JP3564463B2 - 蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法及びそのシステム - Google Patents

蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法及びそのシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法及びそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
【0004】
このPCBは平成4(1997)年に廃PCB、PCBを含む廃油、PCB汚染物が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく特別管理廃棄物に指定され、さらに、平成9(1997)年にはPCB汚染物として木くず、繊維くずが、追加指定された。
【0005】
PCB処理物となる電気機器としては、高圧トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス・コンデンサ、柱上トランス、蛍光灯安定器用コンデンサ等があり、廃PCB等としては、熱媒体に用いたものは絶縁油として用いたもの、また、これらの洗浄に用いた灯油等があり、廃感圧紙としては、ノーカーボン紙に使用されたカプセルオイルがあり、さらに、これらのPCBの使用又は熱媒の交換、絶縁油の再生、漏洩の浄化、PCB含有物の処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物がある。現在これらは厳重に保管がなされているが、早急なPCBの処理が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなPCB汚染された各種の電気機器のなかでも、蛍光灯安定器用コンデンサは、そのサイズが比較的小さいため、無害化処理を効率よく行うことが難しく、処理されずにそのままの状態で保管されている。
【0007】
このような蛍光灯安定器用コンデンサにおいては、長期にわたる保管により、コンデンサをケースに固定している固定樹脂が経年劣化等により亀裂等を生じているだけでなく、コンデンサの内部からPCBがわずかに漏出してしまった場合、固定樹脂の上記亀裂内に浸入して当該固定樹脂を汚染してしまうことがある。このため、上記コンデンサ自身を無害化処理するのはもちろんのこと、上記固定樹脂も無害化処理する必要があるので、上記固定樹脂中に浸入しているPCBを当該固定樹脂と一緒に分解処理することが考えられている。
【0008】
しかしながら、上記固定樹脂中には、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在しているため(樹脂:約30wt%、無機物:約70wt%)、無機物が反応器内に残留して次第に堆積してしまい、後処理に手間を要するという問題があった。
【0009】
このようなことから、本発明は、蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂を効率よく無害化処理することができる方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、前記固定樹脂の表面に付着しているPCBを表面洗浄液で洗浄する固定樹脂表面洗浄工程と、前記表面洗浄液で洗浄された前記固定樹脂の内部に浸入しているPCBを内部洗浄液で洗浄する固定樹脂内部洗浄工程とを行うことを特徴とする。
【0011】
第二番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目の発明において、前記固定樹脂を破砕する固定樹脂破砕工程を前記固定樹脂内部洗浄工程の前に行うことを特徴とする。
【0012】
第三番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第二番目の発明において、前記固定樹脂表面洗浄工程が、前記固定樹脂破砕工程の前および後の少なくとも一方で行われることを特徴とする。
【0013】
第四番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記固定樹脂表面洗浄工程および前記固定樹脂内部洗浄工程の少なくとも一方の工程を超音波を利用して洗浄することを特徴とする。
【0014】
第五番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目から第四番目の発明のいずれかにおいて、前記固定樹脂表面洗浄工程および前記固定樹脂内部洗浄工程の少なくとも一方の工程を加熱して洗浄することを特徴とする。
【0015】
第六番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目から第五番目の発明のいずれかにおいて、前記表面洗浄液が、前記PCBおよび前記固定樹脂に対して高親和性を有する有機溶剤からなり、前記内部洗浄液が、前記固定樹脂の微小な隙間に対して高浸透性を有する有機溶剤からなることを特徴とする。
【0016】
第七番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第六番目の発明において、前記表面洗浄液が、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤、塩素系有機溶剤のうちの少なくとも一種からなり、前記内部洗浄液が、C〜Cのアルコール系有機溶剤からなることを特徴とする。
【0017】
第八番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、前記固定樹脂を加熱して当該固定樹脂からPCBを除去すると共に当該固定樹脂の樹脂物を炭化させる固定樹脂加熱工程を行うことを特徴とする。
【0018】
第九番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、前記固定樹脂を微粉砕する固定樹脂微粉砕工程と、微粉砕された前記固定樹脂を分離液中で樹脂物と無機物とに遠心分離する固定樹脂遠心分離工程と、分離された前記無機物を無害化処理する無機物無害化処理工程と、分離された前記樹脂物を無害化処理する樹脂物無害化処理工程とを行うことを特徴とする。
【0019】
第十番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第九番目の発明において、前記分離液が、前記無機物および前記無機物に対して高い濡れ性を有する液体であることを特徴とする。
【0020】
第十一番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第十番目の発明において、前記分離液が、アルコール、界面活性剤を添加した水のうちの少なくとも一種からなることを特徴とする。
【0021】
第十二番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第九番目から第十一番目の発明において、前記無機物無害化処理工程が、前記無機物を加熱または洗浄液で洗浄することにより前記無機物を無害化処理し、前記樹脂物無害化処理工程が、前記樹脂物を前記コンデンサと共に無害化処理することを特徴とする。
【0022】
第十三番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目から第十二番目の発明のいずれかにおいて、受け入れた前記蛍光灯安定器の内部の前記コンデンサの位置を特定するコンデンサ位置特定工程と、前記コンデンサの位置を特定した前記蛍光灯安定器から当該コンデンサを取り出すと共に固定樹脂を取り出して分離するコンデンサ取出工程とを行うことを特徴とする。
【0023】
