JP2002248455A - 有害物質処理システム及びpcb処理方法 - Google Patents

有害物質処理システム及びpcb処理方法

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JP2002248455A
JP2002248455A JP2001358811A JP2001358811A JP2002248455A JP 2002248455 A JP2002248455 A JP 2002248455A JP 2001358811 A JP2001358811 A JP 2001358811A JP 2001358811 A JP2001358811 A JP 2001358811A JP 2002248455 A JP2002248455 A JP 2002248455A
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cleaning
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substance
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Takeshi Suzuki
武志 鈴木
Katsuhiko Shinoda
克彦 篠田
Takashi Moribe
高司 森部
Kenji Tagashira
田頭  健二
Nobuyuki Ikeda
信之 池田
Akio Kai
昭夫 開
Toshimitsu Ichinose
利光 一ノ瀬
Takashi Yamamoto
崇 山元
Katsuyuki Ueda
勝征 植田
Hiroki Yamaguchi
啓樹 山口
Koji Oura
康二 大浦
Toshimi Otsuka
利美 大塚
Kenichi Arima
謙一 有馬
Takashi Tsutsuba
孝志 筒場
Noboru Kawamoto
昇 川元
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変圧器等のPCB汚染機器の完全処理を図る
ことができる有害物質処理システム及びPCB処理方法
を提供する。 【解決手段】 被処理物1001であるPCB1002が充填さ
れてなる容器1003から該PCB1002を液抜きする液抜き
手段1004と、被処理物1001を構成する構成材(コア、コ
ンデンサ素子部、容器等)1001a,b,…を解体する解
体手段1005とのいずれか一方又は両方を有する前処理手
段1006と、前処理手段1006において処理された被処理物
を構成する構成材1001a,b,…から紙・木・樹脂等の
有機物1007と金属等の無機物1008とに分離する分離手段
1009と、上記前処理手段1006で分離された金属製の容器
1003又は上記分離手段1009で分離した金属等の無機物10
08を洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗
浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物質1001のい
ずれか一方又は両方を分解処理する有害物質分解処理手
段1013とを、具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば変圧器等のP
CB汚染機器の完全処理を図ることができる有害物質処
理システム及びPCB処理方法に関する。
【0002】
【背景技術】近年では、PCB(Polychlorinated biph
enyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体
の総称)が強い毒性を有することから、その製造および
輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃か
ら国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっ
かけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972
年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義
務)が出された経緯がある。PCBは、ビフェニル骨格
に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数
や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、
現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異
性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化
学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるた
め、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしてい
るのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染
物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶
性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移
動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物等環
境中に広く残留することが報告されている。このPCB
は平成4(1997)年に廃PCB、PCBを含む廃油、P
CB汚染物が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づ
く特別管理廃棄物に指定され、さらに、平成9(1997)
年にはPCB汚染物として木くず、繊維くずが、追加指
定された。PCB処理物となる電気機器としては、高圧
トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス・コンデン
サ、柱上トランス等があり、廃PCB等としては、熱媒
体に用いたものは絶縁油として用いたもの、また、これ
らの洗浄に用いた灯油等があり、廃感圧紙としては、ノ
ーカーボン紙に使用されたカプセルオイルがあり、さら
に、これらのPCBの使用又は熱媒の交換、絶縁油の再
生、漏洩の浄化、PCB含有物の処理等の際に用いられ
た活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚
染物がある。現在これらは厳重に保管がなされている
が、早急なPCBの処理が望まれている。
【0003】近年では、このようなトランス等に使用さ
れているPCBを処理する技術が種々開発されており、
例えば特開平9−79531号公報に記載の技術が知ら
れている。
【0004】図60に、上記提案にかかるPCBの処理
方法のフローチャートを示す。図60に示すように、ま
ず、PCBが封入されているトランスから油を抜き取り
(ステップS901)、さらに溶剤洗浄によって内部に
付着しているPCBを除去し(ステップS902)、回
収する(ステップS903)。洗浄後の溶剤は、トラン
スから抜き出した油と共に分解処理され(ステップS9
04)、無害化される。
【0005】つぎに、油抜きしたトランスを乾燥させて
PCBを無酸素下高温常圧加熱によって蒸発させ(ステ
ップS905)、PCBの飛散を防止する。そして、乾
燥後のトランスを解体し(ステップS906)、ケース
とトランスコアを分離する。ケースは、電炉や転炉のス
クラップ源に供される(ステップS907)。一方、ト
ランスコアは、モービルシャー等によってその銅コイル
を切断され、コイル線と鉄心とに分離される(ステップ
S908)。
【0006】分離された鉄心は溶融炉にて溶融され、回
収される(ステップS909)。また、分離した銅コイ
ルおよびこれに付着した紙等の有機物は、誘導加熱炉に
て溶融される(ステップS910)。そして、上記溶融
した銅は回収され、各溶融炉で発生したPCBガスは、
1200℃で高温熱分解することにより無害化される
(ステップS911)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のPCB処理方法では、銅コイルに使用されている紙
等の有機物を分離することなく、溶融炉にて燃焼させる
ようにしているため、PCBを含む排ガスが発生し、こ
れを高温熱分解することで無害化しようとしているが、
単に高温で分解することによってはPCBや副生する恐
れのあるダイオキシン類を十分に除去できない問題点が
ある。
【0008】また、銅コイルを洗浄することなく燃焼さ
せているため、PCBが付着したまま銅を回収処理す
る、という問題がある。
【0009】一方、銅コイルを洗浄することになれば、
当該銅コイルに用いられている紙や木にPCBが染み込
んでいるために何十時間もかかってしまい、実用的では
ない、という問題がある。
【0010】また、PCBの燃焼処理ではPCBを保存
していた容器や処理等の際に用いられた活性炭や、廃白
土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物の処理をする
ことができず、完全処理ができない、という問題があ
る。
【0011】このような問題はPCB等に限定されるも
のではなく、近年問題とされている残留性有機汚染物
(Persistent Organic Pollutants:POPs)の処理
においても同様な問題がある。すなわち、残留性汚染物
として認定された後には、使用が中止されるが、市場に
出た商品(例えば農薬等)は各保管場所において、保管
されているが、その廃棄処理が問題となる。
【0012】特に、POPs(Persistent Organic Pol
lutants:残留性有機汚染物質)については、地球規模
の汚染を防止するため、平成13年5月22日にストッ
クホルム条約が採択され、我が国としても早期締結に向
けた国内体制の整備が重要な課題となっています。
【0013】本発明は上述した問題に鑑み、例えばPC
Bで汚染された変圧器等のPCB汚染機器の容器及びそ
の中身並びに処理等の際に用いられた活性炭や、廃白
土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物を完全に処理
することができる有害物質処理システム及びその方法を
提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
第1の発明は、有害物質が付着又は含有又は保存されて
いる被処理物を無害化する有害物質処理システムであっ
て、被処理物から有害物質を抜出す抜出し手段又は被処
理物を解体する解体手段のいずれか一方又は両方を有す
る前処理手段と、前処理手段において処理された被処理
物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物と金属
等の無機物とに分離する分離手段と、を具備してなるこ
とを特徴とする有害物質処理システムにある。
【0015】第2の発明は、有害物質が付着又は含有又
は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理シ
ステムであって、被処理物から有害物質を抜出す抜出し
手段又は被処理物を解体する解体手段のいずれか一方又
は両方を有する前処理手段と、前処理手段において処理
された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の
有機物と金属等の無機物とに分離する分離手段と、前処
理手段で抜きした有害物質を分解処理する有害物質分解
処理手段とを、具備してなることを特徴とする有害物質
処理システムにある。
【0016】第3の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記被処理物が、充填又は保存された有害物質を除
去した容器、有害物質が付着又は含有した容器若しくは
容器内部の構成材であることを特徴とする有害物質処理
システムにある。
【0017】第4の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記被処理物が、有害物質が充填又は保存された容
器であることを特徴とする有害物質処理システムにあ
る。
【0018】第5の発明は、第4の発明において、上記
分離手段で分離した金属等の無機物を洗浄液で洗浄する
洗浄手段を具備してなることを特徴とする有害物質処理
システムにある。
【0019】第6の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記抜き後の金属製の容器又は上記分離手段で分離
した金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段を具備
してなることを特徴とする有害物質処理システムにあ
る。
【0020】第7の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記抜き後の金属製の容器を洗浄する洗浄手段が、
粗洗浄手段と仕上洗浄手段とを具備してなることを特徴
とする有害物質処理システムにある。
【0021】第8の発明は、第7の発明において、上記
粗洗浄手段と仕上洗浄手段との間に容器内表面洗浄処理
手段を具備してなることを特徴とする有害物質処理シス
テムにある。
【0022】第9の発明は、第7又は8の発明におい
て、上記洗浄手段に用いる洗浄剤が、有害物質との相互
溶解性が大きい洗浄剤、有害物質との相互溶解性が低い
洗浄剤、アルカリ洗浄剤又は酸洗浄剤又は界面活性剤の
いずれかであることを特徴とする有害物質処理システム
にある。
【0023】第10の発明は、第7の発明において、上
記仕上洗浄手段に用いる洗浄剤が、有害物質との相互溶
解性が低く浸透性が高い洗浄剤であることを特徴とする
有害物質処理システムにある。
【0024】第11の発明は、第7の発明において、上
記仕上洗浄手段の代替又は組み合わせとして、加熱分離
による有害物質除去手段を用いることを特徴とする有害
物質処理システムにある。
【0025】第12の発明は、第11の発明において、
上記加熱分離による有害物質除去手段が真空加熱手段又
は不活性ガス雰囲気中の加熱手段であることを特徴とす
る有害物質処理システムにある。
【0026】第13の発明は、第6の発明において、上
記金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段による洗
浄後の洗浄廃液を上記有害物質分解処理手段で分解処理
することを特徴とする有害物質処理システムにある。
【0027】第14の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記分離手段が構成材を分割破砕する破砕手段であ
ることを特徴とする有害物質処理システムにある。
【0028】第15の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記分離手段が破砕手段により破砕された破砕片か
ら紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに選別す
る選別手段を具備することを特徴とする有害物質処理シ
ステムにある。
【0029】第16の発明は、第15の発明において、
上記選別手段が比重選別法、磁石選別法、ふるい選別法
等の自動選別法であることを特徴とする有害物質処理シ
ステムにある。
【0030】第17の発明は、第15の発明において、
上記選別手段が乾式選別法又は湿式選別法であることを
特徴とする有害物質処理システムにある。
【0031】第18の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記分離手段が被処理物を構成する構成材の樹脂を
溶融して分離除去する樹脂溶融除去手段と、構成材の金
属を溶解して分離除去する金属溶解除去手段を具備する
ことを特徴とする有害物質処理システムにある。
【0032】第19の発明は、第15乃至18のいずれ
か一の発明において、上記分離された紙・木・樹脂等の
有機物を微粉砕してスラリー化する微粉砕手段を具備す
ることを特徴とする有害物質処理システムにある。
【0033】第20の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記分離された構成材を脆化させる脆化手段を具備
することを特徴とする有害物質処理システムにある。
【0034】第21の発明は、第20の発明において、
上記脆化手段が、構成材を加熱手段又は冷凍手段又は紫
外線照射手段のいずれかであることを特徴とする有害物
質処理システムにある。
【0035】第22の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記抜き手段又は前処理手段が他のシステムと隔離
する部屋内に設けられており、負圧状態となっているこ
とを特徴とする有害物質処理システムにある。
【0036】第23の発明は、第2の発明において、上
記有害物質分解処理手段が亜臨界域において水熱酸化分
解処理する水熱分解処理手段又は超臨界域において超臨
界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段であることを特
徴とする有害物質処理システムにある。
【0037】第24の発明は、第23の発明において、
上記水熱酸化分解処理手段が筒形状の高温高圧の反応器
と、油、有害物質、アルカリ剤及び水の処理液並びに酸
化剤を加圧する加圧ポンプと、当該水にアルカリ剤との
混合液を予熱する予熱器と、分解処理後の処理液を冷却
する冷却器及び反応器の減圧弁とを具備することを特徴
とする有害物質処理システムにある。
【0038】第25の発明は、第24の発明において、
上記高温高圧の反応器の反応条件が圧力27MPa、温
