JP3902099B2 - スラリ製造設備及びこれを利用する有機物処理システム - Google Patents

スラリ製造設備及びこれを利用する有機物処理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機物と有機物との混合物から有機物を分別して当該有機物のスラリを製造するスラリ製造設備及びこれを利用する有機物処理システムに関し、特に、PCBで汚染されたトランスのコイルの破断物やコンデンサの素子の破断物を湿式分別した絶縁紙や木片等の有機物をスラリ化して無害化分解処理する場合に適用すると極めて有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
金属やセラミックス等の無機物と紙や木片等の有機物との混合物から有機物を分別して当該有機物のスラリを製造する場合には、例えば、上記混合物を破砕して気流中に投入することにより、比重差に基づいて無機物と有機物とを分別(気流中比重差分別)した後、有機物を水と共にスラリ化することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにしてスラリを製造しようとすると、前記混合物に有害物質が付着している場合、当該有害物が気流分別時に気流中に移行して、有害物を含むガスが大量に発生してしまい、当該ガスの後処理に手間がかかってしまう。また、前記混合物が水や油等の液状物が付着していると、当該混合物が気流分別中に周壁に付着してしまい、当該混合物の分別が困難となってしまう。
【0004】
このようなことから、本発明は、有害物や液状物が付着している混合物であっても、有害物を含むガスを発生させることなく無機物と有機物とに容易に分別してスラリを製造することができるスラリ製造設備及びこれを利用する有機物処理システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明によるスラリ製造設備は、無機物と有機物との混合物を破砕する破砕手段と、破砕された前記混合物を流水中に投入することにより当該混合物から当該有機物を水と共に分別する分別手段と、前記水と共に分別された前記有機物を脱水する脱水手段と、脱水された前記有機物及び水が所定量ずつ供給されて当該有機物と当該水とを混合してスラリを製造するスラリ化手段とを備え、前記分別手段が、一端側が他端側よりも低くなるように傾斜して配向されて上下方向へ振動し、長手方向中程に前記混合物を投入されると共に、当該混合物の投入位置よりも他端側寄りに水を供給される振動樋を備えてなることを特徴とする。
【0006】
第二番目の発明によるスラリ製造設備は、第一番目の発明において、前記破砕手段が、回転刃による二軸破砕機及び固定刃と回転刃とを有する一軸破砕機の少なくとも一方であることを特徴とする。
【0008】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第一番目または番目の発明おいて、前記脱水手段が、前記有機物を前記スラリ化手段へ搬送しながら脱水することを特徴とする。
【0009】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目の発明において、前記脱水手段が、メッシュコンベアと、前記メッシュコンベア上に配設されて前記有機物を圧縮して脱水する圧縮手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目の発明において、前記脱水手段が、前記メッシュコンベアの下方に配設されて前記水を回収する水回収手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第一番目から第番目の発明のいずれかにおいて、前記スラリ化手段が、脱水された前記有機物及び水が所定量ずつ供給されて当該有機物と当該水とを混合して粗スラリを製造する粗スラリ化手段と、前記粗スラリ中の前記有機物を微粉砕して微粒スラリを製造する微粒スラリ化手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目の発明において、前記粗スラリ化手段が、脱水された前記有機物及び水を貯溜すると共に内部の重量を計測可能な貯溜槽と、水を前記貯溜槽に供給する給水手段と、前記貯溜槽内に配設されて前記有機物を粗裁すると共に当該有機物を水と混合する粗裁攪拌手段と、前記貯溜槽で製造された粗スラリを前記微粒スラリ化手段に送給する粗スラリ送給手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目の発明において、前記粗スラリ化手段の前記給水手段が、前記脱水手段の前記水回収手段で回収された水を前記貯溜槽に供給することを特徴とする。
【0014】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目から第番目の発明のいずれかにおいて、前記粗スラリ化手段が、分散剤及び安定剤の少なくとも一方を前記貯溜槽内に供給する添加剤供給手段を備えていることを特徴とする。
【0015】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目から第番目の発明のいずれかにおいて、前記粗スラリ化手段が、含水率の少ない他の有機物を貯溜槽内に投入する低含水有機物投入手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
十一番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目から第番目の発明のいずれかにおいて、前記微粒スラリ化手段が超微粉砕ミルであることを特徴とする。
【0017】
