JP3913096B2 - 有害物質処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば変圧器等のPCB汚染機器の完全処理を図ることができる有害物質処理システム及び処理方法に関する。
【0002】
【背景技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
【0004】
このPCBは平成4(1997)年に廃PCB、PCBを含む廃油、PCB汚染物が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく特別管理廃棄物に指定され、さらに、平成9(1997)年にはPCB汚染物として木くず、繊維くずが、追加指定された。
【0005】
PCB処理物となる電気機器としては、高圧トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス・コンデンサ、柱上トランスがあり、廃PCB等としては、熱媒体に用いたものは絶縁油として用いたもの、また、これらの洗浄に用いた灯油等があり、廃感圧紙としては、ノーカーボン紙に使用されたカプセルオイルがあり、さらに、これらのPCBの使用又は熱媒の交換、絶縁油の再生、漏洩の浄化、PCB含有物の処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物がある。現在これらは厳重に保管がなされているが、早急なPCBの処理が望まれている。
0006
近年では、このようなトランス等に使用されているPCBを処理する技術が種々開発されており、例えば特開平9−79531号公報に記載の技術が知られている。
0007
図8に、上記提案にかかるPCBの処理方法のフローチャートを示す。
【0008】
図8に示すように、まず、PCBが封入されているトランスから油を抜き取り(ステップS901)、さらに溶剤洗浄によって内部に付着しているPCBを除去し(ステップS902)、回収する(ステップS903)。洗浄後の溶剤は、トランスから抜き出した油と共に分解処理され(ステップS904)、無害化される。
0009
つぎに、油抜きしたトランスを乾燥させてPCBを無酸素下高温常圧加熱によって蒸発させ(ステップS905)、PCBの飛散を防止する。そして、乾燥後のトランスを解体し(ステップS906)、ケースとトランスコアを分離する。ケースは、電炉や転炉のスクラップ源に供される(ステップS907)。一方、トランスコアは、モービルシャー等によってその銅コイルを切断され、コイル線と鉄心とに分離される(ステップS908)。
0010
分離された鉄心は溶融炉にて溶融され、回収される(ステップS909)。また、分離した銅コイルおよびこれに付着した紙などの有機物は、誘導加熱炉にて溶融される(ステップS910)。そして、上記溶融した銅は回収され、各溶融炉で発生したPCBガスは、1200℃で高温熱分解することにより無害化される(ステップS911)。
0011
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のPCB処理方法では、銅コイルに使用されている紙などの有機物を分離することなく、溶融炉にて燃焼させるようにしているため、PCBを含む排ガスが発生し、これを高温熱分解することで無害化しようとしているが、単に高温で分解することによってはPCBや副生する恐れのあるダイオキシン類を十分に除去できない問題点がある。
0012
また、銅コイルを洗浄することなく燃焼させているため、PCBが付着したまま銅を回収するおそれがある。
0013
一方、銅コイルを洗浄することになれば、当該銅コイルに用いられている紙や木にPCBが染み込んでいるために何十時間もかかってしまい、実用的ではないという問題点がある。
0014
また、PCBの燃焼処理ではPCBを保存していた容器や処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物の処理をすることができず、完全処理ができないという問題がある。
0015
本発明は上述した問題に鑑み、例えばPCBで汚染された変圧器等のPCB汚染機器の容器及びその中身並びに処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物を完全に処理することができる有害物質処理システム及びその方法を提供することを課題とする。
0016
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための第一番目の発明は、有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物から有害物質を分離する第1分離手段有する前処理手段と、前処理手段において処理された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分離する第2の分離手段と、上記分離された紙・木・樹脂等の有機物を微粉砕してスラリー化する微粉砕手段と、前処理手段で分離した有害物質及び/又はスラリー中の有害物質を分解処理する有害物質分解処理手段と具備してなり、上記スラリーの最大粒径が500μm以下である 共に、水溶液となった場合に粘性を増加させる性質を発現させる水溶性高分子化合物からなる安定剤が上記スラリーに添加されていることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0017
