JP4332345B2 - 水熱反応処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、廃棄物分解、エネルギー生成または化学物質製造を目的とする水熱酸化反応を、反応容器内の水の超臨界状態または亜臨界状態で行わせる水熱反応処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被処理物を処理して酸化分解や加水分解を行うことにより、廃棄物を分解したり、エネルギーを生成したり、または、化学物質を製造する水熱反応処理は、長年に亘って研究され、利用されてきている。
特に、近年、374℃以上、22.1MPa(220気圧)以上の超臨界状態で、または、例えば374℃以上、2.5MPa(25気圧)以上22.1MPa未満、あるいは374℃未満、22.1MPa以上、あるいは374℃未満、22.1MPa未満であっても臨界点に近い高温高圧状態である亜臨界状態で、被処理物と、酸化剤を含んだ水とを反応させることにより、燃焼を含む水熱酸化反応を生じさせ、被処理物中の有機物を短時間でほぼ完全に分解する水熱反応処理が注目されている。
【0003】
このように水熱反応処理して被処理物を酸化分解する場合、被処理物、酸化剤、水を加熱、加圧して反応容器内へ供給し、反応させる。
そして、水熱反応処理の結果、有機物は酸化分解され、水と二酸化炭素(CO2)とからなる高温高圧流体、乾燥またはスラリー状の灰分や塩類等の固体からなる反応生成物が得られる。
上述した塩は、被反応物が塩を含んでいる場合もあり、あるいは反応により生じるものであり、このような塩は温度によって溶解度に変化が生じるため耐圧反応容器の内側に付着したり、反応生成物である灰分とともに耐圧反応容器下部に堆積する場合がある。
【0004】
このように反応容器の内側に塩が堆積すると、塩が塊のまま自重で落下することにより、または、反応領域を狭めるため、スクレーパーで塩を掻き落としたりすることにより、反応容器内の下部に塩が溜まる。従って、反応容器内の下部にクエンチ水を導入し、気相の水が液相になる温度まで反応容器内の下部を冷却し、液相の水およびクエンチ水で塩を溶解させて反応容器から排出させている。
特開平11-253786号公報には、反応容器下部において塩を冷却溶解して排出することのできる耐圧反応装置が開示されており、水に溶解しやすい塩の場合には効果的な装置である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、塩の中には液相状態の水にも溶けにくい塩がある。例えば炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)などの炭酸塩や酸化物などは、その塩の塊の大きさによっては、反応容器から反応生成物などを排出させる排出管、減圧弁などの排出配管系統を詰まらせてしまうという不都合があった。
【0006】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、反応容器から反応生成物などを排出させる排出配管系統が詰まるのを防止することができ、塩を含む廃液を安定に処理することのできる水熱反応処理装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の水熱反応処理装置は、反応容器内の固体の粒径を小さくする固体粒径縮小機構を備えることを特徴とする。
また、本発明の水熱反応処理装置は、排出配管系統へ排出される固体の粒径を制限する固体粒径制限機構を備えることを特徴とする。
また、本発明の水熱反応処理装置は、反応容器21と、反応容器内の固体の粒径を小さくする固体粒径縮小機構と、を備えることを特徴とする。本発明の水熱反応処理装置は、上記固体粒径縮小機構の下流に設けられた、固体粒径制限機構を備えていてもよい。
上記水熱反応処理装置によれば、反応容器から排出される塩等の固体の粒径を小さくすることができ、更に排出配管系統へ排出される固体の粒径を制限することができるので、反応容器内で生成した塩等の反応生成物によって排出配管系統が詰まることを防止することができる。
【0008】
前記固体粒径縮小機構としては、固体の粒径を小さくすることのできるものであれば特に制限はなく、どのようなものであってもよい。例えば反応容器下部に液体を供給して固体を溶解する固体溶解手段、及び固体を破砕する手段が挙げられる。
【0009】
反応容器下部に液体を供給する手段とは、反応容器の下部に、反応容器内で生成した塩等の固体を溶解することのできる液体、例えば水を供給する供給孔を設け、この供給孔から水を供給する手段である。この水によって、塩などの固体が冷却溶解され、固体の粒径が小さくされる。
また、固体を破砕する手段とは、反応容器から排出される、反応容器内で生成した塩等(被処理物に、元から含まれる固体を含む。以下、本明細書において同様)の固体を物理的に破砕する手段をいい、例えば反応容器の下部にグラインダーやジョークラッシャー等の破砕手段を設け、このグラインダー等により、反応容器内で生成した塩を破砕することのできるものであれば、特に制限なく用いることができる。固体を破砕する手段は、反応容器の下部に設けることができるが、反応容器の下流に設けてもよい。
【0010】
前記固体粒径制限機構としては、排出配管系統へ排出される固体の粒径を制限することのできるものであれば特に制限はなく、どのようなものであってもよい。例えば前記反応容器に設けられた、所定の粒径よりも大きい固体を滞留させる滞留手段、及び前記反応容器に設けられた、略円形の断面形状を有する部材を偏心させながら回転させるものが挙げられる。
【0011】
