JP2004188340A - ダイオキシン類含有液の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイオキシン類含有液を二段にわたる凝集及び固液分離処理を行う。具体的には、無機凝集剤を添加して凝集を行う第一凝集工程と、該工程から送られてくる被処理水を固液分離する第一固液分離工程と、該工程によって得られた分離水に無機凝集剤を添加して凝集を行う第二凝集工程と、該工程から送られてくる被処理水を固液分離する第二固液分離工程と、を含むダイオキシン類含有液の処理方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類を含有する液からダイオキシン類を除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学物質の製造過程若しくは塩素処理過程、廃棄物の燃焼過程等において生成される、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コブラナーPCB(Co−PCBs)等の有機塩素化合物(以下、これらを総称して(以下、「ダイオキシン類」という。)は、微量でも毒性が高く、皮膚の色素沈着、脱毛、多毛、肝機能異常、奇形、免疫不全、内分泌障害(環境ホルモン作用)等の人体への悪影響が報告されている。
【0003】
このダイオキシン類は、ゴミ焼却炉その他の焼却炉の排ガスに接触された洗煙排水(例えば、湿式洗煙装置を備えたごみ焼却炉から排出される冷却水)や、最終処分場の浸出水、埋立浸出水、亜鉛回収施設、アルミニウム合金製造施設、塩ビモノマー製造施設、PCB処理施設、紙パルプ工場、鉄鋼用電気炉、火力発電所からの洗煙排水、ダイオキシンを含有する焼却灰や飛灰を洗浄した洗浄水等の水溶液中に含まれている場合がある。
【0004】
このダイオキシン類を含む水溶液(以下、ダイオキシン類含有液という。)からダイオキシン類を除去する方法では、ダイオキシン類の大部分が、水溶液中の懸濁性物質やコロイド状物質などの固形物に吸着された状態で存在していることから、処理工程の前段において凝集処理を行い、後続の工程で必要に応じて砂ろ過処理等の後処理が行われる。更には、凝集処理では充分に除去できない溶解性のダイオキシン類やコロイダルに付着するダイオキシン類が存在するため、処理目標値を達成できない場合は、活性炭処理やUV処理、オゾン処理等による促進酸化処理が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−62490号公報(請求項2、図1等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水溶液中のダイオキシン類の大部分が、凝集処理によって除去可能な固形物付着態で存在している場合であっても、ダイオキシン類の濃度が高くなると、凝集分離と砂ろ過処理の組み合わせだけでは、排水基準(例えば、10pg−TEQ/L)以下のレベルまで除去することは困難となる。
【0007】
かかる場合、上記従来技術におけるような促進酸化処理を適用することが考えられるが、設備の設置面積が大きい上に、初期コスト及びランニングコストが高くなり、更には、運転管理も難しいという技術的課題があった。また、凝集処理を一回のみ行う従来の方法では、使用する無機凝集剤が多くなり、特に、高濃度のダイオキシン類を含む排水や大容量のダイオキシン類含有排水の処理を行う場合では、無機凝集剤の使用量が顕著に多くなるので、ランニングコストが高くなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、ダイオキシン類含有液から、低コストで効果的にダイオキシン類を除去できる方法を提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願では、まず、ダイオキシン類含有液に対して無機凝集剤を添加して凝集を行う第一凝集工程と、該工程から送られてくる被処理水を固液分離する第一固液分離工程と、該工程によって得られた分離水に無機凝集剤を添加して凝集を行う第二凝集工程と、該工程から送られてくる被処理水を固液分離する第二固液分離工程と、を含むダイオキシン類含有液の処理方法を提供する。
【0010】
