JP2001070913A - 有機ハロゲン系化合物の分解処理装置及び方法 - Google Patents

有機ハロゲン系化合物の分解処理装置及び方法

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JP2001070913A
JP2001070913A JP26982499A JP26982499A JP2001070913A JP 2001070913 A JP2001070913 A JP 2001070913A JP 26982499 A JP26982499 A JP 26982499A JP 26982499 A JP26982499 A JP 26982499A JP 2001070913 A JP2001070913 A JP 2001070913A
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organic halogen
extraction
extractant
decomposing
acid
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JP26982499A
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English (en)
Inventor
Keiji Yoshimura
敬二 吉村
Kenji Hara
謙治 原
Hiroaki Ogasawara
弘明 小笠原
Ikuo Wakamoto
郁夫 若元
Kozo Iida
耕三 飯田
Koichi Kurita
耕一 栗田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温において有機ハロゲン系化合物を分解で
きる設備構成とし、かつ同設備構成を小型化することに
よって、常温で安全に操作できるとともに設備費及び運
転費を低減した有機ハロゲン系化合物の分解処理装置及
び方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 灰(又は土壌)1を酸101で酸処理
し、該酸溶解濾液103を排出した後、残留した固形分
A中のダイオキシン類を抽出剤105で抽出する溶解・
抽出槽100と、前記抽出物Bを濃縮すると共に該濃縮
液にアルカリ性アルコール溶媒107を添加して溶解さ
せて処理液Cとする濃縮・溶解槽106と、前記処理液
を移送する移送手段22と、前記移送手段22上の処理
液21aに向って電子線26を照射する電子線照射手段
25とを備えてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉等の燃焼に
伴って発生する飛灰又は焼却灰等に含まれるダイオキシ
ン等の有機ハロゲン系化合物を分解し無害化する処理装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の有機ハロゲン系化合物分解処理装
置の概念図を図24及び図25に示す。図24は電気抵
抗溶融炉によって飛灰又は焼却灰等(以下「灰」とい
う)を溶融し、有機ハロゲン系化合物を高温分解する装
置であり、灰受入装置02に貯蔵された飛灰01がスク
リュー供給機03によって電気抵抗溶融炉04に投入さ
れると、電気抵抗溶融炉04内の溶解ヒータ05及び加
熱ヒータ06によって、灰01は約1300〜1400
℃に高温加熱され、溶融飛灰01aとなって有機ハロゲ
ン系化合物が高温分解され、処理済の飛灰01bとなっ
てコンベア010を介して排出槽011へ搬送される。
一方、電気抵抗溶融炉04内で発生したガスは、排出管
07からバグフィルタ08によってダストが回収され、
さらにスクラバー09によって清浄化し系外へ排出され
る。
【0003】図25は熱分解炉内の低酸素雰囲気中で灰
の有機ハロゲン系化合物を熱分解する装置であり、灰受
入装置02に貯蔵された灰01が熱分解炉021に投入
され、窒素ガス022が供給されると熱分解炉021の
外部ヒータ023によって、熱分解炉021内を約40
0〜500℃に加熱し、約1時間保持することによって
飛灰01の有機ハロゲン系化合物が低酸素雰囲気中で熱
分解され、分解後の飛灰が冷却用クーラ024に送られ
冷却された後、処理済の灰01cとして排出されてい
る。なお、排ガスはバグフィルター025を通過した
後、スクラバー026で清浄処理され系外へ排出されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術における有機ハロゲン系化合物の分解処理装置で
は、図24の電気抵抗溶融炉04によって有機ハロゲン
系化合物を高温分解する場合、及び図25の熱分解炉0
21内の低酸素雰囲気中で有機ハロゲン系化合物を熱分
解する場合のいずれも、高温加熱できるような大がかり
な設備を必要とし、さらに、高温でのハンドリングが伴
うために設備費及び運転費が高いという問題があった。
【0005】このため、焼却灰に水分を含ませ、ペース
ト状としたものに、電離性放射線を照射し、水中で生じ
た活性種を生成し、ダイオキシン類と直接反応させて無
害化する方法が提案されている(特開平3−17838
9号公報参照)。また、実施例では、電離性放射線とし
て、ガンマ線が使用されている。
【0006】しかしながら、前記提案方法は、水分添加
灰に放射線を照射させることで、ダイオキシン類を構成
する環状構造中に存在する酸素原子に作用させ、環状構
造を開いて鎖状の物質に変換することにより、無害化し
ているので、1000kGy程度の放射線を長時間照射
させる必要があり、照射線量が多くしかも照射時間を要
し、処理コストが増大し、実用的ではない、という問題
がある。
【0007】そこで、本発明は前記の問題点を解決する
ために、常温近傍において有機ハロゲン系化合物を分解
できる簡易な設備構成とし、かつ同設備構成を小型化す
ることによって、常温近傍で安全に操作できるとともに
設備費及び運転費を低減した有機ハロゲン系化合物の分
解処理装置及び方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
[請求項1]の有機ハロゲン系化合物の分解処理装置の
発明は、灰又は土壌中の有機ハロゲン系化合物を抽出剤
で抽出する抽出手段と、前記抽出液にアルカリ性アルコ
ール溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒を
添加して溶解させて処理液とする溶解槽と、前記処理液
を移送する移送手段と、前記移送手段上の処理物に向っ
て電子線を照射する電子線照射手段とを備え、処理液中
の有機ハロゲン系化合物を分解処理することを特徴とす
る。
【0009】[請求項2]の発明は、 請求項1におい
て、上記抽出手段が、灰又は土壌を酸溶液で酸処理し、
該酸処理液を排出した後、残留した固形分中の有機ハロ
ゲン系化合物を抽出剤で抽出する溶解・抽出手段である
ことを特徴とする。
【0010】[請求項3]の発明は、請求項2におい
て、前記溶解・抽出手段が、灰又は土壌を酸溶液で酸処
理する酸処理槽と、酸処理後の固形分中の有機ハロゲン
系化合物を抽出剤で抽出する抽出槽とからなることを特
徴とする。
【0011】[請求項4]の発明は、請求項2におい
て、前記溶解・抽出槽が、灰又は土壌を耐酸性のネット
袋に投入し、該ネット袋ごと酸溶液で酸処理する溶解槽
と、酸処理後のネット内の固形分中の有機ハロゲン系化
合物を抽出剤で抽出する抽出槽とからなることを特徴と
する。
【0012】[請求項5]の発明は、請求項2乃至4の
いずれか一項において、前記溶解・抽出手段で抽出した
抽出液を濃縮して濃縮液とし、該濃縮液にアルカリ性ア
ルコール溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭化水素溶
媒を添加して溶解させることを特徴とする。
【0013】[請求項6]の発明は、請求項2又は3に
おいて、酸処理後の固液分離が、傾斜した篩手段に取り
出して固形分と酸溶液とを分離することを特徴とする。
【0014】[請求項7]の発明は、請求項2乃至5の
いずれか一項において、前記抽出剤で処理した後の固液
分離が、傾斜した篩手段に取り出して固形分と抽出剤と
を分離することを特徴とする。
【0015】[請求項8]の発明は、請求項6又は7に
おいて、前記篩手段が多段であり、下段側になるにつれ
て篩径を漸次小さくしてなることを特徴とする。
【0016】[請求項9]の発明は、請求項2乃至5の
いずれか一項において、前記抽出剤で抽出処理した後に
固液分離し、固形分が残った抽出槽内に水を投入し、固
形分に付着した抽出剤を上層に浮遊させ、該上層を前記
分離した抽出剤と共に濃縮処理することを特徴とする。
【0017】[請求項10]の発明は、請求項2乃至5
のいずれか一項において、前記抽出剤での抽出が、固形
分中の有機ハロゲン系化合物を抽出剤で抽出する抽出カ
ラムと、該抽出カラムから抽出液を抜き出し、抽出液を
濃縮する濃縮カラムと、該濃縮カラムから回収された抽
出剤を回収し、前記抽出カラムへ再度抽出剤を供給する
第1及び第2の回収・供給カラムとからなり、第1の回
収・供給カラムからの抽出剤を抽出カラムへ供給し、固
形分から有機ハロゲン系化合物を抽出する一方、濃縮カ
ラムからの抽出剤の回収を第2の回収・供給カラムで行
うことを特徴とする。
【0018】[請求項11]の発明は、請求項10にお
いて、前記抽出カラム内に、固形分と共に充填物を投入
し、該充填物により分散した空間を形成することを特徴
とする。
【0019】[請求項12]の発明は、請求項10にお
いて、前記抽出カラム内に、カラムの軸方向に沿って抽
出剤がその側面から通過する円柱管を1本又は複数本挿
入してなることを特徴とする。
【0020】[請求項13]の発明は、請求項10にお
いて、前記抽出カラム内に、カラムの軸方向とほぼ90
度の角度をなす方向に複数の邪魔板を設けてなり、抽出
カラムを反転自在としたことを特徴とする。
【0021】[請求項14]の発明は、請求項1又は2
において、前記有機ハロゲン系化合物を抽出する抽出剤
がトルエンであることを特徴とする。
【0022】[請求項15]の発明は、請求項1におい
て、前記抽出手段が超臨界二酸化炭素を抽出溶媒とした
超臨界流体抽出手段であることを特徴とする。
【0023】[請求項16]の発明は、請求項1におい
て、前記アルカリ性アルコール溶液が、水酸化カリウム
又は水酸化ナトリウムと、イソプロピルアルコール,エ
チルアルコールのいずれか一種の混合液、又は、前記ア
ルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒が、水酸化カリウ
ム又は水酸化ナトリウムと、ペンタン,ヘキサン,ウン
デカン,ペンタデカン,ヘプタデカンのいずれか一種の
混合液であることを特徴とする。
【0024】[請求項17]の発明は、請求項1におい
て、前記電子線照射手段により電子線を照射した後の処
理済液を前記移送手段から取出すスクレーパを設けたこ
とを特徴とする。
【0025】[請求項18]の発明は、請求項17にお
いて、前記スクレーパによって取り出された処理済液を
