JP3460955B2 - 超臨界流体による洗浄方法 - Google Patents
超臨界流体による洗浄方法Info
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Description
ている有害物質、特にポリ塩化ビフェニール等の有害な
有機塩素化合物を超臨界流体によって安全に洗浄し、除
去する洗浄方法に関するものである。
電気部品においては、絶縁油としてポリ塩化ビフェニー
ル( polychlorinated biphenyls:以下、PCBと略
称)が用いられてきた。PCBは塩素数や塩素の付加位
置により各種の同族体の混合物である。毒性もそれぞれ
の同族体によって大きく異なる。特にコプラナーPCB
と呼ばれる同族体はダイオキシン類に劣らず有害である
ことが指摘されている。PCBは化学的に安定で排出さ
れ難いため生体蓄積性が高く、症状が長期にわたってあ
らわれる。全身倦怠感、病的疲労、発ガン性作用を強め
る働きを有するといわれている。また、胎盤透過性、母
乳への移行のため、胎児、乳児にも障害が及ぶといわれ
ている。そのため、最近ではPCBの製造および使用が
禁止されている。
する方法としては、高温加熱してPCBを分解する方法
が従来から種々提案されている(例:特許第13799
63号、特許第1379964号、特許第133433
8号、特開平2−232073号、特開平2−2415
86号公報、特開平7−63313号公報、特開平7−
217850号公報、特開平9−79531号公報、特
開平9−79558号公報、特開平9−79559号公
報等)。しかし、PCBを焼却炉で焼却するには地域住
民の同意が必要であるため、事実上困難な状況にある。
物品を粉砕して溶媒で洗浄する方法が提案されている。
しかし、このような方法においては物品の粉砕時にPC
Bが飛散すると周囲の環境を汚染するおそれがあり、ま
た物品を粉砕したり粉砕物を運搬するときに作業者がP
CBに接触するおそれもある。
する物品を常圧または真空下で加熱することによりPC
Bをガス化した後、このガス状のPCBを冷却して捕集
する方法が提案されている(例:特開平1−31078
1号公報、特開平9−192534号公報、特開平9−
192535号公報等)。
によって加熱してPCBを気化する方法も提案されてい
る(例:特開昭56−11078号公報、特許第182
9421号等)。ただし、この方法は加熱温度が800
°C以下であるとダイオキシン類等の有害物質が副生す
る可能性がある。特に、有機塩素化合物は銅等の金属が
存在していると300〜500°Cでダイオキシン類が
生成することが知られている。これをディノバ合成(De
Novo Synthesis )と呼んでいる。また、装置を連続的
に動作させていないと、物品の供給時や装置の点検時等
において装置内に付着しているPCBが大気中に拡散さ
れ、環境を汚染するおそれがある。また、真空に排気す
る場合は、排気系からPCBの蒸気が漏洩するおそれが
あるため、作業環境を汚染したり作業者の健康を害した
りするおそれがある。
染されている土壌等からPCBを加熱しないで除去する
ためのさらに別の方法としては、溶剤により抽出し洗
浄する方法(例:特開昭61−52878号公報、特開
平4−503630号公報、特開平8−183995号
公報等)、溶剤蒸気により洗浄する方法(例:特開平
2−501342号公報、特許第2700950号
等)、溶媒交換により清浄化する方法(例:特開昭6
1−174705号公報等)、PCBを吸着固定する
ことにより処理する方法(例:特開平6−63594号
公報等)、超臨界二酸化炭素を用いる方法(例:特開
平7−34096号公報等)等が提案されている。これ
らの方法は、いずれもPCBを含有する物品または土壌
を洗浄する方法についてのみ記載しており、処理中に物
品または土壌からPCBがどの程度除去されたかを検知
していない。また、PCBを含有する物品は、その大き
さやPCBの量、油中のPCBの濃度が個々まちまちで
あるため、モデル物品で予め定めた条件をそのまま適用
すると、PCBが完全に除去されていないにも拘わらず
処理が終了したものと判断してしまうおそれがある。
定器、トランス等の電気部品を洗浄する場合は、その内
部にまで超臨界二酸化炭素を浸透させることが難しいた
め、洗浄処理の前工程としてPCBを含有する物品を解
