JP2003311124A - 排ガス処理方法及び装置 - Google Patents

排ガス処理方法及び装置

Info

Publication number
JP2003311124A
JP2003311124A JP2002119270A JP2002119270A JP2003311124A JP 2003311124 A JP2003311124 A JP 2003311124A JP 2002119270 A JP2002119270 A JP 2002119270A JP 2002119270 A JP2002119270 A JP 2002119270A JP 2003311124 A JP2003311124 A JP 2003311124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
dmso
pesticide
dimethyl sulfoxide
gas treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002119270A
Other languages
English (en)
Inventor
Chisato Tsukahara
千幸人 塚原
Tetsuya Sawatsubashi
徹哉 澤津橋
Keigo Baba
恵吾 馬場
Soichiro Mazaki
宗一郎 真崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2002119270A priority Critical patent/JP2003311124A/ja
Publication of JP2003311124A publication Critical patent/JP2003311124A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ハロゲン化物の芳香族系化合物を含む
ガスを処理する排ガス処理方法及び装置を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 気体状の芳香族系物質を含むガス11を
排出する排出ライン12に介装される排ガス処理装置1
0であって、ジメチルスルホキシド(DMSO)液13
を入れた容器本体14と、該ジメチルスルホキシド(D
MSO)液13内に、有害物質を作業する部屋30等か
ら芳香族系化合物を含むガス11をジメチルスルホキシ
ド(DMSO)液13中に導入する導入手段15とを具
備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ハロゲン化物
の芳香族系化合物を含むガスを処理する排ガス処理方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、PCB(Polychlorinated bi
phenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性
体の総称)が強い毒性を有することから、その製造およ
び輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃
から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をき
っかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、197
2年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義
務)が出された経緯がある。
【0003】PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜1
0個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって
理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のP
CB製品において約100種類以上の異性体が確認され
ている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体
内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化
学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状であ
る。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつで
あって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率
が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能である
という性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残
留することが報告されている。
