JP2001009408A - 有機ハロゲン系化合物の分解処理装置及び方法 - Google Patents

有機ハロゲン系化合物の分解処理装置及び方法

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JP2001009408A
JP2001009408A JP11181609A JP18160999A JP2001009408A JP 2001009408 A JP2001009408 A JP 2001009408A JP 11181609 A JP11181609 A JP 11181609A JP 18160999 A JP18160999 A JP 18160999A JP 2001009408 A JP2001009408 A JP 2001009408A
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organic halogen
electron beam
decomposing
tank
based compound
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JP11181609A
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Keiji Yoshimura
敬二 吉村
Kenji Hara
謙治 原
Hiroaki Ogasawara
弘明 小笠原
Ikuo Wakamoto
郁夫 若元
Kozo Iida
耕三 飯田
Koichi Kurita
耕一 栗田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温において有機ハロゲン系化合物を分解で
きる設備構成とし、かつ同設備構成を小型化することに
よって、常温で安全に操作できるとともに設備費及び運
転費を低減した有機ハロゲン系化合物の分解処理装置及
び方法を提供することを課題とする。。 【解決手段】 抽出槽11内でトルエンの抽出剤12に
より灰1中に含有するダイオキシンをほぼ全部抽出し、
前記抽出槽11内で該抽出液を濃縮して一部の残渣を含
む処理液Aとし、次いで溶解槽13内において一部の残
渣を含む濃縮された処理液Aを、アルカリ性アルコール
溶媒14に溶かして一部の残渣を含む処理液Bとし、処
理液Bを薄膜状に形成した後、電子線照射手段25から
電子線26を照射してダイオキシン等の有機ハロゲン系
化合物を全部分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉等の燃焼に
伴って発生する飛灰又は焼却灰等に含まれるダイオキシ
ン等の有機ハロゲン系化合物を分解し無害化する処理装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の有機ハロゲン系化合物分解処理装
置の概念図を図17及び図18に示す。図17は電気抵
抗溶融炉によって飛灰又は焼却灰等(以下「灰」とい
う)を溶融し、有機ハロゲン系化合物を高温分解する装
置であり、灰受入装置02に貯蔵された飛灰01がスク
リュー供給機03によって電気抵抗溶融炉04に投入さ
れると、電気抵抗溶融炉04内の溶解ヒータ05及び加
熱ヒータ06によって、灰01は約1300〜1400
℃に高温加熱され、溶融飛灰01aとなって有機ハロゲ
ン系化合物が高温分解され、処理済の飛灰01bとなっ
てコンベア010を介して排出槽011へ搬送される。
一方、電気抵抗溶融炉04内で発生したガスは、排出管
07からバグフィルタ08によってダストが回収され、
さらにスクラバー09によって清浄化し系外へ排出され
る。
【0003】図18は熱分解炉内の低酸素雰囲気中で灰
の有機ハロゲン系化合物を熱分解する装置であり、灰受
入装置02に貯蔵された灰01が熱分解炉021に投入
され、窒素ガス022が供給されると熱分解炉021の
外部ヒータ023によって、熱分解炉021内を約40
0〜500℃に加熱し、約1時間保持することによって
飛灰01の有機ハロゲン系化合物が低酸素雰囲気中で熱
分解され、分解後の飛灰が冷却用クーラ024に送られ
冷却された後、処理済の灰01cとして排出されてい
る。なお、排ガスはバグフィルター025を通過した
後、スクラバー026で清浄処理され系外へ排出されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術における有機ハロゲン系化合物の分解処理装置で
は、図17の電気抵抗溶融炉04によって有機ハロゲン
系化合物を高温分解する場合、及び図18の熱分解炉0
21内の低酸素雰囲気中で有機ハロゲン系化合物を熱分
解する場合のいずれも、高温加熱できるような大がかり
な設備を必要とし、さらに、高温でのハンドリングが伴
うために設備費及び運転費が高いという問題があった。
【0005】このため、焼却灰に水分を含ませ、ペース
ト状としたものに、電離性放射線を照射し、水中で生じ
た活性種を生成し、ダイオキシン類と直接反応させて無
害化する方法が提案されている(特開平3−17838
9号公報参照)。また、実施例では、電離性放射線とし
て、ガンマ線が使用されている。
【0006】しかしながら、前記提案方法は、水分添加
灰に放射線を照射させることで、ダイオキシン類を構成
する環状構造中に存在する酸素原子に作用させ、環状構
造を開いて鎖状の物質に変換することにより、無害化し
ているので、1000kGy程度の放射線を長時間照射
させる必要があり、照射線量が多くしかも照射時間を要
し、処理コストが増大し、実用的ではない、という問題
がある。
【0007】そこで、本発明は前記の問題点を解決する
ために、常温近傍において有機ハロゲン系化合物を分解
できる簡易な設備構成とし、かつ同設備構成を小型化す
ることによって、常温近傍で安全に操作できるとともに
設備費及び運転費を低減した有機ハロゲン系化合物の分
解処理装置及び方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
[請求項1]の有機ハロゲン系化合物の分解処理装置の
発明は、灰又は土壌を抽出溶媒と撹拌混合して有機ハロ
ゲン系化合物を抽出する抽出槽と、該抽出槽内において
有機ハロゲン系化合物を抽出した抽出液にアルカリ溶液
を添加して処理液とし、該処理液に向って電子線を照射
する電子線照射手段とを備え、前記処理物中の有機ハロ
ゲン系化合物を電子線により分解処理することを特徴と
する。
【0009】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、前記抽出液を濃縮し、該濃縮液中の有機ハロゲン系
化合物及び残渣をアルカリ性アルコール溶液により溶解
させて希釈する溶解槽を備えてなることを特徴とする。
【0010】[請求項3]の発明は、請求項1又は2に
おいて、前記灰又は土壌中の有機ハロゲン系化合物を抽
出する抽出液が、トルエン,イソプロピルアルコール又
はハイドロフルオロエーテルのいずれか一種であること
を特徴とする。
【0011】[請求項4]の発明は、請求項2又は3に
おいて、前記有機ハロゲン系化合物を溶解させた処理液
及び残渣を少量ずつ供給し、薄膜状態で電子線を照射
し、被処理物中の有機ハロゲン系化合物を分解処理する
移送手段を備えてなることを特徴とする。
【0012】[請求項5]の発明は、請求項4におい
て、前記電子線照射手段により電子線を照射した後の処
理済液を前記移送手段から取出すスクレーパを設けたこ
とを特徴とする。
【0013】[請求項6]の発明は、請求項4又は5に
おいて、前記移送手段が上面に凹溝を有する回転テーブ
ルであることを特徴とする。
【0014】[請求項7]の発明は、請求項4乃至6の
いずれか一項において、前記移送手段の上面に形成した
凹溝が外周側が高く、内側に向かって傾斜してなること
を特徴とする。
【0015】[請求項8]の発明は、請求項4乃至7の
いずれか一項において、前記移送手段の上面に形成した
凹溝内に電子線反射体を設けたことを特徴とする。
【0016】[請求項9]の発明は、請求項1におい
て、前記抽出槽に超音波発生手段を備えたことを特徴と
する。
【0017】[請求項10]の発明は、請求項2におい
て、前記溶解槽に超音波発生手段を備えたことを特徴と
する。
