JP2000301818A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JP2000301818A
JP2000301818A JP11116277A JP11627799A JP2000301818A JP 2000301818 A JP2000301818 A JP 2000301818A JP 11116277 A JP11116277 A JP 11116277A JP 11627799 A JP11627799 A JP 11627799A JP 2000301818 A JP2000301818 A JP 2000301818A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な印刷条件に応じて、印刷用紙を版胴か
ら確実に剥離して用紙巻き上がり等を防止する。 【解決手段】 剥離ファン68により版胴1と印刷用紙
Pとの間に送風して版胴1から印刷用紙Pを剥離する印
刷装置において、版胴1と印刷用紙Pとの間であって版
胴1の端面側から見て上下方向Zに送風Aの方向を変え
る上下風向可変手段130と、用紙幅方向Xに送風Aの
方向を変える用紙幅風向可変手段115とを備えた風向
可変手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置等を
含む印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より簡便な印刷方式として、感熱デ
ジタル製版式の孔版印刷装置が知られている。この孔版
印刷装置では、サーマルヘッドの微細な発熱素子に感熱
孔版マスタ(以下、単に「マスタ」という)を接触さ
せ、サーマルヘッドの発熱素子にパルス的に通電させな
がらマスタを搬送することで、画像信号に応じてマスタ
を加熱穿孔・製版し、この製版済みのマスタを多孔性円
筒状の版胴の外周面に巻き付けた後で、版胴内部のイン
キ供給手段よりインキを供給し、給紙部から給送されて
くる印刷用紙をプレスローラや圧胴等の押圧手段で製版
済みのマスタを介して版胴に連続的に押し付け印圧を付
与することにより、版胴の開孔部分、さらにはマスタの
穿孔部分よりインキを滲み出させ、そのインキを印刷用
紙に転移させることによって印刷画像を形成する。そし
て、印刷画像が形成された印刷済みの印刷用紙を、剥離
ファンおよび/または剥離爪、あるいは剥離爪に空気吐
出機能を持たせたエアナイフとも呼ばれているエア剥離
爪を用いて、インキの粘着力によって版胴上のマスタに
付着している印刷済みの印刷用紙の先端部を版胴から剥
離して、適宜、吸引ファン等を備えた排紙搬送装置に受
け渡し、排紙台へ排出し積載するようになっている。
【0003】このような孔版印刷装置では、多種多様な
印刷用紙が使用されている。一般に、印刷用紙は、主と
してその厚さに着目して、標準紙、薄紙、厚紙に分類さ
れているが、さらに細かくはその表面性状や紙質を加味
して、標準紙、更紙、薄紙、厚紙、特殊に分類すること
ができる。このように細分類したものの具体的な用途例
を挙げると以下のようである。すなわち、標準紙として
は上質紙(上質55kg紙、孔版上質紙等)、中質紙、
再生紙等がある。薄紙としては薄手ののし紙や上質45
kg紙等があり、厚紙としては上質135kg以上の
紙、画用紙、ハガキ等があり、特殊紙としては封筒(角
形、長形)等がある。ところで、孔版印刷装置では、印
刷用紙がインキの粘着力により版胴から剥離されないで
版胴に貼り付いたままとなる「用紙巻き上がり」と呼ば
れている特有の不具合が発生しやすいことが知られてい
る。このような用紙巻き上がり現象について、例えば、
特開平9−193526号公報記載の技術では、用紙巻
き上がり要因系の考察を行い、剥離ファンから送風され
る送風量を送風量調整手段で調整して印刷用紙と版胴と
の間に送風することにより、印刷用紙の先端部を版胴か
ら浮き上がらせ、剥離部材で印刷用紙を版胴から剥離す
ることによって、用紙巻き上がりが発生しやすい条件の
下では送風量調整手段により送風量を多くすることで、
印刷用紙を版胴から確実に剥離して用紙巻き上がりを防
止し、一方、印刷用紙を版胴から剥離しやすい(用紙巻
き上がりが発生しにくい)条件の下では送風量調整手段
により送風量を少なくすることで、剥離ファンの動作音
や送風音を小さくすることができたり、剥離ファンによ
り印刷用紙と版胴の間にさらに送風することにより、印
刷用紙を均一に版胴から剥離することで印刷用紙に印刷
された画像に濃度ムラが生じるのを防止できる技術が開
示されている。上記技術においても大部分が考察・開示
されているが、用紙巻き上がり要因としては、印刷用紙
に印刷される画像の画像量の多少や、版胴の回転速度
(印刷速度)の遅速や、温・湿度等の環境条件の変動
や、あるいは印刷用紙の種類の違い(特に印刷用紙の厚
さの違い)等の様々な印刷条件を挙げることができる。
そして、印刷条件ごとの用紙巻き上がりの発生頻度をま
とめると、一般的にまた経験上から、以下のようである
(後述する表1参照)。すなわち、画像量については、
画像量が多いほど、印刷用紙に転移するインキの量が多
くなることから、用紙巻き上がりが発生しやすくなり、
画像量が少ないほど、用紙巻き上がりが発生しにくくな
る。特に印刷用紙の先端部分にベタ画像があるときに
は、印刷用紙の先端部が版胴から浮き上がらずに版胴に
貼り付いてしまう。印刷速度については、印刷速度が遅
いほど、版胴上の製版済みのマスタに印刷用紙が押圧さ
れる時間が長くなって、印刷用紙に転移するインキの量
が多くなることから、用紙巻き上がりが発生しやすくな
り、これと反対に印刷速度が速くなるほど、用紙巻き上
がりが発生しにくくなる。使用される印刷用紙の厚さが
薄いほど、いわゆる紙の腰が弱く円筒状の版胴から剥が
れにくくなるため、用紙巻き上がりが発生しやすくな
り、これと反対に印刷用紙の厚さが厚くなるほど、紙の
腰が強くなって円筒状の版胴から剥がれやすくなるた
め、用紙巻き上がりが発生しにくくなる。また、使用環
境としては、温度や湿度が高いほど、印刷用紙に転移す
るインキの量が多くなることや、紙の腰が弱くなること
から用紙巻き上がりが発生しやすくなり、これと反対に
温度や湿度が低いほど、用紙巻き上がりが発生しにくく
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−19352
6号公報記載の技術でも開示されている問題点である
が、剥離爪を単独で使用する剥離爪方式では、剥離爪の
先端部が印刷用紙に印刷された画像に接触すると、印刷
用紙の画像が剥離爪により擦られて汚れるいわゆる「爪
跡汚れ」が発生してしまうという問題点がある。
【0005】剥離ファン方式では、印刷中はいつも略同
じ回転速度(回転数)で回転し続けていて送風量が略一
定であるため、用紙巻き上がりが最も発生しやすい最悪
の印刷条件の下でも印刷用紙の先端部を版胴から浮き上
がらせて剥離すべく、送風量が多くなるように設定され
ているため、剥離ファンの動作音や送風音が大きくなっ
てしまうという問題点がある。これを別の面から見れ
ば、用紙巻き上がりが発生しにくい印刷条件の下でも必
要以上の送風量で同じ部位に送風していることとなり、
運転のために無駄なエネルギーを使っている場合が多く
なる、すなわちエネルギーの無駄遣いをしていて運転コ
ストが増加してしまうという問題点もある。エア剥離爪
方式では、エア吐出口が小さく、吐出圧が高いので、印
刷用紙に対するエア吐出領域が不均一となり、印刷用紙
に印刷された画像に濃度ムラが生じたり、騒音が大きく
なるという問題点がある。この問題点は、特に用紙幅方
向における用紙サイズが大きい印刷用紙を使用した場合
に顕著となる。
【0006】特開平9−193526号公報記載の技術
で言及されていない問題点としては以下のものが挙げら
れる。印刷用紙に対する印刷レジスト精度の向上、画像
濃度の安定および印刷時の静音化を図る目的で、給送さ
れて来た印刷用紙の先端部を保持する保持手段としての
開閉自在な用紙クランパを備えた圧胴を押圧手段として
用いたいわゆる「紙くわえ圧胴方式」の場合では、印刷
用紙の先端部のクランプ時において、剥離ファンからの
送風により印刷用紙の先端部があばれてしまうことによ
り、正常なクランプや用紙搬送を行えなかったり、印刷
用紙先端部の開放時において、用紙クランパから開放さ
れた印刷用紙の先端部を排紙爪や排紙搬送装置に安定し
て受け渡すことができなくなったりするという問題点が
ある。
【0007】したがって、本発明は、かかる問題点を解
決するために、版胴と印刷用紙との間に送風して版胴か
ら印刷用紙を剥離する剥離ファンを含む送風剥離手段を
用いた方式において、様々な印刷条件に応じて、印刷用
紙を版胴から確実に剥離して用紙巻き上がりを防止する
ことを第1の目的とする。また、剥離ファンの動作音や
送風音を大きくせずに、また省エネルギー化を図ること
を第2の目的とする。また、本発明は、紙くわえ圧胴方
式を採用した場合に、印刷用紙の先端部のクランプ時や
開放時において、印刷用紙の先端部のあばれを抑えると
共に、用紙クランパから開放された印刷用紙の先端部を
安定して搬送できるようにすることを第3の目的とす
る。さらに、本発明は、剥離ファンを含む送風剥離手段
と剥離爪等を含む剥離部材とを用いた方式を採用した場
合に、最悪でも用紙巻き上がりの発生やジャムの発生を
防止することを第4の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明は、マスタを巻装する版胴
の内部から該版胴上のマスタにインキを供給し、上記版
胴上のマスタに印刷用紙を押し付けて印刷用紙に印刷を
行い、送風剥離手段により上記版胴と印刷用紙との間に
送風して上記版胴から印刷用紙を剥離する印刷装置にお
いて、上記送風剥離手段からの送風の方向を変える風向
可変手段を有することを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の印
刷装置において、上記送風剥離手段は、剥離ファンから
なり、上記風向可変手段を該剥離ファンの送風吐出部に
設けたことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の印刷装置において、上記風向可変手段は上記版胴
と印刷用紙との間であって上記版胴の端面側から見て上
下方向に上記送風の方向を変える上下風向可変手段を備
えていることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1または2
記載の印刷装置において、上記風向可変手段は、用紙幅
方向に上記送風の方向を変える用紙幅風向可変手段を備
えていることを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項4記載の印
刷装置において、上記風向可変手段は、上記版胴と印刷
用紙との間であって上記版胴の端面側から見て上下方向
に上記送風の方向を変える上下風向可変手段を備えてい
ることを特徴とする。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項3記載の印
刷装置において、上記上下風向可変手段は、これを駆動
する駆動手段を備えており、印刷用紙が上記版胴から剥
離されないで上記版胴に貼り付いたままとなる用紙巻き
上がり要因の特性値を検出する特性値検出手段と、この
特性値検出手段からの出力信号に基づいて、上記送風が
用紙搬送方向における印刷用紙の予め設定された部位に
当たるように上記駆動手段を制御する制御手段とを有す
ることを特徴とする。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項4記載の印
刷装置において、上記用紙幅風向可変手段は、これを駆
動する駆動手段を備えており、印刷用紙が上記版胴から
剥離されないで上記版胴に貼り付いたままとなる用紙巻
き上がり要因の特性値を検出する特性値検出手段と、こ
の特性値検出手段からの出力信号に基づいて、上記送風
が上記用紙幅方向における印刷用紙の予め設定された部
位に当たるように上記駆動手段を制御する制御手段とを
有することを特徴とする。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項5記載の印
刷装置において、上記上下風向可変手段および上記用紙
幅風向可変手段は、これらをそれぞれ駆動する駆動手段
を備えており、印刷用紙が上記版胴から剥離されないで
上記版胴に貼り付いたままとなる用紙巻き上がり要因の
特性値を検出する特性値検出手段と、この特性値検出手
段からの出力信号に基づいて、上記送風が用紙搬送方向
および用紙幅方向における印刷用紙の予め設定された部
位に当たるように上記各駆動手段を制御する制御手段と
を有することを特徴とする。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項6,7また
は8記載の印刷装置において、上記用紙巻き上がり要因
の特性が、印刷用紙に印刷される画像の画像量であり、
上記特性値検出手段は、上記画像の画像量を検出する画
像量検出手段からなることを特徴とする。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項6,7ま
たは8記載の印刷装置において、上記用紙巻き上がり要
因の特性が、上記版胴の回転速度であり、上記特性値検
出手段は、上記回転速度を検出する回転速度検出手段か
らなることを特徴とする。
【0018】請求項11記載の発明は、請求項6,7ま
たは8記載の印刷装置において、上記用紙巻き上がり要
因の特性が、上記印刷装置本体の内部および外部の温度
のうちの少なくとも一方の温度であり、上記特性値検出
手段は、上記少なくとも一方の温度を検出する温度検出
手段からなることを特徴とする。
【0019】請求項12記載の発明は、請求項6,7ま
たは8記載の印刷装置において、上記用紙巻き上がり要
因の特性が、上記印刷装置本体の内部および外部の湿度
のうちの少なくとも一方の湿度であり、上記特性値検出
手段は、上記少なくとも一方の湿度を検出する湿度検出
手段からなることを特徴とする。
【0020】請求項13記載の発明は、請求項6,7ま
たは8記載の印刷装置において、上記用紙巻き上がり要
因の特性が、印刷用紙の厚さであり、上記特性値検出手
段は、上記厚さを検出する厚さ検出手段からなることを
特徴とする。
【0021】請求項14記載の発明は、請求項6ないし
13の何れか一つに記載の印刷装置において、上記各制
御手段は、少なくとも二つ以上の上記特性値検出手段か
らの各出力信号に基づいて、上記送風が上記用紙搬送方
向および/または上記用紙幅方向における印刷用紙の予
め設定された部位に当たるように上記各駆動手段を制御
することを特徴とする。
【0022】請求項15記載の発明は、請求項4または
5記載の印刷装置において、上記用紙幅風向可変手段
は、これを駆動する駆動手段を備えており、印刷用紙の
サイズを検出する用紙サイズ検出手段と、この用紙サイ
ズ検出手段からの出力信号に基づいて、上記送風が上記
用紙幅方向における印刷用紙の予め設定された部位に当
たるように上記駆動手段を制御する制御手段とを有する
ことを特徴とする。
【0023】請求項16記載の発明は、請求項3または
5記載の印刷装置において、上記上下風向可変手段は、
これを駆動する駆動手段を備えており、給送されて来た
印刷用紙の先端部を保持する保持手段を備え上記版胴の
外径と略同径の圧胴と、上記保持手段により印刷用紙の
先端部が保持されるときおよび上記保持手段から印刷用