本発明の水熱反応処理装置においては、反応容器よりも上流側に予熱器を備えていてもよく、この場合に、この予熱器の下流に固体粒径縮小機構が更に設けられていてもよい。このように、予熱器の下流に固体粒径縮小機構が更に設けられることにより、被処理物である廃液に固体が含まれる場合に、被処理物が反応容器内へ供給される前に固体を破砕することができ、反応容器内における固体(塩)の生成が抑制されるとともに、排出配管系統が詰まることを防止することができる。
【0012】
本発明の水熱反応処理装置においては、前記固体粒径縮小機構の下流に、不溶解粒子トラップ機構を備えていてもよい。前記固体粒径縮小機構及び前記固体粒径制限機構により、反応容器内で生成された塩等の粒径を小さくすることができ、排出配管系統が詰まるのを防止することができるが、排液中には固体粒径制限機構を通過できる小さい固体粒子が混入してしまう。従って、上記不溶解粒子トラップ機構が備えられることにより、排液中に固体粒子が混入することを防止することが可能となる。
【0013】
また、本発明の水熱反応処理装置は、供給される被処理物を水の超臨界状態または亜臨界状態で水熱酸化反応させて処理し、水が気相から液相になって存在する反応容器を備えた水熱反応処理装置において、前記反応容器内の水が液相で存在する部分に、排出配管系統を詰まらせる大きさの固体を滞留させる滞留手段を設けてもよい。
【0014】
上記水熱反応処理装置によれば、反応容器内の水が液相で存在する部分に、排出配管系統を詰まらせる大きさの固体を滞留させる滞留手段が設けられているので、排出配管系統を詰まらせる大きさの固体が排出配管系統へ排出されず、排出配管系統が詰まることを防止することができる。
上記滞留手段は、1mm以上の大きさの固体を滞留させるものであることが好ましい。
【0015】
本発明の水熱反応処理方法は、水熱反応容器内で被処理物を水の超臨界状態または亜臨界状態で水熱酸化反応させる水熱反応処理方法であって、上記水熱反応容器内で生成した固体の粒径を小さくする工程と、排出配管系統へ排出される固体の粒径を制限する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の水熱反応処理方法は、固体の粒径を小さくする工程を含んでいてもよく、また固体の粒径を制限する工程を含んでいてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水熱反応処理装置について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の水熱反応処理装置の第1の実施の形態にかかる水熱反応処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す水熱反応処理装置は、反応容器21と、この反応容器21に被処理物、補助燃料、水、酸化剤(空気)を供給する供給系統と、反応容器21から出る反応生成物を冷却し、気液分離する冷却気液分離系統とから主に構成されている。
【0017】
水熱反応容器21の入り口には、被処理物である排液(廃棄物)、補助燃料、水及び空気等の供給管2bが接続している。被処理物貯留槽1に貯留された廃液は高圧送液ポンプ3によって例えば2.5MPa(25気圧)以上の圧力に加圧され、排液供給管2a、供給管2bを通って反応容器21へ供給される。補助燃料貯留槽4に貯留された補助燃料は、高圧送液ポンプ6によって例えば2.5MPa(25気圧)以上の圧力に加圧され、補助燃料供給管5、供給管2bを通って反応容器21へ供給される。
【0018】
水槽7に貯留された水は、高圧送液ポンプ9によって例えば2.5MPa(25気圧)以上の圧力に加圧され、水供給管8、供給管2bを通って反応容器21へ供給される。
高圧送液ポンプ3、6、9は、往復動ポンプ等の高圧昇圧可能でかつ容量制御性のあるポンプであって、廃液、補助燃料、水の反応容器21への供給量を調節できるようになっている。
供給管2bには、エアーコンプレッサー10を備えた空気供給管11が接続している。酸化剤である空気はエアーコンプレッサー10に取り込まれて圧縮され、例えば2.5MPa(25気圧)以上の高圧で空気供給管11から供給管2bを通って反応容器21に供給される。また、空気供給管11から供給される空気は、予備加熱器12によって所定の温度に予備加熱することができる。
【0019】
図1に示す水熱反応処理装置においては、クエンチ水貯留槽13内に貯留されたクエンチ水は、高圧送液ポンプ15によって例えば2.5MPa(25気圧)以上の圧力に加圧され、クエンチ水供給管14を通って反応容器21へ供給される。この点については後述する。なお、高圧送液ポンプ15は、往復動ポンプ等の高圧昇圧可能でかつ容量制御性のあるポンプであって、クエンチ水の反応容器21への供給量を調節できるようになっている。
【0020】
反応容器21の排出口には、冷却器52を備えた排出管51が接続されている。排出管51の先は気液分離器53に接続されている。反応容器21の排出口から排出された反応生成物等は、排出管51を通り冷却器52でほぼ常温に冷却された後、気液分離器53で気体(排ガス)と固体を含む液体(排液)とに分離される。
【0021】
気液分離器53の上端には、減圧弁55を備えた排ガス管54が接続されており、気液分離器53から供給される排ガスは、減圧弁55で大気圧近くの圧力にまで減圧されて排気される。気液分離器53の底部には、減圧弁57を備えた廃液管56が接続されている。気液分離された廃液は、減圧弁57で大気圧近くの圧力にまで減圧されて処理液タンク(図示せず)に送られる。
【0022】
反応容器21について、図2を参照しつつ詳細に説明する。図2は、図1に示す水熱反応処理装置の備える反応容器21の概略構成を示す断面図である。
