JP3966886B2 - 脱塩素化触媒の再生方法 - Google Patents

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本発明は、有機塩素化合物の分解処理に用いられた脱塩素化触媒の再生方法に関する。
各種有機塩素化合物のなかでも、ポリ塩化ビフェニール(以下PCBと略称することがある。)は人体を含む生体に極めて有害であることから、1973年に特定化学物質に指定され、その製造、輸入、使用が禁止されている。しかし、その後適切な廃棄方法が決まらないまま数万トンのPCBが未処理の状態で放置されている。PCBは、高温(30〜750℃)分解では強毒性のダイオキシン類である塩素化ジベンゾ−p−ダイオキシン(PCDD)とジベンゾフラン(PCDF)が副生するため、技術的にPCBを安全に分解することは難しいことに鑑み、PCBの安全かつ効率的な分解処理方法が望まれている。
本発明者等は、PCB等の有機塩素化合物を微量含有する絶縁油に水素供与体及びアルカリ化合物を添加し、触媒存在下に低温、常圧で反応させることにより、副反応生成物が生成し難く、実用的な規模で大量のPCBを無毒化することが可能な有機塩素化合物の分解方法を提案した(特願2003−378452等)。しかし、有機塩素化合物の分解処理に使用される触媒は高価であり、コストダウンが不可欠であるものの、触媒表面に付着した油の除去の問題、分解反応の進行に伴い反応系が増粘する問題等があるため、再生処理は容易ではなかった。
金属を担持させた触媒の再生方法として、水蒸気処理する方法や還元処理する方法がある(特許文献1〜4)。特許文献1には、ジアセトキシブテンを水添してジアセトキシブタンを製造するのに用いた活性低下した触媒を、40〜150℃の水蒸気又は温水で処理する方法が提案されている。特許文献2には、トリアルコキシプロパンを水素化分解するための水素化触媒を、6未満のpKa値を有する酸からなる媒質中で処理し、それを、水、メタノール又はエタノールで洗浄する方法が提案されている。特許文献3には、カルボン酸エステル製造時に用いられた劣化触媒を、メタノール、エタノール、ヒドラジン等の還元剤の存在下、0〜100℃の温度で0.1〜50時間処理する方法が提案されている。特許文献4には、ニトロベンゼンの気相水素化によるアニリン製造用の劣化触媒を、350〜440℃で連続的に水蒸気処理、窒素処理した後、200〜350℃で水素処理する方法が提案されている。
特開平10−202106号公報 特開平9−141094号公報 特開平9−253489号公報 特開平5−25101号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載された触媒は、脱塩素化処理に用いられた触媒の再生方法ではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、有機塩素化合物が微量混入した油の分解処理等に用いられた活性低下触媒の活性を回復させることができる、脱塩素化触媒の再生方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、油中の有機塩素化合物の分解反応が進行するに連れて、触媒活性が低下すると共に触媒表面に付着物が見られるようになり、この付着物(触媒毒)を洗浄剤で除去した後、還元処理すると、上記課題を有効に解決できるとの知見によりなされたものである。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1)有機塩素化合物を、アルカリ物質および水素供与体の存在下で分解処理するために用いられる脱塩素化触媒の再生処理方法であって、前記触媒が金属を担体に担持させた触媒であり、活性低下した前記触媒を有機溶剤および水で洗浄し、さらに有機溶剤および水を用いて100〜250℃で抽出処理した後、還元処理することを特徴とする脱塩素化触媒の再生方法、
2)有機溶剤による洗浄を行った後に、水による洗浄を行う請求項1に記載の脱塩素化触媒の再生方法、
3)前記洗浄用の有機溶剤および水を、それぞれ触媒に対して、5/1〜100/1(wt/wt)の比率で使用する前記1)又は2)に記載の脱塩素化触媒の再生方法、
)前記還元処理を10〜700℃で行う前記1)〜3)のいずれかに記載の脱塩素化触媒の再生方法、
