JP3933739B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関のシリンダヘッドに取付けられて燃焼室に燃料を直接噴射する形式の燃料噴射弁においては、燃焼室への燃料の噴霧を適切に行われなければならない。このための一方法として、噴射される燃料流に旋回体により旋回エネルギーを与えて燃料噴射孔から噴射する装置があった。
【0003】
従来のこの種の燃料噴射弁として、特開昭64−36972号公報に示された装置を例に説明する。図9(a)は燃料噴射弁の噴射孔付近を示す側面断面図、図9(b)はスワーラ(旋回体)の平面図である。図において、可動弁101は電磁駆動手段により上下方向に駆動され、バルブガイド105の円錐座面105bと離接することにより弁の開閉を行い、燃料噴射孔105aから燃料が噴射される。一方、バルブガイド105の円錐座面105bには、この座面105bと同じ角度の円錐面を有するスワーラ(旋回体)102が配置されており、このスワーラ102の外周部には2本以上の渦巻き状の燃料溝102bが形成されている。スワーラ102の中心軸に沿った透孔102aには可動弁101が摺動自在に設置され、スワーラ102の円錐面の底面とヨーク107と一体的に固定されたストッパ104との間には、弾性部材103が介装されて、スワーラ102を円錐座面105bに向けて付勢している。
【0004】
図9の装置において、ヨーク107の燃料通路から導入された燃料は、ストッパ104、弾性部材103の通路103bを通り、スワーラ102の燃料溝102bを介してバルブガイド105の燃料噴射孔105aからエンジンのシリンダ内に噴射される。すなわち、燃料流は、渦巻き状のスワーラ溝102bを介して旋回エネルギーが与えられ、バルブガイド105のオリフィス孔105aで絞られ燃料の微粒化が行われて噴射される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃料噴射弁において、燃料流に旋回エネルギーを与える旋回体(スワーラ)は一般に切削等により加工製作されてきたが、このような切削加工の場合、大量生産を行っても製造コストが高くつくという問題があった。また、従来は、燃料流に旋回を与える場合の旋回力が不足し易く、このため旋回のばらつきが発生して燃料噴霧の最適制御を可能にすることが難しかった。
【0006】
この発明は、上記のような問題を解消するためになされたもので、燃料に旋回力を与える旋回体の製作について低コストで大量生産を可能にすること、また、同時に従来の切削加工によるバリの発生を防止し、複雑な形状にも対応できるようにすること、さらには、燃料流に旋回を与える場合の旋回力を強化して旋回のばらつきを抑え、燃料噴霧の最適制御を可能にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、中空状の弁本体と、この弁本体の一端に設けられ噴射孔を有する弁座と、弁座に離接して噴射孔を開閉する弁体と、弁体を囲んで弁体を摺動可能に支持すると共に噴射孔に流入する流体に旋回を与える旋回体を備えた燃料噴射弁の製造方法において、旋回体が、弁座に当接する第1端面を備え、この第1端面には弁軸の径方向内側に向かって延びる旋回溝を有し、旋回溝の断面形状が半円若しくは半円より小さい円の一部となるように、金属粉末射出成形により製作したことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、中空状の弁本体と、この弁本体の一端に設けられ噴射孔を有する弁座と、上記弁座に離接して上記噴射孔を開閉する弁体と、上記弁体を囲んで上記弁体を摺動可能に支持すると共に上記噴射孔に流入する流体に旋回を与える旋回体を備えた燃料噴射弁の製造方法において、上記旋回体が、上記弁座に当接する第1端面を備え、この第1端面には弁軸の径方向内側に向かって延びる旋回溝を有し、上記旋回溝の断面形状が半円若しくは半円より小さい円の一部となっており、かつ、上記旋回溝の溝入口の溝幅が溝出口の溝幅より広く、溝入口の流路断面積が溝出口流路断面積より大きくなるように、金属粉末射出成形により製作したことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、中空状の弁本体と、この弁本体の一端に設けられ噴射孔を有する弁座と、上記弁座に離接して上記噴射孔を開閉する弁体と、上記弁体を囲んで上記弁体を摺動可能に支持すると共に上記噴射孔に流入する流体に旋回を与える旋回体を備えた燃料噴射弁の製造方法において、上記旋回体が、上記弁座に当接する第1端面を備え、この第1端面には弁軸の径方向内側に向かって延びる旋回溝を有し、上記旋回溝の断面形状が半円若しくは半円より小さい円の一部となっており、かつ、上記旋回溝の溝底面が軸方向に傾斜し、溝入口の流路断面積が溝出口流路断面積より大きくなるように、金属粉末射出成形により製作したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による筒内噴射用燃料噴射弁1の全体構成を示す側面断面図である。