JP3935758B2 - 有機ハロゲン化合物の無害化処理方法及び無害化処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを反応させる反応工程を備えた有機ハロゲン化合物の無害化処理方法及びその処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリ塩化ビフェニル(以下、「PCB」という場合がある。)、ダイオキシン類等の有機ハロゲン化合物は、環境汚染物質として知られており、近年、これらの有機ハロゲン化合物を如何に処理するかが問題となっている。
特に、PCBは、非常に化学的に安定しており分解され難く、しかも、絶縁性(電気抵抗)が高いことから、従前においてはトランスやコンデンサー等の絶縁材料や熱媒体等に頻繁に用いられていたため、従前から使用されていたものに対して如何に処理するかが重大な問題となっている。
【0003】
そして、従来、この種の有機ハロゲン化合物の無害化処理方法としては、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを反応させる反応工程を備えた方法が採用されている。
この方法によれば、反応工程により、有機ハロゲン化合物は、アルカリ金属により脱ハロゲン化され、無害化される。
ところで、この方法においては、有機ハロゲン化合物をそのまま反応させると、反応後の脱ハロゲン化物同士が重合することにより、タール状重合物を生成し、高粘度となって反応を円滑に行えなくなる。
従って、このような事態の発生を抑制すべく、有機ハロゲン化合物に対して相溶性(即ち、有機ハロゲン化合物を溶解又は分散させうる性質)を有する有機溶媒で有機ハロゲン化合物を希釈して有機ハロゲン化合物を有機溶媒中に存在させる希釈工程を反応工程の前に予め行うこと等により、反応工程において、有機溶媒中で有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを反応させている。
【0004】
そして、従来、前記有機溶媒としては、人体に対して安全性が高いことから電気絶縁油(JIS C2320−1993の鉱油、特に同1種の鉱油)を使用し、有機ハロゲン化合物の無害化処理を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機溶媒として電気絶縁油を用いた上記従来の方法は、電気絶縁油が硫黄分や不飽和結合、−OH基、−O−基を有する成分を含むため、電気絶縁油がアルカリ金属と反応し、アルカリ金属を消費したり、また、電気絶縁油が極性基を有するため、極性基が空気中の水分を取り込み、この水分がアルカリ金属を消費したりすることから、反応工程において多くのアルカリ金属を浪費とするという問題を有している。
そして、このアルカリ金属が高価であるため、その消費量低減が強く求められている。
また、上記従来の方法は、電気絶縁油が不飽和結合を有するため、電気絶縁油同士が重合したり、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化物と重合したりすることがあり得、有機溶媒たる電気絶縁油が高粘度のタール状重合物の生成原料となるという問題を有している。
更に、電気絶縁油の粘度が比較的高いため、反応工程に於ける有機ハロゲン化合物とアルカリ金属との反応に時間がかかったり、反応に多量のアルカリ金属を必要とする等、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属との反応性が悪く、しかも、この反応によって放出された反応熱を速やかに放出できず、反応工程に於ける温度制御が煩雑であるという問題をも有している。
【0006】
