JP2006021187A - 排ガスの処理方法およびその設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の課題は、気化した排ガスの洗浄装置への供給前の液化を防止しつつ、当該排ガスの油洗浄式ガス洗浄処理の間にノズルを閉塞させることなく連続的に実施しうるような、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱処理する加熱装置から排出される排ガスを無害化する排ガスの処理方法を提供することである。
【解決手段】
本発明の課題は、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱処理する加熱装置から排出される排ガスを無害化する排ガスの処理方法であって、排ガスを、100℃以上の温度で集塵処理して排ガス中のダストを除去する集塵処理工程と、ダスト除去した排ガスを、油洗浄式ガス洗浄処理して有害物質を除去する油洗浄式ガス洗浄処理工程とを含んでなることを特徴とする排ガスの処理方法によって解決される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、排ガスの処理方法および当該方法を実施するための設備に関する。特に、本発明の処理方法の対象である排ガスが、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱処理する加熱装置から排出される排ガスの処理方法に関する。
従来から、ダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有機塩素化合物で汚染された固形物を無害化するため、種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
かかる特許文献1記載の方法によれば、排ガス、すなわち、有機ハロゲン化合物(例えば、ダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)等)に汚染された被処理物(例えば、土壌等)の加熱処理によって排出される排ガスを、油洗浄式ガス洗浄処理装置によって洗浄処理し、次いで活性炭処理を行っている。
この油洗浄式ガス洗浄処理装置では、高温の排ガスを液体の炭化水素油で洗浄して、排ガス中の有機ハロゲン化合物を炭化水素油中に分散/溶解している。油洗浄式ガス洗浄処理装置による洗浄方法として、散油式ガス洗浄方式と油中曝気式洗浄方式とを採用している。
前者の洗浄方式では、細いスプレーノズルから炭化水素油を噴霧して、噴霧した炭化水素油と、排ガスとを向流気液接触させており、後者の洗浄方式では、炭化水素油中に、同様に細いノズルから排ガスを曝気させて気液接触させている。
しかしながら、かかる既知の処理方法において、散油式ガス洗浄方式を採用した場合、噴霧後の油を装置下部で回収し装置上部へ循環して油の再利用を行うことから、次のような問題があった。
すなわち、洗浄される排ガス中に、PCB等などの有機ハロゲン化合物ガス成分の他に、土壌等のダスト(微細な粉塵)が存在するため、このダストが循環油中に混入して油洗浄式ガス洗浄処理装置のノズルを閉塞させる問題が起こっていたのである。
このようなノズルの閉塞が起こった場合、プラントの操業を中断し、ノズルを逆洗浄し、この逆洗浄でも、閉塞の問題が解消しない場合には、ノズルを交換する必要があったのである。また、油の循環ラインや洗浄機中にフィルターなどを配設しても、ダストによってフィルターが閉塞してしまい、同様に、フィルターの交換が必要となっていた。
また、前記した油中曝気式洗浄方式においても、排ガス中のダストによって排ガスを曝気させるノズルが閉塞するという問題が起こっていたのである。
このようなダストのノズル閉塞化による大規模なプラントでの操業中断は、ランニングコストの観点から見ても、非常に大きな問題である一方、単に、ガス洗浄処理前に常法でダストを集塵しても、気化した有機ハロゲン化合物が、集塵工程で液化して、ダストに付着するため、ダストが汚染されてダストの再加熱処理が必要となり、また、集塵装置を閉塞させるという問題が起こる。
特開2003−225643号公報
本発明の課題は、上記問題点に鑑み、排ガスの油洗浄式ガス洗浄処理の間にノズルを閉塞させることなく当該排ガスの無害化処理を連続的に実施しうるような、排ガスの処理方法、すなわち、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱処理する加熱装置から排出される排ガスを無害化する排ガスの処理方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、前記加熱装置から排出される排ガスを、直接、油洗浄式ガス洗浄処理していた従来法に代えて、油洗浄式ガス洗浄処理を施す前に、排ガスを気体の状態に保持しうるような温度で集塵処理して当該排ガス中のダストを除去することによって、前記課題を達成できることを見出し、この知見に基づき、本願発明が完成するに至った。
すなわち、本発明は、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱処理する加熱装置から排出される排ガスを無害化する排ガスの処理方法であって、100℃以上の温度で排ガス中のダストを集塵し、除去する集塵処理工程と、ダストが除去された排ガスと洗浄油とを接触させて排ガス中の有機ハロゲン化合物を除去する油洗浄式ガス洗浄処理工程とを含んでなることを特徴とする排ガスの処理方法を提供する。
