JP2001334251A - 汚染土壌の浄化処理方法 - Google Patents

汚染土壌の浄化処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCB等で汚染された土壌を、安全確実に、
しかも経済的に浄化処理し、更には、汚染物質を容易に
無害化できる汚染土壌の浄化処理方法の提供。 【解決手段】 土壌からのPCB等の汚染物質の除去方
法であって、土壌に有機溶媒を加えて汚染物質を土壌中
から抽出する工程と、有機溶媒と土壌とを分離する工程
を有し、抽出工程で、比重が水よりも小さい疎水性の炭
化水素系有機溶媒を用い、更に必要に応じて親水性有機
溶媒を添加して汚染土壌と有機溶媒を混合し、分離工程
で、更に水を添加して混合した後に炭化水素系有機溶媒
と水系溶媒と土壌とに分離し、汚染物質を抽出除去する
と同時に、汚染物質を含む炭化水素系有機溶媒の土壌へ
の残留量を抑制できる汚染土壌の浄化処理方法、又、高
含水率の土壌にも有効な親水性有機溶媒を抽出工程に用
いる汚染土壌の浄化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、PCB、ダイオキ
シン及び油等の不揮発性の疎水性有機化合物で汚染され
た土壌の浄化に好適な汚染土壌の浄化処理方法に関し、
更に詳しくは、疎水性の炭化水素系有機溶媒、或いは、
親水性の有機溶媒による溶媒抽出によって汚染土壌を浄
化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、その毒性が認識されていなかった
時代にあっては、工場等で使用或いは発生した化学物質
に対して、現在のような完全な廃棄処理は行なわれてい
なかった。このため、工場跡地等において、PCB、ダ
イオキシン及び油等の不揮発性の有機化合物(以下、P
CB等と呼ぶ)による土壌や底質等の汚染が顕在化し、
その浄化処理が問題となってきている。これに対し、P
CB等によって汚染された土壌を浄化処理する場合に
は、PCB等が土壌に散在し混入しているので大量の土
壌と共に処理しなければならず、大掛かりな処理が必要
となり、容易なことではない。現在知られている汚染土
壌を直接処理する方法としては、例えば、熱分解法や溶
融固化法等がある。又、有機塩素系溶媒によって溶媒抽
出する方法も知られている。
【0003】しかしながら、上記の熱分解法や溶融固化
法等は、いずれも簡便で確実な処理方法とはいえず、一
方、有機塩素系溶媒による溶媒抽出処理は、有機塩素化
合物の人体に対する毒性の問題があり、新たな汚染を生
むことが考えられる。以上のように、PCB等によって
汚染された汚染土壌が安全基準を満たすように浄化さ
れ、しかも処理工程数が少なく、容易に且つ安全に浄化
を行なうことができるシステムは未だ確立されておら
ず、汚染土壌を、経済的に、しかも確実に処理できる方
法の開発が待望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、PCB等の不揮発性の有機化合物で汚染された土壌
を、安全且つ確実に、しかも経済的に浄化処理し、更に
は、汚染物質を容易に無害化できる汚染土壌の浄化処理
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明の第一の形態
は、土壌から不揮発性の有機性汚染物質を取り除くため
の方法であって、汚染土壌に有機溶媒を加えて土壌中か
ら上記有機性汚染物質を抽出する抽出処理工程と、有機
溶媒と土壌とを分離する分離工程を少なくとも有する汚
染土壌の浄化処理方法において、上記抽出処理工程で、
有機溶媒として比重が水よりも小さい疎水性の炭化水素
系有機溶媒を用い、更に必要に応じて親水性有機溶媒を
添加し、汚染土壌と有機溶媒を混合し、且つ、上記分離
工程で、更に水を添加して混合し、その後に炭化水素系
有機溶媒と水系溶媒と土壌とに分離することで、有機性
汚染物質を炭化水素系有機溶媒中に移行させて抽出除去
すると同時に、有機性汚染物質を含む炭化水素系有機溶
媒の土壌への残留量を抑えることを特徴とする汚染土壌
の浄化処理方法である。特に好ましい形態は、抽出処理
するための疎水性の炭化水素系有機溶媒として、n−ヘ
キサンを使用することが挙げられる。かかる方法は、特
に、含水率の低い土壌の処理に好適である。
【0006】又、本発明の第二の形態は、土壌から不揮
発性の有機性汚染物質を取り除くための方法であって、
汚染土壌に有機溶媒を加えて土壌中から上記有機性汚染
物質を抽出する抽出処理工程と、有機溶媒と土壌とを分
離する分離工程を少なくとも有する汚染土壌の浄化処理
方法において、上記抽出処理工程で、有機溶媒として親
水性有機溶媒を用い、該親水性有機溶媒へと有機性汚染