また、前述した課題を解決するための、第十四番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、前記固定樹脂の表面に付着しているPCBを表面洗浄液で洗浄する固定樹脂表面洗浄手段と、前記表面洗浄液で洗浄された前記固定樹脂の内部に浸入しているPCBを内部洗浄液で洗浄する固定樹脂内部洗浄手段とを備えていることを特徴とする。
【0024】
第十五番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目の発明において、前記固定樹脂を破砕する固定樹脂破砕手段を備えていることを特徴とする。
【0025】
第十六番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目または第十五番目の発明において、前記固定樹脂表面洗浄手段が、超音波を発振する超音波発振手段および前記洗浄液を加熱する洗浄液加熱手段の少なくとも一方を備えていることを特徴とする。
【0026】
第十七番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目から第十六番目の発明のいずれかにおいて、前記固定樹脂内部洗浄手段が、超音波を発振する超音波発振手段および前記洗浄液を加熱する洗浄液加熱手段の少なくとも一方を備えていることを特徴とする。
【0027】
第十八番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目から第十七番目の発明のいずれかにおいて、前記表面洗浄液が、前記PCBおよび前記固定樹脂に対して高親和性を有する有機溶剤からなり、前記内部洗浄液が、前記固定樹脂の微小な隙間に対して高浸透性を有する有機溶剤からなることを特徴とする。
【0028】
第十九番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目から第十八番目の発明のいずれかにおいて、前記表面洗浄液が、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤、塩素系有機溶剤のうちの少なくとも一種からなり、前記内部洗浄液が、C〜Cのアルコール系有機溶剤からなることを特徴とする。
【0029】
第二十番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、前記固定樹脂を加熱して当該固定樹脂からPCBを除去すると共に、当該固定樹脂の樹脂物を炭化させる固定樹脂加熱手段を備えていることを特徴とする。
【0030】
第二十一番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、前記固定樹脂を微粉砕する固定樹脂微粉砕手段と、微粉砕された前記固定樹脂を分離液中で樹脂物と無機物とに遠心分離する固定樹脂遠心分離手段と、分離された前記無機物を無害化処理する無機物無害化処理手段と、分離された前記樹脂物を無害化処理する樹脂物無害化処理手段とを備えていることを特徴とする。
【0031】
第二十二番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第二十一番目の発明において、前記分離液が、前記無機物および前記無機物に対して高い濡れ性を有する液体であることを特徴とする。
【0032】
第二十三番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第二十二番目の発明において、前記分離液が、アルコール、界面活性剤を添加した水のうちの少なくとも一種からなることを特徴とする。
【0033】
第二十四番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第二十一番目から第二十三番目の発明のいずれかにおいて、前記無機物無害化処理手段が、前記無機物を加熱する無機物加熱手段または前記無機物を洗浄液で洗浄する無機物洗浄手段であり、前記樹脂物無害化処理手段が、前記コンデンサを無害化処理するコンデンサ無害化処理手段であることを特徴とする。
【0034】
第二十五番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目から第二十四番目の発明のいずれかにおいて、受け入れた前記蛍光灯安定器の内部の前記コンデンサの位置を特定するコンデンサ位置特定手段と、前記コンデンサの位置を特定した前記蛍光灯安定器から当該コンデンサを取り出すと共に固定樹脂を取り出して分離するコンデンサ取出手段とを備えていることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法及びそのシステムの実施の形態を図面を用いて以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0036】
[第一番目の実施の形態]
本発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法及びそのシステムの第一番目の実施の形態を図1〜3を用いて説明する。図1は、蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムの全体説明図、図2は、図1のコンデンサ部分の無害化処理システムの説明図、図3は、蛍光灯安定器の説明図である。
【0037】
<蛍光灯安定器>
まず、始めに、蛍光灯安定器の概略構成を図3を用いて説明する。
【0038】
図3に示すように、蛍光灯安定器30は、ケース31の内部にトランス32と力率改善用のコンデンサ33とが熱硬化性樹脂等の固定樹脂で接着固定されて取り付けられたものである。このコンデンサ33は、容器内に、アルミニウム箔、絶縁紙、プラスチックスフィルム等からなる素子と絶縁油であるPCB油とが封入されたものである。
【0039】
<無害化処理システム>
次に、蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムを図1,2を用いて説明する。
【0040】
図1に示すように、本実施の形態にかかる蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システム100は、受け入れた蛍光灯安定器30の内部のコンデンサ33の位置を特定するコンデンサ位置特定装置110と、蛍光灯安定器30からコンデンサ33を取り出すと共に固定樹脂34を取り出すコンデンサ取出装置120と、前記固定樹脂34の表面に付着しているPCBを表面洗浄液1で洗浄する固定樹脂表面洗浄装置130と、表面洗浄液1で洗浄された固定樹脂34の内部に浸入しているPCBを内部洗浄液2で洗浄する固定樹脂内部洗浄装置140と、コンデンサ33を無害化処理するコンデンサ無害化処理装置190とを備えている。
【0041】
前記コンデンサ位置特定装置110は、受け入れた蛍光灯安定器30の内部を撮影するX線撮影機等を備え、蛍光灯安定器30の内部のどこの位置にコンデンサ33があるか特定してマーキングすることができるようになっている。
【0042】
前記コンデンサ取出装置120は、トランス32とコンデンサ33とを分離させるように蛍光灯安定器30のケース31を切断するバンドソーや油圧カッタ等の切断機と、コンデンサ33の内装側のケース31に外側から応力歪みを加えてケース31とコンデンサ33とを接着固定する固定樹脂34を崩す圧縮機と等を備え、ケース31からコンデンサ33を取り出すと共に、上記固定樹脂34を分離して取り出すことができるようになっている。
【0043】
前記固定樹脂表面洗浄装置130は、コンデンサ33の取り外しに伴って分離された固定樹脂34が入れられる洗浄筐を内部に保持し、内部に前記表面洗浄液1を貯溜すると共に攪拌翼を有する洗浄槽等を備えている。上記表面洗浄液1は、PCBや固定樹脂34に対して高い親和性を有する有機溶剤であり、具体的には、例えば、ヘキサンやNS−100(商品名)等の脂肪族系有機溶剤や、トルエンやキシレン等の芳香族系有機溶剤や、トリクロロエチレンやパークロロエチレン等の塩素系有機溶剤等が挙げられる。
【0044】
