JP2005021830A - 有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置及びその方法 - Google Patents

有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置及びその方法 Download PDF

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Noboru Kawamoto
昇 川元
Kenichi Arima
謙一 有馬
Toshimi Otsuka
利美 大塚
Koji Oura
康二 大浦
Takeshi Suzuki
武志 鈴木
Kenji Nishizawa
賢二 西澤
Masafumi Hara
雅史 原
Nobuhiko Irie
暢彦 入江
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Abstract

【課題】例えば蛍光灯安定器等の有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置及び処理方法を提供する。
【解決手段】有機ハロゲン化物含有部材である安定器10を破砕する破砕手段21と、軽質部材23と重質部材24とを分別する軽質部材/重質部材分別手段25と、紙類26とアルミニウム27とを分別する紙/アルミニウム分別手段28と、紙類26をスラリー化手段29によりスラリー化し、スラリー化物30を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理装置31と、鉄32と非鉄金属・樹脂(充填物)33とを分別する鉄/非鉄金属・樹脂分別装置34と、分別されたアルミニウム27と非鉄金属・樹脂33とを脆化させる有機物脆化装置である真空加熱炉35と、分離された鉄32に付着している有機ハロゲン化物であるPCBを洗浄除去する洗浄手段36とを具備する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば蛍光灯安定器等の有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置及びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
【0004】
このPCBは平成4(1997)年に廃PCB、PCBを含む廃油、PCB汚染物が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく特別管理廃棄物に指定され、さらに、平成9(1997)年にはPCB汚染物として木くず、繊維くずが、追加指定された。
【0005】
PCB処理物となる電気機器としては、高圧トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス・コンデンサ、柱上トランス、蛍光灯安定器用コンデンサ等があり、廃PCB等としては、熱媒体に用いたものは絶縁油として用いたもの、また、これらの洗浄に用いた灯油等があり、廃感圧紙としては、ノーカーボン紙に使用されたカプセルオイルがあり、さらに、これらのPCBの使用又は熱媒の交換、絶縁油の再生、漏洩の浄化、PCB含有物の処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物がある。現在これらは厳重に保管がなされているが、早急なPCBの処理が望まれている。
【0006】
このようなPCB汚染された各種の電気機器のなかでも、蛍光灯安定器、水銀灯安定器は、そのサイズが例えば5×5×30cm等と柱状トランス等に較べて比較的小さく、またPCBは液体状態ではなく、絶縁紙等に含浸されているため、無害化処理を効率よく行うことが難しく、処理されずにそのままの状態で保管されている。
【0007】
このため、本出願人は先に蛍光灯安定器を処理する方法として、安定器中からコンデンサを取り出し、各部材毎に個別に処理することを提案した(特許文献1)。
【0008】
しかしながら、特許文献1にかかる処理方法では、処理手順が多く、複雑であるので、処理コストが高いという課題がある。
また、コンデンサを取り出すには例えばX線透視により判断し、その後切断するので、設備費用の増大があるとともに、長期間に亙って保存されていた安定器はコンデンサ以外の充填物にもPCBの汚染がある場合には、その汚染処理ができないという問題がある。
【0009】
一方、例えば絶縁油の回収方法で提案された真空加熱炉を用いて(特許文献2)、安定器ごと処理することが考えられる。この一例を図10に示す。
図10に示すように、安定器1を真空加熱炉2中に投入し、例えば0.1MPaで200〜600℃で2〜10時間処理する。これにより、安定器は脆化され、安定器中の有機ハロゲン化物であるPCBが回収され、あとは炭化された脆化物3となる。
【0010】
【特許文献1】
特開2003−94013号公報
【特許文献2】
特開平11−309222号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示すような真空加熱炉を用いて安定器を丸ごと処理する場合には、以下のような課題がある。
【0012】
(1)例えば2〜3トン/日のような多量の安定器を処理するような場合には、高温での真空加熱処理を行う必要があるとともに、その後冷却する必要があるので、処理前後の時間がかかるという問題がある。
(2)また、処理した脆化物3中にはPCBの残留基準を卒業する必要があり、仮に残留基準を卒業していない場合には、再度同じ処理を行う必要がある。
(3)また、丸ごと処理するので、絶縁紙は何層にも巻層されているので、PCBがその隙間から溶出してこない場合も想定さる。
【0013】
そこで、図11に示すように、安定器1を破砕手段4により所定サイズ以下に破砕し、その破砕物5を真空加熱炉2に投入して処理することが提案される。
【0014】
しかしながら、例えば2〜3トン/日という多量に安定器を処理するような場合には、破砕により安定器の嵩が増大し、真空加熱炉2の大型化を余儀なくされ、設備費用の増大を招くという課題がある。
【0015】