本発明によれば、前記要件、特に、油洗浄式ガス洗浄処理に先立ち、排ガスを、集塵処理して排ガス中のダストを除去することによって、当該油洗浄式ガス洗浄処理の間におけるノズル閉塞を防止でき、かつ上記ダスト処理を、100℃以上の温度で実施することによって、排ガス中の水分が集塵工程で、液化することが防止され集塵装置の閉塞を回避でき、これらにより、排ガスの油洗浄式ガス洗浄処理の間にノズルを閉塞させることなく当該排ガスの無害化処理を連続的に実施できるという、技術的効果を奏することができたのである。
以下、本発明の実施形態について、図面に従って説明する。
先ず、一実施形態としての排ガスの処理装置について説明する。
図1は、本発明の処理方法の一実施形態を示す工程系統図である。
図2は、本発明の方法を実施するのに好適である排ガス処理設備及び関連設備の一実施形態の概略構成を示すフロー図である。
図3は、本発明の処理方法の他の一実施形態を示す工程系統図である。
図4は、水を含有する汚染物に対して本発明の方法を実施するのに好適である排ガス処理設備及び関連設備の一実施形態の概略構成を示すフロー図である。
図5は、本発明の処理方法の他の一実施形態を示す工程系統図である。
図6は、水を含有する汚染物に対して本発明の方法を実施するのに好適である排ガス処理設備及び関連設備の他の一実施形態の概略構成を示すフロー図である。
図7は、排ガスを生成する加熱装置を示す模式図である。
図1、2に示すように、本発明の一実施形態の処理設備は、水分を含む汚染固形物(汚染された被処理物)の前処理装置である破砕部1と、破砕された該汚染固形物を加熱し処理する加熱処理部2(加熱処理工程)と、前記加熱処理部2より排出された排ガス中のダストを集塵し除去し、排ガス中の有機ハロゲン化合物を洗浄油に吸収させる排ガス処理部3(集塵処理工程、油洗浄式ガス洗浄処理工程)と、有機ハロゲン化合物を吸収した洗浄油から減圧蒸留により水分を除去した後、洗浄油中の有機ハロゲン化合物をアルカリ金属で分解するアルカリ金属処理部4(アルカリ金属処理工程)とを含んでなる。
破砕部1には、コンクリートがら等の汚染固形物を破砕するための破砕機11が設けられている。
破砕した汚染固形物は、加熱処理部2に送られる。この加熱処理部2(加熱処理工程)は、加熱装置13と、急冷装置14とを備えている。
図7に示すように加熱装置13は、被処理物を内部で加熱する加熱炉106と、該加熱炉の周壁に配された熱媒体供給口107と熱媒体排出口108とを備えたジャケット105と、前記熱媒体供給口107へ熱媒体を供給する熱媒体供給部12とを備えている。
また、加熱装置13には、窒素ガス供給用の窒素発生器15が備えられている。熱媒体供給部12には、灯油およびLPG(液化石油ガス)が燃料として供給されるように構成されている。加熱装置13によって処理された固体成分は、急冷装置14において冷却され処理固形物として回収されるように構成されている。なお、図7に示すように、加熱装置13(加熱炉106)は、筒状に形成され空気および窒素ガスを供給する通路を有しており、該加熱炉の内側には、ほぼ中心に沿って回転軸102が回転自在に備えられている。 そして、回転軸102には、複数のパドル翼103が取り付けられている。また、加熱装置13の外側には、熱媒体供給部12のブロア104 によって給送される燃焼ガスからなる熱媒体を貯留する貯留部(ジャケット)105が形成されている。
また、加熱装置13は、被処理物を内部で加熱する加熱炉106と、該加熱炉の周壁に配された熱媒体供給口107と熱媒体排出口108とを備えたジャケット105と、前記熱媒体供給口へ熱媒体を供給する熱媒体供給部12とを備え、更に、前記熱媒体排出口105から排出された熱媒体を前記熱媒体供給部12に返送する経路25を備えていてもよい。前記経路25を設けることにより、エネルギー効率が改善されるという利点がある。
更に、加熱装置13としては、被処理物を内部で加熱する加熱炉と、該加熱炉の周壁を加熱するための電気ヒータを備えていてもよい。
また、加熱炉は上記のものに限られず、容器が回転する構造のもの(外筒回転型)でもよい。
排ガス処理部3(集塵処理工程、油洗浄式ガス洗浄処理工程)は、加熱装置13で生成した排ガスを処理するため、排ガス供給側から順に、排ガス中のダストを遠心力により集塵し除去する高温式サイクロン16と、前記高温式サイクロン16を経た排ガス中のダストを濾過により集塵し除去する高温式バグフィルター17と、前記高温式サイクロン16及び前記高温式バグフィルター17によりダストが除去された排ガスと洗浄油とを接触させて排ガス中の有機ハロゲン化合物を除去する散油式オイルスクラバー(散油式ガス洗浄装置)18とを備えている。前記散油式オイルスクラバー18において、気体成分と油成分と水性成分とに分離される。該油成分と該水性成分とは、静置分離により分離され、油成分は、処理対象である油成分中の有機ハロゲン化合物濃度が所定濃度に達した場合は、後述するアルカリ金属処理工程に送られる。
尚、本実施形態では、油成分中の有機ハロゲン化合物が所定濃度に達したときに、油を抜き出し、アルカリ金属処理工程に送る構成であり、油成分の抜き出し方法としては、油のほぼ全量を抜き出して新たな油を添加する方法でもよく、また、油の一部を抜き出し、抜き出した量に合わせて新たな油を添加してもよい。また、油成分中の有機ハロゲン化合物の濃度を測定せずに、随時、油の一部を抜き出しアルカリ金属処理工程に送る構造にしてもよい。