受け入れる貯蔵部を設けたことを特徴とする。
【0026】[請求項19]の発明は、請求項1におい
て、前記移送手段が上面に凹溝を有する回転テーブルで
あることを特徴とする。
【0027】[請求項20]の発明は、請求項19にお
いて、前記移送手段の上面に形成した凹溝が外周側が高
く、内側に向かって傾斜してなることを特徴とする。
【0028】[請求項21]の発明は、請求項1におい
て、前記移送手段上面の被処理物の接触面に電子線反射
体を設けたことを特徴とする。
【0029】[請求項22]の発明は、請求項2におい
て、前記溶解・抽出手段の処理液を加振する超音波発生
手段を設けたことを特徴とする。
【0030】[請求項23]の発明は、請求項1におい
て、前記溶解槽内の処理液を加振する超音波発生手段を
設けたことを特徴とする。
【0031】[請求項24]の発明は、請求項2におい
て、前記溶解・抽出手段内に抽出液を加熱する加熱コイ
ルを設けると共に抽出液を濃縮する回収装置と、前記処
理液を生成する溶解槽に処理液を加熱する加熱コイルと
を設けたことを特徴とする。
【0032】[請求項25]の発明は、請求項24にお
いて、前記回収装置が低真空ポンプ又はコンプレッサ
と、空冷ファンと空冷タンク又は水冷タンクから構成さ
れていることを特徴とする。
【0033】[請求項26]の発明は、請求項25にお
いて、前記加熱コイルが自家発電機の駆動エンジンの温
水を循環させることによって加熱されるものであること
を特徴とする。
【0034】[請求項27]の発明は、請求項2又は3
において、前記酸処理液を固液分離した後、再利用する
ことを特徴とする。
【0035】[請求項28]の発明は、請求項1乃至2
7に記載の有機ハロゲン系化合物の分解処理装置を据え
付け台上に搭載し、運搬できるようにしたことを特徴と
する。
【0036】[請求項29]の発明は、請求項1乃至2
7に記載の有機ハロゲン系化合物の分解処理装置を移動
台車上に搭載し、移動できるようにしたことを特徴とす
る。
【0037】[請求項30]の有機ハロゲン系化合物の
分解処理方法の発明は、灰又は土壌中の有機ハロゲン系
化合物を抽出剤で抽出し、該抽出液をアルカリ性アルコ
ール溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒で
希釈して処理液とし、該処理液に電子線を照射して、処
理液中の有機ハロゲン系化合物を分解処理することを特
徴とする。
【0038】[請求項31]の発明は、請求項30にお
いて、灰又は土壌を酸溶液で処理した後に、酸処理後の
固形分から有機ハロゲン系化合物を抽出剤で抽出するこ
とを特徴とする。
【0039】[請求項32]の発明は、請求項30にお
いて、灰又は土壌を超臨界二酸化炭素を抽出溶媒として
超臨界流体抽出により、有機ハロゲン系化合物を抽出す
ることを特徴とする。
【0040】[請求項33]の発明は、請求項30にお
いて、前記処理物を移送させつつ薄膜状の処理液とし、
該薄膜状の処理液に電子線を照射することを特徴とす
る。
【0041】[請求項34]の発明は、請求項30にお
いて、前記処理液中の有機ハロゲン系化合物を脱ハロゲ
ン化反応により分解処理する電子線量が低いものである
ことを特徴とする。
【0042】[請求項35]の発明は、請求項34にお
いて、前記電子線量が500kGy以下であることを特
徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明による有機ハロゲン系化合
物の分解処理装置の実施の形態を以下に説明するが、本
発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0044】[第1の実施の形態]本発明の第1の実施
の形態について、図1乃至図3により説明する。図1は
本発明の第1の実施の形態を示す概念図、図2は図1の
A−A矢視図、図3は本発明によるダイオキシン濃度比
と線量の関係を示す図である。図1に示すように、第1
の実施の形態では、飛灰又は焼却灰等(以下灰と呼ぶ)
を酸溶液で処理し、該酸処理後の固形分に含まれる有機
ハロゲン系化合物を抽出剤で抽出処理し、該抽出物をア
ルカリ性アルコール又はアルカリを添加した脂肪族炭化
水素溶媒で希釈した上で、電子線照射によってダイオキ
シン類等の有機ハロゲン系化合物の抽出溶媒を分解処理
するものであり、第1乃至第7のステップから構成され
る。
【0045】第1ステップでは、溶解・抽出槽100内
で灰1を塩酸(HCl)等の酸溶液(以下「酸」とい
う)101で溶解し、第2ステップでは、溶解された灰
液から酸溶解濾液103を抜き出し固形分Aを残す。第
3ステップで、残された固形分Aにダイオキシンの抽出
剤105を混合し、加熱コイル82により加熱すること
により、固形分Aの中からタールやダイオキシン類等を
抽出した抽出液Bを生成する。
【0046】第4ステップでは、濃縮・溶解槽106内
に抽出液Bを移し、該濃縮・溶解槽106内において抽
出液Bを加熱して前記抽出剤105を回収することによ
りタール、ダイオキシンを濃縮する。
【0047】第5ステップでは、濃縮された抽出液にイ
ソプロピルアルコールと水酸化カリウム(KOH)又は
水酸化ナトリウム(NaOH)等を混合した溶媒、又は
アルカリ(水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム等)を
添加した脂肪族炭化水素溶媒107を用いて溶かし、処
理液Cを生成し、この処理液Cを移送手段である回転テ
ーブル22の凹溝23内で薄膜状の処理液21aに形成
した後、電子線26を照射してダイオキシンをほぼ全部
分解する。
【0048】第6ステップでは、電子線26の照射され
た分解処理後の処理液21bを貯蔵部28へ集める。な
お、加熱コイル82により、加熱することによって分解
処理済の処理液21b中の溶媒107を回収する。
【0049】第7ステップでは、貯蔵部28に残った無
害化された残渣108を取り出し、廃棄処理する。これ
らの第1〜7ステップによってダイオキシンを分解処理
する。
【0050】本発明で分解処理する灰や土壌中に含まれ
る有機ハロゲン系化合物としては、ダイオキシン類やP
CB類に代表される有害な物質(例えば環境ホルモン)
であればこれらに限定されるものではない。ここで、前
記ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオ
キシン類(PCDDs)及びポリ塩化ジベンゾフラン類
(PCDFs)の総称であり、塩素系化合物とある種の
有機塩素化合物の燃焼時に微量発生するといわれ、化学
的に無色の結晶である。塩素の数によって一塩化物から
八塩化物まであり、異性体にはPCDDsで75種類、
PCDFsで135種類に及び、これらのうち、特に四
塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)は、最
も強い毒性を有するものとして知られている。なお、有
害な塩素化芳香族化合物としては、ダイオキシン類の他
にその前駆体となる種々の有機塩素化合物(例えば、フ
ェノール,ベンゼン等の芳香族化合物(例えばクロルベ
ンゼン類,クロロフェノール及びクロロトルエン等)、
塩素化アルキル化合物等)が含まれており、灰中から除
去する必要がある。なお、ダイオキシン類とは塩素化芳
香族化合物のみならず、Br−ダイオキシン類等のハロ
ゲン化ダイオキシン類も含まれる。また、PCB類(ポ
リ塩化ビフェニル類)はビフェニルに塩素原子が数個付
加した化合物の総称であり、塩素の置換数、置換位置に
より異性体があるが、2,6−ジクロロビフェニル、
2,2'−ジクロロビフェニル、2,3,5−トリクロロ
ビフェニル等が代表的なものであり、毒性が強く、焼却
した場合にはダイオキシン類が発生するおそれがあるも
のとして知られており、灰中から除去する必要がある。
なお、コプラナーPCBも含まれる。以下、有機ハロゲ
ン系化合物としてダイオキシン類を例にして説明する。
【0051】以下、更に装置構成の詳細を説明する。本
実施の形態にかかる有機ハロゲン系化合物の分解処理装
置は、図1に示すように、灰(又は土壌)1を酸101
で酸処理し、該酸溶解濾液103を排出した後、残留し
た固形分A中のダイオキシン類を抽出剤105で抽出す
る溶解・抽出槽100と、前記抽出液Bを濃縮すると共
に該濃縮液にアルカリ性アルコール溶媒又はアルカリを
添加した脂肪族炭化水素溶媒107を添加してダイオキ
シン類を溶解させて処理液Cとする濃縮・溶解槽106
と、前記処理液を移送する移送手段22と、前記移送手
段22上の処理液21aに向って電子線26を照射する
電子線照射手段25とを備えてなるものであり、灰1を
酸性溶液で溶解し、該灰1の外被を溶かした後、灰1の
内部に包含されているダイオキシン類を抽出し、該抽出
液を溶媒で希釈して、ダイオキシン類の濃度を低くし、
処理液21a中のダイオキシン類を脱ハロゲン化反応に
より分解処理するようにしている。
【0052】前記溶解・抽出槽100は、灰受入装置2
から供給される灰1と塩酸(HCl)等の酸101を混
合し、灰1を溶解させるものである。前記溶解・抽出槽
100内で灰1を溶解し、該溶解された酸溶解濾液10
3を抜き出し固形分Aを残すようにして固液分離をして
いる。
【0053】前記溶解・抽出槽100から抜き出された
酸溶解濾液103は、濾液槽81へ集められ、別途中和
剤(水酸化ナトリウム等)を用いて中和処理、重金属処
理がなされる。
【0054】前記固形分Aが残された溶解・抽出槽10
0内には、該固形分Aからタール・ダイオキシンを抽出
するトルエン等の抽出剤105が供給され、前記固形分
Aに抽出剤105が混合され、加熱コイル82により加
熱することによってタール・ダイオキシンが抽出された
抽出液B(一部残渣を含む)を生成している。 ここ
で、前記抽出剤105としてはトルエンが好適である
が、本発明では特に限定されるものではなく、例えばベ
ンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、アセ
トン、アトニトリル、DMSO(ジメチルスホキシ
ド)、LSO(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム)等を例示することができる。
【0055】前記濃縮・溶解槽106では、前記溶解・
抽出槽100から供給された抽出液Bを加熱コイル82
により加熱し、前記抽出剤105を管路83から抽出剤
回収装置84へ回収することによって抽出液Bを濃縮し
ている。
【0056】前記溶媒107はイソプロピルアルコール
等の溶媒又は脂肪族炭化水素107aと水酸化カリウム
(KOH)等のアルカリ107bとを混合したアルカリ
性有機溶媒であり、前記濃縮された抽出液Bに該溶媒1
07を溶かして処理液C(一部残渣を含む)を生成して
いる。
【0057】ここで、前記アルカリ性アルコール溶媒又
はアルカリを添加した脂肪族炭化水素のアルカリの濃度
は特に限定されるものではないが、例えばKOHを用い
る場合、0.1重量%〜飽和量の範囲とするのがよく、よ
り好適には1〜10重量%とするのがよい。これは、0.