紙の先端部が離れるとき、上記送風が用紙搬送方向にお
ける印刷用紙のそれぞれ予め設定された部位に当たるよ
うに上記駆動手段を制御する制御手段とを有することを
特徴とする。ここで、「版胴の外径と略同径の圧胴」と
は、版胴の外径寸法が圧胴の外径寸法と同じであるもの
の他、設計上の寸法公差範囲内にある場合も含む。版胴
に対して圧胴を相対的に押し付けて印刷を行う方式に
は、版胴に対して圧胴を押し付けて印刷を行う圧胴接離
方式と、圧胴に対して版胴を押し付けて印刷を行う版胴
接離方式と、それらの併用方式とがある。圧胴接離方式
の具体例としては、後述する発明の実施の形態における
圧胴およびその接離手段が挙げられる。一方、版胴接離
方式には、版胴が圧胴側へ移動(版胴内部のインキロー
ラが圧胴側へ突出するタイプも含む)して印刷を行う周
知のものが挙げられる。請求項6,7,8,14,15
および16記載の発明における各御手段の具体例として
は、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ等が好
ましく用いられる。
【0024】請求項17記載の発明は、請求項1ないし
16の何れか一つに記載の印刷装置において、上記版胴
の近傍に配設され、上記版胴から印刷用紙を剥離する剥
離部材を有することを特徴とする。
【0025】上述したように、本発明は、上記技術と一
部同様の技術課題を有しているものの、上記技術とは異
なる構成を採ることによって、上記技術では示唆すらさ
れていなかった課題を解決できる技術思想に基づいてな
されたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して実施例を含む
本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)
を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形
状等を有する部材や構成部品等については、同一符号を
付すことによりその説明をできるだけ省略する。図にお
いて一対で構成されていて特別に区別して説明する必要
がない部材や構成部品は、説明の簡明化を図る上から、
その片方を適宜記載することでその説明に代えるものと
する。図および説明の簡明化を図るため、図に表される
べき部材や構成部品であっても、その図において特別に
説明する必要がない部材や構成部品は適宜断わりなく省
略することがある。 (実施形態1)以下、本発明の第1の実施形態(以下、
単に「実施形態1」という)について説明する。まず、
図11および図12を参照して、本発明を適用した印刷
装置の概要を説明する。図12において、符号200
は、印刷装置の一例としての孔版印刷装置を示し、符号
201は、外形形状が略筐体状をなす本体フレームを示
す。本体フレーム201には、孔版印刷装置200を構
成している各種の部材や構成部品を支持したり、取り付
けたりしている各種の側板が配設されている。
【0027】孔版印刷装置200は、図12に示すよう
に、製版されたマスタ2を外周面に巻き付ける円筒状の
版胴1と、版胴1の左方に配設され、すでに版胴1に巻
装されている使用済みのマスタ2を版胴1の外周面から
剥離し収納する排版部18と、版胴1の右方に配設さ
れ、マスタ2を製版し搬送する製版部19と、版胴1、
排版部18および製版部19の上方に配設され、原稿を
読み取る原稿読取部58と、版胴1の内部に配設され版
胴1上のマスタ2にインキを供給するインキ供給装置2
2と、版胴1の下方に配設され給送されて来た印刷用紙
Pの先端部を挾持・保持する保持手段としての用紙クラ
ンパ21を備え、版胴1の外周面上のマスタ2に印刷用
紙Pを押し付ける圧胴20と、圧胴20の右方に配設さ
れ印刷用紙Pの先端を圧胴20の用紙クランパ21に向
けて給送する給紙部29と、圧胴20の左方に配設され
た排紙部43とを具備している。
【0028】版胴1は、多孔構造の支持円筒体とその外
周面に巻装された複数層のメッシュスクリーン(図示せ
ず)とを有し、軸パイプ11の周りに回転可能に支持さ
れている。版胴1は、複数の印刷速度に対応してその回
転速度を変えることが可能なようにメインモータ60を
含む駆動系を介して回転される。このメインモータ60
は、例えばDCモータからなり、本体フレーム201の
上記側板側に固設されていて、後述するように給紙駆動
系に駆動力を伝達しないようになされているので従来の
メインモータよりも小型化されている。図12におい
て、メインモータ60の出力軸60aには、エンコーダ
61が取り付けられている。エンコーダ61は、インク
リメンタル型のフォトロータリエンコーダからなる。エ
ンコーダ61近傍の上記側板側には、エンコーダ61を
所定の間隔をもって挾み付ける発光部および受光部を具
備した透過型の光学センサからなる印刷速度検知センサ
62が配設されている。メインモータ60の回転駆動に
よるエンコーダ61および印刷速度検知センサ62の回
転動作に協働して発生された所定のパルスを印刷速度検
知センサ62で検出することにより、版胴1の回転速度
が検出されるようになっている。印刷速度検知センサ6
2は、版胴1の回転速度を検出する回転速度検出手段の
機能を有し、印刷速度検知センサ62からの出力信号等
に基づいて、メインモータ60を介して版胴1の回転速
度の制御がなされるようになっている。
【0029】マスタクランパ12は、円筒体の外周面の
母線に沿って設けられた強磁性体よりなるステージ(図
示せず)に対向し、マスタクランパ軸12aを介して回
動可能に支持されていて、上記ステージと対向する面に
磁石を貼着されて構成されている。マスタクランパ12
は、版胴1が所定の回転位置を占めたときに、開閉装置
(図示せず)により駆動力を伝達されて開閉される。製
版部19は、芯管10aにロール状に巻かれて形成され
たマスタロール10からマスタ2を繰り出し可能に支持
する支持軸10bと、マスタ2を搬送するプラテンロー
ラ9と、プラテンローラ9に対して接離自在に設けられ
たサーマルヘッド17と、プラテンローラ9の下流側に
設けられ、マスタ2を切断する上下一対のカッタ部材4
と、マスタ2の先端をマスタクランパ12へ向けて送り
出す給版ローラ対5a,5bとを具備している。
【0030】プラテンローラ9は、その軸を回転自在に
支持されており、パルスモータ6により所定の周速度で
回転駆動され、マスタ2をサーマルヘッド17に押圧し
ながら搬送する。サーマルヘッド17は、マスタ2の幅
方向に1列に配列された複数の発熱素子を有し、周知の
接離機構(図示せず)によって、プラテンローラ9に接
離自在に設けられている。サーマルヘッド17は、原稿
読取部58のA/D変換部およびサーマルヘッド駆動制
御部等で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づ
きマスタ2を選択的に加熱穿孔・製版し、穿孔画像を形
成する機能を有する。上方のカッタ部材4は、カッタ駆
動モータ7で回転される偏心カム8により上下動され、
マスタ2を切断する。
【0031】インキ供給装置22は、版胴1と同方向に
同期して回転し、版胴1の内周面にインキ14を供給す
るインキローラ13と、インキローラ13と僅かな間隙
を置いて平行に配置され、インキローラ13との間にイ
ンキ溜り16を形成するドクターローラ15と、インキ
溜り16へインキ14を供給する軸パイプ11とを具備
している。インキローラ13、ドクターローラ15は、
軸パイプ11に固定された側板にそれぞれ回転自在に支
持されている。インキ溜り16からインキローラ13の
外周面に供給されたインキ14は、版胴1とインキロー
ラ13の外周面とに僅かに隙間を設けているために、版
胴1の内周面に供給される。インキ14は、適宜の位置
に配置されたインキパックからインキポンプにより圧送
され、軸パイプ11の供給穴よりインキ溜り16へ供給
される。
【0032】この孔版印刷装置200では、印刷用紙P
に対する印刷レジスト精度の向上、画像濃度の安定およ
び印刷時の静音化を図る目的で押圧手段として用紙クラ
ンパ21を備えた圧胴20を用いている。圧胴20は、
図11に示すように、その外径寸法D(直径)を版胴1
の外径寸法D(直径)と等しく形成されていて、版胴1
が1回転したとき、圧胴20も1回転する。このため、
図11に示すように、給送されて来た印刷用紙Pの先端
部を挾持する用紙クランパ21を圧胴20上に設けるこ
とができ、印刷用紙Pの先端を用紙クランパ21に突き
当てながら給紙することで、印刷用紙Pに対する印刷レ
ジスト精度を向上することができる。また、図11に
で示す圧胴20における用紙クランパ21の回転位置
(以下、「用紙くわえ位置」というときがある)で、印
刷用紙Pの先端を用紙クランパ21に突き当てた後、用
紙クランパ21が閉じることで、印刷用紙Pの先端部が
用紙クランパ21によりくわえられる。次いで、圧胴2
0における用紙クランパ21の回転位置が、→→
へと順次推移することで、の回転位置(以下、「用紙
排出位置」というときがある)で用紙クランパ21が開
き、インキが印刷用紙Pに転写されるの回転位置より
すぎた位置で印刷用紙Pの先端部が開放・排出されるの
で、印刷用紙Pがインキの粘着力により版胴1に巻き上
がりにくいという利点もある。
【0033】圧胴20の両端部の端板20bは、圧胴軸
23に固定支持されている。圧胴20の両端板20bの
外側には、軸受支持部およびベアリングからなるカムフ
ォロア(共に図示せず)をそれぞれ有する一対のアーム
25a,25bが配設されている。これらのアーム対2
5a、25bには、圧胴軸23が圧胴軸23の両端部に
装着された図示しない軸受を介してそれぞれ回転可能に
支持されている。これにより、圧胴20は、その圧胴軸
23の両端部が上記各軸受を介して上記軸受支持部にそ
れぞれ回転可能に支持されていることにより、回転自在
となっている。アーム対25a,25bの一方のアーム
25aの一端は、本体フレーム201側に配設された一
対の片方の側板(図示せず)に固定された支点軸24a
に軸受(図示せず)を介して支持されており、他方のア
ーム25bの一端は、上記他方の側板に軸受(図示せ
ず)を介して回転可能に支持された支点軸24bにより
支持されている。両支点軸24a,24bは、アーム対
25a,25bに対して同軸上に配設されている。
【0034】他方のアーム25bに回転可能に支持され
た支点軸24bの内側端部側には、圧胴20に回転を伝
える駆動ギア(図示せず)が固定されていて、アーム2
5b側の圧胴軸23には上記駆動ギアに噛み合う圧胴ギ
ア(図示せず)が固定されている。支点軸24bの外側
端部側には、版胴1の回転力を伝える歯付の圧胴側プー
リ(図示せず)が固定されていて、この圧胴側プーリと
版胴1の奥側の端板1aに取付けられた歯付の版胴側プ
ーリとの間には、歯付ベルト(図示せず)が巻き掛けら
れている。一方、版胴1の奥側の端板1aには、上記版
胴側プーリと同軸的に別のプーリが取付けられている。
これにより、上記メインモータの回転力が上記歯付ベル
トを介して上記別のプーリに伝達され、順次、上記版胴
側プーリ、上記歯付ベルト、上記圧胴側プーリ、上記駆
動ギヤ、上記圧胴ギヤと伝達されることによって、圧胴
20は、版胴1との押圧位置が同じとなるように、か
つ、版胴1の周速度と同じ周速度で反時計回り方向に回
転される。
【0035】圧胴20の外周部には、版胴1の外周面に
接触する円筒部と、版胴1におけるマスタクランパ12
との衝突を避けるためにD字状にくぼんだ凹部20aと
が形成されている。圧胴20は実施例的にいうと、その
本体部分には合成樹脂が使用されていて軽量化を図って
いると共に、上記円筒部の外周にはニトリルゴムが巻着
されていて圧胴20の回転ムラを低減している。圧胴2
0の凹部20aには、印刷用紙Pの先端部をクランプす
る用紙クランパ21が設けられている。用紙クランパ2
1にはマグネットを用いたクランプ方式が採用されてい
ると共に、用紙クランパ21は、凹部20aに配置され
た用紙クランパ軸にその基端部を固定されていて、図示
しないスプリングにより常に閉じる向きに付勢されてい
る。用紙クランパ21は、本体フレーム501側に設け
られたカム(図示せず)によって、所定のタイミングで
開き、印刷用紙Pの先端部をくわえた後閉じることで、
圧胴20の外周面上に印刷用紙Pが保持される。印刷用
紙Pが標準紙(普通紙)や薄紙等の場合には、用紙クラ
ンパ21によりその印刷用紙Pの先端から約2mm位ま
での用紙2の先端部がくわえられることによって、印刷
用紙Pが圧胴20の外周面上に保持される。一方、印刷
用紙Pが厚紙等の場合には、クランプ時における印刷用
紙Pの腰の強さが大きいことに伴うクランプ反力によっ
て用紙クランパ21が完全に閉じられずに、その用紙ク
ランパ21の先端部が版胴1の外周面上のマスタ2や上
記メッシュスクリーンに当たってインキが飛び散ったり
することを防止するために、印刷用紙Pの先端部をクラ
ンプしないで印刷用紙Pを回転搬送するように制御され
る。
【0036】圧胴20は、後述する接離手段により、版
胴1の外周面に対して接離自在に構成されている。接離
手段は、支点軸24a、24bを中心として圧胴20を
搖動するアーム対25a,25bと、アーム対25a,
25bの他端にそれぞれ回転自在に支持されたベアリン
グからなる一対のカムフォロア(図示せず)と、アーム
対25a,25bを版胴1に向けて付勢する一対の印圧
スプリング26a,26bと、上記一対のカムフォロア
に選択的にそれぞれ当接する一対のカム(図示せず)と
から主に構成される。
【0037】上記一対のカムは、図示を省略した歯付ベ
ルトで版胴1とメインモータ60とに連結されていて、
版胴1の回転と同期して回転するようになされている。
上記一対のカムは、版胴1におけるマスタクランパ12
配設部位を除く所定の印刷開孔領域に対して圧胴20に
おける凹部20aを除く外周部が押圧するように、その
輪郭周面が上記一対のカムフォロアに摺接するように形
成されている。印刷用紙Pの搬送ミス時や製版時におい
ては、圧胴20側の本体フレーム201側に配設された
圧解除ソレノイド(図示せず)等を具備した印圧解除機
構の作動によって、上記一対のカムと上記一対のカムフ
ォロアとが摺接しないように印圧解除をすることで、版
胴1と圧胴20とが押圧されずに圧胴20が版胴1から
離間するようになされており、搬送ミス等がない時に印
刷用紙Pを保持した圧胴20が一対の印圧スプリング2
6a,26bにより版胴1の外周面に押圧されるように
なっている。上記のとおり、圧胴20は、上記印圧解除
機構の作動および上記一対のカムの回転動作によって、
支点軸24a、24bを中心として、版胴1に押圧した
位置と、版胴1から離間した位置とに接離される。
【0038】印圧スプリング26a,26bは、圧胴2
0を版胴1に押圧する印圧力を発生させている。圧胴2
0の版胴1に対する押圧力を均一に働かせるために、圧
胴20の両端にあるアーム対25a,25bの1つ1つ
に印圧スプリング26a,26bをそれぞれ取り付けて
ある。なお、上記したメインモータを備えた駆動系およ
び上記接離手段等の詳細構成は、例えば特開平9−21
6448号公報の図1ないし図5等に示されているもの
と同じものを用いている。
【0039】圧胴20の右方には、給紙部29が配置さ
れている。給紙部29は、印刷用紙Pの先端部にたわみ
を形成した後、版胴1の外周面と圧胴20の外周面との
間に向けて印刷用紙Pの先端を送り出すレジスト手段と
しての上下一対のレジストローラ33a,33bと、印
刷用紙Pを積載して水平に昇降可能な給紙台31と、給