図2に示すように、反応容器21は、内部に円柱状をした反応用の空間部が形成されており、下端部分が漏斗状に中心へ向けて狭まっている円筒部22と、この円筒部22の内面に、反応容器を腐食から保護する目的で配設されたライナー23と、複数のブロックを積層して構成され、円筒部22が載置される基台24とで構成されている。
そして、円筒部22の天井には、中心部分に、供給管2bに接続され、円筒部22内の上側の混合ゾーン26Uへ廃液などを供給するノズル29が円筒部22の軸方向へ向けて配設されている。
【0023】
さらに、円筒部22の下側部分には、クエンチ水供給管14を介して供給されるクエンチ水を円筒部22内の冷却ゾーン26Dへ供給するためのクエンチ水供給孔22aが設けられている。なお、混合ゾーン26Uと冷却ゾーン26Dとの間は栓状平行流ゾーン26Mである。
また、基台24には、円筒部22内の下側から反応生成物などを排出管51へ排出する排出口(孔)24aが上側部分に設けられ、後述する駆動機構のチェーン47が挿入される開口24bが下側部分に設けられている。また、網31が回転軸42を貫通するように設けられており、回転軸42の上部にはスクレーパー41が取り付けられており、このスクレーパー41は、ライナー23の内側に付着した塩などの固体を掻き取るように、ライナー23の内側に下側から上側に沿う形状に形成されたスクレーパー本体43を備えている。
【0024】
上記したスクレーパー本体43は、回転軸42の周囲に所定間隔、例えば60度間隔で6本取り付けられている棒状のものであってもよく、円筒状で円筒面の複数個所に開口を設けて刃を形成したものであってもよい。
【0025】
上記した駆動機構は、反応容器21の外に配置されたモータと、このモータと回転軸42の歯車とに張架され、開口24bに配設されたチェーン47とで構成されており、この駆動機構によりスクレーパー41が回転するようになっている。そして、スクレーパー41が回転すると、スクレーパー41に接続されているスクレーパー本体43が反応容器21(ライナー23)の内側(反応室側)で回転し、反応容器21の内側に付着した塩などの固体が掻き落とされる。なお、駆動機構はオーバートルク時に作動する安全機構を備えている。
【0026】
また、反応容器21の冷却ゾーン26Dには網31が設けられており、網目以上の大きさの固体が通過できないようになっている。なお、網目サイズは排出管に固体が詰まることを防止することができる十分小さなものであり、例えば1〜3mm程度のものが好ましい。
【0027】
次に、水熱反応処理の一例について説明する。
まず、高圧送液ポンプ6、高圧送液ポンプ9、エアーコンプレッサー10及び予備加熱器12を作動させ、補助燃料などを反応容器21内の混合ゾーン26Uへノズル29から供給して水熱酸化反応を起こさせ、反応容器21の内部を所定の温度に上昇させる。
反応容器21内を所定の温度に上昇させた後、高圧送液ポンプ3を作動させ、被処理物貯留槽1内の廃液を反応容器21内の混合ゾーン26Uへノズル29から供給し、水熱酸化反応させて処理するとともに、高圧送液ポンプ15を作動させ、クエンチ水貯留槽13内のクエンチ水を、反応容器21のクエンチ水供給孔22aへ供給する。ここで空気予熱を止めてもよい。
【0028】
このようにして廃液を反応容器21内で水熱酸化反応させたとき、廃液が、例えば有機性廃液であると、有機性廃液は水熱酸化反応により、水、二酸化炭素(CO2)の高温高圧流体、乾燥またはスラリー状の灰分や塩類等の固体からなる反応生成物が得られる。
そして、この運転(水熱酸化反応の処理)を継続すると、稼動時間の経過に伴って反応容器21の内側への塩などの付着量が多くなって反応領域が狭くなってしまう。従って、稼動とともに駆動機構によりスクレーパー41を回転させ、回転するスクレーパー本体43で反応容器21(ライナー23)の内側に付着した塩などの固体が掻き落とされ、網31の上に塩などが堆積する。
【0029】
反応容器21内の冷却ゾーン26Dにおいては、クエンチ水供給孔22aからクエンチ水が供給され、このクエンチ水により塩などの固体が溶解又は破壊され、塩などの固体の粒径が小さくされる。そして、塩などの固体は網31の上に堆積し、排出配管系統(排出管51、気液分離器53、排液管56、減圧弁57)を詰まらせる大きさの固体は網31の上に滞留するので、固体により排出配管系統が詰まることを防止し得る。なお、クエンチ水に溶解助剤として酸やアルカリ等を加えてもよい。これにより、溶解がより促進される。
【0030】
網31の上に滞留した塩の塊は、クエンチ水に、冷却ゾーン26Dの高温で溶解を促進されて溶け、排出配管系統を詰まらせることのない1〜3mm未満の大きさになると、網31の目から落下し、クエンチ水などによって気液分離器53へ排出される。
【0031】
上述したように、本発明の第1の実施の形態にかかる水熱反応処理装置によれば、反応容器21内の水が液相で存在する部分、すなわち冷却ゾーン26Dに、固体の粒径を小さくする固体粒径縮小機構であるクエンチ水供給孔と、排出配管系統へ排出される上記固体の粒径を制限する固体粒径制限機構である網とを設けてあるので、反応生成物などによって排出配管系統が詰まるのを防止することができる。
【0032】
上記した第1の実施の形態にかかる水熱反応処理装置においては、スクレーパー41が設けられた例を示したが、スクレーパー41を設けず、自然崩落によって堆積物を網31の上に落下させる構成であってもよい。
【0033】