度380℃以上の熱水であり、上記熱水中で析出した炭
酸ナトリウム(Na2CO3)の結晶と、脱塩素反応およ
び酸化分解反応により有害物質を無害化することを特徴
とする有害物質処理システムにある。
【0039】第26の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記被処理物を輸送容器又は専用容器に移して、該
輸送容器又は専用容器と共に処理することを特徴とする
有害物質処理システムにある。
【0040】第27の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記無害化処理する有害物質がPCB、廃農薬、有
害廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品、廃棄樹脂、未処理爆
薬類、残留性汚染物質であることを特徴とする有害物質
処理システムにある。
【0041】第28の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記被処理物がPCBを含有するトランス、コンデ
ンサ、蛍光灯の安定器又はPCB汚染物であることを特
徴とする有害物質処理システムにある。
【0042】第29の発明は、 有害物質が付着又は含
有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処
理方法であって、被処理物から有害物質を抜出しする抜
出し工程と、被処理物を解体する解体工程とのいずれか
一方又は両方を有する前処理工程と、前処理工程におい
て処理された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹
脂等の有機物と金属等の無機物とに分離する分離工程
と、を含むことを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0043】第30の発明は、 有害物質が付着又は含
有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処
理方法であって被処理物から有害物質を抜出しする抜出
し工程と、被処理物を解体する解体工程とのいずれか一
方又は両方を有する前処理工程と、前処理工程において
処理された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂
等の有機物と金属等の無機物とに分離する分離工程と、
前処理工程で分離した有害物質を分解処理する有害物質
分解処理工程とを、含むことを特徴とする有害物質処理
方法にある。
【0044】第31の発明は、第29又は30の発明に
おいて、上記被処理物が、充填又は保存された有害物質
を除去した容器、有害物質が付着又は含有した容器若し
くは容器内部の構成材であることを特徴とする有害物質
処理方法にある。
【0045】第32の発明は、第29又は30の発明に
おいて、上記前処理工程の抜出し工程で分離された金属
製の容器又は上記分離工程で分離した金属等の無機物を
洗浄液で洗浄する洗浄工程と、を含むことを特徴とする
有害物質処理方法にある。
【0046】第33の発明は、第29又は30の発明に
おいて、上記前処理工程の抜出し工程で分離された金属
製の容器又は上記分離工程で分離した金属等の無機物を
洗浄液で洗浄する洗浄工程を含み、洗浄後の洗浄廃液を
有害物質分解処理工程で分解処理することを特徴とする
有害物質処理方法にある。
【0047】第34の発明は、第29又は30の発明に
おいて、上記分離工程が構成材を分割破砕する破砕工程
であることを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0048】第35の発明は、第29又は30の発明に
おいて、上記分離工程が破砕工程により破砕された破砕
片から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに選
別する選別工程を含むことを特徴とする有害物質処理方
法にある。
【0049】第36の発明は、第35の発明において、
上記選別工程が比重選別法、磁石選別法、ふるい選別法
等の自動選別法であることを特徴とする有害物質処理方
法にある。
【0050】第37の発明は、第35の発明において、
上記選別工程が乾式選別法又は湿式選別法であることを
特徴とする有害物質処理方法にある。
【0051】第38の発明は、第29又は30の発明に
おいて、上記分離工程が被処理物を構成する構成材の樹
脂を溶融して分離除去する樹脂溶融除去工程と、構成材
の金属を溶解して分離除去する金属溶解除去工程を具備
することを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0052】第39の発明は、第34乃至38のいずれ
か一の発明において、上記分離された紙・木・樹脂等の
有機物を微粉砕してスラリー化する微粉砕工程を含むこ
とを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0053】第40の発明は、第29又は30の発明に
おいて、上記分離された構成材を脆化させる脆化工程を
含むことを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0054】第41の発明は、第40の発明において、
上記脆化工程が構成材を加熱或いは冷凍、又は紫外線照
射により脆化させることを特徴とする有害物質処理方法
にある。
【0055】第42の発明は、第29又30の発明にお
いて、上記前処理工程が隔離されており、負圧状態とな
っていることを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0056】第43の発明は、第30の発明において、
上記有害物質分解処理工程が水熱分解処理する水熱分解
処理工程又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理工
程であることを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0057】第44の発明は、 電力用トランスや電力
用コンデンサ等の電気機器に含まれるPCBを無害化処
理するPCB処理方法であって、PCBを抜いた後の電
気機器の構成材を分割破砕する工程と、分割破砕した破
砕片からPCBに汚染された紙、木或いは樹脂等の有機
廃棄物を他の構成材から分離して取り出す工程と、上記
取り出した有機廃棄物を水熱分解処理または超臨界水酸
化処理する工程と、を含むことを特徴とするPCB処理
方法にある。
【0058】第45の発明は、 電気用トランスやコン
デンサ等の電気機器に含まれるPCBを無害化処理する
PCB処理方法であって、PCBを抜いた後の電気機器
の構成材を分割破砕する工程と、分割破砕した破砕片か
らPCBに汚染された紙、木或いは樹脂等の有機廃棄物
を他の構成材から分離して取り出す工程と、上記取り出
した有機廃棄物をスラリー化する工程と、上記スラリー
化した有機廃棄物を水熱分解処理または超臨界水酸化処
理する工程と、を含むことを特徴とするPCB処理方法
にある。
【0059】第46の発明は、 電気用トランスやコン
デンサ等の電気機器に含まれるPCBを無害化処理する
PCB処理方法であって、PCBを抜いた後の電気機器
の構成材を分割破砕する工程と、分割破砕した破砕片か
らPCBに汚染された金属を他の構成材から分離して取
り出す工程と、上記分離した金属を洗浄剤により洗浄す
る工程と、上記洗浄後のPCBに汚染された洗浄剤を水
熱分解処理または超臨界水酸化処理する工程と、を含む
ことを特徴とするPCB処理方法にある。
【0060】第47の発明は、 電気用トランスやコン
デンサ等の電気機器に含まれるPCBを無害化処理する
PCB処理方法であって、PCBを抜いた後の電気機器
の構成材を分割破砕する工程と、分割破砕した破砕片か
らPCBに汚染された紙、木或いは樹脂等の有機廃棄物
を他の構成材から分離して取り出す工程と、上記取り出
した有機廃棄物について、当該有機廃棄物をミルにより
スラリー化する工程と、上記スラリー化した有機廃棄物
を水熱分解処理または超臨界水酸化処理する工程と、上
記取り出した金属について、当該金属を洗浄剤により洗
浄する工程と、上記洗浄後のPCBに汚染された洗浄剤
を水熱分解処理または超臨界水酸化処理する工程と、を
含むことを特徴とするPCB処理方法にある。
【0061】第48の発明は、第44乃至47のいずれ
か一の発明において、上記分割破砕する工程の前工程と
して、洗浄剤を用いた粗洗浄工程、真空中において加熱
を行う真空加熱工程および洗浄剤を用いた洗浄脱脂工程
のいずれかの工程または全部の工程を組み合わせて用い
ることを特徴とするPCB処理方法にある。
【0062】第49の発明は、第44乃至47のいずれ
か一の発明において、上記分割破砕する工程の前工程と
して、電気用トランス或いはコンデンサ等の電気機器を
有機廃棄物と金属に解体する工程を含むことを特徴とす
るPCB処理方法にある。
【0063】第50の発明は、第44乃至46のいずれ
か一の発明において、コンデンサに含まれるPCBを無
害化処理するにあたり、さらに、コンデンサを構成する
絶縁紙または樹脂フィルムを加熱或いは冷凍、または紫
外線照射その他の脆化工程を含むことを特徴とするPC
B処理方法にある。
【0064】第51の発明は、第44乃至47のいずれ
か一の発明において、コンデンサに含まれるPCBを無
害化処理するにあたり、さらに、アルミニウムを酸によ
り溶解するか又はアルカリ溶解することにより、絶縁
紙、樹脂フィルムと分離する工程とを含むことを特徴と
するPCB処理方法にある。
【0065】第52の発明は、 電気用トランスやコン
デンサ等の電気機器に含まれるPCBを無害化処理する
PCB処理方法であって、電気用トランス或いはコンデ
ンサ等の電気機器の構成材を解体して荒切断する工程
と、荒切断したコア、紙や木等のPCBに汚染された有
機廃棄物をそのままバッチ式の水熱分解装置内で水熱分
解処理する工程と、を含むことを特徴とするPCB処理
方法にある。
【0066】
【発明の実施の形態】本発明による有害物質処理システ
ムの実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの
実施の形態に限定されるものではない。
【0067】本発明の有害物質処理システムのシステム
構成の概略を図1に示す。以下、本実施の形態では、被
処理物の具体例として、例えばPCBを充填してなるト
ランス、コンデンサ等の電気機器について、その処理シ
ステムの内容を説明する。
【0068】図1に示すように、本実施の形態にかかる
有害物質処理システムは、被処理物1001であるPCB10
02が充填されてなる容器1003から該PCB1002を液抜き
する液抜き手段1004と、被処理物1001を構成する構成材
(コア、コンデンサ素子部、容器等)1001a,b,…を
解体する解体手段1005とのいずれか一方又は両方を有す
る前処理手段1006と、前処理手段1006において処理され
た被処理物を構成する構成材1001a,b,…から紙・木
・樹脂等の有機物1007と金属等の無機物1008とに分離す
る分離手段1009と、上記前処理手段1006で分離された金
属製の容器1003又は上記分離手段1009で分離した金属等
の無機物1008を洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、
洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物
質1001のいずれか一方又は両方を分解処理する有害物質
分解処理手段1013とを、具備してなるものである。
【0069】ここで、本発明で無害化処理する有害物質
としては、上記PCB以外に、例えば廃農薬、有害廃棄
塗料、廃棄燃料、有害薬品、廃棄樹脂、未処理爆薬類等
を挙げることができるが、環境汚染に起因する環境ホル
モン等の有害物質であればこれらに限定されるものでは
ない。
【0070】また、本発明で被処理物としては、例えば
絶縁油としてPCBを用いてなるトランスやコンデンサ
以外に、有害物質である廃棄塗料等を保存している保存
容器、火薬・爆薬類が充填された爆弾等を例示すること
ができるが、これらに限定されるものではない。
【0071】ここで、被処理物の一例であるトランス、
コンデンサ及び蛍光灯の安定器の概略を図57〜59を
用いて説明する。図57は、一般的なトランスの構造を
示す一部断面図である。図57に示すように、トランス
200は、鉄心201に対して銅コイル202を巻いた
トランスコア203を鉄製の容器204内に収納した構
成であり、絶縁油205としてPCBを内部に封入した
ものである。また、銅コイル202は、銅線に絶縁紙を
巻き付けた構成であり、鉄枠207上部には碍子208
が設けられている。また、容器204の開口部は蓋20
9により密封されている。一般的なトランスの容量範囲
は、5〜100kVAであり、本発明ではすべての範囲
において処理ができる。
【0072】図58は、一般的なコンデンサの構造を示
す一部断面図である。図58に示すように、コンデンサ
210は、複数の素子211がプレスボード212を介
して固定バンド213で束ねてなるものを絶縁紙214
で覆った状態で容器215内に充填され、PCBが内部
の封入口216から封入され封止されてなるものであ
る。なお、符号217は接地端子、218は放電抵抗、
219は高圧端子及び220は碍子を各々図示する。上
記素子211は、アルミ箔、絶縁紙、樹脂フィルム及び
スペーサ等から構成されている。一般的なコンデンサの
容量範囲は、数〜500kvarであり、本発明ではす
べての範囲において処理ができる。
【0073】図59は、一般的な蛍光灯の安定器を示す
概略図である。図59に示すように、安定器本体230
は、安定器231と力率改善用コンデンサー232とか
らなり、上記コンデンサー232中に絶縁油としてPC
Bが使用されている。
【0074】これらの被処理物から有害物質を取り出す
ための前処理が必要となるが、例えばトランス200や
コンデンサ210等では、PCBを液抜きした後に、構
成材を分離処理、破砕処理をするようにしている。ここ
で、抜き出したPCBや爆薬等の有害物質は、有害物質
分解処理手段1013で完全分解がなされる。なお、詳細に
ついては、後述する。
【0075】なお、蛍光灯用の安定器230において
も、図59に示すように、安定器本体230を構成する
コンデンサー231内に絶縁油としてPCBが用いられ
ていたので、無害化処理する必要がある。この場合に
は、コンデンサー231が小さいので、素子を構成する
部材を分離して無害化処理することができる。
【0076】また、爆弾の場合には、爆弾から火薬や爆
薬を抜きだした後、容器を処理するようにしている。ま
た、抜き出された火薬等は有害物質分解処理手段1013で
処理され、容器は洗浄される。また、樹脂製の容器は切
断・破砕処理した後、スラリー状とすることで、有害物
質分解処理手段1013で処理される。なお、火薬の場合に
は液状ではないので、図1に示すシステムにおいては、
液抜き手段1004が火薬分離手段となる点が相違する。
【0077】また、上記有害物質が液体等の流動性の場
合には、有害物質分解処理手段1013に直接投入すること
で無害化処理がなされ、その保管した容器は構成材の無
害化処理により、処理することができる。
【0078】ここで、上記分離手段1009と有害物質分解
処理手段1013とは、一つの施設内等において一体的に設
けても別に設けるようにしてもよく、特に限定されるも
のではない。
【0079】これは、有害物質を移動させることが困難
な場合に、前処理手段1006と、分離手段1009との無害化
処理の前工程を行い、その後、分離されたものを、別途
設置された有害物質分解処理手段1013において、処理す
ればよいからである。
【0080】また、洗浄手段1011も洗浄専用施設を別途
設置して、洗浄溶剤の管理及び排ガス処理を集中的に行
うようにする場合には、本システムに必ずしも一体に設
けなくてもよい。
【0081】なお、連続して有害物質の無害化処理する
には、一つの施設内に一体的に設けるようにすることが
管理上で好ましい。
【0082】また、本システムを架台等に設置し、架台
毎搬送手段により搬送して、有害物質処理現場へ移動
し、有害物質が保管されている現地にて処理することも
可能である。
【0083】また、上記分離手段1009は、構成材である
コア、コンデンサ素子部等1001a,b,…を分離した後
分割破砕する破砕手段を用いて、その後破砕片とするこ
とにより、その後の処理の効率が向上する。
【0084】また、上記分離手段1009が破砕手段により
破砕された破砕片から紙・木・樹脂等の有機物と金属等
の無機物(銅線)とに選別する選別手段を含むことによ
り、有用な銅等の無機物を回収することができる。
【0085】ここで、上記選別手段としては、例えば比
重選別法、磁石選別法、ふるい選別法等の自動選別法を
挙げることができるが、公知の選別手段により有機物と
無機物とを分離することができるものであればこれらに
限定されるものではない。
【0086】また、上記選別手段が乾式選別法又は湿式
選別法のいずれかとすることが好ましい。上記乾式選別
法の場合には、選別の前に脱脂処理手段及び乾燥処理手
段により、脱脂・乾燥させることでその後の処理効率が
向上する。一方、湿式選別の場合には、上記脱脂処理及
び乾燥処理が不要となり、しかも水処理での選別となる
ので、その後の、有害物質分解処理手段1013である例え
ば水熱分解処理手段へそのまま選別品を移動できるの
で、好ましい。この湿式選別法の場合には、乾式選別法
の場合に較べ、汚染した空気を処理する必要がないの
で、有利である。また、上記湿式選別で用いた処理水は
再利用することも可能である。
【0087】上記分離手段1009が被処理物(例えば蛍光
灯安定器等)を構成する構成材の樹脂を溶融して分離除
去する樹脂溶融除去手段と、構成材の金属を溶解して分
離除去する金属溶解除去手段を具備することにより、そ
