JP2004174375A - 洗浄方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被処理物に付着した有害物質を除去する洗浄方法であって、イソプロパノールとオクタノールと水とを混合した洗浄液で前記被処理物を洗浄することにより、当該被処理物から前記有害物質を除去する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物の表面に付着した有害物質を除去する洗浄方法およびその装置に関し、特に、PCB汚染されたトランスやコンデンサ等の電気機器の容器等の各種部材を洗浄する場合に適用すると有効である。
【0002】
【従来の技術】
近年では、PCB(Polychlorinated biphenyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)が強い毒性を有することから、その製造および輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃から国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっかけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義務)が出された経緯がある。
【0003】
PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜10個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のPCB製品において約100種類以上の異性体が確認されている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状である。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつであって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能であるという性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残留することが報告されている。
【0004】
このPCBは平成4(1997)年に廃PCB、PCBを含む廃油、PCB汚染物が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく特別管理廃棄物に指定され、さらに、平成9(1997)年にはPCB汚染物として木くず、繊維くずが、追加指定された。
【0005】
PCB処理物となる電気機器としては、高圧トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス・コンデンサ、柱上トランスがあり、廃PCB等としては、熱媒体に用いたものは絶縁油として用いたもの、また、これらの洗浄に用いた灯油等があり、廃感圧紙としては、ノーカーボン紙に使用されたカプセルオイルがあり、さらに、これらのPCBの使用又は熱媒の交換、絶縁油の再生、漏洩の浄化、PCB含有物の処理等の際に用いられた活性炭や、廃白土、廃ウェス類、作業衣等のPCB汚染物がある。現在これらは厳重に保管がなされているが、早急なPCBの処理が望まれている。
【0006】
近年では、このようなトランスやコンデンサ等の電気機器を処理する技術が種々開発されており、例えば、下記の特許文献1等には、PCBが封入されているトランスやコンデンサ等の電気機器の内部からPCBを回収し、当該電気機器の容器や各種部材等の被処理物に付着しているPCBをヘキサンやトルエンやイソプロパノール等の有機系、または、アルカリ水溶液や界面活性剤含有水等の水系の洗浄液で洗浄して浄化し、有機系の洗浄液を使用した場合には当該洗浄液を蒸留精製して分離回収したPCBを、水系の洗浄液を使用した場合には洗浄後そのままの洗浄液を、上記電気機器から回収したPCBと共に水熱酸化分解処理することにより、無害化処理することが記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−248455号公報
【特許文献2】
特開平8−309372号公報(要約)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような特許文献等に記載された処理方法においては、以下のような問題があった。
【0009】
(1)ヘキサンやトルエンやイソプロパノール等の有機系の洗浄液で被処理物を洗浄処理する場合、洗浄液の取り扱い量によっては、消防法の規制を受けたり、防爆対策用の設備等が必要となってしまい、イニシャルコストやランニングコストが高くなってしまう。
