JP2001302552A - 有機ハロゲン化合物処理方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物処理方法

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JP2001302552A
JP2001302552A JP2000119358A JP2000119358A JP2001302552A JP 2001302552 A JP2001302552 A JP 2001302552A JP 2000119358 A JP2000119358 A JP 2000119358A JP 2000119358 A JP2000119358 A JP 2000119358A JP 2001302552 A JP2001302552 A JP 2001302552A
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Akira Ariizumi
彰 有泉
Tetsuo Otsuka
哲郎 大塚
Masashi Kamiyama
昌士 神山
Toru Kondo
徹 近藤
Susumu Sekiguchi
晋 関口
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Nisso Engineering Co Ltd
Nippon Soda Co Ltd
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Nisso Engineering Co Ltd
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ金属等を用いた有機ハロゲン化合物等
の処理方法において、手間のかかる排水処理をすること
なく、短工程で有機ハロゲン化合物を含有する媒体を再
生することができ、しかも、処理設備を簡略化し、処理
費用を抑え、アルカリ成分を有効再利用できる処理方法
を提供すること。 【解決手段】(1)アルカリ金属ハロゲン化物及び過剰
のアルカリ金属等の除去に、水を用い、得られたアルカ
リ性排水から、水分を回収する工程を組み込むことで,
大規模な排水処理設備を用いることなく短工程で分解後
の後処理をすることができる。 (2)ある濃度以上のアルカリで媒体を洗浄することに
より、高極性成分を除去できる。 (3)アルカリ性排水の濃縮工程において、濃縮濃度を
調整することで操作性よく、アルカリ成分を他に再利用
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ポリ塩化ビフェニ
ール等の有機ハロゲン化合物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビフェニール等に代表される有
機ハロゲン化合物は,環境汚染物質として知られてお
り、無害化する処理方法が幾つか提案されている。中で
も、アルカリ金属またはアルカリ金属水酸化物を用いる
化学的処理方法は、安全でしかも確実に処理できること
から最も注目されている処理方法である。
【0003】しかし、アルカリ金属等を用いる化学的処
理方法は、 (1)電気絶縁油等の有機ハロゲン化合物を含む媒体
を、電気絶縁油、燃料油として再生するために、副生す
るアルカリ金属ハロゲン化合物、及び有機ハロゲン化合
物に対して大過剰に用いられたアルカリ金属等を有機ハ
ロゲン化合物を含む媒体から除去する必要があること。 (2)反応によって、また長期保存による劣化によって
生成した高極性成分が、副生するアルカリ金属ハロゲン
化合物等の高極性成分を媒体中に溶解させるため、これ
らを除去する必要があること。以上のような問題があっ
た。
【0004】(1)に対しては、例えば、特開平7−2
23974号公報に、炭化水素油中に含まれる多塩素化
芳香族化合物を、ポリエチレングリコールジアルキルエ
ーテル存在下、アルカリ金属水酸化物と反応させ、冷却
後、過剰のアルカリ金属水酸化物を固形分として回収
し、更に水を加えて炭化水素油と分離し、更に、水層か
ら蒸留によりポリエチレングリコールジアルキルエーテ
ルを回収することが記載されている。
【0005】また、特開平9−253602号公報に、
有機塩素化合物と過剰のアルカリとを、非プロトン性極
性溶媒中で、100℃〜300℃にて撹拌、混合して脱
塩素化反応を行い、冷却後、固形分が生成する場合は、
固液分離し、固形分より、低級アルコールを用いて過剰
のアルカリ成分を回収し、また、蒸留により、プロトン
性極性溶媒を回収することが記載されている。
【0006】(2)に対しては、特開平11−3003
16号公報に、有機物とアルカリや塩類などの無機物と
が混在した廃棄物から、無機物を回収する方法、更に詳
しくはPCBを分解した残渣から無機物を効率よく回収
する方法が記載されており、具体的には、有機物と無機
物との混在物を、水不溶性の極性溶媒、酸、水との存在
下におき中和し、水溶性の有機物を水不溶性の極性溶媒