第二番目の発明は、第一番目の発明において、上記スラリーの平均粒径が1〜100μmであることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0018
第三番目の発明は、第一番目又は第二番目の発明において、上記スラリーの25℃における見かけ粘度が10PaS以下であることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0019
第四番目の発明は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、上記スラリー濃度が0.01〜50重量%であることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0020
第五番目の発明は、第一番目から第四番目の発明のいずれかにおいて、上記スラリーの搬送速度が0.01〜10m/秒であることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0021
第六番目の発明は、第一番目から第五番目の発明のいずれかにおいて、上記スラリーに分散剤を添加してなることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0022
第七番目の発明は、第六番目の発明において、上記分散剤がアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤ら選ばれる少なくとも1種ものであることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0023
第八番目の発明は、第六番目又は第七番目の発明において、上記分散剤の添加量がスラリーに対して0.1〜10重量%であることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0024
第九番目の発明は、第一番目から第八番目の発明のいずれかにおいて、上記無害化処理する被処理物がPCBを含有するトランス、コンデンサ又は蛍光灯の安定器並びにPCB汚染物であることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0025
第十番目の発明は、第一番目から第九番目の発明のいずれかにおいて、上記有害物質分解処理手段が水熱分解処理する水熱分解処理手段又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段であることを特徴とする有害物質処理システムにある。
0026
第十一番目の発明は、有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理方法であって被処理物から有害物質を分離する第1の分離工程有する前処理工程と、前処理工程において処理された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分離する第2の分離工程と、上記分離された紙・木・樹脂等の有機物を微粉砕してスラリー化する微粉砕工程と、前処理工程で分離した有害物質及び/又はスラリー中の有害物質を分解処理する有害物質分解処理工程と具備してなり、前記微粉砕工程において、上記スラリーの平均粒径500μm以下にすると共に、水溶液となった場合に粘性を増加させる性質を発現させる水溶性高分子化合物からなる安定剤を上記スラリーに添加することを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0027】
第十二番目の発明は、第十一番目の発明において、上記有害物質分解処理工程が水熱分解処理する水熱分解処理工程又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理工程であることを特徴とする有害物質処理方法にある。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明による有害物質処理システムの実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
本発明の有害物質処理システムのシステム構成の概略を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態にかかる有害物質処理システムは、有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物(例えばトランス、コンデンサ等)1001である有害物質( 例えばPCB等)1002 を保存する容器1003から当該有害物質1002を分離する第1の分離手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体手段1005とのいずれか一方又は両方を有する前処理手段1006と、前処理手段1006において処理された被処理物を構成する構成材(コア、コンデンサ素子部等)1001a,b,…から紙・木・樹脂等の有機物1007と金属等の無機物1008とに分離する第2の分離手段1009と、上記前処理手段1006で分離された金属製の容器1003又は上記第2の分離手段1009で分離した金属等の無機物1008を洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物質1001のいずれか一方又は両方を分解処理する有害物質分解処理手段1013とを、有害物質が付着又は含有する紙・木・樹脂等の有機物を微粉してスラリー1014とする微粉手段1015とを具備してなるものである。
