JPH07289656A - ハロゲン化芳香族化合物のアルカリ分解方法 - Google Patents
ハロゲン化芳香族化合物のアルカリ分解方法Info
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Abstract
に完全にアルカリで分解する新規な技術手段を提供す
る。 【構成】 ハロゲン化芳香族化合物を、特定の非プロト
ン極性溶剤中で、高濃度比(ハロゲンとアルカリとのモ
ル比でない)のアルカリと150℃から300℃にてか
きまぜる。 【効果】 アルカリを、一定量以上の高濃度にして使う
と、ハロゲン化芳香族化合物は、検出限界以下に減少す
る。
Description
ゲン化芳香族化合物を完全かつ安全に分解せしめること
は従来20年余りに亘って、重大な関心事である。本方
法は、化学的に上記目的を達しめる方法に関する。
るいは分解に関して、多くの努力が成された。その数例
を示すと、アルカリとの反応に関しては、U.S.P.
2,951,804で、アルミナ−アルカリ法が示され
ている。更にU.S.P.4,532,028では、ア
ルキルあるいはアルキレンスルホオキシドとポリオール
との混合物中で、アルカリと50,000ppm以下の
PCBとを200℃以下で反応させて、数ppmとする
方法が示されている。そのほか、ナトリウムの溶融物を
用いるカナダ特許408,116や、ポリエチレングリ
コールを吸着したアルカリ土類金属を用いるイタリア特
許22,215等があるが、未だに実質的に安全な濃度
にまでPCBを除去することは実現されていない。最近
では、パラフィンを水素源とする還元法も研究されてい
るが、この方法はPCBの残存率が1ppm程度であ
り、しかも反応温度が高いという欠点を有している。
はそれぞれ特徴があり、かなり効果のあることになって
いるが、実際には、溶剤が大量のアルカリ物質に対し
て、150℃以上の高い温度ではとても耐えるものでな
いこと等、工業的に実施できる技術ということはできな
い。本発明者等は、アルカリの作用に関して特に多くの
実験を行った結果、これらの問題を解決するに至った。
沸点かつ耐熱、耐アルカリ性の極性溶剤を選び、ハロゲ
ン化芳香族化合物と該極性溶剤に溶解する量を大幅に越
えた量比のアルカリ物質とを150℃以上300℃以下
で接触させる方法が、ハロゲン化芳香族化合物を実質的
に、現在知られる方法による検出限界以下に分解する有
効な手段であることを見出した。
入手できるもので、その中でも毒性が低く、耐熱、耐ア
ルカリの強い性質のものであるが、何よりもまずハロゲ
ン化芳香族化合物をよく溶解する。反応が進行して、溶
剤中のハロゲン化芳香族化合物が数mg/kgの濃度か
らさらに検出限界以下(0.5ppb以下)に反応を完
結させるべく進行させる働きが要求される。本発明はま
さにそれを解決した。
毒性の低い非プロトン極性溶剤は、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン(以下DM1と略す)、テトラメ
チレンスルフォン(以下スルフォランと略す)のいずれ
かあるいはこの両者の任意の割合の混合物を主とし、さ
らに場合によっては、ジメチルスルフォキシド、N−メ
チルピロリドン、テトラメチル尿素、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチ
ルエーテルなる群から選ばれた一つあるいは二つ以上の
混合物を全体の35%以下まで混入しても、実質的には
差し支えない。
プロトン極性溶剤に対して、5,000mg/kg以
上、特に好ましくは7,000mg/kg以上のアルカ
リを共存させる組合せにある。
価な薬品を過剰に用いる手段は、よく知られているが、
本発明における大幅に過剰なアルカリの存在は、表1に
より明らかなごとく、ただ単に分解されるべきハロゲン
化芳香族化合物に対するアルカリの比の問題でなく、非
プロトン極性溶剤の働きを本来のものとする上で、重要
なのである。
な機構を学理的に説明することは、今の段階では完全に
は出来ないが、本発明の方法を行うことで、出発物質の
ハロゲン化芳香族化合物が100%から数mg/kgに
希釈された広い範囲において、実質的に検出不可能な濃
度にまで分解されるのである。
法は、前述のようにして行われるが、本発明の方法を基
本に多くの変法を検討したが、その各々について説明を
することは、本発明の趣旨を明らかにするために必ずし
も適当でないので、以下に基本的な実施例を表1に比較
例を表2に示す。これらの実施例においては、顕著な効
果が示されたが、比較例においては、アルカリ濃度が低
い場合、PCBの分解効果が顕著でないことを示してい
る。
g、そしてアルカリとして粉末状のNaOHを2g添加
する。系のアルカリ濃度をおよそ13,000ppmと
して、全体をよくかき混ぜつつ200℃にて6時間保っ
た。次いで、室温に冷却して、下層のDMIを除き、油
層のPCBをガスクロマトグラフィ質量分析計(以下G
C−MSと略す)によって分析したところ、N.D.