層により抽出する前処理をして、無機物の回収を容易に
することが記載されている。
【0007】また、特開平11−92771号公報に
は、塩類及びアルカリを不純物として含有し、廃油中の
不純物の粒径が小さく、及び/又は廃油が劣化により副
生成物として、水との親和性が大きい官能基を有する有
機物を含有するため、沈降分離、遠心分離、濾過分離等
の固液分離によって不純物を完全には除去することがで
きない廃油について、固液分離後、水又は水溶液への抽
出により、更に好ましくは、固液分離に際し、あらかじ
め酸性白土等の処理剤へ不純物を吸着させ、更に水等へ
の抽出により燃料油又は絶縁油として再利用できること
が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの方法
においても、アルカリ金属化合物等を除去するために最
終的には水洗等の操作が必要となることから、その排水
処理の問題がある。また、後処理工程は、処理費、処理
設備の問題等とも関係してなるべく簡単な短工程である
ことが望まれている。更に、工業原料として安価なアル
カリ金属水酸化物は、回収して分解工程に再利用するこ
とも考えられるが、回収に要する費用、及び設備を考慮
した場合、安全な別の形で再利用する方が処理費用を安
価にすることができる。
【0009】また、上記の方法はいずれも水酸化ナトリ
ウム等のアルカリを用いた処理方法を前提としており、
アルカリ金属を用いた処理方法の後処理については、何
ら記載されていない。アルカリ金属を用いた場合、過剰
のアルカリ金属を除去する方法としては、媒体からの分
離回収が困難であることから、水等で分解する方法が考
えられる。しかし、この方法では、大量のアルカリ性排
水処理の問題がある。従来このアルカリ性排水は,中和
処理後,活性汚泥処理等の排水処理を経て環境中に放出
する必要があった。しかし,この様な排水処理は大規模
な処理設備を必要とし、その後の管理費用も多くかかる
等の問題を有していた。
【0010】以上のことより、本発明は、アルカリ金属
等を用いた有機ハロゲン化合物等の処理方法において、
手間のかかる排水処理をすることなく、短工程で有機ハ
ロゲン化合物を含有する媒体を再生することができ、し
かも、処理設備を簡略化し、処理費用を抑え、アルカリ
成分を有効再利用できる処理方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決しようとする手段】本発明者等は上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、(1)アルカリ金属ハ
ロゲン化物及び過剰のアルカリ金属等の除去に、水を用
い、得られたアルカリ性排水から、水分を回収する工程
を組み込むことで,大規模な排水処理設備を用いること
なく短工程で分解後の後処理をすることができること、
(2)ある濃度以上のアルカリで媒体を洗浄することに
より、高極性成分を除去できること、(3)アルカリ性
排水の濃縮工程において、濃縮濃度を調整することで操
作性よく、アルカリ成分を他に再利用できること、を見
出し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、(I)(1)アルカリ金
属又はアルカリを用いて有機ハロゲン化合物を分解する
工程、(2)分解終了後、水を添加して有機ハロゲン化
合物を含む媒体を水洗する工程、(3)水洗に用いられ
たアルカリ性洗浄液から、水分及びアルカリ成分を回収
する工程、(4)回収した水分を有機ハロゲン化合物を
含む媒体の水洗に再利用する工程を有することを特徴と
する有機ハロゲン化合物の処理方法、
【0013】(II)アルカリ金属がナトリウム分散体
であることを特徴とする(I)に記載の有機ハロゲン化
合物の処理方法、(III)水洗に用いるアルカリ性洗
浄水のアルカリ濃度が一定になるように水を添加するこ
とを特徴とする(I)に記載の有機ハロゲン化合物の処
理方法。(IV)アルカリの濃度が10〜40重量%で
あることを特徴とする(III)に記載の有機ハロゲン
化合物の処理方法、
【0014】(V)水洗に用いられたアルカリ性洗浄液
から、水分及びアルカリ成分を回収する工程において、
蒸発缶を用いてアルカリ成分を54〜65重量%に濃縮
し、60℃以上で蒸発缶から排出することを特徴とする
(I)に記載の有機ハロゲン化合物の処理方法、(V
I)水洗に用いられたアルカリ性洗浄液から、水分及び
アルカリ成分を回収する工程において、薄膜下降型蒸発
缶を用いることを特徴とする(I)に記載の有機ハロゲ
ン化合物の処理方法、に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の分解処理に供される有機
ハロゲン化合物とは,例えばポリ塩化ビフェニール(以
下本文中においてPCBと略す。)、ポリクロロジベン
ゾジオキシン、ポリクロロジベンゾフラン、1,2,3
−トリクロロ−4’−ニトロ−ビフェニルエーテル、ポ
リ塩化ベンゼン、フロン等の難分解性有機ハロゲン化合
物を例示する事ができる。これらの化合物は,環境中に