前記加熱装置13で生成した排ガスを処理するため、排ガス中のダストを100℃以上の温度で遠心力により集塵し除去する高温式サイクロン16と、前記高温式サイクロン16を経た排ガス中のダストを100℃以上の温度で濾過により集塵し除去する高温式バグフィルター17を用いる。
特に、水分を含有した排ガス中のダストを100℃以上の温度で集塵し除去することで、集塵処理工程において水分の凝集を防ぎ、集塵処理装置の閉塞を防ぐことができる。
前記高温式バグフィルター17でダストを集塵除去された排ガスを散油式オイルスクラバー18に供給する経路に排ガスの温度を下げる冷却器30が介装されている。
該冷却器30を高温式バグフィルター17でダストを集塵除去された排ガスを散油式オイルスクラバー18に供給する経路に介装することで、オイルスクラバーに入るガスの温度を低くできる。このため、オイルスクラバーに使用する油として、沸点の低いものを使用することも可能となり、更に、オイルスクラバー処理後の排ガスに多量の油が混入することを防ぐことができる。
前記冷却器30により排ガスの温度は、100〜250℃、好ましくは100〜150℃に冷却するのがよい。
排ガスの温度が100℃未満の場合には、オイルスクラバーで油成分に有機ハロゲン化合物が吸収される前に水分が凝縮するため、凝縮水の液抜きが必要となり、汚染水分を抜き取る系統を別途設ける必要が生じ、処理系が複雑になる。また、再汚染の危険性も高まるという問題を有する。
また、排ガス処理部3は、前記散油式オイルスクラバー18で有機ハロゲン化合物を吸収した洗浄油を再度散油式オイルスクラバー18に戻す油循環経路23と、後述するアルカリ金属処理部(アルカリ金属処理工程)に洗浄油を引き抜くための油引き抜き経路24と、気体成分処理用の活性炭処理装置19aと、水性成分処理用の活性炭処理装置19bとを備えている。前記散油式オイルスクラバー18による分離処理の後、気体成分は、活性炭処理装置19aによって処理され清浄ガスとして系外に放出され、同様に水性成分は活性炭処理装置19bによって処理され排水として系外に放出される。
尚、油成分は排ガス洗浄油として、循環再利用され、目的処理物である有機ハロゲン化合物濃度が所定濃度以上になった場合には、アルカリ金属処理工程に送られる。
また、散油式オイルスクラバー18から出た排ガスを、活性炭処理装置19aを通して排ガスを排出するガス排出部に送る経路に該排ガスの温度を下げる冷却器31が介装されている。該冷却器31を散油式オイルスクラバー18から出た排ガスを前記ガス排出部に送る経路に介装することで、排ガス気流と共に飛散する油滴及び湿分を凝縮させ、スクラバーに返送でき、活性炭処理装置19aの負荷を減らし、寿命を延ばす効果を奏する。
なお、前記冷却器31により、排ガスの温度は、5〜30℃、好ましくは5〜10℃に冷却するのがよい。
冷却器31を通過した排ガスの温度が30℃以上の場合には、活性炭処理装置19aに使用する活性炭の交換頻度が多くなりコストアップとなるため好ましくない。
また、前記散油式オイルスクラバー18は、排ガスと洗浄油とを接触させて、排ガス中の有機ハロゲン化合物を洗浄油に吸収させる接触部と、該接触部から洗浄油を排出させ、再度前記散油式オイルスクラバー18に戻す経路23と、該経路間23に介装された冷却器32とを備えている。
前記冷却器32を設けることにより、洗浄油の温度上昇を防ぐ効果がある。
前記冷却器32により、洗浄油の温度は、50℃以下、好ましくは30℃以下、更に好ましくは15℃以下に冷却するのがよい。
冷却器32を通過した洗浄油の温度が50℃を超える場合には、冷却器31の負荷が増し、凝縮しきれない油滴又は水滴が活性炭処理装置19aの負荷を増すという問題を有する。
前記散油式オイルスクラバー18は、油中曝気式オイルスクラバー(油中曝気式洗浄装置)と組み合わせて使用することもできる。曝気によるミストの飛散を防ぎたい場合には、ぬれ壁式等の洗浄装置を使用することができる。
もちろん、これらの洗浄装置は、散油式オイルスクラバー18と組み合わせることなしに単独で使用することができる。図2に示すように、散油式オイルスクラバー18は、スプレーノズル18a(図示せず)を備えており、洗浄油貯蔵タンク(図示せず)から供給された洗浄油をスプレーノズルによって鉛直方向下向きにスプレーしている。この散油式オイルスクラバー18内に、ダスト除去した排ガスを供給すると、気液接触によって、排ガス中の有機ハロゲン化合物を洗浄油中に吸収させることができる。また、散油式オイルスクラバー18では、下部で回収した洗浄油を上部へ循環し、再度、スプレーノズルから散油している。
他方、油中曝気式オイルスクラバーでは、洗浄油が充填されており、通常鉛直方向上方に向いたスプレーノズルが設けられている。このスプレーノズルから洗浄油中に排ガスを曝気し、これにより、上記と同様に、排ガス中の有機ハロゲン化合物を洗浄油中に吸収させることができる。
アルカリ金属処理部4(アルカリ金属処理工程)は、排ガス洗浄油の供給側から順に、前記散油式オイルスクラバー18を経た洗浄油中の有機ハロゲン化合物をアルカリ金属(例えば、金属ナトリウム等)により分解する前に洗浄油中の水分を除去する減圧蒸留槽20と、水分を除去された洗浄油中の有機ハロゲン化合物をアルカリ金属により分解する反応槽(脱ハロゲン化反応槽)21と、前記反応槽21において未消費のアルカリ金属(例えば、金属ナトリウム等)を水和し、該水和によりアルカリ性を示す水層を中和し、水層と油層とを分離する中和/静置分離槽22とを備えている。