)前記還元剤が、水素、窒素水素化物、アルミニウム水素化物、ホウ素水素化物、次亜リン酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜鉛末又はスズである前記1)〜)のいずれかに記載の脱塩素化触媒の再生方法、
)前記分解処理が、絶縁油中の有機塩素化合物の分解処理である前記1)〜)のいずれかに記載の脱塩素化触媒の再生方法、
7)前記有機塩素化合物が、PCB類又はダイオキシン類である前記1)〜6)のいずれかに記載の脱塩素化触媒の再生方法。
本発明に係る脱塩素化触媒の再生方法によれば、触媒活性が回復するため、再生処理後の触媒を有機塩素化合物の脱塩素化処理に繰り返し使用することができる。よって、有機塩素化合物の分解処理コストを大幅に削減することができる。
本発明の脱塩素化触媒の再生方法は、有機塩素化合物を、アルカリ物質および水素供与体の存在下で分解処理するために用いられる脱塩素化触媒の再生処理方法であって、前記触媒が金属を担体に担持させた触媒であり、活性低下した前記触媒を有機溶剤および水で洗浄し、さらに有機溶剤および水を用いて100〜250℃で抽出処理した後、還元処理することを特徴とするものである。
本発明において、金属を担体に担持させた触媒は特に限定されるものではなく、有機塩素化合物の脱塩素化反応を促進しうるものであれば良い。この触媒における金属の担持量は、触媒全量に対して1〜20wt%、より好ましくは5〜10wt%である。担持させる金属としては、例えば、鉄、銀、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム等が挙げられるが、脱塩素化効率が高いことを考慮すると、パラジウム、ルテニウム、白金が好ましく、特にパラジウムが好ましい。担体としては、炭素、ケイ素、樹脂などが挙げられる。
金属を担体に担持させた触媒の具体例としては、例えば、Pd/C(パラジウム担持炭素化合物)、Ru/C(ルテニウム担持炭素化合物)、Pt/C(白金担持炭素化合物)などが挙げられる。
上記の触媒は、粒状のものでもハニカム状のものでも良い。触媒粒子径は75μm〜5mmが好ましく、5mmを超える場合はハンドリングが悪くなり、75μm未満の場合はカラム等に充填させた際に詰りやすくなる。より好ましくは150μm〜3mmである。
再生処理を施す対象となる触媒は、有機塩素化合物が微量混入した被処理油となる絶縁油に、アルカリ物質と水素供与体を添加し、これらを触媒に接触させることにより有機塩素化合物を分解処理する際に用いられたものである。この際、触媒の分解能力の低下は、GC−MSなど公知の有機塩素化合物分析装置を用いて、被処理液中の有機塩素化合物濃度を測定することにより把握できる。触媒は、油や水素供与体に予め添加されたもの、分解反応器に添加或いは固定して使用されたもの、或いは、触媒カラムに充填して使用されたものなど、いずれでも良い。
分解処理に用いられる触媒の使用量は、特に限定されず、使用方法によって必要量が決定される。
分解処理に用いられるアルカリ物質は、有機塩素化合物の脱塩素化反応を促進しうるものであれば特に限定されないが、脱塩素化効率を高める観点より、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、水酸化カルシウム等が好ましい。中でも、コストやハンドリング性の観点より、苛性ソーダ、苛性カリが特に好ましい。アルカリ物質は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
水素供与体は、有機塩素化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物であればよい。水素供与体としては、例えば、複素環式化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物、及び脂環式化合物等の有機系水素供与体等が挙げられる。これらの化合物の中でも、安全性の観点より、アルコール系化合物、ケトン系化合物、脂環式化合物が好ましく、特に、安全性が高く、低コストで入手可能であり、しかも反応制御が容易で、PCB分解効率が高い点より、アルコール系化合物が好ましい。これらの水素供与体は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
