JP2003300099A - 水熱反応装置および方法 - Google Patents

水熱反応装置および方法

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JP2003300099A
JP2003300099A JP2002102536A JP2002102536A JP2003300099A JP 2003300099 A JP2003300099 A JP 2003300099A JP 2002102536 A JP2002102536 A JP 2002102536A JP 2002102536 A JP2002102536 A JP 2002102536A JP 2003300099 A JP2003300099 A JP 2003300099A
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water
treated
hydrothermal
hydrothermal reaction
carbide
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JP2002102536A
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English (en)
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Hironori Kako
啓憲 加来
Shigeki Horii
重希 堀井
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Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物の種類や性状に依存することなく安
定して効率よく、しかも低コストで処理することが可能
な水熱反応装置を提案する。 【解決手段】 有機性被処理物を炭化炉3に供給し、炭
化用バーナー22で加熱して炭化させた後、冷却器4で
冷却する。炭化物洗浄槽6で洗浄して脱塩した後、第一
沈殿槽7で固液分離し、炭化物を混練槽12に送って混
練するとともに、破砕機13による破砕を繰り返し、均
一な炭化物スラリーを得る。炭化物スラリー56は高圧
ポンプ58により供給装置57に送るとともに希釈水6
1、補助燃料62および酸化剤としての空気63を混合
し、この混合物を水熱反応器14に下向流で供給し、水
の超臨界または亜臨界の状態で水熱反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機性被処理物を水
の超臨界または亜臨界状態で水熱反応により処理する水
熱反応装置および方法、特に被処理物の種類や性状に依
存しないで水熱反応を行うことができる水熱反応装置お
よび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】被処理物を処理して酸化分解や加水分解
を行うことにより、廃棄物を処理したり、エネルギーを
生成したり、化学物質を製造したりする水熱反応処理は
30年以上にわたって研究され、利用されている。特
に、近年、水の超臨界または亜臨界状態で、被処理物と
酸化剤を含んだ水とを反応器で反応させることにより、
燃焼を含む酸化反応(以下、単に反応という場合があ
る)を生じさせ、被処理物中の有機物を短時間でほぼ完
全に分解する水熱反応処理が注目されている。
【0003】例えば、図3の装置により有機性被処理物
が水熱反応処理され、水と二酸化炭素に分解されてい
る。
【0004】図3において、1はホッパー、13は破砕
機、14は水熱反応器、15は熱交換器、16は気液分
離器である。ホッパー1と破砕機13とは循環路53で
接続され、ホッパー1内の被処理物を破砕機13に送っ
て破砕するとともにホッパー1に戻して循環させ、被処
理物を粉砕するように構成されている。循環路53には
ポンプ54が設けられている。
【0005】循環路53から被処理物供給路96が分岐
し、水熱反応器14の上部に設けられた供給装置57に
連絡している。被処理物供給路96には、被処理物を水
熱反応器14に供給する高圧ポンプ58および熱交換器
15が設けられている。また被処理物供給路96には、
被処理物に補助燃料および酸化剤を混合するように、水
槽(図示は省略)から連絡する水供給路97、補助燃料
タンク(図示は省略)から連絡する補助燃料供給路6
2、空気供給路63が合流して接続している。水供給路
97および補助燃料供給路62には高圧ポンプ64、6
5が設けられ、空気供給路63にはコンプレッサー66
が設けられている。供給装置57は被処理物、水、補助
燃料および空気(酸化剤)の混合物を水熱反応器14に
下向流として供給するように取付けられている。
【0006】水熱反応器14は中空の反応器の上部に逆
流を伴う混合反応域、下部に栓状流反応域が形成される
ようになっている。水熱反応器14には必要により加熱
装置が設けられる。水熱反応器14の下部から反応流体
取出路68が熱交換器15に連絡し、熱交換器15から
系路69が気液分離器16に連絡している。気液分離器
16から減圧弁70を有する気体排出路71および減圧
弁72を有する液体排出路73が系外に連絡している。
なお上記の装置においてポンプ、弁等が必要であるが、
省略して図示されている。