【0010】
(2)アルカリ水溶液や界面活性剤含有水等の水系の洗浄液で被処理物を洗浄処理する場合、被処理物の形状や構造(例えば細かい隙間を有する等)によっては、付着する有害物質を完全に洗浄除去することが難しいだけでなく、使用済みの洗浄液の廃棄処理量が非常に多くなってしまい、ランニングコストが高くなってしまう。
【0011】
このような問題は、PCB汚染されたトランスやコンデンサ等の電気機器の容器等の各種部材を洗浄する場合に限らず、被処理物の表面に付着している有害物質を洗浄除去する場合であれば、上述した場合と同様にして起こり得ることである。
【0012】
このようなことから、本発明は、被処理物の表面に付着している有害物質を低コストで効率よく洗浄除去することができる洗浄方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明による洗浄方法は、被処理物に付着した有害物質を除去する洗浄方法であって、イソプロパノールとオクタノールと水とを混合した洗浄液で前記被処理物を洗浄することにより、当該被処理物から前記有害物質を除去することを特徴とする。
【0014】
第二番目の発明による洗浄方法は、第一番目の発明において、前記洗浄液中のイソプロパノールの割合が40〜57Vol.%、前記洗浄液中のオクタノールの割合が3〜10Vol.%、前記洗浄液中の水の割合が40〜57Vol.%であることを特徴とする。
【0015】
第三番目の発明による洗浄方法は、第一番目または第二番目の発明において、前記有害物質が、PCB、廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品のうちの少なくとも一種であることを特徴とする。
【0016】
第四番目の発明による洗浄方法は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記被処理物が、PCBを含有した電気機器の部材であることを特徴とする。
【0017】
また、前述した課題を解決するための、第五番目の発明による洗浄装置は、被処理物に付着した有害物質を除去する洗浄装置において、前記被処理物が内部に入れられると共に、イソプロパノールとオクタノールと水とを混合した洗浄液が内部に入れられる洗浄槽を備えていることを特徴とする。
【0018】
第六番目の発明による洗浄装置は、第五番目の発明において、前記洗浄液中のイソプロパノールの割合が40〜57Vol.%、前記洗浄液中のオクタノールの割合が3〜10Vol.%、前記洗浄液中の水の割合が40〜57Vol.%であることを特徴とする。
【0019】
第七番目の発明による洗浄装置は、第五番目または第六番目の発明において、前記有害物質が、PCB、廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品のうちの少なくとも一種であることを特徴とする。
【0020】
第八番目の発明による洗浄装置は、第五番目から第七番目の発明のいずれかにおいて、前記被処理物が、PCBを含有した電気機器の部材であることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明による洗浄方法およびその装置の実施の形態を図面を用いて以下に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0022】
[第一番目の実施の形態]
本発明による洗浄方法およびその装置の第一番目の実施の形態を図1〜3を用いて説明する。図1は、洗浄装置の概略構成図、図2は、PCB処理システムの説明図、図3は、有害物質処理システムの全体構成図である。
【0023】
図1に示すように、洗浄槽111の上方には、イソプロパノールとオクタノールと水とを混合した洗浄液2を当該洗浄槽111内に供給する洗浄液供給手段である洗浄液供給装置112が配設されている。洗浄槽111の内部には、金網製の洗浄筐101を支承するブラケット111aが取り付けられている。洗浄槽111の下部には、当該洗浄槽111の内部へ超音波を発振する超音波発振手段である超音波発振器113が取り付けられている。また、洗浄槽111の下部には、当該洗浄槽111内の洗浄液2を外部へ排出する排出バルブ114が連結されている。
【0024】
ここで、前記洗浄液2は、イソプロパノールの割合が40〜57Vol.%、オクタノールの割合が3〜10Vol.%、水の割合が40〜57Vol.%であると好ましく、特に、イソプロパノールの割合が40〜45Vol.%、オクタノールの割合が5〜10Vol.%、水の割合が50Vol.%であるとより好ましい。
