JP3881905B2 - 異種材料積層物の分別方法およびその装置 - Google Patents

異種材料積層物の分別方法およびその装置 Download PDF

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【0001】
本発明は、金属材料製のシートと有機材料製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物を分別する分別方法およびその装置に関し、特に、PCB油で汚染されたコンデンサの素子をアルミニウム箔等の金属材料とプラスチックスフィルムや絶縁紙等の有機材料とに分別する場合に適用すると有効である。
【0002】
【従来の技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
【0004】
このPCBは平成4(1997)年に廃PCB、PCBを含む廃油、PCB汚染物が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく特別管理廃棄物に指定され、さらに、平成9(1997)年にはPCB汚染物として木くず、繊維くずが、追加指定された。
【0005】
PCB処理物となる電気機器としては、高圧トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス・コンデンサ、柱上トランスがあり、廃PCB等としては、熱媒体に用いたものは絶縁油として用いたもの、また、これらの洗浄に用いた灯油等があり、廃感圧紙としては、ノーカーボン紙に使用されたカプセルオイルがあり、さらに、これらのPCBの使用又は熱媒の交換、絶縁油の再生、漏洩の浄化、PCB含有物の処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物がある。現在これらは厳重に保管がなされているが、早急なPCBの処理が望まれている。
【0006】
近年では、このようなトランス等に使用されているPCBを処理する技術が種々開発されており、例えば特開平9−79531号公報に記載の技術が知られている。図5に、上記提案にかかるPCBの処理方法のフローチャートを示す。
【0007】
図5に示すように、まず、PCBが封入されているトランスから油を抜き取り(S901)、さらに溶剤洗浄によって内部に付着しているPCBを除去し(S902)、回収する(S903)。洗浄後の溶剤は、トランスから抜き出した油と共に分解処理され(S904)、無害化される。
【0008】
つぎに、油抜きしたトランスを乾燥させてPCBを無酸素下高温常圧加熱によって蒸発させ(S905)、PCBの飛散を防止する。そして、乾燥後のトランスを解体し(S906)、ケースとトランスコアを分離する。ケースは、電炉や転炉のスクラップ源に供される(S907)。一方、トランスコアは、モービルシャー等によってその銅コイルを切断され、コイル線と鉄心とに分離される(S908)。
【0009】
分離された鉄心は溶融炉にて溶融され、回収される(S909)。また、分離した銅コイル等の金属製の無機物およびこれに付着した紙などの有機物は、誘導加熱炉にて溶融される(S910)。そして、上記溶融した銅は回収され、各溶融炉で発生したPCBガスは、1200℃で高温熱分解することにより無害化される(S911)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような従来のPCB処理方法では、金属材料および有機材料の各種部材(被処理物)を溶融させてPCBを分解処理しているため、設備が大規模化してしまうだけでなく、多大な熱エネルギが必要となってしまい、イニシャルコストおよびランニングコストが高くなってしまっている。
【0011】
このため、金属材料の部材と有機材料の部材とを分別して各々個別に処理することが考えられている。しかしながら、例えば、コンデンサの素子をアルミニウム箔等の金属材料とプラスチックスフィルムや絶縁紙等の有機材料とに分別することは、非常に手間がかかってしまい、作業効率が非常に悪くなってしまう。
【0012】
このような問題は、上述したコンデンサの素子を分別処理するような場合に限らず、金属材料製のシートと有機材料製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物を分別する場合であれば、上述と同様にして起こり得ることであった。
【0013】