図において、筒内噴射用燃料噴射弁1は、ハウジング本体2と、このハウジング本体2の一端にかしめ等され先端がホルダ35により被覆された弁装置3とにより構成されている。ハウジング本体2の他端には燃料供給管4が接続され、この燃料供給管4から燃料フィルタ57を介して筒内噴射用燃料噴射弁1内に高圧の燃料が供給される。また、筒内噴射用燃料噴射弁1の先端部は内燃機関のシリンダヘッド5の噴射弁挿入孔6に挿入され、ウエーブワッシャ60等によりシールされて取り付けられている。
【0011】
弁装置3は、小径円筒部7及び大径円筒部8を有する段付中空円筒形の弁本体9と、弁本体9内で中心孔先端に固着されて燃料噴射孔10を有する弁座11と、ソレノイド装置50(後述)により弁座11に離接して燃料噴射孔10を開閉する弁体であるニードル弁12と、ニードル弁12を軸方向に案内すると共に、径方向内向きに弁座11の燃料噴射孔10に流れ込もうとする燃料に旋回運動を与える旋回体13とから構成される。
【0012】
ハウジング本体2は、筒内噴射用燃料噴射弁1をシリンダヘッド5に取り付けるためのフランジ30aを有する第1ハウジング30と、ソレノイド装置50を装着した第2ハウジング40を備えている。ソレノイド装置50は、コイル51を巻回したボビン52と、このボビン52の内周部に設置されたコア53とを有し、コイル51の巻線は端子56に接続されている。コア53はその内部が燃料通路となるように中空円筒形状になっており、その中空部には、スプリング55がスリーブ54とニードル弁12の他端部間に懸架されている。
【0013】
ニードル弁12の他端部には、上記コア53の先端に対向するように可動アマチュア31が取り付けられており、また、ニードル弁12の中間部には、ニードル弁12を弁本体9の内周面に沿って摺動案内させるガイド12aと、第1ハウジング30に設置されたスペーサ32と当接するニードルフランジ12bが設けられている。
【0014】
図2は旋回体13及び弁座11の詳細を示す側面断面図、図3は旋回体13を弁座11側から見た正面図である。図において、旋回体13は、中心に弁体であるニードル弁12を囲んで軸方向に摺動可能に支持する中心孔15を有するほぼ中空円筒形状であり、その先端(弁座)側では傾斜面(第1端面)16を有する略中空円錐形状と成っている。この旋回体13は、弁装置3内に組み立てられた時、弁軸から所定角度傾斜している弁座11の傾斜面11bとほぼ同傾斜角を有し上記傾斜面11bに接する第1端面16と、弁座11と反対側の第2端面17と、これらの端面間にあって中空のハウジングの一部である弁本体9の内周面18に接する部分を有する周面19とを有している。
【0015】
旋回体13の第2端面17は、その周辺部で弁本体9の内周面18の肩部20に当接して支持されており、また径方向に延びた通路溝21が形成されていて、第2端面17の内周部から外周部に燃料が流れることができるように構成されている。
【0016】
旋回体13の周面19には、互いに等間隔に周方向に離間して軸方向に延びた多数の平坦面が形成されており、その結果、周面19には弁本体9の内周面18に当接して弁本体9に対する位置を規定する複数の外周面部分19aと、これら外周面部分間に設けられた平坦面であって、内周面18と共に燃料の軸方向流路22を形成する流路部分19bとが形成されている。これらの軸方向流路22は弁本体9の内周面18と平坦な流路部分19bとの間の間隙であり、その断面形状が略片面凸レンズ状となる。
【0017】
弁座11の傾斜面11bに接し、弁軸から所定角度噴射孔10に向けて傾斜している第1端面16には、第1端面16の中心孔15に隣接する内周辺に形成された所定幅の内周環状溝24と、一端で周面19の流路部分19bに接続されて、そこからほぼ径方向内側に延びて、他端で内周環状溝24に接線方向に接続された旋回溝25とが設けられ、上記内周環状溝24により燃料流の旋回力を強化し安定化させる旋回室Wを構成している。
【0018】
そして、上述の旋回体13は金属粉末射出成形された焼結材により製作されている。また、この実施の形態1では、旋回体13の第1端面16に形成された旋回溝25は、図4に示すように、その断面形状が弁座側の端面開口径を直径とする半円若しくは半円より小さい円の一部となっている。
【0019】
