JP2004041343A - Pcb含有電気機器の無害化処理方法及びそのシステム - Google Patents

Pcb含有電気機器の無害化処理方法及びそのシステム Download PDF

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庄島 敏和
Takeshi Suzuki
鈴木 武志
Takashi Tsutsuba
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Abstract

【課題】PCB含有電気機器を比較的容易に低コストで無害化処理することができるPCB含有電気機器の無害化処理方法及びそのシステムを提供する。
【解決手段】電気機器100からPCB1を回収するPCB回収装置11と、電気機器100をIPAからなる洗浄液2で粗洗浄する粗洗浄装置12aと、電気機器100を解体する解体装置12bと、電気機器100を洗浄液2で仕上洗浄する仕上洗浄装置12cと、PCB1と、前記洗浄液2と、水酸化ナトリウム3とを混合して被処理液4を調製する調製装置13と、被処理液4に紫外線を照射する紫外線処理装置14と、被処理液4から塩化ナトリウム5を除去する固液分離装置15と、被処理液4を貴金属系触媒と接触させる触媒処理装置16と、被処理液4に塩酸6を加える中和装置17と、被処理液4を蒸留して洗浄液2を精製回収する蒸留装置18とを備えて無害化処理システム10を構成した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁油としてPCB含有油を内蔵したトランスやコンデンサ等のようなPCB含有電気機器の無害化処理方法及びそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物等環境中に広く残留することが報告されている。
【0004】
このPCBは平成4(1997)年に廃PCB、PCBを含む廃油、PCB汚染物が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく特別管理廃棄物に指定され、さらに、平成9(1997)年にはPCB汚染物として木くず、繊維くずが、追加指定された。
【0005】
PCB処理物となる電気機器としては、高圧トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス・コンデンサ、柱上トランス等があり、廃PCB等としては、熱媒体に用いたものや絶縁油として用いたものがある。現在これらは厳重に保管がなされており、早急なPCBの処理が望まれている。このため、近年、このような電気機器に使用されているPCBを処理する技術が種々開発されており、例えば、特開平9−79531号公報に記載の技術が知られている。図2に、上記提案にかかるPCBの処理方法のフローチャートを示す。
【0006】
図2に示すように、まず、PCBが封入されているトランスから油を抜き取り(ステップS901)、さらに溶剤洗浄によって内部に付着しているPCBを除去し(ステップS902)、回収する(ステップS903)。洗浄後の溶剤は、トランスから抜き出した油と共に分解処理され(ステップS904)、無害化される。
【0007】
つぎに、油抜きしたトランスを乾燥させてPCBを無酸素下高温常圧加熱によって蒸発させ(ステップS905)、PCBの飛散を防止する。そして、乾燥後のトランスを解体し(ステップS906)、ケースとトランスコアを分離する。ケースは、電炉や転炉のスクラップ源に供される(ステップS907)。一方、トランスコアは、モービルシャー等によってその銅コイルを切断され、コイル線と鉄心とに分離される(ステップS908)。
【0008】
分離された鉄心は溶融炉にて溶融され、回収される(ステップS909)。また、分離した銅コイルおよびこれに付着した紙等の有機物は、誘導加熱炉にて溶融される(ステップS910)。そして、上記溶融した銅は回収され、各溶融炉で発生したPCBガスは、1200℃で高温熱分解することにより無害化される(ステップS911)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような従来のPCB処理方法では、金属製の各種部材を溶融させてPCBを分解処理しているため、設備が大規模化してしまうだけでなく、多大な熱エネルギが必要となってしまい、イニシャルコストおよびランニングコストが高くなってしまっている。
【0010】