の後の処理の効率を向上させるようにしている。また、
上記分離された紙・木・樹脂等の有機物を微粉砕してス
ラリー1014とする微粉砕手段(スラリー化手段)1015 を
具備することもできる。これは、処理品がスラリー状と
なるので流動性が向上し、その後の、有害物質分解処理
手段1013へそのまま連続して供給することができるの
で、好ましい。
【0088】ここで、上記スラリーの見かけ粘度は、3
000cP/100-S・25℃以下、好ましくは100
0cP/100-S・25℃以下とするのがよい。これ
は、3000cP/100-S・25℃を超える場合に
は、ポンプ圧送に負担がかかり、スラリーの搬送効率が
低下し、好ましくないからである。また、上記スラリー
濃度は、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%
とするのがよい。これは、50重量%を超える場合に
は、スラリーの搬送効率が共に低下し、好ましくないか
らである。また、5重量%未満の場合には、水分量が多
くなるので、有害物質処理手段14における予備加熱に
時間を要し、好ましくないからである。
【0089】また、有害物質の各種処理等の際に用いら
れた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB
汚染物を処理する場合には、必要に応じて裁断又は破砕
手段を介して裁断・破砕した後、上記微粉砕手段1015へ
供給して、スラリー1014とすることで、その後の、有害
物質分解処理手段1013へそのまま連続して供給すること
ができる。なお、直接有害物質分解処理手段1013へ供給
して処理することもできる。
【0090】これにより、有害物質のみならず、その処
理に用いた容器、処理の際に発生する各種有害物質汚染
物等を一貫して完全無害化することができる。
【0091】また、構成材を脆化させる脆化手段を具備
することもできる。これは、被処理物が例えばコンデン
サ等の場合には、コンデンサ素子部を構成する構成材に
高分子フィルムが含まれているので、フィルムを脆化さ
せることで、その後の処理が容易となり、好ましい。ま
た、被処理物が例えば銃砲弾、魚雷、爆弾等の場合に
も、爆殻を圧搾破砕等することで脆化させて破砕するこ
とができる。
【0092】ここで、上記脆化手段は構成材を加熱或い
は冷凍、又は紫外線照射により脆化させる手段を挙げる
ことができるが、公知の脆化手段により構成材を脆化す
ることができるものであればこれらに限定されるもので
はない。
【0093】上記有害物質分解処理手段1013は、水熱分
解処理する水熱分解処理手段又は超臨界水酸化処理する
超臨界水酸化処理手段又はバッチ式水熱分解処理手段等
を挙げることができるが、公知の有害物質処理手段によ
り有害物質を分解処理することができるものであればこ
れらに限定されるものではない。上記有害物質分解処理
手段1013は連続して処理する方法及びバッチ処理する方
法を適宜採用することができる。なお、連続して完全分
解処理するような場合には、水熱分解処理手段を用いる
ことが好ましい。
【0094】なお、図1に示すシステムにおいては、前
処理手段1006の領域を破線で示しているが、当該領
域はPCBの液抜き及び容器の解体分離に伴い、PCB
が作業環境中に飛散する場合にそなえて、他の洗浄処理
システム等と隔離するように隔離室内に設けており、負
圧状態として、外部への漏出しを防止している。
【0095】ここで、以下に示す実施の形態において
は、被処理物としてPCBが含有された容器について、
PCBの無害化及びその容器構成材の無害化処理する処
理システムについて具体的に説明する。
【0096】PCBを含有する電気機器としては、例え
ばトランス、コンデンサ、蛍光灯の安定器等が存在し、
これらの無害化処理を本システムで行うことができる。
上記トランスは前述した図57に示すものであり、低濃
度(数ppm〜100ppm)PCB容器であり、図5
8に示すようなコンデンサは100〜60%のPCBを
含有する高濃度PCB容器であり、本発明のシステムで
はどちらの場合でもPCB及びその容器の完全無害化処
理が可能となる。また、大型の設置型のトランスやコン
デンサ等も同様にして無害化処理することが可能とな
る。
【0097】[第1の実施の形態]図2は、この発明の
第1の実施の形態にかかるPCB処理システムの概略構
成図である。本実施の形態では、電気機器として絶縁油
としてPCBが含有されている柱上トランスの処理につ
いて説明する。ここで、トランスには様々なタイプのも
のがあり、密閉型のものや容易に外枠を開けることがで
きるものがある。なお、外枠が密閉型の場合には破断・
細断が必要となる。図2に示すように、本実施の形態に
かかる処理システムは、被処理物であるトランス30か
らPCB21を液抜きする前処理手段である液抜き手段
22と、前処理した後に、トランスを分離、破砕、洗浄
等する容器処理システム23と、容器処理システム23
から排出される分離品又は洗浄液又は有害物質をそのま
ま水熱分解処理で処理する有害物質処理手段である水熱
酸化分解処理装置(以下、「水熱分解装置」ともいう)
24とを、具備するものである。
【0098】上記容器処理システム22の概略構成は、
トランス30内のPCB21を液抜手段22で液抜き後
のトランス30を該トランスを構成する構成材である容
器32とコア33とに分別処理する分別手段34と、該
分別手段34により分別されたコア33を構成する鉄心
35とコイル36とに分離するコア分離手段37と、該
分離されたコイル36を銅線38と木・紙39とに分離
するコイル分離手段40と、分離された紙・木39等の
有機物を粉砕処理してスラリー41とする微粉砕手段4
2と、層状の鉄心35を破砕する鉄心破砕手段43と、
容器32、破砕した鉄心片44、上記分離された銅線3
8等の無機物を洗浄液45で洗浄する洗浄装置46とを
具備するものである。
【0099】また、一方の水熱分解装置24の概略構成
は、上記液抜きされたPCB21又はスラリー40又は
洗浄廃液47等の分解処理物25,油26,純水27,
水酸化ナトリウム(NaOH)28及び酸素(O2 )2
9を投入する筒形状の一次反応器122と、配管を巻い
た構成の二次反応器126と、冷却器127および反応
器の減圧弁128を備えている。また、減圧弁128の
下流には、排水(H2O,NaCl)133と排気ガス
(CO2 )131とに分離する気水分離器129が配置
されている。なお、上記二次反応器126は必要に応じ
て省略することもできる。
【0100】上記前処理手段はPCBの飛散及び蒸発す
る場合があるので、負圧状態の隔離室57内で処理がな
され、作業員への直接の汚染を防止している。また、作
業環境の環境状況は例えばガスモニタM1 及び排水モニ
タM2 等の監視装置を適宜設置することで、ほぼリアル
タイムで計測している。
【0101】図3は前述した容器処理システム22の一
具体例を示す概念図であり、ステージ1からステージ6
までに工程が細分化されている。
【0102】図3に示すように、容器処理システム22
は、ステージ1のトランス30の搬入・PCB液抜き工
程51と、ステージ2のトランスの解体前処理工程52
と、ステージ3のコア解体工程53と、ステージ4のコ
イルの破砕分別工程54と、ステージ5の容器等の仕上
洗浄工程55と、ステージ6の有機物スラリー化工程5
6とからなっている。なお、図2に示す水熱分解装置2
3はステージ7の工程となる。
【0103】先ず、図3において、ステージ1及びステ
ージ2の処理では、図中破線で示すグローブボックス5
7内で処理を行うと共に、該ボックス57内を負圧とし
て外部へのPCBの飛散及び作業環境への直接のPCB
汚染を防止している。
【0104】この図3の工程の詳細について図4〜図1
7を参照して説明する。
【0105】<ステージ1>まず、図4に示すように、
所定箇所まで搬送されたたトランス30をクレーン61
で作業台62まで受け入れる。
【0106】次に、図5に示すように、トランス30の
蓋30bにドリル63で所定径の孔64を明ける。ここ
で、上記孔明けの代わりに蓋30bを取り外すようにし
てもよい。
【0107】次いで、図6に示すように、孔明けした箇
所にPCB液抜出管35を差し込み、トランス30内の
油抜きを行い、PCB液溜66にPCBを保管する。
【0108】油抜きを行うには、ポンプ(図示せず)に
接続したPCB液抜出管65を上記油抜き用の孔64か
ら差し入れ、強制的に吸引する。該吸引されたPCBの
濃度が高い絶縁油(PCB数10%以上)は、前述した
水熱分解装置23において水熱分解される。
【0109】ここで、絶縁油が高粘度の場合は、適宜加
熱等することによって抜き取りやすくするようにしても
よい。
【0110】また、PCBの濃度が低い低濃度PCB
(10〜100ppm)70は、図7に示すように、P
CB濃縮設備71において濃縮させてから、水熱分解装
置23において処理するようにしてもよい。
【0111】上記PCB濃縮設備71としては、例えば
図7に示すように、酸素供給源72および純水供給源7
3と、絶縁油と酸素および純水を反応させる反応容器7
4とから構成され、PCBを濃縮するようにしている。
【0112】<ステージ2>続いて、図8に示すよう
に、絶縁油を抜き取ったトランス30は、付着PCBレ
ベルを低減するために粗洗浄が行われる。粗洗浄するに
は、まず、図8に示すように、トランス30の容器30
a内に洗浄液75をタンク76からポンプ77によって
強制注入する。
【0113】また、図8に示すように、トランス30の
蓋30bには、粗洗浄液回収用の穴79をもう一つあけ
ておき、ポンプ77によりタンク78に回収した洗浄液
75は、上記水熱分解装置23にて無害化される。
【0114】また、公知の蒸留分離方法によって無害化
することもできる。なお、孔明けの代わりに蓋30bを
取り外すようにしてもよい。
【0115】ここで、上記洗浄液75は、例えばベンゼ
ン,トルエン,キシレン,アセトン,ノルマル−ヘキサ
ン,イソ−オクタン,トリクロロエチレン,テトラクロ
ロエチレン等の有機溶剤、または代替フロンや界面活性
剤等の洗浄剤等を挙げることができるが、本発明はこれ
らに限定されるものではなく、PCB等を洗浄処理でき
る溶剤であればいずれであってもよい。この洗浄には超
音波発振器を用いて洗浄効率を向上させるようにしても
よい。
【0116】なお、この粗洗浄工程は必要に応じて省略
することもできるが、PCB処理施設内をPCB付着容
器が移動するので、作業環境に飛散するPCBをできる
だけ低濃度としたい場合には、この粗洗浄工程を設ける
ほうが望ましい。
【0117】この粗洗浄工程までをグローブボックス5
7内で行うようにしている。
【0118】続いて、図9に示すようにインパクトレン
チ等を用いてトランス30の蓋取り付け器具を取り外
し、当該蓋30bを取り外す。
【0119】ここで、容器30a内のPCB濃度が高い
場合には、ステージ2において、さらに真空乾燥処理を
行うようにすることもできる。
【0120】この場合には、図10に示すように、蓋3
0bを取り外した状態のトランス容器30aを真空加熱
炉内81に入れ、真空下で加熱を行う。この真空加熱す
ることにより、トランス30の容器30a内部に残留し
ているPCBを蒸発させてその付着量を低減することが
できる。
【0121】また、この真空加熱することでトランス3
0を構成する紙、木を炭化することができる。この真空
乾燥することにより、後流側でのハンドリング操作が容
易とすることができる。
【0122】ここで、上記炉81内の温度は200℃〜
600℃程度、加熱時間は3時間〜12時間程度とする
のが好ましく、炉内の圧力は、不活性ガス置換後に常圧
以下とするのが好ましい。なお、この真空加熱工程は省
略することもできる。
【0123】<ステージ3>
【0124】続いて、図11に示すように、上記真空加
熱を終了したトランス30を解体する。なお、真空加熱
しているときには、蓋30bはすでに外れている。トラ
ンス30の解体は、図11に示すように、クレーン61
や電動工具等を用いて手作業で行う。また、溶接固定さ
れている部分は、切断することで分離する。
【0125】また、この解体工程において、紙や木等の
有機物を含むコア82、およびこれら以外の金属(ケー
ス30a等)や碍子(図示せず)を分別する。
【0126】<ステージ4>続いて、図12に示すよう
に、コア82を破砕機83を用いて、直接破砕し、破砕
片84をうる。
【0127】また、コア82を直接破砕しない場合に
は、図3に示すように、コア82を解体し、鉄心80と
銅コイル85に分別する。
【0128】つぎに、銅コイル85にはPCBに汚染さ
れた紙や木が含まれているため、当該銅コイルの分割破
砕を行い、有機物である紙・木と無機物である銅線との
分離を行う。
【0129】また、銅コイル85の分割破砕は、例えば
図13に示すような2軸の剪断ミル等の破砕装置83を
用いて行うようにすることができる。
【0130】<乾式分別法>図13は、銅コイルの分割
破砕による分離系統の一例を示す説明図である。まず、
銅コイル85を破砕機83により細かく破砕する。続い
て、銅コイル85の破砕片86を振動ふるい87にかけ
ると共に下方から送風88することで、コイルを構成す
る紙・木片を飛ばし、紙・木89と銅線90とを風力分
離する。なお、上記破砕サイズは、紙・木89を分離す
るのに十分な約5mm程度の大きさとするが、条件に応
じて破砕サイズを適宜変更(数mmから数十mm程度)
することができる。
【0131】また、上記破砕サイズは、実質的に紙と銅
とを分離できる大きさであれば、上記サイズに限定され
ない。さらに、破砕機83への投入量は装置の能力によ
るが、連続処理する場合は、下流の風力分離の能力を考
慮して決定する必要がある。続いて、上記風力分離され
た紙・木89は、サイクロン91で微粒子と分離され
る。微粒子はバグフィルター92で捕捉され、ろ過され
たガスは活性炭槽93を通過して排気される。
【0132】<湿式分別法>また、紙と銅との分離に
は、上記風力分離手段以外の方法を用いることもでき
る。例えば銅コイル85の破砕片を水中に入れ、沈殿し
た銅片90と浮いた紙片89とを分離する方法、篩を用
いて比重差により分離する方法等のような湿式分離手段
を用いるようにしてもよい。
【0133】また、破砕機83において破砕された破砕
片86を水流中に落下させる際に、落下地点で破砕片8
6に振動を付与し、水流中での比重差によって銅片90
と、紙・木89とに分離するようにしてもよい。
【0134】この湿式分別法によれば、乾式分別法の場
合のような排気ガスの処理をすることがなく、しかも水
処理により比重分離なので、分離された紙・木89は水
熱分解装置23にそのまま投入することができ、好適で
ある。また、分離用の処理水は必要に応じて循環して再
利用することもできる。
【0135】ここで、分離された紙・木89は、PCB
の含有量が極微量の場合には、そのまま非PCB汚染物
として処理することもできる。
【0136】<ステージ5>一方、図14に示すよう
に、解体工程において発生した金属および碍子と、コア
切断工程において分別した鉄心と、分離した銅線等を容
器収納槽110又は網状のバスケッット111内に入
れ、洗浄液112を用いて超音波洗浄槽113にて洗浄
する。なお、洗浄に際しては、バスケット111等を回
転式として洗浄効率を向上させるようにしてもよい。
【0137】この洗浄に先立ち、鉄心80は鋼板が積層
されてなるので、上述した2軸剪断破砕機械等により、
鉄心を破砕し、積層部分のPCBの除去効率を向上する
ようにしてもよい。
【0138】この洗浄廃液114は、前述した水熱分解
装置23により無害化される。洗浄した金属、碍子、鉄
心および銅片は回収され、廃棄或いは再利用に供され
る。
【0139】<ステージ6>つぎに、図15に示すよう
に、ステージ3の解体工程において発生した紙や木と、
ステージ4の破砕分別工程において発生した紙片87や
木とを、前処理設備である超微粉砕ミル94にてスラリ
ー化してスラリー95を得る。このスラリー化におい
て、容器等に付着したPCBを拭き取った布切れ等も同
時にスラリーとすることもできる。
【0140】上記スラリー化は、図16に示す微粉砕ミ
ルを用いて行うことができる。図16に示すように、こ
の微粉砕ミル94は、分離した有機物を投入するホッパ
101と、ホッパ101を取り付けた外筒ドラム102
と、外筒ドラム102内に設置され内部で回転する内筒
103と、外筒ドラム102内側および内筒103表面
に設けた攪拌翼列104と、微粒化を促進させる充填物
104aと、内筒103の軸受105と、モータおよび
減速機(図示省略)とから構成されている。また、外筒
ドラム102内の下流には、分級目板106が設けら
れ、ホッパ101と外筒ドラム102の取り付け部分に
は、スラリー化に用いる油または水を導入するためのノ
ズル107が設けられている。さらに、外筒ドラム10
2の下流にはスラリーの排出口108が設けられ、この
排出口108はスラリー95を受けるスラリータンク1
09に繋がっている。
【0141】<ステージ7>つぎに、水熱分解装置24
にて、ステージ1で油抜きした絶縁油であるPCB、ス
テージ2での洗浄により発生した洗浄廃液、ステージ6
で生成したスラリー等を水熱分解する。
【0142】この水熱分解は、熱水中で炭酸ナトリウム
(Na2CO3)の結晶を析出させ、この結晶の高い表面
活性によりPCBの塩素(Cl)と反応することでNa
Clを生成する工程(脱塩素反応)と、脱塩素後のPC
Bおよび油分を酸化して二酸化炭素と水に分解する工程
(酸化分解反応)とから構成されている。この水熱分解
では、炭酸ナトリウムを用いることでPCBから分離し
たClは腐食性の高いHClではなく、無害のNaCl
となるため、環境中に排出することが可能になる。
【0143】図17は、PCBの水熱分解処理システム
120の構成図である。
【0144】図17に示すように、筒形状の一次反応器
122と、燃焼用の油123a、液抜きしたPCB12
3b、水酸化ナトリウム(NaOH)123c及び水1
