JP3970286B2 - 有機ハロゲン化合物の分解処理方法及びマイクロ波併用型分解処理システム - Google Patents

有機ハロゲン化合物の分解処理方法及びマイクロ波併用型分解処理システム Download PDF

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本発明は、容器内に充填又は保存された油に含まれる有機ハロゲン化合物を分解して油を無害化する有機ハロゲン化合物の分解処理方法及び分解処理システムに関し、詳細には、柱上変圧器内に充填又は保存された絶縁油に含まれるポリ塩化ビフェニール等を分解して油を無害化する、有機ハロゲン化合物の分解処理方法及び分解処理システムに関する。
各種有機ハロゲン化合物のなかでも、ポリ塩化ビフェニール(以下PCBと略称することがある。)は人体を含む生体に極めて有害であることから、1973年に特定化学物質に指定され、その製造、輸入、使用が禁止されている。しかし、その後適切な廃棄方法が決まらないまま数万トンのPCBが未処理の状態で放置されている。PCBは、高温(30〜750℃)分解では強毒性のダイオキシン類である塩素化ジベンゾ−p−ダイオキシン(PCDD)とジベンゾフラン(PCDF)が副生することから、技術的にPCBを安全に分解することが難しく、永年にわたりPCBの安全で効率的な各種分解法が検討されている。
例えば、特許文献1には、炭素系触媒担体に担持された白金族触媒と芳香族系塩素化合物とを含む反応系に、水素ガスを吹き込みながらマイクロ波を照射することにより芳香族系塩素化合物を脱塩素化する方法が提案されている。
また、特許文献2には、PCBを少量含む炭化水素油を、ナトリウムエトキシドやNaOH等のアルカリ物質の存在下、高沸点かつ耐熱アルカリ性極性溶剤(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン)と100〜300℃で接触させたのち、炭化水素油と溶剤とを分液することにより、炭化水素油からPCBを除去する方法が記載されている。
また、特許文献3には、PCBを含有する柱上変圧器、水および酸化剤を収納するオートクレーブを加熱し、水を超臨界状態にしてPCBを酸化分解することにより、PCBを含有する柱上変圧器を無害化する方法が提案されている。この方法は、柱上変圧器から絶縁油を分離することなく、そのままの状態で無害化処理し、変圧器内の絶縁油に含まれるPCBおよび変圧器に付着する絶縁油に含まれるPCBを同時に一括して無害化処理することを目的とするものである。
また、特許文献4には、PCBを含有する絶縁油を使用した柱上変圧器から絶縁油を抜油したのち、水で洗浄し、更に炭化水素系溶剤で洗浄することにより、柱上変圧器を無害化する方法が提案されている。この方法では、分離された油分をアルカリ金属ターシャリーブトキシドを反応剤として用いて加熱攪拌することで無害化している。配電用柱上変圧器からPCBを含有する絶縁油を効率的かつ安全に回収し、膨大な配電用柱上変圧器の保管に伴うスペースを低減することを目的とするものである。
特開2001−19646号公報(請求項1、段落番号0009の実施例1等) 特開平6−25691号公報(請求項1、段落番号0004、第3頁の表1) 特開2000−116814号公報(請求項1、第6頁の図1、段落番号0008等)。 特開2001−246014号公報(請求項1、請求項9、段落番号0013、段落番号0030、2頁右欄下4行〜末行)。
しかしながら、特許文献1記載の方法では、水素ガスを芳香族塩素系化合物を含む反応系に外部から供給する必要があり、実用的な手法としては好ましくない。また、特許文献2記載の方法で使用されている溶媒DMIは2000円/kgと高価であり、また、該方法では残存PCB割合が多く、脱塩素化を十分行うためには反応時間を長くする必要があるため、PCBの大量処理には不向きである。
特許文献3記載の方法は、変圧器から絶縁油を分離することなく無害化処理できる利点があるが、圧力容器に柱上変圧器を丸ごと入れ、水と酸化剤を添加して圧力容器を加熱することにより水を超臨界状態にしてPCBを酸化分解するので、大掛かりな装置が必要となる。また、特許文献4は柱上変圧器から抜き取った油の分解処理方法について開示しているが、容器中でPCBを分解処理することについては何ら言及していない。
さらに、従来はバッチ式の処理のため、大量に処理するためには設備が非常に大きくなるとともに、粉末触媒をそのまま油中に投入するため、無害化処理済み後の廃油中から触媒を分離するのに大きな手間がかかっていた。また、固定床式の触媒を使用するとPCBとの接触機会が減り、反応が満足に進まないなどの問題があった。さらに、油中のクラスターの影響を除去するため超音波を照射すると効果的ではあるが、バッチ式では触媒も破壊されるなどの問題があった。