なお、本実施の形態では、供給するスラリー1014中の有害物質(PCB)の濃度を濃度計測装置1020を用いて計測するようにしている。
【0029】
ここで、本発明で無害化処理する有害物質としては、上記PCB以外に、例えば塩化ビニルシート、有害廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品、廃棄樹脂、未処理爆薬類等を挙げることができるが、環境汚染に起因する環境ホルモン等の有害物質であればこれらに限定されるものではない。
【0030】
また、本発明で被処理物としては、例えば絶縁油としてPCBを用いてなるトランスやコンデンサ以外に、有害物質である廃棄塗料等を保存している保存容器、火薬・爆薬類が充填された爆弾等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
ここで、被処理物の一例であるトランス、コンデンサ又は蛍光灯の安定器の概略を図5〜7を用いて説明する。
【0032】
図5は、一般的なトランスの構造を示す一部断面図である。
図5に示すように、トランス200は、鉄心201に対して銅コイル202を巻いたトランスコア203を鉄製の容器204内に収納した構成であり、絶縁油205としてPCBを内部に封入したものである。また、銅コイル202は、銅線に絶縁紙を巻き付けた構成であり、鉄枠207上部には碍子208が設けられている。また、容器204の開口部は蓋209により密封されている。
一般的なトランスの容量範囲は、5〜100kVAであり、本発明ではすべての範囲において処理ができる。
【0033】
図6は、一般的なコンデンサの構造を示す一部断面図である。
図6に示すように、コンデンサ210は、複数の素子211がプレスボード212を介して固定バンド213で束ねてなるものを絶縁紙214で覆った状態で容器215内に充填され、PCBが内部の封入口216から封入され封止されてなるものである。なお、符号217は接地端子、218は放電抵抗、219は高圧端子及び220は碍子を各々図示する。
上記素子211は、アルミ箔、絶縁紙、樹脂フィルム及びスペーサ等から構成されている。
一般的なコンデンサの容量範囲は、数〜500kvarであり、本発明ではすべての範囲において処理ができる。
【0034】
図7は、一般的な蛍光灯の安定器を示す概略図である。
図7に示すように、安定器本体230は、安定器231と力率改善用コンデンサー232とからなり、上記コンデンサー232中に絶縁油としてPCBが使用されている。
【0035】
これらの被処理物から有害物質を取り出すための前処理が必要となるが、例えばトランス200やコンデンサ210等では、PCBを液抜きした後に、構成材を分離処理、破砕処理をするようにしている。
【0036】
抜き出したPCBや爆薬等の有害物質は、有害物質分解処理手段1013で完全分解がなされる。なお、詳細については、後述する。
【0037】
蛍光灯用の安定器230を構成するコンデンサー232の場合容量が小さいので前処理することなく、第2の分離手段1009に直接投入すること、又は必要に応じて裁断処理した後、アルミ箔を分離することで、無害化処理することができる。
【0038】
また、爆弾の場合には、爆弾から火薬や爆薬を抜きだした後、容器を処理するようにしている。
なお、抜き出された火薬等は有害物質分解処理手段1013で処理され、容器は洗浄される。また、樹脂製の容器は切断・破砕処理した後、スラリー化することで、有害物質分解処理手段1013で処理される。
【0039】
また、上記有害物質が液体等の流動性を有する場合には、有害物質分解処理手段1013に直接投入することで無害化処理がなされ、その保管した容器は、構成材に有機物を含む場合には、有機物をスラリー化して無害化処理することができる。
【0040】
ここで、上記第2の分離手段1009と有害物質分解処理手段1013とは、一つの施設内等において一体的に設けても別に設けるようにしてもよく、特に限定されるものではない。
【0041】
これは、有害物質を移動させることが困難な場合に、前処理手段1006と、第2の分離手段1009との無害化処理の前工程を行い、その後、分離されたものを、別途設置された有害物質分解処理手段1013において、処理すればよいからである。
【0042】
また、洗浄手段1011も洗浄専用施設を別途設置して、洗浄溶剤の管理及び排ガス処理を集中的に行うようにする場合には、本システムに必ずしも一体に設けなくてもよい。
【0043】
なお、連続して有害物質の無害化処理するには、一つの施設内に一体的に設けるようにすることが管理上で好ましい。また、本システムを架台等に設置し、架台毎搬送手段により搬送して、有害物質処理現場へ移動して現地にて処理することも可能である。
【0044】
また、上記第2の分離手段1009は、構成材であるコア、コンデンサ素子部等1001a,b,…を分離した後分割破砕する破砕手段を用いて、その後破砕片とすることにより、その後の処理の効率が向上する。
【0045】
