JP2001070470A - 有害有機化合物の分解・無害化処理方法及びその装置 - Google Patents

有害有機化合物の分解・無害化処理方法及びその装置

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JP2001070470A JP25606699A JP25606699A JP2001070470A JP 2001070470 A JP2001070470 A JP 2001070470A JP 25606699 A JP25606699 A JP 25606699A JP 25606699 A JP25606699 A JP 25606699A JP 2001070470 A JP2001070470 A JP 2001070470A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却排ガス中、焼却炉底灰中、飛灰中、また
は土壌中に存在するこれらの有害有機化合物を分解・無
害化処理する方法及び装置を提供すること。 【解決手段】 有害有機ハロゲン化合物、有害有機窒素
化合物、有害有機イオウ化合物、有害有機リン化合物の
ような有害有機化合物や、これらの有害有機化合物を含
む廃棄物を、酸素や空気のような酸化剤の存在下で、溶
融塩の中で分解・無害化処理する。処理後の塩は、精製
・再生して、新たな有害有機化合物を溶融塩の中で分解
・無害化処理する際の溶融塩として再使用する。有害有
機化合物を含む廃棄物としては、焼却排ガスのような気
体状の廃棄物、有害有機化合物を含む河川水、地下水、
廃水のような液体状の廃棄物および有害有機化合物を含
む焼却灰、飛灰、土壌のような固体状の廃棄物が対象と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリクロロジベンゾ
−p−ジオキシン類および/またはポリクロロベンゾフ
ラン類を初めとする有害有機ハロゲン化合物、有害有機
窒素化合物、有害有機イオウ化合物、有害有機リン化合
物のような各種の有害有機化合物、特に焼却排ガス中、
焼却炉底灰中、飛灰中、または土壌中に存在しているこ
れらの有害有機化合物の分解・無害化処理方法及びその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン類
およびポリクロロベンゾフラン類(以下合せてダイオキ
シン類と略す)は猛毒の化合物であって意識的な製造や
使用は一切行われてはいないが、廃棄物の焼却処理等に
伴って副生し、排ガス、焼却灰、および飛灰の中に高濃
度で存在する。またそこからさらに土壌中に移行し、各
地の土壌で高濃度のダイオキシン類汚染が明らかになっ
ている。
【0003】ポリクロロビフェニル類(以下PCBと略
す)は電気機器類の絶縁油や、熱媒体、複写紙等として
以前にはかなり広く用いられていたが、強い毒性(発ガ
ン性や変異原性等)と生物体内への残留・蓄積性が有る
ことが明らかになり、製造・使用ともに禁止されること
になった。
【0004】ヘキサクロロシクロヘキサン(以下BHC
と略す)、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p
−クロロフェニル)エタン(以下DDTと略す)、アル
ドリン、ディルドリン、クロルデン等は過去には殺虫剤
や農薬として広く使用されていたが、いずれもPCBと
同様にその強い毒性と人体内への蓄積性から製造や使用
が禁止されている。
【0005】また、トリクロロエチレン(以下、トリク
レンと略す。)やテトラクロロエチレンに代表される各
種のハロゲン化脂肪族炭化水素類は、以前には半導体産
業やドライクリーニング等で洗浄溶剤ととして広く使わ
れたが、やはり発ガン性があるために使用禁止になって
いる。
【0006】さらに、クロロフルオロカーボン類および
ハイドロクロロフルオロカーボン類(以下合せてフロン
類と略す)は冷媒、洗浄剤、発泡剤等として、ブロモフ
ルオロカーボン類(以下ハロン類と略す)は消火剤とし
て、それぞれ広く使用されていた。しかし、いずれも一
旦大気中に放出されると成層圏のオゾン層を破壊する作
用があることが明らかになり、この作用が特に著しい一
部の種類については原則として使用禁止に、それ以外の
現在のところ未だ使用が認められている種類について
も、早急に他の物質(ハロゲンを含まない化合物)へ代
替することが求められている。
【0007】これらの有害有機ハロゲン化合物はいずれ
も化学的に安定な化合物であって、水、酸、アルカリ等
によっては容易に分解されないだけでなく、熱的にも安
定で、かなりの高温でも分解しにくいという性質があ
る。したがつて、製造や使用が禁止された後でも過去に
使用された物がそのまま残っていて、その一部は環境
(大気、土壌、河川、海洋、地下水等)中に漏れ出し、
その中に蓄積されている。
【0008】このような問題点があるため、これらの有
害有機ハロゲン化合物をハロゲンを含まない有機化合
物、あるいは無機化合物にまで分解・無害化処理を行う
ことが求められている。
【0009】また、有機ハロゲン化合物以外に、有機窒
素化合物、有機イオウ化合物あるいは有機リン化合物の
中にも、有機ハロゲン化合物と同様に有害な化合物が数
多く存在している。例えば有害有機窒素化合物として
は、ニトリル類、シアンヒドリン類、イソシアネート類
等の有機シアン化合物、ニトロベンゼン類等の有機ニト
ロ化合物、およびベンジジンやナフチルアミン等の有機
アミノ化合物等がその代表例として挙げられる。また有
害有機イオウ化合物の例としては硫酸ジメチル等があ
る。更に有害有機リン化合物には、その毒性のために既
に使用禁止になっているパラチオンとメチルパラチオン
を初めとする各種の有機リン系農薬の大半がこれに該当
する。
【0010】これらの化合物の中にも、難分解性である
ために長期に亘って環境中に残留していて、人体に取り
込まれる危険性が心配されている物質が少なからず存在
することはよく知られている。特に農薬類の場合には、
誤って漏洩したのではなく意識的に散布されたのである
から、土壌中や水中での汚染レベルもかなり高くなって
いる。その上農作物を通して人体に摂取される危険性が
大きく、早急に無害化処理することが望まれている。
【0011】有害有機化合物を分解・無害化するための
方法としては、以下のようなものが知られている。
【0012】第一は、例えば特公平01−8242号公
報や特開平02−241586号公報に示されているよ
うに、有害有機ハロゲン化合物を十分な酸素雰囲気の下
で1200℃程度以上の非常な高温下で燃焼して二酸化
炭素、水およびハロゲン化水素にまで完全に分解する方
法(焼却法)である。
【0013】なお有害有機化合物が例えばダイオキシン
類などの場合には、有害有機化合物自体は単独で存在す
るのではなく、ガスや水の中等に含まれている場合が多
い。そこで、これを活性炭等の可燃性吸着剤に吸着させ
てガスや水等の中から取り除いた後で、この吸着剤を焼
却処理する方法もよく知られている。
【0014】第二の方法は、例えば特公平02−510
0号公報等に示されているように、無酸素ないしは酸素
不足の雰囲気中で、有害有機化合物を前述の焼却処理法
の場合と同程度ないしやや低い温度にまで加熱すること
により分解を行う方法である。この場合の分解物は、炭
素および水素等の無機化合物、または元の化合物の基本
骨格(ダイオキシン類の場合で言えばベンゼン環)まで
も分解した非常に簡単な構造の有機化合物(メタン等)
になる。
【0015】この技術を応用して、焼却灰や飛灰の中に
含まれているダイオキシン類を酸素不足の雰囲気下で3
00〜400℃程度に加熱処理することで、熱分解させ
て灰の中からほぼ完全に除去できることが報告されてい
る(例えば特開平5−168728号や特開平8−14
1547号)。
【0016】第三の方法は、化学反応によって有害有機
化合物のハロゲン原子を水素原子等で置換することによ
り、ハロゲンを全く含まない無害な有機化合物に変換す
る方法(化学的分解法)である。具体的な技術としては
次の三通りの方法が報告されている。すなわち、例え
ば特開昭49−13155号公報や特開昭51−268
52号公報に示されるように、無溶媒状態で触媒の存在
下に高圧水素ガスを作用させる方法、例えば特開昭5
9−131373号公報や特開昭60−114278号
公報に示されているように、アルカリ金属またはその水
酸化物とポリエチレングリコールの混合物からなる分解
剤と一緒に、窒素ガス雰囲気中溶媒無しに100℃程度
に加熱する方法、および例えば特公昭52−4745
9号公報や特公昭53−17582号公報に示されてい
るように、アルコール等の溶液中でアルカリ金属水酸化
物の存在下に常温・常圧下で紫外線や放射線等を照射す
る方法である。
【0017】第四の方法は、例えば特開平01−682
81号公報に示されているように、ある種の微生物に有
害有機塩素化合物を取込ませて体内で分解(代謝)させ
ることで、産物である二酸化炭素、水および塩化水素に
変える方法である。
【0018】第五の方法は、例えば特開平09−327
678号公報に示されているように、温度380℃以
上、圧力22MPa以上の超臨界水を用いて有害有機ハ
ロゲン化合物を二酸化炭素と水(ハロゲン化水素酸)に
まで分解する技術である。
【0019】なお以上の各方法は何れも有害有機ハロゲ
ン化合物に対する分解・無害化処理技術ではあるが、そ
の殆どは有害有機ハロゲン化合物に対してのみ有効な訳
ではなく、有害有機窒素化合物、有害有機イオウ化合物
あるいは有害有機リン化合物を分解・無害化処理する場
合にも適用できる技術である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来技術にはそれぞれ以下のような問題点がある。
【0021】第一の焼却法では、非常に高い燃焼温度の
維持のために多量のエネルギーが必要であるとともに、
その過程でもし温度が下がると猛毒のダイオキシン類が
副生する。また水銀、鉛、カドミウム等の低沸点の有害
重金属は、相当量が揮発して排ガス中に移行する。さら
に、高温のハロゲン化水素ガスによって焼却炉の炉壁材
質が腐食する。
【0022】第二の熱分解法も、多量のエネルギーが必
要なこと、ダイオキシン生成の危険性、水銀、鉛、カド
ミウム等の排ガス中への移行、ハロゲン化水素ガスによ
る焼却炉の炉壁材質の腐食等の問題があり、焼却法の場
合と変りない。その上、分解生成ガスを二次燃焼させる
設備が必要で、装置構成が非常に大規模になる。
【0023】前述した灰中のダイオキシン類を熱分解さ
せて除去するという方法では、加熱処理後の灰を徐冷す
るとダイオキシン類が再合成されるため、これを防ぐた
めに加熱処理後の灰を急冷する必要が有る。このことは
飛灰中のダイオキシン類は無害な無機化合物にまで完全
分解していないことを意味している。すなわち加熱処理
によってダイオキシン類は、より簡単な構造の様々な有
機化合物の混合物(当然その中の一部または全部は塩素
を含んでいる)にまでしか分解していないので、分解・
無害化処理技術としては不十分である。
【0024】有害有機化合の中でも、特に有機ハロゲン
化合物には、PCBやダイオキシン類に代表されるよう
に非常に強い毒性を有する物が多く有るが、このような
化合物の場合には分解・無害化処理後の残留量はngな
いしpgレベルであることが要求される。しかし第三の
化学的分解法の場合には、このように少ない残留レベル
に到達まで分解することは不可能である。
【0025】第四の微生物分解法の場合には、比較的低
濃度で存在している場合には有効ではあるが、高濃度の
試料や大量の試料の処理を行うには適さない。またある
特定の有害有機化合物の分解に分解には好適な微生物が
存在しても、あらゆる種類の有害有機化合物に対して有
効な微生物はないのでこの方法には一般性がない。
【0026】さらに第五の超臨界水酸化法の場合には、
水を超臨界状態にするのに多量のエネルギーを必要とす
る上、超高圧下で分解を行うことによる危険性がある。
また特に有害有機化合物がPCB類やダイオキシン類に
代表される有害有機ハロゲン化合物である場合には、分
解で生成したハロゲン化水素酸を含む高温高圧の水溶液
は非常に強い腐食作用を有しているので、装置に用いる
