JP3448239B2 - Pcb付着機器のpcb除去方法及びその装置 - Google Patents

Pcb付着機器のpcb除去方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば変圧器等のP
CB汚染機器の完全処理を図ることができるPCB付着
機器のPCB除去方法及びその装置に関する。
【0002】
【背景技術】従来において、環境汚染のおそれのあるP
CB(Polychlorinated biphenyl,ポリ塩化ビフェニ
ル:ビフェニルの塩素化異性体の総称)で汚染された容
器等の取り扱いについては、有機溶剤による洗浄・真空
加熱等によりPCBを除去する技術が提案されている。
【0003】また、トランス等からPCB含有油を抜き
取った後の容器は、高温(1100℃以上)で焼却する
ことが提案されているが、高温焼却の施設は多大な費用
を要し、さらにはダイオキシン類等の有害副生物の発生
のおそれがあることから、現在ではトランスやコンデン
サはPCB含有油を抜き取った後、単に保管している。
【0004】すなわち、柱上トランスの場合には、金属
部材(鉄類(ケース,鉄芯等),銅類(コイル)等)、
磁器、紙(プレスボード、絶縁紙等)、木類等から構成
されているが、現時点ではPCB含有油の処理以外の容
器の処理の効果的な提案されておらず、完全処理できる
効果的な処理方法の出現が望まれている。
【0005】本発明は上述した問題に鑑み、PCBで汚
染された変圧器等のPCB汚染機器の容器及びその中身
を完全に処理することができるPCB付着機器のPCB
除去方法及びその装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ための、第一番目の発明によるPCB付着機器のPCB
除去方法は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・含
浸した機器を金属部材と紙又は木とに分離する工程と、
金属部材を洗浄液で洗浄し、金属部材の表面に付着した
PCBを除去する工程と、洗浄後の洗浄液と紙又は木と
を、炭酸ナトリウムの存在下、亜臨界雰囲気の水中で熱
水分解処理する工程と備えてなることを特徴とする。
【0007】
【0008】
【0009】第二番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去方法は、PCBが付着したトランス又はコンデ
ンサの外枠を分解し、金属外枠とトランス又はコンデ
ンサ本体とに分離する工程と、トランス又はコンデンサ
本体を分解し、銅以外の金属部材と、銅と、紙又は木と
に分離する工程と、分離した銅を洗浄液で洗浄し、PC
Bを除去する工程と、外枠及び金属部材を洗浄液で洗浄
し、金属表面に付着したPCBを除去する工程と、洗浄
後の洗浄液と紙又は木とを、炭酸ナトリウムの存在下、
亜臨界雰囲気の水中で熱水分解処理する工程と備えて
なることを特徴とする。
【0010】
【0011】第三番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去方法は、第一番目又は第二番目の発明におい
て、紙又は木を予めアルカリ溶解させた後、熱水分解処
理で処理することを特徴とする。
【0012】第四番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去方法は、第一番目又は第二番目の発明におい
て、紙又は木を粉砕してから、熱水分解処理することを
特徴とする。
【0013】また、第五番目の発明によるPCB付着機
器のPCB除去装置は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)
が付着・含浸した機器を金属部材と紙又は木とに分離す
る手段と、金属部材を洗浄液で洗浄し、金属部材の表面
に付着したPCBを除去する手段と、洗浄後の洗浄液と
紙又は木とを、炭酸ナトリウムの存在下、亜臨界雰囲気
の水中で熱水分解処理する手段とを備えてなることを特
徴とする。
【0014】