1重量%未満であるとアルカリの添加効果がなく、飽和
以上の場合では更なる添加効果がなく、共に好ましくな
いからである。また、水酸化カリウム(KOH)の代わ
りに水酸化ナトリウム(NaOH)等のアルカリを用い
るようにしてもよい。なお、前記アルカリ性アルコール
溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭化水素107のア
ルコールの代わりに前記濃縮された処理液Aを溶解で
き、回収可能な有機溶媒を用いるようにしてもよい。
【0058】ここで、本発明において前記アルコール溶
媒としては、イソプロピルアルコール(IPA:CH3
CH(OH)CH3 )、エタノール等のアルコール系溶
媒を用いることができ、特にイソプロピルアルコールは
メタノールとは異なり、水素供与体(ドナー)が多く、
電子線照射後の脱塩素置換反応がよりスムーズに進行す
るので、好ましい。一方、脂肪族炭化水素としては、ペ
ンタン(C5 12),ヘキサン(C6 14),ウンデカ
ン(C1124),ペンタデカン(C1532),ヘプタデ
カン(C1736)等を用いることができる。
【0059】また、前記抽出剤回収装置84は、低真空
ポンプ(又はコンプレッサ)85と空冷ファン86と空
冷タンク87から構成されている。
【0060】処理液(一部の残渣を含む)Cは、駆動モ
ータMによって回転される円盤状の回転テーブル22B
(例えば、直径が500〜1000φmm程度に小型化さ
れている。)の上面に形成された凹溝(その深さは数mm
程度に形成されている)23内へ供給手段20から供給
され、回転に伴い、薄膜状の処理液21aとし、そこに
電子線照射手段25から電子線26を照射して、薄膜状
の処理液21a中のダイオキシン類等を分解し、その後
スクレーパ24により、分解処理済の処理液(一部の残
渣を含む)21bを貯蔵部28にて貯蔵している。
【0061】前記貯蔵部28においては、分解処理済の
処理液21bからイソプロピルアルコール等の溶媒10
7を溶媒回収装置88へ管路89を介して回収され、該
溶媒回収装置88は低真空ポンプ(又はコンプレッサ)
90と空冷ファン91と空冷タンク92から構成されて
いる。
【0062】なお、図1中、符号93は水冷エンジン9
4の冷却水放熱用のラジエータ、95はエンジン94に
よって駆動される自家発電機、96は加熱コイル82か
らラジエータ93への戻り配管、97はエンジン94の
冷却水(温水)を加熱コイル82へ送る供給配管、98
は自家発電機95から発生した電力を制御部27へ送る
電力ケーブルである。
【0063】また、加熱コイル82は溶解・抽出槽10
0、濃縮・溶解槽106、貯蔵部28に各々設けられ、
エンジン94の冷却水(温水)が供給配管97から各加
熱コイル82へ並列に送られ、熱交換した後、戻り配管
96からラジエータ93へ循環するように接続されてい
る。なお、前記溶解・抽出槽100及び濃縮・溶解槽1
06には、回転羽根等の攪拌手段を適宜配設し、溶解効
率又は濃縮効率の向上を図るようにするすることができ
る。
【0064】また、空冷ファン86と空冷タンク87
を、別の冷却手段として冷却コイルと水冷タンクに置き
換えてもよく、この場合には冷却水及び冷却水クーラ
は、本装置の一部として外部から水の供給は受けないも
のとする。
【0065】前記のように構成された分解処理装置によ
れば、第1ステップとして塩酸(HCl)等の酸101
が供給されている溶解・抽出槽100の中に、灰受入装
置2から灰1が供給され一部又は全部が溶解されると、
ダイオキシンが抽出され易い状態となる。また、この第
1ステップの前に灰1を事前に水洗浄してもよい。この
水洗浄を行うことにより、水に溶解するアルカリ性の物
質を溶解し、塩酸の使用量の低減を図ることができる。
【0066】第2ステップとして、灰1を溶解した液を
酸溶解濾液103と固形分Aとに固液分離するために、
酸溶解濾液103を濾液槽81へ抜き出すことにより固
形分Aを残す。
【0067】前記抜き出された酸溶解濾液103は濾液
槽81へ集められた後、別途設けられた工程の重金属固
定処理又は回収処理へ送られる。
【0068】次に、第3ステップとして、溶解・抽出槽
100中の残された固形分Aに、抽出剤105として抽
出能力の高いトルエン等の抽出剤が供給され、加熱コイ
ル82によって加熱することにより、固形分Aからター
ル・ダイオキシンが殆ど抽出された抽出液B(一部残渣
を含む)が生成される。そして、タール・ダイオキシン
がほぼ完全に抽出された固形分残渣104は、この後廃
棄処理される。ここで、固形分残渣104の表面に付着
した抽出液Bを取り除くために、新しい抽出剤105を
投入して洗うこともできるが、水を注入し、付着した抽
出液を水の表面に浮かせて脱離した抽出液Bのみを回収
することができる。
【0069】第4ステップとして、濃縮・溶解槽106
へ送られた抽出液Bを加熱コイル82によって加熱し、
前記抽出剤105を管路83から回収装置84の低真空
ポンプ(又はコンプレッサ)85によって空冷タンク8
7へ回収することによりタール・ダイオキシンを含んだ
抽出剤(一部残渣を含む)が濃縮される。この抽出剤1
05は再利用に供される。
【0070】第5ステップとして、濃縮されたタール・
ダイオキシンの抽出液が、溶媒107によって溶解され
処理液C(一部残渣を含む)が生成される。そして、こ
の処理液Cが、例えば約1リットル/分の一定量が供給
手段20から回転テーブル22の凹溝23へ供給される
と、例えば30rpmの回転速度で回転テーブル22B
が回転しており、次第に薄膜状の処理液21aとなり、
略3/4回転した位置まで来ると上方から電子線26が
照射される。
【0071】この電子線26は、制御部27からの制御
信号が電子線照射手段25へ送られて、電子線エネルギ
ー強度、線量などが調整される。第6ステップとして、
電子線26が薄膜状の処理液21a(一部の残渣を含
む)へ向けて照射されることによって、処理液中のダイ
オキシンがほぼ全部分解される。分解処理された処理液
(一部の残渣を含む)21bは回転しながらスクレーパ
24によって凹溝23から取り出され貯蔵部28へ貯め
られる。
【0072】この貯められた処理液21bは、加熱コイ
ル82によって加熱されることにより、溶媒107の内
のイソプロピルアルコール又はウンデカン等の溶媒10
7aが管路89から溶媒回収装置88の低真空ポンプ
(又はコンプレッサ)90によって空冷タンク92へ回
収される。この溶媒107aは再利用に供される。
【0073】第7ステップとして、貯蔵部28に残った
無害化された残渣108を取り出し、廃棄処理する。
【0074】なお、前記電源として自家発電機95から
の電力が各機器及び制御部27へ送られ、エンジン94
の冷却水(温水)が供給配管97から各加熱コイル82
へ送られ熱源として利用された後、戻り配管96からラ
ジエータ93へ帰り循環利用されている。
【0075】上述した構成による本実施の形態にかかる
分解処理によれば、より少量の吸収線量の電子線で、ダ
イオキシン濃度を99%以上低減させることが可能とな
る。このように、溶解・抽出槽100、濃縮・溶解槽1
06、抽出剤回収装置84,溶媒回収装置88、回転テ
ーブル22、電子線照射手段25、貯蔵部28等の構成
機器がすべて常温近傍で運転されるので、熱エネルギー
損失が少なく、ハンドリング操作を安全に行うことがで
きる。
【0076】以上のように本発明によれば、ダイオキシ
ンをほぼ完全に抽出し分解できる効果があり、原灰の容
積に比べて廃棄される固形分の容積が約1/5程度に減
容できる。また、電子線照射によるダイオキシンの分解
処理が常温近傍において行われる設備構成としたので、
熱エネルギー損失が少なく操作を安全に行うことがで
き、運転費を従来方式に比べて大幅に低減させることが
できる。
【0077】さらに、自家発電機によって電力を賄い、
水など本装置以外からユーティリティを必要とせず、エ
ンジン冷却水(温水)を加熱コイルの熱源として利用す
るので、エネルギー消費が少ない。
【0078】本発明ではアルカリ性アルコール溶媒又は
アルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒107で希釈し
たダイオキシン類に、いわゆる無水状態(水分含量:0.
01重量%以下)で電子線を照射しているので、低い吸
収線量でダイオキシン類の塩素を解離させ、該解離した
塩素をアルカリ溶液の金属イオンと反応させて、例えば
KCl(固形分)を生成させ、塩として沈殿させてい
る。なお、ダイオキシン類フリーとなった状態の無害化
したものは、油分として該KClに付着し、残渣108
と共に、別途処分される。
【0079】本発明では、例えば灰中のダイオキシン類
の濃度が50ng/gの場合、約500kGy以下、好
ましくは300kGy以下の吸収線量で分解が可能とな
る。
【0080】このように、本発明は、従来の高いエネル
ギー量での吸収線量(約1000kGy程度のγ線照
射)によるダイオキシン類の分解処理のように、環状構
造中の酸素原子に作用して環状構造を開いてベンゼン環
に塩素を残存したままバラバラに分解するものとは異な
るものとなる。よって、本発明による分解では灰中から
抽出されたダイオキシン類は塩素フリーの状態となり、
再合成によるダイオキシン類の生成は全くないものとな
る。
【0081】図3は、本発明の効果を示す一例であり、
電子線の照射線量によって灰中のダイオキシン類の分解
効果を示したものであり、ダイオキシン濃度比が変化す
るグラフを示す。ここで、ダイオキシン濃度比とは「電
子線照射後の灰に残存するダイオキシン濃度」の「電子
線照射前の灰に残存するダイオキシン濃度」に対する比
をいう。図3により電子線26の吸収線量を増加するこ
とによってダイオキシン濃度比が小さくなることが確認
された。
【0082】なお、図3に示すグラフ中の実線は第1の
実施の形態の実測値を示し、点線は参考として、灰にガ
ンマ線照射した場合の公知文献(Kimbery A.Gray他、"R
ADIOLYTIC TREATMENT OF DIOXIN CONTAMINATED SOILS",
1995) のデータを示したもので、本発明の実測値の方
が、同じ吸収線量に対しダイオキシン濃度比が著しく下
がっていることが実証された。
【0083】すなわち、本発明の分解処理によれば、よ
り少量の吸収線量(約100kGy程度以下)の電子線
で、ダイオキシン濃度を99%以上低減させることが可
能となった。
【0084】なお、本発明は灰中のダイオキシンの分解
処理について説明したが、これ以外に、土壌中又は排水
中のダイオキシンの分解処理についても適用可能であ
る。
【0085】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
の形態について、図4により説明する。図4は本発明の
第2の実施の形態における溶解・抽出槽を示す概念図で
ある。前記第1の実施の形態で説明した図1〜2と同一
部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0086】本実施の形態では、第1の実施の形態の溶
解・抽出槽100に超音波発生手段41を付加して構成
したものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同
一である。したがって、ここでは溶解・抽出槽100及
び溶解・抽出槽100との取り合い機器についてのみ説
明するものとする。
【0087】図4に示すように、溶解・抽出槽100の
壁部には超音波発生手段41が設けられており、該超音
波発生手段41により、先ず、酸101による溶解の際
の灰1を加振させ、溶解処理効率を向上させている。ま
た、その後抽出剤105による抽出の際の固形分Aを加
振させ、抽出作用を助長するようにしている。
【0088】前記のように構成された灰中の有機ハロゲ
ン系化合物の分解処理装置によれば、酸101が投入さ
れた溶解・抽出槽100内に灰受入装置2から灰1が供
給され、撹拌手段110によって撹拌混合されるが、こ
の際に前記超音波発生手段41を作動させることによ
り、酸101中の灰1に向けて超音波が照射され、微細
振動を加えることによって溶解作用がさらに促進され
る。その後、固形分Aを残して酸溶解濾液103を抜き
出し、抽出剤105を投入して、固形分A中のダイオキ
シン類を抽出する際にも、固形分Aに向けて超音波が照
射され、微細振動を加えることによって抽出作用がさら
に促進される。
【0089】また、前記超音波発生手段41からの超音
波照射によって生じるスラリー内の気泡がつぶれるとき
に発生する衝撃波によってもダイオキシン類の一部が分
