JP4233778B2 - 有機ハロゲン化物処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば変圧器等に含まれる絶縁油等PCB含有物洗浄液の汚染度合いを管理する洗浄液管理システムを利用する有機ハロゲン化物処理システムに関する。
【0002】
【背景技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものである。置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高い。さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
この結果、PCBは体内で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・発生毒性が認められている。
【0004】
PCBは、従来からトランスやコンデンサなどの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるので、PCBを処理する必要がある。このため、PCBを無害化処理する種々の分解方法が提案されている(例えば特開平11−253795号公報、特開平11−253796号公報、特開2000−126588号公報他参照)。
【0005】
ここで、上記PCB無害化装置はPCBのみを処理するものであるが、一方のPCBを抜き出したPCB汚染容器等は洗浄処理が施されて、容器の無害化を図っている。
【0006】
しかしながら、PCB汚染容器の洗浄に用いた洗浄液中には高濃度のPCBが含有されることになり、その汚染の程度が問題となる。
すなわち、PCB汚染洗浄液がひどい場合には、洗浄効率が低下するからである。
【0007】
この洗浄液の判定の際にPCB濃度を測定する方法の一例として、例えば▲1▼公定法や▲2▼抗体免疫法等がある。
この従来の計測手法の概要を図5及び図6を参照して説明する。
【0008】
▲1▼従来の公定法
図5に示すように、環境省が公示する公定排水基準計測用の手法では、採取試料01を溶媒02としてn−ヘキサンを用いて分離し(S01)、その後、濃縮し(S02)、濃縮液をアルカリ分解し(S03)、抽出・洗浄した後(S04)、この分解液からn−ヘキサンで抽出し(S05),その後、脱水(S06)・濃縮(S07)をした後に、シリカゲルカラム分離し(S08)、その後濃縮して(S09)、ガスクロマトグラフ分析する(S010)、という工程によって分析を行っている。
この工程は時間を要し、その分析結果を得るまでには、約2日間を要しているので、迅速分析には対応できないという、問題がある。
【0009】
▲2▼抗体免疫法
図6に示すように、採取試料01に酵素03を添加し、PCBと選択的に反応させて抗体結合し(S011)、その後所定時間培養し(S012)、デカンテーションし(S013)、発色溶液04を添加・静置して(S014)発色させ(S015)、吸光光度計で計測する(S016)という工程を行っている。 この工程では、PCBに類似の中間生成物も酵素の抗体結合により反応されているので、PCBの定量の精度と信頼性が低い、という問題がある。
【0010】
このため、多量のPCB汚染容器を連続して処理するような場合には、洗浄液中のPCB濃度の監視が必須となるが、現時点においては迅速且つ適格な濃度把握ができないという、問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑み、PCB等の有機ハロゲン化物に汚染した汚染容器等の洗浄に用いた洗浄液の汚染の度合いを迅速に管理することができる洗浄液管理システムを利用する有機ハロゲン化物処理システムを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、有機ハロゲン化物に汚染された被処理物を洗浄液で洗浄する洗浄槽と、上記洗浄槽内に新規洗浄液を供給する新規洗浄液供給ラインと、上記洗浄槽からの汚染洗浄液を貯蔵する汚染洗浄液槽と、上記汚染洗浄液槽に貯蔵された上記汚染洗浄液を蒸留処理する蒸留塔と、上記蒸留塔からの再生洗浄液を冷却する冷却器と、冷却された上記再生洗浄液を貯蔵する洗浄液回収槽と、上記冷却器と上記洗浄液回収槽との間及び上記冷却器と上記汚染洗浄液槽との間を連絡する再生洗浄液供給ラインと、上記再生洗浄液供給ラインと上記新規洗浄液供給ラインとに各々介装され、上記再生洗浄液供給ラインの再生洗浄液を試料側とし、上記新規洗浄液供給油ラインの新規洗浄液を対照側として、再生洗浄液の汚染度合いを吸光度により測定する紫外・可視吸光光度計又は赤外吸収スペクトル計と、上記再生洗浄液供給ラインに設けられ、上記紫外・可視吸光光度計