ことができる材質は非常に強い耐食性を持つ特殊な高価
な物に限定される。
【0027】本発明は上記のような従来技術の問題点を
解消すべくなされたもので、処理の過程で有害な化合物
を一切環境中に排出することなしに、有害有機化合物を
無害な化合物にまで分解することのできる有害有機化合
物の分解・無害化処理方法およびその装置、特に焼却
灰、飛灰および/または土壌中に存在している有害有機
化合物をほぼ完全に分解することのできる有害有機化合
物の分解・無害化処理方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は上記目
的を、有害有機化合物を溶融塩中で分解・無害化処理
し、処理後の塩を再生し、更に再生した塩を有害有機化
合物の分解・無害化処理に溶融塩として再使用すること
により達成される。
【0029】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処
理方法は、有害有機化合物または有害有機化合物を含む
廃棄物を酸化剤の存在下に溶融塩の中で分解・無害化処
理し、処理後の塩を精製および/または再生し、更に精
製および/または再生した後の塩を、新たな有害有機化
合物を溶融塩の中で分解・無害化処理する際の溶融塩と
して再使用することを特徴とする。
【0030】また、本発明の有害有機化合物の分解・無
害化処理方法は、溶融塩を加熱してその一部または全部
を蒸発または気化させ、酸化剤の存在下に有害有機化合
物および/または有害有機化合物を含む廃棄物を前記溶
融塩の蒸気もしくは気化物の中で分解・無害化処理し、
処理後の塩を精製および/または再生し、更に精製およ
び/または再生した後の塩を、新たな有害有機化合物を
溶融塩の蒸気もしくは気化物の中で分解・無害化処理す
る際の蒸気又は気化物の発生源として再使用することを
特徴とする。
【0031】本発明によって、分解・無害化処理される
有害有機化合物としては、例えば、(a) ポリクロロ−p
−ジベンゾジオキシン類、ポリクロロジベンゾフラン
類、ポリクロロビフェニル類、ポリブロモビフェニル
類、クロロベンゼン類、クロロフェノール類、ハロゲン
化メタン類、ハロゲン化エタン類、ハロゲン化エチレン
類、塩化ビニル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビ
ス(p−クロロフェニル)エタン(略称DDT)、ヘキ
サクロロシクロヘキサン(別名ベンゼンヘキサクロリ
ド、略称BHC)、アルドリン、エンドリン、ディルド
リンおよびクロルダンからなる群から選ばれた一種類ま
たは二種類以上の混合物からなる有害有機ハロゲン化合
物、(b) ニトリル類、シアンヒドリン類、イソシアネー
ト類のような有機シアン化合物、ニトロベンゼンのよう
な有機ニトロ化合物およびベンジジンやナフチルアミン
のような有機アミノ化合物で代表される有害有機窒素化
合物、(c) 硫酸ジメチルのような有害有機イオウ化合
物、(d) パラチオンやメチルパラチオンのような有害有
機リン化合物が挙げられる。
【0032】本発明によれば、これらの有害有機化合物
単独のみならず、これらの有害有機化合物を含む焼却排
ガスのような気体状の廃棄物、有害有機化合物を含む河
川水、地下水、廃水のような液体状の廃棄物もしくは有
害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のような固体状
の廃棄物の中に含まれる有害有機化合物も分解・無害化
することができる。
【0033】本発明に使用される溶融塩は、その主成分
がアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の水酸
化物および/または炭酸塩の一種類または二種類以上の
混合物であることが好ましい。本発明に使用される溶融
塩としては、基本的には有害有機化合物の分解によって
生じる酸性の無機ガスと化合して無害な中性無機アルカ
リ塩を形成できる性質をもつアルカリ性の無機塩であれ
ば任意の種類のものを使用することができる。しかしハ
ロゲン化水素ガス等との反応性や、形成される中性の無
機アルカリ塩の安定性を考慮すると、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物、または炭酸塩、もしく
はこの両者の混合物であることが望ましい。さらには操
作温度をできるだけ低くするために、比較的低融点の水
酸化物または炭酸塩、例えば水酸化ナトリウム(融点3
28℃)、水酸化カリウム(融点360℃)、水酸化ナ
トリウム−水酸化カリウム共晶塩(融点218℃)、水
酸化ナトリウム−炭酸ナトリウム共晶塩(融点286
℃)、炭酸リチウム−炭酸ナトリウム−炭酸カリウム三
元共晶塩(融点397℃)等、が最も望ましい。
【0034】ただし溶融塩の温度が低過ぎると有害有機
化合物の分解反応速度が遅くなるため、溶融塩の温度は
300〜700℃の範囲、好ましくは400〜600℃
の範囲で用いられる。なお本発明においてこれらのアル
カリ金属水酸化物や炭酸塩は必ずしも純粋である必要は
なく、これらの塩を主成分として、その融点や、有害有
機化合物の分解によって生じるハロゲン化水素ガスと化
合して無機ハロゲン化物塩を形成できる性質に特に影響
を与えない範囲内で他の無機塩(例えば硝酸塩、塩化
物、硫酸塩)が少量混じっていることを何ら妨げるもの
ではない。
【0035】本発明において有害有機化合物を溶融塩中
で酸化分解する際に用いる酸化剤は特定の物質に限定さ
れるものではないが、固体や液体状であるよりは気体状
である方が望ましい。したがって、本発明に使用される
酸化剤としては、酸素ガスや空気のように酸素を含む混
合ガスが好ましい。この他にも溶融塩の中で分解して酸
素ガスを生じるような気体の場合にも同様に非常に有効
であり、その様な気体の代表例としては水蒸気を挙げる
ことができる。
【0036】本発明においては、有害有機化合物、また
は有害有機化合物を含む廃棄物が、溶融塩または溶融塩
の蒸気もしくは気化物の中に供給されて、有害有機化合
物または廃棄物中の有害有機化合物が分解・無害化され
る。
【0037】さらに、有害有機化合物、または有害有機
化合物を含む廃棄物を、溶融塩または溶融塩の蒸気もし
くは気化物の中に供給する代わりに、有害有機化合物、
または有害有機化合物を含む廃棄物の周囲に溶融塩およ
び/または溶融塩の蒸気もしくは気化物を供給して接触
させることにより、有害有機化合物または廃棄物中の有
害有機化合物を分解・無害化することもできる。
【0038】なお本発明において、上述のように有害有
機化合物が焼却排ガス、地下水、飛灰、土壌等の廃棄物
の中に含まれている場合、これらの廃棄物をそのまま溶
融塩中に供給してもよいが、必要に応じて分解反応が起
こり易くなるような何らかの前処理を事前に行った後で
溶融塩中に供給するのであっても何ら問題はない。この
ような前処理としては例えば、 1:焼却灰、飛灰、或いは土壌等の造粒処理、 2:焼却灰、飛灰、或いは土壌等を加熱して含まれてい
る有害有機化合物を加熱ガス化させる処理、 3:気体状、液体状、または固体状の廃棄物の中から含
まれている有害有機化合物だけを有機溶媒を用いて抽出
分離する処理、 4:気体状または液体状の廃棄物の中に含まれている有
害有機化合物を適当な吸着剤に吸着させる処理、等があ
る。なお、これらの前処理は一種類だけに限定されるも
のではなく、例えば加熱ガス化と吸着、或いは溶媒抽出
と吸着と言った様に、二種類以上の前処理操作を組合せ
て行っても構わない。
【0039】以下この各々について簡単に説明する。
【0040】[造粒]固体状の有害有機化合物および/
または有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のよう
な固体状の廃棄物は造粒し、造粒した有害有機化合物ま
たは有害有機化合物を含む固体状の廃棄物を溶融塩およ
び/または溶融塩の蒸気と接触させて有害有機化合物ま
た廃棄物の中に含まれる有害有機化合物を分解・無害化
処理することもできる。
【0041】焼却灰、飛灰、或いは土壌等は通常その見
かけ密度が0.2〜0.4程度と小さく、そのままでは
溶融塩の中にうまく供給できない。したがつて、有害有
機化合物を含む焼却灰、飛灰、或いは土壌に対して造粒
前処理を行うと見かけ密度が大きくなり、溶融塩中への
供給が容易になる。なおこの造粒前処理は、焼却灰、飛
灰、或いは土壌等の廃棄物だけで行うのではなく、バイ
ンダーとして作用する造粒剤を併せて用いて行ってもよ
い。この場合に用いる造粒剤としては、無機塩、特に溶
融塩を形成している各無機塩成分の中から選んだ一種類
または二種類以上を用いることが最も望ましいが、決し
てそれらに限定されるものではなく、有害有機化合物を
分解・無害化する反応に悪影響を及ぼすような物質でな
ければ任意のものを使用することができることは言うま
でもない。
【0042】[加熱ガス化]有害有機化合物が、焼却
灰、飛灰、土壌等の固体状の廃棄物に含まれている場合
には、この有害有機化合物を不活性キャリアガス気流中
で加熱してその中に含まれている有害有機化合物をガス
化し、次いで生成した有害有機化合物のガスを不活性キ
ャリアガスと共に溶融塩または溶融塩の蒸気の中で分解
・無害化することができる。
【0043】有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、或い
は土壌等の固体状の廃棄物をその中に含まれている有害
有機化合物の沸点以上に加熱すると、有害有機化合物が
蒸発気化する。この際に焼却灰、飛灰、或いは土壌の主
要構成成分であるカリウム、カルシウム、ケイ素等の無
機元素の酸化物は、蒸発気化或いは化学変化を起こすこ
となく、そのまま無変化で残る。これによって溶融塩中
への供給が容易になり、その上、灰等の廃棄物の中に低
濃度で分散していた有害有機化合物を分離して濃縮する
こともできる。
【0044】有害有機化合物が有機塩素系溶剤やフロン
類等の場合には、その沸点は最高でも150℃以下(大
半は100℃以下)であり、加熱前処理温度は100〜
200℃程度で十分である。なおこの有機塩素系溶剤や
フロン類等は沸点の割には蒸気圧が大きく、加熱前処理
操作を窒素やアルゴン等の不活性ガス気流中で行えば、
沸点以下の温度であっても容易に全量が蒸発気化する。
また有害有機化合物がPCBやダイオキシン類等の比較
的高沸点の化合物である場合には、この加熱前処理操作
では有害有機化合物を必ずしも完全に蒸発気化させる必
要はなく、部分的に熱分解してガス化されるのであつて
も構わない。
【0045】既述したように、これまでに例えば特開平
5−168728号や特開平8−141547号等で報
告されている、本発明と同様にして灰等を不活性ガス気
流中で加熱してその中に含まれているダイオキシン類を
熱分解する方法や装置の場合には、分解・無害化は不十
分である。
【0046】これに対して本発明の場合には、加熱ガス
化処理は飛灰等の廃棄物中に含まれている有害有機化合
物をそこから分離してキャリアガスと共に溶融塩の中に
供給する目的での前処理操作である。したがつて、有害
有機化合物は塩素を含んでいる有機化合物まで部分分解
するだけでも、更には分解せずに単に蒸発するだけで
も、ガス化しさえすれば全く問題ない。したがって上記
の報告例の場合に比較して、より低い加熱温度、より短
い加熱時間で済むし、ダイオキシン類が再合成されるこ
ともない。
【0047】[抽出分離]有害有機化合物を含む廃棄物
の中から、含まれている有害有機化合物だけを適当な有
機溶媒を用いて抽出分離し、次いで抽出後の有機溶媒を
溶融塩および/または溶融塩の蒸気もしくは気化物と接
触させて溶媒中に溶解している有害有機化合物を分解・
無害化することもできる。
【0048】有害有機化合物は一般的に各種の有機溶剤
に対して大きな溶解度がある。したがって有害有機化合
物が含まれている各種の廃棄物(焼却灰、飛灰、土壌等
の固体状廃棄物だけでなく、各種の廃水、地下水、河川
水等の液体状廃棄物、あるいは焼却排ガス等の気体状廃
棄物)に対して適当な有機溶剤を用いて抽出分離前処理
操作を行うことによって、廃棄物の中に低濃度で含まれ
ている有害有機化合物を分離して濃縮することができ
る。
【0049】抽出用溶媒としては、これらの有害有機化