物質を移行させて抽出液を得、上記分離工程で、該抽出
液と土壌とを固液分離することを特徴とする汚染土壌の
浄化方法、更には、上記に加えて、分離された土壌に対
して親水性の洗浄液で洗浄を行って洗浄済み液と土壌と
を固液分離し、前記抽出液と共に上記洗浄済み液を蒸留
処理することで溶液中の汚染物質を除去し、親水性有機
溶媒の再利用を可能にする汚染土壌の浄化方法である。
より好ましい形態は、抽出処理に用いる親水性の有機溶
媒として、アセトン、メチルエチルケトン、DMSO
(ジメチルスルホキシド)、メタノール、エタノール、
プロパノール及びブタノールの少なくともいずれか、又
はこれらの少なくとも一種と水との混合液を使用するこ
とが挙げられる。又、別の好ましい形態は、上記洗浄液
として、アセトン、メチルエチルケトン、DMSO(ジ
メチルスルホキシド)、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール及び水の少なくともいずれかを使
用することが挙げられる。
【0007】更に、本発明の好ましい形態は、上記の第
一の形態或いは第二の形態で生じる有機性汚染物質を含
む有機溶媒を、そのまま又は有機溶媒を除いて濃縮した
後、熱分解法、酸化分解法及び脱塩素化法等で処理し、
有機性汚染物質を無害化することが挙げられる。例え
ば、下記に挙げるような条件で酸化分解処理すること
で、抽出した有機性汚染物質を無害化することができ
る。酸化分解の条件としては、鉄イオンを触媒とし、酸
化剤として過酸化水素を用い、pH4以下で40〜10
0℃に加温した条件とすること、或いは、酸化分解の条
件を、加温加圧下で、酸化剤として過酸化水素を用い、
且つ、金属触媒の存在下、pH6以下の条件で行うこと
が挙げられる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、好ましい実施の態様を挙げ
て本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは、上記し
た従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、汚染土
壌に含まれるPCB、ダイオキシン及び油等の不揮発性
の疎水性有機化合物は、特定の有機溶媒による抽出処理
によって汚染土壌から容易に且つ確実に抽出除去できる
ことを知見して本発明に至った。
【0009】特に、有機溶媒として、比重が水よりも小
さい疎水性の炭化水素系有機溶媒を使用し、必要に応じ
てこれにケトンやアルコール等の親水性有機溶媒を加え
て抽出処理を行い、更に、土壌と有機溶媒との混合物に
水を加えて混合し、その後、炭化水素系有機溶媒と水系
溶媒と土壌とに分離処理する本発明の第一の形態によれ
ば、有機性汚染物質を炭化水素系有機溶媒中に移行させ
ると同時に、有機性汚染物質を含む炭化水素系有機溶媒
の土壌への残留量を抑えることができ、汚染土壌を容易
に且つ安全に、しかも安定して浄化することが可能であ
ることがわかった。更に、本発明者らの検討によれば、
上記本発明の第一の形態で使用する比重が水よりも小さ
い疎水性の炭化水素系有機溶媒としては、n−ヘキサン
が有効であることを見いだした。
【0010】又、有機溶媒として親水性有機溶媒を用い
る本発明の第二の形態によれば、疎水性の炭化水素系有
機溶媒を用いた場合よりも、汚染土壌中の有機性汚染物
質を溶媒側へ容易に移行させることができ、且つ、処理
対象の土壌の種類にかかわらずバラツキのない安定した
抽出ができることがわかった。即ち、上記した本発明の
第一の形態で処理する場合には、含水率が高い汚染土壌
を処理した際に抽出率が低下することが見られたが、本
発明の第二の形態によれば、かかる課題が解決されて、
含水率の高い土壌、底質等に対しても、高く安定した抽
出率で、容易に、安全且つ確実な浄化ができることがわ
かった。更に、上記のようにして得られる抽出液と土壌
を固液分離し、分離した土壌に対して、更に親水性の洗
浄液での洗浄を行う形態によれば、更なる土壌の浄化が
可能である。又、本発明の第二の形態においては、アセ
トン等の親水性有機溶媒のみによる抽出よりも、汚染土
壌に水を添加した後、親水性有機溶媒と水とを共存させ
た状態で抽出処理する方法の方が、より高い抽出率の達
成が可能となることがわかった。上記本発明の第二の形
態は、特にその適用できる範囲が広く、汚染土壌が、含
水率の低い土壌、含水率の高い土壌、飛灰及び底質、或
いは、土壌、飛灰及び底質のいずれかに水を添加したス
ラリーである場合においても好適な処理が可能である。
【0011】更に、上記本発明の第一及び第二の形態に
よって得られる土壌から有機溶媒により抽出されたPC
B等の有機性汚染物質を含む抽出物を、そのまま又は有
