JPH08200188A - 流体噴射ノズル - Google Patents

流体噴射ノズル

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JPH08200188A
JPH08200188A JP1189995A JP1189995A JPH08200188A JP H08200188 A JPH08200188 A JP H08200188A JP 1189995 A JP1189995 A JP 1189995A JP 1189995 A JP1189995 A JP 1189995A JP H08200188 A JPH08200188 A JP H08200188A
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needle
orifice
valve body
fuel
injection nozzle
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Taishin Tani
谷  泰臣
Ryoichi Tada
亮一 多田
Nobuo Ota
信男 太田
Hideo Kiuchi
英雄 木内
Kenji Okubo
謙二 大久保
Chishirou Sugimoto
知士郎 杉本
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 噴孔から噴射される燃料の流れに偏りの少な
い噴射主流が得られる燃料噴射ノズルを提供することに
ある。 【構成】 バルブボディ26は、円筒面264で形成さ
れる噴孔ならびにこの噴孔の入口側に形成される円錐斜
面262を有する。バルブボディ26の内部に往復動可
能に収容されるニードル25は、その当接部251が円
錐斜面262の一部分の弁座263と当接および離間可
能である。バルブボディ26の噴孔出口面に接合される
オリフィスプレート52は、その板厚方向に貫通する孔
54、56を有する。この孔54、56は、燃料流の方
向制御をするもので、当接部251の下流側の燃料の主
流方向がオリフィスプレート52の入口面に交差する位
置よりも、噴孔出口中心から径方向外側の位置にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体噴射ノズルに関す
るもので、例えば自動車用の内燃機関へ燃料を噴射して
供給する電磁式燃料噴射弁の噴射ノズル部に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関に用いられる燃料噴射
弁は、弁本体の軸方向に形成される案内孔に弁部材を往
復摺動可能に収納し、弁本体の先端部に開口する噴孔を
弁部材の上下動により開閉する。このため、弁部材は、
適正な燃料噴射量を確保するように開弁時のリフト量が
精密に制御されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような燃料噴射弁
では、弁本体に形成される案内孔の内部を弁部材が上下
に往復動するとき、この案内孔内壁と弁部材の摺動部間
のクリアランスが大きくなると、案内孔の軸線に対し弁
部材の軸線が傾きを生じることがあるため、例えば図1
3(A)および図14(A)に示すように、弁部材の先
端側の噴孔から噴射される燃料の噴射角度の乱れや燃料
流れF1 の「偏り」が発生することがある。このような
燃料の主流に「偏り」が生じると、吸気ポート内壁への
燃料の付着量が増大し、良好な噴霧が燃焼室内に供給さ
れ難いという問題がある。すると排ガス中に未燃HC等
が多量に発生して排気エミッション上問題にもなるし、
内燃機関の運転性も不安定なものとなる。
【0004】また反対に、弁本体の案内孔を形成する内
壁と弁部材の摺動部との間のクリアランスを小さくしよ
うとすると、製造時に弁本体側の寸法精度と弁部材側の
寸法精度の精密な寸法管理が要求されることとなり、生
産性が低下するという問題がある。すなわち、例えば図
12に示すように、弁本体の案内孔の内径の内径並びに
弁部材の摺動部の外径がばらつくので、部品の組付時に
は、これらの案内孔の内径と摺動部の外径とが適合する
弁本体と弁部材の組合せを選択し組み付ける。このた
め、個々の弁本体の案内孔に適合する摺動部をもつ弁部
材を選択し組付する作業は煩雑なものとなる。
【0005】本発明の目的は、噴孔から噴射される燃料
の流れに偏りの少ない噴射主流が得られる燃料噴射ノズ