合物に対して十分大きな溶解性を有し、且つその溶融塩
中での分解・無害化反応に悪影響を与える物でなければ
任意の溶剤を用いることができることは当然である。具
体器には、クロロフルオロカーボン類、クロロメタン
類、クロロエタン類、クロロエチレン類のようなハロゲ
ン化炭化水素系有機溶剤の一種類または二種類以上の混
合物が抽出溶媒として例示される。特に有害有機化合物
が土壌中のPCBやダイオキシン類等の高沸点化合物で
ある場合には、比較的低沸点のハロゲン化炭化水素系有
機溶剤、例えばトリクロロエチレンやフロン類等、を抽
出溶媒として用いることが最も望ましい。この場合に
は、溶媒として用いる溶媒自体が有害有機化合物、即ち
分解・無害化処理対象物質であるため、抽出前処理の為
だけに新たな溶剤を用いる必要がなく、その上これらの
溶剤は低沸点であるので抽出操作後に土壌中に残存する
心配もない。
【0050】有害有機化合物を抽出分離した後の溶液の
溶融塩中へ供給する方法は、そのまま溶液として供給す
る方法が最も普通である。しかし場合に応じて、溶媒を
蒸発除去した後で残った有害有機化合物だけを供給する
方法、或いは溶液を加熱して溶媒と有害有機化合物を共
にガス化して供給する方法等を用いても全く差支えな
い。なお、抽出分離した有害有機化合物を含む溶液の中
から有機溶媒を蒸発させて溶液中の有害有機化合物を濃
縮し、濃縮した後の有機溶媒を溶融塩および/または溶
融塩の蒸気もしくは気化物と接触させて溶媒中に溶解し
ている有害有機化合物を分解・無害化するようにしても
よい。
【0051】[吸着処理]抽出分離された有害有機化合
物を含む溶液の中から有害有機化合物を吸着剤に吸着さ
せ、さらに溶融塩および/または溶融塩の蒸気もしくは
気化物の中で吸着剤に吸着している有害有機化合物を分
解・無害化するようにしてもよい。
【0052】すなわち、液体状あるいは気体状廃棄物の
場合には、吸着前処理を行うことによっても、その中に
低濃度で含まれている有害有機化合物を分離して濃縮す
ることができる。吸着剤としては、これらの有害有機化
合物に対して十分大きな吸着能力を有し、且つ有害有機
化合物の溶融塩中での分解・無害化反応に悪影響を与え
る物でなければ任意の吸着剤を用いることができること
は当然である。しかし、この吸着剤は溶融塩の中で有害
有機化合物と共に容易に分解される物質であることが望
ましい。
【0053】前述したように、焼却炉排ガス中に含まれ
ているダイオキシン類あるいは地下水中や空気中に含ま
れているトリクレンを初めとする有機塩素系溶剤(液体
状でも蒸気状でも)に活性炭を作用させると、その中か
らダイオキシン類を効率よく吸着除去できるのは周知の
事実であり、実際に既に多くの適用例が報告されてい
る。活性炭は炭素であるから、酸化性雰囲気下の溶融塩
中で容易に二酸化炭素にまで酸化される。したがって、
焼却炉排ガスや地下水等を始めとする、各種の固体状ま
たは液体状の廃棄物の中に低濃度で含まれている有害有
機化合物の吸着前処理に用いる吸着剤としては、活性炭
が最も望ましい。しかしながら本発明において、この吸
着剤が決して活性炭に限定されないことは既に述べた通
りである。ダイオキシン類や有機塩素系溶剤等の有害有
機化合物を吸着した活性炭は焼却処理するのが一般的で
あるが、既述したようにこの場合には排ガス系でダイオ
キシン類が再合成されるので、適当な処理方法ではな
い。
【0054】これに対して本発明の場合には、活性炭に
吸着された有害有機化合物(例えばダイオキシン類)は
溶融塩の中で二酸化炭素、水、塩化水素にまで完全に分
解され、さらに塩化水素は溶媒であるアルカリ性溶融塩
と反応して塩化アルカリを形成して安定化される。
【0055】なお、この有害有機化合物の吸着前処理を
単独で行うのではなく、別の前処理法と組合せて用いる
とさらに効果的である。
【0056】具体的には例えば、初めに有害有機化合物
を加熱ガス化させて分離濃縮し、次いでガス化した有害
有機化合物を活性炭等に吸着させ、この活性炭等を溶融
塩中に供給する方法。或いは、初めに有害有機化合物を
抽出分離して濃縮し、次いで抽出後の溶液中から有害有
機化合物を、直接または溶液を加熱ガス化した後で、活
性炭等の吸着剤に吸着させ、この吸着剤を溶融塩中に供
給する方法等が挙げられる。
【0057】ところで、既述したように本発明ではアル
カリ性の溶融塩の一部分は、有害有機化合物の酸化分解
に伴って生成する二酸化炭素、ハロゲン化水素、二酸化
イオウ、リン酸等と結合して、炭酸塩(溶融塩として水
酸化物を用いた場合のみ)、ハロゲン化物、硫酸塩、お
よびリン酸塩に変化する。これらの反応生成塩の濃度が
高くなると、沈殿の生成、融点の上昇、分解発生酸性ガ
ス捕集能力の低下、分解率の低下等の悪影響が現れる恐
れがある。したがつて、使用後の塩を抜き出して元の水
酸化物や炭酸塩などのアルカリ性塩に再生して再使用す
ることが必要になる。したがって、本発明においては、
有害有機化合物を分解・無害化処理した後の溶融塩を再
生し、再生した塩を再度有害有機化合物を溶融塩および
/または溶融塩の蒸気もしくは気化物の中で分解・無害
化処理する際の溶融塩として再使用する。
【0058】塩の再生に用いる手法としては、例えば隔
壁としてβ−アルミナを用いる溶融塩電解法、水溶液化
してイオン交換する等の任意の既存技術を単独で、また
は組合せて用いることができる。塩の再生処理を行った
ことによってロスが生じ、分解処理に必要な塩の量に不
足を来す場合には、別途新たな塩を補充することもでき
る。
【0059】また、使用後の塩を再生せずに、単に不純
物である反応生成塩だけを分離・除去することで元の塩
として精製するようにしてもよい。このような精製法と
しては、例えば各々の塩の水に対する溶解度の違いに基
づいて分別結晶化する方法等が例示される。もちろん結
晶化溶媒として水以外の溶媒を用いても構わないし、さ
らには分別結晶化法以外の精製法を用いてもよい。塩を
精製するだけの場合でも、必要に応じて別途新たな塩を
補充することもできることは言うまでもない。本発明の
有害有機化合物の分解・無害化装置は、無機塩を加熱し
て溶融塩にするための加熱手段と、前記溶融塩を内部に
保持して有害有機化合物と接触させる溶融塩反応槽と、
有害有機化合物または有害有機化合物を含む焼却排ガス
のような気体状の廃棄物、有害有機化合物を含む河川
水、地下水、廃水のような液体状の廃棄物、有害有機化
合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のような固体状の廃棄物
の中のいずれか一種類または二種類以上からなる被処理
物を溶融塩反応槽内に供給する被処理物供給手段と、酸
化剤を前記溶融塩反応槽内に供給する酸化剤供給手段
と、前記被処理物中に含まれていた有害有機化合物を分
解・無害化処理した後の廃棄物を前記溶融塩反応槽外へ
排出する処理物排出手段と、前記溶融塩反応槽中から使
用後の溶融塩を抜出す塩抜出し手段と、前記塩抜出し手
段により抜出した溶融塩を精製および/または再生する
塩精製手段とを備えたことを特徴とする。 本発明の他
の有害有機化合物の分解・無害化装置は、前記加熱手
段、前記溶融塩反応槽、前記酸化剤供給手段、前記被処
理物供給手段、前記処理物排出手段、前記塩抜出し手段
および前記塩精製手段を全て一体化して自動車の荷台に
乗せ、移動処理可能としたことを特徴とする。
【0060】また本発明の他の有害有機化合物の分解・
無害化装置は、無機塩を加熱して溶融塩にするための加
熱手段と、溶融塩を内部に保持して有害有機化合物と接
触させる溶融塩反応槽と、有害有機化合物を含む焼却
灰、飛灰、土壌等の固体状の廃棄物の中から含まれてい
る有害有機化合物だけを有機溶媒によって抽出分離する
ための抽出装置と、抽出分離された有害有機化合物を含
む溶液を溶融塩反応槽内に供給するための溶液供給手段
と、酸化剤を溶融塩反応槽内に供給する酸化剤供給手段
と、溶融塩反応槽中から使用後の溶融塩を抜出す塩抜出
し手段と、抜出した溶融塩を精製および/または再生す
る塩精製手段とを備えたことを特徴とする。 また、さ
らに、本発明の有害有機化合物の分解・無害化装置は、
無機塩を加熱して溶融塩にするための加熱手段と、溶融
塩を内部に保持して有害有機化合物と接触させる溶融塩
反応槽と、有害有機化合物または有害有機化合物を含む
焼却排ガスのような気体状の廃棄物、有害有機化合物を
含む河川水、地下水、廃水のような液体状の廃棄物、有
害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のような固体状
の廃棄物の中のいずれか一種類または二種類以上からな
る被処理物を前記被処理物有害有機化合物を含む焼却
灰、飛灰、土壌等の固体状の廃棄物の中から含まれてい
る有害有機化合物を有機溶媒によって抽出分離するため
の抽出装置と、前記抽出装置により抽出分離された有害
有機化合物を含む溶液の中から有機溶媒を蒸発させて溶
液中の有害有機化合物の濃度を高める濃縮装置と、前記
濃縮装置により濃縮された有害有機化合物の溶液を溶融
塩反応槽内に供給するための供給手段と、酸化剤を前記
溶融塩反応槽内に供給する酸化剤供給手段と、前記溶融
塩反応槽中から使用後の溶融塩を抜出す塩抜出し手段
と、抜出した溶融塩を精製および/または再生する塩精
製手段とを備えたことを特徴とする。
【0061】前記抽出装置に使用する有機溶媒として
は、ハロゲン化炭化水素系溶剤を用いることができる。
【0062】また、さらに、本発明の有害有機化合物の
分解・無害化装置は、無機塩を加熱して溶融塩にするた
めの加熱手段と、前記溶融塩を内部に保持して有害有機
化合物と接触させる溶融塩反応槽と、有害有機化合物を
含む焼却灰、飛灰、土壌等の固体状の廃棄物を不活性キ
ャリアガス気流中で加熱して含まれている有害有機化合
物をガス化する気化槽と、前記気化槽で生成した有害有
機化合物のガスを不活性キャリアガスと共に溶融塩中に
吹込む吹込み管と、酸化剤を前記溶融塩反応槽内に供給
する酸化剤供給手段と、前記溶融塩反応槽中から使用後
の溶融塩を抜出す塩抜出し手段と、前記塩抜出し手段に
より抜出した溶融塩を精製および/または再生する塩精
製手段とを備えたことを特徴とする。
【0063】有害有機化合物の分解・無害化処理装置の
前記吹込み管の吹き出し口部分にはポーラスニッケルお
よび/またはステンレス製のスプリングフィルターを用
いることができる。
【0064】本発明のさらに他の有害有機化合物の分解
・無害化装置は、無機塩を加熱して溶融塩にするための
加熱手段と、前記溶融塩を内部に保持して有害有機化合
物と接触させる溶融塩反応槽と、有害有機化合物を含む
河川水、地下水、廃水等の液体状または焼却排ガス等の
気体状の廃棄物の中から含まれている有害有機化合物を
吸着剤に吸着させるための吸着装置と、前記吸着装置に
より有害有機化合物を吸着した吸着剤を溶融塩中に供給
するための吸着剤供給手段と、前記吸着剤供給手段によ
り有害有機化合物を吸着した吸着剤を溶融塩中に供給す
るための吸着剤供給手段と、酸化剤を前記溶融塩反応槽
内に供給する酸化剤供給手段と、前記溶融塩反応槽中か
ら使用後の溶融塩を抜出す塩抜出し手段と、前記塩抜出
し手段により抜出した溶融塩を精製および/または再生
する塩精製手段とを備えたことを特徴とする。
【0065】また、さらに本発明の有害有機化合物の分
解・無害化装置は、無機塩を加熱して溶融塩にするため
の加熱手段と、前記溶融塩を内部に保持して有害有機化
合物と接触させる溶融塩反応槽と、有害有機化合物を含
む焼却灰、飛灰、土壌等の固体状の廃棄物を加熱して含
まれている有害有機化合物をガス化するための気化槽
と、前記気化槽でガス化した有害有機化合物を吸着剤に
吸着させるための吸着装置と、前記吸着装置により有害
有機化合物を吸着した吸着剤を溶融塩中に供給するため
の吸着剤供給手段と、前記溶融塩反応槽中から使用後の
溶融塩を抜出す塩抜出し手段と、前記塩抜出し手段によ
り抜出した溶融塩を精製および/または再生する塩精製
手段とを備えたことを特徴とする。
【0066】前記吸着剤としては、活性炭を用いること
ができる。
【0067】
【作用】代表的な無機塩の溶融塩は、密度が2g/cm
3 程度、粘性率が10-3Ns/m2 程度でいずれも常温
の水と同オーダーである。また、導電率は20〜50S
/m程度、熱伝導率はIW/m・K程度と金属と同程度