このようなことから、本発明は、PCB含有電気機器を比較的容易に低コストで無害化処理することができるPCB含有電気機器の無害化処理方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、PCBを含有する電気機器から当該PCBを回収するPCB回収工程と、PCBを回収された前記電気機器をイソプロパノールからなる洗浄液で洗浄する洗浄工程と、回収した前記PCBと、使用された前記洗浄液と、アルカリとを混合して被処理液を調製する調製工程と、前記被処理液に紫外線を照射して前記PCBを脱塩素化する主脱塩素化工程と、紫外線を照射された前記被処理液を固液分離する固液分離工程と、固液分離された前記被処理液から前記洗浄液を精製回収する蒸留工程とを行うことを特徴とする。
【0012】
第二番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、第一番目の発明において、固液分離された前記被処理液を貴金属系触媒と接触させる補助脱塩素化工程を行うことを特徴とする。
【0013】
第三番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、第一番目または第二番目の発明において、前記被処理液中に残留する過剰な前記アルカリを中和するように当該被処理液に酸を加える中和工程を行うことを特徴とする。
【0014】
第四番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記蒸留工程で精製回収された前記洗浄液を前記洗浄工程で利用することを特徴とする。
【0015】
第五番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、第一番目から第四番目の発明のいずれかにおいて、前記洗浄工程が、前記PCBを抜き出された前記電気機器を前記洗浄液で粗洗浄する粗洗浄工程と、粗洗浄された前記電気機器を解体する解体工程と、解体された前記電気機器を前記洗浄液で仕上洗浄する仕上洗浄工程とを行うことを特徴とする。
【0016】
また、前述した課題を解決するための、第六番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、PCBを含有する電気機器から当該PCBを回収するPCB回収手段と、PCBを回収された前記電気機器をイソプロパノールからなる洗浄液で洗浄する洗浄手段と、回収した前記PCBと、使用された前記洗浄液と、アルカリとを混合して被処理液を調製する調製手段と、前記被処理液に紫外線を照射して前記PCBを脱塩素化する主脱塩素化手段と、紫外線を照射された前記被処理液を固液分離する固液分離手段と、固液分離された前記被処理液から前記洗浄液を精製回収する蒸留手段とを備えていることを特徴とする。
【0017】
第七番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、第六番目の発明において、固液分離された前記被処理液を貴金属系触媒と接触させる補助脱塩素化手段を備えていることを特徴とする。
【0018】
第八番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、第六番目または第七番目の発明において、前記被処理液中に残留する過剰な前記アルカリを中和するように当該被処理液に酸を加える中和手段を備えていることを特徴とする。
【0019】
第九番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、第六番目から第八番目の発明のいずれかにおいて、前記蒸留手段で精製回収された前記洗浄液を前記洗浄手段で利用することを特徴とする。
【0020】
第十番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、第六番目から第九番目の発明のいずれかにおいて、前記洗浄手段が、前記PCBを抜き出された前記電気機器を前記洗浄液で粗洗浄する粗洗浄手段と、粗洗浄された前記電気機器を解体する解体手段と、解体された前記電気機器を前記洗浄液で仕上洗浄する仕上洗浄手段とを備えていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法及びそのシステムの実施の形態を図1を用いて説明する。図1は、PCB含有電気機器の無害化処理システムの概略構成図である。