よって、現時点において、世界中に多量に保管されている安定器を迅速に処理する簡易で廉価な処理方法の確立が望まれている。
【0016】
このようなことから、本発明は、蛍光灯安定器用等を効率よく無害化処理することができる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置及びその処理方法を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、有機ハロゲン化物を含んだ部材の無害化処理装置であって、前記有機ハロゲン化物含有部材を破砕する部材破砕手段と、破砕された部材を構成する軽質部材と重質部材とを分別する軽質部材/重質部材分別手段と、前記分別された軽質部材を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段と、前記分別された紙類をスラリー化し、該スラリー化物を分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理装置と、前記分別された重質部材を構成する鉄と非鉄金属・充填材とを分別する鉄/非鉄金属・充填材分別手段と、前記分別されたアルミニウムと非鉄金属・充填材に付着している有機ハロゲン化物を加熱除去する加熱手段と、前記分離された鉄に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段とを具備することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置にある。
【0018】
第2の発明は、有機ハロゲン化物を含んだ部材の無害化処理装置であって、前記有機ハロゲン化物含有部材を破砕する破砕手段と、破砕された部材を構成する鉄と非鉄金属・充填材・紙類とを分別する鉄/非鉄金属・充填材・紙類分別手段と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類を構成する非鉄系軽質部材と非鉄系重質部材とを分別する非鉄系軽質部材/重質部材分別手段と、前記分別された非鉄系軽質部材を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段と、前記分別された紙類をスラリー化し、該スラリー化物を分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理手段と、前記分別されたアルミニウムと非鉄金属・充填材に付着している有機ハロゲン化物を加熱除去する加熱手段と、前記分離された鉄に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段とを、具備することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置にある。
【0019】
第3の発明は、第1の発明において、前記軽質部材/重質部材分別手段の前段側に第1の破砕手段を設けるとともに、前記鉄/非鉄金属・充填材分別手段の後段側に第2の破砕手段を設けることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置にある。
【0020】
第4の発明は、第2の発明において、前記鉄/非鉄金属・充填材分別手段の前段側に第1の破砕手段を設けるとともに、前記鉄/非鉄金属・充填材分別手段の後段側に第2の破砕手段を設けることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置にある。
【0021】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記分別された非鉄系の重質部材を圧密破砕する圧密破砕手段を設けることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置にある。
【0022】
第6の発明は、第2又は4の発明において、前記非鉄系軽質部材/重質部材分離手段が湿式分離手段であり、洗浄液を分離液とすることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置にある。
【0023】
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの発明において、有機ハロゲン化物含有部材を予め解体する解体手段を破砕手段の前段側に設けることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置にある。
【0024】
第8の発明は、有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法であって、前記有機ハロゲン化物含有部材を破砕し、その後、破砕された部材を構成する軽質部材と重質部材とを分別し、前記分別された軽質部材を構成する紙類とアルミニウムとを分別し、前記分別された紙類をスラリー化し、該スラリー化物を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化し、前記分別された重質部材を構成する鉄と非鉄金属・充填材とを分別し、前記分別されたアルミニウムと非鉄金属・充填材に付着している有機ハロゲン化物を加熱除去し、前記分離された鉄に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法にある。
【0025】
第9の発明は、第8の発明において、鉄の分離を破砕した後に行うことを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法にある。
【0026】
第10の発明は、第8の発明において、前記分別された非鉄金属・充填材を圧密破砕することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法にある。
【0027】
第11の発明は、第8乃至10のいずれか一つの発明において、有機ハロゲン化物含有部材を予め解体することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法にある。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明による実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0029】
