JP2002000755A - 有害物質の分解処理方法と処理設備 - Google Patents

有害物質の分解処理方法と処理設備

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離処理され抽出されたPCBなどのよう
に、有害物質を低濃度から高濃度にまで含む被処理物に
おける有害物質の分解処理方法と処理設備を提供する。 【解決手段】 溶媒中の有害物質をアルカリ性物質の存
在下で加熱分解する方法であって、アルカリ性物質は、
その共役酸の酸解離定数が水酸化ナトリウムより大であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有害物質の分解処理
方法と処理設備に関し、詳しくは、液状混合物中のPC
B等の有害物質を効果的に分別除去することを可能にす
ると共に、分離した有害物質を分解して低毒化または無
害化できるようにする有害物質の分解処理方法とその処
理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、汚染物質、特に有害化学物質の汚
染は環境を害する典型としてその確実な処理方法が求め
られている。例えば、PCBのような物質は、化学的に
安定であるため分解処理が難しいが、毒性が強く少量で
も生物に悪影響を与えるため、極微量にまでなるような
処理が要求される。このような物質に対する処理技術と
して、これまで熱化学的分解法、物理化学的処理法、生
物処理法などがあり、例えば廃PCBあるいはPCB含
有廃棄物に対しては、1200℃以上といった高温によ
る焼却処理が主として用いられている。
【0003】しかしながらこの方法は、高温が必要であ
るため処理設備が大掛かりとなる上、高温燃焼廃ガスは
塩素を含み、これを冷却する際に、ダイオキシン類、ベ
ンゾフラン等の二次有害物質が発生する可能性があり、
これに対する特別な配慮が必要となる等、全体として処
理設備コストが多大になるという問題がある。
【0004】そこで、本発明者は設備コストが少なくて
済む有害物質処理方法および処理設備として、溶媒中の
溶媒と有害物質の融点の相違に着目して冷却課程を経る
ことにより溶媒中の有害物質を効率的に分離できる発明
をした(国際公開第WO99/65585号公報)。そ
して、分離した有害物質を灯油、溶剤などで希釈するこ
とにより、更に低濃度にして無害化し、これに固形剤を
加えて固体燃料などに再利用する方法を開発した。
【0005】その一方で、分離した有害物質をより直接
的に分解して無害化する方法が望まれており、効率良
く、それでいて多大な設備を必要としない分解処理方法
の開発要請がある。このような事情から、高濃度の有害
物を分解して無害化する方法として、パラジウム触媒水
素添加法、光分解法、超臨界水酸化法、微生物を利用し
たバイオレメディエーション法、アルカリ分解法などが
開発されている。
【0006】これら従来技術の内、パラジウム触媒水素
添加法、光分解法、超臨界水酸化法、微生物を利用した
バイオレメディエーション法は、高価な白金族触媒を用
いたり、大掛かりな設備を要したりして処理コストが高
い、処理速度が遅い、あるいは安全性に課題が残るな
ど、種々の問題点がある。が、アルカリ分解法は比較的
問題点が少ない(例えば、特開平10−225667号
公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状の
アルカリ分解法は、例えばPCBを含むオイルを処理す
る場合、処理対象となる適用範囲が狭く、せいぜい数p
pm〜数十%程度含有されている場合に分解効果を発揮
し得るものであり、更に高濃度にまでPCBを含むオイ
ルを分解処理するには、必ずしも十分なものではなく、
改良の余地がある。
【0008】そこで、本発明の目的は、分離処理され抽
出されたPCBなどのように、有害物質を低濃度から高
濃度にまで含む被処理物における有害物質の分解処理方
法と処理設備を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は各請求項記載
の発明により達成される。すなわち、本発明に係る有害
物質の分解処理方法の特徴構成は、溶媒中の有害物質を
アルカリ性物質の存在下で加熱分解する方法であって、
前記アルカリ性物質は、その共役酸の酸解離定数が水酸
化ナトリウムより大であることにある。