また、PCB処理設備の建設にはアセスメントが必要であることより、変圧器貯蔵所などの現場でPCBの無害化処理が可能で、しかも、PCBを安全に大量処理することができ、かつ安価に分解処理できる方法の開発が望まれていた。
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたものであり、柱上変圧器に使用された絶縁油など有機ハロゲン化合物が混入した油を、簡易に短期間で無害化処理することができ、しかも、触媒を分離する手間が不要で、副反応生成物が生成する可能性が低い、有機ハロゲン化合物の分解処理方法及び分解処理システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、有機ハロゲン化合物が微量混入した柱上変圧器内の油に、水素供与体とアルカリを添加し、その混合液を内蔵型触媒充填装置に流通させることにより、油中の微量有機ハロゲン化合物を短期間で簡易に無害化処理できることを見出した(特願2004−191589;特許第3626960号公報)が、その混合液の一部を柱上変圧器外のマイクロ波装置内に設置した第2触媒充填装置に流通させながらマイクロ波を照射して無害化処理した後、容器内に戻す操作を併用することによって、極めて短時間にしかも簡易に油中の有機ハロゲン化合物を無害化処理できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1)容器内に充填又は保存された油に含まれる有機ハロゲン化合物を分解する分解処理方法であって、前記有機ハロゲン化合物を含む油に水素供与体及びアルカリ化合物を添加してなる混合液を、前記容器内に設置した第1触媒充填装置に流通させながら容器内で循環させるとともに、前記混合液の一部を取り出し、該混合液をマイクロ波装置内に設置した第2触媒充填装置に流通させながらマイクロ波を照射した後、前記容器内に戻すことにより、油中の有機ハロゲン化合物を分解することを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
2)前記水素供与体が、複素環式化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物及び脂環式化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物である前記1)に記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
3)前記水素供与体の添加量が、有機ハロゲン化合物を含む油に対する割合として、5〜50%(vol)である前記1)又は2)に記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
4)前記アルカリ化合物が、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物である前記1)〜3)のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
5)前記アルカリ化合物の添加量が、水素供与体に対する割合として、0.1〜40%(w/v)である前記1)〜4)のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
6)前記油に添加する水素供与体及びアルカリ化合物が、アルカリ化合物を水素供与体に溶解したものである前記1)〜5)のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
7)前記触媒が、炭素結晶化合物、金属担持炭素化合物、金属担持酸化物及び金属担持複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物であり、前記第2触媒充填装置に用いられる触媒が金属担持炭素化合物である前記1)〜6)のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
8)前記油が炭化水素油で、前記有機ハロゲン化合物がポリ塩化ビフェニールである前記1)〜7)のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
9)前記容器が柱上変圧器で、前記第1触媒充填装置が柱上変圧器内の巻き線上に設置されている前記1)〜8)のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法、
10)容器内に充填又は保存された油に含まれる有機ハロゲン化合物を分解する分解処理システムであって、
前記容器内に設置する第1触媒充填装置と、
該第1触媒充填装置に前記容器内の油に水素供与体及びアルカリ化合物を添加してなる混合液を供給する供給手段と、
前記容器外のマイクロ波装置内に設置する第2触媒充填装置と
該第2触媒充填装置に前記容器内の混合液を供給する供給手段と
を少なくとも備えたことを特徴とするマイクロ波併用型の分解処理システム、および、