上記破砕手段としては、例えば2軸の剪断ミル等の破砕装置を挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
また、上記第2の分離手段1009が破砕手段により破砕された破砕片から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物(銅線)とに選別する選別手段を含むことにより、有用な銅等の無機物を回収することができる。
例えば銅コイルにはPCBに汚染された紙や木が含まれているため、破砕片から有機物である紙・木と無機物である銅線との分離を行い、有機物はPCBが付着しているので、有害物質分解処理1013で分解処理を行うと共に、無機物は洗浄手段1011で洗浄処理を行うようにしている。
【0047】
ここで、上記選別手段としては、例えば比重選別法、磁石選別法、ふるい選別法等の自動選別法を挙げることができるが、公知の選別手段により有機物と無機物とを分離することができるものであればこれらに限定されるものではない。
【0048】
また、選別手法としては、乾式選別又は湿式選別のいずれであっても好ましい。上記乾式選別法の場合には、選別の前に脱脂処理手段及び乾燥処理手段により、脱脂・乾燥させることでその後の処理効率が向上する。
一方、湿式選別の場合には、上記脱脂処理及び乾燥処理が不要となり、しかも水処理での選別となるので、その後の、有害物質分解処理手段1013である例えば水熱分解処理手段へそのまま選別品を移動できるので、好ましい。
この湿式選別法の場合には、乾式選別法の場合に較べ、汚染した空気を処理する必要がないので、有利である。
また、上記湿式選別で用いた処理水は再利用することも可能である。
【0049】
以下に代表的な選別方法として、湿式比重差分離方法、気中比重差分離方法、加熱前処理後気中比重差分離方法、物理的前処理後気中比重差分離方法、化学的分離方法を説明する。
【0050】
湿式比重差分離方法は、流水が流れ且つ振動している斜面に、有機物と無機物との破砕片を投入し、比重差により無機物は突き上げるような斜面の振動水流に逆行して斜面を上方側に競り上がり、一方の有機物は水流と共に斜面を下方側に流れて分離する方法である。
【0051】
気中比重差分離方法は、有機物と無機物との破砕物を気流中で落下させ、比重の軽い有機物を気流により吹き飛ばし、分離する方法である。
【0052】
加熱前処理後気中比重差分離方法は、上記気中比重差分離方法が有機物や水分や油分で湿っている場合には、無機物との比重差が少なくなり分離が難しくなる。そこで、有機物と無機物との破砕片を乾燥(炭化)し、有機物を乾燥軽量化した後、気流中で落下させ、比重の軽い有機物を気流により分離する方法である。
【0053】
物理的前処理後気中比重差分離方法は、例えばコンデンサ素子のように無機物であるアルミ箔も比較的軽く単純な気中比重差分離方法が困難な場合に、有機物と無機物との破砕片を加熱し、有機物を脆化させる。その後、細孔を有する円筒状の回転籠に入れ、円筒中心軸から円筒外部へ気流を発生させて、炭化物(脆化物)を気流により砕きつつ、細孔を介して円筒外へ排出し、アルミ箔を円筒内に残留させる分離方法である。なお、円筒内部に羽等を設けて回転攪拌させることで炭化物の破砕を促進させることができる。
【0054】
化学的分離方法は酸アルカリ分離方法と、油水分離方法とがある。
酸アルカリ分離方法は、分別すべき無機物が金属(例えばAl等)の場合に適用できる。先ず有機物と無機物との破砕片を酸若しくはアルカリにより溶解し、有機物を分別する。溶解後の金属は中和により金属塩として回収する。金属表面が樹脂や油分等で被覆されている場合には、酸アルカリによる溶解が妨害される場合があるが、この場合には、前処理として例えば加熱処理することで樹脂や油分を除去し、金属を迅速に溶解処理することができる。
【0055】
また、油水分離方法は、コンデンサ素子等のアルミ箔と紙や樹脂フィルムを分別する場合に適用することができる。先ず、素子等を裁断後、水と灯油等の油の2相液中に投入する。攪拌によりアルミ箔やフィルムは剥がれて、バラバラとなる。紙はPCBを含み比重が重いので、下層の水相下部に沈降する。一方のアルミ箔及びフィルムは油との親和性が高いため表面が油分がコーティングされ、その結果水との界面張力により水相側には移行せず、油と水との界面に集まる。それぞれを金網等で回収することで、分離することができる。
【0056】
上記分離された紙・木・樹脂等の有機物は微粉砕手段1015によりスラリー化されている。
【0057】
また、有害物質の各種処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物を処理する場合には、必要に応じて裁断又は破砕手段を介して裁断・破砕した後、上記微粉砕手段1015へ供給して、スラリー1014とすることで、その後の、有害物質分解処理手段1013へそのまま連続して供給することができる。
【0058】
これにより、有害物質のみならず、その処理に用いた容器、処理の際に発生する各種有害物質汚染物等を一貫して完全無害化することができる。
【0059】
また、被処理物が例えば銃砲弾、魚雷、爆弾等の場合にも、爆殻を圧搾破砕等することで脆化させて破砕することができる。
【0060】
ここで、上記脆化手段は構成材を加熱或いは冷凍、又は紫外線照射により脆化させる法を挙げることができるが、公知の脆化手段により構成材を脆化することができるものであればこれらに限定されるものではない。