前記固定樹脂内部洗浄装置140は、前記洗浄筐を内部に保持し、内部に前記内部洗浄液2を貯溜すると共に攪拌翼を有する洗浄槽等を備えている。上記内部洗浄液2は、固定樹脂34に生じている亀裂等の微小な隙間に対して高浸透性を有する小さい分子量の有機溶剤であり、具体的には、例えば、メタノールやエタノールやイソプロパノール等のようなC〜Cのアルコール系有機溶剤等が挙げられる。
【0045】
前記コンデンサ無害化処理装置190は、図2に示すように、蛍光灯安定器30から取り出されたコンデンサ33を分割するコンデンサ分割装置191と、分割されたコンデンサ33を洗浄液で粗洗浄する粗洗浄装置192と、粗洗浄されたコンデンサ33を加熱された溶解液中に浸漬してコンデンサ33のプラスチックスフィルムを溶解液に溶解させて除去するプラスチックス除去装置193と、粗洗浄されたコンデンサ33の絶縁紙等の有機物を脆化させて脆化物とする有機物脆化装置194と、前記有機物を脆化されたコンデンサ33をアルカリ水溶液中に浸漬してコンデンサ33のアルミニウム箔を溶解させると共に、アルカリ水溶液からコンデンサ33の容器を分離する容器分別装置195と、容器分別装置195からの容器を洗浄液で仕上洗浄する仕上処理装置196と、容器分別装置195からのアルカリ水溶液から脆化物を分離すると共に、当該アルカリ水溶液からアルミニウム成分を分離して当該アルミニウム成分を処理するアルミニウム成分処理装置197と、アルミニウム成分処理装置197で分離された脆化物をスラリとするスラリ化装置198と、粗洗浄装置192からの洗浄液の廃液、プラスチックス除去装置193からのプラスチックス粉末、アルミニウム成分処理装置197からのアルカリ水溶液の廃液、スラリ化装置198からのスラリを分解処理して無害化する分解処理装置199とを備えている。
【0046】
<無害化処理方法>
次に、上記無害化処理システム100を使用した本実施の形態による蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理方法を説明する。
【0047】
《コンデンサ位置特定工程》
まず、始めに、前記コンデンサ位置特定装置110のX線撮影機により、受け入れた蛍光灯安定器30の内部を撮影し、蛍光灯安定器30の内部のどこの位置にコンデンサ33があるか特定してマーキングする。
【0048】
《コンデンサ取出工程》
そして、トランス32とコンデンサ33とを分離させるように蛍光灯安定器30のケース31をコンデンサ取出装置120の切断機で図3に一点鎖線Aで示したように切断した後、コンデンサ33の内装側のケース31に圧縮機で外側から応力歪みを加えて、ケース31とコンデンサ33とを接着固定する固定樹脂34を崩し、ケース31からコンデンサ33を取り外す。このとき、上記固定樹脂34がタール状に劣化して高粘着物となってケース31からコンデンサ33を取り外せない場合には、図3に一点鎖線Bで示した箇所を切断機でさらに切断して取り外しの容易化を図る。
【0049】
《固定樹脂表面洗浄工程》
次に、コンデンサ33の取り外しに伴って分離された数cm四方サイズの固定樹脂34を洗浄筐内に入れて固定樹脂表面洗浄装置130の洗浄槽内に載置すると共に、洗浄槽内に表面洗浄液1を入れた後、攪拌翼を作動させると、表面洗浄液1がPCBや固定樹脂等に対して高い親和性を有するため、固定樹脂34の表面に付着しているPCBを効率よく溶解して固定樹脂34の表面を確実に洗浄する。
【0050】
《固定樹脂内部洗浄工程》
続いて、上記表面洗浄工程で洗浄した固定樹脂34を洗浄筐と共に固定樹脂内部洗浄装置140の洗浄槽内に移載すると共に、当該洗浄槽内に内部洗浄液2を入れた後、攪拌翼を作動させると、内部洗浄液2が亀裂等の微小な隙間に対して高浸透性を有する小さい分子量であるため、当該内部洗浄液2が固定樹脂34に生じている亀裂等の微小な隙間に浸入して、当該隙間に浸入しているPCBを効率よく溶解して固定樹脂34の内部を確実に洗浄する。
【0051】
《検査工程》
以上のようにして固定樹脂34の洗浄を終えたら、前記洗浄槽から洗浄筐を取り出し、洗浄液試験法や部材採取試験法等に基づいて検査を行う。その結果、固定樹脂34に付着残留するPCB濃度が基準値を満たした場合には、当該固定樹脂34を廃棄物として処分し、基準値を満たさない場合には、当該固定樹脂34を再び洗浄処理する。
【0052】
《コンデンサ無害化処理工程》
一方、コンデンサ取出工程で取り外されたコンデンサ33は、前記コンデンサ無害化処理装置190により無害化処理される。なお、前記洗浄工程で使用されてPCBを含有する前記洗浄液1,2は、無害化処理装置190の前記分解処理装置199で無害化分解処理される。
【0053】
つまり、本実施の形態においては、固定樹脂34の表面に付着しているPCBを表面洗浄液1で効率よく溶解して固定樹脂34の表面を確実に洗浄した後に、固定樹脂34に生じている亀裂等の微小な隙間に浸入して付着しているPCBを内部洗浄液2で効率よく溶解して固定樹脂34の内部を確実に洗浄するようにしたのである。
【0054】
このため、固定樹脂34自身を分解処理しなくても、当該固定樹脂34の表面はもちろんのこと、当該固定樹脂34の内部にまで浸入しているPCBを当該固定樹脂34から確実に除去して分解処理することができる。
【0055】
したがって、本実施の形態によれば、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂34であっても、効率よく無害化処理することができる。
【0056】
なお、蛍光灯安定器30の型番等により蛍光灯安定器30内のコンデンサ33の位置が予め判明している場合には、その知見に基づいてマーキングを行えばよく、蛍光灯安定器30の型番等が不明でコンデンサ33の位置に関する知見が予め得られない場合においてのみ、本実施の形態のように、受け入れた蛍光灯安定器30の内部を前記コンデンサ位置特定装置110で撮影してコンデンサ33の位置を特定してマーキングすればよい。
【0057】
また、本実施の形態では、蛍光灯安定器30を受け入れて、当該蛍光灯安定器30からコンデンサ33を取り外す場合から説明したが、蛍光灯安定器30からコンデンサ33が予め取り外されていて、固定樹脂34を受け入れた場合には、前記コンデンサ位置特定装置110および前記コンデンサ取出装置120を省略して、前記コンデンサ位置特定工程および前記コンデンサ取出工程を省くことができる。
【0058】
[第二番目の実施の形態]
本発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法及びそのシステムの第二番目の実施の形態を図4を用いて説明する。図4は、蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムの全体説明図である。ただし、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様な部分については、前述した第一番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を本実施の形態でも用いることにより、前述した第一番目の実施の形態での説明と重複する説明を省略する。
【0059】
図4に示すように、本実施の形態にかかる蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システム200は、受け入れた蛍光灯安定器30の内部のコンデンサ33の位置を特定するコンデンサ位置特定装置110と、コンデンサ33の位置を特定した蛍光灯安定器30からコンデンサ33を取り出すと共に固定樹脂34を取り出して分離するコンデンサ取出装置120と、固定樹脂34を破砕する固定樹脂破砕装置250と、前記固定樹脂34の表面に付着しているPCBを表面洗浄液1で洗浄する固定樹脂表面洗浄装置230と、表面洗浄液1で洗浄された前記固定樹脂34の内部に浸入しているPCBを内部洗浄液2で洗浄する固定樹脂内部洗浄装置240と、コンデンサ33を無害化処理するコンデンサ無害化処理装置190とを備えている。
【0060】