即ち、本発明に係るダイオキシン類含有液の処理方法は、凝集工程とそれに続く固液分離工程を二段階にわたって行うことを特徴としており、これにより、水溶液中のダイオキシン類の濃度が高い場合でも、低コストで効果的に、ダイオキシン類所定の排水基準以下のレベルまで除去することが可能となる。
【0011】
例えば、原排水のダイオキシン類濃度が、5000pg−TEQ/μg−SS以上であった場合でも、排水基準である10pg/L以下にまで、ダイオキシン類を除去することが可能となる。
【0012】
また、本発明方法では、固液分離工程(上記第一固液分離工程)をはさみ、凝集工程を二段階に分けて行うことによって、一度のみの凝集工程により同等のダイオキシン類濃度とする場合に比較して、無機凝集剤の使用量を少なく抑えることができるので、ランニングコストを低く抑えることができる。
【0013】
更に、本発明方法は、凝集剤の貯留及び添加設備や固液分離装置の設置面積が少なく、また、運転管理も容易であることから、特に、ダイオキシン類が高濃度である排水や大容量の排水を処理する場合に適している。
【0014】
次に、本発明に係る方法では、前記第一凝集工程と前記第一固液分離工程の間に、高分子凝集剤を添加して凝集フロックの粗大化を行う手段を採用することによって、凝集処理が施された被処理水を固液分離し易い状態に整えることができる。同様に、前記第二凝集工程と前記第二固液分離工程の間においても、必要に応じて、高分子凝集剤を添加して、凝集フロックの粗大化を行うように工夫することもできる。
【0015】
また、前記第二凝集工程においては、無機凝集剤と粉末活性炭を併用するように工夫することによって、溶解性のダイオキシン類又は未凝集のコロイダルに付着したダイオキシン類を粉末活性炭に吸着又は収着させることによって、これを処理水側に実質的に全くリークさせることなく固液分離することができるようになる。
【0016】
この結果、ダイオキシン類含有液中から、無機凝集剤によって懸濁性物質やコロイド状物質などの固形物に吸着された状態のダイオキシン類を凝集し、かつ粉末活性炭によって溶解性のダイオキシン類と未凝集のコロイダルに付着したダイオキシン類を効果的に除去することができる。
【0017】
粉末活性炭は、その表面にダイオキシン類を吸着するだけでなく、その細孔内部にもダイオキシン類を収着させる作用を発揮するので、ダイオキシン類との接触面積が多く、効率良くダイオキシン類を捕捉することができる。
【0018】
更に、本発明では、前記第二固液分離工程から得られる分離水を砂ろ過処理等のろ過処理を行うことによって、前記分離水のダイオキシン類濃度が、依然として目標の排水基準濃度に達していない場合又は達していないおそれがある場合でも、処理水中のSSを安定して除去できるとともに、ダイオキシン類濃度が確実に排水基準濃度以下となった処理水を得ることができる。前記ろ過処理は、主に設備コストやランニングコストが安いという理由から、砂ろ過処理が好適である。
【0019】
以上のように、本発明に係るダイオキシン類含有液の処理方法は、主に、▲1▼設備面積が少ない、▲2▼運転管理がし易い、▲3▼コスト(初期コスト及びランニングコスト)が安い、以上▲1▼〜▲3▼の利点を備え、確実に排水基準値以下のダイオキシン類濃度までにダイオキシン類を除去できる排水処理技術であるという技術的意義を有している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るダイオキシン類含有液の処理方法の好適な工程フロー及び設備構成を示す図である。
【0021】
まず、図1中の符号Rは、処理対象となる原水(ダイオキシン類含有液)を示している。この原水Rは、特に限定されず、ダイオキシン類を含有する水溶液であればよい。例えば、ゴミ焼却炉その他の焼却炉の排ガスに接触された洗煙排水、最終処分場の浸出水、埋立浸出水、亜鉛回収施設、アルミニウム合金製造施設、塩ビモノマー製造施設、PCB処理施設、紙パルプ工場、鉄鋼用電気炉、火力発電所からの洗煙排水、ダイオキシンを含有する焼却灰や飛灰を洗浄した洗浄水等の水溶液を挙げることができる。
【0022】
ダイオキシン類としては、例えば、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロジベンゾ−p−ジオキシン、1,2,3,4,6,7,8,9−オクタクロロジベンゾ−p−ジオキシンなどのポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン類、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラン、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン、2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン、1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾフラン、2,3,4,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,8−ヘプタクロロジベンゾフラン、1,2,3,4,7,8,9−ヘプタクロロジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,8,9−オクタクロロジベンゾフランなどのポリ塩化ジベンゾフラン、コプラナーPCBなどを挙げることができる。さらに、本発明方法によれば、ダイオキシン前駆体なども処理することができる。
【0023】
本発明に係るダイオキシン類含有液の処理方法は、原水Rに対して無機凝集剤を添加して凝集を行う第一凝集工程と、該工程から送られてくる被処理水を固液分離する第一固液分離工程と、該工程によって得られた分離水に無機凝集剤を添加して凝集を行う第二凝集工程と、該工程から送られてくる被処理水を固液分離する第二固液分離工程と、を含む。以下、各工程について説明する。
【0024】
<第一凝集工程>
図1の符号1は、原水Rを最初に導入して貯留する第一混和槽を示しており、この第一混和槽1において、符号X1で示されている凝集剤槽に貯留しておいた無機凝集剤Fを所定量添加する。この際、必要に応じてpH調整剤(図示せず)を添加する。
【0025】
無機凝集剤Fは、本発明の目的に沿って、ダイオキシン類の凝集作用を発揮できる物であれば、特に限定されない。例えば、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄などを挙げることができる。
【0026】
符号10は、前記第一混和槽1の後に配置された第一凝集槽を示している。この第一凝集槽10では、添加された無機凝集剤Fによって、懸濁性物質やコロイド状物質などの固形物に吸着された状態で存在している原水R中のダイオキシン類の凝集反応を行う。
【0027】
この第一凝集槽10において、凝集フロック形成が充分でない状態でない場合等では、後続の固液分離処理が行い易いようにするために、図1中において符号Y1で示された高分子凝集剤槽から高分子凝集剤Pを添加し、凝集フロックの粗大化を促進するようにする。
【0028】
高分子凝集剤Pは、本発明の目的に沿って、ダイオキシン類の凝集フロックの粗大化を促進できる有機高分子系の薬剤であれば、特に限定されない。例えば、カチオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤などを挙げることができる。
【0029】
<第一固液分離工程>
以上説明した第一凝集工程に続いて、第一固液分離工程を行う。符号100は、凝集沈殿分離による第一固液分離装置を簡略に表している。この固液分離装置100は、図示されたような凝集沈殿分離に限定されず、デカンテーショーン、浮上分離、膜分離、濾過、遠心分離等を適宜選択できる。
【0030】
この第一固液分離装置100で固液分離された汚泥は、汚泥脱水機101で脱水処理され、その脱水液102は、上記第一混和槽1に返送される。なお、符号103は、汚泥脱水機101から得られる脱水ケーキを表している。
【0031】
<第二凝集工程>
続いて、第一固液分離装置100から得られる分離水S1を、第二混和槽2に導き、この分離水S1に対して符号X2で示された凝集剤槽から、再び無機凝集剤fを添加する。この際、必要に応じてpH調整剤を添加する。
【0032】
この無機凝集剤fは、上記第一凝集工程で添加した上記無機凝集剤Fと同じものでも別のものでもよいが、同じものを使用することによって、調剤作業や薬剤管理作業を容易化することができ、また、凝集剤槽X2を、第一凝集工程の凝集剤槽X1と共通化することによって、設備の簡素化、設備設置面積の削減を図ることができる。
【0033】
無機凝集剤fに加えて、第二混和槽2に対して、粉末活性炭Cを添加してもよい。この粉末活性炭Cは、分離水S1に残留溶解しているダイオキシン類を吸着又は収着する作用を発揮する。
【0034】
次に、第二混和槽2から送られてきた被処理水は、続いて配置された第二凝集槽20に導かれ、ここで二回目の凝集反応が行われる。この第二凝集槽20において、高分子凝集剤槽Y2から高分子凝集剤pを添加し、凝集フロックの粗大化を促進するようにする。
【0035】
前記高分子凝集剤pは、上記第一凝集工程で採用した高分子凝集剤Pと同じものでも別のものでもよいが、同じ薬剤を使用することによって、薬剤の調剤作業や管理作業を簡略することができ、また、高分子凝集剤槽Y2を、上記高分子凝集剤槽Y1と共通化することによって、設備の簡素化、設備設置面積の削減を図ることができる。
【0036】
<第二固液分離工程>
前記第二凝集槽20において、凝集フロックの形成がなされた被処理水は、続いて配置された第二固液分離装置200に導入される。この第二固液分離装置200は、上記第一固液分離装置100と同様に、凝集沈殿分離に限定されず、デカンテーショーン、浮上分離、膜分離、濾過、遠心分離等を適宜選択できる。
【0037】
第二固液分離装置200で固液分離された結果得られた汚泥は、汚泥脱水機201で脱水処理され、その脱水液202は、上記第二混和槽2に返送される。なお、符号203は、汚泥脱水機201から得られる脱水ケーキを表している。汚泥脱水機201から得られる脱水液202は、第一混和槽1に返送してもよい。
【0038】
<後処理工程>
第二固液分離装置200から得られる分離水S2は、中和処理等を経て処理水として放流してもよいが、必要により、分離水S2を後続の砂ろ過処理装置等のろ過処理装置3に通水する。
【0039】
ろ過処理装置3から得られたろ液Dは、必要に応じて、塩酸等で中和した後に、放流する。逆流を必要とするろ過処理装置の場合は、逆流水は、第二混和槽に逆送して処理する。
【0040】
【実施例】
原水として、化学工場の排水中に含まれたダイオキシン類に汚染された汚泥を浚渫し、一旦沈殿させて、固液分離して得られた上澄水を用いた。この原水の性状は、測定の結果、SS310mg/L、ダイオキシン類2740pg−TEQ/μg−SS及び849pg−TEQ/Lであった。
【0041】
なお、ダイオキシン類濃度は、「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準分析測定マニュアル」(平成9年2月厚生省生活衛生局環境部環境整備課)に従って測定し、ダイオキシン類各成分の実測濃度に毒性等価係数(TEF)を乗じて求めた毒性等量(TEQ)の総和として算出した。
【0042】
一回目の凝集及び沈殿処理を、無機凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)の添加率100mg/L、高分子凝集剤(ポリアクリルアミド系)の添加率1mg/Lの条件で行ったところ、SS6mg/L、ダイオキシン類17pg−TEQ/Lであった。
【0043】
続く、二回目の凝集及び沈殿処理を、無機凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)の添加率100mg/L、高分子凝集剤(ポリアクリルアミド系)の添加率1mg/Lの条件で行ったところ、SS5mg/L、ダイオキシン類4.2pg−TEQ/Lの処理水を得ることができ、排水基準である10pg−TEQ/L以下の条件を充分満足できた。即ち、凝集及び沈殿処理を二回繰り返すことによって、処理水のダイオキシン類濃度を排水基準以下にすることができた。
【0044】
【比較例】
無機凝集剤と高分子凝集剤の添加量を増やした条件で、凝集及び沈殿処理を一段階のみ行った。具体的には、無機凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)の添加率500mg/L、高分子凝集剤(ポリアクリルアミド系)の添加率2mg/Lの条件で一回のみ凝集及び沈殿処理を行った。
【0045】
