JP3697183B2 - 有害物質処理設備の運転制御システム - Google Patents

有害物質処理設備の運転制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP3697183B2
JP3697183B2 JP2001248564A JP2001248564A JP3697183B2 JP 3697183 B2 JP3697183 B2 JP 3697183B2 JP 2001248564 A JP2001248564 A JP 2001248564A JP 2001248564 A JP2001248564 A JP 2001248564A JP 3697183 B2 JP3697183 B2 JP 3697183B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
pcb
treatment facility
organic
operation control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001248564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003053177A (ja
Inventor
田頭  健二
信之 池田
崇 山元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001248564A priority Critical patent/JP3697183B2/ja
Publication of JP2003053177A publication Critical patent/JP2003053177A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3697183B2 publication Critical patent/JP3697183B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば変圧器等の絶縁油等のPCB含有物等の有機有害物質の完全処理を図る有害物質処理設備の運転制御システムに関する。
【0002】
【背景技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
この結果、PCBは体内で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・発生毒性が認められている。
【0004】
PCBは、従来からトランスやコンデンサなどの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるので、PCBを処理する必要があり、本出願人は先に、PCBを無害化処理する水熱酸化分解装置を提案した(特開平11−253795号公報、特開平11−253796号公報、特開2000−126588号公報他参照)。この水熱酸化分解装置の概要の一例を図4に示すが、これに限定されるものではない。
【0005】
図4に示すように、水熱酸化分解装置120は、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の一次反応塔122と、油(又は有機溶剤)、PCB、水(H2O)および水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液123a〜123dを加圧する加圧ポンプ124と、当該水を予熱する熱交換器125と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔126と、冷却器127および減圧弁128とを備えてなるものである。また、減圧弁127の下流には、気液分離器129、活性炭槽130が配置されており、排ガス(CO2 )131は煙突132から外部へ排出され、排水(H2 O,NaCl)133は放出タンク134に溜められ、別途必要に応じて排水処理される。
【0006】
なお、処理液123となる油(又は有機溶剤)、PCB、H2OおよびNaOHの各処理液123a〜123dは処理液タンク135a〜135dから配管136a〜136d及びエジェクタ137を介してそれぞれ導入される。また、酸素(O2 )等の酸化剤は高圧酸素供給設備138により供給され、供給配管139は、一次反応塔122に対して直結されている。なお、油(又は有機溶剤)を入れるのは、特に高濃度PCBの分解反応促進のためと、分解装置120の起動時において反応温度を最適温度まで昇温させるためである。また、処理液として上記PCB、H2OおよびNaOHを混合させて一次反応塔122に投入するようにしてもよい。
【0007】
上記装置において、加圧ポンプ124による加圧により一次反応塔122内は、26MPaまで昇圧される。また、熱交換器125は、H2Oを300℃程度に予熱する。また、一次反応塔122内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により380℃〜400℃まで昇温する。サイクロンセパレータ121は、一次反応塔122内で析出したNa2CO3の結晶粒子の大きなものを分離し、Na2CO3の微粒子を二次反応塔126に送る。このサイクロンセパレータ121の作用により、二次反応塔126の閉塞が防止される。この段階までに、PCBは、脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaCl、CO2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却器127では、二次反応塔126からの流体を100℃程度に冷却すると共に後段の減圧弁128にて大気圧まで減圧する。そして、気液分離器129によりCO2および水蒸気と処理液とが分離され、CO2および水蒸気は、活性炭槽130を通過して環境中に排出される。
