JPH0999620A - 製版装置およびそれに用いる製版用マスタ - Google Patents

製版装置およびそれに用いる製版用マスタ

Info

Publication number
JPH0999620A
JPH0999620A JP8170040A JP17004096A JPH0999620A JP H0999620 A JPH0999620 A JP H0999620A JP 8170040 A JP8170040 A JP 8170040A JP 17004096 A JP17004096 A JP 17004096A JP H0999620 A JPH0999620 A JP H0999620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
master
roll
plate making
master roll
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8170040A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Kagawa
英之 香川
Mitsuru Takahashi
満 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP8170040A priority Critical patent/JPH0999620A/ja
Priority to US08/690,547 priority patent/US5782179A/en
Publication of JPH0999620A publication Critical patent/JPH0999620A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/14Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing
    • B41C1/144Forme preparation for stencil-printing or silk-screen printing by perforation using a thermal head

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスタ交換時の作業が面倒であり、さらに
は、マスタを交換するためにそのマスタを製版装置外に
取り出すための特別な構造が必要であった。 【解決手段】 マスタロールを装填したマスタロール保
持部材11Aを製版装置10内の挿入位置に移動させる
ことに連動して、マスタロール16の外周面に近接もし
くは当接する剥離爪12Aによって、マスタ16aの先
端の剥離を可能にするとともに、マスタ駆動ローラ11
D,11Eを回転させてマスタロール16からマスタ1
6aの先端を繰り出し、サーマルヘッド14Aとプラテ
ンローラ14Bとを備えたプラテン圧制御部14に向け
て繰り出す。これにより、新しいマスタロール16を製
版装置10にセットする場合、オペレータは、マスタロ
ール保持部11を製版装置10内の挿入位置に移動させ
るだけの操作で済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスタを製版する
製版装置およびそれに用いられる製版用マスタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、簡便な印刷装置として感熱デ
ジタル製版式の孔版印刷装置が良く知られている。この
孔版印刷装置は、感熱材料としての熱可塑性樹脂フィル
ムを有する感熱製版用のマスタに対して、サーマルヘッ
ドにより画像情報に応じて加熱穿孔し、その穿孔製版さ
れた製版済みのマスタを版胴に巻装したうえで、版胴内
部からインキを供給するようになっている。そして、版
胴に巻装された製版済みのマスタに対して、版胴内部か
らインキを滲み出させ、製版済みのマスタを介してプレ
スローラ等の押圧手段により印刷用紙を版胴表面に押圧
することにより、製版済みのマスタの穿孔部分から滲み
出るインキを印刷用紙に転移させて画像を印刷するよう
になっている。
【0003】マスタの穿孔処理に用いられるサーマルヘ
ッドは、版胴の軸方向に相当する主走査方向に沿って配
列された複数の発熱素子を有し、その発熱素子に対する
選択的な通電制御によって発熱素子を選択的に発熱させ
ることにより発熱位置に対応するマスタの箇所を加熱溶
融させて穿孔するようになっている。
【0004】ところで、上記した孔版印刷装置には、例
えば実開昭63ー178134号公報に示されているよ
うに、製版に必要な画像情報を原稿から読み取るための
原稿読み取り部を印刷装置内の製版部の上部に配置し
て、原稿の読み取りと製版処理とを印刷装置内で一貫し
て行なうように構成されたものがある。
【0005】上記した印刷装置では、例えば、マスタが
消費されて新たなマスタと交換されて製版処理が実行さ
れるような場合、次の手順が採られている。
【0006】先ず、印刷装置の上部に配置されている原
稿読み取り部を正規の位置からずらして、製版部の全域
が装置上方から目視することができる状態とされる。マ
スタは、占有面積を小さくする意図で通常、芯材の周り
に巻き付けられてロール状に形成されたマスタロールで
供給されるようになっており、そのマスタロールを印刷
装置の上方から製版部におけるロール支持部に装着す
る。
【0007】マスタロールのロール支持部への装着後、
マスタロールからマスタの先端を引出して所定の長さ若
しくは形状を以て切断し、その切断された切れ端を装置
外部に取り出した後、新たなマスタの先端が所定の位置
に繰り出される。その後、原稿読み取り部を印刷装置の
正規の位置に戻す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような手順では、操作が複雑かつ面倒であり、かなり
の熟練を必要とすることから、だれでもできる訳ではな
く、専任のオペレータが必要となる。
【0009】また、マスタロールには、比較的薄い感熱
性樹脂材料を有するマスタが用いられていることが多
く、ロール状に形成されている場合には、そのロール部
から先端を繰り出す際に破損したり、折れ曲がったりす
ることもあり、簡単に繰り出すことができないという不
具合もあった。
【0010】また、マスタロールからマスタを繰り出す
場合には、その中心に位置する回転軸としての芯材を回
転させることが多い。このため、新しいマスタロールの
場合には、そのマスタロールの外径が最大寸法となって
いるので、大きい回転トルクが必要となる。このような
回転トルクを出力するためには、駆動機構が大型化した
り、あるいは回転力の伝達が良好に行なえない等の不具
合も発生する。
【0011】さらに、その装置の構造上、原稿読み取り
部を、正規位置とその位置から外れた位置との間にスラ
イド可能に設ける必要があることから、原稿読み取り部
の設置部の機械的強度、重量、さらには部品点数が増加
しがちとなり、これによって、装置の加工コストや組み
立てコスト等が上昇してしまう。
【0012】加えて、マスタロールは、上記したように
通常、マスタが芯材に巻き付けられて形成されており、
そのマスタの残量が所定量に達したことを検知されるこ
とにより、製版部から取り出されて廃棄されるので、芯
材もマスタとともに廃棄処分されてしまうことになる。
それ故に、印刷装置のランニングコストの一つであるマ
スタを含めた消耗品のコストが高くなってしまう。
【0013】従って、本発明の第1の目的は、上記従来
の印刷装置、特に、その印刷装置に組み込まれている製
版装置における問題に鑑み、マスタの装着を容易にし、
かつ、人手を掛けることなくマスタの繰り出しを可能に
することができる製版装置を提供することにある。
【0014】本発明の第2の目的は、マスタロールから
マスタの繰り出しを確実に行なえる構成を備えた製版装
置を提供することにある。
【0015】本発明の第3の目的は、原稿読み取り部を
スライドさせることなく、マスタロールを製版装置にセ
ットすることができて、原稿読み取り部の設置部等の機
械的強度、重量および部品点数を増加させることのない
製版装置を提供することにある。
【0016】本発明の第4の目的は、製版装置に用いら
れる消耗品の消費コストを低減することが可能な製版用
マスタを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明は、マスタがロール状に巻
かれて形成されたマスタロールからマスタを繰り出し可
能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロールから
繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、上記マ
スタを切断する裁断手段とを具備する製版装置におい
て、上記製版装置の本体に対して挿脱可能に設けられ
た、上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセ
ット可能なマスタロール保持部と、上記マスタロールを
して上記マスタの先端を上記製版手段に向け繰り出す方
向に回転させるための回転駆動手段と、上記マスタロー
ルの径の変化に対応して上記マスタロールの外周面に近
接もしくは当接し、上記マスタの先端を上記マスタロー
ルから剥す剥離手段とを有することを特徴とする。
【0018】請求項2記載の発明は、マスタがロール状
に巻かれて形成されたマスタロールからマスタを繰り出
し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロール
から繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、上
記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版装置にお
いて、上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールを
セット可能なマスタロール保持部および上記製版手段が
製版装置ユニットを構成していて、この製版装置ユニッ
トが印刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられてお
り、上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製
版手段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動
手段と、上記マスタロールの径の変化に対応して上記マ
スタロールの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタ
の先端を上記マスタロールから剥す剥離手段とを有する
ことを特徴とする。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の製版装置において、上記回転駆動手段は、上記マ
スタの繰り出し方向と逆方向に回転された後、上記マス
タの繰り出し方向に回転されることを特徴とする。
【0020】請求項4記載の発明は、請求項1記載の製
版装置において、上記回転駆動手段は、上記マスタロー
ルが上記マスタロール保持部にセットされ、同マスタロ
ール保持部が上記製版装置の本体内に挿入されたとき
に、上記マスタの繰り出し方向と逆方向に回転された
後、上記マスタの繰り出し方向に回転されることを特徴
とする。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項2記載の製
版装置において、上記回転駆動手段は、上記マスタロー
ルが上記マスタロール保持部にセットされ、上記製版装
置ユニットが上記印刷装置の本体内に挿入されたとき
に、上記マスタの繰り出し方向と逆方向に回転された
後、上記マスタの繰り出し方向に回転されることを特徴
とする。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5
の何れか一つに記載の製版装置において、上記製版手段
は、上記マスタを選択的に加熱穿孔するサーマルヘッド
と、このサーマルヘッドとの間に上記マスタを押圧しな
がら回転するプラテンローラとを有し、上記サーマルヘ
ッドおよび上記プラテンローラは、上記マスタの先端が
到達するまでの間、その何れか一方が他方に対して離さ
れ、上記マスタの先端が上記サーマルヘッドおよび上記
プラテンローラの設置位置に達した時点でその何れか一
方が他方に対して当接して上記マスタを押圧することを
特徴とする。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
の何れか一つに記載の製版装置において、上記製版手段
は、上記マスタを選択的に加熱穿孔するサーマルヘッド
と、このサーマルヘッドとの間に上記マスタを押圧しな
がら回転するプラテンローラとを有し、上記マスタの先
端が上記サーマルヘッドおよび上記プラテンローラの設
置位置に達した時点で、上記サーマルヘッドおよび上記
プラテンローラによる上記マスタの押圧動作が断続され
ることを特徴とする。
【0024】請求項8記載の発明は、マスタがロール状
に巻かれて形成されたマスタロールからマスタを繰り出
し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロール
から繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、上
記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版装置にお
いて、上記製版装置の本体に対して挿脱可能に設けられ
た、上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセ
ット可能なマスタロール保持部と、上記マスタロールを
して上記マスタの先端を上記製版手段に向け繰り出す方
向に回転させるための回転駆動手段と、上記マスタロー
ルの径の変化に対応して上記マスタロールの外周面に近
接もしくは当接し、上記マスタの先端を上記マスタロー
ルから剥す剥離手段と、上記製版手段による上記マスタ
を介しての接離動作を行わせるプラテン圧制御部と、上
記製版装置の本体側に設けられ、上記回転駆動手段の動
作開始時期を検知する作動検知手段と、上記マスタの先
端が繰り出される方向に位置し、上記マスタの先端の通
過を検知する先端検知手段と、上記作動検知手段および
上記先端検知手段が入力側に接続され、上記回転駆動手
段および上記プラテン圧制御部が出力側に接続されてい
る制御部とを有し、上記制御部は、上記作動検知手段か
らの検知信号に基づき、上記回転駆動手段を動作させて
上記マスタロールから剥がした上記マスタの先端を上記
先端検知手段により検知されるまでの間繰り出すととも
に、上記先端検知手段による上記マスタ先端の検知信号
に基づき、上記プラテン圧制御部を駆動させて上記製版
手段による上記マスタの押圧可能な状態を設定すること
を特徴とする。
【0025】請求項9記載の発明は、請求項8記載の製
版装置において、上記作動検知手段は、上記マスタロー
ル保持部が上記製版装置の本体内に挿入されたときに占
める挿入位置にあることを検知する第1のマスタセット
検知手段からなり、上記制御部は、第1のマスタセット
検知手段により、上記マスタロール保持部が上記挿入位
置から外れたことが検知されたときに、上記プラテン圧
制御部を駆動して、上記製版手段による上記マスタの押
圧が解除される状態に設定することを特徴とする。
【0026】請求項10記載の発明は、マスタがロール
状に巻かれて形成されたマスタロールからマスタを繰り
出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロー
ルから繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、
上記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版装置に
おいて、上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロール
をセット可能なマスタロール保持部および上記製版手段
が製版装置ユニットを構成していて、この製版装置ユニ
ットが印刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられてお
り、上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製
版手段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動
手段と、上記マスタロールの径の変化に対応して上記マ
スタロールの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタ
の先端を上記マスタロールから剥す剥離手段と、上記製
版手段による上記マスタを介しての接離動作を行わせる
プラテン圧制御部と、上記印刷装置の本体側に設けら
れ、上記回転駆動手段の動作開始時期を検知する作動検
知手段と、上記マスタの先端が繰り出される方向に位置
し、上記マスタの先端の通過を検知する先端検知手段
と、上記作動検知手段および先端検知手段が入力側に接
続され、上記回転駆動手段および上記プラテン圧制御部
が出力側に接続されている制御部とを有し、上記制御部
は、上記作動検知手段からの検知信号に基づき、上記回
転駆動手段を動作させて上記マスタロールから剥がした
上記マスタの先端を上記先端検知手段により検知される
までの間繰り出すとともに、上記先端検知手段による上
記マスタ先端の検知信号に基づき、上記プラテン圧制御
部を駆動させて上記製版手段による上記マスタの押圧可
能な状態を設定することを特徴とする。
【0027】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の製版装置において、上記作動検知手段は、上記製版装
置ユニットが上記印刷装置の本体内に挿入されたときに
占めるユニット挿入位置にあることを検知する第2のマ
スタセット検知手段からなり、上記制御部は、第2のマ
スタセット検知手段により、上記製版装置ユニットが上
記ユニット挿入位置から外れたことが検知されたとき
に、上記プラテン圧制御部を駆動して、上記製版手段に
よる上記マスタの押圧が解除される状態に設定すること
を特徴とする。
【0028】請求項12記載の発明は、マスタがロール
状に巻かれて形成されたマスタロールからマスタを繰り
出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロー
ルから繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、
上記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版装置に
おいて、上記製版装置の本体に対して挿脱可能に設けら
れた、上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールを
セット可能なマスタロール保持部と、上記マスタロール
をして上記マスタの先端を上記製版手段に向け繰り出す
方向に回転させるための回転駆動手段と、上記マスタロ
ールの径の変化に対応して上記マスタロールの外周面に
近接もしくは当接し、上記マスタの先端を上記マスタロ
ールから剥す剥離手段と、上記製版手段による上記マス
タを介しての接離動作を行わせるプラテン圧制御部と、
上記回転駆動手段の動作開始時期を設定する作動設定手
段と、上記マスタの先端が繰り出される方向に位置し、
上記マスタの先端の通過を検知する先端検知手段と、上
記作動設定手段および上記先端検知手段が入力側に接続
され、上記回転駆動手段および上記プラテン圧制御部が
出力側に接続されている制御部とを有し、上記制御部
は、上記作動設定手段からの設定信号に基づき、上記回
転駆動手段を動作させて上記マスタロールから剥がした
上記マスタの先端を上記先端検知手段により検知される
までの間繰り出すとともに、上記先端検知手段による上
記マスタ先端の検知信号に基づき、上記プラテン圧制御
部を駆動させて上記製版手段による上記マスタの押圧可
能な状態を設定することを特徴とする。
【0029】請求項13記載の発明は、マスタがロール
状に巻かれて形成されたマスタロールからマスタを繰り
出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロー
ルから繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、
上記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版装置に
おいて、上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロール
をセット可能なマスタロール保持部および上記製版手段
が製版装置ユニットを構成していて、この製版装置ユニ
ットが印刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられてお
り、上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製
版手段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動
手段と、上記マスタロールの径の変化に対応して上記マ
スタロールの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタ
の先端を上記マスタロールから剥す剥離手段と、上記製
版手段による上記マスタを介しての接離動作を行わせる
プラテン圧制御部と、上記回転駆動手段の動作開始時期
を設定する作動設定手段と、上記マスタの先端が繰り出
される方向に位置し、上記マスタの先端の通過を検知す
る先端検知手段と、上記作動設定手段および上記先端検
知手段が入力側に接続され、上記回転駆動手段および上
記プラテン圧制御部が出力側に接続されている制御部と
を有し、上記制御部は、上記作動設定手段からの設定信
号に基づき、上記回転駆動手段を動作させて上記マスタ
ロールから剥がした上記マスタの先端を上記先端検知手
段により検知されるまでの間繰り出すとともに、上記先
端検知手段による上記マスタ先端の検知信号に基づき、
上記プラテン圧制御部を駆動させて上記製版手段による
上記マスタの押圧可能な状態を設定することを特徴とす
る。
【0030】請求項14記載の発明は、請求項8ないし
13の何れか一つに記載の製版装置において、上記制御
部は、上記先端検知手段からの検知信号に基づいて、上
記プラテン圧制御部における上記マスタの押圧動作を断
続させることを特徴とする。
【0031】請求項15記載の発明は、マスタがロール
状に巻かれて形成されたマスタロールからマスタを繰り
出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロー
ルから繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、
上記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版装置に
おいて、上記製版装置の本体に対して挿脱可能に設けら
れた、上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールを
セット可能なマスタロール保持部と、上記マスタロール
をして上記マスタの先端を上記製版手段に向け繰り出す
方向に回転させるための回転駆動手段と、上記マスタロ
ールの径の変化に対応して上記マスタロールの外周面に
近接もしくは当接し、上記マスタの先端を上記マスタロ
ールから剥す剥離手段と、上記剥離手段に当接して上記
マスタロールから剥がされた上記マスタの先端を搬送す
るマスタ搬送手段とを有することを特徴とする。
【0032】請求項16記載の発明は、請求項1,4,
8,9,12または15記載の製版装置において、上記
剥離手段は、上記マスタロール保持部が上記製版装置の
本体に挿入されたときに占める挿入位置に移動するのに
連動して、上記マスタロールの外周面に近接もしくは当
接することにより上記マスタの先端を上記マスタロール
から剥がすことを特徴とする。
【0033】請求項17記載の発明は、マスタがロール
状に巻かれて形成されたマスタロールからマスタを繰り
出し可能に貯容するマスタ貯容手段と、上記マスタロー
ルから繰り出される上記マスタを製版する製版手段と、
上記マスタを切断する裁断手段とを具備する製版装置に
おいて、上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロール
をセット可能なマスタロール保持部および上記製版手段
が製版装置ユニットを構成していて、この製版装置ユニ
ットが印刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられてお
り、上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製
版手段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動
手段と、上記マスタロールの径の変化に対応して上記マ
スタロールの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタ
の先端を上記マスタロールから剥す剥離手段と、上記剥
離手段に当接して上記マスタロールから剥がされた上記
マスタの先端を搬送するマスタ搬送手段とを有すること
を特徴とする。
