JP5319870B2 - 有害物処理設備 - Google Patents

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本発明は、例えばPCB等の有機有害物を含んだ有害廃棄物を効率良く処理できる有害物処理設備に関する。
PCB(Polychlorinatedbiphenyl、ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)は強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものである。置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高い。さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
この結果、PCBは体内で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・発生毒性が認められている。
PCBは、従来からトランスやコンデンサなどの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるので、PCBを処理する必要がある。このため、PCBを無害化処理する種々の分解方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
ここで、前記PCB無害化装置はPCBのみを処理するものであるが、一方のPCBを抜き出したPCB汚染容器等は有機溶剤や界面活性剤等の洗浄液により洗浄処理が施されて、容器の無害化を図っている(特許文献4)。
特開平11−253795号公報 特開平11−253796号公報 特開2000−126588号公報 特開2002−248455号公報
ところで、PCBを無害化処理する水熱分解装置へのPCBの投入方法についての現状技術については以下のとおりである。
1) PCB油(所謂PCB絶縁油)や高濃度PCB汚染油(PCBを含むその他の絶縁油)については、受入時のまま水熱分解処理装置に連続投入して、分解処理を行っている。
また、低濃度PCB汚染油の処理の場合は、PCB油、高濃度PCB汚染油の処理量に対して、PCBの含有率が低いので、PCB自体の処理効率が低濃度になればなる程低下する。
すなわち、現状ではそれぞれの油中のPCB濃度は様々であるが、低濃度、高濃度にかかわらず連続して処理装置に投入しているので、処理量に対するPCBの処理効率が低い。
2) また、PCB汚染溶剤については、汚染度合いにかかわらず(それぞれ溶剤中PCB濃度は異なり、低濃度、高濃度にかかわらず同時に)分解処理装置に連続投入して分解処理している。
3) また、PCB含有スラリについては、PCB濃度にかかわらず、スラリ濃度を一定として分解処理装置に連続投入して分解処理している。
4) PCB汚染アルカリ溶液については、汚染度合いにかかわらず、分解処理装置に投入して分解処理している。
よって、現状の技術では、低濃度PCB(汚染度が低いPCB汚染物)についても、高濃度PCB汚染物と同様に分解処理装置に投入するため、分解処理効率が低く、処理費用、処理時間がかかる、という問題がある。
また、汚染溶剤については、蒸留による濃縮を行うことがあるが、濃縮操作は煩雑であり、しかも濃縮装置及びそれに付随するユーティリティも規模が大きくなるため、コスト高となる、という問題がある。また、蒸留残渣は再度、分解処理装置で処理する必要がある。
また、PCB汚染油、PCBスラリ、PCBアルカリ溶液については、現状濃縮手段がなく、効率の悪い分解処理運転となってしまう、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、例えばPCB等の有機ハロゲン化物等の有機有害物に汚染した汚染物を濃縮操作により濃縮することでPCB処理効率を向上させることができる有害物処理設備を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、PCBを含むPCB油が充填されたPCB油入容器を受け入れるPCB油入容器受入設備と、前記PCB油入容器から前記PCB油を除去するPCB油抜設備と、前記PCB油除去後の前記PCB油入容器を無極性及び極性の洗浄剤で洗浄する容器処理設備と、除去した前記PCB油を貯留する低濃度PCB油タンクと、前記容器処理設備において前記洗浄剤として用いた前記PCB油を含む無極性廃溶剤を貯留する無極性廃溶剤タンクと、前記容器処理設備から排出される前記PCB油を含有する廃液を貯留する廃液タンクと、前記容器処理設備において前記洗浄剤として用いた前記PCB油を含む極性廃溶剤を貯留する極性廃溶剤タンクと、前容器処理設備から排出される前記PCB油を含む廃棄物をスラリ化するスラリ化装置と、前記PCB油を含むスラリ化物を貯留するスラリ化物タンクと、前記無極性廃溶剤と、極性廃溶剤が導入され、PCBを無極性廃溶剤側に液/液抽出する前段の液/液・抽出装置と、CBを抽出する極性抽出溶剤を貯留する極性抽出溶剤タンクと、前記前段の液/液・抽出装置においてPCBを抽出した無極性廃溶剤が導入され、前記極性抽出溶剤を供給してPCBを極性抽出溶剤側に液/液抽出する後段の液/液・抽出装置と、前記後段の液/液・抽出装置で抽出したPCBを含む抽出物と、前記除去されたPCB油とを分解処理する有害物分解処理装置とからなることを特徴とする有害物処理設備にある。
の発明は、第1の発明において、前記有害物分解処理装置が、水熱酸化分解処理装置であることを特徴とする有害物処理設備にある。