紙台31上の印刷用紙Pを1枚ずつ分離してレジストロ
ーラ対33a,33bに向けて印刷用紙Pの先端を給送
する呼出しローラ30、分離ローラ32および分離パッ
ド34を備えた給紙手段と、給紙台31上に積載された
印刷用紙Pの先端を突き当て揃える給紙前面板35と、
レジストローラ対33a,33bや、圧胴20の用紙ク
ランパ21に印刷用紙Pの先端を案内する一対のガイド
板38,38と、上記給紙手段を回転する給紙モータ5
0と、レジストローラ対33a,33bを回転するレジ
ストモータ52と、給紙ローラ32とレジストローラ対
33a,33bとの間の用紙搬送路Rに配設され、印刷
用紙Pの先端を検知する用紙先端センサ70と、圧胴2
0とレジストローラ対33a,33bとの間の用紙搬送
路Rに配設され、印刷用紙Pの先端を検知する用紙先端
検知手段としてのレジストセンサ71とを具備してい
る。分離ローラ32および呼出しローラ30は、分離ロ
ーラ32の軸に設けられた分離ローラプーリと、呼出し
ローラ30の軸に設けられた呼出しローラプーリとの間
に掛け渡された歯付の無端ベルト37により連結されて
いて、駆動力伝達関係にある。
【0040】給紙モータ50は、本体フレーム201側
に固設されたステッピングモータからなり、メインモー
タ60の回転駆動力とは独立して設けられていて、分離
ローラ32および呼出しローラ30を回転駆動する給紙
駆動手段としての機能を有する。給紙モータ50は、給
紙モータ50の出力軸に設けられた駆動プーリと分離ロ
ーラ32の軸に設けられた給紙プーリとの間に掛け渡さ
れた歯付の無端ベルト51を介して、分離ローラ32に
連結されている。これにより、分離ローラ32は、給紙
モータ50の回転駆動によって、時計回り方向に回転さ
れる。分離ローラ32および呼出しローラ30の各軸に
は、ワンウェイクラッチ(図示せず)がそれぞれ組み込
まれていて、分離ローラ32および呼出しローラ30は
時計回り方向のみに回転するようになっている。レジス
トモータ52は、ステッピングモータからなり、レジス
トモータ52の出力軸に設けられた駆動プーリとレジス
トローラ33bの軸に設けられたレジストプーリとの間
に掛け渡された歯付の無端ベルト53を介して、レジス
トローラ33bに連結されている。
【0041】用紙先端センサ70およびレジストセンサ
71は、レジストローラ対33a,33bを挟んだ上側
のガイド板38にそれぞれ取り付けられている。これら
のセンサ70,71は、反射型の光学センサからなる。
用紙先端センサ70は、印刷用紙Pの先端を検知するこ
とにより、上記した給紙手段を含む用紙搬送方向Xの上
流側で発生した印刷用紙Pのジャムを検知するジャム検
知機能を有する他、レジストローラ対33a,33bの
ニップ部に印刷用紙Pの先端を突き当てて湾曲たわみを
形成する時のたわみ量調整の一部の機能をも有してい
る。レジストセンサ71は、印刷用紙Pの先端を検知す
ることにより、レジストローラ対33a,33bを含む
用紙搬送方向Xの上流側で発生した印刷用紙Pのジャム
を検知するジャム検知機能を有する。
【0042】給紙台31は、印刷用紙Pを積載して昇降
可能に設けられている。給紙台31の上面には、図10
に示すように、左右一対のサイドフェンス76a,76
bが用紙搬送方向Xと直交する用紙幅方向Yに移動自在
に配設されている。サイドフェンス対76a,76b
は、左右連動構造となっており、オペレータが印刷用紙
Pのサイズに応じて印刷用紙Pの両側端面に合わせて印
刷用紙Pを位置決めするのに用いられる。給紙台31の
底部には、図10に示すように、印刷用紙Pのサイズを
検知する用紙サイズ検出手段を備えた用紙サイズ検出機
構が配設されている。この用紙サイズ検出機構は、サイ
ドフェンス対76a,76bの用紙幅方向Yの移動に連
動して印刷用紙Pのサイズを検知し決定するものであ
り、サイドフェンス対76a,76bと、給紙台31の
下部に配設されている不動部材に回動自在に取り付け支
持されたピニオン79と、図10において左手前側のサ
イドフェンス76aの下部端縁部に形成されピニオン7
9と噛み合うラック部78と、図10において右奥側の
サイドフェンス76bの下部端縁部に形成されラック部
78に対向してピニオン79と噛み合うラック部77
と、このラック部77の下部端縁部において下方に突出
し適宜の間隔を持って切り欠かれた複数の切欠きを備え
た遮蔽部77aと、給紙台31の上記不動部材に適宜の
間隔をもって固設され遮蔽部77aとそれぞれ選択的に
係合する2つの用紙サイズ検知センサ80a,80b
と、給紙台31の上記不動部材における用紙搬送方向X
に適宜の間隔をあけて固設された用紙サイズ検知センサ
81とを具備している。
【0043】各用紙サイズ検知センサ80a,80b
は、発光部および受光部を具備した透過型の光学センサ
であり、遮蔽部77aとそれぞれ選択的に係合すること
により印刷用紙Pにおける用紙幅方向Yのサイズを検出
する。用紙サイズ検知センサ81は、発光部および受光
部を具備した反射型の光学センサであり、印刷用紙Pに
おける用紙搬送方向Xのサイズを検出する。各用紙サイ
ズ検知センサ80a,80bおよび用紙サイズ検知セン
サ81は、上記用紙検出手段としての用紙サイズ検知セ
ンサ群82を構成しており、用紙サイズ検知センサ群8
2で検出されたサイズ信号データを組み合わせて後述す
る制御装置のCPUが判断・認識することにより、印刷
用紙Pの用紙サイズを決定するものである。
【0044】なお、このような用紙サイズ検知方式の詳
細としては、本願出願人が以前に提案した、例えば特開
平9−30714号公報等に開示されている技術を挙げ
ることができる。用紙サイズ検知方式としては、上述し
たような方式に限定されず、他の方式であってもよいこ
とは言うまでもない。上記した用紙サイズ検出機構で
は、説明の簡明化を図るため各検知センサの数を限って
図示したが、例えばハガキや封筒あるいはリーガルサイ
ズの印刷用紙Pのサイズを自動的に検知できるように、
上記各検知センサを増加し付設してあるものとする。
【0045】本実施形態1では、圧胴20の用紙クラン
パ21に向けて印刷用紙Pの先端をミスクランプ等する
ことなく確実に給送するための給紙制御構成を具備して
いるので、以下その構成を簡単に説明する。圧胴20に
おける奥側の端板20bの外側壁には、遮光板55と遮
光板56とが圧胴20の同周方向に所定の間隔をおいて
それぞれ固設されている。各遮光板55,106は、板
金等でできていて、正面視および側面視でL字形をな
し、その先端が奥側に突出形成されている。一方、アー
ム25bの内側には、遮光板55および遮光板56が取
り付けられている圧胴20の同円周上に対向して給紙開
始センサ54が固設されている。給紙開始センサ54
は、透過型の光学センサである。遮光板55と給紙開始
センサ54とは、圧胴20が反時計回り方向に回転した
所定の回転位置でのみ選択的に係合・遮光するように取
り付けられていて、レジストローラ対33a,33bに
対して印刷用紙Pの先端を給送するタイミングをとるた
めの給紙タイミング検知手段としての機能を有する。圧
胴20の上記所定の回転位置は、換言すれば遮光板55
の圧胴20の端板20bへの取り付け位置は、実施例的
にいうと、図12に示す位置の圧胴20が反時計回り方
向に194°回転した位置で給紙開始センサ54がオン
するように設定されている。遮光板56と給紙開始セン
サ54とは、圧胴20が反時計回り方向に回転した所定
の回転位置でのみ選択的に係合・遮光するように取り付
けられていて、圧胴20の用紙クランパ21に向けて印
刷用紙Pの先端の給送を開始するタイミングをとるため
のタイミング検知手段としての機能を有する。圧胴20
の上記所定の回転位置は、換言すれば遮光板56の圧胴
20の端板20bへの取り付け位置は、実施例的にいう
と、図12に示す位置の圧胴20が反時計回り方向に3
07°に回転した位置で給紙開始センサ54がオンする
ように設定されている。
【0046】圧胴20における奥側の端板20bには、
エンコーダ64がネジ等で取り付けられている。エンコ
ーダ64は、インクリメンタル型のフォトエンコーダで
ある。一方、エンコーダ64の近傍におけるアーム25
bの内側には、エンコーダセンサ65がエンコーダ64
の外周部を所定の間隔をもって挟むようにしてネジ等で
取り付けられている。これらのエンコーダ64とエンコ
ーダセンサ65とは、圧胴20の用紙クランパ21に対
して印刷用紙Pの先端を給送するタイミングを制御する
ための、圧胴20における回転速度変動を検知するパル
スエンコーダの機能を有している。
【0047】圧胴20の左側近傍には、排紙部43が配
置されている。排紙部43は、版胴1の外周面近傍に近
接自在に配設され、版胴1から印刷済みの印刷用紙P
(以下、単に「印刷用紙P」というときがある)を剥離
する剥離部材としての剥離爪66と、版胴1上の製版済
みのマスタ2と印刷用紙Pとの間に送風して版胴1から
印刷用紙Pを剥離する送風剥離手段としての剥離ファン
68と、用紙排出位置を占めた用紙クランパ21の開放
により印刷用紙Pの先端部を圧胴20の外周面から剥離
し案内するスクレーパとも呼ばれている排紙爪44と、
排紙爪44で剥離・案内された印刷用紙Pを搬送する、
搬送ローラ前46と搬送ローラ後47との間に張設され
た多孔性の搬送ベルト48と、搬送ベルト48上に印刷
用紙Pを吸引するための吸引ファン49と、排出された
印刷用紙Pを積載する排紙台45とを具備している。
【0048】剥離爪66は、版胴1の外周面と圧胴20
の外周面とが接触して形成されるニップ部における用紙
搬送方向Xの下流側であって、版胴1の外周面近傍の版
胴中央部に1箇所配置されている。剥離爪66の先端
は、版胴1から印刷用紙Pを剥離するために版胴1の外
周面に近接した剥離位置と、これから離間して版胴上の
マスタクランプ12部等の版胴突出部との干渉を避ける
非剥離位置との間で軸67を中心として揺動変位可能に
構成されている。剥離爪66は、版胴1と同期して回転
する周知のカム機構(図示せず)により上記剥離位置と
上記非剥離位置との間に変位駆動される。
【0049】剥離爪66は、実施形態1では押圧手段が
用紙クランパ21を備えた圧胴20であり、かつ、剥離
ファン68を備えているため、押圧手段がプレスローラ
である場合と比較すると、厚紙や封筒等の腰のある印刷
用紙Pを使用する場合を除き、版胴1上への用紙巻き上
がりは発生しにくいが、たとえ厚紙や封筒等の腰のある
印刷用紙Pであっても最悪状態でも用紙巻き上がりや、
これに伴うジャムを防止すべく版胴1から印刷用紙Pを
強制的に剥離する目的で用いられている。したがって、
本発明においては、剥離部材としての剥離爪66は必須
の構成ではない。
【0050】搬送ベルト48は、図示しない駆動モータ
等により版胴1の周速度よりも速い搬送速度で駆動され
るように設定されている。搬送ローラ前46、搬送ロー
ラ後47、搬送ベルト48、吸引ファン49および上記
駆動モータは、公知の排紙搬送装置を構成しており、こ
の排紙搬送装置は排紙爪44における用紙搬送方向Xの
下流側に配設されている。
【0051】剥離ファン68は、図12に示すように、
上記印刷部における用紙搬送方向Xの下流側であって、
剥離爪66の上方近傍に配置されている。この剥離ファ
ン68は、図1に模式的に示すようなファン駆動モータ
69およびファン駆動モータ69により回転駆動される
ファン(図示せず)等を備えた公知のファン部68a
と、ファン部68aに一体的に連結されファン部68a
で生成した送風を導入するファンダクト68bとを有す
る他、従来の剥離ファンとは異なる構成、すなわちファ
ンダクト68bを介してファン部68aからの送風Aの
方向を変える風向可変手段を有している。この風向可変
手段は、版胴1と印刷用紙Pとの間であって版胴1の端
面側から見て上下方向Zに送風Aの方向を変える上下風
向可変手段130と、版胴1と印刷用紙Pとの間の用紙
幅方向Yに送風Aの方向を変える用紙幅風向可変手段1
15とを備えている。上下風向可変手段130と用紙幅
風向可変手段115とを備えた上記風向可変手段は、剥
離ファン68の送風吐出部としての可動ダクト131に
設けられている。
【0052】ファン駆動モータ69は、DCモータから
なる。剥離ファン68は、用紙搬送方向Xに沿って配設
された左右一対の排紙側板114a,114bの間に配
置されていて、ファン部68aおよびファンダクト68
bは、各排紙側板114a,114bの間を連結する側
板連結部114c上に固定して取り付けられている。
【0053】上下風向可変手段130は、送風Aを吐出
する送風口131aを備え、送風口131aから吐出さ
れる送風Aの方向を上下方向Zに変えるべく上下方向Z
に可動な上下風向可変部材としての可動ダクト131
と、この可動ダクト131を版胴1の端面側から見て上
下方向Zに駆動するための駆動手段としてのダクト駆動
モータ139を備えた上下変位機構132とを具備して
いる。
【0054】可動ダクト131における用紙搬送方向X
の上流端には、用紙幅方向Yに長い長方形形状をなす送
風口131aが形成されている。可動ダクト131は、
例えば板金や適宜の合成樹脂で形成されていて、用紙搬
送方向Xの下流側から上流側に向かうにしたがって漸次
広口状に広がる平面視略台形状に形成されている。可動
ダクト131は、各排紙側板114a,114bの間に
配置されていて、その送風口131a側が、可動ダクト
131の左右の外側壁に植設された一対の支点ピン14
2,142を揺動支点として上下方向Zに変位可能にな
っている。ファンダクト68bにおける用紙搬送方向X
の上流端部における左右の外側壁は、用紙搬送方向Xの
上流側に延びて、各支点ピン142を挿通するピン連結
部144をそれぞれ形成している。したがって、ファン
ダクト68bにおける各ピン連結部144に各支点ピン
142を挿通して組み立てることで、可動ダクト131
はファンダクト68bに対して上下方向Zに揺動変位可
能となる。ファンダクト68bと可動ダクト131と
は、ファンダクト68bからの送風Aを外部へ漏れない
ようにするためおよび上記揺動変位に耐えられるよう
に、可撓性を有する合成樹脂やゴム等で形成された連結
部材141を介して連結されている。
【0055】上下変位機構132は、上記した各支点ピ
ン142を含む連結部構造と、各排紙側板114a,1
14bにそれぞれ設けられたラック133a,133b
と、各ラック133a,133bに噛み合うピニオン1
34a,134bと、ピニオン134aとピニオン13
4bとを連結する軸135と、軸135の略中央に固設
されたウォームホイール136と、ウォームホイール1
36に噛み合うウォーム140と、ウォーム140の軸
に固設された模式的に示すダクト駆動モータ139と、
可動ダクト131の上下方向Zのホームポジションを検
知する第1ホームポジションセンサ138とを具備して
いる。ダクト駆動モータ139は、ステッピングモータ
からなり、送風口131a寄りの可動ダクト131の底
壁部に固設されている。送風口131aの下部における
可動ダクト131の底壁部には、側面視ハット形状をな
すブラケット137が固設されている。軸135の両端
部は、ブラケット137の左右壁に挿通されると共に、
ブラケット137の左右壁に回動自在に支持されてい
る。第1ホームポジションセンサ138は、発光部およ
び受光部を具備した透過型の光学センサからなる。送風
口131a寄りの可動ダクト131の図1において右外
壁部には、可動ダクト131がホームポジションを占め
たときに、第1ホームポジションセンサ138と係合す