23dを各々加圧する加圧ポンプ124a〜124d
と、水と水酸化ナトリウムとの混合液を予熱する予熱器
125と、例えば配管を巻いた構成の二次反応器126
と、冷却器127および減圧弁128を備えている。ま
た、減圧弁127の下流には、気水分離器129、活性
炭槽130が配置されており、排ガス(CO2 )131
は煙突132から外部へ排出され、排水(H2 O,Na
Cl)133は別途、必要に応じて排水処理される。ま
た、酸素の配管135は、一次反応器125に対して直
結している。なお、反応器は、必要に応じて例えば1次
反応器を複数並列したり、又は上記二次反応器126を
必要に応じて省略することもできる。
【0145】上記装置において、加圧ポンプ124a〜
124dによる加圧により一次反応器122内は、26
MPaまで昇圧される。また、予熱器125は、水とN
aOHの混合処理液を300℃程度に予熱する。また、
一次反応器122内には酸素が噴出しており、内部の反
応熱により380℃〜400℃の亜臨界域まで昇温す
る。この亜臨界状態の熱水中で析出した炭酸ナトリウム
(Na2CO3)の結晶とPCBとが反応して、脱塩素反
応および酸化分解反応を起こし、NaCl、CO 2およ
びH2Oに分解されている。つぎに、冷却器127で
は、二次反応器126からの流体を100℃程度に冷却
すると共に後段の減圧弁128にて大気圧まで減圧す
る。そして、気水分離器129によりCO2および水蒸
気と処理水とが分離され、CO2および水蒸気は、活性
炭槽130を通過して環境中に排出される。また、排水
133中には塩化ナトリウムが混在しているが、別途脱
塩処理をした後に、水熱分解装置で使用する水28に再
利用することができる。
【0146】ここで、反応塔である1次反応容器122
及び二次反応器122内でのPCBの熱水分解反応につ
いて説明する。
【0147】まず、反応開始時には油、有機溶剤等が酸
化剤供給源から塔内に供給される酸化剤(本実施形態で
は酸素を使用する)により酸化され二酸化炭素を生成す
る。例えば、燃焼材としたの油(例えばトルエン)を使
用した場合を例にとると、C 6 5 CH3 +9O2 →4
2 O+7CO2 の反応によりCO2 が生成する。この
酸化反応は発熱反応であり、これにより系内の温度は上
昇し、それに応じて圧力も上昇する。本実施形態では、
一次反応容器122内の温度、圧力はそれぞれ380
℃、26MPa程度に維持した場合に最もPCBの分解
率が向上することが判明している。
【0148】上記により生成したCO2 は、一次反応容
器122内にPCBとともに供給された水酸化ナトリウ
ムと反応し炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を生成す
る。 2NaOH+CO2 →Na2 CO3 +H2 O …(A) 次に、上記(A)の反応により生成したNa2 CO
3 は、PCBと反応し、PCBを脱塩及び酸化分解す
る。 C126 Cl4 +12.5O2 +2Na2 CO3 →4NaCl+3H2 O+14CO2 …(B) なお、上記の塩素数4のPCBの場合であるが、他の塩
素数のものについても同様な反応が生じ、PCBがH2
O、CO2 、NaClに分解される。上記(B)の反応
により生じたCO2 は更に、上記(A)の反応によりN
aOHと反応し(B)の反応に必要とされるNa2 CO
3 を生成するようになる。ところで、上記(B)のPC
B分解反応においては、炭酸ナトリウム(Na2
3 )は反応剤として作用する他に、(B)の分解反応
は促進する触媒としても作用している。また、上記
(B)の分解反応はアルカリ雰囲気(例えばpH10以
上)で促進されることが判明している。
【0149】上記熱水分解装置120によれば、現在で
のPCBの排出基準値(3ppb)以下の0.5ppb以
下まで分解でき、完全分解ができる。これによりPCB
含有物品の完全処理が可能となり、PCBの完全消滅が
可能となる。
【0150】このように、上記水熱分解システム120
を用いることで、熱水中にて確実にPCBを分解するこ
とができるようになる。また、PCB以外の有機化合物
も分解可能であり、PCB中に含まれるダイオキシン
類、PCBに汚染された紙、木、布等の有機物、および
ケースの洗浄に使用する洗浄剤も同様に分解処理が可能
になる。なお、上記水熱分解方法は本願出願人により既
に開示されており、詳しくは特開平11−639号公
報、特開平11−253795号公報等を参照された
い。以上のPCB処理方法によれば、PCBを含むトラ
ンス等を安全かつ確実に処理することができる。
【0151】[第2の実施の形態]図18は前述した容
器処理システム22の他の実施の形態にかかる概略図で
あり、ステージ1からステージ6までに工程が細分化さ
れている。この実施の形態においては、搬送中にトラン
ス等からPCBの飛散を防止するために、搬送用の専用
カプセルに入れて搬送し、このカプセル毎一貫して完全
処理をするようにしてもよい。また、各処理において大
幅な自動化等を図り、必要最低限のみを作業員の人力で
行うことで、PCB一環処理システムの半自動化に適用
することができる。
【0152】第2の実施の形態の容器処理システムは、
ステージ1のトランスの搬入・PCB液抜き工程と粗洗
浄工程とを併合した解体前処理工程50と、ステージ3
のコア解体工程53と、ステージ4のコイルの破砕分別
工程54と、ステージ5の容器等の仕上洗浄工程55
と、ステージ6の有機物スラリー化工程56と、ステー
ジ7の水熱分解工程58とからなっている。
【0153】先ず、本実施の形態ではステージ1で第1
の実施の形態のステージ1及びステージ2の処理を一貫
して行っており、完全に隔離された部屋のグローブボッ
クス内で処理を行うと共に、該ボックス内を負圧として
外部へのPCBの飛散及び作業員への直接のPCB汚染
を防止している。また、図19に示すように、作業員が
解体処理を行う場合でも、グローブボックス57内で処
理を行い、作業員の安全を確保している。
【0154】また、図20に示すように、容器等の物品
の移動は、処理施設内専用の輸送用カプセルにより移動
するようにしている。さらに、この輸送用カプセルはコ
ンデンサ等を保管している箇所から本発明にかかる処理
施設までの輸送においても使用することができる。この
専用カプセルの一例を図20に示す。専用カプセル40
0は本体ケーシング401と、ケーシング開口を閉塞し
開閉自在のフタ402とからなり、内部にトランス30
を設置した後に、外部から操作されるジャッキ駆動用ハ
ンドル403によりケーシング側壁側からトランス側壁
を固定するトランス固定用ジャッキ404と、フタ40
2の上部から操作するトランス上部固定用ハンドル40
5によりトランス蓋を固定固定具406で固定してなる
ものである。なお、輸送に際しては、フタ402の閉塞
時にフタロック用ファスナ407でロックされ、ケーシ
ング401外へはPCBが飛散しないようにしている。
ここで、図中、符号408は吊り下げ用アイプレート、
409はトランス固定用スプリングを各々図示する。
【0155】この専用カプセルを用いることで、処理施
設内でのトランス等の破損があっても専用カプセル内で
のみPCBが洩れることがなく、そしてこの専用カプセ
ルも最終的には洗浄して再利用するので、外部へのPC
Bが洩れるようなことがない。
【0156】また、トランスからPCBを抜き出した後
の粗洗浄では専用カプセル内での洗浄を行うようにする
こともできる。この一例を図21に示す。
【0157】図21に示すように、粗洗浄工程では、洗
浄用の専用フタ410が用意されており、専用カプセル
のフタ402を開放した後に、設置されるようになって
いる。この専用フタ410には、洗浄用の可撓性ホース
411が接続され、洗浄用ふた上下駆動用および密閉用
シリンダ412の駆動により、上下動自在としている。
そして、洗浄の際には、位置決用シリンダ413で専用
ケーシング400が固定され、その後洗浄用フタ410
がゴムリングパッキン414を介して内部が密閉され、
洗浄が開始される。トランスの蓋30bは洗浄に先立ち
ケーシング400内に外されて、同時に洗浄がなされ
る。なお、符号415はローラコンベアを図示する。
【0158】また、図22に示すように、隔離室432
の入口には、二重ドア431が設置され、エアロック構
造としている。隔離室432の内部は負圧管理され、周
囲雰囲気への漏洩を防止している。なお、排ガスは図示
しない活性炭槽を通過して外部へ排気される。
【0159】また、容器の移動も完全機械化し、人力の
介在を排除すると共に、図23に示す隔離室432,4
32間の物品の移動は、密閉型のコンベア433とす
る。
【0160】また、隔離室432内の物品の移動は、図
24に示す例えばマニピュレータ434等を用いて行わ
れる。
【0161】上記専用カプセルを用いてコンデンサの処
理も同様に行うことができる。上記システムは、図18
〜24に示すように完全に密閉された容器及び処理室で
行うものである。なお、コンデンサのPCB含量は高い
ので設備内の監視は厳重に監視するようにしている。よ
って、完全に閉鎖された状態で処理するので、処理施設
内での完全無害化処理が可能となり、系外へ排出される
排ガス及び排水は無害化されたものとなる。
【0162】[第3の実施の形態]図25乃至30はコ
ンデンサの一環処理システムの実施の形態にかかる概略
図であり、図25はコンデンサ内からPCBを液抜きし
解体するまでの工程図、図26はコンデンサ素子を分離
した容器の洗浄工程図、図27は抜き出した素子の処理
工程図、図28は素子構成材の絶縁紙の処理工程図及び
図29は素子構成材の段ボールの処理工程図である。図
31は他の素子の処理工程図である。この実施の形態に
おいては、100%PCB含有するコンデンサの無害化
処理を図るものである。
【0163】コンデンサ受入・液抜き・解体工程301 図25はコンデンサ内からPCBを液抜きし解体するま
での工程を示す図である。図25に示すようにコンデン
サの搬入工程301−1とコンデンサ穴あけ・液抜き工
程301−2と、コンデンサ粗洗浄工程301−3と、
コンデンサ切断工程301−4とコンデンサ解体工程3
01−5とから構成されている。
【0164】まず、コンデンサの搬入工程301−1と
コンデンサ穴あけ・液抜き工程301−2によりコンデ
ンサ内からPCBを抜いた後解体作業を行う。搬入され
たコンデンサ310は、所定の位置に横置きに設置さ
れ、コンデンサ容器311の上面と下面とに穴をあけ、
下面側の穴からPCB123aを抜き、PCB油回収タ
ンク135b内に回収する。この液抜き時にはエアブロ
ー312により内部に残留するPCBを追い出すように
している。これにより、コンデンサ容器内のほとんどの
PCB油がPCB油回収タンク135b内に回収され
る。なお、PCB油回収タンク135bに回収されたP
CB油123bは、前述した図17に示す水熱分解装置
123で分解処理される。
【0165】次に、コンデンサ粗洗浄工程301−3に
よりコンデンサ内の粗洗浄を行う。上記容器内のPCB
油をPCB油回収タンクで回収したら、洗浄液送給ポン
プ320を作動すると、洗浄液タンク321内の洗浄液
322が容器下面側から容器内に流入して内部を洗浄す
る。洗浄液322をさらに送り続けることにより、当該
洗浄液が容器の上方の前記穴から排出され、バッファタ
ンク323介して洗浄液回収タンク324内に戻る。そ
の後、蒸留装置325により蒸留精製して、洗浄液供給
タンク321に送られ容器内に再び送給され、洗浄を繰
り返す。この洗浄により内部に残留するPCB濃度の低
減を図っている。
【0166】次に、コンデンサ容器切断工程301−4
により容器を切断する。上記コンデンサ容器311内を
粗洗浄した後、容器用カッタ(例えばフライス盤等)3
31により、コンデンサ容器311の上部と下部とを切
断する。これにより、容器311の内部が開放され、コ
ンデンサ素子332及びダンボール333等が容器31
1の内部から取り出しやすくなる。
【0167】次に、解体工程301−5によりコンデン
サを解体する。容器311を切断したらコンデンサを構
成する素子332を取り出し、容器311と素子332
とを分離する。この素子332が分離された容器311
は、図示しないローラコンベアに移載した後、当該容器
をローラコンベアにより搬送し、次の洗浄工程302に
送られる。一方、素子332及び段ボール333は図示
しないローラコンベアに移載した後、後述するローラコ
ンベアにより搬送して素子処理工程303及び段ボール
処理工程305に各々送られる。
【0168】<洗浄工程302>先ず、素子等の構成材
を分離した容器は、図26に示す容器洗浄工程302−
1により容器の粗洗浄を行う。上記素子を分離した容器
311は、他のコンデンサ構成材である金属や碍子等と
共に容器内を洗浄する洗浄槽341内に投入される。上
記洗浄槽341は、本実施の形態では2槽に分割され、
各々入れられた洗浄液342により、順次浸漬洗浄処理
される。なお、この洗浄の際に、図示しない超音波発振
器を用いて、洗浄効率を向上させるようにしてもよい。
洗浄液342中のPCB含有量が規定値を超えたら、洗
浄槽341から洗浄液342を回収タンク343に移
し、洗浄液供給タンク344から洗浄槽341内に、洗
浄液322を供給する。なお、汚れた洗浄液は、蒸留装
置345により蒸留精製して、洗浄液供給タンク346
に送られる。その後再び洗浄槽341へ送給され、洗浄
を繰り返す。
【0169】ここで、容器の粗洗浄に使用する洗浄液3
42はPCBとの相互溶解性が大きい溶剤を用いるのが
好ましい。これにより、容器内部に残留するPCBをほ
とんど溶解除去することができる。
【0170】次に、表面処理工程302−2により容器
の内表面の表面処理を行う。この表面処理では、供給タ
ンク347から供給されたアルカリ又は酸等の洗浄液3
48を入れた洗浄槽349において、塗装や錆等に付着
含浸したPCBを除去する。また、汚染された洗浄液は
濾過器350を介してスラッジ351を分離した後に、
回収タンク352に回収される。
【0171】次に、水洗工程302−3により容器の水
洗処理を行う。この水洗処理では、アルカリ又は酸等の
洗浄液347を水槽353内の水354を用いて洗い落
とすものである。この洗浄廃液355は回収タンク35
6に送られる。なお、回収タンク356に送られた廃液
355は水熱分解装置で分解処理するようにしてもよ
い。
【0172】次に、仕上洗浄工程302−4により容器
の仕上洗浄処理を行う。上記水洗処理された容器411
は、仕上洗浄槽357内に投入される。上記仕上洗浄槽
357は、本実施の形態では3槽に分割され、各々入れ
られた洗浄液358により、順次浸漬洗浄処理される。
なお、この洗浄の際に、図示しない超音波発振器を用い
て、洗浄効率を向上させるようにしてもよい。洗浄液3
58中のPCB含有量が規定値を超えたら、洗浄槽35
7から洗浄液358を回収タンク359に移し、洗浄液
供給タンク360から洗浄槽357内に、洗浄液357
を供給する。なお、汚れた洗浄液は、蒸留装置361に
より蒸留精製して、洗浄液供給タンク360に送られ
る。
【0173】上記仕上洗浄工程での仕上洗浄槽357の
代替又は組み合わせとして、加熱分離による有害物質除
去手段を用いるようにしてもよい。上記加熱分離による
有害物質除去手段としては、例えば真空加熱手段(上述
した真空加熱炉)又は不活性ガス雰囲気中の加熱手段を
挙げることができる。これにより、真空加熱手段で代替
した場合には、洗浄剤を用いることなく、PCBを除去
することができる。また、併用した場合には、仕上洗浄
工程での洗浄の負担を軽減することができる。
【0174】次に、洗浄判定工程302−5により容器
の洗浄の適否を分析により判定する。仕上洗浄した容器
は、PCBが残留しているか否かを分析し、この分析の
結果、容器の洗浄合格基準を満たしている場合には、保
管する。一方、容器の洗浄合格基準を満たしていない場
合には、表面処理洗浄工程302−6により再度洗浄を
行った後、仕上洗浄工程302−4を再度行い、再度判
定する。ここで、上記表面処理は、酸洗浄により、錆等
の除去を図り、残留PCB量の除去を行う。
【0175】<素子処理工程303>上記容器から分離
されたコンデンサ素子332は、図27に示す先ず粗洗
浄工程303−1で粗洗浄を行う。上記分離された素子
332は、洗浄槽341内に投入される。上記洗浄槽3
41は、前述した粗洗浄工程302−1で用いたものと
同様な洗浄液を用い、PCBを除去している。。
【0176】次に、素子切断工程303−2により素子
の切断を行う。この素子の切断は油圧カッタ362によ
り行い、細分化する。この細分化は素子を構成するアル
ミ箔及び絶縁紙の分離性能を向上するために、複数回行
う。
【0177】次に、細分化された素子片363は素子加
熱工程303−3により脆化処理される。細分化された
素子片363は真空加熱炉364内に入れて、所定時間
真空加熱することにより、素子構成材である絶縁紙や樹
脂等の有機物を炭化させて脆化させる。
【0178】次に、脆化された素子片363は素子分離
工程303−4により重力分離される。真空加熱炉36
4から取り出された素子片363は、網目状の円筒筐3
65の内部に投入され、図示しない駆動モータにより回
転させて内部に設けた攪拌棒で素子片363を攪拌する
と共に、図示しないコンプレッサから回転する円筒筐3
65内にガスを噴射することにより、素子片363をほ
ぐしながら炭化絶縁紙等の有機物366とアルミニウム
箔等の無機物367とに分別する。炭化絶縁紙等の有機
物366は後述するスラリー化工程304にて処理され
る。
【0179】次に、網目状の円筒筐365に残ったアル
ミ箔等の無機物367は仕上洗浄工程303−5により
洗浄処理される。仕上洗浄は容器処理での仕上洗浄と同
様な洗浄液及び装置を用いて洗浄を行う。
【0180】<有機物スラリー化工程304>上記炭化
処理された炭化絶縁紙等の有機物366は、図28に示
すスラリー化工程304で1でスラリー化処理を行う。
上述したような構成のスラリー処理を行う湿式ミル36