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態にかかるPCB含有電気機器の無害化処理システム10は、PCB1を含有するトランスやコンデンサ等のような電気機器100から当該PCB1を抜き出して回収するPCB回収手段であるPCB回収装置11と、PCB1を抜き出された電気機器100をイソプロパノール(IPA)からなる洗浄液2で粗洗浄する粗洗浄手段である粗洗浄装置12aと、粗洗浄された電気機器100を無機物や有機物等の素材ごとや大きさごとに分別するように解体する解体手段である解体装置12bと、解体された電気機器100を素材や大きさに対応して洗浄液2で仕上洗浄する仕上洗浄手段である仕上洗浄装置12cと、回収したPCB1と、使用された前記洗浄液2と、アルカリである水酸化ナトリウム3とを混合して被処理液4を調製する調製手段である調製装置13と、被処理液4に紫外線を照射してPCB1を脱塩素化する主脱塩素化手段である紫外線処理装置14と、紫外線を照射された被処理液4から塩化ナトリウム5を除去するように当該被処理液4と塩化ナトリウム5とを固液分離する固液分離手段である固液分離装置15と、固液分離された被処理液4を貴金属系触媒と接触させて当該被処理液4中に残留するPCB1を無害化処理する補助脱塩素化手段である触媒処理装置16と、被処理液4中に残留した過剰な水酸化ナトリウム3を中和するように当該被処理液4に塩酸6を加える中和手段である中和装置17と、塩化ナトリウム5を除去された被処理液4を蒸留して洗浄液2を精製回収する蒸留手段である蒸留装置18とを備えている。
【0023】
前記PCB回収装置11は、例えば、前記電気機器100がトランスの場合には、トランスの蓋を開けて、トランスの容器の内部にあるPCB1の絶縁油を吸引回収することができ、前記電気機器100がコンデンサの場合には、コンデンサの容器に孔を開けて、当該孔からPCB1の絶縁油を吸引回収することができるようになっている。
【0024】
前記粗洗浄装置12aは、例えば、前記電気機器100がトランスの場合には、トランスの内部に洗浄液2を噴射して、容器の内面やコア等の部材の表面に付着残留しているPCB1の絶縁油を洗い流して回収することができ、前記電気機器100がコンデンサの場合には、前記孔から容器の内部に洗浄液2を噴射して、容器の内面や素子等の部材の表面に付着残留しているPCB1の絶縁油を洗い流して回収することができるようになっている。
【0025】
前記解体装置12bは、レンチやカッタ等の各種工具により、粗洗浄された前記電気機器100を無機物や有機物等の素材ごとや大きさごとに解体して分別することができるようになっている。
【0026】
前記仕上洗浄装置12cは、解体分別された電気機器100を素材ごとや大きさごとに応じて、例えば、容器等の大型部材の場合には、洗浄液2中に浸漬して超音波を発振して仕上洗浄し、コアを構成するコイルや鉄心等の裁断物や碍子等のような細かい部材の場合には洗浄液2中で攪拌しながら仕上洗浄することができるようになっている。
【0027】
前記調製装置13は、前記PCB回収装置11で回収されたPCB1と、前記粗洗浄装置12a及び前記仕上洗浄装置12cで使用された洗浄液2と、アルカリ供給器13aから供給された水酸化ナトリウム3とを容器内で混合攪拌することにより、被処理液4を製造することができるようになっている。
【0028】
前記紫外線処理装置14は、紫外線照射ランプの配設された容器内に被処理液4を流通させることにより、紫外線を被処理液4に全体的に照射して、被処理液4中のPCB1のほとんど(95〜99%)を脱塩素化(ビフェニル化)させて無害化することができるようになっている。
【0029】
前記固液分離装置15は、PCB1から離脱した塩素と前記水酸化ナトリウム3との反応によって生じた塩化ナトリウム5を被処理液4から除去するように当該被処理液4と塩化ナトリウム5とを固液分離することができるようになっている。
【0030】
前記触媒処理装置16は、Pd/C系のような貴金属系触媒を充填されて加熱可能な容器内に被処理液4を所定の温度(60〜80℃)で流通させることにより、当該被処理液4中に残留するPCB1(1〜5%)も脱塩素化(ビフェニル化)させて無害化することができるようになっている。
【0031】
前記中和装置17は、塩酸供給器17aから容器内の被処理液4に塩酸6を供給することにより、当該被処理液4中に残留した過剰な水酸化ナトリウム3を中和させて塩化ナトリウム5とすると共に、生成した塩化ナトリウム5をフィルタを介して濾別して当該被処理液4から除去することができるようになっている。
【0032】
前記蒸留装置18は、塩化ナトリウム5を除去された被処理液4を蒸留して洗浄液2を精製回収することができるようになっている。
【0033】
なお、本実施の形態では、粗洗浄装置12a、解体分別装置12b、仕上洗浄装置12c等により洗浄手段を構成している。
【0034】
このような本実施の形態にかかるPCB含有電気機器の無害化処理システム10を使用するPCB含有電気機器の無害化処理方法を次に説明する。
【0035】
まず、PCB回収装置11により、電気機器100内のPCB1を回収したら(PCB回収工程)、粗洗浄装置12aにより、電気機器100内に付着残留するPCB1を粗洗浄した後(粗洗浄工程)、解体装置12bにより、電気機器100を無機物や有機物等の素材ごとや大きさごとに解体して分別し(解体工程)、仕上洗浄装置12cにより、解体分別された電気機器100を素材ごとや大きさごとに応じて洗浄液2で仕上洗浄する(仕上洗浄工程)。このように処理された電気機器100の各種部材は、付着残留するPCB1の濃度が検査され、規定値を満たした場合には、材種によって廃棄処分や再利用され、規定値を満たさない場合には、再び仕上洗浄される。