さらに、前記反応槽21から発生する気体を処理するための活性炭処理装置19aとを備えている。中和/静置分離槽22によって、処理油と処理排水とが形成される。なお、本実施形態では、同一装置内で中和と油水分離を行ったが、中和と油水分離とを別の槽で行っても良い。
前記処理油は再度、前記散油式オイルスクラバー18に戻して排ガス中の有機ハロゲン化合物を吸収するために使用される。
また、前記減圧蒸留槽20での蒸留処理により分離された水は、活性炭処理を行い、処理排水として排出されるが、水和のための水和水として利用することもできる。
また、本実施形態では、有機ハロゲン化合物を吸収した洗浄油は、アルカリ金属(例えば、金属ナトリウム等)により脱ハロゲン化処理を行ったが、別の方法としては超臨界水酸化処理してもよい。
本実施形態では、破砕した汚染固形物は、不活性ガス中で有機ハロゲン化合物を加熱する還元加熱により加熱処理部2で処理されていたが、本発明においては、破砕した汚染固形物の処理に、除去する有機ハロゲン化合物の蒸発温度以上に加熱する加熱処理を用いてもよい。
除去する有機ハロゲン化合物の蒸発温度以上に加熱する加熱処理を用いることにより、汚染固形物中の有機ハロゲン化合物を分解若しくは蒸発させ、汚染固形物から有機ハロゲン化合物をより確実に除去することができる。
本実施形態では、被処理物の加熱時に特別に添加剤を添加することを必要としないが、これに限定されず、添加剤を添加してもよい。被処理物中の有機ハロゲン化合物濃度の高い場合、特に塩素系農薬においては、加熱処理部2での処理で塩化水素が発生し、装置腐食の問題が起こることから、加熱処理時にアルカリ若しくはアリカリ土類金属若しくは鉄属系金属を添加するのが好ましい。
これらの中でも取り扱いの容易性やコストの面からカルシウム化合物(例えば、石灰)が好ましい。このようにカルシウム化合物を添加することで、被処理物中の塩素がカルシウムと結合して塩素を固定化し(例えば、CaCl2)、排ガス中に塩化水素が発生するのを防止することができる。
また、他の実施形態として、図3及び図4に示すように散油式オイルスクラバー18により排ガス中の有機ハロゲン化合物を洗浄油に吸収させて、気体成分と、油成分(水性成分を含む)とに分離し、該油成分(水性成分を含む)を静置分離せず、次のアルカリ金属処理工程に導く構成を採用してもよい。
これは、水分を含有する汚染物を処理した場合、水分量が多い場合には、油成分と水性成分とを静置分離で分離しようとしても分離されにくく、分離処理に時間もかかり、分離自体が非常に困難であること、また、分離した水性成分に油成分が混入することにより、後の活性炭処理に負荷がかかり、活性炭を頻繁に交換する必要が出てくる。このため、コスト的にも好ましくなく、また、活性炭の許容量を超えた場合、水性成分を処理した際の処理水の有機ハロゲン化合物濃度が環境基準を超えることになる。そのため、水分を含有した汚染物を処理した場合、散油式オイルスクラバーで静置分離せずに引き抜いた油成分(水性成分を含む)をそのままアルカリ金属処理工程に導く構成を採用してもよい。
更に、アルカリ金属処理工程において、前記散油式オイルスクラバー18により排ガス中の有機ハロゲン化合物を吸収させた洗浄油をアルカリ金属(例えば、金属ナトリウム等)により分解する前に洗浄油中の水分を減圧蒸留槽20を用いて除去し、水分を除去された洗浄油中の有機ハロゲン化合物をアルカリ金属により分解させる構成を採用してもよい。
水分を含む汚染固形物を処理すれば、洗浄油中に水分が多量に含まれることになり、そのまま後に添加されるアルカリ金属(例えば、金属ナトリウム等)と反応させると、アルカリ金属が水分と反応して無駄にアルカリ金属(例えば、金属ナトリウム等)が消費されるため、減圧蒸留によって予め水分を除去することでアルカリ金属(例えば、金属ナトリウム等)の無駄な消費を抑えることができる。また、減圧蒸留処理により、水性成分が蒸発するため、上記の如き静置分離の際の有機ハロゲン化合物を含有した洗浄油が処理水に混入することを防止できる。この静置分離を行わずに、そのまま水性成分の混合した油成分を減圧蒸留処理し、分離した有機ハロゲン化合物を含有する油成分を処理する方法は、前記散油式オイルスクラバーを使用した場合に限定されず、例えば油中曝気式オイルスクラバーを使用した場合にも適用することができる。
更に、減圧蒸留処理により、アルカリ金属により分解する有機ハロゲン化合物より揮発性の高い有機化合物を除去できる。この揮発性の高い有機化合物としては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどの揮発性有機物(VOC)が挙げられる。尚、これらの揮発性有機物(VOC)は、減圧蒸留により除去された水と一緒に活性炭で処理することが可能である。
次に、上記のような排ガスの処理設備を用いて、有機ハロゲン化合物を処理する方法の実施形態について図4に沿って説明する。
本実施形態で用いた被処理物としては、有機ハロゲン化合物を含む液体または固体物質をいい、例えば、廃棄物処理場、焼却施設、工場などで発生する浸出水、洗煙排水、廃棄物、洗浄排水、汚染土壌などであり、また、河川、湖沼、池、湾内の底部に堆積された汚泥(底質汚泥、ヘドロなど)であり、農薬で汚染された土壌などである。なお、コンクリートがらなどを含んだ汚染土壌の場合、破砕機による破砕処理が必要な場合もある。
前記有機ハロゲン化合物とは、例えば、ダイオキシン、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ベンザヘキサクロライド、アルドリンなどをいう。