本発明によれば、有機有害物をそれぞれ濃縮し、濃縮液を調整できるため、例えばPCB等の有機有害物を分解する有害物分解処理装置へ投入する処理物の絶対量を低減でき、処理効率が向上し、分解処理の運転コストの低減と処理速度の向上を図ることができる。
また、濃縮の際の排出物は、容器処理の洗浄用の薬液として再利用することができるため、容器処理における使用薬液量(例えば洗浄油、洗浄溶剤、洗浄水、アルカリ洗浄剤等)の低減につながる。
また、濃縮の際の排出物は、有害物分解処理装置の供給薬液として再利用することができるため、水熱分解処理における供給薬液量(例えば供給油、水、アルカリ等)の低減につながる。
さらに、常温での再生であるため、熱エネルギーが不要であり、また冷却も必要がないため、処理コストも抑えられ、また熱による劣化等がない。
また、有機有害物の投入方法の効率化を図ることができる。
さらに、有機有害物を同時濃縮することにより、有機有害物の投入ラインを一本化することができるため、予混合しやすくなり、常に一定の割合で有機有害物とその他供給液を混合できるため、安定した有害物の大量処理が可能となる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[参考例1]
本発明による参考例1に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図1は、参考例1に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図1に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Aは、有機有害物(PCB)11を含有する被処理物(廃溶剤、廃液、廃油)12から該有害物11を所定の濃度まで濃縮する濃縮装置13と、前記濃縮装置13で濃縮した有害物11を含む濃縮物14を分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
ここで、本発明で有機有害物とは例えばPCB等の有機ハロゲン化合物を挙げることができる。
本発明によれば、有機有害物を所定の濃度まで濃縮し、その後該濃縮物14有害物分解処理装置15へ投入することで、処理物の絶対量を低減できる。この結果、処理効率が向上し、分解処理の運転コストの低減と処理速度の向上を図ることができる。
ここで、本発明で前記濃縮装置13としては、液/液・抽出装置又は固/液・分離装置のいずれかを挙げることができる。
また、前記有機有害物(以下、単に「有害物」という。)11を含有する被処理物(図中、「(含、有害物11)」と記す。)12としては、例えば廃溶剤、廃液又は廃油のいずれか一種である。ここで、廃溶剤とは、PCB油入容器(例えばトランス、コンデンサ等の容器、ドラム缶、樹脂容器等)を洗浄した際の洗浄廃液、洗浄廃液を蒸留した際の目的物以外の留出画分等であり、洗浄廃液とは容器洗浄で用いたアルカリ廃液等である。
以下の参考例においては、濃縮装置13として、液/液・抽出装置の一例について説明する。
[参考例2]
本発明による参考例2に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図2は、参考例2に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図2に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Bは、有機有害物(PCB)11を含有する廃油21を貯留する廃油タンク22と、有害物11を抽出する極性抽出溶剤23を貯留する極性抽出溶剤タンク24と、前記廃油21が導入され、前記極性抽出溶剤23を供給して前記有害物11を液/液抽出する液/液・抽出装置25と、前記液/液・抽出装置25で抽出した有害物11を含む抽出物26を分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
例えばトランス等のPCB濃度が低濃度の場合には、廃油21を液/液・抽出装置25で極性抽出溶剤23を用いて抽出することで、攪拌抽出後に静置した際において、油の層からなる上層25aと極性抽出溶剤23からなる下層25bとに分離される。そして、上層25a側の油分中に含まれる有害物11は、下層25b側の極性抽出溶剤23によって抽出され、前記有害物11を含む抽出物26はその後、有害物分解処理装置15で分解処理を受けることとなる。
ここで、図中矢印は有機有害物11がPCBの場合において液/液・抽出装置25内で移行する方向を示している(以下同様。)。
ここで、前記極性抽出溶剤23としては、例えばDMSO(ジメチルスルホキシド)、アセトニトリル、C1 〜C4 のアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール)等を挙げることができるが、本発明はこれらの溶剤に限定されるものではない。
前記液/液・抽出装置25としては、図2に示したような攪拌混合手段の他に、スクラバ等を用いることができる。
参考例では、前記液/液・抽出装置25を用いて、洗浄等に用いた廃油21から有害物を前記極性抽出溶剤23により抽出除去するので、上層25aの油の層はPCBフリーの再生油27となる。その後前記再生油27は再生油タンク28に貯留され、例えば有害物分解処理装置15の助燃剤や、容器処理設備の粗洗浄用の油として再利用することができる。
ここで、前記液/液・抽出装置の一例を図10に示す。
図10に示すように、本参考例に係る液/液・抽出装置25は、有害物11を含む被処理物12を予熱する予熱器92と、装置本体93内に設けられ、前記予熱された被処理物12を微粒子化して噴霧する微粒子化装置であるフィルタ94と、被処理物12と極性抽出溶剤23とを攪拌する攪拌棒96aとその先端に設けられた攪拌翼96bとを有する攪拌装置96と、を具備するものである。