体したり、破砕することにより内部のPCBを洗浄し、
除去し易くすることが提案されている。しかしながら、
大気中でこのような前工程を行うと、PCBの蒸気や破
砕によって生じた微細な粉塵等に付着したPCBが大気
中に放出されるため、作業環境を汚染したり作業者の健
康を害したりするおそれがある。
B等の有害物質を洗浄し、除去する方法としては従来か
ら種々提案されているが、そのいずれも未だ有効な方法
ではなかった。特に、超臨界二酸化炭素を用いた従来の
洗浄方法においては、処理工程において物品中に含有さ
れている有害物質が外気に曝されるため作業環境を汚染
し、また作業者が物品を直接把持して搬送したり接触し
たりするため、作業者の健康を損なうという問題があっ
た。
めになされたもので、その目的とするところは、作業環
境を汚染したり、作業者が直接把持したり接触すること
なく、安全に有害物質を洗浄し、除去することができる
ようにした超臨界流体による洗浄方法を提供することに
ある。
に第1の発明は、有害物質を含有する物品に超臨界流体
を接触させることにより前記有害物質を洗浄し、除去す
る洗浄方法において、有害物質を含有する物品を容器に
収納する工程と、前記物品を収納した前記容器を洗浄槽
内に搬送する工程と、前記容器内の前記物品を前記洗浄
槽内において物理的に破壊する工程と、前記洗浄槽内に
超臨界流体を供給して前記物品に接触させることにより
前記物品中に含有されている有害物質を洗浄し、除去す
る工程と、前記超臨界流体によって洗浄され、除去され
た前記有害物質を洗浄槽外部の外気に接触させないで回
収する工程とを備えたことを特徴とする。このような構
成においては、物品を安全に取り扱うことができ、有害
物質を安全に洗浄し、除去することができる。すなわ
ち、従来の洗浄方法においては、有害物質を含有する物
品を作業者が把持して洗浄槽まで搬送しているため、作
業者が物品の表面に付着している有害物質に接触したり
するという問題があった。これに対して、本発明におい
ては、物品を予め容器に収納し、この容器を運搬して洗
浄槽内に設置すればよいので、作業者が物品を直接把持
したり接触することがなく安全である。物品を容器に収
納するときは、手袋を用いたり、ロボットハンドを用い
て収納すればよい。収納した後は、容器に蓋をして運搬
し、洗浄槽内に設置した後、蓋を取ればよい。また、洗
浄槽内において物品を物理的に破壊する工程を含んでい
るため、密閉度の高い物品であっても内部に密閉されて
いる有害物質を超臨界流体で効率よく洗浄し、除去する
ことができる。ここで、「物品を物理的に破壊する」と
は、物品に穴を開けたり、切断したり、折り曲げたり、
押し潰したり、粉砕したりして内部に閉じ込められてい
る有害物質が外気と接触する状態にすることを意味す
る。また、洗浄後は有害物質を洗浄槽外部の外気に接触
させないで回収するので、作業環境を汚染したりするこ
ともない。
は、臨界点以上に加熱、加圧された状態の有機物、二酸
化炭素または、水もしくはこれらの混合物で、気体でも
液体でもない状態の流体を意味する。この超臨界状態で
は、密度が液体に近く、粘性が気体に近い状態になる。
すなわち、化学反応や溶解を迅速に行うことが可能にな
る。また、温度や圧力を少し変化させるだけで、密度等
の物性を大きく変化させることが可能であり、物質の溶
解度も変えることができる。このため、抽出や洗浄用の
溶媒として好適である。「有害物質を含有する物品」と
は、有害物質を何らかの形で含む物品全てを意味し、例
えば密閉度が高く絶縁油としてPCBを用いた各種電気
部品、表面がPCB等の有害物質によって汚染されてい
る物品、成形時に可塑剤としてPCBを用いて成形され
た成形品等が含まれる。
洗浄槽から排出された超臨界流体中に含まれる有害物質
の濃度を検知して洗浄工程の進捗状況を監視することを
特徴とする。このような構成においては、有害物質が洗
浄され、除去されたか否かを正確に把握することができ
る。有害物質の濃度を検知する方法としては、インライ
ンで測定する場合は非破壊の方法で行うのが望ましく、
装置から分岐したラインで測定する場合は破壊を伴って
も構わない。例えば、PCBを検知する場合であれば、
インラインでは紫外線吸収法によって検知する方法、赤
外線吸収法によって検知する方法、蛍光によって検知す
る方法等が挙げられる。