【0007】図3の装置で水熱反応処理するには、ホッ
パー1内の被処理物を循環路53に取り出し、ポンプ5
4により破砕機13に送って破砕した後、循環路53を
通してホッパー1に戻す。これにより被処理物を粉砕す
るとともに均一化する。循環路53中の被処理物の一部
を被処理物供給路96から取り出し、高圧ポンプ58に
より熱交換器15に導入して予熱した後、供給装置57
に送る。この際、水供給路97から水、補助燃料供給路
62から補助燃料、空気供給路63から酸化剤としての
空気を供給し、被処理物供給路96中で混合する。
【0008】供給装置57では、被処理物、水、補助燃
料および空気の混合物を水熱反応器14に下向流で供給
して水熱反応を行う。水熱反応器14では被処理物供給
路96、補助燃料供給路62および空気供給路63に設
けられた予熱器(図示は省略)や、水熱反応器14に設
けられた加熱装置(図示は省略)により加熱し、水熱反
応を開始する。水熱反応の開始後は、これらの予熱器や
加熱装置による加熱は省略することができる。
【0009】水熱反応器14の反応流体は反応流体取出
路68から熱交換器15に導入して被処理物を加熱した
後、系路69から気液分離器16に導入して気液分離す
る。分離した気体は減圧弁70で減圧し、ガス排出路7
1から処理ガスとして排出する。分離した液体は減圧弁
72で減圧し、液体排出路73から処理水として排出す
る。
【0010】しかし、上記従来の装置および方法には次
のような問題点がある。 1)被処理物によっては均質にすることが難しいものあ
り、不均一な状態で水熱反応器に供給すると水熱反応が
不安定になる場合がある。 2)プラスチックの廃棄物を水熱反応により処理するた
めには、プラスチックを小さく破砕する必要があるが、
プラスチックは破砕しにくいため高価な破砕装置が必要
である。 3)被処理物を水熱反応に供する前に予熱する際、被処
理物に粘質物が含まれている場合は、粘質物が予熱器伝
熱面に付着して伝熱効率が著しく低下する。 4)有機物濃度が低く濃縮が困難な被処理物を水熱反応
処理する場合、水熱反応温度を維持するためには補助燃
料が必要となる。その結果、水熱反応装置が大型化し、
イニシャルコストが高くなる。 5)被処理物に含まれる塩類により、水熱反応器が腐食
したり閉塞する場合がある。特に、し尿および/または
浄化槽汚泥を処理する場合、塩類が高濃度に含まれてい
るので低濃度のものに比べると腐食や閉塞が生じ易く、
長期間の連続運転が難しい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、被処
理物の種類や性状に依存することなく安定して効率よ
く、しかも低コストで処理することが可能な水熱反応装
置および方法を提案することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は次の水熱反応装
置および方法である。 (1) 有機性被処理物を水の超臨界または亜臨界状態
による水熱反応で処理する水熱反応装置において、有機
性被処理物を加熱して炭化する炭化装置と、炭化装置で
炭化した炭化物を破砕し、水に分散させてスラリー化す
るスラリー化装置と、スラリー化装置でスラリー化した
炭化物スラリーを水の超臨界または亜臨界状態で水熱反
応を行う水熱反応器とを有する水熱反応装置。 (2) 炭化装置で炭化した炭化物を洗浄水と接触させ
て洗浄する洗浄装置をさらに有する上記(1)記載の水
熱反応装置。 (3) 有機性被処理物を水の超臨界または亜臨界状態
による水熱反応で処理する水熱反応方法において、有機
性被処理物を加熱して炭化する炭化工程と、炭化工程で
炭化した炭化物を破砕し、水に分散させてスラリー化す
るスラリー化工程と、スラリー化工程でスラリー化した
炭化物スラリーを水の超臨界または亜臨界状態で水熱反
応を行う水熱反応工程とを有する水熱反応方法。 (4) 炭化工程で炭化した炭化物を洗浄水と接触させ
て洗浄する洗浄工程をさらに有する上記(3)記載の水
熱反応方法。
【0013】本発明の水熱反応装置および方法で処理の
対象となる有機性被処理物は有機物を含むものであれば
種類や性状などは制限されない。処理の対象として好適
な有機性被処理物としては、均一化しにくい廃液または
廃棄物;微粉砕しにくい有機物、例えばプラスチックを
含む廃棄物;粘度の高い廃液;粘着物質を含む廃液;塩
類を高濃度に含む廃液または廃棄物などがあげられる。
具体的には、下水処理汚泥、し尿処理汚泥、浄化槽汚
泥、家畜糞尿、海洋生物廃棄物、工場排水処理施設汚
泥、都市ごみなどがあげられる。本発明では、従来焼却
処理していた有害物質を含む有機性廃棄物を被処理物と
することもできる。
【0014】本発明の水熱反応装置を構成する炭化装置
としては、炭化炉内で被処理物を燃焼ガスにより加熱し
て炭化する炭化装置などが使用できる。炭化装置は回分
式でも連続式でもよく、例えば内熱キルン型、外熱キル
ン型または多段スクリュー型の炭化炉を備えた連続式の
炭化装置などがあげられる。炭化装置には、乾燥器、脱
臭炉、冷却装置、炭化物の灰化を防止するため炭化物と
大気との接触を遮断する手段などを設けることもでき
る。具体的には、特開平11−323345号、特開2
001−192668などに記載されている炭化物製造
装置などが利用できる。
【0015】炭化装置では有機性被処理物を通常350