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。図2は蛍光灯安定器の概略構成図である。
【0030】
先ず、本処理装置で処理する有機ハロゲン化物含有部材としては蛍光灯安定器、水銀灯安定器のほかに、小型の低圧トランスや小型の低圧コンデンサ等を例示することができる。一例として、蛍光灯安定器を図2に示す。
図2に示すように、蛍光灯安定器10は、ケース11の内部にトランス12と力率改善用のコンデンサ13とが充填材で接着固定されて取り付けられたものである。このコンデンサ13は、容器内に、アルミニウム箔(以下「アルミニウム」という)、絶縁紙、プラスチックスフィルム等からなる素子と絶縁油であるPCB油とが封入され、絶縁紙にPCBが含浸されている。
前記充填材はうなり防止のために用いられており、数十〜数百μmの砂粒を含む熱硬化性樹脂等の樹脂系充填材と、流動点が高いアスファルト等のアスファルト系充填材とが使用されている。
以下、本実施の形態では蛍光灯安定器を例にして無害化処理について説明する。
【0031】
<無害化処理装置>
次に、本実施の形態による蛍光灯安定器等の有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略構成について図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施の形態にかかる無害化処理装置20−1は、有機ハロゲン化物含有部材である安定器10を破砕する破砕手段21と、破砕された破砕部材22を構成する軽質部材23と重質部材24とを分別する軽質部材/重質部材分別手段25と、前記分別された軽質部材23を構成する紙類26とアルミニウム27とを分別する紙/アルミニウム分別手段28と、前記分別された紙類26をスラリー化手段29によりスラリー化し、該スラリー化物30を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理装置31と、前記分別された重質部材24を構成する鉄32と非鉄金属・充填材33とを分別する鉄/非鉄金属・充填材分別装置34と、前記分別されたアルミニウム27と非鉄金属・充填材33とを加熱させ、付着している有機ハロゲン化物であるPCBを除去する加熱手段である真空加熱炉35と、前記分離された鉄32に付着している有機ハロゲン化物であるPCBを洗浄除去する洗浄手段36とを具備するものである。
【0032】
ここで、破砕手段21としては、一軸破砕装置、二軸破砕装置、四軸破砕装置等の公知の剪断型破砕手段を挙げることができ、特に限定されるものではない。
このような破砕手段21は無人化で行うことができ、作業員が直接安定器に接触することがないので、作業員のPCBの暴露を防止することができる。
二軸破砕装置等により、分別・洗浄が容易な形状に破砕することができるので、その後の工程においても取り扱いが容易となる。すなわち、部材の変形による他部材の巻き込みやPCBの閉じ込みのない状態に破砕することができる。これにより、PCBの除去が容易となる。
また、一軸破砕装置によれば、積層体を分離させて破砕することができるので、特に、紙類とアルミ箔との分離が容易となる。
なお、破砕によりPCB液が流れ出るような場合においても、破砕装置の底部から別途回収し、PCB液処理設備において、別途処理するようにすればよい。
【0033】
この破砕後において、予備洗浄を行うことで、その後のPCB付着量が微量となるので、高度の排気設備を設けた作業環境とすることがなくなる。
【0034】
また、軽質部材/重質部材分別手段25は、乾式又は湿式で軽質部材23と重質部材24とを分別する公知の手段を挙げることができる。この際、湿式分離装置の場合には、分離液に洗浄剤を用いることで予備洗浄を兼ねることができる。
【0035】
また、紙/アルミニウム分別手段28は、乾式又は湿式で紙類26とアルミニウム27とを分別する公知の手段を挙げることができる。
【0036】
また、鉄/非鉄金属・充填材分別装置34は、磁力により鉄を分別する公知の磁力選別手段を挙げることができる。
【0037】
また、スラリー化手段29は、紙類26に水等を加えて攪拌手段により攪拌して所定粒径のスラリー化物30を得る公知の手段を挙げることができ、特に限定されるものではない。このスラリー化物にPCBが含有されることになる。
なお、このスラリー化手段29の前段側に真空加熱手段を設けて脆化させ、脆化物をスラリー化物とするようにしてもよい。
【0038】
ここで、分解処理装置31は、有機ハロゲン化物であるPCBを処理することができる公知の亜臨界条件での水熱酸化分解装置、超臨界条件での分解装置を挙げることができる。また、スラリー化物30中の有機ハロゲン化物を分解処理できるものであれば、これらに限定されるものではない。
本実施の形態では、分解処理装置31として、亜臨界条件で有機ハロゲン化物を分解処理する水熱酸化分解処理装置を用いている。この概要を図3に示す。図3に示すように、本処理装置は、筒形状の一次反応塔101と、スラリー化物30、油(又は有機溶剤)102、水酸化ナトリウム(NaOH)103及び水(HO)104の各処理液を加圧する加圧ポンプ105a〜105dと、当該水104を予熱する熱交換器106と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔107と、冷却器108および減圧弁109とを備えてなるものである。また、減圧弁109の下流には、気液分離器110、活性炭槽111が配置されており、排ガス(CO)112は煙突113から外部へ排出され、排水(HO,NaCl)114は放出タンク115に溜められ、別途必要に応じて排水処理される。
【0039】
上記スラリー化物30、油(又は有機溶剤)102、NaOH103及びHO104の各処理液は処理液タンク120a〜120dから配管121a〜121d及びエジェクタ122を介してそれぞれ導入される。