【0034】請求項18記載の発明は、請求項2,5,
10,11,13または16記載の製版装置において、
上記剥離手段は、上記製版装置ユニットが上記印刷装置
の本体に挿入されたときに占めるユニット挿入位置に移
動するのに連動して、上記マスタロールの外周面に近接
もしくは当接することにより上記マスタの先端を上記マ
スタロールから剥がすことを特徴とする。
【0035】請求項19記載の発明は、請求項1ないし
5または8ないし17のうちの何れか一つに記載の製版
装置において、上記製版手段は、上記マスタを選択的に
加熱穿孔するサーマルヘッドと、このサーマルヘッドと
の間に上記マスタを押圧しながら回転するプラテンロー
ラとを有することを特徴とする。
【0036】請求項20記載の発明は、請求項1ないし
19の何れか一つに記載の製版装置において、上記剥離
手段は、揺動可能な剥離爪からなり、この剥離爪の揺動
端をその自重により上記マスタロールの外周面に当接さ
せていることを特徴とする。
【0037】請求項21記載の発明は、請求項20記載
の製版装置において、上記剥離爪は、弾性を有する薄片
部を備えていることを特徴とする。
【0038】請求項22記載の発明は、請求項20また
は21記載の製版装置において、上記剥離爪は、その平
面視形状が、上記揺動端におけるマスタ幅方向中央部に
よって、上記マスタロールからマスタの先端が最初に剥
がされ、次いでマスタ幅方向両端に至る順で剥がされた
マスタの先端が接触し繰り出されるように、上記マスタ
の繰り出し方向の上流側から下流側にかけて略八の字状
に末広がりになっていることを特徴とする。
【0039】請求項23記載の発明は、請求項20,2
1または22の何れか一つに記載の製版装置において、
上記剥離爪は、その揺動端が、上記マスタロールの外周
面に向けて傾斜した傾斜部を備えていることを特徴とす
る。
【0040】請求項24記載の発明は、請求項1ないし
23の何れか一つに記載の製版装置において、上記マス
タ貯容手段には、上記マスタロールの端面に当接可能で
あって、マスタロールにおける上記マスタの繰り出し方
向と直交するマスタ幅方向の位置決めをするとともに、
上記マスタロールから上記マスタを繰り出し回転させる
際の回転方向と逆方向の抵抗力を生じさせる摩擦保持部
材が備えられていることを特徴とする。
【0041】請求項25記載の発明は、請求項1ないし
24の何れか一つに記載の製版装置において、上記回転
駆動手段が、上記マスタロールの軸方向に沿って複数に
分割されて配置されたマスタ駆動ローラであることを特
徴とする。
【0042】請求項26記載の発明は、請求項1ないし
25の何れか一つに記載の製版装置において、上記回転
駆動手段が、上記マスタロールの回転中心軸を中心とし
た所定の中心角をもって、上記マスタの繰り出し方向の
上流側および下流側に配置されたマスタ駆動ローラであ
ることを特徴とする。
【0043】請求項27記載の発明は、請求項1ないし
26の何れか一つに記載の製版装置において、上記回転
駆動手段が上記マスタロールの外周面に接触して従動回
転可能に構成されたマスタ回転用従動ローラと、上記マ
スタロールの外周面に摩擦係合し、上記マスタロールを
して上記マスタの先端を上記製版手段に向け繰り出す方
向に回転させる摩擦回転駆動手段とを有することを特徴
とする。
【0044】請求項28記載の発明は、請求項1ないし
26の何れか一つに記載の製版装置において、上記マス
タが芯材の周りに巻き付けられて形成された、上記芯材
の両端が上記マスタロールの両方の端面から外方に突出
したマスタロールを上記マスタロール保持部にセットす
るときに、上記芯材における両端の突出部を嵌入させて
回転可能に支持する挿嵌部を上記マスタ貯容手段に設け
たことを特徴とする。
【0045】請求項29記載の発明は、請求項28記載
の製版装置において、上記芯材の両端部の外周面に摩擦
接触する芯材摩擦回転駆動手段を有することを特徴とす
る。
【0046】請求項30記載の発明は、請求項1ないし
26の何れか一つに記載の製版装置において、上記マス
タをパイプ状の芯材の周りに巻き付けられて形成された
マスタロールの上記芯材の内周面に嵌合し、上記マスタ
ロールをして上記マスタの先端を上記製版手段に向け繰
り出す方向に回転させる軸嵌合回転駆動手段を有してい
ることを特徴とする。
【0047】請求項31記載の発明は、請求項1ないし
30の何れか一つに記載の製版装置に用いる製版用マス
タであって、上記マスタロールの中心に上記マスタを巻
き付ける芯材を備え、この芯材の外周面に低反射率部を
有することを特徴とする。
【0048】請求項32記載の発明は、請求項1ないし
26の何れか一つに記載の製版装置に用いる製版用マス
タであって、上記マスタロールの中心に芯材を有するこ
となく、上記マスタが、自身のマスタの周りに巻かれて
形成されていることを特徴とする。
【0049】
【発明の実施の形態】本発明を詳述するために、添付の
図面に従ってこれを説明する。各図において、図面の簡
明化を図るため各構成部品を適宜省略する。また、図に
おいて一対で構成されていて特別に区別して説明する必
要がない構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その
片方を適宜記載することでその説明に代えるものとす
る。構成部品の形状及びその配置位置を説明する際にお
いて、マスタ搬送方向(以下、マスタ繰り出し方向とい
うときもある)の下流側を「前」とその上流側を「後」
というときがあり、またマスタ搬送方向から見てマスタ
幅方向の左側を「左」(紙面の手前側でもある)と、マ
スタ幅方向の右側を「右」(紙面の奥側でもある)とい
うときがある。以下説明する各発明の実施の形態及び変
形例等に亘り同一の形状及び機能を有する構成部品等に
ついては、同一の符号を付すことによりその説明をでき
る限り省略する。
【0050】図1は、本発明に係る製版装置が適用され
た印刷装置の全体構成を模式的に示す。この印刷装置
は、穿孔製版されたマスタを用いて印刷を行う孔版印刷
装置である。以下、まず、この孔版印刷装置の構成につ
いて説明する。
【0051】図1において、符号1は孔版印刷装置を示
す。この孔版印刷装置1は、版胴2が配置された孔版印
刷工程部を備えていて、給紙装置5、製版装置10、排
版部20及び排紙部から主に構成されている。孔版印刷
装置1において、製版装置10は本発明に係る新規な構
成を有しており、これ以外の給紙装置5、排版部20及
び上記排紙部は周知の構成を有する。
【0052】孔版印刷装置1は、回転軸2Aを中心にし
て正逆回転可能な版胴2を備えている。版胴2は、印刷
工程実行時には時計回り方向に回転し、マスタを排出す
る場合には反時計回り方向に回転するように回転方向が
設定されている。
【0053】版胴2は、その外周面上に穿孔製版された
製版済みのマスタを巻き付ける周知の構造および機能を
有する。版胴2は、一部を除いて周面に多数の穿孔が形
成されており、その表面には、例えば合成繊維からなる
薄層のメッシュスクリ−ン(図示せず)が取り付けられ
ている。このメッシュスクリーンの材料としては金属を
用いることも可能である。
【0054】版胴2の周面で穿孔が形成されていない箇
所には、マスタの先端を挾持するためのクランパ2Dが
配設されている。クランパ2Dは、版胴2の一つの母線
に沿って配置された載置面を有するステージ2Eと、こ
のステージ2Eの一側端に配設された枢軸2Gに揺動可
能に支持されステージ2Eに対して接離自在な把持部材
2Fとで構成されている。ステージ2Eは磁性体ででき
ていて、把持部材2Fはゴム磁石でできている。ステー
ジ2Eは、マスタの先端を載置することができ、ステー
ジ2E上に先端を載置されたマスタは、ステージ2Eと
把持部材2Fとにより挟持されて固定されるようになっ
ている。マスタの先端部以外の範囲は、後述するインキ
供給機構3から版胴2の表面に向け供給されるインキの
粘着力によって版胴表面に付着するようになっている。
【0055】版胴2の内部には、インキ供給機構3が設
けられている。インキ供給機構3は、回転軸2Aの略真
下に配置されており、インキローラ3Aとドクターロー
ラ3Bとを主要部として備えている。
【0056】インキローラ3Aは、金属ローラでなり、
回転軸2Aの下方の版胴2内で、後述するプレスローラ
4と対向する位置に版胴2を挾んで配置されている。イ
ンキローラ3Aは、版胴2の内周面に当接しながら、版
胴2の周速度と同期した周速度で回転し、ドクターロー
ラ3Bによって担持量を規定されたインキを版胴2およ
びメッシュスクリーンの開孔内に供給することができる
ようになっている。
【0057】ドクターローラ3Bによって担持量を規定
されるインキは、回転軸2Aに形成されている吐出口2
Cから上記両ローラ3A,3Bで形成されている楔状空
間部のインキ溜まり3Cに滴下されるようになってい
る。
【0058】インキローラ3Aは、後述するプレスロー
ラ4と対向する位置に配置されていることにより、版胴
2にプレスローラ4が押圧したときの圧力によって版胴
2が変形するのを防止するバックアップローラとしての
機能も持ち合せている。
【0059】インキローラ3Aの下方には、版胴2を挾
んでインキローラ3Aに対向するプレスローラ4が配置
されている。プレスローラ4は、回転部材で構成されて
いて、版胴2に対して接離可能に設けられている。プレ
スローラ4は、揺動アーム4Aの一方の自由端において
回転自在に支持されている。揺動アーム4Aの他方の揺
動端は、扇状カム4Bの輪郭周面に圧接している。扇状
カム4Bは、図示しない駆動部によって後述する給紙装
置5からの印刷用紙Sの給紙タイミングに合せて回転さ
れるようになっており、給紙装置5から印刷用紙Sが給
紙されない時には、その大径部を揺動アーム4Aの他方
の揺動端に対向させている。
【0060】扇状カム4Bは、給紙装置5から印刷用紙
Sが給紙されると回転して、その小径部を揺動アーム4
Aの他方の揺動端に対向させ、揺動アーム4Aを第1図
において時計回り方向に回転させる。これにより、印刷
用紙Sは、給紙装置5から給送されて版胴2とプレスロ
ーラ4との間に挿入されたとき、プレスローラ4が上昇
変位されることによって版胴2の表面に押圧される。印
刷用紙Sは、製版済みのマスタを介して版胴2の表面に
押圧されると、版胴2に巻装されているマスタの穿孔部
分から転移するインキによって印刷される。それ故に、
プレスローラ4が版胴2に押圧する位置は、画像転写部
をなす部分とされる。
【0061】給紙装置5は、プレスローラ4の図におい
て右方近傍に配置されている。給紙装置5は、繰り出し
ローラ6、分離ローラ7およびレジストローラ9を給紙
方向に沿って備えている。
【0062】繰り出しローラ6は、給紙トレイ5Aに収
容されている印刷用紙Sの最上位のものに対して相対的
に接離可能に設けられ、印刷用紙Sを図示矢印方向に相
当する給送方向に向け繰り出すようになっている。上記
した給紙トレイ5Aは、昇降自在に設けられており、最
上位に位置する印刷用紙Sを繰り出しローラ6に当接さ
せるようになっている。印刷用紙Sを補給する際には、
給紙トレイ5Aが下降され、最上昇位置との間に形成さ
れる空間内に印刷用紙Sを挿入することができる。
【0063】分離ローラ7は、繰り出しローラ6と同様
に印刷用紙Sのうちの最上位のものに当接して回転可能
であり、最上位にある印刷用紙Sのみを繰り出すことが
できるように、印刷用紙S同士の摩擦係数よりも印刷用
紙Sのうちの最上位のものとの間の摩擦係数が大きく設
定されている。
【0064】レジストローラ9は、印刷用紙Sの給送路
をはさんで対向当接する一対のローラで構成され、版胴
2とプレスローラ4とが接触する位置に向けて、印刷用
紙Sの給送タイミングをとって印刷用紙Sを繰り出す。
【0065】給紙装置5では、給紙トレイ5Aが上昇し
て、給紙トレイ5A上の印刷用紙Sの最上位のものが繰
り出しローラ6に当接して給紙位置を占めると、図示し
ないセンサからの信号に基づいて繰り出しローラ6が回
転される。これにより、その印刷用紙Sが給紙方向に繰
り出され、分離ローラ7によって最上位の1枚の印刷用
紙Sのみが分離されてレジストローラ9に向け給送され
る。印刷用紙Sは、レジストローラ9によってその先端
を当接され、所定のタイミングがとられる。次いで、プ
レスローラ4が版胴2に押圧するタイミングに合わせ
て、マスタの画像位置と印刷用紙Sでの印刷開始位置と
を整合させるタイミングを以て、印刷用紙Sは版胴2と
プレスローラ4との間に向け給送される。そして、上記
した周知の印刷動作によって、印刷画像が得られる。
【0066】図1において、版胴2の右側上方には、本
発明に係る第1の発明の実施の形態(以下、実施の形態
1と略称する)としての製版装置10が配置されてい
る。製版装置10の構成を説明するに際して、図1及び
図2に示されている製版装置10の右から左に向かって
マスタ搬送方向となっていて、このマスタ搬送方向に沿
ってマスタ搬送路が形成されている。このマスタ搬送方
向の左右両側を単に「左」、「右」というときがあり、
また上記マスタ搬送方向の上流側を「後」、下流側を
「前」というときがある。
【0067】製版装置10は、図2、図3および図4に
示すように、マスタロール保持部11、マスタ分離手段
12、マスタ回転駆動部13およびプラテン圧制御部1
4から主に構成されている。
【0068】この実施の形態1における製版装置10
は、マスタ16aがロール状に巻かれマスタロール16
からマスタ16aの先端を自動的に剥離して繰り出す構
成を備えている。すなわち、この製版装置10は、製版
装置10の本体に対して挿脱可能に設けられているとと
もに、マスタロール16からマスタ16aを繰り出し可
能に貯容するマスタ貯容手段(後述する)を備えた、マ
スタロール16をセット可能なマスタロール保持部11
と、マスタロール16をマスタロール保持部11にセッ
トした後、マスタロール16をしてマスタ16aの先端
を製版手段(後述する)に向け繰り出す方向に回転させ
るための、上記マスタ貯容手段に設けられた回転駆動手
段(後述する)と、マスタロール16の径の変化に対応
してマスタロール16の外周面に当接もしくは近接し、
マスタ16aの先端をマスタロール16から剥がす剥離
手段(後述する)とを有することを特徴とするものであ
る。
【0069】マスタロール16に巻かれているマスタ1
6aは、光透過性を有する1〜2μm程度の薄い熱可塑
性樹脂フィルムに対して和紙繊維あるいは合成繊維、若
しくはこれら両材料を混抄したものからなる多孔性支持
体を貼り付けてラミネート構造としたものが用いられ、
サーマルヘッド等の発熱素子によって加熱穿孔されるも
のである。この製版装置10では、マスタ16aの厚さ
が3〜60μmのものを好ましく用いることができる。
【0070】マスタロール16は、図4に示すように、
マスタ16aが、マスタ16aの幅寸法と同じ寸法に形
成されたパイプ状の芯材16B(以下、芯管16Bとい
うときがある)の周りに巻き付けられて形成されてい
る。換言すれば、マスタロール16は、マスタ16aが
その軸方向の両端から突出する芯材に巻装されて形成さ
れた従来型の構成ではなく、マスタ16aがマスタロー
ル16の両方の端面と同じ位置に各軸端を有する芯材1
6Bに巻装されて形成された特徴的な構成をなしてい
る。
【0071】マスタロール16は、図10に示すよう
に、ロール状に巻装されているロール部のうちで、使用
限界に達した位置から、最終端部までの巻装方向に沿っ
た範囲に低反射率部16Aを有する。低反射率部16A
には、例えば黒色塗装が施されている。
【0072】このようなマスタロール16は、後述する
ように、版胴2に向けてマスタ16aの先端を繰り出す
ことができる状態でマスタロール保持部材11Aの収納
凹部11A4に落とし込まれてセット(以下、装填とい
うときがある)される。
【0073】製版装置10の内部には、一対のガイド部
材15が配設されている。各ガイド部材15は、図4に
詳しく示すように、断面チャンネル状をなしていて、上
記マスタ搬送路に沿う左右両側に所定の長さをもって、
かつ、上記チャンネル状をなす開口側を互いに対向させ
た状態で配置されている。各ガイド部材15は、製版装
置10の左右両側に配設された一対の左・右側板(共に
図示せず)にそれぞれ固設されている。右側(紙面奥側
でもある)に配置されたガイド部材15の下部には、後
述するマスタ駆動ローラ11D,11Eの各軸をガイド
部材15の右外側に導出するための長溝15aが形成さ
れている。この長溝15aは、ガイド部材15の長手方
向に沿ってマスタロール保持部11の移動範囲に亘り形
成されている。
【0074】マスタロール保持部11は、マスタロール
保持部材11A、一対の摩擦保持部材11A1、蓋体1
1B、把手11C、一対のマスタ駆動ローラ11D,1
1E、押圧部11G及び突条部11A5から主に構成さ
れている。
【0075】上記したように、マスタ貯容手段は、マス
タロール16からマスタ16aを繰り出し可能に貯容す
る機能および構造を有し、一対の摩擦保持部材11A1
および一対のマスタ駆動ローラ11D,11Eで構成さ
れている。
【0076】マスタロール保持部11のマスタロール保
持部材11A、蓋体11B、把手11C、押圧部11G
及び突条部11A5は、例えば、板金等で適宜の部位が
インサート補強され、合成樹脂で一体的に成形されてい
る。マスタロール保持部材11Aは、上下方向に開口部
分を有する略筐体状をなしていて、マスタロール16を
装填可能としている。マスタロール保持部材11Aに
は、マスタロール16の下半周の一部を挿脱可能な収納
凹部11A4が形成されている。
【0077】マスタロール保持部材11Aの左右両側の
外側壁には、図3及び図4に示すように、一対のガイド
部材15の上記チャンネル状の開口内に嵌入する直方体
状の突条部11A5が一体的に形成されている。突条部
11A5は、マスタロール保持部材11Aの左右両側の
外側壁に4箇所設けられている。マスタロール保持部1
1のマスタロール保持部材11Aは、一対のガイド部材
15の上記チャンネル状の各開口内に各2箇所の突条部
11A5が嵌入され滑らかに摺動され得ることで、上記
マスタ搬送路の上流側及び下流側の所定の範囲内で移動
自在となっている。換言すれば、マスタロール保持部1
1は、製版装置10の本体内に挿入されてマスタ16a
繰り出し可能状態とされる挿入位置と、この挿入位置か
ら引き出されてマスタロール16を装填可能な状態とさ
れる位置との間で摺動自在となっている。挿入位置から
引き出された位置としては、製版装置10の外方への移
動位置も含まれる。
【0078】マスタ繰り出し方向Tと直交するマスタ幅
方向の左右両側に対応したマスタロール保持部材11A
の両内側面には、マスタロール16の両方の端面に対向
して接触する摩擦保持部材11A1が備えられている。
摩擦保持部材11A1は、例えばゴムやスポンジゴムで
できている。
【0079】摩擦保持部材11A1は、マスタロール1
6の両方の端面に当接してそのマスタロール16におけ
るマスタ幅方向の位置決めをするとともに、マスタロー
ル16からマスタ16aを繰り出し回転させる際の回転
方向と逆方向の摩擦による抵抗力を生じさせる。上記抵
抗力は、マスタロール16がマスタ繰り出し方向Tに回
転されたとき、その回転方向に逆らう力となり、マスタ
ロール16から繰り出されるマスタ16aに張力(バッ
クテンション)を生じさせるので、マスタ16aが繰り
出される際に生じやすい弛みをなくすことができる。
【0080】マスタロール保持部材11Aの収納凹部1
1A4に装填されたマスタロール16は、マスタロール
16の両方の端面が摩擦保持部材11A1に当接するこ
とによってマスタ幅方向の位置決めがなされるので、単
に収納凹部11A4に落し込むだけでよく、その軸方向
両端から突出した芯材による位置決めを行う必要がな
く、これによって、芯材形成に必要とされる材料の使用
量を少なくしてマスタロール16の材料コストを低減す
ることができる。
【0081】マスタロール保持部材11Aの後側には、
製版装置10の側壁の一部をなす蓋体11Bが一体に設
けられている。蓋体11Bの後部外表面には、把手11
Cが取り付けられている。この把手11Cを持って操作
することにより、マスタロール保持部11は、一対のガ
イド部材15を介して矢印Dで示す両方向に移動させる
ことができる。すなわち、把手11Cを持って、マスタ
ロール保持部11を図2において右側に移動させること
によって製版装置10の外部に引き出してマスタロール
16を装填することが可能な位置を占め、また逆方向に
移動させることによっって挿入位置を占める。
【0082】蓋体11Bと反対側のマスタロール保持部
材11Aの左右の両外側壁には、後述する剥離爪支持部
材12Cに対して選択的に係合する押圧部11Gが一体
的に形成されている。
【0083】図3及び図4において、右側のガイド部材
15近傍に対応するマスタロール保持部材11Aの底壁
には、マスタロール保持部材11Aが挿入位置を占めた
ときに後述するマスタ検知手段60を臨ませるための開
口部11A3が明けられている。開口部11A3廻り及
びこれと反対側のマスタロール保持部材11Aの内底壁
廻りには、ロール逃げ凹部11A2がそれぞれ形成され
ている。図9にも示されているように、各ロール逃げ凹
部11A2は、マスタロール16のマスタ16aが使用
されていくことにより、その外径が徐々に小さくなって
最終的にその使用限界である芯材16Bの外径に略等し
くなった使用限界のマスタロール16’となったとき
に、この使用限界のマスタロール16’との干渉を避け
るために設けられている。
【0084】なお、マスタロール保持部材11A及び摩
擦保持部材11A1等の細部の詳細形状については、そ
の図示を省略しているが、マスタロール16をマスタロ
ール保持部11の収納凹部11A4に装填するときに、
マスタロール16の外表面のマスタ16aに接触するお
それのある上記各部材の各部位には、マスタ16aを損
傷しないように適宜の面取りや案内用のテーパ等が施さ
れていることはいうまでもない。
【0085】マスタロール保持部材11Aの収納凹部1
1A4には、マスタロール16が収納凹部11A4に装
填されたとき、マスタロール16の外周面に当接するマ
スタ駆動ローラ11D、11Eが配置されている。マス
タ駆動ローラ11D、11Eは、上記したようにマスタ
貯容手段を構成するとともに、マスタロール16をして
マスタ16aの先端を上記製版手段に向け繰り出す方向
に回転させる回転駆動手段としての機能を有する。マス
タ駆動ローラ11D、11Eは、これらの各軸の両端部
がマスタロール保持部材11Aの底壁部にそれぞれ回転
自在に支持されていることで、回転可能となっている。
後述するように、マスタ駆動ローラ11D、11Eは、
マスタ回転駆動部13を構成する駆動モータ13A(第
3図に示す)の回転駆動によって回転される。
【0086】マスタ駆動ローラ11D,11Eは、マス
タロール16の外周面に接触してマスタロール16を回
転することが可能な所定範囲の摩擦係数を有する材料、
例えばゴムやスポンジゴム等でできている。
【0087】マスタ駆動ローラ11D,11Eは、マス
タロール16の回転中心軸を中心とした所定の中心角を
もって、マスタ繰り出し方向Tの上流側および下流側に
互いに平行に配置されている。すなわち、未使用の新し
いマスタロール16のマスタ16aが使用されるのに応
じて、芯材16Bが降下してロール逃げ凹部11A2の
近傍位置に至ったとき、マスタ駆動ローラ11D,11
Eに対し、マスタロール16の回転中心軸を基準として
均等な位置でマスタロール16の外周面を当接させる位
置関係を設定できるように位置決めされている。また、
マスタロール16のマスタ16aが完全に消費されて略
芯材16Bのみになった使用限界のマスタロール16’
になったとき、上記位置状態に配置されたマスタ駆動ロ
ーラ11D,11Eにより芯材16Bの外周面が回動自
在に支持される。
【0088】マスタ回転駆動部13は、マスタロール1
6を回転させる構成及び機能を有する。マスタ回転駆動
部13は、その詳細が図3に示されているように、上記
したマスタ駆動ローラ11D,11E、駆動モータ13
A、駆動ギヤ13B、従動ギヤ11D1、プーリ13
C、13D及びベルト13Eから主に構成されている。
【0089】マスタ回転駆動部13は、製版装置10の
挿入位置近傍の上記右側板に固設された駆動モータ13
Aを備え、その駆動モータ13Aの出力軸端には駆動ギ
ヤ13Bが取り付けられている。
【0090】駆動モータ13Aは、後で詳しく述べる
が、マスタロール16がマスタロール保持部材11Aに
装填・セットされ、その状態でマスタ16aが繰り出さ
れるときに、一旦、繰り出し方向とは逆方向に回転し、
その後、繰り出し方向に回転するように回転方向および
回転順序が設定されている。
【0091】マスタ駆動ローラ11D及びマスタ駆動ロ
ーラ11Eの各軸には、プーリ13C、13Dがそれぞ
れ固定され、それら各プーリ13C、13D間にはベル
ト13Eが掛け渡されている。
【0092】マスタロール保持部材11Aが製版装置1
0内に挿入され挿入位置を占めたとき、駆動ギヤ13B
と対向して位置するマスタ駆動ローラ11Dの軸には、
駆動ギヤ13Bに噛み合う従動ギヤ11D1が取り付け
られている。駆動モータ13Aからの回転力は、駆動ギ
ヤ13B、従動ギヤ11D1、プーリ13C及びベルト
13Eを介してプーリ13Dに伝えられ、マスタ駆動ロ
ーラ11D及びマスタ駆動ローラ11E同士を同方向に
回転させることができるようになっている。
【0093】図2において、マスタロール保持部材11
Aが製版装置10内に挿入された挿入位置に対応する位
置には、マスタ分離手段12が設けられている。
【0094】マスタ分離手段12は、マスタロール16
の径の変化に対応してマスタロール16の外周面に近接
若しくは当接し、マスタ16aの先端をマスタロール1