次に、上記燃料噴射弁の動作について説明する。まず図1において、外部より端子56を介してソレノイド装置50のコイル51に通電すると、可動アマチュア31、コア53、ハウジング本体2で構成される磁気通路に磁束が発生し、可動アマチュア31はスプリング55の弾性力に抗してコア53側へ吸引される。そして、可動アマチュア31と一体のニードル弁12はそのニードルフランジ12bがスペーサ32に当接するまで所定ストローク図示右側へ移動する。なお、ニードル弁12はガイド12aにより弁本体9の内周面に案内保持されている。
【0020】
次に、図2及び図3において、ニードル弁12の先端部が弁座11から離れて間隙が形成されると、燃料供給管4から導入される高圧の燃料は、弁本体9とニードル弁12間の通路から、まず旋回体13の第2端面17の通路溝21を通って周面の軸方向流路22に流れ込む。そして、旋回体13の所定角度傾斜した第1端面16の旋回溝25に流入して径方向内側に流れ、第1端面16の内周環状溝24内へその接線方向に流れ込み、内周環状溝24で構成する旋回室Wにおいて旋回流を形成する。その後、弁座11の噴射孔10内に入ってその先端出口から噴霧される。
【0021】
以上のように実施の形態1によれば、燃料に旋回を与える旋回体13の旋回溝断面形状を半円若しくは半円より小さい円の一部とすることにより、流路抵抗が低減し、燃料に与える旋回を強化することが可能となる。また、旋回体13は弁体であるニードル弁12を摺動可能に支持しているのであるが、この旋回体13を高密度化が可能で、硬度を高くすることができる金属粉末射出成形により製作するようにしたので、切削加工時と同等の寸法精度及び耐磨耗性を確保しながら、低コストで大量生産が可能となる効果がある。
【0022】
また、旋回体13を金属粉末射出成形により製作することにより、切削加工では製作困難な形状を作成することができ、更に切削加工時に発生していたバリも防ぐことができる。
【0023】
実施の形態2.
図5は実施の形態2による筒内噴射用燃料噴射弁の先端部付近の拡大断面図を示し、図6は図5の噴射孔側からみた旋回体13を示す。本実施の形態による旋回体13は、ニードル弁12を軸方向に摺動可能に支持する略中空円筒形状であり、弁座11のほぼ弁軸に対して垂直な平坦面110bに接する第1端面160と、弁座11と反対側の第2端面17と、これらの端面間にあって弁本体の内周面18に接する周面19とを有している。旋回体13の第2端面17は弁本体9の肩部20に当接して支持され径方向に延びた通路溝21が形成されている。また、旋回体13の周面19と弁本体9の内周面18の間には、燃料の軸方向流路22が形成されている。
【0024】
弁座11の上記平坦面110bに接する旋回体13の第1端面160には、内周環状溝24と、溝入口の幅Y1が溝出口の幅Y2より広い旋回溝25が設けられている。また、内周環状溝24により燃料流の旋回力を強化し安定化させる旋回室Wを構成している。
【0025】
更に、旋回体13は上記複雑な形状、特に旋回溝形状を有するため、金属粉末射出成形された焼結材により製作されるのが好ましい。また、旋回体13の第1端面16に形成された旋回溝25は、その断面形状が弁座側の端面開口径を直径とする半円若しくは半円より小さい円の一部となっているのが好ましい。
【0026】
本実施の形態2においては、燃料流は旋回体13の第2端面17の通路溝21を通って周面の軸方向流路22に流れ込む。そして、旋回体13の第1端面160に形成された溝入口の幅Y1が溝出口の幅Y2より広い旋回溝25に流入して径方向内側に流れ、第1端面160の内周環状溝24内へその接線方向に流れ込み、内周環状溝24で構成する旋回室Wにおいて旋回流を形成する。その後、弁座11の噴射孔10内に入ってその先端出口から噴霧される。
【0027】
以上のように実施の形態2によれば、旋回体13の旋回溝25の溝入口の幅Y1を溝出口の幅Y2より広くすることにより、旋回溝25から内周環状溝24に流入する燃料流の旋回力が強化される。また、旋回体13の最小流路面積を旋回溝出口部分とすることにより、旋回溝出口部分の流路断面積のみを管理することで燃料に与える旋回のばらつきを抑え、燃料噴霧の最適制御を可能にする。しかも、旋回体13の旋回溝断面形状を半円若しくは半円より小さい円の一部とすることにより、流路抵抗が低減し、燃料に与える旋回を強化することが可能となる。更に、旋回体13を金属粉末射出成形により製作することにより、切削加工では困難な本実施形態の溝のような複雑な形状を製作でき、切削加工時に発生していたバリも防ぐことができる。
【0028】
上記実施の形態2においては、図5及び図6のように、旋回体13の旋回溝25を弁軸に対してほぼ垂直な第1端面160に形成した構造例について説明したが、図2及び図3のように、弁軸から所定角度傾斜している第1端面16に旋回溝25を形成した旋回体について、上記溝幅を適用しても同様の効果を有し、また、その他旋回溝を有する旋回体一般の構造に適用可能である。
【0029】
実施の形態3.