機溶媒を除いて濃縮した後、熱分解法、酸化分解法及び
脱塩素化法等の方法で処理する形態によれば、土壌に含
まれていた不揮発性の或いは難分解性の有機性汚染物質
を、炭酸ガス、水等まで分解することが可能であり、無
害化できることがわかった。
【0012】以下、本発明の汚染土壌の浄化処理方法に
ついて、上記した第一及び第二の形態を夫々下記に説明
する。 (本発明の第一の形態)汚染土壌の浄化処理に対して
は、図1、2及び4のフローチャートに示したような一
連の処理方法が有効である。以下、図1、2及び4に従
って本発明の第一の形態にかかる汚染土壌の浄化処理方
法について具体的に説明する。本発明の汚染土壌の浄化
処理方法では、汚染土壌に炭化水素系有機溶媒を加えて
混合撹拌することによって、土壌中に含まれているPC
B等の汚染物質を含む有機物質を炭化水素系有機溶媒中
に移行させて抽出除去するが、汚染土壌の浄化処理に先
立ち、先ず、処理対象となる土壌に対して必要に応じて
下記に挙げるような前処理を行なうことが好ましい。
【0013】前処理としては、掘削された土壌に一緒に
含まれる石やコンクリート塊や岩等を砕いた後、篩や土
砂分離機を用いてゴミ等の夾雑物や小石を除去して土だ
けにすることが好ましい。前処理するための装置として
は、土壌に含まれる石やコンクリート塊等を砕くため
の、例えば、ハリケーン(商品名、新六精機(株)製)
を好適に用いることができる。かかる装置を用いれば、
石等を、その用途に応じて、解砕・解膠・摩砕等するこ
とができる。特に、本発明の第一の形態においては、上
記のようにして、土壌から夾雑物等を取り除き細粒化し
た後、更に、乾燥処理して水分を除去し、土壌中の含水
率を低下させておくことが好ましい。このようにすれ
ば、PCB等の抽出効率を向上させることができる。
【0014】本発明の汚染土壌の浄化処理方法において
は、必要に応じて上記のような前処理をした土壌に、比
重が水よりも軽い疎水性の炭化水素系有機溶媒を加えて
混合・撹拌処理することで、土壌中の有機性汚染物質を
含む有機物質を炭化水素系有機溶媒中へと抽出する。こ
の際に用いる比重が水よりも軽い疎水性の炭化水素系有
機溶媒としては、具体的には、例えば、n−ヘキサンを
使用することが好ましい。このような炭化水素系有機溶
媒の使用量は、土壌の汚染濃度や、処理する土の粒径や
含水率等によっても異なるが、土壌に対する容量で、1
〜10倍程度の範囲で使用すればよい。
【0015】本発明の汚染土壌の浄化処理方法では、上
記のようにして土壌中にn−ヘキサン等の炭化水素系有
機溶媒を添加し、混合・撹拌することで、土壌中に存在
している有機性汚染物質を含む有機物質の抽出処理を行
なう。この抽出処理の際に、土壌の汚染状態に応じて、
或いはPCB等の抽出効率をより向上させる目的で、必
要であれば、加温した状態で混合撹拌を行なってもよ
い。又、必要に応じてケトンやアルコール等の親水性有
機溶媒を加えた状態で行なってもよく、或いはpHを酸
性側或いはアルカリ側にした状態で混合撹拌を行なって
もよい。更に、必要に応じて、抽出処理の際に超音波処
理することも好ましい。更に、抽出回数を複数回として
もよい。
【0016】本発明の第一の形態の汚染土壌の浄化処理
方法では、上記のようにして汚染土壌に、n−ヘキサン
等の炭化水素系有機溶媒、必要に応じてケトンやアルコ
ール等の親水性有機溶媒を加えて混合・撹拌して抽出処
理を行い、更に土壌と有機溶媒との混合物に水を加えて
混合し、静置することにより、液相と土壌を含む固相と
の分離を行う。このようにすることによって、本発明の
第一の形態の汚染土壌の浄化処理方法における分離工程
では、液相に、比重が水よりも小さい疎水性の炭化水素
系有機溶媒と水とが存在することになるため、図3に示
したように、下から、土壌、水層、PCB等を含有する
n−ヘキサン等の炭化水素系有機溶媒層の3層に別れ
る。静置する際には、必要に応じて、遠心分離処理した
り、凝沈剤を添加することができ、この結果、分離効率
が向上し、例えば、水層中に浮遊して含まれる土の微粒
子を迅速に分離することが可能となる。この際の水の使
用量は、容量で、土壌に対して、1〜10倍程度となる
ようにすればよい。
【0017】上記のように抽出処理し、静置することで
分離された各層は、その後、各々を取り出して適宜な処
理を行なえばよい。先ず、最下層の、PCB等の有機性
汚染物質が炭化水素系有機溶媒中へと抽出されて取り除
かれた処理土壌は、液相と分離して取り出して掘削した
場所に埋戻せばよい。又、液相を構成する水層は、分離
して、再び汚染土壌の浄化処理に用いればよい。一方
の、PCB等を含有するn−ヘキサン等の炭化水素系有
機溶媒層は、更に蒸留して溶媒を留出させ、得られた溶
媒を再び汚染土壌の浄化処理に用いればよい。更に、P