7で有機物366を水の投入と共に微粉砕し、スラリー
タンク368内にスラリー369を送る。このスラリー
369は上述した水熱酸化分解処理装置にて処理され
る。
【0181】<ダンボール処理工程305>上記分離さ
れた段ボール333は、図29に示すダンボール処理工
程305でスラリー化処理を行う。先ず、ダンボール3
33を二軸破砕機を用いた破砕工程305−1によりダ
ンボール破砕物371を得る。上述したような構成のス
ラリー処理を行う湿式ミル367で破砕物371を水の
投入と共に微粉砕し、スラリータンク372内にスラリ
ー373を送る。このスラリー369は上述した水熱酸
化分解処理装置にて処理される。
【0182】次に、図30参照してコンデンサを解体し
た後の素子の他の処理工程306を説明する。図30に
示すように、この処理工程は、粗洗浄工程306−1と
素子切断工程306−2と素子高温油浴処理工程306
−3と素子加熱工程306−4とアルカリ溶解工程30
6−5と加熱による酸化アルミの回収工程306−6と
から構成されている。ここで、粗洗浄工程306−1と
素子切断工程306−2とは上述した素子処理工程30
3と同様である。上記細分化された素子片363は、図
30に示す高温油浴処理工程306−3で高温処理を行
う。細分化された素子363は、鉱物油375を高温に
加熱する加熱槽376内に投入され、ここで素子を構成
する樹脂等を溶解分離させる。鉱物油375の高温(約
170℃)の加熱により溶解された樹脂376は濾過器
377により分離され、樹脂タンク378に送られる。
この樹脂はスラリー化することで水熱酸化分解装置12
0で分解処理される。
【0183】次に、油浴処理された素子片379は素子
加熱工程306−4により脆化処理される。油浴処理さ
れた素子片379は真空加熱炉364内に入れて、所定
時間真空加熱することにより、素子構成材である絶縁紙
等の有機物を炭化させて脆化させる。
【0184】次に、脆化処理された素子片379はアル
カリ溶解工程306−5によりアルミ箔の溶解処理を行
う。脆化処理された素子片379は水酸化ナトリウムの
アルカリ溶解槽380にてアルミ箔を溶解する。溶解液
381を濾過器382を通して絶縁紙383を分離し、
再度加熱若しくは中和した後脱水機384で脱水して固
体の水酸化アルミニウム(Al2 (OH)3 )385を
得る。一方、絶縁紙383は上述した有機物スラリー化
工程304でスラリー化された後、水熱分解処理され
る。
【0185】回収された水酸化アルミニウム(Al
2 (OH)3 )385は、洗浄若しくは加熱によるPC
B除去の後、アルミ回収解工程306−6によりアルミ
の回収を行う。水酸化アルミニウム(Al2 (O
H)3 )385を加熱炉386に入れ、加熱処理して酸
化アルミニウム(Al2 3 )387を回収タンク38
8内に得る。
【0186】これにより、蛍光灯安定器の一環処理が可
能となる。
【0187】[第4の実施の形態]図31及び32は蛍
光灯安定器のコンデンサの処理システムの実施の形態に
かかる概略図である。図31は安定器からコンデサを取
り出して粗洗浄する工程、図32は粗洗浄から仕上洗浄
までの工程の概略である。
【0188】始めに、蛍光灯安定器390からコンデン
サ391を取り外す前処理を行う。なお、この前処理
は、蛍光灯安定器390からコンデンサ391が取り外
されている場合には行う必要がない。
【0189】搬入された蛍光灯安定器の中のコンデンサ
の位置を確認するコンデンサ位置確認工程307−1を
行う。受け入れた蛍光灯安定器390の内部のどこの位
置にコンデンサ391があるか特定してマーキングす
る。この特定は、蛍光灯安定器30の型番等により予め
判明している場合には、その知見に基づいてマーキング
392を行う。一方、型番等が不明でコンデンサ391
の位置に関する知見が予め得られない場合には、コンデ
ンサ位置特定手段の一例であるX線撮影機により蛍光灯
安定器390の内部を撮影することによりコンデンサ3
91の位置を特定してマーキング392を行う。
【0190】マーキングした後、コンデンサを解体する
解体分離工程307−2を行う。次に、コンデンサ39
1を取り出せるように蛍光灯安定器390を切断分解す
る。
【0191】解体分離されたコンデンサを切断する切断
工程307−3を行う。次に、分離されたコンデンサ3
91を油圧カッタ等で裁断して複数に細分化する。
【0192】細分化されたコンデンサ片を粗洗浄する粗
洗浄工程307−4を行う。次に、分割した細分化した
コンデンサ394を粗洗浄槽341内入れ洗浄液342
で洗浄を行う。この洗浄は上述した粗洗浄工程と同様の
洗浄剤を用いている。
【0193】洗浄後のコンデンサ片を高温で油浴処理す
る高温油浴処理工程307−5を行う。図32に示すよ
うに、粗洗浄した細分化したコンデンサ394を高温油
浴処理する。この高温油浴処理は上述した図30に示す
処理と同様である。
【0194】油浴処理後の素子片を加熱処理する加熱工
程307−6を行う。油浴処理された素子片379は素
子加熱工程307−6により脆化処理される。この加熱
工程は上述した図30に示す処理と同様である。
【0195】次に、加熱処理した後の素子片をアルカリ
溶解してAl成分を分離するアルカリ溶解工程307−
7を行う。次に、脆化処理された素子片394はアルカ
リ溶解工程307−6によりアルミ箔の溶解処理を行
う。このアルカリ溶解工程は上述した図30に示す処理
と同様である。
【0196】次に、アルカリ処理後の素子片を仕上洗浄
する仕上洗浄工程307−8を行う。アルカリ溶解処理
後の素子片394は仕上洗浄の洗浄液により仕上洗浄さ
れる。
【0197】[第4の実施の形態]以下に、上述したシ
ステムを用いたPCB処理方法の種々の処理例を示すフ
ローチャートを図26〜38に示す。
【0198】<システムフロー1>図33に示すよう
に、まず、トランス30を受け入れた後、トランス30
内の油抜きを行う(ステップS101)。つぎに、PC
Bを抜き取ったトランス30は、付着PCBレベルを低
減するために粗洗浄される(ステップS102)。つぎ
に、蓋30bを取り外した状態のトランス容器30aを
真空加熱炉内81に入れ、真空下で加熱を行う(ステッ
プS103)。続いて、上記真空加熱を終了したトラン
ス30を解体する(ステップS104)。
【0199】また、この解体工程において、紙や木等の
有機物、トランスコア、およびこれら以外の金属(ケー
ス等)や碍子を分別する。続いて、トランスコアを切断
或いは分解し、鉄心と銅コイルに分別する(ステップS
105)。つぎに、銅コイルにはPCBに汚染された紙
や木が含まれているため、当該銅コイルの分割破砕を行
い、有機物である紙或いは木と無機物である銅の分離を
行う(ステップS106)。つぎに、ステップS104
の解体工程において発生した紙や木と、ステップS10
6の分割破砕工程において発生した紙片や木とを、前処
理設備にてスラリー化する(ステップS107)。
【0200】続いて、ステップS104の解体工程にお
いて発生した金属および碍子と、ステップS105のコ
ア切断工程において分別した鉄心と、ステップS106
で分離した銅片を超音波洗浄槽にて洗浄する(ステップ
S108)。つぎに、PCB処理設備120にて、ステ
ップS101にて油抜きした絶縁油、ステップS102
およびステップS108にて発生した洗浄廃液、ステッ
プS107にて生成したスラリーを水熱分解する(ステ
ップS109)。
【0201】本実施の形態においては、水熱分解処理を
用いてPCBを分解処理しているが、この他に、バッチ
式の水熱分解処理法又は超臨界水酸化処理法によっても
分解処理することができる。
【0202】このように、PCB処理方法では、電力用
トランス30等の電気機器の構成材を分割破砕し、この
破砕片からPCBに汚染された紙や木等の有機廃棄物を
他の構成材から分離して取り出し、この有機廃棄物を水
熱分解処理ようにしたので、有機物に染み込んだPCB
を含めて安全かつ確実に処理することができる。
【0203】また、この際、トランスのコアを分割破砕
することで取り出した紙や木等の有機廃棄物をスラリー
化し、当該スラリー化した有機廃棄物を水熱分解処理す
るようにしたので、安全確実に且つ連続的にPCBの処
理を行うことができる。
【0204】また、電力用トランス30等の電気機器の
構成材を分割破砕し、この破砕片からPCBに汚染され
た金属を他の構成材から分離して取り出し、洗浄剤によ
り洗浄後、当該洗浄剤を水熱分解処理等をするようにす
るのでPCBに汚染された洗浄剤を安全・確実に無害化
することができる。
【0205】また、PCBに汚染された紙や木等の有機
廃棄物と、金属の洗浄によりPCBに汚染された洗浄剤
を水熱分解処理するようにしたので、さらに、安全・確
実にPCBの処理を行うことができる。
【0206】<システムフロー2>図34は、上記PC
B処理方法の変更例を示すフローチャートである。な
お、このフローチャートにおいて上記<システムフロー
1>と同じ工程には同一の符号を付し、その説明を省略
する(下記変更例も同じ)。図27に示すように、この
PCB処理方法は、真空加熱炉を使用しないか、或いは
小型化することにより、処理コストの削減を図ったもの
であり、小型の真空加熱炉を用いる場合は、コアを切断
した後(ステップS105)の、ある程度容積が小さく
なった時点で行うようにしている(ステップS20
1)。このようにある程度容積が小さくなった時点で真
空加熱処理を行うことで、炉のサイズを小さくできる
し、真空引きその他の加熱工程を短縮できるから処理時
間を短くすることができる。また、真空加熱を行わない
場合は、そのまま分割破砕を行うようにしてもよい(ス
テップS106)。
【0207】<システムフロー3>図35は、上記PC
B処理方法の変更例を示すフローチャートである。図3
5に示すように、この方法においては、真空加熱の代わ
りに洗浄脱脂を行うようにしてもよい(ステップS30
1)。洗浄脱脂は、洗浄剤により切断したトランスコア
を洗浄し乾燥させることで行う。使用する溶剤として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、ノルマ
ルヘキサン、代替フロン等を挙げることができる。ま
た、洗浄廃液については、上記水熱分解処理によって無
害化するのが好ましい(ステップS109)。
【0208】このように洗浄脱脂を行うことで、真空加
熱炉を省略できるから、処理システムを簡略化でき、P
CB処理時間を短くすることができる。
【0209】<システムフロー4>図36は、上記PC
B処理方法の別の変更例を示すフローチャートである。
図36に示すように、この処理方法は、低濃度のPCB
を処理するのに適したものであり、まず、粗洗浄工程と
真空加熱工程とを選択的に用いてPCBレベルの低減を
行う(ステップS401)。
【0210】続いて、粗洗浄或いは真空加熱を施したト
ランス30の解体を行う(ステップS402)。トラン
スの解体は、締結具についてはクレーンや電動工具等を
用い、溶接部分は切断することで分離する。
【0211】この解体工程において、紙や木等の有機
物、トランスコア、およびこれら以外の金属(容器30
a等)や碍子を分別する。容器30a等の金属や碍子
は、PCBによる汚染が少ない場合、そのまま回収して
廃棄或いは再利用する。
【0212】これ以降の工程は、図26のフローチャー
トと同じであるから説明を省略する。このPCB処理方
法によれば、粗洗浄と真空加熱を選択的に用い、解体し
た金属をそのまま回収するので、PCB処理コストを低
減することができる。
【0213】<システムフロー5>図37は、上記PC
B処理方法の別の変更例を示すフローチャートである。
図37に示すように、このPCB処理方法は、低濃度の
PCBを処理するのに適したものであり、まず、トラン
ス30を受け入れた後、大型のシンクロミルによって直
接分割破砕を行う(ステップS501)。
【0214】つぎに、洗浄剤によって破砕片の洗浄を行
う(ステップS502)。この洗浄によりPCBレベル
の低減を行う。洗浄剤には、上記ベンゼンやトルエン等
を用いることができる。続いて、この洗浄廃液は、分離
再生器(図示省略)内にてPCBを分離する(ステップ
S503)。分離したPCBは、配管により接続されて
いるPCB処理設備120に送られる。
【0215】一方、洗浄を終えた破砕片は、ふるいにか
けられ比重により分離される(ステップS504)。鉄
および碍子等の非鉄は回収されて、廃棄或いは再利用さ
れる。ところが、紙や木等の有機物にはPCBが染み込
んでおり、洗浄(ステップS502)によっては十分に
除去できないことから、これらをスラリー化して(ステ
ップS505)、蒸留分離したPCBと共に水熱分解す
る(ステップS506)。
【0216】なお、スラリー化には、図15において説
明したような微粉砕ミルを用いることができる。上記P
CB処理方法は、トランス30の解体・切断作業および
真空加熱を省略していること、洗浄工程を単一化してい
ることから、PCB処理時間を短縮化することができ
る。
【0217】以上述べたように、上記実施の形態および
その変更例では、本願出願人による水熱分解装置を挙げ
たが、当該構成に限定されず、同原理を実施できる装置
であればどのような構成であってもよい。さらに、上記
実施の形態1およびその変更例においては、PCB処理
方法として水熱分解法を挙げたが、これに代えて超臨界
水酸化法を用いるようにしてもよい。超臨界水酸化法
は、高圧ポンプにより臨界圧力以上に水を加圧し、この
中にPCBを含む有機物や洗浄廃液を投入し、酸化剤に
よって酸化分解するものである。超臨界水酸化法によれ
ば、極めて短時間で高い反応効率が得られる。また、水
熱分解法と同様に、ダイオキシン等の有害物質が発生し
ないという利点がある。
【0218】以上は、PCB含有物品として電源トラン
スを例にして説明したが、以下の方法では、PCB含有
量が高いコンデンサを例して説明する。
【0219】<システムフロー6>図38は、PCB処
理方法を示すフローチャートである。なお、このフロー
チャートにおいて上記実施の形態1と同じ工程には同一
の符号を付する。このPCB処理方法はPCBを含んだ
コンデンサを対象とする。
【0220】図38に示すように、まず、受け入れたコ
ンデンサの油抜きを行い(ステップS101)、粗洗浄
を行う(ステップS102)。続いて、粗洗浄したコン
デンサを解体して、紙や木等の有機物、素子、およびこ
れら以外の金属(ケース等)や碍子を分別する(ステッ
プS104)。ここで、コンデンサの素子は、一般にア
ルミニウム箔の電極、プラスチックフィルム、絶縁紙の
積層物を巻いた構造となっている。
【0221】つぎに、分別した素子を加熱して炭化する
(ステップS601)。加熱炭化は、真空或いはAr、
2 等の不活性雰囲気中にて行われ、その温度は200
℃〜600℃程度、加熱時間を3〜12時間程度が好ま
しい。加熱炭化して脆化することで、PCBの除去或い
は低濃度化を行うことができると共に素子の破砕分別を
容易化できる。
【0222】この加熱炭化した素子は、破砕分別装置に
よって分割破砕され、有機物とアルミニウム箔が分離さ
れる(ステップS106)。なお、素子のアルミニウム
箔と有機物の分離を容易化するといった観点から、加熱
炭化に代えて、冷凍または紫外線照射により脆化させる
ようにしてもよい。さらに、微生物による脆化も可能で
ある。
【0223】つぎに、分離された有機物は、コンデンサ
解体時の紙やフィルム等の有機物と共にスラリー化され
る(ステップS107)。
【0224】一方、分離したコンデンサのアルミニウム
箔は、コンデンサ解体時の金属や碍子と共に洗浄され、
廃棄或いは再利用される(ステップS108)。
【0225】そして、スラリー化した有機物と洗浄廃液
は、抜き出した絶縁油および洗浄時の洗浄廃液と共に水
熱分解され、NaCl、CO2およびH2Oとなって排出
される(ステップS109)。これにより、PCBを含
むコンデンサを安全かつ確実に処理することができる。
【0226】<システムフロー7>図39は、上記PC
B処理方法の変更例を示すフローチャートである。図3
9に示すように、このPCB処理方法では、コンデンサ
の油抜き(ステップS101)、粗洗浄(ステップS1
02)、コンデンサ解体(ステップS104)の後、素
子の荒切断を行う(ステップS701)。
【0227】続いて、荒切断した素子を真空加熱炉(図
示省略)に入れ、常圧以下にて加熱脱脂を行う(ステッ
プS702)。なお、炉内の温度は200℃〜600℃
程度、加熱時間は3時間〜12時間程度とするのが好ま
しい。真空加熱することにより、コンデンサに含まれる
PCB除去或いはその濃度を低下できる。
【0228】また、真空加熱脱脂に代えて洗浄剤による
洗浄を行うこともできる。ここで、この洗浄による洗浄
廃液は、水熱分解によって無害化する。
【0229】つぎに、コンデンサの素子を構成するアル
ミニウム箔をHCl等の酸、若しくはNaOH等のアル
カリにより溶解する。このとき、有機物は溶解せず残留
するため、これを分別する。溶解後の溶液は中性に戻す
ことによりアルミニウムを沈殿させるので、分離が可能
である(ステップS703)。
【0230】つぎに、沈殿したアルミニウム(Al(O
H)3 )を回収し、ステップS104にて解体分別した
金属や碍子と同様に洗浄する(ステップS108)。洗
浄後の金属、碍子およびアルミニウムはそれぞれ分離回
収され、廃棄或いは再利用される。洗浄液は水熱分解に
よって無害化される。
【0231】一方、アルカリ溶解によって回収したプラ
スチックフィルムや絶縁紙は、前述の加熱炭化等により
脆化を行う。加熱炭化の温度は200℃〜600℃程
度、その加熱時間は3〜12時間である。また、加熱
は、不活性ガス雰囲気或いは減圧下で行われる。
【0232】これにより炭化と同時にPCBの除去或い
は低濃度化を行うことができる。また、スラリー化を容
易にすることができる。なお、沈殿回収したときの濾過
水も、PCBが含まれているため水熱分解により無害化
される。プラスチックフィルムの強度が低く、そのまま