〜600℃程度で加熱することにより有機物が炭化され
る。炭化物は塊状、顆粒状、粉体状およびこれらの混合
物の状態で得られる。炭化装置から発生する廃熱は、被
処理物から発生する臭気を燃焼させて分解する熱源、水
熱反応器に供給する炭化物スラリーを予熱する熱源など
として利用し、熱効率を高めるのが好ましい。
【0016】炭化装置により有機物を炭化することによ
り、プラスチックのように微粉砕することが困難なもの
も微破砕が容易になる。また粘質物を含む被処理物、粘
度の高い被処理物の場合は炭化することにより、熱交換
器伝熱面への付着が防止されるほか、移送などの取扱い
が容易となる。また有機物含量は低い被処理物の場合は
炭化することにより、減容化されるほか、熱量の調整が
可能となる。
【0017】本発明の水熱反応装置を構成するスラリー
化装置としては、前記炭化装置で炭化した炭化物を破砕
する手段と、水に分散させる手段を備えた装置などが使
用できる。例えば、炭化物を破砕する破砕機および破砕
物を水と混合する混練槽を備えたスラリー化装置などが
使用できる。炭化物は炭化する前の固形物に比べると微
粉砕しやすいので、破砕機としては安価な装置が使用で
きる。
【0018】スラリー化装置でスラリー化した炭化物ス
ラリーの炭化物含有量は送液可能な濃度であって、水熱
反応に必要な熱量が生成する範囲とするのが好ましく、
このような含有量に調整することにより補助燃料の使用
量を少なくすることができ、場合によりゼロにすること
もできる。炭化物スラリーの炭化物含有量は通常5〜1
0重量%とするのが好ましく、含有量は脱水または注水
により調整することができる。
【0019】炭化物スラリーは配管の閉塞を防止するた
め、スラリーに含まれる固形物の大きさは1mm以下と
するのが好ましい。
【0020】本発明では炭化物を洗浄する洗浄装置を設
けるのが好ましく、特に高濃度の塩類を含む被処理物を
処理する場合に設けるのが好ましい。洗浄装置としては
炭化物と洗浄水とを接触させ、洗浄水に水溶性物質を溶
出させるように構成された装置が使用できる。接触方式
としては混合、噴霧など任意の方式が採用できる。例え
ば、炭化物と洗浄水とを混合する混合槽、および混合液
を固液分離する固液分離装置を備えた洗浄装置などが使
用できる。
【0021】上記洗浄水としては水、温水、蒸気などが
使用できる。洗浄水には酸やアルカリを添加することも
できる。洗浄装置を設けて炭化物を洗浄することによ
り、炭化物に含まれている塩類や重金属などの水溶性物
質を溶出させることができるので、水熱反応器の腐食の
防止を図ることができる。
【0022】洗浄排水は回収し、塩類などを分離除去し
た後、分離水は再び洗浄水として再利用することができ
る。また炭化物スラリーの含水率の調整に再利用するこ
ともできる。
【0023】本発明の水熱反応装置を構成する水熱反応
器としては従来から水熱反応器として使用されているも
のが制限なく使用できる。
【0024】本発明では、前記スラリー化装置でスラリ
ー化した炭化物スラリーを水熱反応器に導入し、水熱酸
化反応を行う。水熱反応は、従来と同じ方法で行うこと
ができる。
【0025】ここで水熱反応とは、超臨界または亜臨界
状態の高温高圧の水および酸化剤の存在下に有機物を酸
化反応により酸化分解する反応である。超臨界状態とは
374℃以上、22MPa以上の状態である。また亜臨
界状態とは例えば374℃以上、2.5MPa以上22
MPa未満あるいは374℃未満、22MPa以上の状
態、あるいは374℃以下、22MPa未満であっても
臨界点に近い高温高圧状態をいう。
【0026】このような水熱反応は炭化物スラリーが水
および酸化剤と混合した状態で水熱反応器において行わ
れ、これらの混合物が水熱反応器内部で水熱反応を受け
る。酸化剤としては、空気、酸素、液体酸素、過酸化水
素水、硝酸、亜硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩等を用いること
ができる。酸化剤は、被処理物と混合されて供給されて
もよいし、供給口を二重管ノズルにして複層流として供
給してもよい。また必要により触媒や中和剤等が添加さ
れる場合があるが、これらは被処理物と混合して、ある
いは別々に水熱反応器に供給することができる。
【0027】水熱反応において被処理物の熱量が不足す
る場合は、補助燃料を水熱反応器に供給して反応を行う
ことができる。補助燃料としては、灯油、ケロシン、イ
ソプロピルアルコール、メタノール、アセトン等をあげ
ることができる。補助燃料は純物質である必要はなく、
例えば他の有機物、無機物、水分などを含有する廃溶媒
であってもよい。
【0028】本発明で用いられる水熱反応器は超臨界ま
たは亜臨界状態で水熱反応を行うように、耐熱、耐圧材
料により、実質的に垂直方向に配置した筒状水熱反応器
で形成される。反応熱だけでは超臨界または亜臨界状態
に達しない場合には外部加熱手段を設けることができ
る。水熱反応器の形状は円筒、だ円筒、多角筒のものを
用いることができ、下端部はコーン状とすることができ
る。このような水熱反応器により超臨界または亜臨界状
態で水熱反応を行うと、有機物は酸化剤により酸化され
て最終的に水と二酸化炭素に分解され、あるいは加水分
解により低分子化し、無機物は固体あるいは溶融状態で
分離する。反応生成物はそのまま、または固形物を分離
後、冷却、減圧、固液分離等の操作により、ガス分、液