る遮光板143が固設されている。可動ダクト131の
ホームポジションは、可動ダクト131の送風口131
a側の上壁面がファンダクト68bの上壁面と同一面を
なす位置に設定されている。
【0056】ここで、上下風向可変手段130の動作を
述べておく。説明の便宜上から、可動ダクト131は図
1および図2で実線で示されているホームポジションか
ら動作するものとする。後述する図8に示す制御装置1
50の上記CPUからの指令によって、可動ダクト13
1の送風口131a側を下方向(図2において時計回り
方向)に所定の角度揺動変位させるための所定数の正転
駆動パルスがダクト駆動モータ139に与えられると、
ダクト駆動モータ139が正転駆動し、その回転駆動力
がウォーム140、ウォームホイール136、軸135
へと順次伝達されて、各ピニオン134a,134bが
図1において反時計回り方向に回転することにより、可
動ダクト131の送風口131a側は、各ピニオン13
4a,134bと噛み合う固定側のラック133a,1
33bに対して、両側の支点ピン142を揺動中心とし
て用紙幅風向可変手段115と一緒に、例えば図2およ
び図3(b)に示すように、下方向へ所定の距離変位す
る。上記と反対に、可動ダクト131の送風口131a
側を上方向(図2において反時計回り方向)に所定の角
度揺動変位させるための所定数の逆転駆動パルスがダク
ト駆動モータ139に与えられると、ダクト駆動モータ
139が逆転駆動し、その回転駆動力が上記と同様に伝
達されて、各ピニオン134a,134bが図1におい
て時計回り方向に回転することにより、可動ダクト13
1の送風口131a側は、両側の支点ピン142を揺動
中心として用紙幅風向可変手段115と一緒に、例えば
図3(a)に示すように、上方向へ所定の距離変位す
る。
【0057】用紙幅風向可変手段115は、図1、図5
および図6に示すように、可動ダクト131の内部にお
いてファンダクト部68bからの送風Aを用紙幅方向Y
に変えるべく用紙幅方向Yに可動な用紙幅風向可変部材
としての左右一対の制風板116a,116bと、これ
らの制風板116a,116bを用紙幅方向Yに連動さ
せて駆動するための駆動手段としての制風板駆動モータ
129を備えた開閉機構118とを具備している。
【0058】各制風板116a,116bは、例えば板
金や適宜の合成樹脂で形成されていて、正面視で用紙搬
送方向Xに長い長方形形状をなす。各制風板116a,
116bの自由端部は、送風口131a近くまで延び、
それらの基端部は、可動ダクト131の広口形状の止端
部近傍において可動ダクト131の上下壁を挿通して回
動自在に支持された制風板軸117a,117bに固着
されている。
【0059】開閉機構118は、上記した各制風板軸1
17a,117bと、制風板軸117aの軸端上に固設
された第2従動ギヤ122と、制風板軸117bの軸端
上に固設された第1従動ギヤ123と、第1従動ギヤ1
23近傍における可動ダクト131の上壁面に固設され
たモータブラケット127を介して取り付け固定された
制風板駆動モータ129と、制風板駆動モータ129の
出力軸129aに固設された駆動ギヤ119と、駆動ギ
ヤ119と第1従動ギヤ123との間の可動ダクト13
1の上壁面上に軸120aをもって回動自在に支持さ
れ、駆動ギヤ119および第1従動ギヤ123の両ギヤ
に噛み合う第1中間ギヤ120と、第1中間ギヤ120
と第2従動ギヤ122との間の可動ダクト131の上壁
面上に軸121aをもって回動自在に支持され、第1中
間ギヤ120および第2従動ギヤ122の両ギヤに噛み
合う第2中間ギヤ121と、可動ダクト131の上壁上
に固設された図示しないブラケットを介して固設され、
制風板116a,116bの用紙幅方向Yのホームポジ
ションを検知する第2ホームポジションセンサ128と
を具備している。
【0060】制風板駆動モータ129は、ステッピング
モータからなる。第2ホームポジションセンサ128
は、発光部および受光部を具備した透過型の光学センサ
からなる。第2従動ギヤ123の上部の所定位置には、
各制風板116a,116bがホームポジションを占め
たときに、第2ホームポジションセンサ128と係合す
る遮光片124が固設されている。各制風板116a,
116bのホームポジションは、例えば図1に示すよう
に、制風板116aの内側面と制風板116bの内側面
とが平行状態となる位置に対応した第2従動ギヤ123
の上記所定位置に設定されている。各ギヤ120,12
1,122,123の歯数は、各制風板116a,11
6bが同じ角度だけ移動するように設定されている。
【0061】ここで、用紙幅風向可変手段115の動作
を述べておく。説明の便宜上から、制風板116a,1
16bは図1や図5に示されているホームポジションか
ら動作するものとする。後述する図8に示す制御装置1
50の上記CPUからの指令によって、例えば図7
(a)に示すように、各制風板116a,116bをホ
ームポジションからそれぞれ外側に開く方向へ移動させ
るための所定数の正転駆動パルスが制風板駆動モータ1
29に与えられると、制風板駆動モータ129が正転駆
動(図5において駆動ギヤ119が時計回り方向に回転
駆動)し、その回転駆動力が第1中間ギヤ120、第1
従動ギヤ123、制風板軸117bへと順次伝達され
て、制風板116bが図5におけるホームポジションか
ら外側へ開く方向(例えば図7(a)に示すように時計
回り方向)に所定の揺動角度移動すると同時に、制風板
駆動モータ129の回転駆動力が第1中間ギヤ120、
第2中間ギヤ121、第2従動ギヤ122、制風板軸1
17aへと順次伝達されて、制風板116aが図5にお
けるホームポジションから外側へ開く方向(例えば図7
(a)に示すように反時計回り方向)に制風板116b
と同じ所定の揺動角度移動する。したがって、制風板駆
動モータ129が図5において時計回り方向に回転駆動
されると、図7(a)に示すように、各制風板116
a,116bはホームポジションからそれぞれ外側に開
く方向へ移動し、各制風板116a,116bの自由端
内側面間で設定される送風口131aが広がって送風A
の範囲が用紙幅方向Yに広がる。
【0062】上記したと反対に、後述する図8に示す制
御装置150の上記CPUからの指令によって、例えば
図7(b)に示すように、各制風板116a,116b
をホームポジションからそれぞれ内側に閉じる方向へ移
動させるための所定数の逆転駆動パルスが制風板駆動モ
ータ129に与えられると、制風板駆動モータ129が
逆転駆動(図5において駆動ギヤ119が反時計回り方
向に回転駆動)し、その回転駆動力が第1中間ギヤ12
0、第1従動ギヤ123、制風板軸117bへと順次伝
達されて、制風板116bが図5におけるホームポジシ
ョンから内側へ閉じる方向(例えば図7(b)に示すよ
うに反時計回り方向)に所定の揺動角度移動すると同時
に、制風板駆動モータ129の回転駆動力が第1中間ギ
ヤ120、第2中間ギヤ121、第2従動ギヤ122、
制風板軸117aへと順次伝達されて、制風板116a
が図5におけるホームポジションから内側へ閉じる方向
(例えば図7(b)に示すように時計回り方向)に制風
板116bと同じ所定の揺動角度移動する。したがっ
て、制風板駆動モータ129が図5において反時計回り
方向に回転駆動されると、図7(b)に示すように、各
制風板116a,116bはホームポジションからそれ
ぞれ内側に閉じる方向へ移動し、送風口131aが狭ま
って送風Aの範囲が用紙幅方向Yに狭まる。
【0063】なお、用紙幅風向可変手段115は、これ
に限らず、装置の大型化やコストアップになっても構わ
ないのであれば、例えば各制風板116a,116bを
連動させずに、単独で駆動するための制風板駆動モータ
129を2個備えた開閉機構であってもよい。
【0064】次に、図9を参照して操作パネル90の細
部構成を説明する。この操作パネル90上には、原稿の
画像読み取りから給版に至る各動作の起動を設定・入力
する製版スタートキー91と、印刷枚数等を設定・入力
するテンキー93と、このテンキー93で設定・入力さ
れた印刷枚数の印刷動作の起動を行う印刷スタートキー
92と、版胴1の回転速度に対応した印刷速度の設定値
としての印刷速度レベル1〜5の5段階の印刷速度の中
から1つの印刷速度を選択的に設定するための印刷速度
設定手段としての速度ダウンキー96aおよび速度アッ
プキー96bからなる印刷速度設定キー96と、速度ダ
ウンキー96aまたは速度アップキー96bにより設定
された設定印刷速度を表示するためのLEDランプ群か
らなる速度表示器97等とが配置されている。ハッチン
グを施した「設定印刷速度:3速」は、通常使用される
印刷速度に対応した標準印刷速度であって、速度ダウン
キー96aまたは速度アップキー96bを押下しなかっ
た場合に自動的に設定されるようになっている。ここ
で、例えば「設定印刷速度:1速」は印刷速度が最低速
の60枚/min:60rpmに、「設定印刷速度:2
速」は印刷速度が75枚/min:75rpmに、「設
定印刷速度:3速」は印刷速度が90枚/min:90
rpmに、「設定印刷速度:4速」は印刷速度が105
枚/min:105rpmに、「設定印刷速度:5速」
は印刷速度が最高速の120枚/min:120rpm
にそれぞれ対応して設定されている。
【0065】速度表示器97は、速度ダウンキー96a
または速度アップキー96bの1回ごとの押下により、
上記印刷速度を1から5までの5段階の設定印刷速度
(以下単に「設定印刷速度:1速〜5速」というときが
ある)に、切り換えられる印刷速度を点灯表示する。速
度ダウンキー96aまたは速度アップキー96bは、速
度表示器97の近傍に配置されていて、1回押下するご
とに、設定印刷速度:1速〜5速の何れか1つの設定印
刷速度に対応した各LEDランプの点灯を順次切り換え
る機能も有しており、これにより、オペレータが選択し
た設定印刷速度が速度表示器97にて目視確認できるよ
うになっている。
【0066】図8において、符号150は、孔版印刷装
置200の給紙、印刷および排紙工程等において剥離フ
ァン68の風向可変制御を行うための制御装置を、符号
100は、印刷用紙Pが版胴1上の製版済みのマスタ2
から剥離されないで版胴1上の製版済みのマスタ2に貼
り付いたままとなる用紙巻き上がり要因の特性値を検出
する特性値検出手段群をそれぞれ示す。
【0067】制御装置150は、図示を省略した、CP
U(中央処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM
(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記
憶装置)およびタイマ等を備え、それらが信号バスによ
って接続された構成を有するマイクロコンピュータを具
備している。
【0068】制御装置150の上記CPU(以下、説明
の簡明化を図るため、単に「制御装置150」というと
きがある)は、上記入力ポートを介して、特性値検出手
段群100を構成する、画像量検出手段101と、印刷
速度検知センサ62と、温度センサ103と、湿度セン
サ104と、用紙厚さ検知センサ105と、また、用紙
サイズ検知センサ群82と、第1ホームポジションセン
サ138と、第2ホームポジションセンサ128とそれ
ぞれ電気的に接続されていて、これらの各センサからオ
ン/オフ信号やデータ信号を受信する。
【0069】制御装置150は、上記出力ポートを介し
て、ファン駆動モータ69と、制風板駆動モータ129
と、ダクト駆動モータ139とそれぞれ電気的に接続さ
れていて、各モータ駆動回路(図示せず)を介して各種
の指令信号を各モータ69,129,139に送信す
る。
【0070】この実施形態1では、制御装置150は、
以下の諸制御機能を有する。制御装置150は、図13
に示すフローチャートのステップS7において各風向設
定後、ファン駆動モータ69を起動すると共に、上記フ
ァンを所定の回転速度で回転させることでその風量が一
定となるようにファン駆動モータ69を制御する機能を
有する。
【0071】制御装置150は、特性値検出手段群10
0(画像量検出手段101、印刷速度検知センサ62、
温度センサ103、湿度センサ104、用紙厚さ検知セ
ンサ105)からの各種出力信号に基づいて、送風Aが
用紙搬送方向Xにおける印刷用紙Pの予め設定された部
位に当たるようにダクト駆動モータ139を制御する制
御手段の機能を有する。
【0072】制御装置150は、用紙サイズ検知センサ
群82からの出力信号に基づいて、送風Aが用紙幅方向
Yにおける印刷用紙Pの予め設定された部位に当たるよ
うに制風板駆動モータ129を制御する制御手段の機能
を有する。
【0073】制御装置150は、圧胴20の用紙クラン
パ21により印刷用紙Pの先端部がクランプされるとき
および用紙クランパ21から印刷用紙Pの先端部が離れ
るとき、送風Aが用紙搬送方向Xにおける印刷用紙Pの
それぞれ予め設定された部位に当たるようにダクト駆動
モータ139を制御する制御手段の機能を有する。
【0074】制御装置150内の上記ROMには、前も
って実験等により求められた表2に示すようなデータテ
ーブルや図13に示すプログラムが予め記憶されてい
る。制御装置150内の上記RAMは、上記CPUでの
判断結果や計算結果を一時記憶したり、各センサからの
出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行
う。
【0075】以下、特性値検出手段群100を構成する
具体的な特性値検出手段について、上述しなかったもの
を説明する。印刷用紙Pの厚さを検出する厚さ検出手段
としては、印刷用紙Pの厚さを検知するために光学的に
透過光の強さを検出して判断するタイプの図8に示す用
紙厚さ検知センサ105を用いている。用紙厚さ検知セ
ンサ105は、用紙先端センサ70近傍の上側のガイド
板38に開口を有して設けられた発光素子(図示せず)
と、この発光素子に対向して下側のガイド板38に開口
を有して設けられた受光素子(図示せず)とを具備した
透過型光学センサからなる。用紙厚さ検知センサ105
は、上記発光素子と上記受光素子との間が遮られていな
いときに上記受光素子で検出される基準光量を設定して
おき、印刷用紙Pが上記発光素子と上記受光素子との間
の用紙搬送路Rを通過するときに上記受光素子で検出さ
れる光量と上記基準光量とを比較することによって、印
刷用紙Pの透過光量を求め、このように求められた透過
光量に基づき、印刷用紙Pの厚さを検知するものであ
る。厚さ検出手段は、用紙厚さ検知センサ105に限ら
ず、例えば特開平9−193526号公報の図11に示
されているように、メカニック的に紙厚を測定するため
にローラ間のギャップを拡大して電気的センサ(例えば
特開平9−193526号公報の図11に示されている
例ではポテンショメータ)で検知するタイプ等を用いて
もよい。
【0076】本体フレーム201の内部の温度を検出す
る温度検出手段としては、温度センサ103を用いてい
る。温度センサ103は、サーミスタからなり、剥離フ
ァン68近傍の排紙側板114aに配置されている。本
体フレーム201の内部の湿度を検出する湿度検出手段
としては、湿度センサ104を用いている。湿度センサ
104は、剥離ファン68近傍の排紙側板114aに配
置されている。本実施形態1では、実際の環境状態とし
ての温度や湿度をできるだけ正確に把握するために、温
度センサ103や湿度センサ104を本体フレーム20
1の内部に配置したが、これに限らず、例えば構成部品
等のレイアウトの制約から本体フレーム201の内部に
