JPH11639A - Pcb分解方法とpcb分解装置 - Google Patents

Pcb分解方法とpcb分解装置

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JPH11639A
JPH11639A JP10050350A JP5035098A JPH11639A JP H11639 A JPH11639 A JP H11639A JP 10050350 A JP10050350 A JP 10050350A JP 5035098 A JP5035098 A JP 5035098A JP H11639 A JPH11639 A JP H11639A
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康弘 山内
Hiroshi Ogata
寛 緒方
Naoki Shindo
直樹 新藤
Nobuhiro Hokao
暢皓 外尾
Yoshihiko Tsuchiyama
佳彦 土山
Masakazu Tateishi
正和 立石
Tadatsugu Fukuzumi
忠継 福住
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCBを効率良く分解することのできるPC
B分解装置を提供すること。 【解決手段】 PCB分解装置は、PCB含有物から有
機溶媒によってPCBを抜き出すPCB抽出容器1が配
設されている。PCB抽出容器1の後流側の蒸留塔2
は、有機溶媒を蒸留してPCBを分離する。蒸留塔2の
後流側の一次反応器160には、容器内にNa2 CO3
水12を供給するノズルと、酸化剤111を供給するノ
ズル162を配設してある。一次反応器160の後流側
の液体サイクロン164は、粒径の大きいNa2 CO3
を除去することができる。液体サイクロン164は、長
い配管からなる二次反応器165が接続されている。二
次反応器165の更に後流側の気水分離器21は、水溶
液からガスを分離することができる。膜分離装置31
は、処理水22を浄化水と濃縮液とに分離し、浄化水は
循環水33として、上記した加圧ポンプ13の上流側に
供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PCB(Polychlo
ro biphenyl)を含む有機油脂を分解して無毒化する方法
及び装置に関し、さらに詳しくは、PCBを水、酸化
剤、炭酸ナトリウムと混合して高温、加圧下で分解反応
をさせるPCB分解方法とPCB分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PCB分解法については、従来よりいく
つかの方法が発表されており、その実用化研究が電力会
社や各種メーカ等において進められている。しかし、未
だ完成された技術として、実際のPCB分解処理に適用
されているものは少ない。図10は、従来のPCB分解
装置の構成を示す。このPCB分解装置では、PCB抽
出容器1にトランスなどを切断した処理対象物を入れて
いる。そして、蒸留塔2から有機溶媒を移送ポンプ4で
PCB抽出容器1内に送り、有機溶媒でPCBを抽出す
る。PCB抽出容器1で抽出されたPCBと有機溶媒
は、移送ポンプ3で蒸留塔2に送られ、有機溶媒を蒸留
してPCBを分離し、移送ポンプ4でPCB抽出容器1
に循環する。蒸留塔2で抽出されたPCBは、これに水
10、過酸化水素水11、Na2 CO3 水12を混合し
た後、加圧ポンプ13で250ata まで加圧され、冷却
器161を通って反応器16で発生する熱と熱交換す
る。
【0003】PCBを含む混合水は、反応器16を冷却
したあと300℃に加熱され、起動用加熱器15を通っ
て反応器16に入る。反応器16では、PCBの分解に
必要な滞留時間を経て反応する。この反応は発熱反応で
あり、温度を380℃に維持するため、上記した冷却器
161で反応器16を冷却する。反応器16から出た反
応液は、冷却器17で100℃以下に冷却され、析出し
たNa2 CO3 を再溶融する。この反応液は、減圧弁1
8で大気圧まで減圧して気水分離器21内で、CO2
らびに水蒸気20と処理水22に分離される。反応器1
6では、下記に示す反応式で発熱反応が生じる。反応は
加熱によって析出した固体のNa2 CO3 とPCBが、
反応式(1)に示すように反応し、ビフェニル、C
2 、NaClとなる。ビフェニルは、さらに、反応式
(2)に示すように過酸化水素水と反応してCO2 とH
2 Oになる。
【0004】
【化1】 反応器16では、配管をコイル状に形成してその長さを
長くしている。これによって、反応器16でのPCBの
滞留時間が長くなり、PCBが十分に反応して、これを
ppbオーダまで低減できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような配管型の反
応器では、Na2 CO3 が析出した固体とPCBの攪拌
が十分でなく反応速度が遅い。また、加熱によってNa
2 CO3 が析出するが、加熱器によって配管が加熱され
ることから、配管内部の壁面近傍でNa2 CO3の析出
が起こる。そのため、加熱された配管の壁面にNa2
3 が付着し、この結果、熱伝達率が低減しPCBの分
解に支障を来す。さらに、反応後の処理水は、ほとんど
が水のため処理水量が多く、そのため補給水量が多いと
いう問題がある。本発明は上記課題に鑑みてなされたも