分、固形分に分離される。
【0029】水熱反応器としては特開平11−1561
86号に示されているように、上部に逆流を伴う混合反
応域、下部に栓状流反応域を形成する実質的に垂直な水
熱反応器に、さらに上部に設けられた供給装置から被処
理物と酸化剤の混合流を下向流で供給して上部の混合反
応域で逆流を伴う混合流を形成して水熱反応を行い、下
部の栓状流反応域で平行な下向栓流を形成して追加の水
熱反応を行う構造のものが好ましい。
【0030】水熱反応器の材質は制限されないが、ハス
テロイ、インコネル、ステンレス等の耐食性の材質が好
ましい。水熱反応器には耐腐食性ライナーを設けるのが
好ましい。耐腐食性ライナーは特に限定されず、特開平
11−156186号に開示されたような耐腐食性ライ
ナーと圧力負荷壁との間に間隙が存在するような耐腐食
性ライナーを用いることができる。
【0031】水熱反応器には反応混合物を排出口から排
出する前に冷却するための冷却手段を設けることができ
る。冷却手段は特に限定されないが、水熱反応器内に水
を導入して冷却し、無機塩を溶解してその排出を促進す
ることができる。また、水熱反応器内に酸やアルカリを
含む水を導入して冷却し、アルカリや酸の中和を行うこ
とができる。固体の粘着性が著しい場合には、水熱反応
器の内壁に付着した固体を除去するための機械的除去装
置を設けることができる。固体除去のための機械的除去
装置は特に限定されないが、特開平11−156186
号で開示された切欠窓部分を含む実質的に円筒状のスク
レーパが好適である。
【0032】水熱反応の進行に伴って、水熱反応器内で
中和塩が堆積する場合は、水熱反応器内における塩の堆
積防止手段や排出手段の併用が望ましい。具体的な方法
としては、水熱反応器下部に水層を設けて塩を溶解、排
出する手段(特許2726293)や機械的に塩を掻き
取る手段(USP5,100,560、特開平10−1
5566号、特開平11−253786号)、水熱反応
器表面から流体を噴出させて付着を防止する手段(特開
平9−299966号)など、公知の方法を採用するこ
とができる。
【0033】水熱反応器から排出される反応流体中の固
形物を分離する分離手段を設けることができる。特に、
超臨界状態の反応流体中では無機塩類が溶解せずに固体
として含まれているため、不溶化している無機物を分離
することにより、処理水の再利用が容易になる。固形物
分離手段は特に限定されず、水熱反応器から反応流体を
導入する流入口および固体を除去した流体を排出する流
出口を備えた容器と、容器内に配設されて前記反応流体
に含まれている前記固体を除去し、排出する手段とを備
えたものが使用できる。また、冷却、減圧の工程で、気
液分離や固液分離の手段を設けることもできる。
【0034】水熱反応器による反応開始の手段は特に制
限されない。通常、水熱反応器は反応開始にあたって所
定の反応温度付近に予熱される。予熱は加熱装置を水熱
反応器に設けるか、あるいは被処理物および/または酸
化剤供給路に設けて加熱された水や空気を導入して実施
することができる。通常、所定の温度、圧力に調整され
た後、被処理物を含む流体を供給して水熱反応を開始す
る。水熱反応によって有機物が分解され、反応熱が発生
する。水熱反応器上部に逆流を伴う混合反応域を設けた
場合、ここで逆流を伴う混合作用で有機物、酸化剤およ
び水熱反応器内容物などが十分に混合されるため、流体
の温度が上昇する。これにより供給される有機物は速や
かに水熱反応を開始し、安定した反応が継続されること
になる。反応流体は水熱反応器内を下向きに移動し、栓
状流反応域で継続反応した後、排出口から排出される。
水熱反応器の長さ:直径の比は1:1〜100:1が好
ましい。
【0035】水熱反応器を出た反応流体はそのまま、ま
たは固体を分離した後、冷却して減圧され気液分離され
る。水熱反応器内で冷却して液体が生成している場合は
水熱反応器を出た段階で固体とともに液体を分離し、必
要によりさらに冷却、気液分離および固液分離を行うこ
とができる。最終的に生成した水、気体、固体は、その
まま、エネルギー回収されたり、物質として再利用され
たり、そのままあるいは追加処理されて廃棄される。
【0036】本発明によれば次のような効果が得られ
る。 1)被処理物を炭化装置で炭化することにより、ほぼ均
一な炭化物スラリーを容易に得ることができる。その結
果、水熱反応器で安定して水熱反応を行うことができ、
安定した処理水質を得ることができる。 2)被処理物を炭化装置で炭化することにより破砕処理
が容易になる。その結果、破砕処理にコストのかかるプ
ラスチックなども容易に破砕することが可能となり、比
較的安価な破砕装置を使用して、低コストで処理するこ
とができる。 3)被処理物を炭化装置で炭化することにより、被処理
物の粘性を著しく低減することができる。その結果、予
熱する場合でも熱交換器伝熱面の汚れを低減できるとと
もに、移送が容易になる。 4)被処理物を炭化装置で炭化することにより減容化で
きるので、水熱反応器を小型化でき、イニシャルコスト
を低減することができるとともに消費電力も低減するこ
とができる。また炭化物スラリーを調製する際に有機物
の含有量を容易に調節できるので補助燃料の使用量を削
減でき、場合によってはゼロにすることもできる。その
結果、イニシャルコストおよびランニングコストを抑制
