JP2006239507A - 有機ヒ素化合物含有水の処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機ヒ素化合物含有水を鉄粉を用いて効率的に処理し得る有機ヒ素化合物含有水の処理方法を提供する。
【解決手段】 有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉を添加して有機ヒ素化合物を酸化分解するとともに、この酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着するものである。
【効果】 酸化分解と吸着の両方の反応に安価な鉄粉を利用するため、有機ヒ素化合物の酸化分解反応、無機ヒ素の吸着反応ともに低コストで行うことができる。また、吸着反応の前にフェントン反応を行うため、有機ヒ素化合物が無機ヒ素に分解されると同時に3価ヒ素は5価ヒ素へと酸化されるため、鉄粉への効率的な吸着ができる。また、過酸化水素による鉄粉表面の酸化反応が起きるため、効率よく無機ヒ素を吸着できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機ヒ素化合物含有水の処理方法及び装置に関し、詳細には、有機ヒ素化合物含有水中の有機ヒ素化合物を酸化分解して無機化した後、無機ヒ素を鉄粉に吸着して除去する処理方法及び装置に関するものである。
近年、井戸水から旧日本軍の化学兵器に由来するとみられる高濃度の有機ヒ素化合物が検出され問題となっている。この有機ヒ素化合物の中には、非常に毒性の強いものもあり、このような有機ヒ素化合物を環境を汚染することなく完全に無機ヒ素に分解して処理する必要がある。
一方、鉄イオンと過酸化水素が反応すると酸化力の強いOHラジカルが生成し、化学物質等の有機物を酸化分解できることが知られている。この反応はフェントン反応と呼ばれる。
上記フェントン反応を利用した処理では、通常、鉄イオンの供給源として、硫酸鉄、塩化鉄等の鉄化合物が用いられるが、鉄イオンの代わりに鉄粉を用いて有機物を分解する方法が提案されている(特開2001−286876号公報(特許文献1)、特開2003−300083号公報(特許文献2)参照)。
特許文献1に提案の処理方法は、難分解性化学物質含有排水に酸化剤(特に好ましい例として過酸化水素)を添加した後、該排水を金属触媒(特に好ましい例として鉄粉)層に通水して反応させるというものである。処理対象となる難分解性化学物質は、界面活性剤、ジメチルスルホキシド、アルキルフェノール類、有機塩素化合物類、ホルモン様活性を示す化学物質等である。そして、この提案の処理方法によれば、低コスト、低エネルギーで、且つ大量のスラッジを発生することなく、難分解性化学物質を含有する排水を処理することができる、とされている。
特許文献2に提案の処理方法は、原水のCODを低減させる廃水処理方法において、少なくとも、鉄粉入りの反応槽中に前記原水のCOD濃度に対して酸素量として1/20〜1倍の濃度となるように酸化剤を添加し、攪拌するものである。処理対象となる原水は、工場や畜産農場などから発生する産業廃水である。そして、この提案の処理方法によれば、安価な鉄粉を無駄なく使用するだけでなく、余剰汚泥の発生量を低減することができるので経済的である、また、色度はもとよりCODを低減させることができる、とされている。
一方、無機ヒ素を除去する処理としては、活性アルミナ、酸化セリウム、鉄化合物、鉄粉等を用いて吸着除去できることが知られている。鉄粉を用いて無機ヒ素を吸着除去する従来技術としては、例えば、特開2003−39080号公報(特許文献3)、特開2000−51835号公報(特許文献4)などが挙げられる。
特許文献3に提案の地下水浄化方法は、鉄粉と、鉄酸化物及び鉄水酸化物の混合物とを含む構成材料を用いて地中に壁状領域を構築し、ヒ素を含んだ汚染地下水を通過させて浄化するものである。そして、この浄化方法によれば、ヒ素で汚染された地下水を原位置において効果的に浄化できる、とされている。
特許文献4に提案の鉄粉を用いた土壌の浄化方法は、ヒ素等の重金属で汚染された土壌に対し、水と鉄粉と重金属の移動を促す薬剤を加えて攪拌し、土壌中の重金属を鉄粉に吸着させた後、湿式磁選機などを用いて鉄粉を土壌から分離するものである。そして、この浄化方法によれば、ヒ素等の重金属で汚染された土壌から重金属を鉄粉に吸着させ、これを磁選機によって物理的に選別分離するという簡単な工程で汚染土壌を清浄化できる、とされている。
特開2001−286876号公報 特開2003−300083号公報 特開2003−39080号公報 特開2000−51835号公報