【0018】[請求項11]の発明は、請求項5におい
て、前記スクレーパによって取り出された処理済液を受
け入れる貯蔵部を設けたことを特徴とする。
【0019】[請求項12]の発明は、請求項11にお
いて、前記抽出槽の槽内に抽出液を加熱する加熱コイル
を設けると共に抽出液を濃縮する回収装置と、前記貯蔵
部の槽内に処理済液を加熱する加熱コイルを設けると共
に処理済液から溶媒を回収する回収装置とを備えたこと
を特徴とする。
【0020】[請求項13]の発明は、請求項12にお
いて、前記回収装置が低真空ポンプ又はコンプレッサ
と、空冷ファンと空冷タンク又は水冷タンクから構成さ
れていることを特徴とする。
【0021】[請求項14]の発明は、請求項12にお
いて、前記加熱コイルが自家発電機の駆動エンジンの温
水を循環させることによって加熱されるものであること
を特徴とする。
【0022】[請求項15]の発明は、請求項2におい
て、前記アルカリ性アルコール溶液が、イソプロピルア
ルコールと水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムとの混
合液、若しくはエチルアルコールと水酸化カリウム又は
水酸化ナトリウムとの混合液であることを特徴とする。
【0023】[請求項16]の発明は、請求項1乃至1
5に記載の有機ハロゲン系化合物の分解処理装置を据え
付け台上に搭載し、運搬できるようにしたことを特徴と
する。
【0024】[請求項17]の発明は、請求項1乃至1
5に記載の有機ハロゲン系化合物の分解処理装置を移動
台車上に搭載し、移動できるようにしたことを特徴とす
る。
【0025】[請求項18]の発明は、灰又は土壌中の
有機ハロゲン系化合物を抽出剤で抽出し、該抽出物を移
送させつつ薄膜状の処理液とし、該薄膜状の処理液に電
子線を照射して、処理液中の有機ハロゲン系化合物を分
解処理することを特徴とする。
【0026】[請求項19]の発明は、灰又は土壌中の
有機ハロゲン系化合物を抽出剤で抽出し、前記抽出物を
濃縮して第1の処理液を生成し、第1の処理液にアルカ
リ性アルコール溶液を添加して有機ハロゲン系化合物を
溶解させ第2の処理液を生成し、前記第2の処理液と残
渣に向って電子線を照射して、該処理液中の有機ハロゲ
ン系化合物を分解処理することを特徴とする。
【0027】[請求項20]の発明は、請求項18又は
19において、前記処理液中の有機ハロゲン系化合物を
脱ハロゲン化反応により分解処理する電子線量が低いも
のであることを特徴とする。
【0028】[請求項21]の発明は、請求項20にお
いて、前記電子線量が500kGy以下であることを特
徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明による有機ハロゲン系化合
物の分解処理装置の実施の形態を以下に説明するが、本
発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0030】[第1の実施の形態]本発明の第1の実施
の形態について、図1乃至図3により説明する。図1は
本発明の第1の実施の形態を示す概念図、図2は図1の
A−A矢視図、図3は本発明によるダイオキシン濃度比
と吸収線量の関係を示す図である。
【0031】図1に示すように、第1の実施の形態で
は、飛灰又は焼却灰等(以下灰と呼ぶ)を第1ステップ
及び第2ステップによって処理した上で、電子線照射に
よってダイオキシン類等の有機ハロゲン系化合物の抽出
溶媒を分解処理するもので、第1ステップでは、抽出槽
11内に投入した灰1にダイオキシン等の有機ハロゲン
系化合物の抽出溶媒である例えばトルエン等の抽出剤1
2を投入し、灰1中に含有するダイオキシンをほぼ全部
抽出し、前記抽出槽11内において該抽出液を濃縮して
一部の残渣を含む処理液Aとし、第2ステップでは、溶
解槽13内において一部の残渣を含む濃縮された処理液
Aを、アルカリ性アルコール溶媒14に溶かして一部の
残渣を含む処理液Bとする。この処理液Bを供給手段2
0を介して処理液移送手段22である回転テーブルの凹
溝23内で薄膜状の処理液21aに形成した後、電子線
照射手段25から電子線26を照射してダイオキシン等
の有機ハロゲン系化合物を全部分解し、分解処理済の無
害化した処理液21bをスクレーパ24でかきとって貯
蔵部28へ取り出すように構成したものである。
【0032】本発明で分解処理する灰や土壌中に含まれ
る有機ハロゲン系化合物としては、ダイオキシン類やP
CB類に代表される有害な物質(例えば環境ホルモン)
であればこれらに限定されるものではない。ここで、前
記ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオ
キシン類(PCDDs)及びポリ塩化ジベンゾフラン類
(PCDFs)の総称であり、塩素系化合物とある種の
有機塩素化合物の燃焼時に微量発生するといわれ、化学
的に無色の結晶である。塩素の数によって一塩化物から
八塩化物まであり、異性体にはPCDDsで75種類、
PCDFsで135種類に及び、これらのうち、特に四
塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)は、最
も強い毒性を有するものとして知られている。なお、有
害な塩素化芳香族化合物としては、ダイオキシン類の他
にその前駆体となる種々の有機塩素化合物(例えば、フ
ェノール,ベンゼン等の芳香族化合物(例えばクロルベ
ンゼン類,クロロフェノール及びクロロトルエン等)、
塩素化アルキル化合物等)が含まれており、灰中から除
去する必要がある。なお、ダイオキシン類とは塩素化芳
香族化合物のみならず、Br−ダイオキシン類等のハロ
ゲン化ダイオキシン類も含まれる。また、PCB類(ポ
リ塩化ビフェニル類)はビフェニルに塩素原子が数個付
加した化合物の総称であり、塩素の置換数、置換位置に
より異性体があるが、2,6−ジクロロビフェニル、
2,2'−ジクロロビフェニル、2,3,5−トリクロロ
ビフェニル等が代表的なものであり、毒性が強く、焼却
した場合にはダイオキシン類が発生するおそれがあるも
のとして知られており、灰中から除去する必要がある。
なお、コプラナーPCBも含まれる。
【0033】以下、本実施の形態の分解装置の構成を説
明する。なお、以下の説明においては、有機ハロゲン系
化合物としてダイオキシン類を例にして説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0034】図1に示すように、前記抽出槽11は、灰
受入装置2から供給された灰1に別途供給されるトルエ
ンを主成分としたダイオキシンの抽出剤12を用いて、
灰1からダイオキシンをほぼ全部抽出するものであり、
前記抽出剤12が回収装置15によって一部回収される
ことにより濃縮された処理液Aが生成される。そして、
前記回収装置15によって回収されたものは抽出剤12
として次の抽出に再利用される。なお、灰1の抽出剤1
2での抽出工程では、抽出槽11内に予め灰1を投入し
た後に抽出剤12を添加して攪拌手段19で攪拌しつつ
抽出処理する場合と、抽出槽11内に抽出剤12を満た
しておき、灰受入装置2からの灰1を徐々に投入しつつ
抽出処理する場合のいずれの方法であってもよい。
【0035】ここで、前記抽出剤12としては、上述し
たトルエンの他に、後述するように、例えばイソプロピ
ルアルコール(IPA)又はハイドロフルオロエーテル
(HFE)等のダイオキシン類の易溶解溶媒を用いるこ
とができる。また、他の抽出剤としては、例えばベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、アセト
ン、アトニトリル、DMSO、LSO(直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム)等を例示することができ
る。また、前記抽出剤としてイソプロピルアルコール
(IPA)を用いた場合には、濃縮せずに抽出した後
に、アルカリの添加を抽出槽11で行うようにすること
ができる。また、濃縮した場合には、処理量が少なくな
り、より好ましい。ここで、本発明において前記イソプ
ロピルアルコール(IPA:CH3 CH(OH)C
3 )を用いるのは、他のエタノールやメタノール等の
ようなアルコールとは異なり、水素供与体(ドナー)が