このようなことから、本発明は、金属材料製のシートと有機材料製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物を分別することが容易にできる方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、番目の発明による異種材料積層物の分別方法は、金属材料製のシートと樹脂材料製のシートと紙製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物の分別方法であって、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素のうちの少なくとも一種からなる脱脂液により前記異種材料積層物から前記PCB油を取り除く脱脂工程と、前記異種材料積層物を、炭化水素からなる疎水性液と水との混合液中に入れることにより、金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートの表面に前記疎水性液を付着させて金属材料製の当該シートおよび樹脂材料製の当該シートを表面張力により水面上に浮遊させる一方、紙製の前記シートを水中に沈降させる第一の分別工程と、分別された金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートを加熱液中に入れて樹脂材料製の当該シートを収縮または溶解させて除去する第二の分別工程とを行うことを特徴とする異種材料積層物の分別方法。
【0018】
番目の発明による異種材料積層物の分別方法は、第一番目発明おいて、前記異種材料積層物が、PCB汚染されたコンデンサの素子を裁断したものであことを特徴とする。
【0020】
また、前述した課題を解決するための、番目の発明による異種材料積層物の分別装置は、金属材料製のシートと樹脂材料製のシートと紙製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物の分別装置であって、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素のうちの少なくとも一種からなる脱脂液を内部に貯溜し、前記異種材料積層物が内部に入れられて、当該異種材料積層物から前記PCB油を取り除く脱脂手段と、炭化水素からなる疎水性液と水とを内部に貯溜し、前記異種材料積層物が内部に入れられることにより、金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートの表面に前記疎水性液を付着させて金属材料製の当該シートおよび樹脂材料製の当該シートを表面張力により水面上に浮遊させる一方、紙製の前記シートを水中に沈降させる第一の分別手段と、加熱液を内部に貯溜し、分別された金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートが内部に入れられて、樹脂材料製の当該シートを収縮または溶解させて除去する第二の分別手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】
番目の発明による異種材料積層物の分別装置は、第番目発明において、前記異種材料積層物が、PCB汚染されたコンデンサの素子を裁断したものであことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明による異種材料積層物の分別方法およびその装置の実施の形態を図面を用いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0025】
本発明による異種材料積層物の分別方法およびその装置を、PCB汚染されたコンデンサの素子を分別する際に適用した場合の実施の形態を図1〜4を用いて説明する。図1は、分別装置の概略構成図、図2は、コンデンサの概略構成図、図3は、PCB汚染されたコンデンサの処理方法の説明図、図4は、有害物質処理システムの全体構成図である。
【0026】
[コンデンサ]
まず始めに、絶縁油としてPCBを適用しているコンデンサの概略構成を図2を用いて説明する。
【0027】
図2に示すように、コンデンサ20は、複数の素子21がプレスボード22を介して固定バンド23で束ねてなるものを絶縁紙24で覆った状態で容器25内に充填され、PCB油が封入口25aから内部に封入され封止されてなるものである。なお、図5中、27は接地端子、28は高圧端子、29は碍子である。上記素子21は、アルミニウム箔、絶縁紙、プラスチックスフィルム及びスペーサ等から構成されている。一般的なコンデンサの容量範囲は、数〜500kvarであり、本発明ではすべての範囲において処理ができる。
【0028】
[分別装置]
続いて、分別装置の概略構成を図1を用いて説明する。
図1に示すように、脱脂槽110の上方には、軽油や灯油等の炭化水素(例えばヘキサン等)、アルコール、ハロゲン化炭化水素(例えばAK225(商品名)等の代替フロン)等のうちの少なくとも一種からなる脱脂液1を当該脱脂槽110内に供給する脱脂液供給装置111が配設されている。脱脂槽110の内部下方には、回転駆動可能な攪拌翼112が設けられている。脱脂槽110の内部には、金網製の保持筐101を支承するブラケット110aが取り付けられている。脱脂槽110の下部には、排出バルブ113が連結されている。
【0029】