11)前記容器が柱上変圧器で、前記第1触媒充填装置が柱上変圧器内の巻き線上に設置しうるものである前記10)に記載の分解処理システム
本発明の有機ハロゲン化合物の分解処理方法によれば、汚染油の容器内処理と容器外処理を併用するので、油に含まれている有機ハロゲン化合物を従来より短期間に分解処理することができる。また、汚染油を回収する必要がなく、常圧条件下でも簡易に分解処理できるので、変圧器貯蔵所などの現場でそのまま脱ハロゲン化処理を実施することができる。従って、実用的な規模で大量のPCBを無害化することができる。
また、分解処理に用いる水素供与体及び/又はアルカリ化合物を選択することにより、有機ハロゲン化合物の分解処理を高い効率で行うことができ、さらに、それらの使用量を規定することにより、有機ハロゲン化合物の分解処理をより高い効率で行うことができる。また、予めアルカリ化合物を水素供与体に溶解しておいた溶液を油に添加することにより、有機ハロゲン化合物の初期分解速度を高めることができる。
また、分解処理に用いる触媒として、第1触媒充填装置には、炭素結晶化合物、金属担持炭素化合物、金属担持酸化物及び金属担持複合酸化物から選ばれた少なくとも一つの化合物を用い、第2触媒充填装置には金属担持炭素化合物を用いることにより、有機ハロゲン化合物の分解処理を高い効率で行うことができ、処理コストを低減することができる。
本発明の有機ハロゲン化合物の分解処理システムは、容器内に充填又は保存された有機ハロゲン化合物含有油を無害化する有機ハロゲン化合物の分解処理システムであって、内蔵型の第1触媒充填装置と、該装置に前記容器内の油等を供給する供給手段と、容器外のマイクロ波装置内に配置された第2触媒充填装置とを少なくとも備えているので、柱上変圧器の中に第1触媒充填装置を設置し、有機ハロゲン化合物混入油を該装置に流通させながら、第2触媒充填装置ではマイクロ波により脱ハロゲン化反応を促進することができるため、有機ハロゲン化合物を極めて短期間に分解することができ、コンパクトかつ迅速処理が可能な分解システムとなる。
また、前記の第1触媒充填装置を柱上変圧器内の巻き線上に設置することにより、触媒充填装置における液流通面の断面積を大きく設計できるので、空間速度(SV)を一定にした場合でも液流量を増やすことができ、これにより分解処理時間を短縮することができる。
以下、本発明に係る有機ハロゲン化合物の分解処理方法及び分解処理システムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の分解処理方法及び分解処理システムは、有機ハロゲン化合物を含有する油(含有量:1ppm〜10,000ppm、好ましくは1ppm〜500ppm)が充填又は保存された容器内に、移動式の第1触媒充填装置を設置し、この第1触媒充填装置に容器内の油を流通させて有機ハロゲン化合物を触媒に接触させる操作を行いながら、該油の一部を容器外のマイクロ波装置内に設置した第2触媒充填装置に導入し、流通させながらマイクロ波を照射した後、前記容器内に戻すことにより、油中の有機ハロゲン化合物を分解処理するものである。有機ハロゲン化合物の分解処理を促進するために、油に水素供与体及びアルカリ化合物を混合する。前記の容器としては、例えば、柱上変圧器、大型トランス、OFケーブル油槽等が挙げられるが、柱上変圧器が好ましい。
本発明の分解処理対象である有機ハロゲン化合物としては、例えば、ポリ塩化ビフェニール類(PCB)やダイオキシン類等を挙げることができ、その種類は特に限定されるものではないが、好ましくはPCB類である。PCB類の市販品としては、例えば、鐘淵化学(株)のKC−200(主成分:2塩化ビフェニール)、KC−300(主成分:3塩化ビフェニール)、KC−400(主成分:4塩化ビフェニール)、KC−500(主成分:5塩化ビフェニール)、KC−600(主成分:6塩化ビフェニール)や、三菱モンサイト(株)のアロクロール1254(54% Chlorine)等を挙げることができる。
本発明の分解処理方法は、有機ハロゲン化合物の中でも、一般に脱ハロゲン化が困難であるPCB類を少量ないし微量含む油の分解処理に好適である。油としては、炭化水素油等が挙げられ、具体的には、電気絶縁油、熱媒体用の油、潤滑油、あるいは、固体中に含まれる有機ハロゲン化合物を抽出した鉱油等が挙げられる。
図1は、本発明の分解処理システムの一実施形態を示す概略図であり、柱上変圧器2に充填された有機ハロゲン化合物含有油の分解処理の一例を示すものである。図1に示したように、本発明の分解処理システムでは、有機ハロゲン化合物を含有する油に、水素供与体及びアルカリ化合物を添加してなる混合液(以下、「被処理液」という。)5の入った柱上変圧器2、第1触媒充填装置10、被処理液5を第1触媒充填装置10に供給する供給手段(ポンプ)20、ならびに、容器外のマイクロ波装置50内に設置される第2触媒充填装置40を主たる構成要素として構成される。