6から剥がす剥離手段としての剥離爪12Aと、この剥
離爪12Aを後述するように支持する剥離爪支持部材1
2Cとで主に構成されている。
【0095】剥離爪12Aは、図9に示すように、その
揺動端がマスタロールの外周面に当接する当接位置(実
線及び仮想線で示す)とこの当接位置から離間した非当
接位置(一点鎖線で示す)との間に揺動自在となってい
る。剥離爪12Aは、回転軸12Bを介して剥離爪支持
部材12C、圧縮バネ12D及び上記した押圧部11G
により、当接位置と非当接位置との間に揺動自在に支持
されている。
【0096】剥離爪12Aの左右の両基端部には、図5
〜図8に示すように、回転軸12Bを挿通して剥離爪1
2Aを揺動可能に支持するための孔12A3を有する軸
受部12A4が一体的に形成されている。
【0097】剥離爪12Aと剥離爪支持部材12Cと
は、互いに共通する回転軸12Bによってそれぞれの基
端が支持されている。回転軸12Bは、製版装置10内
に配設された上記左・右側板によって支持され、製版装
置10内での位置を変化させないようになっている。
【0098】剥離爪12Aは、軸受部12A4を含む基
端側を除き、その揺動端側が弾性を有する薄片部を備え
ている。剥離爪12Aは、金属あるいは樹脂を用いた薄
片からなる弾性体によって構成されている。上記した弾
性の程度は、剥離爪12Aの揺動端先端がマスタロール
16の外周面に当接したときに、その外周面のマスタを
破損させない範囲に設定されている。これにより、剥離
爪12Aの揺動端先端がマスタロール16の外周面に当
接したときに、異常な負荷をマスタ16aの表面に作用
させないように弾性変形するので、マスタ16aの表面
を傷つけたりすることがない。
【0099】剥離爪12Aには、図5に示すように、平
面視において、マスタロール16の幅方向中央部に対向
する中央部分に、マスタロール16の幅方向両端よりマ
スタ繰り出し方向Tの上流側に突出した突出部12A1
が形成されている。この突出部12A1は、図5及び図
9に示すように、マスタロール16の外周面に向けて傾
斜して形成された傾斜部12A2となっている。このよ
うな剥離爪12Aは、その自重によって揺動端の突出部
12A1をマスタロール16の外周面に近接若しくは当
接することができるようになっている。つまり、剥離爪
12Aは、その平面視形状が、揺動端におけるマスタ幅
方向中央部によって、マスタロール16からマスタ16
aの先端が最初に剥がされ、次いでマスタ幅方向両端に
至る順で剥がされたマスタの先端が接触し繰り出される
ように、マスタ繰り出し方向Tの上流側から下流側にか
けて略八の字状に末広がりになっている。
【0100】突出部12A1の厚さは、上記したマスタ
16aの厚さに対してできるだけ薄いものであり、好ま
しくは3〜50μmに設定されている。剥離爪12Aの
平面視形状が上記した形状に設定されることによって、
後述するように、剥離爪12Aの揺動端がマスタロール
16の外周面に近接若しくは当接した場合、そのマスタ
ロール16における先端の幅方向中央部から順にマスタ
16aが剥離される。これによって、マスタロール16
のロール部からマスタ16aの先端が剥離されるとき、
マスタロール16から繰り出されるマスタ16aの先端
は、マスタ幅方向において中央部から順次剥離されるこ
とになるので、剥離の際の抵抗を少なくして確実に剥離
・分離される。しかも、剥離爪12Aの揺動端先端がマ
スタロール16の外周面に向け傾斜しているので、その
傾斜部12A2のみがマスタロール16の外周面と対向
し、マスタロール16のロール部から離間したマスタ1
6aの先端の内表面に位置している。これによって、マ
スタロール16に対する剥離爪12Aの接触面積は小さ
くされ、マスタ16aの繰り出し時に生じる抵抗が軽減
されるとともに、マスタロール16からマスタ16aの
先端がめくられやすくなる。
【0101】剥離爪支持部材12Cは、揺動端側にその
一端が配置され他端が製版装置10の本体の不動部材に
配置されている圧縮バネ12Dによって、通常、剥離爪
12Aがマスタロール16の外周面から離される方向へ
の揺動習性を与えられている。剥離爪支持部材12Cの
揺動端は、与えられている習性によって揺動した場合、
ガイド部材15上方の上記右側板に固設された、図9に
のみ示すストッパ84により、製版装置10内の挿入位
置にセットされたマスタロール保持部材11Aの押圧部
11Gによって押し動かされることができる位置に位置
決めされるようになっている。
【0102】上記構成を備えたマスタ分離手段12で
は、マスタロール保持部材11Aが製版装置10内の挿
入位置にセットされた場合、押圧部11Gによって剥離
爪支持部材12Cの揺動端が押し動かされる。揺動端が
押し動かされると、剥離爪支持部材12Cは、上記習性
に抗して剥離爪12Aをマスタロール16の外周面に近
接させる方向に揺動される。この場合の剥離爪12Aの
揺動端は、マスタロール16の外周面に当接するとマス
タ16aの表面を損傷させることもあるので、マスタ1
6a自身の曲げ剛性の強さによって先端を起き上がらせ
ることができる剛性をもつマスタ16aであれば、その
先端をめくることが可能な隙間をもって、すなわちマス
タロール16の外周面に近接・対向するようにすればよ
い。
【0103】剥離爪12Aは、その揺動端がマスタロー
ル16の外周面との間にある程度の隙間をもたせて近接
している場合、例えばマスタロール16の外径寸法の変
化をロール径検知手段(図示せず)によって検知し、そ
の変化に対応して図示しない駆動機構によって揺動端の
位置を変化させて上記隙間を常に一定に維持させること
も可能である。一方、例えば、マスタ16aの曲げ剛性
が比較的弱く、所謂、腰の強さが低く、自ら先端を起き
上がらせることができないようなマスタロール16のマ
スタ16aを対象とする場合には、弱い圧力によって剥
離爪12Aの揺動端をマスタ16aの表面に接触させる
ことが望ましい。このため、この実施の形態1では、剥
離爪12Aの揺動端が自重により揺動することによって
マスタロール16の外周面に当接することができるよう
になっている。
【0104】剥離爪12Aは、上記剥離手段としての機
能の他に、マスタロール16からマスタ16aの先端が
繰り出されたとき、マスタ16aをして剥離爪12Aの
上面を摺動させ、マスタロール16から後述するプラテ
ン圧制御部14のサーマルヘッド14Aとプラテンロー
ラ14Bとの対向位置に向け案内する案内手段の機能を
も有する。
【0105】マスタロール保持部材11Aが製版装置1
0から引き出されると、圧縮バネ12Dの付勢力により
剥離爪支持部材12Cが反時計回り方向に揺動し、この
揺動に連動して剥離爪12Aは、図9において符号A1
で示される位置に揺動・配置される。
【0106】マスタロール保持部材11Aが製版装置1
0内の挿入位置にセットされると、マスタロール保持部
材11Aの押圧部11Gによって剥離爪支持部材12C
の揺動端が圧縮バネ12Dの付勢力に抗して時計回り方
向に揺動する。この揺動に連動して、剥離爪12Aは、
マスタロール16の外径の変化に拘らず、その自重によ
りマスタロール16の外周面に当接する位置に変位する
ことができる。図9において、符号A2は、マスタロー
ル16の外径が最大のときの剥離爪(便宜上、符号12
A’で示す)の位置を示し、また、符号A3は、マスタ
ロール16の外径が最小である使用限界のマスタロール
16’に変化したときの剥離爪(便宜上、符号12A''
で示す)の位置を示している。マスタロール16の最小
径は、上記したように、マスタ16aとして使用できる
限界量に達したときの径である。
【0107】このため、剥離爪支持部材12Cにおける
剥離爪12Aの支持面の形状は、図6および図7に示す
形状とされている。図7及び図8は、マスタロール保持
部11のマスタロール保持部材11Aが製版装置10内
の挿入位置にセットされることにより、剥離爪支持部材
12Cの揺動端が圧縮バネ12Dによる付勢力に抗して
マスタロール保持部材11Aの押圧部11Gによって押
し動かされたときの状態を示している。
【0108】図6および図7において、剥離爪支持部材
12Cの上部には、剥離爪12Aの受け面12A5を支
持するための支持面として、傾斜面12C1と水平面1
2C2とが回転軸12Bを中心にして連続して形成され
ている。傾斜面12C1と水平面12C2とは、剥離爪
12Aの自由端を揺動可能とするために、回転軸12B
を中心とした回転半径を有する丸みが形成された面を介
してつながれている。傾斜面12C1は、最大径のマス
タロール16の外周面に剥離爪12Aの揺動端を当接さ
せることができる面であり、水平面12C2は、最小径
のマスタロール16’(図9参照)の外周面に剥離爪1
2Aの揺動端を当接させることができる面である。
【0109】剥離爪支持部材12Cは、上記マスタ搬送
方向に対して対向して見た場合、略門形状をなしてい
る。すなわち、剥離爪支持部材12Cは、剥離爪支持部
材12Cの上部に形成された傾斜面12C1および水平
面12C2が上記マスタ搬送路の下方のマスタ幅方向に
延在していて、傾斜面12C1および水平面12C2の
左右両側において柱状に垂下した略門形状をなす。
【0110】剥離爪支持部材12Cは、左右両側の柱状
をなす部分がマスタロール保持部材11Aの押圧部11
Gにより押し動かされることにより、図9において実線
で示すように、略直立した状態に設定される。このと
き、剥離爪12Aは、剥離爪支持部材12Cとは独立し
てマスタロール16の外径の変化(図9中、符号A2お
よびA3で示す範囲)に応じてフリーな状態で揺動でき
るようになっている。さらに、剥離爪支持部材12C
は、マスタロール保持部材11Aの押圧部11Gによっ
て押し動かされる状態が解除されると、図9において、
回転軸12Bを中心として一点鎖線で示すように揺動
し、傾斜した状態に設定される。このとき、剥離爪12
Aの受け面12A5は、剥離爪支持部材12Cの水平面
12C2に載置された状態で揺動し、図9において符号
A1で示す位置に傾斜することができるようになってい
る。
【0111】このような剥離爪支持部材12Cにおける
剥離爪12Aの支持面の形状設定によって、剥離爪12
Aは、図9に示すように、マスタロール16の最大径か
ら最小径への変化に対応して揺動することができる。
【0112】プラテン圧制御部14は、図2において、
マスタ繰り出し方向Tにおけるマスタ分離手段12の下
流側に配置されている。
【0113】図2において、プラテン圧制御部14は、
サーマルヘッド14Aとプラテンローラ14Bとを有す
る製版手段を備えている。サーマルヘッド14Aは、マ
スタロール16から繰り出されるマスタ16aを選択的
に加熱穿孔する周知の機能を有する。サーマルヘッド1
4Aは、後述する構造により、プラテンローラ14Bに
対して接離自在になっている。
【0114】プラテンローラ14Bは、マスタロール1
6から繰り出されマスタ16a若しくはサーマルヘッド
14Aにより加熱穿孔された製版済みのマスタ16a
を、サーマルヘッド14Aとの間に押圧(以下、「挾
持」というときがある)しながらマスタ搬送路の下流側
に回転・搬送する周知の機能を有する。
【0115】プラテンローラ14Bは、この種の製版装
置と同様に、サーマルヘッド14Aと対向する位置で、
図示を省略した駆動伝達機構を介して、プラテン駆動モ
ータ(図示せず)により回転されることが可能なように
設けられている。上記プラテン駆動モータは、例えばス
テッピングモータからなる。
【0116】サーマルヘッド14Aとプラテンローラ1
4Bとは、これら両部材間での接離動作を行なって、マ
スタロール16から繰り出されるマスタ16aへ挟持圧
を作用させたり解除させたりする。
【0117】サーマルヘッド14Aは、ヘッド支持アー
ム14A2の揺動端側に載置固定されている。ヘッド支
持アーム14A2は、上記左・右側板によって支持され
ている回転軸14A1を支点として揺動可能に支持され
ている。ヘッド支持アーム14A2の揺動端におけるサ
ーマルヘッド載置面と反対側の裏面には、上記右側板に
固設された偏心カム駆動モータ14A30(図11参
照)によって回転される偏心カム14A3が配置されて
いる。ヘッド支持アーム14A2は、ヘッド支持アーム
14A2の揺動端側と上記左・右側板とに掛けられてい
る引張バネ14A4によって、図2において反時計回り
方向に付勢されている。この引張バネ14A4の付勢力
によって、偏心カム14A3は、反時計回り方向に揺動
する習性を有するヘッド支持アーム14A2の裏面に常
時接触されている。
【0118】偏心カム14A3は、プラテン圧解除部材
をなすものであり、非製版時には、その小径部をヘッド
支持アーム14A2の裏面に当接させている。これによ
り、ヘッド支持アーム14A2に固定されているサーマ
ルヘッド14Aは、上記マスタ搬送路から離されるの
で、マスタ16aへの挟持圧が解除される。
【0119】サーマルヘッド14Aがプラテンローラ1
4Bに当接したときに、プラテンローラ14Bは、上記
プラテン駆動モータによりマスタロール16からマスタ
16aを繰り出す方向に回転される。
【0120】上記した構成を備えたプラテン圧制御部1
4では、マスタロール16から繰り出されるマスタ16
aを製版する時、偏心カム14A3が回転することによ
ってその大径部がヘッド支持アーム14A2の揺動端裏
面に圧接される。これにより、偏心カム14A3の大径
部によってヘッド支持アーム14A2は押し動かされ、
サーマルヘッド14Aは、図2において時計回り方向に
揺動される。時計回り方向に揺動したサーマルヘッド1
4Aは、プラテンローラ14Bに当接する。これによ
り、マスタ16aは、サーマルヘッド14Aおよびプラ
テンローラ14Bによって挟持圧が作用した状態で搬送
される。マスタ16aは、搬送される過程で、サーマル
ヘッド14Aでの選択的な発熱により主走査方向および
副走査方向で加熱穿孔される。この場合の主走査方向
は、プラテンローラ14Bの長さ方向であり、副走査方
向は主走査方向と直交する方向でマスタ繰り出し方向T
に相当している。
【0121】なお、この実施の形態1では、サーマルヘ
ッド14Aをプラテンローラ14Bに対し当接させる方
向に揺動させているが、これとは逆に、プラテンローラ
14Bをサーマルヘッド14Aに対して当接させる方向
に揺動させることも可能である。
【0122】また、偏心カム14A3は、上記した製版
時に加えて、マスタロール16からのマスタ16aの先
端の繰り出し時に、マスタ16aが移動してきた時点
で、短時間の間だけ連続回転することもできる。これに
より、サーマルヘッド14Aは、プラテンローラ14B
との間でマスタ16aをはさんで、プラテンローラ14
Bに対して接離を繰り返すことができる。このようなサ
ーマルヘッド14Aとプラテンローラ14Bとの接離の
繰返し動作に連動してプラテンローラ14Bをマスタ繰
り出し方向Tに回転させることによって、プラテン圧制
御部14に位置するマスタ16aは、上記マスタ搬送路
の下流側に断続的に繰り返し引っ張られる。その結果、
マスタロール保持部材11Aの収納凹部11A4内でマ
スタロール16の両端面に生じている摩擦力を繰り出し
の際の抵抗力にして、マスタロール16から繰り出され
たマスタ16a部分に生じているシワ等を伸ばしそのシ
ワ等を除去することができるようになっている。
【0123】マスタ16aの非製版時には、偏心カム1
4A3が回転してその小径部がヘッド支持アーム14A
2の揺動端裏面に当接される。これにより、サーマルヘ
ッド14Aはプラテンローラ14Bから離され、マスタ
16aに対する挟持圧が解除される。
【0124】図1及び図2において、プラテン圧制御部
14における上記マスタ搬送路の下流側には、製版済の
マスタ16a若しくはマスタ16aの先端部や後端部を
切断するための裁断手段を備えた裁断装置17が配置さ
れている。この裁断手段としては、ギロチンカッタやロ
ータリカッタが採用される。
【0125】図1及び図2において、裁断装置17にお
ける上記マスタ搬送路の下流側には、一対の互いに接触
した搬送ローラ18及び製版済のマスタ16a若しくは
マスタ16aを版胴2のクランパ2Dに向け案内するた
めのガイド19が配置されている。これにより、製版済
のマスタ16a若しくはマスタ16aの先端部は、裁断
装置17により必要長さに裁断され、給版位置で待機し
ている版胴2の拡開した把持部材2Fとステージ2Eと
の間に挿入され、把持部材2Fが閉じることでその先端
を把持固定されるようになっている。搬送ローラ18
は、上記右側板に固設された搬送モータ18A(図11
のみに示す)に図示しない軸を介して連結されていて、
回転可能となっている。
【0126】なお、搬送ローラ18の駆動は、上記構成
に限らず、次のようなものであってもよい。例えば、搬
送ローラ18の軸端にギアを固設し、このギアに噛合す
る駆動ギアを上記プラテン駆動モータに設けると共に、
搬送ローラ18の軸と上記ギアとの間に電磁クラッチを
介装させた構成であってもよい。
【0127】図1において、孔版印刷装置1の上部に
は、図示を省略した原稿読み取り部が設置されている。
上記原稿読み取り部は、コンタクトガラスを用いた原稿
走査部を備えており、原稿走査部に配設された光源から
の光を、コンタクトガラス上に載置された原稿に照射
し、原稿からの反射光を、ミラー及び結像レンズを含む
結像光学系を介してCCD等からなる画像センサに入射
させて画像情報を取り込むようになっている。上記画像
情報は、後で詳細を説明する制御部に出力され、製版装
置10での穿孔処理のためのデータとして用いられる。
【0128】図1において、版胴2を挾んで製版装置1
0と対向する版胴2の左側上方には、排版部20が配置
されている。排版部20は、版胴2の近傍に位置し、使
用済みのマスタ16aを挟持可能なベルトを互いに当接
させた上部排版部材20A及び下部排版部材20Bと排
版ボックス21とを備えている。
【0129】上部及び下部排版部材20A、20Bに備
えられたベルトは、版胴2の近傍に位置するローラと排
版ボックス21側に位置するローラとにそれぞれ掛け渡
されている。版胴2に巻装されていた使用済みのマスタ
16aは、上記ベルトによって版胴2の外周面から剥離
され該ベルトでさらに排版ボックス21に向け移送され
る。上記排版部材のうち、下部排版部材20Bは、版胴
2が反時計方向に回転する排版時に版胴2の外周面に対
して接近することができるようになっており、接近した
際には、使用済みのマスタ16aの後端を受入れて排版
ボックス21に向け移送できるようになっている。
【0130】排版ボックス21の上部には、昇降自在の
圧縮部材22が設けられている。圧縮部材22は、排版
ボックス21内に収容された使用済みのマスタ16aを
圧縮して次に廃棄されるマスタ16aの収容スペースを
準備するようになっている。排版ボックス21内が使用
済みのマスタ16aによって満たされた場合には、孔版
印刷装置1の外部に排版ボックス21を取り出して排版
ボックス21内に収容された使用済みのマスタ16aが
廃棄処分される。
【0131】図1において、プレスローラ4と対向する
版胴2の下方側であって、図中矢印で示す時計回り方向
に回転する版胴2の下流側には、その先端部が版胴2の
外周面に対して接近可能な剥離爪30が設けられてい
る。剥離爪30は、版胴2上から印刷用紙Sを剥離し、
剥離された印刷用紙Sが、排出搬送装置41に向け排出
される。
【0132】排出搬送装置41は、一対のローラ42、
43に掛け渡された無端状の搬送ベルト44を有してい
て印刷用紙Sの排紙部を構成している。版胴2の外周面
から剥離された印刷用紙Sは、排出搬送装置41の搬送
ベルト44上に移送され排紙トレイ45に向けて搬送さ
れる。搬送ベルト44上に移送された印刷用紙Sに対し
て印刷用紙Sを吸引するための吸引ファン46が、搬送
ベルト44における印刷用紙Sの載置面下方に配置され
ている。また、排紙トレイ45は、図示しない回転軸を
基端に設けることによって印刷装置の側壁面に対して起
倒可能に設ける場合もある。
【0133】図11には、原稿読み取り部からの画像情
報に基づいて製版装置10での穿孔処理制御等を行なう
制御部50の構成が示されている。図11において、制
御部50は、原稿画像の読み取り工程から、製版・給版
工程、印刷工程及び排紙工程に亘る全般のシーケンス制
御を行なうための基礎プログラムを記憶したROM50
B、データを登録しておくためのRAM50Cを有する
マイクロコンピュータ(図では、符号CPUで示してあ
る)50Aによって構成されている。
【0134】この実施の形態1の要旨部と関係する制御
構成を中心として以下に述べる。図示しないI/Oイン
ターフェースを介して、制御部50の入力側には、上記
した原稿読み取り部、マスタ検知手段60、マスタセッ
ト検知手段61、マスタ先端検知手段62及び操作部6
3がそれぞれ接続されている。一方、制御部50の出力
側には、マスタ回転駆動部13の駆動モータ13A、プ
ラテン圧制御部14の偏心カム駆動モータ14A30、
プラテンローラ14Bの上記プラテン駆動モータ、サー
マルヘッド14A、搬送ローラ18を回転させる搬送モ
ータ18A及び裁断装置17を駆動させる裁断駆動部1
7Aがそれぞれ接続されている。
【0135】なお、制御部50の入力側に接続されてい
て二点鎖線で囲んだ作動設定キー63aは、この実施の
形態1では用いられない制御構成要素を示す。マスタ検
知手段60は、図1及び図2に示すように、ガイド部材
15の底壁部に設置されている反射型光学センサであ
る。マスタ検知手段60は、発光部及び受光部を具備し
ていて、マスタロール保持部材11Aの収納凹部11A
4にマスタロール16が装填されている場合に得られる
反射光を検知する。マスタロール16は、マスタロール
保持部材11Aの収納凹部11A4内に位置していると
き、マスタ検知手段60によって存在していることが検
知される。
【0136】このマスタ検知手段60は、反射型光学セ
ンサであって、マスタロール16が使用できる限界に達
した場合を検知できる手段としても機能するようになっ
ている。図10を参照して述べたように、マスタロール
16は、黒色塗装が施されている低反射率部16Aを有
する。マスタロール16のマスタ16aが消費されて使
用限界に達した場合、それまでの反射率よりも低い低反
射率部16Aに相当する黒色塗装部をマスタ検知手段6
0に対向させるので、マスタ検知手段60は、反射率が
低下したことを意味する信号を出力する。制御部50で
は、マスタ検知手段60によって低反射率部16Aから
の反射率に対応した信号が入力されると、マスタ16a
の繰り出しを停止しなければならないことを判別する。
【0137】マスタセット検知手段61は、本発明にお
ける第1のマスタセット検知手段としての機能を有す
る。すなわち、図1及び図2において、マスタロール保
持部材11Aが製版装置10内に挿入されたときに、マ
スタ分離手段12の剥離爪支持部材12Cがマスタロー
ル支持部材11Aの押圧部11Gによって押し動かされ
たことを検知する。剥離爪支持部材12Cの揺動端先端
には、入射光を反射する反射面(図示せず)が形成され
ている。この実施の形態1におけるマスタセット検知手
段61は、剥離爪支持部材12Cの揺動端先端の上記反
射面の有無を検知可能な反射型光学センサが用いられて
いる。マスタセット検知手段61は、剥離爪支持部材1
2Cがマスタロール保持部材11Aの押圧部11Gによ
って押し動かされたことを検知してマスタ回転駆動部1
3の駆動モータ13Aの動作開始時期を検知し、その検
知信号を制御部50に出力する作動検知手段でもある。
【0138】マスタ先端検知手段62としては、図1及
び図2に示すように、マスタ繰り出し方向Tにおけるマ
スタ分離手段12の下流であって、上記マスタ搬送路に
おけるプラテンローラ14Bの上流側に位置する第1の
マスタ先端検知手段62Aと、上記マスタ搬送路におけ
る裁断装置17の下流側に位置する第2のマスタ先端検
知手段62Bとが配設されている。
【0139】第1、第2のマスタ先端検知手段62A、
62Bは、いずれも反射型光学センサであって、発光部
及び受光部を具備する周知の構成をなす。これらマスタ
先端検知手段のうち、第1のマスタ先端検知手段62A
は、マスタ16aの先端を検知した時点でプラテン圧制
御部14の駆動を行うための基準信号を出力する働きを
持っている。また、第2のマスタ先端検知手段62B
は、マスタ16の先端を検知した時点から所定時間の
間、マスタ16aの繰り出しを継続させるための基準信
号を出力する働きを持っている。
【0140】第2のマスタ先端検知手段62Bからの信
号が出力されたときに決められるマスタ16aの繰り出
し量は、マスタ16aの先端が版胴2のクランパ2Dに
対向する位置に達する量とされている。
【0141】操作部63には、図示しないが、製版開始
スイッチ、印刷枚数指令用テンキー等が配置されてい
る。製版開始スイッチは、新たな製版済のマスタ16a
を版胴2に巻装する場合に操作されるスイッチである。
この製版開始スイッチが操作されると、プラテン圧制御
部14に向けマスタロール16からマスタ16aを自動
的に繰り出して製版し、製版済みのマスタ16aを版胴
2に巻装し、印刷用紙Sを1枚だけ通紙して版胴2と製
版済みのマスタ16aの穿孔部分にインキを滲出させ
る、いわゆる版付け動作が行われる。なお、連続的な印
刷動作を開始させる場合には、上記製版開始スイッチと
は別に設けられている印刷開始指令用スイッチが操作さ
れる。
【0142】制御部50では、マスタ検知手段60、マ
スタセット検知手段61からの検知信号が入力されない
場合に、マスタ回転駆動部13の駆動モータ13Aの駆
動を停止させる。また、プラテン圧制御部14では、偏
心カム14A3の偏心カム駆動モータ14A30に対
し、偏心カム14A3の小径部をヘッド支持アーム14
A2の揺動端に対向させる状態が得られる方向に回転さ