ここで、前記のアルコール系化合物としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコールのいずれであってもよく、直鎖又は分枝の一価アルコールや多価アルコールを、用いることができる。アルコール系化合物の炭素数は1〜12の範囲が好ましく、より好ましくは2〜9の範囲、さらに好ましくは3〜6の範囲である。前記アルコール系化合物の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール等の脂肪族アルコール、シクロプロピルアルコール、シクロブチルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチルアルコール等の脂環式アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、デカリンジオール等の多価アルコール等が挙げられる。これらの中でも、分解効率の点から2−プロパノール、シクロヘキサノール等の2級アルコールが特に好ましい。
分解処理に用いられるアルカリ物質及び水素供与体の使用量は限定されないが、アルカリ物質は水素供与体に対して0.1〜50%(wt/vol)使用するのが好ましく、より好ましくは0.1〜10%(wt/vol)である。アルカリ物質が少なすぎると分解反応が進行しなくなり、一方、多すぎるとアルカリが溶解しきれなくなるため好ましくない。又、アルカリ物質は、油に対して0.02〜10%(wt/vol)使用するのが好ましい。水素供与体は、油に対して5〜50%(vol/vol)使用するのが好ましい。5%未満では油の粘度が高くなり、分解反応が進まなくなる。一方、50%を超える場合でも反応は十分進行するが、以下に説明するように、柱上変圧器等に充填された絶縁油中の微量PCBを分解する場合、柱上変圧器等の空隙部に水素供与体が入りきらなくなるおそれがあることより、油に対し50%程度を上限とするのが好ましい。
本発明において、前記した被処理油は、容器内に充填又は保存されたものでも良い。この容器としては、例えば、柱上変圧器、大型トランス、OFケーブル絶縁油タンクなどが挙げられる。これらの柱上変圧器、大型トランス、OFケーブル絶縁油タンク等には、有機塩素化合物が微量混入した汚染絶縁油(被処理油)が充填又は保存されたものが未処理の状態で存在することが多い。従って、容器内の被処理油にアルカリ物質、水素供与体を添加し、これらを触媒が充填された触媒槽を流通させる等の手段により触媒に接触させた後、再び容器内に循環させる方法を採用することで、PCB処理設備に輸送する必要がなく変圧器の保管場所等で分解処理を行うことができる利点がある。
有機塩素化合物としては、例えば、PCB類やダイオキシン類等が挙げられる。PCBが微量混入した汚染油としては、例えば電気絶縁油、熱媒体用の油、潤滑油、固体中に含まれる有機塩素化合物を抽出した鉱油等が挙げられる。
本発明の再生方法において用いる洗浄剤は、水、および有機溶剤である。これらの洗浄剤による洗浄は、主に触媒表面の付着物を除去するために行う。水は、アルカリ物質(例えばKOH)及びそれと塩素との反応生成物である塩(例えばKCl)の溶解性に優れることから用いられる。また、有機溶剤は、油や油劣化物、PCB分解後のビフェニルなどの有機性反応分解物の溶解性に優れることから用いられる。
かかる有機溶剤としては例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等の脂肪族アルコール、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステル、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの有機溶剤の中でも特に付着した油の溶解性も良く、適度に沸点が低く回収が容易であることから、アセトンが特に好ましい。洗浄には上記の洗浄剤を単独で用いても良いし、2種以上を混合或いは組合わせて使用しても良い。
水と有機溶剤による洗浄は、それぞれ別個の工程にて行う。洗浄順序は特に限定されないが、洗浄前の触媒は多量の油分を含んでいるので、有機溶剤による洗浄を行った後に、水による洗浄を行うのがよい。
洗浄方法としては、バッチ式や連続式など触媒を再生できる方法であれば特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜用いることができる。バッチ式にて洗浄する場合は、触媒と洗浄剤とを混合、攪拌した後、触媒をデカンテーション、遠心分離、濾過で分離するなど公知の方法を適宜用いることができる。連続式にて洗浄する場合は、触媒を充填した触媒槽(触媒カラム)に洗浄剤を流通させ、洗浄剤を循環させながら洗浄するなど公知の方法を適宜用いることができる。
触媒の洗浄に供する洗浄剤量は、洗浄剤の種類や洗浄方式等によって異なるが、洗浄剤である水および有機溶剤は、それぞれ触媒に対して、洗浄剤/触媒=5/1〜100/1(wt/wt)の比率で使用するのが良い。洗浄剤と触媒との比率は、より好ましくは、洗浄剤/触媒=10/1〜50/1(wt/wt)である。
洗浄温度は、使用する洗浄溶媒の種類等によって異なるため、限定されないが、通常、10〜250℃である。洗浄時間は特に限定されるものではないが、通常、1分〜5時間程度である。本発明では、洗浄回数は任意であるが、洗浄液のpHが10以下になるまで行うことが好ましい。
洗浄処理後の触媒は、乾燥後、還元処理する。還元剤としては、水素;ヒドラジンなどの窒素水素化物;水素化アルミニウムリチウム、水素化トリエトキシアルミニウムナトリウム、水素化ビス(2−メチキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなどのアルミニウム水素化物;ボラン類、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛などのホウ素水素化物;次亜リン酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜鉛末又はスズなどが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
還元処理温度は、使用する還元剤の種類によって異なるため特に限定されないが、10〜700℃の範囲で行うことが好ましい。具体的には、水素等の気体で還元処理する場合は、温度100〜700℃が好ましく、より好ましくは300〜500℃である。ヒドラジン等の液体で還元処理する場合は、温度10〜80℃が好ましく、より好ましくは30〜70℃である。
還元処理時間は、特に限定されるものではないが、通常、1分〜10時間程度である。
また、還元処理の前工程として、洗浄、乾燥させた触媒を抽出処理する。高温高圧下で処理することもでき、触媒の細孔に付着している付着物を除去することができる点より、好ましく採用される。処理条件としては、温度100〜250℃、圧力0.1〜4MPaで、1分〜10時間程度行うことが好ましい。高温高圧処理は、上記した有機溶媒による処理と、水(すなわち亜臨界水)による処理とを順次行った後、触媒を乾燥する。使用する有機溶剤および水の使用量は、上記の洗浄処理と同様である。
本発明の脱塩素化触媒の再生方法によれば、再生触媒を使用することにより被処理油中の有機塩素化合物の分解能を充分回復させることができる。再生のメカニズムは明らかではないが、以下のように推察される。すなわち、有機塩素化合物の分解反応に伴い、脱離した塩素とアルカリ物質との中和反応により塩が生成し、この塩が触媒の活性サイト(例えば、Pd/C触媒のPd上など)に徐々に蓄積されるため反応サイトが徐々に減少し、触媒活性が低下する。触媒上に蓄積された塩や油を性質の異なる洗浄剤で除去し、洗浄後の触媒を還元処理することにより、触媒活性が回復する。
本発明の方法で得られた再生触媒は、再度、有機塩素化合物を微量含有する被処理油等を、アルカリ物質及び、水素供与体の存在下で分解する分解処理に使用することができる。アルカリ物質、水素供与体としては、上記した化合物が挙げられる。又、分解方法としては、公知の方法を適用することができるが、例えば、攪拌しながら常温、常圧で放置することにより10〜80℃で分解する方法、或いは、マイクロ波を照射して50〜200℃で反応させることにより分解する方法等が好ましい。
分解処理は、例えば、容器内に充填又は保存された有機塩素化合物を含有する被処理油を該容器から抜出したものを、触媒を充填してなる触媒カラムに流通させた後、流通した被処理油を前記容器に循環させる方法を採用することもでき、これにより、被処理油中の有機塩素化合物を連続的に分解処理することができる。さらに、分解触媒を充填した触媒カラムを少なくとも2系統用いることにより、一方の触媒カラムにおいて被処理油中の有機塩素化合物を分解している間に、他方の触媒カラムにおいて触媒を再生処理することができるので、分解反応が進まなくなった場合でも装置を解体することなく、連続的に分解処理を継続できる。
但し、本発明による再生触媒の使用方法は上記に限られず、広く油中の有機塩素化合物を分解する際の触媒として使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(PCB分解試験)
1種2号絶縁油100mlに、PCB(主成分:4塩化ビフェニール)を添加し、5ppmのPCB含有試験油を調製した。これに、水素供与体としてイソプロピルアルコール20ml及びアルカリ物質としてKOH0.6gを添加した。カラムに、新品のPd/C触媒(パラジウムを5%担持した0.425〜1.7mmの活性炭、小島化学製)24gを充填し、四国計測工業(株)製の簡易型マイクロ波反応装置(温度制御タイプZMW−024型)によりマイクロ波を照射しながら温度を60℃に維持し、毎分10mlの速度で試験油を流通させながら、8時間反応させた。反応後のPCB濃度を、DB5MSをキャピラリーカラムとする島津製作所製GC−MS(QP5050A)で分析した。その結果、PCB濃度は1.6ppmであった。
(実施例1)
分解試験を繰り返し、分解率が半減したPd/C触媒600gを採取し、アセトン約600gで洗浄した後、水約2.4kgで洗浄した。洗浄後、風乾した。この触媒60gを採り、2.25Lのアセトンを添加して200℃で4時間抽出処理した後、2.25Lの亜臨界水を添加して200℃で4時間加圧抽出を行った後、触媒を回収、乾燥した。この触媒50gを採り、水素/窒素(1/10(vol))混合ガスを、毎分1100mlの流量で供給し、300℃で4時間還元処理した。
得られた再生触媒を使用して、上記と同様の方法で分解試験を実施した。反応後のPCB濃度をGC−MSで分析した。その結果を表1に示した。
(実施例2)
分解試験を繰り返し、分解率が半減したPd/C触媒600gを採取し、アセトン約600gで洗浄した後、水約2.4kgで洗浄した。洗浄後、風乾した。この触媒60gを採り、2.25Lのアセトンを添加して200℃で4時間抽出処理した後、2.25Lの亜臨界水を添加して200℃で4時間加圧抽出を行った後、触媒を回収、乾燥した。この触媒4gを採り、低温灰化(10分×2)した後、1.5mlのヒドラジンに25℃で30分間浸漬し、還元処理した。
得られた再生触媒を使用して、上記と同様の方法で分解試験を実施し、反応後のPCB濃度をGC−MSで分析した。その結果を表1に示した。
(比較例1)
分解試験を繰り返し、分解率が半減したPd/C触媒を、再生処理せずに使用して、上記と同様の方法で分解試験を実施した。反応後のPCB濃度をGC−MSで分析した。その結果を表1に示した。
Figure 0003966886
以上の試験結果から、活性低下した触媒を本発明の方法で再生することにより、有機塩素化合物の分解試験に再使用可能な程度まで、触媒能を復帰させうることが分かった。

Claims (7)

  1. 有機塩素化合物を、アルカリ物質および水素供与体の存在下で分解処理するために用いられる脱塩素化触媒の再生処理方法であって、前記触媒が金属を担体に担持させた触媒であり、活性低下した前記触媒を有機溶剤および水で洗浄し、さらに有機溶剤および水を用いて100〜250℃で抽出処理した後、還元処理することを特徴とする脱塩素化触媒の再生方法。
  2. 有機溶剤による洗浄を行った後に、水による洗浄を行う請求項1に記載の脱塩素化触媒の再生方法。
  3. 前記洗浄用の有機溶剤および水を、それぞれ触媒に対して、5/1〜100/1(wt/wt)の比率で使用する請求項1又は2に記載の脱塩素化触媒の再生方法。
  4. 前記還元処理を10〜700℃で行う請求項1〜3のいずれかに記載の脱塩素化触媒の再生方法。
  5. 前記還元剤が、水素、窒素水素化物、アルミニウム水素化物、ホウ素水素化物、次亜リン酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜鉛末又はスズである請求項1〜のいずれかに記載の脱塩素化触媒の再生方法。
  6. 前記分解処理が、絶縁油中の有機塩素化合物の分解処理である請求項1〜のいずれかに記載の脱塩素化触媒の再生方法。
  7. 前記有機塩素化合物が、PCB類又はダイオキシン類である請求項1〜6のいずれかに記載の脱塩素化触媒の再生方法。
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