また、前述した課題を解決するための、第十二番目の発明による有機物処理システムは、第一番目から第十一番目の発明のいずれかのスラリ製造設備と、前記スラリ製造設備からの前記スラリを分解処理する分解処理手段とを備えていることを特徴とする。
【0018】
十三番目の発明による有機物処理システムは、第十二番目の発明において、前記分解処理手段が水熱分解装置であることを特徴とする。
【0019】
十四番目の発明による有機物処理システムは、第十三番目の発明において、前記スラリ製造設備からの前記スラリを貯溜する待機タンクと、前記待機タンク内の前記スラリを前記水熱分解装置に高圧で送給する高圧送給手段とを備えていることを特徴とする。
【0020】
十五番目の発明による有機物処理システムは、第十四番目の発明において、前記待機タンク及び前記高圧送給手段が前記水熱分解装置の近傍に配設されていることを特徴とする。
【0021】
十六番目の発明による有機物処理システムは、第十五番目の発明において、前記スラリ製造設備が前記スラリを貯蔵する貯蔵タンクを備える共に、前記貯蔵タンク内の前記スラリを前記待機タンクに移送するスラリ移送手段を有することを特徴とする。
【0022】
十七番目の発明による有機物処理システムは、第十四番目から第十六番目の発明のいずれかにおいて、前記タンク内に前記スラリを攪拌する攪拌手段を設けたことを特徴とする。
【0023】
十八番目の発明による有機物処理システムは、第十二番目から第十七番目の発明のいずれかにおいて、前記混合物が、PCBで汚染されたトランスのコイルの破断物またはコンデンサの素子の破断物であることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明によるスラリ製造設備及びこれを利用する有機物処理システムを、PCBで汚染されたトランスのコイルの破断物やコンデンサの素子の破断物を湿式分別した絶縁紙や木片等の有機物をスラリ化して無害化分解処理する際に適用した場合の実施の形態を図1〜6を用いて説明する。図1は、有機物処理システムの概略構成図、図2は、図1の超微粉砕ミルの概略構成図、図3は、図1の水熱分解装置の概略構成図、図4は、有害物質処理システムの全体構成図、図5は、トランスの概略構成図、図6は、コンデンサの概略構成図である。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0025】
<トランス及びコンデンサ>
まず始めに、スラリ化する紙や木片等の有機物を内蔵するトランス及びコンデンサの概略構成を図5,6を用いて説明する。
【0026】
図5に示すように、トランス10は、鉄心11に対して銅製のコイル12を巻いたコア13を鉄製の容器14内に収納した構成であり、絶縁油としてPCB油を内部に封入したものである。また、コイル12は、銅線に絶縁紙を巻き付けた構成であり、鉄枠17上部には碍子18が設けられている。また、容器14の開口部は蓋19により密封されている。一般的なトランスの容量範囲は、5〜100kVAであり、本発明ではすべての範囲において処理ができる。
【0027】
図6に示すように、コンデンサ20は、複数の素子21がプレスボード22を介して固定バンド23で束ねてなるものを絶縁紙24で覆った状態で容器25内に充填され、PCB油が封入口25aから内部に封入されて封止されたものである。なお、図6中、27は接地端子、28は高圧端子、29は碍子である。上記素子21は、アルミ箔、絶縁紙、樹脂フィルム及びスペーサ等から構成されている。一般的なコンデンサの容量範囲は、数〜500kvarであり、本発明ではすべての範囲において処理ができる。
【0028】
次に、本実施の形態にかかるスラリ製造設備及び有機物処理システムを図1を用いて説明する。
【0029】
<スラリ製造設備>
図1に示すように、本実施の形態にかかるスラリ製造設備100は、金属やセラミックス等の無機物3と紙や木片等の有機物2との混合物1を破砕する破砕手段である二軸破砕機140と、破砕された前記混合物1を流水中に投入することにより当該混合物1から有機物2を水4と共に分別する分別手段である分別装置150と、水4と共に分別された有機物2をを脱水する脱水手段である脱水装置110と、脱水された有機物2及び水4が所定量ずつ供給されて当該有機物2と水4と混合してスラリ5を製造するスラリ化手段であるスラリ化装置120と、製造されたスラリ5を貯蔵すると共に当該スラリ5を攪拌する攪拌手段であるダブルヘリカルタイプ等の攪拌翼101aを備えた貯蔵タンク101とを備えている。
【0030】
《二軸破砕機140》
前記二軸破砕機140は、互いに回転する一対の回転刃によって前記混合物1を破砕することができるようになっている。
【0031】
《分別装置150》
前記分別装置150は、前記脱水装置110と連絡する一端側が、受筐155と連絡する他端側よりも低くなるように傾斜して配向されると共に、支柱151にリンクプレート152を介して支承されることにより上下方向へ振動可能に保持され、長手方向中程に前記二軸破砕機140から混合物1を投入されると共に、当該二軸破砕機140からの混合物1の投入位置よりも他端側寄りに水を供給する散水管154を配設された振動樋153を備えてなっている。
【0032】
《脱水装置110》
前記脱水装置110は、メッシュコンベア111と、メッシュコンベア111上に配設されて前記有機物2を圧縮して脱水する圧縮手段である圧縮ローラ112と、メッシュコンベア111の下方に配設されて水4を回収する水回収手段である水回収容器113とを備えている。
【0033】
《スラリ化装置120》
前記スラリ化装置120は、脱水された前記有機物2及び水4が所定量ずつ供給されて当該有機物2と水4とを混合して粗スラリ6を製造する粗スラリ化手段である粗スラリ製造装置121と、粗スラリ6中の有機物2を微粉砕して微粒スラリ7を製造する微粒スラリ化手段である超微粉砕ミル130とを備えている。
