JP3236219B2 - 土壌浄化工法及び装置 - Google Patents

土壌浄化工法及び装置

Info

Publication number
JP3236219B2
JP3236219B2 JP17626496A JP17626496A JP3236219B2 JP 3236219 B2 JP3236219 B2 JP 3236219B2 JP 17626496 A JP17626496 A JP 17626496A JP 17626496 A JP17626496 A JP 17626496A JP 3236219 B2 JP3236219 B2 JP 3236219B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
soil
separation tank
water
oxidizing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17626496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09299924A (ja
Inventor
木 重 孝 鈴
端 淳 一 川
弘 道 夫 土
立 文 雄 今
藤 亜紀子 佐
田 靖 町
本 昭 広 橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Chemical Grouting Co Ltd
Nippon Peroxide Co Ltd
Original Assignee
Kajima Corp
Chemical Grouting Co Ltd
Nippon Peroxide Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp, Chemical Grouting Co Ltd, Nippon Peroxide Co Ltd filed Critical Kajima Corp
Priority to JP17626496A priority Critical patent/JP3236219B2/ja
Publication of JPH09299924A publication Critical patent/JPH09299924A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3236219B2 publication Critical patent/JP3236219B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油で汚染された土
壌から汚染物質を分離して処理することにより、汚染土
壌を浄化する土壌浄化工法と、該工法で使用される装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】工場における廃棄物処理、石油タンクか
らの油漏出、産業廃棄物の不法投棄等により、油で汚染
された土壌は、地中の生態系に大きな影響を与える。そ
の他でも、地下水を汚染したり、廃棄物が気化或いは揮
発した場合には大気を汚染して人体に害を及ぼす。
【0003】このような汚染土壌の修復方法には、汚染
物質(難水溶性有機物)やその形態によって様々な方法
が提案されている。それらは大別すると、掘削除去後の
焼却処理、囲い込み処理、セメント固化処理、土壌洗
浄、バイオレメーディエーション、化学的分解処理等に
分類される。そして、揮発性物質の不飽和土壌汚染の処
理方法としては、例えば真空抽出法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
には、それぞれ以下のような問題点がある。汚染土壌の
掘削除去は、除去した土の処理に高濃度部を焼却する以
外に適当な処理方法がない。そして、焼却以外の処理方
法では、産業廃棄物としての処理が必要なため処理コス
トが嵩む。
【0005】囲い込みは、汚染地帯自体を廃棄物処分場
とすることになるため、大規模な土木工事や処分後の永
久管理が必要となり、したがって、コストが高い。その
上、汚染された土壌或いは汚染物質(難水溶性有機物)
自体を無害化できないため、根本的な解決方法とはなら
ない。
【0006】セメント固化処理は、物理的に土壌内に油
を封じ込めるので、経年劣化による油の溶出も考えられ
る。結局、油をそのままの濃度で地盤中に残すことにな
り、土壌を無害化する訳ではないので、やはり根本的な