に大きく、融点は500〜1000℃程度と大半の金属
よりも低い。そして、溶融金属に比べて化学的安定性が
大きく化学変化を起こしにくく、全体がほぼ完全に均一
であり、他の多くの無機塩や金属に対して溶解性を有し
ている。溶融塩はこのような性質を有するため、本発明
においては、化学反応の溶媒や熱媒体として機能する。
【0068】本発明において、有害有機化合物は、溶媒
および熱媒体として作用する溶融塩の中で、酸素ガス等
の酸化剤の存在下に次の(1)式〜(4)式に示すよう
な化学反応を起こし、容易に二酸化炭素、水、ハロゲン
化水素、二酸化イオウ、等の無機化合物にまで酸化分解
される。
【0069】 C1 m n +(1+m/4)02 =lC02 +(m/2)H2 O+nHX ・・・・・・(1) C1 m n +(1+m/4+n)O2 =lC02 +(m/2)H2 0 +nSO2 ・・・・(2) C1 m n +(1+m/4)O2 =lC02 +(m/2)H2 0 +(n/2)N2 ・・・・(3) C1 m (PO4 ) n +(1+m/4)O2 =lCO2 +(m/2−3n/2)H2 O+nH3 PO4・・・・・(4) 特に、溶融塩が水酸化物、炭酸塩あるいは硝酸塩の場合
には、これらの溶融塩には次の(5)式に示すように解
離して酸素イオンを遊離する性質があるので、新たに酸
素ガスを供給しなくても溶融塩自身が酸素供給源として
作用し、有害有機化合物の分解反応が進行する。
【0070】 CO3 2-(l)=CO2 (g)+O2 - (l)・・・・・・(5) 溶融塩がアルカリ性である場合には、有害有機化合物が
分解して生成したハロゲン化水素ガスや二酸化イオウガ
ス等の酸性の無機ガスば、アルカリ(溶融塩)によって
中和され、安定で無害な中性のハロゲン化アルカリ塩
(例えば塩化ナトリウム)や硫酸ナトリウム等に変化し
て過剰のアルカリ溶融塩の中に保持され、一切環境中に
放出されることはない。
【0071】本発明が有害有機化合物の分解・無害化に
有効であることは前述した通りであるが、その有効性は
上記有害有機化合物がそれ自体単独で存在している場合
に限定されるものではなく様々な廃棄物や環境試料の中
に含まれている有害有機化合物を分解・無害化する場合
に最も適している。
【0072】具体的には、例えば焼却炉からの排ガス、
焼却灰、飛灰等の中には高濃度のダイオキシン類が含ま
れていることはよく知られている事実であるが、本発明
によりこのようなダイオキシン類を容易に分解・無害化
できる。
【0073】焼却排ガス、焼却灰、飛灰の中には、焼却
前の廃棄物中に含まれていた各種の低沸点有害重金属類
(例えば、ヒ素、鉛、カドミウム、水銀等)が焼却する
際の高温により揮発して高濃度で含まれている場合が多
いが、本発明の処理方法によれば、これらの重金属類は
いずれも溶融塩中に溶解または沈殿して安定に保持され
る。
【0074】また排ガス、焼却灰、飛灰等の中に含まれ
て放出されたダイオキシン類、過去に使用されたDDT
やBHC等の有機塩素系農薬類、貯蔵保管または使用申
の容器等から漏れ出したPCB類、トリクロロエチレン
を初めとする各種の有機塩素系溶剤あるいはフロン類等
は、しばしば土壌中に高濃度で蓄積されている。これら
の有害有機化合物で汚染された土壌に対して、本発明を
適用することによって、汚染物質である有害有機化合物
を選択的に分解・無害化して、土壌を浄化することもで
きる。
【0075】さらに本発明によって有害有機化合物を溶
融塩中で分解・無害化する場合に、必ずしもこれまで述
べてきたように有害有機化合物等を溶融塩の中に供給す
る方式を採る必要はなく、逆に溶融塩の方を有害有機化
合物あるいは有害有機化合物を含有する廃棄物等の周囲
に供給して接触させる方式や、さらには溶融塩をさらに
加熱して蒸発または気化させて有害有機化合物と等と接
触させる方式を採ることもできる。溶融塩の上記や気化
物と接触させる方式の場合には、有害有機化合物等が元
々ガス状であるかまたは加熱ガス化前処理でガス状にな
っていると、分解・無害化反応が気相一気相反応で進行
するので最も望ましい。しかし決してこれに限定される
わけではなく、有害有機化合物等が液体状や固体状であ
っても別段差支えない。
【0076】
【発明の実施の形態】
【0077】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図19を用
いて説明する。
【0078】実施例1 図1は本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方法
の一実施例のフロー図である。
【0079】この実施例では、水酸化ナトリウム1を溶
融2して溶融塩とし、その中に有害有機化合物3と酸化
剤4とを供給することにより、有害有機化合物を分解・
無害化5した。
【0080】分解生成ガス6は、その中に含まれている
有害成分が除去して無害ガスになるよう浄化し7、無害
ガス8として大気に放出9した。一方使用済みの溶融塩
10は、精製して11、水酸化ナトリウム12と炭酸ナ
トリウム他の塩13に分離し、水酸化ナトリウムは再使
用し14、他の塩は廃棄した15。
【0081】なお、炭酸ナトリウム他の塩13は、有害
有機化合物の分解・無害化処理に伴って生成した二酸化
炭素やハロゲン化水素などと水酸化ナトリウムの反応に
より生じた炭酸ナトリウムやハロゲン化ナトリウム等の
塩である。
【0082】実施例2 図2は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法の他の実施例のフロ一図である。
【0083】水酸化ナトリウム21を溶融し、融点以上
に更に加熱してその一部または全部を蒸発・気化させた
22。一方、ダイオキシン類含有灰や土壌等23を加熱
して有害有機化合物を加熱ガス化し24、気化したダイ
オキシン類のガス25を水酸化ナトリウムの上記と酸化
剤26と混合してダイオキシン類を分解させた27。分
解生成ガス28は、その中に含まれている有害成分を除
去して無害ガスになるように浄化し29、無害ガス30
として大気に放出した32。一方使用済の溶融塩32
は、精製して33、水酸化ナトリウム34と炭酸ナトリ
ウム他の塩35に分離し、水酸化ナトリウム34は再使
用し36、他の塩は廃棄した37。
【0084】なお、炭酸ナトリウム他の塩35は、ダイ
オキシシ類との分解・無害化処理に伴って生成した二酸
化炭素、ハロゲン化水素等と水酸化ナトリウムの反応に
より生じた炭酸ナトリウムやハロゲン化ナトリウム等の
塩である。
【0085】実施例3 図3は、本発明のさらに他の有害有機化合物の分解・無
害化処理方法の実施例のフロー図である。
【0086】水酸化ナトリウム40を溶融して41溶融
塩とし、この溶融物中にダイオキシン類を含む焼却排ガ
ス42と酸化剤43とを混合してダイオキシン類を分解
・無害化し44無害化した。分解生成ガス45は浄化し
て46、無害ガス47とし大気に放出した48。
【0087】一方、分解生成ガス45を溶かした使用済
溶融塩49は精製して50、水酸化ナトリウム51と炭
酸ナトリウムやハロゲン化ナトリウム等の他の塩52に
分離し、水酸化ナトリウム51は再使用し53、炭酸ナ
トリウム等の他の塩52は廃棄した54。
【0088】なお、炭酸ナトリウム他の塩52は、ダイ
オキシン類との分解・無害化処理に伴って生成した二酸
化炭素、ハロゲン化水素等と水酸化ナトリウムの反応に
より生じた炭酸ナトリウムやハロゲン化ナトリウム等の
塩である。
【0089】実施例4 図4は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法の別の実施例のフロー図である。
【0090】この実施例では、有害有機化合物を含む焼
却灰、飛灰、土壌等の固体状の廃棄物60を型枠の中で
加圧・造粒した61。また、水酸化ナトリウム62を融
点以上の温度に加熱して溶融塩とした63。次いで廃棄
物の造粒物61と、酸化剤64とを水酸化ナトリウムの
溶融物中に供給し、溶融物中で有害有機化合物を分解・
無害化した65。発生した分解生成ガスは66、その中
に含まれている有害成分を除去して浄化し67、無害ガ
ス68としたうえで大気に放出した69。
【0091】一方使用済みの溶融塩70は、精製して7
1、水酸化ナトリウム72と炭酸ナトリウム他の塩73
に分離し、水酸化ナトリウム72は再使用し74、炭酸
ナトリウム他の塩73は廃棄した74。
【0092】実施例5 図5は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに別の実施例のフロー図である。
【0093】この実施例では、炭酸ナトリウム80を融
点以上に加熱して溶融し81溶融塩とする一方、有害有
機化合物82を含む焼却灰、飛灰、土壌を無水の炭酸ナ
トリウムと混合し83、型枠の中で加圧・造粒して8
4、この造粒物84と酸化剤85とをを炭酸ナトリウム
の溶融塩中に供給しその中で有害有機化合物を分解・無
害化した86。
【0094】分解生成ガス87は、その中に含まれてい
る有害成分を除去して浄化し88、無害ガス89とした
うえで大気に放出した90。一方使用済みの溶融塩91
は、精製して92、炭酸ナトリウム93と塩化ナトリウ
ム他の塩94に分離し、炭酸ナトリウム93は再使用し
95、塩化ナトリウム他の塩94は廃棄した96。
【0095】実施例6 図6は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに別の実施例のフロー図である。
【0096】この実施例では、水酸化ナトリウム100
を融点以上に加熱し溶融して101溶融塩とした。一
方、ダイオキシン類を含む焼却灰、飛灰、土壌等102
の中から適当な抽出用溶媒を用いてダイオキシン類を抽
出分離し103、次いでこの抽出液であるダイオキシン
類の溶液104を、酸化剤105とともに溶融塩中に供
給し、その中でダイオキシン類を分解・無害化した10
6。分解生成ガス106は、その中に含まれている有害
成分が除去されるように浄化し108、浄化された無害
ガス109は大気に放出した110。
【0097】一方使用済みの溶融塩111は、精製して
112、水酸化ナトリウム113と炭酸ナトリウム他の
塩114に分離し、水酸化ナトリウム113は再使用し
115、炭酸ナトリウム他の塩114は廃棄した11
6。
【0098】実施例7 図7は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに別の実施例のフロー図である。
【0099】この実施例では、水酸化ナトリウム120
を融点以上に加熱し溶融して121溶融塩とした。一
方、ダイオキシン類を含む焼却灰、飛灰、土壌等122
の中から適当な抽出用の有機溶媒を用いてダイオキシン
類を抽出分離し123、次いでこの抽出液であるダイオ
キシン類の溶液124から溶媒を蒸発させて濃縮し12
5、最後に残ったダイオキシン類126を酸化剤127
とともに溶融塩中に供給し、その中で分解・無害化した
128。なお、抽出液であるダイオキシン類の溶液12
4から蒸発さぜた有機溶媒129はダイオキシン類の抽
出分離に再使用した。
【0100】分解生成ガス130は、その中に含まれて
いる有害成分が除去されるように浄化し131、浄化さ
れた無害ガス132は大気に放出した133。
【0101】一方使用済みの溶融塩134は、精製して
135、水酸化ナトリウム136と炭酸ナトリウム他の
塩137に分離し、水酸化ナトリウム136は再使用し
138、炭酸ナトリウム他の塩137は廃棄した13
9。
【0102】実施例8 図8、は本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法の他の実施例のフロー図である。
【0103】この実施例では、水酸化ナトリウム140
を融点以上に加熱し溶融して141溶融塩とした。一
方、ダイオキシン類を含む焼却灰、飛灰、土壌等142
の中から適当な抽出用の有機溶媒143を用いてダイオ
キシン類を抽出分離し144、次いでこの抽出液である
ダイオキシン類の溶液145を活性炭のような適当な吸
着剤146に吸着させ、最後にこのダイオキシン類を吸
着した活性炭等147を酸化剤148とともに溶融塩中
に供給して、ダイオキシン類を分解・無害化した14
9。