熱媒体供給部12から加熱装置13に600℃のガスを通し、装置内の温度が350〜600℃に達した時点で上記被処理物を投入する。被処理物中の水分の蒸発潜熱で温度降下が生じるので、加熱装置13内の温度が350〜600℃に維持されるように熱媒体供給部12から600℃のガスを通入し続ける。
該加熱装置13内では、被処理物の酸化処理を行い、主に有機化合物を酸化分解させる。
次に、加熱装置13内に窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを導入し、装置内を不活性ガス雰囲気下にし、350〜600℃、好適には400〜600℃、より好適には450〜550℃の温度で前記被処理物を加熱する。
前記不活性ガスに変えて水素ガスを導入することもできる。
即ち、加熱装置13内に前記不活性ガス或いは水素ガスを導入し、装置内を低酸素雰囲気下にし、前記の温度条件下で前記被処理物を加熱する。尚、前記低酸素雰囲気とは、酸素濃度が3%以下、好ましくは1%以下の雰囲気をいう。
前記温度下で被処理物を還元処理することで主にダイオキシンが分解される。
また、除去する有機ハロゲン化合物の蒸発温度以上に加熱することで有機ハロゲン化合物を蒸発させる。
このように前記被処理物を加熱することにより、有機ハロゲン化合物を含む排ガスが発生する。該排ガスには、有機ハロゲン化合物や有機ハロゲン分解生成物のような有機揮発性物質、水蒸気などを気体として含み、さらに、微粒子形態のダストを含む。なお、有機ハロゲン化合物が除去された固体成分は、急冷装置14へ供給され回収される。
前記加熱装置13から排出された有機ハロゲン化合物や微粒子形態のダストを含む排ガスは、集塵処理工程へ導入される。
該集塵処理工程の間、排ガスは、その液化防止のため、100℃以上の温度に加熱する必要がある。プラントにおいて温度を高温に維持すると、多大な費用がかかることから600 ℃以下が好ましい。好適には350〜600℃、より好適には450〜550℃の温度に維持する。高温での集塵処理による排ガスの液化を防止することによって、一度、揮発した排ガス中の有機ハロゲン化合物が、集塵処理におけるダスト表面に付着することを防止でき、またダストと共に配管中に蓄積することも防止することができる。
さらに、ダスト表面への有機ハロゲン化合物の付着を防止できるため、回収したダストを再度加熱処理することも不要となる。特に、水分を多量に含む汚染固形物を処理する場合に効果的である。
前記集塵処理工程は、2工程で行うことが好ましい。
第1工程では前記温度範囲で遠心力集塵処理して比較的大きい粒径のダスト(粒径2〜300μm)を除去し、次いで第2工程では前記温度範囲で濾過集塵処理して残りのダストを除去する。
前記遠心力集塵処理に用いられる装置としては、ダストの集塵、除去に遠心力を利用する遠心力式集塵装置であれば、特に限定されるものではない。また、遠心力式集塵装置と共にまたは遠心力式集塵装置に代えて、重力式集塵装置(例えば、重力沈降室)、慣性集塵装置などを使用することができる。
第1工程では、例えば、高温式サイクロン16を用いて比較的大きい粒径のダスト(粒径2〜300μm)を除去する。高温式サイクロン16は、前記温度範囲に加熱する装置を備えており、一般に放射性物質の処理などに用いられている。
第2工程では、前記第1工程で比較的大きい粒径のダスト(粒径2〜300μm)を除去した後の排ガスを、高温式バグフィルター17を用い残りのダストを除去する。高温式バグフィルター17は、前記温度範囲に加熱する装置を備えており、放射性物質の処理などに用いられている。バグフィルターは、一般に排ガス中に混在したダストを布袋などによって捕捉する濾過集塵装置の一種であり、例えば、振動によってダストを払い落とす振動形バグフィルター、ダスト吸引と、逆流によるダスト払い落としとを交互に行う油圧形または逆洗形バグフィルター、払い落とし用の圧縮空気をろ過上部に噴射するパルスジェット形バグフィルターなどを挙げることができる。好ましくは、濾材として、金属繊維製またはセラミック製の焼結体を用いたパルスジェット形バグフィルターを用いることができる。
ダストを除去された排ガスは、油洗浄式ガス洗浄処理工程に導入される。
この工程は、前記したように、ダスト除去した排ガスを、油洗浄式ガス洗浄処理して有機ハロゲン化合物を除去することからなり、好適には、ダスト除去した排ガスを、油洗浄式ガス洗浄処理して、気体成分と、油成分と、水性成分とに分離することからなる。この工程は、排ガスを浄化する機能に加え、高温の排ガスを冷却する機能を有する。
油洗浄式ガス洗浄処理方法として、例えば、細いシャワーノズルから炭化水素油を噴霧して噴霧炭化水素油と排ガスとを向流気液接触させる散油式ガス洗浄方式(充填塔方式)並びに炭化水素油中に同様に細いノズルから排ガスを曝気させて気液接触させる油中曝気式洗浄方式の他に、ロートクロン方式、エジェクター方式、回転噴霧塔方式、ベンチュリー方式などを例示することができる。好適な洗浄方法は、散油式ガス洗浄方式である。前記散油式ガス洗浄方式に用いる装置としては、散油式ガス洗浄装置18がある。炭化水素油としては、排ガス中の有機ハロゲン化合物を溶解しうるものであれば、いずれであってもよく、例えば、トランス油、灯油、ノルマルパラフィン油などを挙げることができる。 また、散油式ガス洗浄方式や回転噴霧塔方式のように散布方式においては、散布後の油を装置下部で回収し、装置内を循環し、再利用される。