解決方法とはならない。
【0007】土壌洗浄は、プラント設備に多くのノウハ
ウが必要であり、コストが嵩む。そして、洗浄剤の選択
が難しい。大量の水を使用する場合には洗浄後の水処理
法にも課題が残っている。
【0008】化学分解は、過酸化水素等の酸化剤による
化学分解で、土壌中の汚染物質を直接分解して無害化で
きるが、結局土壌洗浄と同等以上の設備と大量の酸化剤
を必要とするためコストが嵩む。また、不完全分解によ
る中間生成物のコントロールが難しい。
【0009】バイオレメーディエーションは、高濃度汚
染土の処理が困難であり、また、修復に長期間を必要と
する。さらに、活性微生物による生態系の変化等が問題
となる。
【0010】真空抽出法は、有機塩素化合物等の揮発性
有機物質の土中ガス汚染を除去することが目的であり、
液体で高濃度に汚染された土の浄化には向かない。
【0011】また、油の処理は界面活性剤で行うのが一
般的である。しかし、人工の界面活性剤によって油を処
理すると乳化してしまい、水との分離が非常に困難であ
る、という問題が存在する。
【0012】本発明は上記した従来技術の問題点に対処
するべく提案されたもので、油で汚染された土壌から油
を分離処理することにより汚染土壌を浄化する工法及び
その装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、油で汚
染された土壌から油を分離して処理して汚染土壌を浄化
する土壌浄化工法において、前記汚染土壌を水を入れた
分離槽に投入して混合する混合工程と、前記分離槽にア
ルカリ剤を供給するアルカリ剤供給工程と、前記分離槽
に酸化剤を投入する酸化剤投入工程と、前記酸化剤の分
解により発生した酸素ガスにより油を水面まで浮上させ
る浮上工程と、前記分離槽の水面上に浮上した油を排出
する排出工程とよりなっている。
【0014】ここで、前記「油で汚染された土壌」なる
文言は、所謂「オイルサンド」をも含む概念として、本
明細書では用いられている。
【0015】本発明の実施に際して、油で汚染された土
壌を分離槽に投入(前記混合工程)した後に、アルカリ
剤を分離槽に供給するのが好ましい。或いは、油で汚染
された土壌及びアルカリ剤を分離槽へ同時に供給しても
良い。
【0016】本発明の実施に際して、使用する酸化剤と
しては、過酸化水素や、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナ
トリウム、過ピロリン酸ナトリウム、過リン酸ナトリウ
ム等の様に水に溶解すると過酸化水素を遊離する無機系
酸化剤や、過酢酸、過コハク酸、過グルタル酸、過安息
香酸等の様な有機系酸化剤や、カロ酸及びその無機塩、
次亜塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウムなどの様な
塩素系酸化剤、等であるのが好ましい。なお、これ等の
酸化剤の添加量は、土壌に対して0.01重量部以上、
好ましくは1〜20%に設定されている。
【0017】一方、上記のアルカリ剤は、苛性ソーダ、
炭酸ソーダ、過炭酸ソーダ、消石灰、苛性カリ、炭酸カ
リ等である。なお、アルカリ剤の添加量は、酸化剤を添
加した後に土壌のpHが8以上になる様な数値であるの
が好ましい。
【0018】この場合、油で汚染された土壌と、アルカ
リ剤と、前記酸化剤とを分離槽へ同時に供給することも
可能である。或いは、油で汚染された土壌を水を入れた
分離槽に投入(混合工程)した後に、アルカリ剤及び酸
化剤を分離槽へ同時に供給することも可能である。
【0019】
【0020】なお、油で汚染された土壌とアルカリ剤と
酸化剤(酸を含む)とを、分離槽へ同時に供給しても良
い。勿論、難水溶性有機物で汚染された土壌を水を入れ
た分離槽に投入(混合工程)した後に、炭酸塩化合物
(アルカリ剤)及び酸を分離槽へ同時に供給しても良
い。
【0021】
【0022】さらに、前記分離槽の水温を所定温度にす
るための加熱手段を備えているのが好ましい。
【0023】本発明の実施に際して、排出工程としては
前記浮上工程において浮上した油を(例えば水流によ
り)分離槽から排出して油水分離槽に導入するのが好ま
しい。或いは、排出工程として前記浮上工程において浮
上した油を、吸着部材により吸着して除去してもよい。
ここで、前記吸着部材としては、例えばオイルスポンジ
等の様なオイル吸着部材が用いられるのが好ましい。こ
れに加えて、浮上した油を凝縮或いは固化する作用を有
する粉末タイプの処理剤(例えば栗田工業株式会社製の