【0061】
上記有害物質分解処理手段1013は、水熱分解処理する水熱分解処理手段又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段又はバッチ式水熱分解処理手段等を挙げることができるが、公知の有害物質処理手段により有害物質を分解処理することができるものであればこれらに限定されるものではない。
上記有害物質分解処理手段1013は連続して処理する方法及びバッチ処理する方法を適宜採用することができる。
【0062】
ここで、スラリーを連続して完全分解処理するような場合には、水熱酸化分解処理手段を用いることが好ましい。
【0063】
ここで、以下に示す実施の形態においては、被処理物としてPCBが含有された容器について、PCBの無害化及びその容器構成材の無害化処理する処理システムについて具体的に説明する。
【0064】
PCBを含有する容器としては、例えばトランス、コンデンサ、蛍光灯の安定器等が存在し、これらの無害化処理を本システムで行うことができる。
上記トランスは前述した図5に示すものであり、低濃度(数ppm〜100ppm)PCB容器であり、図6に示すようなコンデンサは100〜60%のPCBを含有する高濃度PCB容器であり、本発明のシステムではどちらの場合でもPCB及びその容器の完全無害化処理が可能となる。
【0065】
本発明の処理設備において、PCB等の有害物質は水熱分解において分解処理され、容器は洗浄工程において、洗浄処理される。
しかしその構成材である紙又は木又は樹脂等の有機物質はPCB等の有害物質が含浸しているので、洗浄処理では完全処理ができない。そこで本発明では、有害物質を含む有機物質を微粉砕してスラリー1014として、それを分解処理するようにしている。
【0066】
このスラリー化処理の概要を以下に示す。
【0067】
図2に示すように、第2の分離手段1009において発生した紙又は木等の有機物1007を、超微粉砕ミル94にてスラリー化してスラリー1014を得る。
このスラリー化において、容器等に付着したPCBを拭き取った布切れ等も同時にスラリー1014とすることもできる。
【0068】
上記スラリー化は、図3に示す微粉砕ミルを用いて行うことができる。
図3に示すように、この微粉砕ミル94は、分離した有機物を投入するホッパ101と、ホッパ101を取り付けた外筒ドラム102と、外筒ドラム102内に設置され内部で回転する内筒103と、外筒ドラム102内側および内筒103表面に設けた攪拌翼列104と、微粒化を促進させる充填物104aと、内筒103の軸受105と、モータおよび減速機(図示省略)とから構成されている。
また、外筒ドラム102内の下流には、分級目板106が設けられ、ホッパ101と外筒ドラム102の取り付け部分には、スラリー化に用いる油または水を導入するためのノズル107が設けられている。さらに、外筒ドラム102の下流にはスラリーの排出口108が設けられ、この排出口108はスラリー1014を受けるスラリータンク109に繋がっている。
【0069】
ここで、上記スラリー化工程においてスラリー化されたスラリー1014は、有害物質処理手段1013の1次反応器122において処理をするが、このスラリー1014の搬送を効率的に行なう必要がある。また、有害物質の各種処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物を処理する場合にもスラリーとしているので、これらも同様である。
【0070】
先ず、スラリーを分解処理する場合には、スラリーの搬送の場合に、粘性、粒径、静置安定性の特性が重要となる。
スラリー粘度は、スラリーの濃度及びスラリー平均粒径で決定され、スラリー濃度が高い場合には、粘度が高く、平均粒径が小さい場合には、粘度が高くなる。これらの条件を勘案してスラリーの性状を以下の条件とするのがよい。
【0071】
上記スラリーの最大粒径は、500μm以下、好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下とするのがよい。これは最大粒径が500μmを超える場合には、スラリーを搬送する搬送手段の弁等において閉塞等の動作不良を生じる場合があるからである。
【0072】
上記スラリーの平均粒径は、1〜100μmの範囲、好ましくは10〜100μmの範囲とするのがよい。これは平均粒径が小さいほうが分解反応が早く進み、またスラリーの安定性が増すが、1μm未満となると、スラリー粘度の上昇があるので、スラリー生成に時間がかかり、好ましくないからである。
【0073】
また、上記スラリーの25℃における見かけ粘度は、10PaS(10000cP/100-S以下、好ましくは3PaS(3000cP/100-S以下とするのがよい。これは、10PaSを超える場合には、ポンプ圧送に負担がかかり、スラリーの搬送効率が低下し、好ましくないからである。
【0074】
また、上記スラリー濃度は、0.01〜50重量%、好ましくは1〜10重量%とするのがよい。これは、50重量%を超える場合には、スラリーの粘度が増加し、搬送に負担が生じ、スラリーの搬送効率が低下し、好ましくないからである。また、0.01重量%未満の場合には、水分量が多くなるので、単位時間あたりの有機物処理量が少なくなり、処理効率が悪くなるからである。
【0075】