【0104】分解生成ガス150は、その中に含まれて
いる有害成分が除去されるように浄化し151、浄化さ
れた無害ガス152は大気に放出した153。
【0105】一方使用済みの溶融塩154は、精製して
155、水酸化ナトリウム156だけを分離して再使用
し157、炭酸ナトリウム他の塩158は廃棄した15
9。なお、炭酸ナトリウム他の塩158は、有害有機化
合物の分解・無害化処理に伴って発生したハロゲン化水
素等と反応して生成した炭酸ナトリウム、ハロゲン化ナ
トリウム等の塩である。
【0106】実施例9 図9は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに他の実施例のフロー図である。
【0107】この実施例では、水酸化ナトリウム160
を融点以上に加熱して溶融し161溶融塩とした。一
方、ダイオキシン類を含む焼却灰、飛灰、土壌等162
を窒素ガス気流中で500℃に加熱してダイオキシン類
をガス化し163、次いでこのガス164を前述した窒
素ガスと共に溶融塩中に供給し、これとは別に酸化剤1
65も同じ溶融塩中に供給してダイオキシン類を分解・
無害化した166。
【0108】分解生成ガス167は、その中に含まれて
いる有害成分が除去されるように浄化し168、浄化さ
れた無害ガス169は大気に放出した170。
【0109】一方使用済みの溶融塩171は、精製して
172、水酸化ナトリウム173だけを分離して再使用
し174、炭酸ナトリウム他の塩175は廃棄した17
6。
【0110】実施例10 図10は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
方法のさらに他の実施例のフロー図である。
【0111】この実施例では、水酸化ナトリウム180
を融点以上に加熱して溶融し181溶融塩とした。一
方、ダイオキシン類を含む焼却灰、飛灰、土壌等182
を窒素ガス気流中で500℃に加熱してダイオキシン類
をガス化し183、次いでこのガス184の中からダイ
オキシン類を活性炭等の適当な吸着剤に吸着させ18
5、最後にこの活性炭等の吸着剤186を前記の窒素ガ
スと共に溶融塩中に供給し、これとは別に酸化剤187
も同じ溶融塩中に供給してダイオキシン類を分解・無害
化した188。
【0112】分解生成ガス189は、その中に含まれて
いる有害成分が除去されるように浄化し190、浄化さ
れた無害ガス191は大気に放出した192。
【0113】一方使用済みの溶融塩193は、精製して
194、水酸化ナトリウム195だけを分離して再使用
し196、炭酸ナトリウム他の塩197は廃棄した19
8。なお、炭酸ナトリウム他の塩197は、有害有機化
合物の分解・無害化処理に伴って発生したハロゲン化水
素等と反応して生成した炭酸ナトリウム、ハロゲン化ナ
トリウム等の塩である。
【0114】実施例11 図11は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
方法のさらに他の実施例のフロ−図である。
【0115】この実施例では、水酸化ナトリウム200
を融点以上に加熱して溶融し201溶融塩とした。一
方、ダイオキシン類等の有害有機化合物を含む焼却排ガ
ス202の中からダイオキシン類を活性炭等の適当な吸
着剤に吸着させ203、次にこのダイオキシン類を吸着
した活性炭等の吸着剤204を、酸化剤205とともに
溶融塩中に供給してダイオキシン類を分解・無害化した
206。
【0116】分解生成ガス207は、その中に含まれて
いる有害成分が除去されるように浄化し208、浄化さ
れた無害ガス209は大気に放出した210。
【0117】一方使用済みの溶融塩211は、精製して
212、水酸化ナトリウム213だけを分離して再使用
し214、炭酸ナトリウム他の塩215は廃棄した21
6。
【0118】実施例12 図12は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の一実施例の構成を概略的に示した図である。
【0119】この有害有機化合物の分解・無害化処理装
置は、ヒーター300を備えた溶融塩反応槽301と、
有害有機化合物または有害有機化合物を含む被処理物3
02を溶融塩反応槽301内に供給するヒーター300
を備えた有機物供給装置303と、酸素や酸素含有気体
のような酸化剤を溶融塩反応槽301内に供給する酸化
剤供給装置304と、溶融塩反応槽301内の溶融塩3
05を精製する塩生成装置306と、有害有機化合物3
02の分解により発生したガスを凝縮するベーパートラ
ップ307と、ベーパートラップ307を通過したガス
を精製するガス精製装置308とを備えている。なお、
本発明においては、分解生成物は、全て溶融塩中にトラ
ップされるので、正常な運転中にはベーパートラップ3
07やガス精製装置308が機能することはないが、万
一誤操作や何らかの異常が生じて分解生成物ガスが溶融
塩外に放出した場合のために設けたものである。
【0120】また、溶融塩反応槽301と有機物供給装
置303を連結する配管309、溶融塩反応槽301と
塩生成装置306を連結する循環配管310および溶融
塩反応槽301とベーパートラップ307を連結する排
気管311には、それぞれバンドヒータのようなヒータ
ー300が装着されている。
【0121】次にこの装置を用いた有害有機化合物の分
解・無害化処理方法について説明する。
【0122】水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムのよう
な無機塩を溶融塩305として保持する溶融塩反応槽3
01は、その周囲に設置されたヒーター300により溶
融塩305の融点以上の高温に加熱されている。有機物
供給装置303に収容された気体状または液体状の有害
有機化合物または有害有機化合物を含む廃棄物302は
配管309によって溶融塩反応槽301に供給される。
有害有機化合物の供給は配管309に介挿された止弁9
Aによって制御される。
【0123】一方、酸化剤供給装置304からは、気体
状の酸化剤または酸化剤を含むカバーガスが配管320
および配管309によって溶融塩反応槽301内に供給
され、該反応槽301内で溶融塩305と接触して有害
有機化合物は酸化剤の作用により分解・無害化される。
なお、酸化剤供給装置304には高圧で酸化剤が収容さ
れており、減圧弁10を介して減圧された後配管309
に供給される。なお、配管309から有害有機化合物が
逆流するのを防止するため配管320は逆止弁11Aを
介して配管309に接続されている。
【0124】配管311を通って溶融塩反応槽301を
出たカバーガスは、ベーパートラップ307で希に随伴
する溶融塩の蒸気やミスト等の固体状および液体状の不
純物が除去され、ガス精製装置308で分解生成ガス等
の気体状の不純物が除去されて、ガス循環ポンプ312
により再び溶融塩反応槽301内に還流する。なお、有
害有機化合物を完全に溶融塩中に閉じ込めた状態で反応
を行わせる場合には、排気管311の止弁12A、13
Aが閉じられる。
【0125】有害有機化合物の分解生成物は溶融塩反応
槽301内で溶融塩305および/または酸化剤と反応
し、反応生成物の殆どは溶融塩中に溶解する。したがっ
て、溶融塩は有害有機化合物の処理が進むに連れて分解
・無害化の性能が劣化する。そこで、溶融塩は所定の時
間ごとに、または劣化が所定の基準以下と判定されると
止弁14Aの操作によって塩抜出しライン313から抜
出され、塩精製装置306で精製および/または再生さ
れる。再生された溶融塩は、止弁8Aの操作により再び
循環配管313を経て溶融塩反応槽301内に戻される
が、このとき精製過程で若干減量する。溶融塩の量が少
なくなったときには、必要に応じて塩供給系(図示せ
ず)から新たな塩が追加される。
【0126】実施例13 図13は本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理装
置の他の実施例を概略的に示す図である。
【0127】なお、以下の実施例の説明において、実施
例12の有害有機化合物の分解・無害化処理装置と共通
する部分には同一符号を付して、重複する説明を省略す
る。この実施例の装置は、固体の有害有機化合物または
有害有機化合物を含有する廃棄物から、結城溶媒を抽出
溶媒として有害有機化合物を抽出して分解・無害化処理
すベく、実施例12の有機物供給装置303に抽出装置
320を設けたものである。
【0128】この装置では、抽出装置320の上に、固
体の有害有機化合物または有害有機化合物を含有する固
体廃棄物を供給する有害有機化合物供給装置321と溶
媒供給装置322が配置され、それぞれ遮断弁15A、
止弁16Aの操作により、有害有機化合物と溶媒を抽出
装置320に供給するように構成されている。
【0129】抽出された有害有機化合物の溶液は抽出装
置320の止弁17Aの操作により有機物供給装置30
3に連続的または間欠的に供給される。
【0130】有機物供給装置303に供給された有害有
機化合物の分解・無害化処理は、実施例12と同様にし
て行われる。
【0131】実施例14 図14は本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理装
置の他の実施例を概略的に示す図である。
【0132】この実施例の装置は、実施例13の装置に
おいて、抽出装置320で抽出された有害有機化合物の
溶液を濃縮したうえで有機物供給装置303に供給する
ようにしたものである。
【0133】すなわち、この実施例の装置では、抽出装
置320で抽出された有害有機化合物の溶液は、抽出装
置320の出口配管325の止弁18Aの操作により、
濃縮装置327に供給される。ここで溶媒の蒸発によっ
て有害有機化合物の溶液が濃縮され、この濃縮された有
害有機化合物の高濃度溶液が、止弁19Aの操作によっ
て出口配管329を通って有機物供給装置303に供給
される。
【0134】蒸発した溶媒は止弁20Aの操作によって
溶媒溜328に回収されて抽出溶媒として再使用され
る。
【0135】有害有機化合物の分解・無害化処理操作は
実施例12と同様に行われる。
【0136】実施例15 図15は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【0137】この実施例は、有害有機化合物を含有する
固形の廃棄物から、加熱によって有害有機化合物を分離
して分解・無害化処理を施すようにしたものである。
【0138】この実施例の装置では、実施例12の有機
物供給装置303の代わりに、有害有機化合物の加熱ガ
ス化装置330が設置されている。
【0139】加熱ガス化装置330のシリンダ状の本体
331の一端の上部には、ホッパー332が設けられ、
本体331とホッパー332とは遮断弁20Aで仕切ら
れている。
【0140】本体331内にはスクリュー333が内挿
され、さらに本体331には全体にわたってヒーター3
00が埋設されている。
【0141】本体331のホッパー332の下方には、
溶融塩反応槽301に至る有機物供給管335が設けら
れ、本体331の他端にはキャリヤガス導入管336が
設けられている。
【0142】さらに本体331の他端側には残渣案内管
337が設けられ、その出口側は遮断弁21Aによって
常時は閉の状態とされている。
【0143】この実施例の装置では、シリンダ状の本体
331がヒーター330により有害有機化合物の沸点ま
たは気化温度まで加熱昇温され、遮断弁20Aを開放し
てホッパー332から本体331内に有害有機化合物を
含有する固形の廃棄物を供給すると、この廃棄物はスク
リュー333により出口側へ移送されつつ有害有機化合
物の沸点または気化温度にまで昇温されて廃棄物中に含
有されていた有害有機化合物はガスとしてシリンダー状
の本体331内に放出される。ここで遮断弁22Aを開
放するとともに、キャリヤガス導入管336の止弁23
Aを開放してキャリヤガスを本体331内に導入すると
ともに止弁22Aを開放すると、廃棄物から気化した有
害有機化合物のガスは、配管335を通って溶融塩反応
槽301の溶融塩内に導入される。
【0144】溶融塩反応槽301内に導入された有害有
機化合物のガスは実施例12で説明したプロセスで分解
・無害化処理される。
【0145】一方、シリンダ状の本体331内で有害有
