JP3659569B2 - 難分解性有機化合物の分解処理方法 - Google Patents

難分解性有機化合物の分解処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PCB(ポリ塩素化ビフェニル)等の難分解性有機化合物を含有するトランスやコンデンサ等の電気部材から難分解性有機化合物を除去して分解する難分解性有機化合物の分解処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
我国においては、PCBやダイオキシン等の難分解性有機化合物の無害化処理技術の開発が行われている。特に、PCBは製造、輸入、使用等に関して各種の指導および規制が行われ、PCBが使用されるコンデンサやトランスなどの電気部材は使用者が厳重に保管および管理することが義務付けられている。しかし、PCBを含む電気部材の保管および管理の継続は安全上のリスクが伴うのはもちろんのこと、経済的にも難しくなりつつあり、環境安全面および経済効果面から安全な処理方法の確立が望まれている。また、これら電気部材は貴重な資源である銅や鉄などからなり、再利用の観点からもこれに付着あるいは含浸しているPCBを安全な処理方法で除去し、電気部材を無害化することが望まれている。
【0003】
このような状況下、配電用柱上トランスから抜油した後に、真空加熱によりPCB等を蒸発して回収する方法が提案されている(特開平9−192534号公報および特開平9−192535号公報参照)。また、PCB等を含有するトランスやコンデンサを抜油することなく真空加熱して、PCB等を蒸発させ回収する方法が提案されている(特開平11−309222号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したPCB等の各除去方法は電気部材から完全にPCB等を除去し電気部材を無害化するものなので、回収したPCB等は別途化学処理などにより無害化する必要がある。このため、真空加熱装置の他にPCB等の分解処理装置の設備が必要になってしまい、設備コストが膨大なものとなってしまう。また、真空加熱装置と分解処理装置とは別々の設備であるので、周囲の環境の安全を確実にするためには別々の安全系の設備が必要となり、安全設備のための投資も膨大なものになってしまう。
【0005】
さらに、真空加熱装置と分解処理装置を単に同一箇所に設置しても、真空加熱方法により蒸発してきたPCB等は一度冷却回収してから分解処理装置に導入する必要があるので、熱効率や作業効率は良くない。
【0006】
そこで、本発明は、電気部材からPCB等を除去して無害化できると共に回収したPCB等を効率良く安価な設備で分解処理できる難分解性有機化合物の分解処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の難分解性有機化合物の分解処理方法は、難分解性有機化合物を含有した電気部材を減圧下で加熱して難分解性有機化合物を蒸発除去し、この蒸発除去された気体状の難分解性有機化合物を減圧状態のまま電子線を照射することで分解するようにしている。
【0008】
したがって、PCB等の難分解性有機化合物を含有したトランスやコンデンサ等の電気部材を減圧下で加熱(以下、「真空加熱処理」という)して難分解性有機化合物を蒸発させることにより、電気部材から難分解性有機化合物を除去することができる。そして、蒸発された難分解性有機化合物を気体状のままで減圧状態下に電子線を照射することで電子線照射によって分解処理しているので、電気部材から回収した難分解性有機化合物を従来のように冷却して別個の分解処理装置に移送させることなく分解処理することができる。よって、電気部材からの難分解性有機化合物の除去と難分解性有機化合物の分解処理を効率良く安価に行うことができるようになる。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の難分解性有機化合物の分解処理方法において、電気部材の加熱は、100mbar以下の雰囲気中で行われるようにしている。ここで、雰囲気を100mbarを超えるようにした場合は、難分解性有機化合物の加熱蒸発が良好に行われず処理コストに対する分解効率が悪くなってしまう。このため、雰囲気を100mbar以下にする場合が難分解性有機化合物の加熱蒸発を良好に行うことができる。なお、本明細書中で「真空」とは、完全な真空(0mbar)を意味するだけでなく、大気圧より減圧された雰囲気を含めた概念としている。
【0010】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の難分解性有機化合物の分解処理方法において、電気部材の加熱は100〜650℃で行われるようにしている。ここで、電気部材の加熱を100℃未満にした場合は、難分解性有機化合物が十分に蒸発されない。また、電気部材の加熱を650℃を超えるようにした場合は、熱効率が悪いと共に加熱炉に高い耐久性が必要になってしまい実用的でない。このため、電気部材の加熱温度を100〜650℃にした場合が難分解性有機化合物の加熱蒸発を最も良好かつ効率良く行うことができる。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3までのいずれか記載の難分解性有機化合物の分解処理方法において、電子線照射による難分解性有機化合物の分解は100mbar以下の雰囲気中で行われるようにしている。ここで、雰囲気を100mbarを超えるようにした場合は、難分解性有機化合物の分解が良好に行われず処理コストに対する分解効率が悪くなってしまう。このため、雰囲気を100mbar以下とした場合が難分解性有機化合物の分解を良好に行うことができる。