配置できない場合には、本体フレーム201外部周辺の
温度や湿度を検出すべく本体フレーム201の外側の本
体パネルの外壁面等や、孔版印刷装置200設置部の周
辺等に配置してもよい。すなわち、温度検出手段や湿度
検出手段は、本体フレーム201の内部および外部の温
度や湿度のうちの少なくとも一方を検出すべく配設され
ていればよい。
【0077】印刷用紙Pに印刷される画像の画像量を検
出する画像量検出手段101としては、特開平9−19
3526号公報の段落(0033)等に記載されている
ものと同様の手段を用いている。すなわち、一版分のマ
スタ2全体を加熱穿孔・製版するために必要な発熱素子
の数に対して、実際に原稿読取装置58のスキャナ(図
示せず)等により読み取られた画像情報からマスタ2を
加熱穿孔・製版するために使用する発熱素子の数の比率
を求めることによって、印刷用紙Pに印刷される画像の
画像量を検出するものである。画像量検出手段101
は、例えば、原稿読取装置58の上記スキャナ等を介し
て画像センサで読み取られ変換されたアナログの画像電
気信号を受け上記A/D変換部で変換されたデジタルの
画像電気信号を画像信号処理装置を経由して受信して、
画像データとして一時記憶する画像エリアメモリと、そ
の画像エリアメモリに一度記憶された画像データを順次
呼び出しながら、マスタ2に形成される一版分の製版画
像の画像量を検知・認識してサーマルヘッド17を駆動
制御するサーマルヘッド駆動制御部を起動する機能を有
する上記画像信号処理装置とからなる。
【0078】孔版印刷装置200の動作について、図1
3のフローチャートを併用しながら説明する。図13の
ステップS1で、製版開始可能状態であるか否かが判断
される。すなわち、先ず、原稿読取装置58の図示しな
い原稿台に原稿がセットされ、製版スタートキー91が
押されることにより、原稿画像の読み取り動作と並行し
て、排版動作および製版動作が行われる。版胴1が図1
2に示すようにホームポジションを占めていた回転し、
使用済みのマスタが版胴1の外周面から排版部18によ
り剥離され廃棄される。その後、版胴1は、マスタクラ
ンパ12が図12において略右横に位置する給版位置を
占めた位置で停止し、上記開閉装置の作動によってマス
タクランパ軸12aが回動されて、マスタクランパ12
が開かれ、給版待機状態となる。そして、製版部19の
パルスモータ6が駆動されることにより、プラテンロー
ラ9が回転され始め、マスタ2が繰り出されつつ搬送さ
れる。一方、原稿読取装置58において上記スキャナが
作動することにより、上記画像センサで原稿の画像が読
み取られ、上記A/D変換部、上記画像処理装置および
上記サーマルヘッド駆動制御部等で処理されて送出され
るデジタル画像信号によって、サーマルヘッド17の発
熱素子が選択的に発熱され、マスタ2が画像情報に応じ
て選択的に加熱穿孔され始める。このとき、画像量検出
手段101で画像量が検出され、その画像量に係る出力
信号が制御装置150に送信されて、画像量データとし
て制御装置150の上記RAMに記憶される(ステップ
S2参照)。
【0079】マスタ2が、プラテンローラ9の回転によ
り搬送され、マスタ2の先端部が、給版待機状態で拡開
しているマスタクランパ12へ向けて送出される。パル
スモータ6のステップ数がある設定値に達すると、上記
開閉装置によりマスタクランパ軸12aが回動されるこ
とでマスタクランパ12が閉じられて、製版済みのマス
タ2の先端部がマスタクランパ12にクランプされる。
【0080】このクランプ動作と同時に版胴1と圧胴2
0とが、マスタ2の搬送速度と略同じ周速度で回転さ
れ、版胴1の外周面に製版済みのマスタ2が巻装されて
いく。版胴1の外周面に製版済みのマスタ2が所定長さ
巻装されると、版胴1、圧胴20、プラテンローラ9の
回転が停止する。この停止動作と同時に、カッタ駆動モ
ータ7が回転されて偏心カム8が上方のカッタ部材4を
下降させ、マスタ2を切断する。そして版胴1が再び時
計回り方向に回転され、切断されたマスタ2の後端(図
示せず)が、製版部19から引き出され、版胴1の外周
面に製版済みのマスタ2が完全に巻き取られて製版・給
版動作が終了する(ステップS3参照)。
【0081】続いて、給紙、印刷、排紙の各工程につい
て説明する。製版・給版動作終了後、給紙動作に先立っ
て、給紙台31が上昇して、その最上位の印刷用紙Pが
呼出しローラ30および分離ローラ32に接触した給紙
可能な紙位置を占めるのに前後して、用紙サイズ検知セ
ンサ群82により印刷用紙Pのサイズが検知される(ス
テップS4参照)。圧胴20が、ホームポジションから
反時計回り方向に回転し、その圧胴20の回転位置で1
94°を占めたとき、遮光板55が給紙開始センサ54
を通過することにより、そのオン出力信号が図示しない
制御装置に入力され、このオン出力信号入力時から一定
の遅れ時間を経過した後、給紙モータ50が回転駆動さ
れる。これにより、給紙ローラ32は時計回り方向に回
転されると同時に、呼出しローラ30の同方向の回転に
より印刷用紙Pが給送され、分離ローラ32と分離パッ
ド34とで印刷用紙Pの重送が防止されて、給紙台31
上の最上位の1枚の印刷用紙Pだけがレジストローラ対
33a,33bに向けて送られる。分離ローラ32から
用紙搬送方向Xの下流側に配置された用紙先端センサ7
0によって、印刷用紙Pの先端が検知されると、用紙先
端センサ70がオンし、そのオン出力信号が上記制御装
置に入力される。この時、印刷速度検知センサ62によ
り版胴1の回転速度として印刷速度が検知される。この
時の印刷速度は、製版・給版動作終了後の最初の1枚目
の印刷用紙Pが給紙されていわゆる「版付け印刷」用に
供されるものであり、その版付け印刷時の印刷速度とし
て例えば16rpmに予め設定されていて、その印刷速
度が印刷速度検知センサ62で検知される。ただし、従
来とおり、印刷速度は操作パネル上で使用者が設定し、
この設定された印刷側度により制御条件を決めても問題
はない。この印刷速度検知に前後して、温度センサ10
3により本体フレーム201内の温度が、湿度センサ1
04により本体フレーム201内の湿度が検知される。
また同時的に、用紙厚さ検知センサ105によって印刷
用紙Pの厚さが検知される(ステップS5,S6参
照)。
【0082】このときの印刷用紙Pの送り量は、印刷用
紙Pの先端がレジストローラ対33a,33bのニップ
部直前の位置に衝突して所定量の湾曲たわみが形成され
るように、上記制御装置からの指令により、所定の駆動
パルスが給紙モータ50に出力されることによって印刷
用紙Pを所定量送り出すようになっている(たわみ量調
整)。これにより、印刷用紙Pの先端部の上方に所定量
の湾曲たわみが形成された時点で、給紙モータ50の回
転が停止されることにより、分離ローラ32と呼出しロ
ーラ30とが停止する。この所定量の湾曲たわみは、レ
ジストローラ対33a,33bの回転による印刷用紙P
のスキュー、不送りを発生することなく、かつ、たわみ
量が適正で静音化を図れる一定の範囲内に予め実験等で
設定されている。このような上記制御装置による特有の
たわみ量調整によって、印刷用紙Pの先端が一定の送り
速度でレジストローラ対33a,33bのニップ部に衝
突し、かつ、所定量の湾曲たわみを形成する一定の印刷
用紙Pの送り量となるように給紙モータ50が制御され
るので、印刷速度に関係なく安定したたわみ量調整を行
うことができる。
【0083】上記たわみ量調整動作に前後して、ステッ
プS7に進んで、ステップS2において得られた画像量
データ、ステップS4において得られた印刷用紙Pのサ
イズ(以下、「用紙サイズ」というときがある)デー
タ、ステップS6において得られた印刷速度データ、温
度データ、湿度データおよび印刷用紙Pの厚さデータに
基づいて、制御装置150からの指令により、用紙幅風
向可変手段115の制風板駆動モータ129および上下
風向可変手段130のダクト駆動モータ139がそれぞ
れ制御されることで、各風向が設定される。
【0084】用紙サイズデータに基づいて、以下のよう
な制御が行われる。図7(a)および図7(c)に示す
ように、例えば、用紙幅方向Yの用紙サイズが大きいA
3サイズの印刷用紙Pに印刷するとき、制御装置150
は、用紙サイズ検知センサ群82からの出力信号(A3
用紙における用紙幅方向Yの用紙サイズデータ)に基づ
いて、送風Aが用紙幅方向YにおけるA3用紙の予め設
定された部位であるA3用紙における用紙幅方向Yの一
側端から他側端まで当たるように、各制風板116a,
116bをホームポジションから外側へ開く方向にそれ
ぞれ移動させるべく制風板駆動モータ129を制御す
る。このように、各制風板116a,116bが外側へ
開く方向に移動すると、送風口131aから吐出される
送風AがA3用紙における用紙幅方向Yの全体に亘っ
て、均一かつ効率的に当たるようになる。上記したとき
と反対に、図7(b)および図7(c)に示すように、
例えば、用紙幅方向Yの用紙サイズが小さいハガキに印
刷するとき、制御装置150は、用紙サイズ検知センサ
群82からの出力信号(ハガキにおける用紙幅方向Yの
用紙サイズデータ)に基づいて、送風Aが用紙幅方向Y
におけるハガキの予め設定された部位であるハガキにお
ける用紙幅方向Yの一側端から他側端まで当たるよう
に、各制風板116a,116bをホームポジションか
ら内側へ閉じる方向にそれぞれ移動させるべく制風板駆
動モータ129を制御する。このように、各制風板11
6a,116bが内側へ閉じる方向に移動すると、送風
口131aから吐出される送風Aがハガキにおける用紙
幅方向Yの全体に亘って、均一かつ効率的に当たるよう
になる。図7(c)の図表は、印刷用紙Pの用紙サイズ
が小から大へと大きくなるにしたがい、各制風板116
a,116bの移動する方向を閉じる方向から開く方向
へと段階的に調整できることを表している。
【0085】したがって、用紙幅方向Yの用紙サイズが
異なる印刷用紙Pに印刷して版胴1から印刷用紙Pを剥
離するとき、送風Aを当てる必要がある印刷用紙Pにお
ける用紙幅方向Yの全体に亘って、均一かつ効率的に送
風Aを当てることで、印刷用紙Pの用紙幅方向Yの必要
の無い部位に送風Aを当てたり、これと反対に印刷用紙
Pの用紙幅方向Yの必要な部位に送風Aを当てることが
できなかったりすることで、印刷用紙Pのあばれを抑え
たり、無駄な送風Aをなくしたりすることができる。
【0086】次に、画像量データ、印刷速度データ、温
度データ、湿度データおよび印刷用紙Pの厚さデータに
基づいて、印刷条件ごとに以下のような制御が行われ
る。印刷条件ごとの用紙巻き上がりの発生度合いを定性
的にまとめると、従来の技術で詳述したように、一般的
にまた経験上から、表1のようになる。
【0087】
【表1】
【0088】表1において、用紙巻き上がりの発生しや
すい印刷条件の下では、版胴1の端面側から見た状態の
正面図で示されている図3(b)において、印刷用紙P
の先端部が版胴1と圧胴20とのニップ部Nで押圧され
た後、圧胴20の用紙クランパ21から離された印刷用
紙Pの先端部は、版胴1の外周面に密着していて剥がれ
にくい状態にあるので、印刷用紙PがニップN部近傍に
おける版胴1の外周面から剥がれる位置より用紙搬送方
向Xの下流側に寄った印刷用紙Pの先端部に、換言すれ
ば用紙クランパ21から離された印刷用紙Pの先端部目
掛けて送風口131aから吐出される送風Aが当たるよ
うに、図3(b)において可動ダクト131の送風口1
31aを下方向に揺動変位させる。上記したときと反対
に、用紙巻き上がりの発生しにくい印刷条件の下では、
版胴1の端面側から見た状態の正面図で示されている図
3(a)において、印刷用紙Pの先端部が版胴1と圧胴
20とのニップ部Nで押圧された後、圧胴20の用紙ク
ランパ21から離された印刷用紙P(但し、厚紙や封筒
のように腰の強い印刷用紙Pは用紙クランパ21による
クランプを行わない特有の用紙搬送動作を行う)の先端
部が版胴1の外周面から剥がれやすい状態にあるので、
印刷用紙PがニップN部近傍における版胴1の外周面か
ら剥がれる位置である用紙搬送方向Xの上流側寄りの位
置に、送風口131aから吐出される送風Aが当たるよ
うに調整することで、図3(a)において可動ダクト1
31の送風口131aを上方向に揺動変位させる。
【0089】ここで、図3(a),(b)において、例
えば印刷用紙Pの厚さの違いを例にとって、これ以外の
他の印刷条件を全て同じ条件に固定した印刷条件の下
で、版胴1の外周面からの印刷用紙Pの剥がれ方を比較
検討してみる。例えば印刷用紙Pのうちで印刷用紙Pの
厚さが相対的に厚いハガキや画用紙等の厚紙では、腰が
強く一般的にインキがその繊維の中に浸透しにくい特性
を有することから、用紙巻き上がりは発生しにくい。こ
のような厚紙では、ニップN部で印刷された印刷用紙P
の先端部は版胴1の回転による慣性によって、あたかも
図3(a)に示されている剥離ファン68の送風口13
1a目掛けて上方向に飛ぶように自身の腰の強さによっ
て剥離しながら搬送されることから、ニップN部近傍を
過ぎて版胴1の外周面から剥がれる位置にある厚紙の先
端部と版胴1の外周面との間に送風口131aから吐出
される送風Aを当てることによって、ある程度の送風量
を印刷用紙Pの剥離に使用されないように逃がすように
調整するで、図3(a)において可動ダクト131の送
風口131aを上方向に揺動変位させる。上記厚紙とは
反対に、例えば印刷用紙Pのうちで印刷用紙Pの厚さが
相対的に薄い更紙では、腰が弱く一般的にインキがその
繊維の中に浸透しやすい特性を有することから、用紙巻
き上がりは発生しやすい。このような更紙では、ニップ
N部で印刷され用紙クランパ21から離された印刷用紙
Pの先端部はインキの粘着力によって版胴1上に貼り付
いてしまうことから、ニップN部近傍を過ぎて用紙クラ
ンパ21から離された印刷用紙Pの先端部目掛けて送風
口131aから吐出される送風Aを当てるように、図3
(a)において可動ダクト131の送風口131aを下
方向に揺動変位させる。
【0090】上述したとおり、制御装置150は、用紙
サイズ検知センサ群82を除く特性値検出手段群100
からの各種出力信号に基づいて、送風Aが用紙搬送方向
Xにおける印刷用紙Pの予め設定された部位に当たるよ
うにダクト駆動モータ139を制御する。
【0091】上記各印刷条件の組み合わせによる用紙巻
き上がりの発生度合いに加えて、本実施形態1では押圧
手段として圧胴20を用いているので、次のようなこと
も副次的に考慮して可動ダクト131の送風口131a
の揺動変位位置を最終的に決める。すなわち、圧胴20
の用紙クランパ21により印刷用紙Pの先端部がクラン
プされるときおよび用紙クランパ21から印刷用紙Pの
先端部が離れるとき、印刷用紙Pの先端部のあばれを抑
えると共に、用紙クランパ21から開放された印刷用紙
Pの先端部を安定して搬送できるように可動ダクト13
1の送風口131aの揺動変位位置を設定する。すなわ
ち、制御装置150は、圧胴20の用紙クランパ21に
より印刷用紙Pの先端部がクランプされるときおよび用
紙クランパ21から印刷用紙Pの先端部が離れるとき、
送風Aが用紙搬送方向Xにおける印刷用紙Pのそれぞれ
予め設定された部位に当たるようにダクト駆動モータ1
39を制御する。(実施例)各印刷条件の組み合わせに
おいて、用紙巻き上がりが最も発生しにくい場合と、用
紙巻き上がりが最も発生しやすい場合とについて、可動
ダクト131の送風口131aの位置を実験等に基づい