又は上記赤外吸収スペクトル計で測定した結果により上記再生洗浄液を上記洗浄液回収槽又は上記汚染洗浄液槽に供給するように切り替える切替弁と、上記洗浄槽からの洗浄液を一度外部へ取り出した後に当該洗浄槽内に戻す洗浄液循環ラインと、上記洗浄液循環ラインと上記新規洗浄液供給ラインとに各々介装され、上記洗浄槽からの汚染洗浄液を試料側とし、上記洗浄槽内に供給する新規洗浄液を対照側として、汚染洗浄液の汚染度合いを吸光度により測定する紫外・可視吸光光度計又は赤外吸収スペクトル計と、前記蒸留塔から排出される残渣中の有機ハロゲン化物を分解処理する処理設備とを備えてなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理システムにある。
【0015】
の発明は、第1発明において、上記紫外・可視吸光光度計の測定波長が200〜280nm、赤外吸収スペクトル計の測定波長が600−1600cm-1であることを特徴とする有機ハロゲン化物処理システムにある。
【0016】
の発明は、第1又は2の発明において、上記被処理物がPCB含有絶縁油を内蔵したコンデンサ、トランス、蛍光灯安定器又はこれらの構成部材であることを特徴とする有機ハロゲン化物処理システムにある。
【0020】
の発明は、第1から3のいずれかの発明において、上記処理設備が、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2CO3)の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる水熱酸化分解装置であることを特徴とする有機ハロゲン化物処理システムにある。
【0021】
の発明は、第の発明において、上記水熱酸化分解装置が、筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有機ハロゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、処理液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理システムにある。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明による有機ハロゲン化物処理システムの実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1に洗浄液管理システムの概略を示す。
図1に示すように、本実施の形態にかかる洗浄液管理システム200は、有機ハロゲン化物に汚染された被処理物である容器、部材等1003を洗浄した洗浄液を管理する洗浄液管理システムにおいて、被処理物を洗浄する洗浄槽1011と、上記洗浄槽1011からの汚染洗浄液1012を試料側とし、上記洗浄槽内に供給する新規洗浄液1010を対照側として吸光度計測する吸光光度計203と、を備えてなるものである。
【0024】
これにより、洗浄槽1011で被処理物1003を洗浄した結果、洗浄液1010が汚染された場合、上記洗浄槽1011内に供給される新規洗浄液1010を対照として、汚染洗浄液1012を一度外部へ取り出して試料側とし、汚染洗浄液1012の吸光度を吸光光度計203で計測することで、洗浄液中のPCB濃度をオンラインで判定することができる。この結果、汚染洗浄液1012中のPCB濃度が高い場合には、新規洗浄液1010を供給するようにして、その濃度を基準値以下に下げることで、洗浄液の管理を効率的に行うことができる。
【0025】
すなわち、上記システムにおいて、洗浄槽1011内で洗浄を続けていくと、一定基準値以上に汚染された汚染洗浄液1012となるが、該汚染洗浄液1012を一度外部へ取り出して、吸光光度計203のセル203Dを通過する際に対照液である新規洗浄液1010をセル203Rに入れて、下記式よりPCB濃度Aが計測される。その計測結果に応じて洗浄槽1011中の洗浄液1011の汚染度合いを判断し、汚染がひどい場合には、洗浄液の交換を行う。
PCB濃度(A)=AD −AN
また、新規洗浄液1010と排出する汚染洗浄液1012との流量のバランスを制御することもできる。例えば汚染の程度が低い場合には、新規洗浄液1010の供給量を少なくすることができる。
【0026】
上記吸光光度計203は紫外・可視吸光光度計又は赤外吸収スペクトル計を用いることが好ましく、その測定波長は特に限定されるものではないが、紫外・可視吸光光度計の場合には、200〜280nm、赤外吸収スペクトル計の場合には、600−1600cm-1とするのが好ましい。
赤外吸収スペクトルの主要なスペクトルとしては、C−Clの伸縮振動による吸収(700〜800cm-1近傍),芳香族炭化水素のC=C伸縮振動、環Hの面内変角振動による吸収(1000〜1600cm-1近傍)が挙げられる。