【0004】このPCBは平成4(1997)年に廃PC
B、PCBを含む廃油、PCB汚染物が廃棄物の処理及
び清掃に関する法律に基づく特別管理廃棄物に指定さ
れ、さらに、平成9(1997)年にはPCB汚染物として
木くず、繊維くずが、追加指定された。
【0005】PCB処理物となる電気機器としては、高
圧トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス・コンデン
サ、柱上トランスがあり、廃PCB等としては、熱媒体
に用いたものは絶縁油として用いたもの、また、これら
の洗浄に用いた灯油等があり、廃感圧紙としては、ノー
カーボン紙に使用されたカプセルオイルがあり、さら
に、これらのPCBの使用又は熱媒の交換、絶縁油の再
生、漏洩の浄化、PCB含有物の処理等の際に用いられ
た活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚
染物がある。現在これらは厳重に保管がなされている
が、早急なPCBの処理が望まれている。
【0006】近年では、このようなトランス等に使用さ
れているPCBを処理する技術として洗浄処理技術が各
種提案されている。
【0007】すなわち、現状において、トランス等のP
CB汚染物の処理においては、PCB油を抜き取ったの
ち、解体し、裁断された碍子、鉄心、銅線、アルミ箔等
は洗浄剤として例えばヘキサン、アセトン等の有機溶媒
又は水酸化ナトリウム等の強アルカリを用いて洗浄する
のが主流である。
【0008】上記PCB汚染物を解体処理する場合にお
いて、PCBの蒸気等の拡散を防止するために、排ガス
処理設備が解体設備に設けられている。
【0009】従来では、上記排ガス処理設備として、例
えば活性炭等を吸着剤としたフィルタを多様されている
が、該活性剤は有害物質であるPCBを吸着しているの
で、その処理が問題となる。
【0010】特に、多量にPCB汚染物を処理する場合
には、活性炭の使用量が膨大となり、その廃棄処理に費
用が嵩むという問題がある。また、PCB等を含む活性
炭を焼却処分する場合には、ダイオキシン類等の発生が
懸念されるので、焼却廃棄できないという問題がある。
【0011】このため、有害物質を吸着した活性炭を超
臨界又は亜臨界中において水熱酸化分解処理すること提
案されているが、該水熱酸化分解処理においては、活性
炭を粉砕処理してスラリー状として供給して分解するこ
とが必要となる。
【0012】また、この水熱酸化分解処理においては、
有機物は分解が可能であるが、灰分は残渣として装置内
に残留するので、その処理が問題となる。
【0013】また、PCB以外のベンゼン、ナフタレ
ン、ピクリン酸、ビフェニル等の有害な芳香族有機化合
物又は農薬類を取り扱う排煙設備においても該有害物質
を活性炭等をもちいて吸着して外部へガスを排出してい
るが、該活性炭の処理以外に有害物質を効率よく捕集す
る設備の出現が望まれている。
【0014】このようなことから、本発明は、芳香族系
化合物を含むガスを効率よく処理することができる排ガ
ス処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
第1の発明は、芳香族系化合物又は農薬類を含むガスを
ジメチルスルホキシド(DMSO)液に接触させ、芳香
族系化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)液に溶
解することを特徴とする排ガス処理方法にある。
【0016】第2の発明は、第1の発明において、上記
芳香族有機化合物がベンゼン、トルエン、キシレン、ナ
フタレン、アントラセン、スチレン、ジビニルベンゼ
ン、ビスフェノールA、フェノール、ビフェニール、ピ
クリン酸の芳香族化合物、塩素又は弗素を官能基に有す
る有機ハロゲン化物であることを特徴とする排ガス処理
方法にある。
【0017】第3の発明は、第2の発明において、上記
有機ハロゲン化物がPCB、ダイオキシン類であること
を特徴とする排ガス処理方法にある。
【0018】第4の発明は、第1の発明において、上記
農薬類がクロロピクリン、シマジン(2−クロロ−4,
6ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン、チオベンカ
ルブ、チウラム、硫酸ニコチン、イソキサチオン、イソ
フェンホス、クロルピリホス、ダイアジノン、クロロネ
ブであることを特徴とする排ガス処理方法にある。
【0019】第5の発明は、気体状の芳香族系物質又
は、農薬類を排出する排出ラインに介装される排ガス処
理装置であって、ジメチルスルホキシド(DMSO)液
を入れた容器本体と、該ジメチルスルホキシド(DMS
O)液内に芳香族系化合物又は農薬類を含むガスをジメ
チルスルホキシド(DMSO)液中に導入する導入手段
とを具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
【0020】第6の発明は、気体状の芳香族系物質又は
農薬類を排出する排出ラインに介装される排ガス処理装