ので、Na2 CO3 とPCBとの攪拌が十分にでき、P
CBの分解を効率良くできるPCB分解方法とPCB分
解装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水と混合したPCBを、所定圧力まで加
圧、加熱した後、容器状の一次反応器内に導入し、該一
次反応器では、PCB分解用のNa2 CO3 水を導入す
るとともに、酸化剤をノズルにより吹き込み、析出した
Na2 CO3 と、PCBを上記ノズルの吹き込みによっ
て攪拌し、PCBを塩素を含まないビフェニルとNaC
lに分解し、更に、ビフェニルを上記酸化剤と反応させ
て炭酸ガスと水に分解し、二次反応器では、曲げた配管
内に未反応PCBを含む流体を流し、該二次反応器内に
おける流体の滞在時間を長くすることにより、PCBと
Na2 CO3 の反応できる時間を長くし、PCBの分解
を促進する方法を用いている。
【0007】また、上記目的を達成するため本発明は、
PCB含有物から有機溶媒によってPCBを抽出するP
CB抽出容器と、該PCB抽出容器から導入された抽出
液を蒸留して、有機溶媒とPCBを分離する蒸留塔と、
該蒸留塔から分離されたPCBを流体とともに容器内に
受け入れ、PCBを分解するための炭酸ナトリウム水の
導入ノズル、及び酸化剤の導入ノズルを設けた一次反応
器と、管路を曲げて流体の移動距離を長くし、上記一次
反応器から導入した流体に含まれる未反応PCBを上記
管路内で、さらに分解する二次反応器と、該二次反応器
から導入した流体に含まれる二酸化炭素を、容器内を減
圧して流体から分離する気水分離器とを備えている。
【0008】PCBは水と混合され、所定圧力まで加
圧、予熱されたあと、一次反応器に導入される。一次反
応器は、従来では配管であったものを冷却器を備えた容
器にし、この容器に加熱したPCBと水を導入し、ノズ
ルから空気、酸素などの酸化剤とNa2 CO3 水を吹き
込み、反応器内で混合反応させる。容器内で析出したN
2 CO3 とPCBの攪拌は、酸化剤と容器内から取り
出した循環水をノズルから噴出することによって行う。
PCBの分解は、反応温度が高くなって析出した炭酸ナ
トリウム粒子の表面で、PCBの塩素分子が反応し、P
CBは実質的に塩素が無いビフェニルとNaClに分解
される。さらに、ビフェニルは、酸化剤と反応して炭酸
ガスと水に分解される。炭酸ナトリウムとPCBの反応
は固液反応が主体なので、反応装置を循環水で流動させ
る構成とすることで、反応速度を上げることができる。
一次反応器から出た溶液は、液体サイクロンで析出した
粒径が大きなNa2 CO3 を除いた後、長い配管から成
る2次反応器を通して反応させる。この配管から構成さ
れる二次反応器は、PCBをppbレベルまで分解す
る。反応後の処理水は膜分離装置で濃縮して、分離した
水はPCBに混合する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
によるPCB分解方法とPCB分解装置について、図1
を参照しながら説明する。PCB分解装置は、PCB含
有物から有機溶媒によってPCBを抜き出すためのPC
B抽出容器1を上流側に配設してある。PCB抽出容器
1の後流側には、移送ポンプ3を介在して蒸留塔2が接
続され、蒸留塔2はPCBと有機溶媒を蒸留してPCB
を分離し、蒸留した有機溶媒を移送ポンプ4によって、
PCB抽出容器1に供給できる。蒸留塔2の後流側に
は、PCBと水を熱交換器14に圧送するための加圧ポ
ンプ13、熱交換器14及び冷却器161が配設されて
いる。冷却器161は、一次反応器160内を冷却する
ため、PCB混合水が流れる管路を容器内に導入したも
のであり、管路を流れる流体が一次反応器160の熱を
吸収する。冷却器161は、起動用加熱器15に管路に
より接続され、起動用加熱器15の後流側には、一次反
応器160が配設されている。
【0010】一次反応器160には、容器内にNa2
3 水12を供給するノズルと、空気、酸素などの酸化
剤111を供給するノズル162が配設されている。過
酸化水素水11を供給する管路と、一次反応器160と
の間には、循環ポンプ163が配設されている。循環ポ
ンプ163は、一次反応器160内の流体を酸化剤11
1と混合し、再度一次反応器160内に戻す。一次反応
器160の後流側は、液体サイクロン164が配設さ
れ、液体サイクロン164は、析出した粒径の大きいN
2 CO3 を分離し、後流側から流れないようにする。
【0011】液体サイクロン164の後流側は、配管を
曲げて流体の滞留時間を長くする二次反応器165が配
設されている。二次反応器165の更に後流側は、上述
した熱交換器14、冷却器17及び減圧弁18を介在し
て、気水分離器21が接続されている。熱交換器14
は、上記した蒸留塔2と冷却器161間の管路の流体
と、二次反応器165と冷却器17間の管路における流
体の熱を交換する。気水分離器21は、減圧弁18によ
って大気圧まで減圧した水溶液をその容器に供給し、水
溶液からガスを分離することができ、その処理水22は
加圧ポンプ23によって、後流側の膜分離装置31に供
給する。膜分離装置31は、処理水22を浄化水と濃縮
液32とに分離する装置であり、浄化水は循環水33と
して上記した加圧ポンプ13の上流側に供給され、濃縮
液32は外部に排出される構造になっている。
【0012】次に、PCB分解装置の作用について説明