また、酸素(O)等の酸化剤116は高圧酸素供給設備117により供給され、酸素供給配管118は、一次反応塔101に対して直結されている。なお、油(又は有機溶剤)102を入れるのは、特に分解反応促進のためと、分解装置12の起動時において反応温度を最適温度まで昇温させるためである。また、処理液として上記スラリー化物30、水酸化ナトリウム103及び水104を混合させて一次反応塔101に投入するようにしてもよい。
【0040】
上記装置において、加圧ポンプ105による加圧により一次反応塔101内は、例えば26MPaまで昇圧される。また、熱交換器106は、HOを300℃程度に予熱する。また、一次反応塔101内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により380℃〜400℃まで昇温する。この段階までに、反応塔101の内部では酸化分解反応を起こし、PCBはCOおよびHOに分解されている。つぎに、冷却器108では、二次反応塔107からの流体を100℃程度までに冷却すると共に後段の減圧弁109にて大気圧まで減圧する。そして、気液分離器110によりCOおよび水蒸気と処理液とが分離され、COおよび水蒸気は、活性炭層111を通過して環境中に排出される。
【0041】
また、有機ハロゲン化物を除去する過熱手段としては、所定の真空度及び高温を保持できる真空加熱炉35と、該真空加熱炉35からの排気物を浄化する浄化装置とを具備する公知の加熱処理手段を挙げることができる。また、必要に応じて真空加熱炉35からの加熱処理物(加熱の度合いにより脆化物となる)42を洗浄する洗浄手段37を備えるようにしてもよい。これにより有機ハロゲン化物であるPCBを除去する予備洗浄を行うこととなり、真空加熱炉35での加熱処理時間を短縮することができる。
【0042】
ここで、洗浄手段で用いる洗浄剤としては、例えば、ヘキサンやオクタン等の脂肪族系炭化水素や、ベンゼンやトルエンやキシレン等の芳香族系炭化水素や、メタノールやエタノールやプロパノールやブタノール等のC〜Cのアルコールや、トリクロロメタンや四塩化炭素やトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等のC〜Cの塩素化物や、代替フロン等のような有機溶剤、界面活性剤を添加した水等を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、PCB等を洗浄処理できる洗浄液であればいずれであってもよい。しかしながら、メタノールやエタノールやプロパノールやブタノール等のC〜Cのアルコールや、トリクロロメタンや四塩化炭素やトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等のC〜Cの塩素化物であると、表面等に形成された錆等の微細な隙間があった場合に当該隙間に浸入しているPCB油を効率よく洗浄除去することができるので非常に好ましい結果を得ることができる。
また、例えば非鉄金属・樹脂に含浸しているPCBを洗浄する場合には、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系洗浄剤やアルコール系洗浄剤よりも芳香族系洗浄剤を用いることが好ましい。これは、芳香族系洗浄剤はその親油性が高いので、樹脂等の有機物中に含浸付着したPCBの除去効率が高いからである。
【0043】
また、鉄を洗浄する洗浄手段36は上述したような公知の洗浄剤を用いて洗浄を行う洗浄槽を挙げることができる。
ここで、洗浄剤としては、公知のヘキサン等の炭化水素系洗浄剤のほかに、アルコール系洗浄剤を用いることが好ましい。これは、鉄表面に付着したPCBを親水基(OH基)の働きにより、金属錆表面に付着した除去効率が高いからである。
【0044】
<無害化処理工程>
上述した無害化処理装置20−1を用いて、有機ハロゲン化物含有部材である安定器10を処理する工程について以下説明する。
(1)先ず、安定器10を破砕手段21に投入して破砕し、破砕物22を得る。
(2)次に、破砕された破砕部材22を構成する軽質部材23と重質部材24とを軽質部材/重質部材分別手段25により、両者を分別する。
ここで、軽質部材23とは紙類26とアルミニウム27をいい、重質部材とはそれ以外の安定器10を構成する容器である鉄32とその充填物である非鉄金属・充填材33をいう。
(3)次に、分別された軽質部材23を構成する紙類26とアルミニウム27とを紙/アルミニウム分別手段28により、両者を分別する。
(4)次に、前記分別された紙類26はスラリー化手段29によりスラリー化し、該スラリー化物30を分解処理装置31へ供給して水熱酸化分解法によりPCBを無害化し、排水41中のPCBは基準値以下となる。
(5)次に、前記分別された重質部材24を構成する鉄32と非鉄金属・充填材33とを鉄/非鉄金属・充填材分別装置34により分別する。
(6)次に、前記分別されたアルミニウム27と非鉄金属・充填材33とを加熱手段である真空加熱炉35により加熱処理し、付着しているPCBを除去するとともに加熱処理物42を得る。
(7)前記分離された鉄32に付着している有機ハロゲン化物であるPCBを洗浄手段36により洗浄し、洗浄された鉄32はリサイクルに供される。
【0045】
本実施の形態では、破砕手段21により安定器10を破砕しているので、その破砕の際にPCBが破砕物22に付着するが、安定器中のPCB含有量は数%以下であるとともに、絶縁紙に含浸されているので、その汚染の度合いは、例えば大型のトランスやコンデンサのようにPCB液そのものが飛散する場合に較べて少ない。よって、破砕物22のPCB汚染度合いも軽微なものとなり、真空加熱炉35での加熱処理の際によるPCBの気化、洗浄手段36による洗浄によって十分にPCBの残留基準を卒業することができる。
また、PCBを含浸している紙類26は水熱酸化分解処理装置等の分解処理装置31によりPCBを完全分解処理するので、残留することはない。
【0046】
よって、本実施の形態の処理装置を用いた処理方法により、安定器中の有機ハロゲン化物であるPCBを完全無害化できるとともに、その安定器を構成する容器及びその充填物を簡易な方法により処理することができる。また、破砕によりPCB汚染が生じるもののその汚染の程度は低く、洗浄及び真空加熱により十分除去することができる。
【0047】