【0025】
このような洗浄装置100を使用して、PCBが表面に付着残留している被処理物1(PCB残留量:10mg/m2 程度)を洗浄する場合を次に説明する。
【0026】
被処理物1を洗浄筐101内に入れ、当該洗浄筐101を洗浄槽111内に入れてブラケット111a上に載置し、被処理物1を前記洗浄液2中に浸漬した後、超音波発振器113を作動させると、被処理物1は、上記洗浄液2中で超音波洗浄され、表面や細かい隙間に付着残留するPCBが効率よく除去されて、無害化処理される。
【0027】
この上記洗浄液2は、下記の表1に示すように、水を多く含有しているものの(40〜50Vol.%)、オクタノールを加えずにイソプロパノールと水とを混合しただけの場合と比べて、溶解速度(単位時間当たりの溶解量)が2〜3倍以上高くなると共に、溶解能力(単位容積当たりの溶解量)が5〜10倍程度高くなるので、消防法による規制からの除外と防爆対策用の設備等の省略化とを可能にしながらも、被処理物1の表面や微細な隙間に付着残留するPCBを当該被処理物1から効率よく除去することができる。
【0028】
【表1】
【0029】
なぜなら、イソプロパノールは、その分子を構成する原子が少なく(C4 )、極性基を有している(OH)ため、水との相溶を可能にしながらも、被処理物1の表面に付着残留しているPCBを効率よく溶解して当該表面から除去することができるのはもちろんのこと、当該表面の微細な隙間にも侵入して当該隙間に付着残留しているPCBを効率よく溶解して当該隙間から除去することができる一方、オクタノールは、その分子を構成する原子がイソプロパノールよりも多く(C8 )、極性基を有している(OH)ため、水との相溶を可能にしながらも、PCBに対して高い溶解能力を発現し、イソプロパノール中に溶解するPCBを当該イソプロパノールから抽出移行させて濃縮保持し、当該イソプロパノールの溶解能力を維持させることができるからである。
【0030】
このようにして被処理物1を洗浄した洗浄液2は、被処理物1の洗浄が所定回数行われた後、洗浄槽111内から排出バルブ114を介して抜き出されて蒸留処理され、イソプロパノール及び水が留去され、オクタノール及びPCBが残留することにより、PCB含有物(オクタノール及びPCB)とPCB非含有物(イソプロパノール及び水)とに分離される。
【0031】
ここで、イソプロパノールの沸点(82.4℃)及び水の沸点(100℃)とオクタノールの沸点(194.8℃)とは、大幅に異なるので、イソプロパノール及び水が留去する際、PCBは、オクタノール中に溶存してイソプロパノールや水と共沸することなく確実に残留すると共に、オクタノールは、PCBの溶解能力が高いと同時に洗浄液2中の容量が少ない(3〜10%)ので、蒸留残留物の容量が非常に少なくなる(1/10〜1/20程度)。
【0032】
このようにして分別されたイソプロパノール及び水は、洗浄液2に再利用され、オクタノール及びPCBは、活性炭処理され、PCBが活性炭に吸着除去されてオクタノールが無害化処理される。PCBを吸着した活性炭は、スラリ化されて水熱酸化分解されることにより無害化処理される。
【0033】
したがって、本実施の形態によれば、(1)消防法の規制の除外及び防爆対策用の設備等の省略化、(2)被処理物1の表面にある隙間に付着残留するPCBの効率的な洗浄除去、(3)使用済みの洗浄液2の廃棄処理量の大幅な減容化、の三点を同時に成り立たせることができるので、従来の場合よりも、イニシャルコストやランニングコストを大幅に削減して、被処理物の表面に付着している有害物質を低コストで効率よく洗浄除去することが可能となる。
【0034】
なお、前記洗浄液2は、イソプロパノールの割合が、40Vol.%未満であると十分な溶解速度を発現することができず、57Vol.%を超えると消防法の規制を受ける可能を生じてしまい、オクタノールの割合が、3Vol.%未満であると十分な溶解能力を発現することができず、10Vol.%を超えると必要以上に多くなってコストの抑制や蒸留残留物の減容化を十分に図ることができず、水の割合が、40Vol.%未満であると消防法の規制を受ける可能を生じてしまい、57Vol.%を超えると十分な溶解速度及び溶解能力を発現することができなくなってしまうので、好ましくない。
【0035】
<PCB処理システム>
以上のような洗浄装置100を例えばPCB処理システムに組み込んで、トランスやコンデンサ等のPCB含有電気機器を無害化処理する場合について図2を用いて次に説明する。
【0036】