【0015】第六番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去装置は、PCBが付着したトランス又はコンデ
ンサの外枠を分解し、金属外枠とトランス又はコンデ
ンサ本体とに分離する分離手段と、トランス又はコンデ
ンサ本体を分解し、銅以外の金属部材と、銅と紙又は
木とに分離する分離手段と、分離した銅を洗浄液で洗浄
し、銅表面に付着したPCBを除去する洗浄手段と、
枠及び金属部材を洗浄液で洗浄し、金属表面に付着した
PCBを除去する洗浄手段と、洗浄後の洗浄液と紙又は
木とを、炭酸ナトリウムの存在下、亜臨界雰囲気の水中
で熱水分解処理する熱水分解処理手段とを備えてなるこ
とを特徴とする。
【0016】第七番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去装置は、第五番目又は第六番目の発明におい
て、紙又は木を予めアルカリ溶解させる溶解手段を設
け、溶解後に熱水分解処理することを特徴とする。第八
番目の発明によるPCB付着機器のPCB除去装置は、
第五番目又は第六番目の発明において、紙又は木を粉砕
し、移送手段により移送して熱水分解処理することを特
徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明によるPCB付着機器のP
CB除去方法及びその装置の実施の形態を以下に説明す
るが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもので
はない。
【0018】図1は本発明を実施するためのPCB付着
機器のPCB除去装置の一例の概略構成を示す図であ
る。図1において、本実施の形態にかかる装置は、PC
Bが付着したトランス又はコンデンサ等のPCB付着機
器11の外枠を分解し、外枠の金属部材12とトランス
又はコンデンサ本体13とに分離する分離手段14と、
PCB付着金属部材12を洗浄液15で洗浄し、金属表
面に付着したPCBを除去する洗浄手段16と、上記ト
ランス又はコンデンサ本体13を分解し、銅17以外の
金属部材(鉄芯)12と、銅(コイル)17とPCBが
含浸した紙又は木18とに分離する分離手段19と、分
離したPCB付着銅17を洗浄液15で洗浄し、PCB
を除去する洗浄手段20と、上記PCB付着金属部材1
2及びPCB付着銅17の洗浄後の洗液21,22並び
に上記紙又は木18をそのまま熱水分解処理で処理する
熱水分解処理手段23とを備えてなるものである。
【0019】金属等の表面に付着したPCBを除去する
ことで用いられる洗浄液15は大部分はリサイクル利用
され、濃縮された液は熱水分解処理装置23へ導入する
ことで、洗浄液ごとPCBも分解される。また、PCB
の除去が困難な紙/木18はそのまま又はアルカリ溶液
(NaOH)に溶解させ、熱水分解処理装置23へ導入
することで、PCBが分解される。
【0020】アルカリ溶液は後述するように熱水分解処
理装置23で必要な添加剤であり、紙/木18は熱水環
境下(300〜390℃、230〜300kgf/cm2 )で
分解される。この結果、金属12や銅17は洗浄により
付着したPCBを除去でき、再利用できると共に、紙/
木18はアルカリ溶液(NaOH)に溶解させ、熱水分
解処理装置23へ導入することで、PCBが完全分解さ
れる。
【0021】ここで、処理する対象であPCB付着機
器11としては特にトランス又はコンデンサ等を挙げる
ことができるが、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、PCBで汚染されているものであればいずれのも
のでも分解処理できる。例えば、柱上トランスの場合に
は、金属部材(鉄類(ケース,鉄芯等),銅類(コイ
ル)等)、磁器、紙(プレスボード、絶縁紙等)、木類
等から構成されているが、本発明によりPCB含有油の
処理と共に、トランスを構成する材料に付着しているP
CBも効率的に除去・分解が可能となる。
【0022】上記洗浄液15としては、例えばn−ヘキ