【0012】
一方、請求項5記載の難分解性有機化合物の分解処理方法は、原姿の電気部材に難分解性有機化合物の除去処理を施し、その後、処理された電気部材を解体し、金属やプラスチック類から成る部材を難分解性処理物として処理すると共に、残りの紙や木類から成る部材から請求項1から4までのいずれか記載の難分解性有機化合物の分解処理方法により難分解性有機化合物を除去し分解するようにしている。この場合、難分解性有機化合物の除去が比較的困難な紙や木類から成る部材においてもその除去を良好に行えると共に、除去した難分解性有機化合物の分解処理を効率良く安価に行うことができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。本発明の難分解性有機化合物の分解処理方法の第1の実施形態では、PCB等の難分解性有機化合物を含有した電気部材を減圧下で加熱して難分解性有機化合物を蒸発除去し、この蒸発除去された気体状の難分解性有機化合物を電子線照射によって分解するようにしている。このため、蒸発された難分解性有機化合物をそのまま電子線照射によって分解処理しているので、電気部材から回収した難分解性有機化合物を従来のように一旦冷却して別個の分解処理装置に移送させることなく分解処理することができる。よって、電気部材からの難分解性有機化合物の除去と無害化を効率良く安価に行うことができるようになる。
【0014】
ここでの難分解性有機化合物とは、PCB及びその誘導体やダイオキシン、農薬(DDTや枯葉剤)等の難分解性有機化合物およびこれらの化合物を含有した油を包含した概念としている。電気部材とは、難分解性有機化合物を含有するトランスやコンデンサ等の電気機器や難分解性有機化合物に汚染された物品を含む概念としている。
【0015】
また、電気部材の加熱は100mbar以下の雰囲気中で行われることが好ましい。雰囲気が100mbarを超えるようにした場合は処理コストに対する蒸発効率が悪くなってしまうが、雰囲気を100mbar以下とすることにより難分解性有機化合物の加熱蒸発を良好に行うことができる。
【0016】
そして、電気部材の真空加熱雰囲気は、難分解性有機化合物が蒸発している最中は真空度が余り上がらず、蒸発が終わると真空度が上がるようになる。しかし、実際には、0.01mbarよりも減圧しようとすると膨大なエネルギや大掛かりな設備が必要になることから、コストおよび効率の観点から真空度は最高でも0.01mbar程度にすることが好ましい。
【0017】
ここで、常圧でのPCBや絶縁油の平均沸点は約350℃、このときの最高沸点は約450℃である。これを真空(0.05mbar)状態に換算すると約120℃になる。したがって、100℃未満で電気部材の真空加熱を行っても効果が低く実用的でない。また、650℃を超える雰囲気で電気部材の加熱を行うことは、熱効率が悪いと共に加熱炉に高い耐久性が必要になってしまい実用的でない。したがって、電気部材の加熱は100〜650℃で行われることが好ましい。
【0018】
また、電気部材の加熱処理は250〜400℃で行うことがより好ましい。この条件によれば、例えば真空度100mbarで400℃の条件は常圧の約530℃に相当するので、PCBの常圧の最高沸点(約450℃)まで十分に加熱することができ、例えば柱上トランス以外に用いられるような高濃度PCBを蒸発加熱することが可能になる。しかも、この温度範囲であれば、電気部材の紙や木あるいはプラスチックが炭化し、熱効率および蒸発処理の観点からより好ましい加熱処理を実現することができる。
【0019】
電子線照射としては、難分解性有機化合物を分解するために電子を照射することの全般を含み、アーク放電やコロナ放電等の放電現象も含む概念としている。この電子線照射により難分解性有機化合物を分解して無害な物質に変換することができる。ここで、この分解処理方法では、電子線照射により難分解性有機化合物を完全に分解して無害化することには限られず、分解により低塩素化物に変質させるようにしても良い。この場合、電子線照射の作業を、廃棄物処理法で定められている化学処理法を適用し易くする前処理として有効に活用することができる。
【0020】
また、電子線照射による分解は100mbar以下の雰囲気中で行われることが好ましい。雰囲気を100mbarを超えるようにした場合は処理コストに対する分解効率が悪くなってしまうので、雰囲気を100mbar以下とすることにより難分解性有機化合物の分解を最も良好に行うことができる。そして、実際には、0.01mbarよりも減圧しようとすると膨大なエネルギや大掛かりな設備が必要になることから、コストおよび効率の観点から真空度は最高でも0.01mbar程度にすることが好ましい。