スラリ化可能な場合は、この脆化工程は省略できる。
【0233】続いて、コンデンサ解体時に分別した紙や
木と共に上記炭化した樹脂フィルムをスラリー化する
(ステップS107)。スラリー化は、上記微粉砕ミル
を用いて行えばよい。そして、当該スラリー、上記濾過
水および洗浄廃液を水熱分解することでPCBをNaC
l、CO2およびH2Oに分解する。水熱分解は、例えば
上記実施の形態1に示したPCB処理設備100にて行
うことができる。これにより、PCBを含むコンデンサ
を安全かつ確実に処理することができる。なお、上記方
法は、アルミニウム箔が炭化によって分離できない場合
に有効である。
【0234】<システムフロー8>図40は、上記PC
B処理方法の別の変更例を示すフローチャートである。
図40に示すように、このPCB処理方法は、コンデン
サをバッチ処理によりPCBを処理する方法であり、ま
ず、コンデンサの油抜き(ステップS101)、粗洗浄
(ステップS102)、コンデンサ解体(ステップS1
04)をした後、素子の荒切断を行う(ステップS70
1)。また、素子以外の金属や碍子については、超音波
洗浄することで回収し(ステップS108)、廃棄また
は再利用に供する。つぎに、荒切断した素子、紙や木等
の有機物、および洗浄廃液は、荒い塊のままNaOH、
酸化剤と共にバッチ式の水熱分解装置内に投入され、水
熱分解されることにより無害化処理される(ステップS
801)。このPCB処理方法によれば、バッチ処理す
ることによりスラリー化やアルミニウムの分別を省略す
ることができる。
【0235】有機物固体をPCB液と共に連続的に水熱
分解するためには、スラリー化してポンプにより水熱分
解装置に送る必要がある。
【0236】ここで、スラリー中にコンデンサの構成材
であるアルミニウムが含まれている場合、水熱分解装置
内部に沈殿を生じさせるおそれがある。そこで、水熱分
解を連続ではなく、バッチ式の水熱分解装置(オートク
レーブ容器)内によりバッチ処理を行うことにより、コ
ンデンサを塊のまま投入することができる。また、アル
ミニウムの沈殿が生じた場合でも、バッチ式の水熱分解
装置であれば蓋を開放することで沈殿物を容易に除去す
ることができる。
【0237】<システムフロー9>図41は、上記PC
B処理方法の別の変更例を示すフローチャートである。
図41に示すように、このPCB処理方法では、まず、
コンデンサの油抜き(ステップS101)、粗洗浄(ス
テップS102)、コンデンサ解体(ステップS10
4)の後、分別した素子を加熱して炭化する(ステップ
S601)。加熱炭化することで、PCBの除去或いは
低濃度化を行うことができる。また、素子のアルミニウ
ム箔と炭化物の分割破砕を容易化できる。一方、解体に
より生じた金属は、超音波洗浄されて回収され、廃棄ま
たは再利用に供される(ステップS108)。
【0238】つぎに、解体により生じた紙や木等の有機
物および加熱炭化した素子に対して洗浄廃液を加え、微
粉砕ミルによってスラリー化する(ステップS85
1)。洗浄廃液を用いてスラリー化を行うので、別途、
水や油を供給する手段を設ける必要がない。このスラリ
ーは水熱分解によって分解され、NaCl、CO2およ
びH2Oとなって排出される。また、分解過程におい
て、アルミニウムを回収して再利用に供する。
【0239】<システムフロー10>図42は、上記P
CB処理方法の別の変更例を示すフローチャートであ
る。図42に示すように、このPCB処理方法では、ま
ず、コンデンサの油抜き(ステップS101)、粗洗浄
(ステップS102)、コンデンサ解体(ステップS1
04)の後、分別した紙・木/素子を破砕機で裁断する
(ステップS901)。その後洗浄(S902)を行
う。この洗浄には浸透性の高い溶剤(例えばイソプロピ
ルアルコール(IPA)等)を用いて、浸透しているP
CBを除去するようにしている。一方、解体により生じ
た金属は、超音波洗浄されて回収され、廃棄または再利
用に供される(ステップS108)。
【0240】<システムフロー11>図43は、上記P
CB処理方法の別の変更例を示すフローチャートであ
る。図43に示すように、このPCB処理方法では、コ
ンデンサの油抜き(ステップS101)をした後、コン
デンサの一部を切断して、内部を露出させる(ステップ
S861)。続いて、一部切断したコンデンサを真空加
熱炉に入れ、真空加熱する(ステップS862)。真空
加熱することにより、コンデンサに含まれるPCBの除
去或いはその濃度を低下できる。また、一部を切断する
ことにより、荒切断することなく、コンデンサ内部のP
CBの除去或いは濃度低下を実現することができるた
め、処理作業を簡単にすることができる。
【0241】つぎに、コンデンサを解体し(ステップS
104)、金属、紙・木および素子を分別する。分別し
た素子は荒切断され(ステップS701)、金属は超音
波洗浄される(ステップS108)。まず、荒切断され
た素子と、分別した紙や木をスラリー化する(ステップ
S863)。スラリーおよび超音波洗浄の洗浄廃液は、
水熱分解によって分解され、NaCl、CO2およびH2
Oとなって排出される。また、分解過程において、アル
ミを回収して再利用に供する。
【0242】<システムフロー12>図44は、上記P
CB処理方法の別の変更例を示すフローチャートであ
る。図44に示すように、このPCB処理方法では、コ
ンデンサの油抜き(ステップS101)をした後、圧力
スイング洗浄を行う(ステップS871)。圧力スイン
グ洗浄は、洗浄中に圧力を変化させることで(真空〜数
気圧)コンデンサフィルムの間等の隙間部に洗浄剤を効
率よく行き渡らせ、洗浄効率を向上させることができ
る。続いて、コンデンサを解体し(ステップS87
3)、金属、アルミニウム、紙や木等に分別する。
【0243】つぎに、分別した紙や木等の有機物には、
PCBが染み込んでいるため、一旦、スラリー化する
(ステップS874)。続いて、スラリーを水熱分解に
よって分解し、無害化する。一方、アルミニウムおよび
金属は、そのまま回収して廃棄または再利用に供する。
【0244】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0245】[第1実施例]図45にPCB含有トラン
スの処理の実施例にかかるシステム平面図を示す。図4
5に示すように、本実施例にかかる有害物質処理システ
ムは、PCBが付含有されているトランスを無害化する
有害物質処理システムであって、前処理してコアと容器
とを分離する第1処理手段701と、コアを切断してコ
イルと鉄心とに分離する第2処理手段702と、コイル
内部の脱脂・乾燥をする第3処理手段703と、脱脂後
のコイルを破砕し、紙・木の有機物と銅線の無機物とに
分離する第4処理手段704と、容器、蓋及び分離した
銅線を洗浄する第5処理手段705と、紙・木の有機物
を微粉砕してスラリー95とする第6処理手段706と
からなり、必要に応じて真空乾燥する第7処理手段70
7が第1処理手段701と第2処理手段702との間に
介装されている。
【0246】本実施例の第1処理手段701では、トラ
ンスは外部にPCBが漏れないような輸送容器を用いて
搬入される。なお、輸送容器を用いることなくそのまま
トランスを搬入するようにしてもよい。この第1処理手
段701ではPCBの外部への漏れを防止するために、
グローブボックス内で処理がなされ、該グローブボック
ス内を負圧としている。また、作業員には直接PCBが
付着しないように遠隔操作、自動ロボットにより作業を
することもできる。上記第1処理手段701では、ト
ランスを輸送した蓋を開放する工程と、トランス蓋を
解法する工程と、洗浄用の蓋をセットする工程と、
PCBを液抜きする工程と、粗洗浄する工程と、コ
ア解体・引抜きする工程とからなっている。
【0247】上記コア解体は油圧カッター、バンドソー
マシン、ウォータージェット、レーザーカッタ等の切断
手段を用いることができる。なお、油圧カッターとする
ことで、短時間で処理でき切粉の発生が少ないので好ま
しい。また、バンドソーカッターの場合のような切断に
より発生する切削油の処理をする必要がないのでより好
適である。
【0248】上記分離された容器30a、蓋30b、銅
線90及び鉄心等の金属類は仕上洗浄の第5の手段70
5内において洗浄され、有価物質は再利用に供される。
ここで、洗浄後の容器を検査する洗浄後容器検査手段7
08が設けられている。また、鉄心は積層されているの
で、分割処理して積層内部のPCBを処理するようにし
ている。
【0249】また、洗浄後の洗浄排液及び前処理手段で
分離したPCB及びスラリー95は水熱分解装置120
で分解処理している。また、処理において発生するPC
B汚染物(例えば切粉、切削油、拭取布、作業衣等)も
同様に水熱分解装置120で分解処理している。また、
設備内の換気は活性炭槽を通過させて外部へ排気してい
る。
【0250】該水熱分解装置120からの排気ガス13
1は2段階の活性炭槽130A及び130Bを通過した
後、排気ガス検査手段709で検査され、煙突から外部
へ排出される。一方排水113は処理水タンク140で
一時的に保管して、排水検査手段710で排水排水基準
を満たしている場合に、バッファタンク141へ移動さ
れ、その後排水処理される。
【0251】本実施例においては、トランスのPCB含
有量が低い場合には、第1処理手段701を隔離して環
境基準を高い(クラス3)管理としており、安全性に配
慮している。また、第2処理手段702〜第7処理手段
707は管理区域の基準をクラス3についで高いクラス
2としており、建屋内はクラス1の環境大気となるよう
に安全管理レベルを設定している。なお、このクラス分
けは必要に応じてさらに細かに設定してもよい。この管
理区域内を監視するように管理区域内作業環境検査手段
711が設けられている。
【0252】図46はこのシステムのフロー図である。
図46に示すように、まず、トランス30を受け入れた
後、トランス30の蓋明けを行う(S1001)。な
お、コンデンサは内圧がかかっているので、PCB液が
外部へ吹き出さないように行う必要がある。次に、PC
Bの液抜きを行う(S1002)。PCBを抜き取った
トランス30は、付着PCBレベルを低減するために粗
洗浄される(S1003)。つぎに、蓋30bを取り外
した状態のトランス容器30aを真空加熱炉内81に入
れ、真空下で加熱を行う(S1004)。続いて、上記
真空加熱を終了したトランス30を解体する(S100
5)。また、コアを切断し鉄心とコイルにする(S10
06)。コイルを銅線と紙・木とに分別する(S100
7)。紙・木をスラリー化する(S1008)。続い
て、S1005の解体工程において発生した金属および
碍子と、ステップS1006のコア切断工程において分
別した鉄心と、ステップS1007で分離した銅片を超
音波洗浄槽にて洗浄する(S1009)。なお、鉄心は
積層されているので分解した後(S1011)に、仕上
洗浄することが望ましい。つぎに、PCB処理設備12
0にて、ステップS1002にて油抜きした絶縁油、洗
浄廃液、及びS1008にて生成したスラリーを水熱分
解する(S1010)。
【0253】上記仕上洗浄した後の鉄,銅等の有価金属
はリサイクルに供し、碍子は廃棄処分に供している。
【0254】上記容器検査手段708では、容器の表面
をふきとり又は部材採取による化学分析検査し、所定値
以下となるようにしている。所定値を超えた場合には、
再度仕上洗浄処理705を行うようにしている。
【0255】上記環境作業状態を監視する排気ガス検査
手段709及び管理区域内作業環境検査手段711の一
例を図47に示す。
【0256】図47は本実施の形態にかかるガス中のP
CBを検出する検出装置の概略図である。図47に示す
ように、ガス監視手段としては、採取試料(ガス)50
1を供給し、該試料にレーザ光を照射してイオン化させ
て質量分析するPCBレーザ検出手段502を備えたも
のであり、この検出手段502により検出されたPCB
の検出結果をリアルタイムでPCB濃度表示手段503
により表示することで、常に作業環境及び排気ガスの状
態を確認することができる。
【0257】図48は本実施の形態にかかる排水中のP
CBを検出する検出装置の概略図である。図48に示す
ように、排水検査手段510は、採取試料11を導入
し、固相吸着材で有機ハロゲン化物(PCB)を保持す
る固相・吸着手段512と、該固相・吸着手段512か
らの溶出液をオートサンプラー513を介して導入し、
溶出された有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を行う
検出手段514とを備えてなり、この検出手段514に
より検出されたPCB濃度の検出結果をほぼリアルタイ
ムでPCB濃度表示手段503により表示することで、
常に排水の状態を確認することができる。
【0258】本実施例においては、排水のPCB濃度管
理値を0.003mg/L以下と基準を定めて監視してい
る。
【0259】上記監視装置によりPCB処理設備内のP
CB量を監視している。ここで、本実施例では建屋71
3内を環境大気の基準となるように、環境中のPCB濃
度を0.5μg/m3 N以下の区域としている。この管理
レベルをクラス1としている。また、第1の管理区域7
14内は環境中のPCB濃度を0.1mg/m3 N以下の
区域としている。この管理レベルをクラス2として、こ
の区域で作業する場合は保護用具を着用の上作業をす
る。さらに、第2の管理区域715内は環境中のPCB
濃度を0.1mg/m3 N以上になりうる区域としてい
る。この管理レベルをクラス3として、この区域には作
業員の立ち入りを禁止し、隔離した処理をするように例
えばグローブボックスを使用して作業をする。上記第1
の管理区域714及び第2の管理区域715内負圧状態
とし、汚染が外部に広がらないようにしている。
【0260】本実施例によれば、PCB含量が低いトラ
ンスを完全無害化処理できた。
【0261】[第2実施例]図49にPCB含有トラン
スの処理の実施例にかかるシステム平面図を示す。第2
の実施例は第1の実施例において、第3手段703を割
愛し、第4の手段704において湿式比重分離を行うよ
うにした。これにより、第1実施例のような乾式分離の
場合に必要な外部へ排出する排ガス処理設備の設置が省
略される。
【0262】図50はその装置構成の一具体例であり、
図51はその斜視図である。これらの図面に示すよう
に、本実施例にかかる有害物質処理システムは、作業架
台500上には、ステージ1の処理を実施するPCBの
液抜き、コアと容器とを分離するグローブボックス50
1と、分離後の容器を真空加熱処理する真空加熱室50
2と、加熱処理後の容器からコアを取り出し、該コアを
コイルと鉄心とに切断処理する油圧カッタ503と、コ
イルを剪断破砕する剪断機504と、コイルを紙・木と
銅線とに粉砕・分別する湿式コイル分離手段505と、
分離された容器及び鉄心並びに銅線を洗浄処理する仕上
洗浄槽506と、紙・木をスラリ状にする微粉砕処理す
る微粉砕ミル507とが配設され、搬送されたトランス
の前処理を行っている。施設内の床面は防油堤508が
設けられており、外部への拡散を防止している。
【0263】本実施例では、仕上洗浄槽506は洗浄を
3回行い、水洗を3回行うようにしている。なお、洗浄
液タンク510、洗浄排液タンク511及び純水タンク
512並びにポンプユニット513並びに蒸留精製器5
14が近接して設置されている。また、各装置間の容器
等の移動は、ローラコンベア520を介して行い、必要
に応じてクレーン521等により昇降移動又は水平移動
するようにしている。
【0264】図52はそのフロー図であり、S1007
においての分別を湿式比重分離としている。なお、その
他の工程は第1実施例と同様であるので省略する。
【0265】本実施例によれば、PCB含量が低いトラ
ンスを完全無害化処理できた。この際、湿式コイル分離
手段505としているので、第1の実施例のようなコイ
ル内部の脱脂・乾燥工程を省略できると共に、乾燥工程
による外部への換気が省略できるので、迅速且つ効率よ
くトランスの処理が容易となる。
【0266】[第3実施例]図53にPCB含有コンデ
ンサの処理の実施例にかかるシステム平面図を示す。コ
ンデンサはPCB含有率が高いので液抜き工程と真空乾
燥工程においては、監視レベルをクラス3としている。
なお、全ての管理区域内の監視レベルをクラス3のよう
にしてもよい。図53に示すように、本実施例にかかる
有害物質処理システムは、PCBが含有されているコン
デンサを無害化する有害物質処理システムであって、前
処理してコアと容器とを分離する第1処理手段801
と、素子を真空乾燥し、内部の有機物を炭化させる第2
処理手段802と、コンデンサを解体し、その後素子を
破砕する第3処理手段803と、破砕後の素子を紙・木
・樹脂の炭化物とアルミの無機物とに分離する第4処理
手段804と、容器、蓋及び分離したアルミを洗浄する
第5処理手段805と、炭化物を微粉砕する第6処理手
段806とからなっている。上記第1の手段801で
は、実施例1と略同様である。なお、PCBの濃度が高
いので第1手段801及び第2手段802の管理区域の
レベルを3とし、建屋内の管理区域のレベルを2として
十分な作業環境の監視をしている。
【0267】図54はこのシステムのフロー図である。
図54に示すように、まず、コンデンサを受け入れた
後、穴明けを行う(S2001)。この穴明けはPCB
の飛散を防止するために、コンデンサ周囲をシールしつ
つ行うようにしている。
【0268】次に、PCBの液抜きを行う(S200
2)。PCBを抜き取ったコンデンサは、付着PCBレ
ベルを低減するために粗洗浄される(S2003)。つ
ぎに、コンデンサを真空加熱炉内に入れ、真空下で加熱
(アルミ箔を炭化させる場合には、600℃とした)を
行う(S2004)。続いて、上記真空加熱を終了した
コンデンサを解体して素子と容器とに分離する(S20
05)。ここで、解体には、コンデンサ上部及び下部を
全周に亙って切断し、素子を取り出すことで、容易に分
離が可能となる。
【0269】次に、素子を破砕する(S2006)。破