この油洗浄式ガス洗浄処理工程では、前記したように、気体成分と、油成分と、水性成分とに分離されるが、気体成分は、主として空気を含み、油成分は、主として排ガス中の、例えば、有機ハロゲン化合物または有機ハロゲン化合物・分解生成物を含み、水性成分は、主として液化した水蒸気を含んでいる。
前記高温式バグフィルター17によりダストを除去された排ガスは、散油式オイルスクラバー18に導入され、該散油式オイルスクラバー18のスプレーから散布される洗浄油により有機ハロゲン化合物等が洗浄油に吸収される。
前記散油式ガス洗浄装置18で有機ハロゲン化合物が除去された気体成分としての排ガスは、活性炭処理装置19aを経て排ガスを清浄ガスとして排出するガス排出部から系外に排出される。活性炭処理装置19aを設けてあるのは、有機ハロゲン化合物が除去された排ガスに、万が一、微量の有機ハロゲン化合物が含まれていたとしても、該活性炭処理装置19aの活性炭に吸着され、有機ハロゲン化合物の含まれていない排ガスのみが系外に排出されるようにするためである。
有機ハロゲン化合物を吸収した洗浄油は、アルカリ金属処理部4へ供給され、そのアルカリ金属処理工程において、先ず減圧蒸留槽20へ供給される。
この減圧蒸留槽20へは、有機ハロゲン化合物を吸収した洗浄油及び排ガス中に含まれており前記散油式ガス洗浄装置18で冷却され液化した水が供給される。
なお、洗浄油と水とを静置して完全に分離後、洗浄油のみを次の減圧蒸留槽20へ供給してもよく、また、洗浄油と水との混合物を直接、次の減圧蒸留槽20へ供給してもよい。
減圧蒸留槽20では、洗浄油中の水分が減圧蒸留により除去される。これは、洗浄油中に水分が多量に含有されていると、後に添加される金属ナトリウムが水分と反応して無駄に金属ナトリウムが消費されるため、予め減圧蒸留によって水分を除去する。
なお、減圧蒸留により回収された水分は、活性炭処理装置(図示せず)へ供給されて処理水として系外に排出してもよく、または、後述の脱ハロゲン化反応で消費されなかった金属ナトリウム分散体を処理するために用いてもよい。
減圧蒸留により水分が除去された洗浄油は、反応槽(脱ハロゲン化槽)21へ供給される。反応槽(脱ハロゲン化槽)21内に、前記洗浄油を仕込み、次いで、撹拌しながら、アルカリ金属(例えば、金属ナトリウムを炭化水素中に分散させた金属ナトリウム分散体等)および好適には脱ハロゲン化促進剤(例えば、イソプロピルアルコール)を添加して脱ハロゲン化反応させる。この脱ハロゲン化反応により、ダイオキシンやポリ塩ビフェニルなどの有機ハロゲン化合物が脱ハロゲン化(例えば、脱塩素化)されて、無害の有機油となり、副生成物としてハロゲン化アルカリ金属塩(例えば、塩化ナトリウム)が形成される。
この場合、金属ナトリウム分散体による脱ハロゲン化のための反応温度は、特に限定されないが、30〜100℃で行うのが好ましい。また、塩素に対するアルカリ金属の添加割合(Na/Cl比)が0.2〜50とされることが好ましい。
前記反応槽(脱ハロゲン化槽)21で消費されなかった余剰の金属ナトリウムは、中和/静置分離槽22へ供給される。中和/静置分離槽22へは、水が供給されて前記未消費の金属ナトリウムが水和される。
この中和/静置分離槽22では、金属ナトリウムの水和反応によってアルカリが生成されるため、その水和後の処理水を中和する必要がある。
該中和/静置分離槽22へは、炭酸ガスが供給されてその炭酸ガスがアルカリと反応して中和されることとなる。
該中和/静置分離槽22で中和された処理水は、静置され油水分離される。
油水分離後の油分は、処理油として回収される。該処理油は、前記散油式ガス洗浄装置18の洗浄油として再利用することもできる。
油水分離後の水分は、活性炭処理装置(図示せず)へ供給されて処理水として系外に排出してもよく、または、前記中和/静置分離槽22での余剰の金属ナトリウムの水和に用いることもできる。
本実施形態においては、上記装置を採用し、また、上記の如く処理する排ガスの処理方法を採用したが、本発明においては、図6に示すようにアルカリ金属処理部4が、洗浄油中の該洗浄油より揮発性の高い成分を減圧蒸留により除去する減圧蒸留槽20aと、前記減圧蒸留槽20aにより揮発性の高い成分が除去された洗浄油から、更に、減圧蒸留により洗浄油の少なくとも一部を除去する減圧蒸留槽20bと、残った有機ハロゲン化合物をアルカリ金属により分解する反応槽(脱ハロゲン化槽)21と、前記反応槽(脱ハロゲン化槽)21で消費されなかった余剰のアルカリ金属を処理する中和/静置分離槽22とを備えている装置を採用してもよい。
係る装置を用いて排ガスを処理するには、図5及び図6に示すように、アルカリ金属処理工程において、散油式オイルスクラバー18により排ガス中の有機ハロゲン化合物を吸収させた洗浄油をアルカリ金属(例えば、金属ナトリウム等)により分解する前に、洗浄油より揮発性の高い水及び有機化合物を減圧蒸留槽20aを用いて除去し、更に、前記水分等の除去された洗浄油の一部を減圧蒸留槽20bを用いて、除去し、残った有機ハロゲン化合物をアルカリ金属により分解させる方法を採用してもよい。
水分等を除去した後に、有機ハロゲン化合物を含有した洗浄油から該洗浄油の一部を減圧蒸留により除去することで、有機ハロゲン化合物の濃度を上げ、効率よくアルカリ金属と反応させることができ、アルカリ金属による処理時間を短縮できる。また、アルカリ金属処理工程における処理すべき油量を減らすことができる。更に、アルカリ金属処理後にしか回収・再利用できなかった洗浄油を留去油として回収でき、該留去油を早期にオイルスクラバーに戻すことで洗浄油として再利用できる。