この結果、SS5mg/L、ダイオキシン類13pg−TEQ/Lであった。即ち、凝集剤の添加量を増やしても、一段階のみの凝集及び沈殿処理では、排水基準である10pg−TEQ/L以下のダイオキシン類濃度を達成できなかった。以上の実施例及び比較例の結果を表1にまとめた。
【0046】
【表1】
*排水基準以下であることを示している。
【0047】
前掲した表1に示された実施例と比較例の結果から、ダイオキシン類含有原水に対して、無機凝集剤500mg/L、高分子凝集剤2mg/Lを添加する条件で、一段階のみ凝集沈殿を行った比較例よりも、無機凝集剤を一回目と二回目に各々100mg/L添加し(計200mg)、高分子凝集剤を一回目と二回目に各々1mg/L添加(計2mg/L)する条件で、二段階に分けて凝集沈殿を行った実施例の方が、無機凝集剤の総添加量が対比較例の40%(200÷500)であるのにもかかわらず、処理水のダイオキシン類濃度は対比較例の32%(4.2÷13)まで低下させることができた。
【0048】
また、上記表1からも理解できるように、実施例では、1回目の凝集沈殿が終了した時点での分離水のダイオキシン類濃度は17pg−TEQ/Lであったが、二回目の凝集沈殿処理によって、処理水のダイオキシン類濃度を4.2pg−TEQ/Lまで急激に低下させることができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係るダイオキシン類含有液の処理方法によれば、確実に排水基準値以下のダイオキシン類濃度までにダイオキシン類を除去できる。また、本発明方法は、設備費が安価であり、運転管理がし易すい。凝集工程を二段に分けることにより、一段で行った場合と比較して、より少量の無機凝集剤で足りるという優れた効果を得ることができるため、無機凝集剤の総使用コスト(初期コスト及びランニングコスト)を低く抑えることができ、しかも促進酸化処理設備等の高価な設備を使用しないので、設備コストも安い。このため、本発明方法は、特に、ダイオキシン類が高濃度の排水や大容量排水を対象とする場合に有利である。
【0050】
第二凝集工程において、無機凝集剤に加えて、粉末活性炭を使用すれば、原水溶解性のダイオキシン類や凝集し難いコロイダルに付着したダイオキシン類を粉末活性炭に吸着又は収着できるので、固液分離によって、より確実にダイオキシン類を処理水から除去できる。
【0051】
二段階にわたる凝集及び固液分離工程に加えて、後処理として砂ろ過等のろ過処理を行うようにすれば、処理水中のSSを安定して除去できるとともに、より確実にダイオキシン類濃度を排水基準値以下とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイオキシン類含有液の処理方法の好適な工程フロー及び設備構成を示す図
【符号の説明】
1 第一混和槽
2 第二混和槽
3 ろ過処理装置
10 第一凝集槽
20 第二凝集槽
100 第一固液分離装置
200 第二固液分離装置
F,f 無機凝集剤
P,p 高分子凝集剤
R 原水
Claims (6)
- ダイオキシン類含有液に対して無機凝集剤を添加して凝集を行う第一凝集工程と、該工程から送られてくる被処理水を固液分離する第一固液分離工程と、該工程によって得られた分離水に無機凝集剤を添加して凝集を行う第二凝集工程と、該工程から送られてくる被処理水を固液分離する第二固液分離工程と、を含むダイオキシン類含有液の処理方法。
- 前記第一凝集工程と前記第一固液分離工程の間に、高分子凝集剤を添加して凝集フロックの粗大化を行うことを特徴とする請求項1記載のダイオキシン類含有液の処理方法。
- 前記第二凝集工程と前記第二固液分離工程の間に、高分子凝集剤を添加して、凝集フロックの粗大化を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイオキシン類含有液の処理方法。
- 前記第二凝集工程では、無機凝集剤と粉末活性炭を併用することを特徴とする請求項1記載のダイオキシン類含有液の処理方法。
- 前記第二固液分離工程から得られる分離水をろ過処理することを特徴とする請求項1記載のダイオキシン類含有液の処理方法。
- 前記ろ過処理は、砂ろ過処理であることを特徴とする請求項5記載のダイオキシン類含有液の処理方法。
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