解され、ここにおいても分解作用が開始され、促進され
る。
【0090】このように第2の実施の形態によれば、前
記第1の実施の形態の効果に加え、超音波の微細振動が
灰1に加えられるので酸溶解作用を助長でき、また、固
形分Aに加えられる場合には、ダイオキシン類の抽出作
用をさらに助長させることができ、また超音波照射によ
る気泡の衝撃波によってダイオキシン類の一部を分解で
きるという相乗効果がある。
【0091】[第3の実施の形態]次に、第3の実施の
形態につき図5を参照して説明する。なお、上述した図
1に示す第1の実施の形態の装置と同一部材には同一符
号を付し重複する説明は省略する。
【0092】本実施の形態では,第1の実施の形態の分
解装置の溶解・抽出槽100及び濃縮・溶解槽106に
超音波発生手段41A及び超音波発生手段41Bを加え
て構成したものであり、その他の構成は第1の実施の形
態と同一である。
【0093】図5は、溶解・抽出槽100、溶解槽10
6及び周辺取合い機器について図示し、その他の構成は
第1の実施の形態の図1と同一であり図示を省略した。
図5において、抽出槽100の壁部には、超音波発生器
41Aが設けられている。該超音波発生手段41Aによ
り、先ず、酸101による溶解の際の灰1を加振させ、
溶解処理効率を向上させている。また、その後抽出剤1
05による抽出の際の固形分Aを加振させ、抽出作用を
助長させて抽出液Bを形成するようにしている。
【0094】また、溶解槽106の壁部には、該濃縮・
溶解槽106内の処理液Cを加振させて攪拌、溶解作用
を助長する超音波発生器41Bが設けられている。
【0095】前記のように構成された電子線ダイオキシ
ン分解処理装置によれば、抽出槽100の中に、酸10
1が投入された溶解・抽出槽100内に灰受入装置2か
ら灰1が供給され、撹拌手段110によって撹拌混合さ
れるが、この際に前記超音波発生手段41Aを作動させ
ることにより、酸101中の灰1に向けて超音波が照射
され、微細振動を加えることによって溶解作用がさらに
促進される。その後、固形分Aを残して酸溶解濾液10
3を抜き出し、抽出剤105を投入して、固形分A中の
ダイオキシン類を抽出する際にも、固形分Aに向けて超
音波が照射され、微細振動を加えることによって抽出作
用がさらに促進される。
【0096】同様に、濃縮・溶解槽106の中に、抽出
槽100からの抽出液Bとアルカリ性アルコール溶媒又
はアルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒107が供給
され攪拌手段110によって攪拌し溶解されると処理液
Cが生成される。この時、超音波発生器41Bから処理
液Cに向けて微細振動を加えることによって溶解作用が
さらに促進される。
【0097】また、前記超音波照射によって生じる処理
液A又処理液B内の気泡が潰れる時に発生する衝撃波に
よってダイオキシンの一部が分解される。
【0098】このように本実施の形態によれば、超音波
の微細振動が加えられるので、抽出液Bの抽出作用及び
処理液Cの溶解作用をさらに助長させることができ、ま
た、超音波照射による気泡の衝撃波によってダイオキシ
ンが一部分解される効果がある。その他、本実施の形態
による効果は、前記第1の実施の形態と同様の効果が得
られるものである。
【0099】[第4の実施の形態]本発明の第4の実施
の形態について、図6により説明する。図6は本発明の
第4の実施の形態における移送手段の他の実施の形態を
示す概念図である。前記第1の実施の形態で説明した図
1〜2の分解装置と同一部材には同一符号を付し、重複
する説明は省略する。第4の実施の形態においては、第
1の実施の形態の移送手段22上面の凹溝23内面に、
電子線反射体42を装着したものであり、その他の構成
は実施の形態1と同一である。したがって、ここでは移
送手段22と電子線反射体42及びスクレーパ24の取
り合いについて主として説明する。
【0100】図6に示すように、供給される処理液21
aを移送する移送手段22の凹溝23の底部,壁部に
は、電子線反射体42が固着されている。該電子線反射
体42としては、例えばTa(タンタル)等の原子番号
の大きな金属が固着されており、凹溝23内の薄膜状の
薄膜状の処理液21aに照射された電子線26を反射さ
せて、反射電子によってダイオキシン類の分解をさらに
助長させるようにしている。
【0101】前記のように構成された灰中の有害物質の
分解処理装置によれば、移送手段22の凹溝23内の薄
膜状の処理液21aに向けて電子線26が照射されるこ
とによって、処理液中のダイオキシン類が分解される。
そして、凹溝23内の電子線反射体42から反射した反
射電子によって、さらにダイオキシン類の分解が助長さ
れ、処理液中のダイオキシン類を効率的に分解すること
ができる。
【0102】このように第4の実施の形態によれば、前
記第1の実施の形態の効果に加え、スラリーに向けて照
射される電子線26がさらに電子線反射体42によって
反射されるので、電子線26の有効利用が図られ、薄膜
状の処理液21a中の有害物質であるダイオキシン類を
更に効率的に分解することができるという効果がある。
【0103】[第5の実施の形態]図7は、図1に示す
第1の実施の形態の分解装置において、電子線を照射す
る回転テーブル22の凹溝の構造を斜め形状とし、回転
テーブル22の回転によっても、処理液の液面を常に一
定にして均一な薄膜層に保つようにしたものである。前
記第1の実施の形態で説明した図1〜2の分解装置と同
一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0104】第5の実施の形態においては、図7に示す
ように、回転テ−ブル22の上面には凹溝51が形成さ
れており、該凹溝51の溝底は図7に示すように、外周
側が高くなる傾斜角θを有している。そして、傾斜角θ
及び溝高さh0 は、下記「数1」に示す式によって求め
られる。
【0105】
【数1】
【0106】また、前記凹溝51内の分解処理済の処理
液21bを回転テ−ブル22から取り出すスクレ−パ5
2は、図7に示すように、該スクレ−パ52の下部と凹
溝51の傾斜底が係合するように配置されている。
【0107】前記構成において、凹溝51へ供給された
処理液21aの液面は、図8で示すように、回転テ−ブ
ル22が停止時には、図8(a)の状態であるが、回転
中には遠心力が作用し、図8(b)のように液面が傾斜
し、内周側よりも外周側の液面が高くなる。この時、溝
底の傾斜角θ及び溝高さh0 は、前記式で示す関係にあ
り、凹溝51の溝底を液面の傾斜に合わせて傾斜角θを
与えておくことにより、液膜厚さdを略均一にすること
ができる。なお、前記傾斜角θは特に限定されるもので
はないが、好ましくは、 tanθ=h0 /(r0 −r1
±20%程度とするのがよい。
【0108】このような凹溝51を有する回転テーブル
22が、例えば30rpmの回転速度で回転していると、例
えば約1〜数mmの略均一な液膜厚さdの処理液21aと
なり、略3/4回転した位置まで来ると上方から電子線2
6が照射される。この電子線26は、制御部27からの
制御信号が電子線照射手段25へ送られて、電子線エネ
ルギー、吸収線量などが調整される。そして電子線43
が薄膜状の処理液21aへ向けて照射されることによっ
て、処理液中のダイオキシンがほぼ全部分解される。
【0109】また、電子線の液体中透過深さは、電子線
の液中透過深さを表す図9に示すように、ビームエネル
ギーによって異なるが、被照射媒体がアルカリ性アルコ
ールの場合、例えば300keV程度の場合には深さ1mm
近傍が最大の吸収線量となっており、使用されるビ−ム
エネルギーによって最適な液膜厚さdが設定されてい
る。
【0110】[第6の実施の形態]第6の実施の形態
は、図10に示すように、図1に示す分解装置を据え付
け台47の上に設けたものであり、該据え付け台47に
は機器の保護のためカバー44で装置全体を覆うように
し、直接外部へ暴露することを避けている。また、クレ
ーン等で吊下げて移動又は移設できるように据え付け台
47の四隅に吊金具48を設ければ、さらに操作性を向
上させることができる。また、前述した据え付け台47
上に搭載した構成のものを、前記移動台車46上に搭載
して移動させてもよい。
【0111】本発明の分解処理装置は、小型化によって
可搬可能となっており、トラック又は移動台車46に搭
載し、自家発電機を具え、電力、水など本装置以外から
のユーティリティを必要としないので、山間部等の遠隔
地など何処へでも移動させてダイオキシン類の分解処理
をすることができる。
【0112】このように第7の実施の形態によれば、電
子線ダイオキシン分解処理装置を必要な場所へ移動、又
は牽引もしくは自走により任意の場所へ移動させること
ができるので、従来の据置方式に比べて機動性を持たせ
ることができる効果がある。その他、本実施の形態によ
る効果は、前記第6の実施の形態と同様の効果が得られ
るものである。
【0113】[第7の実施の形態]本発明の第7の実施
の形態について、図11により説明する。図11は本発
明の第1の実施の形態における酸処理のための灰を耐酸
性のネット袋内に入れ、該ネット袋ごと酸に浸漬させ
て、酸処理をすると共に、酸溶解濾液を廃棄後、抽出剤
を投入して、ネット袋に残った固形分Aからダイオキシ
ン類を抽出するようにしたものである。なお、その他の
構成は第1の実施の形態と同様であるので、同符号を付
して説明は省略する。この実施の形態では,飛灰又は焼
却灰等(以下灰と呼ぶ)を後述の第1ステップ〜第7ス
テップによってダイオキシンを分解処理するように構成
したもので、第1の実施の形態と同様に、抽出剤回収装
置,溶媒回収装置及び自家発電装置等を具えている。本
実施の形態にかかる有機ハロゲン系化合物の分解処理装
置は、図11に示すように、灰(又は土壌)1を耐酸性
のネット袋131に入れ、該ネット131を酸101で
酸処理し、該酸溶解濾液103を排出した後、ネット内
に残った固形分A中のダイオキシン類を抽出剤105で
抽出する溶解・抽出槽100と、前記抽出処理の後ネッ
ト131を引き上げた後、移行された抽出液Bを濃縮す
ると共に該濃縮液にアルカリ性アルコール溶媒又はアル
カリを添加した脂肪族炭化水素溶媒107を添加して溶
解させて処理液Cとする濃縮・溶解槽106と、前記処
理液を移送する移送手段22と、前記移送手段22上の
処理液21aに向って電子線26を照射する電子線照射
手段25とを備え、処理液21a中のダイオキシン類を
脱ハロゲン化反応により分解処理するようにしている。
【0114】前記灰1を入れた耐酸性のネット袋131
は処理液中で上下揺動させる吊下装置132に吊り下げ
られており、耐酸性のネット袋131の吊具133に引
っかけたワイヤ134を、モ−タMによって巻上げ又は
巻下げることによって該耐酸性のネット袋131を上下
揺動させる。前記耐酸性のネット袋131は、ガラス繊
維製の微細網目状袋からなるものである。
【0115】前記のように構成された電子線ダイオキシ
ン分解処理装置によれば、第1ステップとして、塩酸
(HCl)等の酸101が満たされている溶解槽100
の中で、耐酸ネット袋131内に入れられた灰1が吊下
装置132によって上下揺動させることにより灰1の一
部又は全部が溶解されると、油分及びダイオキシン類が
抽出され易い状態となる。なお、このステップの前に灰
1を事前に水洗浄してもよい。
【0116】図12は図11に示す第7の実施の形態の
装置において、抽出・溶解槽100を独立した槽とする
と共に、濃縮・溶解槽106を独立した槽とし、ネット
袋131に入れた灰1中のダイオキシン類を抽出する工
程図である。なお、図11における吊り下げ装置は図示
を省略する。以下、図12を参照して分解処理工程につ
いて説明する。
【0117】図12に示すように、第1ステップでは、
溶解槽100A内において、耐酸性のネット袋(微細網
目状袋)131に入れられた灰1を塩酸(HCl)等の
酸101中で上下揺動させて溶解する。灰1を投入当初
はpHがアルカリ側であるが、酸を所定量投入して中性
乃至酸性側で溶解処理を進行させる。この際図示しない
クレーン等によりネット袋を上下揺動させ、溶出を促進
させるようにしている。この際、予め灰1を水で洗浄し
ておくことにより、アルカリ分を事前に水に溶解させ、
塩酸の使用量を低減することができる。第2ステップで
は、溶解された酸溶解濾液103を抜き出し、固形分A
を耐酸性のネット袋131内に残す。ここで、濾液を十
分に抜き去り、固形分Aをネット袋131ごと取り出
し、遠心分離又は加熱乾燥させ、又は真空乾燥させ、水