【0008】
このような処理装置120を用いてPCB含有油(例えばトランスやコンデンサ等の絶縁油)等を処理することで、PCBが脱塩素化されビフェニル((C6 5 2 )等の脱塩素化物とされ、該ビフェニルが酸化剤等の作用によりCO2 、H2 O等へと完全無害化がなされている。
さらに、このような処理装置を用いてPCB及びPCB汚染物質等の有害物質を処理することで、完全無害化がなされているが、その効率的な運転が望まれている。
【0009】
本発明は上述した問題に鑑み、例えば変圧器等からのPCB等の有害物質を処理する有害物質処理設備の効率的な運転制御を図る有害物質処理設備の運転制御システムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、有機ハロゲン化物又は該有機ハロゲン化物を含有等する液状又はスラリー状の有機有害物質を分解処理する処理設備の運転を制御する有害物質処理設備の運転制御システムであって、上記有機ハロゲン化物がPCB及びスラリー状のPCB汚染物であると共に、上記有害物質を分解処理する処理設備から排出する排ガス中の酸素濃度を計測するモニタリング手段を備え、上記酸素濃度が所定値以下の場合には、有機有害物質と酸素との比率を酸素過剰とすることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備の運転制御システムにある。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、上記酸素濃度が所定値以下の場合には、処理設備への酸素の供給量を上昇させることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備の運転制御システムにある。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、有害物質を分解処理する処理設備が、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる水熱酸化分解装置であることを特徴とする有害物質処理設備の運転制御システムにある。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、上記水熱酸化分解装置が、筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有機ハロゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、処理液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてなることを特徴とする有害物質処理設備の運転制御システムにある。
【0015】
の発明は、第の発明において、上記スラリー状のPCB汚染物がPCBを含有又は付着した紙、木を破砕スラリー化した水スラリーであることを特徴とする有害物質処理設備の運転制御システムにある。
【0016】
の発明は、有機ハロゲン化物又は該有機ハロゲン化物を含有等する液状又はスラリー状の有機有害物質を分解処理する処理設備の運転を制御する有害物質処理設備の運転制御であって、上記有機ハロゲン化物がPCB及びスラリー状のPCB汚染物であると共に、上記有害物質を分解処理する処理設備から排出する排ガス中の酸素濃度を計測し、上記酸素濃度が所定値以下の場合には、処理設備への酸素の供給量を上昇させることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備の運転制御方法にある。
【0018】
の発明は、第の発明において、上記スラリー状のPCB汚染物がPCBを含有又は付着した紙、木を破砕スラリー化した水スラリーであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備の運転制御方法にある。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明による有害物質処理設備における運転制御システムの実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態にかかる有害物質処理設備の運転制御システムの概略図を示す。図1に示すように、本実施の形態にかかる有害物質処理設備の運転制御システムは、有機ハロゲン化物(例えばPCB)又は該有機ハロゲン化物を含有等する有害物質を分解処理する処理設備の運転を制御する有害物質処理設備の運転制御システムであって、上記有害物質を分解処理する処理設備120から排出する排ガス131中のO2 /CO2 濃度を計測するモニタリング手段としてのO2 /CO2 分析計201を備えてなるものである。上記O2 /CO2 分析計201を備えることにより、上記O2 濃度が所定値以下となる場合に、制御手段211を介して処理装置120に供給する酸素(O2 )の供給量を酸素供給設備138で調整することで上昇させ、水熱反応により分解処理効率を向上させるようにしている。