サン,iso-オクタン,キシレン,トリクロロエチレン,
テトラクロロエチレン等を例示することができるが、本
発明はこれに限定されず、PCBを除去できる溶剤であ
ればいずれのものを用いてもよい。
【0023】DCB(模擬PCBとして使用)がしみ込
んだ汚染物の分解結果を以下に示す。試験品として市
販のガーゼ(104mg)、ワックスペーパー(Al
を含む、150mg)、綿布(50mg)を用い、熱
水分解処理装置(380℃で30分、酸化剤:O2 、N
2 CO3 :20g、反応容器:300cc)で分解を
行った。それぞれの汚染物が減少した割合を下記に示
す。
【0024】市販のガーゼ:78% ワックスペーパー:99% 綿布:>99% この結果より、一般的にPCB含有トランジスタに含ま
れる紙等も、熱水分解によりPCBと同時に分解される
ことが判明した。
【0025】以下に、図1に示す装置を用いたPCBが
付着したトランスの処理方法について図2にPCB除去
方法を実施するチャートを参照しつつ詳細に説明する。
図2に示すように、保管庫31に保管されているトラン
ス11を搬入32し、PCBの油の液抜き33を行う。
次に、トランス外枠12とトランス中身13とに分離
し、トランス外枠12は洗浄液15で金属類の洗浄34
を行う。洗浄液21は洗浄剤タンク35に保管され、そ
の後熱水分解処理手段23で分解処理される。PCBが
除去された金属12は、拭取試験又は洗浄試験36によ
り金属にPCBが付着していないかどうかを判定がなさ
れる。その後、水洗浄又は乾燥37が行われ、スクラッ
プ用貯蔵又は搬出38がなされる。なお、洗浄液39は
PCBが含有するおそれがあるので熱水分解処理23で
処理される。
【0026】トランス中身13は部材分別40により、
銅17以外の鉄芯等の金属12と銅17並びに紙/木1
8に分離され、その後部材分別41により、銅17と紙
/木18とに分離される。紙/木18はそのまま又は必
要に応じてアルカリ溶液でアルカリ溶解42させ、熱水
分解処理23で処理される。例えば紙/木18を細かく
粉砕し、スラリーポンプ等の移送手段により熱水分解処
理23へ導入するようにしてもよい。
【0027】PCBが付着されている銅17は洗浄液1
5で金属類の洗浄43を行う。洗浄液22は洗浄剤タン
ク44に保管され、その後熱水分解処理手段23で分解
処理される。洗浄された銅17は拭取試験又は洗浄試験
45により金属にPCBが付着していないかどうかを判
定がなされる。その後、水洗浄又は乾燥46が行われ、
スクラップ用貯蔵又は搬出47がなされる。なお、洗浄
液48はPCBが含有するおそれがあるので熱水分解処
理23で処理される。
【0028】ここで、トランスには様々なタイプのもの
があり、密閉型のものや容易に外枠を開けることができ
るものがある。外枠が密閉型の場合には破断・細断が必
要となる。
【0029】ここでは、密閉型のトランスを例にしてP
CBで汚染されたトランスの処理について説明する。
【0030】図3には金属処理のフローチャートを示
す。図3に示すように、保管庫31に保管されていたト
ランス11を搬入33し、PCBの油を抜く液抜き33
を行う。次に、外枠を破断51し、トランスの外枠12
と中身13とに分離する。上記破断51としては、中身
が取り出すことができればよく、例えば冷凍破断等を例
示することができる。その後、上記トランス外枠12を
細断52する。該細断52は、洗浄のためにバラバラに
するものであり、例えばプレス細断により行うことがで
きる。裁断された金属は洗浄液で金属類の洗浄34を行
う。該洗浄34は超音波洗浄や噴射洗浄により、細断さ
れた金属小片を洗浄する。洗浄液21は洗浄剤タンク3
5に保管され、洗浄液を蒸留回収53し、蒸発液54を
PCB濃度分析55し、再利用が可能か判定する。再利
用が可能であれば、金属類の洗浄34で使用され、再利
用が不可能であれば、熱水分解処理23で処理される。
PCBが除去された金属12は、拭取試験又は洗浄試験
36により金属にPCBが付着していないかどうかを判
定がなされる。その後、水洗浄又は乾燥37が行われ、
