JP2006223345A - Pcbを含む廃油の無害化処理法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な装置で、安全且つ簡便な操作で、処理コストや周辺環境を汚染するリスクを最小にできる新規低濃度PCBを含む廃油の無害化処理法を提供する。
【解決手段】低濃度PCBを含む廃油からのメタノールあるいはメタノール混合溶媒によるPCBの抽出・除去、抽出液の活性炭吸着処理、及びPCB吸着活性炭からの脱塩素化反応からなる工程を含み、かかる工程を1回あるいは2回以上繰り返すことにより、廃油中に含まれるPCB濃度を環境基準に適合する濃度まで低減させる。
【選択図】なし
【解決手段】低濃度PCBを含む廃油からのメタノールあるいはメタノール混合溶媒によるPCBの抽出・除去、抽出液の活性炭吸着処理、及びPCB吸着活性炭からの脱塩素化反応からなる工程を含み、かかる工程を1回あるいは2回以上繰り返すことにより、廃油中に含まれるPCB濃度を環境基準に適合する濃度まで低減させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、産業廃棄物であるポリ塩化ビフェニルを含む廃油の無害化処理法に関する。
2001年6月にポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特別措置法)が制定され、15年以内にPCB廃棄物を処分することが義務づけられた。一方、全国の多くの大小事業所や保管所で厳重に保管されている膨大なPCB廃棄物は、長期保管により、紛失や漏洩による周辺の環境汚染のリスクが増大しており、早期に無害化処理されることが望まれている。また、2002年7月にはPCBを使用していないとされる変圧器等の重電機器の中に低濃度のPCBに汚染された絶縁油を含むものがあることが明らかになり、新たなPCB汚染が広がっていることが懸念されている。
PCBの分解、無害化処理については、高温熱分解法(焼却法)が高い分解効率で短時間に多量の処理ができることから有力な方法として知られている。この方法は、高温を発生する特別の焼却炉や付帯設備を必要とするうえ、不適切な焼却条件ではダイオキシン類が発生するなど焼却処理にあたって周辺への二次的な汚染が懸念されることから、施設建設に地方自治体や周辺住民の同意が得にくいなどの問題がある。
これに代わる化学的な処理法として、アルカリ触媒分解法(BCD法)、化学抽出分解法(DMI/NaOH法)、触媒水素化脱塩素化法(Pd/C法)、有機アルカリ金属分解法(t−BuOK法)、金属ナトリウム分散油法(OSD法)、金属ナトリウム分散体法(SD法)、金属ナトリウム分散体法(SP法)、金属ナトリウム脱塩素法(PCB
Gone法)などが知られている。
Gone法)などが知られている。
これらの方法はPCBの媒体との関係で必ずしも適切といえない場合が多く、PCB含有廃油の処理については、目的に応じてさらに種々検討されている。特許文献1には、アルカリ金属を予め収容した反応槽内に有機ハロゲン化合物を含有する被処理油を加えて、アルカリ金属と反応させて、脱塩素化して分解処理する方法が記載されている。特許文献2には、ポリ塩化ビフェニル類及び/又はダイオキシン類を含有する廃油などの媒体に、還元剤を添加して脱塩素化させ、更に植物と接触させて浄化する方法が記載されている。特許文献3には、PCBなどの塩化アリールを有機溶媒中金属塩の存在下金属と反応させることを特徴とする塩素化アリールの脱塩素化方法が記載されている。また特許文献4には、塩素化アリールをメタノール中あるいは他の有機溶媒を含むメタノール中金属マグネシウムを作用させて脱塩素化する方法が記載されている。さらに特許文献5には、PCB処理がヘキサン中触媒存在下水添することにより行われる技術が記載されている。この方法は触媒水素化脱塩素化法の具体例であり、PCBの原液や高濃度のPCBには効果的に適用できる。しかしこの方法は低濃度のPCBを含む鉱油などの廃油の処理では、多量のへキサンが必要で、しかも多量の鉱油の存在下で低濃度のPCBの水添を行うので、触媒の不活性化などの問題もあって、効率的な水素化脱塩素化を行うことは困難である.