分含量が10重量%以下とする。この乾燥後は重量が酸
処理の灰の約1/5以下程度となる。第3ステップで
は、抽出槽108内において、耐酸性のネット袋131
に残った固形分Aを、ダイオキシンの抽出剤105の溶
液中で上下揺動させながら加熱することにより、固形分
Aの中から油分及びダイオキシン類を抽出し、抽出液
(一部の残渣を含む)Bを生成する。第4ステップで
は、前記抽出液Bを濃縮槽108へ移し、該抽出液Bを
加熱し、前記抽出剤105を回収することにより油分及
びダイオキシン類を濃縮する。第5ステップでは、濃縮
液を溶解槽125へ移し、濃縮された抽出液にイソプロ
ピルアルコ−ル(IPA)又はウンデカン(C1124
107aと水酸化カリウム(KOH)107bとを混合
したアルカリ性アルコール溶媒又はアルカリを添加した
脂肪族炭化水素溶媒107を投入し、該溶媒107に溶
かして処理液(一部の残渣を含む)Cを生成する。この
処理液Cを回転テ−ブルの凹溝51内で薄膜状の処理液
21aに形成した後、電子線26を照射してダイオキシ
ン類をほぼ全部分解する。第6ステップでは、電子線照
射された分解処理後の処理液21bを貯槽部28へ集め
る。また、分解処理後の処理液21bを加熱することに
よって液中の溶媒107aを回収する。第7ステップで
は、貯蔵部28に残った無害化された残渣108を取り
出し、廃棄処理する。これらの第1〜7ステップによっ
てダイオキシン類を分解処理するようにしている。
【0118】[第8の実施の形態]本発明の第8の実施
の形態について、図13により説明する。本実施の形態
では、第7の実施の形態のように、耐酸性のネット袋1
31を上下揺動させる代りに、攪拌機等によって耐酸ネ
ット袋131内の灰1を酸101又は抽出剤105中で
攪拌するものである。図13は本発明の第7の実施の形
態における酸溶解のための灰をネットを使用せずに、攪
拌手段で酸に溶解して酸処理をすると共に、酸溶解濾液
を廃棄後、抽出剤を投入して、固形分Aからダイオキシ
ン類を抽出し、該抽出液Bと共に固形分104を取り出
しつつ固液分離する固液分離装置を設けたものである。
なお、その他の構成は第1の実施の形態と同様であるの
で、同符号を付して説明は省略する。この実施の形態で
は,灰又は土壌等を後述の第1ステップ〜第7ステップ
によってダイオキシンを分解処理するように構成したも
ので、第1の実施の形態と同様に、抽出剤回収装置,溶
媒回収装置及び自家発電装置等を具えている。本実施の
形態にかかる有機ハロゲン系化合物の分解処理装置は、
図11に示すように、灰(又は土壌)1を酸101で酸
処理し、該酸溶解濾液103を排出した後、残った固形
分A中のダイオキシン類を抽出剤105で抽出する溶解
・抽出槽100と、前記抽出処理の後抽出液B及び固形
分104をスラッジ141として取り出し、抽出液Bと
廃棄固形分104とを分離する固液分離装置142と、
分離された抽出液Bを濃縮すると共に該濃縮液にアルカ
リ性アルコール溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭化
水素溶媒107を添加して溶解させて処理液Cとする濃
縮・溶解槽106と、前記処理液を移送する移送手段2
2と、前記移送手段22上の処理液21aに向って電子
線26を照射する電子線照射手段25とを備え、処理液
21a中のダイオキシン類を脱ハロゲン化反応により分
解処理するようにしている。
【0119】前記固液分離装置142は、図14に示す
ように、所定角度に傾斜した傾斜台143の底部分は、
グラスウ−ル等から成るメッシュ状の篩144から形成
されており、溶解・抽出槽100から送られたスラッジ
141(固形分104と抽出液Bの固液混合物)が流下
し、メッシュ状の篩144によって固液を分離するもの
である。傾斜して取着されたメッシュ状の篩144の鉛
直下側には、スラッジ141から分離された抽出液Bの
受け入れる受け入れ容器145が配置されており、該容
器145から濃縮・溶解槽106へ移送管145を介し
て抽出液Bを移すようにしている。一方、メッシュ状の
篩144の傾斜面下端部側には、固形分104の受け入
れ容器147が配置されている。
【0120】図15はスラッジ141から固液分離を促
進するために、傾斜台143を多段に配置したものであ
る。図15に示すように、固液分離装置142は、多段
(本実施の形態では3段)に傾斜台143A,B,Cを
形成し、メッシュ状の篩144A,B,Cの網目の孔径
を逐次小さくするようにしている。これにより篩144
Aでは固形分が含有された液体が流れ落ちるが次の篩1
44Bで殆ど固形分が取り除かれ、最後は液体のみが分
離されることになり、分離効率が向上する。この固液分
離装置によれば、多段に構成された傾斜台143A〜C
に設けられた孔径が漸次小さくなったメッシュ状の篩1
44A〜Cを順次通過することによって、固液分離性能
を上げることができる。さらに、スラッジ141を一定
量づつ処理するバッチ処理方式に加えて、スラッジ14
1を連続供給することにより連続処理方式とすることも
できる。そして、容器145へ貯められた抽出液Bは次
工程の濃縮・溶解槽106へ送られ、抽出液Bがほとん
ど分離された固形分104は、この後廃棄処理される。
【0121】[第9の実施の形態]本発明の第9の実施
の形態について、図16により説明する。本実施の形態
では、固液分離した後の固形分Aからダイオキシン類を
抽出剤105で効率よく抽出することのできる抽出装置
の一例である。図16に示すように、本実施の形態にか
かる抽出装置は、固形分A中のダイオキシン類を抽出剤
で抽出する抽出カラム151と、該抽出カラム151か
ら抽出液を抜き出し、抽出液を濃縮する濃縮カラム15
2と、該濃縮カラム152から回収された抽出剤を回収
し、前記抽出カラム151へ再度抽出剤105を供給す
る第1及び第2の回収・供給カラム153A,153B
とからなるもので、第1の回収・供給カラム153Aか
らの抽出剤105を抽出カラムへ151供給し、投入さ
れた固形分Aからダイオキシン類を抽出する一方、濃縮
カラム152からの抽出剤105の回収を第2の回収・
供給カラム153Bで行うようにしたものである。前記
濃縮カラム152には加熱手段155が設けられてお
り、また、第1,第2の回収・供給カラム153A,1
53Bには、加熱手段155及び冷却手段156が設け
られており、配管157により接続され、第1〜第5の
弁158−1〜158−5により所定箇所を開閉状態と
している。
【0122】前記構成において、先ず、第1の弁158
−1及び第5の弁158−5を開状態とし、その他の弁
を閉状態とする。 前記抽出カラム151内に乾燥した固形分Aを投入
すると共に、抽出剤105であるトルエンを第1の回収
カラム153Aから加熱して注入し、ヒータ155で加
熱しつつダイオキシン類の抽出を開始する。 一方、すでに濃縮カラム152に移しておいた、ダ
イオキシン類抽出済の抽出液Bを加熱手段155で加熱
し、抽出剤105のトルエンを空の第2の回収カラム1
53B内へ回収しつつ、濃縮をおこなう。 濃縮カラム152内の抽出剤105の回収した後、
抽出カラム151内で抽出した抽出液Bを濃縮カラム1
52へ移行する。 次に、弁158−1〜5の開閉状態を逆転させ、第
2のカラム153B内のトルエンを加熱し、抽出カラム
151へ注入し、再度抽出を開始する。 前記の濃縮カラム152に移しておいたダイオキ
シン類抽出済の抽出液Bを加熱し、第1の回収カラム1
53Aへ回収し、濃縮を行う。前記抽出液B中のダイオ
キシン類は濃縮カラム152で濃縮され、このような操
作を繰り返すことにより、抽出剤105を再利用しつつ
抽出及び濃縮効率を向上させる。
【0123】前記抽出カラム151内での固形分Aから
のダイオキシン類の抽出効率を向上させるためには、抽
出溶媒と固形分との接触効率を向上させること、及び抽
出カラムにおいてダイオキシン類抽出済抽出剤105を
極力灰に接触することなく、抜き取ることが肝要であ
る。
【0124】図17には、固形物Aから抽出剤105で
ダイオキシン類を効率よく抽出でき、該抽出液Bを効率
よく抜き取ることができる抽出カラムの好適な例を示
す。図17(A)は、抽出カラム160A内に、固形分
Aと共に充填物161を投入し、該充填物161により
分散した空間162を形成するようにしている。
【0125】図17(B)は、抽出カラム160B内
に、該カラムの軸方向に沿って抽出剤が通過するメッシ
ュ状の円柱管162を挿入し、該メッシュを抽出液Bが
通過するようにしている。前記メッシュの網径は異径又
は同径でもよく、メッシュが重なるように配置すること
で固形分Aの流出を防止するようにしている。
【0126】図17(C)は、抽出カラム160C内
に、該カラム160Cの軸方向と約90℃の角をなす方
向に複数の邪魔板163を設けてなり、抽出カラム16
0Cを反転自在とし、抽出効率を向上させるようにして
いる。
【0127】このようにすることで、固形分Aの中にお
いて、抽出剤105の流路となる分散した空間が形成さ
れ、ダイオキシン類を抽出した抽出剤105が固形分A
の中に閉じ込められることを防止するようにしている。
【0128】[第10の実施の形態]第10の実施の形
態は、図18に示すように、図1に示す第1の実施の形
態の分解装置において、抽出槽100において灰1中の
ダイオキシン類を抽出剤105で抽出した後、濃縮・溶
解槽106内において該抽出液Bを濃縮し、アルカリ性
アルコール溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭化水素
溶媒14に溶かして処理液Cとし、この処理液Cに直接
電子線を照射して、ダイレクトにダイオキシン類を分解
するようにしたものである。なお、第1の実施の形態と
同一の部材については同符号を付して説明を省略する。
【0129】図18に示すように、第10の実施の形態
では、灰(又は土壌)1を酸101で酸処理し、該酸溶
解濾液103を排出した後、残留した固形分A中のダイ
オキシン類を抽出剤105で抽出する溶解・抽出槽10
0と、前記抽出液Bにアルカリ性アルコール溶媒又はア
ルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒107を添加して
溶解させて処理液Cとする溶解槽171と、該溶解槽1
71の開口部に電子線26を照射する電子線照射手段2
5を設けてなるものである。前記酸処理した後にダイオ
キシン類を抽出した抽出液Bに、アルカリ性アルコール
溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒107
を添加し、電子線26を照射することで、抽出されたダ
イオキシン類がほぼ全部分解されることとなる。なお、
このようなバッチ式の処理の場合には、電子線26は溶
媒の液面から数mm程度の深さ(使用されるビームエネ
ルギーに依存する深さ)まで照射効果が発揮されるの
で、攪拌手段110により、処理液を攪拌しつつ分解物
が常に上層近傍となるようにして照射することが必須と
なる。これによれば、上述したような回転テーブル等が
不要となり、装置のコンパクト化を図ることができる。
なお、電子線の照射により分解されたダイオキシン類が
なくなった油分,付着KCl及び灰等の固形分は溶媒回
収後、廃棄される。
【0130】[第11の実施の形態]第11の実施の形
態は、図1に示す第1の実施の形態の分解装置にかかる
抽出槽100において、灰1を前処理する酸洗処理後の
塩酸廃液を再利用するようにしたものである。第1の実
施の形態を示す図1においては、前記溶解・抽出槽10
0から抜き出された酸溶解濾液103は、濾液槽81へ
集められ、別途中和処理を施した後、重金属処理を行う
ようにしている。本実施の形態では、中和処理のための
中和剤(例えば水酸化ナトリウム等)を用いて処理する
代わりに、新たに有機ハロゲン系化合物を処理する飛灰
の酸処理のために使用し、中和した中和処理液は、従来
と同様に重金属処理するようにしたものである。これに
より、中和剤を用いることなく、塩酸廃液が処理できる
と共に、新たな灰処理の塩酸の使用量の低減を図ること
ができる。
【0131】以下、図1における処理装置において、酸
溶解濾液103の廃液処理を模式化した図19を参照し
て、塩酸廃液の再利用について説明する。図19では、
第1回処理、第2回処理、第3回処理の灰をそれぞれ飛
灰1A、1B、1Cとしている。なお、処理時間の関係
から第1回処理〜第3回処理が第1日の処理〜第3日の
処理とするようにしてもよいが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0132】(1) 先ず、第1回処理においては、処理