前記減圧蒸留槽20aでは、洗浄油中の水分等が減圧蒸留により除去される。これにより、洗浄油中に水分等が多量に含有されていると、後に添加される金属ナトリウムが水分等と反応して無駄に金属ナトリウムが消費されるのが防止できる。
なお、減圧蒸留により回収された水分は、活性炭処理装置(図示せず)へ供給されて処理水として系外に排出してもよく、または、後述の脱ハロゲン化反応で消費されなかった金属ナトリウム分散体を処理するために用いてもよい。
前記減圧蒸留槽20aで水分等が除去された有機ハロゲン化合物を吸収した洗浄油は、次に減圧蒸留槽20bに送られる。該減圧蒸留槽20bでは、減圧蒸留により洗浄油の一部が留去される。
前記減圧蒸留槽20bで留去する洗浄油の量は、洗浄油中の有機ハロゲン化合物の濃度により、適宜調整するものである。
例えば、洗浄油中の有機ハロゲン化合物の濃度が1ppmの場合、該濃度を10ppm程度になるように減圧蒸留することや洗浄油中の有機ハロゲン化合物の濃度が数10ppmの場合、該濃度を100ppm程度になるように減圧蒸留すること等が可能である。
該実施形態において、使用する洗浄油の種類としては、水よりも揮発性が低く且つ有機ハロゲン化合物よりも揮発性の高い油であって、排ガス中の有機ハロゲン化合物を溶解しうる炭化水素油であれば、いずれであってもよく、例えば、灯油、ノルマルパラフィン油などを挙げることができる。即ち、前記洗浄油としては、有機ハロゲン化合物よりも沸点の低いものを使用する。
前記減圧蒸留槽20bで減圧蒸留により洗浄油の少なくとも一部を除去し、残った有機ハロゲン化合物は、反応槽(脱ハロゲン化槽)21及び中和/静置分離槽22において、前述したのと同様に処理される。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
(調整例1)
熱風炉によって温度450〜550℃に維持した窒素雰囲気下の横型回転円筒型還元加熱装置(寸法:直径700mm×長さ1,000mm、装置容量385L)内に、汚染土壌70kg/時(含水率23%、PCB濃度1,000mg/kg)を投入し、加熱処理して排ガス60Nm3/時を生成すると共に、固体成分としての処理済み土壌50kg/時を急冷装置へ排出した。
(実施例1)
調製例1で調製した排ガスを、加熱装置によって温度550℃に維持した高温式バグフィルターに60Nm3/時の割合で供給して集塵し、これにより、排ガス中のダストを除去した。その後、ダスト除去した排ガスを、散油式オイルスクラバー内に導入して洗浄し、これにより、気体成分と、油成分と、水性成分とに分離した。なお、洗浄用炭化水素油として、トランス油を用いた。散油式オイルスクラバーは、そのノズルが閉塞することなく、連続24時間以上、正常に稼動した。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様な方法によって排ガスを洗浄処理した。
ただし、高温式バグフィルターに排ガスを導入する前に、加熱装置によって温度550℃に維持した高温式遠心力集塵装置としての高温式サイクロンに60Nm3/時の割合で供給して集塵し、その後、実施例1と同様な高温式バグフィルターに導入した。散油式ガス吸収装置は、そのノズルが閉塞することなく、連続48時間以上、正常に稼動した。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様な方法によって、排ガスを洗浄処理した。ただし、調製例1で調製した排ガスを、高温式バグフィルターを介さずに、直接、散油式オイルスクラバーに供給した。
散油式オイルスクラバーは、運転開始後4時間でノズルが閉塞し、操業が中断され
た。結果を以下の表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様な方法によって、排ガスを洗浄処理した。ただし、高温式バグフィルターに代えて、常温式バグフィルターを用いた。排ガスの集塵処理の間に、排ガス中の水分の液化が観察され、また常温式バグフィルターは、運転開始後1時間で閉塞し、操業が中断された。
Figure 2006021187
(評価)
上記表1に示すように、本発明の処理方法である実施例1および2は、洗浄装置への供給前の排ガス中の水分の液化防止を達成できると同時に、比較例1に比し、操業時間の延長(実施例1:少なくとも6倍の操業期間の延長、実施例2:少なくとも12倍の操業期間の延長)を達成できることが証明された。また、実施例1及び2の結果と、比較例2の結果とを比較すれば、排ガスの集塵処理は、所定の温度以上で行うことが必須であることが証明された。
本発明の処理方法および処理設備は、有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱処理する加熱装置から排出される排ガスを無害化のために採用することができる。
図1は、本発明の処理方法の一実施形態を示す工程系統図である。 図2は、本発明の処理設備の好適な一実施形態を示す模式図である。 図3は、本発明の処理方法の他の実施形態を示す工程系統図である。 図4は、本発明の処理設備の好適な他の実施形態を示す模式図である。 図5は、本発明の処理方法の他の実施形態を示す工程系統図である。 図6は、本発明の処理設備の好適な他の実施形態を示す模式図である。 図7は、本発明の処理対象である排ガスを生成する加熱装置を示す模式図である。