前記固定樹脂破砕装置250は、数cm四方サイズの固定樹脂34を1mm四方サイズ程度以下にまで破砕する破砕機等を備えている。
【0061】
前記固定樹脂表面洗浄装置230は、破砕された前記固定樹脂34を内部に充填され、当該内部に前記表面洗浄液1が流通する洗浄塔等を備えている。
【0062】
前記固定樹脂内部洗浄装置240は、破砕された前記固定樹脂34を内部に充填され、当該内部に前記内部洗浄液2が流通する洗浄塔等を備えている。
【0063】
このような上記無害化処理システム200を使用した本実施の形態による蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理方法においては、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様に、前記コンデンサ位置特定装置110によりコンデンサ位置特定工程を行うと共に、コンデンサ取出装置120によりコンデンサ取出工程を行う。
【0064】
次に、コンデンサ33の取り外しに伴って分離された数cm四方サイズの固定樹脂34を前記固定樹脂破砕装置250で1mm四方サイズ程度以下にまで破砕する(固定樹脂破砕工程)。
【0065】
続いて、破砕した上記固定樹脂34を前記固定樹脂表面洗浄装置230の洗浄塔内に充填し、当該洗浄塔内に前記表面洗浄液1を流通させると、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様に、表面洗浄液1が固定樹脂34の表面に付着しているPCBを溶解して固定樹脂34の表面を洗浄する(固定樹脂表面洗浄工程)。
【0066】
このようにして上記固定樹脂34の表面洗浄を終えたら、当該固定樹脂34を固定樹脂表面洗浄装置230の洗浄塔内から固定樹脂内部洗浄装置240の洗浄塔内に移し入れた後、当該洗浄塔内に前記内部洗浄液2を流通させると、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様に、内部洗浄液2が固定樹脂34の微小な隙間に浸入して、当該隙間に浸入して付着しているPCBを溶解して固定樹脂34の内部を洗浄する(固定樹脂内部洗浄工程)。
【0067】
以上のようにして固定樹脂34の内部洗浄を終えたら、前記洗浄塔内から固定樹脂34を取り出し、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様に、洗浄液試験法や部材採取試験法等に基づいて検査を行う。また、コンデンサ取出工程で取り外されたコンデンサ33は、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様に、前記コンデンサ無害化処理装置190により無害化処理される。
【0068】
つまり、本実施の形態は、前述した第一番目の実施の形態において、固定樹脂破砕装置250を備えて、前記洗浄工程に先立って固定樹脂破砕工程を行うようにしたのである。
【0069】
このため、本実施の形態においては、細かく破砕した固定樹脂34に対して表面洗浄や内部洗浄を施すことができるので、固定樹脂の洗浄可能な表面積を増加させることができると共に、固定樹脂34の内部側に位置した微細な隙間を表面側に露出させることができる。
【0070】
したがって、本実施の形態によれば、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様な効果を得ることができるのはもちろんのこと、表面洗浄液1による表面洗浄量を大幅に増加させることができると共に、固定樹脂34の微細な隙間に内部洗浄液2をさらに確実に浸透させることが容易にできるので、前述した第一番目の実施の形態の場合よりも洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0071】
[第三番目の実施の形態]
本発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法及びそのシステムの第三番目の実施の形態を図5を用いて説明する。図5は、蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムの全体説明図である。ただし、前述した第一,二番目の実施の形態の場合と同様な部分については、前述した第一,二番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を本実施の形態で用いることにより、前述した第一,二番目の実施の形態での説明と重複する説明を省略する。
【0072】
図5に示すように、本実施の形態にかかる蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システム300は、受け入れた蛍光灯安定器30の内部のコンデンサ33の位置を特定するコンデンサ位置特定装置110と、蛍光灯安定器30からコンデンサ33を取り外すと共に固定樹脂34を取り出して分離するコンデンサ取出装置120と、固定樹脂34を加熱して当該固定樹脂34からPCBを除去すると共に、当該固定樹脂34の樹脂物を炭化させる固定樹脂加熱装置360と、コンデンサ33を無害化処理するコンデンサ無害化処理装置190とを備えている。
【0073】
前記固定樹脂加熱装置360は、内部に固定樹脂34を載置され、内部を高温(200〜600℃程度)に加熱できる加熱槽と、加熱槽内のガスを吸引して有害成分(PCBや樹脂物の分解物)を回収する有害成分回収装置と等を備えている。
【0074】
このような上記無害化処理システム300を使用した本実施の形態による蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理方法においては、前述した第一,二番目の実施の形態の場合と同様に、前記コンデンサ位置特定装置110によりコンデンサ位置特定工程を行うと共に、コンデンサ取出装置120によりコンデンサ取出工程を行う。
【0075】
次に、コンデンサ33の取り外しに伴って分離された固定樹脂34を前記固定樹脂加熱装置360の加熱槽内に載置して、加熱槽内を加熱すると、PCBや固定樹脂34の樹脂物の分解物のガス状の有害成分34dが発生して、有害成分回収装置で回収される一方、加熱槽内に固定樹脂34の樹脂物の炭化物および無機物の残渣34cが残留する(固定樹脂加熱工程)。
【0076】
前記残渣34cは、加熱槽内から取り出され、前述した第一,二番目の実施の形態の場合と同様に、洗浄液試験法や部材採取試験法等に基づいて検査が行われた後、廃棄処分される。また、前記有害成分34dは、前記コンデンサ無害化処理装置190により無害化処理される。
【0077】
つまり、前述した第一,二番目の実施の形態では、固定樹脂34を表面洗浄液1および内部洗浄液2で洗浄することにより、固定樹脂34に付着しているPCBを当該固定樹脂34から除去するようにしたが、本実施の形態では、固定樹脂34を加熱することにより、固定樹脂34に付着しているPCBを気化させて当該固定樹脂34から除去するようにしたのである。
【0078】
このため、前述した第一,二番目の実施の形態の場合と同様に、固定樹脂34の表面はもちろんのこと、固定樹脂34の内部にまで浸入しているPCBを当該固定樹脂34から確実に除去して分解処理することができる。
【0079】
したがって、本実施の形態によれば、前述した第一,二番目の実施の形態の場合と同様に、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂34であっても、効率よく無害化処理することができる
【0080】
[第四番目の実施の形態]
本発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法及びそのシステムの第四番目の実施の形態を図6を用いて説明する。図6は、蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムの全体説明図である。ただし、前述した第一〜三番目の実施の形態の場合と同様な部分については、前述した第一〜三番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を本実施の形態で用いることにより、前述した第一〜三番目の実施の形態での説明と重複する説明を省略する。