ルを提供することにある。本発明の別の目的は、弁本体
(以下、「バルブボディ」という。)の案内孔の内壁と
弁部材(以下、「ニードル」という。)の摺動部との間
のクリアランスが所定の範囲内で大小差異がある場合で
も、燃料噴射流の偏りのない燃料噴射ノズルを提供する
ことにある。
【0006】本発明のさらに別の目的は、バルブボディ
とこれに適合するニードルとの生産効率を向上する燃料
噴射ノズルを提供することにある。本発明のさらにまた
別の目的は、燃料噴射流の偏り防止と流体噴射ノズルの
生産性向上とを両立した燃料噴射ノズルを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の請求項1による流体噴射ノズルは、円筒孔な
らびにこの円筒孔の入口側に形成される円錐斜面を有す
るバルブボディと、前記円錐斜面の一部に当接可能な当
接部を有し、前記円錐斜面の一部と当接および離間可能
なニードルと、前記バルブボディの円筒孔出口面に取付
けられ、前記円筒孔に連通し板厚方向に貫通するオリフ
ィスを有するオリフィスプレートとを備え、前記オリフ
ィスは、前記当接部の下流側の流体の主流方向がオリフ
ィスプレートの入口面に交差する位置よりも、円筒孔出
口中心から径方向外側の位置にあることを特徴とする構
成を採用する。
【0008】請求項2による流体噴射ノズルは、前記オ
リフィスは、前記円筒孔の中心軸線を含む平面におい
て、[(前記円錐斜面と前記円筒孔を形成する円筒面と
の境界点)と(この境界点からニードル先端面への最近
接距離になる線と前記ニードル先端面との交点)とを結
んだ線の中点]と[前記当接部]とを結ぶ直線mが、オ
リフィスプレートの入口面と交差する交点よりも径方向
外側にオリフィスの入口面の中心が位置することを特徴
とする。
【0009】請求項3による流体噴射ノズルは、前記オ
リフィスプレートの入口面において、オリフィス外接円
直径D1 、バルブボディの円筒孔の内径D2 とすると、
1 ≦D2 の関係に設定することを特徴とする。請求
項4による流体噴射ノズルは、前記バルブボディの円筒
孔の内径D2 は、オリフィスの総有効開口面積S1 と円
筒孔の有効開口面積S2 との関係において、 3S1
2 となるように設定することを特徴とする。
【0010】請求項5記載の流体噴射ノズルは、前記ニ
ードルの先端形状は、球面または球面に近い曲面である
ことを特徴とする。請求項6記載の流体噴射ノズルは、
前記ニードル先端から前記オリフィスプレート入口面ま
での高さhは、 0.1≦h≦0.5(mm) に設定
したことを特徴とする。
【0011】請求項7記載の流体噴射ノズルは、前記ニ
ードルの当接部の位置に相当するシート直径φは、 φ
≦4(mm) に設定したことを特徴とする。
【0012】
【作用および発明の効果】第1の発明によると、シート
部下流側の流体の主流噴霧がオリフィスプレートの入口
面と交差する位置よりも円筒孔出口中心から径方向外側
の位置に、オリフィスを設定することにより、ニードル
が偏心した場合でも主流が直接的に孔を通り抜けること
のないようにして燃料の方向制御を高めることができ
る。
【0013】第2の発明によると、簡単な構成で燃料の
方向制御精度を高めることができる。第3の発明による
と、円筒面の影響を受けることなく乱れのない流れをつ
くることができる。第4の発明によると、オリフィスの
絞り効果を確実にして各孔の圧力分布を均一化し、燃料
噴射方向制御を確実に行ない、燃料流の偏りの影響を抑
えることができる。
【0014】第5の発明によると、ニードル先端の曲面
に沿わせて中心軸付近に主流を向かせ、より確実に噴流
の偏りを防ぐことができる。第6の発明によると燃料沸
騰時の噴射量増加を適正な値に抑えることができる。第
7の発明によると、ニードルと弁座との間の異物の噛み
込みを抑えることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)本発明をガソリン機関の燃料供給装置の
燃料噴射弁に適用した一実施例を図1〜図4に示す。
【0016】まず、流体噴射ノズルとしての燃料噴射弁
を図2に基づいて説明する。図2に示すように、流体噴
射ノズルとしての燃料噴射弁10の樹脂製のハウジング
モールド11の内部に、固定鉄心21とスプール91と
電磁コイル32とコイルモールド31と磁路としての金
属プレート93、94とが一体成形されている。固定鉄
心21は強磁性材料からなり、コイルモールド31の上