また、本参考例においては、装置本体93内に、その底部近傍から攪拌用ガス97が供給され、内部を攪拌するようにしている。また、内部には界面計98及びレベル計99が設置され、界面及びレベルをそれぞれ維持するようにしている。
また、前記攪拌用ガス97は例えばPCB等の有害物11を含むプラント中のプロセスガスであってもよく、その場合にはガスも極性抽出溶剤23によりガス中に含まれる有害物を除去できることとなる。
ここで、本参考例では、前記予熱器92を用いているが、これにより被処理物(例えばPCB油)の粘性を向上させるようにしている。また、前記フィルタ94を用いることで装置本体93内に供給する際に噴霧化させ、極性抽出溶剤23との接触効率を向上させるようにしている。
[参考例3]
本発明による参考例3に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図3は、参考例3に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図3に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Cは、前記濃縮装置13が、有機有害物(PCB)11を含有する無極性廃溶剤31を貯留する無極性廃溶剤タンク32と、有害物11を抽出する極性抽出溶剤23を貯留する極性抽出溶剤タンク24と、前記無極性溶剤31が導入され、前記極性抽出溶剤23を供給して前記有害物11を液/液抽出する液/液・抽出装置25と、前記液/液・抽出装置25で抽出した有害物11を含む抽出物33を分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
ここで、前記極性抽出溶剤23としては、例えばDMSO(ジメチルスルホキシド)、アセトニトリル等を挙げることができるが、本発明はこれらの溶剤に限定されるものではない。
参考例では、前記液/液・抽出装置25を用いて、洗浄等に用いた無極性廃溶剤31から有害物11を前記極性抽出溶剤23により抽出除去するので、攪拌抽出後に静置した際において、上層25aの無極性廃溶剤の層はPCBフリーとなる。その後、再生無極性溶剤34は再生無極性タンク35に貯留され、容器処理設備の粗洗浄用の溶剤として再利用することができる。また、下層25bの抽出物33は有害物分解処理装置15で分解処理される。
ここで、前記極性抽出溶剤23として、DMSOを用いた場合について、説明する。
DMSOはヘキサン等の無極性溶剤に全く溶解することがないので、この性質から、絶縁油とPCBとが混合したものの中に、あるいは混合したものが、ジメチルスルホキシドと接触、混合するとPCB等のベンゼン環を持つものは、ジメチルスルホキシド側に溶解し取り込まれ、絶縁油などは不溶解で分離されてしまう。この性質を有することで、例えば、無極性溶剤によりPCBを洗浄回収し溶剤中に取り込んでいるような場合、この中にDMSOを溶剤に対し10〜50%の比率で添加し混合攪拌して静置分離すれば、上層25a側にPCBが取り除かれ、再生された有機溶剤が分離される。また、下層25b側には、PCBを取り込んだDMSOが存在しているので、これを分解処理することで無害化することができる。
図11は無極性溶剤であるヘキサンから極性抽出溶剤23であるDMSOへのPCBの抽出率を示すものであり、容積比が4:1までは効率的な抽出が可能であることが判る。
[参考例4]
本発明による参考例4に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図4は、参考例4に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図4に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Dは、有機有害物(PCB)11を含有する極性廃溶剤41を貯留する極性廃溶剤タンク42と、有害物11を抽出する無極性抽出溶剤43を貯留する無極性抽出溶剤タンク44と、前記極性廃溶剤41が導入され、前記無極性抽出溶剤43を供給して前記有害物11を液/液抽出する液/液・抽出装置25と、前記液/液・抽出装置25で抽出した有害物11を含む抽出物45を分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
また、本参考例では、極性廃溶剤41中に水81を水供給装置82から供給することで、極性を上げるようにしている。
ここで、無極性抽出溶剤43としては、有機塩素化物(ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等)、n−ヘキサン等のパラフィン系炭化水素、トルエン等の芳香族系の炭化水素等を挙げることができる。
参考例では、前記液/液・抽出装置25を用いて、洗浄等に用いた極性廃溶剤41から有害物11を無極性抽出溶剤43により抽出除去するので、攪拌抽出後に静置した際において、下層25bの極性廃溶剤の層はPCBフリーの再生極性溶剤46となる。その後、前記再生極性溶剤46は再生極性タンク47に貯留され、容器処理設備の粗洗浄用の溶剤として再利用することができる。また、上層25aの抽出物45は有害物分解処理装置15で分解処理される。
ここで、水供給装置82から水81を極性廃溶剤41中に投入するのは、極性廃溶剤の極性を強めるためである。例えば極性廃溶剤としてIPA(イソプロピルアルコール)を用いる場合には、その濃度が60%以下となるように水81を添加することで、無極性抽出溶剤(例えば「NS100」商品名:炭化水素系溶剤)43との親和性を低下させるようにしている。