図2に示すように、まず、受け入れたPCB含有電気機器のPCB油抜きを行うと共に、付着PCBレベルを50g/m2 程度から10〜100mg/m2 程度にまで低減するために、前記洗浄液2を用いて粗洗浄を行う(S201)。この粗洗浄は、仕上洗浄工程へのPCBの流入量を減らし、仕上洗浄工程で使用する機器等のPCB汚染レベルを低く保つことで洗浄性能の低下を抑制するものである。
【0037】
続いて、粗洗浄した前記電気機器を真空加熱する(S202)。真空加熱は、真空またはAr、N2 などの不活性ガス雰囲気中にて行われ、その温度は200〜600℃程度、加熱時間を3〜12時間程度とすると好ましい。このようにして素子を加熱炭化することにより、PCBの除去または低濃度化を行うことができると共に、紙や木等の有機物を脆化することができ、解体分別の容易化を図ることができる。
【0038】
つぎに、真空加熱したコンデンサを解体及び裁断して、紙や木等の有機物と金属や碍子等の無機物とに分別する(S203)。
【0039】
分別された前記有機物は、微粉砕ミル等のスラリ化装置で微粉砕されてスラリ化される(S204)。他方、分別された前記無機物は、上述した洗浄装置100により前記洗浄液2で仕上洗浄され、廃棄または再利用される(S205)。
【0040】
また、前記洗浄工程で使用された洗浄液2は、前述したように、蒸留処理され(S206)、PCB含有物(オクタノール及びPCB)とPCB非含有物(イソプロパノール及び水)とに分離される。
【0041】
上記イソプロパノール及び水は、洗浄液2に再利用され、オクタノール及びPCBは、活性炭処理され(S207)、PCBが活性炭に吸着除去されてオクタノールが無害化処理される。
【0042】
PCBを吸着した活性炭は、前記有機物と共にスラリ化される(S204)。
このスラリは、水熱酸化分解装置により水熱酸化分解され(S208)、無害化処理されて廃棄処理される。これにより、PCB含有電気機器を安全かつ確実に無害化処理することができる。
【0043】
このようなPCB処理システムにおいては、PCB含有電気機器の構成部材を有機物と無機物とに分離して、有機物を水熱酸化分解処理しているので、有機物中に染み込んで除去しにくいPCBを安全かつ確実に処理することができる。
【0044】
また、この際、有機物をスラリ化して水熱酸化分解処理しているので、安全確実に且つ連続的に有機物の無害化処理を行うことができる。
【0045】
なお、上記PCB処理システムにおいては、使用済みの洗浄液2を蒸留により精製するようにしたが、例えば、膜分離や電気透析等により、洗浄液2中からPCBを分離して洗浄液2を精製することも可能である。
【0046】
<有害物質処理システム>
さらに、上記洗浄装置100は、図3に示すような有害物質処理システムに組み込まれることにより、より効果的に利用することができる。
【0047】
図3に示すように、有害物質処理システムは、有害物質が付着又は含有又は保存されている被処理物を無害化する有害物質処理システムであって、被処理物(例えばトランス、コンデンサ等)1001である有害物質( 例えばPCB等)1002 を保存する容器1003から当該有害物質1002を分離する第1の分離手段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,…を解体する解体手段1005とのいずれか一方又は両方を有する前処理手段1006と、前処理手段1006において処理された被処理物を構成する構成材(コア、コンデンサ素子部等)1001a,b,…から紙・木・樹脂等の有機物1007と金属等の無機物1008とに分離する第2の分離手段1009と、上記前処理手段1006で分離された金属製の容器1003又は上記分離手段1009で分離した金属等の無機物1008を洗浄液1010で洗浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処理手段で分離した有害物質1001のいずれか一方又は両方を分解処理する有害物質分解処理手段1013とを、具備してなるものである。
【0048】
このような有害物質処理システムにおいては、前記洗浄装置100は上記洗浄手段1011として使用される。
【0049】
このような有害物質処理システムによれば、トランスやコンデンサ等のPCB含有電気機器のPCB濃度を、現在のPCBの排出基準値(3ppb)以下の0.5ppb以下にまで低減することができ、PCB含有電気機器を安全かつ確実に処理することができる。したがって、PCB含有電気機器の完全処理が可能となり、PCBの完全消滅が可能となる。
【0050】
また、PCB以外の有機化合物も処理することができるので、PCB中に含まれるダイオキシン類、PCBに汚染された紙、木、布などの有機物、および洗浄処理に使用された洗浄液も同様に分解処理することができる。