することができ、経済的に有利である。 5)洗浄装置を設けて炭化物を洗浄することにより、炭
化物中から塩類などを分離することができる。その結
果、水熱反応器の腐食や閉塞の原因となる塩類を除去し
た状態で水熱反応器に供給できるようになり、装置の延
命を図ることができるとともに、安全に長時間連続運転
することが可能になる。
【0037】
【発明の効果】本発明の水熱反応装置は、有機性被処理
物を炭化する炭化装置と、炭化物をスラリー化するスラ
リー化装置と、水熱反応器とを有しているので、被処理
物を炭化装置で炭化した炭化物をスラリー化装置でスラ
リー化して水熱反応器に供給し、水熱反応に供すること
ができ、これにより被処理物の種類や性状に依存するこ
となく安定して効率よく、しかも低コストで処理するこ
とができる。また洗浄装置を設けた場合には、装置の腐
食や閉塞を防止することができる。本発明の水熱反応方
法は、有機性被処理物を炭化する炭化工程と、炭化物を
スラリー化するスラリー化工程と、水熱反応工程とを有
しているので、被処理物を炭化工程で炭化した後スラリ
ー化して水熱反応に供することができ、これにより被処
理物の種類や性状に依存することなく安定して効率よ
く、しかも低コストで処理することができる。また洗浄
工程を設けた場合には、装置の腐食や閉塞を防止するこ
とができる。
【0038】
【発明の実施の形態】次に図面により本発明を説明す
る。図1は実施形態の水熱反応装置の系統図である。図
1において、1はホッパー、2は搬入機、3は炭化炉、
4は冷却器、5は洗浄水貯槽、6は炭化物洗浄槽、7は
第一沈殿槽、8は凝集槽、9は第二沈殿槽、10は脱塩
装置、12は混練槽、13は破砕機、14は水熱反応
器、15は熱交換器、16は気液分離器である。洗浄水
貯槽5、炭化物洗浄槽6、第一沈殿槽7、凝集槽8、第
二沈殿槽9および脱塩装置10が洗浄装置を構成してい
る。また混練槽12および破砕機13がスラリー化装置
を構成している。
【0039】炭化炉3は、スクリューコンベア20を回
転させて被処理物を移送する移送路21を複数段備えた
多段スクリュー型の炭化炉である。また炭化炉3は下部
に炭化用バーナー22を備え、上部には排ガス路23が
接続している。移送路21の最上段の一端部には搬入機
2から搬入路24が接続し、ホッパー1内の被処理物が
系路25および搬入機2を介して搬入路24から供給さ
れるように構成されている。各段の移送路21は一端部
で連絡路26により接続されている。炭化用バーナー2
2には燃料タンク(図示は省略)から連絡する燃料供給
路27が接続し、炭化用バーナー22で発生させた熱風
を炭化炉3内部に送り、移送路21を加熱したのち排ガ
ス路23から排出し、移送路21中を移送される被処理
物を炭化させるように構成されている。
【0040】移送路21の最下部の一端部から冷却器4
に系路31が接続し、冷却器4から炭化物洗浄槽6に系
路32が接続している。冷却器4には冷却水路33が接
続している。炭化物洗浄槽6には冷却器4から連絡する
系路32、洗浄水貯槽5から連絡する洗浄水供給路34
が接続している。洗浄水貯槽5には洗浄水路35が接続
している。
【0041】炭化物洗浄槽6、第一沈殿槽7、凝集槽
8、第二沈殿槽9および脱塩装置10は系路36、3
7、38、39によりシリーズに接続され、炭化物洗浄
槽6で洗浄した炭化物を第一沈殿槽7で固液分離し、分
離液中に残留する炭化物は凝集槽8で凝集させて第二沈
殿槽9で固液分離し、第一および第二沈殿槽7、9で分
離した炭化物は系路41、42から混練槽12に送り、
第二沈殿槽9の分離液はイオン交換樹脂が充填された脱
塩装置10で脱塩処理するように構成されている。凝集
槽8には凝集剤を供給する凝集剤供給路43が接続し、
脱塩装置10から洗浄水貯槽5には脱塩処理水を再利用
するための返送液路44が連絡している。45および4
6は攪拌器、47は排水路である。
【0042】混練槽12には系路41、42が合流して
接続するとともに第一希釈水供給路51が接続し、内部
にはパドル形の回転翼52を備えている。混練槽12と
破砕機13とは循環路53で接続され、混練槽12内の
炭化物スラリーを破砕機13に送って炭化物を破砕する
とともに混練槽12に戻して循環させ、混練と破砕とを
繰り返すことにより炭化物を微粉砕するとともに均一な
スラリーを調製するように構成されている。循環路53
にはポンプ54が設けられている。
【0043】循環路53から炭化物スラリー供給路56
が分岐し、水熱反応器14の上部に設けられた供給装置
57に連絡している。炭化物スラリー供給路56には、
炭化物スラリーを水熱反応器14に供給する高圧ポンプ
58が設けられている。また炭化物スラリー供給路56
には、炭化物スラリーに希釈水、補助燃料および酸化剤
を混合するように、希釈水タンク(図示は省略)から連
絡する第二希釈水供給路61、補助燃料タンク(図示は
省略)から連絡する補助燃料供給路62、空気供給路6
3が合流して接続している。第二希釈水供給路61およ
び補助燃料供給路62には高圧ポンプ64、65が設け
られ、空気供給路63にはコンプレッサー66が設けら
れている。供給装置57は炭化物スラリー、希釈水、補
助燃料および空気(酸化剤)の混合物を水熱反応器14
に下向流として供給するように取付けられている。
【0044】水熱反応器14は中空の反応器の上部に逆
流を伴う混合反応域、下部に栓状流反応域が形成される