機化合物のガスを放出した廃棄物の残渣は、遮断弁21
Aを開放することにより残渣案内管337の出口から排
出される。
【0146】有機物供給装置303に供給された有害有
機化合物の分解・無害化処理は、実施例12と同様にし
て行われる。
【0147】実施例16 図16は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【0148】この実施例は、有害有機化合物を吸着剤に
吸着させて分解・無害化処理を施すようにしたものであ
る。
【0149】この実施例は、実施例12の有機物供給装
置303の代わりに、有害有機化合物の吸着装置340
と吸着剤供給装置341が設置されている。
【0150】吸着装置340は、スクリュー式の押出機
に類似した構造をしており、ホッパー342から活性炭
のような吸着剤と有害有機化合物を溶解した液体廃棄物
や気体廃棄物を供給すると活性炭のような吸着剤はスク
リュー343で撹拌されつつ有害有機化合物を吸着す
る。活性炭のような吸着剤は撹拌されつつ本体内を前進
する過程で液体廃棄物中の有害有機化合物や気体中の有
害有機化合物を吸着して濃縮する。
【0151】この有害有機化合物を吸着した吸着剤と液
体廃棄物は、吸着剤供給装置341に供給され、遮断弁
25Aを開放すると、有害有機化合物を吸着した吸着剤
と液体は溶融塩反応槽301に供給されて分解・無害化
処理が行われる。
【0152】有害有機化合物を吸着剤に吸着させた後の
液体廃棄物は、溶融塩反応槽301に供給する前に分離
して別に処理してもよいが、吸着剤とともに溶融塩反応
槽301へ供給するようにしてもよい。
【0153】有機物供給装置303に供給された有害有
機化合物の分解・無害化処理は、実施例12と同様にし
て行われる。
【0154】実施例17 図17は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【0155】この実施例は、吸着装置340の前段に実
施例15の加熱ガス化装置330を配設したものであ
る。
【0156】この実施例では、有害有機化合物を含有す
る固形の廃棄物が、ホッパー332に供給され、実施例
16と同様にして有害有機化合物がガス化され、このガ
ス化した有害有機化合物が吸着装置340に供給され
て、有害有機化合物が吸着剤に吸着され、この有害有機
化合物を吸着した吸着剤が溶融塩反応槽301に供給さ
れて分解・無害化処理が行われる。
【0157】有機物供給装置303に供給された有害有
機化合物の分解・無害化処理は、実施例12と同様にし
て行われる。
【0158】実施例18 図18は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例の構成を概略的に示す図である。
【0159】この実施例の装置には、溶融塩反応槽30
1内に直立した円板状の回転体360が設置され、この
回転体360の外周から観覧車のように複数のバスケッ
ト361が揺動自在に垂下されている。溶融塩反応槽3
01の一方の側には、このバスケット361に有害有機
化合物または有害有機化合物を含む廃棄物を定量ずつ供
給するスクリュー式の廃棄物供給装置363が設置され
他方の側には、溶融塩に浸漬して分解・無害化処理を行
った後のバスケット361の収容物の残渣を取り出す残
渣取出装置364が設置されている。
【0160】溶融塩反応槽301内には溶融塩305が
回転体360の高さの半分よりやや低いレベルまで収容
されている。
【0161】この実施例の装置では、回転体360が図
で右回りにゆっくりと回転しており、バスケット361
が廃棄物供給装置363の位置までくると廃棄物供給装
置360のスクリュー362が回転して有害有機化合物
を含む廃棄物の一定量がバスケット361に供給され
る。
【0162】このようにして順に廃棄物で満たされたバ
スケット361はやがて溶融塩305中に浸漬され、こ
こで廃棄物の分解・無害化処理が行われる。
【0163】回転体360が回転を続けてバスケット3
61が溶融塩305から出て残渣取出し装置364の位
置までくると、バスケット361が残渣取出装置364
側に傾動して内容物の分解残渣を残渣取出装置364へ
落下させる。そして、このバスケット361が再び廃棄
物供給装置363の位置までいくと有害有機化合物を含
む廃棄物の一定量がバスケット361に供給されて順次
分解・無害化処理が行われる。
【0164】実施例19 図19は、本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【0165】この実施例では、有害有機化合物を含む固
体状の廃棄物を対象とした車載式の装置として構成され
ている。
【0166】この実施例の装置は、トレーラー370の
車台371に、横型にした溶融塩反応槽301を搭載
し、溶融塩211を溶融塩反応槽301のヒーター30
0により所定の温度に加熱している。
【0167】溶融塩反応槽301の上には、スクリュー
式の加熱ガス化装置330を設置したものである。加熱
ガス化装置330の一方の側にはホッパー332が設け
られ、他方の側には残渣案内管337が設けられ、その
出口側には遮断弁21Aが設けられている。
【0168】加熱ガス化装置330の本体には、気化し
た有害有機化合物のガスを溶融塩反応槽301の溶融塩
中に導く複数のガス導入管372が設けられている。
【0169】加熱ガス化装置330の本体出口側には、
排気管373が設けられベーパートラツプ374に接続
されている。排気管373には止弁40Aが設けられ、
常時は排気管373を閉じている。
【0170】この実施例の装置は、溶融塩反応槽301
を所定の温度に加熱して装入した溶融塩305を溶融す
るとともに、ヒーター300により本体内部を有害有機
化合物の気化温度にまで昇温させ、この状態でコンベヤ
装置375により有害有機化合物を含む固形の廃棄物を
ホッパー332に供給する。
【0171】有害有機化合物を含む固形の廃棄物は、本
体内でスクリューにより撹拌されつつ前進する過程で有
害有機化合物をガスとして放出し、このガスはガス導入
管372により溶融塩反応槽301に導入されて分解・
無害化処理が行われる。
【0172】一方、有害有機化合物をガスとして放出し
た廃棄物の残渣は、遮断弁390が開放されて残渣案内
管337から排出されコンベヤ装置380により図示し
ない搬送車に移送される。
【0173】なお、図示を省略したが、この実施例の装
置は、他の実施例で説明したような塩抜出し手段および
塩精製手段も車載しており、連続的に、または溶融塩3
05の劣化が進んだ時に溶融塩を精製するようになって
いる。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有害有機化合物を、処理の過程で有害な化合物を一切環
境中に排出することなしに無害な化合物にまで分解する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法の一実施例のフロー図である。
【図2】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法の他の実施例のフロー図である。
【図3】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに他の実施例のフロー図である。
【図4】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法の別の実施例のフロー図である。
【図5】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに別の実施例のフロー図である。
【図6】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに別の実施例のフロー図である。
【図7】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに別の実施例のフロー図である。
【図8】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法の他の実施例のフロー図である。
【図9】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理方
法のさらに別の実施例のフロー図である。
【図10】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
方法のさらに他の実施例のフロー図である。
【図11】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
方法のさらに他の実施例のフロー図である。
【図12】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の一実施例の構成を概略的に示す図である。
【図13】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例の構成を概略的に示す図である。
【図14】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【図15】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例の構成を概略的に示す図である。
【図16】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【図17】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例の構成を概略的に示す図である。
【図18】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【図19】本発明の有害有機化合物の分解・無害化処理
装置の他の実施例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
300……ヒーター、301……溶融塩反応槽、303
……有機物供給装置、304……酸化剤供給装置、30
6……塩生成装置、307……ベーパートラップ、30
8……ガス精製装置、313……ガス循環ポンプ、32
0……抽出装置、321……有害有機化合物供給装置、
322……溶媒供給装置、327……濃縮装置、328
……溶媒溜、330……加熱ガス化装置、331……シ
リンダ状の本体、332……ホッパー、333……スク
リュー、335……有機物供給管、336……キャリヤ
ガス導入管、337……残渣案内管、340……の吸着
装置、341……吸着剤供給装置、342……ホッパ
ー、360……回転体、361……バスケット、363
……廃棄物供給装置、364……残渣取出装置、370
……トレーラー、371……車台、373……排気管、
374……ベーパートラツプ、380……コンベヤ装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/58 C07B 35/06 4H006 1/72 B09B 3/00 304K 1/74 304G C07B 35/06 (72)発明者 藏屋 英介 神奈川県横浜市金沢区富岡東2丁目8番4 −501号 (72)発明者 鵜木 和夫 神奈川県川崎市幸区神奈川県川崎市幸区小 向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発セ ンター内 (72)発明者 東海林 裕一 神奈川県川崎市幸区神奈川県川崎市幸区小 向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発セ ンター内 (72)発明者 宇都宮 一博 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 永山 賢一 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 吉岡 律夫 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 落合 稔 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 2E191 BA11 BA12 BB01 BC01 BC05 BD11 4D004 AA36 AA41 AB07 BA06 CA22 CA29 CA34 CA36 CA47 CA50 CC01 CC02 CC04 CC11 DA03 DA06 4D017 AA01 BA04 CA03 CB01 DA05 EA10 4D038 AA02 AA08 AB07 AB12 AB13 AB14 AB15 BB01 BB02 BB05 BB06 BB08 BB10 BB16 4D050 AA02 AA12 AB17 AB18 AB19 AB20 BB01 BB09 BB20 BC01 BC02 BC10 BD02 BD03 BD06 BD08 CA05 CA06 CA08 CA10 CA20 4H006 AA04 AA05 AC13 BE30 BE32

