ユニットがロール着脱位置を占めている状態を表すとともに、製版書込み装置の構成を拡大して示す一部断面正面図である。
【図3】実施の形態1におけるマスタ保持ユニットの外観構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示したマスタ保持ユニット廻りの要部の平面図である。
【図5】実施の形態1におけるマスタ保持ユニットのロール位置決め手段およびロール位置決め案内手段廻りの外観構成を示す要部の斜視図である。
【図6】実施の形態1におけるマスタ保持ユニットが製版挿入位置を占めている状態を表すとともに、駆動モータおよび駆動力伝達機構廻りの構成を示す要部の斜視図である。
【図7】実施の形態1におけるプラテン圧制御手段廻りの外観構成を示す要部の斜視図である。
【図8】実施の形態1に用いられるマスタロールの構成を一部破断して示す斜視図である。
【図9】実施の形態1における制御部廻りの制御構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態1における製版書込み装置において、マスタロールのマスタが消費された状態を示す動作図である。
【図11】実施の形態1における製版書込み装置において、マスタロールのマスタが消費されてマスタ保持ユニットがロール着脱位置に引き出された状態を示す動作図である。
【図12】実施の形態1における製版書込み装置において、マスタ保持ユニットの収納部にマスタロールをセットしたときの状態を示す動作図である。
【図13】実施の形態1における製版書込み装置において、マスタ保持ユニットの収納部にセットされたマスタロールからマスタの先端を引き出してガイド板と引き出しローラとの間に挾持した状態を示す動作図である。
【図14】実施の形態1における製版書込み装置において、マスタ保持ユニットが製版挿入位置に押し込まれた状態を示す動作図である。
【図15】実施の形態1における製版書込み装置において、引き出しローラの回転によりマスタが搬送されている状態を示す動作図である。
【図16】実施の形態1における製版書込み装置において、引き出しローラおよびプラテンローラの回転によりマスタが搬送されている状態を示す動作図である。
【図17】実施の形態1における製版書込み装置において、引き出しローラ、プラテンローラのおよび第1搬送ローラ対の回転によりマスタが搬送されている状態を示す動作図である。
【図18】実施の形態1における製版書込み装置の製版待機状態を示す動作図である。
【図19】実施の形態1における製版書込み装置において、引き出しローラ、プラテンローラおよび第1、第2搬送ローラ対の回転によりマスタが搬送され版胴に巻装されていく状態を示す動作図である。
【図20】図9に示した制御部における給版処理動作を説明するフローチャートである。
【図21】図9に示した制御部における自動リセット処理動作を説明するフローチャートである。
【図22】実施の形態1の変形例1のマスタ保持ユニットがロール着脱位置を占めた状態を表すとともに、マスタ保持ユニット廻りの構成を示す要部の斜視図である。
【図23】図22に示したマスタ保持ユニットが製版挿入位置を占めた状態を示す要部の正面図である。
【図24】実施の形態1の別の変形例2を示す要部の斜視図である。
【図25】実施の形態1の別の変形例3を示す要部の正面図である。
【図26】実施の形態1のさらに別の変形例4を示す要部の平面図である。
【図27】図26におけるロールフランジ廻りの動作を示す要部の側面図である。
【図28】本発明の製版書込み装置に係る実施の形態2の構成を示す一部断面正面図である。
【図29】実施の形態2における製版ユニットがロール着脱位置を占めている状態を表すとともに、製版書込み装置の構成を拡大して示す一部断面正面図である。
【図30】実施の形態2におけるガイドレール廻りの構成を示す要部の斜視図である。
【図31】実施の形態2における製版ユニットが製版ユニット挿入位置を占めている状態を表すとともに、駆動力伝達機構の構成を示す要部の斜視図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置
20,200 製版書込み装置
21,21A,21B,21C,210 マスタ保持ユニット
22 マスタ
23 マスタロール
24 マスタロールの芯管
25a,25b マスタ貯容手段およびロール位置決め手段を構成するロールフランジ
25c ロール位置決め手段としての円錐面部
25d ロールフランジの摩擦抵抗部
26 フランジ支持板
27,27B,270,327 ロール受台
30 ロール位置決め案内手段
32 マスタ検知手段としてのマスタ検知センサ
33,333 マスタセット検知手段および作動検知手段を兼ねるマスタセット検知センサ