CB等の有機物質が濃縮されて含有されている残分は、
別途処理すればよい。
【0018】本発明の汚染土壌の浄化処理方法における
好ましい態様としては、上記のような抽出処理によって
得られる有機性汚染物質を含む炭化水素系有機溶媒を、
更に、熱分解法、酸化分解法及び脱塩素化法等の方法で
処理し、有機性汚染物質を無害化することが挙げられ
る。その一例として、金属イオンを触媒とした酸化剤に
よる酸化分解処理が挙げられるが(図4参照)、このよ
うにすれば、土壌から抽出された有機性汚染物質を含む
有機性物質を、炭酸ガス、水等にまで分解することが可
能であり、汚染物質を無害化できる。以下、この際に行
なう酸化処理について説明する。
【0019】上記で述べたように、炭化水素系有機溶媒
による抽出処理後、水を添加し混合後、静置すること
で、図3に示したように、土壌、水層、n−ヘキサン等
の炭化水素系有機溶媒層に別けられるが、上層である炭
化水素系有機溶媒層を取り出し、金属イオンを触媒とし
た酸化剤による酸化分解処理を行なう。この際、上記で
取り出した炭化水素系有機溶媒層に対して酸化分解処理
してもよいが、効率よく処理するためには、有機性汚染
物質等を含む炭化水素系有機溶媒を蒸留し、抽出に使用
したn−ヘキサン等の有機溶媒を分留し、PCB等の有
機物質が濃縮された残留分について無害化処理を行なう
ことがより好ましい。
【0020】上記のようなPCB等の有機性汚染物質を
含む液(以下、被処理液と呼ぶ)を、金属イオンを触媒
とした酸化剤による酸化分解による方法で処理すると、
明白ではないが、一つには、強力な酸化剤である・OH
(ヒドロキシルラジカル)が発生するため、該ヒドロキ
シルラジカルによってPCB等の有機性汚染物質等の有
機物質が分解されるものと考えられる。金属イオンを触
媒とした酸化剤による酸化分解処理の具体的な方法とし
ては、例えば、鉄イオンを触媒とし、過酸化水素を酸化
剤として、且つ、被処理液をpH4以下で40〜100
℃に加温する条件、更に好ましくは、加温加圧下で、酸
化剤として過酸化水素を用い、且つ、金属触媒の存在
下、pH6以下の酸性条件で処理する方法を用いること
ができる。これらの方法によれば、上記被処理液中に含
まれている有機性物質を、炭酸ガス、水等にまで分解す
ることが可能であり、汚染物質を無害化できる。
【0021】本発明において、酸化処理において使用す
る酸化剤としては、従来公知の化学酸化方法において使
用されている酸化剤、例えば、過酸化水素、過酸化カル
シウム、過硫酸アンモニウム、アルキルヒドロペルオキ
シド、過酸エステル、過酸化ジアルキル又はジアシル等
を使用することが可能であるが、コストや副生物等の点
からみて過酸化水素が最も好ましい。過酸化水素等の酸
化剤の使用量は、特に限定されず、処理する被処理液の
性状によって変化するが、好ましい使用量としては、被
処理液1gに対して1〜100g程度の範囲である。
【0022】触媒として使用する金属イオンとしては、
鉄、チタン、セリウム、銅、マンガン、コバルト、バナ
ジウム、クロム、鉛のイオン等が使用され、これらの金
属、金属酸化物、金属塩、錯体等いずれの形態でもよ
い。本発明において特に好ましいものは鉄イオンであ
る。鉄イオンには、従来技術においては第一鉄イオンが
使用されたが、本発明においては第一鉄イオンは勿論、
第二鉄イオンも有効である。この触媒としての鉄イオン
の使用量は、過酸化水素等の酸化剤100mg当たり約
0.01〜100mgで十分な処理効果を挙げることが
できる。
【0023】図4に金属イオンを触媒とした酸化剤によ
る酸化分解に使用する反応処理のフローを示したが、例
えば、加圧しない系においては、被処理液に、先ず、触
媒を加え、更に容器内がpH4以下の酸性に保たれるよ
うにし、且つ40〜100℃程度に加温することで、触
媒として加えた金属等が金属イオンとなって活性を有す
るように処理される。次に、この状態の金属イオンを含
む被処理液に、過酸化水素等の酸化剤を適宜な濃度とな
るように添加することで、酸化処理を行なう。
【0024】この際、特に、被処理液のpHが約2〜
3.5に保たれるように調節して反応を行なうことが好
ましい。更に、酸化反応は反応液を加温して行うことが
好ましいが、加温温度としては、好ましくは40℃〜1
00℃の範囲、更に好ましくは50℃〜80℃の範囲で
ある。処理温度が40℃未満である場合には、酸化に時
間がかかり、酸化効率が不十分で且つ過酸化水素等の酸
化剤の利用効率が不十分である。又、100℃を超える
温度としても、それ以上の処理効果を期待することがで
きず、更に過酸化水素等の酸化剤の自己分解が大きくな
り、利用効率が低下すると同時に、加熱エネルギー消費
が大になるので、経済性の点で好ましくない。加熱する