そこで、上記従来の問題点に鑑み、本発明は、有機溶媒中で有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを反応させる反応工程を備えた有機ハロゲン化合物の無害化処理方法及びそのシステムであって、人体に対して安全性の高い有機溶媒を用いつつも、反応工程においてアルカリ金属量が浪費される虞を低減でき、有機溶媒がタール状重合物の生成原料となる虞も少なく、しかも、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属との反応性が良好で、反応工程に於ける温度制御の簡便な有機ハロゲン化合物の無害化処理方法及びそのシステムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来の問題点に鑑み鋭意検討した結果、下記手段によって上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明に係る有機ハロゲン化合物の無害化処理方法は、有機ハロゲン化合物を希釈用の溶媒で希釈することにより、有機溶媒中に前記有機ハロゲン化合物を存在させる希釈工程(1)と、希釈工程(1)後に、有機溶媒中で有機ハロゲン化合物をアルカリ金属と反応させる反応工程(2)と、前記反応工程(2)の後、生成したハロゲン化アルカリ金属塩を水に抽出させるべく、前記有機溶媒に水を混合する水和工程(3)と、該水和工程(3)の後、比重分離により前記有機溶媒を前記水と分離する分離工程(4)とを備えた有機ハロゲン化合物の無害化処理方法であって、
別途、有機ハロゲン化合物に汚染された汚染物を有機溶媒で洗浄すると共に洗浄廃液の一部から蒸留により有機溶媒を分離して洗浄に再利用する洗浄工程(20)を備え、洗浄工程(20)による洗浄廃液を前記希釈用の溶媒として利用し、前記分離工程(4)にて分離された前記有機溶媒を前記洗浄工程(20)の洗浄に再利用し、更に、前記有機溶媒として、炭素数9〜13のノルマルパラフィンを使用することを特徴とする。
【0008】
斯かる方法に於いては、有機溶媒として使用する炭素数9〜13のパラフィンが、デカリン等に比して人体に対する安全性が非常に高いと言う利点を有している。
そして、斯かる方法によれば、炭素数9〜13のパラフィンが有機ハロゲン化合物に対して相溶性を有することから、該パラフィン中で有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを反応させることができる。即ち、該パラフィンを用いて、反応工程を実施することができる。
この際、パラフィンが不飽和結合やアルカリ金属と反応する硫黄分や−OH基、−O−基を有さず安定であることから、アルカリ金属を消費する虞も少なく、しかも、パラフィンが極性を有さないため、水との相溶性も殆どなく空気中の水を取り込む虞も殆どないことから、水によってアルカリ金属が消費される虞も殆どなく、反応工程においてアルカリ金属量が浪費される虞を低減することができる。
また、パラフィン同士が重合したり、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化物と重合したりする虞が低減され、有機溶媒がタール状重合物の生成原料となる虞も低減される。
さらに、炭素数9〜13のパラフィンが、従来の電気絶縁油よりも低粘度であるため、反応時に於けるアルカリ金属が該パラフィン中で良好に分散し、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属との反応を短時間にできたり、反応に必要なアルカリ金属量を低減できる等、これらの反応性が良好となる。
例えば、従来の電気絶縁油を用いた場合に、反応させるために化学当量よりも3倍以上必要とされていたアルカリ金属量を、2.4〜2.8倍程度に低減することもできる。
しかも、電気絶縁油よりも低粘度であるが故、反応熱を速やかに放出し易く、反応工程に於ける温度制御も簡便となる。
尚、反応工程における反応温度は、通常、120℃程度とされるが、用いるパラフィンは、炭素数9以上であることから、沸点は150.8℃以上となり、有機溶媒が沸騰する虞も殆どなく、安全に反応工程を行うことができる。
【0009】
本発明における有機ハロゲン化合物としては、例えば、PCB、ダイオキシン類、ハロゲンを有するジベンゾフラン類、ポリ塩化ベンゼン、塩化メチレン或いはこれらに含まれる塩素原子が臭素原子に置換された臭素化物等の有害な有機ハロゲン化合物を挙げることができる。
