JP4813686B2 - 燃焼排ガスの処理方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物焼却炉からの燃焼排ガスの処理方法および処理装置に関し、さらに詳しくは、燃焼排ガス中に含まれるダイオキシン等の有害な有機物を、浄化処理するのに好適な燃焼排ガスの処理方法および処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、廃棄物焼却炉から排出される燃焼排ガス中に、多くの有害成分が含まれていることが問題になっており、特にダイオキシン等の極めて有害な有機物が含まれることが懸念されている。しかし、単に焼却処理によってこれらの有害物質を無くそうとすると、焼却温度を極めて高温にする必要があり、実際には、中型や小型の焼却炉ではこのような極めて高温での連続運転による焼却処理は困難であった。
また、液相中に有害成分を存在させ、放電プラズマによって分解処理を行う方法がある。この場合、液相中で放電プラズマを発生させるためには、通常、平行平板電極が使用されている。しかし、この方法では、発生するプラズマと被分解物質との接触面積および時間が短く、分解効率が極めて悪い。
【0003】
一方、有害物質にマイクロ波を照射して放電による分解処理することが考えられ、この方法であれば設備が大型化することなく処理できる。ところが、一般的に、水中や空気中にマイクロ波をかけても放電を起こさせることは容易でなく、燃焼排ガスについて、そのままマイクロ波を照射してプラズマ処理を行うには、大気圧下、膨大な電力を消費するので総エネルギー量に対する分解効率が悪い。
特に、マイクロ波発振器を用いる場合には、通常、負荷した電力量の約半分しかマイクロ波に変換しないので、残りの電力量は熱に変換されて無駄となってしまう。よって、燃焼排ガスの連続的な処理を実現するには、少量の電力量でプラズマを発生させる技術が必要であった。
また、燃焼排ガス中に含まれる有害成分は、一般に微量成分であるため、その排ガス中の低濃度のまま処理を行うことは、エネルギー的に有利とはいえず、より高濃度の状態で処理することが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題点に鑑み、燃焼排ガス中に含まれる有害物質を効率良く吸着・回収して、濃縮された有害成分を効率的に無害化する処理方法、さらに装置全体の処理効率向上および運転効率の向上を可能とする処理方法を開発すべく、鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、特定のプラズマ誘起体を設置した箇所にマイクロ波を照射することにより効果的に発熱あるいはプラズマ発生を起こし、このプラズマによって吸着剤上に吸着させたガス中の有害物質を処理することによって、かかる課題が解決されることを見い出した。本発明は、かかる見地より完成されたものである。
【0005】
すなわち、本発明は、燃焼排ガスを排ガス流路に流通させて処理する燃焼排ガスの処理装置であって、共振器と誘起体と吸着剤とを含むことを特徴とする燃焼排ガスの処理装置を提供するものである。ここで共振器は、排ガス流路の外部に備えられ、外部発振器からのマイクロ波を排ガス流路内部に共振させる。誘起体は、共振器近傍の排ガス流路内部に設置され、共振器からのマイクロ波によって発熱あるいはプラズマ発生を起こさせる。吸着剤は、誘起体の後流であり且つ誘起体による加熱領域内の排ガス流路内部に設けられ、燃焼排ガス中の有害成分を吸着する。
本発明で用いられる吸着剤は、多孔体のように物理的な捕集を行うものではなく、ガス分子の化学的な吸着を行う無機系吸着剤であり、例えばゼオライトやシリカゲル等を挙げることができる。誘起体としては例えばSiC材料を用いることができるが、SiC焼結体の他、、グラファイトブロック、粒状活性炭、セラミックフォームや多孔質誘起体などが挙げられる。
【0006】
また、本発明のより好ましい態様として、共振器と第1の誘起体と吸着剤と第2の誘起体とを含む燃焼排ガスの処理装置が挙げられる。ここで第1の誘起体は、共振器近傍の排ガス流路内部に設置され、共振器からのマイクロ波によって発熱あるいはプラズマ発生を起こす。吸着剤は、第1の誘起体の後流であり且つ誘起体による加熱領域内の排ガス流路内に設けられ、燃焼排ガス中の有害成分を吸着する。第2の誘起体は、吸着剤後流の排ガス流路内に設置され、共振器からのマイクロ波によってプラズマを発生させる。この態様においては、共振器が、第1の誘起体にマイクロ波を照射する第1の共振器と、第2の誘起体にマイクロ波を照射する第2の共振器と、に分離されていることが、より効果的である。そして、第2の誘起体の後流には、さらに吸着剤を設置することもできる。