【0051】
なお、上記水熱酸化分解方法は本願出願人により既に開示されており、詳しくは特開平11−639号公報、特開平11−253795号公報等を参照されたい。
【0052】
[第二番目の実施の形態]
本発明による洗浄方法およびその装置の第二番目の実施の形態を図4を用いて説明する。図4は、洗浄装置の概略構成図である。ただし、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様な部分については、前述した第一番目の実施の形態の説明で使用した符号と同一の符号を図面に付すことにより、その説明を省略する。
【0053】
図4に示すように、本実施の形態にかかる洗浄装置200は、密閉可能な洗浄槽201と、洗浄槽201の内部に前記洗浄液2を噴霧する噴霧手段である噴霧ノズル202、洗浄液タンク203、送給ポンプ204等と、洗浄槽201内に貯溜した洗浄液2を回収して被処理物1の洗浄に再利用する洗浄液再利用手段である洗浄液回収タンク205、送給ポンプ206等と、密閉された洗浄槽201内への洗浄液2の供給に伴う当該洗浄槽201内の排気処理を行う排気処理手段である排気ポンプ207、活性炭槽208等とを備えている。
【0054】
このような洗浄装置200においては、密閉した洗浄槽201の内部で洗浄液2を噴霧するので、前記被処理物1からPCBが蒸発等をしても、噴霧した前記洗浄液2が当該PCBを吸着して当該PCBの飛散を防止することができると共に、噴霧された洗浄液2が洗浄槽201の下部に貯溜して、適宜回収されて被処理物1の洗浄に再利用されるので、洗浄液2を有効に利用することができる。
【0055】
また、洗浄槽201の内部を洗浄液2の飽和雰囲気とすることができるので、洗浄槽201の外部に排出されるPCB量を大幅に少なくすることができ、前記活性炭槽208の吸着能力の低下を抑制することができる。
【0056】
なお、被処理物1の洗浄に所定回数使用された洗浄液2は、前述した図4に示した水熱酸化分解処理装置120へ送給されて、無害化処理される。
【0057】
[他の実施の形態]
本発明で処理可能な有害物質としては、上記PCB以外に、例えば、廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品、未処理爆薬類等が挙げられる。しかしながら、本発明は、これらに限定されることはなく、環境汚染に起因する環境ホルモン等のような有害物質であれば、同様にして処理することができる。
【0058】
【発明の効果】
第一番目の発明による洗浄方法は、被処理物に付着した有害物質を除去する洗浄方法であって、イソプロパノールとオクタノールと水とを混合した洗浄液で前記被処理物を洗浄することにより、当該被処理物から前記有害物質を除去することから、(1)消防法の規制の除外及び防爆対策用の設備等の省略化、(2)被処理物の表面にある隙間に付着残留する有害物質の効率的な洗浄除去、(3)使用済みの洗浄液の廃棄処理量の大幅な減容化、の三点を同時に成り立たせることができるので、従来の場合よりも、イニシャルコストやランニングコストを大幅に削減して、被処理物の表面に付着している有害物質を低コストで効率よく洗浄除去することが可能となる。
【0059】
第二番目の発明による洗浄方法は、第一番目の発明において、前記洗浄液中のイソプロパノールの割合が40〜57Vol.%、前記洗浄液中のオクタノールの割合が3〜10Vol.%、前記洗浄液中の水の割合が40〜57Vol.%であるので、上述した効果を確実に得ることができる。
【0060】
第三番目の発明による洗浄方法は、第一番目または第二番目の発明において、前記有害物質が、PCB、廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品のうちの少なくとも一種であるので、上述した効果を有効に発現することができる。
【0061】
第四番目の発明による洗浄方法は、第一番目から第三番目の発明のいずれかにおいて、前記被処理物が、PCBを含有した電気機器の部材であるので、上述した効果を有効に発現することができる。
【0062】
第五番目の発明による洗浄装置は、被処理物に付着した有害物質を除去する洗浄装置において、前記被処理物が内部に入れられると共に、イソプロパノールとオクタノールと水とを混合した洗浄液が内部に入れられる洗浄槽を備えていることから、(1)消防法の規制の除外及び防爆対策用の設備等の省略化、(2)被処理物の表面にある隙間に付着残留する有害物質の効率的な洗浄除去、(3)使用済みの洗浄液の廃棄処理量の大幅な減容化、の三点を同時に成り立たせることができるので、従来の場合よりも、イニシャルコストやランニングコストを大幅に削減して、被処理物の表面に付着している有害物質を低コストで効率よく洗浄除去することが可能となる。