また、アルカリ金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム等を挙げることができ、中でも反応速度、取扱いの容易さからナトリウムが好ましい。これらは通常、分散媒に分散されたアルカリ金属分散体の状態で使用される。
尚、アルカリ金属分散体の分散媒としては、従来周知のものを使用できる。
但し、前記有機溶媒と同種のものが好ましい。
斯かる分散媒であれば、反応工程の後に、有機溶媒を分離して再利用する方法を採用する場合においては、分散媒を有機溶媒と共に分離して再利用することができる。
【0010】
本発明に於いて、前記パラフィンとしては、ノルマルパラフィンが好ましい。
ノルマルパラフィンは、第3級炭素を有しないため、他のパラフィンよりもアルカリ金属によって脱プロトン化されにくく、より一層アルカリ金属を消費する虞が少なく、しかも、タール状重合物の生成原料となる虞もより一層低減する。
【0011】
更に、本発明においては、前記反応工程の前に、前記有機ハロゲン化合物を前記有機溶媒で希釈することにより、前記有機溶媒中に前記有機ハロゲン化合物を存在させる希釈工程と、前記反応工程の後、生成したハロゲン化アルカリ金属塩を水に抽出させるべく、前記有機溶媒に水を混合する水和工程と、該水和工程の後、比重分離により前記有機溶媒を前記水と分離する分離工程とを備え、
前記分離工程により分離された前記有機溶媒を前記希釈工程にて再利用するのが好ましい。
従来の電気絶縁油は、硫黄分や不飽和結合、−OH基、−O−基を有する成分が、反応工程に於ける反応熱によって酸化され、エステルやカルボン酸等を含むこととなるため、水和工程や分離工程において、カルボン酸ナトリウムのタール状物(ミセル)を生成するという問題を有すると共に、再利用した場合には、エステルやカルボン酸がアルカリ金属を消費し、更に、水和工程にて絶縁油が水を取り込み該水がアルカリ金属を消費するため、水を除去すべく減圧蒸留が必要であるという問題を有していたが、斯かる方法によれば、パラフィンが酸化されにくく、水和工程にて水を取り込む虞も少ない為、上述の如き問題の発生する虞も少なく、何度も再利用でき、希釈用の有機溶媒の使用量を低減することができる。
特に、ノルマルパラフィンが他のパラフィンよりも酸化安定性に優れている為、ノルマルパラフィンを用いた場合には、より一層再利用が可能となる。
尚、本発明に於いて、比重分離としては、静置により分離する静置分離や、遠心分離等を採用でき、特に静置分離を採用することが好ましい。
静置分離であれば、遠心分離に比して、装置が単純で、しかも、分離する為のコストも比較的安価となる。
【0012】
また、本発明においては、前記反応工程の前に、前記有機ハロゲン化合物に汚染された汚染物を前記有機溶媒で洗浄することにより、前記汚染物中の前記有機ハロゲン化合物を前記有機溶媒中に存在させる洗浄工程と、前記反応工程の後、生成したハロゲン化アルカリ金属塩を水に抽出させるべく、前記有機溶媒に水を混合する水和工程と、該水和工程の後、比重分離により前記有機溶媒を前記水と分離する分離工程とを備え、
前記分離工程により分離された前記有機溶媒を前記洗浄工程にて再利用するのが好ましい。
斯かる方法によれば、同様に、パラフィン、特にノルマルパラフィンが酸化されにくく、水和工程にて水を取り込む虞も少ない為、上述の如き問題の発生する虞も少なく、何度も再利用でき、コンデンサーやトランス等の汚染物を洗浄する洗浄用の有機溶媒の使用量を低減することができる。
また、従来、洗浄後、洗浄廃液を全て蒸留することにより、有機ハロゲン化合物を分離し、この分離された有機ハロゲン化合物を電気絶縁油で再度希釈した後、反応工程に移行するという方法を採用していたが、斯かる方法によれば、洗浄廃液の全てを蒸留して電気絶縁油で希釈し直す必要がないため、作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
本発明に係る有機ハロゲン化合物汚染油の無害化処理システムは、有機ハロゲン化合物を希釈用の溶媒で希釈することにより、有機溶媒中に前記有機ハロゲン化合物を存在させる希釈部(1)と、該希釈部(1)にて希釈された有機ハロゲン化合物を有機溶媒中でアルカリ金属と反応させる反応部(2)と、前記反応部(2)を経て生成したハロゲン化アルカリ金属塩を水に抽出させるべく、前記有機溶媒に水を混合する水和部(3)と、比重分離により前記有機溶媒を該水和部(3)にて混合された水と分離する分離部(4)とを備えた有機ハロゲン化合物の無害化処理システムであって、
別途、有機ハロゲン化合物に汚染された汚染物を有機溶媒で洗浄すると共に洗浄廃液の一部から蒸留により有機溶媒を分離して洗浄に再利用する洗浄部(20)を備え、洗浄部(20)による洗浄廃液を前記希釈用の溶媒として利用し、前記分離部(4)にて分離された前記有機溶媒を前記洗浄部(20)の洗浄に再利用するように構成されてなることを特徴とする。
斯かる構成からなる有機ハロゲン化合物の無害化処理システムによれば、本発明の方法を好適に実施することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態として、有機ハロゲン化合物として、トランスやコンデンサー等の汚染物に含まれるPCBを例に取り、その無害化処理方法及びその無害化処理システムについて図面を参照しつつ説明する。
【0015】
先ず、そのシステムについて説明する。
図1は、本実施形態に於けるPCBの無害化処理方法及びそのシステムを示す概略フロー図である。
図1に示すように、本実施形態のシステムは、PCBに有機溶媒を加えることにより該PCBを希釈する希釈部1と、該希釈部1にて希釈されたPCBを有機溶媒中でナトリウムと反応させる反応部2と、反応部2を経て生成した塩化ナトリウムを水に抽出させるべく、有機溶媒に水を混合する水和部3と、有機溶媒を水和部3にて混合された水と分離する分離部4とを備えて構成されている。
更に、本実施形態に於いては、PCB汚染物を洗浄することにより、汚染物中の有機ハロゲン化合物を有機溶媒中に存在させる洗浄部20を備え、該洗浄部20は、洗浄廃液(即ち、分離除去したPCB及び洗浄に使用した有機溶媒)を希釈用の溶媒として希釈部1に供給するように構成されている。
【0016】
前記希釈部1は、PCBを有機溶媒(具体的には、前記洗浄部20から供給された洗浄廃液たるPCBの混ざった有機溶媒)で希釈し、PCB濃度を調整して前記反応部2に供給する濃度調整部18と、コンデンサーやトランス等の汚染物から抜き出されたPCBを貯留し、貯留したPCBを前記濃度調整部18に供給するPCB供給部10と、イソプロピルアルコールや水等の水素供与体を前記濃度調整部18に供給する水素供与体供給部11と、前記洗浄部から排出される洗浄廃液たるPCBの混ざった有機溶媒を前記濃度調整部18に供給する溶媒供給部12とを備えて構成されている。
尚、本実施形態に於いては、水素供与体として、イソプロピルアルコールが使用されている。
【0017】
前記洗浄部20は、汚染物の解体物を有機溶媒で洗浄する解体物洗浄部13、14を備えている。
更に、前記洗浄部20は、洗浄廃液の一部を蒸留することにより、洗浄廃液中の有機溶媒を留出液として留出させ、PCB濃度が濃縮された状態でPCBの混ざった有機溶媒を缶出液として缶出させ、それぞれ留出液を前記解体物洗浄部に洗浄用の有機溶媒として供給すると共に、缶出液を前記溶媒供給部12に供給する蒸留部15を備えている。
【0018】
前記解体物洗浄部13、14は、汚染物の解体物をPCBが残存する程度に洗浄(粗洗浄)する粗洗浄部13と、粗洗浄された解体物を、PCBが残存しない程度、即ち、卒業基準をクリアする程度にまで再度洗浄する本洗浄部14とを備えている。
尚、本実施形態に於いては、粗洗浄部13から排出される洗浄廃液の一部が前記溶媒供給部12に供給されるように構成され、残りの洗浄廃液及び本洗浄部14から排出される洗浄廃液が前記蒸留部15に供給されるように構成されている。
【0019】
前記反応部2は、前記希釈部1から供給されたPCBの混ざった有機溶媒にナトリウム分散体を供給するナトリウム供給部16を備えて構成されている。
前記水和部3は、反応部2にて生成した塩化ナトリウムを水に抽出させるべく、反応部2を経た有機溶媒に水を供給する水供給部17を備えている。
前記分離部4は、静置して分離する静置分離により、油層と水層に分離させ、有機溶媒を前記水和部3にて混合された水と分離するように構成されている。
分離部4により分離された水は、例えば、アルカリ廃水として排出されるように構成されている。
また、分離された有機溶媒のうち、加えられたナトリウム分散体の分散媒に相当する量のビフェニルの混ざった有機溶媒を排出しうるように構成されている。
更に、残された有機溶媒は、洗浄用の有機溶媒として前記洗浄部に供給されるように構成されている。
尚、本実施形態に於いては、前記有機溶媒として、例えば、炭素数9〜13のパラフィン、好ましくは、炭素数9〜13のノルマルパラフィン、より好ましくは、炭素数10〜12のノルマルパラフィンが使用されるようになっている。
【0020】
次に、本システムを用いたPCBの無害化処理方法について説明する。
先ず、トランスやコンデンサー等の汚染物からPCBを抜き出しPCB供給部に供給する。
<洗浄工程20、希釈工程1>
次いで、洗浄部20にて、有機溶媒たる炭素数9〜13のノルマルパラフィンを用いて汚染物を解体洗浄することにより、汚染物に付着したPCBを有機溶媒中に存在させ、濃度調整部18にて、洗浄廃液たるPCBの混ざった有機溶媒を用いて、汚染物から抜き出したPCBを希釈する。
【0021】
具体的には、先ず、汚染物を解体し、解体物洗浄部、即ち、粗洗浄部13及び本洗浄部14にて解体物を有機溶媒で洗浄する。
斯かる操作により、解体物に付着したPCBは、解体物から除去され、有機溶媒中に存在することとなる。
次いで、洗浄廃液たるPCBの混ざった有機溶媒の一部を溶媒供給部12に供給し、残りを蒸留部15に供給する。
詳しくは、粗洗浄部13で洗浄した洗浄廃液の一部を溶媒供給部12に供給し、残りの一部を蒸留部15に供給すると共に、粗洗浄部13で粗洗浄した解体物を再度本洗浄部14で廃棄しうるように洗浄し、洗浄廃液を蒸留部15に供給する。
【0022】
そして、蒸留部15において、洗浄廃液を蒸留し、留出液たる低濃度(0.5ppm以下)にPCBの混ざった有機溶媒(又はPCBの混ざっていない有機溶媒)を解体物洗浄部に於ける洗浄用として再利用し、缶出液たる高濃度(0.1〜20%)にPCBの混ざった有機溶媒を溶媒供給部12に供給する。
【0023】
次いで、PCB供給部10、水素供与体供給部11及び溶媒供給部12から濃度調整部18にそれぞれ、PCB、水素供与体、PCBの混ざった有機溶媒を供給することにより、PCB濃度を調整しながら、汚染物から抜き出したPCBを希釈する。
【0024】
次いで、希釈された状態のPCB(PCBの混ざった有機溶媒)を反応部2に供給し、反応工程2に移行する。
【0025】
〈反応工程2〉
反応工程2においては、先ず、PCBの混ざった有機溶媒に、ナトリウム供給部16からナトリウム分散体を供給し、有機溶媒中でPCBとナトリウムとを反応させる。
このとき、ナトリウム分散体の供給量を反応に必要な化学当量の2.4〜2.8倍とする。
ナトリウム分散体の分散媒としては、前記有機溶媒と同種のものを使用するのが好ましいが、電気絶縁油(JIS C 2320の鉱油)等を使用することもできる。
尚、反応させる際、反応温度を90〜120℃の温度範囲に調整する。
反応により、PCBはナトリウムにより脱塩素化(無害化)され、脱塩素化されたビフェニルは、イソプロピルアルコールから水素が供与され、その重合が抑制される。また、反応により、有機溶媒中には、ビフェニル、塩化ナトリウム、未反応のナトリウム等が存在することとなる。
【0026】
反応終了後、上述の如く、ビフェニル、塩化ナトリウム、未反応のナトリウムの混ざった有機溶媒を反応部2から水和部3に供給し、水和工程3に移行する。
【0027】
<水和工程3>
水和工程3においては、反応工程2を経た有機溶媒に水供給部17から水を供給し混合する。
斯かる操作により、有機溶媒中の塩化ナトリウムは、水に抽出され、未反応のナトリウムは、水に分解されて抽出される。尚、未反応のイソプロピルアルコールやナトリウムイソプロポキシドも同様に水に抽出される。
次いで、有機溶媒及び混合された水を分離部4に供給し、分離工程4に移行する。
【0028】
〈分離工程4〉
分離工程4においては、静置分離により、有機溶媒を水と分離する。好ましくは、更に、脱ハロゲン化物たるビフェニルと分離する。
具体的には、先ず、静置し5℃以下に冷却することにより、水層と油層に層分離させる。この時、有機溶媒に溶解したビフェニルは、水層と油層との中間部に析出することになる。
次いで、層分離した有機溶媒の層たる上澄み層を回収し、洗浄工程20に於ける洗浄用の有機溶媒として再利用する。
斯かる操作により、ビフェニルの殆ど混ざっていない有機溶媒を回収し再利用することができる。
尚、ビフェニルを廃棄し、更に、分散媒として加えた量相当する量だけ有機溶媒を廃油として廃棄する。
分離した水は、廃アルカリとして処分する。若しくは、適宜生物処理及び活性炭処理等の処理を施して廃水として放流する。或いは、蒸留等により、水やアルコールを分離回収し、水を水和工程にて再利用したり、水やアルコールを水素供与体として再利用することも可能である。
【0029】
尚、本実施形態の有機ハロゲン化合物の無害化処理方法及びそのシステムは、上記如き構成を採用したが、本発明の有機ハロゲン化合物の無害化処理方法及びそのシステムは、上記構成に限定されず適宜設計変更可能である。
例えば、本実施形態に於いては、水素供与体としてイソプロピルアルコールを用いたが、他のアルコールや水等を用いる場合であっても本発明の意図する範囲内である。
但し、水素供与体としては、イソプロピルアルコール等のアルコールを用いるのが好ましい。
アルコール、特にイソプロピルアルコールは、炭素数9〜13のノルマルパラフィンとの相溶性に非常に優れることから、これらの水素供与体を用いることにより、有機溶媒中に水素供与体が均一に広がることとなり、反応工程において、反応により脱塩素化された状態のビフェニルに直ちに水素を供与することができ、ビフェニル同士の重合したタール状重合物の生成をより一層抑制することができる。
【0030】
また、本実施形態に於いて、希釈工程1としては、洗浄工程20の洗浄廃液である有機ハロゲン化合物の混ざった有機溶媒を用いて、有機ハロゲン化合物の希釈を行ったが、本発明に於いては、洗浄工程20を備えず、有機ハロゲン化合物を含まない有機溶媒を用いて、有機ハロゲン化合物の希釈を行う希釈工程1を採用しても良い。
さらに、希釈工程を備えず、洗浄工程20のみを備える場合、即ち、有機溶媒で洗浄することにより有機ハロゲン化合物を有機溶媒中に存在させた洗浄廃液を、そのまま反応部2に供給して反応工程2に移行する場合であっても本発明の意図する範囲内である。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1
PCBを炭素数11〜12のノルマルパラフィン(商品名「NSクリーン」、日鉱石油化学(株)社製)で希釈し、PCB濃度13.8重量%の液を252g調整し、更に、IPAを28g加えて供試液を調整した。
次いで、予め所定量のナトリウム分散体を注入した2Lセパラブルフラスコ内に、所定圧窒素雰囲気下、温度を90℃で保ちつつ、前記供試液を滴下した。滴下後、3時間、90℃で保持しつつフルゾーン翼を用いて攪拌した。
3時間後、供試液に残存するPCBの濃度を、迅速分析法(HRGC−ECD)で測定した。
尚、供試液の滴下量を、それぞれ、PCBの塩素に対するナトリウムのモル比(Na/Clモル比)が2.25、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、3.0となるように調整し、各滴下量毎に、供試液に残存するPCB濃度を測定した。
測定結果を下記表1に△で示す。また、具体的な数値を下記表2に示す。
【0032】
比較例
実施例のノルマルパラフィンに代えて、電気絶縁油(出光トランスフォーマオイルH)を使用し、滴下量をそれぞれ、モル比が2.8、3.0、3.23となるように調整した以外は、実施例と同条件で、供試液に残存するPCB濃度を測定した。
測定結果を下記表1に◆で示す。
【0033】
【表1】
【表2】
【0034】
表1から明らかなように、PCBを希釈する有機溶媒として、炭素数11〜12のノルマルパラフィンを用いたものは、ナトリウムの使用量が少ないにも関わらず、PCBが十分に分解されており、有機溶媒として炭素数11〜12のノルマルパラフィンを用いることにより、反応性が向上することが認められる。
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る有機ハロゲン化合物の無害化処理方法及び無害化処理システムは、人体に対して安全性の高い有機溶媒を用いつつも、反応工程においてアルカリ金属量が浪費される虞を低減でき、有機溶媒がタール状重合物の生成原料となる虞も少なく、しかも、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属との反応性が良好で、反応工程に於ける温度制御の簡便となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の有機ハロゲン化合物の処理方法及び処理システムを示す概略フロー図。
【符号の説明】
1・・・希釈部(希釈工程)、20・・・洗浄部(洗浄工程)、18・・・濃度調整部、2・・・反応部(反応工程)、3・・・水和部(水和工程)、4・・・分離部(分離工程)
Claims (4)
- 有機ハロゲン化合物を希釈用の溶媒で希釈することにより、有機溶媒中に前記有機ハロゲン化合物を存在させる希釈工程(1)と、希釈工程(1)後に、有機溶媒中で有機ハロゲン化合物をアルカリ金属と反応させる反応工程(2)と、前記反応工程(2)の後、生成したハロゲン化アルカリ金属塩を水に抽出させるべく、前記有機溶媒に水を混合する水和工程(3)と、該水和工程(3)の後、比重分離により前記有機溶媒を前記水と分離する分離工程(4)とを備えた有機ハロゲン化合物の無害化処理方法であって、
別途、有機ハロゲン化合物に汚染された汚染物を有機溶媒で洗浄すると共に洗浄廃液の一部から蒸留により有機溶媒を分離して洗浄に再利用する洗浄工程(20)を備え、洗浄工程(20)による洗浄廃液を前記希釈用の溶媒として利用し、前記分離工程(4)にて分離された前記有機溶媒を前記洗浄工程(20)の洗浄に再利用し、更に、前記有機溶媒として、炭素数9〜13のノルマルパラフィンを使用することを特徴とする有機ハロゲン化合物の無害化処理方法。 - 前記希釈工程(1)は、更に、有機ハロゲン化合物に水素供与体を供給する工程を有し、該水素供与体としてイソプロピルアルコールを用いる請求項1記載の有機ハロゲン化合物の無害化処理方法。
- 有機ハロゲン化合物を希釈用の溶媒で希釈することにより、有機溶媒中に前記有機ハロゲン化合物を存在させる希釈部(1)と、該希釈部(1)にて希釈された有機ハロゲン化合物を有機溶媒中でアルカリ金属と反応させる反応部(2)と、前記反応部(2)を経て生成したハロゲン化アルカリ金属塩を水に抽出させるべく、前記有機溶媒に水を混合する水和部(3)と、比重分離により前記有機溶媒を該水和部(3)にて混合された水と分離する分離部(4)とを備えた有機ハロゲン化合物の無害化処理システムであって、
別途、有機ハロゲン化合物に汚染された汚染物を有機溶媒で洗浄すると共に洗浄廃液の一部から蒸留により有機溶媒を分離して洗浄に再利用する洗浄部(20)を備え、洗浄部(20)による洗浄廃液を前記希釈用の溶媒として利用し、前記分離部(4)にて分離された前記有機溶媒を前記洗浄部(20)の洗浄に再利用するように構成されてなることを特徴とする有機ハロゲン化合物の無害化処理システム。 - 前記希釈部(1)では、有機ハロゲン化合物に水素供与体としてイソプロピルアルコールが供給される請求項3記載の有機ハロゲン化合物の無害化処理システム。
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