方から突出するようにハウジングモールド11内に設け
られている。固定鉄心21の内壁にはアジャスティング
パイプ29が固定されている。
【0017】樹脂製のスプール91の外周に電磁コイル
32が巻かれ、その後にスプール91と電磁コイル32
との外周にコイルモールド31が樹脂成形され、コイル
モールド31により電磁コイル32が包囲されている。
コイルモールド31は、電磁コイル32を保護する円筒
状の筒状部31aと、電磁コイル32から電気的に導出
されるリード線を保護するとともに、後述するターミナ
ル34を保持するために筒状部31aから上方に突き出
す突出部31bとからなる。そして、コイルモールド3
1により一体化された状態で固定鉄心21の外周にスプ
ール91と電磁コイル32とが装着される。
【0018】2枚の金属プレート93と94は上方の一
端が固定鉄心21の外周に接し、下方の他端が磁性パイ
プ23の外周に接するように設けられ、電磁コイル32
への通電時の磁束を通す磁路を形成する部材であり、両
側から筒状部31aを挟持するように筒状部31aの外
周に被覆されている。この2枚の金属プレート93と9
4により電磁コイル32が保護されている。
【0019】ハウジングモールド11の上方にはハウジ
ングモールド11の外壁から突出するようにコネクタ部
11aが設けられている。そして、電磁コイル32に電
気的に接続されるターミナル34がコネクタ部11aお
よびコイルモールド31に埋設される。また、ターミナ
ル34は図示しない電子制御装置にワイヤーハーネスを
介して接続されている。
【0020】圧縮コイルスプリング28の一端は、可動
鉄心22に溶接固定されるニードル25の上端面に当接
し、圧縮コイルスプリング28の他端は、アジャスティ
ングパイプ29の底部に当接している。圧縮コイルスプ
リング28は、可動鉄心22とニードル25とを図2の
下方へ付勢し、ニードル25のシート部をバルブボディ
26の弁座263に着座させる。図示しない電子制御装
置によってターミナル34からリード線を介して電磁コ
イル32に励磁電流が流れると、ニードル25および可
動鉄心22が圧縮コイルスプリング28の付勢力に抗し
て固定鉄心21の方向へ吸引される。
【0021】非磁性パイプ24は、固定鉄心21の下部
に接続されている。そして、固定鉄心21の下部に、固
定鉄心21の下端から一部突出するように一方の端部2
4aが接続されている。さらに、非磁性パイプ24の他
方の端部24bの下端には、磁性材料からなり段付きパ
イプ状に形成された磁性パイプ23の小径部23bが接
続されている。なお、非磁性パイプ24の他方の端部2
4bは可動鉄心22の案内部をなしている。
【0022】次に、非磁性パイプ24および磁性パイプ
23の内部空間には、磁性材料からなり筒状に形成され
る可動鉄心22が設けられている。この可動鉄心22の
外径は非磁性パイプ24の他方の端部24bの内径より
僅かに小さく設定され、可動鉄心22は非磁性パイプ2
4に摺動可能に支持されている。また、可動鉄心22の
上端面は、固定鉄心21の下端面と所定の隙間を介して
対向するように設けられている。
【0023】ニードル25の上部には接合部43が形成
されている。そして、接合部43と可動鉄心22とがレ
ーザ溶接され、ニードル25と可動鉄心22とが一体に
連結される。接合部43の外周には燃料通路としての二
面取りが設けられている。固定鉄心21の上方には、燃
料タンクから燃料ポンプ等によって圧送され、燃料噴射
弁10内に流入する燃料中のゴミ等の異物を除去するフ
ィルタ33が設けられている。
【0024】固定鉄心21内にフィルタ33を通して流
入した燃料は、案内管29からニードル25の接合部4
3に形成された二面取り部との隙間、さらには、バルブ
ボディ26の円筒面261とニードル25の摺動部41
に形成された四面取り部との隙間を通過し、ニードル2
5の先端のシート部(当接部)251と弁座263とよ
りなる弁部に到り、この弁部から噴孔を形成する円筒面
264に到る。
【0025】次に、燃料噴射弁10の吐出部50の構成
について図1に基づいて説明する。磁性パイプ23の大
径部23aの内部には、中空円盤状のスペーサ27を介
してバルブボディ26が挿入されレーザ溶接されてい
る。スペーサ27の厚さは、図2に示す固定鉄心21と
可動鉄心22との間のエアギャップを所定値に保持する
ように調節される。バルブボディ26の内壁には、ニー