多く、電子線照射後の脱塩素置換反応がよりスムーズに
進行するからである。
【0036】前記溶解槽13は、前記濃縮された処理液
Aをアルカリ性アルコール溶媒14にて溶解させるもの
であり、該溶媒14の中のアルコール等の有機溶媒14
aは、電子線照射後に溶媒回収装置16で回収された
後、アルコール等の溶媒槽17へ貯められ循環して使用
される。
【0037】前記アルカリ性アルコール溶媒14は、溶
媒槽17からのイソプロピルアルコール等の有機溶媒1
4aと、アルカリ槽18からの水酸化カリウム(KO
H)等のアルカリ14bとを混合して作られる。前記ア
ルカリ性アルコール溶媒のアルカリの濃度は特に限定さ
れるものではないが、例えばKOHを用いる場合、0.1
重量%〜飽和量の範囲とするのがよく、より好適には1
〜10重量%とするのがよい。これは、0.1重量%未満
であるとアルカリの添加効果がなく、飽和以上の場合で
は更なる添加効果がなく、共に好ましくないからであ
る。また、水酸化カリウム(KOH)の代わりに水酸化
ナトリウム(NaOH)等のアルカリを用いるようにし
てもよい。なお、前記アルカリ性アルコール溶媒14の
アルコールの代わりに前記濃縮された処理液Aを溶解で
き、回収可能な有機溶媒を用いるようにしてもよい。
【0038】前記溶解槽13においては、前記抽出槽1
1からの処理液Aをアルカリ性アルコール溶媒14で溶
解して処理液Bを生成している。なお、前記抽出槽11
には必要に応じて回転羽根等の攪拌手段19を適宜配設
することができる。
【0039】前記処理液Bは処理液供給手段20を介し
て処理液移送手段22へ供給されている。ここで、本実
施の形態では、図1及び図2に示すように、処理液移送
手段22として、回転テーブルを用いた例を示している
が、処理液21aを所定距離移送できるものであれば、
この回転テーブルの移送手段に限定されず、例えばベル
トコンベア等その他の移送手段であっても差し支えな
い。
【0040】前記スラリー移送手段である回転テーブル
22の上面には、図1に示すように、凹溝23が形成さ
れており、該凹溝23の深さはスラリーを薄膜状にする
ために数mm程度の浅い溝になっており、同凹溝23内
へ処理液供給手段20から供給されることで薄膜状の処
理液21aとしている。
【0041】また、前記回転テーブル22の処理液供給
位置から所定時間回転により回転された回転後流側に
は、図2に示すように、電子線26の照射により分解さ
れた分解処理済の処理液21bを凹溝23内から取出す
スクレーパ24が設けられている。前記スクレーパ24
の下部形状は凹溝23の断面形状と係合するように成形
されている。前記スクレーパ24は回転テーブル22の
上面に対し所定の角度を持たせた方がスクレーパ効果を
発揮するのでより効果的である。
【0042】また、前記回転テーブル22の上方には電
子線照射手段25が配置され、凹溝23内の薄膜状の処
理液21aに向けて電子線26を照射している。前記電
子線照射手段25からは薄膜状の処理液21aに向けて
電子線26が均一に照射するように、電源及び操作盤等
を内蔵する制御部27により制御され、有機ハロゲン系
化合物を分解するのに最適な電子線26のエネルギ強度
や線量等を制御している。なお、前記スクレーパ24に
よって取出された分解処理済の処理液21bは貯蔵部2
8において貯蔵される。
【0043】前記駆動モータMによって回転される円盤
状の回転テーブル22の大きさは特に限定されるもので
はないが、例えば、直径が500〜1000φmm程度の
小型化されているものを使用するとコンパクト化を図る
ことができる。
【0044】以下、第1の実施の形態の分解装置を用い
た分解処理方法について説明する。前記のように構成さ
れた分解処理装置によれば、第1ステップとして抽出剤
12としてトルエンが供給されている抽出槽11の中
に、灰受入装置2から灰1が供給され攪拌手段19によ
って攪拌しながら一部又は全部が溶解されると、一部の
残渣を含むダイオキシンの抽出液が生成される。
【0045】その後、抽出剤12の一部を回収装置15
によって回収することによりダイオキシン類が濃縮され
た処理液A(一部の残渣を含む)が生成される。
【0046】続いて、第2ステップとして、溶解槽13
の中に、抽出槽11から供給される濃縮された処理液A
(一部の残渣を含む)と、溶媒槽17のイソプロピルア
ルコール14aとアルカリ槽18の水酸化カリウム又は
水酸化ナトリウム等のアルカリ14bとを混合して作ら
れた溶媒であるアルカリ性イソプロピルアルコール溶媒
14とが供給され、前記処理液Aがアルカリ性イソプロ
ピルアルコール溶媒14に溶解された抽出ダイオキシン
類を希釈した処理液B(一部の残渣を含む)が生成され
る。
【0047】そして、処理液Bが、例えば約1リットル
/分の一定量が供給管路20から回転テーブル22の凹
溝23へ供給される。ここで前記回転テーブル22が例
えば30rpmの回転速度で回転している場合、次第に処理
液Bが薄膜状21aとなり、略3/4回転した位置まで来
ると上方から電子線照射手段25から電子線26が照射
される。
【0048】この電子線26は、制御部27からの制御
信号が電子線照射手段25へ送られて、電子線エネルギ
ー強度、線量などが調整される。そして電子線26が薄
膜状の処理液21a(一部の残渣を含む)へ向けて照射
されることによって、処理液中のダイオキシンがほぼ全
部分解される。分解処理済の処理液(一部の残渣を含
む)21bは回転しながらスクレーパ24によって凹溝
23から取り出され貯蔵部28へ貯められる。
【0049】本発明ではアルカリ性アルコール溶媒14
で希釈したダイオキシン類に、いわゆる無水状態(水分
含量:2重量%以下)で電子線を照射しているので、低
い照射量でダイオキシン類の塩素を解離させ、該解離し
た塩素をアルカリ溶液の金属イオンと反応させて、例え
ばKCl(固形物)を生成させ、塩として沈殿させてて
いる。なお、ダイオキシン類フリーとなった状態の無害
化したものは、油分として該KClに付着し、残渣と共
に、別途処分される。
【0050】本発明では、例えば灰中のダイオキシン類
の濃度が50ng/gの場合、約500kGy以下、好
ましくは300kGy以下の吸収線量で分解が可能とな
る。
【0051】本発明は、従来の高いエネルギー量での照
射(約1000kGy程度のγ線照射)によるダイオキ
シン類の分解処理のように、環状構造中の酸素原子に作
用して環状構造を開いてベンゼン環に塩素を残存したま
まバラバラに分解するものとは異なるものとなる。よっ
て、本発明による分解では灰中から抽出されたダイオキ
シン類は塩素フリーの状態となり、再合成によるダイオ
キシン類の生成は全くないものとなる。
【0052】図3は、本発明の効果を示す一例であり、
電子線の照射線量によって灰中のダイオキシン類の分解
効果を示したものであり、ダイオキシン濃度比が変化す
るグラフを示す。ここで、ダイオキシン濃度比とは「電
子線照射後の灰に残存するダイオキシン濃度」の「電子
線照射前の灰に残存するダイオキシン濃度」に対する比
をいう。図3により電子線26の吸収線量を増加するこ
とによってダイオキシン濃度比が小さくなることが確認
された。
【0053】なお、図3に示すグラフ中の実線は第1の
実施の形態の実測値を示し、点線は参考として、灰にガ
ンマ線照射した場合の公知文献(Kimbery A.Gray他、"R
ADIOLYTIC TREATMENT OF DIOXIN CONTAMINATED SOILS",
1995) のデータを示したもので、本発明の実測値の方
が、同じ吸収線量に対しダイオキシン濃度比が著しく下
がっていることが実証された。
【0054】すなわち、本発明の分解処理によれば、よ
り少量の吸収線量(約100kGy程度以下)の電子線
で、ダイオキシン濃度を99%以上低減させることが可
能となった。
【0055】また、図4はトルエンで抽出した溶媒に直
接アルカリ溶液を投入して電子線を照射した場合との比
較を示す。図4においては、グラフ中の実線Aは第1の
実施の形態(希釈溶媒:アルカリ性イソプロピルアルコ
ール溶媒)を示し、点線Bは比較例(希釈溶媒:トルエ
ン)の場合を示したもので、本実施の形態では、希釈溶
媒をアルカリ性イソプロピルアルコール溶媒とすること
で、同じ吸収線量に対しダイオキシン分解濃度が著しく