【0036】
他方、調製装置13により、前記PCB回収装置11で回収されたPCB1と、粗洗浄装置12a及び仕上洗浄装置12cで使用された洗浄液2と、アルカリ供給器13aから供給された水酸化ナトリウム3とを混合攪拌して被処理液4を製造したら(調製工程)、紫外線処理装置14により、被処理液4に紫外線を全体的に照射して、被処理液4中のPCB1の大部分(95〜99%)を脱塩素化(ビフェニル化)させて無害化し(主脱塩素化工程)、固液分離装置15により、被処理液4から塩化ナトリウム5を除去した後(固液分離工程)、触媒処理装置16により、被処理液4を所定の温度(60〜80℃)で貴金属系触媒に接触させて、被処理液4中に残留するPCB1(1〜5%)も脱塩素化(ビフェニル化)させて無害化させる(補助脱塩素化工程)。
【0037】
続いて、中和装置17により、塩酸供給器17aから被処理液4に塩酸6を供給して、被処理液4中に残留する過剰な水酸化ナトリウム3を中和して塩化ナトリウム5とすると共に、生成した塩化ナトリウム5をフィルタを介して濾別して当該被処理液4から除去した後(中和工程)、蒸留装置18により、被処理液4を蒸留して洗浄液2を精製回収し(蒸留工程)、前記粗洗浄装置12a及び前記仕上洗浄装置12cで再利用する。なお、蒸留装置18で生じた残渣(ビフェニル等)7及び前記塩化ナトリウム5は、検査確認後に処分される。
【0038】
つまり、PCB1に対する洗浄能力が優れるIPAで電気機器100を洗浄することにより、電気機器100の浄化を図ると共に、水素供与体として作用するIPA中でPCB1を脱塩素化処理するようにしたのである。
【0039】
このため、比較的簡単な構造の装置で電気機器100の無害化を図ることができると共に、PCB1の無害化処理を行うことが可能となる。
【0040】
したがって、本実施の形態によれば、従来のPCB処理方法のように、金属製の各種部材を溶融させてPCB1を分解処理する必要がないので、設備の大規模化を抑制することができると共に、必要な熱エネルギを抑制することができるので、PCB1を含有する電気機器100を比較的容易に低コストで無害化することができる。
【0041】
また、PCB1に対する洗浄能力が優れると共に、PCB1の脱塩素化において水素供与体として作用するIPAを洗浄液2として使用したので、PCB1の洗浄処理と脱塩素化処理とを連続して実施することが簡単にでき、処理効率を大幅に向上させることができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、粗洗浄装置12aによる粗洗浄工程と、解体装置12bによる解体工程と、仕上洗浄装置12cによる仕上洗浄工程とを行うようにしたが、電気機器100の構造や大きさによっては、解体装置12bによる解体工程を省略したり、粗洗浄装置12aによる粗洗浄工程または仕上洗浄装置12cによる仕上洗浄工程のいずれか一方のみとすることも可能である。
【0043】
また、本実施の形態では、紫外線処理装置14による主脱塩素化工程と触媒処理装置16による補助脱塩素化工程との両方を行うようにしたが、被処理液4中のPCB1の濃度が低い場合には、触媒処理装置16による補助脱塩素化工程を省略して、紫外線処理装置14による主脱塩素化工程のみを行うようにすることも可能である。
【0044】
また、本実施の形態では、中和装置17により、被処理液4中に残留する過剰な水酸化ナトリウム3を中和して塩化ナトリウム5とする中和工程を行うようにしたが、被処理液4中のPCB1と水酸化ナトリウム3とが等量であり、被処理液4中に水酸化ナトリウム3が残留しないような場合であれば、中和装置17による中和工程を省略することも可能である。
【0045】
【発明の効果】
第一番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、PCBを含有する電気機器から当該PCBを回収するPCB回収工程と、PCBを回収された前記電気機器をイソプロパノールからなる洗浄液で洗浄する洗浄工程と、回収した前記PCBと、使用された前記洗浄液と、アルカリとを混合して被処理液を調製する調製工程と、前記被処理液に紫外線を照射して前記PCBを脱塩素化する主脱塩素化工程と、紫外線を照射された前記被処理液を固液分離する固液分離工程と、固液分離された前記被処理液から前記洗浄液を精製回収する蒸留工程とを行うことから、比較的簡単に電気機器の無害化を図ることができると共に、PCBの無害化処理を行うことができるので、PCBを含有する電気機器を比較的容易に低コストで無害化することができる。また、PCBに対する洗浄能力が優れると共に、PCBの脱塩素化において水素供与体として作用するイソプロパノールを洗浄液として使用したので、PCBの洗浄処理と脱塩素化処理とを連続して実施することが簡単にでき、処理効率を大幅に向上させることができる。
