JP2004283684A - 土壌処理方法 - Google Patents

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敏司 西口
Yoshiaki Kaneko
芳昭 金子
Junichi Tamura
順一 田村
Koji Yamaguchi
浩司 山口
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    • B09CRECLAMATION OF CONTAMINATED SOIL
    • B09C1/00Reclamation of contaminated soil
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Abstract

【目的】汚染土壌に含まれる非塩素系有機化合物をはじめとする有害な有機化合物を無害化する改善された土壌処理方法を提供する。
【構成】汚染土壌に含まれる非塩素系有機化合物等の有害な有機化合物をガス状態で取り出し、低温プラズマにより分解処理して無害化することを特徴とする土壌処理方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非塩素系有機化合物等の有害な有機化合物により汚染された汚染土壌について、前記有害な有機化合物を分解処理することにより前記土壌を無害化する方法に関する。より詳しくは、本発明は、汚染土壌に含まれる非塩素系有機化合物をはじめとする有害な有機化合物からなる汚染物質を該汚染土壌からガス状態で取り出し、低温プラズマにより分解処理して無害化することを特徴とする土壌処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化学薬品を使用する分野で排液による土壌汚染の問題が認識され、そうした問題の各種解決策が採られてきている。また、土壌汚染をもたらす化学薬品の使用について、法的にも整備あるいは強化されてきている。例えば、塗装業、めっき業、ガソリンスタンド店、クリーニング店、洗浄業などでは、各種の有機化合物が使用されており、排液を介してそれら有機化合物の土壌中への浸透による土壌汚染が顕在化してきている。これらの土壌汚染を解決する一般的な方法として、土壌の掘削を行い、その後風乾処理、温風処理、焼却処理する方法が採用されている。この他、そうした化学薬品を、真空抽出等により汚染土壌より抽出する方法も採用されている。この方法では、抽出後に大気放出する場合と、真空抽出したガスを活性炭などにより吸着回収する方法、さらに回収した後に焼却する方法などがその後段処理方法としてあり、それぞれ必要に応じて使い分けられている。また、汚染土壌の存在位置で土壌処理する方法としては、生物処理方法あるいは紫外線処理法などが開発され、実施に付されているものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した方法はいずれもそれぞれ特徴があり、汚染成分、汚染範囲、処理目標、処理コストなどの関係する事項に鑑みて、好適方法が決定されている。こうした状況は、換言すれば、あらゆる汚染土壌の浄化に有効である的確な処理方法は未だ見出されていないことを意味する。上述した処理方法の夫々について検討するに、代表的処理技術である掘削法あるいは吸着回収法の場合、汚染土壌をその存在位置で浄化処理することは困難であるので、これらの方法で該汚染土壌を浄化処理するとなると、莫大な量の汚染土壌の運搬や移動が必要となる。従って、これらの方法は、汎用性のないものである。
汚染土壌をその存在位置で浄化処理することが可能な生物処理法の場合、当該汚染土壌の浄化処理に長期間を必要とし、浄化進行度合いの的確な把握が難しいといった問題がある。
紫外線処理法は、上記方法におけるような問題はないが、以下に述べるような欠点がある。即ち、紫外線処理法の場合、塩素のラジカル化を利用した処理方法であるため、土壌汚染物質が塩素を含まない有機化合物、例えば、ベンゼンやトルエンなどの非塩素系有機化合物である場合には、的確な浄化効果は期待できない。
スペース的には不利であるが処理効率の点では優れていると云える燃焼法や触媒燃焼法は、非塩素系溶剤のみで汚染された土壌を浄化するについて有効である。しかし、そうした汚染土壌は往々にして塩素系溶剤を含む場合がある。この汚染土壌をこれらの方法で処理する際、人体に有害なダイオキシンの発生といった忌々しい問題が生じる。また、汚染土壌が非塩素系溶剤のみで汚染されたものであるにしても、これらの方法で該汚染土壌をその存在位置で浄化処理することは困難である。従って、これらの方法で該汚染土壌を浄化処理するとなると、該汚染土壌を採取して処理施設に運搬しなければならない。