【0021】
上記有害物質処理設備120としては、図4に示したように、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の一次反応塔122と、油(又は有機溶剤)、PCB、水(H2O)および水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液123a〜123dを加圧する加圧ポンプ124と、当該水を予熱する熱交換器125と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔126と、冷却器127および減圧弁128とを備えてなるものである。なお、上記一次反応塔122内には高さ方向に、所定間隔で温度計が設けられており、温度を計測している。
【0022】
本実施の形態では、図4に示した処理液123となる油(又は有機溶剤)、PCB、H2OおよびNaOHの各処理液123a〜123d以外に、PCB含有スラリー状の有機有害物質123eが処理液タンク135eに貯蔵され、配管136e及びエジェクタ137を介して処理装置に導入されている。
【0023】
ここで、処理設備120の1次反応塔122及び二次反応塔122内でのPCBの熱水分解反応について説明する。
まず、反応開始時には油、有機溶剤等が酸化剤供給源から塔内に供給される酸化剤(本実施形態では酸素を使用する)により酸化され二酸化炭素を生成する。この酸化反応は発熱反応であり、これにより系内の温度は上昇し、それに応じて圧力も上昇する。
本実施形態では、一次反応塔122内の温度、圧力はそれぞれ380℃、26MPa程度に維持した場合に最もPCBの分解率が向上することが判明している。
【0024】
上記により生成したCO2 は、一次反応塔122内にPCBとともに供給された水酸化ナトリウムと反応し炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を生成する。
2NaOH+CO2 →Na2 CO3 +H2 O …(A)
次に、上記(A)の反応により生成したNa2 CO3 は、PCBと反応し、PCBを脱塩及び酸化分解する。
Figure 0003697183
なお、上記の塩素数4のPCBの場合であるが、他の塩素数のものについても同様な反応が生じ、PCBがH2 O、CO2 、NaClに分解される。
上記(B)の反応により生じたCO2 は更に、上記(A)の反応によりNaOHと反応し(B)の反応に必要とされるNa2 CO3 を生成するようになる。
ところで、上記(B)のPCB分解反応においては、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )は反応剤として作用する他に、(B)の分解反応は促進する触媒としても作用している。また、上記(B)の分解反応はアルカリ雰囲気(例えばpH10以上)で促進されることが判明している。
【0025】
上記熱水分解装置120によれば、現時点でのPCBの排出基準値(3ppb)以下の0.5ppb以下まで分解でき、完全分解ができる。
これによりPCB含有物品の完全処理が可能となり、PCBの完全消滅が可能となる。
【0026】
よって、上記処置設備120からの排出されるのは排ガスとしてCO2 と余剰のO2 のみとなる。
また、本処理設備120は完全密閉系であるので、外部からのO2 の侵入はないので、O2 の濃度を計測することで、反応系に寄与する酸素量が十分であるか否かを確認することができる。
【0027】
なお、上記有害物質処理設備120としては、上述した水熱酸化分解処理手段の他に、例えば超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手段又はバッチ式の水熱酸化分解手段としてもよい。
【0028】
本発明で有害物質としては、例えばトランスやコンデンサで使用された絶縁油であるPCB、PCBを含有する塗料、PCB汚染物等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
上記O2 /CO2 分析手段201は、O2 分析計としては、例えばジルコニア系O2 センサ、CO2 分析計としては、例えば非分散型赤外分析計(NDIR)等を挙げることができる。
【0030】
上記計測装置201を用いて、所定時間毎に排ガス131中のO2 濃度を分析して、排ガス中に所定値以下のO2 濃度である場合には、制御手段211に指令を出し、PCB処理設備120に供給する酸素の高圧酸素供給設備138に指令を出し、供給量を上昇させるようにし、効率的な分解処理を行うようにしている。
【0031】
これは、特に、分解処理対象物としてPCBを含有するスラリー状の有害物質を分解処理する場合に、不可欠となる。
すなわち、スラリー状の有害物質はPCB含有コンデンサやトランスの構成部材である紙や木等を粉砕処理したものであるが、水を用いて粉砕処理しているので、その分解処理には多量の熱量を必要とすると共に、スラリー中の濃度が不安定であるので、適切な酸素の供給とすることができないからである。
よって、PCBの分解処理に必要とする酸素量以上(10〜50%過剰)に酸素を供給することで良好な水熱分解処理が可能となる。