また、上記スラリーを搬送する場合の、配管内の流速は、0.01〜10m/秒とするのが好ましい。これは、流速が0.01m/秒未満の場合には管内のずり速度が小さくなりスラリー粘度が増加し、ポンプでの搬送に負担がかかり、スラリーの搬送効率が低下し、好ましくないからである。また、10m/秒を超える場合には、スラリーに含まれる灰分等による管内の摩耗が問題となり、好ましくないからである。
【0076】
上記スラリーには添加剤を加えるようにしてもよい。添加剤の添加は分散性を増してスラリーの凝集を防ぐための分散効果を発現させる場合と、安定性を増してスラリーの沈降を防ぐための安定効果を発現させる場合とがある。
よって、スラリーの調整の目的により分散剤と安定剤とを適宜使いわければよい。
【0077】
すなわち、添加剤が無添加の場合には、フロキュレーション状態となり、切断面が活性となってスラリー粒子の凝集を起こしやすいからである。よって、このフロキュレーションを解消する目的でスラリーに応じた適切な分散剤を添加して粒子の凝集を防止するようにしている。
【0078】
また、スラリー化した後には、貯溜スラリーを攪拌手段により攪拌するようにしてスラリーの凝集を防止することが好ましい。上記攪拌手段としては、例えばダブルヘリカル翼を用いたものを挙げることができる。
【0079】
ここで、分散剤としては、特に限定されるものではないが、界面活性作用がある例えばアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤から選ばれるものの一種又は複数種を用いることができる。
【0080】
上記アニオン性界面活性剤としては、例えばリグニンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等を例示することができる。特に上記リグニンスルホン酸ナトリウムはパルプ廃液から回収されたものであり紙、木への吸着に効果が発揮される。
【0081】
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン、ノニルフェニルエーテル等を例示することができる。
【0082】
上記カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアミン類を例示することができる。
【0083】
上記安定剤としては、特に限定されるものではないが、水溶液となった場合に粘性を増加する性質が発現する水溶性高分子化合物を用いることができる。
【0084】
上記水溶性高分子化合物としては、例えばカルボキシルメチルセルロース(CMC),ポリビニアルコール(PVA)等を例示することができる。
【0085】
上記界面活性剤の添加量は有機物に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%とするのがよい。これは、10重量%を超えて添加しても更なる添加効率が発現せず、一方0.1重量%未満であると、添加効果が発現しないからである。
【0086】
また、容器洗浄工程55において使用した界面活性剤を含む洗浄水若しくはその洗浄剤を用いるようにしてもよい。
【0087】
つぎに、水熱分解システムにて、被処理物の前処理手段1006で油抜きした絶縁油であるPCB、ステージ2での洗浄により発生した洗浄廃液、スラリー化工程で生成したスラリー1014等を水熱分解する。
【0088】
この水熱分解は、熱水中で炭酸ナトリウム(Na2CO3)の結晶を析出させ、この結晶の高い表面活性によりPCBの塩素(Cl)と反応することでNaClを生成する工程(脱塩素反応)と、脱塩素後のPCBおよび油分を酸化して二酸化炭素と水に分解する工程(酸化分解反応)とから構成されている。
この水熱分解では、炭酸ナトリウムを用いることでPCBから分離したClは腐食性の高いHClではなく、無害のNaClとなるため、環境中に排出することが可能になる。
【0089】
図4は、有害物質処理手段1013で用いるPCBの水熱分解処理システム120の構成図である。
【0090】
図4に示すように、筒形状の一次反応器122と、燃焼用の油123a、液抜きしたPCB123b、水酸化ナトリウム123c及び水123dを各々加圧する加圧ポンプ124a〜dと、水と水酸化ナトリウムとの混合液を予熱する予熱器125と、例えば配管を巻いた構成の二次反応器126と、冷却器127および減圧弁128を備えている。また、減圧弁127の下流には、気水分離器129、活性炭槽130が配置されており、排ガス(CO2)131は煙突132から外部へ排出され、排水(H2O,NaCl)133は別途、必要に応じて排水処理される。
また、酸素の配管135は、一次反応器122に対して直結している。
なお、反応器は、必要に応じて例えば1次反応器を並設したり、又は上記二次反応器126を必要に応じて省略することもできる。
【0091】
上記装置において、加圧ポンプ124a〜dによる加圧により一次反応器122内は、約26MPaまで昇圧される。また、予熱器125は、PCB、H2OおよびNaOHの混合処理液123を300℃程度に予熱する。また、一次反応器122内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により370℃〜400℃まで昇温する。この亜臨界状態の水熱中で析出した炭酸ナトリウム(Na2CO3)の結晶とPCBとが反応し、脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaCl、CO2およびH2Oに分解されている。