【0081】
図6に示すように、本実施の形態にかかる蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システム400は、受け入れた蛍光灯安定器30の内部のコンデンサ33の位置を特定するコンデンサ位置特定装置110と、蛍光灯安定器30からコンデンサ33を取り外すと共に固定樹脂34を取り出して分離するコンデンサ取出装置120と、固定樹脂34を微粉砕する固定樹脂微粉砕装置470と、微粉砕された固定樹脂34を分離液3中で樹脂物34aと無機物34bとに遠心分離する固定樹脂遠心分離装置480と、分離された無機物34bを無害化処理する無機物無害化処理装置490と、分離された樹脂物34aを無害化処理する樹脂物無害化処理装置を兼ねると共に、コンデンサ33を無害化処理するコンデンサ無害化処理装置190とを備えている。
【0082】
前記固定樹脂微粉砕装置470は、数cm四方サイズの固定樹脂34を100μm程度以下にまで微粉砕する微粉砕ミル等を備えている。
【0083】
前記固定樹脂遠心分離装置480は、微粉砕された固定樹脂34および分離液3を入れられた分離容器に遠心力を加えることにより、樹脂物34aと無機物34bとを比重差で分離することができるようになっている。上記分離液3は、樹脂物34aや無機物34bに対して高い濡れ性を有する液体であり、具体的には、例えば、メタノールやエタノールや等のアルコールや、界面活性剤を添加した水等が挙げられる。
【0084】
前記無機物無害化処理装置490は、分離された無機物34bを加熱処理できるように前記固定樹脂加熱装置360と同様な構造をなしている。
【0085】
このような上記無害化処理システム400を使用した本実施の形態による蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理方法においては、前述した第一〜三番目の実施の形態の場合と同様に、前記コンデンサ位置特定装置110によりコンデンサ位置特定工程を行うと共に、コンデンサ取出装置120によりコンデンサ取出工程を行う。
【0086】
次に、コンデンサ33の取り外しに伴って分離された数cm四方サイズの固定樹脂34を前記固定樹脂微粉砕装置470の微粉砕ミルで100μmサイズ程度以下にまで微粉砕する(固定樹脂微粉砕工程)。
【0087】
微粉砕された前記固定樹脂34を分離液3と共に分離容器内に入れて、前記固定樹脂遠心分離装置480で遠心力を加えることにより、当該固定樹脂34を樹脂物34aと無機物34bとに比重差で分離する(固定樹脂遠心分離工程)。
【0088】
前記無機物34bは、分離容器から取り出されて前記無機物無害化処理装置490で加熱処理されて無害化される(無機物無害化処理工程)。
【0089】
加熱処理された上記無機物34bは、前述した第一〜三番目の実施の形態の場合と同様に、洗浄液試験法や部材採取試験法等に基づいて検査が行われた後、廃棄処分される。また、前記樹脂物34aおよび前記分離液3は、前記コンデンサ無害化処理装置190により無害化分解処理される(樹脂物無害化処理工程)。
【0090】
つまり、前述した第一〜三番目の実施の形態では、固定樹脂34を洗浄または加熱することにより、固定樹脂34を各組成物ごとに分離せずに当該固定樹脂34に付着しているPCBを当該固定樹脂34から除去するようにしたが、本実施の形態では、固定樹脂34を微粉砕して遠心分離で樹脂物34aと無機物34bとに分離することにより、各組成物に応じたPCBの無害化処理を施すようにしたのである。
【0091】
このため、前述した第一〜三番目の実施の形態の場合と同様に、固定樹脂34の表面はもちろんのこと、固定樹脂34の内部にまで浸入しているPCBを当該固定樹脂34から確実に除去して分解処理することができる。
【0092】
したがって、本実施の形態によれば、前述した第一〜三番目の実施の形態の場合と同様に、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂34であっても、効率よく無害化処理することができる。
【0093】
[他の実施の形態]
なお、前述した第一,二番目の実施の形態において、例えば、前記洗浄装置130,140,230,240の洗浄槽や洗浄塔に超音波発振器を設けて、洗浄時に超音波を発振して超音波洗浄したり、前記洗浄装置130,140,230,240の洗浄槽や洗浄塔に加熱器を設けて、洗浄時に洗浄液を加熱洗浄したりすると、洗浄効果をさらに向上させることができ、好ましい結果を得ることができる。
【0094】
また、前述した第二番目の実施の形態では、固定樹脂破砕工程を行った後に、固定樹脂表面洗浄工程を行い、次いで、固定樹脂内部洗浄工程を行うようにしたが、他の実施の形態として、例えば、前述した第一番目の実施の形態の固定樹脂表面洗浄装置130を用いた固定樹脂表面洗浄工程を行った後に、固定樹脂破砕工程を行い、次いで、固定樹脂内部洗浄工程を行うようにすることも可能である。しかしながら、前述した第二番目の実施の形態のように、固定樹脂破砕工程を行った後に、固定樹脂表面洗浄工程を行い、次いで、固定樹脂内部洗浄工程を行うようにすれば、固定樹脂表面洗浄工程においても洗浄効率を向上させることができるので、より好ましい結果を得ることができる。
【0095】
さらに、例えば、前述した第二番目の実施の形態において、前記固定樹脂破砕工程に先立って、前述した第一番目の実施の形態の固定樹脂表面洗浄装置130を用いた固定樹脂表面洗浄工程をさらに行うようにすれば、固定樹脂34の破砕の際に当該固定樹脂34の表面に付着しているPCBの拡散を防止することができるので、さらに好ましい結果を得ることができる。
【0096】
また、前述した第二番目の実施の形態では、破砕した固定樹脂34を洗浄塔の内部に充填して当該内部に前記洗浄液1,2を流通させることにより固定樹脂34を洗浄するようにした前記洗浄装置230,240を適用するようにしたが、他の実施の形態として、例えば、破砕した固定樹脂34および前記洗浄液1,2をロータリ式の洗浄容器の内部に入れて、当該洗浄容器を回転させることにより固定樹脂34を洗浄するようにした洗浄装置を適用することも可能である。
【0097】
また、前述した第四番目の実施の形態では、前記固定樹脂加熱装置360と同様な構造をなす無機物無害化処理装置490により無機物34bを加熱処理して無害化処理するようにしたが、他の実施の形態として、例えば、前記洗浄装置230,240と同様な構造をなす無機物無害化処理装置により無機物34bを洗浄処理して無害化処理することも可能である。
【0098】
また、前述した各実施の形態においては、前記コンデンサ無害化処理装置190に代えて、例えば、図7に示すように、蛍光灯安定器30から取り出されたコンデンサ33を分割するコンデンサ分割装置191と、分割されたコンデンサ33を洗浄液1で粗洗浄する粗洗浄装置192と、粗洗浄されたコンデンサ33の素子の絶縁紙を分離液中で比重差に基づいて分離する液中分離手段である絶縁紙分離装置293と、前記絶縁紙を分離された前記素子をアルカリ水溶液中に浸漬してアルミニウム箔を溶解させるアルミニウム箔溶解装置295と、コンデンサ33の容器を洗浄液1で仕上洗浄する仕上処理装置196と、前記アルミニウム箔溶解装置からのアルカリ水溶液6からアルミニウム成分を分離して当該アルミニウム成分を処理するアルミニウム成分処理装置197と、前記絶縁紙および前記プラスチックスフィルムをスラリ化するスラリ化装置198と、粗洗浄装置192からの洗浄液1の廃液1a、前記紙分離装置からの分離液の廃液、アルミニウム成分処理装置198からのアルカリ水溶液6の廃液、スラリ化装置198からのスラリを分解処理して無害化する分解処理装置199とを備えたコンデンサ無害化処理装置290を適用することも可能である。