低濃度のPCBを含む廃油の化学的処理にあたっては、何らかの効率的な方法で廃油からPCBを分離し、濃縮する操作が必要である。これまでにPCBを鉱油などの廃液から分離する方法としてはジメチルスルホキシド/ヘキサン液/液分配が良く知られており、廃油試料のPCB分析に効果的な精製法として汎用されている.しかし、ジメチルスルホキシドは高価で環境負荷の大きい溶媒で、大量の廃油からPCBを抽出する溶媒として用いることは困難である。
以上のように、これらの公知の方法は、処理コスト、安全性、二次汚染のリスクなどの観点から一長一短があり、PCBを含む廃油の無害化処理に対して十分満足できる処理方法は確立していないのが現状である。従って廃油からPCBを分離し、濃縮し、脱塩素化し、廃棄することのできる、操作が簡単で、効率的、経済的、二次汚染の心配のない無害化処理方法の開発が待たれている。
本発明は、上記の課題を解決せんとするもので、簡単な装置で、安全且つ簡便な操作により、効率よく処理することが可能となり、かつ処理コストや周辺環境を汚染するリスクを最小にできる新規PCBを含む廃油、とりわけ低濃度のPCBを含む廃油の無害化処理法を提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、低濃度PCBを含む廃油からの液/液抽出によるPCBの抽出・除去、抽出液の吸着剤処理、及びPCB吸着物の脱塩素化を含む無害化処理について鋭意研究を行った結果、メタノールあるいはメタノールを主溶媒とする種々の有機溶媒との混合溶媒(以下、メタノール混合溶媒ということもある。)を用いると、PCBの抽出、特に低濃度のPCBの抽出が効率よく行われ、活性炭によるPCBの吸着、及び活性炭吸着のPCBの無害化処理の各操作を効率よく行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、具体的には次の工程を含むPCBを含む廃油の処理方法に関する。即ち本発明は、(1)PCBを含む鉱油などの廃油にメタノールあるいはメタノール混合溶媒(以下、メタノール系溶媒ということもある。)を加え、攪拌、抽出する工程、(2)メタノール系溶媒抽出液を分取し、これに活性炭などの吸着剤を加えてPCBを吸着させる工程、(3)PCB吸着物をろ過により分取する工程、(4)分取したPCB吸着物をメタノール系溶媒中に分散して、金属触媒存在下水添またはマグネシウムなどの金属を用いて脱塩素化する工程、を含むPCBを含む廃油の無害化処理法に関する。
この一連の工程の操作を1回あるいは2回以上繰り返すことによりPCBを含む廃油からPCBを除去し無害化する。
本発明は、基本的には廃油に含まれるPCBの含有量に関係なく適用することができるが、濃度として0.1〜数千ppmのPCBを含む廃油、好ましくは0.1〜1000ppm、更に好ましくは0.1〜500ppmのPCBを含む廃油の無害化処理に好適である。
本発明によれば、低濃度PCBを含む鉱油等の廃油を液/液抽出、吸着活性炭処理、活性炭吸着のPCBの水添あるいは金属マグネシウム還元による無害化処理の一連の操作を1回もしくは2回以上繰り返すことにより無害化処理することができる。
また、この一連の操作をメタノールまたはメタノール混合溶媒を各工程で用いる共通の溶媒として使用することにより、操作を格段に簡便化するとともに、溶媒を回収・循環使用することができる。用いる活性炭もトルエンなどで溶媒洗浄や乾燥処理等により再利用でき、一連の操作で排出する廃棄物は極めて少ない。処理済の廃油はPCBの分解物や還元体を含まないことも大きな特徴で、鉱油などの廃油の再利用にも道を開くものである。全ての操作が通常の環境条件で行え、特別の加温や冷却装置も必要でなく、処理に伴う排水も一切発生しないので、従来の化学的な中低濃度PCBを含む廃油の無害化技術を補完するものとして大きな効果が期待できる。
また、この一連の操作をメタノールまたはメタノール混合溶媒を各工程で用いる共通の溶媒として使用することにより、操作を格段に簡便化するとともに、溶媒を回収・循環使用することができる。用いる活性炭もトルエンなどで溶媒洗浄や乾燥処理等により再利用でき、一連の操作で排出する廃棄物は極めて少ない。処理済の廃油はPCBの分解物や還元体を含まないことも大きな特徴で、鉱油などの廃油の再利用にも道を開くものである。全ての操作が通常の環境条件で行え、特別の加温や冷却装置も必要でなく、処理に伴う排水も一切発生しないので、従来の化学的な中低濃度PCBを含む廃油の無害化技術を補完するものとして大きな効果が期待できる。