脱脂槽110の近傍には、分別槽120が配設されている。分別槽120の上方には、水4を当該分別槽120内に供給する図示しない給水源と、長鎖系炭化水素(例えばNS100(商品名)等)などのような疎水性液2を当該分別槽120内に供給する疎水性液供給装置121とが配設されている。分別槽120の内部下方には、回転駆動可能な攪拌翼122が設けられている。分別槽120の内部には、保持筐101を支承するブラケット120aが取り付けられている。分別槽120の下部には、排出バルブ123が連結されている。分別槽120の側面には、当該分別槽120からオーバフローする疎水性液2等を受け入れるオーバフロー槽124が配設されている。オーバフロー槽124の内部には、金網製の分取筐102が配備されている。オーバフロー槽124の下方には、排出バルブ125が連結されている。
【0030】
分別槽120の近傍には、加熱器134を備えた加熱槽130が配設されている。加熱槽130の上方には、鉱物油等のような沸点の高い(200℃以上)加熱液3を当該加熱槽130内に供給する加熱液供給装置131が配設されている。加熱槽130の内部下方には、回転駆動可能な攪拌翼132が設けられている。加熱槽130の内部には、分取筐102を支承するブラケット130aが取り付けられている。加熱槽130の下部には、排出バルブ133が連結されている。
【0031】
このような本実施の形態では、脱脂槽110、脱脂液供給装置111、攪拌翼112、排出バルブ113等により脱脂手段を構成し、分別槽120、疎水性液供給装置121、攪拌翼122、排出バルブ123、オーバフロー槽124、排出バルブ125等により第一の分別手段を構成し、加熱槽130、加熱液供給装置131、攪拌翼132、排出バルブ133、加熱器134等により第二の分別手段を構成している。
【0032】
[PCB処理方法]
次に、上記分別装置100をPCB処理システムに組み込んで、前記コンデンサ20を無害化処理する場合について図1,3を用いて説明する。
【0033】
図3に示すように、まず、受け入れたコンデンサ20のPCB油を抜き(S201)、残留PCBレベルを低減するために粗洗浄を行う(S202)。続いて、粗洗浄したコンデンサ20を解体して、紙や木などの有機材料、素子21、およびこれら以外の金属(ケース等)や碍子29等に分ける(S203)。このコンデンサ20の素子21は、一般にアルミニウム箔の電極、ポリエチレン等のプラスチックスフィルム、絶縁紙の積層物を巻いた構造となっている。この素子21を所定の大きさの短冊状に裁断する(S204)。
【0034】
次に、裁断した前記素子21を前記保持筐101内に投入し、当該保持筐101を上記分別装置100の脱脂槽110内に載置し、脱脂液供給装置111から脱脂槽110内に脱脂液1を供給して、上記素子21を脱脂液1中に浸漬する。続いて、攪拌翼112を駆動回転させて脱脂液1を攪拌すると、素子21の積層間に入り込んで介在している油脂であるPCB油が脱脂液1により除去され、素子21が保持筐101内で金属材料製のシートであるアルミニウム箔21a、樹脂材料製のシートであるプラスチックスフィルム21b、紙製のシートである絶縁紙21c等の各層ごとに分離する(以上、脱脂工程)。
【0035】
このようにして短冊状の素子21の各層21a〜21c間からPCB油を除去したら、保持筐101を分別槽120内に移載し、当該分別槽120内に水4を供給すると共に、疎水性液供給装置121から疎水性液2を供給し、各層21a〜21cごとに分離した上記素子21を水4および疎水性液2中に浸漬した後、攪拌翼122を駆動回転させ、水4および疎水性液2を所定時間攪拌した後、攪拌翼122の回転を停止して水4および疎水性液2を静置すると、絶縁紙21cは、水4を吸収して水4中の保持筐101内の底部へ沈降する一方、アルミニウム箔21aおよびプラスチックスフィルム21bは、その表面に付着している疎水性液2の油膜によって生じる表面張力により、水4の表面上(疎水性液2と水4との界面部分)に浮遊する。
【0036】
ここで、分別槽120内に水4をさらに供給すると、分別槽120内の疎水性液2と共にアルミニウム箔21aおよびプラスチックスフィルム21bが当該分別槽120からオーバフローしてオーバフロー槽124内の分取筐102内に流入し、素子21がアルミニウム箔21aおよびプラスチックスフィルム21bと絶縁紙21cとに分別される(以上、第一の分別工程)。
【0037】
次に、オーバフロー槽124内の分取筐102を取り出して加熱槽130内に移載し、当該加熱槽130内に加熱液供給装置131から加熱液3を供給し、攪拌翼132および加熱器134を作動して加熱液3を攪拌しながら加熱(約150〜200℃程度)すると、プラスチックスフィルム21bが加熱液3中に溶解する一方、アルミニウム箔21aが短冊状のまま存在する。
【0038】
このようにしてプラスチックスフィルム21bが加熱液3中に溶解したら、加熱槽130から分取筐102を取り出すことにより(S205)、アルミニウム箔21aの金属材料を分別することができる(以上、第二の分別工程)。
【0039】