て予め設定した実施例を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】表2において、可動ダクト131の送風口
131a位置が最上位置にあるとは、その位置を図4
(a)において破線で示すように、用紙巻き上がりが最
も発生しにくい場合に対応して、ホームポジション(図
4(a),(b)では実線で示す)から最も上方向に揺
動変位した位置を示し、この最上位置では可動ダクト1
31の送風口131aから吐出される送風Aを印刷用紙
Pの剥離に全て使用しないようにある程度の送風Aを逃
がすことを含んでいる。これと反対に、可動ダクト13
1の送風口131aの位置が最下位置にあるとは、その
位置を図4(b)において破線で示すように、用紙巻き
上がりが最も発生しやすい場合に対応して、ホームポジ
ションから最も下方向に揺動変位した位置を示し、この
最下位置では可動ダクト131の送風口131aから吐
出される送風Aを印刷用紙Pの剥離のために効率的に使
用するように調整する。
【0094】表2において、可動ダクト131の送風口
131a位置をホームポジションとしたときの各印刷条
件は、用紙巻き上がりが中程度に発生する場合の各印刷
条件の組み合わせ例であり、印刷用紙Pの厚さが上質5
5kg紙(PPC用紙)のそれであり、温度が23℃で
湿度が65%(相対湿度:RHパーセント)の標準状態
であり、印刷速度が3速であり、画像量が20%(文字
のみのベタ画像なし)の場合であり、この場合の印刷条
件において、図4に示すように可動ダクト131の送風
口131a位置をホームポジションとしたときに、用紙
巻き上がりを最適に防止できることを表している。表2
において、可動ダクト131の送風口131a位置を最
上位置としたときの各印刷条件は、用紙巻き上がりが最
も発生しにくい場合の各印刷条件の組み合わせ例であ
り、印刷用紙Pの厚さが画用紙(180kg紙)のそれ
であり、温度が10℃、湿度が20%(相対湿度:RH
パーセント)であり、印刷速度が5速であり、画像量が
7%(文字のみのベタ画像なし)の場合であり、この場
合の印刷条件において、図4に示すように可動ダクト1
31の送風口131a位置を最上位置としたときに、用
紙巻き上がりを最適に防止できることを表している。表
2において、可動ダクト131の送風口131a位置を
最下位置としたときの各印刷条件は、用紙巻き上がりが
発生しやすい場合の各印刷条件の組み合わせ例であり、
印刷用紙Pの厚さが更紙であり、温度が30℃、湿度が
90%(相対湿度:RHパーセント)であり、印刷速度
が1速(版付けの印刷速度を除く)であり、画像量が5
0%(印刷用紙Pの前半部分にベタ画像が有る)の場合
であり、この場合の印刷条件において、図4に示すよう
に可動ダクト131の送風口131a位置を最下位置と
したときに、用紙巻き上がりを最適に防止できることを
表している。
【0095】また、表2において、可動ダクト131の
送風口131a位置を最下位置としたときのもう一つの
各印刷条件は、例えば、用紙巻き上がりが中程度に発生
しやすい場合と最も発生しやすい場合の各印刷条件の組
み合わせ例であり、印刷用紙Pの厚さがPPC紙のそれ
であり、温度が23℃、湿度が65%(相対湿度:RH
パーセント)であり、印刷速度が1速(版付けの印刷速
度を除く)であり、画像量が80%(ポスター等のよう
にベタ画像のみ)の場合であり、この場合の印刷条件に
おいて、図4に示すように可動ダクト131の送風口1
31a位置を最下位置としたときに、用紙巻き上がりを
最適に防止できることを表している。
【0096】次いで、圧胴20がさらに反時計回り方向
に回転し、その回転位置で307°を占めたとき、遮光
板56が給紙開始センサ54を通過することにより、そ
のオン出力信号が上記制御装置に入力され、このオン出
力信号入力時から一定の遅れ時間を経過した後、レジス
トモータ52と同時に給紙モータ50が回転駆動され
る。これにより、レジストローラ33bが反時計回り方
向に回転され、圧胴20の用紙クランパ21に向けて印
刷用紙Pの先端の給送を開始し、分離ローラ32を同時
に低速で少しの間回転させることで印刷用紙Pのたわみ
が急激に消滅するときに生じる騒音を低減している。
【0097】レジストモータ52が回転駆動されるのに
前後して、可動ダクト131の送風口131aの位置が
上記したように各風向に対応した位置に保持された状態
で、可動ダクト131の送風口131aからの送風Aを
開始する(ステップS8参照)。
【0098】レジストローラ対33a,33bの回転に
より、印刷用紙Pの先端がレジストローラ対33a,3
3bのニップ部に突き当たっている位置から、所定量分
だけ用紙搬送方向Xの下流側に搬送されると、レジスト
センサ71がオンし、そのオン出力信号が上記制御装置
に入力される。この時、レジストローラ対33a,33
bのニップにおける印刷用紙Pの突き当て位置からレジ
ストセンサ71取り付け位置までの距離は一定であるた
め、レジストモータ52の駆動パルスカウントは一定の
はずであるが、特にレジストローラ対33a,33bの
回転初期はスリップが発生しやすい。このため、レジス
トセンサ71がオンするまでの駆動パルスカウントは、
1枚ごとに変わる可能性がある。そこで、上記制御装置
は、レジストセンサ71がオンするまでの駆動パルスカ
ウントから、印刷用紙Pの遅れを判断し、その後のレジ
ストモータ52の回転速度を速めると共にその回転量を
増加させてスリップ量補正をする。
【0099】上記したスリップ量補正終了後、上記制御
装置は、エンコーダセンサ121からの出力パルス信号
を取り込みつつこれに応じながら、用紙クランパ21の
用紙くわえ位置にタイミングを合わせて印刷用紙Pの先
端を給送すべくレジストモータ52を制御する、いわゆ
るフィードバック制御を行う。上述したように、レジス
トモータ52が1パルスで印刷用紙Pを送る用紙送り量
と、エンコーダ120の1パルス幅に対応する圧胴20
の外周移動量とは、同じに設定されている。これによ
り、例えば、上記制御装置は、圧胴20に固定されたエ
ンコーダ120の1パルス幅に要する時間を上記制御装
置内の上記タイマで検出し、圧胴20側の負荷変動等に
よりレジストモータ52の1パルスに要する時間が長く
なった場合、レジストモータ52を減速する。これと反
対に、制御装置150は、レジストモータ52の1パル
スに要する時間が短くなった場合、レジストモータ52
を増速してやるというフィードバック制御を行い、レジ
ストずれを少なくして印刷レジスト精度の向上を図って
いる。
【0100】なお、圧胴20は、上記メインモータから
の駆動によって、操作パネル等に設けられている印刷速
度設定キー(図示せず)により設定された設定印刷速度
値に応じた回転速度(周速度)で回転している。印刷用
紙Pは、圧胴20の周速度の1.4倍の送り速度で搬送
され、圧胴20の用紙クランパ21が閉じようとしたと
き、用紙クランパ21に追いつき、圧胴20の周速度と
同じ速度になる。
【0101】圧胴20の用紙クランパ21は、に示す所
定のタイミング(実施例的には圧胴20がホームポジシ
ョンから反時計回り方向に350.5°回転した位置を
占めたとき)で開く。上記制御装置によるエンコーダ・
フィードバック制御下において、レジストローラ33b
が反時計回り方向に回転されることにより、上のレジス
トローラ33aが印刷用紙Pを介して時計回り方向に従
動回転されることによって、印刷用紙Pの上記湾曲たわ
みが消滅する。このとき、各ワンウェイクラッチの作用
により、分離ローラ32と呼出しローラ30とが印刷用
紙Pの搬送によって従動回転しながら、印刷用紙Pの先
端が圧胴20の用紙クランパ21に向けて搬送され、用
紙クランパ21に突き当たり衝突する。この時、可動ダ
クト131の送風口131aから吐出される送風Aが、
版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間のわずかなす
き間から少しだけ印刷用紙Pの用紙幅方向Yの全体に亘
って吹き付けられている。この時の送風Aは、用紙クラ
ンパ21による印刷用紙Pの先端部のクランプ動作に支
障を来すことなく、印刷用紙Pの用紙幅方向Yの全体に
亘って印刷用紙Pの先端部を整えるように吹き付けるも
のである。
【0102】印刷用紙Pの先端が用紙クランパ21に衝
突するタイミングに合わせ、圧胴20の用紙クランパ2
1は、印刷用紙Pの先端部をクランプした後、用紙クラ
ンパ21は閉じられ、こうして圧胴20は、印刷用紙P
を圧胴20の外周面に保持したまま回転し、印刷用紙P
の先端部が版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間に
搬送される。版胴1の外周面と圧胴20の外周面との間
に搬送された印刷用紙Pに対して、上記接離手段の印圧
スプリング26a,26bにより圧胴20が版胴1の外
周面に押圧する上向きに揺動変位されることでニップ部
が形成されると共に、圧胴20の外周面が印刷用紙Pを
版胴1の外周面に対して押圧する。こうして、圧胴20
の外周面の押圧によって、回転する版胴1の外周面に巻
装された製版済みのマスタ2に印刷用紙Pが連続的に押
圧されることにより、製版済みのマスタ2が版胴1の外
周面に密着すると共に、版胴1の開孔部分から製版済み
のマスタ2の穿孔部分へとインキが滲み出てきて印刷用
紙Pの表面に転移され、版付け印刷が行われる。このと
き、インキローラ13も版胴1の回転方向と同一方向に
回転する。インキ溜り16のインキ14は、インキロー
ラ13の回転によりインキローラ13の表面に付着さ
れ、インキローラ13とドクターローラ15との間隙を
通過する際にその量を規制され、版胴1の内周面に供給
される(ステップS9参照)。
【0103】この間も、上記制御装置により、上記した
パルスエンコーダ・フィードバック制御が行われてい
る。そして、上記制御装置により、上記制御装置のRO
Mに記憶された分だけレジストモータ52が回転駆動さ
れた(実施例的には圧胴20がホームポジションから反
時計回り方向に75°(435°)回転した位置を占め
るまで)と判断されると、レジストモータ52の回転が
停止し、上記制御装置によるフィードバック制御が終了
する。
【0104】圧胴20がさらに回転し、排紙爪44の手
前の用紙排出位置で用紙クランパ21が開放されると、
上記したように各風向が設定された可動ダクト131の
送風口131aからの送風Aが、版胴1と印刷用紙Pと
の間であって、用紙巻き上がりの発生を防止すべく予め
設定された用紙搬送方向Xにおける印刷用紙Pの部位に
吹き付けると共に、開放された印刷用紙Pの先端部のあ
ばれを抑えながら、かつ、印刷用紙Pの先端部を安定し
て搬送できるように吹き付ける。これによって、用紙ク
ランパ21から離された印刷用紙Pの先端部が、版胴1
上に貼り付くこと無く版胴1から均一に剥離されつつ、
排紙爪44に受け渡される。こうして版胴1から剥離さ
れた印刷用紙Pは、吸引ファン49により搬送ベルト4
8上に吸着されつつ搬送されて排紙台45上に排出積載
される。こうして、製版済みのマスタ2にインキを充填
して製版済みのマスタ2を版胴1の外周面上に密着させ
る版付けが行われると共に、版胴1が圧胴20から離間
して初期状態に復帰し、印刷待機状態となる(ステップ
S10参照)。
【0105】版付け印刷終了後、オペレーターは排出さ
れた印刷物を目視して、印刷画像品質の確認や印刷画像
位置の確認等を行い、これらがオーケーであれば、テン
キー93で印刷枚数を設定し、印刷スタートキー92を
押下することにより、給紙、印刷および排紙の各工程が
設定した印刷枚数分繰り返して行われ、この後、剥離フ
ァン68の駆動を停止することにより送風を終了し、孔
版印刷の全工程が終了する(ステップS11〜S14参
照)。ここで、版付け印刷終了後の正規の印刷物を得る
印刷、排紙時の動作が、版付け印刷動作と相違する点
は、以下の印刷速度に関連する点のみである。この時の
印刷速度は、印刷速度設定キー96を押下しなかったの
で、通常使用される印刷速度に対応した標準印刷速度
「設定印刷速度:3速」に自動的に設定される。これに
より、版胴1および圧胴20は、設定印刷速度:3速に
対応した印刷速度となるようにメインモータ60により
回転される。印刷用紙Pの先端がレジストローラ対33
a,33bのニップ部より給送された後の給紙および印
刷の各工程は、設定印刷速度:3速に対応した用紙搬送
速度および印刷速度で、上述した印刷用紙Pの特有の搬
送動作および印刷動作が行われる。また、印刷条件とし
ての印刷速度が、版付け印刷速度(16rpm)から設
定印刷速度:3速(90rpm)に変更されたので、制
御装置150は変更された印刷速度に係る出力信号を基
づいて、これを加味して、上述したと同様にして可動ダ
クト131の送風口131aからの送風Aの各風向を設
定する。 (実施形態1の変形例1)図14および図15に、実施
形態1の変形例1を示す。この変形例1は、図14およ
び図15に示すように、図1ないし図13に示した実施
形態1と比較すると、用紙サイズ検知センサ群82に代
えて、用紙サイズを設定するための用紙サイズ設定手段
としての用紙サイズ入力キー84を有すること、および
制御装置150に代えて制御装置150Aを有すること
が主に相違する。
【0106】図15において、符号90Aは変形例1の
操作パネルを示す。変形例1の操作パネル90Aは、実
施形態1の操作パネル90と比較して、上記した用紙サ
イズ入力キー84と、用紙サイズ入力キー84で選択的
に設定された用紙サイズを表示するための用紙サイズ表
示用のLED(発光ダイオード)からなるランプ群85
とを付設したことのみ相違する。ランプ群85は、この
例では3つの用紙サイズA3、A4、B5のうちの何れ
か一つの用紙サイズが選択されていることを表示する3
つのランプ、すなわち、用紙サイズA3の印刷用紙Pが
選択されていることを表示するランプ85a、用紙サイ
ズA4の印刷用紙Pが選択されていることを表示するラ
ンプ85b、および用紙サイズB4の印刷用紙Pが選択
されていることを表示するランプ85cからなる。用紙
サイズ入力キー84を1回押すとランプ85aが点灯
し、同キー84を2回押すとランプ85bが、同キー8
4を3回押すとランプ85cが点灯するというように、
用紙サイズ入力キー84を1回押すごとに順次ランプの
点灯が切り替わり、オペレータが設定した用紙サイズが
選択されていることを表示するようになっている。
【0107】変形例1の制御装置150Aは、実施形態
1の制御装置150と比較して、用紙サイズ検知センサ
群82に代えて、用紙サイズ入力キー84からの出力信
号に基づいて、送風Aが用紙幅方向Yにおける印刷用紙
Pの予め設定された部位に当たるように制風板駆動モー
タ129を制御する制御手段の機能を有することが相違
する。以上の構成を具備する変形例1における孔版印刷
装置200の動作は、実施形態1から容易に類推して実
施できるので、その説明を省略する。なお、図14のブ
ロック図では、簡明化を図るため主要な制御対象構成要
素および制御構成のみ記載しており、ランプ群85等の
細部の制御対象構成要素の図示を省略している。 (実施形態1の変形例2)図16および図17に、実施
形態1の変形例2を示す。この変形例2は、図16およ
び図17に示すように、図1ないし図13に示した実施
形態1と比較すると、印刷用紙Pの厚さを検出する厚さ
検出手段としての用紙厚さ検知センサ105に代えて、
印刷用紙Pの種類を設定するための用紙種類設定手段と
しての紙種入力キー94を有すること、および制御装置
150に代えて制御装置150Bを有することが主に相
違する。
【0108】図17において、符号90Bは変形例2の