において、超臨界流体が超臨界二酸化炭素または超臨界
二酸化炭素とこれに添加される有機化合物の混合物であ
ることを特徴とする。二酸化炭素は、無毒、安定、無
臭、安価で有機物の溶解度も大きい。また、二酸化炭素
は、超臨界状態に変化する温度・圧力(界温度31.1
°C、臨界圧力73気圧(7.38MPa))が他の溶
媒物質に比較して低温、低圧であるため、比較的小さい
エネルギーで超臨界状態となることができ、PCB等の
有害物質を洗浄し、抽出する溶媒として好適である。ま
た、常温常圧では気体であるために、二酸化炭素を抽出
した固体や液体から容易に分離回収し、再利用すること
ができる利点を有している。
としては、有害物質を溶解するものであって常温常圧で
液体または気体であることが望ましい。
の発明において、有害物質がポリ塩化ビフェニール(P
CB)であることを特徴とする。このような構成におい
ては、物品からPCBを洗浄し、除去するため、物品は
無害化され、PCBを含有しない一般の廃棄物として処
理される。
は第4の発明において、有害物質を含有する物品がトラ
ンス、コンデンサ、安定器、ノンカーボン紙、金属容
器、プラスチック容器、床材のうちのいずれか1つであ
ることを特徴とする。このような構成においては、PC
Bを含有するトランス、コンデンサ、安定器、ノンカー
ボン紙、金属容器、プラスチック容器、床材を無害化す
ることができる。
超臨界流体に添加される有機化合物が炭素数が20以下
の飽和炭化水素類、不飽和炭化水素類、芳香族化合物、
エーテル類、ケトン類、アルコール類、フロン類のうち
のいずれか1つであることを特徴とする。このような構
成においては、有機化合物がPCBを溶解し、洗浄効率
を一層向上させることができる。特に、上記の溶媒中で
もプロパン、ブタン、ヘプタン、ヘキサン、アセトン、
アセチルアセトン、エタノール、プロパノール、テトラ
ヒドロフラン等が好ましい。
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る洗
浄方法に用いられる容器と物品の概略図、図2は本発明
を実施するために用いられる洗浄装置の概略図、図3は
洗浄によって除去された有害物質を収納容器に収納する
構成の他の実施の形態を示す概略図である。これらの図
において、洗浄装置1は、洗浄槽2、超臨界流体循環用
圧縮装置3および分離器4を備え、これらを配管5(5
a,5b,5c)によって接続し、配管5bの途中に検
出部6を設けている。
よって図示しない有害物質無害化施設に接続されてい
る。一方、図3においては分離器4を配管5dによって
密閉型の有害物質収納用密閉容器7に接続している点で
図2に示す構成と相違している。なお、図1および図2
において、8は減圧弁、9は有害物質取出口である。
され、有害物質を含有する物品11の洗浄時に前記超臨
界流体循環用圧縮装置3によって生成された超臨界流体
12と、少量の有機化合物からなる助溶剤13が配管5
aを通って供給される。超臨界流体12によって洗浄さ
れる有害物質としては、有機塩素化合物、特にPCBと
される。
素が用いられる。二酸化炭素は、常温で無毒、安定、無
臭、安価で有機物の溶解度も大きい。また、超臨界状態
に変化する温度が31.1°Cで、臨界圧力が73気圧
であり、他の溶媒物質に比較して低温、低圧であるた
め、比較的小さいエネルギーで超臨界状態となるなどか
らPCBを洗浄し、除去する溶媒として好適である。ま
た、常温常圧では気体であるために、固体や液体を抽出
した後に分離することが容易にできる利点を有してい
る。
13は、PCBを溶解し、洗浄効率を向上させるために
添加されるもので、炭素数が20以下の飽和炭化水素
類、不飽和炭化水素類、芳香族化合物、エーテル類、ケ
トン類、アルコール類、フロン類等が用いられる。特
に、プロパン、ブタン、n−ヘプタン、ヘキサン、アセ
トン、アセチルアセトン、エタノール、プロパノール、
テトラヒドロフラン等を用いることが好ましい。
1を物理的に破壊するための装置14が配設されてい
る。この装置14は、超臨界二酸化炭素12が物品11
内に浸入し易くして内部のPCBに接触させるために用
いられるもので、要は物品11に穴を開けたり、押し潰
したり、折り曲げたり、切断したり、粉砕して内部のP
CBを外気に接触させるものであれば何でもよく、例え
ばドリル、ローラー、歯車、カッター等を用いることが