【0010】このように構成されていると、有害物質を
高濃度に含む被処理物に対しても、ハロゲン元素を分離
したり、低分子化したりして、効果的に分解処理するこ
とができ、しかも、分解するに際して高価な白金族の触
媒を用いることなく、また操業上爆発性のある気体を用
いることなく安全であり、複雑で大掛かりな装置を要す
ることもない。
【0011】その結果、分離処理され抽出されたPCB
などのように、有害物質を高濃度にまで含む被処理物に
おける有害物質の効果的に分解処理する方法を提供する
ことができた。
【0012】前記アルカリ性物質が、エチルリチウム、
メチルリチウム、フェニルリチウム、ナトリウムアミ
ド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムエチルア
ミド、トリチルリチウム、銅アセチリド、グリニヤー試
薬、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウムエトキシド
から選ばれた1種または2種以上であることが好まし
い。
【0013】この構成によれば、特に塩素などのハロゲ
ン元素を高濃度に含む有機化合物に対して分解処理を効
果的に促進できる。
【0014】前記加熱分解が、150〜300℃で少な
くとも0.5時間以上加熱して行うことが好ましい。
【0015】この構成によれば、確実に有害物質を分解
促進できて都合がよい。
【0016】前記溶媒が、軽油、ドデカン、デカン、D
MFから選ばれたものであることが好ましい。
【0017】この構成によれば、PCBなどのような有
害物質を抽出し易く都合がよい。
【0018】更に又、本発明に係る有害物質の分解処理
方法の特徴構成は、有害物質を含む溶液に、アルカリ性
物質を添加して前記有害物質を吸着・分解することにあ
る。この構成によれば、オイル中などの存在する有害物
質がアルカリ性物質に吸着されると共に、分解が促進さ
れて、効果的に有害物質の低毒化あるいは無毒化が達成
できる。特に、この処理方法によれば、有害物質の存在
が比較的低濃度であっても、確実に有害物質を吸着し分
解できて都合がよく、しかも常温で放置しておくだけで
も分解を進行させることができるので都合がよい。この
場合のアルカリ性物質は、水酸化ナトリウムの他、上記
したエチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウ
ム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド、リチウムエチルアミド、トリチルリチウム、銅アセ
チリド、グリニヤー試薬、カリウム−t−ブトキシド、
ナトリウムエトキシドから選ばれた1種または2種以上
であることが好ましい。
【0019】又、本発明に係る有害物質の処理設備の特
徴構成は、溶媒中の有害物質を収容可能な容器と、その
共役酸の酸解離定数が水酸化ナトリウムより大であるア
ルカリ性物質を前記容器に投入する装置と、前記容器を
加熱する加熱手段とを備えることにある。
【0020】この構成によれば、分離処理され抽出され
たPCBなどのように、有害物質を高濃度にまで含む被
処理物における有害物質の分解処理設備を提供すること
ができた。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、有害物質
の一例として分解処理の要請が強い、絶縁オイル(以
下、「オイル」という)中のPCBをとりあげ、分離さ
れたPCBについて分解処理する方法を例に、以下に詳
細に説明する。
【0022】まず、オイル中のPCBを分離する。分離
する方法としては、特に限定されるものではないが、大
掛かりな装置を使用することのない以下の方法を使用す
ることが効果的である。すなわち、PCBとオイルの融
点の相違(PCBの融点;−20〜20℃。オイルの融
点;−30℃以下)に着目し、PCBを含むオイルを−
30℃以下に冷却し、PCBのみを凝固させてから、P
CBを含むオイルをろ過することにより両者を分離す
る。ろ布上にはPCBの結晶が残り、ろ液には低濃度P
CBオイルが得られる。PCBオイルには、予め活性白
土などのろ過用助剤を加えておき、結晶化し難いPCB
を吸着除去するようにする。
【0023】このようにして分離された高濃度PCBを
容器に収容された溶媒中に加えた後、次に共役酸の酸解
離定数が水酸化ナトリウムより大であるアルカリ物質を