下がっており、水素供与体としてのイソプロピルアルコ
ールの特性が発揮され、ダイオキシン分解特性が大幅に
改善されていることが実証された。
【0056】前記のように、抽出槽11、溶解槽13、
回転テーブル22、電子線照射手段25等の構成機器が
すべて常温近傍で運転されるので、熱エネルギー損失が
無く、ハンドリング操作を安全に行うことができる。
【0057】また、前記第1ステップ及び第2ステップ
の極簡単な処理によってダイオキシンを抽出・濃縮・溶
解処理し、その後電子線照射することによって極めて短
時間にしかも高効率でダイオキシンを分解処理すること
ができる。そして、装置を小型化する結果、エネルギー
消費を少なくすることができる。
【0058】以上のように本発明によれば、電子線照射
によるダイオキシンの分解処理が常温近傍において行わ
れる設備構成としたので、熱損失が無く操作を安全に行
うことができ、設備構成を小型化することができ、設備
費及び運転費を従来方式に比べて大幅に低減させること
ができる。
【0059】なお、本発明は灰中のダイオキシンの分解
処理について説明したが、これ以外に、土壌中又は排水
中のダイオキシンの分解処理についても適用可能であ
る。
【0060】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
の形態について、図5により説明する。図5は本発明の
第2の実施の形態における混合器を示す概念図である。
前記第1の実施の形態で説明した図1〜2と同一部材に
は同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0061】本実施の形態では、第1の実施の形態の抽
出槽11に超音波発生手段41を付加して構成したもの
であり、その他の構成は第1の実施の形態と同一であ
る。したがって、ここでは抽出槽11及び抽出槽11と
の取り合い機器についてのみ説明するものとする。
【0062】図5に示すように、抽出槽11の壁部には
超音波発生手段41が設けられており、該超音波発生手
段41により、抽出槽11内の抽出剤12中の灰1を加
振させ、抽出作用を助長するようにしている。
【0063】前記のように構成された灰中の有機ハロゲ
ン系化合物の分解処理装置によれば、抽出剤12が投入
された抽出槽11内に灰受入装置2から灰1が供給さ
れ、撹拌手段19によって撹拌混合されるが、この際に
前記超音波発生手段41を作動させることにより、抽出
剤12の灰1に向けて超音波が照射され、微細振動を加
えることによって抽出作用がさらに促進される。
【0064】また、前記超音波発生手段41からの超音
波照射によって生じる処理液内の気泡がつぶれるときに
発生する衝撃波によっても有機ハロゲン系化合物の一部
が分解され、ここにおいても分解作用が開始され、促進
される。
【0065】このように第2の実施の形態によれば、前
記第1の実施の形態の効果に加え、超音波の微細振動が
抽出剤の灰に加えられるので、有機ハロゲン系化合物の
抽出作用をさらに助長させることができ、また超音波照
射による気泡の衝撃波によって有機ハロゲン系化合物の
一部を分解できるという相乗効果がある。
【0066】[第3の実施の形態]次に、第3の実施の
形態につき図6を参照して説明する。なお、上述した図
12に示す第1の実施の形態の装置と同一部材には同一
符号を付し重複する説明は省略する。
【0067】本実施の形態では,第1の実施の形態の分
解装置の抽出槽11及び溶解槽13に超音波発生手段4
1A及び超音波発生手段41Bを加えて構成したもので
あり、その他の構成は第1の実施の形態と同一である。
【0068】図6は、抽出槽11、溶解槽13及び周辺
取合い機器について図示し、その他の構成は第1の実施
の形態の図1と同一であり図示を省略した。図6におい
て、抽出槽11の壁部には、該抽出槽11内の処理液A
を加振させて攪拌、抽出作用を助長する超音波発生器4
1Aが設けられている。
【0069】また、溶解槽13の壁部には、該溶解槽1
3内の処理液Bを加振させて攪拌、溶解作用を助長する
超音波発生器41Bが設けられている。
【0070】前記のように構成された電子線ダイオキシ
ン分解処理装置によれば、抽出槽11の中に、灰受入装
置2からの灰1とが抽出剤12と共に攪拌手段19によ
って攪拌し溶解されると残渣を含む処理液Aが生成され
る。この時、超音波発生器41Aから処理液Aに向けて
微細振動を加えることによって灰1からのダイオキシン
類等の抽出作用がさらに促進される。
【0071】同様に、溶解槽13の中に、抽出槽11か
らの処理液Aとイソプロピルアルコールと水酸化カリウ
ム又は水酸化ナトリウム等のアルカリ混合液を主成分と
する溶媒14が供給され攪拌手段19によって攪拌し溶
解されると処理液Bが生成される。この時、超音波発生
器41Bから処理液Bに向けて微細振動を加えることに
よって溶解作用がさらに促進される。
【0072】また、前記超音波照射によって生じる処理
液A又処理液B内の気泡が潰れる時に発生する衝撃波に
よってダイオキシンの一部が分解される。
【0073】このように本実施の形態によれば、超音波
の微細振動が加えられるので、処理液Aの抽出作用及び
処理液Bの溶解作用をさらに助長させることができ、ま
た、超音波照射による気泡の衝撃波によってダイオキシ
ンが一部分解される効果がある。その他、本実施の形態
による効果は、前記第1の実施の形態と同様の効果が得
られるものである。
【0074】[第4の実施の形態]本発明の第4の実施
の形態について、図7により説明する。図7は本発明の
第1の実施の形態における移送手段の他の実施の形態を
示す概念図である。前記第1の実施の形態で説明した図
1〜2の分解装置と同一部材には同一符号を付し、重複
する説明は省略する。第4の実施の形態においては、第
1の実施の形態の処理液移送手段22上面の凹溝23内
面に、電子線反射体42を装着したものであり、その他
の構成は実施の形態1と同一である。したがって、ここ
では処理液移送手段22と電子線反射体42及びスクレ
ーパ24の取り合いについて主として説明する。
【0075】図7に示すように、供給される処理液21
aを移送する処理液移送手段22の凹溝23の底部,壁
部には、電子線反射体42が固着されている。該電子線
反射体42としては、例えばTa(タンタル)等の原子
番号の大きな金属が固着されており、凹溝23内の薄膜
状の薄膜状の処理液21aに照射された電子線26を反
射させて、反射電子によって有機ハロゲン系化合物の分
解をさらに助長させるようにしている。
【0076】前記のように構成された灰中の有害物質の
分解処理装置によれば、処理液移送手段22の凹溝23
内の薄膜状の処理液21aに向けて電子線26が照射さ
れることによって、処理液中の有機ハロゲン系化合物が
分解される。そして、凹溝23内の電子線反射体42か
ら反射した反射電子によって、さらに有機ハロゲン系化
合物の分解が助長され、処理液中の有機ハロゲン系化合
物を効率的に分解することができる。
【0077】このように第4の実施の形態によれば、前
記第1の実施の形態の効果に加え、処理液に向けて照射
される電子線26がさらに電子線反射体42によって反
射されるので、電子線26の有効利用が図られ、薄膜状
の処理液21a中の有害物質である有機ハロゲン系化合
物を更に効率的に分解することができるという効果があ
る。
【0078】[第5の実施の形態]第5の実施の形態
は、図8に示すように、図1に示す第1の実施の形態の
分解装置を移動台車46に搭載し、可搬移動できるよう
に構成したものであり、移動台車以外の構成は、第1の
実施の形態と同一である。
【0079】本発明の分解処理装置は、小型化によって
可搬可能となっており、トラック又は移動台車46に搭
載することで、山間部等の遠隔地など何処へでも移動さ
せてダイオキシンの分解処理をすることができる。な
お、機器の保護のためカバー44で装置全体を覆うよう
にし、直接外部へ暴露することを避けるようにしてい
る。
【0080】このように第5の実施の形態によれば、簡
易な電子線ダイオキシン分解処理装置を必要な場所へ移
動させることができるので、従来の据置方式に比べて機
動性を持たせることができる効果がある。その他、本実
施の形態による効果は、前記第1の実施の形態と同様の
効果が得られるものである。