砕した素子からアルミと炭化物とに分離する(S200
7)。炭化物をスラリー化する(S2008)。続い
て、S2005の解体工程において発生した容器を超音
波洗浄槽にて洗浄する(S2009)。つぎに、PCB
処理設備120にて、ステップS2002にて油抜きし
た絶縁油、洗浄廃液、及びS2008にて生成したスラ
リーを水熱分解する(S2010)。
【0270】ここで、上記破砕した素子からアルミと炭
化物とに分離する工程(S2007)においては、例え
ば渦電流法、比重分離法、粉砕・篩分け法等の方法によ
り分離することができる。
【0271】また、上記以外のコンデンサ素子を構成す
るアルミ箔の分離方法としては、上述したように、アル
カリ溶解による溶解分離、解体後に手作業による分離を
行うこともできる。
【0272】本実施例によれば、PCB含量が高いコン
デンサを完全無害化処理できた。
【0273】[第4実施例]図55にPCB含有蛍光灯
安定器の処理の実施例にかかるシステム平面図を示す。
図55に示すように、本実施例にかかる有害物質処理シ
ステムは、PCBが含有されているコンデンサを無害化
する有害物質処理システムであって、安定器からコンデ
ンサを分離し、切断した後粗洗浄するする第1処理手段
901と、切断された素子片を高温油浴で処理して樹脂
を分離する第2処理手段902と、樹脂分離した素子片
を加熱して構成材の絶縁紙を脆化させる第3処理手段9
03と、脆化した素子片中のアルミ成分をアルカリ溶解
してアルミ成分を分離するの第4処理手段904と、ア
ルミ分離の残渣中に脆化物を微粉砕ミルで微粉砕する第
5処理手段905と、アルカリ中に残った素子片を仕上
洗浄する第6処理手段906とからなっている。
【0274】図56はこのシステムのフロー図である。
図55に示すように、まず、蛍光灯安定器を受け入れた
後、コンデンサの位置確認を行う(S3001)。
【0275】次に、油圧カッタ等により安定器からコン
デンサのみを分離(S3002)し、その後複数の素子
片に切断する(S3003)。切断により細分化された
素子片のPCBレベルを低減するために粗洗浄される
(S3004)。つぎに、素子片を鉱物油の高温油浴槽
に入れ、180℃で30分加熱を行い、樹脂を分離する
(S3005)。続いて、不活性ガス雰囲気中の加熱炉
(400〜600℃)において10時間加熱する(S3
006)。
【0276】次に、素子片中のアルミ箔を水酸化ナトリ
ウムを用いてアルカリ溶解により分離する(S300
7)。アルカリ溶解された液を濾過して残渣の炭化物を
スラリー化する(S3008)。スラリー化物を水熱分
解処理する(S3009)。一方のアルカリ溶液中に残
った素子片は超音波洗浄槽にて1時間の洗浄を3回繰り
返す(S3010)。
【0277】本実施例によれば、PCBを含む蛍光灯安
定器の完全無害化処理をできた。
【0278】
【発明の効果】以上の説明したように、本発明によれ
ば、有害物質(例えばPCB、有害廃棄塗料、有害薬
品、廃棄樹脂等)が付着又は含有又は保存されている被
処理物(トランス、コンデンサ、有害物質保存容器等)
を無害化する有害物質処理システムであって有害物質を
保存する容器から有害物質を分離する分離手段と、被処
理物を構成する構成材を解体する解体手段の少なくとも
一つを有する前処理手段と、前処理手段において処理さ
れた被処理物を構成する構成材(コア、コンデンサ素子
部等)から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物と
に分離する分離手段と、を具備してなるので、金属部材
に付着したPCBを除去の後処理工程が容易となる。
【0279】また、有害物質が付着又は含有又は保存さ
れている被処理物を無害化する有害物質処理システムで
あって被処理物である有害物質を保存する容器から有害
物質を分離する分離手段と、被処理物を構成する構成材
を解体する解体手段とのいずれか一方又は両方を有する
前処理手段と、前処理手段において処理された被処理物
を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等
の無機物とに分離する分離手段と、前処理手段で分離し
た有害物質を分解処理する有害物質分解処理手段とを、
具備してなるので、連続して有害物質の無害化を図るこ
とができる。
【0280】また、上記発明において、上記前処理手段
で分離された金属製の容器又は上記分離手段で分離した
金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段を具備して
なるので、洗浄廃液の処理も同時に行うことができる。
【0281】また、上記発明において、上記前処理手段
で分離された金属製の容器又は上記分離手段で分離した
金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段とを具備し
てなり、洗浄後の洗浄廃液と前処理手段で分離した有害
物質とを有害物質分解処理手段で分解処理するので、廃
液の処理と共に、連続して有害物質の無害化を一貫して
処理することができる。
【0282】また、PCB処理方法では、電力用トラン
ス或いはコンデンサ等の電気機器の構成材を分割破砕
し、この破砕片からPCBに汚染された紙や木等の有機
廃棄物を他の構成材から分離して取り出し、この有機廃
棄物を水熱分解処理または超臨界水酸化処理するように
した。このため、有機物に染み込んだPCBを含めて安
全かつ確実に処理することができる。
【0283】また、上記分離手段が構成材を分割破砕す
る破砕手段であるので、その後の構成材の分離が容易と
なる。
【0284】また、上記分離手段が破砕手段により破砕
された破砕片から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無
機物とに選別する選別手段を具備するので有機物と無機
物との処理が容易となる。
【0285】また、上記選別手段が比重選別法、磁石選
別法、ふるい選別法等の自動選別法であるので、選別が
容易となる。
【0286】また、上記選別手段が乾式選別法又は湿式
選別法であるので、効率的な分離ができ、さらに、湿式
選別の場合には、乾燥手段及び外部に換気手段を省略で
きるので、効率的である。
【0287】また、上記分離された紙・木・樹脂等の有
機物を微粉砕してスラリー化する微粉砕手段を具備する
ので、有害物質を分解処理する有害物質分解処理手段へ
ポンプを用いての送給が可能となるので、連続した一貫
処理ができる。
【0288】また、上記分離された構成材を脆化させる
脆化手段を具備するので、被処理物として例えばコンデ
ンサ、爆弾等の場合の構成材の分離が容易となる。
【0289】また、上記脆化手段が構成材を加熱或いは
冷凍、又は紫外線照射により脆化させるので、効率的な
脆化が可能となる。
【0290】また、上記前処理手段が隔離されており、
負圧状態となっているので、外部への汚染を防止でき
る。
【0291】また、上記有害物質分解処理手段が水熱分
解処理する水熱分解処理手段又は超臨界水酸化処理する
超臨界水酸化処理手段であるので、有害物質の完全無害
化が可能となる。
【0292】また、上記被処理物が専用容器に移して、
専用容器と共に処理するので、処理途中での容器の破損
があるような場合でも設備内での洩れが防止できる。
【0293】また、上記無害化処理する有害物質がPC
B、塩化ビニルシート、有害廃棄塗料、廃棄燃料、有害
薬品、廃棄樹脂、未処理爆薬類である場合には、完全無
害化処理が可能となる。
【0294】また、上記被処理物がPCBを含有するト
ランス、コンデンサ及び蛍光灯の安定器並びにPCB汚
染物である場合には、トランス等の被処理物自体及びそ
の汚染物品についても完全無害化が可能となる。
【0295】また、この発明のPCB処理方法では、分
割破砕することで取り出した紙や木等の有機廃棄物をス
ラリー化し、当該スラリー化した有機廃棄物を水熱分解
処理または超臨界水酸化処理するようにしたので、安全
確実に且つ連続的にPCBの処理を行うことができる。
【0296】また、この発明のPCB処理方法では、電
力用トランス或いはコンデンサ等の電気機器の構成材を
分割破砕し、この破砕片からPCBに汚染された金属を
他の構成材から分離して取り出し、洗浄剤により洗浄
後、当該洗浄剤を水熱分解処理または超臨界水酸化処理
するようにした。PCBに汚染された洗浄剤を安全・確
実に無害化することができる。
【0297】また、この発明のPCB処理方法では、P
CBに汚染された紙や木等の有機廃棄物と、金属の洗浄
によりPCBに汚染された洗浄剤を水熱分解処理または
または超臨界水酸化処理するようにしたので、さらに、
安全・確実にPCBの処理を行うことができる。
【0298】また、上記PCBを処理するにあたって
は、分割破砕する工程の前工程として、洗浄剤を用いた
粗洗浄工程、真空中において加熱を行う真空加熱工程お
よび有機溶剤を用いた洗浄脱脂工程のいずれかの工程ま
たは全部の工程を組み合わせて用いるのが好ましい。さ
らに、分割破砕する工程の前工程として、電力用トラン
ス或いはコンデンサ等の電気機器を有機廃棄物と金属に
解体する工程を含むこともできる。
【0299】また、この発明のPCB処理方法では、コ
ンデンサに含まれるPCBを無害化処理するにあたり、
さらに、コンデンサを構成する樹脂フィルムを加熱或い
は冷凍、または紫外線照射その他の脆化工程を含むよう
にしたので、コンデンサに含まれるアルミニウムと樹脂
フィルムを分割破砕しやすくなる。このため、これらを
分別して個々に処理できるため、PCBの処理を安全か
つ確実に行うことができる。
【0300】また、この発明のPCB処理方法では、コ
ンデンサに含まれるPCBを無害化処理するにあたり、
さらに、アルミニウムを酸により溶解するか又はアルカ
リ溶解することで沈殿回収する工程と、コンデンサを構
成する樹脂フィルムを脆化させる工程とを含むようにし
たので、アルミニウムと樹脂フィルムの分別を確実に行
える。このため、PCBの処理を適切に施すことが可能
になり、PCBの処理を安全かつ確実に行えるようにな
る。
【0301】また、この発明のPCB処理方法では、電
力用トランスやコンデンサ等の電気機器に含まれるPC
Bを無害化処理するPCB処理方法であって、電力用ト
ランス或いはコンデンサ等の電気機器の構成材を解体し
て荒切断する工程と、荒切断したコア、紙や木等のPC
Bに汚染された有機廃棄物をバッチ式の水熱分解装置内
で水熱分解処理する工程とを含めるようにしたので、バ
ッチ処理によってPCBを安全かつ確実に処理できるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有害物質処理システムのシステム構成概略図で
ある。
【図2】PCB含有トランスの無害化処理システムの概
略図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる容器処理システムの
一具体例を示す概略図である。
【図4】ステージ1の工程図である。
【図5】ステージ1の工程図である。
【図6】ステージ1の工程図である。
【図7】濃縮設備の概略図である。
【図8】ステージ2の工程図である。
【図9】ステージ3の工程図である。
【図10】ステージ2の工程図である。
【図11】ステージ2の工程図である。
【図12】ステージ4の工程図である。
【図13】ステージ4の工程図である。
【図14】ステージ5の工程図である。
【図15】ステージ6の工程図である。
【図16】微粉砕ミルの工程図である。
【図17】水熱分解処理システムの概略図である。
【図18】第2の実施の形態にかかる容器処理システム
の一具体例を示す概略図である。
【図19】容器処理の工程図である。
【図20】専用カプセルの概略図である。
【図21】容器カプセルを用いた洗浄処理の工程図であ
る。
【図22】処理設備の概略図である。
【図23】処理設備の概略図である。
【図24】処理設備の概略図である。
【図25】第3の実施の形態のコンデンサの一環処理シ
ステムの実施の形態にかかる概略図である。
【図26】第3の実施の形態のコンデンサの一環処理シ
ステムの実施の形態にかかる概略図である。
【図27】第3の実施の形態のコンデンサの一環処理シ
ステムの実施の形態にかかる概略図である。
【図28】第3の実施の形態のコンデンサの一環処理シ
ステムの実施の形態にかかる概略図である。
【図29】第3の実施の形態のコンデンサの一環処理シ
ステムの実施の形態にかかる概略図である。
【図30】第3の実施の形態のコンデンサの一環処理シ
ステムの実施の形態にかかる概略図である。
【図31】第4の実施の形態の蛍光灯安定器の一環処理
システムの実施の形態にかかる概略図である。
【図32】第4の実施の形態の蛍光灯安定器の一環処理
システムの実施の形態にかかる概略図である。
【図33】PCB処理のフローチャートである。
【図34】PCB処理方法の変更例を示すフローチャー
トである。
【図35】PCB処理方法の別の変更例を示すフローチ
ャートである。
【図36】PCB処理方法の別の変更例を示すフローチ
ャートである。
【図37】PCB処理方法の別の変更例を示すフローチ
ャートである。
【図38】実施の形態2にかかるPCB処理方法を示す
フローチャートである。
【図39】PCB処理方法の変更例を示すフローチャー
トである。
【図40】PCB処理方法の変更例を示すフローチャー
トである。
【図41】PCB処理方法の変更例を示すフローチャー
トである。
【図42】PCB処理方法の変更例を示すフローチャー
トである。
【図43】PCB処理方法の変更例を示すフローチャー
トである。
【図44】PCB処理方法の変更例を示すフローチャー
トである。
【図45】実施例1の処理システムの概略図である。
【図46】実施例1のフローチャートである。
【図47】排ガス検査手段の概略図である。
【図48】排水検査手段の概略図である。
【図49】実施例2の処理システムの概略図である。
【図50】実施例2の装置構成の平面図である。
【図51】実施例2の装置構成の斜視図である。
【図52】実施例2のフローチャートである。
【図53】実施例3の処理システムの概略図である。
【図54】実施例3のフローチャートである。
【図55】実施例4の処理システムの概略図である。
【図56】実施例3のフローチャートである。
【図57】一般的なトランスの構造を示す断面図であ
る。
【図58】一般的なコンデンサの構造を示す断面図であ
る。
【図59】一般的な安定器の構造を示す断面図である。
【図60】従来のPCBの処理方法を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1001 被処理物 1002 有害物質(例えばPCB) 1003 容器 1004 分離手段 1005 解体手段 1006 前処理手段 1007 有機物 1008 無機物 1009 分離手段 1010 洗浄液 1011 洗浄手段 1012 洗浄廃液 1013 有害物質分解処理手段 1014 スラリー 1015 スラリー化手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B02C 19/18 B02C 21/00 D 4D067 21/00 23/08 Z 4D071 23/08 23/14 4H006 23/14 B03B 5/28 Z B03B 5/28 B03C 1/00 B B03C 1/00 B07B 4/08 Z B07B 4/08 7/08 7/08 9/00 A 9/00 B08B 3/08 Z B08B 3/08 9/08 9/08 C07B 35/06 B09B 3/00 37/06 C07B 35/06 C07C 25/18 37/06 B09B 5/00 Z C07C 25/18 3/00 Z 303Z (72)発明者 森部 高司 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 田頭 健二 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 池田 信之 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 開 昭夫 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 一ノ瀬 利光 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 山元 崇 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 植田 勝征 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 山口 啓樹 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 大浦 康二 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 大塚 利美 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 有馬 謙一 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 筒場 孝志 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 川元 昇 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 Fターム(参考) 2E191 BA13 BB00 BD11 3B116 AA23 AA46 AB01 AB14 BB02 BB82 BB83 CC03 CD22 CD31 3B201 AA23 AA46 AB14 BB02 BB82 BB83 BB95 CC01 CC12 CD22 CD31 4D004 AA22 AB06 AC05 BA05 CA02 CA04 CA09 CA10 CA12 CA22 CA26 CA29 CA32 CA40 CA42 CA43 CA50 CB04 CB12 CB13 CB31 CB50 CC04 CC05 CC12 4D021 FA09 FA22 GB03 HA01 4D067 CD00 CG04 CG06 DD02 DD07 DD17 DD18 DD19 EE14 EE17 EE25 EE32 EE35 EE44 GA20 GB05 GB07 4D071 AA46 AB14 AB23 AB25 CA05 DA15 4H006 AA05 AC13 AC26 BB31 BE10