せると共に、プラテンローラ14Bの上記プラテン駆動
モータの駆動を停止させる。これにより、プラテン圧制
御部14では、サーマルヘッド14Aとプラテンローラ
14Bとによるマスタ16aの挟持が解除されてマスタ
16aに対する挟持しながらの搬送及び加熱穿孔を不能
にさせる。
【0143】一方、制御部50は、マスタ検知手段6
0、マスタセット検知手段61からの検知信号が入力さ
れると、マスタ回転駆動部13の駆動モータ13Aを駆
動させてマスタロール16からマスタ16aの先端が繰
り出せる状態を設定する。
【0144】この場合のマスタ回転駆動部13における
駆動モータ13Aの回転方向は、一旦、マスタロール1
6からマスタ16aの先端を繰り出せる方向とは逆方向
とされ、次いで、マスタ16aを繰り出せる方向に切り
換えられるようになっている。これは、マスタロール1
6から剥離・分離されるマスタ16aの先端がどのよう
な位置にあっても、マスタ分離手段12の剥離爪12A
との対向関係を正確にしてマスタ16aの先端を確実に
剥離・分離できるようにするためである。このような処
理により、例えば、マスタ16aの先端が剥離爪12A
を通り過ぎてその剥離爪12Aの近傍位置にある場合、
繰り出し方向と逆方向に回転されることによって剥離爪
12Aに先端が対向する位置までマスタ16aが引き戻
されるので、繰り出し方向にマスタロール16が回転し
たときには、マスタ16aの先端が剥離されてマスタロ
ール16から分離されるまでの時間を短縮させることが
可能になる。
【0145】次いで、繰り出されたマスタ16aの先端
が第1の先端検知手段62Aによって検知されると、制
御部50は、マスタ回転駆動部13での回転を所定時間
継続させた後に停止させる。マスタ回転駆動部13の回
転が所定時間継続されるとき、マスタ16aの先端は、
プラテン圧制御部14におけるサーマルヘッド14Aと
プラテンローラ14Bとで挟持される位置に向け移動さ
れる。
【0146】このような動作とともに、制御部50は、
ヘッド支持アーム14A2(図2参照)をプラテンロー
ラ14B側に向け揺動させるために偏心カム14A3の
偏心カム駆動モータ14A30の回転制御を行ない、サ
ーマルヘッド14Aとプラテンローラ14Bとによるマ
スタ16aへの挾持力を作用させる状態を設定する。
【0147】サーマルヘッド14Aが、プラテンローラ
14Bに当接してマスタ16aに対する挟持力を作用さ
せる状態が設定されると、プラテンローラ14Bは、上
記プラテン駆動モータにより回転されてサーマルヘッド
14Aと協働してマスタ16aを挟持しながら搬送でき
る状態とされる。
【0148】さらに、第2の先端検知手段62Bによる
マスタ16aの先端検知信号が出力されると、制御部5
0は、プラテンローラ14Bの上記プラテン駆動モータ
及び搬送ローラ18の搬送モータ18Aを所定量回転さ
せる。プラテンローラ14Bおよび搬送ローラ18が所
定量回転すると、マスタ16aの先端は、版胴2におけ
る拡開した把持部材2Fとステージ2Eとの間へ給送さ
れる。
【0149】本実施の形態1は以上のような構成であ
り、マスタロール16からのマスタ16aの繰り出し動
作状態を表す図12〜図17および制御部50の制御動
作を表す図18及び図19のフローチャートを参照して
給版処理動作を説明すると、次のとおりである。なお、
図12〜図17の動作図は、図の簡明化を図るため図2
等に対して幾分模式的に示す。
【0150】図12は、新しいマスタロール16を装填
する場合を示している。この場合には、オペレータによ
って把手11Cが操作されることにより、マスタロール
保持部材11Aが、例えば、製版装置10の外方に向け
引き出される。
【0151】新しいマスタロール16が装填される場合
には、今まで装填されていたマスタロール16と交換さ
れることになるが、その交換が必要であることは、マス
タ検知手段60によって検知される。つまり、マスタロ
ール16は、そのマスタ16aが消費されて使用限界量
に近付くにしたがい、マスタ16aの巻装量が少なくな
る。このため、マスタ検知手段60から出射されている
光は、図10において説明したように、マスタロール1
6に設けられた低反射率部16Aの影響によって反射し
なくなり、マスタ検知手段60への反射光量の低下を招
く。マスタ検知手段60では、反射光量の変化を追跡し
ており、その光量が所定値以下に達すると、その状態を
検知したことを意味する検知信号を制御部50に出力す
る。制御部50は、マスタ検知手段60からの検知信号
が入力されると、マスタロール保持部11の引き出しを
許容する状態を設定する。
【0152】プラテン圧制御部14では、偏心カム14
A3の偏心カム駆動モータ14A30に対して偏心カム
14A3の小径部をヘッド支持アーム14A2の揺動端
に対向させる回転制御が行なわれる。これにより、サー
マルヘッド14Aは、プラテンローラ14Bとによるマ
スタ16aへの挟持圧を解除する状態となる。これと同
時に、プラテンローラ14Bのプラテン駆動モータも回
転駆動を停止される。
【0153】しかも、マスタロール保持部材11Aが製
版装置10の外方に引き出されると、その押圧部11G
によって押し動かされていたマスタ分離手段12の剥離
爪支持部材12Cが、図12において反時計回り方向に
揺動されるので、剥離爪12Aの揺動端がマスタロール
16の外周面から離される。
【0154】従って、マスタロール16は、そのマスタ
16aに対するプラテン圧制御部14での挟持を解除さ
れているので、製版装置10の外方への引き出しの際に
抵抗を受けることがない。そして、製版装置10の外方
に引き出されたマスタロール保持部材11Aの収納凹部
11A4に新しいマスタロール16が装填され、再度、
マスタロール保持部材11Aが製版装置10内の挿入位
置に移動されると、図13に示す状態となる。
【0155】図13において、マスタロール保持部材1
1Aが製版装置10内の挿入位置に移動されると、マス
タロール保持部材11Aの押圧部11Gによってマスタ
分離手段12の剥離爪支持部材12Cが、図中、時計回
り方向に揺動して剥離爪12Aをマスタロール16の外
周面の所定位置に当接させる状態とされる。すなわち、
剥離爪12Aが当接位置を占める。
【0156】さらに、マスタロール保持部材11Aが製
版装置10内の挿入位置に移動すると、マスタ検知手段
60により、使用限界にないマスタロール16の存在が
検知されると共に、マスタセット検知手段61によって
マスタロール保持部材11Aが挿入位置にセットされた
ことが検知される。
【0157】操作部63にて上記製版開始スイッチが操
作されると、制御部50では図18に示す処理が実行さ
れる。図18において、マスタ検知手段60及びマスタ
セット検知手段61からの検知信号が判別される(ステ
ップST1,ST2)。両検知手段60、61からの検
知信号が入力されていると判別されると、マスタ回転駆
動部13の駆動モータ13Aが回転駆動され、マスタ回
転駆動部13の各動作が開始される(ステップST
3)。
【0158】マスタ回転駆動部13の駆動モータ13A
が回転駆動されると、マスタロール保持部材11Aの収
納凹部11A4に位置するマスタ駆動ローラ11D,1
1Eが、マスタロール16からマスタ16aの先端を繰
り出す方向に回転される。このときの駆動モータ13A
の回転駆動は、前述したように、マスタ駆動ローラ11
D,11Eをして、一旦、マスタロール16からマスタ
16aの繰り出し方向(図中各、時計回り方向の矢印で
示す)と逆方向に回転した後、マスタロール16からマ
スタ16aを繰り出す方向に回転する。この状態は、図
14に示されている。
【0159】そして、マスタ回転駆動部13の動作開始
と同時に、マスタ16aの先端を検知する第1のマスタ
先端検知手段62Aからの検知信号の有無が判別される
(ステップST4)。
【0160】第1のマスタ先端検知手段62Aからマス
タ16aの先端を検知した信号が出力されると、マスタ
回転駆動部13の動作が継続される。このとき、マスタ
16aの先端は、プラテン圧制御部14に達することが
できる状態とされる(ステップST5)。
【0161】この実施の形態1では、マスタ回転駆動部
13における駆動モータ13Aの回転動作が継続される
とき、第1のマスタ先端検知手段62Aにより先端を検
知されたマスタ16aは、このマスタ16aの先端が、
第1のマスタ先端検知手段62Aにより検知される位置
からプラテン圧制御部14のプラテンローラ14Bとサ
ーマルヘッド14Aとのニップ部を通り過ぎるまでの距
離20mm程度搬送される。駆動モータ13Aは、上記
のように、マスタ16aの先端を上記マスタ搬送路の下
流側に搬送させるために必要な所定の回転量を設定され
ていて、この状態は図15に示されている。
【0162】ステップST5において設定されたマスタ
回転駆動部13での回転量が得られると、マスタ回転駆
動部13の動作が停止される(ステップST6)。な
お、図18には示されていないが、マスタ回転駆動部1
3の駆動モータ13Aの回転駆動停止時期の判別は、マ
スタ回転駆動部13における駆動モータ13Aの所定の
回転量をロータリエンコーダ等からなるマスタロール回
転量検知手段(図示せず)を介して制御部50で読み取
ることにより行なわれる。
【0163】次いで、プラテン圧制御部14での制御処
理が実行される(ステップST7)。このステップST
7での制御処理は、プラテン圧制御部14におけるプラ
テンローラ14Bに対してサーマルヘッド14Aを当接
させてマスタ16aへの挟持力を作用させる。このた
め、制御部50は、図16において、プラテン圧制御部
14の偏心カム駆動モータ14A30を回転制御し、こ
れにより、偏心カム14A3は、その大径部がヘッド支
持アーム14A2の揺動端裏面に圧接される。この結
果、ヘッド支持アーム14A2は、サーマルヘッド14
Aをプラテンローラ14B側に向けて揺動させるので、
サーマルヘッド14Aとプラテンローラ14Bとがマス
タ16aを挟持しながら搬送できる状態とされる。
【0164】このときには、偏心カム14A3が短時間
の間、連続回転され、マスタ16aを挟んでサーマルヘ
ッド14Aとプラテンローラ14Bとの接離動作が繰返
し行なわれる。またこの動作に連動して、プラテンロー
ラ14Bをして上記マスタ搬送路の下流側にマスタ16
aを搬送する方向、すなわち図16においてプラテンロ
ーラ14Bを時計回り方向に回転させることにより、マ
スタ16aを断続的に繰り返し引っ張る。これにより、
マスタロール16から繰り出されるマスタ16aにシワ
の発生するのが防止されている。
【0165】上記ステップST6以降の処理動作におい
て、マスタロール16からのマスタ16aの繰り出し動
作は、プラテンローラ14Bの回転によって行われ、マ
スタロール16は、マスタ駆動ローラ11D,11E上
をスリップしながら回転される。
【0166】上記ステップST7においてプラテン圧制
御部14での処理が行なわれると、回転しているプラテ
ンローラ14Bに対するサーマルヘッド14Aの接離が
繰り返される際に、プラテンローラ14Bにサーマルヘ
ッド14Aが当接した時にのみマスタ16aがマスタロ
ール16から繰り出され、そのマスタ16aの先端が第
2のマスタ先端検知手段62Bの位置に達する。この状
態が第2のマスタ先端検知手段62Bによって検知され
る(ステップST8)。
【0167】第2のマスタ先端検知手段62Bによりマ
スタ16aの先端が検知されると、プラテンローラ14
Bの上記プラテン駆動モータ及び搬送ローラ18の搬送
モータ18Aが所定量だけ回転駆動される。これによ
り、プラテンローラ14B及び搬送ローラ18が所定量
回転すると、マスタ16aの先端は、版胴2のクランパ
2Dに対向させる状態にされる(ステップST9)。こ
の状態は図17に示されており、この状態が製版待機状
態とされる。
【0168】この場合のマスタ16aの移動量は、プラ
テン圧制御部14の位置から版胴2のクランパ2Dに対
向できる位置までの距離に相当する25mmに設定され
ている。
【0169】上記プラテン駆動モータ及び搬送モータ1
8Aの回転停止時期の判別は、マスタ回転駆動部13の
回転停止時期の判別と同様に、プラテンローラ14Bの
上記プラテン駆動モータの回転量をロータリエンコーダ
等の信号発生手段を介して読み取ることにより行なわれ
る。
【0170】ステップST9において回転駆動された上
記プラテン駆動モータ及び搬送モータ18Aは、所定量
の回転駆動後停止される(ステップST10)。
【0171】図19は、プラテン圧制御部14でのマス
タ16aに対する挟持作用を解除するための処理(図に
おいては、自動リセット処理と表示されている)を示し
ている。この自動リセット処理は、マスタロール保持部
材11Aが製版装置10内の挿入位置から外方に移動す
るとき、マスタ16aの挟持を解除してマスタロール保
持部材11Aを円滑に引出せるようにすることを目的と
している。
【0172】図19において、マスタセット検知手段6
1からの信号の出力及び第1のマスタ先端検知手段62
Aからの信号の出力が判別される(ステップST11、
ステップST12)。ステップST11,12において
マスタセット検知手段61から信号が出力されておら
ず、しかも、第1のマスタ先端検知手段62Aからの信
号が出力されている場合には、プラテン圧制御部14に
おいて挟持圧解除処理が実行される(ステップST1
3)。
【0173】ステップST13での処理は、プラテン圧
制御部14の偏心カム14A3の偏心カム駆動モータ1
4A30を回転駆動させて偏心カム14A3の小径部を
ヘッド支持アーム14A2の揺動端裏面に接触させる。
【0174】これにより、プラテンローラ14Bからサ
ーマルヘッド14Aが離されるので、マスタ16aへの
挟持圧が解除される。なお、マスタロール保持部材11
Aを製版装置10内の挿入位置から外方に引出すための
移動を開始させるとき、プラテン圧制御部14にてマス
タ16aが挟持されていても、マスタロール保持部材1
1Aが引き出されると、挾持されているマスタ16aに
加わる張力によってマスタロール保持部材11Aの収納
凹部11A4内でマスタロール16が回転して巻解かれ
て弛むことができる。この結果、プラテン圧制御部14
での挟持力を受けていても、マスタロール16からのマ
スタ16aが切断するような破損は、生じることはな
い。
【0175】上記したように、版胴2のクランパ2Dに
対向させる位置状態になされたマスタ16aの先端部
は、製版待機状態から、把持部材2Fおよびステージ2
Eにより把持され、プラテン圧制御部14のサーマルヘ
ッド14Aとプラテンローラ14Bとにより挟持されな
がらプラテンローラ14Bの回転によって搬送されつつ
サーマルヘッド14Aによって選択的に加熱穿孔された
後、その製版済みのマスタ16aが版胴2上に繰り出さ
れ、連続的にあるいは間欠的に時計回り方向に回転する
版胴2の外周面上に巻き付けられていく。
【0176】以後、印刷工程において、版胴2の外周面
から使用済みのマスタ16aが排版される度に、マスタ
ロール保持部材11A上のマスタロール16から新たな
マスタ16aが繰り出され、サーマルヘッド14Aによ
る加熱穿孔製版が実行されて、版胴2の外周面に巻装さ
れることにより、新たな印刷処理が実行される。
【0177】従って、この実施の形態1によれば、新し
いマスタロール16がマスタロール保持部11にセット
された場合には、そのマスタロール16を製版装置10
内の挿入位置に移動させるだけで、マスタロール16か
らマスタ16aの先端を自動的に繰り出して給版・製版
処理を実行することができる。
【0178】また、剥離手段としての剥離爪12Aを弾
性を有する薄片部材で構成しているので、マスタロール
16の外周面に当接した場合には、その薄片部材が弾性
変形することにより異常な圧力をマスタロール16の外
周面に付与しないので、マスタロール16のマスタ16
a表面に傷を付けたり、マスタ16aを破いたりする弊
害をなくすることができる。
【0179】また、剥離爪12Aが、マスタ16aのマ
スタ幅方向中央部からマスタ繰り出し方向Tの上流側に
おけるマスタ16aの両側縁部に向けて徐々に傾斜して
マスタ16aの先端に近接若しくは当接可能な形状とさ
れていることにより、マスタロール16に巻かれたマス
タ16aの先端が、剥離爪12Aによりその幅方向中央
から両側縁部に向けて順次剥離・分離されるので、マス
タ16aの先端が剥離爪12Aに引っかかるような事故
を防止でき、これにより、マスタロール16から剥離・
分離して繰り出されるマスタ16aのジャムを未然に防
止することができる。
【0180】さらに、剥離爪12Aの先端に傾斜部12
A2を設けているので、マスタ16aを剥離する際のマ
スタ16aとの接触部分をできるだけ小さくすることが
でき、これによって、剥離爪12Aがマスタ16aに対
して過剰な接触を起こすことがなくなり、マスタロール
16からマスタ16aの先端を剥離する際の案内を容易
に行なえるようにしてその剥離をより一層確実に行なえ
る利点がある。
【0181】また、剥離爪12Aが自重によりマスタロ
ール16の外周面に当接することができるので、特別な
付勢手段などを必要とすることなく、マスタロール16
からマスタ16aの先端を確実に剥離・分離させること
が可能になる。
【0182】(変形例1)図20に実施の形態1の変形
例1を示す。実施の形態1の処理は、上述したように、
マスタロール16がマスタロール保持部材11Aの収納
凹部11A4に装填された後、マスタ回転駆動部13を
駆動して、マスタロール16からマスタ16aの先端を
自動的に繰り出すことを対象としていたが、マスタロー
ル16からマスタ16aの先端を自動的に繰り出すこと
を望まないならば、例えばマスタロール16からマスタ
16aの先端を手動で剥離・分離して繰り出すようにし
てもよい。
【0183】この変形例1は、オペレータが製版装置1
0内の挿入位置からマスタロール保持部材11Aを移動
させた後、同じくオペレータの手動操作により、マスタ
ロール16からマスタ16aの先端を剥離・分離して剥
離爪12Aの上面に向けて繰り出し、その後、マスタロ
ール保持部材11Aを製版装置10内の挿入位置に移動
するものである。
【0184】上記のように、オペレータによるマスタ1
6aの先端繰り出しが行われる場合にも、マスタ検知手
段60によるマスタロール16の検知が行われた後の処
理は、図18に示した給版処理と略同様の処理が実行さ
れる。
【0185】この場合について詳述すると、次のとおり
である。まず、オペレータによるマスタ16aの先端繰
り出しが行われる場合に用いられる構成を、実施の形態
1と相違する点について述べる。変形例1は、実施の形
態1の剥離爪支持部材12Cに代えて剥離爪支持部材1
2C’を有し、剥離爪支持部材12C’がマスタロール
保持部材11Aの上記押圧部11Gに相当する先端部に
固定されていること及び圧縮バネ12Dが不要であるこ
とが主に相違する。剥離爪支持部材12C’は、マスタ
ロール保持部材11Aと一緒にガイド部材15上を摺動
することができ、回転軸12B’は剥離爪支持部材12
C’に固定され、剥離爪12Aの軸受部12A4が回転
軸12B’に回動自在に取り付けられている。オペレー
タにより、マスタロール保持部材11Aが製版装置10
内の挿入位置から図中矢印Dで示す方向に引き出された
とき、その収納凹部11A4に装填されたマスタロール
16からマスタ16aの先端が剥離・分離されて引き出
されることにより、マスタ16aの先端を剥離爪12A
の上面に向け繰り出すことができる。
【0186】(変形例2)図21に実施の形態1の変形
例2を示す。オペレータの手動操作によりマスタ16a
の先端繰り出しを行える構成としては、図21に示すよ
うに、マスタロール保持部材11Aの一端部に固定され
ている剥離爪支持部材12C’に対して剥離爪12A’
を固定して設け、剥離爪12A’の先端をマスタロール
16の外周面に近接させるとともに、揺動しないように
固定して配置するようにした構成であってもよい。
【0187】このような図20および図21に示す構成
において、マスタ16aの先端を所定長さ繰り出して剥
離爪12A,12A’の上面に載置した後、マスタロー
ル保持部材11Aを製版装置10内の挿入位置に移動さ
せた場合には、図18に示したステップST1以降と同
様な処理が実行される。この場合においては、マスタ1
6aの先端を剥離爪12A,12A’の上面に載置して
いるので、ステップST3において、マスタ駆動ローラ
11,11Eを逆回転させる動作はしないようになって
いる。
【0188】上述した実施の形態1のマスタ検知手段6
0、マスタセット検知手段61に代えて、例えば、製版
装置10に蓋体11Bの閉鎖状態への移動を検知するた
めのセンサを設け、このセンサをマスタ16aを繰り出
すための動作開始時期を検知する作動検知手段として用
いるようにしてもよい。
【0189】上述した実施の形態1では、マスタセット
検知手段61をマスタ回転駆動部13によるマスタ16
aの繰り出し動作開始のための作動検知手段として用い
ているが、作動検知手段としてマスタ検知手段60を用
いることも可能である。この理由は、マスタ検知手段6
0が、マスタロール16の有無を検知することに加え、
マスタロール保持部材11Aの収納凹部14A4に装填
されたマスタロール16が製版装置10内の所定位置に
配置されたことを検知しているものであることによる。
【0190】さらに、作動検知手段としての上記検知手
段を省略し、これに代えて、図11に仮想線で囲んで示
すように、マスタ回転駆動部13の動作開始時期を設定
する作動設定手段としての作動設定キー63aを操作部
63に付設し、マスタロール保持部11を製版装置10
内の挿入位置に移動させた後、その作動設定キー63a
を操作するようにしてもよい。この場合には、作動設定
キー63aが操作された際に得られる動作開始時期設定
信号に基づき、制御部50が、マスタ回転駆動部13の
動作を開始させるように制御することができる。
【0191】上述した実施の形態1では、プラテン圧制
御部14において、マスタ16aに生じるシワを取り除
くシワ矯正処理を実行するために、第1の先端検知手段
62Aによりマスタ16aの先端が検知された場合にサ
ーマルヘッド14Aとプラテンローラ14Bとの断続的
な接離動作を行わせている。しかし、例えば、マスタ1
6aの先端がプラテンローラ14Bの軸線方向と平行に
搬送され、マスタ16aにシワが発生しない場合には、
シワ矯正処理を実行することは必ずしも必要でない。一
方、マスタ16aの先端が、第2の先端検知手段62B
により検知されるまで、サーマルヘッド14Aとプラテ
ンローラ14Bとを当接させた状態に保持し、第2の先
端検知手段62Bによるマスタ16aの先端検知信号に
基づきプラテン圧制御部14の偏心カム駆動モータ14
A30を駆動し、サーマルヘッド14Aとプラテンロー
ラ14Bとの断続的な接離動作を行わせてシワ矯正処理
を行うなようにしてもよい。なお、シワ矯正処理におい
ては、少なくとも1回、サーマルヘッド14Aとプラテ
ンローラ14Bとの当接を解除すればよい。
【0192】(変形例3)図22に実施の形態1の変形
例3を示す。この変形例3は、上記実施の形態1に対し
て、マスタロール16に代えて従来型のマスタロール1
6’を用いること、およびマスタロール保持部11にお
けるマスタ貯容手段を構成する摩擦保持部材11A1に
代えて、その形状のみ異なる摩擦保持部材11A1’を
備えたマスタロール保持部11’を有することのみ相違
する。
【0193】マスタロール16’は、マスタ16aが芯
材16B’の周りに巻き付けられて形成されていて、芯
材16B’の両端がマスタロール16’の両方の端面t
から外方に突出した従来型の構造をなす。
【0194】摩擦保持部材11A1’は、マスタロール
保持部11と同様に、マスタロール保持部材11Aの左
右内壁に設けられていて、マスタ貯容手段を構成する。
両摩擦保持部材11A1’の前後中央には、略U字状の
溝を有する挿嵌部11A6がそれぞれ設けられていて、
マスタロール16’の芯材16B’の両端の突出部をこ
れら挿嵌部11A6に落とし込んで嵌入させ得る。そし
て、マスタ貯容手段を構成する摩擦保持部材11A1’
およびマスタ駆動ローラ11D、11Eは、マスタロー
ル16’がマスタロール保持部11’に装填されたと
き、マスタロール16’の両方の端面tに当接するとと
もに、マスタロール16’の外周面を回動可能に支持す
るようになされている。
【0195】挿嵌部11A6は、両摩擦保持部材11A
1’の内壁部上面に開口をもち、この開口の上端から下
端に向けてその開口幅が徐々に狭くされ、最下端がマス
タロール16’の芯材16B’の外径寸法に略対応させ
てある。挿嵌部11A6の最下端の溝部分は、マスタ回
転駆動部13のマスタ駆動ローラ11D、11Eに対
し、マスタロール16の回転中心軸を基準として均等な
位置でマスタロール16の外周面を当接させる位置関係
を設定できるように位置決めされている。
【0196】この変形例3は、以上の構成を有するか
ら、マスタロール16’は、挿嵌部11A6によってガ
イドされ、その外周面の均等位置にマスタ駆動ローラ1
1D、11Eが当接する。マスタロール16’は、マス
タロール保持部11’に装填されたとき、その外周面が
自重によりマスタ駆動ローラ11D、11Eに当接する
とともに、その両方の端面が摩擦保持部材11A1’に
当接する。それ故に、図1ないし図21における実施の
形態1等の構成と同様に、マスタ駆動ローラ11D、1
1Eがマスタ16aの繰り出しのために回転されたとき
には、マスタロール16’の両方の端面tと摩擦保持部
材11A1’との間で摩擦が生じるので、マスタロール
16’から繰り出されたマスタ16aに張力を生じさせ
ることができる。
【0197】この変形例3によれば、新しいマスタロー
ル16’をマスタロール保持部11’に装填する場合
に、オペレータがマスタロール16’の芯材16B’の