また、滞留手段の一例として網31を示したが、パンチングメタルなどのように、網31と同様に機能する他のものであってもよいことは言うまでもない。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る水熱反応処理装置について図面を参照しつつ説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る水熱反応処理装置の概略構成を示すブロック図である。図3に示す水熱反応処理装置は、基本的な構成は図1に示す水熱反応処理とほぼ同様である。図3に示す構成部品のうち、図1と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
図3に示す水熱反応処理装置においては、図1に示す水熱反応処理装置とは反応容器121の構成が異なっている。また、図3に示す水熱反応処理装置においては、気液分離器53と減圧弁57との間に不溶解粒子トラップ機構であるフィルター60が設けられている。フィルター60の粗さは減圧弁57の性能によって異なるが、10μm〜1000μm程度のものでよい。また、排液中に含まれる固体粒子の量が多い場合には、フィルター60をパラレルに複数設けてもよい。フィルター60をパラレルに複数設けることにより、他のフィルターで固体粒子をトラップしながら、他のフィルターを洗浄することが可能である。このように、トラップ中のフィルターと洗浄中のフィルターとを切り替えて使用することが好ましい。また、不溶解粒子トラップ手段としては、フィルター以外に、例えばサイクロン等の固液分離手段を用いてもよい。図3に示す水熱反応処理装置においては、フィルター60が設けられているので、排液中に固体粒子が混入することを防止することができる。
【0036】
次に、図3に示す水熱反応処理装置の備える反応容器121について、図4を参照しつつ詳細に説明する。図4は、図3に示す水熱反応処理装置の備える反応容器121の概略構成を示す断面図である。なお、図3に示す水熱反応処理装置の備える反応容器121は、図1に示す水熱反応処理装置の備える反応容器21とは、混合ゾーンについては同一であるので、図4においては、栓状平行流ゾーン26M及び冷却ゾーン26Dのみ示した(図4においては符号は省略)。
【0037】
図4に示すように、反応容器121は、内部に円柱状をした反応用の空間部が形成されており、下端部分は漏斗状に中心へ向けて狭まっている。漏斗状に中心へ向けて狭まって形成された下端部分には、固体粒子縮小機構である、グラインダー158が設けられている。グラインダー158は、上部に向かって径が小さくなるように形成され、その周囲にはらせん状に破砕羽根161が設けられている。また、グラインダーの下部159の周囲は、グラインダーが回転した場合に、回転中心から偏心しながら回転するようになっている。すなわち、グラインダーが回転した場合に、グラインダーの下部159と反応容器の円筒部160との距離が変化するようになっている。図4においては、グラインダーの下部159と円筒部160との距離は、図面右側が左側より広くなっているが、グラインダーが1/2周回転した時には、左側が右側より広くなるように、グラインダー158とグラインダーの下部159とが回転する。
【0038】
図5は、図4の反応容器121のA−A断面図である。図5に示すように、グラインダーの下部159は回転する際に、回転中心Oから偏心しながら回転する。そして、グラインダーの下部159と円筒部160との間の距離は、グラインダーの回転とともに変化する。図5においては、右側が広く、左側が狭くなっている。図5において、グラインダーの下部159と円筒部160との間の距離の大きい時に落下した固体155は、グラインダーが1/2周した時には距離が狭くなり、固体155はグラインダーの下部159と円筒部160とに挟まれて破壊されて、その粒径が小さくなる。
【0039】
グラインダーの下部159と円筒部160との間の距離は、最も離れた場合でも排出管51の直径よりも小さくなるようになされており、このため排出配管を詰まらせる可能性のある固体粒子は排出管51に排出されない。また、グラインダーの下部159と円筒部160との距離が最も離れている時に落下した固体は、グラインダーが回転し、グラインダー159と円筒部160との距離が狭くなるにつれ破砕され、その粒径は小さくなり、排出孔165から排出管51へ排出されるため、すき間が目詰まりすることもない。固体粒子が溶解性である場合は、排出孔165の下流に網等の制限機構を設けることで、さらに粒径を小さくすることもできる。
【0040】
反応容器121の栓状平行流ゾーンには、クエンチ水供給孔151が設けられている。また、基台167には、円筒部160内の下側から反応生成物などを排出管51へ排出する排出孔165が上側部分に設けられており、後述する駆動機構のチェーン169が挿入される開口171が下側部分に設けられており、回転軸163の上部にはスクレーパー157が取り付けられており、このスクレーパー157は、ライナー(図示せず)の内側(反応室側)に付着した塩などの固体を掻き取るように、ライナーの内側に下側から上側に沿う形状に形成されたスクレーパー本体153を備えている。このスクレーパー本体の形状については、図2において説明したものと同様である。
【0041】
駆動機構は、反応容器121の外に配置されたモータと、このモータと回転軸163との間に張架され、開口171に配設されたチェーン169とで構成されており、この駆動機構によりスクレーパー157が回転するようになっている。そして、スクレーパー157が回転すると、スクレーパー157に接続されているスクレーパー本体153が反応容器121の内側で回転し、反応容器121の内側に付着した塩などの固体が掻き落とされる。
【0042】
なお、駆動機構にはトルク検出機構が備えられており、トルクが警報規定値より高くなった場合に、オペレーターに警報を出力し、また一時停止規定値に達した場合には自動的に駆動機構を一時停止させ、規定時間、駆動機構を逆転運動させ、その後再度通常通りの回転に戻す。トルクの警報規定値、一時停止規定値は、グラインダー158の設計的強度から決定することができるが、設計程度の20〜80%程度の間に設計することが好ましい。また、トルクを検出する手段としては、駆動機構の消費電力からトルクを計算する方法や、軸トルクを直接計測する方法がある。