ドル25の摺動部41が摺動する円筒面261と、ニー
ドル25の円錐状のシート部251が着座する弁座26
3とが形成されている。さらに、バルブボディ26の底
部中央には噴孔264が形成されている。
【0026】ニードル25には、磁性パイプ23の大径
部23aの内壁に収容されるスペーサ27の下端面から
所定の隙間を介して対向するようにフランジ36が形成
されている。このフランジ36は、ニードル25の全長
のうちニードル25の先端に形成されるシート部42側
に形成され、フランジ36の下方にはバルブボディ26
に形成される円筒面26aに摺動可能となる摺動部41
が形成されている。
【0027】そして、バルブボディ26の噴孔264の
出口に流れ制御機構51が設けられている。この流れ制
御機構51は、図1および図3に示すように、ニードル
25、バルブボディ26およびオリフィスプレート52
の形状、位置およびこれらの組合せ等より構成されてい
る。
【0028】以下、これらの特徴をそれぞれ順次説明す
る。 (1) ニードル25 ニードル25は、図3に示すように、その先端部に中実
円筒面250、斜面252、斜面253、斜面254お
よび球面255が形成されている。これらの各面25
0、252、253、254、255は順次境界線が円
状になるように形成されており、中実円筒面250と斜
面252との境界の円環状線が当接部(シート部)25
1となる。図3は閉弁状態を示しており、この閉弁状態
で当接部251と弁座263とが接点となり、この接点
の集合体が円環状線となっている。
【0029】(2) バルブボディ26 バルブボディ26は、図1に示す円筒面261、円錐斜
面262および円筒孔を形成する円筒面264からな
り、これらの各面261、262、264の境界線は円
状となっている。 (3) オリフィスプレート52 流れ制御機構51の一部を構成するオリフィスプレート
52は、例えばステンレス製で、図1および図3に示す
ように、バルブボディ26の先端に溶接例えば全周溶接
により接合される。このオリフィスプレート52には、
図1(B)および図4に示すように4個のオリフィス5
4、55、56、57が板厚方向に貫通して形成されて
いる。
【0030】次に本発明の流れ制御部の特徴を図3に基
づいて順次説明する。 オリフィス(孔)の傾斜角 図4に示すように、オリフィス54、55、56、57
(以下、「孔54、55、56、57」という。)は、
この場合4個設けられているが、それぞれの孔54、5
5、56、57は、円筒形の直状に形成されており、そ
の円筒中心軸線は、図9に示すように、板厚方向線より
も傾斜角αだけ傾斜している。図9は図4の断面IX−IX
を示す。
【0031】この例では二方向噴霧の例である。例えば
図10に示すように、孔54と孔55とからは一方の吸
気弁102の傘部に向けて燃料流F1 が噴射され、孔5
7と孔56とからは他方の吸気弁101の傘部に向けて
燃料流F2 が噴射される。この孔54、55、56、5
7の傾斜角αは、10≦α≦40(°)の範囲が望まし
く、エンジンの仕様に合わせて適宜αの値を設定する。
【0032】 オリフィス(孔)の位置 図3に示すように、孔54の入口面の中心542は、弁
座263から下流の燃料主流の流れ方向と孔54の入口
面との交点101よりも、中心点102を中心とする円
の外側に位置している。具体的には、斜面262と円筒
面264との交点104からニードル25への最短距離
をとる球面255との交点105とすると、点104と
点105を結ぶ線の中点106とそれに対応する弁座2
63(当接部251)の接点とを結ぶ直線mがオリフィ
スプレート52の入口面と交差する点101よりも径方
向外側位置に孔54の入口面中心点542が位置してい
る。これは、開弁時、ニードル25とバルブボディ26
との間の隙間を流れる主流の方向がほぼこの直線m方向
となることから、この主流の方向となる直線mとオリフ
ィスプレート52の入口面との交点101よりも径方向
外側に孔54の入口面中心点542が来るように孔54
を形成することにより、主流が直接的に孔54を通り抜
けることのないようにして、ニードル25が偏心した場
合でも燃料の方向制御精度を高めることができる。他の
孔55、56、57に位置についても前記孔54の位置
と同様である。従って孔54、55、56、57の入口
から孔54、55、56、57の出口を通る燃料は、こ
の孔54、55、56、57の傾斜する傾斜角αに沿っ
て精度良く形成されて噴射される。