工程(1)で用いられるメタノールは、含まれるPCBの濃度や廃油の性質等により一定しないが、廃油1Kgあたり通常1〜10Lが用いられる。抽出溶媒としては、メタノールの他、メタノールを主溶媒とする種々の有機溶媒との混合溶媒が用いられる。この混合溶媒に用いられる有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、イソブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジメチルジグライムなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどのアルカン類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類があげられる。その他、エチレンジアミン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシドなどの極性有機溶媒も適宜用いることができる。
工程(2)で用いられる吸着剤としては活性炭、シリカゲル、ゼオライト、アルミナなどがあげられる。中でも取り分け活性炭は吸着、脱着効果および再利用性の良さから好適である。活性炭の種類や形状には特に限定は無く、市販の粉末あるいは粒状活性炭などが用いられる。活性炭の添加量は、用いる活性炭の種類やメタノール抽出液に含まれるPCBの濃度や不純物により異なるが、メタノール抽出液1Lあたり0.5g〜50gが好適である。
また、工程(2)は、メタノール抽出液を活性炭充填カラムに通しPCBを吸着・除去することによっても行うことができる。カラムより流出するメタノールあるいはメタノール混合溶媒は再び工程(1)のPCBを含む廃油からの液/液抽出によるPCBの抽出に用いることができるので、メタノールあるいはメタノール混合溶媒を繰り返し循環使用して、工程(1)の液/液抽出および操作、工程(2)の活性炭処理の一連の操作を連続的に行うことができる。
工程(3)おいて使用される溶媒としては、メタノールあるいはメタノール混合溶媒が用いられる。前述の操作(1)、(2)で用いた溶媒と共通の溶媒を用いることができる。必ずしも同じ溶媒である必要はないが、溶媒を共通にすることにより、操作や装置を単純化できる。
混合溶媒として用いられる有機溶媒としてはエタノール、イソプロパノール、イソブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジメチルジグライムなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどのアルカン類があげられる。
溶媒の使用量は、活性炭に吸着したPCBの量や不純物の種類などにより一定しないが、活性炭1gあたり概ね5〜20mLが用いられる。
工程(3)で用いられる金属触媒としては、通常のハロゲン化アリールの脱ハロゲン水素化に使用される触媒でよく、特別な処理を施すことは特に必要としない。具体的には、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化ニッケルなどの金属塩、あるいはそれらの二トリル錯体やホスフィン錯体、2,2−ビピリジル錯体などの金属錯体が例示できる。
金属触媒の使用量は、用いる金属触媒により最適量は異なるが、概ね反応液量に対して0.01〜5.0wt/vol%の範囲で使用される。水添反応は常圧、常温下(通常の環境条件)で行われるが、30〜50℃に加温あるいは1〜10気圧に加圧して行うこともできる。水添の条件などにより、必要な反応時間は一定しないが、概ね0.5〜5時間で反応は完結する。
また、水添に代わって金属マグネシウムによる還元反応を用いることもできる。使用する金属マグネシウムの量は活性炭に吸着したPCBの量や不純物の性質に等により一定しないが、概ね活性炭量に対して0.1〜5.0wt/wt%の範囲で使用される。
工程(3)では、活性炭を分散したメタノール溶液中には、操作中あるいは操作後にPCBあるいはPCBの脱塩素化還元体に相当する化合物は殆ど含まれてなく、簡単なろ過操作により回収し、再利用できる。処理後、活性炭にはPCBの脱塩素化還元体であるビフェニルやその部分還元(水添)された化合物及び金属触媒が吸着している。これをトルエンやベンゼンなどの芳香族炭化水素を溶媒に用いて洗浄し、PCBの脱塩素化還元体であるビフェニルやその部分還元(水添)された化合物を除去すると、金属触媒を吸着した活性炭が回収でき、このものは再び操作(2)に利用することができる。また、この回収活性炭を用いると操作(3)で添加する金属触媒の使用量を減少してあるいはまったく添加しないで行うことができる。
工程(3)において、ろ過は自然ろ過、加圧あるいは吸引ろ過いずれの方法であってもよい。活性炭をろ過分取した際に回収されるメタノールまたはメタノール混合溶媒は、そのまま工程(1)に再利用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(工程1の抽出)