【0063】
第六番目の発明による洗浄装置は、第五番目の発明において、前記洗浄液中のイソプロパノールの割合が40〜57Vol.%、前記洗浄液中のオクタノールの割合が3〜10Vol.%、前記洗浄液中の水の割合が40〜57Vol.%であるので、上述した効果を確実に得ることができる。
【0064】
第七番目の発明による洗浄装置は、第五番目または第六番目の発明において、前記有害物質が、PCB、廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品のうちの少なくとも一種であるので、上述した効果を有効に発現することができる。
【0065】
第八番目の発明による洗浄装置は、第五番目から第七番目の発明のいずれかにおいて、前記被処理物が、PCBを含有した電気機器の部材であるので、上述した効果を有効に発現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による洗浄装置の第一番目の実施の形態の概略構成図である。
【図2】本発明による洗浄装置を利用したPCB処理システムの実施の形態の説明図である。
【図3】本発明による洗浄装置を利用した有害物質処理システムの実施の形態の全体構成図である。
【図4】本発明による洗浄装置の第二番目の実施の形態の概略構成図である。
【符号の説明】
1 被処理物
2 洗浄液
100 洗浄装置
111 洗浄槽
112 洗浄液供給装置
113 超音波発振器
114 排出バルブ
200 洗浄装置
201 洗浄槽
202 噴霧ノズル
203 洗浄液タンク
204 送給ポンプ
205 洗浄液回収タンク
206 送給ポンプ
207 排気ポンプ
208 活性炭槽
1001 被処理物
1002 有害物質(例えばPCB)
1003 容器
1004 分離手段
1005 解体手段
1006 前処理手段
1007 有機物
1008 無機物
1009 分離手段
1010 洗浄液
1011 洗浄手段
1012 洗浄廃液
1013 有害物質分解処理手段
1014 スラリー
1015 スラリー化手段
Claims (8)
- 被処理物に付着した有害物質を除去する洗浄方法であって、イソプロパノールとオクタノールと水とを混合した洗浄液で前記被処理物を洗浄することにより、当該被処理物から前記有害物質を除去する
ことを特徴とする洗浄方法。 - 請求項1において、
前記洗浄液中のイソプロパノールの割合が40〜57Vol.%、前記洗浄液中のオクタノールの割合が3〜10Vol.%、前記洗浄液中の水の割合が40〜57Vol.%である
ことを特徴とする洗浄方法。 - 請求項1または請求項2において、
前記有害物質が、PCB、廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品のうちの少なくとも一種である
ことを特徴とする洗浄方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
前記被処理物が、PCBを含有した電気機器の部材である
ことを特徴とする洗浄方法。 - 被処理物に付着した有害物質を除去する洗浄装置において、前記被処理物が内部に入れられると共に、イソプロパノールとオクタノールと水とを混合した洗浄液が内部に入れられる洗浄槽を備えている
ことを特徴とする洗浄装置。 - 請求項5において、
前記洗浄液中のイソプロパノールの割合が40〜57Vol.%、前記洗浄液中のオクタノールの割合が3〜10Vol.%、前記洗浄液中の水の割合が40〜57Vol.%である
ことを特徴とする洗浄装置。 - 請求項5または請求項6において、
前記有害物質が、PCB、廃棄塗料、廃棄燃料、有害薬品のうちの少なくとも一種である
ことを特徴とする洗浄装置。 - 請求項5から請求項7のいずれかにおいて、
前記被処理物が、PCBを含有した電気機器の部材である
ことを特徴とする洗浄装置。
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JP2002343578A JP3872748B2 (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 洗浄方法およびその装置 |
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Publications (2)
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