できる。
めの装置14の一例を示す。この装置14は、一対の破
砕用回転刃15と、これらの回転刃15を矢印で示すよ
うに互いに反対方向に回転させる図示しない駆動モータ
とを備え、物品11を回転刃15によって破砕または破
壊するように構成されている。
質を含有する物品11としては、トランス、コンデン
サ、安定器、ノンカーボン紙、金属容器、プラスチック
容器、床材等が考えられる。物品11が密閉度の高いト
ランス、コンデンサ、安定器等の電気部品の場合は、前
記装置14によって破壊し、内部に封入されているPC
Bを外気に曝すようにすればよい。このように物品11
を破壊しておくと、超臨界酸化炭素12が内部深く浸透
してPCBと接触するため、洗浄効率を高めることがで
きる。ノンカーボン紙、金属容器、ブラスチック容器、
床材等についても破壊して表面積を大きくしておくと、
洗浄効率を高めることができる。
れた状態で前記洗浄槽2内に設置される。容器16を用
いる理由は、作業者が直接手で物品11を把持して搬送
したり物品11に接触しないようにするためである。ま
た、容器16に物品11を収納するときは、物品11を
保管または使用している場所において、物品11を収納
する。その場合、表面が有害物質で汚染されている物品
11については、手袋、ロボットハンド等を用いて収納
するかまたは物品11を収納しているケースを傾けて容
器16内に落下させる。物品11に収納した後は容器1
6に蓋をして搬送し洗浄槽2内に設置した後、蓋を取り
外せばよい。物品11が密閉型の電気部品等で内部にP
CBが封入されている場合は、手で把持して容器16に
収納してもよい。
超臨界二酸化炭素12中に含まれているPCBの濃度を
検出するもので、この検出部6からの検出信号によって
洗浄の進捗状況が監視される。PCBの濃度を検知する
方法としては、インラインで測定する場合は非破壊の方
法で行うのが望ましく、装置から分岐したラインで測定
する場合は破壊を伴っても構わない。例えば、インライ
ンでは紫外線吸収法によって検知する方法、赤外線吸収
法によって検知する方法、蛍光によって検知する方法等
が挙げられる。装置から分岐して検出する場合は、分離
カラムを付加することにより検出感度を高めることがで
きる。検知する方法としてはインラインと同様の検知法
以外に電子捕獲検出器(ECD)や質量分析装置等を用
いることができる。
を示す。同図において、20は三方弁、21はサンプル
ループ、22は開閉弁、23はカラム、24は検出器で
ある。検知部6ではインラインで超臨界二酸化炭素12
中のPCBの濃度をリアルタイムに検出できるが、検出
濃度に限界がある。そこで、洗浄漕2と分離器4とを接
続する配管5bに三方弁20を取付けて超臨界二酸化炭
素12をサンプルループ21に導く。趨臨界二酸化炭素
12がサンプルループ21に所定量充填されると、三方
弁20を閉じて開閉弁22を開く。趨臨界二酸化炭素1
2中の有害物質はキャリアガスCGとともにカラム23
に導かれて分離され、検出器24によって高感度に測定
される。これによって、物品11の洗浄が十分に行われ
たか否かを確認することができる。
による物品11の洗浄方法について説明する。先ず、有
害物質を含有する物品11を保管または使用している場
所において容器16に収納して搬送する。容器16に収
納して搬送すると、作業者が直接物品11を把持しない
で洗浄槽2内に設置することができる。
納した後、洗浄槽2を気密に密閉し、装置14によって
容器16内の物品11を粉砕する。この物品11の粉砕
は、密閉された洗浄漕2の中で行うため、PCBが飛び
散って周囲環境を汚染する危険性がなく、安全に処理す
ることができる。また、装置14自体も後の洗浄工程に
おいて、超臨界二酸化炭素12によって洗浄されるの
で、メンテナンスも簡素化することができる。洗浄槽2
の内部は、例えば温度が50〜90°C程度、圧力が1
5〜30MPa程度に保持される。
臨界二酸化炭素12を洗浄槽2に供給すると同時に少量
の助溶剤13を洗浄槽2に供給する。
に比べて100倍以上の拡散係数をもち、粘度も1/1
00程度小さいため、容器16内の破壊された物品11
に接触すると、物品11の奥深くまで浸透しているPC
Bを効率よく溶解し、抽出する。抽出されたPCBは、
超臨界二酸化炭素12と共に検知部6を通って分離器4
に導かれる。検知部6は、連続的あるいは断続的に超臨