商品名「ロングクリンS−100」)や、シートタイプ
の処理剤(例えば栗田工業株式会社製の商品名「ロング
クリンFS−166」)等を用いても良い。
【0024】本発明の実施に際して、前記分離槽内の水
温は、油、アルカリ剤、酸化剤の種類や、各種施工条件
等によって、常温から100℃の間、特に40℃から8
0℃の間から、ケース・バイ・ケースで定められる。こ
こで、「常温から100℃の間(所定温度)、特に40
℃から80℃」という範囲は、アルカリ剤による油の分
離及び酸化剤からのガスの気泡の発生による油の連行は
水温が高いほど活発に行われるが、水温が余りに高過ぎ
ると分離槽内の混合液が沸騰してしまうことに着目し
て、設定されている。
【0025】本発明によれば、油で汚染された土壌から
油を分離して処理することにより汚染土壌を浄化する土
壌浄化装置において、前記汚染土壌と水とが投入される
分離槽を備え、該分離槽には投入された汚染土壌と水と
を混合する攪拌機が設けられ、そして前記分離槽にアル
カリ剤を供給するためのアルカリ剤供給手段を備え、さ
らに、前記分離槽で分離した油を水面に浮上させるため
に分解により酸素ガスを発生する酸化剤を前記分離槽に
供給する酸化剤供給手段を有し、水面に浮上した油を排
出するための油水分離槽を備えている。
【0026】
【0027】これに加えて、前記分離槽の水温を所定温
度にする加熱手段を備えているのが好ましい。
【0028】また、本発明の実施に際して排出手段とし
ては、前記浮上工程において浮上した油を、吸着して除
去する吸着部材を用いるのが好ましい。ここで、前記吸
着部材としては、例えばオイルスポンジ等の様なオイル
吸着部材が用いられるのが好ましい。これに加えて、浮
上した油を凝縮或いは固化する作用を有する粉末タイプ
の処理剤(例えば栗田工業株式会社製の商品名「ロング
クリンS−100」)や、シートタイプの処理剤(例え
ば栗田工業株式会社製の商品名「ロングクリンFS−1
66」)等を分離槽に供給する処理剤供給手段を設ける
のが好ましい。
【0029】また前記排出手段は浮上した油を水面上で
移動せしめる流水手段と、浮上した油のみを分離槽から
排出する堰で構成することもできる。上述した様な構成
を具備する本発明によれば、油で汚染された土壌を、水
を入れた分離槽に投入して混合し、アルカリ剤をその分
離槽に供給するので、当該アルカリ剤の作用により、油
は土壌から分離した状態或いは土壌から分離し易い状態
となる。そして、油が土壌から分離し或いは分離し易い
状態となった後に、分離槽内に気泡を発生せしめれば、
油は水面上まで浮上するのである。
【0030】本発明の実施に際して、酸化剤(過酸化水
素水溶液等)を前記分離槽へ投入し、常温、或いは10
0℃程度以下の高温下で混合した後、数十分間から数日
の範囲で放置すると、 H→HO+(1/2)O↑ なる分解反応により、酸素ガスが発生する。
【0031】この酸素ガスは気泡として、そのまま浮上
するかあるいはアルカリ剤によって土壌から分離され易
くなった油を包囲する様に付着する。その結果、油は酸
素の気泡の上昇に連行され分離して上昇し、分離槽の水
面に浮上する。
【0032】ここで、酸化剤を分離槽へ投入し、この分
解により発生する酸素ガスの気泡により連行して油を浮
上させることは、酸化剤が分解して発生する酸素の気泡
の大きさが非常に小さい上に、酸化剤が油を酸化分解
し、土壌から油を剥離し易くすると共に、土壌表面で酸
化剤が分解して酸素を発生し、物理的作用によっても油
を剥離するので、最も好ましい。
【0033】油水分離槽における油の除去は、例えばオ
イルスポンジ吸着処理や、複数の油水分離槽を設けて前
記堰と同様な部材を介して該複数の油水分離槽を連通さ
せ、或いは、オイルスポンジ吸着処理及び堰による処理
の双方を同時に行うことができる。
【0034】すなわち浮上した油は、例えば分離槽から
堰を介して排出され、油水分離槽に導入され処理され
る。或いは、油は吸着手段により吸着されて、分離槽か
ら除去される。
【0035】ここで、分離槽から堰を介して排出され、
油水分離槽に導入されるのは、殆どが酸素ガスにより連
行されて浮上した油であり、分離槽内の水や土壌が油水
分離槽に供給される量は、極めて小量である。すなわ
ち、この段階で油の分離が行われる。
【0036】本発明によって土壌から分離させる効果の
ある油は、原油、及びその加工品である石油系炭化水素
類(燃料油、軽油、重油等)、植物性加工油である。な