スクラップ用貯蔵又は搬出38がなされる。なお、洗浄
液39はPCBが含有するおそれがあるので熱水分解処
理23で処理される。
【0031】図4には紙/木の分解処理のフローチャー
トを示す。図3において、外枠破断51により破断さ
れ、分離されたトランス中身13は、必要に応じて中身
破断61が行われる。この中身破断61は部材を分離で
きる程度に分けるために破断するようにしている。その
後部材分別40により、銅17以外の鉄芯等の金属12
と銅17並びに紙/木18に分離され、その後部材分別
41により、銅17と紙/木18とに分離される。鉄芯
等の金属12は上述した金属処理へ送られる。一方紙/
木18は熱水分解処理手段への投入が容易なようにあら
かじめアルカリ溶液(NaOH等)でアルカリ溶解42
させ、熱水分解処理23で処理される。
【0032】図5には銅処理のフローチャートを示す。
図3において、外枠破断51により破断され、分離され
たトランス中身13は部材分別40により、銅17以外
の鉄芯等の金属12と銅17並びに紙/木18に分離さ
れ、その後部材分別41により、銅17と紙/木18と
に分離される。PCBが付着された銅17は、上述した
金属処理と同様に、洗浄液15で金属類の洗浄43を行
う。洗浄液22は洗浄剤タンク44に保管され、洗浄液
22を蒸留回収53し、蒸発液54をPCB濃度分析5
5し、再利用が可能か判定する。再利用が可能であれ
ば、金属類の洗浄43で使用され、再利用が不可能であ
れば、熱水分解処理23で処理される。洗浄された銅1
7は拭取試験又は洗浄試験45により金属にPCBが付
着していないかどうかを判定がなされる。付着試験によ
りPCBが付着している場合には再度洗浄43される。
その後、水洗浄又は乾燥46が行われ、スクラップ用貯
蔵又は搬出47がなされる。なお、洗浄液48はPCB
が含有するおそれがあるので熱水分解処理23で処理さ
れる。
【0033】図6は上述した洗浄液21,22やPCB
を含浸した紙/木18等のPCB等の含塩素有機化合物
の熱水分解方法を実施するための装置の一例の概略構成
を示す図である。なお、熱水分解処理は以下のものに何
ら限定されるものではなく、PCBを分解処理する熱水
分解処理であれば、本発明はいずれの方法であっても分
解できる。
【0034】図6において、本装置は、熱水分解反応が
行なわれる一次反応塔101及びそれに引き続き反応が
進行する二次反応塔102と、含塩素有機化合物(本実
施形態ではPCBとする)を含む洗液21,22又は木
/紙18と、アルカリ反応剤103を加熱する予熱器1
04とから構成されており、本実施形態ではアルカリ性
剤として水酸化カリウムを使用している。
【0035】PCB含有洗液21,22又はPCB付着
木/紙18と、アルカリ反応剤である水酸化カリウムと
水酸化ナトリウムの混合溶液とは、それぞれポンプPに
より予熱器104に圧送され、同時に図示しない水供給
系統から配管を通じて圧送されてくる水と混合される。
PCB含有洗液21,22又はPCB付着木/紙18と
水、アルカリ反応剤の混合物は予熱器104で加熱され
た後、一次反応塔101に流入する。反応初期にCO2
を生成するための油もしくは有機溶剤は別途図示しない
供給系統から反応塔101内もしくは予熱器104内に
供給されPCBと混合される。
【0036】反応塔21下部には、酸化剤供給源から酸
化剤105が供給される。酸化剤105としては、酸素
(O2 )、過酸化水素(H2 2 )などが使用される。
【0037】一次反応塔101内の反応液はサイクロン
セパレータ106を通り固形物を除去した後二次反応器
102に供給され、反応時間(滞留時間)の調節が行な
われる。二次反応器102を出るまでにPCBは完全に
分解され、二次反応器102出口からCO2 (二酸化炭
素)と、KCl(塩化カリウム)及びNaCl(塩化ナ
トリウム)を溶解した水が流出するようになる。二次反
応器102を出た溶液は冷却器107で冷却された後放
出弁108により減圧されて放出タンク109内に貯留
される。放出タンク109内の二酸化炭素及び水蒸気