【0021】
そして、難分解性有機化合物は分解により無害化されているが、必要に応じて無害化後の気体状の難分解性有機化合物を真空コンデンサや真空オイルシャワー等により冷却および凝縮して回収し完全に除去するようにしても良い。
【0022】
さらに、真空加熱処理および電子線照射を減圧下で行うために排気が発生するが、この排気は活性炭吸着装置等の排気安全系により清浄化して環境汚染を確実に防止することが好ましい。
【0023】
ところで、ダイオキシン類の生成の条件としては、所定量の酸素、塩素、ベンゼン環、並びに400℃以上の温度が必要であるが、本実施形態の分解処理方法によれば、真空下の無酸素状態で加熱および電子線照射を実施しているので、ダイオキシン類の発生を防止することができる。すなわち、電子線照射によりPCBが分解して生成された塩素がPCBの分解物と反応しても、酸素濃度が低いのでダイオキシン類の発生は無い。
【0024】
次に、難分解性有機化合物の分解処理方法の第2の実施形態について説明する。この分解処理方法では、原姿の電気部材に難分解性有機化合物の除去処理を施し、その後、処理された電気部材を解体する。ここでの除去処理法としては、真空加熱処理に限られず、廃棄物処理法で定められた溶剤洗浄等の方法でも良い。そして、金属やプラスチック類から成る部材を難分解性処理物として処理すると共に、残りの紙や木類から成る部材から上述した第1の実施形態の分解処理方法により難分解性有機化合物を除去し分解する。
【0025】
この場合、難分解性有機化合物の除去が比較的困難な紙や木類から成る部材においてもその除去を良好に行えると共に、除去した難分解性有機化合物の分解処理を効率良く安価に行うことができるようになる。
【0026】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態では電子線照射を減圧下で行うようにしているが、これには限られず大気圧の雰囲気中で行うようにしても良い。この場合も、電子線により気体状の難分解性有機化合物の分解処理を行うことができる。
【0027】
また、真空加熱を行う温度や気圧、あるいは電子線照射を行う気圧は、上述した範囲の値に限られないのは勿論である。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
【0029】
図1は、本発明の難分解性有機化合物の分解処理方法の一実施例における処理プロセスを装置と共に示すフロー図である。この実施例の装置は、電気部材1を減圧下で加熱する真空加熱設備2と、気体状の難分解性有機化合物を分解する電子線照射設備3と、分解により得られた生成物を冷却し回収する回収設備4と、真空系からの排気の無害化を確実にする排気安全対策設備5とを備えている。
【0030】
真空加熱設備2は真空加熱炉であり、炉体6と、炉体6の内部を加熱する加熱ヒータ(図示せず)と、炉体6の内部を減圧する真空ポンプ7とを備えている。加熱ヒータによる加熱方式としては、内部ヒータによる直接加熱や、外部ヒータによる間接加熱や、高周波加熱あるいは電磁誘導加熱などのいずれでも良く、要は電気部材1が所定の温度にまで加熱されるものであれば良い。真空ポンプ7は、電子線照射設備3および回収設備4を介して真空加熱設備2に接続されている。このため、真空ポンプ7の稼働により、真空加熱設備2と電子線照射設備3と回収設備4とから成る真空系が減圧されて真空状態に維持される。
【0031】
炉体6の内部に設置された電気部材1は、減圧下で加熱ヒータにより加熱される。これにより、電気部材1に含有された難分解性有機化合物(例えばPCBを含む絶縁油)が蒸発されて電気部材1から除去される。
【0032】
電子線照射設備3は、真空状態の中を真空加熱設備2から真空ポンプ7の方向へ流れる難分解性有機化合物の原子や分子に電子線を照射する。これにより、難分解性有機化合物は脱塩素化や分子構造の破壊により分解して無害な物質となる。電子線照射としては、例えばコロナ放電やアーク放電を利用することができる。
【0033】
回収設備4は、真空コンデンサまたは真空オイルシャワー、あるいはこれらの組み合わせとしている。そして、回収設備4は、電子線照射設備3により分解されて無害化された生成物を真空状態で冷却して凝縮し回収する。さらに、この回収設備4で回収された物質は、常圧状態に戻されてから必要に応じた適切な方法で処理する。
【0034】
排気安全対策設備5としては、通過した排気が捕集される例えばダストフィルタや活性炭吸着部を備えたものとしている。真空ポンプ7からの排気は、真空系に含まれる空気と、真空加熱により分解されて生ずる軽炭化水素類とを主成分とする分解ガスである。この分解ガスには難分解性有機化合物は含まれておらず無害であるが、排気安全対策設備5を通過することにより浄化してから大気に放出されるので、環境への更なる安全を確保することができる。
【0035】
上述した図1に示す構成を有する設備を用いて、本発明の難分解性有機化合物の分解処理方法に従って難分解性有機化合物の分解・回収実験を行った。