操作パネルを示す。変形例2の操作パネル90Bは、実
施形態1の操作パネル90と比較して、上記した紙種入
力キー94と、紙種入力キー94で選択的に設定された
印刷用紙Pの種類(以下、「紙種」というときがある)
を表示するための紙種表示用のLED(発光ダイオー
ド)からなるランプ群95とを付設したことのみ相違す
る。ランプ群95は、この例では3グループのうちの何
れか一つの紙種が選択されていることを表示する3つの
ランプ、すなわち、標準紙(普通紙)が選択されている
ことを表示するランプ95a、厚紙が選択されているこ
とを表示するランプ95b、および薄紙が選択されてい
ることを表示するランプ95cからなる。紙種入力キー
94を1回押すとランプ95aが点灯し、同キー94を
2回押すとランプ95bが、同キー94を3回押すとラ
ンプ95cが点灯するというように、紙種入力キー94
を1回押すごとに順次ランプの点灯が切り替わり、オペ
レータが設定した紙種が選択されていることを表示する
ようになっている。
【0109】変形例2の制御装置150Bは、実施形態
1の制御装置150と比較して、用紙厚さ検知センサ1
05からの出力信号に代えて、紙種入力キー94からの
出力信号に基づいて、送風Aが用紙幅方向Yにおける印
刷用紙Pの予め設定された部位に当たるように制風板駆
動モータ129を制御する制御手段の機能を有すること
が相違する。以上の構成を具備する変形例2における孔
版印刷装置200の動作は、実施形態1から容易に類推
して実施できるので、その説明を省略する。なお、図1
6のブロック図では、簡明化を図るため主要な制御対象
構成要素および制御構成のみ記載しており、ランプ群9
5等の細部の制御対象構成要素の図示を省略している。 (実施形態1の変形例3)図18および図19に、実施
形態1の変形例3を示す。変形例3は、実施形態1と比
較すると、実施形態1の剥離ファン68に代えて、剥離
ファン165を有することが主に相違する。変形例3の
剥離ファン165は、図12に示した実施形態1の剥離
ファン68と同様の位置に配置されている。この剥離フ
ァン165は、図18に模式的に示すファン駆動モータ
69およびファン駆動モータ69により回転駆動される
ファン(図示せず)等を備えた公知のファン部68a
と、ファン部68aに一体的に連結されファン部68a
で生成した送風を導入し送風する固定ダクト167とを
有する他、従来の剥離ファンとは異なる構成、すなわち
固定ダクト167を介してファン部68aからの送風A
の方向を変える風向可変手段を有している。この風向可
変手段は、版胴1と印刷用紙Pとの間であって版胴1の
端面側から見て上下方向Zに送風Aの方向を変える上下
風向可変手段166からなる。
【0110】上下風向可変手段166は、送風Aを吐出
する送風口167aを備え、送風口167aから吐出さ
れる送風Aの方向を上下方向Zに変えるべく上下方向Z
に揺動可能な上下風向可変部材としてのシャッタ168
と、このシャッタ168を版胴1の端面側から見て上下
方向Zに駆動するための駆動手段としてのシャッタ駆動
モータ169を備えたシャッタ開閉機構174とを具備
している。
【0111】固定ダクト167の開放端側は、可動ダク
ト131と同様な広口形状に形成されている。固定ダク
ト167の広口形状側の下壁には、固定ダクト167へ
導入された送風を選択的に逃がすための長方形状のエア
抜き孔173が開けられている。シャッタ168は、例
えば板金や適宜の合成樹脂で板状に形成されていて、平
面視で紙面の手前側が長い台形状をなす。シャッタ16
8の自由端部は、固定ダクト167の開放端近くまで延
び、その基端部は、固定ダクト167の広口形状部の止
端部近傍の上部において固定ダクト167の左右側壁を
挿通して回動自在に支持された軸168aに固着されて
いる。シャッタ168の自由端側の右側面部には、固定
ダクト167の右側壁に開けられた開口部167bから
突出する遮光片172が一体的に形成されている。シャ
ッタ168を軸168aを中心として揺動させること
で、送風口167aの面積を可変することができ、これ
により送風口167aからの送風Aの風向を上下方向Z
に変えることができる。
【0112】シャッタ開閉機構174は、上記したシャ
ッタ168と、シャッタ軸168aの軸端に固設された
従動ギヤ171と、従動ギヤ171近傍における排紙側
板(図18では図示せず)に取り付け固定されたシャッ
タ駆動モータ169と、シャッタ駆動モータ169の出
力軸169aに固設され、従動ギヤ171と噛み合う駆
動ギヤ170と、従動ギヤ171近傍の上記排紙側板に
固設され、シャッタの遮光片172と選択的に係合し
て、シャッタ168の上下方向Zのホームポジションを
検知するシャッタホームポジションセンサ(図示せず)
とを具備している。シャッタ駆動モータ169は、ステ
ッピングモータからなる。上記シャッタホームポジショ
ンセンサは、発光部および受光部を具備した透過型の光
学センサからなる。シャッタ168のホームポジション
は、シャッタ168が固定ダクト167の広口形状部の
上壁内面と平行状態となる位置に対応して設定されてい
る。ここで、上下風向可変手段166の動作を述べてお
く。シャッタ駆動モータ169に所定の駆動パルスが供
給されると、シャッタ駆動モータ169が図18におい
て時計回り方向に回転駆動され、その回転駆動力が駆動
ギヤ170、従動ギヤ171、軸168aへと順次伝達
されて、シャッタ168が図19に実線で示すホームポ
ジションから時計回り方向へ揺動する。シャッタ168
の自由端が図19に仮想線で示すように最下位まで揺動
すると、送風口167aが完全に閉じられ、これにより
固定ダクト167へ導入された送風Aはシャッタ168
に当たりその風向を下方向に変えられることにより、エ
ア抜き孔173から下方向に逃げる。したがって、シャ
ッタ駆動モータ169に供給される駆動パルス数を可変
することにより、シャッタ168の揺動角度を段階的に
可変することができ、これにより固定ダクト167の送
風口167aからの送風Aを所望とする上下方向Zに段
階的に変えることができる。また同時に、シャッタ16
8が図19に実線で示すホームポジションから時計回り
方向へ揺動するに連れて、エア抜き孔173から下方向
に逃げる送風Aの量を可変することができる。例えば、
用紙巻き上がりが発生しやすく、固定ダクト167の送
風口167aからの送風Aを下方向にしたいときには、
シャッタ168を図19に実線で示すホームポジション
から時計回り方向へ揺動させることで、図20(a)に
示すように、送風口167aからの送風Aを下方向に変
えればよい。これと反対に、用紙巻き上がりが発生しに
くく、固定ダクト167の送風口167aからの送風A
が不必要なときには、図20(b)に示すように、シャ
ッタ168の自由端を図19に仮想線で示すような最下
位まで揺動させることにより、シャッタ168で送風口
167aを閉じ、送風Aをエア抜き孔173から下方向
に逃がせばよい。
【0113】変形例3においても、実施形態1、変形例
1,2等と同様にして、表2を参照して説明したような
動作を容易に実施できることは言うまでもない。なお、
剥離ファン165は、上記した構造のものに限定され
ず、例えば固定ダクト167に対するシャッタ168の
基端部位置を図19において下側に配設し、エア抜き孔
173を固定ダクト167の上壁に形成してもよい。
【0114】実施形態1や変形例1〜3では、印刷装置
が紙くわえ圧胴方式の場合で説明したが、図21に示す
ように、押圧手段としてプレスローラ40を用いた孔版
印刷装置200Aにも勿論適用できる。プレスローラ4
0は、給紙部29から給送されてきた印刷用紙Pを製版
済みのマスタ2を介して版胴1に押し付けて印刷画像を
印刷用紙P上に形成する押圧手段としての機能を有す
る。プレスローラ40は、紙面の手前側および奥側に一
対配設された各ローラアーム41の基端部においてアー
ム軸42に回転自在に支持されていて、版胴1の外周面
に接離自在に設けられている。版胴1に対するプレスロ
ーラ40の印圧は、各ローラアーム41に張設された引
張バネ(図示せず)によって加えられると共に、この引
張バネの付勢力によってローラアーム41は、プレスロ
ーラカム(図示せず)の輪郭周面に圧接している。上記
プレスローラカムは、版胴1のメインモータ60駆動部
とは独立したプレスローラ駆動モータ(図示せず)によ
って、レジストローラ対33a,33bからの印刷用紙
Pの給送タイミングに合せて回転されるようになってい
る。孔版印刷装置200Aにおける剥離ファン68また
は剥離ファン165の動作は、実施形態1等から容易に
類推して実施できるのでその説明を省略する。
【0115】用紙巻き上がりの要因の特性としては、上
記した種々の印刷条件に限らず、例えばインキの種類
(硬いインキや柔らかいインキ)等を組み合わせたり、
あるいは特開平9−193526号公報で開示されてい
るような送風量調整手段を本発明の風向可変手段に適宜
付設したりして、上述した実施形態1や変形例1,2よ
りもさらに木目の細かい風向可変制御および送風量調整
を行うようにしても勿論構わない。
【0116】実施形態1や変形例1,2では、風向可変
手段として、用紙幅風向可変手段115と上下風向可変
手段130とを両方具備していたが、これに限らず、そ
の必要性および用途等に応じて用紙幅風向可変手段11
5および上下風向可変手段130の何れかを具備するも
のでも構わない(請求項2〜請求項5参照)。
【0117】説明が前後するが、孔版印刷装置200,
200Aは、従来装置と比較していわゆる上級種である
ため、風向可変手段を構成する用紙幅風向可変手段11
5や上下風向可変手段130を自動的に各送風の方向を
変える構成としたが、これを望まなくてもよいのであれ
ば、用紙幅風向可変手段115や上下風向可変手段13
0から各駆動手段等を除去して手動用の機構とすること
も勿論可能である(請求項1〜請求項5参照)。
【0118】実施形態1の制御装置150、変形例1の
制御装置150Aや変形例2の制御装置150Bでは、
種々の印刷条件の下において、用紙の巻き上がりを防止
すべく、特性値検出手段群100(画像量検出手段10
1、印刷速度検知センサ62、温度センサ103、湿度
センサ104、用紙厚さ検知センサ105)や紙種入力
キー95からの各種出力信号に基づいて、送風Aが用紙
搬送方向Xにおける印刷用紙Pの予め設定された部位に
当たるようにダクト駆動モータ139を制御する機能
と、用紙サイズ検知センサ群82や用紙サイズ入力キー
84からの出力信号に基づいて、送風Aが用紙幅方向Y
における印刷用紙Pの予め設定された部位に当たるよう
に制風板駆動モータ129を制御する制御手段の機能
と、圧胴20の用紙クランパ21により印刷用紙Pの先
端部がクランプされるときおよび用紙クランパ21から
印刷用紙Pの先端部が離れるとき、送風Aが用紙搬送方
向Xにおける印刷用紙Pのそれぞれ予め設定された部位
に当たるようにダクト駆動モータ139を制御する制御
手段の機能とを併せ有していたが、このように精度が高
く木目の細かい印刷用紙Pの剥離、排紙動作を望まなく
てもよいのであれば、これに限らず、上記した各種セン
サのうちの一つ、あるいは二つ以上のセンサからの出力
信号に基づいて、上記制御機能のうちの一つ、あるいは
二つ以上の制御機能を具備するものでもよい(請求項6
〜請求項16参照)。
【0119】本発明は、実施形態1や変形例1〜3のよ
うな片面印刷方式に限らず、例えば、特開平9−193
526号公報記載の2胴式の印刷装置に適用できること
は勿論、いわゆる両面同時印刷方式にも適用でき、排紙
剥離手段として剥離ファンを備えた印刷装置であればど
のようなタイプのものであっても適用できる。
【0120】なお、実施形態1や変形例1〜3における
剥離ファン68や165の作動は、上記動作例に限定さ
れず、例えば用紙巻き上がりの発生しにくいものである
ことが明確になっている場合には、剥離ファン68や1
65の作動をとめて送風せずオフ状態にしてもよい。そ
して、これを実施可能とするために、例えば剥離ファン
68や165の作動をとめるための送風オフキーのよう
な剥離ファン非作動設定手段を操作パネル等に配設し
て、製版スタートキーの押下動作に前後してそれを押す
ことによって剥離ファン68や165を不作動とする。
また、上記送風オフキーを設けず、例えば用紙巻き上が
りの発生しにくい印刷条件のような場合、すなわち剥離
ファンからの送風が不必要な場合、その印刷条件に基づ
いて、本発明の制御手段としての制御装置が送風しない
ように剥離ファン68や165を自動的に不作動とすべ
く制御するようにしてもよい。このように剥離ファンか
らの送風が不必要な場合、剥離ファンからの送風をとめ
るので、動作音や送風音は発生せず、エネルギーの無駄
遣いを無くすことができる。
【0121】以上述べたとおり、本発明を実施例を含む
特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成
は、上述した実施形態や変形例等に限定されるものでは
なく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発
明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて
種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者なら
ば明らかである。
【0122】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、上
述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規
な印刷装置を提供することができる。請求項ごとの効果
を挙げれば次のとおりである。請求項1記載の発明によ
れば、送風剥離手段からの送風の方向を変える風向可変
手段を有することにより、用紙巻き上り等が発生しやす
い印刷条件の下では、版胴と印刷用紙との間の最適な位
置に送風することで、印刷用紙を版胴から確実に剥離し
て用紙巻き上り等を防止することができると共に、剥離
ファンの動作音や送風音を大きくせずに、省エネルギー
化を図ることができる。
【0123】請求項2記載の発明によれば、風向可変手
段を剥離ファンの送風吐出部に設けたことにより、請求
項1記載の発明の効果に加えて、風向可変手段の小型化
を図れる。
【0124】請求項3記載の発明によれば、風向可変手
段は、版胴と印刷用紙との間であって版胴の端面側から
見て上下方向に送風の方向を変える上下風向可変手段を
備えていることにより、用紙巻き上りの発生に最も関係
する版胴と印刷用紙との間の用紙搬送方向の最適な位置
に送風することができるので、請求項1または2記載の
発明の効果に加えて、印刷用紙を版胴からさらに確実に
剥離して用紙巻き上りを確実に防止することができる。
【0125】請求項4記載の発明によれば、風向可変手
段は、用紙幅方向に送風の方向を変える用紙幅風向可変
手段を備えていることにより、請求項1または2記載の
発明の効果に加えて、印刷用紙のサイズに応じて、版胴
と印刷用紙との間の用紙幅方向に均一に送風することが
可能となるので、用紙幅方向に亘り印刷用紙を版胴から
均一に剥離することができると共に、画像濃度ムラが生
じるのを防止することができる。
【0126】請求項5記載の発明によれば、風向可変手
段は、版胴と印刷用紙との間であって版胴の端面側から
見て上下方向に送風の方向を変える上下風向可変手段を
備えていることにより、用紙巻き上りの発生に最も関係