上記のように、鉄粉を利用して有機物を分解処理する方法と、無機ヒ素を鉄粉で吸着除去する方法は知られているが、有機ヒ素化合物含有水を鉄粉を用いて分解処理と合せて吸着処理するという従来技術は無かった。
そこで、本発明の目的は、有機ヒ素化合物含有水を鉄粉を用いて効率的に処理し得る有機ヒ素化合物含有水の処理方法及び装置を提供するものである。
上記の目的を達成するため、本発明(請求項1)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理方法は、有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉を添加して有機ヒ素化合物を酸化分解するとともに、この酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着するものである。この処理方法によれば、有機ヒ素化合物含有水中で有機ヒ素化合物の酸化分解による無機化と無機ヒ素の鉄粉への吸着の両方が行われるので、有機ヒ素化合物含有水を効率的に処理できる。
本発明(請求項2)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理方法は、有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素を添加した後、該水を鉄粉層に通水して有機ヒ素化合物を酸化分解し、この酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着するものである。この処理方法によれば、鉄粉層で有機ヒ素化合物の酸化分解による無機化と無機ヒ素の鉄粉への吸着の両方が行われるので、有機ヒ素化合物含有水を効率的に処理できる。
本発明(請求項3)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理方法は、有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉を添加して有機ヒ素化合物を酸化分解するとともに、該水を鉄粉層に通水して酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着するものである。この処理方法によれば、有機ヒ素化合物含有水中で有機ヒ素化合物の酸化分解による無機化と無機ヒ素の一部鉄粉への吸着が行われた後、鉄粉層で無機ヒ素の鉄粉への吸着が行われるので、有機ヒ素化合物含有水を効率的に処理できる。
また、上記の目的を達成するため、本発明(請求項4)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置は、有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉のそれぞれを添加し有機ヒ素化合物を酸化分解するとともに、この酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着する酸化分解・吸着槽と、この酸化分解・吸着槽の下流に鉄粉を沈殿分離する沈殿分離槽を備えたものである。
本発明(請求項5)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置は、有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素を添加する過酸化水素添加槽と、この過酸化水素添加槽の下流に有機ヒ素化合物酸化分解させるとともに、その酸化分解により生成した無機ヒ素を吸着する鉄粉を充填した鉄粉充填槽を備えたものである。
本発明(請求項6)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置は、有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉のそれぞれを添加し有機ヒ素化合物を酸化分解する酸化分解槽と、この酸化分解槽の下流に鉄粉を沈殿分離する沈殿分離槽と、更にこの沈殿分離槽の下流に酸化分解により生成した無機ヒ素を吸着する鉄粉を充填した鉄粉充填槽を備えたものである。
本発明によれば、酸化分解と吸着の両方の反応に安価な鉄粉を利用するため、有機ヒ素化合物の酸化分解反応、無機ヒ素の吸着反応ともに低コストで行うことができる。また、無機ヒ素は3価の形態と5価の形態があり、鉄系化合物や鉄粉で無機ヒ素を除去する場合、3価よりも5価の方が処理効率が高いことが知られている。本発明では吸着反応の前にフェントン反応を行うため、有機ヒ素化合物が無機ヒ素に分解されると同時に3価ヒ素は5価ヒ素へと酸化されるため、鉄粉への効率的な吸着ができる。また、酸化鉄は無機ヒ素をよく吸着するため、鉄粉表面が酸化されると無機ヒ素を吸着しやすくなる。本発明では過酸化水素による鉄粉表面の酸化反応が起きるため、効率よく無機ヒ素を吸着できる。
以下、本発明の実施形態に係る有機ヒ素化合物含有水の処理方法及び装置を図面を参照して説明する。図1は、本発明(請求項1と4)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置の概念図である。
この有機ヒ素化合物含有水の処理装置1は、基本構造として、酸化分解・吸着槽2と、この酸化分解・吸着槽2の下流に接続された沈殿分離槽3とを備えて構成されている。酸化分解・吸着槽2には、有機ヒ素化合物含有水の供給装置4、過酸化水素の添加装置5、鉄粉の添加装置6がそれぞれ接続されるとともに、本例では更に酸の添加装置7、アルカリ剤の添加装置8が接続されている。
上記有機ヒ素化合物含有水の処理装置1による有機ヒ素化合物含有水の処理方法は次のようにして行われる。まず、有機ヒ素化合物含有水が有機ヒ素化合物含有水供給装置4より酸化分解・吸着槽2に供給され、更に過酸化水素と鉄粉が過酸化水素添加装置5と鉄粉添加装置6のそれぞれより添加され、この添加により有機ヒ素化合物が酸化分解・吸着槽2内で酸化分解され無機化されるとともに、この酸化分解により生成した無機ヒ素が鉄粉に吸着される。その後、酸化分解・吸着処理された処理水を鉄粉と共に沈殿分離槽3に送り、この沈殿分離槽3で鉄粉を沈殿分離し、処理水は排水し、沈殿分離した鉄粉は吸着能力が有るうちは必要により再使用される。
また、本例では、酸化分解・吸着槽2に酸添加装置7、アルカリ剤添加装置8が接続されているが、これは、フェントン反応は酸性の方が効率よく進むため、酸を使って有機ヒ素化合物含有水のpHを2〜6に調整することが好ましいためと、鉄粉への吸着は中性付近のpHで行わせることが好ましいためであって、酸性に調整した場合は、フェントン反応終了後、アルカリ剤を使ってpH5〜8に調整することが好ましいためである。しかし、pHを好ましい範囲に調整しない場合でも、酸化分解反応、吸着反応ともに、効率は悪くなるが反応は進行するため、pHを調整しない方法で処理することも充分可能である。
図2は、本発明(請求項2と5)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置の概念図である。
この有機ヒ素化合物含有水の処理装置11は、基本構造として、過酸化水素添加槽12と、この過酸化水素添加槽12の下流に接続された鉄粉充填槽13とを備えて構成されている。過酸化水素添加槽12には、有機ヒ素化合物含有水の供給装置14、過酸化水素の添加装置15がそれぞれ接続され、本例では更に酸の添加装置16が接続されている。また、鉄粉充填槽13には、アルカリ剤の添加装置17が接続されている。
上記有機ヒ素化合物含有水の処理装置11による有機ヒ素化合物含有水の処理方法は次のようにして行われる。まず、有機ヒ素化合物含有水が有機ヒ素化合物含有水供給装置14より過酸化水素添加槽12に供給され、更に過酸化水素が過酸化水素添加装置15より添加される。この後、この過酸化水素が添加された有機ヒ素化合物含有水を鉄粉充填槽13に通水する。この鉄粉充填槽13内を通る過程で有機ヒ素化合物は酸化分解され無機化されるとともに、この酸化分解により生成した無機ヒ素が鉄粉に吸着される。酸化分解・吸着処理された処理水は排水し、鉄粉充填槽13内の鉄粉は吸着能力が無くなるまで使用される。
なお、本例でも、過酸化水素添加槽12に酸添加装置16、鉄粉充填槽13にアルカリ剤添加装置17が接続されているが、これは、上述の実施形態での説明と同様の理由によるものである。
図3は、本発明(請求項3と6)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置の概念図である。
この有機ヒ素化合物含有水の処理装置21は、基本構造として、酸化分解・吸着槽22と、この酸化分解・吸着槽22の下流に接続された沈殿分離槽23と、沈殿分離槽23の下流に接続された鉄粉充填槽24とを備えて構成されている。酸化分解・吸着槽22には、有機ヒ素化合物含有水の供給装置25、過酸化水素の添加装置26、鉄粉の添加装置27がそれぞれ接続されるとともに、本例では更に酸の添加装置28が接続されている。また、本例では、酸化分解・吸着槽22と沈殿分離槽23との間にアルカリ剤の添加装置29を備える中和槽30が接続されている。
上記有機ヒ素化合物含有水の処理装置21による有機ヒ素化合物含有水の処理方法は次のようにして行われる。まず、有機ヒ素化合物含有水が有機ヒ素化合物含有水供給装置25より酸化分解・吸着槽22に供給され、更に過酸化水素と鉄粉が過酸化水素添加装置26と鉄粉添加装置27のそれぞれより添加され、この添加により有機ヒ素化合物が酸化分解・吸着槽22内で酸化分解され無機化されるとともに、この酸化分解により生成した無機ヒ素が鉄粉に吸着される。その後、酸化分解・吸着処理された処理水を鉄粉と共に中和槽30を通過させて沈殿分離槽23に送り、この沈殿分離槽23で鉄粉を沈殿分離し、沈殿分離した鉄粉は吸着能力を有するうちは必要により再使用される。一方、鉄粉を沈殿分離した処理水は更に鉄粉充填槽24に通水され、この鉄粉充填槽24内を通る過程で処理水内に残存する無機ヒ素が鉄粉に吸着されて、より無機ヒ素の少ない処理水として排水される。
なお、本例でも、酸化分解・吸着槽22に酸添加装置28、酸化分解・吸着槽22と沈殿分離槽23との間にアルカリ剤添加装置29を備える中和槽30が接続されているが、これは、上述の実施形態での説明と同様の理由によるものである。
上述の有機ヒ素化合物含有水の処理方法においては、鉄粉の性状は特に限定されない。また、図1と図3における鉄粉の添加量は、処理対象とする有機ヒ素化合物含有水の性状によって異なるが、0.1〜500g/Lとなるように添加することが好ましい。これは、0.1g/L以下ではフェントン反応がほとんど進まず、500g/L以上では効果が飽和してほとんど変わらないためである。また、過酸化水素の添加量は、処理対象とする有機ヒ素化合物含有水の性状によって異なるが、1〜10,000mg/Lとなるように添加することが好ましい。これは、1mg/L以下ではフェントン反応がほとんど進まず、10,000mg/L以上では効果が飽和してほとんど変わらないためである。
また、上述の有機ヒ素化合物含有水の処理方法において処理される有機ヒ素化合物としては、例えば、アルセノベタイン(AsB)、メチルアルソン酸(MAA)、ジメチルアルシン酸(DMAA)、フェニルアルソン酸(PAA)、トリフェニルアルシン(TPA)、ジフェニルアルシン酸(DPAA)、フェニルメチルアルシン酸(PMAA)などがある。
以下、上述した本発明に係る有機ヒ素化合物含有水の処理方法の実施例を説明する。
(実施例1)
図1のように構成される装置1を用いて、100mg/Lのジフェニルアルシン酸(DPAA)を含有する水(原水)の処理を次の要領で行った。
まず、10Lの原水を酸化分解・吸着槽2に入れ、硫酸によってpHを4に調整した。また、50g/Lの鉄粉(平均粒径70μm)を酸化分解・吸着槽2に添加した。この後、鉄粉が均一に分散するように酸化分解・吸着槽2内を攪拌しながら、過酸化水素を1時間当たり200mg/Lとなるように連続的に添加した。6時間反応後、水酸化ナトリウム(NaOH)でpHを6に調整し、さらに4時間攪拌した。この後、沈殿分離槽3で、鉄粉を沈殿させ、上澄み液(排水)のDPAA濃度とヒ素濃度を測定した。その測定結果を表1に示す。
Figure 2006239507
表1より明らかなように、処理後のDPAA濃度とヒ素濃度は処理前のそれより大きく低減されていることが分かる。
(実施例2)
図2のように構成される装置11を用いて、100mg/Lのジフェニルアルシン酸(DPAA)を含有する水(原水)の処理を次の要領で行った。
まず、10Lの原水を過酸化水素添加槽12に入れ、硫酸によってpHを3に調整し、更に200mg/Lとなるように過酸化水素を添加した。次いで、その原水を、ポンプにより流入速度をコントロールして鉄粉充填槽13の下部より滞留時間が24時間となるように連続的に流入させた。また、鉄粉充填槽13の上部から3分の1の高さの部位からNaOHを、添加後のpHが6となるように添加した。鉄粉充填槽13を経た処理水(排水)のDPAA濃度とヒ素濃度を測定した。その測定結果を表2に示す。
なお、鉄粉充填槽13は容量10Lで鉄粉(平均粒径70μm)と4号珪砂が重量比で1:1となるように混合したものを充填した。4号珪砂は平均粒径70μmの細かい鉄粉を使用したため、透水性を確保するために混ぜたものである。
Figure 2006239507
表2より明らかなように、処理後のDPAA濃度とヒ素濃度は処理前のそれより大きく低減されていることが分かる。
(実施例3)
図3のように構成される装置21を用いて、100mg/Lのジフェニルアルシン酸(DPAA)を含有する水(原水)の処理を次の要領で行った。
10Lの原水を酸化分解・吸着槽22に入れ、硫酸によってpHを4に調整した。また、10g/Lの鉄粉(平均粒径70μm)を酸化分解・吸着槽22に添加した。この後、鉄粉が均一に分散するように酸化分解・吸着槽22内を攪拌しながら、過酸化水素を1時間当たり200mg/Lとなるように連続的に添加した。6時間反応後、中和槽30にてNaOHでpHを6に調整し、沈殿分離槽23に送って鉄粉を沈殿させ、上澄み液(処理水)を鉄粉充填槽24の下部より滞留時間が6時間となるように流入させた。鉄粉充填槽24を経た処理水(排水)のDPAA濃度とヒ素濃度を測定した。その測定結果を表3に示す。
なお、鉄粉充填槽24は容量10Lで鉄粉(平均粒径70μm)と4号珪砂が重量比で1:1となるように混合したものを充填した。
Figure 2006239507
表3より明らかなように、処理後のDPAA濃度とヒ素濃度は処理前のそれより大きく低減されていることが分かる。
本発明(請求項1と4)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置の概念図である。 本発明(請求項2と5)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置の概念図である。 本発明(請求項3と6)に係る有機ヒ素化合物含有水の処理装置の概念図である。
符号の説明
1:有機ヒ素化合物含有水処理装置 2:酸化分解・吸着槽
3:沈殿分離槽 4:有機ヒ素化合物含有水の供給装置
5:過酸化水素添加装置 6:鉄粉添加装置
7:酸添加装置 8:アルカリ剤添加装置
11:有機ヒ素化合物含有水処理装置 12:過酸化水素添加槽
13:鉄粉充填槽 14:有機ヒ素化合物含有水供給装置
15:過酸化水素添加装置 16:酸添加装置
17:アルカリ剤添加装置
21:有機ヒ素化合物含有水処理装置 22:酸化分解・吸着槽
23:沈殿分離槽 24:鉄粉充填槽
25:有機ヒ素化合物含有水供給装置 26:過酸化水素添加装置
27:鉄粉添加装置 28:酸添加装置
29:アルカリ剤添加装置 30:中和槽

Claims (6)

  1. 有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉を添加して有機ヒ素化合物を酸化分解するとともに、この酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着することを特徴とする有機ヒ素化合物含有水の処理方法。
  2. 有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素を添加した後、該水を鉄粉層に通水して有機ヒ素化合物を酸化分解し、この酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着することを特徴とする有機ヒ素化合物含有水の処理方法。
  3. 有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉を添加して有機ヒ素化合物を酸化分解するとともに、該水を鉄粉層に通水して酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着することを特徴とする有機ヒ素化合物含有水の処理方法。
  4. 有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉のそれぞれを添加し有機ヒ素化合物を酸化分解するとともに、この酸化分解により生成した無機ヒ素を鉄粉に吸着する酸化分解・吸着槽と、この酸化分解・吸着槽の下流に鉄粉を沈殿分離する沈殿分離槽を備えたことを特徴とする有機ヒ素化合物含有水の処理装置。
  5. 有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素を添加する過酸化水素添加槽と、この過酸化水素添加槽の下流に有機ヒ素化合物酸化分解させるとともに、その酸化分解により生成した無機ヒ素を吸着する鉄粉を充填した鉄粉充填槽を備えたことを特徴とする有機ヒ素化合物含有水の処理装置。
  6. 有機ヒ素化合物含有水に過酸化水素と鉄粉のそれぞれを添加し有機ヒ素化合物を酸化分解する酸化分解槽と、この酸化分解槽の下流に鉄粉を沈殿分離する沈殿分離槽と、更にこの沈殿分離槽の下流に酸化分解により生成した無機ヒ素を吸着する鉄粉を充填した鉄粉充填槽を備えたことを特徴とする有機ヒ素化合物含有水の処理装置。
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