【0036】
真空加熱設備2にPCB含有の絶縁油を入れた電気部材1である容器を設置して、真空ポンプ7を運転して炉体6内を減圧した。そして、炉体6内が1mbar程度に減圧された時点で、加熱ヒータによる加熱および電子線照射設備3での電子線照射を開始した。
【0037】
ここで、この真空度での絶縁油とPCBの蒸発温度は約150℃である。このため、絶縁油の温度が約150℃程度になると、加熱を続けても蒸発潜熱の影響で絶縁油の温度上昇は僅かとなる。そこで、真空度を維持したまま加熱を続けることにより、絶縁油およびPCBを全て蒸発させた。その後も加熱を続けて、容器の温度が上昇し始めて200℃を越えた時点で加熱を止めた。そして、回収設備4で回収された絶縁油およびPCBの分解生成物中のPCBの残留率を求めた。
【0038】
上述したPCBの分解・回収実験を電子線照射設備3での電子線の吸収線量を異ならせて行い、電子線の吸収線量率とPCB残留率との関係を求めた。その結果を図2に示す。同図に示すように、電子線の吸収線量が増加するに従いPCB残留率が減少した。特に吸収線量率を16以上とした場合は、PCB残留率が0となり、PCBが完全に分解されたことが判明した。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の難分解性有機化合物の分解処理方法によれば、電気部材から難分解性有機化合物を真空処理加熱により除去すると共に蒸発した難分解性有機化合物に電子線照射を行うことによって、電気部材の無害化処理と難分解性有機化合物の分解処理とを連続的に行うことができる。このため、電気部材からの難分解性有機化合物の除去およびその分解を簡単な工程によって効率良く行うことができる。
【0040】
また、減圧された密閉装置内で全ての反応が完了するため、作業者に対する作業環境の安全性や一般公衆に対する安全性が十分に保たれる。そして、少なくとも真空加熱設備と電子線照射設備が有れば実施できるので、装置の小型化を図ることができる。このため、本装置を移動式プラントにして、例えばトレーラーに積載して、移送先で難分解性有機化合物の除去およびその分解を行うオンサイト処理を実現することができる。
【0041】
また、請求項2記載の難分解性有機化合物の分解処理方法によれば、電気部材の加熱は100mbar以下の雰囲気中で行われるようにしているので、難分解性有機化合物の加熱蒸発を最も良好に行うことができる。
【0042】
さらに、請求項3記載の難分解性有機化合物の分解処理方法によれば、電気部材の加熱は100〜650℃で行われるようにしているので、難分解性有機化合物の加熱蒸発を最も良好かつ効率良く行うことができる。
【0043】
また、請求項4記載の難分解性有機化合物の分解処理方法によれば、電子線照射による難分解性有機化合物の分解は100mbar以下の雰囲気中で行われるようにしているので、難分解性有機化合物の分解を最も良好に行うことができる。
【0044】
一方、請求項5記載の難分解性有機化合物の分解処理方法によれば、難分解性有機化合物の除去が比較的困難な紙や木類から成る部材においてもその除去を良好に行えると共に、除去した難分解性有機化合物の分解処理を効率良く安価に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の難分解性有機化合物の分解処理方法の一実施形態における処理設備を示す概略図である。
【図2】電子線の吸収線量率とPCB残留率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電気部材
2 真空加熱設備
3 電子線照射設備

Claims (5)

  1. 難分解性有機化合物を含有した電気部材を減圧下で加熱して前記難分解性有機化合物を蒸発除去し、この蒸発除去された気体状の前記難分解性有機化合物を減圧状態のまま電子線を照射することで分解することを特徴とする難分解性有機化合物の分解処理方法。
  2. 前記電気部材の加熱は、100mbar以下の雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1記載の難分解性有機化合物の分解処理方法。
  3. 前記電気部材の加熱は、100〜650℃で行われることを特徴とする請求項1または2記載の難分解性有機化合物の分解処理方法。
  4. 前記電子線照射は、100mbar以下の雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1から3までのいずれか記載の難分解性有機化合物の分解処理方法。
  5. 原姿の前記電気部材に請求項1から4までのいずれか記載の前記難分解性有機化合物の除去処理を施し、その後、処理された前記電気部材を解体し、金属やプラスチック類から成る部材を難分解性処理物として処理すると共に、残りの紙や木類から成る部材から請求項1から4までのいずれか記載の難分解性有機化合物の分解処理方法により難分解性有機化合物を除去し分解することを特徴とする難分解性有機化合物の分解処理方法。
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