置であって、芳香族系化合物又は農薬類を含むガスを導
入する導入手段を備えた容器本体内と、上記洗浄容器本
体の上方側からジメチルスルホキシド(DMSO)液を
噴霧する噴霧手段とを具備することを特徴とする排ガス
処理装置にある。
【0021】第7の発明は、気体状の芳香族系物質又は
農薬類を排出する排出ラインに介装される排ガス処理装
置であって、ジメチルスルホキシド(DMSO)液を含
浸した充填物を充填した容器本体と、容器本体内に芳香
族系化合物又は農薬類を含むガスを導入する導入手段と
を具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
【0022】第8の発明は、気体状の芳香族系物質又は
農薬類を排出する排出ラインに介装される排ガス処理装
置であって、ジメチルスルホキシド(DMSO)液を含
浸した布状物を積層又は充填した容器本体と、容器本体
内に芳香族系化合物又は農薬類を含むガスを導入する導
入手段とを具備することを特徴とする排ガス処理装置に
ある。
【0023】第9の発明は、第6乃至8のいずれか一の
発明において、上記芳香族有機化合物がベンゼン、トル
エン、キシレン、ナフタレン、アントラセン、スチレ
ン、ジビニルベンゼン、ビスフェノールA、フェノー
ル、ビフェニール、ピクリン酸の芳香族化合物、塩素又
は弗素を官能基に有する有機ハロゲン化物であることを
特徴とする排ガス処理装置にある。
【0024】第10の発明は、第6乃至8のいずれか一
の発明において、上記有機ハロゲン化物がPCB、ダイ
オキシン類であることを特徴とする排ガス処理装置にあ
る。
【0025】第11の発明は、第6乃至8のいずれか一
の発明において、上記農薬類がクロロピクリン、シマジ
ン(2−クロロ−4,6ビス(エチルアミノ)−S−ト
リアジン、チオベンカルブ、チウラム、硫酸ニコチン、
イソキサチオン、イソフェンホス、クロルピリホス、ダ
イアジノン、クロロネブであることを特徴とする排ガス
処理装置にある。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明による実施の形態を図面を
用いて以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態
に限定されるものではない。
【0027】本実施の形態の排ガス処理装置は、芳香族
系化合物又は農薬類を含むガスをジメチルスルホキシド
(DMSO)液に積極的に接触等させ、芳香族系化合物
をジメチルスルホキシド(DMSO)液に溶解するもの
である。
【0028】上記芳香族系化合物では、ベンゼン、トル
エン、キシレン、ナフタレン、アントラセン、スチレ
ン、ジビニルベンゼン、ビスフェノールA、フェノー
ル、ビフェニール、ピクリン酸の芳香族化合物、塩素又
は弗素を官能基に有する有機ハロゲン化物物等を挙げる
ことができるが、本発明の対象物はこれらの化合物に何
ら限定されるものではなく、焼却処分が困難な気体状の
有害物質であれば特に限定されるものではない。
【0029】また、本発明では、ジメチルスルホキシド
(DMSO)液を用いたが、これ以外に例えばテトラヒ
ドロフラン(THF)を単独又は混合して用いてもよ
い。また、例えばテトラヒドロフラン(THF)等の芳
香族有機化合物を溶解する機能を有する他の薬剤を用い
ることができる。
【0030】[第1の実施の形態]本発明による排ガス
処理の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本
実施の形態にかかるバブリング形式の排ガス処理装置の
概略構成図である。図1に示すように、気体状の芳香族
系物質を含むガス11を排出する排出ライン12に介装
される排ガス処理装置10であって、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)液13を入れた容器本体14と、該ジ
メチルスルホキシド(DMSO)液13内に、有害物質
を作業する部屋30等から芳香族系化合物を含むガス1
1をジメチルスルホキシド(DMSO)液13中に導入
する導入手段15とを具備するものである。
【0031】上記容器本体14内にガス11を導入する
ことで、容器内のジメチルスルホキシド(DMSO)液
13中にガスをバブリングさせ、芳香族有機化合物を溶
解させるようにしている。
【0032】有害な有機化合物を溶解したジメチルスル
ホキシド(DMSO)廃液は、後述する水熱酸化分解処
理装置の亜臨界条件で分解処理することができる。
【0033】ジメチルスルホキシド(DMSO)は、下
記「化1」に示す構造を有し、極性が高く、溶解力の大
きい非プロトン性溶媒として機能するため、バブリング
する際にガス中の気体状の芳香族化合物と高い親和性を
有し、高い溶解能を発現することができるものとなる。
【0034】
【化1】
【0035】さらに、ジメチルスルホキシド(DMS
O)は沸点が高い(189℃)ので、溶媒揮発量が少な
くしかもハンドリングし易いものとなる。よって、ガス
中の芳香族有機化合物の溶解性を向上させるために、加
温することも容易である。