例えば図3に示すように、スラリーの供給量が多くなる場合には、それにつれてO2 の供給量を徐々に増大するようにすればよい。
【0032】
ここで、水スラリー単独では、燃焼カロリーが少ないので、スラリー状の有機有害物質123eを分解処理する場合には、少なくとも油123aを供給するか又はPCB123bを供給するか又はこれらを併用することでスラリーを分解処理する必要がある。
【0033】
上記制御手段211でのO2 の供給量の調整以外のその他の指令としては、例えば処理液123となる油(又は有機溶剤)、PCB、H2OおよびNaOHの各処理液123a〜123dの供給量を適宜変更することで、例えばPCB分解処理設備120の加熱制御、加圧制御、PCB処理液の投入量の制御、又は水酸化ナトリウム(NaOH)の投入量の制御の少なくとも一を制御させて、分解効率を向上させるようにしている。
また、上記PCB分解処理装置120に供給される例えば灯油、絶縁油等の種々の油を処理液タンク135aに供給する供給量を調整することで、反応液の粘度等の調整を行うようにしてもよい。
【0034】
その他、減圧弁128を調整することで、見かけの反応塔内での反応時間を増やすようにしてもよい。
【0035】
これらの制御をすることで、結果としてO2 濃度が過剰となるように調整することで、PCB含有のスラリー状の有機有害物質を分解処理することができる。
【0036】
PCBを含有する紙・木のスラリー化は単独で行ってもよいが、PCB含有容器(トランス又はコンデンサ等)からPCBの液抜きと並行してスラリー化する一貫処理によりスラリー状の有機有害物質(以下「スラリー」という)を得てもよい。
【0037】
この一貫処理の一例の有害物質処理システムのシステム構成の概略を図3に示す。
図3に示すように、本実施の形態にかかる有害物質処理システムは、有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物(例えばトランス、コンデンサ等)1001である有害物質( 例えばPCB等)1002 を保存する容器1003から当該有害物質1002を分離する第1の分離手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体手段1005とのいずれか一方又は両方を有する前処理手段1006と、前処理手段1006において処理された被処理物を構成する構成材(コア、コンデンサ素子部等)1001a,b,…から紙・木・樹脂等の有機物1007と金属等の無機物1008とに分離する第2の分離手段1009と、上記前処理手段1006で分離された金属製の容器1003又は上記分離手段1009で分離した金属等の無機物1008を洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物質1001のいずれか一方又は両方を分解処理する有害物質分解処理手段1013とを、具備してなるものである。
【0038】
このスラリー化処理の概要を以下に示す。
図3に示すように、分離手段1009において発生した紙又は木等の有機物1007を、超微粉砕ミル94にてスラリー化してスラリー1014を得る。
このスラリー化において、容器等に付着したPCBを拭き取った布切れ等も同時にスラリー1014とすることもできる。
【0039】
上記スラリー化は、所定の微粉砕ミルを用いて行うことができる。
上記スラリー化工程においてスラリー化されたスラリー1014は、有害物質処理手段1013の1次反応塔122において処理をする。
また、有害物質の各種処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物を処理する場合にもスラリーとしているので、これらも同様に処理が可能となる。
なお、スラリーの性状を以下の条件とすればよい。
【0040】
上記スラリーの平均粒径は、500μm以下、好ましくは300μm以下とするのがよい。これは500μmを超える場合には、有害物質処理手段1013の1次反応塔122において分解に時間を要し、処理効率が低下し、好ましくないからである。
【0041】
また、上記スラリーの見かけ粘度は、3000cP/100-S・25℃以下、好ましくは1000cP/100-S・25℃以下とするのがよい。これは、3000cP/100-S・25℃を超える場合には、ポンプ圧送に負担がかかり、スラリーの搬送効率が低下し、好ましくないからである。
【0042】
また、上記スラリー濃度は、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%とするのがよい。これは、50重量%を超える場合には、スラリーの搬送効率が共に低下し、好ましくないからである。また、5重量%未満の場合には、水分量が多くなるので、有害物質処理手段1013の1次反応塔122における予備加熱に時間を要し、好ましくないからである。
【0043】
上記スラリーに界面活性剤を添加するようにしてもよい。この界面活性剤の添加は、スラリーを構成する水と有機物との親和性を向上させるためである。
【0044】
ここで、上記界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤から選ばれるものの一種又は複数種を用いることができる。
【0045】
上記界面活性剤の添加量は有機物に対して0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜1重量%とするのがよい。これは、5重量%を超えて添加しても更なる添加効率が発現せず、一方0.1重量%未満であると、添加効果が発現しないからである。