両端の突出部を両方の挿嵌部11A6に落とし込んで嵌
入させることだけで、その後はマスタロール16’の自
重によりマスタロール16’の外周面がマスタ駆動ロー
ラ11D、11E上に当接される。したがって、オペレ
ータによるなんら特別な操作を要することなく、マスタ
ロール16’の装填操作が容易に行える。
【0198】なお、上記挿嵌部11A6は、摩擦保持部
材11A1’に設けることに限られるものではなく、例
えば、摩擦保持部材11A1’がない場合にも、マスタ
ロール保持部材11Aの内壁面に形成することも可能で
ある。この場合には、摩擦保持部材11A1’の内壁面
をマスタロール16’の両方の端面tに当接させるよう
にすれば、図1ないし図21において説明した構成と同
様に、マスタロール16’から繰り出されるマスタ16
aに張力を与えることができる。
【0199】このように摩擦保持部材11A1’が無い
構成では、マスタロール16’の芯材16B’の軸方向
長さを延長したり、あるいはマスタロール保持部材11
A1の側壁面の厚さを厚くしなければならないことがあ
る。そこで、このような構造上の制約を受けないように
するために、仮に、マスタロール16’の両方の端面t
とマスタロール保持部材11A1の内壁面との間に隙間
がある場合には、マスタロール16’の外径寸法の変化
に拘らずマスタロール16’の両方の端面tに当接する
ことができる薄片状の弾性部材を、その隙間に行き渡る
ようにマスタロール保持部材11の内壁面近傍に取り付
け、この弾性部材によってマスタロール16’に摩擦力
を生じさせるようにしてもよい。この弾性部材として
は、例えば、板バネや圧縮コイルバネ、あるいはスポン
ジゴム等があげられる。
【0200】また、変形例3は、上記の例に限らず、例
えばマスタロール16’の一方をその端面tから突出し
た芯材16B’とし、他方を実施の形態1に用いられた
マスタロール16の芯材16Bとしたマスタロールを用
意し、このマスタロールに対応してマスタロール保持部
の一方を摩擦保持部材11A1’とし、他方を実施の形
態1の摩擦保持部材11A1として構成してもよいこと
はいうまでもない。
【0201】(実施の形態2)図23に、本発明に係る
第2の発明の実施の形態(以下、単に「実施の形態2」
という)を模式的に示す。同図においては、図面の簡明
化を図るためにマスタロール保持部11等の図示を省略
している。この実施の形態2は、上記実施の形態1に対
して、実施の形態1における回転駆動手段としてのマス
タ駆動ローラ11D、11Eに代えて、マスタロール1
6の外周面に接触して従動回転可能に構成されたマスタ
回転用従動ローラ13P、13Qを有すること、マスタ
ロール16の回転中心上方の外周面に摩擦係合し、マス
タロール16をしてマスタ16aの先端を製版手段に向
け繰り出す方向に回転させる摩擦回転駆動手段としての
マスタ回転用駆動ローラ13Rを有すること、およびマ
スタ分離手段12に代えてマスタ分離手段12’’を有
することが主に相違する。
【0202】マスタロール16のマスタロール保持部1
1(図示せず)に対する装填は、上記実施の形態1と異
なり、マスタ16aの先端をロール部の下方から繰り出
すようになされる。マスタ回転用従動ローラ13P、1
3Qおよび摩擦保持部材11A1(図23には図示せ
ず)がこの実施の形態2のマスタ貯容手段を構成する。
【0203】マスタ回転用従動ローラ13P、13Q
は、図3に示したマスタ駆動ローラ11D、11Eの配
置位置と同じ位置において、マスタロール16の回転中
心下方の外周面に当接するように配置されており、さら
に、マスタ回転用駆動ローラ13Rはマスタロール16
の回転中心上方の外周面に当接するように配置されてい
る。
【0204】マスタ回転用駆動ローラ13Rは、マスタ
ロール保持部11(図23には図示せず)の蓋体11B
の上部にその一端が配置されたバネ13S(圧縮バネ)
によってマスタロール16の外周面に圧接する習性を付
与されていて、回転可能に設けられている。マスタ回転
用駆動ローラ13Rは、適正範囲の摩擦係数を有するゴ
ムやスポンジゴム等からできている。マスタ回転用駆動
ローラ13Rは、マスタロール保持部11(図23には
図示せず)が上記挿入位置を占めたときに選択的にその
回転駆動力が伝達される歯車等を具備する回転力伝達機
構を介して、図示されない駆動モータによって、マスタ
ロール16を回転させるようになっている。
【0205】マスタ回転用従動ローラ13P、13Q
は、マスタロール16が載置された状態で従動回転する
ことができるようになっている。マスタ回転用従動ロー
ラ13P、13Qは、従動回転を可能とする適正範囲の
摩擦係数を有するゴムやスポンジゴム等からできてい
て、マスタロール16の重量によって発生する摩擦力が
加わってマスタロール16と連れ回ることができる。
【0206】マスタ分離手段12’’は、マスタ分離手
段12の剥離爪12Aに代えて、マスタロール16の回
転中心下方の外周面に当接する剥離爪12AAである点
が異なる。また、剥離爪12AAは、剥離爪12Aのよ
うに自重でマスタロール16の外周面に当接もしくは近
接する構成に代えて、マスタロール16の外周面の接線
方向に対向配置されていて、マスタロール16の径の変
化に対応してマスタロール16の外周面に当接もしくは
近接できるように、図示を省略したバネによって適正な
範囲の接触圧が得られるように付勢されている。マスタ
ロール16から繰り出されるマスタ16aをはさんで剥
離爪12AAと対向する下方位置には、繰り出されたマ
スタ16aをプラテン圧制御部14に向けガイドするた
めのガイド部材12Gが配置されている。
【0207】この実施の形態2は以上の構成を有するか
ら、マスタ回転用駆動ローラ13Rが上記駆動モータに
より回転されると、マスタロール16をマスタ繰り出し
方向Tに回転させてマスタ16aの先端をマスタ分離手
段12’’の剥離爪12AAに向けて移動させる。従っ
て、実施の形態2によれば、マスタ回転用駆動ローラ1
3Rにより、マスタロール16が直接的に回転されるの
で、上記実施の形態1に比べて、駆動力の伝達損失をな
くして上記駆動モータで回転駆動することができる。こ
れにより、上記実施の形態1のような駆動力の伝達機構
を用いた場合に比べて駆動モータの出力を低減すること
が可能になる。
【0208】(変形例4)図24に実施の形態1の変形
例4を示す。この変形例4は、実施の形態1に対して、
マスタ駆動ローラ11D,11Eを備えたマスタ回転駆
動部13に代えて、収納凹部11A4に装填されたマス
タロール16の外周面に当接するマスタ駆動ローラ11
Da,11Db,11Ea,11Ebを備えたマスタ回
転駆動部13’を有することのみ相違する。 換言すれ
ば、この変形例4は、実施の形態1におけるマスタ貯容
手段を構成するマスタ駆動ローラ11D,11Eに代え
て、変形例4におけるマスタ貯容手段を構成するマスタ
駆動ローラ11Da,11Db及びマスタ駆動ローラ1
1Ea,11Ebを有することのみ相違する。
【0209】マスタ駆動ローラ11Da,11Db及び
マスタ駆動ローラ11Ea,11Ebは、マスタ幅方向
に相当するマスタロール16の軸方向に沿って分割され
て複数配置された、いわゆるこま切れ団子状なす串差し
団子ローラである。マスタ駆動ローラ11Da,11D
b及びマスタ駆動ローラ11Ea,11Ebは、各軸の
両端がマスタロール保持部材11Aの底壁部に回動自在
に支持されていることで、マスタロール駆動部13’を
構成する駆動モータ13Aによって、マスタロール16
からマスタ16aの先端を繰り出せる方向に回転される
ようになっている。
【0210】マスタ駆動ローラ11Da,11Db及び
マスタ駆動ローラ11Ea,11Ebは、マスタロール
16を回転することが可能な所定範囲の摩擦係数を有す
る材料、例えばゴムやスポンジ等でできている。これに
より、マスタロール16から繰り出されるマスタ16a
の先端は、例えば各軸方向の略全域にわたって形成され
た長尺状のマスタ駆動ローラと違って各軸方向の略全域
にわたってマスタロール16の外周面に対向接触しない
で、局部的に対向接触していることとなる。特に、この
変形例4では、軸方向において、中央寄りではなく、マ
スタロール16の軸方向端部寄りに各ローラ11Da,
11Db,11Ea,11Ebが配置され、しかも、そ
の軸方向での長さがなるべく短くされている。
【0211】マスタ駆動ローラ11Da,11Db及び
マスタ駆動ローラ11Ea,11Ebは、マスタロール
16の回転中心軸を中心とした所定の中心角をもって配
置されている。すなわち、マスタ16aが略完全に消費
されてマスタロール16の芯材16Bが最下端位置に至
ったとき、マスタ駆動ローラ11Da,11Db及びマ
スタ駆動ローラ11Ea,11Ebに対し、マスタロー
ル16の回転中心軸を基準として均等な位置でマスタロ
ール16の外周面を当接させる位置関係を設定できるよ
うに位置決めされている。また、マスタロール16のマ
スタ16aが完全に消費されて略芯材16Bのみになっ
たとき、上記位置状態に配置されたマスタ駆動ローラ1
1Da,11Db及びマスタ駆動ローラ11Ea,11
Ebにより芯材16Bの外周面が回動自在に支持され
る。
【0212】したがって、マスタロール16の外周面
は、軸方向において、マスタロール16の両方の端面t
近傍で各マスタ駆動ローラ11Da,11Db,11E
a,11Ebに当接しているので、マスタ駆動ローラ1
1Da,11Db,11Ea,11Ebの軸線方向との
ずれが矯正されやすくされる。また、マスタロール16
から繰り出されるはずのマスタ16aの先端が、剥離爪
12Aによってマスタロール16から剥離・分離されな
いでそのままマスタロール16の回転と共に回転してし
まった場合、軸方向全域でマスタ駆動ローラに当接して
いると、その先端が反りかえらされることにより折れ曲
がってしまうことがある。しかし、この変形例4では、
軸方向で各マスタ駆動ローラ11Da,11Db,11
Ea,11Ebの配置間隔があるので、そのローラ間の
隙間に先端が入り込むことができ、これによって、先端
が折れ曲がっていても、その隙間において先端を再度起
き上がらせることができる。これにより、マスタ16a
の先端の姿勢が矯正され、ジャムの原因が解消される。
さらに、マスタ駆動ローラ11Da,11Db,11E
a,11Ebに発生するイナーシャを少なくして回転し
た場合の抵抗が軽減される。
【0213】なお、各上記実施の形態1,2および各変
形例1ないし4等では、マスタロール保持部材11Aの
底部に開口が設けられていて、その開口内でマスタ駆動
ローラ11D,11Eおよび各軸あるいはマスタ駆動ロ
ーラ11Da,11Db,11Ea,11Ebおよび各
軸等が露出している構造になっている。この開口の形状
は単純に打ち抜き加工や樹脂の一体成形で得られるため
に加工コストを上昇させないようにすることができると
いう利点があるものの、マスタロール保持部材11Aの
挿入位置近傍から塵が浸入しやすくなることが考えられ
る。侵入した塵は、マスタロール16の表面に付着する
とその表面を汚染することも考えられるので、これを防
止するために、マスタ駆動ローラ11D,11Eおよび
マスタ駆動ローラ11Da,11Db,11Ea,11
Ebのみを露出させることができるカバーを設けること
によって開口を塞ぐようにしてもよい。
【0214】(変形例5)図25に、実施の形態1にお
ける変形例3の別の変形例5を示す。この変形例5は、
上記変形例3に対して、マスタ回転駆動部13およびマ
スタ駆動ローラ11D,11Eを除去したこと、マスタ
ロール保持部11’におけるマスタロール保持部材11
Aの形状を変えたこと、上記変形例3に用いられるマス
タロール16’の両方の端面tから突出した芯材16
B’を有するマスタロール16’に代えて、さらにマス
タロール16’の端面tから長く突出して形成された芯
材160を有するマスタロール16L’を用いること、
および芯材160の両端部の外周面に摩擦係合する芯材
摩擦回転駆動手段としての駆動ローラ161を有するこ
とが主に相違する。
【0215】この変形例5におけるマスタロール保持部
(図示せず)におけるマスタロール保持部材は、マスタ
ロール保持部材11Aの形状に対して、マスタロール1
6L’の両側の芯材160を所定位置にて回転支持でき
るように略U字状に切り欠かれた溝軸受が形成されてい
ることのみ相違する。
【0216】図25において、マスタロール16L’の
芯材160は、通常の機械的強度を有する適宜の摩擦係
数を有する合成樹脂でできている。両駆動ローラ161
は、ゴム等の高摩擦係数を有する高摩擦部材がその外周
面に巻き付けてあり、その高摩擦部材を介して各駆動ロ
ーラ161をマスタロール16L’の両側の芯材160
の上部に当接させるようになっている。駆動ローラ16
1の一端側には、実施の形態1におけるマスタ回転駆動
部13に配設されていると同様の従動ギヤ11D1(こ
の変形例5では図示せず)が固設されており、一方、製
版装置の本体の右側板には、マスタロール保持部が挿入
位置を占めたとき、マスタ回転駆動部13に配設されて
いると同様の、従動ギヤ11D1と噛合する駆動ギヤ1
3Bを有する駆動モータ13A(何れも図示せず)が固
設されている。図25において、左側の駆動ローラ16
1への上記駆動モータ13Aの回転駆動力の伝達は、ガ
イド部材15の下方をマスタ幅方向に横切って延びた連
結軸(図示せず)でなされるようになっている。
【0217】なお、変形例5は、上記の例に限らず、次
に述べるような変形例であってもよい。すなわち、この
変形例は、上記変形例3に対して、マスタロール保持部
11’におけるマスタロール保持部材11Aの形状を変
えたこと、マスタロール16’に代えて上記変形例5の
マスタロール16L’を用いること、変形例3における
回転駆動手段としてのマスタ駆動ローラ11D,11E
に代えてこれらをマスタロール16L’の外周面に接触
して従動回転可能に構成したこと、芯材160の両端部
の外周面に摩擦係合する芯材摩擦回転駆動手段としての
駆動ローラ161を有すること、およびマスタロール1
6L’の径の変化に対応して駆動ローラ161の下降変
位を可能とする変位駆動機構(図示せず)を有すること
が主に相違する。
【0218】上記変形例におけるマスタロール保持部
(図示せず)のマスタロール保持部材は、マスタロール
保持部材11Aの形状に対して、マスタロール16L’
の両側の芯材160をガイドできるように略U字状に切
り欠かれた溝が形成されていることのみ相違する。
【0219】駆動ローラ161は、上記変位駆動機構を
介して、図示しない駆動モータによってマスタロール1
6L’からマスタ16aを繰り出せる方向に回転するこ
とができるようになっている。上記変位駆動機構として
は、後述する実施の形態3に示すような機構があげられ
る。
【0220】変形例5および上記変形例は、以上の通り
構成されているので、駆動ローラ161がマスタロール
16L’の芯材160に対して当接し、摩擦係合するこ
とにより、上記駆動モータの回転駆動力をマスタロール
16L’に伝達することができる。従って、この変形例
5および上記変形例によれば、駆動ローラ161がマス
タ表面に直接接触しないので、マスタの表面を損傷する
機会が少なくされる。
【0221】なお、変形例5および上記変形例におい
て、駆動ローラ161への上記駆動モータの回転駆動力
の伝達は、上記変形例に限らず、その一方の駆動ローラ
161のみに伝達して、他方の駆動ローラ161を従動
回転するように支持する構造にしても勿論よい。
【0222】(変形例6)図26および図27に上記変
形例3の別の変形例6を示す。この変形例6は、上記変
形例3に対して、マスタ回転駆動部13およびマスタ駆
動ローラ11D,11Eを除去したこと、マスタロール
保持部11’におけるマスタロール保持部材11Aの形
状を変えたこと、およびマスタロール16の芯材16
B’の両方の内周面に嵌合し、マスタロール16をして
マスタ16aの先端を上記製版手段に向け繰り出す方向
に回転させる軸嵌合回転駆動手段としての、マスタ幅方
向の左右両側にスライド可能な駆動軸163を有するこ
とが主に相違する。
【0223】この変形例6におけるマスタロール保持部
(図示せず)におけるマスタロール保持部材は、マスタ
ロール保持部材11Aの形状に対して、上記したように
マスタロール16L’の両側の芯材160を回転支持で
きるように略U字状に切り欠かれた軸受溝と同様の軸受
溝が形成されていることのみ相違する。このように形成
されたマスタロール保持部材の上記軸受溝にて芯材16
B’が、所定の位置にて回転可能に嵌入・支持されると
ともに、軸方向にスライド可能な駆動軸163が挿入さ
れるようになっている。
【0224】駆動軸163は、図27に示すように、芯
材16B’への挿入時にマスタロール16’の中心合せ
ができるように端部が円錐形状とされ、その円錐形状部
の外周面には、斜線で示すような軸方向に沿った領域
で、高摩擦係数を有する摩擦部材としての滑り止め部1
63Aが形成されている。この滑り止め部163Aは、
ゴム等の高摩擦係数を有する部材が駆動軸163の外周
面に接着された箇所であり、芯材16B’の内周面に接
触できる位置に対応させてある。
【0225】駆動軸163のスライド構造は、例えば釣
竿状に構成されていて、伸縮自在で、かつ、所定の伸張
位置で保持できる構造を有する。駆動軸163の一端側
には、実施の形態1におけるマスタ回転駆動部13に配
設されていると同様の従動ギヤ11D1(この変形例6
では図示せず)が固設されており、一方、製版装置の本
体の右側板には、上記マスタロール保持部が挿入位置を
占めたとき、マスタ回転駆動部13に配設されていると
同様の、従動ギヤ11D1と噛合する駆動ギヤ13Bを
有する駆動モータ13A(何れも図示せず)が固設され
ている。駆動軸163は、上記駆動機構を介して駆動モ
ータ13A(図示せず)によって、マスタロール16’
からマスタ16aを繰り出せる方向に回転することがで
きるようになっている。
【0226】なお、変形例6は、これに限らず、次に述
べるような変形例であってもよい。すなわち、この例
は、上記変形例3に対して、マスタロール保持部11’
におけるマスタロール保持部材11Aの形状を変えたこ
と、変形例3における回転駆動手段としてのマスタ駆動
ローラ11D,11Eに代えてこれらをマスタロール1
6’の外周面に接触して従動回転可能に構成したこと、
マスタロールの芯材16B’の両方の内周面に嵌合し、
マスタロール16’をしてマスタ16aの先端を上記製
版手段に向け繰り出す方向に回転させる軸嵌合回転駆動
手段としてのマスタ幅方向の左右両側にスライド可能な
駆動軸163を有すること、およびマスタロール16’
の径の変化に対応して駆動軸163の下降変位を可能と
する変位駆動機構(図示せず)と駆動軸163をマスタ
幅方向の左右両側にスライド可能とさせるスライド機構
(図示せず)とを有することが主に相違する。
【0227】が主に相違する。
【0228】この変形例におけるマスタロール保持部
(図示せず)におけるマスタロール保持部材は、マスタ
ロール保持部材11Aの形状に対して、マスタロール1
6’の両側の芯材16B’をガイドするとともに駆動軸
163の挿通を可能にする略U字状に切り欠かれた溝が
形成されていることのみ相違する。このように形成され
たマスタロール保持部材にて芯材16B’が回転可能に
支持されるとともに、軸方向にスライド可能な駆動軸1
63が芯材16B’の内周面に挿入されるようになって
いる。駆動軸163は、図示しない駆動モータによっ
て、マスタロール16’からマスタ16aを繰り出せる
方向に回転することができるようになっている。
【0229】この変形例6および上記変形例は以上の構
成を有するから、上記のように形成されたマスタロール
保持部材の凹部に装填されたマスタロール16’は、上
記マスタロール保持部材が製版装置10内の挿入位置に
移動したとき、駆動軸163が上記スライド機構を介し
て、芯材16B’内に移動・挿入され、その円錐形状部
を芯材16B’の内周面に圧接させた状態とすることに
より駆動のための準備が行なわれる。
【0230】上記駆動モータの回転駆動によって、駆動
軸163が回転されると、これに芯材16B’の内周面
を圧接させているマスタロール16’が連動して、その
マスタ16aの先端を繰り出すことができる。
【0231】変形例6および上記変形例によれば、駆動
軸163をマスタロール16’の芯材16B’に挿入す
ることにより、マスタロール16’の軸方向両端での回
転中心位置を整合させることができる。これにより、マ
スタロール16’が回転した場合の中心振れが低減さ
れ、その外周面に接触しようとするマスタ分離手段12
(図2参照)の剥離爪12Aとの対応位置を正確に割出
すことができる。しかも、剥離爪12Aは、マスタロー
ル16’の回転時での振動を少なくされることにより、
マスタロール16’の先端を確実に剥離して分離するこ
とができる。また、駆動軸163がマスタ表面に直接接
触しないので、マスタの表面を損傷する機会を少なくす
ることができる。
【0232】なお、変形例6および上記変形例におい
て、駆動軸163への上記駆動モータの回転駆動力の伝
達は両方へそれぞれ行うようにしているが、上記変形例
に限らず、その一方の駆動軸163のみに伝達して、他
方の駆動軸163を従動回転するように支持する構造に
しても勿論よい。
【0233】また、上記変形例5および変形例6におい
て、図25ないし図27に示されている芯材摩擦回転駆
動手段および軸嵌合回転駆動手段は、本発明に係る上記
製版装置に限定されず、従来型の製版装置におけるマス
タロール駆動部材としても準用可能なことはいうまでも
ない。このように準用された場合の製版装置において
は、芯材摩擦回転駆動手段および軸嵌合回転駆動手段
が、マスタ表面に直接接触しないので、マスタ表面を損
傷する機会を極めて少なくすることができる。
【0234】(実施の形態3)図28および図29に、
本発明に係る第3の発明の実施の形態(以下、単に「実
施の形態3」という)を示す。この実施の形態3は、上
記実施の形態1に対して、剥離爪12Aに当接してマス
タロール16から剥がされたマスタ16aの先端を搬送
するマスタ搬送手段としてのマスタ送り出しローラ70
Bを有することが主に相違する。
【0235】マスタ送り出しローラ70Bは、マスタ分
離手段12と協働してマスタ16aの挟持搬送が可能な
所定の摩擦係数を有する部材、例えばゴムやスポンジゴ
ム等でできている。マスタ送り出しローラ70Bは、マ
スタ分離手段12における剥離爪12Aの揺動端側に配
置されていて、後述する支持アーム70Aを介して、そ
のローラ外周面が剥離爪12Aを介してマスタロール1
6の外周面に近接または当接するローラ揺動位置(実線
で示す)と、剥離爪12Aとの当接状態から解放され剥
離爪12Aから離間した図29における符号Rで示すロ
ーラ離間位置(一点鎖線で示す)との間に揺動自在とな
っている。すなわち、マスタ送り出しローラ70Bは、
マスタロール16から繰り出されるマスタ16aの先端
を載置するマスタ載置面(図5に示す剥離爪12Aの上
面)に対して接離可能に設けられている。
【0236】支持アーム70Aが剥離爪12Aから離さ
れている期間は、マスタロール保持部材11Aが、製版
装置10内の挿入位置に挿入され終わるまでの間であ
り、マスタロール16の外周面に剥離爪12Aが接触す
るのにあわせてマスタ送り出しローラ70Bを剥離爪1
2Aに接することができるようになっている。これは次
の理由による。
【0237】すなわち、マスタロール保持部材11Aが
製版装置10内の挿入位置に挿入される前に支持アーム
70Aがマスタロール16の表面に接触する方向に揺動
していると、マスタロール16の収納凹部11A4への
装填は、支持アーム70Aと、支持アーム70Aが接触
している剥離爪12Aとによってその挿入を阻まれるば
かりでなく、剥離爪12Aの揺動端がマスタロール16
の表面に突き当たった場合に、マスタロール16の表面
のマスタ16aが損傷されてしまうことになる。そこ
で、この実施の形態3では、上記したように、マスタロ
ール16からマスタ16aが繰り出されるまでの間、剥
離爪12Aに対して支持アーム70Aを離間するように
してある。
【0238】マスタ送り出しローラ70Bの回転軸70
B1とプラテンローラ14Bの回転軸14B1との間に
は、マスタ送り出しローラ70Bを揺動自在に支持する
とともに、自らも揺動可能な支持アーム70Aが設けら
れている。支持アーム70Aは、マスタ搬送路を挾んで
その左右両側に一対配置されている。マスタ送り出しロ
ーラ70Bは、回転軸70B1とともに、一対の支持ア
ーム70Aの間に回転可能に設けられている。
【0239】プラテンローラ14Bの左側の回転軸14
B1にはプラテンプーリ14B2が、マスタ送り出しロ
ーラ70Bの左側の回転軸70B1にはローラプーリ7
0B2がそれぞれ一体的に取り付けられている。プラテ
ンプーリ14B2とローラプーリ70B2との間には、
ベルト71が掛け渡されている。プラテンプーリ14B
2の左側には被駆動歯車(図示せず)が一体的に設けら
れている。一方、製版装置10の本体側の左側板には、
マスタロール保持部11が挿入位置を占めたとき、上記
被駆動歯車に噛合する駆動歯車(図示せず)が回転可能
に設けられている。上記駆動歯車は、歯車列および電磁
クラッチ等を具備する駆動力伝達機構を介してプラテン
駆動モータに連結されている。
【0240】この実施の形態3における上記プラテン駆
動モータは、マスタロール16の周速度やマスタ送り出
しローラ70Bの周速度よりも僅かに速い周速度でプラ
テンローラ14Bを回転させるように予め設定されてい
る。したがって、マスタロール16、マスタ送り出しロ
ーラ70B及びプラテンローラ14Bの周速度の関係
は、プラテンローラ14B>マスタ送り出しローラ70
B>マスタロール16の順に僅かに速く設定されてい