ようになっている。水熱反応器14には必要により加熱
装置が設けられる。水熱反応器14の下部から反応流体
取出路68が熱交換器15に連絡し、熱交換器15から
系路69が気液分離器16に連絡している。気液分離器
16から減圧弁70を有する気体排出路71および減圧
弁72を有する液体排出路73が系外に連絡している。
なお上記の装置においてポンプ、弁等が必要であるが、
省略して図示されている。
【0045】図1の装置で有機性被処理物を水熱反応に
より処理するには、ホッパー1中の被処理物、例えば汚
泥を搬入機2で搬送し、炭化炉3の移送路21の最上段
の一端部に供給する。炭化炉3では、燃料供給路27か
ら燃料を供給し、炭化用バーナー22で発生させた熱風
を炭化炉3内に送風する。炭化炉3内の温度は350〜
600℃になるように調整するのが好ましい。排ガスは
排ガス路23から排出する。この操作と同時に、スクリ
ューコンベア20を駆動し搬入機2から供給される被処
理物を水平方向に移送し、端部に達した被処理物は連絡
路26から下段の移送路21に移送した後水平方向に移
送する。この移送を繰り返して行っている間に熱風によ
り被処理物は加熱され炭化する。
【0046】炭化した炭化物は移送路21の最下部の一
端部から取り出し、系路31から冷却器4に送り、冷却
水路33から冷却水を通水して冷却する。炭化物は80
℃以下に冷却し、灰化を防止するのが好ましい。冷却し
た炭化物は系路32から炭化物洗浄槽6に送る。
【0047】炭化物洗浄槽6では、洗浄水貯槽5中の洗
浄水を洗浄水供給路34から供給し、攪拌機45で攪拌
し、炭化物から塩類などの水溶性物質を洗浄水中に溶出
する。炭化物洗浄槽6内の混合液は系路36から第一沈
殿槽7に送り、固液分離する。固液分離された固体は系
路41から混練槽12に送る。分離液は系路37から凝
集槽8に送り、凝集剤供給路43から凝集剤を添加し、
攪拌機46で緩やかに攪拌しながら凝集させる。凝集槽
8内の混合液は、系路38から第二沈殿槽9に送り、固
液分離する。固液分離された固体は系路42から混練槽
12に送る。分離液は系路39から脱塩装置10に送
り、イオン交換樹脂に吸着させて脱塩する。脱塩装置1
0からの流出水は返送液路44から洗浄水貯槽5に戻し
再利用することもできるし、排水路47から排出するこ
ともできる。
【0048】混練槽12では第一沈殿槽7および第二沈
殿槽9から移送される炭化物を導入するとともに、第一
希釈水供給路51から供給する希釈水を導入し、回転翼
52を回転させて混合、混練する。この混練物は循環路
53から取り出し、ポンプ54により破砕機13に送っ
て破砕した後、循環路53から混練槽12に戻し、第一
沈殿槽7および第二沈殿槽9から移送される炭化物およ
び希釈水と混合、混練する。このようにして混練と破砕
とを繰り返して行うことにより、炭化物が微粉砕されて
均一な炭化物スラリーが得られる。
【0049】炭化物スラリーの一部は炭化物スラリー供
給路56から取り出し、高圧ポンプ58により供給装置
57に送るとともに、第二希釈水供給路61、補助燃料
供給路62および空気供給路63からそれぞれ希釈水、
補助燃料および酸化剤としての空気を供給し、炭化物ス
ラリー供給路56中で混合する。希釈水は混合物を水熱
反応器14に供給することができ、かつ炭化物の含有量
が高くなるように、できるたけ添加量を少なくして、水
熱反応に必要な熱量ができるだけ多く生成するようにす
るのが好ましい。これにより、補助燃料の使用量を少な
くすることができ、場合によりゼロにすることもでき
る。
【0050】供給装置57では、炭化物スラリー、希釈
水、補助燃料および空気の混合物を水熱反応器14に下
向流で供給して水熱反応を行う。水熱反応器14では炭
化物スラリー供給路56、第二希釈水供給路61、補助
燃料供給路62および空気供給路63に設けられた予熱
器(図示は省略)や、水熱反応器14に設けられた加熱
装置(図示は省略)により加熱し、水熱反応を開始す
る。水熱反応の開始後は、これらの予熱器や加熱装置に
よる加熱は省略することができる。
【0051】水熱反応器14の反応流体は反応流体取出
路68から熱交換器15に導入して、冷却水路74から
供給する冷却水で冷却し、系路69から気液分離器16
に導入して気液分離する。分離した気体は減圧弁70で
減圧し、ガス排出路71から処理ガスとして排出する。
分離した液体は減圧弁72で減圧し、液体排出路73か
ら処理水として排出する。
【0052】図1の装置による水熱反応処理では、有機
性被処理物を炭化装置で炭化しているので、ほぼ均一な
炭化物スラリーを容易に得ることができ、このため水熱
反応器で安定して水熱反応を行うことができる。また破
砕しにくいプラスチックなどを処理する場合でも、炭化
しているので容易に破砕することが可能となる。また被
処理物が汚泥のように粘質物を含むものでも、炭化によ
り粘着性を著しく低減することができるので、予熱する
場合でも熱交換器伝熱面の汚れを低減できる。また炭化
により減容化できるので、水熱反応器14を小型化でき
る。さらに洗浄装置を設けて炭化物を洗浄しているの
で、炭化物中から塩類などを分離することができ、装置
の腐食や閉塞を防止して、安全に長時間連続運転するこ
とが可能になる。
【0053】図2は別の実施例の水熱反応装置の系統図
であり、被処理物を乾燥する乾燥装置および臭気を含む