符号の説明
13:加熱装置
16:高温式サイクロン
17:高温式バグフィルター
18:散油式ガス洗浄装置
20:減圧蒸留槽
21:反応槽(脱ハロゲン化槽)
22:中和/静置分離槽
30、31、32:冷却器

Claims (17)

  1. 有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱処理する加熱装置から排出される排ガスを無害化する排ガスの処理方法であって、
    100℃以上の温度で排ガス中のダストを集塵し、除去する集塵処理工程と、ダストが除去された排ガスと洗浄油とを接触させて排ガス中の有機ハロゲン化合物を除去する油洗浄式ガス洗浄処理工程とを含んでなることを特徴とする排ガスの処理方法。
  2. 前記油洗浄式ガス洗浄処理工程の後、洗浄油中の該洗浄油より揮発性の高い成分を減圧蒸留により除去し、前記減圧蒸留により、洗浄油より揮発性の高い成分を除去された洗浄油中の有機ハロゲン化合物をアルカリ金属により分解するアルカリ金属処理工程を含む請求項1に記載の排ガスの処理方法。
  3. 前記洗浄油として、水よりも揮発性が低く且つ前記有機ハロゲン化合物よりも揮発性の高い油を用い、前記油洗浄式ガス洗浄処理工程の後、洗浄油中の該洗浄油より揮発性の高い成分を減圧蒸留により除去し、更に、減圧蒸留により洗浄油の少なくとも一部を除去し、残った有機ハロゲン化合物をアルカリ金属により分解するアルカリ金属処理工程を含む請求項1に記載の排ガスの処理方法。
  4. 前記洗浄油より揮発性の高い成分が、水である請求項2又は3に記載の排ガスの処理方法。
  5. 前記洗浄油より揮発性の高い成分が、アルカリ金属により分解する有機ハロゲン化合物より揮発性の高い有機化合物である請求項2又は3に記載の排ガスの処理方法。
  6. 前記加熱処理は、不活性ガス中で有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱する還元加熱処理或いは除去する有機ハロゲン化合物の蒸発温度以上に加熱する加熱処理である請求項1〜5の何れかに記載の排ガスの処理方法。
  7. 前記集塵処理工程は、濾過集塵処理によって実施される請求項1〜6の何れかに記載の排ガスの処理方法。
  8. 前記集塵処理工程は、排ガスを100℃以上の温度で遠心力集塵処理し、次いで100℃以上の温度で濾過集塵処理して排ガス中のダストを除去する工程である請求項1〜6の何れかに記載の排ガスの処理方法。
  9. 有機ハロゲン化合物に汚染された被処理物を加熱処理する加熱装置から排出される排ガスを無害化する排ガスの処理設備であって、
    100℃以上の温度で排ガス中のダストを集塵し、除去する集塵処理装置と、該集塵処理装置により、ダストが除去された排ガスと洗浄油とを接触させて排ガス中の有機ハロゲン化合物を除去する油洗浄式ガス洗浄処理装置とを含んでなることを特徴とする排ガスの処理設備。
  10. 前記油洗浄式ガス洗浄処理装置を経た洗浄油中の該洗浄油より揮発性の高い成分を減圧蒸留により除去し、前記減圧蒸留により、洗浄油より揮発性の高い成分を除去された洗浄油中の有機ハロゲン化合物をアルカリ金属により分解するアルカリ金属処理装置を含む請求項9に記載の排ガスの処理設備。
  11. 前記洗浄油が、水よりも揮発性が低く且つ前記有機ハロゲン化合物よりも揮発性の高い油であり、前記油洗浄式ガス洗浄処理装置を経た洗浄油中の該洗浄油より揮発性の高い成分を減圧蒸留により除去し、更に、減圧蒸留により洗浄油の少なくとも一部を除去し、残った有機ハロゲン化合物をアルカリ金属により分解するアルカリ金属処理装置を含む請求項9に記載の排ガスの処理設備。
  12. 前記加熱装置は、被処理物を内部で加熱する加熱炉と、該加熱炉の周壁に配された熱媒体供給口と熱媒体排出口とを備えたジャケットと、前記熱媒体供給口へ熱媒体を供給する熱媒体供給部とを備え、更に、前記熱媒体排出口から排出された熱媒体を前記熱媒体供給部に返送する経路を備えてなる請求項9〜11の何れかに記載の排ガスの処理設備。
  13. 前記加熱装置は、被処理物を内部で加熱する加熱炉と、該加熱炉の周壁を加熱するための電気ヒータとを備えてなる請求項9〜11の何れかに記載の排ガスの処理設備。
  14. 前記集塵処理装置が、排ガス中のダストを100℃以上の温度で遠心力により集塵し除去する遠心力集塵処理装置と、該遠心力集塵処理装置を経た排ガス中のダストを100℃以上の温度で濾過により集塵し除去する濾過集塵処理装置により構成されている請求項9〜13の何れかに記載の排ガスの処理設備。
  15. 前記集塵処理装置でダストを集塵し除去された排ガスを、前記油洗浄式ガス洗浄処理装置に供給する経路に排ガスの温度を下げる冷却器が介装されている請求項9〜14の何れかに記載の排ガスの処理設備。
  16. 前記油洗浄式ガス洗浄処理装置は、排ガスと洗浄油とを接触させて、排ガス中の有機ハロゲン化合物を洗浄油に吸収させる接触部と、該接触部から洗浄油を排出させ再度戻す経路と、該経路間に介装された冷却器とを備える請求項9〜15の何れかに記載の排ガスの処理設備。
  17. 前記油洗浄式ガス洗浄処理装置から出た排ガスを活性炭を通して排出するガス排出部を備え、更に、前記油洗浄式ガス洗浄処理装置から出た排ガスを冷却して前記ガス排出部に送る冷却器を備える請求項9〜16の何れかに記載の排ガスの処理設備。
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