【0081】[第6実施の形態]次に、第6の実施の形
態につき図9を参照して説明する。なお、上述した図1
に示す第1の実施の形態に示す装置と同一部材には同一
符号を付し重複する説明は省略する。
【0082】図9に示すように、第6の実施の形態で
は、第1の実施の形態と同様に、飛灰又は焼却灰等(以
下灰と呼ぶ)を第1ステップ及び第2ステップによって
処理した上で、電子線照射によってダイオキシンを分解
処理するもので、第1の実施の形態とは、溶媒を回収し
易くするための加熱コイルを抽出槽、溶解槽、貯蔵部に
配設している点を付加したものであり、前記溶媒の回収
装置を低真空ポンプ(又はコンプレッサ)と空冷ファン
と空冷タンクから構成している。
【0083】以下、第6の実施の形態の分解装置につい
て説明する。先ず、図9に示すように、第1ステップで
は、抽出槽11内においてトルエン等の抽出剤12を用
いて灰1中のダイオキシン類を抽出した抽出液を濃縮し
て一部の残渣を含む処理液Aとし、第2ステップでは、
溶解槽13内において一部の残渣を含む濃縮された処理
液Aを、アルカリ性アルコール溶媒14に溶かして一部
の残渣を含む処理液Bとする。この処理液Bを上述した
第1の実施の形態に示したのと同様な処理液移送手段2
2である回転テーブルの凹溝23内で薄膜状の処理液2
1aに形成した後、電子線照射手段25から電子線26
を前記薄膜状の処理液21aへ照射してダイオキシンを
ほぼ全部分解し、分解処理済の処理液21bを貯蔵部2
8へ取り出すように構成したものである。
【0084】図9に示すように、前記抽出槽11は、別
途供給されるトルエンを主成分としたダイオキシンの抽
出剤12を用いて、供給された灰1中のダイオキシンを
ほぼ全部抽出するものであり、抽出槽11内の抽出剤1
2が、加熱コイル60によって加熱され、低真空ポンプ
(又はコンプレッサ)61と空冷ファン62と空冷タン
ク63から構成された回収装置64によって一部回収さ
れることにより濃縮された処理液Aが生成される。そし
て、前記回収装置64によって回収された抽出剤は抽出
剤12として再利用される。
【0085】前記溶解槽13は、前記濃縮された処理液
Aをアルカリ性イソプロピルアルコール溶媒14にて溶
解させるものであり、該溶媒14の中のイソプロピルア
ルコール等の有機溶媒14aは、電子線照射後に貯蔵部
28内で加熱コイル60によって加熱され、低真空ポン
プ(又はコンプレッサ)66と空冷ファン65と空冷タ
ンク67から構成された溶媒回収装置68によって一部
回収された後、イソプロピルアルコール等の溶媒槽17
へ貯められ循環して使用される。
【0086】前記溶媒14は、溶媒槽17のイソプロピ
ルアルコール等の有機溶媒14aと、アルカリ槽18か
らの水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム等のアルカリ
14bを混合して作られる。
【0087】前記溶解槽13において抽出槽11からの
処理液Aをアルカリ性イソプロピルアルコール溶媒14
で溶解して処理液Bを生成している。なお、前記溶解槽
13には、必要に応じて回転羽根等の攪拌手段を適宜配
設することができる。
【0088】処理液(一部の残渣を含む)21aは、第
1の実施の形態と同様に、駆動モータMによって回転さ
れる円盤状の回転テーブル22(例えば、直径が500
〜1000φmm程度に小型化されている。)の上面に形
成された凹溝(その深さは数mm程度に形成されている)
23内へ処理液供給手段20から供給され、回転に伴
い、薄膜化した処理液21aに電子線照射手段25から
電子線26を照射して、処理液中のダイオキシン類等を
分解し、その後スクレーパ24により、分解処理済の処
理液(一部の残渣を含む)21bを貯蔵部28にて貯蔵
している。
【0089】図9において、符号70はエンジン71の
冷却水放熱用のラジエータ、72はエンジン71によっ
て駆動される自家発電機、73は加熱コイル60からラ
ジエータ70への戻り配管、74はエンジン71の冷却
水(温水)を加熱コイル60へ送る供給配管、75は自
家発電機72から発生した電力を制御部27へ送る電力
ケーブルである。加熱コイル60は抽出槽11、溶解槽
13、貯蔵部28とに各々設けられ、各加熱コイル60
を直列に連結しており、エンジン71の冷却水(温水)
が供給配管74から各加熱コイル60を通過し、戻り配
管73からラジエータ70へ循環するように接続されて
いる。なお、各加熱コイル60は並列に連結されてもよ
い。
【0090】前記のように構成された電子線ダイオキシ
ン分解処理装置によれば、第1ステップとしてトルエン
等の抽出剤12が供給されている抽出槽11の中に、灰
受入装置2から灰1が供給され攪拌手段19によって攪
拌しながらダイオキシンが抽出され、加熱コイル60に
よって加熱することで、発生する抽出剤の蒸気を回収装
置64の低真空ポンプ(又はコンプレッサ)61によっ
て空冷タンク63へ回収することにより濃縮された処理
液A(一部の残渣を含む)が生成される。そして、回収
された抽出剤12は空冷タンク63が、空冷ファン62
によって冷却され抽出剤12として再利用される。
【0091】続いて、第2ステップとして、加熱コイル
60によって加温された溶解槽13の中に、抽出槽11
から供給される濃縮された処理液A(一部の残渣を含
む)と、溶媒槽17のイソプロピルアルコール14aと
アルカリ槽18の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム
等のアルカリ14bを混合して作られた溶媒であるアル
カリ性イソプロピルアルコール溶媒14が供給され溶解
されると、該溶媒14に溶解された処理液A(一部の残
渣を含む)が生成される。
【0092】また、溶媒14の中のイソプロピルアルコ
ール14aは、電子線26の照射後に、貯蔵部28の加
熱コイル60によって加熱することで、発生する溶媒の
蒸気を低真空ポンプ(又はコンプレッサ)66と空冷フ
ァン65と空冷タンク67から構成された回収装置68
によって回収された後、イソプロピルアルコール等の溶
媒槽17へ貯められ循環して使用される。なお、空冷フ
ァン65と空冷タンク67を、別の冷却手段として冷却
コイルと水冷タンクに置き換えてもよく、この場合には
冷却水及び冷却水クーラは、本装置の一部として外部か
ら水の供給は受けないものとする。
【0093】そして、処理液Bが、例えば約1リットル
/分の一定量が供給管路20から回転テーブル22の凹
溝23へ供給されると、例えば30rpmの回転速度で回転
テーブル22が回転しており、次第に薄膜状の処理液2
1aとなり、略3/4回転した位置まで来ると上方から電
子線26が照射される。
【0094】この電子線26は、制御部27からの制御
信号が電子線照射手段25へ送られて、電子線エネルギ
ー強度、線量などが調整される。そして電子線26が薄
膜状の処理液21a(一部の残渣を含む)へ向けて照射
されることによって、処理液中のダイオキシンがほぼ全
部分解される。分解処理済の処理液(一部の残渣を含
む)21bは回転しながらスクレーパ24によって凹溝
23から取り出され貯蔵部28へ貯められる。また、貯
蔵部28内は加熱コイル60によって加熱されており、
分解処理済の処理液21b中の溶媒の一部を蒸気にし、
回収装置68によって回収している。
【0095】本発明の分解処理によれば、より少量の線
量の電子線で、ダイオキシン濃度を99%以上低減させ
ることが可能となった。
【0096】また、前記のように、抽出槽11、溶解槽
13、回転テーブル22、電子線照射手段25等の構成
機器がすべて常温近傍で運転されるので、熱エネルギー
損失が少なく、ハンドリング操作を安全に行うことがで
きる。
【0097】以上のように本発明によれば、電子線照射
によるダイオキシンの分解処理が常温近傍において行わ
れる設備構成としたので、熱エネルギー損失が少なく操
作を安全に行うことができ、運転費を従来方式に比べて
大幅に低減させることができる。
【0098】また、前記自家発電機72によって電力を
賄い、水など本装置以外からユーティリティを必要とし
ないので、電力、水などのユーティリティがない場所で
も、ダイオキシン分解処理を行うことができる。
【0099】[第7の実施の形態]第7の実施の形態
は、図10に示すように、図9に示す分解装置を据え付