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害有機化合物または有害有機化合物を
    含む廃棄物を酸化剤の存在下に溶融塩の中で分解・無害
    化処理し、処理後の塩を精製および/または再生し、更
    に精製および/または再生した後の塩を、新たな有害有
    機化合物を溶融塩の中で分解・無害化処理する際の溶融
    塩として再使用することを特徴とする有害有機化合物の
    分解・無害化処理方法。
  2. 【請求項2】 溶融塩を加熱してその一部または全部を
    蒸発または気化させ、酸化剤の存在下に有害有機化合物
    および/または有害有機化合物を含む廃棄物を前記溶融
    塩の蒸気又は気化物の中で分解・無害化処理し、処理後
    の塩を精製および/または再生し、更に精製および/ま
    たは再生した後の塩を、新たな有害有機化合物を溶融塩
    の蒸気または気化物の中で分解・無害化処理する際の蒸
    気又は気化物の発生源として再使用することを特徴とす
    る有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  3. 【請求項3】 溶融塩の主成分がアルカリ金属および/
    またはアルカリ土類金属の水酸化物および/または炭酸
    塩の一種類または二種類以上の混合物であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法。
  4. 【請求項4】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解・
    無害化処理方法において、酸化剤として酸素ガス、空気
    のような酸素を含む混合ガスおよび/または水蒸気や過
    酸化水素のような溶融塩中で分解して酸素を生じる性質
    を有する物質の中の一種類または二種類以上を使用する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  5. 【請求項5】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解・
    無害化処理方法において、溶融塩の温度が300〜70
    0℃であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    か1項に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理方
    法。
  6. 【請求項6】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解・
    無害化処理方法において、有害有機化合物および/また
    は有害有機化合物を含む焼却排ガスのような気体状の廃
    棄物、有害有機化合物を含む河川水、地下水、廃水のよ
    うな液体状の廃棄物および有害有機化合物を含む焼却
    灰、飛灰、土壌のような固体状の廃棄物の中のいずれか
    一種類または二種類以上を溶融塩または溶融塩の蒸気も
    しくは気化物の中に供給することにより、有害有機化合
    物または有害有機化合物を含む廃棄物中の有害有機化合
    物を分解・無害化することを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれか1項に記載の有害有機化合物の分解・無害
    化処理方法。
  7. 【請求項7】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解・
    無害化処理方法において、有害有機化合物または有害有
    機化合物を含む焼却排ガス等の気体状の廃棄物、有害有
    機化合物を含む河川水、地下水、廃水等の液体状の廃棄
    物および有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌等の
    固体状の廃棄物の中のいずれか一種類または二種類以上
    の周囲に溶融塩および/または溶融塩の蒸気もしくは気
    化物を供給して接触させることにより、有害有機化合物
    および/または有害有機化合物を含む各種の廃棄物中の
    有害有機化合物を分解・無害化することを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれか1項に記載の有害有機化合物
    の分解・無害化処理方法。
  8. 【請求項8】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解・
    無害化処理方法において、有害有機化合物および/また
    は有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のような固
    体状の廃棄物を造粒し、造粒した有害有機化合物および
    /または有害有機化合物を含む固体状の廃棄物を溶融塩
    および/または溶融塩の蒸気もしくは気化物と接触させ
    ることにより造粒した有害有機化合物および/または造
    粒した固体状の廃棄物の中に含まれている有害有機化合
    物を分解・無害化処理することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理方
    法。
  9. 【請求項9】 有害有機化合物および/または有害有機
    化合物を含む固体状の廃棄物を造粒するための造粒剤と
    して無機塩を用いることを特徴とする請求項8に記載の
    有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  10. 【請求項10】 造粒剤として用いる無機塩が、溶融塩
    の成分中のいずれか一種類または二種類以上であること
    を特徴とする請求項9に記載の有害有機化合物の分解・
    無害化処理方法。
  11. 【請求項11】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、有害有機化合物を含む焼却
    排ガスのような気体状の廃棄物、有害有機化合物を含む
    河川水、地下水、廃水のような液体状の廃棄物および/
    または有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のよう
    な固体状の廃棄物の中から、含まれている有害有機化合
    物だけを適当な有機溶媒を用いて抽出分離し、次いで抽
    出後の有機溶媒を溶融塩および/または溶融塩の蒸気も
    しくは気化物と接触させて溶媒中に溶解している有害有
    機化合物を分解・無害化することを特徴とする請求項1
    または2に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理方
    法。
  12. 【請求項12】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、有害有機化合物を含む焼却
    排ガスのような気体状の廃棄物、有害有機化合物を含む
    河川水、地下水、廃水のような液体状の廃棄物および/
    または有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のよう
    な固体状の廃棄物の中から、含まれている有害有機化合
    物だけを適当な有機溶媒を用いて抽出分離し、次いで抽
    出分離された有害有機化合物を含む溶液の中から有機溶
    媒を蒸発させて溶液中の有害有機化合物を濃縮し、濃縮
    した後の有機溶媒を溶融塩および/または溶融塩の蒸気
    もしくは気化物と接触させて溶媒中に溶解している有害
    有機化合物を分解・無害化することを特徴とする請求項
    1または2に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理
    方法。
  13. 【請求項13】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、有害有機化合物を含む焼却
    排ガスのような気体状の廃棄物、有害有機化合物を含む
    河川水、地下水、廃水のような液体状の廃棄物および/
    または有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のよう
    な固体状の廃棄物の中から、含まれている有害有機化合
    物だけを適当な抽出用溶媒を用いて抽出分離し、次いで
    抽出分離された有害有機化合物を含む溶液の中から有害
    有機化合物を吸着剤に吸着させ、さらに溶融塩および/
    または溶融塩の蒸気もしくは気化物の中で吸着剤に吸着
    している有害有機化合物を分解・無害化することを特徴
    とする請求項1または2に記載の有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法。
  14. 【請求項14】 抽出用溶媒としてハロゲン化炭化水素
    系有機溶剤を用いることを特徴とする請求項11ないし
    13のいずれか1項に記載の有害有機化合物の分解・無
    害化処理方法。
  15. 【請求項15】 ハロゲン化炭化水素系有機溶剤として
    クロロフルオロカーボン類、クロロメタン類、クロロエ
    タン類、クロロエチレン類の中の一種類または二種類以
    上の混合物を用いることを特徴とする請求項14に記載
    の有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  16. 【請求項16】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、有害有機化合物を含む焼却
    灰、飛灰、土壌等の固体状の廃棄物を不活性キャリアガ
    ス気流中で加熱してその中に含まれている有害有機化合
    物をガス化し、次いで生成した有害有機化合物のガスを
    不活性キャリアガスと共に溶融塩または溶融塩の蒸気の
    中で分解・無害化することを特徴とする請求項1または
    2に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  17. 【請求項17】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、有害有機化合物を含む焼却
    灰、飛灰、土壌等の固体状の廃棄物を不活性キャリアガ
    ス気流中で加熱して含まれている有害有機化合物をガス
    化し、次いで生成した有害有機化合物のガスを吸着剤に
    吸着させ、有害有機化合物のガスを吸着した吸着剤を溶
    融塩または溶融塩の蒸気もしくは気化物の中で分解・無
    害化することを特徴とする請求項1または2記載の有害
    有機化合物の分解・無害化処理方法。
  18. 【請求項18】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、有害有機化合物を含む溶液
    中および/またはガス中から有害有機化合物だけを選択
    的に吸着剤に吸着させ、次いで有害有機化合物を吸着し