【0033】 オリフィス(孔)の外接円直径 図4に示すように、孔54、55、56、57の入口の
外接円直径D1 は、噴孔を形成する円筒面264のバル
ブボディ口径D2 (噴孔の直径)との関係において、 D1 ≦D2 に設定されている。
【0034】オリフィス孔が円筒孔の円筒面264に近
接していると、円筒面の影響を受け噴射が乱れたり、噴
射量が不安定となる。そこで上記範囲に設定することに
よりこれを抑制し、精度良く燃料が噴射される。 バルブボディの噴孔の開口面積 バルブボディ26の噴孔の有効開口面積(円筒面264
の開口面積)S2 (S=πD2 2/4)、孔54、55、
56、57の横断面有効開口面積の総和S1 とすると、
3S1 ≦S2 となるように設定する。
【0035】これは、孔54、55、56、57の横断
面有効開口面積の総和S1 よりも十分に大きなボディ開
口面積S2 とすることで、孔54、55、56、57の
絞り効果を確実にしてニードルが偏心した場合でも、各
孔での圧力分布が均一となる。孔54、55、56、5
7による燃料噴射方向制御が確実に行われ、燃料流の
「偏り」の影響を抑えることができる。
【0036】 ニードル25の先端形状 ニードル25の先端形状は、図3に示すように、球面2
55に形成している。本発明としてはこの球面255の
形状を厳密に追求することなしに、球面に近似する曲面
形状にすることも可能である。このような球面に近い曲
面にすることにより、ニードル25とバルブボディ26
とが離間している場合、弁座263の近傍から図3にお
いて左下方向に流れる燃料が斜面253および斜面25
4と円錐面262との間の隙間を通り、さらに球面25
5と円錐斜面262との間に来たとき、燃料の流れを球
面255の方向に沿わせることによって主流の向きが変
えられ、オリフィスプレート52の中心軸付近に主流が
衝突する。これによってニードル25が偏心した場合で
も主流がオリフィスに開くことを防止できる。したがっ
て、より確実に孔54、55、56、57を通って噴射
される燃料噴流に偏りが生じるのを防ぐことができる。
このため、燃料噴霧形状の方向制御がより精密に行える
という効果がある。
【0037】 ニードル先端からオリフィス入口面ま
での距離h ニードル先端としての球面255からオリフィスプレー
ト52の入口面までの距離(高さh)は、 0.1≦h
≦0.5(mm) に設定する。高さhが0.1>hと
すると、製造加工が難しくなる。また、ニードル25と
バルブボディ26との間の隙間を通る燃料の流れが孔5
4、55、56、57に直接向かってしまい、ニードル
偏心時の噴霧のアンバランスの影響を抑えるのが難しく
なる。ニードル偏心時の燃料流れの偏りの影響を少なく
するために0.1≦hとする。
【0038】反対に、0.5<hとすると、閉弁時高温
となるとシート部251からオリフィス54〜57まで
の空間内の燃料が沸騰し、体積が膨張し大半の燃料がオ
リフィスから流出してしまう。すると次の燃料噴射開始
時は、シート部のみで調量されることになるので噴射量
が増加してしまう。この現象はこの空間の体積、すなわ
ちhが大きい程顕著となる。そこで上記範囲にhを設定
することにより、ニードル25偏心時の噴射アンバラン
スを防ぎかつ高温時の噴射量増加を抑制することができ
る。
【0039】 ニードル25のシート径 ニードル25が弁座263と当接する当接部(シート
部)251の直径をφとすると、 φ≦4(mm) と
する。シート部の通過流量を同一とするためには、ニー
ドル25のリフト量を小さくしなくてはならない。この
リフト量が余り小さいとこの部分で異物のかみ込みを生
じるばかりでなく、ニードル偏心時の燃料流れの偏心の
影響が顕著となる。そこで上記範囲にシート径を設定す
ることにより、異物のかみ込みを抑え、かつニードル2
5偏心時の噴霧アンバランスを抑制することができる。
【0040】上記第1の実施例は、図10に示すような
二方向噴射方式のものについて本発明を適用した例であ
る。この二方向噴射方式の例を図10について簡単に説
明する。図10に示すように、エンジン60の燃焼室6
1に開口する吸気ポート62、63に吸気弁101、1
02が開閉可能に取付けられている。吸気ポート62と
吸気ポート63との間には両ポートを区画する壁体64
が形成されている。流れ制御機構51を備えた燃料噴射
弁10は、燃料を吸気弁101、102の傘部に向けて
噴射する方向になるように取付けられている。