【0007】
また、本発明は、上記した処理装置に、燃焼排ガスを連続的に供給し、前記共振器からは間欠的にマイクロ波を照射する燃焼排ガスの処理方法であって、マイクロ波を照射せずに、供給される燃焼排ガス中から有害成分を回収して吸着剤に蓄積する吸着工程と、マイクロ波を照射して誘起体に作用させ、有害成分を分解処理する処理工程と、を含む燃焼排ガスの処理方法を提供するものである。
より好ましい態様としては、上記した処理装置に、燃焼排ガスを連続的に供給し、前記共振器からは間欠的にマイクロ波を照射する燃焼排ガスの処理方法であって、マイクロ波を照射せずに、供給される燃焼排ガス中から有害成分を回収して吸着剤に蓄積する吸着工程と、マイクロ波を照射して第1の誘起体を発熱させ、有害成分の吸着した吸着剤を加熱して蓄積した該成分を放出させる工程と、マイクロ波を照射して第2の誘起体にプラズマを発生させて、吸着剤から放出される濃縮された有害成分を分解する処理工程と、を含む燃焼排ガスの処理方法が挙げられる。
このような燃焼排ガスの処理方法では、誘起体の前流にて、燃焼排ガスに分解助剤を添加する工程をさらに含むこともできる。
【0008】
吸着剤は、共振器からの誘起体へのマイクロ波の照射によって、加熱される領域を含む範囲内に配置する。具体的には、排ガスの流れ方向に対して誘起体の後流側に吸着剤を配置することになる。吸着剤の形状は特に限定されるものではなく、各装置における排ガス流路の形状によって任意に定めることができるが、例えば円柱状の吸着剤を用いることができる。
【0009】
一般に誘起体であるSiC等には、吸着をさせる作用をも有する場合がある。しかし、排ガス中の微量な有害成分が流下していく状況では、これらの成分を確実に吸着させる程に、SiC自体の吸着能力は高くない。
よって本発明では、吸着作用の強い無機系吸着剤を用いて、排ガス中の有害成分(例えばダイオキシン等)を吸着させる。吸着条件としては温度が低いほど吸着し易いので、通常マイクロ波を照射していない間に吸着させる。そして、ある程度の量が吸着された段階で、マイクロ波を照射する。マイクロ波照射によって、誘起体では発熱が起こり、周辺が加熱される。その温度上昇によって、誘起体に接する吸着剤も加熱されるので、吸着剤に吸着された有害成分は吸着能力の低下によって後流に放出される。
【0010】
その後流に第2の誘起体を設置しておけば、放出された有害成分はそこで発生するプラズマによって完全に処理される。つまり、第1の誘起体は加熱源として利用し、第2の誘起体はプラズマ源として利用する。このように吸着剤の前段と後段に2つの異なる誘起体を設置する態様により、吸着させた有害物を加熱して脱着させるのに前段の誘起体を用い、プラズマによる分解処理を行うのに後段の誘起体(プラズマ誘起体)を用いる。なお、吸着剤の前流に設けた1つの誘起体によって、これら2つの作用を同時に行わせる態様も可能である。
【0011】
本発明の処理装置は、燃焼排ガスについてダスト処理した後の排ガスを好適な対象としている。具体的には、例えば水の噴霧による濃縮分離工程を経た後の残ガス等が好適な対象である。このような燃焼排ガスについて、水を噴霧する濃縮分離工程を経た後のガス、つまり、ダスト処理した後のガスは、マイクロ波誘起体(SiC等)の角材等が配置された流路を通しても、十分な吸着性能を有していないので、完全には除去できない。
本発明では、ゼオライト等の無機系吸着剤に排ガスを通して、ダイオキシン類を略完全に吸着させる。そして、この吸着剤を加熱して高濃度の有害物質を含むガスとしてから、プラズマによって分解処理するものである。このような本発明によれば、大気圧下、低温での有害物質の処理が可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る処理方法について、添付図面を参照しながら、その具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の処理方法を実施するのに好適な処理装置の一例を、模式的に示す断面図である。本実施の形態の処理装置は、第1の誘起体に外部発振器からのマイクロ波を照射する第1の共振器1aと、共振器1aからのマイクロ波によって発熱する第1の誘起体2aと、燃焼排ガス中の有害成分を吸着する吸着剤3と、第2の誘起体に外部発振器からのマイクロ波を照射する第2の共振器1bと、共振器1bからのマイクロ波によってプラズマを発生させる第2の誘起体2bと、を備えている。