    た吸着剤を溶融塩中に供給して分解・無害化することを
    特徴とする請求項1または2記載の有害有機化合物の分
    解・無害化処理方法。
  19. 【請求項19】 吸着剤として活性炭を用いることを特
    徴とする請求項17または18に記載の有害有機化合物
    の分解・無害化処理方法。
  20. 【請求項20】 有害有機化合物が、有害有機ハロゲン
    化合物であることを特徴とする請求項1ないし19のい
    ずれか1項に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理
    方法。
  21. 【請求項21】 有害有機ハロゲン化合物が、ポリクロ
    ロ−p−ジベンゾジオキシン類、ポリクロロジベンゾフ
    ラン類、ポリクロロビフェニル類、ポリブロモビフェニ
    ル類、クロロベンゼン類、クロロフェノール類、ハロゲ
    ン化メタン類、ハロゲン化エタン類、ハロゲン化エチレ
    ン類、塩化ビニル、1,1,1−トリクロロ−2,2−
    ビス(p−クロロフェニル)エタン(略称DDT)、ヘ
    キサクロロシクロヘキサン(別名ベンゼンヘキサクロリ
    ド、略称BHC)、アルドリン、エンドリン、ディルド
    リンおよびクロルダンからなる群から選ばれた一種類ま
    たは二種類以上の混合物であることを特徴とする請求項
    20に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  22. 【請求項22】 有害有機化合物が、ニトリル類、シア
    ンヒドリン類、イソシアネート類のような有機シアン化
    合物、ニトロベンゼンのような有機ニトロ化合物および
    ベンジジンやナフチルアミンのような有機アミノ化合物
    からなる群から選ばれた一種類または二種類以上の有害
    有機窒素化合物であることを特徴とする請求項1ないし
    19のいずれか1項に記載の有害有機化合物の分解・無
    害化処理方法。
  23. 【請求項23】 有害有機化合物が、硫酸ジメチルのよ
    うな有害有機イオウ化合物であることを特徴とする請求
    項1ないし19のいずれか1項に記載の有害有機化合物
    の分解・無害化処理方法。
  24. 【請求項24】 有害有機化合物が、パラチオンやメチ
    ルパラチオンのような有害有機リン化合物であることを
    特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の
    有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  25. 【請求項25】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、処理後の塩を溶融塩電解法
    により再生し、再生した塩を、再度有害有機化合物を溶
    融塩および/または溶融塩の蒸気もしくは気化物の中で
    分解・無害化処理する際の溶融塩として再使用すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の有害有機化合物
    の分解・無害化処理方法。
  26. 【請求項26】 溶融塩電解の際に用いられる電解槽の
    隔壁がβアルミナからなることを特徴とする請求項25
    に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  27. 【請求項27】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、処理後の塩を水溶液化し、
    イオン交換処理することにより再生して、再生した塩
    を、再度有害有機化合物を溶融塩および/または溶融塩
    の蒸気もしくは気化物の中で分解・無害化処理する際の
    溶融塩として再使用することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  28. 【請求項28】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、処理後の塩の中から元の塩
    だけを優先的に分離・回収し、回収した塩を再度有害有
    機化合物の分解・無害化処理する際の溶融塩として再使
    用することを特徴とする請求項1または2に記載の有害
    有機化合物の分解・無害化処理方法。
  29. 【請求項29】 溶融塩を用いる有害有機化合物の分解
    ・無害化処理方法において、処理後の塩の中に含まれて
    いる各成分塩の水に対する溶解度の差を利用して元の塩
    だけを優先的に分離・回収することを特徴とする請求項
    28に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理方法。
  30. 【請求項30】 無機塩を加熱して溶融塩にするための
    加熱手段と、 前記溶融塩を内部に保持して有害有機化合物と接触させ
    る溶融塩反応槽と、 有害有機化合物または有害有機化合物を含む焼却排ガス
    のような気体状の廃棄物、有害有機化合物を含む河川
    水、地下水、廃水のような液体状の廃棄物および有害有
    機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のような固体状の廃
    棄物の中のいずれか一種類または二種類以上からなる被
    処理物を溶融塩反応槽内に供給する被処理物供給手段
    と、 酸化剤を前記溶融塩反応槽内に供給する酸化剤供給手段
    と、 前記被処理物中に含まれていた有害有機化合物を分解・
    無害化処理した後の廃棄物を前記溶融塩反応槽外へ排出
    する処理物排出手段と、 前記溶融塩反応槽中から使用後の溶融塩を抜出す塩抜出
    し手段と、 前記塩抜出し手段により抜出した溶融塩を精製および/
    または再生する塩精製手段とを備えたことを特徴とする
    有害有機化合物の分解・無害化処理装置。
  31. 【請求項31】 前記加熱手段、前記溶融塩反応槽、前
    記酸化剤供給手段、前記被処理物供給手段、前記処理物
    排出手段、前記塩抜出し手段および前記塩精製手段を全
    て一体化して自動車の荷台に乗せ、移動処理可能として
    なることを特徴とする請求項30に記載の有害有機化合
    物の分解・無害化処理装置。
  32. 【請求項32】 無機塩を加熱して溶融塩にするための
    加熱手段と、 溶融塩を内部に保持して有害有機化合物と接触させる溶
    融塩反応槽と、 有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌等の固体状の
    廃棄物の中から含まれている有害有機化合物だけを有機
    溶媒によって抽出分離するための抽出装置と、 抽出分離された有害有機化合物を含む溶液を溶融塩反応
    槽内に供給するための溶液供給手段と、 酸化剤を溶融塩反応槽内に供給する酸化剤供給手段と、 溶融塩反応槽中から使用後の溶融塩を抜出す塩抜出し手
    段と、 抜出した溶融塩を精製および/または再生する塩精製手
    段とを備えたことを特徴とする有害有機化合物の分解・
    無害化処理装置。
  33. 【請求項33】 無機塩を加熱して溶融塩にするための
    加熱手段と、 溶融塩を内部に保持して有害有機化合物と接触させる溶
    融塩反応槽と、 有害有機化合物または有害有機化合物を含む焼却排ガス
    のような気体状の廃棄物、有害有機化合物を含む河川
    水、地下水、廃水のような液体状の廃棄物、有害有機化
    合物を含む焼却灰、飛灰、土壌のような固体状の廃棄物
    の中のいずれか一種類または二種類以上からなる廃棄物
    の中から含まれている有害有機化合物を有機溶媒によっ
    て抽出分離するための抽出装置と、 前記抽出装置により抽出分離された有害有機化合物を含
    む溶液の中から有機溶媒を蒸発させて溶液中の有害有機
    化合物の濃度を高める濃縮装置と、 前記濃縮装置により濃縮された有害有機化合物の溶液を
    溶融塩反応槽内に供給するための供給手段と、 酸化剤を前記溶融塩反応槽内に供給する酸化剤供給手段
    と、 前記溶融塩反応槽中から使用後の溶融塩を抜出す塩抜出
    し手段と、 抜出した溶融塩を精製および/または再生する塩精製手
    段とを備えたことを特徴とする有害有機化合物の分解・
    無害化処理装置。
  34. 【請求項34】 有機溶媒としてハロゲン化炭化水素系
    溶剤を用いることを特徴とする請求項32または33に
    記載の有害有機化合物の分解・無害化処理装置。
  35. 【請求項35】 無機塩を加熱して溶融塩にするための
    加熱手段と、 前記溶融塩を内部に保持して有害有機化合物と接触させ
    る溶融塩反応槽と、 有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌等の固体状の
    廃棄物を不活性キャリアガス気流中で加熱して含まれて
    いる有害有機化合物をガス化する気化槽と、 前記気化槽で生成した有害有機化合物のガスを不活性キ
    ャリアガスと共に溶融塩中に吹込む吹込み手段、 酸化剤を前記溶融塩反応槽内に供給する酸化剤供給手段
    と、 前記溶融塩反応槽中から使用後の溶融塩を抜出す塩抜出
    し手段と、 前記塩抜出し手段により抜出した溶融塩を精製および/
    または再生する塩精製手段とを備えたことを特徴とする
    有害有機化合物の分解・無害化処理装置。
  36. 【請求項36】 吹込み手段の吹き出し口部分がポーラ
    スニッケル製であることを特徴とする請求項35に記載
    の有害有機化合物の分解・無害化処理装置。
  37. 【請求項37】 吹込み手段の吹き出し口部分がステン
    レス製のスプリングフィルターであることを特徴とする
    請求項35に記載の有害有機化合物の分解・無害化処理
    装置。
  38. 【請求項38】 無機塩を加熱して溶融塩にするための
    加熱手段と、 前記溶融塩を内部に保持して有害有機化合物と接触させ
    る溶融塩反応槽と、 有害有機化合物を含む河川水、地下水、廃水等の液体状
    または焼却排ガス等の気体状の廃棄物の中から含まれて
    いる有害有機化合物を吸着剤に吸着させるための吸着装
    置と、 前記吸着装置により有害有機化合物を吸着した吸着剤を
    溶融塩中に供給するための吸着剤供給手段と、 前記吸着剤供給手段により有害有機化合物を吸着した吸
    着剤を溶融塩中に供給するための吸着剤供給手段と、 酸化剤を前記溶融塩反応槽内に供給する酸化剤供給手段
    と、 前記溶融塩反応槽中から使用後の溶融塩を抜出す塩抜出
    し手段と、 前記塩抜出し手段により抜出した溶融塩を精製および/
    または再生する塩精製手段とを備えたことを特徴とする
    有害有機化合物の分解・無害化処理装置。
  39. 【請求項39】 無機塩を加熱して溶融塩にするための
    加熱手段と、 前記溶融塩を内部に保持して有害有機化合物と接触させ
    る溶融塩反応槽と、 有害有機化合物を含む焼却灰、飛灰、土壌等の固体状の
    廃棄物を加熱して含まれている有害有機化合物をガス化
    するための気化手段と、 前記気化手段でガス化した有害有機化合物を吸着剤に吸
    着させるための吸着装置と、 前記吸着装置により有害有機化合物を吸着した吸着剤を
    溶融塩中に供給するための吸着剤供給手段と、 前記溶融塩反応槽中から使用後の溶融塩を抜出す塩抜出
    し手段と、 前記塩抜出し手段により抜出した溶融塩を精製および/
    または再生する塩精製手段とを備えたことを特徴とする
    有害有機化合物の分解・無害化処理装置。
  40. 【請求項40】 吸着剤として活性炭を用いることを特
    徴とする請求項38または39に記載の有害有機化合物
    の分解・無害化処理装置。
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