け台47の上に設けたものであり、該据え付け台47に
は機器の保護のためカバー44で装置全体を覆うように
し、直接外部へ暴露することを避けている。また、クレ
ーン等で吊下げて移動又は移設できるように据え付け台
47の四隅に吊金具48を設ければ、さらに操作性を向
上させることができる。また、前述した据え付け台47
上に搭載した構成のものを、前記移動台車46上に搭載
して移動させてもよい。
【0100】本発明の分解処理装置は、小型化によって
可搬可能となっており、トラック又は移動台車46に搭
載し、自家発電機を具え、電力、水など本装置以外から
のユーティリティを必要としないので、山間部等の遠隔
地など何処へでも移動させてダイオキシン類の分解処理
をすることができる。
【0101】このように第7の実施の形態によれば、電
子線ダイオキシン分解処理装置を必要な場所へ移動、又
は牽引もしくは自走により任意の場所へ移動させること
ができるので、従来の据置方式に比べて機動性を持たせ
ることができる効果がある。その他、本実施の形態によ
る効果は、前記第6の実施の形態と同様の効果が得られ
るものである。
【0102】[第8の実施の形態]図11は、図1に示
す第1の実施の形態の分解装置において、電子線を照射
する回転テーブル22の凹溝の構造を斜め形状とし、回
転テーブル22の回転によっても、処理液の液面を常に
一定にして均一な薄膜層に保つようにしたものである。
前記第1の実施の形態で説明した図1〜2の分解装置と
同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0103】第8の実施の形態においては、図11に示
すように、回転テ−ブル22の上面には凹溝51が形成
されており、該凹溝51の溝底は図12に示すように、
外周側が高くなる傾斜角θを有している。そして、傾斜
角θ及び溝高さh0 は、下記「数1」に示す式によって
求められる。
【0104】
【数1】
【0105】また、前記凹溝51内の分解処理済の処理
液21bを回転テ−ブル22から取り出すスクレ−パ5
2は、図11に示すように、該スクレ−パ52の下部と
凹溝51の傾斜底が係合するように配置されている。
【0106】前記構成において、凹溝51へ供給された
処理液21aの液面は、図12で示すように、回転テ−
ブル22が停止時には、図13(a)の状態であるが、
回転中には遠心力が作用し、図13(b)のように液面
が傾斜し、内周側よりも外周側の液面が高くなる。この
時、溝底の傾斜角θ及び溝高さh0 は、前記式で示す関
係にあり、凹溝51の溝底を液面の傾斜に合わせて傾斜
角θを与えておくことにより、液膜厚さdを略均一にす
ることができる。なお、前記傾斜角θは特に限定される
ものではないが、好ましくは、 tanθ=h0 /(r0
1 )±20%程度とするのがよい。
【0107】このような凹溝51を有する回転テ−ブル
22が、例えば30rpmの回転速度で回転していると、例
えば約1〜数mmの略均一な液膜厚さdの処理液21aと
なり、略3/4回転した位置まで来ると上方から電子線2
6が照射される。この電子線26は、制御部27からの
制御信号が電子線照射手段25へ送られて、電子線エネ
ルギー強度、線量などが調整される。そして電子線43
が薄膜状の処理液21aへ向けて照射されることによっ
て、処理液中のダイオキシンがほぼ全部分解される。
【0108】また、電子線の液体中透過深さは、電子線
の液中透過深さを表す図14に示すように、ビームエネ
ルギーによって異なるが、照射媒体がアルカリ性アルコ
ールの場合、例えば300keVの場合には深さ1mm近傍
が最大の吸収線量となっており、使用されるビームエネ
ルギーによって最適な液膜厚さdが設定されている。
【0109】[第9の実施の形態]第9の実施の形態
は、図15に示すように、図1に示す第1の実施の形態
の分解装置において、抽出槽11において灰中のダイオ
キシン類をイソプロピルアルコール(IPA)の抽出剤
12で抽出した後、該抽出液を濃縮せずに、アルカリを
所定量添加して処理液Cとし、この処理液Cに直接電子
線を照射して、ダイレクトにダイオキシン類を分解する
ようにしたものである。
【0110】図15に示すように、第9の実施の形態で
は、抽出槽11は、攪拌手段19とその開口部には電子
線26を照射する電子線照射手段25が配置されてい
る。抽出槽11において灰中のダイオキシン類をイソプ
ロピルアルコール(IPA)の抽出剤12で抽出した
後、該抽出剤12にKOHを添加して処理液Cとし、該
処理液Cに前記電子線照射手段25から電子線26を照
射することで、抽出されたダイオキシン類がほぼ全部分
解されることとなる。なお、このようなバッチ式の処理
の場合には、電子線26は溶媒の液面から数mm程度の
深さ(使用されるビームエネルギーに依存する深さ)ま
で照射効果が発揮されるので、攪拌手段19により、処
理液Cを攪拌しつつ分解物が常に上層近傍となるように
して照射することが必須となる。これによれば、上述し
たような回転テーブル等が不要となり、装置のコンパク
ト化を図ることができる。なお、電子線の照射により分
解されたダイオキシン類がなくなった油分,付着KCl
及び灰等の固形分は溶媒回収後、廃棄される。
【0111】[第10の実施の形態]第10の実施の形
態は、図16に示すように、図1に示す第1の実施の形
態の分解装置において、抽出槽11において灰中のダイ
オキシン類をトルエン,又はハイドロフルオロエーテル
のいずれか一種の抽出剤12で抽出した後、該抽出液を
濃縮して処理液Aとし、次に溶解槽13内において一部
の残渣を含む濃縮された処理液Aを、アルカリ性アルコ
ール溶媒14に溶かして一部の残渣を含む処理液Bと
し、この処理液Bに直接電子線を照射して、ダイレクト
にダイオキシン類を分解するようにしたものである。
【0112】図16に示すように、第10の実施の形態
では、抽出槽11は、第1の実施の形態と同様であり、
溶解槽13には攪拌手段19とその開口部には電子線2
6を照射する電子線照射手段25が配置されている。抽
出槽11において灰中のダイオキシン類をトルエン等の
抽出剤12で抽出した後濃縮して処理液Aとする。次に
溶解槽13内において一部の残渣を含む濃縮された処理
液Aを、アルカリ性アルコール溶媒14に溶かして一部
の残渣を含む処理液Bとする。前記処理液Bに前記電子
線照射手段25から電子線26を照射することで、抽出
されたダイオキシン類がほぼ全部分解されることとな
る。なお、このようなバッチ式の処理の場合には、電子
線26は溶媒の液面から数mm程度の深さ(使用される
ビームエネルギーに依存する深さ)まで照射効果が発揮
されるので、攪拌手段19により、処理液を攪拌しつつ
分解物が常に上層近傍となるようにして照射することが
必須となる。これによれば、上述したような回転テーブ
ル等が不要となり、装置のコンパクト化を図ることがで
きる。なお、電子線の照射により分解されたダイオキシ
ン類がなくなった油分,付着KCl及び灰等の固形分は
溶媒回収後、廃棄される。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の[請求項
1]の発明によれば、灰又は土壌を抽出溶媒と撹拌混合
して有機ハロゲン系化合物を抽出する抽出槽と、該抽出
槽内において有機ハロゲン系化合物を抽出した抽出液に
アルカリ溶液を添加して処理液とし、該処理液に向って
電子線を照射する電子線照射手段とを備え、前記処理物
中の有機ハロゲン系化合物を電子線により分解処理する
ので、抽出槽及び電子線照射手段等の構成機器をすべて
常温近傍で運転できるので熱エネルギ損失がなく、ハン
ドリング操作を安全に行うことができる。また、電子線
照射によって極短時間に高効率で有機ハロゲン系化合物
を分解することができるので装置を小型化することが可
能となり、設備費及び運転費を従来方式に比べて大幅に
低減させることができる。
【0114】[請求項2]の発明によれば、前記抽出液
を濃縮し、該濃縮液中の有機ハロゲン系化合物及び残渣
をアルカリ性アルコール溶液により溶解させて希釈する
溶解槽を備えてなるので、処理効率が向上する。
【0115】[請求項3]の発明によれば、前記灰又は
土壌中の有機ハロゲン系化合物を抽出する抽出液が、ト
ルエン,イソプロピルアルコール又はハイドロフルオロ
エーテルのいずれか一種であるので、処理効率がさらに