つぎに、冷却器127では、二次反応器126からの流体を100℃程度に冷却すると共に後段の減圧弁128にて大気圧まで減圧する。そして、気水分離器129によりCO2および水蒸気と処理水とが分離され、CO2および水蒸気は、活性炭槽130を通過して環境中に排出される。
【0092】
ここで、反応器である1次反応器122及び二次反応器122内でのPCBの水熱分解反応について説明する。
【0093】
まず、反応開始時には油、有機溶剤等が酸化剤供給源から塔内に供給される酸化剤(本実施形態では酸素を使用する)により酸化され二酸化炭素を生成する。例えば、有機溶剤としてトルエン(C65CH3)を使用した場合を例にとると、C65CH3+9O2→4H2O+7CO2の反応によりCO2が生成する。この酸化反応は発熱反応であり、これにより系内の温度は上昇し、それに応じて圧力も上昇する。
本実施形態では、一次反応器122内の温度、圧力はそれぞれ370℃、26MPa程度に維持した場合に最もPCBの分解率が向上することが判明している。
【0094】
上記により生成したCO2は、一次反応器122内にPCBとともに供給された水酸化ナトリウムと反応し炭酸ナトリウム(Na2CO3)を生成する。
2NaOH+CO2→Na2CO3+H2O (A)
次に、上記(A)の反応により生成したNa2CO3は、PCBと反応し、PCBを脱塩及び酸化分解する。
126Cl4+12.5O2+2Na2CO3
→4NaCl+3H2O+14CO2 (B)
なお、上記の塩素数4のPCBの場合であるが、他の塩素数のものについても同様な反応が生じ、PCBがH2O、CO2、NaClに分解される。
上記(B)の反応により生じたCO2は更に、上記(A)の反応によりNaOHと反応し(B)の反応に必要とされるNa2CO3を生成するようになる。
ところで、上記(B)のPCB分解反応においては、炭酸ナトリウム(Na2CO3)は反応剤として作用する他に、(B)の分解反応は促進する触媒としても作用している。また、上記(B)の分解反応はアルカリ雰囲気(例えばpH10以上)で促進されることが判明している。
【0095】
上記水熱分解装置120によれば、現在でのPCBの排出基準値(3ppb)以下の0.5ppb以下まで分解でき、完全分解ができる。
これによりPCB含有物品の完全処理が可能となり、PCBの完全消滅が可能となる。
【0096】
また、1次反応器122に供給されるスラリー1014の性状を上述した特有のパラメータとすることで、スラリーの搬送効率及び分解効率が向上し、PCB等の有害物質の迅速的且つ効率的な処理を行なうことができる。
【0097】
このように、上記水熱分解システム120を用いることで、熱水中にて確実にPCBを分解することができるようになる。また、PCB以外の有機化合物も分解可能であり、PCB中に含まれるダイオキシン類、PCBに汚染された紙、木、布などの有機物、およびケースの洗浄に使用する洗浄剤も同様に分解処理が可能になる。なお、上記水熱分解方法は本願出願人により既に開示されており、詳しくは特開平11−639号公報、特開平11−253795号公報等を参照されたい。以上のPCB処理方法によれば、PCBを含むトランス等を安全かつ確実に処理することができる。
【0098】
上記システムにおいて、上記スラリー1014及び洗浄廃液1012並びに外部から供給されるPCB汚染物のPCBの濃度が様々であっても、水熱分解処理装置120で処理する前において、PCB濃度計測手段1020を用いて計測するようにしている。
上記PCB濃度計測手段1020は、例えば一定量採取した試料(スラリー)を炭化させる炭化手段と、該炭化した試料から有機ハロゲン化物を有機溶剤で抽出する抽出手段と、該有機溶剤中の有機ハロゲン化物を測定する蛍光X線測定手段とを具備してなり、スラリー1014中に含浸する有機ハロゲン化物の全量が炭化によりむきだしにし、該PCBを有機溶剤で抽出し、塩素のX線強度からPCB濃度を簡易且つ迅速に計測するものである。
これにより、高濃度PCBであるか、低濃度PCB(数ppm)であるかをその都度確認することができる。よって、必要に応じて、そのPCB濃度に応じた分解処理をすることができる。
【0099】
以上述べたように、上記実施の形態およびその変更例では、本願出願人による水熱分解装置を挙げたが、当該構成に限定されず、同原理を実施できる装置であればどのような構成であってもよい。さらに、上記実施の形態その変更例においては、PCB処理方法として水熱分解法を挙げたが、これに代えて超臨界水酸化法を用いるようにしてもよい。超臨界水酸化法は、高圧ポンプにより臨界圧力以上に水を加圧し、この中にPCBを含む有機物や洗浄廃液を投入し、酸化剤によって酸化分解するものである。超臨界水酸化法によれば、極めて短時間で高い反応効率が得られる。また、水熱分解法と同様に、ダイオキシンなどの有害物質が発生しないという利点がある。
【0100】
【発明の効果】
以上の説明したように、本発明によれば、例えばPCB等の有害物質を分解処理する処理設備に供給されるスラリーの性状を上述した特有のパラメータとすることで、スラリーの搬送効率及び分解効率が向上し、PCB等の有害物質の迅速的且つ効率的な処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 有害物質処理システムのシステム構成概略図である。