お、前述した通り、本明細書においては「油で汚染され
た土壌」なる文言は、「オイルサンド」も含むものとし
て本明細書では用いられているので、オイルサンドから
の油分抽出技術に本発明を適用することが可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0038】図1において、分離槽4には、ヒータ10
を内装した温水タンク7からポンプ11を介して給水さ
れており、一方、バックホー1で掘削された汚染した土
壌Dが受ホッパ2に運搬されてロータリフィーダ3によ
り分離槽4に投入されている。そして、アルカリ剤供給
手段であるアルカリ剤タンク5からアルカリ剤、例えば
苛性ソーダがポンプ11を介して分離槽4に供給されて
いる。一方、酸化剤供給手段である酸化剤タンク6から
は酸化剤、例えば過酸化水素が、ポンプ11を介して分
離槽4に供給されている。ここで、温水、アルカリ剤、
及び酸化剤の各々は、制御弁12によって供給量が制御
されている。
【0039】分離槽4には撹拌機8が設けられ、また、
底部には水温を所定温度にせしめる加熱手段であるヒー
タ9が設けられている。そして、分離槽4内の水温を反
応に好適な所定の温度に維持されている。
【0040】そして、酸化剤から発生する酸素ガスの気
泡が油を包囲して水面上まで浮上した際に、その油のみ
を分離槽4から排出する排出手段として、堰手段である
ノッチ15が設けられている。すなわち、分離槽4と隣
接する第1の油水分離槽13と、さらに第2の油水分離
槽14とが堰手段であるノッチ15を介して連通されて
いる。
【0041】ここで、図2で示す該ノッチ部の断面から
明らかな様に、厚さ寸法Hに相当する領域に存在する流
体のみがノッチ15を介して隣接する油水分離槽13に
流入する。そして分離槽4において、該厚さHに相当す
る領域には、水面上に浮上した油層(酸素ガスの気泡で
包囲された油の層)が存在する。そのため、ノッチ15
を介して油水分離槽13に流入する流体中に含有されて
いる油の量は非常に多い。
【0042】第1及び第2の油水分離槽13、14の上
方には、浮遊する油を吸着するオイル吸着処理装置20
が配設されている。ここで、オイル吸着処理装置20
は、オイルスポンジの様なオイル吸着部材に限定される
ものでは無く、繊維製の吸着部材その他であっても良
い。また、浮上した油を凝縮或いは固化する作用を有す
る粉末タイプの処理剤(例えば栗田工業株式会社製の商
品名「ロングクリンS−100」)や、シートタイプの
処理剤(例えば栗田工業株式会社製の商品名「ロングク
リンFS−166」)等を分離槽に供給する処理剤供給
手段であっても良い。
【0043】また、第2の油水分離槽14の上方の管路
は、乳化処理槽17を介して中和処理槽18に連通して
いる。一方、第2の油水分離槽14の下方の管路は中和
処理槽18へ直接に連通している。そして、中和処理槽
18から最終チェック槽19に供給され、そこから排水
されている。
【0044】分離槽4、油水分離槽13、14に沈澱し
た浄化土Sの脱水処理装置として、図3に示す振動ふる
い機21が設けられている。そして、振動ふるい機21
でふるい分けられた粗粒土S1を排出するベルトコンベ
ア23と、スラリータンク22に溜まった微細粒土を微
粒子土S2と細粒土S3に分離するサイクロン24と、
遠心分離機25、とが設けられている。なお、遠心分離
機25の代わりに脱水プレス機(図示せず)を使用して
も良い。
【0045】次に土壌浄化工法の態様を説明する。図1
に示すように、汚染された土壌Dはバックホー1により
掘削されて受ホッパ2に運ばれ、ロータリフィーダ3に
よって分離槽4に投入される。一方、水W1が温水タン
ク7に給水され、ヒータ10で加熱され、ポンプ11、
制御弁12を介して分離槽4に供給され、分離槽4内で
は汚染土壌Dと撹拌機8により混合される(混合工
程)。なお、分離槽4内は、ヒータ9により水温は一定
温度に維持されている。
【0046】次に、アルカリ剤タンク5内のアルカリ剤
Aがポンプ11、制御弁12を介して分離槽4に供給さ
れ、供給されたアルカリ剤Aにより油は土壌Dから分離
される(分離工程)。
【0047】次に、酸化剤タンク6から酸化剤Oがポン
プ11、制御弁12を介して分離槽4に供給する(酸化
剤投入工程)。そして、酸化剤Oから発生する酸素ガス
等の気泡が油を連行して、水面上まで浮上させる(浮上
工程)。
【0048】水面上に浮上した油は、図2に示すように
その厚さHだけがノッチ15を通って第1の油水分離槽