の開始であるので、ネット201内に入れられた飛灰1
Aは溶解・抽出槽100において、新品の塩酸(HC
l)101を用いて酸処理(pH3以下)がなされる。
酸溶解濾液103は固液分離された後、濾液槽81へ移
行される。固形分Aがネット201内に残された溶解・
抽出槽100では抽出剤105としてトルエンが投入さ
れ、ダイオキシン類等の有機ハロゲン系化合物を抽出す
る。その後は濃縮され、前述したのと同様に電子線によ
りダイオキシン類処理(*1)がなされる。ここで、固
液分離された濾液槽81内の酸溶解濾液103は、pH
が3以下となっている。 (2) 第2回処理においては、濾液槽81内で前記酸溶
解濾液(pH3以下)103を用いて飛灰1Bの酸処理
を行い、中和処理液(pH6〜8)202を得る。該中
和処理液202は、別途重金属処理(*2)がなされ
る。次いで、前記酸溶解濾液103により一部塩酸処理
したネット201内に入れられた飛灰1Bは溶解・抽出
槽100へ移行し、新品の塩酸101を投入して残りの
酸処理(pH3以下)を行う。 酸処理後は、第1回処
理と同様に、トルエン105を用いて、ネット201内
の固形分Aからダイオキシン類の抽出処理を行い、ダイ
オキシン類処理(*1)がなされる。 (3) 第3回処理においては、第2回処理の酸溶解濾液
(pH3以下)103を用いて飛灰1Cの酸処理を行
い、pH6〜8として中和処理液202を得る。その
後、ネット201内に入れられた飛灰1Bを溶解・抽出
槽100へ移行し、新品の塩酸101を投入して酸処理
(pH3以下)する。酸処理後は、トルエン105を用
いて、ダイオキシン類の抽出処理を行い、第1,2回と
同様にダイオキシン類処理(*1)がなされる。また、
酸溶解濾液103は第4回目の酸処理に再利用される。
【0133】このようにして、第1の実施の形態におい
ては、酸溶解濾液103は中和剤を用いて中和処理をし
た後、重金属処理していたものを、中和剤で中和する代
わりに、飛灰1を用いて中和処理し、同時に飛灰を酸溶
解濾液で酸処理することにより、中和剤が不要となると
共に、塩酸の使用量を低減することができる。塩酸の使
用量の低減はpH3の酸液をpH6〜8まで中和する場
合、約20%程度になる。よって、第2回目以降の処理
では、酸溶解・中和槽100で約8割程度の新品の酸処
理量でよいことになり、酸処理における塩酸の総使用量
の低減を図ることができる。
【0134】また、図19に示したようにネット201
を使用しない場合には、先ず酸溶解濾液103をpH6
〜8まで中和する飛灰1を投入(約20〜30%)して
固形物Aとし、残りの飛灰1を酸溶解・中和槽100で
別途塩酸処理して固形物Aとし、固形物Aを合わせてト
ルエン等の抽出剤105でダイオキシン類を抽出するよ
うにしてもよい。
【0135】[第12の実施の形態]第12の実施の形
態は、図1に示す第1の実施の形態の分解装置におい
て、溶解・抽出槽100でダイオキシン類を抽出する代
わりにCO2 を用いた超臨界流体抽出(SFE:Superc
ritical Fluid Extraction)を用いてダイオキシン類を
直接抽出するようにしたものである。
【0136】図20に示すように、第12の実施の形態
では、灰(又は土壌)1を二酸化炭素(CO2 )を抽出
溶媒とし、該灰1中のダイオキシン類を抽出する超臨界
抽出手段211と、前記超臨界抽出手段211からの二
酸化炭素をアルカリ性アルコール溶媒又はアルカリを添
加した脂肪族炭化水素溶媒107中にバブリングにより
導入して、該溶媒中にダイオキシン類を溶解させて処理
液Cとする濃縮・溶解槽106と、前記処理液Cを移送
する移送手段22と、前記移送手段22上の処理液21
aに向って電子線26を照射する電子線照射手段25と
を備えてなるものである。この装置によれば、灰1を超
臨界抽出法により二酸化炭素で抽出し、二酸化炭素で抽
出された灰1中に包含されているダイオキシン類を抽出
し、該アルカリ性アルコール溶媒又はアルカリを添加し
た脂肪族炭化水素溶媒107で溶解させて処理液Cと
し、処理液中のダイオキシン類を電子線を照射して脱ハ
ロゲン化反応により分解処理することができる。
【0137】前記超臨界抽出手段211は、図20に示
すように、耐圧容器本体212の上下にシール用ガスケ
ットを介してボルトにて締結された上蓋213Aと下蓋
213Bとからなり、本体212の周囲には断熱材21
4が設けられており、該断熱材214の内部には加熱手
段215が設けられている。前記耐圧容器212の上蓋
213Aには、外部に設けた二酸化炭素ボンベ216が
導入管217を介して接続され、該導入管217には、
必要に応じて添加剤218及び溶解補助剤219を導入
する導入管220,221が接続されている。ボンベ2
16の圧力でCO2 ガスを容器212内に注入し、その
後加温して内部の圧力を上昇させ、31.1℃以上、73
気圧以上の超臨界条件にしている。なお、二酸化炭素ボ
ンベ216の代わりにドライアイスを用いるようにして
もよい。また、図20に示すように、必要に応じて導入
管217にコンプレッサ222を介装し、二酸化炭素ボ
ンベ216から該コンプレッサ222により二酸化炭素
を昇圧して耐圧容器本体212に注入するようにしても
よい。ここで、灰中からダイオキシン類等を抽出する抽
出条件は、温度が32〜50℃、圧力が75〜150気
圧とするのが好ましい。また、二酸化炭素を用いた超臨
界抽出法において一般的に使用される添加剤218とし
ては、例えばトリフルオロ酢酸等を例示することができ
る。また、超臨界抽出法においてダイオキシン類を抽出
するためには溶解補助剤219としてIPA(イソ・プ
ロピルアルコール)やエタノール等を添加するようにし
てもよい。
【0138】本実施の形態では、前述したトルエン等の
有機溶媒を使用する場合に較べ、溶媒と飛灰との固液分
離が容易となると共に、有機溶媒の蒸発回収装置が不要
となる。抽出で使用した二酸化炭素はダイオキシン類を
溶解した後は、フィルタで清浄化して大気中に放出でき
るからである。また、固液分離する場合に必要な分離手
段が不要となり、設備の簡略化を図ることができる。ま
た、有機溶媒での抽出処理の場合には、塩酸等による十
分な酸処理が必要となるが当該処理が不要ないし軽微と
なると共に、酸処理の廃液の処理設備が不要ないしは軽
微となり、設備の簡略化を図ることができる。
【0139】
【実施例】本発明の好適な実施例につき、図面を参照し
て説明する。図21は本発明の実施例を示す概念図、図
22はその配置図、図23は本実施例によるダイオキシ
ン濃度比と線量の関係を示す図である。
【0140】図21に示すように、本実施例にかかる分
解装置は、灰(又は土壌)1を酸101で酸処理する酸
溶解槽121と、酸溶解槽121での処理物を固液分離
する第1の固液分離手段122と、固液分離した後の酸
溶解濾液103を排出した後、固形分Aを乾燥し、水分
含量を1重量%とする乾燥手段123と、乾燥後固形分
A中のダイオキシン類を抽出剤105で抽出する抽出槽
124と、ダイオキシン類を抽出した後の固形分残渣1
25と抽出液Bとを分離する第2の固液分離手段126
と、前記抽出液B中の抽出剤105を回収装置127で
回収しつつ濃縮する濃縮槽128と、該濃縮槽128で
濃縮された濃縮液129にアルカリ性アルコール溶媒又
はアルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒107を添加
して溶解させて処理液Cとする溶解槽130と、前記処
理液を移送する移送手段22と、前記移送手段22上の
処理液21aに向って電子線26を照射する電子線照射
手段25とを備えてなるものである。
【0141】図22はその配置図の概略である。この配
置はトレーラーの台車70に本装置を載置する場合であ
る。図22(A)は平面図であり、図中、左側から酸タ
ンク71、抽出処理残渣タンク72、酸溶解槽121、
抽出槽124、回収槽127、濃縮槽128、溶剤回収
装置73、溶解槽130、移送手段22である回転テー
ブル、電子線照射手段25、貯蔵部28及び電子線電源
・制御手段74がコンパクトに配置されている。なお、
正面図を示す図22(B)の符号132は、ネットを吊
り下げる吊下装置である。
【0142】本実施例によれば、投入する飛灰の量を1
00とした場合、酸処理により、固形分Aの量は約20
〜10となり、約1/5〜1/10程度減容化された。
また、本実施例ではpHを7程度として溶解処理を行っ
た。酸処理、抽出処理及び電子線分解処理は各々同程度
の時間で処理を行い、飛灰約1000〜2000kgを
一日で処理することが可能である。よって、灰をそのま
ま溶媒等でダイオキシン類を抽出処理する場合と較べ
て、処理設備を極めてコンパクトにすることができた。
【0143】図23に本実施例のダイオキシン類の電子
線による分解の効果を示す。図23に示すように、線量
が100kGy以下の約50kGy程度で、灰中のダイ
オキシン類が50ng/gの場合、99%以上分解する
ことができた。
【0144】<比較例>これに対し、特開平3−178
389号公報に開示するように、水分含量50重量%と
して、アルカリ性溶媒を添加せず、ペースト状に混練
し、1000kGyのγ線を照射した場合では、82〜
92%の分解率であった。
【0145】また、本発明では、従来のような高いエネ
ルギー量での照射(約1000kGy程度のγ線照射)
によるダイオキシン類の分解処理により、環状構造中の
酸素原子に作用して環状構造を開いてベンゼン環に塩素
を残存したままバラバラに分解するものとは異なり、線
量の極めて低い電子線の照射によって脱塩素反応によ
り、塩素フリーの状態とし、分解効率99%を達成する
ことができた。
【0146】また、装置全体をコンパクトにでき、さら
に線量も極めて少ないので、遮蔽手段も簡易なものとな
り、トレーラーに載置して移動することができ、恒久的
に処理設備を設置することなく、ダイオキシン類等の有
害物質を迅速に処理することができた。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の[請求項
1]の発明によれば、灰又は土壌中の有機ハロゲン系化
合物を抽出剤で抽出する抽出手段と、前記抽出液にアル
カリ性アルコール溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭
化水素溶媒を添加して溶解させて処理液とする溶解槽
と、前記処理液を移送する移送手段と、前記移送手段上
の処理物に向って電子線を照射する電子線照射手段とを
備え、処理液中の有機ハロゲン系化合物を分解処理する
ので、灰中の有機ハロゲン系化合物を抽出処理でき、電
子線による分解処理を行うことができる。また、電子線
照射によって極短時間に高効率でダイオキシン類を分解
することができるので装置を小型化することが可能とな
り、設備費及び運転費を従来方式に比べて大幅に低減さ
せることができる。
【0148】[請求項2]の発明によれば、上記抽出手
段が、灰又は土壌を酸溶液で酸処理し、該酸処理液を排
出した後、残留した固形分中の有機ハロゲン系化合物を
抽出剤で抽出する溶解・抽出手段であるので、灰を酸性
溶液で溶解し、該灰の外被を溶かすこととなり、有機ハ
ロゲン系化合物の抽出処理を効率的に行うことができ
る。
【0149】[請求項3]の発明によれば、前記溶解・
抽出手段が、灰又は土壌を酸溶液で酸処理する酸処理槽
と、酸処理後の固形分中の有機ハロゲン系化合物を抽出
剤で抽出する抽出槽とからなるので、溶解処理及び抽出
処理を効率的に行うことができる。
【0150】[請求項4]の発明によれば、前記溶解・
抽出槽が、灰又は土壌を耐酸性のネット袋に投入し、該
ネット袋ごと酸溶液で酸処理する溶解槽と、酸処理後の
ネット内の固形分中の有機ハロゲン系化合物を抽出剤で
抽出する抽出槽とからなるので、溶解処理及び抽出処理
をネットのまま行うことができ作業性が向上する。
【0151】[請求項5]の発明によれば、前記溶解・
抽出手段で抽出した抽出液を濃縮して濃縮液とし、該濃
縮液にアルカリ性アルコール溶媒又はアルカリを添加し
た脂肪族炭化水素溶媒を添加して溶解させるので、濃縮
により処理量を減量することができ、コンパクトな装置
での分解が可能となる。
【0152】[請求項6]の発明によれば、酸処理後の
固液分離が、傾斜した篩手段に取り出して固形分と酸溶
液とを分離するので、固液分離が容易となる。
【0153】[請求項7]の発明によれば、前記抽出剤
で処理した後の固液分離が、傾斜した篩手段に取り出し
て固形分と抽出剤とを分離するので、固液分離が容易と
なる。