【図2】 微粉手段の概略図である。
【図3】 微粉砕ミルの工程図である。
【図4】 水熱分解処理システムの概略図である。
【図5】 一般的なトランスの構造を示す断面図である。
【図6】 一般的なコンデンサの構造を示す断面図である。
【図7】 一般的な安定器の構造を示す断面図である。
【図8】 従来のPCBの処理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1001 被処理物
1002 有害物質(例えばPCB)
1003 容器
1004 分離手段
1005 解体手段
1006 前処理手段
1007 有機物
1008 無機物
1009 分離手段
1010 洗浄液
1011 洗浄手段
1012 洗浄廃液
1013 有害物質分解処理手段
1014 スラリー
1015 スラリー化手段

Claims (12)

  1. 有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、
    被処理物から有害物質を分離する第1分離手段有する前処理手段と、
    前処理手段において処理された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分離する第2の分離手段と、
    上記分離された紙・木・樹脂等の有機物を微粉砕してスラリー化する微粉砕手段と、
    前処理手段で分離した有害物質及び/又はスラリー中の有害物質を分解処理する有害物質分解処理手段と
    具備してなり、
    上記スラリーの最大粒径が500μm以下であると共に、水溶液となった場合に粘性を増加させる性質を発現させる水溶性高分子化合物からなる安定剤が上記スラリーに添加されている
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  2. 請求項において、
    上記スラリーの平均粒径が1〜100μmである
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記スラリーの25℃における見かけ粘度が10PaS以下である
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    上記スラリー濃度が0.01〜50重量%である
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかにおいて、
    上記スラリーの搬送速度が0.01〜10m/秒である
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかにおいて、
    上記スラリーに分散剤を添加してなる
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  7. 請求項において、
    上記分散剤がアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤ら選ばれる少なくとも1種ものである
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  8. 請求項6又は請求項7において、
    上記分散剤の添加量がスラリーに対して0.1〜10重量%である
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかにおいて、
    上記無害化処理する被処理物がPCBを含有するトランス、コンデンサ又は蛍光灯の安定器並びにPCB汚染物である
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかにおいて、
    上記有害物質分解処理手段が水熱分解処理する水熱分解処理手段又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段である
    ことを特徴とする有害物質処理システム。
  11. 有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理方法であって
    被処理物から有害物質を分離する第1の分離工程有する前処理工程と、
    前処理工程において処理された被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分離する第2の分離工程と、
    上記分離された紙・木・樹脂等の有機物を微粉砕してスラリー化する微粉砕工程と、
    前処理工程で分離した有害物質及び/又はスラリー中の有害物質を分解処理する有害物質分解処理工程と
    具備してなり、
    前記微粉砕工程において、上記スラリーの平均粒径500μm以下にすると共に、水溶液となった場合に粘性を増加させる性質を発現させる水溶性高分子化合物からなる安定剤を上記スラリーに添加する
    ことを特徴とする有害物質処理方法。
  12. 請求項11において、
    上記有害物質分解処理工程が水熱分解処理する水熱分解処理工程又は超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理工程である
    ことを特徴とする有害物質処理方法。
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