する。PCB抽出容器1に、トランスなどを切断した処
理対象物を入れ、有機溶媒を蒸留塔2から移送ポンプ4
で送り、PCB抽出容器1内でPCBを抽出する。PC
B抽出容器1で抽出されたPCBと有機溶媒は、移送ポ
ンプ3で蒸留塔2に送られ、有機溶媒を蒸留してPCB
と分離する。蒸留された有機溶媒は、移送ポンプ4でP
CB抽出容器1に循環し、再度抽出液として使用する。
抽出されたPCBは循環水33、補給水34と混合され
加圧ポンプ13で220ata まで加圧し、熱交換器14
で二次反応器165から排出された流体と熱交換し、冷
却器161で一次反応器160を冷却した後、起動用加
熱器15を通って、約300℃に加熱され一次反応器1
60内に入る。
【0013】一次反応器160では、Na2 CO3 水溶
液12と酸化剤111を混合した循環水を一次反応器1
60内に導入し、一次反応器160内を攪拌するために
ノズル162から酸化剤111と循環水を噴出させる。
反応は発熱反応のため温度が380℃以上に達するが、
一次反応器160での発熱は冷却器161で冷却され、
反応に必要な温度の約380〜400℃に保たれる。液
体サイクロン164は、流体からNa2 CO3 の粒子の
大きなものを分離した後、二次反応器165でppbオ
ーダまでPCBを反応させるために必要なNa2 CO3
の微粒子を供給する。二次反応器165から排出された
流体は、冷却器17で100℃以下に冷却され、析出し
たNa2 CO3 はここで再溶融する。この流体を減圧弁
18で大気圧まで減圧し、気水分離器21でCO2 なら
びに水蒸気20と処理水22に分離する。処理水22
は、加圧ポンプ23で2〜10ata に加圧して膜分離装
置31へ供給され、内部に設けた交換膜で濃縮された濃
縮液32と循環水33に分離し、循環水33は蒸留塔2
の後流側に戻され、PCBと混合される。
【0014】以上のように、本実施の形態によれば、一
次反応器を従来の図7に示すような単なる配管から、図
1に示すような容器に変更することで、Na2 CO3
析出が一次反応器内の液中で生じ、加熱された配管に付
着することが無い。かくして、従来のように、加熱され
た配管の壁面にNa2 CO3 が付着することが軽減され
る。また、一次反応器160に設けたノズル162で循
環水と酸化剤を吹きださせ、一次反応器160内を攪拌
することで、析出したNa2 CO3 とPCBの接触が促
進され、反応速度が上がる。数%濃度のPCBを処理す
る場合に、一次反応器160ではppmオーダまで反応
させ、二次反応器165ではppbオーダまで反応させ
ることができる。液体サイクロン164は、Na2 CO
3 の粒子径の大きなものを分離し、二次反応器165を
閉塞させることがない。膜分離装置で循環水を浄化する
ことにより、分離された浄化水は再循環するので、補給
水34の補給水量を低減でき、経済的である。
【0015】次に、本発明の第2の実施の形態のPCB
分解装置の構成について、図面を参照しながら説明す
る。図2に示すように、PCB分解装置の上流側には、
PCB貯蔵タンク51、炭酸ナトリウム水タンク52、
水タンク53及び溶剤タンク54が並列に設置され、P
CB貯蔵タンク51には、PCBが混合したトランスオ
イルなどが貯蔵されている。各々のタンク51〜54に
は、移送用のポンプ55〜58が接続され、その後流で
それらの管路が合流し、該管路がPCB処理液の移送ポ
ンプ59に接続されている。ポンプ59は、後流側の一
次反応器62、二次反応器64等によるPCB分解反応
にかかる高圧部の圧力保持が行えるように、高圧ポンプ
としての機能を備えたものを使用している。
【0016】ポンプ59は、起動用加熱器60に接続さ
れ、加熱器60には電源装置61が配設されている。電
源装置61は、出力の調整を容易にするため、本実施の
形態では電気ヒータ加熱方式を採用している。加熱器6
0は、処理液供給配管83を介して、一次反応器62と
接続されている。一次反応器62は、PCB分解反応時
における高温、高圧状態に対応できる容器で形成され、
容器保護のために安全弁71を取付け、それに配設され
た放出管92は、下流側の放出タンク68に接続してい
る。一次反応器62には、慣用手段の酸化剤供給部に接
続された配管72と駆動ガス配管73が接続され、酸化
剤供給配管72は駆動ガス配管73にも連通している。
駆動ガスは、純酸素、空気、酸素リッチ空気(空気中の
酸素濃度を高めたガス)が使用できる。
【0017】一次反応器62の排出口にはサイクロン6
3が設置され、一次反応器62から排出された粒子径の
大きな炭酸ナトリウムを分離し、循環ライン80を介し
て一次反応器62に戻している。サイクロン63の後流
側には、二次反応器64が設置されている。二次反応器
64は、PCBと炭酸ナトリウムの化学反応を促進する
ため、それらの滞留時間を確保できる配管構造とするた
め、その所用管長を確保している。2次反応器64の後
流側には、冷却器65及び圧力調節(減圧弁)弁67を
介して放出タンク68が設置されている。
【0018】放出タンク68は、ガスと液体を分離でき
る構造になっており、容器の上部に溜まるガスは、後流
側に設置した吸着槽69を経て排気塔70から排出され
る。底部に溜まる処理済みの液体は、後流側に設置され
た排液濃縮器74に排出される。排液濃縮器74は、公
知の電熱加熱または蒸気加熱方式による加熱源75によ
り処理済み水を加熱蒸発し、濃縮水と蒸発水に分離する
ことができる。排液濃縮器74の後流側は、2系統に分