【0027】
図2にPCB濃度と吸光度との関係図を示す。測定波長は254nmである。
吸光光度計203で求めた吸光度からPCB濃度を求めるようにすればよい。なお、濃度が高い場合には別の吸光度からPCB濃度を求めるようにすればよい。
【0028】
上記被処理物としては特に限定されるものではないが、PCB含有絶縁油を内蔵したコンデンサ、トランス、蛍光灯安定器又はこれらの構成部材等であり、例えばPCBを抜き出した後の容器及びその構成部材(金属片等)の洗浄処理をするものである。
また、例えばPCB等の有害物質を含有する塗料等を保存している保存容器を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
ここで、本発明において洗浄液とはPCB等の有害物質を洗浄除去する機能を有する溶剤であれば特に限定されるものではないが、例えばヘキサン、アセトン、トルエン、ジクロロメタン、ベンゼン、オクタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、炭化水素、代替フロン等を挙げることができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
また、図1を参照して本実施の形態にかかる洗浄液管理システムに洗浄液を再利用するための再生手段を備えた洗浄液再生・管理システムについて説明する。
図1に示すように、本実施の形態の洗浄液再生・管理システムは、洗浄槽1011からの汚染洗浄液1012を貯蔵する汚染洗浄液槽116と、上記洗浄槽1011からの汚染洗浄液1012を試料側とし、上記洗浄槽1011内に供給する新規洗浄液1010を対照側として吸光度計測する吸光光度計203と、上記洗浄槽1011からの汚染洗浄液1012を蒸留処理する蒸留塔101と、上記蒸留塔101からの再生洗浄液102を冷却する冷却器112と、冷却された再生洗浄液102を貯蔵する洗浄液回収槽113と、上記洗浄槽1011内に新規洗浄液1010を供給する新規洗浄液供給ライン114と、上記冷却器112と上記洗浄液回収槽113との再生洗浄液供給ライン115と、上記再生洗浄液供給ライン115と上記新規洗浄液供給ライン114とに各々介装され、再生洗浄液102の汚染度合いを測定する吸光光度計103と、吸光光度計103で測定した結果により洗浄液回収槽113と汚染洗浄液槽116とにラインを切替る切替弁117とを備えてなるものである。
なお、図中、符号118は制御手段であり、吸光光度計103での計測結果からPCB濃度の判定を行うと共に、その結果をもとにして切替弁117の切替を制御及び蒸留塔の蒸留条件を設定するものである。
【0031】
また、上記洗浄液回収槽113又は汚染洗浄液槽116のいずれか一方又は両方に吸光光度計103を設けて、さらに個々の槽内のPCB濃度を計測するようにしてもよい。
【0032】
上記システムにおいて、洗浄槽1011において、吸光光度計203により基準値以上に汚染されたと判断された汚染洗浄液1012は汚染洗浄槽116に送られ、その後蒸留塔101で蒸留される。再生洗浄液102は蒸留塔101の後流側に設けられた冷却器112を通過して凝縮され吸光光度計103のセル103Sを通過する際に対照液である新規洗浄液1010をセル103Rに入れて、下記式よりPCB濃度Aが計測される。その計測結果に応じて制御手段118により切替弁117を切替て洗浄液回収槽113又は汚染洗浄液槽116に振り分ける。
PCB濃度(A)=AS −AN
【0033】
すなわち、PCB濃度Aが基準値Xより高い洗浄液は、切替弁の切替により汚染洗浄液槽116に送られ、洗浄槽1011から送られる汚染洗浄液1012と混合されて再度蒸留に供される。一方、洗浄液回収槽113で回収された洗浄液は新規洗浄液1010の代わりに洗浄槽1011に送られ、洗浄で使用される。
【0034】
PCB濃度は仕上洗浄槽において、0.5μm/kg(500ppb)であることが求められているので、仕上洗浄の場合には、回収の切替の判断は500ppb未満において行う必要がある。
【0035】
上記洗浄液管理・再生システムによれば、被処理物を洗浄処理した汚染洗浄液1012の汚染の程度を常時監視すると共に、洗浄液の汚染の程度が所定の基準値以上の場合には、システム100において、汚染洗浄液を蒸留塔101で蒸留処理することができる。また、その際に、蒸留条件に応じた洗浄液の回収状況を迅速且つ連続的に監視することができる。また、システム200において、回収洗浄液と新規洗浄液との供給度合いの調整を洗浄槽1011に設けた吸光光度計203によりその洗浄液の汚染具合を判別しつつ選定することができる。これにより、洗浄処理システムの長期間の最適な蒸留条件を維持することが可能となる。