【0034】
《粗スラリ製造装置121》
上記粗スラリ製造装置121は、脱水された前記有機物2及び水4を貯溜すると共に内部の重量を計測できる貯溜槽122と、前記脱水装置110の前記水回収容器113に回収された前記水4及び他で使用された水4を上記貯溜槽122に供給する給水手段である給水ポンプ123と、分散剤及び安定剤の少なくとも一方の添加剤5を貯溜槽122内に供給する添加剤供給手段である添加剤供給器124と、PCBで汚染されているものの含水率の少ない他の有機物2(例えば適当な大きさに裁断されたウエスや作業着等の繊維や活性炭等)を貯溜槽122内に投入する低含水有機物投入手段であるホッパ125と、貯溜槽122内に配設されて前記有機物2を粗裁すると共に当該有機物2を水4と混合する粗裁攪拌手段である回転刃126と、貯溜槽122で製造された粗スラリ6を超微粉砕ミル130へ送給する粗スラリ送給手段であるスクリュポンプ127とを備えている。
【0035】
《超微粉砕ミル130》
前記超微粉砕ミル130は、図2に示すように、前記粗スラリ製造装置121の前記スクリュポンプ127から送給されてきた粗スラリ6を受け入れる受入口131と、受入口131を有する外筒ドラム132と、外筒ドラム132内に設置されて内部で回転する内筒133と、外筒ドラム132の内側及び内筒133の表面に設けられた攪拌翼列134と、内筒133の軸受135と、モータ及び減速機(図示省略)と、外筒ドラム132内の下流に設けられた分級目板136と、微粒化を促進させる充填物137と、外筒ドラム132の下流に設けられた排出口138とを備えている。
【0036】
<有機物処理システム>
また、本実施の形態にかかる有機物処理システム200は、上記スラリ製造設備100と、微粒スラリ7を分解処理する分解処理手段である水熱分解装置210と、水熱分解装置210の近傍に配設されて微粒スラリ7を貯溜すると共に当該微粒スラリ7を攪拌する攪拌手段であるダブルヘリカルタイプ等の攪拌翼201aを備えた待機タンク201と、スラリ製造設備100の貯蔵タンク101内の微粒スラリ7を上記待機タンク201内に移送するスラリ移送手段であるスクリュポンプ202と、水熱分解装置210の近傍に配設されて上記待機タンク201内の微粒スラリ7を当該水熱分解装置210に高圧で送給する高圧送給手段である高圧ポンプ203とを備えている。
【0037】
《水熱分解装置210》
前記水熱分解装置210は、図3に示すように、筒形状の一次反応器211と、前記高圧ポンプ203を介して送給されてきた前記待機タンク201からの微粒スラリ7等並びにH2O及びNaOHを混合した混合液を予熱する予熱器213と、一次反応器211に一端側が連結する例えば螺旋状の配管からなる二次反応器214と、二次反応器214の他端側に設けられた冷却器215及び減圧弁216と、減圧弁216の下流に連結された気液分離器217と、気液分離器217の気体送出口に連結された活性炭槽218及び煙突219とを備えている。なお、一次反応器211の下方からはO2 ガスが供給されるようになっている。
【0038】
次に、このようなスラリ製造設備100及び有機物処理システム200を使用したスラリ製造方法及び有機物処理方法を説明する。
【0039】
<スラリ製造方法>
PCBで汚染されたトランス10のコイル12やコンデンサ20の素子21等のような有機物2と無機物3との混合物1を二軸破砕機140に投入して破砕し、破砕された当該混合物1を分別装置150の振動樋153の長手方向中程に投入すると共に、散水管154から振動樋153に水4を供給しながら、当該振動樋153を上下方向に振動させると、混合物1は、水4により比重差に基づいて有機物2と無機物3とに分離し、当該無機物3が振動樋153の上下振動により当該振動樋153の他端側へ徐々に競り上がりながら移動して当該他端側から受筐155内に回収される一方、当該有機物2が水4の流れにより当該水4と共に振動樋153の一端側へ流れて脱水装置110のメッシュコンベア111上に送給される(有機物:水=1〜5:95〜99(重量比))。
【0040】
水4は、メッシュコンベア111のメッシュを通過して水回収容器113の内部に回収されると共に、有機物2は、メッシュコンベア111で搬送されながら圧縮ローラ112で圧縮されることにより、含浸している水4が絞り出され、略一定の含水率(有機物:水=10以上:90以下、好ましくは20以上:80以下(重量比))に調製された後、スラリ化装置120の粗スラリ製造装置121の貯溜槽122内に供給される。さらに、必要に応じて、PCB汚染された低含水率の有機物2(例えば適当な大きさに裁断されたウエスや作業着等の繊維や活性炭等)を粗スラリ製造装置121のホッパ125から貯溜槽122内に所定量投入し、回転刃126を作動させることにより、これら有機物2を粗裁する。
【0041】
このようにして有機物2を粗裁しながら貯溜槽122内の重量を計測し、当該貯溜槽122内の有機物2が所定量となったら、給水ポンプ123を作動して前記脱水装置110の水回収容器113内の水4及び他で使用された水4を当該貯溜槽122内に所定量送給することにより、有機物2と水4との割合を略一定(5〜10:90〜95(重量比))にし、さらに回転刃126を回転させると共に、添加剤供給器124から貯溜槽122内に添加剤5を添加することにより(有機物2に対して0.1〜10wt%(好ましくは0.3〜5wt%))、有機物2と水4と混合して粗スラリ6を製造する。
【0042】