図7は実施の形態3による筒内噴射用燃料噴射弁の先端部付近の拡大断面図を示し、図8は図7の噴射孔側からみた旋回体13を示す。この実施の形態3では、弁座11の面110bに接する旋回体13の第1端面160には、溝入口の高さZ1が溝出口の高さZ2より大きく、溝底面25aが弁座11に対して所定角度傾斜している旋回溝25と、燃料流の旋回力を強化し安定化させる旋回室Wを構成する内周環状溝24が設けられている。そして、上記旋回体13は複雑な形状、特に旋回溝形状に対処するため、金属粉末射出成形された焼結材により製作されている。また、旋回体13の第1端面16に形成された旋回溝25は、その断面形状が弁座側の端面開口径を直径とする半円若しくは半円より小さい円の一部となっているのが好ましい。
【0030】
本実施の形態3においては、燃料流は旋回体13の第2端面17の通路溝21を通って周面の軸方向流路22に流れ込む。そして、旋回体13の第1端面160に形成された溝入口の高さZ1が溝出口の高さZ2より広く溝底面25aが弁座11に対して所定角度傾斜している旋回溝25に流入して径方向内側に流れ、第1端面160の内周環状溝24内へその接線方向に流れ込み、内周環状溝24で構成する旋回室Wにおいて旋回流を形成する。その後、弁座11の噴射孔10内に入ってその先端出口から噴霧される。
【0031】
以上のように実施の形態3によれば、燃料に旋回を与える旋回体13の旋回溝底面25aを軸方向に傾斜させることにより、燃料に軸方向の流体力と絞り効果による弁周回りの強力な旋回力が与えられ、燃料流のさらなる旋回力の強化と安定化が図れる。また、旋回体13の最小流路面積を旋回溝出口部分とすることにより、旋回溝出口部分の流路断面積のみを管理することにより燃料に与える旋回のばらつきを抑え、燃料噴霧の最適制御を可能にする。しかも、旋回体13の旋回溝断面形状を半円若しくは半円より小さい円の一部とすることにより、流路抵抗が低減し、燃料に与える旋回を強化することが可能となる。更に、旋回体13を金属粉末射出成形により作成することにより、切削加工では困難な本実施の形態の溝のような複雑な形状を製作でき、切削加工時に発生していたバリも防ぐことができる。
【0032】
その他の実施の形態.