一定量のPCBを含む鉱油を秤量して100mLの反応器にとり、これにメタノールまたはメタノール混合溶媒の一定量を加えて室温で10分間撹拌した。静置後分離している2液相から鉱油相およびメタノール相を分取し、鉱油相およびメタノール相に含まれるPCBの量(ppm)をGCマス法を用いて測定した。表1は実験条件と鉱油相およびメタノール相のPCB量の分析結果を示す。表1において、実験4ではイソプロパノールを、実験5ではアセトニトリルをメタノールに混合した混合溶媒を使用した。また実験5では撹拌は5分とした。
一定量のPCBを含む鉱油を秤量して100mLの反応器にとり、これにメタノールまたはメタノール混合溶媒の一定量を加えて室温で10分間撹拌した。静置後分離している2液相から鉱油相およびメタノール相を分取し、鉱油相およびメタノール相に含まれるPCBの量(ppm)をGCマス法を用いて測定した。表1は実験条件と鉱油相およびメタノール相のPCB量の分析結果を示す。表1において、実験4ではイソプロパノールを、実験5ではアセトニトリルをメタノールに混合した混合溶媒を使用した。また実験5では撹拌は5分とした。
実験6
50ppmのPCBを含む鉱油(20g)を100mLの反応器にとり、これにメタノール (20mL) を加え10分間かきまぜて液/液抽出を行ったのち、静置し2液相に分離、鉱油相およびメタノール相を分取した。この分取した鉱油相に再びメタノール(20mL)
を加えて10分間撹拌して液/液抽出を行った。静置後分離した2液相から鉱油相およびメタノール相を分取した。この操作を10回繰り返して行った。表2はこの繰り返し操作の各段階の鉱油相に含まれるPCBの濃度(ppm)の分析結果を示す。
50ppmのPCBを含む鉱油(20g)を100mLの反応器にとり、これにメタノール (20mL) を加え10分間かきまぜて液/液抽出を行ったのち、静置し2液相に分離、鉱油相およびメタノール相を分取した。この分取した鉱油相に再びメタノール(20mL)
を加えて10分間撹拌して液/液抽出を行った。静置後分離した2液相から鉱油相およびメタノール相を分取した。この操作を10回繰り返して行った。表2はこの繰り返し操作の各段階の鉱油相に含まれるPCBの濃度(ppm)の分析結果を示す。
50ppmのPCBを含む鉱油(20g)を100mLの反応器にとり、これにメタノール(20mL)を加え10分間かきまぜて液/液抽出を行ったのち、静置し2液相に分離、鉱油とメタノール溶液(I)を分取した。つづいて分取したメタノール溶液に活性炭(1g)を加え10分間かき混ぜた後、ろ過により、活性炭とメタノール溶液(II)(PCB量)に分けた。つぎに分取した活性炭を、酢酸パラジウム(1
mg)を含むメタノール(20mL)に分散し水素雰囲気下(1気圧)かき混ぜた後ろ過により活性炭とメタノール溶液(III)を分取した。回収した活性炭はソックスレー抽出器を用いてトルエンで24時間抽出、抽出液を減圧下濃縮し残液にメタノールを加え20mLのメタノール溶液(IV)を調製した。メタノール溶液(I〜IV)に含まれるPCBの分析結果を表3に示す。
mg)を含むメタノール(20mL)に分散し水素雰囲気下(1気圧)かき混ぜた後ろ過により活性炭とメタノール溶液(III)を分取した。回収した活性炭はソックスレー抽出器を用いてトルエンで24時間抽出、抽出液を減圧下濃縮し残液にメタノールを加え20mLのメタノール溶液(IV)を調製した。メタノール溶液(I〜IV)に含まれるPCBの分析結果を表3に示す。
50ppmのPCBを含む鉱油(20g)を100mLの反応器にとり、これにメタノール
(20mL) を加え10分間かきまぜて液/液抽出を行ったのち、静置し2液相に分離、鉱油とメタノール溶液(I)を分取した。つづいて分取したメタノール溶液に活性炭(1g)
を加え10分間かき混ぜた後、ろ過により、活性炭とメタノール溶液(II)に分けた。つぎに分取した活性炭を、酢酸パラジウム(3mg)を含むメタノール(20mL)に分散し、これに削状金属マグネシウム(50mg)を加え1時間かき混ぜた後。ろ過により活性炭とメタノール溶液(III)とを分取した。回収した活性炭はソックスレー抽出器を用いトルエンを抽出溶媒として24時間抽出し、抽出液を減圧下濃縮、残液にメタノールを加え20mLのメタノール溶液(IV)を調製した。メタノール溶液(I〜IV)に含まれるPCBの分析結果を表4に示す。
(20mL) を加え10分間かきまぜて液/液抽出を行ったのち、静置し2液相に分離、鉱油とメタノール溶液(I)を分取した。つづいて分取したメタノール溶液に活性炭(1g)