このようにして粗スラリ6が製造されたら、スラリ化装置120の粗スラリ製造装置121のスクリュポンプ127を作動して粗スラリ6を超微粉砕ミル130の受入口131に送給し、外筒ドラム132と内筒133との間に上記粗スラリ6を供給しながら内筒133を回転させることにより、攪拌翼列134及び充填物137で粗スラリ6中の有機物2の微粒化を促進させながら粗スラリ6を微粒スラリ化し(最大粒径500μm以下(好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下)、平均粒径1〜100μm(好ましくは10〜100μm)、見かけ粘度10PaS・25℃以下(好ましくは3PaS・25℃以下))、分級目板136を介して排出口138から微粒スラリ7を送出し、前記貯蔵タンク101内に送給して、攪拌翼101aによりまんべんなく攪拌しながら貯蔵しておく。
【0043】
<有機物処理方法>
次に、スクリュポンプ202を作動して、スラリ製造設備100の貯蔵タンク101内の微粒スラリ7を待機タンク201内に送給して(流速0.01〜10m/s)、攪拌翼201aによりまんべんなく攪拌しながら待機させ、高圧ポンプ203を作動して待機タンク202内の微粒スラリ7をH2O及びNaOH等と共に水熱分解装置210内へ高圧(約27MPa)で送給すると、微粒スラリ7は、予熱器213で加熱(約300℃程度)された後に一次反応器211内に送給される。また、酸素が一次反応器211内に送給され、一次反応器211内が内部の反応熱により370℃〜400℃まで昇温する。この段階までに、有機物2に付着しているPCBは、脱塩素反応及び酸化分解反応を起こし、NaCl、CO2及びH2Oに分解されている。
【0044】
引き続き、冷却器215が二次反応器214からの流体を100℃程度に冷却し、後段の減圧弁216が大気圧まで減圧する。そして、気水分離器217がCO2及び水蒸気と処理水とを分離し、CO2及び水蒸気は、活性炭槽218を通過して煙突219から大気中に排出される。一方、H2 O及びNaClは、別途、必要に応じて排水処理された後、系外へ排出される。なお、上記二次反応器214は必要に応じて省略することができる。
【0045】
このようにして上記水熱分解装置210で微粒スラリ7を処理すれば、スラリ5中のPCBを現在での排出基準値(3ppb)以下の0.5ppb以下にまで分解でき、完全分解ができる。これにより、PCBを含有する有機物2の完全処理が可能となり、PCBの完全消滅が可能となる。さらに、PCBに限らず、PCB以外の有機物も分解可能であり、PCB中に含まれるダイオキシン類、PCBに汚染された紙、木、布などの有機物等も同様に分解処理される。
【0046】
《添加剤》
なお、前記添加剤5としては、分散性を増してスラリの凝集を防ぐための分散効果を発現させる分散剤や、安定性を増してスラリの沈降を防ぐための安定効果を発現させる安定剤等が挙げられる。
【0047】
上記分散剤としては、例えば、リグニンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等のようなアニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレン、ノニルフェニルエトキシレート、ノニルフェニルエーテル等のようなノニオン性界面活性剤や、アルキルアミン類等のようなカチオン性界面活性剤等のような界面活性剤を挙げることができ、特に、リグニンスルホン酸ナトリウムは、パルプ廃液から回収されたものであり、紙や木への吸着に効果が発揮されるため好ましい。
【0048】
上記安定剤としては、例えば、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)等のような、水溶液となった場合に粘性を増加させる作用を発現する水溶性高分子化合物等を挙げることができる。
【0049】
《水熱分解反応機構》
また、反応塔(一次反応容器211及び二次反応器214)内でのPCBの水熱分解反応について、ここで説明する。
【0050】
この水熱分解は、熱水中で炭酸ナトリウム(Na2CO3)の結晶を析出させ、この結晶の高い表面活性によりPCBの塩素(Cl)と反応することでNaClを生成する工程(脱塩素反応)と、脱塩素後のPCB及び油分を酸化して二酸化炭素と水に分解する工程(酸化分解反応)とから構成されている。この水熱分解では、炭酸ナトリウムを用いることでPCBから分離したClは腐食性の高いHClではなく、無害のNaClとなるため、環境中に排出することが可能になる。
【0051】
この水熱分解の反応開始時には油、有機溶剤等が酸化剤供給源から塔内に供給される酸化剤(本実施形態では酸素を使用する)により酸化され二酸化炭素を生成する。例えば、有機溶剤としてトルエン(C6 5 CH3 )を使用した場合を例にとると、C6 5 CH3 +9O2 →4H2 O+7CO2 の反応によりCO2 が生成する。この酸化反応は発熱反応であり、これにより系内の温度は上昇し、それに応じて圧力も上昇する。本実施形態では、一次反応容器191内の温度、圧力はそれぞれ380℃、26MPa程度に維持した場合に最もPCBの分解率が向上することが判明している。
【0052】
上記により生成したCO2 は、一次反応容器191内にPCBとともに供給された水酸化ナトリウムと下記に示すように反応し炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を生成する。
【0053】
2NaOH+CO2 →Na2 CO3 +H2 O・・・(A)
【0054】
次に、生成したNa2 CO3 は、PCBと下記に示すように反応し、PCBを脱塩及び酸化分解する。
【0055】
126 Cl4 +12.5O2 +2Na2 CO3
→4NaCl+3H2 O+14CO2 ・・・(B)
【0056】
なお、上記式(B)は塩素数が4のPCBの場合であるが、他の塩素数のものについても同様な反応が生じ、PCBがH2 O、CO2 、NaClに分解される。