界二酸化炭素12中のPCBの濃度を検出することによ
り、どの程度PCBの抽出が進んでいるかを監視する。
は、臨界点以下に冷却され、減圧される。これにより気
液2相に分離し、PCBを実質的に含まない通常の二酸
化炭素(ガス)と、液状のPCBに分離することができ
る。有害物質がPCB以外であって常温常圧で固体状の
ものであれば、超臨界二酸化炭素12を液体にして分離
することもできる。分離器4において超臨界二酸化炭素
12から分離されたPCBは、配管5dを通って有害物
質無害化処理施設または有害物質収納用密閉容器7(図
3)に導かれる。この密閉容器7は有害物質無害化処理
施設に搬送される。したがって、PCBは大気と接触す
ることがなく、安全に搬送することができる。そして、
有害物質無害化処理施設において、従来周知の無害化処
理方法によって無害化される。
状または液体状となった二酸化炭素12’は、超臨界流
体循環用圧縮装置3に導かれて臨界点以上に加熱、加圧
されることにより再び超臨界状態の二酸化炭素12とな
り、物品11の洗浄に使用される。
せて内部の物品11を容器16とともに取り出す。この
物品11は、超臨界二酸化炭素12によって洗浄されP
CBが除去されているので、環境および人体に対して無
害となり、PCBを含まない一般の廃棄物として処理さ
れる。次に、洗浄すべき物品11を洗浄槽2内に設置し
て同様な操作を行う。
浄、除去を行った実施例について説明する。 〔実施例1〕PCBを含有する密閉度の高いコンデンサ
を容器16に収納し、洗浄漕2内に設置した。洗浄漕2
を気密に密閉した後、装置14によってコンデンサに穴
開け加工を施し、その後、PCBの洗浄を超臨界二酸化
炭素12のみを用いて行った。洗浄槽2内の温度は40
°C、圧力は100気圧とした。洗浄後の超臨界二酸化
炭素中に含まれているPCBの濃度の経時変化を紫外吸
収分光器で測定した。測定波長は208nmである。そ
の結果を図6に示す。洗浄後、5時間経過すると、PC
Bの濃度が1ppm以下になり、洗浄が良好に行われた
ことを確認した。分離したPCBは密閉容器7に収納し
た。
ヘキサンを加えたこと以外は上記実施例1と同様に行っ
た。抽出後の超臨界二酸化炭素中に含まれているPCB
の濃度の経時変化を図6に示す。洗浄開始後3時間でP
CBの濃度が1ppm以下になり、洗浄が終了したこと
を確認した。
アセトンを加えたこと以外は上記実施例1と同様に行っ
た。洗浄開始後4時間でPCBの濃度が1ppm以下に
なり、洗浄が終了したことを確認した。
ロパンを加えたこと以外は上記実施例1と同様に行っ
た。洗浄開始後4時間でPCBの濃度が1ppm以下に
なり、洗浄が終了したことを確認した。
器16に収納し、後は上記実施例1と同様に行った。洗
浄開始後4時間でPCBの濃度が1ppm以下になり、
洗浄が終了したことを確認した。
容器16に収納し、後は上記実施例1と同様に行った。
洗浄開始後5時間でPCBの濃度が1ppm以下にな
り、洗浄が終了したことを確認した。
容器16に収納し、後は上記実施例1と同様に行った。
洗浄開始後5時間でPCBの濃度が1ppm以下にな
り、洗浄が終了したことを確認した。分離したPCBを
配管5dにより超臨界水酸化処理装置に導きて無害化処
理を行った。
ン紙を容器16に収納し、穴開け加工を行わずに後は上
記実施例1と同様に行った。洗浄開始後4時間でPCB
の濃度が1ppm以下になり、洗浄が終了したことを確
認した。
い安定器を容器16に収納して図4で示される洗浄漕2
内に設置した後、容器16を反転させて安定器8を回転
刃15で粉砕した。粉砕後、超臨界二酸化炭素でPCB
の洗浄を行った。洗浄槽2内の温度は40°C、圧力は
80気圧とした。洗浄後の超臨界二酸化炭素中に含まれ
ているPCBの濃度を検出した。洗浄開始後3時間でP
CBの濃度が1ppm以下になり、洗浄が終了したこと
を確認した。
チック容器を容器16に収納し、以下は上記実施例8と
同様に行った。洗浄開始後4時間でPCBの濃度が1p
pm以下になり、洗浄が終了したことを確認した。
容器16に収納し、以下は上記実施例8と同様に行っ
た。洗浄開始後3時間でPCBの濃度が1ppm以下に
なり、洗浄が終了したことを確認した。
処理を行い、洗浄開始後7時間後に図5で示される分岐
測定を行った。キャリアガスCGにヘリウム(He)を