【0036】また、芳香族系化合物以外の有害物質とし
て農薬類を含むガスを処理するようにしてもよい。この
農薬類としては、例えばクロロピクリン、シマジン(2
−クロロ−4,6ビス(エチルアミノ)−S−トリアジ
ン、チオベンカルブ、チウラム、硫酸ニコチン、イソキ
サチオン、イソフェンホス、クロルピリホス、ダイアジ
ノン、クロロネブ等を挙げることができるが、本発明で
処理する薬剤はこれらの農薬に限定されるものではな
い。
【0037】[第2の実施の形態]本発明による排ガス
処理の実施の形態を図面を用いて説明する。図2は、本
実施の形態にかかるスクラバー形式の排ガス処理装置の
概略構成図である。図2に示すように、気体状の芳香族
系物質を含むガス11を排出する排出ライン12に介装
される排ガス処理装置10であって、芳香族系化合物を
含むガス11を導入する導入手段16を備えた容器本体
17内と、上記洗浄容器本体17の上方側からジメチル
スルホキシド(DMSO)液を噴霧する噴霧手段18と
を具備するものである。
【0038】上記容器本体12内にガス11を導入する
際、容器内の上方から噴霧手段18によりジメチルスル
ホキシド(DMSO)液11を噴霧するスクラバー方式
としているので、ガス中の芳香族有機化合物をジメチル
スルホキシド(DMSO)液11ミスト中に溶解させる
ようにしている。
【0039】有害な有機化合物を溶解したジメチルスル
ホキシド(DMSO)廃液は、後述する水熱酸化分解処
理装置の亜臨界条件で分解処理することができる。
【0040】[第3の実施の形態]本発明による排ガス
処理の実施の形態を図面を用いて説明する。図3は、本
実施の形態にかかる充填材含浸形式の排ガス処理装置の
概略構成図である。図3に示すように、気体状の芳香族
系物質を含むガス11を排出する排出ライン12に介装
される排ガス処理装置10であって、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)液を含浸した充填物19を充填した容
器本体20と、容器本体20内に芳香族系化合物を含む
ガス13を導入する導入手段21とを具備するものであ
る。
【0041】上記容器本体12内にガス11を導入する
際、容器20内に充填された充填物19に予めジメチル
スルホキシド(DMSO)液を含浸させているので、ガ
ス中の芳香族有機化合物をジメチルスルホキシド(DM
SO)液中に溶解させるようにしている。
【0042】有害な有機化合物を溶解したジメチルスル
ホキシド(DMSO)を含浸した充填物からは、新規ジ
メチルスルホキシド(DMSO)液を用いて洗い落と
し、該洗浄廃液は、後述する水熱酸化分解処理装置の亜
臨界条件で分解処理することができる。
【0043】[第4の実施の形態]本発明による排ガス
処理の実施の形態を図面を用いて説明する。図4は、本
実施の形態にかかるバフフィルタ形式の排ガス処理装置
の概略構成図である。図3に示すように、気体状の芳香
族系物質を含むガス11を排出する排出ライン12に介
装される排ガス処理装置10であって、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)液を含浸した繊維状の布状物22を
積層した容器本体23と、容器本体23内に芳香族系化
合物を含むガス13を導入する導入手段24とを具備す
るものである。
【0044】上記容器本体12内にガス11を導入する
際、容器23内に積層されたフィルタ22に予めジメチ
ルスルホキシド(DMSO)液を含浸させているので、
ガス中の芳香族有機化合物をジメチルスルホキシド(D
MSO)液中に溶解させるようにしている。
【0045】有害な有機化合物を溶解したジメチルスル
ホキシド(DMSO)を含浸した布状物22からは、新
規ジメチルスルホキシド(DMSO)液を用いて有機化
合物を洗い落とし、該洗浄廃液は、後述する水熱酸化分
解処理装置の亜臨界条件で分解処理することができる。
【0046】よって、上記ジメチルスルホキシド(DM
SO)に溶解された芳香族有機化合物そのまま、または
逆洗浄によりジメチルスルホキシド(DMSO)で再抽
出することで、廃液を後述する水熱酸化分解処理装置1
20(図6参照)により分解処理することができる。こ
の際、液体状であるので、従来のような活性炭等の処理
における灰分等の残渣の発生がないものとなる。
【0047】また、粉砕には時間を要すると共に、該粉
砕物質は水と混合してスラリー状として水熱酸化分解処
理装置へ供給する必要があるので、該スラリーの調整に
時間がかかると共に、スラリー状態では水熱酸化分解時
間がかかるのに対し、液体状で供給するので、分解処理
時間の短縮を図ることができる。
【0048】なお、例えばPCBを含有するジメチルス
ルホキシド(DMSO)に多量の水を投入することで、
下記「化2」に示すように、加水分解させ、PCBを水
中に溶解させ、該PCBが溶解された水は後述する水熱
酸化分解処理装置や他の処理装置において分解すること
で、洗浄液の処理が容易となる。
【0049】これは、ジメチルスルホキシド(DMS