図1において、6は柱上変圧器2に充填されている被処理液の液面を示している。ポンプ20の取り付け位置は特に限定されるものではなく、柱上変圧器2の内部あるいは外部のいずれに備えられていてもよい。また、各ポンプには、被処理液5をポンプ20を介して第1触媒充填装置10に供給するための供給ライン14,15が、各ポンプ毎に備えられている。これにより、被処理液を第1触媒充填装置に供給して有機ハロゲン化合物を触媒と接触させる。
柱上変圧器2は、図示を省略しているが、水素供与体及びアルカリ化合物の供給ラインを備えていてもよい。あるいは、水素供与体とアルカリ化合物を予めプレミックスして水素供与体にアルカリ化合物を溶解させたものを保管する図示しない装置(プレタンク)を設置し、該装置から柱上変圧器2へ水素供与体及びアルカリ化合物を供給する供給ライン(図示を省略する)を備えていてもよい。
図1に示す第1触媒充填装置10には、有機ハロゲン化合物を分解しうる後述する触媒30が充填された触媒充填層12が形成されている。被処理液5は、図中の矢印で示すように供給ライン14、ポンプ20、供給ライン15を介し、触媒充填装置10に設けられた導入管(L字管)13を通して触媒充填装置の下部に導入される。導入された被処理液は、空間速度(SV)0.05〜0.5cm/secで触媒充填層12を流通し、触媒充填層流通後の被処理液5は、触媒充填装置10の上部から溢れ出る。かくして、被処理液が触媒と接触することにより、被処理液中の有機ハロゲン化合物は分解する。
本発明の分解処理システムに使用する第1触媒充填装置は、その形状、大きさ、容器内における設置場所は特に限定されるものではなく、図1に例示するように、柱上変圧器2の内部巻き線4の上に載置する、或いは、柱上変圧器内部巻き線4と柱上変圧器2の内壁との隙間に設置する等、種々の形態であってよい。なかでも、図1に示すように、柱上変圧器内部巻き線4の上に載置することが、触媒層の液流通断面積を柱上変圧器の内径に応じて大きく設計することができ、空間速度(SV)を一定にした場合でも液流速を高められることから、分解所要時間を短縮できる点で好ましい。
また第1触媒充填装置は、その全体が被処理液に浸漬している必要はなく、その上部が被処理液の液面より上にあっても構わない。図1に示すように、第1触媒充填装置の上部が被処理液の液面より下にある場合は、触媒層の下方から液体を流通させることにより触媒層全体が流動化し易くなるため、被処理液のショートパスが少なくなり、短時間で油を無害化することができると考えられる。
また、本発明の分解処理システムは、例えば第1触媒充填装置10の被処理液入口近傍に、被処理液5内に形成されたクラスターを破壊可能な超音波発生装置等のクラスター破壊装置を備えていてもよい(図示は省略する)。有機ハロゲン化合物を溶解している溶媒が絶縁油等の油の場合、有機ハロゲン化合物と溶媒分子とがクラスターを形成する可能性があり、有機ハロゲン化合物の分解を阻害する恐れがある。超音波発生装置等のクラスター破壊装置を備えることは、これらクラスターを破壊し、有機ハロゲン化合物をむき出しにして分解反応をおこし易くする効果があると考えられる。
図2は、本発明の分解処理システムに使用する第1触媒充填装置の一例を示す側面図(図2(a))と上面図(図2(b))であり、図中の矢印は被処理液の大略の流れ方向を示している。被処理液は、2本のL字管13を介して第1触媒充填装置10に導入され、目皿板11に設けられた流通孔11aを通過して、上方の触媒充填層12に供給される。流通孔11aの数は制限されないが、被処理液が均一に広がるように、第1触媒充填装置全体に存在させるのがよい。流通孔11の大きさにも限定はないが、被処理液が流通可能で、かつ、触媒を保持可能な程度の大きさ(例えば10mmφ)のものが好ましい。L字管13に導入された被処理液は、目皿板11と水平に斜めに噴出される。斜めに噴出された被処理液は、触媒層を流通しながら触媒層上部から溢出する間に触媒と均一に接触することができるため、有機ハロゲン化合物の分解効率が高くなる。
さらに本発明では、図1に示すように、柱上変圧器内の被処理液5の一部を、ポンプ21を介して第2触媒充填装置40に供給するための液供給ライン16と、第2触媒充填装置40で無害化処理された被処理液を、再び柱上変圧器2に戻すための液供給ライン17が備えられている。すなわち、柱上変圧器2内の被処理液5は、ポンプ21を介して、第2触媒充填装置40を備えた容器41内に導入される。第2触媒充填装置40はマイクロ波装置50内に設置されているため、触媒層を流通する被処理液は、照射されるマイクロ波によって加熱された触媒と接触する。かくして、被処理液中の有機ハロゲン化合物は分解する。