放出することが規制されている物質であり,ハロゲン部
分を分解処理した後廃棄しなければならない。PCBは
電気絶縁体としてコンデンサーに広く使用された化合物
であり,使用中止後,コンデンサーから抜き取られ保存
されているが、代替品としてその後用いられた電気絶縁
油中にも汚染物質として残存している。
【0016】本発明に用いられるアルカリ金属としては
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、又はこれらの合金等を例示することができるが、取
り扱いの容易さ、及び反応性を考慮した場合、ナトリウ
ムがもっとも好ましく、更に反応性を考慮すとナトリウ
ム分散体が好ましい。ナトリウム分散体は、公知の方法
で製造することができ、金属ナトリウムを、流動パラフ
ィン、デカリン等の脂肪族炭化水素系、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素系、ケロシン、電気絶縁油(ト
ランスオイル)等の溶媒中、ナトリウムを100〜13
0℃に加熱溶融する方法がとられる。特に電気絶縁油中
で製造されたナトリウム分散体は安定性、分散性、反応
性に優れている。尚、電気絶縁油とは、日本工業規格J
IS2380も記載された1種〜7種までのコンデンサ
ー等に用いられる電気絶縁のための油であり、中でも第
1種の電気絶縁油が好ましい。
【0017】分解反応に用いられるナトリウム分散体の
溶媒は、その際の溶媒として有機ハロゲン化合物の分解
反応に用いるものと同一でも良いし又異なっていても良
い。又事前にステアリン酸アルミ等の分散剤や凝集防止
剤を加えても良く、溶媒として高粘度溶媒の様なアルカ
リ金属分散体を安定化させるものを用いる場合には、分
散剤、凝集防止剤を加えなくとも良い。
【0018】又、アルカリ金属分散体中のアルカリ金属
濃度は任意の濃度のものが使用可能であるが、5〜50
%程度のものが好ましい。アルカリ金属分散体の平均粒
径は20μm以下、好ましくは10μm以下のものが良
い。アルカリ金属分散体の添加量は有機ハロゲン化合物
中のハロゲン原子1原子モルに対して1〜50倍当量、
好ましくは1.05〜20倍当量が用いられる。
【0019】アルカリとしては,具体的には,水酸化リ
チウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸
化マグネシウム等を例示することができ、これらの群の
中から選んだ1種又は複数を使用することが好ましく、
2種以上を混合して使用してもよい。性状は特に制限さ
れず,粒状,フレーク状,紛状等何れのものも使用する
ことができる。アルカリの添加量は、PCB等の芳香族
は俚諺化合物の例えば塩素に対して10当量〜300当
量用いるのが好ましい。
【0020】有機ハロゲン化合物を分解する工程は,電
気絶縁油中に含まれるPCBを分解する場合を例にとる
と、(1)PCBが含有する電気絶縁油中に水酸化ナト
リウム等のアルカリ、高沸点オレフィン化合物、及び/
又は触媒の存在下、250℃〜400℃、好ましくは3
20℃〜360℃に加熱する方法、(2)PCBが含有
する電気絶縁油中に水酸化ナトリウム等のアルカリ、ス
ルホラン、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル
等の非プロトン性極性溶媒存在下、100℃〜300
℃、好ましくは150℃〜250℃に加熱する方法、
(3)電気絶縁油中で調整されたナトリウム分散体とP
CBが含有する電気絶縁油を室温〜200℃の範囲で加
熱する方法、(4)電気絶縁油中で調整されたナトリウ
ム分散体とPCBが含有する電気絶縁油を室温〜200
℃の範囲で加熱しながら,水,低級アルコール等の活性
水素化合物を添加する方法、等を例示することができ
る。
【0021】有機ハロゲン化合物が溶媒等の媒体中に含
まれていない場合、分解反応は無溶媒中で直接アルカリ
金属等反応させることもできるが、適当な溶媒で希釈し
て分解反応に用いるのが好ましい。用いられる溶媒とし
ては、アルカリ金属等に対して不活性な溶媒であれば特
に制限させないが、具体的には、ヘキサン、シクロヘキ
サン、デカリン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系、ケロシン、電気
絶縁油等の溶媒を例示することができる。また、(4)
の方法において添加する活性水素化合物としては、水、
メタノール、酢酸等の低分子化合物等を例示することが
でき、その添加量は、用いるナトリウム分散体に対し2
倍モル以下、好ましくは0.1〜1.5倍モル用いるの
が好ましい。
【0022】また、分解反応は、安全のために、窒素、
アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
本発明は、分解反応終了後、生成するアルカリ金属ハロ
ゲン化物、及び過剰のアルカリ金属等を除去するため
に、固液分離等の操作を行わずに、直接水を添加するこ
とを特徴とする。添加する水の量は、生成するアルカリ
金属ハロゲン化合物、及び過剰のアルカリ金属等を溶解
できる量以上であれば特に制限されないが、後の水分及
びアルカリ成分回収工程における蒸留工程を安定的に操
業するためには、使用するアルカリ金属等の量にかかわ
らず、アルカリ水溶液の濃度が一定になるように水を添
加するのが好ましい。また、アルカリ水溶液の濃度は、
常温で固化する濃度以下であれば特に制限されない。例
えば、電気絶縁油中のPCBを電気絶縁油を溶媒として
アルカリ金属を用いて処理する場合、先に述べたように
高極性成分が生成する場合がある。この高極性成分は,
中性〜弱アルカリ性では電気絶縁油中に全部または一部
溶解しているため、処理後の電気絶縁油を再利用する場
合には、そのものが、金属ハロゲン化合物等を溶解する
ため、問題となることがある。
【0023】本発明において、この高極性成分は、強ア
ルカリ性では,水,及び電気絶縁油に不溶なタール状成
分として析出することを見出した。即ち、アルカリ濃度
を10〜40重量%,更に好ましくは15〜30重量%
の範囲にして分解後の電気絶縁油等の媒体を洗浄するこ
とにより、懸濁することなく分液し、しかも媒体中に
は、金属ハロゲン化合物等の無機物質が溶解することも
ない。また、後の蒸留工程においても、水分量が少ない
ほうが蒸留効率の面でも好ましい。尚、生成したタール
状成分は、水分及びアルカリ成分回収工程において、ア
ルカリ成分と一緒に回収することができる。
【0024】水分及びアルカリ成分回収工程は、アルカ
リ金属ハロゲン化物や過剰のアルカリ金属等を分解及び
溶解させたアルカリ性洗浄液を加熱し、水分を蒸発、冷
却して回収する工程、残査からアルカリ成分を回収する
工程からなる。水分を蒸発させる工程は、工業的に通常
用いられる強制循環型蒸発缶、自然循環型蒸発缶、薄膜
上昇型蒸発缶、薄膜下降型蒸発缶いずれも使用すること
ができる。又、蒸発缶を単一でも又多重効用缶で使用し
て行うことができる。中でも,蒸留効率,また装置の大
きさ等を考慮すると薄膜下降型の蒸発缶を用いるのが好
ましい。水分を蒸発、冷却する工程においては、一部飛
散するアルカリミスト成分は、例えば冷却工程前にミス
トセパレーターを設置することで完全に除去することが
できる。
【0025】蒸発残査に含まれる成分としては、アルカ
リ金属水酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、前記した
タール状物質等である。分解にアルカリ金属等を過剰に
用いた場合、用いられたアルカリ金属等の残査であるア
ルカリ金属水酸化物が主成分となる。これらを、通常の
産業廃棄物として処理、もしくは焼却灰の中和剤等とし
て再利用する場合、固形状で輸送するのが好ましい。し
かし、蒸発工程に蒸発乾固されたり、更に乾燥工程を設
けることは、操作上、又は設備上の問題がある。本発明
では、アルカリ成分を54〜65重量%に濃縮し、60
℃以上で蒸発缶から排出させることにより、濃縮成分は
流動性を保持し、取り扱いが容易になり、しかもドラム
缶詰め等して冷却した場合、室温で容易に固化するため
輸送するのに有利になることを見出し、上記課題を解決
することができた。
【0026】蒸発缶により蒸発した水は、コンデンサー
により冷却回収され、分解後の洗浄用の水として再利用
される。また、蒸発工程より排出される蒸気は、分解工
程、又多重効用管の場合、他の効用管の熱源としても利
用することができる。このことにより、水が直接環境中
に排出されることはなく、したがって排水処理施設を新
たに設ける必要がなくなった。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲は、実施例に限定されるものではな
い。
【0028】実施例 図1にPCBを含有する電気絶縁油をナトリウム分散体
を用いて分解処理する工程の概略図を示す。反応は、P
CB含有絶縁油4、ナトリウム分散体6を反応槽1に仕
込み、窒素気流下、90〜100℃に加熱しながら、水
等の活性化剤5を添加しながら反応を行う。反応液を分
析し、PCBが検出しなくなったところで反応を終了し
た。反応液は、冷却後処理層10に移送され、新たな補
給水11及び回収水14をアルカリ濃度が15%になる
ように撹拌しながら添加した。ナトリウムの分解により
水素が発生するため、窒素(12)気流下で行い、水素
は窒素と共に除害装置(13)を経て放出される。必要
に応じてこの操作は2回繰り返して行われる。静置後、
2層に分離し処理油層15は、順次酸中和処理(18、
21)、活性白土処理(22、24)を経て貯槽され
る。再生された電気絶縁油の性状を第1表に示す。
【0029】
【表1】
【0030】以上の結果より、再生油中には、塩化ナト
リウムも含まれておらず、電気絶縁油として、また、燃
料油としての再利用が可能となった。酸中和工程で用い
られた水槽(27)は、蒸発缶に供給され、水分は回収
され、塩類は他のアルカリ成分と一緒に回収される。静
置後、水にも処理油にも不溶のタール状の高極性成分
(16)を分離することができた。このタール状の成分
を分析したところ第2表に示す成分であった。
【0031】
【表2】
【0032】以上の結果より、タール状成分は、無害で
あり、産業廃棄物として処理することができる。また、
量が少ない時は、蒸発工程を経てアルカリ成分と一緒に
回収される。また、静置後アルカリ性洗浄液(17)は
一定速度で蒸発缶(28)に供給され、アルカリ濃度が
60%重量%になるようまで濃縮され、60℃で蒸発缶
から流動性のある液体(29)として排出され、ドラム
缶に充填され室温まで自然冷却したところ固化した。蒸
発した水蒸気(30)はアルカリミストセパレーター
(31)を通ってアルカリ分(32)を回収した後、コ
ンデンサー(33)により冷却され、回収水(14)と
して処理槽10に供給された。水分の回収率は97%以
上であった。回収水を用いることによる後処理工程への
影響はほとんどみられなかった。
【0033】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明の処理方法
を用いることにより、(1)短工程で電気絶縁油等の媒
体の後処理、再生が可能となり、(2)設備費の要する
排水処理設備を必要とせず、(3)中間に余分の処理を
用いる必要がないという従来にない利点があり、処理設
備をコンパクト化できると共に、処理費用を大幅に削減
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】PCBを含有する電気絶縁油をナトリウム分散
体を用いて分解処理する工程の概略図
【符号の説明】
1.反応槽 2.ジャケット 3.攪拌棒 4.PCB含有絶縁油 5.活性化剤 6.ナトリウム分散体 7.窒素 8.窒素除害 9.反応液 10.後処理槽 11.補給水 12.窒素 13.(窒素+水素)除害 14.回収水 15.処理油 16.高極性成分 17.アルカリ性洗浄水 18.水洗/中和槽 19.硫酸 20.水 21.分液槽 22.活性白土処理槽 23.活性白土 24.ろ過機 25.廃活性白土 26.再生油 27.水層 28.蒸発缶 29.(アルカリ+塩)成分 30.蒸気 31.アルカリミストセパレーター 32.アルカリ成分 33.コンデンサー
フロントページの続き (72)発明者 大塚 哲郎 新潟県中頸城郡中郷村大字藤沢950日本曹 達株式会社二本木工場生産技術研究所内 (72)発明者 神山 昌士 新潟県中頸城郡中郷村大字藤沢950日本曹 達株式会社二本木工場生産技術研究所内 (72)発明者 近藤 徹 新潟県中頸城郡中郷村大字藤原1070−3 日曹エンジニアリング株式会社信越事業所 内 (72)発明者 関口 晋 東京都千代田区神田神保町1丁目6番1号 日曹エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BD11 4D076 AA06 AA16 AA24 BA12 4H006 AA05 AC13 AC26 BB61 BC10 BE10 BE60 EA22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)アルカリ金属又はアルカリを用いて
    有機ハロゲン化合物を分解する工程、(2)分解終了
    後、水を添加して有機ハロゲン化合物を含む媒体を水洗
    する工程、(3)水洗に用いられたアルカリ性洗浄液か
    ら、水分及びアルカリ成分を回収する工程、(4)回収
    した水分を有機ハロゲン化合物を含む媒体の水洗に再利
    用する工程を有することを特徴とする有機ハロゲン化合
    物の処理方法。
  2. 【請求項2】アルカリ金属がナトリウム分散体であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の有機ハロゲン化合物の
    処理方法。
  3. 【請求項3】水洗に用いるアルカリ性洗浄水のアルカリ
    濃度が一定になるように水を添加することを特徴とする
    請求項1に記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。
  4. 【請求項4】アルカリの濃度が10〜40重量%である
    ことを特徴とする請求項3に記載の有機ハロゲン化合物
    の処理方法。
  5. 【請求項5】水洗に用いられたアルカリ性洗浄液から、
    水分及びアルカリ成分を回収する工程において、蒸発缶
    を用いてアルカリ成分を54〜65重量%に濃縮し、6
    0℃以上で蒸発缶から排出することを特徴とする請求項
    1に記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。
  6. 【請求項6】水洗に用いられたアルカリ性洗浄液から、
    水分及びアルカリ成分を回収する工程において、薄膜下
    降型蒸発缶を用いることを特徴とする請求項1に記載の
    有機ハロゲン化合物の処理方法。
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