向上する。
【0116】[請求項4]の発明によれば、前記有機ハ
ロゲン系化合物を溶解させた処理液及び残渣を少量ずつ
供給し、薄膜状態で電子線を照射し、被処理物中の有機
ハロゲン系化合物を分解処理する移送手段を備えてなる
ので、薄膜状態において分解処理効率が向上する。
【0117】[請求項5]の発明によれば、前記電子線
照射手段により電子線を照射した後の処理済液を前記移
送手段から取出すスクレーパを設けたので、分解処理後
の処理物を速やかに移動手段から取り出すことができ
る。
【0118】[請求項6]の発明によれば、前記移送手
段が上面に凹溝を有する回転テーブルであるので、該回
転に伴い被処理物を薄膜状化することが容易となり、薄
膜状であるので、分解処理効率が向上する。
【0119】[請求項7]の発明によれば、前記移送手
段の上面に形成した凹溝が外周側が高く、内側に向かっ
て傾斜してなるので、回転した場合でも常に均一の薄い
膜厚を保持しつつ分解処理でき、分解処理効率が向上す
る。
【0120】[請求項8]の発明によれば、前記移送手
段の上面に形成した凹溝内に電子線反射体を設けたの
で、電子線の反射効率を向上させることができる。
【0121】[請求項9]の発明によれば、前記抽出槽
に超音波発生手段を備えたので、抽出作用をさらに助長
させることができるとともに、超音波照射による気泡の
衝撃波により有機ハロゲン系化合物を一部分解すること
ができる。
【0122】[請求項10]の発明によれば、前記溶解
槽に超音波発生手段を備えたので、溶解作用をさらに助
長させることができるとともに、超音波照射による気泡
の衝撃波により有機ハロゲン系化合物を一部分解するこ
とができる。
【0123】[請求項11]の発明によれば、前記スク
レーパによって取り出された処理済液を受け入れる貯蔵
部を設けたので、分解処理後の被処理物を貯蔵すること
ができる。
【0124】[請求項12]の発明によれば、前記抽出
槽の槽内に抽出液を加熱する加熱コイルを設けると共に
抽出液を濃縮する回収装置と、前記貯蔵部の槽内に処理
済液を加熱する加熱コイルを設けると共に処理済液から
溶媒を回収する回収装置とを備えたので、電子線照射に
よるダイオキシンの分解処理が常温近傍において行われ
る設備構成とすることができ、熱エネルギー損失が少な
く操作を安全に行うことができ、運転費を従来方式に比
べて大幅に低減させることができる。
【0125】[請求項13]の発明によれば、前記回収
装置が低真空ポンプ又はコンプレッサと、空冷ファンと
空冷タンク又は水冷タンクから構成されているので、溶
媒の回収効率が向上する。
【0126】[請求項14]の発明によれば、前記加熱
コイルが自家発電機の駆動エンジンの温水を循環させれ
ることによって加熱されるものであるので、該発電機に
よって電力を賄い、水など本装置以外からユーティリテ
ィを必要としないので、電力、水などのユーティリティ
がない場所でも、ダイオキシン分解処理を行うことがで
きる。
【0127】[請求項15]の発明によれば、前記アル
カリ性アルコール溶液が、イソプロピルアルコールと水
酸化カリウム又は水酸化ナトリウムとの混合液若しくは
エチルアルコールと水酸化カリウム又は水酸化ナトリウ
ムとの混合液であるので、ダイオキシン類等有機ハロゲ
ン系化合物の分解効率が向上する。
【0128】[請求項16]の発明によれば、有機ハロ
ゲン系化合物の分解処理装置を据え付け台上に搭載し、
運搬できるようにしたことを特徴とする。
【0129】[請求項17]の発明によれば、有機ハロ
ゲン系化合物の分解処理装置を移動台車上に搭載し、移
動できるようにしたので、任意の場所へ有機ハロゲン系
化合物の分解処理装置を可搬移動又は自走もしくは牽引
により移動させることができる。
【0130】[請求項18]の有機ハロゲン系化合物の
分解処理方法の発明によれば、灰又は土壌中の有機ハロ
ゲン系化合物を抽出剤で抽出し、該抽出物を移送させつ
つ薄膜状の処理液とし、該薄膜状の処理液に電子線を照
射して、処理液中の有機ハロゲン系化合物を分解処理す
るので、熱エネルギ損失がなく、ハンドリング操作を安
全に行うことができる。
【0131】[請求項19]の有機ハロゲン系化合物の
分解処理方法の発明によれば、灰又は土壌中の有機ハロ
ゲン系化合物を抽出剤で抽出し、前記抽出物を濃縮して
第1の処理液を生成し、第1の処理液にアルカリ性アル
コール溶液を添加して有機ハロゲン系化合物を溶解させ
第2の処理液を生成し、前記第2の処理液と残渣に向っ
て電子線を照射して、該処理液中の有機ハロゲン系化合
物を分解処理するので、処理効率が向上する。
【0132】[請求項20]の発明によれば、前記処理
液中の有機ハロゲン系化合物を脱ハロゲン化反応により
分解処理する電子線量が低いものとしたので、少ない線
量においても効率的な有機ハロゲン系化合物の分解処理
が可能となる。
【0133】[請求項21]の発明によれば、前記処理
液中の有機ハロゲン系化合物を脱ハロゲン化反応により
分解処理する電子線量が500kGy以下であるので、
少ない線量においても効率的な有機ハロゲン系化合物の
分解処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図2】図1におけるA−A矢視図である。
【図3】照射線量とダイオキシン濃度比の関係を示すグ
ラフである。
【図4】ダイオキシン濃度比と吸収線量との関係を示す
グラフである。
【図5】本発明による第2の実施の形態を示す混合器の
概念図である。
【図6】本発明による第3の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図7】本発明による第4の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図8】本発明による第5の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図9】本発明による第6の実施の形態を示す概念図で
ある。
【図10】本発明による第7の実施の形態を示す概念図
である。
【図11】第8の実施の形態の説明図である。
【図12】第8の実施の形態の回転テーブルの説明図で
ある。
【図13】第8の実施の形態の回転テーブルの説明図で
ある。
【図14】吸収線量と深さ方向との関係を示すグラフで
ある。
【図15】本発明による第9の実施の形態を示す概念図
である。
【図16】本発明による第10の実施の形態を示す概念
図である。
【図17】従来技術による電気抵抗溶融炉の一例を示す
概念図である。
【図18】従来技術による熱分解炉の一例を示す概念図
である。
【符号の説明】
1 灰 2 灰受入装置 11 抽出槽 12 抽出剤 13 溶解槽 14a 有機溶媒 14b アルカリ 14 アルカリ性アルコール溶媒 15 回収装置 16 溶媒回収装置 17 溶媒槽 18 アルカリ槽 19 攪拌手段 20 供給手段 22 処理液移送手段 23 凹溝 24 スクレーパ 25 電子線照射手段 26 電子線 27 制御部 28 貯蔵部 30 撹拌翼 41 超音波発生手段 42 電子線反射体 46 移動台車 47 据付台 48 吊り金具 51 凹溝 52 スクレーパ 60 加熱コイル 61 低真空ポンプ(又はコンプレッサ) 62 空冷ファン 63 空冷タンク 64 回収装置 65 空冷ファン 66 低真空ポンプ(又はコンプレッサ) 67 空冷タンク 68 溶媒回収装置 70 ラジエータ 71 エンジン 72 自家発電機 73 戻り配管 74 供給配管 75 電力ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 5/00 ZAB (72)発明者 小笠原 弘明 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 若元 郁夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 飯田 耕三 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 栗田 耕一 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BD11 BD17 4D004 AA36 AA41 AB06 AB07 CA22 CA43 CA50 CB02 CB45