このように、本実施の形態によれば、PCB等の有機ハロゲン化物を含有する蛍光灯安定器等の部材の完全無害化を簡易で且つ安価な装置により行うことができる。また、処理も各工程で並行して行うことができるので、処理効率が向上する。
【0048】
本実施の形態では有機ハロゲン化物としてPCBを例示しているが、本発明で処理する有機ハロゲン化物はPCBに限定されるものではなく、例えばクロロベンゼン、ダイオキシン類等が付着している部材の処理を効率よく行うことができる。
【0049】
[第2の実施の形態]
図4は本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。第1の実施の形態では破砕手段21による破砕の後に、軽質部材23と重質部材24とを分別していたが、本実施の形態では、先ず重質部材中の鉄を分別し、その後に同様な処理をするようにしている。なお、第1の実施の形態と同一の装置・手段については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0050】
<無害化処理装置>
図4に示すように、本実施の形態にかかる無害化処理装置20−2は、安定器10を破砕する破砕手段21と、破砕された部材を構成する鉄32と非鉄金属・充填材・紙類51とを分別する鉄/非鉄金属・充填材・紙類分別手段52と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類51を構成する非鉄系軽質部材53と非鉄系重質部材54とを分別する非鉄系軽質部材/重質部材分別手段55と、前記分別された非鉄系軽質部材53を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段28と、前記分別された紙類26をスラリー化手段29によりスラリー化し、該スラリー化物30を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理手段31と、前記分別されたアルミニウム27と非鉄系重質部材54に付着している有機ハロゲン化物を加熱除去する真空加熱炉35と、前記分離された鉄32に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段36とを具備するものである。
【0051】
ここで、鉄/非鉄金属・充填材・紙類分別手段52は、第1の実施の形態と同様に前述した鉄を磁力により分離する磁力選別装置を用いている。
【0052】
また、非鉄系軽質部材/重質部材分別手段55は、第1の実施の形態と同様に乾式又は湿式で軽質部材23と重質部材24とを分別する公知の手段を用いることができる。但し、鉄32を予め分離しているので、その装置規模を小さくすること、または処理能力を向上するができる。
【0053】
[第3の実施の形態]
図5は本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。本実施の形態では、第2の実施の形態において、鉄を分別する前後に破砕手段を設けたものであり、その後は同様な処理をするようにしてものである。第2の実施の形態と同一の装置・手段については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0054】
<無害化処理装置>
図5に示すように、本実施の形態にかかる無害化処理装置20−3は、安定器等(低圧トランス、低圧コンデンサ、水銀灯安定器、蛍光灯安定器等の種類の異なるもの)10を破砕する第1破砕手段21−1と、破砕された部材を構成する鉄32と非鉄金属・充填材・紙類51とを分別する鉄/非鉄金属・充填材・紙類分別手段52と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類51を破砕する第2破砕工程21−2と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類51を構成する非鉄系軽質部材53と非鉄系重質部材54とを分別する非鉄系軽質部材/重質部材分別手段55と、前記分別された非鉄系軽質部材53を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段28と、前記分別された紙類26をスラリー化手段29によりスラリー化し、該スラリー化物を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理手段31と、前記分別されたアルミニウム27と非鉄系重質部材54とを加熱処理し、これらに付着している有機ハロゲン化物であるPCBを加熱除去する加熱手段である真空加熱炉35と、前記分離された鉄32に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段36とを具備するものである。
【0055】
本実施の形態では、第1破砕手段21−1には二軸以上の剪断型破砕機を用いており、第2の破砕手段21−2には一軸破砕機を用いている。
これにより、種類や大きさの異なる安定器第1破砕手段21−1で大まかに安定器10を破砕し、その後、安定器10を構成する容器である鉄32を磁選により除いた後に、さらに、第2破砕手段21−2で破砕するので、破砕手段の寿命が延びることとなり、長期間に亙って大量の安定器の処理を行うことができる。
【0056】
[第4の実施の形態]
図6は本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。本実施の形態では、第3及び第4の実施の形態において、第1破砕手段を2台設けるとともに、非鉄系重質部材をさらに圧密破砕する破砕手段を設けたものである。なお、第3の実施の形態と同一の装置・手段については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0057】
<無害化処理装置>