かれ濃縮水を貯蔵する処理液タンク76と蒸発水を導入
する冷却器77が設置されている。冷却器77には、冷
却水66が供給されている。冷却器77の下流側には、
回収水タンク78が接続され、戻り水管79により水タ
ンク53に接続されている。
【0019】次に、本発明の第2の実施の形態によるP
CB分解装置の作用について説明する。PCB貯蔵タン
ク51、炭酸ナトリウム水タンク52及び水タンク53
等に貯蔵された各溶液は、それぞれの移送ポンプ55〜
58によって所定流量に調整された後、移送ポンプ59
により起動用加熱器60に供給される。起動用加熱器6
0では、一次反応器62におけるPCB分解反応(発熱
反応)により、必要な熱量が自給できるようになるまで
の間、処理液の予熱を行なうとともに、PCB分解装置
の運転中に、反応の変化に伴う系の熱量過不足を調整す
る。
【0020】処理液は、配管83を通り一次反応器62
の下部に取付られた処理液噴射ノズル(公知の噴射ノズ
ル)により、一次反応器62に供給される。また、一次
反応器62は、その下部に取付けた酸化剤噴射ノズルよ
り、酸化剤が供給される。酸化剤は、空気若しくは酸素
が用いられ、供給設備は公知のものを用いている。高
温、高圧状態に保持された一次反応器62内では、処理
液に溶解されていた炭酸ナトリウムが、温度による溶解
度の差異よって析出し、PCBと反応して最終的にはN
aCl、炭酸ガス、水に分解され無害化される。この
際、一次反応器62内では、処理液並びに酸化剤がノズ
ルにより噴射されることにより、容器内での処理液及び
酸化剤の攪拌流動化が促進され、PCBの分解が効率よ
く行われる。
【0021】一次反応器62に配設された安全弁71
は、一次反応器62の予期せぬ異常圧力上昇に対応する
ものであり、安全弁の作動時PCBを含む溶液、ガス等
を放出タンク68に排出し、それらが大気中に放出され
るのを防止する。すなわち、安全弁71は、一次反応器
62の設計圧力に内圧が達すると自動的に作動する。安
全弁71の型式は、本実施の形態ではバネ式安全弁を使
用し、このばね力を設定圧力に見合うように選定する。
一次反応器62の排出口にはサイクロン63を設置し、
一次反応器62より出てくる粒子径の大きな炭酸ナトリ
ウムを分離し、循環ライン80より一次反応器62の下
部へ戻す。この際、駆動ガス配管73は配管72に供給
されている酸化剤の一部を分岐して一次反応器62内に
供給する。この駆動ガス配管73からのガスは、循環ラ
イン80内の下向き処理液の流れを促進し、PCB分解
反応の効率を高める。すなわち、循環ライン80の下向
きの流速が高まることにより、サイクロン63内の処理
液旋回力が高まり、一次反応器62で析出した炭酸ナト
リウムの粗大粒子が効率よく分離され、一次反応器62
内の下部より回収される。
【0022】一次反応器62に過剰な酸化剤等が溜まっ
たかどうかの検出は、図3に示すように、一次反応器6
2に設置した液面計81と温度計82により検出する。
液面計81は高圧運転に対応するための差圧検出器81
a〜81dを設置し、温度計82は熱電対等を使用して
いる。ガス層ではPCB分解反応が起こらないため、液
層より温度が下がるので、どの程度酸化剤が溜まってい
るか否かが分かる。一次反応器62における未反応PC
B並びに析出した炭酸ナトリウムは、二次反応器64へ
導かれる。二次反応器64は、一次反応器62における
未反応PCB、並びにサイクロン63で分離されなかっ
た炭酸ナトリウムの微細粒子を反応させる。冷却器65
は、二次反応器64まで高温に保たれていた処理液の温
度を低下させることにより、二次反応器64でPCB分
解に使用されなかった過剰炭酸ナトリウム粒子を、処理
液に再溶解させている。
【0023】放出タンク68に入ってくる圧力調節弁6
7で大気圧まで減圧したガスはPCBの分解によって発
生したCO2 ならびに過剰酸化剤であり、そのまま吸着
槽69へ流出する。安全弁71からの放出流体は、ガス
成分(主として過剰酸化剤)ならびに処理液からなりそ
のまま吸着槽69へ、処理液は一部蒸発して吸着槽へ、
残りの処理液は放出タンク68内に溜まる。圧力調節弁
84は、通常の運転条件において過剰な酸化剤等が一次
反応器62の頂き部に溜まったと判断される場合に操作
する。すなわち、圧力調節弁84は、反応に寄与しない
酸化剤(酸素並びに空気使用の場合の窒素ガス)が、一
次反応器62の上部に滞留し、該反応器内の処理液、酸
化剤の混合流動を阻害し、PCB分解に支障が生じるよ
うな場合、これらのガスを放出タンク68へ逃がす。し
たがって、抜取る酸化剤に若干の処理液が同伴されるこ
ともあるが基本的にはガス抜きとなる。
【0024】上記した安全弁71は、反応器内圧の異常
上昇を解放するもので、ガスのみでなく処理液も放出さ
れ、放出流体のコントロールはできない。なお、圧力調
節弁84で減圧する前の処理液は、運転条件にもよる
が、圧力250〜300ata 、温度250℃程度以下の
高温高圧水中に、ガスとして過剰な酸化剤、反応生成物
としての炭酸ガス、反応生成物としてのNaCl並びに
未反応の炭酸ナトリウムが溶解した状態にある。これら
の気液混合流体を大気圧まで減圧するとガス成分はその
まま分離される。
【0025】このようにして放出タンク68は、PCB
分解処理が済んだ処理液、圧力調節弁84より放出され
る酸化剤、安全弁71からの放出流体を導入し、ガス及
び水蒸気成分とNaClを溶解した処理済水に分離す