所定量投入する。更に、これを攪拌しながら、150〜
300℃で少なくとも0.5時間以上加熱する。加熱
は、容器底部などに配置したヒータのような加熱手段に
より行う。
【0024】溶媒としては、軽油、ドデカン、デカン、
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、灯油、シリ
コンオイルなどを使用することができるが、特に軽油、
ドデカン、デカン、DMFを使用することが好ましい。
又、共役酸の酸解離定数が水酸化ナトリウムより大であ
るアルカリ物質としては、エチルリチウム(50)、メ
チルリチウム(49)、フェニルリチウム(43)、ナ
トリウムアミド(36)、リチウムジイソプロピルアミ
ド(35)、リチウムエチルアミド(35)、トリチル
リチウム(32)、銅アセチリド(25)、グリニヤー
試薬(35)、カリウム−t−ブトキシド(18)、ナ
トリウムエトキシド(16)などを挙げることができ、
これらから選ばれた1種または2種以上のものを使用で
きる。括弧内の数字は、各物質の酸解離定数KaのpK
a値を示す。因みに、水酸化ナトリウムの共役酸の酸解
離定数pKa値は15.7である。上記アルカリ物質の
内、ナトリウムアミドは再利用が可能であるため特に好
ましい。
【0025】オイル中のPCB濃度が比較的低い場合、
粒状のアルカリ物質を添加して攪拌しつつ吸着・分解処
理すると効果的である。この方法は、前記アルカリ物質
を吸着剤として利用し、アルカリ物質にPCBを吸着さ
せてから分解するのであり、加熱しなくても分解が進行
し、しかも溶媒を使用しなくて済む。もっとも、加熱し
て分解反応を促進させてもよいが、その場合の加熱温度
は従来の技術におけるよりも低温でよい。
【0026】
【実施例】以下に、具体的に実験を行った例を実施例と
して示す。
【0027】(実施例1)1.14gPCBを含むデカ
ン溶液10mLに、5.00g(Cl−3のPCBに対
して26当量に相当)のナトリウムアミド(NaNH
2 )を加え、攪拌しながら加熱した。約10分後、容器
に黒色の固体が生成し、黒色の懸濁液となった。更に、
加熱して還流温度(174℃)で7時間保持した。これ
を冷却後、水20mLを加え、水層をヘキサン30mL
で4回抽出した。このヘキサン溶液を無水硫酸ナトリウ
ムで1時間乾燥した後、PCB濃度を測定すると、0.
0215ppmであった。ヘキサン溶液の総量が10
4.0mLであったことから、PCB量は下記式のよう
にして得られる。
【0028】0.0215(mg/L)×104.0/100
0(L) ≒0.00224(mg) 更に、容器中の黒色固体に対して、アセトン10mL、
ヘキサン90mLを加え、十分に攪拌した。この溶液を
別の容器に移し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した
後、PCB濃度を測定すると、0.574ppmであっ
た。アセトンーヘキサン(1:9)溶液の総量が76.
0mLであったので、下記式によりPCB量を算出し
た。
【0029】0.574(mg/L)×76.0/1000
(L) ≒0.0436(mg) 以下、同様の操作を3回繰り返し、PCB量を算出し
た。
【0030】2回目:PCB量=0.0113(mg) 3回目:PCB量=0.00221(mg) 4回目:PCB量=0.000726(mg) 結局、PCB量は総計で、0.0603(mg)(PCBの
分子量を平均Cl−3個として計算すると、0.002
34mmol,0.00529%)となり、PCBの残
存率は0.00529%、PCB分解率は99.994
71%となる。
【0031】PCBにナトリウムアミドを反応させた場
合の反応式を化1に示す。
【0032】
【化1】 (実施例2)PCB5.98gに、60.0mLの軽油
と10.0g(Cl−3のPCBに対して17.9当量
に相当)のナトリウムアミドを加え、攪拌しながら約2
00℃で24時間加熱した。これを冷却後、水60mL
を加え、水層をヘキサン100mLで3回抽出した。更
に、容器内に残った黒色固体は、実施例1と同様にアセ
トン10mL、ヘキサン90mLの混合溶液で、攪拌し
ながら4回残存PCBを溶出させた。その結果、PCB
の残存率は0.00315%、PCB分解率は99.9
968%であった。
【0033】(実施例3)PCB1.04gに、10.