中型あるいは小型の焼却炉から排出される燃焼排ガスは、ダイオキシン類の化合物などの有害物質を含んでいる。本発明の装置は、吸着剤3に燃焼排ガス中の有害物質(ダイオキシン等)を化学的に吸着・回収させるものである。
図1のような処理装置では、第1の誘起体2aの前段に、アルゴンやヘリウム等の不活性ガス10を導入できる供給ライン11が設けられている。これにより、大気中処理の場合に多量に発生する可能性のある二酸化窒素(NO2)にそなえて、後段の誘起体2a,2bでのプラズマ発生時には、燃焼排ガスに不活性ガスを導入することができる。
【0013】
本発明の装置では、共振器1a,1bにマイクロ波が吸収される。この共振器の部分から内部に向かって出力されるマイクロ波は、排ガスの流れ方向に沿って、後流側にその照射域が拡大する。共振器の形状は特に限定されないが、例えばリング状の円筒構造が用いられる。その内側である近傍には、内径が小さい円柱構造の誘起体2a,2bが設置される。
マイクロ波の波長としては、例えば2.45GHzを用いることができるが、効率的に放電を誘起する観点からは、この波長に限定されるものではなく、誘起体に作用させて放電を生じ得る波長を幅広く用いることできる。また、出力も限定されるものではないが、例えば100〜700W程度の発振器を用いることができる。
【0014】
共振器の内側に設置された誘起体2a(SiC等)では、マイクロ波のエネルギーによって発熱が起こる。誘起体2aの後流に設けられる吸着剤3aは、発熱による加熱領域内に含まれ、誘起体に接触しているので、加熱する。この際、より高エネルギーのマイクロ波を誘起体2aに照射することによって、プラズマを発生させることもできる。さらに後段の誘起体2bでは、共振器1bによる高エネルギーレベルのマイクロ波の照射によって、プラズマが発生する。
【0015】
本発明で用いる誘起体2が存在する中では、外部からマイクロ波をかけた場合にプラズマが誘起されて、通常の空気中に比べて極めて少ない電力でも効果的に内部で放電が生じ、その内部で集中的・局所的に放電が生じる。
ここでの誘起体2としては、例えばグラファイトブロック、粒状活性炭、SiC焼結体の他、セラミックフォームや多孔質誘起体などが用いられる。誘起体の形状は何ら限定されるものではなく任意に定められるが、高コストのSiC材料等を用いる場合に効果的にプラズマを誘起する観点からは、例えば約10〜50mm幅程度の円柱状の形状物を用いることができる。プラズマ誘起体の作用としては、形状的に電界の集中が生じやすくなること、マイクロ波を吸収しやすいのでガス成分の電子が放出しやすくなり、放電が持続的に起こること、等が挙げられる。
【0016】
本実施の形態の装置では、誘起体2aと2bの間に吸着剤3が設けられている。この吸着剤3の構造は特に限定されず、排ガス流路を塞いでガス中の有害成分を後流に漏らすことなく吸着できればよく、例えば円柱状の構造を有する。吸着剤3としては無機系吸着剤が用いられ、例えばゼオライトやシリカゲル等が用いられる。
誘起体はプラズマ発生の目的であれば中央が空洞でも良いが、前段に設けられる第1の誘起体2aは、プラズマ発生以外の目的として吸着剤3の加熱用に用いられるので、吸着剤部分と接触面積を大きくする必要があり、空洞部分を設けないことが好ましい。この誘起体2aによる効率的な発熱作用によって、吸着剤3部は高温に熱せられる。マイクロ波によって加熱する本発明の方法によれば、300℃〜600℃の範囲にまで吸着剤3が加熱される。これにより吸着剤3の吸着作用が低減して、吸着していた有害成分が濃縮した状態で後流に放出される。
一方、室温等の低温で行う吸着工程では、有害成分の吸着力、吸着率を低下させることなく、吸着剤3を使用することができる。
【0017】
前段と後段の2段の誘起体2a,2bを有する本実施の形態では、第1の誘起体では共振器による負荷を低くして、加熱だけを行わせてプラズマは発生させないこともできる。これにより、吸着剤3aに吸着された有害成分は濃縮された状態で後流に放出される。第2の誘起体2bには共振器1bにより高電力を負荷して、プラズマを起こさせる。
なお、本実施の形態以外に、1段の誘起体2を用いる態様であっても、マイクロ波による負荷が大きければ、加熱させるだけでなく同時にプラズマ発生による吸着剤3付着成分の処理を行うこともできる。これによれば、第2の誘起体2bを設置しなくても簡略な装置によって、吸着剤3に捕捉した有害成分の処理が可能となる。
【0018】