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害物質が付着又は含有又は保存されて
    いる被処理物を無害化する有害物質処理システムであっ
    て、 被処理物から有害物質を抜出す抜出し手段又は被処理物
    を解体する解体手段のいずれか一方又は両方を有する前
    処理手段と、 前処理手段において処理された被処理物を構成する構成
    材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分
    離する分離手段と、 を具備してなることを特徴とする有害物質処理システ
    ム。
  2. 【請求項2】 有害物質が付着又は含有又は保存されて
    いる被処理物を無害化する有害物質処理システムであっ
    て、 被処理物から有害物質を抜出す抜出し手段又は被処理物
    を解体する解体手段のいずれか一方又は両方を有する前
    処理手段と、 前処理手段において処理された被処理物を構成する構成
    材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分
    離する分離手段と、 前処理手段で抜きした有害物質を分解処理する有害物質
    分解処理手段とを、具備してなることを特徴とする有害
    物質処理システム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記被処理物が、充填又は保存された有害物質を除去し
    た容器、有害物質が付着又は含有した容器若しくは容器
    内部の構成材であることを特徴とする有害物質処理シス
    テム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、 上記被処理物が、有害物質が充填又は保存された容器で
    あることを特徴とする有害物質処理システム。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 上記分離手段で分離した金属等の無機物を洗浄液で洗浄
    する洗浄手段を具備してなることを特徴とする有害物質
    処理システム。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2において、 上記抜き後の金属製の容器又は上記分離手段で分離した
    金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段を具備して
    なることを特徴とする有害物質処理システム。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2において、 上記抜き後の金属製の容器を洗浄する洗浄手段が、粗洗
    浄手段と仕上洗浄手段とを具備してなることを特徴とす
    る有害物質処理システム。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 上記粗洗浄手段と仕上洗浄手段との間に容器内表面洗浄
    処理手段を具備してなることを特徴とする有害物質処理
    システム。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、 上記洗浄手段に用いる洗浄剤が、有害物質との相互溶解
    性が大きい洗浄剤、有害物質との相互溶解性が低い洗浄
    剤、アルカリ洗浄剤又は酸洗浄剤又は界面活性剤のいず
    れかであることを特徴とする有害物質処理システム。
  10. 【請求項10】 請求項7において、 上記仕上洗浄手段に用いる洗浄剤が、有害物質との相互
    溶解性が低く浸透性が高い洗浄剤であることを特徴とす
    る有害物質処理システム。
  11. 【請求項11】 請求項7において、 上記仕上洗浄手段の代替又は組み合わせとして、加熱分
    離による有害物質除去手段を用いることを特徴とする有
    害物質処理システム。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 上記加熱分離による有害物質除去手段が真空加熱手段又
    は不活性ガス雰囲気中の加熱手段であることを特徴とす
    る有害物質処理システム。
  13. 【請求項13】 請求項6において、 上記金属等の無機物を洗浄液で洗浄する洗浄手段による
    洗浄後の洗浄廃液を上記有害物質分解処理手段で分解処
    理することを特徴とする有害物質処理システム。
  14. 【請求項14】 請求項1又は2において、 上記分離手段が構成材を分割破砕する破砕手段であるこ
    とを特徴とする有害物質処理システム。
  15. 【請求項15】 請求項1又は2において、 上記分離手段が破砕手段により破砕された破砕片から紙
    ・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに選別する選
    別手段を具備することを特徴とする有害物質処理システ
    ム。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 上記選別手段が比重選別法、磁石選別法、ふるい選別法
    等の自動選別法であることを特徴とする有害物質処理シ
    ステム。
  17. 【請求項17】 請求項15において、 上記選別手段が乾式選別法又は湿式選別法であることを
    特徴とする有害物質処理システム。
  18. 【請求項18】 請求項1又は2において、 上記分離手段が被処理物を構成する構成材の樹脂を溶融
    して分離除去する樹脂溶融除去手段と、構成材の金属を
    溶解して分離除去する金属溶解除去手段を具備すること
    を特徴とする有害物質処理システム。
  19. 【請求項19】 請求項15乃至18のいずれか一にお
    いて、 上記分離された紙・木・樹脂等の有機物を微粉砕してス
    ラリー化する微粉砕手段を具備することを特徴とする有
    害物質処理システム。
  20. 【請求項20】 請求項1又は2において、 上記分離された構成材を脆化させる脆化手段を具備する
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  21. 【請求項21】 請求項20において、 上記脆化手段が、構成材を加熱手段又は冷凍手段又は紫
    外線照射手段のいずれかであることを特徴とする有害物
    質処理システム。
  22. 【請求項22】 請求項1又は2において、 上記抜き手段又は前処理手段が他のシステムと隔離する
    部屋内に設けられており、負圧状態となっていることを
    特徴とする有害物質処理システム。
  23. 【請求項23】 請求項2において、 上記有害物質分解処理手段が亜臨界域において水熱酸化
    分解処理する水熱分解処理手段又は超臨界域において超
    臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段であることを
    特徴とする有害物質処理システム。
  24. 【請求項24】 請求項23において、 上記水熱酸化分解処理手段が筒形状の高温高圧の反応器
    と、油、有害物質、アルカリ剤及び水の処理液並びに酸
    化剤を加圧する加圧ポンプと、当該水にアルカリ剤との
    混合液を予熱する予熱器と、分解処理後の処理液を冷却
    する冷却器及び反応器の減圧弁とを具備することを特徴
    とする有害物質処理システム。
  25. 【請求項25】 請求項24において、 上記高温高圧の反応器の反応条件が圧力27MPa、温
    度380℃以上の熱水であり、上記熱水中で析出した炭
    酸ナトリウム(Na2CO3)の結晶と、脱塩素反応およ
    び酸化分解反応により有害物質を無害化することを特徴
    とする有害物質処理システム。
  26. 【請求項26】 請求項1又は2において、 上記被処理物を輸送容器又は専用容器に移して、該輸送
    容器又は専用容器と共に処理することを特徴とする有害
    物質処理システム。
  27. 【請求項27】 請求項1又は2において、 上記無害化処理する有害物質がPCB、廃農薬、有害廃
    棄塗料、廃棄燃料、有害薬品、廃棄樹脂、未処理爆薬
    類、残留性汚染物質であることを特徴とする有害物質処
    理システム。
  28. 【請求項28】 請求項1又は2において、 上記被処理物がPCBを含有するトランス、コンデン
    サ、蛍光灯の安定器又はPCB汚染物であることを特徴
    とする有害物質処理システム。
  29. 【請求項29】 有害物質が付着又は含有又は保存され
    ている被処理物を無害化する有害物質処理方法であっ
    て、 被処理物から有害物質を抜出しする抜出し工程と、被処
    理物を解体する解体工程とのいずれか一方又は両方を有
    する前処理工程と、 前処理工程において処理された被処理物を構成する構成
    材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分
    離する分離工程と、 を含むことを特徴とする有害物質処理方法。
  30. 【請求項30】 有害物質が付着又は含有又は保存され
    ている被処理物を無害化する有害物質処理方法であって
    被処理物から有害物質を抜出しする抜出し工程と、被処
    理物を解体する解体工程とのいずれか一方又は両方を有
    する前処理工程と、 前処理工程において処理された被処理物を構成する構成
    材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分
    離する分離工程と、 前処理工程で分離した有害物質を分解処理する有害物質
    分解処理工程とを、含むことを特徴とする有害物質処理
    方法。
  31. 【請求項31】 請求項29又は30において、 上記被処理物が、充填又は保存された有害物質を除去し
    た容器、有害物質が付着又は含有した容器若しくは容器
    内部の構成材であることを特徴とする有害物質処理方
    法。
  32. 【請求項32】 請求項29又は30において、 上記前処理工程の抜出し工程で分離された金属製の容器
    又は上記分離工程で分離した金属等の無機物を洗浄液で
    洗浄する洗浄工程と、を含むことを特徴とする有害物質
    処理方法。
  33. 【請求項33】 請求項29又は30において、 上記前処理工程の抜出し工程で分離された金属製の容器
    又は上記分離工程で分離した金属等の無機物を洗浄液で
    洗浄する洗浄工程を含み、洗浄後の洗浄廃液を有害物質
    分解処理工程で分解処理することを特徴とする有害物質
    処理方法。
  34. 【請求項34】 請求項29又は30において、 上記分離工程が構成材を分割破砕する破砕工程であるこ
    とを特徴とする有害物質処理方法。
  35. 【請求項35】 請求項29又は30において、 上記分離工程が破砕工程により破砕された破砕片から紙
    ・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに選別する選
    別工程を含むことを特徴とする有害物質処理方法。
  36. 【請求項36】 請求項35において、 上記選別工程が比重選別法、磁石選別法、ふるい選別法
    等の自動選別法であることを特徴とする有害物質処理方
    法。
  37. 【請求項37】 請求項35において、 上記選別工程が乾式選別法又は湿式選別法であることを
    特徴とする有害物質処理方法。
  38. 【請求項38】 請求項29又は30において、 上記分離工程が被処理物を構成する構成材の樹脂を溶融
    して分離除去する樹脂溶融除去工程と、構成材の金属を
    溶解して分離除去する金属溶解除去工程を具備すること
    を特徴とする有害物質処理方法。
  39. 【請求項39】 請求項34乃至38のいずれか一にお
    いて、 上記分離された紙・木・樹脂等の有機物を微粉砕してス
    ラリー化する微粉砕工程を含むことを特徴とする有害物
    質処理方法。
  40. 【請求項40】 請求項29又は30において、 上記分離された構成材を脆化させる脆化工程を含むこと
    を特徴とする有害物質処理方法。
  41. 【請求項41】 請求項40において、 上記脆化工程が構成材を加熱或いは冷凍、又は紫外線照
    射により脆化させることを特徴とする有害物質処理方
    法。
  42. 【請求項42】 請求項29又30において、 上記前処理工程が隔離されており、負圧状態となってい
    ることを特徴とする有害物質処理方法。
  43. 【請求項43】 請求項30において、 上記有害物質分解処理工程が水熱分解処理する水熱分解
    処理工程又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理工
    程であることを特徴とする有害物質処理方法。
  44. 【請求項44】 電力用トランスや電力用コンデンサ等
    の電気機器に含まれるPCBを無害化処理するPCB処
    理方法であって、 PCBを抜いた後の電気機器の構成材を分割破砕する工
    程と、 分割破砕した破砕片からPCBに汚染された紙、木或い
    は樹脂等の有機廃棄物を他の構成材から分離して取り出
    す工程と、 上記取り出した有機廃棄物を水熱分解処理または超臨界
    水酸化処理する工程と、 を含むことを特徴とするPCB処理方法。
  45. 【請求項45】 電気用トランスやコンデンサ等の電気
    機器に含まれるPCBを無害化処理するPCB処理方法
    であって、 PCBを抜いた後の電気機器の構成材を分割破砕する工
    程と、 分割破砕した破砕片からPCBに汚染された紙、木或い
    は樹脂等の有機廃棄物を他の構成材から分離して取り出
    す工程と、 上記取り出した有機廃棄物をスラリー化する工程と、 上記スラリー化した有機廃棄物を水熱分解処理または超
    臨界水酸化処理する工程と、を含むことを特徴とするP
    CB処理方法。
  46. 【請求項46】 電気用トランスやコンデンサ等の電気
    機器に含まれるPCBを無害化処理するPCB処理方法
    であって、 PCBを抜いた後の電気機器の構成材を分割破砕する工
    程と、 分割破砕した破砕片からPCBに汚染された金属を他の
    構成材から分離して取り出す工程と、 上記分離した金属を洗浄剤により洗浄する工程と、 上記洗浄後のPCBに汚染された洗浄剤を水熱分解処理
    または超臨界水酸化処理する工程と、を含むことを特徴
    とするPCB処理方法。
  47. 【請求項47】 電気用トランスやコンデンサ等の電気
    機器に含まれるPCBを無害化処理するPCB処理方法
    であって、 PCBを抜いた後の電気機器の構成材を分割破砕する工
    程と、 分割破砕した破砕片からPCBに汚染された紙、木或い
    は樹脂等の有機廃棄物を他の構成材から分離して取り出
    す工程と、 上記取り出した有機廃棄物について、 当該有機廃棄物をミルによりスラリー化する工程と、 上記スラリー化した有機廃棄物を水熱分解処理または超
    臨界水酸化処理する工程と、 上記取り出した金属について、 当該金属を洗浄剤により洗浄する工程と、 上記洗浄後のPCBに汚染された洗浄剤を水熱分解処理
    または超臨界水酸化処理する工程と、を含むことを特徴
    とするPCB処理方法。
  48. 【請求項48】 請求項44乃至47のいずれか一にお
    いて、 上記分割破砕する工程の前工程として、洗浄剤を用いた
    粗洗浄工程、真空中において加熱を行う真空加熱工程お
    よび洗浄剤を用いた洗浄脱脂工程のいずれかの工程また
    は全部の工程を組み合わせて用いることを特徴とするP
    CB処理方法。
  49. 【請求項49】 請求項44乃至47のいずれか一にお
    いて、上記分割破砕する工程の前工程として、電気用ト
    ランス或いはコンデンサ等の電気機器を有機廃棄物と金
    属に解体する工程を含むことを特徴とするPCB処理方
    法。
  50. 【請求項50】 請求項44乃至46のいずれか一にお
    いて、 コンデンサに含まれるPCBを無害化処理するにあた
    り、さらに、コンデンサを構成する絶縁紙または樹脂フ
    ィルムを加熱或いは冷凍、または紫外線照射その他の脆
    化工程を含むことを特徴とするPCB処理方法。
  51. 【請求項51】 請求項44乃至47のいずれか一にお
    いて、 コンデンサに含まれるPCBを無害化処理するにあた
    り、さらに、アルミニウムを酸により溶解するか又はア
    ルカリ溶解することにより、絶縁紙、樹脂フィルムと分
    離する工程とを含むことを特徴とするPCB処理方法。
  52. 【請求項52】 電気用トランスやコンデンサ等の電気
    機器に含まれるPCBを無害化処理するPCB処理方法
    であって、 電気用トランス或いはコンデンサ等の電気機器の構成材
    を解体して荒切断する工程と、 荒切断したコア、紙や木等のPCBに汚染された有機廃
    棄物をそのままバッチ式の水熱分解装置内で水熱分解処
    理する工程と、を含むことを特徴とするPCB処理方
    法。
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