上述の実施の形態において、旋回体を金属粉末射出成形の焼結体により製作するのが好ましいとしたが、特に組立時の精度が必要な場合には、必要に応じて旋回体の内径、外径、両端面に対して仕上げ加工(研削)を行う。また、上記実施の形態1〜3では、旋回溝25の断面形状を半円若しくは半円より小さい円の一部としたが、半楕円形又はその一部、その他の円形状であっても良い。
【0033】
【発明の効果】
請求項1ないし3の発明によれば、旋回体を金属粉末射出成形により製作することにより、切削加工では製作困難な形状を作成することができ、更に切削加工時に発生していたバリも防ぐことができる。
【0034】
また、旋回体は弁体であるニードル弁を摺動可能に支持しているのであるが、この旋回体を高密度化することが可能となり、硬度を高くすることができる。その結果、切削加工時と同等の寸法精度及び耐摩耗性を確保しながら、低コストで燃料噴射弁の大量生産が可能となる。
【0035】
さらに、旋回体の旋回溝断面形状を半円若しくは半円より小さい円の一部とすることにより、流路抵抗が低減し、燃料に与える旋回を強化することが可能となる。
【0036】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、旋回体の旋回溝の溝入口の幅Y1を溝出口の幅Y2より広くすることにより、燃料流の旋回力が強化される。また、旋回体の最小流路面積を旋回溝出口部分とすることにより、旋回溝出口部分の流路断面積のみを管理することで燃料に与える旋回のばらつきを抑え、燃料噴霧の最適制御を可能にする。
【0037】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、燃料に旋回を与える旋回体の旋回溝底面を軸方向に傾斜させることにより、燃料に軸方向の流体力と絞り効果による弁周回りの強力な旋回力が与えられ、燃料流のさらなる旋回力の強化と安定化が図れる。また、旋回体の最小流路面積を旋回溝出口部分とすることにより、旋回溝出口部分の流路断面積のみを管理することにより燃料に与える旋回のばらつきを抑え、燃料噴霧の最適制御を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態に係る筒内噴射用燃料噴射弁の全体構成を示す側面断面図である。
【図2】 実施の形態1の旋回体及び弁座付近の詳細を示す側面断面図である。
【図3】 実施の形態1の旋回体の弁座側から見た正面図である。
【図4】 実施の形態1の旋回体の旋回溝断面形状を示す図である。
【図5】 実施の形態2の燃料噴射弁の旋回体及び弁座付近の詳細を示す側面断面図である。
【図6】 実施の形態2の旋回体の弁座側から見た正面図である。
【図7】 実施の形態3の燃料噴射弁の旋回体及び弁座付近の詳細を示す側面断面図である。
【図8】 実施の形態3の旋回体の弁座側から見た正面図である。
【図9】 従来の燃料噴射弁の構造及びスワーラを示す図である。
【符号の説明】
1 筒内噴射用燃料噴射弁、3 弁装置、9 弁本体、10 燃料噴射孔、11 弁座、11,110b 弁座の当接面、12 ニードル弁(弁体)、13 旋回体、16 旋回体の第1端面、24 内周環状溝、25 旋回溝、25a 旋回溝底面、W 旋回室。
Claims (3)
- 中空状の弁本体と、この弁本体の一端に設けられ噴射孔を有する弁座と、上記弁座に離接して上記噴射孔を開閉する弁体と、上記弁体を囲んで上記弁体を摺動可能に支持すると共に上記噴射孔に流入する流体に旋回を与える旋回体を備えた燃料噴射弁の製造方法において、
上記旋回体が、上記弁座に当接する第1端面を備え、この第1端面には弁軸の径方向内側に向かって延びる旋回溝を有し、上記旋回溝の断面形状が半円若しくは半円より小さい円の一部となるように、金属粉末射出成形により製作したことを特徴とする燃料噴射弁の製造方法。 - 中空状の弁本体と、この弁本体の一端に設けられ噴射孔を有する弁座と、上記弁座に離接して上記噴射孔を開閉する弁体と、上記弁体を囲んで上記弁体を摺動可能に支持すると共に上記噴射孔に流入する流体に旋回を与える旋回体を備えた燃料噴射弁の製造方法において、
上記旋回体が、上記弁座に当接する第1端面を備え、この第1端面には弁軸の径方向内側に向かって延びる旋回溝を有し、上記旋回溝の断面形状が半円若しくは半円より小さい円の一部となっており、かつ、上記旋回溝の溝入口の溝幅が溝出口の溝幅より広く、溝入口の流路断面積が溝出口流路断面積より大きくなるように、金属粉末射出成形により製作したことを特徴とする燃料噴射弁の製造方法。 - 中空状の弁本体と、この弁本体の一端に設けられ噴射孔を有する弁座と、上記弁座に離接して上記噴射孔を開閉する弁体と、上記弁体を囲んで上記弁体を摺動可能に支持すると共に上記噴射孔に流入する流体に旋回を与える旋回体を備えた燃料噴射弁の製造方法において、
上記旋回体が、上記弁座に当接する第1端面を備え、この第1端面には弁軸の径方向内側に向かって延びる旋回溝を有し、上記旋回溝の断面形状が半円若しくは半円より小さい円の一部となっており、かつ、上記旋回溝の溝底面が軸方向に傾斜し、溝入口の流路断面積が溝出口流路断面積より大きくなるように、金属粉末射出成形により製作したことを特徴とする燃料噴射弁の製造方法。
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