第2触媒充填装置に導入された被処理液5は、空間速度(SV)0.05〜0.5cm/secで第2触媒充填装置40を連続的に流通しながら、ポンプ22を介して、有機ハロゲン化合物が所定の濃度以下になるまで、ライン18を通して循環する。無害化処理後の被処理液は、ポンプ21を介して再び柱上変圧器2内に戻される。第2触媒充填装置による一部の被処理液の無害化処理が実施されている間、柱上変圧器内では、残存被処理液を第1触媒充填装置に流通させながら、柱上変圧器内を循環させる。
柱上変圧器内に戻された被処理液は、柱上変圧器内に残存していた被処理液と混合される。混合された被処理液中の有機ハロゲン化合物が所定の濃度を超える場合は、再び上記の第2触媒充填装置による処理操作を繰り返す。但し、第2触媒充填装置による処理操作は、必要に応じて行えば良いので、その回数や時期は限定されない。
かくして、被処理液中の有機ハロゲン化合物は分解するが、触媒層を流通する被処理液がマイクロ波照射により活性化された触媒と接触することによって、マイクロ波を照射しない状態で流通させたときよりも、有機ハロゲン化合物の分解効率が格段に向上する。
図3は、本発明の分解処理システムの他の実施形態を示す概略図であり、柱上変圧器2に充填された有機ハロゲン化合物含有油の分解処理の他の一例を示すものである。図3に示したように、本分解処理システムでは、柱上変圧器の上部に設置したマイクロ波装置50内に第2触媒充填装置40を設置し、該触媒に固体素子を用いてマイクロ波を発振することにより、油中の有機ハロゲン化合物を分解する。第2触媒充填装置による分解処理方法以外は、図1に示す実施形態と同様である。
次に、上記分解処理システムの使用方法とともに、本発明に係る有機ハロゲン化合物の分解処理方法の一実施形態について、図1を参照しつつ説明する。
まず、図1に示す微量ないし少量のPCBが混入した油の入った柱上変圧器2に、後述する水素供与体及びアルカリ化合物を添加して被処理液を調製する。必要に応じて容器内を攪拌、混合する。次に、被処理液5を、触媒30が充填された第1触媒充填装置10に連続的に流通させて有機ハロゲン化合物を脱ハロゲン化処理する。反応温度は特に限定されないが、装置の簡略化を図るためには、常温で実施することが好ましい。常温とは、加温しない温度を意味し、通常15〜25℃である。柱上変圧器等の保管場所や季節により前記温度範囲外となることもあるが、本発明では、かかる場合も常温の範囲に含める。副反応生成物を抑制しつつ脱ハロゲン化効率を高める観点より、被処理液を加温してもよい。流通時間は特に限定されないが、通常、2〜300時間行う。
以上の分解処理を行うことにより、劣化していない油に対しては、25℃、1週間程度で油中の有機ハロゲン化合物含有量を0.5ppm以下に減少させることができるが、本発明では、分解処理時間を短縮し、劣化した油であっても短期間に無害化するために、被処理液の一部を取り出し、第2触媒充填装置に流通させながらマイクロ波を照射する。
本発明においては、第2触媒充填装置に照射するマイクロ波の出力や周波数、照射方法は、特に限定されるものではなく、反応温度が所定の範囲に保持できるよう電気的に制御すればよい。出力が低すぎる場合は水素発生量が少なくなり、出力が高すぎる場合はマイクロ波の利用率が悪くなるため、電気的に制御しながら10W〜20kWの範囲とするのが望ましい。マイクロ波の周波数は1〜300GHzが望ましい。1GHz未満又は300GHzを超える周波数範囲では、触媒や水素供与体の加熱が不十分となる。マイクロ波の照射は連続照射、間欠照射のいずれの方法であってもよいが、電気的に制御しながら連続照射するのが好ましい。マイクロ波装置としては、マグネトロン等のマイクロ波発生器を用いた装置や、固体素子を用いたマイクロ波発振器等を適宜用いることができる。
反応の雰囲気は不活性ガス中で行うことが、望ましくない副反応が起きないので、より好ましい。但し、汚染油の処理環境によっては不活性ガスの調達が困難な場合もあり得るため、自然雰囲気中で反応を行うこともできる。
第2触媒充填装置における反応温度は50〜200℃が望ましい。反応温度を50℃以上とすることにより、分解反応が進行しやすくなる。一方、200℃を超える場合は、脱塩素化反応は十分進むが、副生物が生成し易くなり、また経済性にも劣るものとなる。
本発明の分解処理に用いた触媒は、再生処理を施した後、他の柱上変圧器の油の処理に再使用してもよい。触媒の再生処理は公知の方法で行えばよく、例えば、アセトンや低級アルコール等の有機溶剤を用い、10〜80℃で触媒を洗浄することにより、再生することができる。洗浄時間に限定はなく、吸着した有機ハロゲン化合物の脱着状況に応じて適宜決定すればよい。
ここで、本発明において油に添加する「水素供与体」としては、例えば、複素環式化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物、及び脂環式化合物等の有機系水素供与体等が挙げられる。これらの化合物の中でも、安全性の観点より、アルコール系化合物、ケトン系化合物、脂環式化合物が好ましく、特に、安全性が高く、低コストで入手可能であり、しかも反応制御が容易で、PCB分解効率が高い点より、アルコール系化合物が好ましい。これらの水素供与体は、単独で又は二種以上を任意に組合わせて使用することができる。