手段としては、水蒸気等の吹込み、工場における他の温
水等による熱交換等、任意の手段を利用することがで
き、反応液が適宜の温度に加温され維持されれば、加温
方法は特に限定されない。
【0025】又、酸化反応時間は、酸化処理容器のサイ
ズ、撹拌機の性能、温度等によって異なるが、例えば、
酸化温度が50℃で充分な撹拌が行われる場合には、約
0.5〜5時間の反応温度で充分であり、被処理液に含
まれるPCB等の有機性汚染物質を酸化分解して無害化
できることが確認された。
【0026】加温加圧下で酸化分解処理する系について
説明する。加温加圧する系においては、被処理液に、先
ず酸を加え、更に触媒を加えることで、容器内がpH6
以下の酸性に保たれ、触媒として加えた金属等が金属イ
オンとなって活性を有するように処理される。次に、こ
の状態の金属イオンを含む被処理液に、過酸化水素を適
宜な濃度となるように添加して酸化処理を行なう。この
際、加温加圧の状態で反応させる。具体的には、温度を
100〜370℃、好ましくは150〜250℃の範囲
に加温して酸化処理を行なう。かかる方法によれば、従
来の湿式酸化法と比べて比較的、低温、低圧で処理でき
る。従来の湿式酸化法では、高濃度の有機物を含む水溶
液に対し、例えば、16〜200気圧の圧力下、200
〜370℃の温度で空気を導入し、有機物を酸化分解す
る。反応させる被処理液を加熱する手段としては、例え
ば、水蒸気等の吹込み、工場における他の熱交換等、任
意の手段を利用することができる。しかし、酸化分解処
理する被処理液が適宜の温度に加温加圧され、その状態
を維持できれば、その方法は特に限定されない。
【0027】(本発明の第二の形態)本発明の第二の形
態は、抽出処理工程で用いる有機溶媒に親水性有機溶媒
を使用するものであり、図5に示した一連の処理方法が
有効である。以下、図5に従って本発明の第二の汚染土
壌の浄化方法について具体的に説明する。本発明の汚染
土壌の前処理としては、汚染土壌に含まれる大型の石や
コンクリート塊、ビニール等の夾雑物の除去、汚染土壌
の細粒化、汚染土壌の脱水、或いは汚染土壌のスラリー
化があるが、これらは必要に応じて、本発明の第一の形
態において説明した方法等によって行えばよい。但し、
本発明の第二の形態においては、後述するように、含水
率の高い土壌に対しても良好な処理が可能であるため、
前処理で土壌を乾燥させて含水率を調節する必要はな
い。
【0028】本発明の汚染土壌の浄化方法においては、
必要に応じて上記のような前処理をした土壌に、親水性
有機溶媒を加え、混合攪拌することにより汚染物質を溶
媒側へ抽出する。使用できる親水性有機溶媒としては、
例えば、アセトン、メチルエチルケトン、DMSO、メ
タノール、エタノール、プロパノール及びブタノールが
挙げられるが、使用する親水性有機溶媒の種類は、土壌
の汚染濃度、処理の目標、処理コスト等に応じて適宜に
選択すればよい。例えば、抽出効率を優先する場合に
は、アセトンを使用することが好ましい。使用する親水
性有機溶媒の量は、土壌に対する容量で1〜10倍程度
の範囲で使用すればよい。更に、抽出回数を複数回とし
てもよい。
【0029】又、親水性有機溶媒の代わりに親水性有機
溶媒と水との混合液を使用することも可能である。本発
明者らの検討によれば、親水性有機溶媒のみによって抽
出処理するよりも、親水性有機溶媒と水との混合液によ
る抽出処理を行った場合の方が抽出効率が向上する傾向
があることがわかった。水を併存させる場合の水の量
は、土壌に対する容量で10倍程度以内とすることが好
ましいが、この場合の水と親水性有機溶媒の使用割合
は、処理する汚染土壌の含水率によっても異なるが、例
えば、親水性有機溶媒:水=1:0.1〜1:10程度
の範囲で使用することが好ましい。
【0030】上記のようにして溶媒を添加し、混合によ
り土壌中の汚染物質を溶媒側へ抽出させた後に固液分離
を行うが、固液分離の手法は特に限定されず、遠心分離
脱水機、フィルタープレス脱水機及びスクリュープレス
脱水機等を用いればよい。
【0031】又、上記の固液分離を行った後の処理土壌
に対して、必要であれば、上記に挙げたような親水性有
機溶媒、水、或いは、水と上記から選択された親水性有
機溶媒との混合液といった親水性の洗浄液による洗浄を
行うことにより、土壌に残留する汚染物質の濃度を下げ
ることができる。更に、洗浄回数を複数回としてもよ
い。
【0032】次に、上記固液分離の際に得られる汚染物
質を含む親水性有機溶媒、或いは、これに加えて、抽出
・分離処理した土壌を洗浄処理した後に得られる洗浄済
み液を蒸留し、溶媒から汚染物質を除去することによ
り、溶媒を再利用することが可能である。又、分離され
た汚染物質は、下記の方法等によって別途処理すればよ
い。
【0033】更に、本発明の第二の形態においても抽出
された有機性汚染物質を含む有機溶媒を、更には、抽出
処理後の土壌の洗浄液を、本発明の第一の形態の説明に
おいて述べたと同様に、これらの抽出溶媒及び洗浄液を
そのまま又は有機溶媒を除いて濃縮した後、熱分解法、
酸化分解法及び脱塩素化法等で処理し、有機性汚染物質
を無害化処理することが可能である。その際に行う無害
化処理の具体的な方法としては、先に本発明の第一の形
態の説明で述べたと同様に、金属イオンを触媒とした酸
化剤による酸化分解処理が挙げられ、その際の酸化分解
条件としては、鉄イオンを触媒とし、酸化剤として過酸
化水素を用いて、pH4以下で、40〜100℃に加温
した条件とすること、或いは、酸化分解条件を、加温加
圧下で、酸化剤として過酸化水素を用い、且つ、金属触
媒の存在下、pH6以下とすることが挙げられる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。 (本発明の第一の形態) <実施例1>図1及び図2に示したフローに従って、採
取したPCBで汚染された含水率5%未満の土壌をn−
ヘキサン及び水を用いて処理した。処理する前の土壌中
のPCBをGC−ECDによって測定したところ、汚染
濃度は20ppmであった。先ず、この土壌200g
を、撹拌手段として撹拌羽根を有する容器中に入れた
後、n−ヘキサンを200ml入れて3時間撹拌・混合
した。その後、水を400ml添加し、10秒間撹拌
後、静置し、土壌、n−ヘキサン及び水の3層に分離し
た。
【0035】分離後、n−ヘキサン層へのPCBの抽出
率を計算したところ、抽出率は92%以上であった。更
に、PCBを含むn−ヘキサン層を蒸留して、n−ヘキ
サンを留出させた。蒸留したn−ヘキサン層中のPCB
の濃度を測定したところ、PCBは検知されなかった。
【0036】<実施例2>処理対象の土壌の粒度を、平
均粒径が72μm程度となるようにした以外は実施例1
と同様にしてPCBの浄化処理を行なった。本実施例に
おいては、n−ヘキサン層へのPCBの抽出率は92%
以上であった。
【0037】<実施例3>n−ヘキサンと共にメタノー
ルを200ml入れて処理した以外は実施例1と同様に
して、PCBの浄化処理を行なった。本実施例において
は、n−ヘキサン層へのPCBの抽出率は92%以上で
あった。
【0038】<実施例4>n−ヘキサンを入れた後、水
酸化ナトリウムで液相のpHが10となるように調整し
た以外は、実施例1と同様にして、PCBの浄化処理を
行なった。本実施例においては、n−ヘキサン層へのP
CBの抽出率は92%以上であった。
【0039】<実施例5>n−ヘキサンを入れた後、希
硫酸で液相のpHが4となるように調整して行なった以
外は実施例1と同様にして、PCBの浄化処理を行なっ
た。本実施例においては、n−ヘキサン層へのPCBの
抽出率は92%以上であった。
【0040】<実施例6>実施例1で抽出処理した後、
n−ヘキサン層を取り出してn−ヘキサンを蒸留によっ
て留去した後、得られた残留物に水を添加し、触媒とし
て鉄触媒を加えた後、pH4以下にして酸化処理した。
この際、酸化分解処理開始当初の被処理液中の鉄イオン
濃度が100mg/lになるようにFeCl3を添加
し、酸化剤としては過酸化水素を用いた。又、酸化分解
容器内の被処理液の温度が60℃となるように、ヒータ
によって加温した。反応時間は、300分間とした。上
記のようにして酸化処理をした被処理液のPCBの濃度
を測定した結果、PCBの分解率は99%以上であっ
た。
【0041】<実施例7>反応容積300mlの回分式
オートクレーブを使用して、この中に実施例6で処理し
たものと同様の残留物に水200mlを添加し、加温加
圧して湿式酸化処理を行った。反応条件は、温度を20
0℃とし、初期反応pHを3とし、圧力16kg/cm
2の条件下で行なった。過酸化水素を酸化剤として用い
た。その量は、理論酸素量の2倍とした。触媒として
は、鉄触媒を用いた。上記のようにして酸化処理された
被処理液のPCBの濃度を測定した結果、PCBの分解
率は99%以上であった。
【0042】(本発明の第二の形態) <実施例8>容量500mlの8個の分液ロートに、夫
々、ビフェニル汚染土壌(ビフェニル濃度1000mg
/kg、含水率5%未満)50gと、有機溶媒200m
lを入れ、3時間振とうした後、静置して固液分離し、
溶媒側へのビフェニルの抽出率を求めた。有機溶媒とし
て、アセトンと、比較のためにn−ヘキサンを用い、夫
々の溶剤を4個ずつ分液ロートに入れて抽出を行った。
その結果、n−ヘキサンによる抽出率の平均は93.5
%、アセトンによる抽出率の平均は96.2%であり、
アセトンを用いた本実施例の方が高い抽出率が得られる
ことがわかった。
【0043】<実施例9>容量500mlの8個の分液
ロートに、夫々、ビフェニル汚染土壌(ビフェニル濃度
1000mg/kg、含水率5%未満)50gと、水5
0mlとを加えて軽く攪拌した後、夫々の分液ロートに
有機溶媒200mlを入れて、3時間振とうした後、有
機溶媒側へのビフェニルの抽出率を求めた。有機溶媒と
して、4個の分液ロートにはアセトンを用い、他の4個
の分液ロートには比較のためにn−ヘキサンを用いた。
その結果、n−ヘキサンによる抽出率は、38.8%、
58.6%、90.0%、89.7%とバラツキがあっ
た。一方、アセトンによる場合は抽出率にバラツキがな
く、しかも、抽出率の平均は98.2%と高かった。こ
の結果、有機溶媒に水を共存させた状態で混合・撹拌し
て抽出処理した場合は、アセトンを使用した本実施例の
場合の方が、抽出率が高く、しかも安定した結果が得ら
れることがわかった。
【0044】<実施例10>本実施例は、抽出処理後の
土壌を更に洗浄する洗浄工程を有する形態である。容量
500mlの8個の分液ロートに、夫々、ビフェニル汚
染土壌(ビフェニル濃度1000mg/kg、含水率5
%未満)50gと、有機溶媒200mlを入れ、3時間
振とうした後、固液分離した。有機溶媒として、4個の
分液ロートにはアセトンを用い、他の4個の分液ロート
には比較のためにn−ヘキサンを用いた。次に、固液分
離後、分離された各土壌を再び500mlの分液ロート
に移し、アセトンを使用した系にはアセトンを200m
l加え、n−ヘキサンを使用した系にはn−ヘキサンを
200ml加え、30秒間振とうした後、固液分離を行
った(洗浄処理)。同様の洗浄処理を2回した後、土壌
中のビフェニル含有量(残留量)を求めた。
【0045】この結果、アセトンを使用した系とn−ヘ
キサンを使用した系におけるビフェニルの残留量は、共
に平均4mg/kg程度であった。従って、上記一連の
操作による土壌中のビフェニルの有機溶媒への抽出率
は、いずれの系においても平均99.6%程度と高かっ
た。以上のことより、含水率5%未満といった含水率の
低い乾燥した土壌を対象とする場合は、本実施例の如き
洗浄工程を有する形態の浄化処理方法によれば、使用す
る抽出溶剤の種類にかかわらず良好な結果が得られるこ
とがわかった。
【0046】<実施例11>容量500mlの4個の分
液ロートに、夫々、ビフェニル汚染土壌(ビフェニル濃
度1000mg/kg、含水率5%未満)50gと、水
50mlを加えて軽く攪拌した後、アセトン200ml
を入れ、3時間振とうした後、固液分離をした。次に、
固液分離後の土を再び500mlの分液ロートに移し、
アセトン200mlを加え、30秒間振とうした後、固
液分離を行った(洗浄処理)。この洗浄処理を2回した
後の土壌中のビフェニル含有量(残留量)を求めると2
mg/kg未満であり、上記一連の操作によるビフェニ
ルの溶媒への抽出率は99.8%以上であった。
【0047】本実施例では、n−ヘキサンによる比較実
験を行わなかった。これは、実施例9の結果から、土壌
に水を50mlを加えた状態で(即ち、含水率の高い土
壌について)n−ヘキサンによる抽出処理を行った場合
には、抽出率が劣り、しかも抽出率にバラツキがあって
安定性に欠け、溶媒抽出による汚染土壌の浄化処理方法
の条件としては不適当であることが確認されたためであ
る。この実施例9及び上記本実施例の結果から、含水率
が高い土壌を処理対象とした場合にも、親水性有機溶媒
を用いれば、疎水性の有機溶媒を抽出溶媒とした場合と
比較して、土壌中からの汚染物質の抽出が安定して行
え、更には、本実施例のような洗浄工程を有する形態の
汚染土壌の浄化処理方法によれば、より高い抽出率を達
成できることがわかった。
【0048】<実施例12>処理対象の汚染土壌を、P
CB汚染土壌(PCB濃度200mg/kg)に代えた
以外は実施例8〜11と同様にして試験を行った。その
結果、実施例8〜11と同様の結果が得られた。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
PCB等で汚染された土壌からPCB等の有機性汚染物
質を効率よく、経済的に取り除くことができ、更には、
取り出した汚染物質を容易に無害化することができる汚
染土壌の浄化処理方法が提供される。特に、親水性有機
溶媒を用いる本発明の第二の形態においては、汚染土壌
からの汚染物質の抽出効率が優れていると同時に、汚染
土壌の含水率の大小に関わらず、安定した処理が可能で
あるという利点を有し、極めて有効な汚染土壌の浄化処
理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚染土壌の浄化処理方法の一例を示す
処理フローの概略である。
【図2】図1に続く処理フローである。
【図3】本発明の汚染土壌の浄化処理方法の基本的な処
理方法を説明するための図である。
【図4】本発明の汚染土壌の浄化処理方法の別の一例を
示す処理フローの概略である。
【図5】本発明の汚染土壌の浄化処理方法の一例を示す
処理フローの概略である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/14 B09B 3/00 304K // C02F 11/00 304G 5/00 S C09K 101:00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌から不揮発性の有機性汚染物質を取
    り除くための方法であって、汚染土壌に有機溶媒を加え
    て土壌中から上記有機性汚染物質を抽出する抽出処理工
    程と、有機溶媒と土壌とを分離する分離工程を少なくと
    も有する汚染土壌の浄化処理方法において、上記抽出処
    理工程で、有機溶媒として比重が水よりも小さい疎水性
    の炭化水素系有機溶媒を用い、更に必要に応じて親水性
    有機溶媒を添加し、汚染土壌と有機溶媒を混合し、且
    つ、上記分離工程で、更に水を添加して混合し、その後
    に炭化水素系有機溶媒と水系溶媒と土壌とに分離するこ
    とで、有機性汚染物質を炭化水素系有機溶媒中に移行さ
    せて抽出除去すると同時に、有機性汚染物質を含む炭化
    水素系有機溶媒の土壌への残留量を抑えることを特徴と
    する汚染土壌の浄化処理方法。
  2. 【請求項2】 疎水性の炭化水素系有機溶媒が、n−ヘ
    キサンを含む請求項1に記載の汚染土壌の浄化処理方
    法。
  3. 【請求項3】 汚染土壌が、含水率の低い土壌である請
    求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 【請求項4】 土壌から不揮発性の有機性汚染物質を取
    り除くための方法であって、汚染土壌に有機溶媒を加え
    て土壌中から上記有機性汚染物質を抽出する抽出処理工
    程と、有機溶媒と土壌とを分離する分離工程を少なくと
    も有する汚染土壌の浄化処理方法において、上記抽出処
    理工程で、有機溶媒として親水性有機溶媒を用い、該親
    水性有機溶媒へと有機性汚染物質を移行させて抽出液を
    得、上記分離工程で、該抽出液と土壌とを固液分離する
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  5. 【請求項5】 更に、分離工程で分離された土壌に対し
    て親水性の洗浄液で洗浄を行った後、洗浄済み液と土壌
    を固液分離し、前記抽出液と共に上記洗浄済み液を蒸留
    処理することで溶液中の汚染物質を除去し、親水性有機
    溶媒の再利用を可能にする請求項4に記載の汚染土壌の
    浄化方法。
  6. 【請求項6】 親水性有機溶媒が、アセトン、メチルエ
    チルケトン、DMSO(ジメチルスルホキシド)、メタ
    ノール、エタノール、プロパノール及びブタノールの少
    なくともいずれか、又はこれらの少なくとも一種と水と
    の混合液である請求項4に記載の汚染土壌の浄化方法。
  7. 【請求項7】 洗浄液が、アセトン、メチルエチルケト
    ン、DMSO(ジメチルスルホキシド)、メタノール、
    エタノール、プロパノール、ブタノール及び水の少なく
    ともいずれかである請求項5に記載の汚染土壌の浄化方
    法。
  8. 【請求項8】 汚染土壌が、含水率の低い土壌、含水率
    の高い土壌、飛灰及び底質、或いは、土壌、飛灰及び底
    質のいずれかに水を添加したスラリーである請求項4に
    記載の汚染土壌の浄化方法。
  9. 【請求項9】 更に、抽出された有機性汚染物質を含む
    有機溶媒を、そのまま又は有機溶媒を除いて濃縮した
    後、熱分解法、酸化分解法及び脱塩素化法のいずれかで
    処理し、有機性汚染物質を無害化する請求項1又は4に
    記載の汚染土壌の浄化処理方法。
  10. 【請求項10】 酸化分解法において、酸化分解を、加
    温加圧下で、酸化剤として過酸化水素を用い、且つ、金
    属触媒の存在下、pH6以下の酸性条件で行う請求項9
    に記載の汚染土壌の浄化処理方法。
  11. 【請求項11】 有機性汚染物質が、PCB、ダイオキ
    シン及び油の少なくともいずれかである請求項1又は4
    に記載の汚染土壌の浄化処理方法。
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