【0154】[請求項8]の発明によれば、前記篩手段
が多段であり、下段側になるにつれて篩径を漸次小さく
してなるので、分離効率の向上を図ることができる。
【0155】[請求項9]の発明によれば、前記抽出剤
で抽出処理した後に固液分離し、固形分が残った抽出槽
内に水を投入し、固形分に付着した抽出剤を上層に浮遊
させ、該上層を前記分離した抽出剤と共に濃縮処理する
ので、付着した抽出剤を系外に排出することがない。
【0156】[請求項10]の発明によれば、請求項2
乃至5のいずれか一項において、前記抽出剤での抽出
が、固形分中の有機ハロゲン系化合物を抽出剤で抽出す
る抽出カラムと、該抽出カラムから抽出液を抜き出し、
抽出液を濃縮する濃縮カラムと、該濃縮カラムから回収
された抽出剤を回収し、前記抽出カラムへ再度抽出剤を
供給する第1及び第2の回収・供給カラムとからなり、
第1の回収・供給カラムからの抽出剤を抽出カラムへ供
給し、固形分から有機ハロゲン系化合物を抽出する一
方、濃縮カラムからの抽出剤の回収を第2の回収・供給
カラムで行うので、抽出効率が向上する。
【0157】[請求項11]の発明によれば、請求項1
0において、前記抽出カラム内に、固形分と共に充填物
を投入し、該充填物により分散した空間を形成するの
で、抽出効率が向上する。
【0158】[請求項12]の発明によれば、請求項1
0において、前記抽出カラム内に、カラムの軸方向に沿
ってその側面から抽出剤が通過する円柱管を一本又は複
数本挿入してなるので、抽出効率が向上する。
【0159】[請求項13]の発明によれば、請求項1
0において、前記抽出カラム内に、カラムの軸方向とほ
ぼ90度の角をなす方向に複数の邪魔板を設けてなり、
抽出カラムを反転自在としたので、抽出効率が向上す
る。
【0160】[請求項14]の発明によれば、前記有機
ハロゲン系化合物を抽出する抽出液がトルエンであるの
で、ダイオキシン類等有機ハロゲン系化合物の抽出が良
好である。
【0161】[請求項15]の発明によれば、請求項1
において、前記抽出手段が超臨界二酸化炭素を抽出溶媒
とした超臨界流体抽出手段であるので、有機ハロゲン系
化合物の抽出を有機溶媒を使用する場合に較べ、溶媒と
飛灰との固液分離が容易となると共に、有機溶媒の蒸発
回収装置が不要となり、また、抽出で使用した二酸化炭
素はダイオキシン類を溶解した後は、フィルタで清浄化
して大気中に放出でき、処理効率の向上及び装置が簡素
化される。
【0162】[請求項16]の発明によれば、前記アル
カリ性アルコール溶液が、水酸化カリウム又は水酸化ナ
トリウムと、イソプロピルアルコール,エチルアルコー
ルのいずれか一種の混合液、又は、前記アルカリを添加
した脂肪族炭化水素溶媒が、水酸化カリウム又は水酸化
ナトリウムと、ペンタン,ヘキサン,ウンデカン,ペン
タデカン,ヘプタデカンのいずれか一種の混合液である
ので、抽出物の溶解が容易となり、電子線照射による分
解が簡易にできる。
【0163】[請求項17]の発明によれば、前記電子
線照射手段により電子線を照射した後の処理済液を前記
移送手段から取出すスクレーパを設けたので、分解処理
後の処理物を速やかに移動手段から取り出すことができ
る。
【0164】[請求項18]の発明によれば、前記スク
レーパによって取り出された処理済液を受け入れる貯蔵
部を設けたので、分解処理後の被処理物を貯蔵すること
ができる。
【0165】[請求項19]の発明によれば、前記移送
手段が上面に凹溝を有する回転テーブルであるので、該
回転に伴い被処理物を薄膜状化することが容易となり、
薄膜状であるので、分解処理効率が向上する。
【0166】[請求項20]の発明によれば、前記移送
手段の上面に形成した凹溝が外周側が高く、内側に向か
って傾斜してなるので、回転した場合でも常に均一の薄
い膜厚を保持しつつ分解処理でき、分解処理効率が向上
する。
【0167】[請求項21]の発明によれば、前記移送
手段上面の被処理物の接触面に電子線反射体を設けたの
で、電子線の反射効率を向上させることができる。
【0168】[請求項22]の発明によれば、前記溶解
・抽出槽内の灰又は固形分加振する超音波発生手段を設
けたので、溶解処理又は抽出処理をさらに助長させるこ
とができるとともに、超音波照射による気泡の衝撃波に
より有機ハロゲン系化合物を一部分解することができ
る。
【0169】[請求項23]の発明によれば、溶解槽内
の処理液を加振する超音波発生手段を設けたので、溶解
作用をさらに助長させることができるとともに、超音波
照射による気泡の衝撃波により有機ハロゲン系化合物を
一部分解することができる。
【0170】[請求項24]の発明によれば、前記抽出
槽の槽内に抽出液を加熱する加熱コイルを設けると共に
抽出液を濃縮する回収装置と、前記処理液を加熱する加
熱コイルとを設けたので、電子線照射によるダイオキシ
ンの分解処理が常温近傍において行われる設備構成とす
ることができ、熱エネルギー損失が少なく操作を安全に
行うことができ、運転費を従来方式に比べて大幅に低減
させることができる。
【0171】[請求項25]の発明によれば、前記回収
装置が低真空ポンプ又はコンプレッサと、空冷ファンと
空冷タンク又は水冷タンクから構成されているので、溶
媒の回収効率が向上する。
【0172】[請求項26]の発明によれば、前記加熱
コイルが自家発電機の駆動エンジンの温水を循環させれ
ることによって加熱されるものであるので、該発電機に
よって電力を賄い、水など本装置以外からユーティリテ
ィを必要としないので、電力、水などのユーティリティ
がない場所でも、ダイオキシン分解処理を行うことがで
きる。
【0173】[請求項27]の発明によれば、請求項2
又は3において、前記酸処理液を固液分離した後、再利
用するので、酸溶解濾液を廃棄することなく、灰の溶解
に再利用することができ、酸溶解処理の酸使用量の低減
を図ることができる。
【0174】[請求項28]の発明によれば、前記有機
ハロゲン系化合物の分解処理装置を据え付け台上に搭載
し、運搬できるようにしたので、任意の場所へ有機ハロ
ゲン系化合物の分解処理装置を移動させることができ
る。
【0175】[請求項29]の発明によれば、前記記載
の有機ハロゲン系化合物の分解処理装置を移動台車上に
搭載し、移動できるようにしたので、任意の場所へ有機
ハロゲン系化合物の分解処理装置を可搬移動又は自走も
しくは牽引により移動させることができる。
【0176】[請求項30]の有機ハロゲン系化合物の
分解処理方法の発明によれば、灰又は土壌中の有機ハロ
ゲン系化合物を抽出剤で抽出し、該抽出液をアルカリ性
アルコール溶媒又はアルカリを添加した脂肪族炭化水素
溶媒で希釈して処理液とし、該処理液に電子線を照射し
て、処理液中の有機ハロゲン系化合物を分解処理するの
で、灰又は土壌中の有機ハロゲン系化合物を電子線によ
り効率よく分解処することができる。
【0177】[請求項31]の有機ハロゲン系化合物の
分解処理方法の発明によれば、請求項30において、灰
又は土壌を酸溶液で処理した後に、酸処理後の固形分か
ら有機ハロゲン系化合物を抽出剤で抽出するので、灰等
の外被を酸で溶解処理し、灰等の内部の有機ハロゲン系
化合物を効率的に抽出ができ、さらに分解処理効率が向
上する。
【0178】[請求項32]の発明は、灰又は土壌を超
臨界二酸化炭素を抽出溶媒として超臨界流体抽出によ
り、有機ハロゲン系化合物を抽出するので、灰等から直
接有機ハロゲン系化合物を効率よく、抽出でき、さらに
分解処理効率が向上する。
【0179】[請求項33]の発明は、前記処理物を移
送させつつ薄膜状の処理液とし、該薄膜状の処理液に電
子線を照射するので、処理効率が向上する。
【0180】[請求項34]の発明は、前記処理液中の
有機ハロゲン系化合物を脱ハロゲン化反応により分解処
理する電子線量が低いものとしたので、少ない線量にお
いても効率的な有機ハロゲン系化合物の分解処理が可能
となる。
【0181】[請求項35]の発明によれば、前記処理
液中の有機ハロゲン系化合物を脱ハロゲン化反応により
分解処理する電子線量が500kGy以下であるので、
少ない線量においても効率的な有機ハロゲン系化合物の
分解処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図2】図1におけるA−A矢視図である。
【図3】本発明ダイオキシン濃度比と吸収線量との関係
を示すグラフである。
【図4】本発明による第2の実施の形態を示す混合器の
概念図である。
【図5】本発明による第3の実施の形態を示す移送手段
の概念図である。
【図6】本発明による第4の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図7】本発明による第5の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図8】第5の実施の形態の回転テーブルの説明図であ
る。
【図9】吸収線量と深さ方向との関係を示すグラフであ
る。
【図10】本発明による第6の実施の形態を示す概念図
である。
【図11】本発明による第7の実施の形態を示す概念図
である。
【図12】本発明による第7の実施の形態を示す処理工
程図である。
【図13】本発明による第8の実施の形態を示す概念図
である。
【図14】第8の実施の形態の固液分離装置の概略図で
ある。
【図15】第8の実施の形態の他の固液分離装置の概略
図である。
【図16】本発明による第9の実施の形態を示す概念図
である。
【図17】第9の実施の形態の抽出装置の概略図であ
る。
【図18】本発明による第10の実施の形態を示す概念
図である。
【図19】本発明による第11の実施の形態を示す概念
図である。
【図20】本発明による第12の実施の形態を示す概念
図である。
【図21】本発明の実施例を示す概念図である。
【図22】実施例の配置図である。
【図23】本実施例のダイオキシン濃度比と吸収線量と
の関係を示すグラフである。
【図24】従来技術による電気抵抗溶融炉の一例を示す
概念図である。
【図25】従来技術による熱分解炉の一例を示す概念図
である。
【符号の説明】
A 固形分 B 抽出液 C 処理液 1 灰 2 灰受入装置 20 供給手段 21 処理液 21a 薄膜状の処理液 21b 分解処理済の処理液 22 移送手段 23,51 凹溝 24,52 スクレーパ 25 電子線照射手段 26 電子線 27 制御部 28 貯蔵部 30 撹拌翼 31 溶媒 32 界面活性剤 41 超音波発生手段 42 電子線反射体 46 移動台車 47 据え付け台 71 酸タンク 72 抽出処理残渣タンク 73 溶剤回収装置 74 電子線電源・制御手段 81 濾液槽 82 加熱コイル 83 管路 84 回収装置 85 低真空ポンプ(又はコンプレッサ) 86 空冷ファン 87 空冷タンク 88 溶媒回収装置 89 管路 90 低真空ポンプ(又はコンプレッサ) 91 空冷ファン 92 空冷タンク 93 ラジエータ 94 水冷エンジン 95 自家発電機 96 戻り配管 97 供給配管 98 電力ケーブル 100 溶解・抽出槽 101 酸 103 酸溶解濾液 104 固形分 105 抽出剤 106 濃縮・溶解槽 107 アルカリ性アルコール溶媒又はアルカリを添加
した脂肪族炭化水素溶媒 108 残渣 121 酸溶解槽 122 第1の固液分離手段 123 乾燥手段 124 抽出槽 125 固形分残渣 126 第2の固液分離手段 127 回収槽 128 濃縮槽 129 濃縮液 130 溶解槽 131 耐酸性のネット袋 132 吊下装置 133 吊具 141 スラッジ 142 固液分離装置 143,143A〜C 傾斜台 144,144A〜C メッシュ状の篩 145,147 受け入れ容器 151 抽出カラム 152 濃縮カラム 153A 第1の回収・供給カラム 153B 第2の回収・供給カラム 155 加熱手段 156 冷却手段 157 配管 158−1〜158−5 弁 160A〜C 抽出カラム 161 充填物 162 円柱管 163 邪魔板 171 溶解槽 201 ネット 202 中和処理液 211 超臨界抽出手段 212 耐圧容器本体 213A 上蓋 213B 下蓋 214 断熱材 215 加熱手段 216 二酸化炭素ボンベ 217 導入管 218 添加剤 219 溶解補助剤 220,221 導入管 222 コンプレッサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 5/00 ZAB (72)発明者 小笠原 弘明 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 若元 郁夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 飯田 耕三 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 栗田 耕一 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BB01 BC01 BC05 BD11 BD17 4D004 AA36 AA41 AB06 AB07 AC05 AC10 CA01 CA13 CA22 CA34 CA35 CA41 CA42 CA43 CA50 CB09 CB32 CB45 CB50 CC01 CC04 CC12 CC15 DA03 DA20

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 灰又は土壌中の有機ハロゲン系化合物を
    抽出剤で抽出する抽出手段と、 前記抽出液にアルカリ性アルコール溶媒又はアルカリを
    添加した脂肪族炭化水素溶媒を添加して溶解させて処理
    液とする溶解槽と、 前記処理液を移送する移送手段と、 前記移送手段上の処理物に向って電子線を照射する電子
    線照射手段とを備え、処理液中の有機ハロゲン系化合物
    を分解処理することを特徴とする有機ハロゲン系化合物
    の分解処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記抽出手段が、灰又は土壌を酸溶液で酸処理し、該酸
    処理液を排出した後、残留した固形分中の有機ハロゲン
    系化合物を抽出剤で抽出する溶解・抽出手段であること
    を特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記溶解・抽出手段が、 灰又は土壌を酸溶液で酸処理する酸処理槽と、 酸処理後の固形分中の有機ハロゲン系化合物を抽出剤で
    抽出する抽出槽とからなることを特徴とする有機ハロゲ
    ン系化合物の分解処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 前記溶解・抽出槽が、 灰又は土壌を耐酸性のネット袋に投入し、該ネット袋ご
    と酸溶液で酸処理する溶解槽と、 酸処理後のネット内の固形分中の有機ハロゲン系化合物
    を抽出剤で抽出する抽出槽とからなることを特徴とする
    有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれか一項におい
    て、 前記溶解・抽出手段で抽出した抽出液を濃縮して濃縮液
    とし、該濃縮液にアルカリ性アルコール溶媒又はアルカ
    リを添加した脂肪族炭化水素溶媒を添加して溶解させる
    ことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3において、 酸処理後の固液分離が、傾斜した篩手段に取り出して固
    形分と酸溶液とを分離することを特徴とする有機ハロゲ
    ン系化合物の分解処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項2乃至5のいずれか一項におい
    て、 前記抽出剤で処理した後の固液分離が、傾斜した篩手段
    に取り出して固形分と抽出剤とを分離することを特徴と
    する有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、 前記篩手段が多段であり、下段側になるにつれて篩径を
    漸次小さくしてなることを特徴とする有機ハロゲン系化
    合物の分解処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至5のいずれか一項におい
    て、 前記抽出剤で抽出処理した後に固液分離し、固形分が残
    った抽出槽内に水を投入し、固形分に付着した抽出剤を
    上層に浮遊させ、該上層を前記分離した抽出剤と共に濃
    縮処理することを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分
    解処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項2乃至5のいずれか一項におい
    て、 前記抽出剤での抽出が、固形分中の有機ハロゲン系化合
    物を抽出剤で抽出する抽出カラムと、該抽出カラムから
    抽出液を抜き出し、抽出液を濃縮する濃縮カラムと、該
    濃縮カラムから回収された抽出剤を回収し、前記抽出カ
    ラムへ再度抽出剤を供給する第1及び第2の回収・供給
    カラムとからなり、 第1の回収・供給カラムからの抽出剤を抽出カラムへ供
    給し、固形分から有機ハロゲン系化合物を抽出する一
    方、濃縮カラムからの抽出剤の回収を第2の回収・供給
    カラムで行うことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の
    分解処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記抽出カラム内に、固形分と共に充填物を投入し、該
    充填物により分散した空間を形成することを特徴とする
    有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項10において、 前記抽出カラム内に、カラムの軸方向に沿って抽出剤が
    その側面から通過する円柱管を1本又は複数本挿入して
    なることを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項10において、 前記抽出カラム内に、カラムの軸方向とほぼ90度の角
    度をなす方向に複数の邪魔板を設けてなり、抽出カラム
    を反転自在としたことを特徴とする有機ハロゲン系化合
    物の分解処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項1又は2において、 前記有機ハロゲン系化合物を抽出する抽出剤がトルエン
    であることを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処
    理装置。
  15. 【請求項15】 請求項1において、 前記抽出手段が超臨界二酸化炭素を抽出溶媒とした超臨
    界流体抽出手段であることを特徴とする有機ハロゲン系
    化合物の分解処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項1において、 前記アルカリ性アルコール溶液が、水酸化カリウム又は
    水酸化ナトリウムと、イソプロピルアルコール,エチル
    アルコールのいずれか一種の混合液、又は、 前記アルカリを添加した脂肪族炭化水素溶媒が、水酸化
    カリウム又は水酸化ナトリウムと、ペンタン,ヘキサ
    ン,ウンデカン,ペンタデカン,ヘプタデカンのいずれ
    か一種の混合液であることを特徴とする有機ハロゲン系
    化合物の分解処理装置。
  17. 【請求項17】 請求項1において、 前記電子線照射手段により電子線を照射した後の処理済
    液を前記移送手段から取出すスクレーパを設けたことを
    特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  18. 【請求項18】 請求項17において、 前記スクレーパによって取り出された処理済液を受け入
    れる貯蔵部を設けたことを特徴とする有機ハロゲン系化
    合物の分解処理装置。
  19. 【請求項19】 請求項1において、 前記移送手段が上面に凹溝を有する回転テーブルである
    ことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装
    置。
  20. 【請求項20】 請求項19において、 前記移送手段の上面に形成した凹溝が外周側が高く、内
    側に向かって傾斜してなることを特徴とする有機ハロゲ
    ン系化合物の分解処理装置。
  21. 【請求項21】 請求項1において、 前記移送手段上面の被処理物の接触面に電子線反射体を
    設けたことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処
    理装置。
  22. 【請求項22】 請求項2において、 前記溶解・抽出手段の処理液を加振する超音波発生手段
    を設けたことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解
    処理装置。
  23. 【請求項23】 請求項1において、 前記溶解槽内の処理液を加振する超音波発生手段を設け
    たことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装
    置。
  24. 【請求項24】 請求項2において、 前記溶解・抽出手段内に抽出液を加熱する加熱コイルを
    設けると共に抽出液を濃縮する回収装置と、 前記処理液を生成する溶解槽に処理液を加熱する加熱コ
    イルとを設けたことを特徴とする有機ハロゲン系化合物
    の分解処理装置。
  25. 【請求項25】 請求項24において、 前記回収装置が低真空ポンプ又はコンプレッサと、空冷
    ファンと空冷タンク又は水冷タンクから構成されている
    ことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装
    置。
  26. 【請求項26】 請求項25において、 前記加熱コイルが自家発電機の駆動エンジンの温水を循
    環させることによって加熱されるものであることを特徴
    とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  27. 【請求項27】 請求項2又は3において、 前記酸処理液を固液分離した後、再利用することを特徴
    とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  28. 【請求項28】 請求項1乃至27に記載の有機ハロゲ
    ン系化合物の分解処理装置を据え付け台上に搭載し、運
    搬できるようにしたことを特徴とする有機ハロゲン系化
    合物の分解処理装置。
  29. 【請求項29】 請求項1乃至27に記載の有機ハロゲ
    ン系化合物の分解処理装置を移動台車上に搭載し、移動
    できるようにしたことを特徴とする有機ハロゲン系化合
    物の分解処理装置。
  30. 【請求項30】 灰又は土壌中の有機ハロゲン系化合物
    を抽出剤で抽出し、 該抽出液をアルカリ性アルコール溶媒又はアルカリを添
    加した脂肪族炭化水素溶媒で希釈して処理液とし、 該処理液に電子線を照射して、処理液中の有機ハロゲン
    系化合物を分解処理することを特徴とする有機ハロゲン
    系化合物の分解処理方法。
  31. 【請求項31】 請求項30において、 灰又は土壌を酸溶液で処理した後に、酸処理後の固形分
    から有機ハロゲン系化合物を抽出剤で抽出することを特
    徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理方法。
  32. 【請求項32】 請求項30において、 灰又は土壌を超臨界二酸化炭素を抽出溶媒として超臨界
    流体抽出により、有機ハロゲン系化合物を抽出すること
    を特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理方法。
  33. 【請求項33】 請求項30において、 前記処理物を移送させつつ薄膜状の処理液とし、該薄膜
    状の処理液に電子線を照射することを特徴とする有機ハ
    ロゲン系化合物の分解処理方法。
  34. 【請求項34】 請求項30において、 前記処理液中の有機ハロゲン系化合物を脱ハロゲン化反
    応により分解処理する電子線量が低いものであることを
    特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理方法。
  35. 【請求項35】 請求項34において、 前記電子線量が500kGy以下であることを特徴とす
    る有機ハロゲン系化合物の分解処理方法。
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