は、万一未反応PCBがガス中に残留した場合を考慮し
て活性炭等吸着槽110で吸着、除去した後大気に放出
される。また、溶液(KCl(塩化カリウム)及びNa
Cl(塩化ナトリウム))は図示しない濃縮装置で濃縮
され、その際に分離される純水はPCBの処理のために
混合されて反応に再使用することが出来る。
【0038】次に反応塔101及び二次反応器102内
でのPCBの熱水分解反応について説明する。
【0039】まず、反応開始時には油、有機溶剤等が酸
化剤供給源から塔内に供給される酸化剤(本実施形態で
は酸素を使用する)により酸化され二酸化炭素を生成す
る。例えば、有機溶剤としてトルエン(C6 5
3 )を使用した場合を例にとると、C6 5 CH3
9O2 →4H2 O+7CO2 の反応によりCO2 が生成
する。この酸化反応は発熱反応であり、これにより系内
の温度は上昇し、それに応じて圧力も上昇する。本実施
形態では、一次反応塔101内の温度、圧力はそれぞれ
380℃、26MPa程度に維持した場合に最もPCB
の分解率が向上することが判明している。
【0040】上記により生成したCO2 は、反応塔10
1内にPCBとともに供給される水酸化カリウム及び水
酸化ナトリウムと反応し、炭酸カリウム(K2 CO3
と炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )を生成する。 2KOH+CO2 →K2 CO3 +H2 O …(A) 2NaOH+CO2 →Na2 CO3 +H2 O …(B) 次に、上記(B)の反応により生成したNa2 CO
3 は、PCBと反応し、PCBを脱塩及び酸化分解す
る。 C126 14+12.5O2 +2Na2 CO3 →4NaCl+3H2 O+14CO2 …(C) なお、上記の塩素数4のPCBの場合であるが、他の塩
素数のものについても同様な反応が生じ、PCBがH2
O、CO2 、NaClに分解される。上記(C)の反応
により生じたCO2 は更に、上記(A),(B)の反応
によりKOH、NaOHと反応し、(C)の反応に必要
とされるNa2 CO3 を生成するようになる。ところ
で、上記(C)のPCB分解反応においては、炭酸ナト
リウム(Na2CO3 )は反応剤として作用する他に、
(C)の分解反応は促進する触媒としても作用してい
る。また、上記(C)の分解反応はアルカリ雰囲気(例
えばpH10以上)で促進されることが判明している。
【0041】上記熱水分解装置によれば、PCBの排出
基準値(3ppb)以下の0.5ppb以下まで分解で
き、完全分解ができる。これにより貯蔵容器の完全処理
が可能となり、PCBの完全消滅が可能となる。
【0042】
【発明の効果】第一番目の発明によるPCB付着機器の
PCB除去方法は、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が付
着・含浸した機器を金属部材と紙又は木とに分離する工
程と、金属部材を洗浄液で洗浄し、金属部材の表面に付
着したPCBを除去する工程と、洗浄後の洗浄液と紙又
は木とを、炭酸ナトリウムの存在下、亜臨界雰囲気の水
中で熱水分解処理する工程と備えてなるので、金属部
材に付着したPCBを除去できると共に除去されたPC
Bを洗浄液と紙又は木と共に熱水分解処理で分解でき、
PCBの完全分解が可能となる。
【0043】
【0044】
【0045】第二番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去方法は、PCBが付着したトランス又はコンデ
ンサの外枠を分解し、金属外枠とトランス又はコンデ
ンサ本体とに分離する工程と、トランス又はコンデンサ
本体を分解し、銅以外の金属部材と、銅と、紙又は木と
に分離する工程と、分離した銅を洗浄液で洗浄し、PC
Bを除去する工程と、外枠及び金属部材を洗浄液で洗浄
し、金属表面に付着したPCBを除去する工程と、洗浄
後の洗浄液と紙又は木とを、炭酸ナトリウムの存在下、
亜臨界雰囲気の水中で熱水分解処理する工程と備えて