【0004】
以上述べたように、従来の土壌処理技術では、非塩素系有機化合物で汚染された土壌を、該汚染土壌の存在位置で、該汚染土壌に含まれる前記非塩素系有機化合物を効率的に分解処理して、浄化することは極めて困難である、というのが実情である。
こうした従来の土壌処理技術の状況を改善するについて、汚染土壌の汚染物質を効率的に低コストで分解処理して該汚染土壌を浄化できる土壌処理技術の早期提供が切望される。この点、より詳しくは、汚染土壌の汚染物質が塩素系のものであるか或いは非塩素系のものであるかに係わらず、該汚染土壌の存在位置でその汚染物質を高効率で短時間に分解処理して該汚染土壌を浄化できる土壌処理技術の早期提供が切望される。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決し、非塩素系有機化合物等の有機化合物で汚染された汚染土壌をその存在位置で効率的に浄化処理できる土壌方法を提供する。より詳細には、本発明は、主として非塩素系有機化合物からなる汚染物質を含有する汚染土壌について、該汚染土壌から真空抽出法或いは曝気法により前記汚染物質をガス状態で取り出し、取り出したガスを低温プラズマを用いて分解処理することを特徴とする土壌処理方法を提供するものである。本発明の土壌処理方法においては、必要に応じ前段処理として、前記取り出したガス中の水分を除去するか、或いは処理プロセスにおける前記ガスの流路を加熱してもよい。これにより、前記ガスの分解処理効率を促進することができる。また、後段処理として、触媒処理、加熱処理、或いは冷却処理を付加してもよい。
【0006】
本発明の土壌処理方法の詳細を説明する。先ず、非塩素系有機化合物等の有機化合物からなるで汚染物質で汚染された汚染土壌から真空抽出或いは曝気法により前記汚染物質をガス状態で取り出す。取り出したガスについては、その目的或いは各種の条件に応じて前処理を実施することができる。前記汚染土壌から取り出したガスは、一般的には、水分含量が多いので、水分除去などの水分量調整を行うことが望ましい。或いは、前記ガスの分解処理を効率的に行うべく、最適な水分濃度にするため濃縮や希釈を行ってもよい。このように前処理されたガスは、分解処理部であるプラズマ反応装置へポンプなどにより送られる。このプラズマ反応装置は、低温プラズマを発生する機構を有する。該プラズマ反応装置においては、低温プラズマを常圧付近の圧力範囲で発生させるのが、分解処理効率や装置構成の面から見て望ましい。しかしながら、減圧下で低温プラズマを発生させても、前記ガスの分解処理は可能である。前記プラズマ反応装置における低温プラズマを発生は、無声放電、パルスコロナ放電、沿面放電、或いは部分放電により行うことができる。これらの放電方式は、分解処理するガスの種類に応じて使い分けすることができる。
【0007】
前記プラズマ反応装置内に導入されたガスに含まれる有機化合物からなる汚染物質は、該プラズマ反応装置内で発生されるプラズマのエネルギーにより分解されて無害化する。この分解処理際、必要応じて、投入電力、装置内の雰囲気、装置内の雰囲気温度などの前記分解処理に係わる条件を制御してもよい。前記プラズマ反応装置内で分解処理されたガスは、該プラズマ反応装置から排出した後、必要に応じて、後段処理として、触媒処理、熱処理、冷却処理、或いは還元処理に付してもよい。これらの処理は、紫外線処理等と組み合わせて行ってもよい。このように分解処理することにより、前記ガスは無害化される。無害化されたガスは大気放出することができる。
【0008】
先にのべたように、従来の土壌処理技術では非塩素系有機化合物等の有機化合物からなる汚染物質を含有する汚染土壌をその存在位置で浄化することは困難である。本発明は、これを可能にするものである。即ち、本発明の、非塩素系有機化合物等の有機化合物からなる汚染物質を含有する汚染土壌について、該汚染土壌から真空抽出法或いは曝気法により前記汚染物質をガス状態で取り出し、取り出したガスを低温プラズマを用いて分解処理することを特徴とする土壌処理方法によれば、そうした汚染土壌をその存在位置で効率的且つ効果的に浄化処理することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に述べる実施態様例により本発明の内容をより詳しく説明するが、本発明の技術的範囲はこの実施態様例に限定されるものではない。
【0010】
【実施態様例】