図6に示すように、本実施の形態にかかる無害化処理装置20−4は、安定器10を破砕する第1破砕手段21−1A、第1破砕手段21−1Bと、破砕された部材を構成する鉄32と非鉄金属・充填材・紙類51とを分別する鉄/非鉄金属・充填材・紙類分別手段52と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類を破砕する第2破砕手段21−2と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類51を構成する非鉄系軽質部材53と非鉄系重質部材54とを分別する非鉄系軽質部材/重質部材分別手段55と、前記分別された非鉄系軽質部材53を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段28と、前記分別された紙類26をスラリー化手段29によりスラリー化し、該スラリー化物を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理手段31と、前記分別された非鉄系重質部材54を圧密破砕する圧密破砕手段61と、圧密破砕後の充填材粉62と非破砕物である非鉄系金属63とを分別する圧密破砕物分別手段64と、前記分別されたアルミニウム27と充填材粉62とを加熱処理する真空加熱炉35と、前記分離された非鉄金属63及び充填材残渣物に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段65と、前記分離された鉄32に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段36とを具備するものである。
【0058】
本実施の形態では、種類や大きさが異なる複数の安定器を大量に処理するものであり、本実施の形態では例えば1KVA未満の低圧トランス(10×10×10cm)や低圧コンデンサ、水銀灯安定器(11×11×35cm)、蛍光灯安定器(5×6×30cm)等のように大きさや重さの異なるものを一度に処理するようにしている。
【0059】
本実施の形態では、安定器10を破砕する破砕手段を第1破砕手段21−1A、第1破砕手段21−1Bと2台用いており、第1破砕手段21−1Aの刃幅を50mm±15mmとし、第1破砕手段21−1Bの刃幅を30mm±10mmとしている。
これにより、第1破砕手段21−1Aでザク切りをし、その後第1破砕手段21−1Bにより荒剪断をするようにしている。このように2台の破砕手段を設けることにより、刃の寿命が向上する。
【0060】
また、第2破砕手段21−2による破砕物は破砕手段に設けたスクリーンを通過したものとしている。スクリーンの孔径は15mm±5mm程度とすればよい。
【0061】
また、本実施の形態の圧密破砕手段61は、ローラ等の押圧型の破砕手段又は衝撃型の衝撃型破砕手段を挙げることができ、これにより充填物であるアスファルト系系填材や樹脂系充填材を微粉砕するようにしている。
【0062】
また、本実施の形態にかかる前記分別手段64は、例えば振動篩分離手段、比重差分離手段等を挙げることができ、破砕された充填物の粉砕物を除くようにしている。
【0063】
洗浄された非鉄金属63は破砕されなかった銅、樹脂、分離されなかった鉄等であり、洗浄手段65における洗浄処理により付着したPCBを除去するようにしている。
【0064】
次に、「表1」及び「表2」に洗浄処理及び水熱酸化分解処理の後によるPCB分析結果を示す。
「表1」は金属、アルミニウム、充填材等のPCBの非含浸物であり、基準値以下に洗浄されていた。また、「表2」はPCB含浸物の水熱酸化分解処理後の排水中のPCB残存結果であり、すべて基準値以下であった。
【0065】
【表1】
Figure 2005021830
【0066】
【表2】
Figure 2005021830
【0067】
よって、本実施の形態によれば、安定器を構成する容器である鉄と、充填物である非鉄金属、充填材、紙類、アルミニウム等とを順次分離して、それぞれに対応した処理を行うので、処理装置全体として簡易な構成であるにもかかわらず、PCBの無害化処理を効率的に行うことができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、PCB等の有機ハロゲン化物を含む部材の処理を効率よくできるとともに、それらの処理物のPCB残留量も基準値以下とすることができる。この結果、従来設備のような設備の大型化や複雑なシステムとすることがなく、PCB等の有機ハロゲン化物を含む部材の完全無害化を簡易且つ廉価に行うことができる。
【0069】
[第5の実施の形態]
図7は本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。本実施の形態では、第4の実施の形態において、第1破砕手段を1台としたものである。なお、第3の実施の形態と同一の装置・手段については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0070】
<無害化処理装置>
図7に示すように、本実施の形態にかかる無害化処理装置20−5は、安定器10を破砕する第1破砕手段21−1Aと、破砕された部材を構成する鉄32と非鉄金属・充填材・紙類51とを分別する鉄/非鉄金属・充填材・紙類分別手段52と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類を破砕する第2破砕手段21−2と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類51を構成する非鉄系軽質部材53と非鉄系重質部材54とを分別する非鉄系軽質部材/重質部材分別手段55と、前記分別された非鉄系軽質部材53を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段28と、前記分別された紙類26をスラリー化手段29によりスラリー化し、該スラリー化物を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理手段31と、前記分別された非鉄系重質部材54を圧密破砕する圧密破砕手段61と、圧密破砕後の充填材粉62と非破砕物である非鉄系金属63とを分別する圧密破砕物分別手段64と、前記分別されたアルミニウム27と充填材粉62とを加熱処理する真空加熱炉35と、前記分離された非鉄金属63及び充填材残渣物に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段65と、前記分離された鉄32に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段36とを具備するものである。