13に、さらに、ノッチ16を通って第2の油水分離槽
14に排出される(排出工程)。そして、第1及び第2
の油水分離槽13、14の上面に浮遊する油はオイルス
ポンジ吸着処理装置20により吸着され、回収される。
【0049】第2の油水分離槽14の上澄みは乳化油処
理槽17に排出され、処理されてから中和処理槽18に
排出され、また、第2の油水分離槽14の下方からは直
接中和処理槽18に排出される。そして、中和処理後、
最終チェック槽19を介してW2に排水あるいは循環さ
れ再び利用される。
【0050】図3に示すように、分離槽4、及び油水分
離槽13、14に沈澱した浄化土スラリSは、振動ふる
い機21でふるい分けられ、粗い粗粒土S1はベルトコ
ンベア23で排出されて埋戻し土として再利用され、ス
ラリータンク22に溜まった微細粒土はサイクロン24
でさらに分離され、遠心分離機25に送られて、脱水処
理され、微粒子土S2、細粒土S3として再利用され
る。
【0051】上述した実施例においては、アルカリ剤A
を供給した後(分離工程の後)、酸化剤Oを供給(酸化
剤投入工程を実施)している。これに対して、アルカリ
剤Aと酸化剤Oとを同時に供給して、アルカリ剤により
油を土壌から分離すると共に、酸化剤から発生するガス
の気泡により油を連行して水面上まで浮上させても良い
(アルカリ剤及び酸化剤投入工程)。
【0052】図1〜3で示す実施形態においては、酸化
剤Oから発生する酸素ガス等の気泡により連行された油
が分離槽4の水面上まで浮上(浮上工程)した後に、第
1の油水分離槽13及び第2の油水分離槽14に排出
(排出工程)され、その際に、油水分離槽13、14の
上面に浮遊する油がオイル吸着処理装置20により吸着
され、回収されている。
【0053】しかし、図1−3の実施形態において、オ
イル吸着処理装置20を設けなくても良い(吸着処理装
置20を設けていない実施形態は図示せず)。
【0054】或いは、図4で示す様に、油水分離槽1
3、14へ排出すること(排出工程)無く、分離槽4に
吸着処理装置20aを設け、浮上した油を該処理装置2
0aにより吸着して(或いは処理して)除去しても良
い。
【0055】なお図4の実施形態において、吸着処理装
置20aにより分離槽4から油を吸着除去した後の工程
は、図1〜3の実施形態において油水分離槽13、14
の下流側の工程と概略同様であるため、図示及び説明は
省略する。
【0056】なお、図示の実施形態では気泡を構成する
気体としては酸素ガスが例示され、後述する実施例では
空気が例示されているが、本発明に必要な気泡を構成す
る気体は、この2種類に限定されるものではない。例え
ば二酸化炭素、窒素ガス、水素ガス、或いは、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガスで構成される気泡を発生さ
せても良い。
【0057】
【実施例】浄化効果確認試験について説明する。(実施
例−1) 汚染を浄化し難い重質の油を0.42g(重量比約4%
程度)を含む汚染土壌10gに、アルカリ剤と3%過酸
化水素水100mlとを添加後、撹拌混合して、常温
(20℃)で12時間放置した。これを静置して、土
壌、水、油に分離した後、水と油の上澄み液を廃棄し、
土壌部分のみ(残存土壌)を取り出して、これを分析資
料とした。
【0058】分析に際しては、土壌1gをビーカーにと
り、塩酸を加えてpH2以下とした後、硫酸マグネシウ
ム水和物25gを加え、撹拌して、薄く広げて15分〜
30分程度放置し、凝固させた。この凝固物を乳鉢で粉
砕して円筒濾紙に入れ、該円筒濾紙に更にガラスビーズ
を満たして、ソックスレー抽出器に収めた。そして、ヘ
キサンを用い毎時20回程度の循環速度で4時間抽出を
行った。
【0059】抽出後、フラスコを取り出し、80℃程度
の水浴中で加温しながら、空気または窒素を吹き込ん
で、ヘキサンを揮散させた。さらに、80℃の乾燥機中
で30分間乾燥して、デシケータ内で30分間放冷した
後、質量を測定し、ヘキサン抽出物質量を算出した。
【0060】その結果、アルカリ剤として過炭酸ソーダ
1.0g(pH9.7)を用いた場合には、残存土壌中
の油分濃度は1.20%となり、土壌からの油の除去率
は71%となった。また、アルカリ剤として炭酸ソーダ
1.0g(pH9.9)を用いた場合には、残存土壌中
の油分濃度は0.81%となり、土壌からの油の除去率
は80%となった。さらに、アルカリ剤として苛性ソー
ダ1.0g(pH10.8)を用いた場合には、残存土
壌中の油分濃度は0.88%となり、土壌からの油の除
去率は79%となった。なお、図5は、実施例−1の結
果を表にして示す図である。
【0061】次に、実施例−1とは別の浄化効果の確認
試験について、説明する(実施例−2)。
【0062】重質の油を0.34gを含む汚染土壌10
gに過酸化水素(35%)0.286gと苛性ソーダ水
溶液(0.5%)20gを添加混合した後(過酸化水素
0.5%、pH12)、40度Cで2時間放置した。こ
の間20分おきに6回撹拌した。静置して土壌、水、油
に分離した後、それぞれn−ヘキサン約20mlを加
え、十分混合してn−ヘキサンで油分を抽出し、ヘキサ
ン層をNo.5A濾紙で濾過した。この操作を4回繰り
返し、ヘキサンを揮発させて残分を回収油分とした。こ
の結果、それぞれの層から回収した油分は以下の通りで
あった。
【0063】 土壌 0.02g(土壌からの油の除去率 94%) 水 0.02g 油 0.30g(油の回収率 88%) 図6は、本発明の別の形態における作用効果を確認する
ための実験例に関するものである(実験例−2)。
【0064】図6において、容器30内に難水溶性有機
物(重油)で汚染された土壌D及び水Wを入れる。そし
て、先端部にエアレーション用の気泡発生手段32を取
り付けたチューブ34を、容器30内に配置する。ここ
でチューブ34は、土壌Dが沈殿している領域に気泡発
生手段32が位置する様に配置されている。
【0065】チューブ34の他端部は、空気供給手段3
6に接続されている。その結果、空気供給手段36から
送られる空気は、チューブ34、気泡発生手段32を介
して、無数の微細気泡となって汚染土壌Dの層内から噴
出し、矢印38で示す様に水面まで上昇する。
【0066】この容器30内にアルカリ剤として苛性ソ
ーダを投入した後に、空気供給手段36を起動して、気
泡発生手段32を介して無数の微細気泡を発生させた結
果、難水溶性有機物(重油)が水面上に浮上した。すな
わち、土壌Dから難水溶性有機物が除去されたのであ
る。
【0067】一方、ブランクテストとして、苛性ソーダ
を投入せずに空気供給手段36を作動して汚染土壌Dの
層内から無数の微細気泡を発生させた。しかし、この場
合は土壌Dから難水溶性有機物(重油)は水面まで浮上
しなかった。すなわち、土壌Dから難水溶性有機物(重
油)は分離されなかった。
【0068】この実験結果から、単に気泡を発生させた
のみでは、本発明の様な作用効果は得られないことが明
らかになった。
【0069】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、特
別な機械的処理を行わなくても、油で汚染された土壌か
ら汚染物質を分離浄化することが出来る。そして、洗浄
後の廃水処理についても、水と油が分離されているた
め、簡単に処理を行うことができる。さらに、分離した
油を処理して回収することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の施工手順を示すブロック
図。
【図2】ノッチ部の断面構造を示す図。
【図3】沈澱した浄化土の脱水処理の説明図。
【図4】本発明の他の実施形態の施工手順を示すブロッ
ク図。
【図5】本発明の1実施例を表で示す図。
【図6】本発明の効果を確認するための実験装置を説明
するブロック図。
【符号の説明】 D・・・汚染した土壌 A・・・アルカリ剤 O・・・酸化剤 S・・・浄化土 1・・・バックホー 2・・・受ホッパ 3・・・ロータリフィーダ 4・・・分離槽 5・・・アルカリ剤タンク 6・・・酸化剤タンク 7・・・温水タンク 8・・・撹拌機 9、10・・・ヒータ 11・・・ポンプ 12・・・制御弁 13、14・・・油水分離槽 15、16・・・ノッチ 17・・・乳化油処理槽 18・・・中和処理槽 19・・・最終チェック槽 20、20a・・・オイル吸着処理装置 21・・・振動ふるい機 22・・・スラリータンク 23・・・ベルトコンベア 24・・・サイクロン 25・・・遠心分離機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川 端 淳 一 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 土 弘 道 夫 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 今 立 文 雄 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 佐 藤 亜紀子 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 町 田 靖 東京都港区虎ノ門一丁目2番8号 日本 パーオキサイド株式会社内 (72)発明者 橋 本 昭 広 福島県郡山市横塚5丁目2番15号 日本 パーオキサイド株式会社 技術サービス センター内 (56)参考文献 特開 昭63−72391(JP,A) 特開 昭58−214400(JP,A) 特開 昭48−104348(JP,A) 米国特許4336136(US,A) 欧州特許出願公開647483(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09C 1/02 B09B 3/00 B09B 5/00 C02F 1/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油で汚染された土壌から油を分離して処
    理して汚染土壌を浄化する土壌浄化工法において、前記
    汚染土壌を水を入れた分離槽に投入して混合する混合工
    程と、前記分離槽にアルカリ剤を供給するアルカリ剤供
    給工程と、前記分離槽に酸化剤を投入する酸化剤投入工
    程と、前記酸化剤の分解により発生した酸素ガスにより
    油を水面まで浮上させる浮上工程と、前記分離槽の水面
    上に浮上した油を排出する排出工程とよりなることを特
    徴とする土壌浄化工法。
  2. 【請求項2】 油で汚染された土壌と、アルカリ剤と、
    前記酸化剤とが分離槽へ同時に供給される請求項1記載
    の土壌浄化工法。
  3. 【請求項3】 油で汚染された土壌から油を分離して処
    理することにより汚染土壌を浄化する土壌浄化装置にお
    いて、前記汚染土壌と水とが投入される分離槽を備え、
    該分離槽には投入された汚染土壌と水とを混合する攪拌
    機が設けられ、そして前記分離槽にアルカリ剤を供給す
    るためのアルカリ剤供給手段を備え、さらに、前記分離
    槽で分離した油を水面に浮上させるために分解により酸
    素ガスを発生する酸化剤を前記分離槽に供給する酸化剤
    供給手段を有し、水面に浮上した油を排出するための油
    水分離槽を備えることを特徴とする土壌浄化装置。
JP17626496A 1996-03-11 1996-07-05 土壌浄化工法及び装置 Expired - Fee Related JP3236219B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17626496A JP3236219B2 (ja) 1996-03-11 1996-07-05 土壌浄化工法及び装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5280696 1996-03-11
JP8-52806 1996-03-11
JP17626496A JP3236219B2 (ja) 1996-03-11 1996-07-05 土壌浄化工法及び装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001255776A Division JP2002113454A (ja) 1996-03-11 2001-08-27 土壌浄化工法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09299924A JPH09299924A (ja) 1997-11-25
JP3236219B2 true JP3236219B2 (ja) 2001-12-10

Family

ID=26393470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17626496A Expired - Fee Related JP3236219B2 (ja) 1996-03-11 1996-07-05 土壌浄化工法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3236219B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2806939B1 (fr) * 2000-03-30 2002-12-06 Patrice Jean Albert Stengel Procede et dispositif de depollution des sables ou des terres souilles par des hydrocarbures ou des germes infectieux
JP3788357B2 (ja) * 2002-01-31 2006-06-21 住友金属鉱山株式会社 汚染土壌の浄化装置及び汚染土壌の浄化方法
JP4847497B2 (ja) * 2008-07-30 2011-12-28 株式会社奥村組 汚染土壌の浄化方法
US20140069875A1 (en) * 2012-09-13 2014-03-13 Bill Rippetoe Mobil Remediation Trailer
CN103934265B (zh) * 2014-04-01 2016-05-25 江苏大学 一种表面活性剂增溶结合微波辐照技术修复多溴联苯醚污染土壤的方法
CN108500056B (zh) * 2018-05-30 2019-09-06 河北工业大学 一种利用原位氧化-同步气浮修复石油烃污染土壤的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09299924A (ja) 1997-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0460828B1 (en) Method and apparatus for treating contaminated particulate material
US5268128A (en) Method and apparatus for cleaning contaminated particulate material
KR101645426B1 (ko) 준설토 정화장치 및 정화방법
KR100755910B1 (ko) 유류오염토양 복원공법과 이에 사용되는 장치
KR101768006B1 (ko) 나노버블 및 무기산 다단세척을 이용한 복합오염토양 정화처리시스템
JP2008246273A (ja) ダイオキシン類等による汚染土壌の洗浄処理システム
US6123483A (en) Method and apparatus for decontaminating soil and mud polluted with hazardous waste and petroleum products
KR101717126B1 (ko) 나노버블 및 유기산 다단세척을 이용한 복합오염토양 정화처리시스템
JP3236219B2 (ja) 土壌浄化工法及び装置
JP3918657B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法及び浄化装置
KR101831387B1 (ko) 유류오염토양의 원위치 정화 방법 및 유류오염토양의 원위치 정화 장치
JP2006247483A (ja) 汚染土壌の処理方法
JP3221558B2 (ja) 土壌浄化工法及び装置
JP6619160B2 (ja) 土壌浄化工法、土壌浄化システム、及びスパージングロッド組立体
JPH09159798A (ja) 泡除染および除染廃液処理の方法
JP2002113454A (ja) 土壌浄化工法及び装置
JP3703367B2 (ja) 汚染土壌、スラリー等の浄化方法
KR102112962B1 (ko) 오염토 세척 선별 장치
JP3703368B2 (ja) 汚染土壌、スラリー等の浄化方法
JP2920137B1 (ja) 飛灰の無毒化と塩の分離と資源化を一貫処理するプロセス
JP3811705B2 (ja) 排ガスの処理方法およびその設備
JP3703366B2 (ja) 汚染土壌、スラリー等の浄化方法
KR100988043B1 (ko) 차량에 탑재된 오염토양의 슬러지 분리장치
Hinsenveld et al. Alternative physico-chemical and thermal cleaning technologies for contaminated soil
KR100565460B1 (ko) 오염토사 세척 정화방법

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070928

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees