JP2010000415A - 重金属汚染水の処理方法、処理材、及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を、簡易且つ経済的に浄化することが可能な重金属汚染水の処理方法、処理材、及び処理装置を提供する。
【解決手段】本発明は、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を浄化するための重金属汚染水の処理方法であって、重金属汚染水を、鉄粉と砂との混合材に通水させるものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を浄化するための重金属汚染水の処理方法であって、重金属汚染水を、鉄粉と砂との混合材に通水させるものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、重金属汚染水の処理方法、処理材、及び処理装置に関する。
従来より、重金属(六価クロム、砒素など)に汚染された重金属汚染水を処理するための技術として、鉄粉法が知られている。この鉄粉法は、重金属汚染水に鉄粉を添加して、鉄粉による重金属の還元作用、及び鉄イオンによる重金属の共沈作用により、鉄粉の表面に重金属を吸着させて、重金属汚染水を浄化するというものである。
さらに近年では、鉄粉法を改良して鉄粉と砂を併用する技術が知られており、具体的には、六価クロム汚染水を、鉄粉と砂の混合層に通水させる技術(特許文献1参照)が知られている。このように鉄粉と砂を併用することにより、六価クロム汚染水を簡易且つ経済的に浄化することが可能となる。
特開2004−223472号公報
しかしながら、六価クロム汚染水以外の重金属汚染水(具体的には、砒素汚染水、鉛汚染水、セレン汚染水、及びカドミウム汚染水)については、未だ、鉄粉法の改良が進んでいないのが現状であり、これらについても、簡易且つ経済的に浄化することが可能な技術の開発が望まれている。
そこで、本発明は、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を、簡易且つ経済的に浄化することが可能な重金属汚染水の処理方法、処理材、及び処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を浄化するための重金属汚染水の処理方法であって、前記重金属汚染水を、鉄粉と砂との混合材に通水させることを特徴とする。
また、本発明は、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を浄化するための重金属汚染水の処理材であって、鉄粉と砂との混合材を含有することを特徴とする。
また、本発明は、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を浄化するための重金属汚染水の処理装置であって、前記重金属汚染水を、鉄粉と砂との混合材に通水させる通水手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を、簡易且つ経済的に浄化することが可能となる。
本発明者らは、砒素、鉛、セレン、カドミウムに汚染された重金属汚染水を、鉄粉と砂との混合材に通水させることにより、当該重金属汚染水を簡易且つ経済的に浄化することが可能であると考えた。そこで、本発明者らは、このことを確認するために、砒素汚染水を試験対象にして、次のような吸着カラム試験を実施した。図1は、その際に使用した試験装置の概略図である。
まず、本発明者らは、鉄粉10重量%と砂90重量%を混合させて、これを円筒カラム1(直経4cm)に充填して処理層10とした(図1参照)。処理層10の体積は、約50cm3であり、その上下両端部には、ガラスビーズ11,12が充填されている。
次に、本発明者らは、砒素汚染水を円筒カラム1の下部から上部へ通水させた。その際、砒素汚染水には、実験室で作成した砒素汚染水(砒素濃度;0.05〜1mg/l)、及び現場から採取した砒素汚染水(砒素濃度;0.05mg/l)を使用した。また、通水速度は、SVで4又は8とした。SVは、1時間当たりの処理水量(m3/h)/処理層の体積(m3)で表示される値である。そして、本発明者らは、一定の通水量ごとに浸出水を採取して、浸出水の砒素濃度(mg/l)を測定した。その測定結果を表1に示す。なお、同表1において、Qは全通水量を示し、Vは処理層10の体積を示す。また、pHは浸出水のpHである。
表1に示すように、砒素汚染水の砒素濃度が0.1mg/l以下(具体的には、0.05mg/l及び0.1mg/l)の場合には、処理後の砒素濃度の目標値を環境基準値(=0.01mg/l)に設定すれば、SVが4又は8のいずれの値のときであっても、Q/Vを適宜調節することにより、当該目標値をクリアすることが可能であった。また、砒素汚染水の砒素濃度が1mg/l以下の場合には、処理後の砒素濃度の目標値を排水基準値(=0.1mg/l)に設定すれば、SVが4又は8のいずれの値のときであっても、Q/Vを適宜調節することにより、当該目標値をクリアすることが可能であった。
続いて、本発明者らは、Q/Vと浸出水の砒素濃度(mg/l)との関係を調べるために、長期通水試験を実施した。この長期通水試験では、砒素濃度が異なる2種類の砒素汚染水(0.1mg/l、1mg/l)を使用しており、いずれもSV=4で通水させることとした。その結果を図2に示す。