【0036】
さらに、PCB洗浄液中のPCB濃度を監視することで、再生洗浄液の回収量を把握することでき、新規洗浄液の供給量の削減を図ることができる。
【0037】
なお、蒸留塔101において排出される残渣119にはPCBが濃縮されているので、水熱酸化分解装置120で水熱分解処理される。
【0038】
上記水熱分解処理装置120は、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる水熱酸化分解装置を例示することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】
図3に水熱分解処理装置120の概略を示す。図3に示すように、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の一次反応塔122と、油(又は有機溶剤)、PCB、水(H2O)および水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液123a〜123dを加圧する加圧ポンプ124と、当該水を予熱する熱交換器125と、該熱交換器125の前において、水酸化ナトリウム123cと水123dとを混合する混合器101と、配管を螺旋状に巻いた構成又は筒状の構成の二次反応塔126と、冷却器127および減圧弁128とを備えてなるものである。また、減圧弁127の下流には、気液分離器129、活性炭槽130が配置されている。排ガス(CO2 )131は煙突132から外部へ排出されて、排水(H2 O,NaCl)133は放出タンク134に溜められ、別途必要に応じて排水処理される。
【0040】
処理液123となる油(又は有機溶剤)、PCB、H2OおよびNaOHの各処理液123a〜123dは処理液タンク135a〜135dから配管136a〜136d及びエジェクタ137を介してそれぞれ導入されるが、本実施の形態では、水酸化ナトリウム123cは供給水123dと予め混合器101で混合してから熱交換器125に供給するようにしている。
これにより、水酸化ナトリウムの高アルカリ液を一次反応塔122内に直接投入しないので、高アルカリによる腐蝕を防止することができる。
また、給水123dに対するアルカリ添加効果により、沸点が上昇して、熱交換器125における給水温度の上昇を図ることができる。
【0041】
また、酸素(O2 )等の酸化剤は高圧酸素供給設備138により供給され、供給配管139は、一次反応塔122に対して直結されている。なお、油(又は有機溶剤)を入れるのは、特に高濃度PCBの分解反応促進のためと、分解装置120の起動時において反応温度を最適温度まで昇温させるためである。また、処理液としてさらに、上記PCB、H2OおよびNaOHを混合させて一次反応塔122に投入するようにしてもよい。
【0042】
上記装置において、加圧ポンプ124による加圧により一次反応塔122内は、26MPaまで昇圧される。また、熱交換器125は、水酸化ナトリウムと混合したH2Oを300℃以上に予熱する。
また、一次反応塔122内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により380℃〜400℃まで昇温する。サイクロンセパレータ121は、一次反応塔122内で析出したNa2CO3の結晶粒子の大きなものを分離し、Na2CO3の微粒子を二次反応塔126に送る。このサイクロンセパレータ121の作用により、二次反応塔126の閉塞が防止される。この段階までに、PCBは、脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaCl、CO2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却器127では、二次反応塔126からの流体を100℃程度に冷却すると共に後段の減圧弁128で大気圧まで減圧する。そして、気液分離器129によりCO2および水蒸気と処理液とが分離され、CO2および水蒸気は、活性炭槽130を通過して環境中に排出される。
なお、サイクロンセパレータ121は必要に応じて設けるようにしてもよい。
【0043】
このような処理装置120を用いてPCB含有油(例えばトランスやコンデンサ等の絶縁油)等及び残渣119を処理することで、PCBが脱塩素化されビフェニル((C6 5 2 )等の脱塩素化物とされ、該ビフェニルが酸化剤等の作用によりCO2 、H2 O等へと完全無害化がなされている。
【0044】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の洗浄液再生・管理システムを備えた有機ハロゲン化物無害化処理設備システムについて図4を参照して説明する。
図4に示すように、本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物無害化処理システムは、有害物質であるPCBが付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物1001である有害物質( 例えばPCB)1002 を保存する容器1003から有害物質1002を分離する分離手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体手段1005のいずれか一方又は両方を有する前処理手段1006と前処理手段1006において処理された被処理物を構成する構成材であるコア1001aをコイル1001bと鉄心1001cとに分離するコア分離手段1007と、分離されたコイル1001bを銅線1001dと紙・木1001eとに分離するコイル分離手段1008と、上記コイル分離手段1008で分離された鉄心1001cと解体手段1005で分離された金属製の容器 (容器本体及び蓋等)1003 とコイル分離手段1008で分離された銅線1001dとを洗浄液1010で洗浄する洗浄槽1011と、前処理手段で分離した有害物質1002を分解処理する有害物質分解処理手段1013と、洗浄槽1011内洗浄液の汚染度合いを判断する洗浄液管理システム200と、洗浄槽1011から排出される汚染洗浄液1012を再生処理する再生処理システム100とを具備してなるものである。
有害物質分解処理手段1013は上記図3に示すような水熱酸化分解処理装置を例示することができる。
【0045】
ここで、本発明で無害化処理する有害物質としては、PCBの他に例えば、塩化ビニルシート、有害廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品、廃棄樹脂、未処理爆薬等を挙げることができるが、環境汚染に起因する有害物質であればこれらに限定されるものではない。
【0046】
また、洗浄槽1011は上記有害物質を保存等した容器や汚染部材や物質を洗浄するものである。
【0047】
本システムによれば、PCBを完全分解すると共に、洗浄槽1011において汚染容器等を洗浄して無害化すると共に、該洗浄槽1011の洗浄液の管理と、汚染の程度において洗浄液を供給したり、洗浄液を蒸留して再利用したりすることができ、一貫して効率的な処理を長期間に亙って安定して行うことができる。
【0048】
【実施例】
洗浄槽内に洗浄液(NS100)を入れてPCBを液抜きしたトランス容器を洗浄する粗洗浄槽での制御の一例を示す。洗浄槽内の洗浄液が吸光光度計201で監視し、50mg/kg(50ppb)になったところで、汚染洗浄液を排出する。その後、新規洗浄液を洗浄槽内に供給する一方、汚染洗浄液を蒸留塔で蒸留し、500ppb以下(好ましくは100ppb以下)の再生洗浄液を洗浄液回収槽で回収する。洗浄槽内での汚染の程度に応じて、順次排出しつつ新規洗浄液又は再生洗浄液を供給する。
【0049】
粗洗浄が終了した後に、仕上洗浄槽にトランス容器を移行し、仕上洗浄を行う。この仕上洗浄槽においても洗浄液を管理する管理システム200を備えることで、洗浄液の効率的な管理が可能となる。
【0050】
仕上洗浄は0.5mg/kg(500ppb)以下の濃度であることが基準となるので、その濃度を監視することで洗浄の終了を判定する。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明したように、本発明によれば、有機ハロゲン化物に汚染された被処理物を洗浄した洗浄液を管理する洗浄液管理システムにおいて、被処理物を洗浄する洗浄槽と、上記洗浄槽からの汚染洗浄液を試料側とし、上記洗浄槽内に供給する新規洗浄液を対照側として吸光度計測する吸光光度計とを備えてなるので、洗浄液の汚染状況を迅速且つ連続的に監視することができ、これにより、洗浄システムを長期間に亙って適格に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる洗浄液管理システムの概略図である。
【図2】PCB濃度と吸光度との関係図である。
【図3】水熱酸化分解装置の概要図である。
【図4】本実施の形態にかかる有機ハロゲン化物無害化処理システム
【図5】従来技術にかかる公定法の公定概略図である。
【図6】従来技術にかかる抗体法の公定概略図である。
【符号の説明】
100 洗浄液再生処理システム
101 蒸留塔
102 再生洗浄液
103 吸光光度計
112 冷却器
113 洗浄液回収槽
114 新規洗浄液供給ライン
115 再生洗浄液供給ライン
116 汚染洗浄液槽