る。水分は減圧前の状態から一部の水分が蒸発して水蒸
気となって分離し、ガス成分と共に吸着槽69へ流す。
残りの水分には、炭酸ナトリウム、NaClが溶解した
状態で存在し、放出タンクの底部に溜まるためこの部分
より排液濃縮器74へと流す。このように放出タンク6
8内の気液の分離は、基本的には重力分離であり、ガス
及び蒸気成分はタンク上部に設置した管より吸着槽69
へ流す。また、放出タンク68は、入ってくる気液量に
対して充分な容積をもったものであれば、特段の分離機
構は必要としないが、吸着槽69へ流れるガス及び蒸気
流に水分が同伴して吸着槽69へ水分が持ち込まれるの
を防止するため、図4に示すように放出タンク68の出
口配管部85に邪魔板86やデミスタ(水分除去器)8
7を設置している。
【0026】吸着槽69には活性炭層が配設され、未分
解のPCBを吸着させる。分離されたガス、水蒸気成分
は、吸着槽69を介して排気塔70より放出される。吸
着槽69は、PCB分解装置において何らのトラブルに
よりPCBが分解されず、ガス、蒸気気流に同伴して大
気中に排出されるのを予防する。つまり、大気中に排出
するガス、蒸気の全量を吸着剤を通して、万一その中に
PCBが存在する場合はこれに吸着させる。吸着剤の種
類としては、活性炭の他にゼオライト、石炭チャーなど
がある。放出タンク68内のNaClを溶解した処理済
み水は排液濃縮器74へ導かれる。排液濃縮器74は、
加熱源75で処理済み水を加熱蒸発させ、NaClを濃
縮した排水が、処理液タンク76に排出され貯蔵保管さ
れる。排液濃縮器74で蒸発した水蒸気は、冷却器77
で再度冷却し、凝縮水として回収水タンク78に貯蔵さ
れる。この水は必要に応じ、戻り水管79を介して水タ
ンク53へ戻される。
【0027】以上説明したように、本発明のPCB分解
の原理は水と混合したPCBを、所定圧力まで加圧、加
熱した後に容器状の一次反応器内に導入し、これにPC
B分解用の炭酸ナトリウム水並びに空気若しくは酸素と
いった酸化剤を吹き込み、所定の高温、高圧条件下で析
出した炭酸ナトリウムとPCBを反応させる。これによ
って、PCBは塩素のないビフェニルとNaClに分解
し、さらにビフェニルを上記の酸化剤と反応させ炭酸ガ
スと水に分解している。
【0028】次に、本発明の第3の実施の形態のPCB
分解装置の構成について、図5を参照しながら説明す
る。図に示すように、本実施の形態では上記第2の実施
の形態に対して、起動用加熱器60の下流側の処理液供
給配管83を一次反応器62の上部に配置ている。これ
により、一次反応器62の上部ノズルより下向きにPC
B処理液を噴射させ、一次反応器62の下部より上向き
に噴射される酸化剤との接触をよくし、PCBの分解反
応の促進をはかっている。
【0029】次に、本発明の第4の実施の形態のPCB
分解装置の構成について、図6を参照しながら説明す
る。本実施の形態では、上記第3の実施の形態に対し
て、PCB分解装置より大気中に排出されるガス蒸気系
に気泡塔90を設置し、排ガス系の機能をより高めたも
のである。すなわち、放出タンク68の後流に気泡塔9
0を設け、管路により吸着槽69と回収水タンク78に
接続されている。気泡塔90は冷却水91で冷却された
保有水をもっており、ここに導入されたガス、蒸気のう
ち水蒸気は凝縮して回収水タンク78に戻り活用され
る。そして、水分が除去されたガス成分のみ吸着槽69
に導かれるため、活性炭の機能保持に効果がある。
【0030】次に、本発明の第5の実施の形態のPCB
分解装置について説明する。上記第1〜第4の実施の形
態で説明したPCB分解装置では、供給液中のPCB濃
度や処理量が大きくなると、一次反応器出口でPCBが
残留するという欠点があった。一次反応器出口にPCB
が残留すると二次反応器の負荷が増え、場合によって
は、二次反応器出口にPCBが残留する可能性があっ
た。
【0031】その原因を調査したところ、以下の二つの
理由が明らかになった。 (1)PCBを無害化する反応が、次式のようにヒドロ
キシルイオン(OH- )を消費する反応であること。 C129 Cl3 +3OH- →C129 (OH)3 +3C
-129 (OH)3 +17.5O2 →12CO2 +6H2
(析出Na2 CO3は触媒作用) (2)溶解する炭酸ナトリウムは、次式のようなヒドロ
キシルイオンを生成すること。 Na2 CO3 +H2 O→2Na+ +HCO3 - +OH- 炭酸ナトリウムの溶解度は高温になると低下することが
知られているが、一旦析出した炭酸ナトリウム再溶解速
度は、上記(1)の反応よりも格段に遅く、PCB無害
化反応に消費されるヒドロキシルイオンを、補いきれな
いことが判明した。
【0032】上記知見をもとに本第5の実施の形態で
は、以下の手段を用いた。 (a)一次反応器に供給する炭酸ナトリウムを含む溶液
中に、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ化合物を添
加する。 (b)二次反応器に供給する炭酸ナトリウムを含む溶液
中に、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ化合物を添
加する。 (c)各反応器に供給する水酸化アルカリ化合物は、各
反応器よりサンプリングした液のpHが10を越えるよ
うに添加する。
【0033】次に、上記(a)〜(b)の手段を用いた