なるので、トランス又はコンデンサの金属に付着したP
CBを除去できると共に除去されたPCBを洗浄液と紙
又は木と共に熱水分解処理で分解でき、PCBの完全分
解が可能となる。
【0046】
【0047】第三番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去方法は第一番目又は第二番目の発明におい
て、紙又は木を予めアルカリ溶解させた後、熱水分解処
理で処理するので、熱水分解処理の効率が向上する。
【0048】第四番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去方法は第一番目又は第二番目の発明におい
て、紙又は木を粉砕してから、熱水分解処理するので、
熱水分解処理の効率が向上する
【0049】また、第五番目の発明によるPCB付着機
器のPCB除去装置はPCB(ポリ塩化ビフェニル)
が付着・含浸した機器を金属部材と紙又は木とに分離す
る手段と、金属部材を洗浄液で洗浄し、金属部材の表面
に付着したPCBを除去する手段と、洗浄後の洗浄液と
紙又は木とを、炭酸ナトリウムの存在下、亜臨界雰囲気
の水中で熱水分解処理する手段とを備えてなるので、
属部材に付着したPCBを除去できると共に除去された
PCBを洗浄液と紙又は木と共に熱水分解処理で分解で
き、PCBの完全分解が可能となる。ことを特徴とす
る。
【0050】
【0051】第六番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去装置は、PCBが付着したトランス又はコンデ
ンサの外枠を分解し、金属外枠とトランス又はコンデ
ンサ本体とに分離する分離手段と、トランス又はコンデ
ンサ本体を分解し、銅以外の金属部材と、銅と紙又は
木とに分離する分離手段と、分離した銅を洗浄液で洗浄
し、銅表面に付着したPCBを除去する洗浄手段と、
枠及び金属部材を洗浄液で洗浄し、金属表面に付着した
PCBを除去する洗浄手段と、洗浄後の洗浄液と紙又は
木とを、炭酸ナトリウムの存在下、亜臨界雰囲気の水中
で熱水分解処理する熱水分解処理手段とを備えてなるの
で、トランス又はコンデンサの金属に付着したPCBを
除去できると共に除去されたPCBを洗浄液と紙又は木
と共に熱水分解処理で分解できPCBの完全分解が可
能となり、PCBが完全に除去された銅は再利用が可能
となる。
【0052】第七番目の発明によるPCB付着機器のP
CB除去装置は第五番目又は第六番目の発明におい
て、紙又は木を予めアルカリ溶解させる溶解手段を設
け、溶解後に熱水分解処理するので、熱水分解処理の効
率が向上する。第八番目の発明によるPCB付着機器の
PCB除去装置は、第五番目又は第六番目の発明におい
て、紙又は木を粉砕し、移送手段により移送して熱水分
解処理するので、熱水分解処理の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】PCB付着機器のPCB除去装置の一例の概略
図である。
【図2】PCB除去方法を実施するチャート図である。
【図3】金属のPCB除去方法を実施するチャート図で
ある。
【図4】紙/木のPCB除去方法を実施するチャート図
である。
【図5】銅のPCB除去方法を実施するチャート図であ
る。
【図6】熱水分解処理装置の概略図である。
【符号の説明】
11 PCB付着機器 12 金属部材 13 トランス又はコンデンサ本体 14 分離手段 15 洗浄液 16 洗浄手段 17 銅(コイル) 18 紙又は木 19 分離手段 20 洗浄手段 21,22 洗液 23 熱水分解処理手段 31 保管庫 32 搬入 33 液抜 34 洗浄 35 洗浄剤タンク 36 拭取試験又は洗浄試験 37 水洗浄又は乾燥 38 スクラップ用貯蔵又は搬出 39 洗浄液 40 部材分別 41 部材分別 42 アルカリ溶液でアルカリ溶解 43 洗浄 44 洗浄剤タンク 45 拭取試験又は洗浄試験 46 水洗浄又は乾燥 47 スクラップ用貯蔵又は搬出 48 洗浄液 101 一次反応塔 102 二次反応塔 103 アルカリ反応剤 104 予熱器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新藤 直樹 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重 工業株式会社長崎造船所内 (56)参考文献 特開 平10−289824(JP,A) 特開 平10−192651(JP,A) 特開 平9−79559(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 41/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・
    含浸した機器を金属部材と紙又は木とに分離する工程
    と、 金属部材を洗浄液で洗浄し、金属部材の表面に付着した
    PCBを除去する工程と、 洗浄後の洗浄液と紙又は木とを、炭酸ナトリウムの存在
    下、亜臨界雰囲気の水中で熱水分解処理する工程と
    えてなることを特徴とするPCB付着機器のPCB除去
    方法。
  2. 【請求項2】 PCBが付着したトランス又はコンデン
    サの外枠を分解し、金属外枠とトランス又はコンデン
    サ本体とに分離する工程と、トランス又はコンデンサ本体を分解し、銅以外の金属部
    材と、銅と、紙又は木とに分離する工程と、 分離した銅を洗浄液で洗浄し、PCBを除去する工程
    と、 外枠及び金属部材を洗浄液で洗浄し、金属表面に付着し
    たPCBを除去する工程と、 洗浄後の洗浄液と紙又は木とを、炭酸ナトリウムの存在
    下、亜臨界雰囲気の水中で熱水分解処理する工程と
    えてなることを特徴とするPCB付着機器のPCB除去
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、 紙又は木を予めアルカリ溶解させた後、熱水分解処理で
    処理することを特徴とするPCB付着機器のPCB除去
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2において、 紙又は木を粉砕してから、熱水分解処理する ことを特徴
    とするPCB付着機器のPCB除去方法。
  5. 【請求項5】 PCB(ポリ塩化ビフェニル)が付着・
    含浸した機器を金属部材と紙又は木とに分離する手段
    と、 金属部材を洗浄液で洗浄し、金属部材の表面に付着した
    PCBを除去する手段と、 洗浄後の洗浄液と紙又は木とを、炭酸ナトリウムの存在
    下、亜臨界雰囲気の水 中で熱水分解処理する手段と を備
    えてなることを特徴とするPCB付着機器のPCB除去
    装置。
  6. 【請求項6】 PCBが付着したトランス又はコンデン
    サの外枠を分解し、金属外枠とトランス又はコンデン
    サ本体とに分離する分離手段と、トランス 又はコンデンサ本体を分解し、銅以外の金属部
    材と、銅と紙又は木とに分離する分離手段と、 分離した銅を洗浄液で洗浄し、銅表面に付着したPCB
    を除去する洗浄手段と、外枠及び金属部材を洗浄液で洗浄し、金属表面に付着し
    たPCBを除去する洗浄手段と、 洗浄後の洗浄液と紙又は木とを、炭酸ナトリウムの存在
    下、亜臨界雰囲気の水中で熱水分解 処理する熱水分解処
    理手段と備えてなることを特徴とするPCB付着機器
    のPCB除去装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6において、 紙又は木を予めアルカリ溶解させる溶解手段を設け、溶
    解後に熱水分解処理することを特徴とするPCB付着機
    器のPCB除去装置。
  8. 【請求項8】 請求項5又は請求項6において、 紙又は木を粉砕し、移送手段により移送して熱水分解処
    理する ことを特徴とするPCB付着機器のPCB除去装
    置。
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