[参考例5]
本発明による参考例5に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図5は、参考例5に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図5に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Eは、有機有害物(PCB)11を含有する無極性廃溶剤31を貯留する無極性廃溶剤タンク32と、有害物11を抽出する極性抽出溶剤23を貯留する極性抽出溶剤タンク24と、前記無極性廃溶剤31が導入され、前記極性抽出溶剤23を供給して前記有害物11を液/液抽出する第1の液/液・抽出装置25−1と、前記第1の液/液・抽出装置25−1で有害物11が除去された再生無極性溶剤34を貯留する再生無極性溶剤タンク35と、有機有害物(PCB)11を含有する極性廃溶剤41を貯留する極性廃溶剤タンク42と、前記極性廃溶剤41が導入され、前記再生された再生無極性溶剤34を供給して前記有害物11を液/液抽出する第2の液/液・抽出装置25−2と、前記第1の液/液・抽出装置25−1で抽出した有害物11を含む抽出物33と、前記第2の液/液・抽出装置25−2で抽出した有害物11を含む抽出物45とを分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
参考例では、前記第1の液/液・抽出装置25−1を用いて、洗浄等に用いた無極性廃溶剤31から有害物11を前記極性抽出溶剤23により抽出除去するので、攪拌抽出後に静置した際において、上層25aの無極性廃溶剤の層はPCBフリーの再生無極性溶剤34となる。その後、前記再生無極性溶剤34は再生無極性タンク35に貯留され、第2の液/液・抽出装置25−2での抽出溶剤として再利用することができる。なお、下層25bの抽出物33は有害物分解処理装置15で分解処理される。
また、第2の前記液/液・抽出装置25−2を用いて、洗浄等に用いた極性廃溶剤41から有害物11を再生無極性溶剤34により、抽出除去するので、攪拌抽出後に静置した際において、下層25bの極性廃溶剤の層はPCBフリーとなる。その後、再生極性溶剤46は再生極性タンク47に貯留され、容器処理設備の粗洗浄用の溶剤として再利用することができる。また、上層25aの抽出物45は有害物分解処理装置15で分解処理される。
すなわち、本参考例の有害物処理設備10Eによれば、極性が異なる廃溶剤を別々に処理するのではなく、無極性廃溶剤31中の有害物11を抽出除去した再生無極性溶剤34を用いて、極性廃溶剤41中の有害物11を抽出除去することができるので、抽出溶剤を新たに追加することなく、再利用品で賄うことができる。また、処理設備をコンパクト化することができる。
[参考例6]
本発明による参考例6に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図6は、参考例6に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図6に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Fは、前記濃縮装置13が、有機有害物(PCB)11を含有する廃液(廃アルカリ液、廃酸液)51を貯留する廃液タンク52と、有害物11を抽出する無極性抽出溶剤43を貯留する無極性抽出溶剤タンク44と、前記廃液51が導入され、前記無極性抽出溶剤43を供給して前記有害物11を液/液抽出する液/液・抽出装置25と、前記液/液・抽出装置25で抽出した有害物11を含む抽出物53を分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
参考例では、前記液/液・抽出装置25を用いて、洗浄等に用いた極性廃溶剤41から有害物11を無極性抽出溶剤43により、抽出除去するので、攪拌抽出後に静置した際において、下層25bの極性廃溶剤の層はPCBフリーの再生液54となる。その後、前記再生液54は再生液タンク55に貯留され、必要に応じてpH調整することで、容器処理設備の洗浄液等として再利用することができる。また、上層25aの抽出物53は有害物分解処理装置15で分解処理される。
[参考例7]
本発明による参考例7に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図7は、参考例7に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図7に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Gは、有機有害物(PCB)11を含有する廃棄物(紙、木、布等)61をスラリ化するスラリ化装置62と、前記有機有害物を含むスラリ化物63を貯留するスラリ化物タンク64と、有害物11を抽出する無極性抽出溶剤43を貯留する無極性抽出溶剤タンク44と、前記スラリ化物63が導入され、前記無極性抽出溶剤43を供給して前記有害物11を攪拌しつつ抽出する攪拌・抽出装置65と、前記攪拌・抽出装置65で抽出した有害物11を含む抽出物66を分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