本実施の形態の構成について、図面を参照しながら説明
する。図7に示すPCB分解装置は、図2に示す第2の
実施の形態のPCB分解装置の一次反応器62及び二次
反応器64に、水酸化ナトリウムの供給手段と水酸化ナ
トリウムの供給量の制御手段を設けている。すなわち、
PCB分解装置は、水酸化ナトリウムの水溶液タンク5
0を設け、該水溶液タンク50は、配管105により一
次反応器62の上流側に配設した起動用加熱器60に接
続され、また配管106により二次反応器64に接続さ
れている。一方の配管105には、水酸化ナトリウム水
溶液の供給量を調整する制御装置45が設けられてい
る。制御装置45はpH測定器42を設け、pH検出液
のサンプル用の配管107をバルブ41を介してサイク
ロン63に接続している。他方の配管106には、水酸
化ナトリウム水溶液の供給量を調整する制御装置25が
設けられている。制御装置25はpH測定器44を設
け、pHのサンプル用の液体103bを回収するための
バルブ43を介し、二次反応器64の下流側に接続して
いる。
【0034】次に、第5の実施の形態の作用について説
明する。図7に示すPCB分解装置は、PCB処理タン
ク51からPCB等の塩素基を含有する有機化合物、そ
の他のタンク52〜54から、炭酸ナトリウムで飽和あ
るいは過飽和された水溶液、水および溶剤を排出し、移
送ポンプ59で加圧して、一次反応器62に下部より供
給する。一次反応器62の下部には、これ以外に酸素、
あるいは酸素を発生することの可能な過酸化水素水等の
酸化剤が、供給配管72を介して供給される。一次反応
器62は、有機化合物および溶剤と酸素の一部が反応す
ることにより熱が発生するが、温度を360〜390℃
に保持する。反応器の圧力6は圧力調整弁67で220
〜250kg/cm2 に制御する。当該温度および圧力
のもとで、反応器内部は加圧水であり、PCB無害化反
応が進行する。
【0035】反応後の液体は水、二酸化炭素、食塩、未
反応の酸素、および溶解した未反応の炭酸ナトリウムで
構成され、サイクロン63へ送られる。液体中の懸濁粒
子の炭酸ナトリウムは、90〜98wt%程度サイクロン
63で回収され、一次反応器62へ戻される。サイクロ
ン63を出た液体102aは、二次反応器64に送られ
るが、一部の液体102bはバルブ41を介してサンプ
リングされ、pH測定器42でpHが測定される。測定
値はpH測定器42で電気信号95に変えられ、水酸化
ナトリウム水溶液供給用の制御装置45に送られる。制
御装置45は電気信号95を受け、pHが10よりも小
さい場合には、水酸化ナトリウム水溶液の供給速度が大
きくなるように制御する。
【0036】二次反応器64は、一次反応器62をすり
抜けたPCBを完全に反応させるために設置されてい
る。したがって、PCBを十分に反応させるため、二次
反応器64においてもpHの値が10を越えるようにす
る。そのためpH測定器44は、二次反応器64からバ
ルブ43を介して一部サンプリングした液103bのp
HをpH測定器44で測定し、電気信号97に変換し、
制御装置25に送る。二次反応器64で完全にPCBを
除去した液は、第1〜第4の実施の形態と同様に処理さ
れる。
【0037】上記実施例では、高温において析出した炭
酸ナトリウムの再溶解速度が遅いため、PCB等の含塩
素有機化合物の処理濃度が大きいと、反応物のヒドロキ
シルイオン(OH- )が不足し、PCB等の含塩素有機
化合物が残留する可能性があった。本発明では、360
〜390℃の高温においてもPCBの溶解度が大きく、
次式の溶解反応に示すように、容易にヒドロキシルイオ
ンを供給できる。そして、水酸化ナトリウム等の水酸化
アルカリ化合物を反応器に供給することにより、PCB
無害化反応で消費されるヒドロキシルイオンが補われ
る。 NaOH→Na+ +OH- また、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ化合物の供
給により、同時に反応器62,64内の反応を最適にす
るpH10を越える値に、維持することが可能となっ
た。これにより、反応器62,64の出口に残留するP
CB等の含塩素有機化合物はなくなった。
【0038】図8は、温度に対する炭酸ナトリウムと水
酸化ナトリウムの溶解度を示す。図に示すように、高温
になるにつれて炭酸ナトリウムの溶解度は小さくなる。
このため、炭酸ナトリウム単独ではpHが小さくなる
(反応物のヒドロキシルイオン濃度が小さくなる)が、
本実施の形態のように水酸化ナトリウムを添加し、その
添加量を調整することでpHを大きくする(反応物のヒ
ドロキシルイオン濃度を大きくする)ことが可能とな
る。図9は、ガスクロマトグラフによるPCB残留濃度
の分析(昭46環境庁告示59号付表5に掲げる方法)
により得られたPCB無害化反応速度と、pHの関係を
示す。図9よりPCB無害化反応速度は、pHが10を
越えると大きくなることがわかる。
【0039】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。例え
ば、上記第1の実施の形態では、加圧ポンプ13の圧力
を220ata としたが、好ましい圧力は、200〜30
0ata であり、また、一次反応器160での処理温度を
380℃としたが、好ましい温度は350〜400℃で
ある。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、Na2