0mLの軽油と3.12g(Cl−3のPCBに対して
17.9当量に相当)のナトリウムアミドを加え、攪拌
しながら約200℃で24時間加熱した。これを冷却
後、水30mLを加え、水層をヘキサン30mLで2回
抽出した。更に、容器内に残った黒色固体は、実施例1
と同様にアセトン10mL、ヘキサン90mLの混合溶
液で、攪拌しながら2回残存PCBを溶出させた。その
結果、PCBの残存率は0.00491%、PCB分解
率は99.9951%であった。
【0034】(実施例4)PCB0.98gの10mL
のDMF溶液に、4.52g(Cl−3のPCBに対し
て8.9当量に相当)のカリウム−t−ブトキシドを加
え、攪拌しながら還流温度(150℃)で7時間加熱し
た。これを冷却後、水10mL、10%塩酸20mLを
加え、水層をヘキサン30mLで4回抽出した。更に、
容器内に残った黒色固体は、実施例1と同様にアセトン
10mL、ヘキサン90mLの混合溶液で、攪拌しなが
ら10回残存PCBを溶出させた。その結果、PCBの
残存率は0.029%、PCB分解率は99.971%
であった。
【0035】(実施例5)100ppmのPCBのドデ
カン溶液100mLに、ナトリウムアミド2.00g
(PCBに対して1590当量に相当)を加え、1日
間、214.5℃で加熱還流した。PCBの残存量は
0.146mg(残存率1.95%)、PCB分解率は
98.05%であった。100ppmのPCBのドデカ
ン溶液は、1.59ppmのPCBのドデカン溶液にな
ったことになる。
【0036】(実施例6)PCB1.00gに、10.
0mLの軽油と2.00g(Cl−3のPCBに対して
11.9当量に相当)のナトリウムアミドを加え、攪拌
しながら約230℃に加温した。約5分後に黒色固体が
生成し、溶媒がない状態となった(軽油が黒色固体に吸
収された状態)。更に、230℃で7時間加熱を続け
た。これを冷却後、黒色固体に吸着した微量のPCBの
抽出を行った。すなわち、この黒色固体にDMF60m
Lを加え、約150℃で4時間加熱還流した。これを冷
却後、DMF溶液を別の容器に移し、更にDMF60m
Lで2回黒色固体を洗浄し、その洗浄液をこの容器に入
れた。DMF溶液の総量は127.5mLであり、PC
B濃度は0.363ppmであり、PCB分解率は9
9.99379%であった。
【0037】尚、DMF抽出を行った後の黒色固体に付
着したPCB量を測定するため、アセトン200mLで
2回抽出したところ、抽出液中のPCB濃度は0.5p
pm未満であった。
【0038】(実施例7)PCB1.08gに、10.
0mLの軽油と2.00g(Cl−3のPCBに対して
11.0当量に相当)のナトリウムアミドを加え、攪拌
しながら約300℃で7時間加熱した。PCBの残存量
は0.0124mg(残存率0.00114%)、PC
B分解率は99.99886%であった。
【0039】(実施例8)PCB1.07gに、25.