このようにして分別処理に使用された脱脂液1および疎水性液2は、PCB濃度が所定値以上となったら、各槽110,120から排出バルブ113,123を介して抜き出され、蒸留精製されて、前記供給装置111,121にそれぞれ送給されて再利用され、水4は、オーバフロー槽124から排出バルブ125を介して抜き出され、後述する有機材料のスラリー化の際に使用される。
【0040】
一方、プラスチックスフィルム21bを溶解した加熱液3は、溶解しているプラスチックスの濃度が高くなったら、排出バルブ233を開放して加熱槽330から抜き取られて冷却され、プラスチックを析出して固液分離された後、加熱槽330内に再び供給されて再利用される。
【0041】
つぎに、分別された上記プラスチックスや絶縁紙21c等の有機材料は、コンデンサ20の解体時に発生した他の紙やフィルムなどの有機材料と共に微粉砕ミルで微粉砕されてスラリー化される(S206)。一方、アルミニウム箔21等の金属材料は、コンデンサ20の解体時に発生した他の金属や碍子等と共に洗浄液により洗浄され、廃棄または再利用される(S207)。
【0042】
そして、スラリー化した有機材料と洗浄廃液は、抜き出した絶縁油や洗浄時の洗浄廃液および分別工程での蒸留精製時に生じた残留物と共に水熱分解され、NaCl、CO2およびH2Oとなって排出される(S208)。これにより、PCBを含むコンデンサ20を安全かつ確実に処理することができる。
【0043】
したがって、上述した分別装置100によれば、素子21をプラスチックスフィルム21bおよび絶縁紙21cの有機材料とアルミニウム箔21aの金属材料とに分別することが簡単かつ小型構造で容易に低コストでできる。
【0044】
また、裁断された素子21を脱脂液1中に浸漬させることから、プラスチックスフィルム21bが膨潤して軟化するようになるので、微粉砕ミルでのスラリー化の容易化をさらに図ることができる。
【0045】
また、裁断された素子21を脱脂液1中に浸漬させてPCB油を取り除くので、後に行う洗浄作業の簡略化を図ることができる。
【0046】
他方、上述したようなPCB処理システムにおいては、電力用コンデンサ20等の電力機器の構成材のうち、PCBに汚染された紙や木などの有機廃棄物を他の構成材から分離して取り出し、この有機廃棄物を水熱分解処理しているので、有機材料に染み込んだPCBを含めて安全かつ確実に処理することができる。
【0047】
また、この際、紙や木などの有機廃棄物をスラリー化し、当該スラリー化した有機廃棄物を水熱分解処理しているので、安全確実に且つ連続的にPCBの処理を行うことができる。
【0048】
また、電力用コンデンサ20などの電力機器の構成材のうち、PCBに汚染された金属や碍子等の無機廃棄物を他の構成材から分離して取り出し、洗浄剤により洗浄後、当該洗浄剤を水熱分解処理等をしているので、PCBに汚染された洗浄剤を安全・確実に無害化することができる。
【0049】
また、PCBに汚染された紙や木などの有機廃棄物と、金属や碍子等の洗浄によりPCBに汚染された洗浄剤を水熱分解処理しているので、さらに、安全・確実にPCBの処理を行うことができる。
【0050】
[有害物質処理システム]
また、上記分別装置100は、図4に示すような有害物質処理システムに組み込まれることにより、より効果的に利用することができる。
【0051】
図4に示すように、有害物質処理システムは、有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物(例えばトランス、コンデンサ等)1001である有害物質( 例えばPCB等)1002 を保存する容器1003から当該有害物質1002を分離する第1の分離手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体手段1005とのいずれか一方又は両方を有する前処理手段1006と、前処理手段1006において処理された被処理物を構成する構成材(コア、コンデンサ素子部等)1001a,b,…から紙・木・樹脂等の有機物1007と金属等の無機物1008とに分離する第2の分離手段1009と、上記前処理手段1006で分離された金属製の容器1003又は上記分離手段1009で分離した金属等の無機物1008を洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物質1001のいずれか一方又は両方を分解処理する有害物質分解処理手段1013とを、具備してなるものである。
【0052】
このような有害物質処理システムにおいては、前記分別装置100は上記第2の分離手段1009の構成要素の一部として使用される。
【0053】
このような有害物質処理システムによれば、コンデンサ20中のPCB濃度を、現在のPCBの排出基準値(3ppb)以下の0.5ppb以下にまで低減することができ、PCBを含むコンデンサ20を安全かつ確実に処理することができる。したがって、PCB含有物品の完全処理が可能となり、PCBの完全消滅が可能となる。
【0054】
また、PCB以外の有機化合物も処理することができるので、PCB中に含まれるダイオキシン類、PCBに汚染された紙、木、布などの有機物、およびケースの洗浄に使用する洗浄剤も同様に分解処理することができる。
【0055】
なお、上記水熱分解方法は本願出願人によりすでに開示されており、詳しくは特開平11−639号公報、特開平11−253795号公報等を参照されたい。
【0057】
また、上述した実施の形態では、脱脂槽110内に素子21を入れて前記脱脂液1により脱脂した後、分別槽120内に入れて疎水性液2および水4によりアルミニウム箔21aおよびプラスチックスフィルム21bと絶縁紙21cとを分別するようにしたが、他の実施の形態として、例えば、脱脂能力を有すると共に、アルミニウム箔21aおよびプラスチックスフィルム21bの表面に付着して油膜を形成して表面張力を生じさせる疎水性液2(例えばヘキサン等)を使用すれば、脱脂液1と疎水性液2とを兼ねることができるので、前記第一の分別手段により前記脱脂手段も兼ねることができ、脱脂工程と第一の分別工程とを併せて実施することができる。
【0058】
また、上述した実施の形態では、プラスチックスフィルム21bを加熱液3中で加熱(約150〜200℃程度)して当該加熱液3中に溶解させることによりアルミニウム箔21aと分別するようにしたが、他の実施の形態として、例えば、プラスチックスフィルム21bを加熱液3中で加熱(約100〜150℃程度)して塊状に熱収縮させることにより短冊状のアルミニウム箔21aとメッシュ分離することも可能である。
【0059】
また、上述した実施の形態では、有害物質処理システムにおいて、水熱分解手段によりPCB等の有害物質を分解処理したが、他の実施の形態としては、例えば、高圧ポンプにより臨界圧力以上に水を加圧し、この中にPCBを含む有機物や洗浄廃液を投入し、酸化剤によってPCB等の有害物質を酸化分解する超臨界水酸化手段を使用することが可能である。このような超臨界水酸化手段においては、極めて短時間で高い反応効率が得られると共に、水熱分解法と同様に、ダイオキシン類等の有害物質を発生させないという利点がある。
【0060】
また、上述した実施の形態では、PCB汚染されたコンデンサの素子を分別処理する場合について説明したが、本発明は、これに限らず、金属材料製のシートと有機材料製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物を分別する場合であれば、上述した実施の形態の場合と同様に適用することができる。
【0062】
【発明の効果】
番目の発明による異種材料積層物の分別方法は、金属材料製のシートと樹脂材料製のシートと紙製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物の分別方法であって、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素のうちの少なくとも一種からなる脱脂液により前記異種材料積層物から前記PCB油を取り除く脱脂工程と、前記異種材料積層物を、炭化水素からなる疎水性液と水との混合液中に入れることにより、金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートの表面に前記疎水性液を付着させて金属材料製の当該シートおよび樹脂材料製の当該シートを表面張力により水面上に浮遊させる一方、紙製の前記シートを水中に沈降させる第一の分別工程と、分別された金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートを加熱液中に入れて樹脂材料製の当該シートを収縮または溶解させて除去する第二の分別工程とを行うことから、異種材料積層物を紙製のシートと金属材料製のシートと樹脂材料物とに分別することが簡単に低コストでできる。
【0065】
番目の発明による異種材料積層物の分別方法は、第一番目発明おいて、前記異種材料積層物が、PCB汚染されたコンデンサの素子を裁断したものであので、上述した効果を最も確実に発現することができる。
【0067】
番目の発明による異種材料積層物の分別装置は、金属材料製のシートと樹脂材料製のシートと紙製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物の分別装置であって、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素のうちの少なくとも一種からなる脱脂液を内部に貯溜し、前記異種材料積層物が内部に入れられて、当該異種材料積層物から前記PCB油を取り除く脱脂手段と、炭化水素からなる疎水性液と水とを内部に貯溜し、前記異種材料積層物が内部に入れられることにより、金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートの表面に前記疎水性液を付着させて金属材料製の当該シートおよび樹脂材料製の当該シートを表面張力により水面上に浮遊させる一方、紙製の前記シートを水中に沈降させる第一の分別手段と、加熱液を内部に貯溜し、分別された金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートが内部に入れられて、樹脂材料製の当該シートを収縮または溶解させて除去する第二の分別手段とを備えたことから、異種材料積層物を紙製のシートと金属材料製のシートとに分別することが簡単に低コストでできる。
【0070】
番目の発明による異種材料積層物の分別装置は、第番目発明において、前記異種材料積層物が、PCB汚染されたコンデンサの素子を裁断したものであので、上述した効果を最も確実に発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異種材料積層物の分別装置の実施の形態の概略構成図である。
【図2】コンデンサの概略構成図である。
【図3】PCB汚染されたコンデンサの処理方法の説明図である。
【図4】有害物質処理システムの全体構成図である。
【図5】従来の有害物質処理システムの説明図である。
【符号の説明】
1 脱脂液
2 疎水性液
3 加熱液
4 水
10 トランス
20 コンデンサ
21 素子
21a アルミニウム箔
21b プラスチックスフィルム
21c 絶縁紙
100 分別装置
101 保持筐
102 分取筐
110 脱脂槽
110a ブラケット
111 脱脂液供給装置
112 攪拌翼
113 排出バルブ
120 分別槽
120a ブラケット
121 疎水性液供給装置
122 攪拌翼
123 排出バルブ
124 オーバフロー槽
125 排出バルブ
130 加熱槽
130a ブラケット
131 加熱液供給装置
132 攪拌翼
133 排出バルブ
134 加熱器
1001 被処理物
1002 有害物質(例えばPCB)
1003 容器
1004 分離手段
1005 解体手段
1006 前処理手段
1007 有機物
1008 無機物
1009 分離手段
1010 洗浄液
1011 洗浄手段
1012 洗浄廃液
1013 有害物質分解処理手段
1014 スラリー
1015 スラリー化手段

Claims (4)

  1. 金属材料製のシートと樹脂材料製のシートと紙製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物の分別方法であって、
    アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素のうちの少なくとも一種からなる脱脂液により前記異種材料積層物から前記PCB油を取り除く脱脂工程と、
    前記異種材料積層物を、炭化水素からなる疎水性液と水との混合液中に入れることにより、金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートの表面に前記疎水性液を付着させて金属材料製の当該シートおよび樹脂材料製の当該シートを表面張力により水面上に浮遊させる一方、紙製の前記シートを水中に沈降させる第一の分別工程と、
    分別された金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートを加熱液中に入れて樹脂材料製の当該シートを収縮または溶解させて除去する第二の分別工程と
    を行うことを特徴とする異種材料積層物の分別方法。
  2. 請求項において、
    前記異種材料積層物が、PCB汚染されたコンデンサの素子を裁断したものであ
    ことを特徴とする異種材料積層物の分別方法。
  3. 金属材料製のシートと樹脂材料製のシートと紙製のシートとが複数積層されて、積層間にPCB油が介在している異種材料積層物の分別装置であって、
    アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素のうちの少なくとも一種からなる脱脂液を内部に貯溜し、前記異種材料積層物が内部に入れられて、当該異種材料積層物から前記PCB油を取り除く脱脂手段と、
    炭化水素からなる疎水性液と水とを内部に貯溜し、前記異種材料積層物が内部に入れられることにより、金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートの表面に前記疎水性液を付着させて金属材料製の当該シートおよび樹脂材料製の当該シートを表面張力により水面上に浮遊させる一方、紙製の前記シートを水中に沈降させる第一の分別手段と、
    加熱液を内部に貯溜し、分別された金属材料製の前記シートおよび樹脂材料製の前記シートが内部に入れられて、樹脂材料製の当該シートを収縮または溶解させて除去する第二の分別手段と
    を備えたことを特徴とする異種材料積層物の分別装置。
  4. 請求項において、
    前記異種材料積層物が、PCB汚染されたコンデンサの素子を裁断したものであ
    ことを特徴とする異種材料積層物の分別装置。
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