て、これらの部品間に位置するマスタ16aに所定範囲
の張力が付与されるようになっている。
【0241】マスタ送り出しローラ70Bを支持してい
る支持アーム70Aの揺動端と回転軸70B1との間に
は、マスタロール16からマスタ16aを繰り出す方向
のみに、上記したプラテンプーリ14B2、ローラプー
リ70B2、ベルト71等を具備する搬送ローラ駆動手
段による回転力を伝達してマスタ送り出しローラ70B
を回転させるワンウェイクラッチ(図示せず)が介装さ
れている。これにより、マスタ送り出しローラ70B
は、上記マスタ16aを繰り出す方向に回転自在となっ
ている。
【0242】この実施の形態3は以上の構成を有するか
ら、マスタ16aの先端がマスタロール16のロール部
から繰り出される状態を設定されたとき、マスタ分離手
段12における剥離爪12Aがマスタロール16の外周
面に当接するのにあわせて、マスタ送り出しローラ70
Bは、剥離爪12Aのマスタ載置面に当接されるととも
に、上記電磁クラッチがオンされ、プラテン駆動モータ
の回転駆動力が伝達されて、マスタ16aを繰り出せる
方向、すなわち図28および図29において時計回り方
向に回転される。
【0243】マスタ16aは、マスタロール16のロー
ル部から繰り出されると、その先端が剥離爪12Aのマ
スタ載置面によってマスタ繰り出し方向Tにガイドされ
るとともに、上記マスタ載置面とマスタ送り出しローラ
70Bとで挟持されつつマスタ繰り出し方向Tに搬送さ
れる。従って、この実施の形態3によれば、比較的腰が
弱いマスタ16aが巻装されたマスタロール16が用い
られた場合でも、剥離爪12Aによって分離・剥離され
たマスタ16aの先端を確実に繰り出せるので、給版不
良の発生を防止することができる。
【0244】なお、支持アーム70Aの支持構造は、上
記の構造に限らず、剥離爪12Aの支持方式と同様に、
その基端を回転軸12Bによって所定角度回動自在に支
持させるとともに、支持アーム70Aの基端側に受け面
を形成し、かつ、剥離爪支持部材12Cの傾斜面12C
1および水平面12C2を剥離爪12Aの受け面12A
5の形成位置よりもさらに外側に延長させ、マスタ送り
出しローラ70Bと支持アーム70Aとの自重により、
マスタ送り出しローラ70Bを剥離爪12Aのマスタ載
置面に対して当接させるようにしてもよい。
【0245】(実施の形態4)図30に、本発明の製版
用マスタに係る第4の発明の実施の形態(以下、単に
「実施の形態4」という)を示す。この実施の形態4
は、実施の形態1の製版装置10に用いられるマスタロ
ール16に代えて、マスタロールの中心にマスタ16a
を巻き付ける芯材16B’’を備え、この芯材16
B’’の外周面に低反射率部16Aを有するマスタロー
ル16’’である点が相違する。マスタロール16’’
は、マスタ16aが巻装される芯材16B’’をマスタ
16aの使用限界の検知手段として用いることを特徴と
している。
【0246】図30に示すマスタロール16’’は、図
1ないし図21において示したマスタロール16の構成
と違って、変形例3に用いられると同様なマスタロール
16’の特徴を有するもの、すなわちマスタ16aが巻
装される芯材16Bが、その軸方向の長さをマスタ16
aの幅よりも長くされ、マスタロール16’’の両方の
端面tから外方に向け芯材16B’’が突出しているも
のが用いられる。
【0247】芯材16B’’は、軸方向の長さがマスタ
ロール16’’のそれよりも長いので、その長さの差に
相当する部分を握って、図31を借りて示す新しいマス
タロール16Nの回転中心位置に挿入することができ
る。このように、芯材16B’’を挿入されるマスタロ
ール16Nは、マスタロールの外径寸法に関係なく、共
通する内径寸法をもつ芯材挿入孔16Cが形成されてい
る。これにより、外径が異なるマスタロールであって
も、その回転中心部に位置する芯材16B’’を共用す
ることができる。また、芯材16B’’の外周面には、
図10において説明したと同様の黒色塗装が施された低
反射率部16Aが形成されている。
【0248】この実施の形態4は、以上の構成を有する
から、図31を借りて示す新しいマスタロール16Nに
交換される際には、使用限界に達したマスタロール1
6’’から芯材16B’’を抜き取って、すなわち一度
使用された芯材16B’’のリサイクルを行って、新し
いマスタロール16Nにその芯材16B’’を挿入すれ
ばよい。
【0249】マスタロール16’’は、その芯材16
B’’の周りに巻き付けられているマスタ16aが使用
されてその使用限界に達すると、その使用限界部分のマ
スタ16aを透かして芯材16B’’の低反射率部16
Aをマスタロール16’’の表面から識別することがで
きる。この識別には、マスタ検知手段60から出射され
る光の反射性が変化するのを利用して行われる。つま
り、マスタ検知手段60は、マスタロール16’’から
反射される光の量が使用限界に達する前と使用限界に達
した時点とで変化するのを検出し、使用限界に達する前
よりも反射光量が少なくなった時点で、マスタロール1
6’’の使用限界を検知する。
【0250】この実施の形態4によれば、マスタロール
の芯材を共用することができるとともに、マスタロール
側に使用限界を表示する低反射率部16Aを形成する必
要がないので、マスタロールに必要とされる構成を単に
マスタ16aの巻装のみで済ませることができる。これ
により、マスタロールの加工コストを低減させることが
可能になる。
【0251】(変形例7)図31に、実施の形態4の変
形例7を示す。この変形例7は、製版用マスタとしての
マスタロール16Nの中心に芯材を有することなく、マ
スタ16aが、自身のマスタ16aの周りに巻かれて形
成されていることを特徴とするものである。マスタロー
ル16Nは、例えば図30に示す芯材16B’’の周り
にマスタ16aを巻き付けてマスタロール16Nのロー
ル部を形成した後、芯材16B’’を抜き取って形成し
たものである。
【0252】このように形成したマスタロール16Nの
内周面近傍に位置するマスタ16aは、ほどけやすくな
るので、マスタロール16Nの少なくとも一方の端面t
にデンプン等により作った糊を塗布して端面tにおける
マスタ16aの側端面同士および/またはマスタ16a
の側端縁同士を接着するようにするとよい。
【0253】この変形例7によれば、マスタロールの芯
材を不要とすることができるので、サプライとして消耗
品である製版用マスタのコストを低減することができ
る。
【0254】(実施の形態5)図32ないし図34に、
本発明の製版装置に係る第5の発明の実施の形態(以
下、単に「実施の形態5」という)を示す。この実施の
形態5は、上記実施の形態1の製版装置10に対して、
符号80で示す製版装置ユニットが、印刷装置の本体に
対して挿脱可能に設けられていることが特徴である。す
なわち、この実施の形態5は、上記実施の形態1の製版
装置10に対して、製版装置10のマスタロール保持部
11と同様の構成を有するマスタ貯容手段を備え、マス
タロール16をセット可能であり、かつ、移動不能なマ
スタロール保持部11’’、上記製版手段および上記裁
断手段が製版装置ユニット80を構成していて、この製
版装置ユニット80が印刷装置の本体に対して挿脱可能
に設けられていること、および剥離爪支持部材12Cの
いわば機械的連動揺動機構に代えて電気的連動揺動機構
を有することが主に相違する。
【0255】以下、実施の形態1と相違する点を中心に
この実施の形態5の構成および動作について説明する。
製版装置ユニット80の左右両側には、マスタロール保
持部11’’のマスタロール保持部材11Aの左右両壁
部、プラテン圧制御部14におけるヘッド支持アーム1
4A2の回転軸14A1、プラテンローラ14Bの回転
軸14B1、偏心カム14A3の軸、搬送ローラ18の
各軸および上記裁断手段の駆動機構等をそれぞれ支持す
る一対のユニット左・右側板85が設けられている。製
版装置ユニット80は、上記ユニット左・右側板85に
より上記各構成部品が支持されていることでユニット化
され、図32の左右両側に移動可能となっている。製版
装置ユニット80におけるユニット左・右側板対85の
各前後には、図3等に示したと同様な直方体状をなす突
条部86が4箇所一体的に設けられている。
【0256】マスタロール保持部11’’は、実施の形
態1におけるマスタロール保持部11に対して、マスタ
ロール保持部材11Aの左右両壁部がユニット左・右側
板85に固設されていること、および押圧部11Gを除
去したことが相違する。ユニット右側板85には、マス
タ駆動ローラ11D,11Eの各軸をその外側へ導出す
るための孔(図示せず)が形成されている。
【0257】ユニット右側板85には、押圧部11Gと
類似の機能を受け持つ、剥離爪支持部材12Cを選択的
に揺動させるためのソレノイド90が固設されている。
剥離爪支持部材12Cの上下方向には、ソレノイド90
のプランジャ90p先端に設けられた段付きピン91を
緩く嵌合させるための長孔95が形成されている。ユニ
ット左・右側板85には、剥離爪支持部材12Cの実線
で示す直立位置を規制保持するためのストッパ82が内
側に向かってそれぞれ突出形成されている。ユニット左
・右側板85には、圧縮バネ12Dの一端を掛け止める
バネ取付部88が内側に向かってそれぞれ突出形成され
ている。なお、剥離爪支持部材12Cに配設されている
圧縮バネ12Dを除去して、これと同様の機能を果たす
圧縮バネをソレノイドのプランジャ90pと剥離爪支持
部材12Cの側壁との間に巻装させた構成であっても勿
論構わない。
【0258】一方、印刷装置の本体に配設された左右一
対の本体側板(図示せず)には、ユニット左・右側板8
5の4箇所の突条部86を滑らかに嵌入するためのチャ
ンネル状をなすガイドレール89がそれぞれ互いの開口
部を対向させて設けられている。右側のガイドレール8
9の前端下方には、第1のマスタセット検知手段61と
同様の構成を有する第2のマスタセット検知手段61’
がその内側寄りに配置されている。ユニット右側板85
の前端下面には、実施の形態1における剥離爪支持部材
12Cの下面に備えられたと同様の反射面87(図中ハ
ッチングで示す)が形成されている。この実施の形態5
のガイド19’は、ガイド19に対して、製版待機状態
にあるマスタ16aの先端部をクランパ2Dに確実に給
版すべく縦長に形成されている。
【0259】以上の構成の通り、製版装置ユニット80
は、上記した突条部86およびガイドレール89を介し
て、印刷装置の本体内に挿入されてマスタロール16か
らマスタ16aを繰り出すことが可能となるユニット挿
入位置と、このユニット挿入位置から外れてマスタロー
ル16をマスタロール保持部11’’にセット可能とす
る位置とに摺動自在となっている。印刷装置の本体側板
の右側には、実施の形態1と同様の構成を有するマスタ
回転駆動部13の駆動モータ13A等が設けられてい
る。
【0260】この実施の形態5における図11に示した
と同様な制御部50の特徴的な動作は、次の通りであ
る。製版装置ユニット80がユニット挿入位置を占める
と、第2のマスタセット検知手段61’によりユニット
右側板85の反射面87が検知されてその検知信号を制
御部50へ送信する。制御部50は、第2のマスタセッ
ト検知手段61’からの検知信号に基づき、先ず、ソレ
ノイド90をオンさせる指令信号を出力して、図34に
示すように、圧縮バネ12Dの付勢力に抗してプランジ
ャ90pを吸引させると、剥離爪支持部材12Cが一点
鎖線で示す状態から実線で示す直立状態に揺動変位され
る。これにより剥離爪12Aの揺動端が時計回り方向に
揺動して当接位置を占める。
【0261】次いで、実施の形態1と略同様の動作が行
われる。すなわち、駆動モータ13Aが回転駆動される
ことにより、マスタ駆動ローラ11D,11Eが回転さ
れて、マスタロール16からのマスタ16aの分離・剥
離動作が行われる。そして、マスタロール16から剥が
したマスタ16aの先端を第1の先端検知手段62Aに
より検知されるまでの間繰り出すとともに、第2の先端
検知手段62Bによるマスタ先端の検知信号に基づき、
プラテン圧制御部14を駆動させて上記製版手段による
マスタ16aの挾持可能な状態が設定される。
【0262】そして、製版装置ユニット80をユニット
挿入位置から外れた位置に移動させるときには、プラテ
ン圧制御部14を駆動して、上記製版手段によるマスタ
16aの挾持が解除される状態に設定される。
【0263】従って、この実施の形態5によれば、製版
装置ユニット80がユニット挿入位置とこのユニット挿
入位置から外れた位置とに摺動自在になされているの
で、印刷装置上方に配置されている原稿読み取り部がス
ライドしないタイプの場合において、製版装置ユニット
80をユニット挿入位置から外れた位置に移動させて、
プラテンローラ14B、裁断装置17や搬送ローラ18
等における給版搬送部でのマスタ16aのジャム処理を
確実、かつ、容易に行うことができる。
【0264】なお、製版装置ユニット80が印刷装置の
本体内に挿入されたときに占めるユニット挿入位置に移
動するのに連動して、剥離爪12Aの揺動端がマスタロ
ール16の外周面に近接もしくは当接することによりマ
スタ16aの先端をマスタロール16から剥がす機構
は、上記ソレノイド90を用いたいわば電気的連動揺動
機構に限らず、上記実施の形態1等のようないわば機械
的連動揺動機構により構成することも勿論可能である。
【0265】この機械的連動揺動機構の例としては、例
えば図35に示すような機構があげられる。同図におい
て、剥離爪12C等は、図の簡明化を図るためその図示
を省略している。印刷装置の本体右側板100に、平面
視でへ字状をなすレバー部材90を揺動可能に配置す
る。また、このレバー部材90の後部は、揺動変位を大
きく取るために前部に比べてレバー比を大きくとってあ
る。レバー部材90の後端部には、剥離爪支持部材12
Cの後部壁を部分的に右側に延在させた押圧突起係合部
12C5に係合しやすくするための内側に突出した押圧
突起90aを形成しておく。そして、製版装置ユニット
80におけるユニット右側板85の下流側にレバー部材
90の前端部90bに係合する段差突起85aを設け
て、レバー部材90における後端部の押圧突起90aを
剥離爪支持部材12Cの押圧突起係合部12C5および
後部壁と選択的に係合させてもよい。
【0266】この例によれば、製版装置ユニット80が
ユニット挿入位置を占めるときに、製版装置ユニット8
0側の段差突起85aがレバー部材90の前端部90b
に係合し、これにより平面視でレバー部材90が時計回
り方向に揺動されて、レバー部材90における後端部の
押圧突起90aが図32に示す状態にある剥離爪支持部
材12Cの後部壁を押すので、図33に示すように剥離
爪支持部材12Cが直立状態になされ、剥離爪12Cが
当接位置を占めるものである。そして、レバー部材90
の支軸91の部分には、製版装置ユニット80がユニッ
ト挿入位置から外れたときに、レバー部材90の押圧突
起90aがユニット右側板85の段差突起85a等と接
触しないように平面視で反時計回り方向に付勢するねじ
りコイルバネ(図示せず)を装着して、レバー部材90
の押圧突起90aを揺動退避させる。図35において、
符号100aは、レバー部材90の揺動を可能とするた
めに本体右側板100に形成された開口部であり、符号
85wは、レバー部材90の押圧突起90aの揺動を許
すためにユニット右側板85に形成された開口窓をそれ
ぞれ示す。また、符号100bは、上記ねじりコイルバ
ネによるレバー部材90の反時計回り方向への揺動付勢
を規制するストッパ部材を示す。
【0267】上記実施の形態5および上記例では、製版
装置ユニット80がマスタロール保持部11’’、製版
手段および裁断手段を備えた裁断装置17から構成され
ていたが、これに限らず、製版装置ユニットは、裁断装
置17や搬送ローラ18を印刷装置の本体側に配設して
もよい。すなわち、製版装置ユニットを、少なくともマ
スタロール保持部と製版手段とによって構成してもよ
い。
【0268】また製版装置ユニットは、上記実施の形態
5および上記例の製版装置ユニット80に限らず、例え
ば図28に示したようなマスタ送り出しローラ70B等
を具備した実施の形態3の製版装置、あるいはこの実施
の形態3の製版装置に図20ないし図27の各構成を適
宜組合わせた製版装置を、製版装置ユニットとして構成
してもよいことはいうまでもない。
【0269】上記実施の形態5および上記例では、第2
のマスタセット検知手段61’を作動検知手段の一つと
して用いたが、作動検知手段としては、第1のマスタセ
ット検知手段61に代えて、製版装置ユニット80がユ
ニット挿入位置を占めたとき、剥離爪支持部材12Cの
直立状態を検知する反射型もしくは透過型の光学センサ
あるいはマイクロスイッチ等を印刷装置本体側に設けた
ものであってもよい。またこれらに限らず、第2のマス
タセット検知手段61’の配置位置近傍のマスタ搬送方
向の上流側に、製版装置ユニット80がユニット挿入位
置を占める直前の位置状態を検知する反射型の光学セン
サあるいはマイクロスイッチ等の作動検知手段であって
もよい。
【0270】上記実施の形態1ないし5および各変形例
1ないし7等では、プラテンローラ14Bを駆動力伝達
機構等を介して回転させるように構成したが、これに限
らず、プラテンローラ14Bを従動回転するように構成
することも可能である。この場合、例えばプラテンロー
ラ14Bのマスタ搬送方向の下流側に設けた搬送ローラ
18により、マスタロール16からマスタ16aを引き
出し、プラテンローラ14Bをサーマルヘッド14Aに
当接させ従動回転させるように構成することができる。
【0271】上記実施の形態1ないし5および各変形例
1ないし7等では、マスタロール16、16’に巻かれ
ているマスタ16aに限らず、例えば非常に薄い1乃至
3μm厚の実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる
マスタをロール状に巻いたマスタロールを用いることも
可能である。ここで、実質的に熱可塑性樹脂フィルムの
みからなるマスタとは、マスタが熱可塑性樹脂フィルム
のみからなるものの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防
止剤等の微量成分を含有してなるもの、さらには熱可塑
性樹脂フィルムの両主面、すなわち表面又は裏面のうち
少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜層を1層
又は複数層形成してなるものを含む。
【0272】本発明の実施例は、上述した実施の形態1
ないし5および各変形例1ないし7等に限らず、マスタ
16aを選択的に加熱穿孔するサーマルヘッド14A
と、このサーマルヘッド14Aとの間にマスタ16aを
押圧しながら回転するプラテンローラ14Bとを備えた
製版手段に限らず、これに代えて、例えばフラッシュ製
版あるいはレーザー製版等の製版手段であってもよい。
【0273】また、本発明に係る製版装置が装備される
印刷装置は、上記した孔版印刷装置1に限らず、例え
ば、特開平7−17013号公報に示されているような
印刷ドラムの外側からインキを供給する構成の印刷装置
であってもよい。
【0274】以上のとおり、本発明を特定の発明の実施
の形態や変形例等について説明したが、本発明の構成
は、上述した実施の形態1ないし5および各変形例1な
いし7等等に限定されるものではなく、これらを適宜組
合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、そ
の必要性及び用途等に応じて種々の発明の実施の形態や
実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0275】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、上記構成により、オペレータが新しいマス
タロールをマスタロール保持部にセットする場合には、
マスタロール保持部を製版装置の本体から抜き外すだけ
でよい。オペレータがマスタロールをマスタロール保持
部にセットした後、マスタロール保持部が製版装置の本
体内に挿入され挿入位置を占めると、回転駆動手段が、
マスタロールをしてマスタの先端を製版手段に向け繰り
出す方向に回転される。これと同時に、マスタロールの
径の変化に対応して、剥離手段が、マスタロールの外周
面に近接もしくは当接することにより、マスタロールか
らマスタの先端が自動的に剥され、製版手段に向け繰り
出されるので、マスタの繰り出しを確実にして製版待機
状態を設定することができる。
【0276】従って、マスタの装着が容易になるととも
に、人手を掛けることなくマスタロールからのマスタの
繰り出し、すなわち全自動給版が可能になる。さらに、
従来のようなオペレータにとって面倒な作業を少なくし
て簡単に印刷処理を実行することが可能になる。また、
製版装置の本体からのマスタロール保持部の挿脱は、印
刷装置の上部に位置する原稿読み取り部をスライドさせ
るようなことなく行なえるので、従来の製版装置を装備
している印刷装置と違って、構造を簡略化でき、軽量化
およびコスト低減化が可能になる。
【0277】請求項2記載の発明によれば、上記構成に
より、マスタロールをマスタロール保持部にセットした
後、製版装置ユニットが印刷装置の本体内に挿入されユ
ニット挿入位置を占めると、回転駆動手段が、マスタロ
ールをしてマスタの先端を製版手段に向け繰り出す方向
に回転される。これと同時に、マスタロールの径の変化
に対応して、剥離手段が、マスタロールの外周面に近接
もしくは当接することにより、マスタロールからマスタ
の先端が剥され、製版手段に向け繰り出されるので、マ
スタの繰り出しを確実にして製版待機状態を設定するこ
とができる。
【0278】従って、マスタの装着が容易になるととも
に、人手を掛けることなくマスタロールからのマスタの
繰り出し、すなわち全自動給版が可能になる。従来のよ
うなオペレータにとって面倒な作業を少なくして簡単に
印刷処理を実行することが可能になる。また印刷装置の
本体からの製版装置ユニットの挿脱は、印刷装置の上部
に位置する原稿読み取り部をスライドさせるようなこと
なく行なえるので、従来の製版装置を装備している印刷
装置と違って、構造を簡略化でき、軽量化およびコスト
低減化が可能になる。
【0279】加えて、製版装置ユニットが印刷装置の本
体に対して挿脱可能に設けられているので、印刷装置上
方に配置されている原稿読み取り部がスライドしないタ
イプの印刷装置において、製版装置ユニットをユニット
挿入位置から外れた位置に移動させて、製版手段等にお
ける給版搬送部でのマスタのジャム処理を確実、かつ、
容易に行うことができる。
【0280】請求項3,4および5記載の発明によれ
ば、マスタロールがマスタロール保持部にセットされ、
同マスタロール保持部が上記製版装置の本体内に挿入さ
れたときに、あるいはマスタロールがマスタロール保持
部にセットされ、製版装置ユニットが印刷装置の本体内
に挿入されたときに、回転駆動手段により、マスタロー
ルの繰り出し方向とは逆方向にマスタロールが回転され
た後に、マスタロールが元の繰り出し方向に回転される
ので、マスタの先端がマスタロールのどの位置にあって
も、そのマスタの先端を剥離手段と確実に対向させるこ
とができる。これによって、マスタロールからのマスタ
の先端の剥離・分離を確実に行なうことが可能になる。
【0281】請求項6記載の発明によれば、上記構成に
より、サーマルヘッドおよびプラテンローラは、マスタ
の先端がサーマルヘッドおよびプラテンローラの設置位
置に達した時点で当接するようになっているので、マス
タの先端が上記設置位置に達するまでの間、その進行を
阻まれることがなく、プラテン圧を確実に作用させ得る
上記設置位置に達した時点で、サーマルヘッドとプラテ
ンローラとによるマスタの押圧が可能になる。
【0282】請求項7記載の発明によれば、上記構成に
より、マスタの先端がサーマルヘッドおよびプラテンロ
ーラの設置位置に達した時点で、サーマルヘッドおよび
プラテンローラによるマスタの押圧動作が断続されるの
で、製版前に、マスタに生じているシワを矯正して良好
な製版を行なうことが可能になる。
【0283】請求項8および10記載の発明によれば、
上記構成により、制御部は、作動検知手段からの検知信
号に基づき、回転駆動手段を動作させてマスタロールか
ら剥がしたマスタの先端を先端検知手段により検知され
るまでの間繰り出すとともに、先端検知手段によるマス
タ先端の検知信号に基づき、プラテン圧制御部を駆動さ
せて製版手段によるマスタの押圧可能な状態を自動的に
設定する。従って、オペレータによってマスタの先端を
繰り出すための操作が必要なくなる。これにより、給版
時における面倒な操作をなくして印刷装置を使用する際
の操作性を向上させることができる。
【0284】また、請求項10記載の発明によれば、上
記効果に加えて、製版装置ユニットが印刷装置の本体に
対して挿脱可能に設けられているので、印刷装置上方に
配置されている原稿読み取り部がスライドしないタイプ
の印刷装置において、製版装置ユニットをユニット挿入
位置から外れた位置に移動させて、製版手段等における
給版搬送部でのマスタのジャム処理を確実、かつ、容易
に行うことができる。
【0285】請求項9記載の発明によれば、上記構成に
より、制御部は、第1のマスタセット検知手段により、
マスタロール保持部が挿入位置から外れたことが検知さ
れたときに、プラテン圧制御部を駆動して、製版手段に
よるマスタの押圧が解除される状態に設定するので、マ
スタに作用する張力をなくしてマスタロールを抵抗なく
引き出すことが可能になる。
【0286】請求項11記載の発明によれば、上記構成
により、制御部は、第2のマスタセット検知手段によ