図2は長期通水試験の結果を示すグラフであり、(a)は砒素濃度が0.1mg/lの砒素汚染水をSV=4で通水させたときのグラフ、(b)は砒素濃度が1mg/lの砒素汚染水をSV=4で通水させたときのグラフである。
図2(a)に示すように、砒素濃度が0.1mg/lの砒素汚染水をSV=4で通水させたときには、処理後の砒素濃度の目標値を環境基準値(=0.01mg/l)に設定すれば、Q/Vが約3500になるまで、当該目標値をクリアすることができた。また、図2(b)に示すように、砒素濃度が1mg/lの砒素汚染水をSV=4で通水させたときには、処理後の砒素濃度の目標値を排水基準値(=0.1mg/l)に設定すれば、Q/Vが約3500になるまで、当該目標値をクリアすることができた。
これらの結果から、本発明の如く、砒素汚染水を鉄粉と砂との混合材に通水させることにより、当該砒素汚染水の砒素濃度を所定の基準値(具体的には、環境基準値又は排水基準値)以下にすること、すなわち、砒素汚染水を浄化することが可能であることが判明した。また、本発明の如く、砒素汚染水を鉄粉と砂との混合材に通水させることは、簡易であり、しかも、砒素汚染水を高価な鉄粉のみからなる処理材に通水させる場合と比べると、低コストであり、経済的である。よって、本発明によれば、砒素汚染水を、簡易且つ経済的に浄化することが可能となる。
また、鉄粉による重金属の還元作用は、砒素以外の重金属(例えば、六価クロム、鉛、カドミウム、セレン、シアン、フッ素、ホウ素など)についても、広く認められることが知られているので、これらの重金属汚染水(具体的には、砒素、鉛、セレン、カドミウムに汚染された重金属汚染水)についても、砒素汚染水を処理する場合と同様の効果が得られるものと推測される。但し、本発明において、「重金属」とは、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも一種以上を意味するものである。
さらに、本発明の如く、砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を、鉄粉と砂との混合材に通水させる場合には、通水の際に、砂による攪拌作用によって、鉄粉若しくは鉄イオンと重金属との接触の機会が増加して、前述した鉄粉による重金属の還元作用、及び鉄イオンによる重金属の共沈作用が促進されることとなり、その結果、重金属汚染水が浄化されやすくなる。従って、本発明によれば、重金属汚染水を鉄粉のみ又は砂のみからなる処理材に通水させる場合と比べて、重金属汚染水を浄化する上で、より優れた効果が得られるものと推測される。
なお、本発明に係る重金属汚染水の処理装置としては、砒素、鉛、セレン、カドミウムに汚染された重金属汚染(例えば、砒素汚染水)を、鉄粉と砂との混合材に通水させる通水手段を備えているものが可能であり、具体的には、下降流ろ過方式のプラント(例えば、特開2004−223472号公報参照)や、連続式上流ろ過方式のプラントなどが可能である。また、本発明に係る重金属汚染水の処理材を、重金属で汚染された区域の地下水流を浄化するための透水性境界壁(例えば、特開2003−300064号公報参照)等として利用することも可能である。
1 円筒カラム
10 処理層(鉄粉と砂との混合材に相当する)
11,12 ガラスビーズ
10 処理層(鉄粉と砂との混合材に相当する)
11,12 ガラスビーズ
Claims (3)
- 砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を浄化するための重金属汚染水の処理方法であって、
前記重金属汚染水を、鉄粉と砂との混合材に通水させることを特徴とする重金属汚染水の処理方法。 - 砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を浄化するための重金属汚染水の処理材であって、
鉄粉と砂との混合材を含有することを特徴とする重金属汚染水の処理材。 - 砒素、鉛、セレン、カドミウムのうち少なくとも1種以上に汚染された重金属汚染水を浄化するための重金属汚染水の処理装置であって、
前記重金属汚染水を、鉄粉と砂との混合材に通水させる通水手段を備えていることを特徴とする重金属汚染水の処理装置。
Priority Applications (1)
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JP2008159440A JP2010000415A (ja) | 2008-06-18 | 2008-06-18 | 重金属汚染水の処理方法、処理材、及び処理装置 |
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JP2013176753A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-09-09 | Mitsubishi Materials Corp | 重金属含有水の処理方法及び重金属含有水の処理装置 |
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2008
- 2008-06-18 JP JP2008159440A patent/JP2010000415A/ja active Pending
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