ここで、前記のアルコール系化合物としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコールのいずれであってもよく、直鎖又は分岐鎖を有する一価アルコールや多価アルコールを用いることができる。アルコール系化合物の炭素数は1〜12の範囲が好ましく、より好ましくは2〜9の範囲、さらに好ましくは3〜6の範囲である。前記アルコール系化合物の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール等の脂肪族アルコール、シクロプロピルアルコール、シクロブチルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチルアルコール等の脂環式アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、デカリンジオール等の多価アルコール等が挙げられる。これらの中でも、分解効率の点から2−プロパノール、シクロヘキサノールが特に好ましい。
また、アルカリ化合物としては、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化反応を促進しうるものであれば制限なく使用することができるが、脱ハロゲン化効率を高める観点より、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、水酸化カルシウム等が好ましく用いられる。中でも、コストやハンドリング性の観点より、苛性ソーダ、苛性カリが特に好ましい。アルカリ化合物は、単独で又は二種以上を任意に組合わせて使用することができる。
本発明の分解処理方法では、上記の水素供与体及びアルカリ化合物を事前にプレ攪拌してアルカリ化合物を水素供与体に溶解させておいたものを用いてもよい。
水素供与体は、有機ハロゲン化合物含有油に対し、5〜50%(vol)用いることが好ましく、より好ましくは10〜40%(vol)である。水素供与体の量が5%未満では溶液の粘度が高くなり、また分解反応が進まなくなる。また、水素供与体の量が50%を超えると、反応は十分進むが実用上意味がなく、また容器の許容量を超えるおそれがある。
また、アルカリ化合物は、水素供与体に対する割合として、0.1〜40%(w/v)とするのが好ましく、より好ましくは0.2〜20%(w/v)である。前記割合が0.1%未満では分解反応が進まず、40%を超えるとアルカリ化合物が溶解しきれなくなる。アルカリ化合物は、有機ハロゲン化合物含有油に対し、0.02〜10%(w/v)用いることが好ましい。
本発明の分解処理方法においては、容器内の油と水素供与体及びアルカリ化合物を混合する場合は、振とうによる外部からの攪拌、攪拌子による内部からの攪拌、超音波によるミクロ的な攪拌など、いずれの方法を用いてもよい。振とうによる外部からの攪拌としては、例えば、柱上変圧器などの容器を、振動式攪拌機、振動台、振とう機等を用いて加振する方法(例えば、垂直および/または水平方向へ平行振動させる方法、回旋振動させる方法など)などが挙げられる。攪拌子による内部からの攪拌としては、例えば、攪拌羽根やマグネチックスターラー等の攪拌子を用いて被処理液を攪拌する方法などが挙げられる。攪拌する場合は、連続攪拌、間欠攪拌のいずれの方法を採用してもよい。
本発明の第1触媒充填装置に充填する触媒としては、ポリ塩化ビフェニールの脱ハロゲン化反応を促進しうるものであれば制限なく使用することができ、その種類は特に限定されない。無機系触媒は触媒寿命が長く、かつ、アルカリ化合物存在下でも安定であるため、有機系触媒よりも好ましい。無機系触媒の好ましい具体例としては、脱ハロゲン化効率を高める観点より、複合金属酸化物、炭素結晶化合物、金属担持炭素化合物、金属担持酸化物、金属担持複合金属酸化物及び金属酸化物等が好ましく用いられる。中でも、アルカリ性雰囲気で安全性が高い点より、炭素結晶化合物、金属担持炭素化合物、金属担持酸化物及び金属担持複合酸化物が好ましく、特に金属担持炭素化合物が好ましい。これらの触媒は、単独で又は二種以上を任意に組合せて使用することができる。また、上記の方法で再生された再生触媒を使用してもよい。
また、本発明の第2触媒充填装置に充填する触媒としては、上記の触媒のなかでも、マイクロ波吸収性の高い金属担持炭素化合物が好ましい。
ここで、前記の炭素結晶化合物としては、グラファイト、カーボンナノチューブ(金属を含むものと含まないものの双方が含まれる)、フラーレン等が挙げられる。