り、製版装置ユニットがユニット挿入位置から外れたこ
とが検知されたときに、プラテン圧制御部を駆動して、
製版手段によるマスタの押圧が解除される状態に設定す
るので、マスタに作用する張力をなくして抵抗なく引き
出すことが可能になる。
【0287】請求項12記載の発明によれば、上記構成
により、制御部は、作動設定手段からの設定信号に基づ
き、回転駆動手段を動作させてマスタロールから剥がし
たマスタの先端を先端検知手段により検知されるまでの
間繰り出すとともに、先端検知手段によるマスタ先端の
検知信号に基づき、プラテン圧制御部を駆動させて製版
手段によるマスタの押圧可能な状態を自動的に設定す
る。従って、オペレータによってマスタの先端を繰り出
すための操作を行わなくても、マスタロール保持部が製
版装置内の挿入位置に挿入されるまでの操作を確認する
ことができる。これにより、給版時における面倒な操作
をなくして簡単に印刷処理を実行することが可能にな
る。
【0288】請求項13記載の発明によれば、上記構成
により、制御部は、作動設定手段からの設定信号に基づ
き、回転駆動手段を動作させてマスタロールから剥がし
たマスタの先端を先端検知手段により検知されるまでの
間繰り出すとともに、先端検知手段によるマスタ先端の
検知信号に基づき、プラテン圧制御部を駆動させて製版
手段によるマスタの押圧可能な状態を自動的に設定す
る。従って、オペレータによってマスタの先端を繰り出
すための操作を行わなくても、製版装置ユニットが印刷
装置内のユニット挿入位置に挿入されるまでの操作を確
認することができる。これにより、給版時における面倒
な操作をなくして簡単に印刷処理を実行することが可能
になる。
【0289】また、請求項13記載の発明によれば、上
記効果に加えて、製版装置ユニットが印刷装置の本体に
対して挿脱可能に設けられているので、印刷装置上方に
配置されている原稿読み取り部がスライドしないタイプ
の印刷装置において、製版装置ユニットをユニット挿入
位置から外れた位置に移動させて、製版手段等における
給版搬送部でのマスタのジャム処理を確実、かつ、容易
に行うことができる。
【0290】また、上記各効果に加えて、請求項10お
よび13記載の発明によれば、従来の印刷装置と違っ
て、印刷装置に装備されている原稿読み取り部を移動さ
せる必要がないので、原稿読み取り装置の機械的強度を
高めるための構成部品の加工コストや組立コストを上昇
させることがない。
【0291】請求項14記載の発明によれば、上記構成
により、制御部は、先端検知手段からの検知信号に基づ
いて、プラテン圧制御部におけるマスタの押圧動作を断
続させることにより、マスタロールから繰り出されるマ
スタへの張力の付与が繰り返されるので、マスタの弛み
やシワをなくして給版不良の発生を防止することができ
る。
【0292】請求項15および17記載の発明によれ
ば、上記各構成により、マスタロールをマスタロール保
持部にセットした後、回転駆動手段の回転動作によって
マスタロールから繰り出されるマスタを、剥離手段とこ
れに当接可能なマスタ搬送手段とで挟持搬送することに
より、マスタの曲げ剛性に拘らず、特に先端の挙動が不
安定になりがちな曲げ剛性の低いマスタの先端を確実に
繰り出すことができるので、給版不良の発生を防止する
ことが可能になる。
【0293】請求項17記載の発明においては、上記効
果に加えて、製版装置ユニットが印刷装置の本体に対し
て挿脱可能に設けられているので、印刷装置上方に配置
されている原稿読み取り部がスライドしないタイプの印
刷装置において、製版装置ユニットをユニット挿入位置
から外れた位置に移動させて、製版手段等における給版
搬送部でのマスタのジャム処理を確実、かつ、容易に行
うことができる。
【0294】請求項16記載の発明によれば、剥離手段
は、マスタロール保持部が製版装置の本体に挿入された
ときに占める挿入位置に移動するのに連動して、マスタ
ロールの外周面に近接もしくは当接することによりマス
タの先端をマスタロールから剥がすので、最大径を有す
る新しいマスタロールの表面に剥離手段の揺動端が突き
当たるようなことを防止して、マスタロールのマスタロ
ール保持部への挿入が阻害されること、およびマスタロ
ールの表面が損傷されるのを防止することができる。
【0295】請求項18記載の発明によれば、剥離手段
は、製版装置ユニットが印刷装置の本体に挿入されたと
きに占めるユニット挿入位置に移動するのに連動して、
マスタロールの外周面に近接もしくは当接することによ
りマスタの先端をマスタロールから剥がすので、最大径
を有する新しいマスタロールの表面に剥離手段の揺動端
が突き当たるようなことを防止して、マスタロールのマ
スタロール保持部への挿入が阻害されること、およびマ
スタロールの表面が損傷されるのを防止することができ
る。
【0296】請求項19記載の発明によれば、製版手段
は、マスタを選択的に加熱穿孔するサーマルヘッドと、
このサーマルヘッドとの間にマスタを押圧しながら回転
するプラテンローラとを有することにより、マスタの穿
孔製版を確実に行いながら、この穿孔製版されたマスタ
をマスタ搬送方向の下流側に正確に搬送することができ
る。
【0297】請求項20記載の発明によれば、剥離手段
が揺動可能な剥離爪からなり、この剥離爪の揺動端をそ
の自重によりマスタロールの外周面に当接させ得るの
で、特別な付勢手段等を必要とすることなくマスタロー
ルからマスタを繰り出すことが可能になる。
【0298】請求項21記載の発明によれば、剥離爪が
弾性を有する薄片部を備えていることにより、剥離爪が
マスタロールの外周面に当接した場合には、その薄片部
が弾性変形して異常な圧力をマスタロールの外周面に付
与しないようにすることができ、これによって、マスタ
表面に傷を付けたり破いたりする弊害をなくすことがで
きる。
【0299】請求項22記載の発明によれば、剥離爪
は、その平面視形状が、剥離爪の揺動端におけるマスタ
幅方向中央部によって、マスタロールからマスタの先端
が最初に剥がされ、次いでマスタ幅方向両端に至る順で
剥がされたマスタの先端が接触し繰り出されるように、
マスタ搬送方向の上流側から下流側にかけて略八の字状
に末広がりになっていることにより、マスタロールから
繰り出されるマスタの先端がその幅方向中央から端部に
向けて順次剥離・分離されるので、マスタ先端がその剥
離手段に引っかかるような事故を防止でき、これによ
り、繰り出されるマスタのジャムを未然に防止すること
ができる。
【0300】請求項23記載の発明によれば、剥離爪の
揺動端が、マスタロールの外周面に向けて傾斜した傾斜
部を備えているので、マスタを剥離する際のマスタとの
接触部分をできるだけ小さくすることができ、これによ
って、剥離爪がマスタに対して過剰な接触を起こすこと
がなくなり、先端を剥離する際の案内を容易に行なえる
ようにしてマスタの剥離を確実に行なえる。
【0301】請求項24記載の発明によれば、マスタ貯
容手段には、マスタロールの端面に当接可能であってマ
スタロールにおけるマスタの繰り出し方向と直交するマ
スタ幅方向の位置決めをするとともに、マスタロールか
らマスタを繰り出し回転させる際の回転方向と逆方向の
抵抗力を生じさせる摩擦保持部材が備えられているの
で、マスタロール保持部に対してのマスタロールの装填
操作が容易となると共に、マスタが繰り出される際のシ
ワの発生を防止することができる。これにより、シワが
発生した場合の印刷不良の発生を未然に防止することが
可能になる。しかも、摩擦保持部材がマスタロールの端
面に当接するようになっているので、マスタロールの芯
材をマスタロールの端面から外方に突出させないものを
用いることができ、このようなマスタロールを用いた場
合でも装填作業が簡単になる。
【0302】請求項25記載の発明によれば、回転駆動
手段がマスタロールの軸方向に沿って複数に分割されて
配置されたマスタ駆動ローラであることにより、マスタ
ロールが、その軸方向全域に渡ってマスタ駆動ローラと
対向しないで局部的に対向することができる。これによ
り、マスタロールの軸線方向とマスタ駆動ローラの軸線
方向とを整合させやすくして均一な繰り出し回転力を付
与することが可能になる。また、マスタロールから繰り
出されるはずのマスタの先端がマスタロールの回転と共
に回転し、その先端が折れ曲がってしまった場合でも、
その先端をマスタ駆動ローラの配置位置間の隙間にて再
度起き上がらせることができるので、ジャムの発生原因
をなくすことが可能になる。
【0303】請求項26記載の発明によれば、回転駆動
手段が、マスタロールの回転中心軸を中心とした所定の
中心角をもって、マスタ搬送方向の上流側および下流側
に配置されたマスタ駆動ローラであることにより、マス
タが使用されてマスタロールの径が変化してその使用限
界に至った場合でも、マスタロールをマスタ駆動ローラ
で正確に支持でき、またマスタ繰り出し方向に回転でき
る。
【0304】請求項27記載の発明によれば、回転駆動
手段が、マスタロールの外周面に接触して従動回転可能
に構成されたマスタ回転用従動ローラと、マスタロール
の外周面に摩擦係合し、マスタロールをしてマスタの先
端を製版手段に向け繰り出す方向に回転させる摩擦回転
駆動手段とを有することにより、マスタロールが摩擦回
転駆動手段と摩擦係合した状態で繰り出し方向に回転さ
れるので、マスタを直接回転することができ、これによ
って、マスタロールからマスタの先端を繰り出すための
駆動伝達機構の構成を簡略化して回転駆動力を与える駆
動モータもより小型化することが可能になる。
【0305】請求項28記載の発明によれば、マスタが
芯材の周りに巻き付けられて形成された、芯材の両端が
マスタロールの両方の端面から外方に突出したマスタロ
ールをマスタ貯容手段に貯容するときに、芯材の端部を
嵌入させて回転可能に支持する挿嵌部をマスタ貯容手段
に設けたことにより、上記芯材をガイドしながらマスタ
ロール保持部内のマスタ貯容手段にマスタロールを位置
決めすることが可能になる。
【0306】請求項29記載の発明によれば、芯材の両
端部の外周面に摩擦接触する芯材摩擦回転駆動手段を有
するので、芯材摩擦回転駆動手段が直接マスタ表面に当
接することがなく、これによって、マスタ表面を傷付け
るようなことが防止される。
【0307】請求項30記載の発明によれば、マスタを
パイプ状の芯材の周りに巻き付けられて形成されたマス
タロールの芯材の内周面に嵌合し、マスタロールをして
マスタの先端を製版手段に向け繰り出す方向に回転させ
る軸嵌合回転駆動手段を有していることにより、マスタ
ロールの回転中心位置のずれが防止され、マスタロール
の回転振動が抑制される。このため、このずれに応じて
マスタロールの外周面に対向している剥離手段の対向関
係を調整する度合いが少なくて済むので、剥離手段の組
み立てコストを低減することが可能になる。しかも、マ
スタロールの駆動機構を簡略化することが可能になる。
【0308】請求項31記載の発明によれば、マスタロ
ールの中心にマスタを巻き付ける芯材を備え、この芯材
の外周面に低反射率部を有することにより、マスタの芯
材として共通な芯材が用いられ、かつその芯材が光学検
知に用いられるので、消耗品に必要とされる部品の共通
化による部品コストを低減させることが可能となる。し
かも、マスタの交換時期をマスタロールの外径寸法の違
いに拘らず、正確に割出せるようにすることも可能にな
る。
【0309】請求項32記載の発明によれば、マスタロ
ールの中心に芯材を有することなく、マスタが自身のマ
スタの周りに巻かれていることにより、マスタの芯材が
不要とされるので、消耗品である製版用マスタとしての
マスタロールのコストを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製版装置の実施の形態1が適用さ
れた孔版印刷装置の模式的な全体構成図である。
【図2】図1に示した製版装置の部分断面を含む拡大正
面図である。
【図3】図2に示した製版装置におけるマスタロール保
持部の平面図である。
【図4】図3に示したマスタロール保持部廻りの要部の
斜視図である。
【図5】図2に示した製版装置に用いられる剥離爪の一
例の斜視図である。
【図6】図2に示したマスタ分離手段廻りの要部の分解
斜視図である。
【図7】図2に示したマスタ分離手段の要部構成の詳細
を説明するための模式的な分解図である。
【図8】図2に示したマスタ分離手段の要部構成および
その作用を説明するための模式図である。
【図9】図2に示したマスタ分離手段の要部構成および
その作用を説明するための模式図である。
【図10】図2に示した製版装置に用いられるマスタロ
ールの一例を示す斜視図である。
【図11】図2に示した製版装置に用いられる制御部の
ブロック図である。
【図12】図2に示した製版装置の初期状態を示す模式
図である。
【図13】図2に示した製版装置において、マスタロー
ル保持部が挿入位置を占めた状態を示す模式図である。
【図14】図2に示した製版装置において、マスタロー
ルからマスタの先端が繰り出された直後の動作を示す模
式図である。
【図15】図2に示した製版装置において、マスタの先
端がサーマルヘッドおよびプラテンローラとの対向位置
に移動した動作状態を示す模式図である。
【図16】図2に示した製版装置において、マスタの先
端がサーマルヘッドおよびプラテンローラにより挾持さ
れている動作状態を示す模式図である。
【図17】図2に示した製版装置において、製版待機状
態を示す模式図である。
【図18】図11に示した制御部の動作を説明するため
のフローチャートである。
【図19】図11に示した制御部の他の動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図20】図2に示した実施の形態1の変形例1を示す
模式図である。
【図21】図2に示した実施の形態1の変形例2を示す
模式図である。
【図22】実施の形態1の変形例3を示すマスタロール
保持部の要部の斜視図である。
【図23】本発明に係る製版装置の実施の形態2を示す
模式図である。
【図24】実施の形態1の変形例4を示すマスタ回転駆
動部廻りの平面図である。
【図25】実施の形態1の変形例5を示す駆動ローラ廻
りの要部の斜視図である。
【図26】変形例3の別の変形例6を示す駆動軸廻りの
要部の斜視図である。
【図27】図26に示した駆動軸の拡大斜視図である。
【図28】本発明に係る製版装置の実施の形態3を示す
模式図である。
【図29】図28のマスタ送り出しローラ廻りの構成お
よび動作を示す模式図である。
【図30】本発明に係る製版用マスタの実施の形態4を
示すマスタロールの斜視図である。
【図31】実施の形態4におけるマスタロールの変形例
7を示す斜視図である。
【図32】本発明に係る製版装置の実施の形態5におけ
る製版装置ユニット廻りの正断面図である。
【図33】図32に示した製版装置ユニットがユニット
装着位置を占めた状態を表す正断面図である。
【図34】図32に示した製版装置ユニットにおける電
気的連動揺動機構の要部の正断面図である。
【図35】図32に示した製版装置ユニット廻りにおけ
る機械的連動揺動機構の要部の平断面図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置 10 製版装置 11,11’,11’’ マスタロール保持部 11A, マスタロール保持部材 11A1,11A1’ マスタ貯容手段を構成する
摩擦保持部材 11A6 挿嵌部 11C 把手 11D,11E,11Da,11Db,11Ea,11
Eb 回転駆動手段としてのマスタ駆動ローラ 11G 押圧部 12,12’,12’’ マスタ分離手段 12A,12A’,12A’’ 剥離手段としての
剥離爪 12C,12C’ 剥離爪支持部材 13,13’ マスタ回転駆動部 13A 駆動モータ 13R 摩擦回転駆動手段としてのマスタ回
転用駆動ローラ 14 プラテン圧制御部 14A サーマルヘッド 14A2 ヘッド支持アーム 14A3 偏心カム 14A30 偏心カム駆動モータ 14B プラテンローラ 15 ガイド部材 16,16’,16’’,16L’,16N マスタ
ロール 16B,16B’,16B’’ 芯材 16a マスタ 50 制御部 60 マスタ検知手段 61 第1のマスタセット検知手段 61’ 第2のマスタセット検知手段 62 先端検知手段 62A 第1の先端検知手段 62B 第2の先端検知手段 70B マスタ搬送手段としてのマスタ送り
出しローラ 80 製版装置ユニット 161 芯材摩擦回転駆動手段としての駆動
ローラ 163 軸嵌合回転駆動手段としての駆動軸

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタがロール状に巻かれて形成されたマ
    スタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマスタ
    貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記マ
    スタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁断
    手段とを具備する製版装置において、 上記製版装置の本体に対して挿脱可能に設けられた、上
    記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセット可
    能なマスタロール保持部と、 上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手
    段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動手段
    と、 上記マスタロールの径の変化に対応して上記マスタロー
    ルの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタの先端を
    上記マスタロールから剥す剥離手段と、 を有することを特徴とする製版装置。
  2. 【請求項2】マスタがロール状に巻かれて形成されたマ
    スタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマスタ
    貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記マ
    スタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁断
    手段とを具備する製版装置において、 上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセット
    可能なマスタロール保持部および上記製版手段が製版装
    置ユニットを構成していて、この製版装置ユニットが印
    刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられており、 上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手
    段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動手段
    と、 上記マスタロールの径の変化に対応して上記マスタロー
    ルの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタの先端を
    上記マスタロールから剥す剥離手段と、 を有することを特徴とする製版装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の製版装置におい
    て、 上記回転駆動手段は、上記マスタの繰り出し方向と逆方
    向に回転された後、上記マスタの繰り出し方向に回転さ
    れることを特徴とする製版装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の製版装置において、 上記回転駆動手段は、上記マスタロールが上記マスタロ
    ール保持部にセットされ、同マスタロール保持部が上記
    製版装置の本体内に挿入されたときに、上記マスタの繰
    り出し方向と逆方向に回転された後、上記マスタの繰り
    出し方向に回転されることを特徴とする製版装置。
  5. 【請求項5】請求項2記載の製版装置において、 上記回転駆動手段は、上記マスタロールが上記マスタロ
    ール保持部にセットされ、上記製版装置ユニットが上記
    印刷装置の本体内に挿入されたときに、上記マスタの繰
    り出し方向と逆方向に回転された後、上記マスタの繰り
    出し方向に回転されることを特徴とする製版装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5の何れか一つに記載の製
    版装置において、 上記製版手段は、上記マスタを選択的に加熱穿孔するサ
    ーマルヘッドと、このサーマルヘッドとの間に上記マス
    タを押圧しながら回転するプラテンローラとを有し、 上記サーマルヘッドおよび上記プラテンローラは、上記
    マスタの先端が到達するまでの間、その何れか一方が他
    方に対して離され、上記マスタの先端が上記サーマルヘ
    ッドおよび上記プラテンローラの設置位置に達した時点
    でその何れか一方が他方に対して当接して上記マスタを
    押圧することを特徴とする製版装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れか一つに記載の製
    版装置において、 上記製版手段は、上記マスタを選択的に加熱穿孔するサ
    ーマルヘッドと、このサーマルヘッドとの間に上記マス
    タを押圧しながら回転するプラテンローラとを有し、 上記マスタの先端が上記サーマルヘッドおよび上記プラ
    テンローラの設置位置に達した時点で、上記サーマルヘ
    ッドおよび上記プラテンローラによる上記マスタの押圧
    動作が断続されることを特徴とする製版装置。
  8. 【請求項8】マスタがロール状に巻かれて形成されたマ
    スタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマスタ
    貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記マ
    スタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁断
    手段とを具備する製版装置において、 上記製版装置の本体に対して挿脱可能に設けられた、上
    記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセット可
    能なマスタロール保持部と、 上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手
    段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動手段
    と、 上記マスタロールの径の変化に対応して上記マスタロー
    ルの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタの先端を
    上記マスタロールから剥す剥離手段と、 上記製版手段による上記マスタを介しての接離動作を行
    わせるプラテン圧制御部と、 上記製版装置の本体側に設けられ、上記回転駆動手段の
    動作開始時期を検知する作動検知手段と、 上記マスタの先端が繰り出される方向に位置し、上記マ
    スタの先端の通過を検知する先端検知手段と、 上記作動検知手段および上記先端検知手段が入力側に接
    続され、上記回転駆動手段および上記プラテン圧制御部
    が出力側に接続されている制御部とを有し、 上記制御部は、上記作動検知手段からの検知信号に基づ
    き、上記回転駆動手段を動作させて上記マスタロールか
    ら剥がした上記マスタの先端を上記先端検知手段により
    検知されるまでの間繰り出すとともに、上記先端検知手
    段による上記マスタ先端の検知信号に基づき、上記プラ
    テン圧制御部を駆動させて上記製版手段による上記マス
    タの押圧可能な状態を設定することを特徴とする製版装
    置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の製版装置において、 上記作動検知手段は、上記マスタロール保持部が上記製
    版装置の本体内に挿入されたときに占める挿入位置にあ
    ることを検知する第1のマスタセット検知手段からな
    り、 上記制御部は、第1のマスタセット検知手段により、上
    記マスタロール保持部が上記挿入位置から外れたことが
    検知されたときに、上記プラテン圧制御部を駆動して、
    上記製版手段による上記マスタの押圧が解除される状態
    に設定することを特徴とする製版装置。
  10. 【請求項10】マスタがロール状に巻かれて形成された
    マスタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマス
    タ貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記
    マスタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁
    断手段とを具備する製版装置において、 上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセット
    可能なマスタロール保持部および上記製版手段が製版装
    置ユニットを構成していて、この製版装置ユニットが印
    刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられており、 上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手
    段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動手段
    と、 上記マスタロールの径の変化に対応して上記マスタロー
    ルの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタの先端を
    上記マスタロールから剥す剥離手段と、 上記製版手段による上記マスタを介しての接離動作を行
    わせるプラテン圧制御部と、 上記印刷装置の本体側に設けられ、上記回転駆動手段の
    動作開始時期を検知する作動検知手段と、 上記マスタの先端が繰り出される方向に位置し、上記マ
    スタの先端の通過を検知する先端検知手段と、 上記作動検知手段および上記先端検知手段が入力側に接
    続され、上記回転駆動手段および上記プラテン圧制御部
    が出力側に接続されている制御部とを有し、 上記制御部は、上記作動検知手段からの検知信号に基づ
    き、上記回転駆動手段を動作させて上記マスタロールか
    ら剥がした上記マスタの先端を上記先端検知手段により
    検知されるまでの間繰り出すとともに、上記先端検知手
    段による上記マスタ先端の検知信号に基づき、上記プラ
    テン圧制御部を駆動させて上記製版手段による上記マス
    タの押圧可能な状態を設定することを特徴とする製版装
    置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の製版装置において、 上記作動検知手段は、上記製版装置ユニットが上記印刷
    装置の本体内に挿入されたときに占めるユニット挿入位
    置にあることを検知する第2のマスタセット検知手段か
    らなり、 上記制御部は、第2のマスタセット検知手段により、上
    記製版装置ユニットが上記ユニット挿入位置から外れた
    ことが検知されたときに、上記プラテン圧制御部を駆動
    して、上記製版手段による上記マスタの押圧が解除され
    る状態に設定することを特徴とする製版装置。
  12. 【請求項12】マスタがロール状に巻かれて形成された
    マスタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマス
    タ貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記
    マスタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁
    断手段とを具備する製版装置において、 上記製版装置の本体に対して挿脱可能に設けられた、上
    記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセット可
    能なマスタロール保持部と、 上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手
    段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動手段
    と、 上記マスタロールの径の変化に対応して上記マスタロー
    ルの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタの先端を
    上記マスタロールから剥す剥離手段と、 上記製版手段による上記マスタを介しての接離動作を行
    わせるプラテン圧制御部と、 上記回転駆動手段の動作開始時期を設定する作動設定手
    段と、 上記マスタの先端が繰り出される方向に位置し、上記マ
    スタの先端の通過を検知する先端検知手段と、 上記作動設定手段および上記先端検知手段が入力側に接
    続され、上記回転駆動手段および上記プラテン圧制御部
    が出力側に接続されている制御部とを有し、 上記制御部は、上記作動設定手段からの設定信号に基づ
    き、上記回転駆動手段を動作させて上記マスタロールか
    ら剥がした上記マスタの先端を上記先端検知手段により
    検知されるまでの間繰り出すとともに、上記先端検知手
    段による上記マスタ先端の検知信号に基づき、上記プラ
    テン圧制御部を駆動させて上記製版手段による上記マス
    タの押圧可能な状態を設定することを特徴とする製版装
    置。
  13. 【請求項13】マスタがロール状に巻かれて形成された
    マスタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマス
    タ貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記
    マスタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁
    断手段とを具備する製版装置において、 上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセット
    可能なマスタロール保持部および上記製版手段が製版装
    置ユニットを構成していて、この製版装置ユニットが印
    刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられており、 上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手
    段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動手段
    と、 上記マスタロールの径の変化に対応して上記マスタロー
    ルの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタの先端を
    上記マスタロールから剥す剥離手段と、 上記製版手段による上記マスタを介しての接離動作を行
    わせるプラテン圧制御部と、 上記回転駆動手段の動作開始時期を設定する作動設定手
    段と、 上記マスタの先端が繰り出される方向に位置し、上記マ
    スタの先端の通過を検知する先端検知手段と、 上記作動設定手段および上記先端検知手段が入力側に接
    続され、上記回転駆動手段および上記プラテン圧制御部
    が出力側に接続されている制御部とを有し、 上記制御部は、上記作動設定手段からの設定信号に基づ
    き、上記回転駆動手段を動作させて上記マスタロールか
    ら剥がした上記マスタの先端を上記先端検知手段により
    検知されるまでの間繰り出すとともに、上記先端検知手
    段による上記マスタ先端の検知信号に基づき、上記プラ
    テン圧制御部を駆動させて上記製版手段による上記マス
    タの押圧可能な状態を設定することを特徴とする製版装
    置。
  14. 【請求項14】請求項8ないし13の何れか一つに記載
    の製版装置において、 上記制御部は、上記先端検知手段からの検知信号に基づ
    いて、上記プラテン圧制御部における上記マスタの押圧
    動作を断続させることを特徴とする製版装置。
  15. 【請求項15】マスタがロール状に巻かれて形成された
    マスタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマス
    タ貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記
    マスタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁
    断手段とを具備する製版装置において、 上記製版装置の本体に対して挿脱可能に設けられた、上
    記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセット可
    能なマスタロール保持部と、 上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手
    段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動手段
    と、 上記マスタロールの径の変化に対応して上記マスタロー
    ルの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタの先端を
    上記マスタロールから剥す剥離手段と、 上記剥離手段に当接して上記マスタロールから剥がされ
    た上記マスタの先端を搬送するマスタ搬送手段と、 を有することを特徴とする製版装置。
  16. 【請求項16】請求項1,4,8,9,12または15
    記載の製版装置において、 上記剥離手段は、上記マスタロール保持部が上記製版装
    置の本体に挿入されたときに占める挿入位置に移動する
    のに連動して、上記マスタロールの外周面に近接もしく
    は当接することにより上記マスタの先端を上記マスタロ
    ールから剥がすことを特徴とする製版装置。
  17. 【請求項17】マスタがロール状に巻かれて形成された
    マスタロールからマスタを繰り出し可能に貯容するマス
    タ貯容手段と、上記マスタロールから繰り出される上記
    マスタを製版する製版手段と、上記マスタを切断する裁
    断手段とを具備する製版装置において、 上記マスタ貯容手段を備え、上記マスタロールをセット
    可能なマスタロール保持部および上記製版手段が製版装
    置ユニットを構成していて、この製版装置ユニットが印
    刷装置の本体に対して挿脱可能に設けられており、 上記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手
    段に向け繰り出す方向に回転させるための回転駆動手段
    と、 上記マスタロールの径の変化に対応して上記マスタロー
    ルの外周面に近接もしくは当接し、上記マスタの先端を
    上記マスタロールから剥す剥離手段と、 上記剥離手段に当接して上記マスタロールから剥がされ
    た上記マスタの先端を搬送するマスタ搬送手段と、 を有することを特徴とする製版装置。
  18. 【請求項18】請求項2,5,10,11,13または
    16記載の製版装置において、 上記剥離手段は、上記製版装置ユニットが上記印刷装置
    の本体に挿入されたときに占めるユニット挿入位置に移
    動するのに連動して、上記マスタロールの外周面に近接
    もしくは当接することにより上記マスタの先端を上記マ
    スタロールから剥がすことを特徴とする製版装置。
  19. 【請求項19】請求項1ないし5または8ないし17の
    うちの何れか一つに記載の製版装置において、 上記製版手段は、上記マスタを選択的に加熱穿孔するサ
    ーマルヘッドと、このサーマルヘッドとの間に上記マス
    タを押圧しながら回転するプラテンローラとを有するこ
    とを特徴とする製版装置。
  20. 【請求項20】請求項1ないし19の何れか一つに記載
    の製版装置において、 上記剥離手段は、揺動可能な剥離爪からなり、この剥離
    爪の揺動端をその自重により上記マスタロールの外周面
    に当接させていることを特徴とする製版装置。
  21. 【請求項21】請求項20記載の製版装置において、 上記剥離爪は、弾性を有する薄片部を備えていることを
    特徴とする製版装置。
  22. 【請求項22】請求項20または21記載の製版装置に
    おいて、 上記剥離爪は、その平面視形状が、上記揺動端における
    マスタ幅方向中央部によって、上記マスタロールからマ
    スタの先端が最初に剥がされ、次いでマスタ幅方向両端
    に至る順で剥がされたマスタの先端が接触し繰り出され
    るように、上記マスタの繰り出し方向の上流側から下流
    側にかけて略八の字状に末広がりになっていることを特
    徴とする製版装置。
  23. 【請求項23】請求項20,21または22の何れか一
    つに記載の製版装置において、 上記剥離爪は、その揺動端が、上記マスタロールの外周
    面に向けて傾斜した傾斜部を備えていることを特徴とす
    る製版装置。
  24. 【請求項24】請求項1ないし23の何れか一つに記載
    の製版装置において、上記マスタ貯容手段には、上記マ
    スタロールの端面に当接可能であって、上記マスタロー
    ルにおける上記マスタの繰り出し方向と直交するマスタ
    幅方向の位置決めをするとともに、上記マスタロールか
    ら上記マスタを繰り出し回転させる際の回転方向と逆方
    向の抵抗力を生じさせる摩擦保持部材が備えられている
    ことを特徴とする製版装置。
  25. 【請求項25】請求項1ないし24の何れか一つに記載
    の製版装置において、 上記回転駆動手段が、上記マスタロールの軸方向に沿っ
    て複数に分割されて配置されたマスタ駆動ローラである
    ことを特徴とする製版装置。
  26. 【請求項26】請求項1ないし25の何れか一つに記載
    の製版装置において、 上記回転駆動手段が、上記マスタロールの回転中心軸を
    中心とした所定の中心角をもって、上記マスタの繰り出
    し方向の上流側および下流側に配置されたマスタ駆動ロ
    ーラであることを特徴とする製版装置。
  27. 【請求項27】請求項1ないし26の何れか一つに記載
    の製版装置において、 上記回転駆動手段が上記マスタロールの外周面に接触し
    て従動回転可能に構成されたマスタ回転用従動ローラ
    と、上記マスタロールの外周面に摩擦係合し、上記マス
    タロールをして上記マスタの先端を上記製版手段に向け
    繰り出す方向に回転させる摩擦回転駆動手段とを有する
    ことを特徴とする製版装置。
  28. 【請求項28】請求項1ないし26の何れか一つに記載
    の製版装置において、 上記マスタが芯材の周りに巻き付けられて形成された、
    上記芯材の両端が上記マスタロールの両方の端面から外
    方に突出したマスタロールを上記マスタロール保持部に
    セットするときに、 上記芯材における両端の突出部を嵌入させて回転可能に
    支持する挿嵌部を上記マスタ貯容手段に設けたことを特
    徴とする製版装置。
  29. 【請求項29】請求項28記載の製版装置において、 上記芯材の両端部の外周面に摩擦接触する芯材摩擦回転
    駆動手段を有することを特徴とする製版装置。
  30. 【請求項30】請求項1ないし26の何れか一つに記載
    の製版装置において、 上記マスタをパイプ状の芯材の周りに巻き付けられて形
    成されたマスタロールの上記芯材の内周面に嵌合し、上
    記マスタロールをして上記マスタの先端を上記製版手段
    に向け繰り出す方向に回転させる軸嵌合回転駆動手段を
    有していることを特徴とする製版装置。
  31. 【請求項31】請求項1ないし30の何れか一つに記載
    の製版装置に用いる製版用マスタであって、 上記マスタロールの中心に上記マスタを巻き付ける芯材
    を備え、この芯材の外周面に低反射率部を有することを
    特徴とする製版用マスタ。
  32. 【請求項32】請求項1ないし26の何れか一つに記載
    の製版装置に用いる製版用マスタであって、 上記マスタロールの中心に芯材を有することなく、上記
    マスタが、自身のマスタの周りに巻かれて形成されてい
    ることを特徴とする製版用マスタ。
JP8170040A 1995-07-31 1996-06-28 製版装置およびそれに用いる製版用マスタ Pending JPH0999620A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8170040A JPH0999620A (ja) 1995-07-31 1996-06-28 製版装置およびそれに用いる製版用マスタ
US08/690,547 US5782179A (en) 1995-07-31 1996-07-31 Automatic stencil feeding and making device

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19530895 1995-07-31
JP7-195308 1995-07-31
JP19531095 1995-07-31
JP7-195310 1995-07-31
JP8170040A JPH0999620A (ja) 1995-07-31 1996-06-28 製版装置およびそれに用いる製版用マスタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0999620A true JPH0999620A (ja) 1997-04-15

Family

ID=27323286

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8170040A Pending JPH0999620A (ja) 1995-07-31 1996-06-28 製版装置およびそれに用いる製版用マスタ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5782179A (ja)
JP (1) JPH0999620A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009107226A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Riso Kagaku Corp マスターオートローディング装置および孔版印刷装置
CN113524877A (zh) * 2021-08-18 2021-10-22 曲阜市玉樵夫科技有限公司 一种丝网制版机打印组件及其控制方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100244166B1 (ko) * 1995-07-31 2000-03-02 스기타 케이지 제판용 마스터 및 이를 이용한 제판장치
JP3416004B2 (ja) * 1995-12-18 2003-06-16 セイコーエプソン株式会社 製版シートおよび製版シート群並びにその印刷装置
TW332177B (en) * 1995-12-28 1998-05-21 Kingdom Kk The printing method and its apparatus
US6113346A (en) 1996-07-31 2000-09-05 Agfa Corporation Method for loading and unloading a supply of plates in an automated plate handler
JPH10202996A (ja) * 1997-01-27 1998-08-04 Tohoku Ricoh Co Ltd 製版装置および製版印刷装置
JPH10291699A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Riso Kagaku Corp 記録体ロール支持装置
JPH11268390A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 Riso Kagaku Corp 製版印刷装置
JP4346760B2 (ja) 1999-11-30 2009-10-21 東北リコー株式会社 印刷装置における製版給版装置
ITMI20021759A1 (it) * 2002-08-02 2004-02-03 Siasprint S R L Macchina per stampa serigrafica a registro semplificato
JP4307935B2 (ja) * 2003-08-28 2009-08-05 大日本スクリーン製造株式会社 画像記録装置
KR101466172B1 (ko) * 2013-05-30 2014-11-28 현대제철 주식회사 벨트 포설장치

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5916787A (ja) * 1982-07-19 1984-01-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd ロ−ル式感熱孔版印刷用原紙
JPS5916792A (ja) * 1982-07-19 1984-01-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd ロ−ル式孔版印刷用原紙
JPS6384340U (ja) * 1986-09-09 1988-06-02
JPS63178134A (ja) * 1986-09-22 1988-07-22 Asahi Chem Ind Co Ltd 芳香族ポリケトン系共重合体及びその製造方法
US5375516A (en) * 1992-07-16 1994-12-27 Riso Kagaku Corporation Stencil printing device having a plurality of printing drums arranged on an incline
JPH0632041A (ja) * 1992-07-17 1994-02-08 Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置におけるロール状孔版原紙の装着制御方法
JP2803950B2 (ja) * 1993-02-04 1998-09-24 東北リコー株式会社 原紙供給装置
JP2790963B2 (ja) * 1993-06-30 1998-08-27 東北リコー株式会社 印刷装置
JP3466283B2 (ja) * 1993-09-13 2003-11-10 東北リコー株式会社 孔版製版装置及びマスタ貯容ユニット
JP2843238B2 (ja) * 1993-09-30 1999-01-06 東北リコー株式会社 印刷機における製版及び給版装置
JP3422826B2 (ja) * 1993-11-09 2003-06-30 理想科学工業株式会社 孔版印刷装置
US5558019A (en) * 1994-11-21 1996-09-24 Riso Kagaku Corporation Rotary printing machine

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009107226A (ja) * 2007-10-30 2009-05-21 Riso Kagaku Corp マスターオートローディング装置および孔版印刷装置
CN113524877A (zh) * 2021-08-18 2021-10-22 曲阜市玉樵夫科技有限公司 一种丝网制版机打印组件及其控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
US5782179A (en) 1998-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09201934A (ja) シートロールの自動先端剥離装置および製版装置
JPH0999620A (ja) 製版装置およびそれに用いる製版用マスタ
EP1110741B1 (en) Paper roll loading method and printer using the method
KR100244166B1 (ko) 제판용 마스터 및 이를 이용한 제판장치
US6076460A (en) Master making device and stencil printer including the same
JP3267809B2 (ja) 孔版印刷装置の排版装置
JP3957791B2 (ja) 製版書込み装置
JP3933905B2 (ja) 印刷装置
JP2843238B2 (ja) 印刷機における製版及び給版装置
JP2863319B2 (ja) 製版用マスタおよび製版装置
JP2000301818A (ja) 印刷装置
JP3768631B2 (ja) 製版印刷装置
JP4903438B2 (ja) 印刷装置および孔版印刷装置
JP4495990B2 (ja) 印刷装置および印刷装置の係止手段調整方法
JP4213938B2 (ja) 印刷装置における給版装置および印刷装置の給版方法
GB2321877A (en) Stencil perforating device
JP2003081462A (ja) 印刷方法および印刷装置
JP2002036511A (ja) 印刷装置
JP4157613B2 (ja) マスタ貯容ユニット及び印刷装置
JP3939954B2 (ja) 製版装置および製版印刷装置
JP3222636B2 (ja) 孔版印刷装置の製版装置
JPH06270524A (ja) 輪転印刷機
JPH0839917A (ja) 孔版式製版印刷装置におけるマスタ着脱方法及びマスタ着脱用カセット
JPH09104157A (ja) 孔版式製版印刷装置
JP2001072283A (ja) 画像形成装置の給紙装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060313

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060718