する版胴と印刷用紙との間の用紙搬送方向の最適な位置
に送風することができるので、請求項4記載の発明の効
果に加えて、印刷用紙を版胴からさらに確実に剥離して
用紙巻き上りを確実に防止することができる。
【0127】請求項6記載の発明によれば、制御手段
は、特性値検出手段からの出力信号に基づいて、送風が
用紙搬送方向における印刷用紙の予め設定された部位に
当たるように駆動手段を制御することにより、例えば手
動操作によって、版胴と印刷用紙との間であって版胴の
端面側から見て上下方向に送風の方向を変えるという煩
わしさを伴うこと無く自動的に、請求項3記載の発明の
効果を奏する。
【0128】請求項7記載の発明によれば、制御手段
は、特性値検出手段からの出力信号に基づいて、送風が
用紙幅方向における印刷用紙の予め設定された部位に当
たるように駆動手段を制御することにより、例えば手動
操作によって、用紙幅方向に風向を変えるという煩わし
さを伴うこと無く自動的に、請求項4記載の発明の効果
を奏する。
【0129】請求項8記載の発明によれば、制御手段
は、特性値検出手段からの出力信号に基づいて、送風が
用紙搬送方向および用紙幅方向における印刷用紙の予め
設定された部位に当たるように各駆動手段を制御するこ
とにより、例えば手動操作によって、用紙搬送方向およ
び用紙幅方向に風向を変えるという煩わしさを伴うこと
無く自動的に、請求項5記載の発明の効果を奏する。
【0130】請求項9記載の発明によれば、特性値検出
手段は、印刷用紙に印刷される画像の画像量を検出する
画像量検出手段からなることにより、画像の画像量の多
少に応じて、請求項6,7または8記載の発明の効果を
奏する。
【0131】請求項10記載の発明によれば、特性値検
出手段は、版胴の回転速度を検出する回転速度検出手段
からなることにより、版胴の回転速度の遅速に応じて、
請求項6,7または8記載の発明の効果を奏する。
【0132】請求項11記載の発明によれば、特性値検
出手段は、印刷装置本体の内部および外部のうちの少な
くとも一方の温度を検出する温度検出手段からなること
により、印刷装置本体の内部および外部のうちの少なく
とも一方の温度の高低に応じて、請求項6,7または8
記載の発明の効果を奏する。
【0133】請求項12記載の発明によれば、特性値検
出手段は、印刷装置本体の内部および外部の湿度のうち
の少なくとも一方の湿度を検出する湿度検出手段からな
ることにより、印刷装置本体の内部および外部の湿度の
うちの少なくとも一方の湿度の高低に応じて、請求項
6,7または8記載の発明の効果を奏する。
【0134】請求項13記載の発明によれば、特性値検
出手段は、印刷用紙の厚さを検出する厚さ検出手段から
なることにより、印刷用紙の厚さの厚薄に応じて、請求
項6,7または8記載の発明の効果を奏する。
【0135】請求項14記載の発明によれば、各制御手
段は、少なくとも二つ以上の特性値検出手段からの各出
力信号に基づいて、送風が用紙搬送方向および/または
用紙幅方向における印刷用紙の予め設定された部位に当
たるように各駆動手段を制御することにより、少なくと
も二つ以上の特性値の大小に応じて、請求項6ないし1
3の何れか一つに記載の発明の効果を奏する。また、よ
り実際の印刷条件に近い木目の細かい各風向の可変制御
が可能となる。
【0136】請求項15記載の発明によれば、制御手段
は、用紙サイズ検出手段からの出力信号に基づいて、送
風が用紙幅方向における印刷用紙の予め設定された部位
に当たるように駆動手段を制御することにより、例えば
印刷用紙のサイズに応じて、手動操作によって、用紙幅
方向に風向を変えるという煩わしさを伴うこと無く自動
的に、請求項4または5記載の発明の効果を奏する。
【0137】請求項16記載の発明によれば、制御手段
は、圧胴の保持手段により印刷用紙の先端部が保持され
るときおよび保持手段から印刷用紙の先端部が離れると
き、送風が用紙搬送方向における印刷用紙のそれぞれ予
め設定された部位に当たるように駆動手段を制御するこ
とにより、保持手段により印刷用紙の先端部が保持され
るとき、印刷用紙の先端部のあばれを抑えると共に、保
持手段から開放された印刷用紙の先端部を安定して搬送
できる。また、例えば手動操作によって、用紙搬送方向
に風向を変えるという煩わしさを伴うこと無く自動的
に、請求項3または5記載の発明の効果を奏する。
【0138】請求項17記載の発明によれば、版胴の近
傍に配設され、版胴から印刷用紙を剥離する剥離部材を
有することにより、たとえ、送風剥離手段からの送風に
よって版胴と印刷用紙との間に送風されても印刷用紙の
先端部が浮き上がらないようなときでも、剥離部材で版
胴から印刷用紙を強制的に剥離することができるので、
最悪でも用紙巻き上りの発生やジャムの発生を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す孔版印刷装置の剥離
ファン、用紙幅風向可変手段および上下風向可変手段周
りの斜視図である。
【図2】実施形態1における剥離ファンの可動ダクトの
上下変位動作を示す要部の正面図である。
【図3】(a)は実施形態1における剥離ファンの可動
ダクトを上方向へ変位させたときの送風状態を、(b)
は可動ダクトを下方向へ変位させたときの送風状態をそ
れぞれ表す概略的な正面図である。
【図4】(a)は実施形態1における剥離ファンの可動
ダクトを最上位置へ変位させたときの送風状態を、
(b)は可動ダクトを最下位置へ変位させたときの送風
状態をそれぞれ表す概略的な正面図である。
【図5】実施形態1における用紙幅風向可変手段および
開閉機構を示す一部断面平面図である。
【図6】図5の要部の一部断面正面図である。
【図7】(a)は実施形態1における用紙幅風向可変手
段の各制風板が用紙サイズ大に応じて開く方向に移動し
た動作状態を、(b)は同各制風板が用紙サイズ小に応
じて閉じる方向に移動した動作状態をそれぞれ表す概略
的な平面図であり、(c)は用紙サイズに応じて制風板
が開閉される動作状態を説明する図表である。
【図8】実施形態1における主要な制御構成を表すブロ
ック図である。
【図9】実施形態1における操作パネルの要部の平面図
である。
【図10】実施形態1における用紙サイズ検知センサ群
の配設状態を一部を破断して示す斜視図である。
【図11】実施形態1における版胴と圧胴の関係および
圧胴の用紙クランパの動作を示す概略的な正面図であ
る。
【図12】実施形態1における孔版印刷装置の構成を示
す概略的な正面図である。
【図13】実施形態1における孔版印刷装置の主要な動
作順序を示すフローチャートである。
【図14】実施形態1の変形例1における主要な制御構
成を表すブロック図である。
【図15】実施形態1の変形例1における操作パネルの
要部の平面図である。
【図16】実施形態1の変形例2における主要な制御構
成を表すブロック図である。
【図17】実施形態1の変形例2における操作パネルの
要部の平面図である。
【図18】実施形態1の変形例3における剥離ファンお
よび上下風向可変手段周りの斜視図である。
【図19】実施形態1の変形例3における剥離ファンの
シャッタの揺動動作を示す一部断面正面図である。
【図20】(a)は実施形態1の変形例3における剥離
ファンのシャッタの揺動により送風が下方向になったと
きの動作状態を、(b)は同シャッタを閉じて送風が下
方向に逃げている動作状態をそれぞれ表す概略的な正面
図である。
【図21】プレスローラを用いた実施形態1と別の孔版
印刷装置の構成を示す概略的な正面図である。
【符号の説明】
1 版胴 2 マスタ 20 圧胴 21 保持手段としての用紙クランパ 62 回転速度検出手段としての印刷速度検知センサ 66 剥離部材としての剥離爪 68,165 剥離ファン 82 用紙サイズ検出手段としての用紙サイズ検知セ
ンサ群 100 特性値検出手段群 101 画像量検出手段 103 温度検出手段としての温度センサ 104 湿度検出手段としての湿度センサ 105 厚さ検出手段としての用紙厚さ検知センサ 115 用紙幅風向可変手段 116a,116b 用紙幅風向可変手段を構成する制
風板 129 用紙幅風向可変手段の駆動手段としての制風板
駆動モータ 130 上下風向可変手段 131 上下風向可変手段を構成する可動ダクト 139 上下風向可変手段の駆動手段としてのダクト駆
動モータ 150,150A,150B 制御手段としての制御
装置 200,200A 印刷装置の一例としての孔版印刷
装置 P 印刷用紙 X 用紙搬送方向 Y 用紙幅方向

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタを巻装する版胴の内部から該版胴上
    のマスタにインキを供給し、上記版胴上のマスタに印刷
    用紙を押し付けて印刷用紙に印刷を行い、送風剥離手段
    により上記版胴と印刷用紙との間に送風して上記版胴か
    ら印刷用紙を剥離する印刷装置において、 上記送風剥離手段からの送風の方向を変える風向可変手
    段を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置において、 上記送風剥離手段は、剥離ファンからなり、上記風向可
    変手段を該剥離ファンの送風吐出部に設けたことを特徴
    とする印刷装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の印刷装置におい
    て、 上記風向可変手段は、上記版胴と印刷用紙との間であっ
    て上記版胴の端面側から見て上下方向に上記送風の方向
    を変える上下風向可変手段を備えていることを特徴とす
    る印刷装置。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の印刷装置におい
    て、 上記風向可変手段は、用紙幅方向に上記送風の方向を変
    える用紙幅風向可変手段を備えていることを特徴とする
    印刷装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の印刷装置において、 上記風向可変手段は、上記版胴と印刷用紙との間であっ
    て上記版胴の端面側から見て上下方向に上記送風の方向
    を変える上下風向可変手段を備えていることを特徴とす
    る印刷装置。
  6. 【請求項6】請求項3記載の印刷装置において、 上記上下風向可変手段は、これを駆動する駆動手段を備
    えており、 印刷用紙が上記版胴から剥離されないで上記版胴に貼り
    付いたままとなる用紙巻き上がり要因の特性値を検出す
    る特性値検出手段と、この特性値検出手段からの出力信
    号に基づいて、上記送風が用紙搬送方向における印刷用
    紙の予め設定された部位に当たるように上記駆動手段を
    制御する制御手段とを有することを特徴とする印刷装
    置。
  7. 【請求項7】請求項4記載の印刷装置において、 上記用紙幅風向可変手段は、これを駆動する駆動手段を
    備えており、 印刷用紙が上記版胴から剥離されないで上記版胴に貼り
    付いたままとなる用紙巻き上がり要因の特性値を検出す
    る特性値検出手段と、この特性値検出手段からの出力信
    号に基づいて、上記送風が上記用紙幅方向における印刷
    用紙の予め設定された部位に当たるように上記駆動手段
    を制御する制御手段とを有することを特徴とする印刷装
    置。
  8. 【請求項8】請求項5記載の印刷装置において、 上記上下風向可変手段および上記用紙幅風向可変手段
    は、これらをそれぞれ駆動する駆動手段を備えており、 印刷用紙が上記版胴から剥離されないで上記版胴に貼り
    付いたままとなる用紙巻き上がり要因の特性値を検出す
    る特性値検出手段と、この特性値検出手段からの出力信
    号に基づいて、上記送風が用紙搬送方向および用紙幅方
    向における印刷用紙の予め設定された部位に当たるよう
    に上記各駆動手段を制御する制御手段とを有することを
    特徴とする印刷装置。
  9. 【請求項9】請求項6,7または8記載の印刷装置にお
    いて、 上記用紙巻き上がり要因の特性が、印刷用紙に印刷され
    る画像の画像量であり、 上記特性値検出手段は、上記画像の画像量を検出する画
    像量検出手段からなることを特徴とする印刷装置。
  10. 【請求項10】請求項6,7または8記載の印刷装置に
    おいて、 上記用紙巻き上がり要因の特性が、上記版胴の回転速度
    であり、 上記特性値検出手段は、上記回転速度を検出する回転速
    度検出手段からなることを特徴とする印刷装置。
  11. 【請求項11】請求項6,7または8記載の印刷装置に
    おいて、 上記用紙巻き上がり要因の特性が、上記印刷装置本体の
    内部および外部の温度のうちの少なくとも一方の温度で
    あり、 上記特性値検出手段は、上記少なくとも一方の温度を検
    出する温度検出手段からなることを特徴とする印刷装
    置。
  12. 【請求項12】請求項6,7または8記載の印刷装置に
    おいて、 上記用紙巻き上がり要因の特性が、上記印刷装置本体の
    内部および外部の湿度のうちの少なくとも一方の湿度で
    あり、 上記特性値検出手段は、上記少なくとも一方の湿度を検
    出する湿度検出手段からなることを特徴とする印刷装
    置。
  13. 【請求項13】請求項6,7または8記載の印刷装置に
    おいて、 上記用紙巻き上がり要因の特性が、印刷用紙の厚さであ
    り、 上記特性値検出手段は、上記厚さを検出する厚さ検出手
    段からなることを特徴とする印刷装置。
  14. 【請求項14】請求項6ないし13の何れか一つに記載
    の印刷装置において、 上記各制御手段は、少なくとも二つ以上の上記特性値検
    出手段からの各出力信号に基づいて、上記送風が上記用
    紙搬送方向および/または上記用紙幅方向における印刷
    用紙の予め設定された部位に当たるように上記各駆動手
    段を制御することを特徴とする印刷装置。
  15. 【請求項15】請求項4または5記載の印刷装置におい
    て、 上記用紙幅風向可変手段は、これを駆動する駆動手段を
    備えており、 印刷用紙のサイズを検出する用紙サイズ検出手段と、こ
    の用紙サイズ検出手段からの出力信号に基づいて、上記
    送風が上記用紙幅方向における印刷用紙の予め設定され
    た部位に当たるように上記駆動手段を制御する制御手段
    とを有することを特徴とする印刷装置。
  16. 【請求項16】請求項3または5記載の印刷装置におい
    て、 上記上下風向可変手段は、これを駆動する駆動手段を備
    えており、 給送されて来た印刷用紙の先端部を保持する保持手段を
    備え上記版胴の外径と略同径の圧胴と、上記保持手段に
    より印刷用紙の先端部が保持されるときおよび上記保持
    手段から印刷用紙の先端部が離れるとき、上記送風が用
    紙搬送方向における印刷用紙のそれぞれ予め設定された
    部位に当たるように上記駆動手段を制御する制御手段と
    を有することを特徴とする印刷装置。
  17. 【請求項17】請求項1ないし16の何れか一つに記載
    の印刷装置において、 上記版胴の近傍に配設され、上記版胴から印刷用紙を剥
    離する剥離部材を有することを特徴とする印刷装置。
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