また前記の金属担持炭素化合物としては、金属を担持した炭素化合物であれば制限なく用いることができ、その金属担持量は、触媒全量に対して0.1〜20wt%、より好ましくは0.1〜10wt%であるのがよい。担持される金属としては、例えば、鉄、銀、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム等が挙げられ、脱ハロゲン化効率を高める観点より、パラジウム、ルテニウム、白金が好ましい。金属担持炭素化合物の具体例としては、例えば、Pd/C(パラジウム担持炭素化合物)、Ru/C(ルテニウム担持炭素化合物)、Pt/C(白金担持炭素化合物)等が挙げられる。
前記の金属担持酸化物及び金属担持複合酸化物は、金属を担持した酸化物、複合酸化物であれば制限なく用いることができ、その金属担持量及び金属の種類は、上記の金属担持炭素化合物と同様である。金属担持酸化物の具体例としては 例えば、Pd/TiO(パラジウム担持2酸化チタン)等が挙げられる。金属担持複合酸化物の具体例としては、例えば、Pd/SiO・Al(パラジウム担持シリカ−アルミナ)等が挙げられる。
金属担持炭素化合物等の触媒は、粒状のものでもハニカム状のものでもよい。粒状の場合はカラムの上下をメッシュ等で固定する必要があり、その場合の粒子径は75μm〜10mmが好ましい。10mmを超える場合は比表面積が不足し、75μm未満の場合はメッシュが詰まり差圧が高くなる。より好ましくは150μm〜5mmが望ましい。触媒粒子は、できるだけ粒子径のそろったものがよい。
本発明の分解処理方法及びシステムによれば、油中に混入した有機ハロゲン化合物の濃度が短期間に0.5ppm以下にまで分解されるので、分解処理後の油を回収して後処理することにより、燃料などとして再利用することができる。
本発明の有機ハロゲン化合物の分解処理方法によれば、外部から水素ガスや熱を加える場合より若干遅い速度で有機ハロゲン化合物が分解し脱ハロゲン化される。その機構は明らかではないが、アルカリ化合物が有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化反応を促し、そこに水素供与体からの水素ラジカルが入り込むものと考えられる。分解速度が遅くても、変圧器の貯蔵所等の現場であれば新たな加熱源等を用意せずとも放置するだけでPCBを処理できる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。また、以下の実施例等において、特に言及する場合を除き、「質量%」は「%」と略記する。
(実施例1)
10L容柱上変圧器に1種2号実劣化絶縁油を5L、PCBとしてKC−400(4塩化ビフェニール、鐘淵化学(株)製)を180μL添加し、PCB36ppm含有試験油を調製した。これに、水素供与体としてイソプロピルアルコール1L(対試験油20vol%)、及びアルカリとしてKOH31.4g(対試験油0.6%)を添加し、攪拌して被処理油を得た。
一方、粒状活性炭(商品名:ダイヤホープ008)にパラジウム(Pd)を5%担持させた触媒(平均粒径1mm程度)を用意し、70℃で48時間乾燥した。この触媒236gを第1触媒充填装置に入れ、上下を100メッシュの網で挟み込み、触媒を充填した。柱上変圧器の外側に、EFNIC(株)製ギヤポンプ(ModelGPE−031、12V DC)を、合計2個取り付け、各ポンプに内径6mmのテフロンチューブを取り付け、各ポンプ共に、それぞれ片方の端を被処理液底部に浸漬し、他の端を触媒充填装置の下部に設けたL字管に取り付けた(図1参照)。
柱上変圧器から被処理油の一部(3L)をポンプで抜き出し、マイクロ波装置内に設置された第2触媒充填装置(第1触媒充填装置に用いたものと同じ触媒600gを充填)の触媒層(断面積:314cm)に、500ml/分の速度で連続的に通液しながら、4時間循環させた。その間、周波数2.54GHz、最大出力1.5kWのマイクロ波を電気的に制御しながら照射し、反応温度を60℃に維持した。
一方、柱上変圧器内に残った被処理油(3L)をポンプで吸い上げ、この被処理油を、第1触媒充填装置のL字管から触媒充填層(断面積:95cm)に、300ml/分の速度で連続的に通液し、触媒充填装置の上部から液を溢れさせながら液を循環させた。このときの空間速度(SV)は、0.05cm/secであった。
第1触媒充填装置で処理した被処理油を柱上変圧器に戻し、第1触媒充填装置の上部から液を溢れさせながら液を循環し、定期的にサンプリングした。サンプリングした被処理油中のPCB濃度は、DB1(J&Wサイエンティフィック製)をキャピラリーカラムとする(株)島津製作所製のガスクロマトグラフィー質量分析計QP5050AW(以下、「GC−MS」)を用いて分析した。
被処理油中のPCB濃度が目標の0.5ppm以下にならなかった場合は、被処理油を再び第2触媒充填装置に流通、循環させた後、柱上変圧器内に戻す操作を繰り返した。
(参考例1)
PCB初濃度16ppmの1種2号実劣化絶縁油を、第1触媒充填装置のみを循環させた以外は、実施例1と同様にして分解処理を実施した。
実施例および参考例における、経時によるPCB濃度の分析結果を表1に、PCBの脱ハロゲン化効果と経日数との関係を示すグラフを図4に、それぞれ示す。