図1は、本発明の土壌処理方法を実施するに適した土壌処理システムの一例を模式的に示すものである。図1に示す土壌処理システムに基づいて本発明の土壌処理方法の一実施態様例を説明する。先ず、被処理対象である非塩素系溶剤成分を含有する汚染土壌より、その汚染物質である塩素系溶剤成分を気体として取り出す。図1に示す土壌処理システムにおいては、真空抽出法により汚染土壌1よりポンプ2で塩素系溶剤成分を気体として取り出す。この塩素系溶剤成分の取り出し方法は、真空抽出法に限定されず、曝気法などの他の方法であってもよい。取り出された非塩素系溶剤成分を含むガスは、水分を除去するため、吸湿フィルターなどの水分量調節器3を通過した後、分解処理部であるプラズマ反応装置4内へ導入される。プラズマ反応装置4は、該装置内で低温プラズマを発生するためのプラズマ発生手段を備えている。該プラズマ発生手段としては、低温プラズマ発生装置を使用できるが、大気圧状態で低温プラズマを発生できる装置を使用するのがより好ましい。
【0011】
そうしたプラズマ発生装置における低温プラズマを発生する際の放電方式は、例えば、図2に示すような粒状誘電体5を用いる放電方式であってもよいし、或いは図3に示すようなパルスコロナ放電方式であってもよい。図2の粒状誘電体放電方式の場合、交流電源或いはパルス電源などの電源6より加えられる電圧により誘電体粒子5の粒子間隙にプラズマが発生する。図3のパルスコロナ放電方式の場合、中心電極7がパルス電源8と電気的に接続されており、電源8からパルス電圧が加えられることでコロナ放電が発生する。このような放電方式によりプラズマ反応装置4内でプラズマを発生させる、その際プラズマ反応装置4内に導入されたガス中の溶剤成分は前記プラズマのエネルギーにより分解して無害化する。分解処理されたガスはプラズマ反応装置4から排出される。プラズマ反応装置4から排出されるガスは実質的に無害化されたガスであるので、其の侭土壌処理システムから大気放出してもよい。然しながら、プラズマ反応装置4から排出されるガスは、必要に応じて、後段処理装置9により後処理を行ってもよい。この後処理を行うための後段処理装置9として、例えば、触媒処理装置、加熱処理装置、冷却処理装置、或いはろ過装置(フィルター)を適宜選択して使用できる。このような後処理処により一層浄化されたガスは、土壌処理システムから大気放出される。
【0012】
【発明の効果】
本発明の土壌処理方法は、従来の土壌処理技術によっては達成することのできない以下に述べるような作用効果を奏する。即ち、非塩素系有機化合物等の有機化合物からなる汚染物質で汚染された汚染土壌について、その存在位置で、効率的且つ効果的に浄化処理することができる。また、低温プラズマによる分解処理前に行う水分調整器などによる前処理工程、或いは前記分解処理後に行う触媒処理、加熱処理、冷却処理、或いはろ過処理など後処理工程を前記分解処理工程と適宜組み合わせることが可能であるため、条件に応じた所望の土壌処理プロセスを設計できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土壌処理方法を実施するに適した土壌処理システムの一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明の土壌処理方法において低温プラズマを発生するに際して採用できる粒状誘電体放電方式の一例を模式的に示す図である。
【図3】本発明の土壌処理方法において低温プラズマを発生するに際して採用できるパルスコロナ放電方式の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 汚染土壌
2 吸引ポンプ
3 水分調節器
4 プラズマ反応装置
5 誘電体粒子
6 電源
7 電極
8 パルス電源
9 後段処理装置

Claims (3)

  1. 汚染土壌に含まれる有害な有機化合物からなる汚染物質をガス状態で取り出し、低温プラズマにより分解処理して無害化することを特徴とする土壌処理方法。
  2. 前記有機化合物が非塩素系有機化合物を含む成分からなるものである請求項1に記載の土壌処理方法。
  3. 前記汚染土壌からガス状態で取り出した汚染物質に含まれる水分の量を調整した後、前記低温プラズマによる分解処理に付すことを特徴とする請求項1に記載の土壌処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019150805A (ja) * 2018-03-06 2019-09-12 有限会社ヤマダ化成 有機化合物分解装置および有機化合物分解方法
CN114789191A (zh) * 2022-04-12 2022-07-26 浙江大学 一种流化态放电等离子体修复有机污染土壤系统

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