図2には、本発明の処理方法を実施するのに好適な処理装置の他の一例を、模式的に示す断面図である。この処理装置は、上記した図1の装置における第1の共振器1a、第1の誘起体2a、燃焼排ガス中の有害成分を吸着する第1の吸着剤3a、第2の共振器1b、第2の誘起体2b、にさらに加えて、第2の誘起体2bの後流に第2の吸着剤2bを設置してある。
この態様においては、第1の吸着剤3aと第2の吸着剤3bの種類は同じであっても異なっていても良いが、ダイオキシン類の化合物などの多くの有害物質を含んでいる燃焼排ガス中から、より多くの種類の有害物質をそれぞれ効果的に吸着・除去するには、吸着剤3aと3bで異なる吸着剤を用いることが好ましい。具体的には、例えば第1の吸着剤3aにシリカゲル等の吸着剤を用い、第2の吸着剤3bにイオン交換型ゼオライト等の吸着剤を用いる態様が挙げられる。
また、図2のような処理装置では、第1の誘起体2aと第2の誘起体2bの間に、アルゴンやヘリウム等の不活性ガス10を導入できる供給ライン11が設けられている。これにより、大気中処理の場合に多量に発生する可能性のある二酸化窒素(NO2)にそなえて、プラズマ発生時に不活性ガスを導入することができる。
【0019】
次に、上記のような本発明の処理装置を用いれば、種々の方法によって排ガスを効果的に処理することができる。
具体的には、本発明の処理装置に、燃焼排ガスを連続的に供給し、前記共振器からは間欠的にマイクロ波を照射する燃焼排ガスの処理方法が挙げられ、マイクロ波を照射せずに、供給される燃焼排ガス中から有害成分を回収して吸着剤に蓄積する吸着工程と、マイクロ波を照射して誘起体に作用させ、有害成分を分解処理する処理工程と、を含む処理方法である。ここで、誘起体2にマイクロ波を照射した際には、発熱作用による吸着剤の加熱の他、高エネルギー照射の場合にはプラズマ発生作用も生じる。よって、誘起体2が1つの場合には吸着剤に捕捉された有害物質をプラズマによって分解処理することができる。
【0020】
一方、図1又は図2に示す処理装置では、上記吸着工程の後、マイクロ波を照射して第1の誘起体を発熱させ、有害成分の吸着した吸着剤を加熱して蓄積した該成分を放出させる工程と、マイクロ波を照射して第2の誘起体にプラズマを発生させて、吸着剤から放出される濃縮された有害成分を分解処理する処理工程と、を含む処理方法が実施できる。ここで通常は、マイクロ波を照射して有害成分を放出させる工程と、マイクロ波を照射してプラズマを発生させて有害成分を分解する処理工程とは、同時に行われる。
吸着剤にて排ガス中の有害成分を吸着し、一定以上に蓄積したら、マイクロ波を照射して第1の誘起体1aを加熱する。常時マイクロ波を発生させることなく、一定以上の量、吸着された時点で、マイクロ波を照射して発熱させ、吸着剤から有害成分を高濃度にして放出させる。例えば1時間の内、55分間の吸着工程の後、5分間のマイクロ波照射によって処理を行う。これにより、分解処理に必要とされる総エネルギー量も少なくて足り、効率的に排ガス中の有害物の濃縮・分解処理を行うことができる。
【0021】
連続的に処理を行うとすると、排ガス中の微量成分は加熱されて吸着力が低下した状態の吸着剤3を通ることになるので、十分に回収されずに後流に漏れる。また、連続的な処理では、排ガス中の有害成分は微量なのでプラズマ発生による処理の効率が高くない。
本発明の処理においては、間欠的にマイクロ波照射することによって、マイクロ波照射していない間に有害成分を吸着剤3に回収するので、効率的に有害物を濃縮できる。また、マイクロ波照射を行う際には、前段の第1の誘起体2aが発熱して、吸着剤3aに蓄積された有害成分が放出される。燃焼排ガスそのままの低濃度の有害物を大気中で分解処理することは困難を伴うが、一旦、排ガス中から有害物を回収・吸着させてから脱着させることで、有害成分の濃縮ガスとして後流に送られる。この濃縮ガスから有害物を分解処理することは容易であり、滞留時間を調整して処理することにより、一層効果的に大気中での処理が可能となるのである。
吸着作用としては、一般に温度が低い方が吸着しやすく、高温では吸着率も低下しやすい。よって、マイクロ波を照射しない条件で十分な吸着を行い、その後に濃縮したガスについてプラズマを発生させて高温での分解処理を行うのが効率的である。
【0022】
本発明の処理方法においては、排ガス中に誘起体の上流側で有害物質が分解しやすいような、分解助剤、例えば過酸化水素やオゾン等の酸化促進剤を注入することもできる。ダイオキシン等の有機物は、酸素と反応して酸化分解しやすいので、その酸化分解反応を促進できるからである。
【0023】