35 マスタ案内手段としてのガイド板
40 マスタ搬送手段としての引き出しローラ
45 マスタ搬送駆動手段としての駆動モータ
51 マスタ導入手段としてのガイド部材
54 プラテン圧制御手段
55 プラテン圧制御部
56 製版手段としてのサーマルヘッド
57 被揺動部材を構成するヘッドベース
57a 被揺動部材を構成するガイド取付部
58 ベース駆動モータ
59 揺動部材としての偏心カム
63 先端検知手段としてのマスタ先端検知センサ
63A 先端検知手段を構成する第1のマスタ先端検知センサ
63B 先端検知手段を構成する第2のマスタ先端検知センサ
63C 先端検知手段を構成する第3のマスタ先端検知センサ
64 操作部
64a 作動設定手段としての作動設定キー
65 プラテンローラ
69,369 駆動力伝達機構
71 裁断手段としてのロータリカッタ
79 案内手段としてのガイドレール
100 制御手段としての制御部
127 弾性付勢手段としてのねじりコイルバネ
300 製版ユニット
T マスタ搬送方向
MR マスタ搬送路
MB マスタ幅方向

Claims (12)

  1. マスタがロール状に巻かれたマスタロールから上記マスタを繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版書込み装置において、
    上記マスタ貯容手段を備え、かつ、上記製版書込み装置の本体に挿入された製版挿入位置と、この製版挿入位置から外れた、上記マスタロールの着脱を行うロール着脱位置との間で移動自在なマスタ保持ユニットと、
    上記マスタ保持ユニットを、上記製版挿入位置と上記ロール着脱位置との間で移動自在に案内する案内手段と、
    上記マスタ保持ユニットに設けられた、上記マスタロールから繰り出される上記マスタの先端部を載置するマスタ案内手段と、
    上記マスタ保持ユニットに設けられた、上記マスタの先端部を介して上記マスタ案内手段に接触し上記マスタを搬送するマスタ搬送手段と、
    上記マスタ搬送手段を駆動するマスタ搬送駆動手段とを有し、
    上記マスタ搬送手段は、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記マスタ案内手段に接触し、上記マスタ保持ユニットが上記ロール着脱位置を占めたとき、上記マスタ案内手段から離間することを特徴とする製版書込み装置。
  2. 請求項1記載の製版書込み装置において、
    上記マスタ貯容手段に設けられた、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記マスタロールの端面に当接可能であって上記マスタロールの上記端面の位置決めをする位置決め位置と、上記マスタ保持ユニットが上記ロール着脱位置を占めたとき、上記マスタロールの上記端面から離間する非位置決め位置との間で移動自在なロール位置決め手段と、
    上記ロール位置決め手段を、上記位置決め位置と上記非位置決め位置との間で移動自在に案内するロール位置決め案内手段と、
    を有することを特徴とする製版書込み装置。
  3. 請求項1記載の製版書込み装置において、
    上記マスタ貯容手段に設けられた、上記マスタロールの端面に当接可能であって上記マスタロールの上記端面の位置決めをする位置決め位置と上記マスタロールの上記端面から離間する離間位置との間で移動自在なロール位置決め手段と、
    上記ロール位置決め手段を上記位置決め位置に弾性的に付勢する弾性付勢手段とを有することを特徴とする製版書込み装置。
  4. 請求項2または3記載の製版書込み装置において、
    上記マスタロールの軸方向には、上記マスタをロール状に巻き付けるためのパイプ状の芯管が設けられており、
    上記ロール位置決め手段は、上記芯管に嵌入して位置決めをする略円錐状のロールフランジを有することを特徴とする製版書込み装置。
  5. 請求項4記載の製版書込み装置において、
    上記マスタロールの上記端面は、上記芯管の両端と同じ位置に形成されており、上記ロールフランジには、上記マスタロールの上記端面に当接可能であって、上記マスタロールから上記マスタを繰り出し回転する際の回転方向と逆方向の抵抗力を生じさせる摩擦抵抗部が備えられていることを特徴とする製版書込み装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の製版書込み装置において、
    上記マスタ搬送駆動手段は上記本体側に設けられていて、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記マスタ搬送駆動手段からの駆動力が上記マスタ搬送手段に伝達され、上記マスタ保持ユニットが上記ロール着脱位置を占めたとき、上記マスタ搬送駆動手段からの駆動力の上記マスタ搬送手段への伝達が断たれることを特徴とする製版書込み装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか一つに記載の製版書込み装置において、
    上記製版手段は、上記マスタを選択的に加熱製版するサーマルヘッドと、このサーマルヘッドとの間に上記マスタを押圧しながら回転するプラテンローラとを有することを特徴とする製版書込み装置。
  8. 請求項7記載の製版書込み装置において、
    上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとは、接離可能に構成されており、
    上記マスタ案内手段は、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記サーマルヘッドまたは上記プラテンローラに近接もしくは当接することを特徴とする製版書込み装置。
  9. 請求項7または8記載の製版書込み装置において、
    上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めたとき、上記マスタ案内手段に係合して上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとの押圧部近傍に上記マスタ搬送手段によって搬送される上記マスタの先端を位置決め導入するマスタ導入手段を、上記押圧部近傍と上記マスタ案内手段との間に設けたことを特徴とする製版書込み装置。
  10. 請求項7,8または9記載の製版書込み装置において、
    上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとは、接離可能に構成されており、
    上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとの接離動作を行わせるプラテン圧制御手段と、
    上記マスタ搬送手段の動作開始時期を検知する作動検知手段と、
    上記マスタの先端が繰り出されるマスタ搬送路上に配置された、上記マスタの先端を検知する先端検知手段と、
    上記作動検知手段からの検知信号に基づき、上記マスタの先端が上記先端検知手段により検知されるまでの間、上記マスタ搬送駆動手段をして上記マスタ搬送手段を動作させて上記マスタを繰り出すとともに、上記先端検知手段による上記マスタの先端の検知信号に基づき、上記プラテン圧制御手段をして上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとによる上記マスタの押圧可能な状態を設定する制御手段と、
    を有することを特徴とする製版書込み装置。
  11. 請求項10記載の製版書込み装置において、
    上記作動検知手段は、上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置を占めていることを検知するマスタセット検知手段からなり、
    上記制御手段は、上記マスタセット検知手段により上記マスタ保持ユニットが上記製版挿入位置から外れたことが検知されたときに、上記プラテン圧制御手段をして、上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとによる上記マスタの押圧が解除される状態に設定することを特徴とする製版書込み装置。
  12. 請求項7,8または9記載の製版書込み装置において、
    上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとは、接離可能に構成されており、
    上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとの接離動作を行わせるプラテン圧制御手段と、
    上記マスタ搬送手段の動作開始時期を設定する作動設定手段と、
    上記マスタの先端が繰り出されるマスタ搬送路上に配置された、上記マスタの先端を検知する先端検知手段と、
    上記作動設定手段からの設定信号に基づき、上記マスタの先端が上記先端検知手段により検知されるまでの間、上記マスタ搬送駆動手段をして上記マスタ搬送手段を動作させて上記マスタを繰り出すとともに、上記先端検知手段による上記マスタの先端の検知信号に基づき、上記プラテン圧制御手段をして上記サーマルヘッドと上記プラテンローラとによる上記マスタの押圧可能な状態を設定する制御手段と、
    を有することを特徴とする製版書込み装置。
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