【0057】
上記式(B)の反応により生じたCO2 は更に、上記式(A)の反応によりNaOHと反応し、上記式(B)の反応に必要とされるNa2 CO3 を生成するようになる。
【0058】
ところで、上記式(B)のPCB分解反応においては、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )は反応剤として作用する他に、上記式(B)の分解反応を促進する触媒としても作用している。また、上記式(B)の分解反応はアルカリ雰囲気(例えばpH10以上)で促進されることが判明している。
【0059】
なお、上記水熱分解方法は本願出願人により既に開示されており、詳しくは特開平11−639号公報、特開平11−253795号公報等を参照されたい。
【0060】
<有害物質処理システム>
このようなスラリ製造設備100及び有機物処理システム200は、図4に示すような有害物質処理システムに組み込まれることにより、より効果的に利用することができる。
【0061】
図4に示すように、有害物質処理システムは、有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物(例えばトランス、コンデンサ等)1001である有害物質( 例えばPCB等)1002 を保存する容器1003から当該有害物質1002を分離する第1の分離手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体手段1005とのいずれか一方又は両方を有する前処理手段1006と、前処理手段1006において処理された被処理物を構成する構成材(コア、コンデンサ素子部等)1001a,b,…から紙・木・樹脂等の有機物1007と金属等の無機物1008とに分離する第2の分離手段1009と、上記前処理手段1006で分離された金属製の容器1003又は上記分離手段1009で分離した金属等の無機物1008を洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、第2の分離手段1009で分離された前記有機物1007を微粉砕してスラリ1014とするスラリ化手段1015と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物質1001のいずれか一方又は両方と上記スラリ1015とを分解処理する有害物質分解処理手段1013とを、具備してなるものである。
【0062】
このような有害物質処理システムにおいては、前記スラリ製造設備100は上記スラリ化手段1015として使用され、前記有機物処理システム200は上記スラリ化手段1015及び有害物質処理手段1013として使用される。
【0063】
この有害物質処理システムによれば、PCBで汚染されたトランス10やコンデンサ20等の電気機器類を始めとして、処理の際に発生したPCB汚染物等も一貫して完全無害化することができる。さらに、PCBに限らず、PCB以外の有機化合物も分解可能であり、PCB中に含まれるダイオキシン類、PCBに汚染された紙、木、布などの有機物、及び他の部材の洗浄に使用した洗浄液の廃液等も同様に分解処理することができる。
【0064】
<効果>
したがって、本実施の形態のスラリ製造設備100及び有機物処理システム200によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
(1)混合物1を水4により無機物2と有機物3とに分別するようにしたので、PCBで汚染されたトランス10のコイル12やコンデンサ20の素子21等のような有害物質が付着している混合物1であっても、当該有害物を含むガスを発生させることがなく、後処理にかかる手間を非常に簡単にすることができると共に、PCBで汚染されたトランス10のコイル12やコンデンサ20の素子21等のように油等の液状物が付着している混合物1であっても、当該混合物1が分別中に周壁に付着することがなく、当該混合物1の分別を容易に行うことができる。
【0066】
(2)水4と共に分別された有機物2を一旦脱水した後に、当該有機物2と水4とを所定量ずつ混合攪拌して微粒スラリ7を製造するようにしたので、一定の性状の微粒スラリ7を容易に製造することができる。
【0067】
(3)水4と共に分別された有機物2を脱水装置110のメッシュコンベア111で脱水しながら搬送してスラリ化装置120の粗スラリ製造装置121の貯溜槽122内に投入するようにしたので、含水状態でハンドリングに難点のある絶縁紙等の有機物2であっても、脱水及び搬送を容易に行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0068】
(4)有機物2を粗スラリ製造装置121で粗裁しながら粗スラリ6を製造した後に超微粉砕ミル130で微粒スラリ7を製造するようにしたので、比較的大きな有機物2(例えば活性炭や作業着等)をスラリ化するような場合であっても、一定の性状の微粒スラリ7の製造の容易化を図ることができると共に、超微粉砕ミル130にかかる負荷を大幅に低減することができ、処理効率を向上させることができる。
【0069】
(5)粗スラリ6の製造時に添加剤5を供給するようにしたので、スラリ4,5の性状の均一化を容易に図ることができる。
【0070】
(6)前記タンク101,201内に攪拌翼101a,201aを設けたので、微粒スラリ7の均一分散化を常に図ることができ、微粒スラリ7を一定の性状で送出することが容易にできる。
【0071】
(7)微粒スラリ7を貯蔵タンク101に貯蔵してから待機タンク201内に送給した後に、水熱分解装置210内に高圧ポンプ203で高圧送給するようにしたので、スラリ製造設備100での微粒スラリ7の製造速度が均一でなくても、高圧ポンプ203に一定背圧で微粒スラリ7を供給することができ、無害化処理装置210に微粒スラリ7を常に安定して送給することができる。