本発明の処理装置は、廃棄物焼却炉から排出される、有害物質を含む燃焼排ガスの処理システムの一部として、灰等の成分を水で回収した濃縮液と残りの残ガスとに分離する濃縮器の後段にて、残ガス成分を処理するガス反応器として用いることができる。
例えばゴミ焼却場かの焼却炉から排出される燃焼排ガスの処理では、排ガス中に灰が多く含まれるので、これらに付着した有害物質も同時に処理しなければならない。よって、濃縮器で濃縮液と残ガスとに分離してから、残ガスを無害化するために本発明の処理装置を用いるのが好適である。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係る処理方法によれば、導電率が高い特定の誘起体にマイクロ波を照射することにより、大気圧下で、しかも低い消費電力でプラズマ(マイクロ波誘起常圧プラズマ)を発生でき、このプラズマを利用して各種の有害ガス成分を分解・除去できる。また、処理前に吸着剤によって有害成分を吸着・回収しておくことによって、有害成分を濃縮することが可能であり、効率的な処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の他の一実施例に係る処理装置の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 共振器
2a,2b 誘起体
3a,3b 吸着剤
10 不活性ガス
11 供給ライン

Claims (7)

  1. 燃焼排ガスを排ガス流路に流通させて処理する燃焼排ガスの処理装置であって、
    排ガス流路の外部に備えられ、外部発振器からのマイクロ波を排ガス流路内部に共振させる、共振器と、
    該共振器近傍の排ガス流路内部に設置され、該共振器からのマイクロ波によって発熱あるいはプラズマ発生を起こさせる、誘起体と、
    該誘起体の後流であり且つ誘起体による加熱領域内の排ガス流路内部に設けられ、燃焼排ガス中の有害成分を吸着する、吸着剤と、
    を含むことを特徴とする燃焼排ガスの処理装置。
  2. 燃焼排ガスを排ガス流路に流通させて処理する燃焼排ガスの処理装置であって、
    排ガス流路の外部に備えられ、外部発振器からのマイクロ波を排ガス流路内部に共振させる、共振器と、
    該共振器近傍の排ガス流路内部に設置され、該共振器からのマイクロ波によって発熱あるいはプラズマ発生を起こさせる、第1の誘起体と、
    該第1の誘起体の後流であり且つ誘起体による加熱領域内の排ガス流路内に設けられ、燃焼排ガス中の有害成分を吸着する、吸着剤と、
    該吸着剤後流の排ガス流路内に設置され、該共振器からのマイクロ波によってプラズマを発生させる、第2の誘起体と、
    を含むことを特徴とする燃焼排ガスの処理装置。
  3. 前記共振器が、第1の誘起体にマイクロ波を照射する第1の共振器と、第2の誘起体にマイクロ波を照射する第2の共振器と、に分離されていることを特徴とする請求項2に記載の燃焼排ガスの処理装置。
  4. 前記第2の誘起体の後流に、さらに吸着剤を設置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の燃焼排ガスの処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の処理装置に、燃焼排ガスを連続的に供給し、前記共振器からは間欠的にマイクロ波を照射する燃焼排ガスの処理方法であって、
    マイクロ波を照射せずに、供給される燃焼排ガス中から有害成分を回収して吸着剤に蓄積する吸着工程と、
    マイクロ波を照射して誘起体に作用させ、有害成分を分解処理する処理工程と、を含むことを特徴とする燃焼排ガスの処理方法。
  6. 請求項2〜4のいずれかに記載の処理装置に、燃焼排ガスを連続的に供給し、前記共振器からは間欠的にマイクロ波を照射する燃焼排ガスの処理方法であって、
    マイクロ波を照射せずに、供給される燃焼排ガス中から有害成分を回収して吸着剤に蓄積する吸着工程と、
    マイクロ波を照射して第1の誘起体を発熱させ、有害成分の吸着した吸着剤を加熱して蓄積した該成分を放出させる工程と、
    マイクロ波を照射して第2の誘起体にプラズマを発生させて、吸着剤から放出される濃縮された有害成分を分解する処理工程と、
    を含むことを特徴とする燃焼排ガスの処理方法。
  7. 誘起体の前流にて、燃焼排ガスに分解助剤を添加する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の燃焼排ガスの処理方法。
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