117 切替弁
118 制御手段
119 残渣
120 水熱酸化分解装置
150 切替弁
121 サイクロンセパレータ
122 一次反応器
123a〜123d 処理液
124a〜124d 加圧ポンプ
125 熱交換器
126 二次反応器
127 冷却器
128 減圧弁
129 気液分離器
130 活性炭槽
131 排ガス(CO2
132 煙突
133 排水(H2 O,NaCl)
134 放出タンク
135a〜135d 処理液タンク
136a〜136d 配管
137 エジェクタ
138 高圧酸素供給設備
203 吸光光度計
1001 被処理物
1002 有害物質(例えばPCB)
1003 容器
1004 分離手段
1005 解体手段
1006 前処理手段
1007 有機物
1008 無機物
1009 分離手段
1010 洗浄液
1011 洗浄槽
1012 汚染洗浄液
1013 有害物質分解処理手段
1014 スラリー
1015 スラリー化手段

Claims (5)

  1. 有機ハロゲン化物に汚染された被処理物を洗浄液で洗浄する洗浄槽と、
    上記洗浄槽内に新規洗浄液を供給する新規洗浄液供給ラインと、
    上記洗浄槽からの汚染洗浄液を貯蔵する汚染洗浄液槽と、
    上記汚染洗浄液槽に貯蔵された上記汚染洗浄液を蒸留処理する蒸留塔と、
    上記蒸留塔からの再生洗浄液を冷却する冷却器と、
    冷却された上記再生洗浄液を貯蔵する洗浄液回収槽と、
    上記冷却器と上記洗浄液回収槽との間及び上記冷却器と上記汚染洗浄液槽との間を連絡する再生洗浄液供給ラインと、
    上記再生洗浄液供給ラインと上記新規洗浄液供給ラインとに各々介装され、上記再生洗浄液供給ラインの再生洗浄液を試料側とし、上記新規洗浄液供給油ラインの新規洗浄液を対照側として、再生洗浄液の汚染度合いを吸光度により測定する紫外・可視吸光光度計又は赤外吸収スペクトル計と、
    上記再生洗浄液供給ラインに設けられ、上記紫外・可視吸光光度計又は上記赤外吸収スペクトル計で測定した結果により上記再生洗浄液を上記洗浄液回収槽又は上記汚染洗浄液槽に供給するように切り替える切替弁と、
    上記洗浄槽からの洗浄液を一度外部へ取り出した後に当該洗浄槽内に戻す洗浄液循環ラインと、
    上記洗浄液循環ラインと上記新規洗浄液供給ラインとに各々介装され、上記洗浄槽からの汚染洗浄液を試料側とし、上記洗浄槽内に供給する新規洗浄液を対照側として、汚染洗浄液の汚染度合いを吸光度により測定する紫外・可視吸光光度計又は赤外吸収スペクトル計と、
    前記蒸留塔から排出される残渣中の有機ハロゲン化物を分解処理する処理設備と
    を備えてなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理システム。
  2. 請求項において、
    上記紫外・可視吸光光度計の測定波長が200〜280nm、
    赤外吸収スペクトル計の測定波長が600−1600cm-1である
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理システム。
  3. 請求項1又は2において、
    上記被処理物がPCB含有絶縁油を内蔵したコンデンサ、トランス、蛍光灯安定器又はこれらの構成部材である
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    上記処理設備が、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2CO3)の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる水熱酸化分解装置である
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物処理システム。
  5. 請求項において、
    上記水熱酸化分解装置が、
    筒形状の一次反応塔と、
    油又は有機溶媒,有機ハロゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、
    当該水を予熱する予熱器と、
    配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔と、
    二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、
    処理液を気液分離する気液分離手段と、
    減圧弁と
    を備えてなることを特徴とする有機ハロゲン化物処理システム。
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