JP2000015088A - 有機ハロゲン化合物の処理方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の処理方法

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JP2000015088A JP18298998A JP18298998A JP2000015088A JP 2000015088 A JP2000015088 A JP 2000015088A JP 18298998 A JP18298998 A JP 18298998A JP 18298998 A JP18298998 A JP 18298998A JP 2000015088 A JP2000015088 A JP 2000015088A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ハロゲン化合物をアルカリ金属分散体に
より脱塩素分解処理する方法において、従来の方法より
も、より少ないアルカリ金属量で効率よく無害化処理す
ることが可能で、しかも用いる溶媒等を簡便に純度の高
い状態で回収して再利用することができる有機ハロゲン
化合物の処理方法を提供すること。 【解決手段】 有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散
体とを150℃から200℃の温度範囲において反応さ
せて有機ハロゲン化合物を処理する方法において、有機
ハロゲン化合物中のハロゲン原子1モルに対し1倍モル
以上2倍モル未満のアルカリ金属分散体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ハロゲン化合
物、例えばポリ塩化ビフェニール(以下、PCBと略記
する)類等の有機ハロゲン化合物を、アルカリ金属によ
り脱ハロゲン分解させて処理する有機ハロゲン化合物の
処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機ハロゲン化合物とアルカリ金
属分散体とを反応させて有機ハロゲン化合物を分解処理
する方法は知られており、例えば、本出願人による特開
昭49−82570号公報には、環境汚染物質であるP
CB類又はPCB類を含む有機溶媒溶液を分散状態にあ
るアルカリ金属と共に加熱処理する環境汚染物質の処理
方法が記載され、同じく本出願人による特開平9−21
6838号公報には、有機溶媒中でハロゲン化合物とア
ルカリ金属分散体とを、該有機溶媒と混じらない活性水
素化合物を加えて反応させるハロゲン化合物の分解方法
が記載されている。
【0003】また、特開昭59−20179号公報に
は、炭化水素ベースの油に溶解している有機ハロゲン化
物と溶融ナトリウム粒子群とを100〜160℃の温度
範囲で反応させ、有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化プロ
セスが記載され、カナダ特許第1142551号明細書
には、塩化ビフェニール組成物をアルカリ金属と加熱条
件下で反応させる塩化ビフェニール組成物の処理方法が
記載されている。そしてまた、奥彬らは日本化学会誌、
1978、(11)、p.1577〜1582におい
て、塩素原子に対して1当量から2当量の金属ナフタレ
ニドを用いPCBを処理する方法を報告している。
【0004】また従来、有機ハロゲン化合物例えばPC
Bと、アルカリ金属例えばナトリウムとは、反応式[R
Cl+2Na→RNa+NaCl]にしたがって反応す
ることから、有機ハロゲン化合物のハロゲン原子1モル
に対して、アルカリ金属が理論上2モル以上必要と考え
られていた。例えば、上記特開昭49−82570号公
報には、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体とを
50℃から200℃の温度範囲において反応させること
や、有機ハロゲン化合物中のハロゲン原子1モルに対し
1〜10倍モルのアルカリ金属分散体を用いることや、
反応時必要に応じて活性水素化合物を添加することが各
々個別的に記載されているものの、例えば反応温度や有
機ハロゲン化合物のハロゲン原子に対するアルカリ金属
のモル比等は、その実施例を見てもわかるように、実際
には、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体とを1
50℃から200℃の温度範囲において反応させて有機
ハロゲン化合物を処理する際に、有機ハロゲン化合物中
のハロゲン原子1モルに対し1倍モル以上2倍モル未満
のアルカリ金属分散体を用いることは行われてはいなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の有機ハロゲ
ン化合物とアルカリ金属分散体とを反応させて有機ハロ
ゲン化合物を分解処理する上記従来技術においては、実
際にはアルカリ金属の使用量が塩素原子1モルに対し少
なくとも2倍モル以上用いられており、これら従来の処
理方法では、脱ハロゲン化された生成物が使用した溶媒
中に含まれており、この脱ハロゲン化された生成物は特
に絶縁油等の高沸点の溶媒を用いた場合分離が困難であ
り、絶縁油等を再利用する際には新たに精製工程が必要
となる問題があった。また、アルカリ金属の必要以上の
使用は、有機ハロゲン化合物を処理する上でコストアッ
プという問題を生じさせていた。他方、上記奥彬らによ
り報告された方法では、ナフタレンを用いなければなら
ず、またアルカリ金属を溶解するための溶媒としてテト
ラヒドロフランを使用することから安全面での問題があ
った。
【0006】本発明の課題は、有機ハロゲン化合物をア
ルカリ金属分散体により脱塩素分解処理する方法におい
て、従来の方法よりも、より少ないアルカリ金属量で効
率よく無害化処理することが可能で、しかも用いる溶媒
等を簡便に純度の高い状態で回収して再利用することが
できる有機ハロゲン化合物の処理方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の反
応[RCl+2Na→RNa+NaCl]、すなわち有
機ハロゲン化合物のハロゲン原子1モルとアルカリ金属
2モルの反応以外に、以下の(化1)に示す有機ハロゲ
ン化合物のハロゲン原子1モルとアルカリ金属1モルの
反応を想定し、かかる反応が生起しやすいように反応を
150℃以上の温度で実施するとともに、併せて他の反
応条件についても検討したところ、従来の常識に反し
て、有機ハロゲン化合物のハロゲン原子1モルに対して
アルカリ金属の量を2モル未満で行うことが可能である
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【化1】
【0009】すなわち本発明は、有機ハロゲン化合物と
アルカリ金属分散体とを150℃から200℃の温度範
囲において反応させて有機ハロゲン化合物を処理する方
法において、有機ハロゲン化合物中のハロゲン原子1モ
ルに対し1倍モル以上2倍モル未満のアルカリ金属分散
体を用いることを特徴とする有機ハロゲン化合物の処理
方法や、有機ハロゲン化合物中のハロゲン原子1モルに
対し1倍モル以上2倍モル未満のアルカリ金属分散体を
用い、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体とを1
50℃から200℃の温度範囲において反応させて有機
ハロゲン化合物を処理する方法において、有機ハロゲン
化合物とアルカリ金属分散体とを混合時、有機ハロゲン
化合物の混合液全体に占める濃度を0.3〜20重量%
とすることを特徴とする有機ハロゲン化合物の処理方法
や、有機ハロゲン化合物中のハロゲン原子1モルに対し
1倍モル以上2倍モル未満のアルカリ金属分散体を用
い、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体とを15
0℃から200℃の温度範囲において反応させて有機ハ
ロゲン化合物を処理する方法において、加熱した有機ハ
ロゲン化合物にアルカリ金属分散体を添加することを特
徴とする有機ハロゲン化合物の処理方法や、有機ハロゲ
ン化合物中のハロゲン原子1モルに対し1倍モル以上2
倍モル未満のアルカリ金属分散体を用い、有機ハロゲン
化合物とアルカリ金属分散体とを反応させて有機ハロゲ
ン化合物を処理する方法において、加熱したアルカリ金
属分散体に一部少量の有機ハロゲン化合物を添加して1
10℃から150℃の温度範囲で反応させた後、残りの
有機ハロゲン化合物を添加して150℃から200℃の
温度範囲で反応させることを特徴とする有機ハロゲン化
合物の処理方法に関する。
【0010】また本発明は、有機ハロゲン化合物及び/
又はアルカリ金属分散体が、沸点150℃以上でアルカ
リ金属に不活性な脂肪族及び/又は芳香族炭化水素を溶
媒として使用したものであることを特徴とする上記有機
ハロゲン化合物の処理方法や、沸点150℃以上でアル
カリ金属に不活性な脂肪族又は芳香族炭化水素として、
ケロシン、デカリン、トランス油(JISC2320−
1993に記載のトランス油)、重油(JISK220
5に記載)から選ばれた1種又は2種以上を用いること
を特徴とする上記有機ハロゲン化合物の処理方法や、ア
ルカリ金属分散体として、アルカリ金属の80%以上が
直径30ミクロン以下のアルカリ金属粒子を含むアルカ
リ金属分散体を用いることを特徴とする上記有機ハロゲ
ン化合物の処理方法や、アルカリ金属が、ナトリウムで
あることを特徴とする上記有機ハロゲン化合物の処理方
法や、有機ハロゲン化合物が、ポリ塩化ビフェニールで
あることを特徴とする上記有機ハロゲン化合物の処理方
法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における有機ハロゲン化合
物としては、例えばPCB、ダイオキシン類、ポリ塩素
化ジベンゾフラン類、ポリ塩素化ベンゼン、DDT、B
HC等を挙げることができ、これら有機ハロゲン化合物
は、そのまま用いてもよいが、溶媒に溶解して有機ハロ
ゲン化合物溶液として用いることができる。そして、有
機ハロゲン化物の溶媒としては、沸点150℃以上好ま
しくは160℃以上で、アルカリ金属に不活性な脂肪族
炭化水素又は芳香族炭化水素が好ましく、例えばケロシ
ン、デカリン、トランス油(JISC2320−199
3に記載のトランス油)、重油(JISK2205に記
載)を挙げることができ、これらは単独でもしくは混合
物として用いることができる。かかる溶媒の沸点や引火
点は高いほうが好ましく、150℃以上の温度での蒸発
量は少ない方が好ましいことから、これら溶媒の中でも
トランス油は特に好適に用いることができる。また、有
機ハロゲン化合物により汚染されたケロシン、デカリ
ン、トランス油等を溶媒として用いることも可能であ
る。
【0012】本発明におけるアルカリ金属としては、ナ
トリウム、カリウム、リチウム、セシウム、又はこれら
の合金を例示することができる。そして、本発明におい
てはアルカリ金属は溶媒に分散した分散体の形態で使用
され、アルカリ金属分散体の調製に用いられる溶媒とし
ては、沸点が150℃以上好ましくは160℃以上でア
ルカリ金属に不活性な脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水
素、例えば、ケロシン、トランス油(JISC2320
−1993に記載のトランス油)、デカリン、流動パラ
フィン、重油又はこれらの混合物を挙げることができ
る。また、アルカリ金属分散体は公知の方法により調製
することができ、例えばホモジナイザーを用いた方法な
どを適用することができるが、アルカリ金属分散体にお
けるアルカリ金属の80%以上が、30ミクロン以下、
好ましくは15ミクロン以下の直径のアルカリ金属粒子
であることが好ましい。
【0013】本発明の有機ハロゲン化合物の処理方法
は、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体とを15
0℃から200℃、より好ましくは155℃から180
℃の温度範囲において反応させることを特徴としてい
る。反応を150℃未満で実施すると、有機ハロゲン化
合物を処理するため、有機ハロゲン化合物中のハロゲン
原子1モルに対し少なくとも2倍モル以上のアルカリ金
属分散体が必要となり、2倍モル未満のアルカリ金属分
散体の使用では有機ハロゲン化合物の分解が充分でな
い。他方200℃を超えた温度で反応を行っても、15
0℃から200℃の場合に比べて反応速度に変わりがな
い上に、200℃を超える加熱反応では通常の熱媒体を
用いることが難しいという問題がある。
【0014】また、本発明の有機ハロゲン化合物の処理
方法は、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体との
反応を150℃から200℃で行う際に、有機ハロゲン
化合物のハロゲン原子1モルに対して、2倍モル未満の
アルカリ金属分散体を使用することを特徴とするもので
ある。反応を150℃から200℃で行う際に、有機ハ
ロゲン化合物のハロゲン原子1モルに対して、2倍モル
以上のアルカリ金属分散体を使用することもできるが、
反応系中に余剰のアルカリ金属が残存し、使用する溶媒
の再利用の点からも好ましくない。したがって、アルカ
リ金属分散体の添加量は、有機ハロゲン化合物のハロゲ
ン原子1モルに対して、1倍モルから2倍モル未満、特
に1.1倍モルから1.6倍モルが好ましい。
【0015】有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体
との反応を実施する場合、反応液中に占める有機ハロゲ
ン化合物の濃度が高くなりすぎると、有機ハロゲン化合
物からの脱ハロゲン化により生成する重合物によって均
一な分散状態を得られなくなり、また反対に、有機ハロ
ゲン化合物濃度が低くなりすぎると、有機ハロゲン化合
物の処理に必要なアルカリ金属量が多くなることから、
アルカリ金属分散体と有機ハロゲン化合物とを混合した
時点で、有機ハロゲン化合物の混合液全体に占める濃度
が0.3重量%以上、より好ましくは1重量%以上、2
0重量%以下、より好ましくは15重量%以下とするこ
とが望ましい。また、反応は、安全のためアルゴン、窒
素等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが望ましい。
【0016】アルカリ金属分散体と有機ハロゲン化合物
との混合操作、及び反応を進行させるための反応液の加
熱操作としては、加熱したアルカリ金属分散体に有機ハ
ロゲン化合物もしくは有機ハロゲン化合物の溶液を加え
る方法、アルカリ金属分散体と有機ハロゲン化合物もし
くは有機ハロゲン化合物の溶液を混合した後に加熱する
方法、加熱した有機ハロゲン化合物の溶液にアルカリ金
属分散体を添加する方法、アルカリ金属分散体と有機ハ
ロゲン化合物もしくは有機ハロゲン化合物の溶液の双方
を加熱した後に混合する方法などを挙げることができる
が、アルカリ金属分散体と有機ハロゲン化合物の添加順
序によって、反応を完結させるのに必要なアルカリ金属
分散体量に差があり、理由は明らかでないが、加熱した
有機ハロゲン化合物の溶液にアルカリ金属分散体を添加
する方法が最も少量のアルカリ金属量で処理することが
できることから好ましい。
【0017】加熱したアルカリ金属分散体に有機ハロゲ
ン化合物もしくは有機ハロゲン化合物の溶液を加える方
法においては、アルカリ金属分散体をアルカリ金属の融
点以上に加熱するとアルカリ金属粒子の凝集が起こり粒
子径が大きくなる場合があることから、有機ハロゲン化
合物の添加をアルカリ金属粒子の凝集が起きる前に行
い、粒子表面に生成する重合物によって、アルカリ金属
粒子同士の凝集を防止することができる。例えば、少量
の有機ハロゲン化合物と金属ナトリウム分散体を110
℃で反応させた後、150℃まで加熱して残りの有機ハ
ロゲン化合物を添加する処理操作を行うと、アルカリ金
属粒子同士の凝集を防止することができる。また、あら
かじめ加熱しておいた有機ハロゲン化合物の溶液にアル
カリ金属分散体を添加する方法でもアルカリ金属粒子同
士の凝集を防止することができる。
【0018】また、上記いずれの混合操作においても、
加熱したアルカリ金属分散体、あるいは加熱した有機ハ
ロゲン化合物溶液の初期温度を150℃以下に設定し、
反応に伴う発熱を利用して反応液の温度を150から2
00℃に調整することも可能である。
【0019】アルカリ金属分散体と有機ハロゲン化合物
の混合に費やす時間は、反応熱による温度上昇が操作上
の障害にならない温度範囲に収まる限り短縮することが
できる。アルカリ金属分散体と有機ハロゲン化合物との
混合後、前記のように150℃から200℃、より好ま
しくは155℃から180℃の温度範囲で有機ハロゲン
化合物の分解反応を行う。この分解反応に要する時間は
反応温度やアルカリ金属分散体の使用量により決定され
るが、時間が長くかかりすぎると処理能力が低下するこ
とから好ましくない。また、かかる反応を行うために用
いられる装置としては、回分式(バッチ式)あるいは連
続式の反応装置を使用することができ、これら反応装置
に撹拌羽根等の攪拌手段を設けて反応中の反応液を撹拌
することが望ましい。
【0020】有機ハロゲン化合物とアルカリ金属との反
応が終了した後の処理方法としては従来公知の方法を適
用することができ、例えば、有機ハロゲン化合物がPC
B等の場合には、まず、残存したアルカリ金属を、残存
したアルカリ金属と等モル以上の活性水素化合物、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類、水、有機酸、あるいはこれらの混
合物と反応させる。この活性水素化合物にはアルカリ金
属ハロゲン化物、及びアルカリ金属水酸化物を含んでい
てもよい。次に、濾過や遠心分離などの方法によりPC
Bからの脱ハロゲン化により生成した重合物などの固形
物と用いた溶媒などの液体に分離する。このPCBから
の脱ハロゲン化により生成した重合物は、処理に供した
PCBの量から換算してほぼ定量的に生成している。次
に、必要に応じて液体成分から活性水素化合物を分離
し、必要なら活性白土による処理を行うと、液体成分は
再度溶媒として使用可能であり、重合物は燃焼すること
が可能である。本発明の有機ハロゲン化合物の処理方法
によると、使用するアルカリ金属分散体の量が少ないの
で、活性水素化合物の量を適切に調整することで液体成
分からの活性水素化合物の分離を省略して溶媒として再
利用することも可能である。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらの例示に限定される
ものではない。 実施例1 300mlの反応容器に平均塩素付加数が4のPCB
(鐘淵化学工業株式会社製「カネクロール400」;以
下KC−400と略記する)10.8g仕込んで、12
9.3gのトランス油により溶解した。反応容器中を窒
素により置換した後、混合液を150℃まで加熱し、撹
拌混合しながら、トランス油を溶媒として製造した20
重量%の金属ナトリウム分散体20.5g(塩素原子に
対して1.2倍モル)を少しずつ添加した。その後、温
度を160℃から165℃に維持し2時間反応させた。
混合液の一部を抜き取り、固形分を沈降させて得た上澄
み液にシリカゲルカラムによる前処理を施した後、EC
D検出器付ガスクロマトグラフにより分析したところ、
PCB濃度は検出限界(1ppm)以下であった。
【0022】実施例2 300mlの反応容器中を、窒素で置換しつつ、トラン
ス油を溶媒として製造した20重量%の金属ナトリウム
分散体20.5g(塩素原子に対して1.3倍モル)を
仕込み、129gのトランス油により希釈した。撹拌混
合しながら、混合液を150℃まで加熱し、そこに、1
0.1gのKC−400を少しずつ滴下した。その後1
60℃から165℃で2時間反応させた。実施例1と同
様の方法によりPCB濃度を測定したところ、PCB濃
度は検出限界以下であった。
【0023】実施例3 300mlの反応容器にKC−400を17.6g仕込
んで、123.1gのトランス油により溶解した。反応
容器中を窒素により置換した後、混合液を150℃まで
加熱し、撹拌混合しながら、トランス油を溶媒として製
造した20重量%の金属ナトリウム分散体44.1g
(塩素原子に対して1.6倍モル)を少しずつ添加し
た。その後、温度を156℃から165℃に維持し2時
間反応させた。実施例1と同様の方法によりPCB濃度
を測定したところ、PCB濃度は検出限界以下であっ
た。
【0024】実施例4 300mlの反応容器にKC−400を17.6g仕込
んで、134.7gのトランス油により溶解した。反応
容器中を窒素により置換した後、混合液を150℃まで
加熱し、撹拌混合しながら、トランス油を溶媒として製
造した20重量%の金属ナトリウム分散体30.9g
(塩素原子に対して1.1倍モル)を少しずつ添加し
た。その後、温度を158℃から162℃に維持し5時
間反応させた。実施例1と同様の方法によりPCB濃度
を測定したところ、PCB濃度は検出限界以下であっ
た。
【0025】比較例1 300mlの反応容器にKC−400を8.8g仕込ん
で、144.7gのトランス油により溶解した。反応容
器中を窒素により置換した後、混合液を130℃まで加
熱し、撹拌混合しながら、トランス油を溶媒として製造
した20重量%の金属ナトリウム分散体21.3g(塩
素原子に対して1.5倍モル)を少しずつ添加した。そ
の後、温度を137℃から140℃に維持し2時間反応
させた。実施例1と同様の方法によりPCB濃度を測定
したところ、PCB濃度は1684ppmであった。
【0026】比較例2 200mlの反応容器中を、窒素で置換しつつ、トラン
ス油を溶媒として製造した40%の金属ナトリウム分散
体10.2g(塩素原子に対して2.5倍モル)を仕込
み、トランス油69.6gにより希釈した。撹拌混合し
ながら、混合液を130℃まで加熱し、そこに、5.0
8gのKC−400を少しずつ滴下した。その後140
℃で5時間反応させた。実施例1と同様の方法によりP
CB濃度を測定したところ、PCB濃度は3.6ppm
であった。
【0027】
【発明の効果】本発明によると、有機ハロゲン化合物を
アルカリ金属分散体により脱塩素分解する処理方法にお
いて、従来の方法よりも、より少ないアルカリ金属量で
効率のよい無害化処理が可能となり、かつ、副生成物で
あるアルカリ金属化合物量を低減することができるの
で、用いる溶媒の再生を簡便に行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神山 昌士 新潟県中頸城郡中郷村大字藤沢950 日本 曹達株式会社二本木工場生産技術研究所内 Fターム(参考) 4G075 AA37 BA05 CA02 CA51

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散
    体とを150℃から200℃の温度範囲において反応さ
    せて有機ハロゲン化合物を処理する方法において、有機
    ハロゲン化合物中のハロゲン原子1モルに対し1倍モル
    以上2倍モル未満のアルカリ金属分散体を用いることを
    特徴とする有機ハロゲン化合物の処理方法。
  2. 【請求項2】 有機ハロゲン化合物中のハロゲン原子1
    モルに対し1倍モル以上2倍モル未満のアルカリ金属分
    散体を用い、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体
    とを150℃から200℃の温度範囲において反応させ
    て有機ハロゲン化合物を処理する方法において、有機ハ
    ロゲン化合物とアルカリ金属分散体とを混合時、有機ハ
    ロゲン化合物の混合液全体に占める濃度を0.3〜20
    重量%とすることを特徴とする有機ハロゲン化合物の処
    理方法。
  3. 【請求項3】 有機ハロゲン化合物中のハロゲン原子1
    モルに対し1倍モル以上2倍モル未満のアルカリ金属分
    散体を用い、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体
    とを150℃から200℃の温度範囲において反応させ
    て有機ハロゲン化合物を処理する方法において、加熱し
    た有機ハロゲン化合物にアルカリ金属分散体を添加する
    ことを特徴とする有機ハロゲン化合物の処理方法。
  4. 【請求項4】 有機ハロゲン化合物中のハロゲン原子1
    モルに対し1倍モル以上2倍モル未満のアルカリ金属分
    散体を用い、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属分散体
    とを反応させて有機ハロゲン化合物を処理する方法にお
    いて、加熱したアルカリ金属分散体に一部少量の有機ハ
    ロゲン化合物を添加して110℃から150℃の温度範
    囲で反応させた後、残りの有機ハロゲン化合物を添加し
    て150℃から200℃の温度範囲で反応させることを
    特徴とする有機ハロゲン化合物の処理方法。
  5. 【請求項5】 有機ハロゲン化合物及び/又はアルカリ
    金属分散体が、沸点150℃以上でアルカリ金属に不活
    性な脂肪族及び/又は芳香族炭化水素を溶媒として使用
    したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。
  6. 【請求項6】 沸点150℃以上でアルカリ金属に不活
    性な脂肪族又は芳香族炭化水素として、ケロシン、デカ
    リン、トランス油(JISC2320−1993に記載
    のトランス油)、重油(JISK2205に記載)から
    選ばれた1種又は2種以上を用いることを特徴とする請
    求項5記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。
  7. 【請求項7】 アルカリ金属分散体として、アルカリ金
    属の80%以上が直径30ミクロン以下のアルカリ金属
    粒子を含むアルカリ金属分散体を用いることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか記載の有機ハロゲン化合物の
    処理方法。
  8. 【請求項8】 アルカリ金属が、ナトリウムであること
    を特徴とする請求項7記載の有機ハロゲン化合物の処理
    方法。
  9. 【請求項9】 有機ハロゲン化合物が、ポリ塩化ビフェ
    ニールであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。
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