【0046】
第二番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、第一番目の発明において、固液分離された前記被処理液を貴金属系触媒と接触させる補助脱塩素化工程を行うので、被処理液中のPCBをより確実に脱塩素化させて無害化処理することができる。
【0047】
第三番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、第一番目または第二番目の発明において、前記被処理液中に残留する過剰な前記アルカリを中和するように当該被処理液に酸を加える中和工程を行うので、被処理液中にアルカリが残留しても、被処理液から洗浄液を精製回収することが容易にできる。
【0048】
第四番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記蒸留工程で精製回収された前記洗浄液を前記洗浄工程で利用するので、洗浄液を有効に利用することができ、無害化処理にかかるランニングコストを抑制することができる。
【0049】
第五番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理方法は、第一番目から第四番目の発明のいずれかにおいて、前記洗浄工程が、前記PCBを抜き出された前記電気機器を前記洗浄液で粗洗浄する粗洗浄工程と、粗洗浄された前記電気機器を解体する解体工程と、解体された前記電気機器を前記洗浄液で仕上洗浄する仕上洗浄工程とを行うので、電気機器に付着残留するPCBを確実に除去することができる。
【0050】
第六番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、PCBを含有する電気機器から当該PCBを回収するPCB回収手段と、PCBを回収された前記電気機器をイソプロパノールからなる洗浄液で洗浄する洗浄手段と、回収した前記PCBと、使用された前記洗浄液と、アルカリとを混合して被処理液を調製する調製手段と、前記被処理液に紫外線を照射して前記PCBを脱塩素化する主脱塩素化手段と、紫外線を照射された前記被処理液を固液分離する固液分離手段と、固液分離された前記被処理液から前記洗浄液を精製回収する蒸留手段とを備えていることから、比較的簡単に電気機器の無害化を図ることができると共に、PCBの無害化処理を行うことができるので、PCBを含有する電気機器を比較的容易に低コストで無害化することができる。また、PCBに対する洗浄能力が優れると共に、PCBの脱塩素化において水素供与体として作用するイソプロパノールを洗浄液として使用したので、PCBの洗浄処理と脱塩素化処理とを連続して実施することが簡単にでき、処理効率を大幅に向上させることができる。
【0051】
第七番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、第六番目の発明において、固液分離された前記被処理液を貴金属系触媒と接触させる補助脱塩素化手段を備えているので、被処理液中のPCBをより確実に脱塩素化させて無害化処理することができる。
【0052】
第八番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、第六番目または第七番目の発明において、前記被処理液中に残留する過剰な前記アルカリを中和するように当該被処理液に酸を加える中和手段を備えているので、被処理液中にアルカリが残留しても、被処理液から洗浄液を精製回収することが容易にできる。
【0053】
第九番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、第六番目から第八番目の発明のいずれかにおいて、前記蒸留手段で精製回収された前記洗浄液を前記洗浄手段で利用するので、洗浄液を有効に利用することができ、無害化処理にかかるランニングコストを抑制することができる。
【0054】
第十番目の発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムは、第六番目から第九番目の発明のいずれかにおいて、前記洗浄手段が、前記PCBを抜き出された前記電気機器を前記洗浄液で粗洗浄する粗洗浄手段と、粗洗浄された前記電気機器を解体する解体手段と、解体された前記電気機器を前記洗浄液で仕上洗浄する仕上洗浄手段とを備えているので、電気機器に付着残留するPCBを確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるPCB含有電気機器の無害化処理システムの実施の形態の概略構成図である。