3 を一次反応器内に注入するため、これが一次反応器
内で加熱された水と混合して温度が上がり、Na2 CO
3 の結晶を析出し、従来のように、配管の伝熱面(内
壁)に結晶が析出することがない。また、ノズルから噴
出する循環水と酸化剤のため、一次反応器内の流体が攪
拌され、析出したNa2 CO3 の結晶とPCBが混合さ
れ、固液接触が促進される。よって、一次反応器では、
PCB濃度がppmオーダに低減できる。二次反応器で
は、更にPCBを含んだ流体の滞留時間を長くして、P
CBをppbオーダに低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるPCB分解装
置の系統図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるPCB分解装
置の系統図である。
【図3】図2の一次反応器の拡大図である。
【図4】図2の放出タンクの拡大図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態によるPCB分解装
置の系統図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態によるPCB分解装
置の系統図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態によるPCB分解装
置の系統図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係わる炭酸ナトリ
ウムと水酸化ナトリウムの溶解度におよぼす影響を示す
線図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係わるPCB無害
化反応速度とpHの関係を示す線図である。
【図10】従来例によるPCB分解装置の系統図であ
る。
【符号の説明】
1 PCB抽出容器 2 蒸留塔 3 移送ポンプ 4 移送ポンプ 11 過酸化水素水 12 Na2 CO3 水 13 加圧ポンプ 14 熱交換器 15 起動用加熱器 17 冷却器 18 減圧弁 20 CO2 ならびに水蒸気 21 気水分離器 22 処理水 23 加圧ポンプ 24 水酸化ナトリウム水溶液供給用のポンプ 25 水酸化ナトリウム水溶液供給用の制御装置 26 水酸化ナトリウム水溶液の移送ポンプ 31 膜分離装置 32 濃縮液 33 循環水 34 補給水 41,43 バルブ 42,44 pH測定器 45 水酸化ナトリウム水溶液供給用の制御装置 50 水酸化ナトリウムの水溶液タンク 51 PCB処理タンク 52 炭酸ナトリウム水タンク 53 水タンク 54 溶剤タンク 55 PCB移送ポンプ 56 炭酸ナトリウム移送ポンプ 57 水ポンプ 59 PCB処理液移送ポンプ 60 起動用加熱器 61 加熱器用電源装置 62 一次反応器 63 サイクロン 64 二次反応器 65 冷却器 66 冷却水 67 圧力調節弁 68 放出タンク 69 吸着槽 70 排気塔 71 安全弁 72 酸化剤供給配管 73 駆動ガス配管 74 排液濃縮器 75 排液濃縮器加熱源 76 処理液タンク 77 冷却器 78 回収水タンク 79 戻り水管 80 循環ライン 81 液面計 81a〜81d 差圧検出器 82 温度計 83 処理液供給管 84 圧力調節弁 85 出口配管部 86 邪魔板 87 デミスタ(水分除去器) 90 気泡塔 91 冷却水 95,97 電気信号 102a,102b,103,103a,103b 液
体 105〜107 配管 111 酸化剤 151 加熱器電源 160 一次反応器 161 冷却器 162 ノズル 163 循環ポンプ 164 液体サイクロン 165 二次反応器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/72 B09B 3/00 ZAB (72)発明者 外尾 暢皓 長崎県長崎市大谷町3番5号 株式会社菱 研テック内 (72)発明者 土山 佳彦 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 立石 正和 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 福住 忠継 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と混合したPCBを、所定圧力まで加
    圧、加熱した後、容器状の一次反応器内に導入し、該一
    次反応器に、PCB分解用のNa2 CO3 水を導入する
    とともに、酸化剤をノズルにより吹き込み、析出したN
    2 CO3 と、PCBを混合し、PCBを塩素の含まな
    いビフェニルとNaClに分解し、更に、ビフェニルを
    上記酸化剤と反応させて炭酸ガスと水に分解し、二次反
    応器では、配管内に未反応PCBを含む流体を流し、該
    二次反応器内における流体の滞在時間を長くすることに
    より、PCBとNa2 CO3 の反応時間を長くして、P
    CBの分解を促進することを特徴とするPCB分解方
    法。
  2. 【請求項2】 上記一次反応器より流出した未反応PC
    Bと析出した炭酸ナトリウムとを分離し、分離した炭酸
    ナトリウムを一次反応器に戻すことを特徴とする請求項
    1に記載のPCB分解方法。
  3. 【請求項3】 上記流出した未反応PCBと析出した炭
    酸ナトリウムとの分離をサイクロン式分離器により行
    い、該サイクロン分離器と上記一次反応器への酸化剤供
    給路とを連通し、酸化剤の流れによってサイクロン式分
    離器での分離及び分離した炭酸ナトリウムの一次反応器
    への戻りを促進することを特徴とする請求項2に記載の
    PCB分解方法。
  4. 【請求項4】 上記一次反応器内の圧力を検出し、該圧
    力が設定した圧力以上になった場合、一次反応器内の流
    体を外部に流出させて一次反応器内の圧力を下げること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のPCB
    分解方法。
  5. 【請求項5】 上記二次反応器より流出した処理液、一
    次反応器内の圧力低下のために一次反応器から流出させ
    た流体又は酸化剤を気体と液体に分離し、分離した気体
    からPCBを吸着して気体を放出することを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載のPCB分解方法。
  6. 【請求項6】 上記分離した液体をさらに水蒸気と濃縮
    液とに分離し、分離した水蒸気を冷却により水として再
    利用することを特徴とする請求項5に記載のPCB分解
    方法。
  7. 【請求項7】 上記一次反応器及び二次反応器内のいず
    れか又は両者のpHを測定し、測定したpH値に対応し
    て水酸化ナトリウムを反応器内に供給することを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれかに記載のPCB分解方
    法。
  8. 【請求項8】 PCB含有物から有機溶媒によってPC
    Bを抽出するPCB抽出容器と、該PCB抽出容器から
    導入された抽出液を蒸留して、有機溶媒とPCBを分離
    する蒸留塔と、該蒸留塔から分離されたPCBを流体と
    ともに容器内に受け入れ、PCBを分解するための炭酸
    ナトリウム水の導入ノズル、及び酸化剤の導入ノズルを
    設けた一次反応器と、管路を曲げて流体の移動距離を長
    くし、上記一次反応器から導入した流体に含まれる未反
    応PCBを上記管路内で、さらに分解する二次反応器
    と、該二次反応器から導入した流体に含まれる二酸化炭
    素を流体から分離する気水分離器とを備えたことを特徴
    とするPCB分解装置。
  9. 【請求項9】 上記一次反応器より流出した未反応PC
    Bと析出した炭酸ナトリウムとを分離する手段を設け、
    分離した炭酸ナトリウムを一次反応器に戻すことを特徴
    とする請求項8に記載のPCB分解装置。
  10. 【請求項10】 上記未反応PCBと析出した炭酸ナト
    リウムとを分離する手段がサイクロン式分離器であっ
    て、該サイクロン式分離器と上記一次反応器への酸化剤
    供給路を連通して、酸化剤の流れによってサイクロン式
    分離器での分離及び分離した炭酸ナトリウムの一次反応
    器への戻りを促進することを特徴とする請求項9に記載
    のPCB分解装置。
  11. 【請求項11】 上記一次反応器の圧力を検出する手段
    を設け、該圧力が一定圧力以上になった場合、一次反応
    器内の流体を外部に流出させて一次反応器内の圧力を下
    げることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記
    載のPCB分解装置。
  12. 【請求項12】 上記二次反応器より流出した処理液、
    一次反応器内の圧力低下のために一次反応器から流出さ
    せた流体又は酸化剤を気体と液体に分離する手段と、分
    離した気体からPCBを吸着する手段を設け、気体から
    PCBを吸着して気体を放出することを特徴とする請求
    項8乃至11のいずれかに記載のPCB分解装置。
  13. 【請求項13】 上記分離した液体をさらに水蒸気と濃
    縮液とに分離する手段を設け、分離した水蒸気を冷却器
    で冷却し、水として再利用することを特徴とする請求項
    12に記載のPCB分解装置。
  14. 【請求項14】 上記気水分離器の後流側に接続され、
    該気水分離器から導入した処理水を、浄化水と濃縮水と
    に分離する膜分離装置を設け、該浄化水を上記蒸留塔の
    後流側に供給し、PCBの循環水としたことを特徴とす
    る請求項8に記載のPCB分解装置。
  15. 【請求項15】 上記蒸留塔と一次反応器との間の流体
    と、上記二次反応器と気水分離器との間の流体の熱を交
    換する熱交換器を設けたことを特徴とする請求項8に記
    載のPCB分解装置。
  16. 【請求項16】 上記一次反応器及び二次反応器のいず
    れか又は両者のpHを測定するpH検出手段と、該pH
    検出手段を設けた反応器に水酸化ナトリウムを供給する
    水酸化ナトリウム供給手段と、pH検出手段により検出
    したpH値に対応して水酸化ナトリウム供給量を制御す
    る制御手段とを設けたことを特徴とする請求項8乃至1
    5のいずれかに記載のPCB分解装置。
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