(GC−MSの検出限界以下、即ち0.5ppb[0.
5μg/kg]以下)まで減少していた。一方、比較例
の1においては、実施例1と同条件で反応させたが、添
加したアルカリ濃度だけが2,000mg/kg(2,
000ppm)と低い。この場合、6時間反応させて、
油層の残存PCB濃度をGC−MSで分析したところ、
4,000ppb(4,000μg/kg)であり、ア
ルカリ濃度を高くすることの効果が歴然としている。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
し、この場合、絶縁油が少量のため、DMI層に溶け込
んでしまうので、DMI中のPCBの分析をGC−MS
で行う。始めにアルカリとして、粉末状のNaOHを1
3g添加してアルカリ濃度を130,000mg/kg
(130,000ppm)と高い濃度にして、よくかき
まぜつつ5時間反応させた。この後、DMI中の残存P
CBの分析を行ったところ、N.D.(0.5ppb)
まで減少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
く入れないで、処理を行ったところ、残存PCBはN.
D.(0.5ppb以下)まで減少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
ろ、残存PCBはN.D.(0.5ppb以下)まで減
少していた。
護に問題とされ、あるいは人体に直接害をもたらすと考
えられているハロゲン化芳香族化合物(主としてPC
B)を、実質的に、害がないとされるまで完全に近く分
解でき、それらを含有する炭化水素油から除去・分解す
ることが可能となった。
Claims (5)
- 【請求項1】 ハロゲン化芳香族化合物とアルカリとを
非プロトン極性溶剤中150℃ないし300℃にて、1
ないし10時間接触させるに際し、系中アルカリの開始
時割合を、5,000mg/kg以上とすることを特徴
とする、ハロゲン化芳香族化合物のアルカリ分解方法。 - 【請求項2】 ハロゲン化芳香族化合物が、ポリ塩化ビ
フェニール類、ポリ塩化ターフェニル類およびポリ臭化
ビフェニール類からなる群から選ばれた少なくとも一種
類あるいは二種類以上の混合物である、請求項1記載の
ハロゲン化芳香族化合物のアルカリ分解方法。 - 【請求項3】 ハロゲン化芳香族化合物が、主たる成分
が非芳香族系炭化水素である炭化水素油によって、80
%以下2mg/kg以上の範囲で希釈されている、請求
項1記載のハロゲン化芳香族化合物のアルカリ分解方
法。 - 【請求項4】 アルカリが、苛性ソーダ、苛性カリ、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなる群から選ばれ
た少なくとも一つあるいは二つ以上の混合物であること
を特徴とする、請求項1記載のハロゲン化芳香族化合物
のアルカリ分解方法。 - 【請求項5】 非プロトン極性溶剤が、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、テトラメチレンスルフォン
のいずれかあるいはこの任意の割合の混合物を主成分と
し、さらに場合によっては、ジメチルスルフォキシド、
N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコールジメチルエーテル
なる群から選ばれた一つあるいは二つ以上の混合物を3
5%以下含む、請求項1記載のハロゲン化芳香族化合物
のアルカリ分解方法。
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