【0099】
【発明の効果】
第一番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、前記固定樹脂の表面に付着しているPCBを表面洗浄液で洗浄する固定樹脂表面洗浄工程と、前記表面洗浄液で洗浄された前記固定樹脂の内部に浸入しているPCBを内部洗浄液で洗浄する固定樹脂内部洗浄工程とを行うことから、固定樹脂の表面および内部のPCBを当該固定樹脂から確実に除去することができるので、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂であっても、効率よく無害化処理することができる。
【0100】
第二番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目の発明において、前記固定樹脂を破砕する固定樹脂破砕工程を前記固定樹脂内部洗浄工程の前に行うことから、固定樹脂の洗浄可能な表面積を増加させることができると共に、固定樹脂の内部側に位置した微細な隙間を表面側に露出させることができるので、表面洗浄液による表面洗浄量を大幅に増加させることができると共に、固定樹脂の微細な隙間に内部洗浄液をさらに確実に浸透させることが容易にでき、洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0101】
第三番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第二番目の発明において、前記固定樹脂表面洗浄工程が、前記固定樹脂破砕工程の前および後の少なくとも一方で行われるので、表面洗浄を効率よく行うことができる。
【0102】
第四番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記固定樹脂表面洗浄工程および前記固定樹脂内部洗浄工程の少なくとも一方の工程を超音波を利用して洗浄するので、洗浄効果を向上させることができる。
【0103】
第五番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目から第四番目の発明のいずれかにおいて、前記固定樹脂表面洗浄工程および前記固定樹脂内部洗浄工程の少なくとも一方の工程を加熱して洗浄するので、洗浄効果を向上させることができる。
【0104】
第六番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目から第五番目の発明のいずれかにおいて、前記表面洗浄液が、前記PCBおよび前記固定樹脂に対して高親和性を有する有機溶剤からなり、前記内部洗浄液が、前記固定樹脂の微小な隙間に対して高浸透性を有する有機溶剤からなるので、洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0105】
第七番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第六番目の発明において、前記表面洗浄液が、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤、塩素系有機溶剤のうちの少なくとも一種からなり、前記内部洗浄液が、C〜Cのアルコール系有機溶剤からなるので、洗浄効果をさらに確実に向上させることができる。
【0106】
第八番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、前記固定樹脂を加熱して当該固定樹脂からPCBを除去すると共に当該固定樹脂の樹脂物を炭化させる固定樹脂加熱工程を行うことから、固定樹脂の表面および内部のPCBを当該固定樹脂から確実に除去することができるので、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂であっても、効率よく無害化処理することができる。
【0107】
第九番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、前記固定樹脂を微粉砕する固定樹脂微粉砕工程と、微粉砕された前記固定樹脂を分離液中で樹脂物と無機物とに遠心分離する固定樹脂遠心分離工程と、分離された前記無機物を無害化処理する無機物無害化処理工程と、分離された前記樹脂物を無害化処理する樹脂物無害化処理工程とを行うことから、固定樹脂の表面および内部のPCBを当該固定樹脂から確実に除去することができるので、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂であっても、効率よく無害化処理することができる。
【0108】
第十番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第九番目の発明において、前記分離液が、前記無機物および前記無機物に対して高い濡れ性を有する液体であるので、固定樹脂を無機物と有機物とに効率よく遠心分離することができる。
【0109】
第十一番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第十番目の発明において、前記分離液が、アルコール、界面活性剤を添加した水のうちの少なくとも一種からなるので、固定樹脂を無機物と有機物とに効率よく遠心分離することが低コストでできる。
【0110】
第十二番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第九番目から第十一番目の発明において、前記無機物無害化処理工程が、前記無機物を加熱または洗浄液で洗浄することにより前記無機物を無害化処理し、前記樹脂物無害化処理工程が、前記樹脂物を前記コンデンサと共に無害化処理することから、固定樹脂の樹脂物および無機物を簡単かつ確実に無害化処理することができる。
【0111】
第十三番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法は、第一番目から第十二番目の発明のいずれかにおいて、受け入れた前記蛍光灯安定器の内部の前記コンデンサの位置を特定するコンデンサ位置特定工程と、前記コンデンサの位置を特定した前記蛍光灯安定器から当該コンデンサを取り出すと共に固定樹脂を取り出して分離するコンデンサ取出工程とを行うので、蛍光灯安定器からコンデンサおよび固定樹脂を分離することが容易にできる。
【0112】
また、前述した課題を解決するための、第十四番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、前記固定樹脂の表面に付着しているPCBを表面洗浄液で洗浄する固定樹脂表面洗浄手段と、前記表面洗浄液で洗浄された前記固定樹脂の内部に浸入しているPCBを内部洗浄液で洗浄する固定樹脂内部洗浄手段とを備えていることから、固定樹脂の表面および内部のPCBを当該固定樹脂から確実に除去することができるので、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂であっても、効率よく無害化処理することができる。
【0113】
第十五番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目の発明において、前記固定樹脂を破砕する固定樹脂破砕手段を備えていることから、固定樹脂の洗浄可能な表面積を増加させることができると共に、固定樹脂の内部側に位置した微細な隙間を表面側に露出させることができるので、表面洗浄液による表面洗浄量を大幅に増加させることができると共に、固定樹脂の微細な隙間に内部洗浄液をさらに確実に浸透させることが容易にでき、洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0114】
第十六番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目または第十五番目の発明において、前記固定樹脂表面洗浄手段が、超音波を発振する超音波発振手段および前記洗浄液を加熱する洗浄液加熱手段の少なくとも一方を備えているので、表面洗浄効果を向上させることができる。
【0115】
第十七番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目から第十六番目の発明のいずれかにおいて、前記固定樹脂内部洗浄手段が、超音波を発振する超音波発振手段および前記洗浄液を加熱する洗浄液加熱手段の少なくとも一方を備えているので、内部洗浄効果を向上させることができる。
【0116】
第十八番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目から第十七番目の発明のいずれかにおいて、前記表面洗浄液が、前記PCBおよび前記固定樹脂に対して高親和性を有する有機溶剤からなり、前記内部洗浄液が、前記固定樹脂の微小な隙間に対して高浸透性を有する有機溶剤からなるので、洗浄効果をさらに向上させることができる。
【0117】
第十九番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目から第十八番目の発明のいずれかにおいて、前記表面洗浄液が、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤、塩素系有機溶剤のうちの少なくとも一種からなり、前記内部洗浄液が、C〜Cのアルコール系有機溶剤からなるので、洗浄効果をさらに確実に向上させることができる。
【0118】
第二十番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、前記固定樹脂を加熱して当該固定樹脂からPCBを除去すると共に、当該固定樹脂の樹脂物を炭化させる固定樹脂加熱手段を備えていることから、固定樹脂の表面および内部のPCBを当該固定樹脂から確実に除去することができるので、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂であっても、効率よく無害化処理することができる。
【0119】
第二十一番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、前記固定樹脂を微粉砕する固定樹脂微粉砕手段と、微粉砕された前記固定樹脂を分離液中で樹脂物と無機物とに遠心分離する固定樹脂遠心分離手段と、分離された前記無機物を無害化処理する無機物無害化処理手段と、分離された前記樹脂物を無害化処理する樹脂物無害化処理手段とを備えていることから、固定樹脂の表面および内部のPCBを当該固定樹脂から確実に除去することができるので、アスベスト等のような無機物が経年劣化により粒状になって多量に混在している固定樹脂であっても、効率よく無害化処理することができる。
【0120】
第二十二番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第二十一番目の発明において、前記分離液が、前記無機物および前記無機物に対して高い濡れ性を有する液体であるので、固定樹脂を無機物と有機物とに効率よく遠心分離することができる。
【0121】
第二十三番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第二十二番目の発明において、前記分離液が、アルコール、界面活性剤を添加した水のうちの少なくとも一種からなるので、固定樹脂を無機物と有機物とに効率よく遠心分離することが低コストでできる。
【0122】
第二十四番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第二十一番目から第二十三番目の発明のいずれかにおいて、前記無機物無害化処理手段が、前記無機物を加熱する無機物加熱手段または前記無機物を洗浄液で洗浄する無機物洗浄手段であり、前記樹脂物無害化処理手段が、前記コンデンサを無害化処理するコンデンサ無害化処理手段であるので、固定樹脂の樹脂物および無機物を簡単かつ確実に無害化処理することができる。
【0123】
第二十五番目の発明による蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムは、第十四番目から第二十四番目の発明のいずれかにおいて、受け入れた前記蛍光灯安定器の内部の前記コンデンサの位置を特定するコンデンサ位置特定手段と、前記コンデンサの位置を特定した前記蛍光灯安定器から当該コンデンサを取り出すと共に固定樹脂を取り出して分離するコンデンサ取出手段とを備えているので、蛍光灯安定器からコンデンサおよび固定樹脂を分離することが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一番目の実施の形態における蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムの全体説明図である。
【図2】図1のコンデンサ部分の無害化処理システムの説明図である。
【図3】蛍光灯安定器の説明図である。
【図4】本発明の第二番目の実施の形態における蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムの全体説明図である。
【図5】本発明の第三番目の実施の形態における蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムの全体説明図である。
【図6】本発明の第四番目の実施の形態における蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理システムの全体説明図である。
【図7】図1,4〜6のコンデンサ部分の無害化処理システムの他の例の説明図である。
【符号の説明】
1 表面洗浄液
2 内部洗浄液
3 分離液
30 蛍光灯安定器
31 ケース
32 トランス
33 コンデンサ
34 固定樹脂
34a 樹脂物
34b 無機物
34c 残渣
34d 有害成分
100,200,300,400 無害化処理システム
110 コンデンサ位置特定装置
120 コンデンサ取出装置
130,230 固定樹脂表面洗浄装置
140,240 固定樹脂内部洗浄装置
190,290 コンデンサ無害化処理装置
250 固定樹脂破砕装置
360 固定樹脂加熱装置
470 固定樹脂微粉砕装置
480 固定樹脂遠心分離装置
490 無機物無害化処理装置

Claims (25)

  1. 絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、
    前記固定樹脂の表面に付着しているPCBを表面洗浄液で洗浄する固定樹脂表面洗浄工程と、
    前記表面洗浄液で洗浄された前記固定樹脂の内部に浸入しているPCBを内部洗浄液で洗浄する固定樹脂内部洗浄工程と
    を行うことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  2. 請求項1において、
    前記固定樹脂を破砕する固定樹脂破砕工程を前記固定樹脂内部洗浄工程の前に行う
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  3. 請求項2において、
    前記固定樹脂表面洗浄工程が、前記固定樹脂破砕工程の前および後の少なくとも一方で行われる
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    前記固定樹脂表面洗浄工程および前記固定樹脂内部洗浄工程の少なくとも一方の工程を超音波を利用して洗浄する
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかにおいて、
    前記固定樹脂表面洗浄工程および前記固定樹脂内部洗浄工程の少なくとも一方の工程を加熱して洗浄する
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかにおいて、