【0072】
(8)待機タンク201及び高圧ポンプ203を無害化処理装置210の近傍に配設したので、微粒スラリ7を高圧で搬送する距離を極力短くすることができ、微粒スラリ7の高圧搬送の容易化を図ることができる。
【0073】
[他の実施の形態]
<脱水手段>
なお、前述した実施の形態では、圧縮ローラ112で有機物2を圧縮して当該有機物2の含水率を調整するようにしたが、例えば、有機物2が含水しにくい材料である場合には、上記圧縮ローラ112を省略して有機物2を圧縮することなく脱水(水切り)することも可能である。このとき、例えば、上記メッシュコンベア111に代えて、図7に示すように、金網製のメッシュ筐114を適用して有機物2を水切り(脱水)して当該有機物2をバッチ式に粗スラリ製造装置121の貯溜槽122に供給することも可能である。
【0074】
<粗スラリ化手段>
また、適当な大きさに裁断されたウエスや作業着等の繊維や活性炭等のような含水率の少ない他の有機物2のスラリ化が必要ない場合には、粗スラリ製造装置121の前記ホッパ125を省略することも可能である。このとき、例えば、分別装置150から脱水装置110で回収される水4の量が貯溜槽122で粗スラリ6を製造する際に使用する水4の量よりも多い場合には、図7に示すように、脱水装置110の水回収容器113に回収した水4の余剰部を切替バルブ123aを切り替えることで分別装置150の散水管154に戻すようにして再利用することも可能である。
【0075】
<プラスチックスフィルム含有有機物>
また、有機物2中にプラスチックスフィルム等のような水4に対して物性変化を生じないものを含んでいるような場合には、例えば、スラリ化装置120の粗スラリ製造装置121の貯溜槽122内に有機溶剤を供給する有機溶剤供給器を設け、当該貯溜槽122内に有機溶剤を供給できるようにすれば、有機溶剤によりプラスチックスフィルムを膨潤させて粉砕しやすくなり、微粒スラリ7の製造の容易化を図ることができる。
【0076】
<配管の傾斜配向>
また、前記スラリ6,7の流通する配管を流通方向下流側ほど下方へ位置するように傾斜配向させると、配管内での前記スラリ6,7の滞留や不均一化を抑制することができる。
【0077】
<混合物>
前述した実施の形態では、PCBで汚染されたトランス10のコイル12の破断物やコンデンサ20の素子21の破断物を湿式分別した絶縁紙や木片等の有機物2をスラリ化して無害化分解処理する際に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、無機物と有機物との混合物を流水中に投入することにより当該混合物から当該有機物を水と共に分別して当該有機物のスラリを製造するようなスラリ製造設備及びこれを利用する有機物処理システムであれば適用することが可能である。
【0078】
【発明の効果】
第一番目の発明によるスラリ製造設備は、無機物と有機物との混合物を破砕する破砕手段と、破砕された前記混合物を流水中に投入することにより当該混合物から当該有機物を水と共に分別する分別手段と、前記水と共に分別された前記有機物を脱水する脱水手段と、脱水された前記有機物及び水が所定量ずつ供給されて当該有機物と当該水とを混合してスラリを製造するスラリ化手段とを備え、前記分別手段が、一端側が他端側よりも低くなるように傾斜して配向されて上下方向へ振動し、長手方向中程に前記混合物を投入されると共に、当該混合物の投入位置よりも他端側寄りに水を供給される振動樋を備えていることから、混合物に有害物質が付着しているような場合であっても、当該有害物を含むガスを発生させることがなく、後処理にかかる手間を非常に簡単にすることができると共に、混合物に液状物が付着しているような場合であっても、混合物が分別中に周壁に付着することがなく、当該混合物の分別を容易に行うことができ、さらに、水と共に分別された有機物を一旦脱水した後に、有機物と水とを所定量ずつ混合してスラリを製造することができるので、一定の性状のスラリを容易に製造することができ、また、混合物を有機物と無機物とに分別することが簡単かつ低コストでできる。
【0079】
第二番目の発明によるスラリ製造設備は、第一番目の発明において、前記破砕手段が、回転刃による二軸破砕機及び固定刃と回転刃とを有する一軸破砕機の少なくとも一方であるので、混合物を確実かつ簡単に破砕することができる。
【0081】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第一番目または番目の発明おいて、前記脱水手段が、前記有機物を前記スラリ化手段へ搬送しながら脱水するので、含水状態でハンドリングに難点のある有機物であっても、脱水及び搬送を容易に行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0082】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目の発明において、前記脱水手段が、メッシュコンベアと、前記メッシュコンベア上に配設されて前記有機物を圧縮して脱水する圧縮手段とを備えているので、第四番目の発明による効果を簡単で確実に得ることができる。
【0083】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目の発明において、前記脱水手段が、前記メッシュコンベアの下方に配設されて前記水を回収する水回収手段を備えているので、脱水した水を回収して再利用することが容易にできる。