O)よりも水のほうが極性が大きいので、PCBが水中
に移行することになるからである。なお、PCBの水へ
の溶解力は400ppbであるので、多量の水で加水分
解処理することが必要である。
【0050】
【化2】
【0051】[第5の実施の形態]また、上記排ガス処
理装置10は、図5に示すような有害物質処理システム
に組み込まれることにより、より効果的に利用すること
ができる。
【0052】図5に示すように、有害物質処理システム
は、有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理
物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理
物(例えばトランス、コンデンサ等)1001である有害物
質( 例えばPCB等)1002 を保存する容器1003から当該
有害物質1002を分離する第1の分離手段1004と、被処理
物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体
手段1005とのいずれか一方又は両方を有する前処理手段
1006と、前処理手段1006において処理された被処理物を
構成する構成材(コア、コンデンサ素子部等)1001a,
b,…から紙・木・樹脂等の有機物1007と金属等の無機
物1008とに分離する第2の分離手段1009と、上記前処理
手段1006で分離された金属製の容器1003又は上記分離手
段1009で分離した金属等の無機物1008を洗浄液1010で洗
浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処
理手段で分離した有害物質1001のいずれか一方又は両方
を分解処理する有害物質分解処理手段1013とを、具備し
てなるものである。
【0053】このような有害物質処理システムにおいて
は、上記排ガス処理装置10は上記前処理1006における
分離手段1004及び解体手段1005に設置される。
【0054】このような有害物質処理システムによれ
ば、トランスやコンデンサ等のPCB濃度を、現在のP
CBの排出基準値(3ppb)以下の0.5ppb以下に
まで低減することができ、PCBを含むトランス10や
コンデンサ20等を安全かつ確実に処理することができ
る。したがって、PCB含有物品の完全処理が可能とな
り、PCBの完全消滅が可能となる。その際、排ガス処
理においても本発明のジメチルスルホキシド(DMS
O)液に溶解させているので、従来の活性炭等を用いた
処理のような後処理に時間がかかることが低減される。
【0055】また、PCB以外の有機化合物も処理する
ことができるので、PCB中に含まれるダイオキシン
類、PCBに汚染された紙、木、布などの有機物、およ
びケースの洗浄に使用する洗浄剤も同様に分解処理する
ことができる。
【0056】図6は、PCBの水熱分解処理システム1
20の構成図である。
【0057】図6に示すように、筒形状の一次反応器1
22と、燃焼用の油123a、液抜きしたPCB123
b、水酸化ナトリウム(NaOH)123c及び水12
3dを各々加圧する加圧ポンプ124a〜124dと、
水と水酸化ナトリウムとの混合液を予熱する予熱器12
5と、例えば配管を巻いた構成の二次反応器126と、
冷却器127および減圧弁128を備えている。また、
減圧弁127の下流には、気水分離器129、活性炭槽
130が配置されており、排ガス(CO2 )131は煙
突132から外部へ排出され、排水(H2 O,NaC
l)133は別途、必要に応じて排水処理される。ま
た、酸素の配管135は、一次反応器125に対して直
結している。なお、反応器は、必要に応じて例えば1次
反応器を複数並列したり、又は上記二次反応器126を
必要に応じて省略することもできる。
【0058】上記装置において、加圧ポンプ124a〜
124dによる加圧により一次反応器122内は、26
MPaまで昇圧される。また、予熱器125は、水とN
aOHの混合処理液を300℃程度に予熱する。また、
一次反応器122内には酸素が噴出しており、内部の反
応熱により380℃〜400℃の亜臨界域まで昇温す
る。この亜臨界状態の熱水中で析出した炭酸ナトリウム
(Na2CO3)の結晶とPCBとが反応して、脱塩素反
応および酸化分解反応を起こし、NaCl、CO 2およ
びH2Oに分解されている。つぎに、冷却器127で
は、二次反応器126からの流体を100℃程度に冷却
すると共に後段の減圧弁128にて大気圧まで減圧す
る。そして、気水分離器129によりCO2および水蒸
気と処理水とが分離され、CO2および水蒸気は、活性
炭槽130を通過して環境中に排出される。また、排水
133中には塩化ナトリウムが混在しているが、別途脱
塩処理をした後に、水熱分解装置で使用する水28に再
利用することができる。
【0059】ここで、反応塔である1次反応容器122
及び二次反応器122内でのPCBの熱水分解反応につ
いて説明する。
【0060】まず、反応開始時には油、有機溶剤等が酸
化剤供給源から塔内に供給される酸化剤(本実施形態で
は酸素を使用する)により酸化され二酸化炭素を生成す
る。例えば、燃焼材としたの油(例えばトルエン)を使
用した場合を例にとると、C 6 5 CH3 +9O2 →4
2 O+7CO2 の反応によりCO2 が生成する。この
酸化反応は発熱反応であり、これにより系内の温度は上
昇し、それに応じて圧力も上昇する。本実施形態では、
一次反応容器122内の温度、圧力はそれぞれ380
℃、26MPa程度に維持した場合に最もPCBの分解
率が向上することが判明している。
【0061】上記により生成したCO2 は、一次反応容
器122内にPCBとともに供給された水酸化ナトリウ
ムと反応し炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を生成す
る。 2NaOH+CO2 →Na2 CO3 +H2 O …(A) 次に、上記(A)の反応により生成したNa2 CO
3 は、PCBと反応し、PCBを脱塩及び酸化分解す
る。 C126 Cl4 +12.5O2 +2Na2 CO3 →4NaCl+3H2 O+14CO2 …(B) なお、上記の塩素数4のPCBの場合であるが、他の塩
素数のものについても同様な反応が生じ、PCBがH2
O、CO2 、NaClに分解される。上記(B)の反応
により生じたCO2 は更に、上記(A)の反応によりN
aOHと反応し(B)の反応に必要とされるNa2 CO
3 を生成するようになる。ところで、上記(B)のPC
B分解反応においては、炭酸ナトリウム(Na2
3 )は反応剤として作用する他に、(B)の分解反応
は促進する触媒としても作用している。また、上記
(B)の分解反応はアルカリ雰囲気(例えばpH10以
上)で促進されることが判明している。
【0062】上記熱水分解装置120によれば、現在で
のPCBの排出基準値(3ppb)以下の0.5ppb以
下まで分解でき、完全分解ができる。これによりPCB
含有物品の完全処理が可能となり、PCBの完全消滅が
可能となる。
【0063】このように、上記水熱分解システム120
を用いることで、熱水中にて確実にPCBを分解するこ
とができるようになる。また、PCB以外の有機化合物
も分解可能であり、PCB中に含まれるダイオキシン
類、PCBに汚染された紙、木、布等の有機物、および
ケースの洗浄に使用する洗浄剤も同様に分解処理が可能
になる。なお、上記水熱分解方法は本願出願人により既
に開示されており、詳しくは特開平11−639号公
報、特開平11−253795号公報等を参照された
い。以上のPCB処理方法によれば、PCBを含むトラ
ンス等を安全かつ確実に処理することができる。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、芳香族系化合物を含
むガスをジメチルスルホキシド(DMSO)液に接触さ
せ、芳香族系化合物をジメチルスルホキシド(DMS
O)液に溶解するので、液体状で後処理することが可能
となり、従来のような粉砕手段等の後処理を不要とし、
処理速度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる排ガス処理装置の構
成図である。
【図2】第2の実施の形態にかかる排ガス処理装置の構
成図である。
【図3】第3の実施の形態にかかる排ガス処理装置の構
成図である。
【図4】第5の実施の形態にかかる排ガス処理装置の構
成図である。
【図5】本実施の形態にかかる有害物質処理システムの
全体構成図である。
【図6】本実施の形態にかかる水熱酸化分解処理装置の
構成図である。
【符号の説明】 11 気体状の芳香族系物質を含むガス 12 排出ライン 13 ジメチルスルホキシド(DMSO)液 14 容器本体 15 導入手段 16 導入手段 17 容器本体 18 噴霧手段 19 充填物 20 容器本体 21 導入手段 22 布状物 23 容器本体 24 導入手段 30 作業部屋 1002 有害物質(例えばPCB) 1003 容器 1004 分離手段 1005 解体手段 1006 前処理手段 1007 有機物 1008 無機物 1009 分離手段 1010 洗浄液 1011 洗浄手段 1012 洗浄廃液 1013 有害物質分解処理手段 1014 スラリー 1015 スラリー化手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/77 C07D 319/24 C07B 35/06 ZAB B01D 53/34 134F 37/06 117D C07C 25/18 120E 205/08 121C C07D 319/24 (72)発明者 馬場 恵吾 長崎県長崎市深堀町五丁目717番地1 長 菱エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 真崎 宗一郎 長崎県長崎市深堀町五丁目717番地1 長 菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA05 AA21 AA22 AA33 AA40 BA02 CA01 CA06 CA07 DA70 EA07 4D020 AA08 BA18 BA19 BB07 CB01 CB08 CB25 CB33 4H006 AA05 AC13 AC26 BB22 BE10 BE60 EA22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族系化合物又は農薬類を含むガスを
    ジメチルスルホキシド(DMSO)液に接触させ、芳香
    族系化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)液に溶
    解することを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記芳香族有機化合物がベンゼン、トルエン、キシレ
    ン、ナフタレン、アントラセン、スチレン、ジビニルベ
    ンゼン、ビスフェノールA、フェノール、ビフェニー
    ル、ピクリン酸の芳香族化合物、塩素又は弗素を官能基
    に有する有機ハロゲン化物であることを特徴とする排ガ
    ス処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記有機ハロゲン化物がPCB、ダイオキシン類である
    ことを特徴とする排ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記農薬類がクロロピクリン、シマジン(2−クロロ−
    4,6ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン、チオベ
    ンカルブ、チウラム、硫酸ニコチン、イソキサチオン、
    イソフェンホス、クロルピリホス、ダイアジノン、クロ
    ロネブであることを特徴とする排ガス処理方法。
  5. 【請求項5】 気体状の芳香族系物質又は農薬類を排出
    する排出ラインに介装される排ガス処理装置であって、 ジメチルスルホキシド(DMSO)液を入れた容器本体
    と、該ジメチルスルホキシド(DMSO)液内に芳香族
    系化合物又は農薬類を含むガスをジメチルスルホキシド
    (DMSO)液中に導入する導入手段とを具備すること
    を特徴とする排ガス処理装置。
  6. 【請求項6】 気体状の芳香族系物質又は農薬類を排出
    する排出ラインに介装される排ガス処理装置であって、 芳香族系化合物又は農薬類を含むガスを導入する導入手
    段を備えた容器本体内と、 上記洗浄容器本体の上方側からジメチルスルホキシド
    (DMSO)液を噴霧する噴霧手段とを具備することを
    特徴とする排ガス処理装置。
  7. 【請求項7】 気体状の芳香族系物質又は農薬類を排出
    する排出ラインに介装される排ガス処理装置であって、 ジメチルスルホキシド(DMSO)液を含浸した充填物
    を充填した容器本体と、 容器本体内に芳香族系化合物又は農薬類を含むガスを導
    入する導入手段とを具備することを特徴とする排ガス処
    理装置。
  8. 【請求項8】 気体状の芳香族系物質又は農薬類を排出
    する排出ラインに介装される排ガス処理装置であって、 ジメチルスルホキシド(DMSO)液を含浸した布状物
    を積層又は充填した容器本体と、 容器本体内に芳香族系化合物又は農薬類を含むガスを導
    入する導入手段とを具備することを特徴とする排ガス処
    理装置。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8のいずれか一において、 上記芳香族有機化合物がベンゼン、トルエン、キシレ
    ン、ナフタレン、アントラセン、スチレン、ジビニルベ
    ンゼン、ビスフェノールA、フェノール、ビフェニー
    ル、ピクリン酸の芳香族化合物、塩素又は弗素を官能基
    に有する有機ハロゲン化物であることを特徴とする排ガ
    ス処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項6乃至8のいずれか一におい
    て、 上記有機ハロゲン化物がPCB、ダイオキシン類である
    ことを特徴とする排ガス処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項6乃至8のいずれか一におい
    て、 上記農薬類がクロロピクリン、シマジン(2−クロロ−
    4,6ビス(エチルアミノ)−S−トリアジン、チオベ
    ンカルブ、チウラム、硫酸ニコチン、イソキサチオン、
    イソフェンホス、クロルピリホス、ダイアジノン、クロ
    ロネブであることを特徴とする排ガス処理装置。
JP2002119270A 2002-04-22 2002-04-22 排ガス処理方法及び装置 Withdrawn JP2003311124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002119270A JP2003311124A (ja) 2002-04-22 2002-04-22 排ガス処理方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002119270A JP2003311124A (ja) 2002-04-22 2002-04-22 排ガス処理方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003311124A true JP2003311124A (ja) 2003-11-05

Family

ID=29535879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002119270A Withdrawn JP2003311124A (ja) 2002-04-22 2002-04-22 排ガス処理方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003311124A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008020423A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Dainippon Printing Co Ltd 芳香族炭化水素を含むガスの測定装置及び測定方法
JP2009241062A (ja) * 2008-03-13 2009-10-22 Omega:Kk Vocガスの処理方法
CN103768894A (zh) * 2012-10-23 2014-05-07 中国石油化工股份有限公司 一种含有苯系物废气的净化方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008020423A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Dainippon Printing Co Ltd 芳香族炭化水素を含むガスの測定装置及び測定方法
JP2009241062A (ja) * 2008-03-13 2009-10-22 Omega:Kk Vocガスの処理方法
CN103768894A (zh) * 2012-10-23 2014-05-07 中国石油化工股份有限公司 一种含有苯系物废气的净化方法
CN103768894B (zh) * 2012-10-23 2016-06-29 中国石油化工股份有限公司 一种含有苯系物废气的净化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI433818B (zh) Purification method of pollutants containing organic chemical substances
Xie et al. Hydrothermal treatment of MSWI fly ash for simultaneous dioxins decomposition and heavy metal stabilization
JP2003311124A (ja) 排ガス処理方法及び装置
JP2003311231A (ja) 洗浄方法およびその装置
JP3448239B2 (ja) Pcb付着機器のpcb除去方法及びその装置
JP2004041343A (ja) Pcb含有電気機器の無害化処理方法及びそのシステム
JP2007301416A (ja) Pcb廃棄物の処理方法及びその処理設備
JP2001070470A (ja) 有害有機化合物の分解・無害化処理方法及びその装置
JP3405591B2 (ja) 有害有機塩素系化合物の分解処理方法
JP2001070913A (ja) 有機ハロゲン系化合物の分解処理装置及び方法
JP2003311103A (ja) 溶媒再生方法
JP2003261465A (ja) 有機ハロゲン化物処理設備
JP3671023B2 (ja) 難分解性有害物質含有固体有機物処理方法及びそのシステム
JP2003311236A (ja) 有機ハロゲン化物分解処理システム
JP2004174375A (ja) 洗浄方法およびその装置
JP2003312843A (ja) スラリー供給システム
Drechsler Destruction of PCDD/PCDF by non-thermal methods
JP2006006352A (ja) 消火用薬剤の再資源化方法
JPH08141107A (ja) ハロゲン化有機化合物の分解方法
JP3913096B2 (ja) 有害物質処理システム
JP3636697B2 (ja) Pcb汚染部材の洗浄処理方法
JP2001293465A (ja) 汚染媒体の処理剤及び処理方法
JP2001240596A (ja) ジベンゾ−p−ジオキシンおよびジベンゾフランの処理方法
JP3342197B2 (ja) ダイオキシン類の処理方法
JP2003310791A (ja) 水熱酸化分解処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050705