【0071】
本実施の形態では、安定器10を破砕する破砕手段を第1破砕手段21−1A1台としており、第1破砕手段21−1Aの刃幅を50mm±15mmとしている。これにより、第1破砕手段21−1Aでザク切りをし、その後一軸の第2破砕手段21−2により粉砕処理するようにしている。このように第1の粉砕手段を1台とすることにより、工程の簡略化を図ることができる。
【0072】
[第6の実施の形態]
図8は本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。本実施の形態では、第5の実施の形態において、第2破砕手段を衝撃型の破砕手段としたものである。なお、第3乃至5の実施の形態と同一の装置・手段については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0073】
<無害化処理装置>
図8に示すように、本実施の形態にかかる無害化処理装置20−6は、安定器10を破砕する第1破砕手段21−1Aと、破砕された部材を構成する鉄32と非鉄金属・充填材・紙類51とを分別する鉄/非鉄金属・充填材・紙類分別手段52と、前記分別された非鉄金属・充填材・紙類を衝撃破砕する第2破砕手段21−3と、前記衝撃破砕された非鉄金属・充填材・紙類51を構成する非鉄系軽質部材53と非鉄系重質部材54とを分別する非鉄系軽質部材/重質部材分別手段55と、前記分別された非鉄系軽質部材53を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段28と、前記分別された紙類26をスラリー化手段29によりスラリー化し、該スラリー化物を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理手段31と、衝撃破砕された非鉄金属重質部材54を構成する充填材粉62と非破砕物である非鉄系金属63とを分別する非鉄金属/充填材粉分別手段66と、前記分別されたアルミニウム27と充填材粉62とを加熱処理する真空加熱炉35と、前記分離された非鉄金属63及び充填材残渣物に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段65と、前記分離された鉄32に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段36とを具備するものである。
【0074】
本実施の形態では、安定器10の破砕物から鉄を除いた後に、第2破砕手段21−3を用いて衝撃破砕することにより粉砕処理するようにしている。このように衝撃型の第2の粉砕手段21−3により衝撃破砕することで、第4及び第5の実施の形態で用いていた圧蜜破砕手段を設けることがなくなり、工程の簡略化を図ることができる。
【0075】
[第7の実施の形態]
図9は本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理の前処理の概略図である。本実施の形態では、破砕手段21に供給する前に安定器10を容器11と内容物14とに大まかに分けるようにしてものである。
【0076】
図9に示すように、安定器10にスリット71を形成し、その後安定器10の両端を抑えた状態でスリットめがけて押圧手段により押圧する。すると容器11が曲げ変形により破壊され、容器11の充填物及びコンデンサ、トランス等の内容物14を取りだすことができる。この場合、充填材内にあるコンデンサそのものは破壊されないので、PCBが飛散するようなことがない。
【0077】
この予備破壊の後に破砕手段21により破砕することで、破砕効率が向上することとなる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば有機ハロゲン化物含有部材である安定器を破砕する破砕手段と、破砕された破砕部材を構成する軽質部材と重質部材とを分別する軽質部材/重質部材分別手段と、前記分別された軽質部材を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段と、前記分別された紙類をスラリー化手段によりスラリー化し、該スラリー化物を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理装置と、前記分別された重質部材を構成する鉄と非鉄金属・充填材とを分別する鉄/非鉄金属・樹脂分別装置と、前記分別されたアルミニウムと非鉄金属・樹脂に付着している有機ハロゲン化物を加熱除去する加熱手段である真空加熱炉と、前記分離された鉄に付着している有機ハロゲン化物であるPCBを洗浄除去する洗浄手段とを具備するので、簡易且つ安価に大量で且つ種類の異なる安定器を無害化処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。
【図2】蛍光灯安定器の斜視概略図である。
【図3】水熱酸化分解処理装置の斜視概略図である。
【図4】第2の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。
【図5】第3の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。
【図6】第4の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。
【図7】第5の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。
【図8】第6の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置の概略図である。
【図9】第5の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物含有部材の前処理の概略図である。
【図10】従来技術にかかる蛍光灯安定器の処理装置の概略図である。
【図11】従来技術にかかる他の処理装置の概略図である。
【符号の説明】
10 安定器
20−1〜20−4 無害化処理装置