排ガスを脱臭処理する脱臭装置を設け、また熱交換器1
5の設置位置を変更した以外は図1と同じ構成である。
【0054】すなわち図2の装置では、炭化炉3の前段
に乾燥キルン81が設けられ、ホッパー1中の被処理物
を乾燥キルン81に導入するとともに、乾燥キルン81
の外筒82に脱臭装置83から排出される脱臭排ガスを
導入して間接加熱し、乾燥キルン81の回転により造粒
しながら乾燥するように構成されている。また乾燥キル
ン81内の臭気ガスをファン84により臭気導入路85
から脱臭装置83に導入し、脱臭用バーナー86により
燃焼させることにより脱臭するように構成されている。
また脱臭装置83には炭化炉3から延びる排ガス路23
が接続し、炭化炉3から排出される排ガスが脱臭処理の
熱源として利用できるように廃熱の有効利用が図られて
いる。また図2では、炭化物スラリー供給路56に熱交
換器15を設け、水熱反応器14から取り出される反応
流体を熱源として利用し、炭化物スラリーを加熱するよ
うに構成されている。
【0055】図2の装置により処理するには、ホッパー
1内の被処理物、例えば含水率が70〜85重量%の脱
水汚泥を搬入機2から乾燥キルン81に導入するととも
に、脱臭装置83から排出される脱臭排ガスを脱臭排ガ
ス路87から外筒82に導入して乾燥する。例えば、含
水率が30〜70重量%の乾燥汚泥が得られるように乾
燥する。その時乾燥キルン81内の被処理物は脱臭排ガ
スで間接加熱され、乾燥キルン81の回転により造粒さ
れながら乾燥される。この乾燥した被処理物を系路88
から排出し、搬入機89により炭化炉3に導入して炭化
する。
【0056】脱臭装置83では乾燥キルン81内の臭気
ガスをファン84により臭気導入路85から導入し、燃
料供給路90から供給される燃料を脱臭用バーナー86
により燃焼させるとともに、炭化炉3から排出される排
ガスを排ガス路23から導入して熱源として利用し、臭
気を分解する。脱臭装置83内の温度は750〜900
℃に調整するのが好ましい。脱臭排ガスは乾燥キルン8
1の外筒82に導入し、前記のように被処理物の乾燥に
利用した後、乾燥排ガス路91から排出する。水熱反応
器14の反応流体は反応流体取出路68から熱交換器1
5に導入して炭化物スラリーを加熱する。他の操作は図
1と同じである。
【0057】図2の装置による水熱反応処理では、脱臭
装置83を設けているので、被処理物から発生する臭気
を、炭化炉3から発生する廃熱を利用して低コストで効
率よく分解することができる。また水熱反応器14から
発生する廃熱を予熱に使用する熱源として有効利用する
ことができる。
【0058】図1および図2では、第二希釈水供給路6
1からの希釈水の供給は省略することもできる。また補
助燃料供給路62からの補助燃料の供給は省略すること
もできる。図1および図2では移送路21は2段になっ
ているが3段以上でもよい。また炭化炉3として連続式
の多段スクリュー型の炭化炉を使用しているが、回分式
の炭化炉や、連続式でも内熱キルン型、外熱キルン型な
ど、他の炭化装置を使用することもできる。
【0059】また図1および図2では炭化物の洗浄装置
として攪拌混合する炭化物洗浄槽6を使用しているが、
スプレー洗浄装置や水蒸気洗浄装置などを使用すること
もできる。また洗浄後の炭化物は沈降分離による固液分
離装置で固液分離しているが、メッシュで回収する固液
分離装置などを使用することもできる。
【0060】また図1および図2では脱塩装置10とし
てイオン交換樹脂を充填した脱塩装置を使用している
が、イオン交換膜により分離する脱塩装置、蒸発蒸留装
置などを使用することもできる。
【0061】また図1および図2ではスラリー化装置と
して混練槽12および破砕機13を使用しているが、他
の装置でもよい。混練槽12は回転翼52を備えたパド
ル式の装置であるが、他の混合装置、混練装置でもよ
い。被処理物によっては、混練装置に固形物や繊維状物
がからみつく場合があるので、混練槽12は保守しやす
い構造のものが好ましい。また破砕機13としてはイン
ライン・カッターや破砕ポンプなどが採用できる。破砕
機13は複数設け、段階的に破砕することもできる。
【0062】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。
【0063】実施例1 図1の水熱反応装置により、し尿および浄化槽汚泥の混
合物を被処理物として処理した。すなわちし尿および浄
化槽汚泥の混合物を炭化炉3で炭化し、この炭化物を洗
浄して脱塩した後スラリー化し、この炭化物スラリーを
水熱反応器14で水熱反応により処理した。その結果、
水熱反応器14の腐食や塩による閉塞は認められず、水
熱反応も安定して行うことができた。
【0064】実施例2 図2の水熱反応装置により、し尿および浄化槽汚泥の混
合物を被処理物として処理した。すなわちし尿および浄
化槽汚泥の混合物を乾燥キルン81で乾燥したのち炭化
炉3で炭化し、臭気ガスを脱臭装置83で脱臭処理し
た。また水熱反応器14から出る廃熱を水熱反応処理前
の予熱に利用し、熱効率を高めて行った。この場合も水
熱反応器14の腐食や塩による閉塞は認められず、水熱
反応も安定して行うことができた。
【0065】試験例1 炭化物を洗浄することによる脱塩効果と、洗浄脱塩後の
炭化物の分解性を以下の方法で確認した。結果を表1〜
表3に示す。 1)試験対象物 鶏糞 2)炭化処理 上記鶏糞を乾燥キルン81で乾燥したのち炭化炉3で炭