Figure 0003970286
上記の結果から明らかなように、マイクロ波処理を併用した場合(実施例1)は、併用しない場合(参考例1)に比べて、目標の0.5ppmを達成するまでの分解所要時間が大幅に短縮されることがわかる。
本発明に係る有機ハロゲン化合物の分解処理システムの一実施形態を示す正面透視図である。 本発明に係る第1触媒充填装置の側面図(a)と上面図(b)である。 本発明に係る有機ハロゲン化合物の分解処理システムの他の実施形態を示す正面透視図である。 PCBの脱ハロゲン化効果と経日数との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 分解処理システム
2 柱上変圧器
4 柱上変圧器内部巻き線
5 被処理液
6 被処理液の液面
10 第1触媒充填装置
11 目皿板
11a 流通孔
12 触媒充填層
13 導入管
14,15,16,17,18 ライン
20,21,22 ポンプ
30 触媒
40 第2触媒充填装置
50 マイクロ波装置
51 導波管

Claims (11)

  1. 容器内に充填又は保存された油に含まれる有機ハロゲン化合物を分解する分解処理方法であって、前記有機ハロゲン化合物を含む油に水素供与体及びアルカリ化合物を添加してなる混合液を、前記容器内に設置した第1触媒充填装置に流通させながら容器内で循環させるとともに、前記混合液の一部を取り出し、該混合液をマイクロ波装置内に設置した第2触媒充填装置に流通させながらマイクロ波を照射した後、前記容器内に戻すことにより、油中の有機ハロゲン化合物を分解することを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  2. 前記水素供与体が、複素環式化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物及び脂環式化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項1に記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  3. 前記水素供与体の添加量が、有機ハロゲン化合物を含む油に対する割合として、5〜50%(vol)である請求項1又は2に記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  4. 前記アルカリ化合物が、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  5. 前記アルカリ化合物の添加量が、水素供与体に対する割合として、0.1〜40%(w/v)である請求項1〜4のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  6. 前記油に添加する水素供与体及びアルカリ化合物が、アルカリ化合物を水素供与体に溶解したものである請求項1〜5のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  7. 前記第1触媒充填装置に用いられる触媒が、炭素結晶化合物、金属担持炭素化合物、金属担持酸化物及び金属担持複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物であり、前記第2触媒充填装置に用いられる触媒が金属担持炭素化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  8. 前記油が炭化水素油で、前記有機ハロゲン化合物がポリ塩化ビフェニールである請求項1〜7のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  9. 前記容器が柱上変圧器で、前記第1触媒充填装置が柱上変圧器内の巻き線上に設置されている請求項1〜8のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の分解処理方法。
  10. 容器内に充填又は保存された油に含まれる有機ハロゲン化合物を分解する分解処理システムであって、
    前記容器内に設置する第1触媒充填装置と、
    該第1触媒充填装置に前記容器内の油に水素供与体及びアルカリ化合物を添加してなる混合液を供給する供給手段と、
    前記容器外のマイクロ波装置内に設置する第2触媒充填装置と
    該第2触媒充填装置に前記容器内の混合液を供給する供給手段と
    を少なくとも備えたことを特徴とするマイクロ波併用型の分解処理システム。
  11. 前記容器が柱上変圧器で、前記第1触媒充填装置が柱上変圧器内の巻き線上に設置しうるものである請求項10に記載の分解処理システム。
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