【0041】次に、一方向噴射方式の噴射弁に適用した
オリフィスプレートの他の実施例を図5、図6、図7お
よび図8に示す。図11に示すように、一方向噴射方式
の噴射弁の場合、噴射弁から噴射される燃料流F2 は、
吸気ポート621の一個の吸気弁101の弁傘部に向け
て燃料流の噴射角θで噴射される。 (第2実施例)一方向噴射方式に適用した第2実施例
は、図5に示すように、オリフィスプレート52に形成
する孔154、155、156、157がこれらの孔を
通る燃料の流れが矢印1541、1551、1561、
1571方向のベクトルをもつようにオリフィスプレー
ト板厚方向に傾斜して形成されている。こうすることに
より、孔154、155、156、157から噴射され
て互いに衝突した燃料の流れは、吸気弁の弁傘方向に精
密に制御される。
【0042】(第3実施例)一方向噴射方式に適用した
第3実施例は、図6に示すように、孔254、255、
256、257の傾斜方向が板厚方向から矢印254
1、2551、2561、2571方向に傾斜してい
る。これにより、4個の孔254、255、256、2
57から噴流する燃料が一点で衝突し、衝突後に1個の
吸気弁の弁傘部に向けて精密に方向制御される。従っ
て、良好な噴射方向制御が保たれた燃料噴射が得られ
る。
【0043】(第4実施例)図7に示す第4実施例は、
オリフィスプレートに形成する孔を2個にした例であ
る。オリフィスプレート52に形成される孔354、3
55は、板厚方向からそれぞれ矢印3541、3551
方向に傾斜して貫通されている。孔354、355の中
心線は、板厚方向に対し傾斜角αをもつ。これにより、
燃料噴射方向の方向制御がより精密に行える。また孔3
54、355方向はそれぞれ内向きに矢印3541、3
551となるように孔354、355を傾斜したが、そ
れぞれ出口側に外向きに互いに背く方向に傾斜するよう
に形成しても良い。
【0044】(第5実施例)図8に示す第5実施例は、
オリフィスプレート52に形成する孔の数を6個にした
例である。6個の孔454、455、456、457、
458、459は同心円上にある。このような6個の孔
の場合にも本発明を適用することができる。本発明で
は、オリフィスプレートに形成する孔の個数は限られ
ず、孔の傾斜方向を定めることにより、一位方向噴射方
式または二方向噴射方式にすることができる。なお、図
13(A)(B)は、二方向噴射方式の場合の燃料の流
れF1 の偏り(A)と、その偏りを矯正した燃料流F2
の模式図(B)を示している。図14(A)(B)は一
方向噴射方式の場合の燃料流れF1 の偏り(A)と、と
その偏りを矯正した燃料流F2 の模式図(B)を示して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による燃料噴射弁の噴射ノ
ズル部を示すもので、(A)はその拡大断面図、(B)
はそのIV方向矢視図である。
【図2】本発明を適用した燃料噴射弁の縦断面図であ
る。
【図3】図1に示すIII 部分の拡大図である。
【図4】第1実施例のオリフィスプレートの孔部分を示
す入口面図である。
【図5】第2実施例のオリフィスプレートの孔部分を示
す入口面図である。
【図6】第3実施例のオリフィスプレートの孔部分を示
す入口面図である。
【図7】第4実施例のオリフィスプレートの孔部分を示
す入口面図である。
【図8】第5実施例のオリフィスプレートの孔部分を示
す入口面図である。
【図9】第1実施例のオリフィスプレートの孔と噴孔の
部分を示す説明図である。
【図10】二方向噴射方式の燃料噴霧状態を示す説明図
である。
【図11】一方向噴射方式の燃料噴霧状態を示す説明図
である。
【図12】(A)はバルブボディの案内孔内径分布を示
す説明図、ニードルの摺動部外径の分布を示す説明図で
ある。
【図13】(A)は二方向噴射方式の噴射流の偏りを示
す模式図、(B)はその矯正状態を示す模式図である。
【図14】(A)は一方向噴射方式の噴射流の偏りを示
す模式図、(B)はその矯正状態を示す模式図である。
【符号の説明】
10 燃料噴射弁 25 ニードル 26 バルブボディ 41 摺動部 51 流れ制御機構 52 オリフィスプレート 54、55、56、57 孔 110 外接円 250 円筒部 251 当接部 252 斜面 253 斜面 254 斜面 255 球面 261 円筒面(案内孔) 262 円錐面 263 弁座 264 円筒面(噴孔) θ 噴射角 α オリフィス(孔)の傾斜角
フロントページの続き (72)発明者 太田 信男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 木内 英雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 大久保 謙二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 杉本 知士郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒孔ならびにこの円筒孔の入口側に形
    成される円錐斜面を有するバルブボディと、 前記円錐斜面の一部に当接可能な当接部を有し、前記円
    錐斜面の一部と当接および離間可能なニードルと、 前記バルブボディの円筒孔出口面に取付けられ、前記円
    筒孔に連通し板厚方向に貫通するオリフィスを有するオ
    リフィスプレートとを備え、 前記オリフィスは、前記当接部の下流側の流体の主流方
    向がオリフィスプレートの入口面に交差する位置より
    も、円筒孔出口中心から径方向外側の位置にあることを
    特徴とする流体噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 前記オリフィスは、前記円筒孔の中心軸
    線を含む平面において、[(前記円錐斜面と前記円筒孔
    を形成する円筒面との境界点)と(この境界点からニー
    ドル先端面への最近接距離になる線と前記ニードル先端
    面との交点)とを結んだ線の中点]と[前記当接部]と
    を結ぶ直線mが、オリフィスプレートの入口面と交差す
    る交点よりも径方向外側にオリフィスの入口面の中心が
    位置することを特徴とする請求項1記載の流体噴射ノズ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記オリフィスプレートの入口面におい
    て、オリフィス外接円直径D1 、バルブボディの円筒孔
    の内径D2 とすると、 D1 ≦D2 の関係に設定する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の流体噴射ノズ
    ル。
  4. 【請求項4】 バルブボディの円筒孔の内径D2 は、オ
    リフィスの総有効開口面積S1 と円筒孔の有効開口面積
    2 との関係において、 3S1 ≦S2 となるように
    設定することを特徴とする請求項1、2または3記載の
    流体噴射ノズル。
  5. 【請求項5】 前記ニードルの先端形状は、球面または
    球面に近い曲面であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項記載の流体噴射ノズル。
  6. 【請求項6】 前記ニードル先端から前記オリフィスプ
    レート入口面までの高さhは、 0.1≦h≦0.5
    (mm) に設定したことを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか一項記載の流体噴射ノズル。
  7. 【請求項7】 前記ニードルの当接部の位置に相当する
    シート直径φは、 φ≦4(mm) に設定したことを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか一項記載の流体噴射ノズル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001295738A (ja) * 2000-04-18 2001-10-26 Denso Corp 内燃機関の燃料供給装置
DE10021073B4 (de) * 1999-04-30 2005-08-11 Aisan Kogyo K.K., Obu Kraftstoffinjektor
DE19954102B4 (de) * 1998-11-10 2006-04-06 Aisan Kogyo K.K., Obu Kraftstoffinjektor
JP2016169606A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 日立オートモティブシステムズ株式会社 燃料噴射弁

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