21 破砕手段
22 破砕部材
23 軽質部材
24 重質部材
25 軽質部材/重質部材分別手段
26 紙類
27 アルミニウム
28 紙/アルミニウム分別手段
29 スラリー化手段
30 スラリー化物
31 分解処理装置
32 鉄
33 非鉄金属・充填材
34 鉄/非鉄金属・充填材分別装置
35 真空加熱炉
36 洗浄手段

Claims (11)

  1. 有機ハロゲン化物を含んだ部材の無害化処理装置であって、
    前記有機ハロゲン化物含有部材を破砕する部材破砕手段と、
    破砕された部材を構成する軽質部材と重質部材とを分別する軽質部材/重質部材分別手段と、
    前記分別された軽質部材を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段と、
    前記分別された紙類をスラリー化し、該スラリー化物を分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理装置と、
    前記分別された重質部材を構成する鉄と非鉄金属・充填材とを分別する鉄/非鉄金属・充填材分別手段と、
    前記分別されたアルミニウムと非鉄金属・充填材に付着している有機ハロゲン化物を加熱除去する加熱手段と、
    前記分離された鉄に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段とを具備することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置。
  2. 有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置であって、
    前記有機ハロゲン化物含有部材を破砕する破砕手段と、
    破砕された部材を構成する鉄と非鉄金属・充填材・紙類とを分別する鉄/非鉄金属・充填材・紙類分別手段と、
    前記分別された非鉄金属・充填材・紙類を構成する非鉄系軽質部材と非鉄系重質部材とを分別する非鉄系軽質部材/重質部材分別手段と、
    前記分別された非鉄系軽質部材を構成する紙類とアルミニウムとを分別する紙/アルミニウム分別手段と、
    前記分別された紙類をスラリー化し、該スラリー化物を分解処理して有機ハロゲン化物を無害化する分解処理手段と、
    前記分別されたアルミニウムと非鉄金属・充填材に付着している有機ハロゲン化物を加熱除去する加熱手段と、
    前記分離された鉄に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去する洗浄手段とを、具備することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置。
  3. 請求項1において、
    前記軽質部材/重質部材分別手段の前段側に第1の破砕手段を設けるとともに、前記鉄/非鉄金属・充填材分別手段の後段側に第2の破砕手段を設けることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置。
  4. 請求項2において、
    前記鉄/非鉄金属・充填材分別手段の前段側に第1の破砕手段を設けるとともに、前記鉄/非鉄金属・充填材分別手段の後段側に第2の破砕手段を設けることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    前記分別された非鉄系の重質部材を圧密破砕する圧密破砕手段又は衝撃破砕する衝撃破砕手段を設けることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置。
  6. 請求項2又は4において、
    前記非鉄系軽質部材/重質部材分離手段が湿式分離手段であり、洗浄液を分離液とすることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つにおいて、
    有機ハロゲン化物を含んだ部材を予め解体する解体手段を破砕手段の前段側に設けることを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理装置。
  8. 有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法であって、
    前記有機ハロゲン化物含有部材を破砕し、
    その後、破砕された部材を構成する軽質部材と重質部材とを分別し、
    前記分別された軽質部材を構成する紙類とアルミニウムとを分別し、
    前記分別された紙類をスラリー化し、該スラリー化物を水熱酸化分解処理して有機ハロゲン化物を無害化し、
    前記分別された重質部材を構成する鉄と非鉄金属・充填材とを分別し、
    前記分別されたアルミニウムと非鉄金属・充填材に付着している有機ハロゲン化物を加熱除去し、
    前記分離された鉄に付着している有機ハロゲン化物を洗浄除去することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法。
  9. 請求項8において、
    鉄の分離を破砕した後に行うことを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法。
  10. 請求項8において、
    前記分別された非鉄金属・充填材を圧密破砕する又は衝撃破砕することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一つにおいて、
    有機ハロゲン化物を含んだ部材を予め解体することを特徴とする有機ハロゲン化物含有部材の無害化処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014004500A (ja) * 2012-06-21 2014-01-16 Kazuya Masuda 蛍光灯安定器の除染方法
JP2017006851A (ja) * 2015-06-19 2017-01-12 株式会社神鋼環境ソリューション Pcb処理方法

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