用い、検出器24は分解能10000の高分解能質量分
析装置を用いた。PCBの濃度が70ppbであること
を確認した。
で処理を行ったが、検出器24にECDを用いた。洗浄
後6時間後のPCBの濃度が200ppbであることを
確認した。
界流体12として、超臨界状態の二酸化炭素を用いた例
を示したが、これに限らず他の溶媒を用いてもよい。
流体による洗浄方法によれば、洗浄に際して有害物質を
含有する物品を容器に収納して洗浄槽内に設置するよう
にしたので、作業者が物品を直接把持したり接触するこ
とがなく、安全に処理することができる。また、除去さ
れた有害物質を洗浄槽外部の外気に接触させないで回収
するようにしているので、環境を汚染したりすることも
ない。
破壊するようにしているので、内部に閉じ込められてい
る有害物質が飛散して作業者に付着したり、環境を汚染
したりすることがなく、安全に処理することができ、特
に密閉度の高いトランス、安定器等の電気部品の洗浄に
適用して好適である。
る有害物質の濃度を検知するようにしているので、洗浄
の進捗状況を監視することができ、洗浄が終了したこと
を確実に確認することができる。
助溶剤として添加するようにしたので、超臨界流体のみ
を用いた場合に比べて洗浄効率を一層向上させることが
できる。
ンデンサ、安定器、ノンカーボン紙、金属容器、プラス
チック容器、床材等に含まれているPCBを除去するこ
とができる。
品の概略図である。
の概略図である。
に収納する構成の他の実施の形態を示す概略図である。
示す洗浄槽の概略図である。
ようにした実施の形態を示す図である。
化を示す図である。
装置、4…分離器、6…検出部、11…物品、12…超
臨界流体、13…助溶媒、14…粉砕装置、16…容
器、20…三方弁、21…サンプルループ、23…カラ
ム、24…検出器。
Claims (6)
- 【請求項1】 有害物質を含有する物品に超臨界流体を
接触させることにより前記有害物質を洗浄し、除去する
洗浄方法において、 有害物質を含有する物品を容器に収納する工程と、 前記物品を収納した前記容器を洗浄槽内に搬送する工程
と、前記容器内の前記物品を前記洗浄槽内において物理的に
破壊する工程と、 前記洗浄槽内に超臨界流体を供給して前記物品に接触さ
せることにより前記物品中に含有されている有害物質を
洗浄し、除去する工程と、前記 超臨界流体によって洗浄され、除去された前記有害
物質を洗浄槽外部の外気に接触させないで回収する工程
と、 を備えたことを特徴とする超臨界流体による洗浄方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の超臨界流体による洗浄方
法において、 洗浄槽から排出された超臨界流体中に含まれる有害物質
の濃度を検知して洗浄の進捗状況を監視する ことを特徴
とする超臨界流体による洗浄方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の超臨界流体によ
る洗浄方法において、超臨界流体が超臨界二酸化炭素または超臨界二酸化炭素
とこれに添加される有機化合物の混合物である ことを特
徴とする超臨界流体による洗浄方法。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載の超臨界流体
による洗浄方法において、有害物質がポリ塩化ビフェニール(PCB)である こと
を特徴とする超臨界流体による洗浄方法。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の超臨界
流体による洗浄方法において、有害物質を含有する物品がトランス、コンデンサ、安定
器、ノンカーボン紙、金属容器、プラスチック容器、床
材のうちのいずれか1つである ことを特徴とする超臨界
流体による洗浄方法。 - 【請求項6】 請求項3記載の超臨界流体による洗浄方
法において、超臨界二酸化炭素に添加される有機化合物が、炭素数が
20以下の飽和炭化水 素類、不飽和炭化水素類、芳香族
化合物、エーテル類、ケトン類、アルコール類、フロン
類のうちのいずれか1つである ことを特徴とする超臨界
流体による洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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