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 灰又は土壌を抽出溶媒と撹拌混合して有
    機ハロゲン系化合物を抽出する抽出槽と、 該抽出槽内において有機ハロゲン系化合物を抽出した抽
    出液にアルカリ溶液を添加して処理液とし、該処理液に
    向って電子線を照射する電子線照射手段とを備え、 前記処理物中の有機ハロゲン系化合物を電子線により分
    解処理することを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分
    解処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記抽出液を濃縮し、該濃縮液中の有機ハロゲン系化合
    物及び残渣をアルカリ性アルコール溶液により溶解させ
    て希釈する溶解槽を備えてなることを特徴とする有機ハ
    ロゲン系化合物の分解処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記灰又は土壌中の有機ハロゲン系化合物を抽出する抽
    出液が、トルエン,イソプロピルアルコール又はハイド
    ロフルオロエーテルのいずれか一種であることを特徴と
    する有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、 前記有機ハロゲン系化合物を溶解させた処理液及び残渣
    を少量ずつ供給し、薄膜状態で電子線を照射し、被処理
    物中の有機ハロゲン系化合物を分解処理する移送手段を
    備えてなることを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分
    解処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記電子線照射手段により電子線を照射した後の処理済
    液を前記移送手段から取出すスクレーパを設けたことを
    特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、 前記移送手段が上面に凹溝を有する回転テーブルである
    ことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれか一項におい
    て、 前記移送手段の上面に形成した凹溝が外周側が高く、内
    側に向かって傾斜してなることを特徴とする有機ハロゲ
    ン系化合物の分解処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至7のいずれか一項におい
    て、 前記移送手段の上面に形成した凹溝内に電子線反射体を
    設けたことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処
    理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1において、 前記抽出槽に超音波発生手段を備えたことを特徴とする
    有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項2において、 前記溶解槽に超音波発生手段を備えたことを特徴とする
    有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項5において、 前記スクレーパによって取り出された処理済液を受け入
    れる貯蔵部を設けたことを特徴とする有機ハロゲン系化
    合物の分解処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記抽出槽の槽内に抽出液を加熱する加熱コイルを設け
    ると共に抽出液を濃縮する回収装置と、 前記貯蔵部の槽内に処理済液を加熱する加熱コイルを設
    けると共に処理済液から溶媒を回収する回収装置とを備
    えたことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記回収装置が低真空ポンプ又はコンプレッサと、空冷
    ファンと空冷タンク又は水冷タンクから構成されている
    ことを特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項12において、 前記加熱コイルが自家発電機の駆動エンジンの温水を循
    環させることによって加熱されるものであることを特徴
    とする有機ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  15. 【請求項15】 請求項2において、 前記アルカリ性アルコール溶液が、イソプロピルアルコ
    ールと水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムとの混合
    液、若しくはエチルアルコールと水酸化カリウム又は水
    酸化ナトリウムとの混合液であることを特徴とする有機
    ハロゲン系化合物の分解処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15に記載の有機ハロゲ
    ン系化合物の分解処理装置を据え付け台上に搭載し、運
    搬できるようにしたことを特徴とする有機ハロゲン系化
    合物の分解処理装置。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至15に記載の有機ハロゲ
    ン系化合物の分解処理装置を移動台車上に搭載し、移動
    できるようにしたことを特徴とする有機ハロゲン系化合
    物の分解処理装置。
  18. 【請求項18】 灰又は土壌中の有機ハロゲン系化合物
    を抽出剤で抽出し、 該抽出物を移送させつつ薄膜状の処理液とし、該薄膜状
    の処理液に電子線を照射して、処理液中の有機ハロゲン
    系化合物を分解処理することを特徴とする有機ハロゲン
    系化合物の分解処理方法。
  19. 【請求項19】 灰又は土壌中の有機ハロゲン系化合物
    を抽出剤で抽出し、 前記抽出物を濃縮して第1の処理液を生成し、 第1の処理液にアルカリ性アルコール溶液を添加して有
    機ハロゲン系化合物を溶解させ第2の処理液を生成し、 前記第2の処理液と残渣に向って電子線を照射して、該
    処理液中の有機ハロゲン系化合物を分解処理することを
    特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理方法。
  20. 【請求項20】 請求項18又は19において、 前記処理液中の有機ハロゲン系化合物を脱ハロゲン化反
    応により分解処理する電子線量が低いものであることを
    特徴とする有機ハロゲン系化合物の分解処理方法。
  21. 【請求項21】 請求項20において、 前記電子線量が500kGy以下であることを特徴とす
    る有機ハロゲン系化合物の分解処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002336836A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Japan Atom Energy Res Inst ダイオキシン類及び/又はポリ塩化ビフェニルに汚染した固体の浄化装置
JP2003175399A (ja) * 2001-12-12 2003-06-24 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 廃棄物処理装置および廃棄物処理方法
KR100753906B1 (ko) 2006-10-24 2007-08-31 한국원자력연구원 하·폐수 처리 슬러지로부터 생물학적 영양염류처리를 위한탄소원 회수 및 슬러지 저감방법
CN102989102A (zh) * 2012-11-28 2013-03-27 暨南大学 垃圾焚烧发电厂电子束辐照降解二恶英装置及方法

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