化し、鶏糞炭化物を得るとともに、臭気ガスを脱臭装置
83で脱臭処理した。
【0066】3)洗浄 粉体状の鶏糞炭化物10gに対し、500mLの純水を
加えて10分間攪拌し、洗浄脱塩を行った。次に、鶏糞
炭化物に含まれる成分と、水洗浄した時の洗浄水に溶出
した成分から、溶出率を求めた。結果を表1に示す。
【0067】4)分解試験 SUS316チューブに、上記2)で洗浄脱塩した鶏糞
炭化物または洗浄しない鶏糞炭化物のスラリーと、酸化
剤とを入れ、両端を密栓した後、水の超臨界状態で水熱
反応により酸化分解した。水熱反応は溶融塩バス中で次
の条件で行った。結果を表2および表3に示す。 スラリーの炭化物含有量:10重量% 反応温度:450℃ 反応圧力:25MPa(250気圧) 反応時間:10分間 酸化剤:過酸化水素水
【0068】
【表1】
【0069】表1の結果から、炭化物を水洗浄すること
により、水熱反応器の腐食の原因となる塩素の含有量が
有意に減少することがわかる。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】表2の結果からわかるように、炭化した鶏
糞は、脱塩の有無にかかわらず、水熱反応により分解処
理できる。表3の結果からわかるように、洗浄により脱
塩を行わなかった鶏糞炭化物の水熱反応処理水中には水
熱反応器の材質であるクロムやニッケルが検出され、腐
食が起こっていると考えられる。一方、洗浄により脱塩
した鶏糞炭化物の水熱反応処理水中のクロムやニッケル
濃度は検出限界以下であり、腐食が起こっていないと考
えられる。この結果より、炭化物を洗浄することによ
り、水熱反応器の腐食を抑制することができることがわ
かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の水熱反応装置の系統図であ
る。
【図2】本発明の他の実施形態の水熱反応装置の系統図
である。
【図3】従来の水熱反応装置の系統図である。
【符号の説明】
1 ホッパー 2 搬入機 3 炭化炉 4 冷却器 5 洗浄水貯槽 6 炭化物洗浄槽 7 第一沈殿槽 8 凝集槽 9 第二沈殿槽 10 脱塩装置 12 混練槽 13 破砕機 14 水熱反応器 15 熱交換器 16 気液分離器 20 スクリューコンベア 21 移送路 22 炭化用バーナー 23 排ガス路 24 搬入路 25、31、32、36、37、38、39、41、4
2、69、88 系路 26 連絡路 27 燃料供給路 33、74 冷却水路 34 洗浄水供給路 35 洗浄水路 43 凝集剤供給路 44 返送液路 45、46 攪拌器 47 排水路 51 第一希釈水供給路 52 回転翼 53 循環路 54 ポンプ 56 炭化物スラリー供給路 57 供給装置 58、64、65 高圧ポンプ 61 第二希釈水供給路 62 補助燃料供給路 63 空気供給路 66 コンプレッサー 68 反応流体取出路 70、72 減圧弁 71 気体排出路 72 液体排出路 81 乾燥キルン 82 外筒 83 脱臭装置 84 ファン 85 臭気ガス導入路 86 脱臭用バーナー 87 脱臭排ガス路 89 搬入機 90 燃料供給路 91 乾燥排ガス路 96 被処理物供給路 97 水供給路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 304P (72)発明者 堀井 重希 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA04 AA07 AA46 CA04 CA13 CA15 CA26 CA32 CA39 CA40 CB13 CB27 CB36 CB44 CB45 CC03 CC20 4D059 AA01 AA03 AA07 AA08 BB05 BE31 BE54 BJ03 BK11 CA23 CA30 CB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性被処理物を水の超臨界または亜臨
    界状態による水熱反応で処理する水熱反応装置におい
    て、 有機性被処理物を加熱して炭化する炭化装置と、 炭化装置で炭化した炭化物を破砕し、水に分散させてス
    ラリー化するスラリー化装置と、 スラリー化装置でスラリー化した炭化物スラリーを水の
    超臨界または亜臨界状態で水熱反応を行う水熱反応器と
    を有する水熱反応装置。
  2. 【請求項2】 炭化装置で炭化した炭化物を洗浄水と接
    触させて洗浄する洗浄装置をさらに有する請求項1記載
    の水熱反応装置。
  3. 【請求項3】 有機性被処理物を水の超臨界または亜臨
    界状態による水熱反応で処理する水熱反応方法におい
    て、 有機性被処理物を加熱して炭化する炭化工程と、 炭化工程で炭化した炭化物を破砕し、水に分散させてス
    ラリー化するスラリー化工程と、 スラリー化工程でスラリー化した炭化物スラリーを水の
    超臨界または亜臨界状態で水熱反応を行う水熱反応工程
    とを有する水熱反応方法。
  4. 【請求項4】 炭化工程で炭化した炭化物を洗浄水と接
    触させて洗浄する洗浄工程をさらに有する請求項3記載
    の水熱反応方法。
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