【0084】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第一番目から第番目の発明のいずれかにおいて、前記スラリ化手段が、脱水された前記有機物及び水が所定量ずつ供給されて当該有機物と当該水とを混合して粗スラリを製造する粗スラリ化手段と、前記粗スラリ中の前記有機物を微粉砕して微粒スラリを製造する微粒スラリ化手段とを備えているので、比較的大きな有機物をスラリ化するような場合であっても、一定の性状の微粒スラリの製造の容易化を図ることができると共に、微粒スラリ化手段にかかる負荷を大幅に低減することができ、処理効率を向上させることができる。
【0085】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目の発明において、前記粗スラリ化手段が、脱水された前記有機物及び水を貯溜すると共に内部の重量を計測可能な貯溜槽と、水を前記貯溜槽に供給する給水手段と、前記貯溜槽内に配設されて前記有機物を粗裁すると共に当該有機物を水と混合する粗裁攪拌手段と、前記貯溜槽で製造された粗スラリを前記微粒スラリ化手段に送給する粗スラリ送給手段とを備えているので、一定の性状の粗スラリを製造することが容易にできる。
【0086】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目の発明において、前記粗スラリ化手段の前記給水手段が、前記脱水手段の前記水回収手段で回収された水を前記貯溜槽に供給するので、水を有効利用することができる。
【0087】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目から第番目の発明のいずれかにおいて、前記粗スラリ化手段が、分散剤及び安定剤の少なくとも一方を前記貯溜槽内に供給する添加剤供給手段を備えているので、一定の性状の粗スラリの製造の容易化を図ることができる。
【0088】
番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目から第番目の発明のいずれかにおいて、前記粗スラリ化手段が、含水率の少ない他の有機物を貯溜槽内に投入する低含水有機物投入手段を備えているので、他の有機物も併せてスラリ化することが容易にできる。
【0089】
十一番目の発明によるスラリ製造設備は、第番目から第番目の発明のいずれかにおいて、前記微粒スラリ化手段が超微粉砕ミルであるので、微粒スラリの製造を簡単かつ確実に行うことができる。
【0090】
十二番目の発明による有機物処理システムは、第一番目から第十一番目の発明のいずれかのスラリ製造設備と、前記スラリ製造設備からの前記スラリを分解処理する分解処理手段とを備えているので、有機物の分解処理を容易に行うことができる。
【0091】
十三番目の発明による有機物処理システムは、第十二番目の発明において、前記分解処理手段が水熱分解装置であるので、有機物の分解処理を確実に行うことができる。
【0092】
十四番目の発明による有機物処理システムは、第十三番目の発明において、前記スラリ製造設備からの前記スラリを貯溜する待機タンクと、前記待機タンク内の前記スラリを前記水熱分解装置に高圧で送給する高圧送給手段とを備えているので、スラリ製造設備でのスラリの製造速度が均一でなくても、高圧送給手段によるスラリの送給を一定にすることが容易となり、水熱分解装置にスラリを常に安定して送給することが可能となる。
【0093】
十五番目の発明による有機物処理システムは、第十四番目の発明において、前記待機タンク及び前記高圧送給手段が前記水熱分解装置の近傍に配設されているので、スラリを高圧で搬送する距離を極力短くすることができ、スラリの高圧搬送の容易化を図ることができる。
【0094】
十六番目の発明による有機物処理システムは、第十五番目の発明において、前記スラリ製造設備が前記スラリを貯蔵する貯蔵タンクを備える共に、前記貯蔵タンク内の前記スラリを前記待機タンクに移送するスラリ移送手段を有するので、スラリ製造設備と水熱分解装置とが比較的離れているような場合であっても、水熱分解装置へのスラリの安定送給化及びスラリの高圧搬送の容易化を同時に実現することができる。
【0095】
十七番目の発明による有機物処理システムは、第十四番目から第十六番目の発明のいずれかにおいて、前記タンク内に前記スラリを攪拌する攪拌手段を設けたので、タンク内でのスラリの性状の一定化を図ることができる。
【0096】
十八番目の発明による有機物処理システムは、第十二番目から第十七番目の発明のいずれかにおいて、前記混合物が、PCBで汚染されたトランスのコイルの破断物またはコンデンサの素子の破断物であるので、PCB汚染された有機物の無害化分解処理を確実に行うことが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機物処理システムの実施の形態の概略構成図である。
【図2】図1の超微粉砕ミルの概略構成図である。
【図3】図1の水熱分解装置の概略構成図である。
【図4】本発明による有機物処理システムを適用した有害物質処理システムのの実施の形態の全体構成図である。
【図5】トランスの概略構成図である。
【図6】コンデンサの概略構成図である。
【図7】本発明による有機物処理システムの他の実施の形態の概略構成図である。
【符号の説明】
1 混合物
2 有機物
3 無機物
4 水
5 添加剤
6 粗スラリ
7 微粒スラリ
10 トランス
12 コイル
20 コンデンサ
21 素子
100 スラリ製造設備
101 貯蔵タンク
101a 攪拌翼
111 メッシュコンベア
112 圧縮ローラ
113 水回収容器
120 スラリ化装置
121 粗スラリ製造装置
122 貯溜槽
123 給水ポンプ
123a 切替バルブ
124 添加剤供給器
125 ホッパ
126 回転刃
127 スクリュポンプ
130 超微粉砕ミル
131 受入口
132 外筒ドラム
133 内筒
134 攪拌翼列
135 軸受
136 分級目板
137 充填物
138 排出口
140 二軸破砕機
150 分別装置
151 支柱
152 リンクプレート
153 振動樋
154 散水管
155 受筐
200 有機物処理システム
201 待機タンク
201a 攪拌翼
202 スクリュポンプ
203 高圧ポンプ
210 水熱分解装置
211 一次反応器
213 予熱器
214 二次反応器
215 冷却器
216 減圧弁
217 気液分離器
218 活性炭槽
219 煙突
1001 被処理物
1002 有害物質(例えばPCB)
1003 容器
1004 分離手段
1005 解体手段
1006 前処理手段
1007 有機物
1008 無機物
1009 分離手段
1010 洗浄液
1011 洗浄手段
1012 洗浄廃液
1013 有害物質分解処理手段
1014 スラリ
1015 スラリ化手段

Claims (18)

  1. 無機物と有機物との混合物を破砕する破砕手段と、
    破砕された前記混合物を流水中に投入することにより当該混合物から当該有機物を水と共に分別する分別手段と、
    前記水と共に分別された前記有機物を脱水する脱水手段と、
    脱水された前記有機物及び水が所定量ずつ供給されて当該有機物と当該水とを混合してスラリを製造するスラリ化手段と を備え
    前記分別手段が、一端側が他端側よりも低くなるように傾斜して配向されて上下方向へ振動し、長手方向中程に前記混合物を投入されると共に、当該混合物の投入位置よりも他端側寄りに水を供給される振動樋を備えてなる ことを特徴とするスラリ製造設備。
  2. 請求項1において、
    前記破砕手段が、回転刃による二軸破砕機及び固定刃と回転刃とを有する一軸破砕機の少なくとも一方である ことを特徴とするスラリ製造設備。
  3. 請求項1または請求項において、
    前記脱水手段が、前記有機物を前記スラリ化手段へ搬送しながら脱水する ことを特徴とするスラリ製造設備。
  4. 請求項において、
    前記脱水手段が、
    メッシュコンベアと、
    前記メッシュコンベア上に配設されて前記有機物を圧縮して脱水する圧縮手段と を備えていることを特徴とするスラリ製造設備。
  5. 請求項において、
    前記脱水手段が、前記メッシュコンベアの下方に配設されて前記水を回収する水回収手段を備えている ことを特徴とするスラリ製造設備。
  6. 請求項1から請求項のいずれかにおいて、
    前記スラリ化手段が、
    脱水された前記有機物及び水が所定量ずつ供給されて当該有機物と当該水とを混合して粗スラリを製造する粗スラリ化手段と、
    前記粗スラリ中の前記有機物を微粉砕して微粒スラリを製造する微粒スラリ化手段と を備えていることを特徴とするスラリ製造設備。
  7. 請求項において、
    前記粗スラリ化手段が、
    脱水された前記有機物及び水を貯溜すると共に内部の重量を計測可能な貯溜槽と、
    水を前記貯溜槽に供給する給水手段と、
    前記貯溜槽内に配設されて前記有機物を粗裁すると共に当該有機物を水と混合する粗裁攪拌手段と、
    前記貯溜槽で製造された粗スラリを前記微粒スラリ化手段に送給する粗スラリ送給手段と を備えていることを特徴とするスラリ製造設備。
  8. 請求項において、
    前記粗スラリ化手段の前記給水手段が、前記脱水手段の前記水回収手段で回収された水を前記貯溜槽に供給する ことを特徴とするスラリ製造設備。
  9. 請求項から請求項のいずれかにおいて、
    前記粗スラリ化手段が、分散剤及び安定剤の少なくとも一方を前記貯溜槽内に供給する添加剤供給手段を備えている ことを特徴とするスラリ製造設備。
  10. 請求項から請求項のいずれかにおいて、
    前記粗スラリ化手段が、含水率の少ない他の有機物を貯溜槽内に投入する低含水有機物投入手段を備えている ことを特徴とするスラリ製造設備。
  11. 請求項から請求項10のいずれかにおいて、
    前記微粒スラリ化手段が、超微粉砕ミルである ことを特徴とするスラリ製造設備。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかのスラリ製造設備と、
    前記スラリ製造設備からの前記スラリ中の前記有機物を分解処理する分解処理手段と を備えていることを特徴とする有機物処理システム。
  13. 請求項12において、
    前記分解処理手段が水熱分解装置である ことを特徴とする有機物処理システム。
  14. 請求項13おいて、
    前記スラリ製造設備からの前記スラリを貯溜する待機タンクと、
    前記待機タンク内の前記スラリを前記水熱分解装置に高圧で送給する高圧送給手段と を備えていることを特徴とする有機物処理システム。
  15. 請求項14において、
    前記待機タンク及び前記高圧送給手段が前記水熱分解装置の近傍に配設されている ことを特徴とする有機物処理システム。
  16. 請求項15において、
    前記スラリ製造設備が前記スラリを貯蔵する貯蔵タンクを備えると共に、
    前記貯蔵タンク内の前記スラリを前記待機タンクに移送するスラリ移送手段を有する ことを特徴とする有機物処理システム。
  17. 請求項14から請求項16のいずれかにおいて、
    前記タンク内に前記スラリを攪拌する攪拌手段を設けた ことを特徴とする有機物処理システム。
  18. 請求項12から請求項17のいずれかにおいて、
    前記混合物が、PCBで汚染されたトランスのコイルの破断物またはコンデンサの素子の破断物である ことを特徴とする有機物処理システム。
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