【0043】
次に、図3及び図4を参照しつつ、水熱反応処理の一例について説明する。
第1の実施の形態に係る水熱反応処理装置において説明したと同様に、先ず高圧送液ポンプ6、高圧送液ポンプ9、エアーコンプレッサー10及び加熱器12を作動させ、補助燃料などを反応容器121へ供給して水熱酸化反応を起こさせ、反応容器121の内部を所定の温度に上昇させる。
反応容器121内を所定の温度に上昇させた後、高圧送液ポンプ3を作動させ、被処理物貯留槽1内の廃液を反応容器121内へ供給し、水熱酸化反応させて処理する。ここで空気予熱を止めてもよい。
【0044】
上述のようにして廃液を反応容器121内での水熱酸化反応を継続すると、稼動時間の経過に伴って反応容器121の内側への塩などの付着量が多くなって反応領域が狭くなってしまう。従って、稼動とともに駆動機構を作動させてスクレーパー157を回転させ、回転するスクレーパー本体153により反応容器121の内側に付着した塩などの固体155が掻き落とされる。そして、回転するグラインダー158の周囲に設けられた破砕羽根161と反応容器121の円筒部160の間に落下した固体155は、破砕羽根161と円筒部160との間に挟まれて破壊され、その粒径が小さくされる。
【0045】
また、栓状平衡流ゾーンに設けられたクエンチ水供給孔151からクエンチ水が供給され、固体155は、このクエンチ水によって溶解が促進され、粒径が小さくされる。粒径が小さくされた固体155は、更に反応容器121の下部に落下していき、グラインダーの下部159と円筒部160との間に落下する。グラインダーの下部159と円筒部160との間に入れない固体155は、それ以上下に落下することができず、排出孔165を通過できず、排出管51に排出されず、配管系統が詰まることを防止し得る。
【0046】
なお、上述したように、グラインダーの下部159の周囲は、グラインダーが回転した場合に、回転中心から偏心しながら回転するようになっており、グラインダーが回転した場合に、グラインダーの下部159と反応容器121の円筒部160との間の距離が変化する。このように形成されているので、グラインダーの下部159と円筒部160との距離が大きい時に落下した固体155は、グラインダーが回転しグラインダーの下部159と円筒部160との距離が小さくなった際に破壊され、粒径が小さくなる。すなわち、グラインダーの破砕羽根161と円筒部160との間に挟まれて粒径が小さくなった固体は、グラインダーの下部159と円筒部160との間で再び破砕されて粒径が更に小さくなるという効果がある。
【0047】
排出孔165から排出された反応生成物及び固体は、排出管51を通り冷却器52でほぼ常温に冷却された後、気液分離器53で気体(排ガス)と固体を含む液体(排液)とに分離される。気液分離器53と減圧弁57との間にはフィルター60が設けられており、不溶解粒子がこのフィルターにトラップされる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る水熱反応処理装置について図面を参照しつつ説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る水熱反応処理装置の概略構成を示すブロック図である。図6に示す水熱反応処理装置は、基本的な構成は図1に示す水熱反応処理装置とほぼ同様である。図6に示す構成部品のうち、図1と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
図6に示す水熱反応処理装置においては、高圧送液ポンプ3と反応容器221との間に予熱器70が、また反応容器221と冷却器52との間に固体の粒径を小さくする固体粒径縮小機構である固体破砕機構82が設けられている。また、反応容器221と固体破砕機構82との間の配管72には冷却器80が設けられている。
【0050】
予熱器70は、廃液が反応容器221に供給される前に、廃液を予め所定の温度に加熱する機能を有している。そして、予熱器の下部には固体の粒径を小さくする固体粒径縮小機構である固体破砕機構が設けられている。このように固体破砕機構が設けられることにより、被処理物である廃液に固体が含まれている場合や予熱中に塩等の固形物が生成した場合に、その廃液が反応容器221に供給される前に固体を破砕することができ、反応容器221内における固体(塩)の生成が抑制される。また、配管2bが詰まることを防止し得る。
【0051】
また、図6に示す水熱反応処理装置においては、第2の実施の形態に係る水熱反応処理装置に示すものと同様に、フィルター60が設けられている。このフィルターについては、第2の実施の形態において説明したものと同様ものが用いられる。
【0052】
図6に示す水熱反応処理装置の備える予熱器について、図7を参照しつつ説明する。図7は、図6に示す水熱反応処理装置の備える予熱器70の概略構成を示す断面図である。
図7に示すように、予熱器70は、内部に円柱状をした予熱用の空間部が形成されており、この空間部を囲むように電気ヒータ270が取り付けられている。電気ヒータ270は、温度制御可能になされており、上記空間部を所望の温度に加熱することが可能である。
【0053】
そして、下端部は漏斗状に中心へ向けて狭まっている。漏斗状に中心へ向けて狭まって形成された下端部分には、固体粒子縮小機構である、グラインダー258が設けられている。グラインダー258は、上部に向かって径が小さくなるように形成され、その周囲にはらせん状に破砕羽根261が設けられている。また、グラインダーの下部259の周囲は、グラインダーが回転した場合に、回転中心から偏心しながら回転するようになっている。すなわち、グラインダーが回転した場合に、グラインダーの下部259の周囲と予熱器の円筒部260との距離が変化するようになっている。図7においては、グラインダーの下部259と円筒部260との距離は、図面右側が左側より広くなっているが、グラインダーが1/2周回転した時には、左側が右側より広くなるようになっている。
【0054】
図7の予熱器の断面図については図示しないが、基本的には図5に示す反応容器121の断面図と同様である。
グラインダーの下部259と円筒部260との間の距離は、配管2bの直径よりも小さくなされているので、配管2bを詰まらせる大きさの固体粒子は配管2bに供給されない。グラインダーの下部259と円筒部260との距離が最も離れている時に落下した固体は、グラインダーが回転し、グラインダーの下部259と円筒部260との距離が狭くなるにつれ破砕され、その粒径は小さくなり、排出孔265から配管2bへ排出される。
【0055】
基台267には、円筒部260内の下側から廃液(固体を含む)を配管2bへ排出する排出孔265が上側部分に設けられており、駆動機構のチェーン269が挿入される開口271が下側部分に設けられており、回転軸263の上部にはスクレーパー257が取り付けられており、このスクレーパー257は、予熱器の内側に付着した固体を掻き取るように、予熱器の内側に下側から上側に沿う形状に形成されたスクレーパー本体253を備えている。このスクレーパー本体の形状については、図2において説明したものと同様である。
【0056】
駆動機構は、予熱器70の外に配置されたモータと、このモータと回転軸263との間に張架され、開口271に配設されたチェーン269とで構成されており、この駆動機構によりスクレーパー257が回転するようになっている。そして、スクレーパー257が回転すると、スクレーパー257に接続されているスクレーパー本体253が予熱器70の内側で回転し、予熱器の内側に付着した固体が掻き落とされる。
【0057】
次に、図6に示す水熱反応処理装置の備える固体破砕機構82について、図8を参照しつつ説明する。図8は、図6に示す水熱反応処理装置の備える固体破砕機構82の概略構成を示す断面図である。
図8に示すように、固体破砕機構82は、内部に円柱状をした排液導入部が形成されており、この空間部を囲むように冷却器370が取り付けられている。超臨界状態又は亜臨界状態においては、水熱反応中に形成される塩は塊となっているが、冷却することにより溶解するので、冷却器370によって、反応容器221から排出された排液中に塩が含まれる場合、その塩の溶解を促進し、その粒径を小さくすることができる。
【0058】
そして、下端部は漏斗状に中心へ向けて狭まっている。漏斗状に中心へ向けて狭まって形成された下端部分には、固体粒子縮小機構である、グラインダー358が設けられている。グラインダー358は、上部に向かって径が小さくなるように形成され、その周囲にはらせん状に破砕羽根361が設けられている。また、グラインダーの下部359の周囲は、グラインダーが回転した場合に、回転中心から偏心しながら回転するようになっている。すなわち、グラインダーが回転した場合に、グラインダーの下部359と予熱器の円筒部360との距離が変化するようになっている。図8においては、グラインダーの下部359と円筒部360との距離は、図面右側が左側より広くなっているが、グラインダーが1/2周回転した時には、左側が右側より広くなるようになっている。
【0059】
グラインダーの下部359と円筒部360との間の距離は、排出管51の直径よりも小さくなされているので、排出管51を詰まらせる大きさの固体粒子は排出管51に供給されない。グラインダーの下部359と円筒部360との距離が最も離れている時に落下した固体は、グラインダーが回転し、グラインダーの下部359と円筒部360との距離が狭くなるにつれ破砕され、その粒径は小さくなり、排出孔365から排出管51へ排出される。
【0060】
基台367には、円筒部360内の下側から廃液(固体を含む)を配管2bへ排出する排出孔365が上側部分に設けられており、駆動機構のチェーン369が挿入される開口371が下側部分に設けられている。
【0061】
駆動機構は、固体破砕機構82の外に配置されたモータと、このモータと回転軸363との間に張架され、開口371に配設されたチェーン369とで構成されており、グラインダー359が回転するようになっている。そして、グラインダー359が回転すると、グラインダー359の破砕羽根361と円筒部360の間に落下した塩等の固体がグラインダー359の破砕羽根361と円筒部360との間で挟まれて破壊され、粒径が小さくされる。
【0062】
なお、反応容器221については、基本的な構成は図2に示すものと同様である。すなわち、反応容器221はスクレーパーを備えており、水熱反応処理の継続により、反応容器221の内側へ付着した塩などをスクレーパーを回転させて、付着した塩などを掻き落とすことができるようになっている。
【0063】
次に、図6、図7及び図8を参照しつつ、水熱反応処理の一例について説明する。第1の実施の形態に係る水熱反応処理装置において説明したと同様に、先ず高圧送液ポンプ6、高圧送液ポンプ9、エアーコンプレッサー10及び加熱器12を作動させ、補助燃料などを反応容器221へ供給して水熱酸化反応を起こさせ、反応容器221の内部を所定の温度に上昇させる。
【0064】
反応容器221内を所定の温度に上昇させた後、高圧送液ポンプ3及び予熱器70を作動させ、被処理物貯留槽1内の排液を予熱器70にノズル262から供給し、予熱器70内で予熱しながら反応容器221内へ供給し、水熱酸化反応させて処理する。ここで空気予熱を止めてもよい。
被処理物である廃液中に塩などの固体が含まれる場合、稼働時間の経過に伴って予熱器70の内側への固体の付着量が多くなってしまう。また、予熱器は加熱ヒータ270により加熱されるので、塩等の溶解度が減少し、塩などの固体の付着量は増加する。従って、稼動とともに駆動機構を作動させてスクレーパー257を回転させ、回転するスクレーパー本体253により予熱器70の内側に付着した塩などの固体255が掻き落とされる。そして、回転するグラインダー258の周囲に設けられた破砕羽根261と予熱器の円筒部260との間に落下した固体255は、破砕羽根261と円筒部260との間に挟まれて破壊され、その粒径が小さくされる。
【0065】
粒径が小さくなった固体255は、更に予熱器の下部に落下していき、グラインダーの下部259と円筒部260との間に落下する。グラインダーの下部259と円筒部260との間に入れない固体255は、それ以上下に落下することができず、排出孔265を通過できず、配管2bに排出されず、配管2bが詰まることを防止し得る。
【0066】
なお、上述したように、グラインダーの下部259の周囲は、グラインダーが回転した場合に、回転中心から偏心しながら回転するようになっており、グラインダーが回転した場合に、グラインダーの下部259と予熱器の円筒部260との間の距離が変化する。このように形成されているので、グラインダーの下部259と円筒部260との距離が大きい時に落下した固体255は、グラインダーが回転しグラインダーの下部259と円筒部260との距離が小さくなった際に破壊され、粒径が小さくなる。すなわち、グラインダーの破砕羽根261と円筒部260との間に挟まれて粒径が小さくなった固体は、グラインダーの下部259と円筒部260との間で再び破砕されて粒径が更に小さくなるという効果がある。
【0067】
排出孔265から排出された廃液(固体を含む)は、配管2bを通り反応容器221に供給され、水熱酸化反応処理が行われる。
【0068】
上述のようにして廃液を反応容器221内での水熱酸化反応を継続すると、稼動時間の経過に伴って反応容器221の内側への塩などの付着量が多くなって反応領域が狭くなってしまうので、稼動とともにスクレーパーを回転させて反応容器221の内側に付着した塩などの固体を掻き落とす。なお、反応容器221については図示しなかったが、基本的な構造は図2、図5に示すものと同じである。
【0069】
反応容器221内で水熱反応処理されて廃液(塩などの固体を含む)は、配管72を通ってノズル362から固体破砕機構82に供給される。配管72には冷却器80が備えられており、配管72を通過する廃液に塩が含まれる場合、冷却によって塩の溶解度が増大し、塩の粒径は小さくされる。冷却器80による冷却によっても全ての塩が溶解されず、溶解されなかった塩は、廃液とともに固体破砕機構82に導入される。
【0070】
固体破砕機構82に導入された固体355は、グラインダー359の周囲に設けられた破砕羽根361と固体破砕機構82の円筒部360との間に落下し、破砕羽根361と円筒部360との間に挟まれて破壊され、その粒径が小さくされる。
【0071】
粒径が小さくなった固体355は、更に固体破砕機構82の下部に落下していき、グラインダーの下部359と円筒部260との間に落下する。グラインダーの下部359と円筒部360の間に入れない固体355は、それ以上下に落下することができず、排出孔365を通過できず、排出管51に排出されず、排出管51が詰まることを防止し得る。
【0072】
なお、上述したように、グラインダーの下部359の周囲は、グラインダーが回転した場合に、回転中心から偏心しながら回転するようになっており、グラインダーが回転した場合に、グラインダーの下部359と固体破砕機構82の円筒部360との間の距離が変化する。このように形成されているので、グラインダーの下部359と円筒部360との距離が大きい時に落下した固体355は、グラインダーが回転しグラインダーの下部359と円筒部360との距離が小さくなった際に破壊され、粒径が小さくなる。すなわち、グラインダーの破砕羽根361と円筒部360との間に挟まれて粒径が小さくなった固体は、グラインダーの下部359と円筒部360との間で再び破砕されて粒径が更に小さくなるという効果がある。
【0073】
排出孔365から排出された反応生成物及び固体は、排出管51を通り冷却器52でほぼ常温に冷却された後、気液分離器53で気体(排ガス)と固体を含む液体(廃液)とに分離される。気液分離器53と減圧弁57との間にはフィルター60が設けられており、不溶解粒子がこのフィルターにトラップされる。
【0074】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
図に示す水熱反応処理装置を用いて、溶解度の小さい塩の代表格である、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを生成する廃液(炭酸ナトリウム約2質量%、炭酸カルシウム約0.5質量%及び炭酸マグネシウム約0.5質量%を生成する廃液)を水熱反応処理した。
処理運転中には、反応容器121及びその下流の配管部分において閉塞等の兆候は全く観察されなかった。また、不溶解粒子トラップに捕捉された塩粒子は最大ギャップ3mmに対して、平均2mmであり、最大3mm(短辺長)であり、排出配管に排出される固体粒子の粒径が制限されたことがわかる。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の水熱反応処理装置によれば、反応容器から反応生成物などを排出させる排出配管系統が詰まるのを防止することができ、塩を含有する廃液の安定処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水熱反応処理装置の第1の実施の形態にかかる水熱反応処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す水熱反応処理装置の備える反応容器の概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る水熱反応処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す水熱反応処理装置の備える反応容器の概略構成を示す断面図である。
【図5】図4の反応容器121のA−A断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る水熱反応処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す水熱反応処理装置の備える予熱器の概略構成を示す断面図である。
【図8】図6に示す水熱反応処理装置の備える固体破砕機構の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 被処理物貯留槽 2 供給管
2a 排液供給管 2b 供給管
3 高圧送液ポンプ 4 補助燃料貯留槽
6 高圧送液ポンプ 7 水槽
8 水供給管 9 高圧送液ポンプ
10 エアーコンプレッサー 11 空気供給管
12 予備加熱器 13 クエンチ水貯留槽
14 クエンチ水供給管 21 反応容器
15 高圧送液ポンプ 22 円筒部
22a クエンチ水供給孔 23 ライナー
24 基台 24a 排出口(孔)
24b 開口 26U 混合ゾーン
26D 冷却ゾーン 26M 栓状平行流ゾーン
29 ノズル 31 網
41 スクレーパー 42 回転軸
43 スクレーパー本体 46 駆動機構
47 チェーン 51 排出管
52 冷却器 53 気液分離器
54 排ガス管 55 減圧弁
57 減圧弁 56 廃液管
56 排液管 60 フィルター
70 予熱器 72 配管
80 冷却器 82 固体破砕機構
121 反応容器 151 クエンチ水供給孔
153 スクレーパー本体 155 固体
157 スクレーパー 158 グラインダー
159 グラインダーの下部 160 円筒部
161 破砕羽根 163 回転軸
165 排出孔 167 基台
169 チェーン 171 開口
221 反応容器 270 電気ヒータ
258 グラインダー 259 グラインダーの下部
260 円筒部 261 破砕羽根
262 ノズル 263 回転軸
265 排出孔 267 基台
269 チェーン 271 開口
257 スクレーパー 253 スクレーパー本体
358 グラインダー 359 グラインダーの下部
360 円筒部 361 破砕羽根
362 ノズル 367 基台
365 排出孔 369 チェーン
370 冷却器 371 開口

Claims (7)

  1. 水熱反応容器内で被処理物を水の超臨界状態または亜臨界状態で水熱酸化反応させる水熱反応処理装置において
    水熱酸化反応により固体を生成する反応容器21と、
    前記反応容器内に設けられ、回転中心から偏心しながら回転することにより固体を破砕し、固体の粒径を小さくする固体粒径縮小機構158と
    前記反応容器内に設けられ、回転中心から偏心しながら回転することにより所定の粒径よりも大きい固体を滞留させる滞留手段、及び前記反応容器に設けられ、所定の粒径よりも大きい固体の排出を制限する固体粒径制限機構159と
    を備えることを特徴とする水熱反応処理装置。
  2. 水熱反応容器内で被処理物を水の超臨界状態または亜臨界状態で水熱酸化反応させる水熱反応処理装置において
    水熱酸化反応により固体を生成する反応容器21と、
    前記反応容器内に所定の粒径よりも大きい固体の落下を制限するための固体粒径制限機構の網31と
    を備えることを特徴とする水熱反応処理装置。
  3. 前記固体粒径縮小機構の固体溶解手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の水熱反応装置
  4. 複数の切り替え可能な不溶解粒子トラップ機構を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水熱反応処理装置。
  5. 水熱反応容器内で被処理物を水の超臨界状態または亜臨界状態で水熱酸化反応させる水熱反応処理方法であって、
    上記水熱反応容器内で生成した固体の粒径を回転中心から偏心し、上記水熱反応容器との距離が変化する状態で設けられた固体粒子縮小機構により破砕し、小さくする工程と、
    排出配管系統へ排出される固体の粒径を、上記水熱反応容器中心より偏心した状態で設けられた固体粒子縮小機構により粒径毎に制限する工程と
    を含むことを特徴とする水熱反応処理方法。
  6. 水熱反応容器内で被処理物を水の超臨界状態または亜臨界状態で水熱酸化反応させる水熱反応処理方法であって
    水熱反応容器内に設けられる固体粒径制限機構の網31によって所定の粒径よりも大きい固体を滞留させる工程と、
    滞留する、上記所定の粒径よりも大きい固体を溶解手段の供給にて所定の粒径以下まで溶解し、排出配管系統へ排出させる工程と
    を含むことを特徴とする水熱反応処理方法。
  7. 上記排出配管系統より排出された生成物を、複数の切り替え可能なフィルターにより不溶解粒子をトラップする工程を含む、請求項5又は6に記載の方法。
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