【0046】
上記一貫処理システムでは、PCB汚染トランスやコンデンサ等から抜き取ったPCBを連続して処理すると共に、そのトランス等の構成部材である紙・木をスラリー化して同時に処理することができ、その処理の際に排ガス中のO2 濃度を計測装置201を用いて、所定時間毎に排ガス131中のO2 濃度を分析することで、排ガス131中のO2 濃度で所定値以下の場合には、制御手段211に指令を出し、PCB処理設備120に供給する酸素の高圧酸素供給設備138に指令を出し、供給量を上昇させるようにし、スラリー123eの供給量を変更させることなく、効率的な分解処理を行うようにしている。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明したように、本発明によれば、有機ハロゲン化物又は該有機ハロゲン化物を含有等する液状又はスラリー状の有機有害物質を分解処理する処理設備の運転を制御する有害物質処理設備の運転制御システムであって、上記有害物質を分解処理する処理設備から排出する排ガス中の酸素濃度を計測するモニタリング手段を備え、上記酸素濃度が所定値以下の場合には、有機有害物質と酸素との比率を酸素過剰とするので、スラリー状の有機有害物質の分解が効率よくなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる有害物質処理設備の運転制御システムの概略図である。
【図2】スラリーの供給量とO2 の供給量との関係図である。
【図3】有害物質分解処理システムの設備図である。
【図4】水熱酸化分解装置の概要図である。
【符号の説明】
1001 被処理物
1002 有害物質( 例えばPCB)
1003 容器
1004 分離手段
1005 解体手段
1006 前処理手段
1007 有機物
1008 無機物
1009 分離手段
1010 洗浄液
1011 洗浄手段
1012 洗浄廃液
1013 有害物質分解処理手段
1014 スラリー
1015 スラリー化手段
120 有害物質処理設備
121 サイクロンセパレータ
122 一次反応塔
126 二次反応塔
127 冷却器
128 減圧弁
131 排ガス
201 O2 /CO2 分析計
211 貯蔵手段

Claims (7)

  1. 有機ハロゲン化物又は該有機ハロゲン化物を含有等する液状又はスラリー状の有機有害物質を分解処理する処理設備の運転を制御する有害物質処理設備の運転制御システムであって
    上記有機ハロゲン化物がPCB及びスラリー状のPCB汚染物であると共に、
    上記有害物質を分解処理する処理設備から排出する排ガス中の酸素濃度を計測するモニタリング手段を備え、
    上記酸素濃度が所定値以下の場合には、有機有害物質と酸素との比率を酸素過剰とすることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備の運転制御システム。
  2. 請求項1において、
    上記酸素濃度が所定値以下の場合には、処理設備への酸素の供給量を上昇させることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備の運転制御システム。
  3. 請求項1において、
    有害物質を分解処理する処理設備が、加熱・加圧された反応塔内において炭酸ナトリウム(Na2CO3)の存在下、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化反応および酸化分解反応により塩化ナトリウム(NaCl)、二酸化炭素(CO2)等に分解させる水熱酸化分解装置であることを特徴とする有害物質処理設備の運転制御システム。
  4. 請求項3において、
    上記水熱酸化分解装置が、筒形状の一次反応塔と、油又は有機溶媒,有機ハロゲン化物,水(H2O)及び水酸化ナトリウム(NaOH)の各処理液を加圧する加圧ポンプと、当該水を予熱する予熱器と、配管を螺旋状に巻いた構成の二次反応塔と、二次反応塔からの処理液を冷却する冷却器と、処理液を気液分離する気液分離手段と、減圧弁とを備えてなることを特徴とする有害物質処理設備の運転制御システム。
  5. 請求項において、
    上記スラリー状のPCB汚染物が、PCBを含有又は付着した紙、木を破砕してスラリー化した水スラリーであることを特徴とする有害物質処理設備の運転制御システム。
  6. 有機ハロゲン化物又は該有機ハロゲン化物を含有等する液状又はスラリー状の有機有害物質を分解処理する処理設備の運転を制御する有害物質処理設備の運転制御であって
    上記有機ハロゲン化物がPCB及びスラリー状のPCB汚染物であると共に、
    上記有害物質を分解処理する処理設備から排出する排ガス中の酸素濃度を計測し、上記酸素濃度が所定値以下の場合には、処理設備への酸素の供給量を上昇させることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備の運転制御方法。
  7. 請求項において、
    上記スラリー状のPCB汚染物がPCBを含有又は付着した紙、木を破砕スラリー化した水スラリーであることを特徴とする有機ハロゲン化物処理設備の運転制御方法。