参考例では、前記攪拌・抽出装置65を用いて、スラリ化物63から有害物11を無極性抽出溶剤43により、抽出除去するので、攪拌抽出後に静置した際において、下層25bのスラリ化物63を含む水層はPCBフリーの再生スラリ化物66となる。その後、再生スラリ化物66は、フィルタ67により、固形分を除去した後、再生水68はスラリ化装置62における供給水として再利用することができる。また、上層25aの抽出物66は有害物分解処理装置15で分解処理される。
本発明による実施例1に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図8は、実施例1に係る有害物処理設備を示す概念図である。本実施例では有害物11としてPCBを含むPCB油を処理する場合について説明する。
図8に示すように、本実施例に係る有害物処理設備10Hは、有害物(PCB)11を含むPCB油が充填されたPCB油入容器であるトランス120を受け入れるPCB油入容器受入設備121と、トランス本体から該有害物(PCB)11を含む油を除去するPCB油抜設備122と、トランス本体等を洗浄する容器処理設備71からなる前処理設備70と、前記除去した有害物11を貯留する有害物タンクである低濃度PCB油タンク72と、前記容器処理設備71において洗浄剤として用いた有害物(PCB)11を含む無極性廃溶剤31を貯留する無極性廃溶剤タンク32と、前記容器処理設備71から排出される有害物(PCB)11を含有する廃液51を貯留する廃液タンク52と、前記容器処理設備71において洗浄剤として用いた有害物(PCB)11を含む極性廃溶剤41を貯留する極性廃溶剤タンク42と、前処理設備等から排出される紙、布等の有害物11を含む廃棄物61又は外部からの被処理物67をスラリ化するスラリ化装置62と、前記有害物を含むスラリ化物63を貯留するスラリ化物タンク64と、前記無極性廃溶剤31と、極性廃溶剤41が導入され、前記有害物11を無極性廃溶剤31側に液/液抽出する前段の液/液・抽出装置25Aと、有害物11を抽出する極性抽出溶剤23を貯留する極性抽出溶剤タンク24と、前記前段の液/液・抽出装置25Aにおいて有害物11を抽出した無極性廃溶剤31が導入され、前記極性抽出溶剤23を供給して前記有害物11を極性抽出溶剤23側に液/液抽出する後段の液/液・抽出装置25Bと、前記後段の液/液・抽出装置25Bで抽出した有害物11を含む抽出物26と前記有害物11とを分解処理する有害物分解処理装置である水熱酸化分解処理装置110とからなるものである。
本実施例では、前段の液/液・抽出装置25Aを用いて、洗浄等に用いた無極性廃溶剤31を用い、極性廃溶剤41側から有害物(PCB)11を無極性廃溶剤31側に移行させ、次いで後段の液/液・抽出装置25Bを用いて、極性抽出溶剤23を用いて、有害物(PCB)11を無極性廃溶剤31から抽出除去するので、攪拌抽出後に静置した際において、上層25aの無極性廃溶剤の層はPCBフリーの再生無極性溶剤34となる。その後、再生無極性溶剤34は、例えば容器処理設備の粗洗浄用の溶剤として再利用することができる。また、下層25bの抽出物26は水熱酸化分解処理装置110で無害化分解処理される。
また、前記前段の液/液・抽出装置25Aに、極性廃溶剤41の替わりに廃液51又はスラリ化物63を供給して無極性廃溶剤31側に有害物11を移行させて同様に処理することができる。これらの切り替えは図示しない制御手段により適宜制御するようにすればよい。
以下に被処理物としてトランスを例にして受入、容器処理及び水熱酸化分解処理について説明する。
図9に示すように、本実施例にかかる前処理設備70は、被処理物であるPCB油入容器120を受け入れるPCB油入容器受入設備121と、PCB油入容器120から有機有害物(PCB)11を液抜きするPCB油抜設備122と、前記液抜き処理した後に、容器を分離、破砕、洗浄等する容器処理設備71とを、具備するものである。
ここで、上記容器処理設備71の概略構成の一例としては、例えば低濃度のPCBを含むトランス120内のPCB11を液抜設備122で液抜き後のトランス120を、該トランスを構成する構成材である容器132とコア133とに分別処理する分別手段134と、該分別手段134により分別されたコア133を構成する鉄心135とコイル136とに分離するコア分離手段137と、該分離されたコイル136を銅線138と木・紙61とに分離するコイル分離手段140と、分離された紙・木61等の有機性の廃棄物を粉砕処理してスラリ化物63とするスラリ化装置62と、層状の鉄心135を破砕する鉄心破砕手段143と、容器132、破砕した鉄心片144、上記分離された銅線138等の無機物を洗浄液(無極性溶剤又は極性溶剤等)145で洗浄する洗浄装置146とを具備するものである。
前記洗浄装置146から排出される洗浄廃液である無極性廃液31、極性廃液41又はアルカリ廃液51は図8に示すタンク32、42、52に各々貯留される。また、スラリ化物63もスラリ化物タンク64に貯留される。
また、一方の水熱酸化分解処理装置110の概略構成は、図8に示すように、上記液抜きされたPCB11又は抽出物、起動用の油151、水酸化ナトリウム(NaOH)153、純水155及び酸素(O2)157を投入する筒形状の一次反応塔161と、例えば配管を巻いた構成の二次反応塔162と、冷却塔163及び反応器の減圧弁164を備えている。また、減圧弁164の下流には、排水(H2O、NaCl)165と排気ガス(CO2)166とに分離する気液分離器167が配置されている。また、排ガス166は活性炭層168を通過して浄化した後、外部へ排出している。なお、上記二次反応器162は必要に応じて省略することもできる。
なお、前記起動用の油151、水酸化ナトリウム(NaOH)153、純水155はそれぞれ、油タンク152、給水タンク156、NaOHタンク154に貯蔵されており、酸素(O2)157は酸素供給装置158により高圧で一次反応塔161に供給するようにしている。
上記装置において、図示しない加圧による加圧により一次反応塔161内は、例えば26MPaまで昇圧される。また、図示しない熱交換器により純水155を約300℃程度に予熱する。また、一次反応塔161内には酸素157が噴出しており、内部の反応熱により350℃〜400℃まで(好適には370℃まで)昇温する。この段階までに、一次反応塔161の内部では酸化分解反応を起こし、被処理物であるPCBはCO2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却塔163では、二次反応塔162からの流体を100℃程度までに冷却すると共に、後段の減圧弁164にて大気圧まで減圧するようにしている。そして、気液分離器167によりCO2および水蒸気と処理液とが分離され、CO2および水蒸気は、活性炭層168を通過して排ガス166として環境中に排出される。
排水165は排水処理基準を満たしていることを確認して排出される。
本実施例においては、例えばトランス120等のPCB含有油を含む被処理物を容器受入設備121で受入れた後、液抜装置122でPCB油を液抜きし、その後容器処理設備71において容器処理することで発生する洗浄廃液やスラリ化物を2台の液/液・抽出装置25A及び25Bを用いて、効率的な廃液処理を行い、PCBを濃縮することができる。
これにより、PCB等の有害物11の処理において廃溶剤等を濃縮処理することができる。これにより水熱酸化分解処理装置110では一定の処理容量しかないので、処理時間の大幅な短縮を図ることができる。よって、大規模にPCB処理を行う場合において、中間的に発生する廃溶剤等の処理設備をコンパクト化することができる。すなわち、中間的に発生する廃溶剤にはPCBを含むものであるので、そのまま蒸留等の処理をする場合には大量に蒸留処理する必要があり、コストが嵩むことになるが、本発明によれば、コストの大幅な低減を図ることができる。
また、従来ではスラリ化物63は直接水熱酸化分解処理装置110に投入して処理していたので、該水熱酸化分解処理装置110は一定期間において無機物の抜き出しが必要であったが、本発明により、スラリ化物63を直接投入しないことにより、無機物の抜き出し作業が不要となる。この結果、有害物の処理を停止することがなくなり効率的な処理が可能となる。
さらに、水熱酸化分解処理装置110に投入する必要がないので、スラリ化物63の粒径も大きくすることができる。
また、本発明の処理設備において、PCB等を吸着するために設置されるフィルタに用いた活性炭等の処理もスラリ化物と同様に処理することができる。
本実施例によれば、濃縮の際の排出物は、容器処理の洗浄用の薬液として再利用することができるため、容器処理における使用薬液量(例えば洗浄油、洗浄溶剤、洗浄水、アルカリ洗浄剤等)の低減につながる。
また、濃縮の際の排出物は、有害物分解処理装置である水熱酸化分解処理装置110の供給薬液として再利用することができるため、水熱分解処理における供給薬液量(例えば供給油、水、アルカリ等)の低減につながる。
さらに、常温での再生であるため、熱エネルギーが不要であり、また冷却も必要がないため、処理コストも抑えられ、また熱による劣化等がない。
また、有機有害物の投入方法の効率化を図ることができる。さらに、有機有害物を同時濃縮することにより、有機有害物の投入ラインを一本化することができるため、予混合しやすくなり、常に一定の割合で有機有害物とその他供給液を混合できるため、安定した有害物の大量処理が可能となる。
次に、濃縮装置13として、固/液・分離装置を用いた場合の実施例について説明する。
[参考例8]
本発明による参考例8に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図12は、参考例8に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図12に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Iは、有機有害物(PCB)11を含有する無極性廃溶剤31を貯留する廃溶剤タンク32と、有害物11を溶離する溶離溶剤201を貯留する溶離溶剤タンク202と、前記溶離溶剤201に無極性廃溶剤31が所定量導入され、内部に充填された分離充填剤により前記有害物11を溶離する固/液・分離装置203と、前記固/液・分離装置203で分離した有害物11を含む分離物204を切替弁205により切替えて分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
また、溶離溶剤201の供給ライン200には、切替弁206により切り替えて、有害物(PCB)11を含有する極性廃溶剤41を貯留する極性廃溶剤タンク42からの極性廃溶剤41を供給して固/液・分離装置203にて分離処理するようにしている。
なお、図中、V1〜V3は弁を示す。
無極性廃溶剤31中の有害物が固/液・分離装置203の分離充填剤との固液接触により有害物が分離されることとなる。
ここで、分離充填剤としては、例えばシリカゲル・アルミナ系、グラファイトカーボン系、又はポリビニルアルコールポリマー系等の各種充填剤を用いることができる。
溶離溶剤(移動相)としては、例えばアルコールに代表される極性溶剤や、炭化水素溶剤に代表される無極性溶剤を例示することができる。
有害物11を含む無極性廃溶剤31又は極性廃溶剤41を、所定量溶離溶剤201に供給して分離充填剤により分離することで有害物11を分離物204として濃縮分離することができる。前記固/液・分離装置203により有害物を分離した廃溶剤は洗浄設備において再利用するようにしてもよい。
参考例では、廃溶剤中の有害物である例えばPCBの分離濃縮を固/液・分離装置203で行うことができるので、簡易な設備でPCBの分離濃縮が可能となる。また、常温により濃縮することができるので、エネルギーを必要とすることがない。
[参考例9]
本発明による参考例9に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図13は、参考例9に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図13に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Jは、有機有害物(PCB) 有機有害物(PCB)11を含有する廃液(廃水、廃アルカリ水)51を貯留する廃液タンク52と、有害物11を溶離する溶離溶剤201を貯留する溶離溶剤タンク202と、前記溶離溶剤201に被処理物21が所定量導入され、内部に充填された分離充填剤により前記有害物11を溶離する固/液・分離装置203と、前記固/液・分離装置203で分離した有害物11を含む分離物204を切替弁205により切替えて分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
廃液51中の有害物が固/液・分離装置203の分離充填剤との固液接触により有害物が分離されることとなる。
ここで、分離充填剤及び溶離溶剤(移動相)としては、前述したのと同様なものを用いるようにすればよい。
有害物11を含む無極性廃溶剤31又は極性廃溶剤41を、所定量溶離溶剤201に供給して分離充填剤により分離することで有害物11を分離物204として濃縮分離することができる。前記固/液・分離装置203により有害物を分離した廃溶剤は洗浄設備において再利用するようにしてもよい。
参考例では、廃液51中の有害物である例えばPCBの分離濃縮を固/液・分離装置203で行うことができるので、簡易な設備でPCBの分離濃縮が可能となる。また、常温により濃縮することができるので、エネルギーを必要とすることがない。
[参考例10]
本発明による参考例10に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図14は、参考例10に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図14に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Kは、有機有害物(PCB) 有機有害物(PCB)11を含有する無極性廃溶剤31を貯留する廃溶剤タンク32と、前記無極性廃溶剤31が所定量導入され、内部に充填された有機有害物吸着充填剤により前記有害物11を吸着するする固/液・分離装置210と、前記吸着した有害物11を離する溶離溶剤201を貯留する溶離溶剤タンク212と、前記固/液・分離装置203から分離した有害物11を含む分離物203を切替弁214により切替えて分解処理する有害物分解処理装置15とからなるものである。
また、溶離溶剤201の供給ライン200には、切替弁206により切り替えて、有害物(PCB)11を含有する極性廃溶剤41を貯留する極性廃溶剤タンク42からの極性廃溶剤41を供給して固/液分離装置203にて分離処理するようにしている。
なお、図中、V1〜V3は弁を示す。
無極性廃溶剤31又は極性廃溶剤41中の有害物が固/液・分離装置203の吸着充填剤により吸着され、その後切替弁214を切替えて、溶離溶剤201を供給することで吸着重点材から有害物が分離されることとなる。
ここで、分離充填剤及び溶離溶剤(移動相)としては、前述したのと同様なものを用いるようにすればよい。
有害物11を含む無極性廃溶剤31又は極性廃溶剤41を、所定量溶離溶剤201に供給して吸着充填剤に吸着させることで有害物11を分離し、その後溶離溶剤211を供給することで分離物203として濃縮分離することができる。前記固/液・分離装置210により有害物を分離した廃溶剤は洗浄設備において再利用するようにしてもよい。
参考例では、廃溶剤中の有害物である例えばPCBの分離濃縮を固/液・分離装置203で行うことができるので、簡易な設備でPCBの分離濃縮が可能となる。また、常温により濃縮することができるので、エネルギーを必要とすることがない。
[参考例11]
本発明による参考例11に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図15は、参考例11に係る有害物処理設備を示す概念図である。
図15に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Lは、有機有害物(PCB)11を含有する廃液(廃水、廃アルカリ水)51を貯留する廃液タンク52と、前記廃液51が所定量導入され、内部に充填された有機有害物吸着充填剤により前記有害物11を吸着するする固/液・分離装置210と、前記吸着した有害物11を溶離する溶離溶剤201を貯留する溶離溶剤タンク212と、前記固/液・分離装置203から分離した有害物11を含む分離物203を切替弁214により切替えて分解処理する有害物分解処理装置15とからなる。
廃液51中の有害物が固/液・分離装置203に吸着され、その後溶離溶剤201により分離されることとなる。
ここで、分離充填剤及び溶離溶剤(移動相)としては、前述したのと同様なものを用いるようにすればよい。
[参考例12]
本発明による参考例12に係る有害物処理設備について、図面を参照して説明する。
図16は、参考例12に係る有害物処理設備を示す概念図である。本参考例では有害物11としてPCBを含むPCB油を処理する場合について説明する。
図8に示すように、本参考例に係る有害物処理設備10Mは、有害物(PCB)11を含むPCB油が充填されたPCB油入容器であるトランス120を受け入れるPCB油入容器受入設備121と、トランス本体から該有害物(PCB)11を含む油を除去するPCB液抜設備122と、トランス本体等を洗浄する容器処理設備71からなる前処理設備70と、前記除去した有害物11を貯留する有害物タンクである低濃度PCB油タンク72と、前記容器処理設備71において洗浄剤として用いた有害物(PCB)11を含む無極性廃溶剤31を貯留する無極性廃溶剤タンク32と、前記容器処理設備71から排出される有害物(PCB)11を含有する廃液51を貯留する廃液タンク52と、前記容器処理設備71において洗浄剤として用いた有害物(PCB)11を含む極性廃溶剤41を貯留する極性廃溶剤タンク42と、前処理設備等から排出される紙、布等の有害物11を含む廃棄物61又は外部からの被処理物67をスラリ化するスラリ化装置62と、前記有害物を含むスラリ化物63を貯留するスラリ化物タンク64と、前記無極性廃溶剤31と、極性廃溶剤41が導入され、前記有害物11を無極性廃溶剤31側に液/液抽出する前段の液/液・抽出装置25Aと、無極性溶剤中の有害物11を内部に充填された分離充填剤により溶離する固/液・分離装置203と、前記固/液・分離装置203で分離した有害物11を含む分離物204を分解処理する有害物分解処理装置である水熱酸化分解処理装置110とからなるものである。
前処理装置70と水熱酸化分解処理装置110は前述した実施例と同じであるので、その説明は省略する。
参考例では、前段の液/液・抽出装置25Aにより廃溶剤中の有害物11を濃縮しており、この濃縮物31を固/液・分離装置203にて分離濃縮することとなり、更なる濃縮分離がなされることとなる。
よって、水熱酸化分解処理装置110で処理される処理量を軽減することができる。
以上のように、本発明に係る有害物処理設備は、例えばPCB等の有機有害物を濃縮処理することで処理効率の軽減化を図ることができ、有害物の大量の処理設備に用いて適している。
参考例1に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例2に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例3に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例4に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例5に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例6に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例7に係る有害物処理設備の概略図である。 実施例に係る有害物処理設備の概略図である。 実施例1に係る有害物処理設備の前処理装置の概略図である。 参考例2に係る有害物処理設備の液/液・抽出装置の概略図である。 無極性溶剤と極性溶剤とのPCB抽出率のグラフである。 参考例8に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例9に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例10に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例11に係る有害物処理設備の概略図である。 参考例12に係る有害物処理設備の概略図である。
11 有害物
12 被処理物
13 濃縮装置
14 濃縮物
15 有害物分解処理装置

Claims (2)

  1. PCBを含むPCB油が充填されたPCB油入容器を受け入れるPCB油入容器受入設備と、
    前記PCB油入容器から前記PCB油を除去するPCB油抜設備と、
    前記PCB油除去後の前記PCB油入容器を無極性及び極性の洗浄剤で洗浄する容器処理設備と、
    除去した前記PCB油を貯留する低濃度PCB油タンクと、
    前記容器処理設備において前記洗浄剤として用いた前記PCB油を含む無極性廃溶剤を貯留する無極性廃溶剤タンクと、
    前記容器処理設備から排出される前記PCB油を含有する廃液を貯留する廃液タンクと、
    前記容器処理設備において前記洗浄剤として用いた前記PCB油を含む極性廃溶剤を貯留する極性廃溶剤タンクと、
    前容器処理設備から排出される前記PCB油を含む廃棄物をスラリ化するスラリ化装置と、
    前記PCB油を含むスラリ化物を貯留するスラリ化物タンクと、
    前記無極性廃溶剤と、極性廃溶剤が導入され、PCBを無極性廃溶剤側に液/液抽出する前段の液/液・抽出装置と、
    CBを抽出する極性抽出溶剤を貯留する極性抽出溶剤タンクと、
    前記前段の液/液・抽出装置においてPCBを抽出した無極性廃溶剤が導入され、
    前記極性抽出溶剤を供給してPCBを極性抽出溶剤側に液/液抽出する後段の液/液・抽出装置と、
    前記後段の液/液・抽出装置で抽出したPCBを含む抽出物と、前記除去されたPCB油とを分解処理する有害物分解処理装置とからなることを特徴とする有害物処理設備。
  2. 請求項1において、
    前記有害物分解処理装置が、水熱酸化分解処理装置であることを特徴とする有害物処理設備。
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