を加え10分間かき混ぜた後、ろ過により、活性炭とメタノール溶液(II)に分けた。つぎに分取した活性炭を、酢酸パラジウム(3mg)を含むメタノール(20mL)に分散し、これに削状金属マグネシウム(50mg)を加え1時間かき混ぜた後。ろ過により活性炭とメタノール溶液(III)とを分取した。回収した活性炭はソックスレー抽出器を用いトルエンを抽出溶媒として24時間抽出し、抽出液を減圧下濃縮、残液にメタノールを加え20mLのメタノール溶液(IV)を調製した。メタノール溶液(I〜IV)に含まれるPCBの分析結果を表4に示す。
以上において、本発明は吸着剤として活性炭を用いて説明したが、同様の機能を奏する吸着剤であれば、活性炭に限らず用いることが可能である。
本発明は、低濃度PCBを含む廃油からメタノールあるいはメタノール混合溶媒を用いることにより、PCBの効率よい抽出、特に低濃度のPCBの抽出が効率よく行われ、活性炭によるPCBの吸着、及び活性炭吸着のPCBの無害化処理の各操作を効率よく行うことができるPCBの無害化処理法を提供する。
近年PCBを使用していないとされる変圧器等の重電機器の中に低濃度のPCBに汚染された絶縁油を含むものがあることが明らかになり、新たなPCB汚染が広がっていることが懸念されている。本発明は、これまで未処理の状態で保管されている廃油は勿論のこと、このような新たなPCB汚染の懸念される、まだ処理方法の解決されていないPCB含有量の低い廃油の処理法として好適であり、産業上の利用性は極めて大きい。
Claims (8)
- PCBを含む廃油の無害化処理方法において、
(1)PCBを含む廃油の液/液抽出工程、(2)抽出液中に含まれるPCBを吸着剤で処理する吸着工程、(3)PCB吸着物を分取する工程、(4)吸着PCBの脱塩素化処理工程、を含むPCBを含む廃油の無害化処理方法 - (1)から(4)の工程においてメタノールあるいはメタノールを主溶媒する混合溶媒を共通の溶媒として用いることを特徴とする請求項1記載のPCBを含む廃油の無害化処理方法。
- 液/液抽出に用いられる溶媒がメタノールまたはメタノールを主溶媒とする混合溶媒であることを特徴とする請求項1に記載のPCBを含む廃油の無害化処理方法
- 吸着剤が活性炭であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のPCBを含む廃油の無害化処理方法
- (4)の工程において吸着PCBを金属触媒存在下に、水添もしくは金属マグネシウムを作用させて脱塩素化することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のPCBを含む廃油の無害化処理方法。
- 廃油に含まれるPCBの濃度が0.1〜1000ppmの範囲にある廃油であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のPCBを含む廃油の無害化処理方法。
- (1)から(4)の工程の一連の操作を、1回、もしくは複数回繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のPCBを含む廃油の無害化処理方法。
- (4)の工程で回収される活性炭を、PCBの脱塩素化生成物を洗浄で除去し、(2)の工程に用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のPCBを含む廃油の無害化処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009087994A1 (ja) * | 2008-01-07 | 2009-07-16 | Nagoya Industrial Science Research Institute | 芳香族ハロゲン化物の脱ハロゲン化方法 |
JP2010222476A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 芳香族ハロゲン化合物の抽出方法及び抽出装置 |
WO2019142854A1 (ja) * | 2018-01-17 | 2019-07-25 | 株式会社神鋼環境ソリューション | ボロン酸エステル化合物の合成方法、ボロン酸エステル化合物のナトリウム塩及びその合成方法 |
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2005
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JPWO2019142854A1 (ja) * | 2018-01-17 | 2021-03-25 | 株式会社神鋼環境ソリューション | ボロン酸エステル化合物の合成方法、ボロン酸エステル化合物のナトリウム塩及びその合成方法 |
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