【図2】従来のPCB含有トランスの無害化処理システムの概略構成図である。
【符号の説明】
1 PCB
2 洗浄液(IPA)
3 水酸化ナトリウム
4 被処理液
5 塩化ナトリウム
6 塩酸
7 残渣
10 無害化処理システム
11 PCB回収装置
12a 粗洗浄装置
12b 解体装置
12c 仕上洗浄装置
13 調製装置
13a アルカリ供給器
14 紫外線処理装置
15 固液分離装置
16 触媒処理装置
17 中和装置
17a 酸供給器
18 蒸留装置

Claims (10)

  1. PCBを含有する電気機器から当該PCBを回収するPCB回収工程と、
    PCBを回収された前記電気機器をイソプロパノールからなる洗浄液で洗浄する洗浄工程と、
    回収した前記PCBと、使用された前記洗浄液と、アルカリとを混合して被処理液を調製する調製工程と、
    前記被処理液に紫外線を照射して前記PCBを脱塩素化する主脱塩素化工程と、
    紫外線を照射された前記被処理液を固液分離する固液分離工程と、
    固液分離された前記被処理液から前記洗浄液を精製回収する蒸留工程と
    を行うことを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理方法。
  2. 請求項1において、
    固液分離された前記被処理液を貴金属系触媒と接触させる補助脱塩素化工程を行う
    ことを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記被処理液中に残留する過剰な前記アルカリを中和するように当該被処理液に酸を加える中和工程を行う
    ことを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
    前記蒸留工程で精製回収された前記洗浄液を前記洗浄工程で利用する
    ことを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかにおいて、
    前記洗浄工程が、
    前記PCBを抜き出された前記電気機器を前記洗浄液で粗洗浄する粗洗浄工程と、
    粗洗浄された前記電気機器を解体する解体工程と、
    解体された前記電気機器を前記洗浄液で仕上洗浄する仕上洗浄工程と
    を行うことを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理方法。
  6. PCBを含有する電気機器から当該PCBを回収するPCB回収手段と、
    PCBを回収された前記電気機器をイソプロパノールからなる洗浄液で洗浄する洗浄手段と、
    回収した前記PCBと、使用された前記洗浄液と、アルカリとを混合して被処理液を調製する調製手段と、
    前記被処理液に紫外線を照射して前記PCBを脱塩素化する主脱塩素化手段と、
    紫外線を照射された前記被処理液を固液分離する固液分離手段と、
    固液分離された前記被処理液から前記洗浄液を精製回収する蒸留手段と
    を備えていることを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理システム。
  7. 請求項6において、
    固液分離された前記被処理液を貴金属系触媒と接触させる補助脱塩素化手段を備えている
    ことを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理システム。
  8. 請求項6または請求項7において、
    前記被処理液中に残留する過剰な前記アルカリを中和するように当該被処理液に酸を加える中和手段を備えている
    ことを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理システム。
  9. 請求項6から請求項8のいずれかにおいて、
    前記蒸留手段で精製回収された前記洗浄液を前記洗浄手段で利用する
    ことを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理システム。
  10. 請求項6から請求項9のいずれかにおいて、
    前記洗浄手段が、
    前記PCBを抜き出された前記電気機器を前記洗浄液で粗洗浄する粗洗浄手段と、
    粗洗浄された前記電気機器を解体する解体手段と、
    解体された前記電気機器を前記洗浄液で仕上洗浄する仕上洗浄手段と
    を備えていることを特徴とするPCB含有電気機器の無害化処理システム。
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