0mLの軽油と1.80g(Cl−3のPCBに対して
11.1当量に相当)のナトリウムアミドを加え、攪拌
しながら約200℃で24時間加熱した。これを冷却
後、水50mLを加え、この水溶液(黒色懸濁液)をろ
過した。ろ過上の黒色固体について、NaClを除去す
るため、水100mLで洗浄した。ろ液を、ヘキサン1
00mLで3回抽出した。黒色固体は、実施例1と同様
にアセトン10mL、ヘキサン90mLの混合溶液で、
攪拌しながら3回残存PCBを溶出させた。その結果、
PCBの残存率は0.0119%、PCB分解率は9
9.9881%であった。
【0040】(実施例9)82%PCB含有油1.52
g(PCB 0.879g)に、15.0mLの軽油と
2.66g(Cl−3のPCBに対して14.1当量に
相当)のナトリウムアミドを加え、攪拌しながら約20
0℃で30分加熱し、更に約240℃で2時間加熱し
た。このとき、全ての排ガス(アンモニア、軽油中に低
沸点成分、極微量のPCBなど)をドデカン200mL
(155g)に吸収させた。このドデカン溶液のPCB
濃度は0.242ppmであった。この排ガス中のPC
B量は0.0375mgとなり、更に冷却管に付着した
PCB量、黒色固体のPCB量などを加えると、PCB
の残存量は0.1172mgであり、PCBの残存率は
0.0133%となって、PCB分解率は99.990
60%であった。
【0041】以上の結果をまとめると、表1のようにな
る。
【0042】
【表1】 表1に見られるように、これら実施例はいずれも高いP
CB分解率を示している。
【0043】(実施例10)102ppmのPCBを含
有する油100mL(89.5g)に、40.0g(C
l−3のPCBに対して28200当量に相当)の粒状
をした水酸化ナトリウムを加え、攪拌しながら71時
間、室温で放置した。その後、デカンテーションし、9
1mL(82g)の油を得た。この油中のPCB濃度は
5.06ppmであった。従って、水酸化ナトリウムに
吸着されたPCB量は8.71mgとなる。吸着された
PCBをエタノールで3回抽出し測定したところ、0.
0463mgであった。これは水酸化ナトリウムに吸着
されたPCB量の0.53%であり、結局、水酸化ナト
リウムに吸着されたPCB量の99.47%が分解され
たことになる。
【0044】(実施例11)102ppmのPCBを含
有する油60.0gに、30.0g(Cl−3のPCB
に対して32400当量に相当)のナトリウムアミドを
加え、攪拌しながら約130℃で72時間加熱した。こ
れを室温に冷却した後、ろ過して油中のPCBを測定し
たところ、PCB濃度は0.482ppmであり、十分
に低濃度にすることができた。
【0045】〔別実施の形態〕 (1) 上記実施形態では、有害物質としてPCBを例
に挙げたが、分解処理する有害物質としてはPCBに限
られず、ジベンゾダイオキシン類、ジベンゾフラン類な
どにも本発明は適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 誠 大阪府高槻市西面南3丁目31−5 株式会 社ユニバーサルサイエンスデベレロットメ ント内 (72)発明者 半谷 利夫 大阪府高槻市西面南3丁目31−5 株式会 社ユニバーサルサイエンスデベレロットメ ント内 Fターム(参考) 2E191 BA13 BA15 BC05 BD13 4G075 AA13 AA37 AA63 BA05 BD15 BD16 CA02 CA51 CA54 CA57 EA06 EB12 4H006 AA05 AC13 BA02 BA03 BA05 BA32 BA34 BB11 BB48 BC10 EA22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒中の有害物質をアルカリ性物質の存
    在下で加熱分解する分解処理方法であって、前記アルカ
    リ性物質は、その共役酸の酸解離定数が水酸化ナトリウ
    ムより大であることを特徴とする有害物質の分解処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ性物質が、エチルリチウ
    ム、メチルリチウム、フェニルリチウム、ナトリウムア
    ミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムエチル
    アミド、トリチルリチウム、銅アセチリド、グリニヤー
    試薬、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウムエトキシ
    ドから選ばれた1種または2種以上である請求項1の有
    害物質の分解処理方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱分解が、150〜300℃で少
    なくとも0.5時間以上加熱して行う請求項1又は2の
    有害物質の分解処理方法。
  4. 【請求項4】 前記溶媒が、軽油、ドデカン、デカン、
    DMFから選ばれたものである請求項1〜3のいずれか
    1の有害物質の分解処理方法。
  5. 【請求項5】 有害物質を含む溶液に、アルカリ性物質
    を添加して前記有害物質を吸着・分解する有害物質の分
    解処理方法。
  6. 【請求項6】 溶媒中の有害物質を収容可能な容器と、
    その共役酸の酸解離定数が水酸化ナトリウムより大であ
    るアルカリ性物質を前記容器に投入する装置と、前記容
    器を加熱する加熱手段とを備える有害物質の処理設備。
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