    前記表面洗浄液が、前記PCBおよび前記固定樹脂に対して高親和性を有する有機溶剤からなり、
    前記内部洗浄液が、前記固定樹脂の微小な隙間に対して高浸透性を有する有機溶剤からなる
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  7. 請求項6において、
    前記表面洗浄液が、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤、塩素系有機溶剤のうちの少なくとも一種からなり、
    前記内部洗浄液が、C〜Cのアルコール系有機溶剤からなる
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  8. 絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、
    前記固定樹脂を加熱して当該固定樹脂からPCBを除去すると共に当該固定樹脂の樹脂物を炭化させる固定樹脂加熱工程を行う
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  9. 絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法であって、
    前記固定樹脂を微粉砕する固定樹脂微粉砕工程と、
    微粉砕された前記固定樹脂を分離液中で樹脂物と無機物とに遠心分離する固定樹脂遠心分離工程と、
    分離された前記無機物を無害化処理する無機物無害化処理工程と、
    分離された前記樹脂物を無害化処理する樹脂物無害化処理工程と
    を行うことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  10. 請求項9において、
    前記分離液が、前記無機物および前記無機物に対して高い濡れ性を有する液体である
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  11. 請求項10において、
    前記分離液が、アルコール、界面活性剤を添加した水のうちの少なくとも一種からなる
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  12. 請求項9から請求項11のいずれかにおいて、
    前記無機物無害化処理工程が、前記無機物を加熱または洗浄液で洗浄することにより前記無機物を無害化処理し、
    前記樹脂物無害化処理工程が、前記樹脂物を前記コンデンサと共に無害化処理する
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかにおいて、
    受け入れた前記蛍光灯安定器の内部の前記コンデンサの位置を特定するコンデンサ位置特定工程と、
    前記コンデンサの位置を特定した前記蛍光灯安定器から当該コンデンサを取り出すと共に固定樹脂を取り出して分離するコンデンサ取出工程と
    を行うことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理方法。
  14. 絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、
    前記固定樹脂の表面に付着しているPCBを表面洗浄液で洗浄する固定樹脂表面洗浄手段と、
    前記表面洗浄液で洗浄された前記固定樹脂の内部に浸入しているPCBを内部洗浄液で洗浄する固定樹脂内部洗浄手段と
    を備えていることを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  15. 請求項14において、
    前記固定樹脂を破砕する固定樹脂破砕手段を備えている
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  16. 請求項14または請求項15において、
    前記固定樹脂表面洗浄手段が、超音波を発振する超音波発振手段および前記洗浄液を加熱する洗浄液加熱手段の少なくとも一方を備えている
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  17. 請求項14から請求項16のいずれかにおいて、
    前記固定樹脂内部洗浄手段が、超音波を発振する超音波発振手段および前記洗浄液を加熱する洗浄液加熱手段の少なくとも一方を備えている
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  18. 請求項14から請求項17のいずれかにおいて、
    前記表面洗浄液が、前記PCBおよび前記固定樹脂に対して高親和性を有する有機溶剤からなり、
    前記内部洗浄液が、前記固定樹脂の微小な隙間に対して高浸透性を有する有機溶剤からなる
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  19. 請求項14から請求項18のいずれかにおいて、
    前記表面洗浄液が、脂肪族系有機溶剤、芳香族系有機溶剤、塩素系有機溶剤のうちの少なくとも一種からなり、
    前記内部洗浄液が、C〜Cのアルコール系有機溶剤からなる
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  20. 絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、
    前記固定樹脂を加熱して当該固定樹脂からPCBを除去すると共に、当該固定樹脂の樹脂物を炭化させる固定樹脂加熱手段を備えている
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  21. 絶縁油としてPCB油を含んだ蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システムであって、
    前記固定樹脂を微粉砕する固定樹脂微粉砕手段と、
    微粉砕された前記固定樹脂を分離液中で樹脂物と無機物とに遠心分離する固定樹脂遠心分離手段と、
    分離された前記無機物を無害化処理する無機物無害化処理手段と、
    分離された前記樹脂物を無害化処理する樹脂物無害化処理手段と
    を備えていることを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  22. 請求項21において、
    前記分離液が、前記無機物および前記無機物に対して高い濡れ性を有する液体である
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  23. 請求項22において、
    前記分離液が、アルコール、界面活性剤を添加した水のうちの少なくとも一種からなる
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  24. 請求項21から請求項23のいずれかにおいて、
    前記無機物無害化処理手段が、前記無機物を加熱する無機物加熱手段または前記無機物を洗浄液で洗浄する無機物洗浄手段であり、
    前記樹脂物無害化処理手段が、前記コンデンサを無害化処理するコンデンサ無害化処理手段である
    ことを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
  25. 請求項14から請求項24のいずれかにおいて、
    受け入れた前記蛍光灯安定器の内部の前記コンデンサの位置を特定するコンデンサ位置特定手段と、
    前記コンデンサの位置を特定した前記蛍光灯安定器から当該コンデンサを取り出すと共に固定樹脂を取り出して分離するコンデンサ取出手段と
    を備えていることを特徴とする蛍光灯安定器用コンデンサの固定樹脂の無害化処理システム。
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