JP2001248564A 2001-08-20 2001-08-20 有害物質処理設備の運転制御システム Expired - Fee Related JP3697183B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001248564A JP3697183B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 有害物質処理設備の運転制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001248564A JP3697183B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 有害物質処理設備の運転制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003053177A JP2003053177A (ja) 2003-02-25
JP3697183B2 true JP3697183B2 (ja) 2005-09-21

Family

ID=19077707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001248564A Expired - Fee Related JP3697183B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 有害物質処理設備の運転制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3697183B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4860008B1 (ja) * 2011-06-02 2012-01-25 株式会社アサカ理研 過酸化水素分解装置及び過酸化水素の分解方法
CN107983123B (zh) * 2017-12-29 2023-06-30 浙江省海洋水产养殖研究所 空气过滤除尘实验室

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003053177A (ja) 2003-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fu et al. Wet air oxidation for the decolorization of dye wastewater: An overview of the last two decades
Staszak et al. The pilot‐scale demonstration of the MODAR oxidation process for the destruction of hazardous organic waste materials
JP3697183B2 (ja) 有害物質処理設備の運転制御システム
JP5319870B2 (ja) 有害物処理設備
JP3686359B2 (ja) 水熱酸化分解装置
JP4119631B2 (ja) 有害物質含有土壌の処理システム
JP4370381B2 (ja) 有害有機化合物のマイクロ波−ソルボサーマル連続処理法
JP5324798B2 (ja) 汚染物質を含む処理残渣の処理方法、それに用いる容器
JP3811705B2 (ja) 排ガスの処理方法およびその設備
EP4277723A1 (en) Hydrothermal system for treatment of adsorbent regeneration byproducts
JP2005040691A (ja) 軽質部材と重質部材との分別処理装置及びその方法
JP3692328B2 (ja) 蛍光灯安定器用コンデンサの無害化処理方法及びそのシステム
JP3706562B2 (ja) ハロゲン化有機化合物分解処理システム
JP2001259607A (ja) 重金属又は有機塩素化合物の処理方法及び装置
JP3576510B2 (ja) ハロゲン化有機化合物分解処理システム
KR101576079B1 (ko) 폐절연유의 폴리염화비페닐 처리장치
KR20120085463A (ko) 아임계수를 이용한 오염 토양 정화 방법
JP4233778B2 (ja) 有機ハロゲン化物処理システム
JP2003311231A (ja) 洗浄方法およびその装置
JP4003084B2 (ja) 浚渫土の無害化処理方法
US7321073B2 (en) Process for treating low solids content hazardous materials
JP2003211143A (ja) 土壌浄化装置
JP2002350371A (ja) 有機ハロゲン化物計測装置
JP2948581B1 (ja) 有害有機物質の無害化処理方法および重金属の無害化処理方法
JP3671023B2 (ja) 難分解性有害物質含有固体有機物処理方法及びそのシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050308

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050701

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees